WO2009130858A1 - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

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Abstract

 陽極(12)および透明陰極(14)と、当該両電極に挟まれた有機物からなる有機層(13)とを備える有機エレクトロルミネッセンス素子であって、透明陰極(14)と有機層(13)との間に形成され、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のうち少なくとも一方を主成分とする金属であり、有機層(13)へ電子を注入する電子注入層(15)と、電子注入層(15)と透明陰極(14)との間に形成され、正孔輸送性の有機物質を含有する陰極バッファ層(16)とを備える。これにより、経時劣化が抑制され、安定性に優れた有機EL素子を提供できる。

Description

有機エレクトロルミネッセンス素子
 本発明は有機エレクトロルミネッセンス素子に関し、特に、ディスプレイデバイス又は照明に用いられる有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
 有機物の薄膜を2つの電極で挟み、電圧印加により発光(エレクトロルミネッセンス)が得られる素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と記す)と呼ばれる。有機低分子材料を用いる有機EL素子は1960年代に見出され(非特許文献1)、1980年代に実用的なプロセスと特性の素子構造が開発された(非特許文献2)。低分子材料を用いる有機EL素子は、真空蒸着法によりその有機薄膜を形成することができ、真空プロセスでの不純物やダストの混入が少ない条件下での素子作製が可能であり、長寿命で画素欠陥が少ないという特徴がある。その後1990年代前半には、高分子を用いた有機EL素子が報告されている(非特許文献3)。高分子材料を用いる有機EL素子は、高分子を溶媒に溶解して得られる溶液あるいは分散液を湿式法により塗布することによりその有機薄膜を得ることが可能であり、大気圧下において簡便で材料のロスが少ないプロセスが可能という特徴を有している。いずれの有機EL素子も、自発光で明るい、視野角依存性が小さい、大面積化や微細アレイ化が容易、などの特徴を有しており、ディスプレイの発光源や照明用光源として近年開発が進められている。
 図6は、非特許文献2に記載された従来の有機EL素子の構造断面図である。図6に記載された有機EL素子600は、透明基板601と、透明ボトム電極602と、有機層603と、不透明トップ電極604とを備える。透明基板601の上に透明ボトム電極602が積層され、有機層603からの発光が基板側から取り出される構造である。不透明トップ電極604としては金属電極などが用いられ、有機層603からの発光が反射される。以下、有機EL素子600と同様の構造を有する有機EL素子をボトムエミッション有機EL素子と記す。
 一方、図7は、有機層からの発光がトップ電極側から取り出される構造を有する従来の有機EL素子(特許文献1等)の構造断面図である。図7に記載された有機EL素子700は、不透明基板701と、不透明ボトム電極702と、有機層703と、透明トップ電極704とを備える。不透明基板701の上に不透明ボトム電極702が積層され、有機層703からの発光が透明トップ電極704から取り出される構造である。以下、有機EL素子700と同様の構造を有する有機EL素子をトップエミッション有機EL素子と記す。
 有機EL素子とそれを駆動する薄膜トランジスタ(以下TFTと記す)とからなるアクティブマトリックス型有機ELディスプレイへの適用性を考えた場合、トップエミッション有機EL素子が、ボトムエミッション有機EL素子よりも適性に優れる。なぜならば、ボトムエミッション有機EL素子の場合、発光は基板側から取り出されるので、画素面積に占める有機EL発光部の面積は、基板上の不透明なTFTや電気配線以外の面積に制限されてしまうからである。同時に、画素内のTFTや電気配線の面積は、有機ELの面積確保が優先されるため、なるべく小さくする必要があり、設計の自由度が制約される。
 これに対して、トップエミッション有機EL素子の場合、発光は基板と逆側から取り出されるので、基板側のTFT層に重ねて有機EL素子を形成することができ、TFT層の面積を画素面積まで広げることが可能である。これによって、TFTのチャネル幅が拡大されるので有機EL素子に供給される電流量が増大し、あるいは、TFTの数を増加させ電流補償回路を形成することができるので、ディスプレイの面内輝度分布が均一化される。加えて、画素面積に占める有機EL素子の面積の割合が増加するので、単位素子あたりの発光負荷が減少し、ディスプレイの寿命が向上する。
 特に、ディスプレイへの応用において利益が大きいトップエミッション有機EL素子では、透明トップ電極704用の電極として、可視光透過性と良好な電導性をあわせもつインジウムスズ酸化物(以下ITOと記す)電極などの金属酸化物系の電極が用いられる。これらは抵抗加熱蒸着によって良好な透明性と導電性をもつ薄膜として形成されることが困難であるので、スパッタ法やプラズマを用いた成膜法が用いられる。
 また、一般に、有機EL素子構造は、ボトム電極が陽極、トップ電極が陰極となる。特に有機高分子材料を用いる有機EL素子の場合には、高分子層はスピンコート法やインクジェット法といった湿式法により形成される。電子を供給する機能を有する陰極として使用されているアルカリ金属やアルカリ土類金属あるいはそれらの塩は、水や酸素と反応し、不安定な状態となりやすい。よって、陰極をボトム電極とした場合、ボトム電極を構成しているアルカリ金属やアルカリ土類金属あるいはそれらの塩が、成膜初期が液層である有機層と反応し、積層界面にて相互溶出や相互拡散が発生するため、積層界面の制御が困難となってしまう。この観点からも、陰極がトップ電極である構造がとられる。
 しかし、透明陰極をトップ電極としたトップエミッション有機EL素子には、以下のような問題点がある。
 透明トップ電極704であるITOの成膜に用いられるスパッタ法やプラズマを用いる製膜方法は、下地の有機層へのダメージが大きい。このダメージにより、素子の駆動不安定性や発光効率の低下、駆動電圧の上昇、寿命の低下などの弊害が発生する。
 加えて、ITOなどの金属酸化物系の透明電極は、その高い仕事関数から、正孔注入特性には優れるが、電子注入は容易ではない。したがって、本来電子注入が容易でないITOなどの金属酸化物系の透明電極から電子を注入するためには、この電極と発光層との間に電子注入を促進する電子注入層を設けることが必要である。
 この電子注入層として、アルカリ金属及びアルカリ土類金属が有効に機能することが知られている。ここでアルカリ金属とは、リチウム、ナトリウム、カルシウム、ルビジウム、セシウム、フランシムを指し、アルカリ土類金属とは、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウムを指す。しかしながら、例えば、単純にバリウムからなる電子注入層をITO層と接触させて積層構造にした場合、ITOが酸化性の物質であるために、このITO層に接触するバリウムが酸化されてしまい、電子注入性が著しく低下し、デバイスとして機能しない。
 これらの課題を解決するためには、電子注入金属とITOに代表される金属酸化物電極との間に何らかの緩衝層(以後、陰極バッファ層と記す)を設けることが有用である。
 この陰極バッファ層の性能要件としては、以下の項目が挙げられる。
(1)透明陰極による酸化から電子注入金属を守る。(素子の安定性向上のため)
(2)透明性が高い。(素子内で生じた発光を効率よく素子外部に取り出すため)
(3)透明陰極成膜時のプロセスダメージから電子注入層、発光層を守る。(素子の安定駆動、高発光効率、長寿命のため)
(4)透明陰極から電子注入層への電子の輸送および注入に優れる。(低駆動電圧のため)
 従来のトップエミッション有機EL素子用の陰極バッファ層として、例えば特許文献2が開示されている。特許文献2では、低仕事関数の金属が混合された電子輸送性の有機物が透明電極の下に陰極バッファ層として用いられている。低仕事関数の金属が混合されることにより、電子輸送性の有機物質が還元されて(n-ドープされて)ラジカルアニオン状態を生じ、膜内に自由電子が生じる。よって、透明陰極からの電子注入性が促進されるとともに、陰極バッファ層自体の電導度が高くなる。これは、上記陰極バッファ層の性能要件のうち、(4)を満たすことを意味する。
 また、上記陰極バッファ層は、良好な透明性を有する。これは、多くの電子輸送性の有機物質が透明性に優れると共に、混合した金属は酸化されて陽イオン性となっているので、透明性が増すことによる。このことは、上記陰極バッファ層の性能要件のうち、(2)を満たすことを意味する。
 さらに、電導度と透明度が高いので、駆動電圧の増大と発光効率の大きな低下がなく膜厚を厚くすることができるので、透明陰極成膜時のプロセスダメージから電子注入層および発光層を守ることができる。これは、上記陰極バッファ層の性能要件のうち、(3)を満たすことを意味する。
特開平10-162959号公報 特開2004-127740号公報
M. Popeら、Journal of Chemical Physics 38号 2042~2043ページ、1963年 C. W. TangとS. A. VanSlyke、Applied Physcs Letters 51号、913~915ページ、1987年 J. H. Burroughesら、Nature 347号、539~541ページ、1990年
 しかしながら、特許文献2に記載された、低仕事関数の金属が混合された電子輸送性の有機物である陰極バッファ層の中には、電子輸送性の有機物質が還元されたラジカルアニオン状態および低仕事関数の金属が含まれているので、当該陰極バッファ層はITO層のような透明酸化物電極によって酸化されやすい。したがって、低仕事関数の金属が混合された電子輸送性の有機物からなる陰極バッファ層は、前述した陰極バッファ層の性能要件(1)~(4)のうち、(2)~(4)に対しては比較的良好な特性を示すものの、(1)に対しては十分な性能を示さず、長期間のデバイス駆動や保存中の寿命が低下するという課題を有するので、実用上問題がある。
 また、低仕事関数金属は酸化されやすいので、空気中での取り扱いが難しく、成膜ターゲットとして蒸着装置に備え付けるときの酸化等の製造上の課題を有するという観点から、できる限り使用量を減らすことが好ましい。
 上述したように、ITO層などの陰極をトップ電極として、従来、電子輸送性の有機物質に還元性の物質を混合した層構成が提案されているが、高発光効率および低駆動電圧を確保しながら駆動寿命および保存寿命に優れたものは得られていない。
 上記課題に鑑み、本発明は、寿命特性および安定性に優れた有機EL素子を提供することを目的とする。
 上記目的を達成するために、本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、陽極および陰極と、前記両電極の間に形成された有機発光層とを備える有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記陰極と前記有機発光層との間に形成され、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のうち少なくとも一方を主成分とする金属であり、前記有機発光層へ電子を注入する電子注入層と、前記電子注入層と前記陰極との間に形成され、正孔輸送性の有機物質を含有する陰極バッファ層とを備えることを特徴とする。
 正孔輸送性の有機物質は、電子ドナー性を有し陽イオンになりやすい性質と、発生した正孔を分子間の電荷移動反応により伝達する性質を併せ持つ。これにより、陰極から電子注入層までの電荷輸送機能を有することができる。また、正孔輸送性の有機物質を含有する陰極バッファ層は、酸化されにくいので、容易に空気中で取り扱うことができ、また、特性劣化を抑制することができる。さらに、アルカリ金属やアルカリ土類金属を含有する電子注入層が、上記陰極バッファ層と有機発光層との間に挿入されているので、陰極成膜時のプラズマや熱などから電子注入層および有機発光層を保護することができる。また、上記アルカリ金属やアルカリ土類金属が酸化されることがなく、安定的に有機発光層へ電子を供給することができる。よって、経時劣化が抑制され、素子の駆動および保存安定性を向上させることができる。
 また、前記陰極バッファ層は、前記正孔輸送性の有機物質を電子不足にする物質を含むことが好ましい。
 これにより、陰極バッファ層内に、移動可能な正孔電荷の発生を促進させることができるので、電導度を高めることが可能となる。よって、素子の低駆動電圧化が図られる。
 また、前記正孔輸送性の有機物質を電子不足にする物質は、フラーレン類であることが好ましい。
 更には、前記フラーレン類は、フラーレンC60であることが好ましい。
 フラーレン類は、電子受容性を備えているので、正孔輸送性の有機材料を電子不足にする物質として好適であり、C60はより好適である。これにより、素子の低駆動電圧化が図られる。
 また、前記正孔輸送性の有機物質を電子不足にする物質は、遷移金属酸化物であることが好ましい。
 更には、前記遷移金属酸化物は、酸化モリブデン、酸化タングステンおよび酸化バナジウムのうち少なくともいずれか1つであることが好ましい。
 遷移金属酸化物は、電子受容性を備えており、特に、酸化モリブデン、酸化タングステンおよび酸化バナジウムは、伝導帯のエネルギーレベルの絶対値が真空準位に対して4.0eV以上であり、電子を奪う(酸化性)性質が強いので、正孔輸送性の有機材料を電子不足にする物質として好適である。これにより、素子の低駆動電圧化が図られる。
 また、前記正孔輸送性の有機物質を電子不足にする物質は、最低非占有分子軌道のエネルギーレベルの絶対値が真空準位に対して4eV以上の有機物質であることが好ましい。
 更には、前記正孔輸送性の有機物質を電子不足にする物質は、シアノ基を含有する有機化合物、または、炭素-窒素二重結合を含む環状分子構造を有する有機化合物であることが好ましい。
 最低非占有分子軌道のエネルギーレベルの絶対値が真空準位に対して4eV以上である有機物質は、電子を奪う(酸化性)性質が強く、正孔輸送性の有機材料を電子不足にする物質として好適である。特に、シアノ基を含有する有機化合物、または、炭素-窒素二重結合を含む環状分子構造を有する有機化合物は、最低非占有分子軌道のエネルギーレベルの絶対値が真空準位に対して大きな値になる傾向があり、正孔輸送性の有機材料を電子不足にする物質としてより好適である。これにより、素子の低駆動電圧化が図られる。
 また、前記電子注入層は、前記有機発光層の表面に接して積層されてもよい。
 これにより、有機発光層の直上に電子輸送機能を有する有機層を積層する必要がないので、材料コストの低減及び成膜工程の簡略化が図られる。
 また、前記有機発光層は、高分子有機化合物からなることが好ましい。
 これにより、有機高分子を溶媒に溶解して得られる溶液又は分散液を湿式法により塗布することで有機発光層が得られるので、大気圧下での簡便プロセスを用いることができ、また、材料ロスを低減できる。よって、生産性の向上が図られる。
 また、前記陽極、前記有機発光層、前記電子注入層、前記陰極バッファ層および前記陰極は、基板上にこの順で積層され、前記陰極は、光を透過する透明電極であり、前記電子注入層の膜厚は、1nm以上20nm以下であることが好ましい。
 これにより、有機発光層の上層側から発光が取り出されるトップエミッション有機EL素子において、有機発光層からの発光が電子注入層で反射されることがなく、かつ、陰極で吸収されることがないので、高い発光効率を得ることが可能となる。
 また、本発明は、上記のような特徴を有する有機エレクトロルミネッセンス素子として実現することができるだけでなく、このような有機エレクトロルミネッセンス素子を備えるディスプレイパネルとしても、同様の構成と効果がある。
 また、本発明は、このような特徴的な手段を備える有機エレクトロルミネッセンス素子として実現することができるだけでなく、有機エレクトロルミネッセンス素子に含まれる特徴的な手段をステップとする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法として実現することができる。
 本発明の有機EL素子によれば、電子注入層により陰極から有機発光層への電子注入が促進され、陰極バッファ層により容易に空気中で取り扱うことができ、また、特性劣化を抑制することができるので、駆動寿命および保存安定性に優れた有機EL素子を提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態における有機EL素子の構造断面図である。 図2は、本発明の実施の形態における変形例を示す有機EL素子の構造断面図である。 図3は、正孔輸送性の有機物質および正孔輸送性の有機物質を電子不足にする物質のエネルギーレベルの概念図である。 図4(a)~(e)は、本発明に係る実施例1における有機EL素子の製造方法を説明する工程図である。 図5は、本発明の有機EL素子が用いられるTVの外観図である。 図6は、非特許文献2に記載された従来の有機EL素子の構造断面図である。 図7は、有機層からの発光がトップ電極側から取り出される構造を有する従来の有機EL素子の構造断面図である。
 本実施の形態における有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と記す)は、陽極と、陰極と、当該両電極の間に形成された有機発光層と、前記陰極と前記有機発光層との間に形成されアルカリ金属及びアルカリ土類金属のうち少なくとも一方を主成分とする金属であり前記有機発光層へ電子を注入する電子注入層と、前記電子注入層と前記陰極との間に形成され正孔輸送性の有機物質を含有する陰極バッファ層とを備える。これにより、陰極から電子注入層までの電荷輸送機能を有することができる。また、陰極バッファ層は、酸化されにくいので、容易に空気中で取り扱うことができ、特性劣化を抑制することができる。さらに、陰極成膜時のプラズマや熱などから電子注入層および発光層を保護することができる。よって、素子の駆動および保存安定性を向上させることができる。
 以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
 図1は、本発明の実施の形態における有機EL素子の構造断面図である。同図における有機EL素子1は、基板11と、陽極12と、有機層13と、透明陰極14と、電子注入層15と、陰極バッファ層16とを備える。
 基板11としては、特に限定されるものではないが、例えば、ガラス基板、石英基板などが用いられる。また、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルホンなどのプラスチック基板を用いて、有機EL素子に曲げ性を付与することもできる。本発明の構造は、これまで述べたように、特に、トップエミッション有機EL素子に対して効果が大きいので、不透明プラスチック基板や金属基板を用いることが可能である。また、基板上に有機ELを駆動するための金属配線やトランジスタ回路が形成されていてもよい。
 陽極12としては、特に限定されるものではないが、反射性の金属を用いることが可能である。例えば、銀、アルミニウム、ニッケル、クロム、モリブデン、銅、鉄、白金、タングステン、鉛、錫、アンチモン、ストロンチウム、チタン、マンガン、インジウム、亜鉛、バナジウム、タンタル、ニオブ、ランタン、セリウム、ネオジウム、サマリウム、ユーロピウム、パラジウム、銅、ニッケル、コバルト、モリブデン、白金、シリコンのうちのいずれかの金属、これらの金属の合金、またはそれらを積層したものを用いることが可能である。
 有機層13としては、特に限定されるものではないが、陽極12側から順に、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層が形成されている。正孔注入層は、陽極12から注入された正孔を安定的に、又は正孔の生成を補助して正孔輸送層へ注入する機能を有する。また、正孔輸送層は、正孔注入層から注入された正孔を有機発光層内へ輸送する機能を有する。有機発光層は、正孔と電子が注入され再結合されることにより励起状態が生成され発光する機能を有する。
 なお、有機層13は、有機発光層一層でもよく、また、有機発光層を少なくとも一層含む多層が積層されたものでもよい。また、有機層13は、有機発光層を少なくとも一層含めば、無機層を含んでいても良い。また、有機層13は、低分子有機化合物でも、高分子有機化合物でも良い。低分子有機材料は、特に限定されるものではないが、好ましくは抵抗加熱蒸着法で形成される。高分子有機材料は、特に限定されるものではないが、好ましくは、溶液からのスピンキャスト法などに代表されるキャスト法やディップコートなどに代表されるコート法、インクジェット法などに代表される湿式印刷法により形成される。
 有機層13として高分子有機化合物を用いることにより、有機高分子を溶媒に溶解して得られる溶液又は分散液を湿式法により塗布することで有機層が得られるので、大気圧下での簡便プロセスを用いることができ、また、材料ロスを低減できる。よって、生産性の向上が図られる。
 電子注入層15は、電子の生成を補助して有機層13の有する有機発光層へ電子を注入する機能を有する。また、電子注入層15は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のうち少なくとも一方を主成分とする金属の層であり、アルカリ金属及びアルカリ土類金属を2種類以上含有していてもよい。これには、アルカリ金属とアルカリ土類金属の双方を含有する場合を含む。また、電子注入層15は、特に限定されるものではないが、好ましくはリチウム、ルビジウム、セシウム、カルシウム、バリウムを用いることが可能である。
 この層の膜厚としては、好ましくは1~20nm、より好ましくは3~7nmである。電子注入層15が薄すぎると、電子注入層15の上層の蒸着時、元来潜在している、あるいは外部から侵入する水や酸素によって容易に劣化してしまい、低電圧、高効率の特性を得ることが困難となる。これら水や酸素は、上記上層の蒸着時、あるいは膜内の吸着などの潜在、あるいは外部から侵入してくる経路が考えられ、一般に完全に取り除くことはできない。一方、この層が厚すぎると、これらは基本的に光を透過しない金属膜であるため、有機層で生成した発光を吸収あるいは素子内部に閉じ込めてしまうために、高い発光効率を得ることが困難となる。
 なお、電子注入層15には必要に応じて、アルカリ金属元素及びアルカリ土類金属元素以外に他の材料を混ぜても良い。たとえばアルミニウムなどを含有させて合金化することは電極の安定性を高めることに寄与する。これらは、特に限定されるものではないが、好ましくは、抵抗加熱蒸着法又は電子ビーム蒸着法により形成される。
 なお、上記有機発光層の直上に電子注入層15が積層されることにより、電子輸送機能を有する有機層の積層が省略されるので、材料コストの低減及び成膜工程の簡略化が図られる。この構造は、湿式製法による簡略化で低コスト化に利点のある高分子有機発光層を用いる有機エレクトロルミネッセンス素子において特に効果がある。
 陰極バッファ層16は、正孔輸送性の有機物質を含有する。正孔輸送性の有機物質とは、電子ドナー性を持ち陽イオン(正孔)になりやすい性質と、生じた正孔を分子間の電荷移動反応により伝達する性質を併せ持つ有機物質と定義する。これは、p-型の有機半導体と呼ばれることもある。よって、陰極バッファ層16は、陰極と電子注入層との間にあって、電荷を輸送する機能を有する。
 また、正孔輸送性の有機物質は酸化されにくいという性質を有するので、陰極バッファ層16は、上層である透明陰極14の成膜時において酸化されにくい。よって、電荷輸送性能の劣化が抑制される。
 さらに、陰極バッファ層16を形成することにより、透明陰極14の成膜時において、電子注入層15および有機発光層がプラズマダメージを受けることを防御することが可能となる。
 陰極バッファ層16は、特に限定されるものではないが、芳香族アミンを用いることができる。好ましくは以下の式
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
で表されるトリフェニルアミンの誘導体が用いられる。なお、トリフェニルアミンの誘導体の具体的な例としては、[化1]の化学構造における3つのフェニル基がナフチル基やアントラニル基など多環式芳香族置換基あるいはその誘導体でもよいし、前記フェニル基の水素が脂肪族置換基や芳香族置換基あるいは別の置換基で置換されていてもよい。また、分子内のアミノ基の数は1つのみでなく2つ以上あってもよい。これらトリフェニルアミンの誘導体を総称して、以後トリアリールアミン誘導体と記す。
 トリアリールアミン誘導体は、一般に上記の特性を満たすことが、Y.ShirotaおよびH.KageyamaによるChem.Rev.107号、2007年、953~1010ページ(非特許文献:4)に開示されている。また、トリアリールアミン誘導体の一例である、以下の式
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
で表される化合物(以後、NPDと記す)は、正孔移動度が10-4cm2/Vcmのオーダーであり、その最高占有分子軌道のエネルギーレベルは5.1eVであることが、Y.ShirotaおよびH.KageyamaによるChem.Rev.107号、2007年、953~1010(非特許文献:4)ページに開示されている。
 また、陰極バッファ層16は、特に限定されるものではないが、好ましくは、抵抗加熱による真空蒸着法により形成される。
 また、陰極バッファ層16として用いられる芳香族アミンとしては、以下の式
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007
で表される芳香族アミンが挙げられる。これらは一般式であり、[化3]~[化7]において、各ベンゼン環の水素は別の置換基で置換されていてもよい。置換基の例としては、ハロゲン、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、フェノキシ基、ナフチル基、アンスリル基、ピリジル基、チエニル基、ジフェニルアミノ基、ジフェニルアミノフェニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。置換基に芳香族環が含まれる場合は、それらの水素がアルキル基で置換されていてもよい。また、各ベンゼン環は、縮合芳香族環の一部でもよい。縮合芳香族環の例としては、ナフタレン、アントラセン、キノリン、クマリンなどが挙げられる。
 また、陰極バッファ層16として用いられるトリフェニルアミンの誘導体としては、上記トリアリールアミン誘導体の他、カルバゾール誘導体が挙げられる。カルバゾール誘導体の例としては、以下の式
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000009
で表されるカルバゾール誘導体が挙げられる。これらは一般式であり[化8]および[化9]において、各ベンゼン環の水素は別の置換基で置換されていてもよい。置換基の例としては、ハロゲン、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、フェノキシ基、ナフチル基、アンスリル基、ピリジル基、チエニル基、ジフェニルアミノ基、ジフェニルアミノフェニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。置換基に芳香族環が含まれる場合は、それらの水素がアルキル基で置換されていてもよい。また、各ベンゼン環は、縮合芳香族環の一部でもよい。縮合芳香族環の例としては、ナフタレン、アントラセン、キノリン、クマリンなどが挙げられる。
 透明陰極14としては、特に限定されるものではないが、インジウムスズ酸化物やインジウム亜鉛酸化物が用いられる。これらは、特に限定されるものではないが、好ましくは、DC、RF、マグネトロン、あるいはECR等の各種スパッタ法、あるいはプラズマアシストの蒸着法により形成される。
 本実施の形態により、正孔輸送性の有機物質を含有する陰極バッファ層16は、酸化されにくいので、容易に空気中で取り扱うことができ、また、有機EL素子1の特性劣化が抑制される。さらに、アルカリ金属やアルカリ土類金属を含有する電子注入層15が、陰極バッファ層16と有機発光層との間に挿入されているので、陰極成膜時のプラズマや熱などから電子注入層15および有機発光層が保護される。また、陰極から電子注入層までの電荷輸送機能が確保され、上記アルカリ金属やアルカリ土類金属が酸化されることがなく安定的に有機発光層へ電子が供給される。よって、経時劣化が抑制され、素子の駆動および保存安定性が向上する。
 図2は、本発明の実施の形態における変形例を示す有機EL素子の構造断面図である。同図における有機EL素子2は、基板11と、陽極12と、有機層13と、透明陰極14と、電子注入層15と、陰極バッファ層26とを備える。
 図2に記載された有機EL素子2は、図1に記載された有機EL素子1と比較して、陰極バッファ層のみが構造的に異なる。同じ点は説明を省略し、以下異なる点のみを説明する。
 陰極バッファ層26は、陰極バッファ層16の主成分である正孔輸送性の有機物質の他、正孔輸送性の有機物質を電子不足にする物質を含有している。
 本発明において、図1に記載された有機EL素子1のように、トリアリールアミン誘導体のみでも保存および駆動安定性を向上させる効果が得られる。しかし、図2に記載された有機EL素子2のように、陰極バッファ層26がこの正孔輸送性の有機物質を電子不足にする(p-ドープする)材料を含有することにより、素子の駆動電圧を低下させる効果が得られるので、陰極バッファ層26を備えた有機EL素子は、さらに有用である。これは、正孔輸送性の有機物質を電子不足にすることにより、移動可能な正孔電荷の膜内発生が促進される結果、素子の電導度が向上するからである。
 なお、ここで、正孔輸送性の物質の電子不足状態とは、正孔輸送性の物質が中性状態よりも電子不足になっている状態と定義する。したがって、電子が正孔輸送性の物質から完全に引き抜かれて正孔輸送性の物質の陽イオン状態になる場合のみでなく、電子不足にする物質との間で電荷の受け渡しがあり、電荷移動錯体や弱いイオン対を形成する場合もこの定義の中に入る。このような電子が引き抜かれた状態と中性状態との変化を分析的に感知するためには、例えば、膜の電子吸収スペクトルを測定し、中性状態とは異なる吸収帯を観測することにより確認することができる。たとえばX.ZhouらによるAdv.Funct.Mater.11号、2001年、310~314ページ(非特許文献:5)には、電荷移動錯体が形成されることにより新しい電子吸収帯が形成されることが開示されている。
 陰極バッファ層26の有する正孔輸送性の有機物質を電子不足にする物質としては、電子受容性の物質が好ましい。この物質としては、特に限定されるものではないが、フラーレン類が好ましく、より好ましくはC60である。フラーレン類は、電子を受容する最低非占有分子軌道の真空準位に対するエネルギー準位が3.0eVより大きい値であり、また、芳香族系の有機物質から電子を奪う性質があるため、本用途に適性がある。
 また、正孔輸送性の有機物質を電子不足にする別の物質としては、遷移金属酸化物が好ましく、より好ましくは、酸化モリブデン、酸化タングステン、および酸化バナジウムである。これらの材料は、電子を受容する伝導帯のエネルギーレベルの絶対値が真空準位に対して4.0eV以上であり、電子を奪う(酸化性)の物質であるため、本用途に適性がある。
 また、正孔輸送性の有機物質を電子不足にする別の物質としては、最低非占有分子軌道のエネルギーレベルの絶対値が真空準位に対して4.0eV以上である有機化合物が好ましく、より好ましくは、シアノ基を含有する有機化合物か炭素-窒素二重結合を含む環状分子構造を有する有機化合物である。これらの置換基や化学構造を有する材料は最低非占有分子軌道の真空準位に対するエネルギー準位が大きな値になる傾向があり、適当な化学構造の設計により4eV以下のエネルギー準位となるからである。このような化合物としては、例えば以下の式
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000010
で表される化合物(以下、6CNと記す)が特許第3614405号公報(特許文献:3)および特開2007-230974号公報(特許文献:4)に開示されている。逆に、4eVより小さなエネルギー準位の材料を用いた場合、電子を引き抜く効果は小さく、前述の駆動電圧低減の効果を得ることは困難である。
 上述したように、正孔輸送性の有機物質を電子不足にする別の物質として、最低非占有分子軌道のエネルギーレベルの絶対値が真空準位に対して4.0eV以上であることが好ましい理由を、図3を用いて以下説明する。
 図3は、正孔輸送性の有機物質および正孔輸送性の有機物質を電子不足にする物質のエネルギーレベルの概念図である。正孔輸送性の有機物質および正孔輸送性の有機物質を電子不足にする物質に共通である真空準位に対し、正孔輸送性の有機物質は一般的に4.5~5.5eV程度のエネルギー準位の範囲に最高占有分子軌道を有している。この準位から正孔輸送性の有機物質を電子不足にする物質の最低非占有分子軌道へ電子を移動させるためには、図3に記載されたエネルギーギャップが小さい方が効果的である。従って、有機材料を電子不足にする物質の最低非占有分子軌道のエネルギー準位は、4eV以上であることが好ましい。
 陰極バッファ層26は、特に限定されるものではないが、抵抗加熱による共蒸着法により形成されることが好ましい。
 本実施の形態における変形例により、陰極バッファ層26内において、移動可能な正孔電荷の発生が促進されるので、有機EL素子2の電導度が高くなる。よって、素子の低駆動電圧化が図られる。
 従来、陰極バッファ層として正孔輸送性の材料が用いられなかったのは以下の理由による。陰極バッファ層は、陰極から電子注入層に電子を輸送する役割を担う。すなわち、陰極の仕事関数レベルから電子注入層の仕事関数レベルあるいはLUMOレベルに電子を受け渡すことがその役割である。よって、電子の注入障壁の観点からは、陰極バッファ層の電子注入レベルが陰極及び電子注入層の電子注入レベルに近いことが好ましく、この観点から、有機EL用の電子輸送材料として通常用いられている材料のLUMOレベルを利用して電子を輸送してやることが従来の常識であった。
 これに対し、本発明の有機EL素子は、陰極バッファ層に正孔輸送材料を用いた場合であっても、p-ドーパントの混合によって自由電子を与えることで、当該陰極バッファ層の界面において効率的なオーミック接合あるいはトンネル注入が得られ、電子輸送材料を用いた場合と同等の電荷輸送機能が得られることを着想することにより実現されたものである。
 次に、実施例及び比較例を挙げながら本発明を説明する。
 (実施例1)
 図4は、本発明に係る実施例1における有機EL素子の製造方法を説明する工程図である。まず、ガラス基板111(松浪ガラス製平坦ガラスを使用)表面上に、スパッタ法によりモリブデン97%、クロム3%からなる膜厚100nmの合金電極121を形成した。そして、合金電極121を所定の陽極形状にフォトリソグラフィ法によりパターニングした。次に、パターニングされた合金電極121表面上に、スパッタ法により膜厚60nmのインジウムスズ酸化物電極を補助陽極122として形成し、所定の陽極形状となるようフォトリソグラフィ法によりパターニングした(図4(a))。パターニングされた合金電極121及び補助陽極122は、陽極としての機能を有する。
 次に、有機層として、以下の3層を形成した。まず、パターニングされた補助陽極122表面上にスピンコート法によりポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT:ティーエーケミカル製Baytron P AI 4083)を形成した後、ホットプレート上で200℃、10分間加熱して膜厚60nmの正孔注入層131を形成した。次に、正孔注入層131の表面上に、スピンコート法によりHT12(サメイション製)のトルエン溶液を形成した後、窒素中ホットプレート上で200℃、30分間加熱して膜厚20nmの正孔輸送層132を形成した。次に、正孔輸送層132の表面上に、スピンコート法によりLumation Green(サメイション製)のキシレン溶液を形成した後、ホットプレート上で130℃、10分加熱して膜厚70nmの有機発光層133を形成した(図4(b))。
 次に、有機発光層133の表面上に、真空蒸着法によりバリウム(アルドリッチ製、純度99%以上)を蒸着することにより、膜厚5nmの電子注入層151を形成した(図4(c))。
 次に、電子注入層151の表面上に真空蒸着法によりトリアリールアミン誘導体の一例であるNPD(新日鐵化学製)を蒸着することにより、膜厚10nmの陰極バッファ層161を形成した(図4(d))。
 次に、陰極バッファ層161の表面上に、プラズマアシストの蒸着法(住友重工業製製膜装置を使用)によりインジウムスズ酸化物層を蒸着し、膜厚100nmの透明陰極141を形成した(図4(e))。
 最後に、図4には図示していないが、透明陰極141が形成された有機EL素子の空気中での評価を可能とするために、水および酸素濃度が1ppm以下の窒素ドライボックス中で素子のガラス缶封止を行った。
 (実施例2)
 本発明に係る実施例2における有機EL素子の製造方法は、図4に記載された陰極バッファ層161の膜厚を10nmから20nmへ変更して陰極バッファ層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして形成した。
 (実施例3)
 本発明に係る実施例3における有機EL素子の製造方法は、図4に記載された陰極バッファ層161の代わりに、真空蒸着法によりNPD(新日鐵化学製)と10wt%のC60(アルドリッチ製、純度99.9%以上)とを共蒸着して膜厚20nmの陰極バッファ層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして形成した。
 (実施例4)
 本発明に係る実施例4における有機EL素子の製造方法は、図4に記載された陰極バッファ層161の代わりに、真空蒸着法によりNPD(新日鐵化学製)と10wt%のC60(アルドリッチ製、純度99.9%以上)とを共蒸着して膜厚50nmの陰極バッファ層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして形成した。
 (実施例5)
 本発明に係る実施例5における有機EL素子の製造方法は、図4に記載された陰極バッファ層161の代わりに、真空蒸着法によりNPD(新日鐵化学製)と10wt%のWO3(アルドリッチ製、純度99.9%以上)とを共蒸着して膜厚20nmの陰極バッファ層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして形成した。
 (実施例6)
 本発明に係る実施例6における有機EL素子の製造方法は、図4に記載された陰極バッファ層161の代わりに、真空蒸着法によりNPD(新日鐵化学製)と10wt%の[化10]で表される化合物6CNとを共蒸着法して膜厚20nmの陰極バッファ層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして形成した。なお、化合物6CNの合成は、“Improved Synthesis of 1,4,5,8,9,12-Hexaazatriphenylenehexacarboxylic Acid”、SYNTHESIS、April、1994年、378-380ページ(非特許文献:6)に開示されている方法により行った。
 (実施例7)
 本発明に係る実施例7における有機EL素子の製造方法は、図4に記載された陰極バッファ層161の代わりに、真空蒸着法によりNPD(新日鐵化学製)と10wt%の以下の式
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000011
で表される化合物Alqとを共蒸着して膜厚20nmの陰極バッファ層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして形成した。
 (実施例8)
 本発明に係る実施例7における有機EL素子の製造方法は、図4に記載された陰極バッファ層161の代わりに、真空蒸着法により以下の式
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000012
で表される化合物TNATA(バンドー化学製)と10wt%のC60(アルドリッチ製、純度99.9%以上)とを共蒸着して膜厚20nmの陰極バッファ層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして形成した。
 (比較例1)
 比較例1における有機EL素子の製造方法は、図4に記載された陰極バッファ層161を積層しないで(図4(d)を実行せずに)、電子注入層であるバリウム層表面上に透明電極であるITOを直接形成したこと以外は、実施例1と同様にして形成した。
 (実施例及び比較例の評価)
 以上の実施例1~8及び比較例1では、合金電極121及び補助陽極122を正、透明陰極141を負として10mA/cm2の電流を素子に流したときの駆動電圧と輝度を測定することにより、この時の駆動電圧及び発光効率を求めた。さらに、これらの素子を4000cd/m2で発光させ、一定電流で駆動し続けたときの輝度の減衰を測定し、輝度が半減(2000cd/m2)したときの時間を素子寿命とした。表1は、実施例1~8及び比較例1のそれぞれの評価結果である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表1において、合金電極MoCrの膜厚は全て100nm、補助電極ITOの膜厚は全て60nm、正孔注入層PEDOTの膜厚は全て80nm、正孔輸送層ILの膜厚は全て20nm、有機発光層EMLの膜厚は全て75nm、電子注入層Baの膜厚は全て5nm、透明電極ITOの膜厚は全て100nmである。
 比較例1で作製された従来の素子は、素子作製直後は中程度の発光効率で発光するものの、陰極バッファ層を有しないために、透明陰極であるITOによって電子注入層であるBaが短時間で酸化されてしまい、1時間程度で発光輝度は半減してしまう。
 一方、実施例1で作製された、陰極バッファ層161としてNPDを用いる素子は、比較例1と比較して、駆動電圧がやや上昇してしまうものの、比較例1よりも高い発光効率と長い輝度半減寿命を有しており、経時劣化が抑制され安定性に優れている。従って、本発明の効果を得るためには、陰極バッファ層は欠かせない。
 この本発明の有機EL素子の寿命は、陰極バッファ層の膜厚を厚くした実施例2においてさらに向上させることができる。実施例1では陰極バッファ層161の膜厚が薄いため、透明陰極141を製膜する時のプラズマなどによるプロセスダメージが有機発光層133に影響を及ぼしていると考えられる。また、膜厚が薄いと、陰極バッファ層161にピンホールができやすく、透明陰極141であるITOと電子注入層151であるBaが直接接触している箇所が存在するようになる。これにより、実施例1では、比較例1よりも遙かに改善されている反面、より安定性に優れた素子のための更なる高寿命化が抑制されている。
 実施例2ではこの点が改善されている。一方で、駆動電圧はバッファ層の膜厚が実施例1に比べ厚いため、相対的に上昇している。これは、膜厚が厚くなると、陰極バッファ層に印加される電界が相対的に小さくなり、陰極バッファ層から電子注入層への電子注入の効率が低下するためと考えられる。実施例2においても、駆動電圧が相対的に上昇してしまうものの、比較例1よりも高い発光効率と長い輝度半減寿命を有しており、経時劣化が抑制され安定性に優れている。
 実施例3~6で作製された素子は、C60、酸化タングステンまたは6CNなどの電子受容性の物質を、陰極バッファ層の主成分であるNPDに混合することにより、駆動電圧の上昇が改善されている。これは、前述したように、正孔輸送性の物質を電子不足状態にして正孔を層内に生じさせることにより、陰極バッファ層の電導度が向上したことによるものである。この場合には、実施例4のように陰極バッファ層の膜厚を50nmと厚くした場合でも、実施例2のような駆動電圧の相対的な上昇は殆どない。よって、本発明の利点である酸化に強い陰極バッファ層を用いることにより、素子安定性の向上とともに、更なる低駆動電圧化と高効率化が図られる。
 また、実施例2、実施例6および実施例7との比較からわかるように、電子受容体に用いる物質が有機物質である場合、そのLUMOエネルギーレベルは4.0eV以下であることが好ましい。実施例6の6CN(LUMOエネルギーレベルが4.3eV)を電子受容体として用いた場合に比較して、実施例7のように、電子受容体としてAlq(LUMOエネルギーレベルが2.8eV)を用いた場合、駆動電圧は相対的に高い。
 実施例8では、陰極バッファ層として、NPDとは別の化学構造をもつ正孔輸送性の有機物質であるTNATAを用いている。この実施例より、本発明の効果は、陰極バッファ層としてNPDを用いた場合だけでなく、その他の正孔輸送性の有機物質を用いた場合にも広く得ることができる。
 ディスプレイデバイスとしての有機EL素子にとっては、その性能評価項目である発光効率、駆動電圧の初期性能を維持して、経時劣化を極力抑制することが必要である。よって、比較例1のように、陰極バッファ層が設けられず、電子注入層のみが、有機発光層と透明陰極との間に形成されている素子は、発光効率が十分でなく、経時劣化が大きいので、ディスプレイデバイスとしての有機EL素子の要求性能を満足しない。
 一方、実施例1~8のように、有機発光層と透明陰極との間に、上述した電子注入層と陰極バッファ層とがこの順で形成されている場合に、初期性能を維持して経時劣化が極力抑制された有機EL素子が実現される。
 以上のように、本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、陰極をトップ電極とする構造の場合に、下層である有機発光層と上層である陰極との間に、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のうち少なくとも一方を主成分とする電子注入層と正孔輸送性の有機物質を含有する陰極バッファ層とがこの順で積層される構成をとる。この構成をとることにより、(1)透明陰極による電子注入層の酸化が防止されるので、素子の安定性を向上させることができる。また、(2)透明性が高いので、素子内で生じた発光を効率よく素子外部に取り出すことができる。また、(3)電子注入層および有機発光層が透明陰極成膜時のプロセスダメージを受けないので、素子の安定駆動、高発光効率、長寿命化が図られる。加えて、陰極バッファ層が正孔輸送性の有機物質を電子不足にする材料を含有することにより、(4)移動可能な正孔電荷を膜内に生じさせ、素子の駆動電圧を低下させることができる。
 なお、本発明の実施の形態において、正孔注入層、正孔輸送層および有機発光層に高分子有機材料が用いられた例を示したが、これらに低分子有機材料が用いられても、本検討と同様な効果が得られる。
 また、有機層の組み合わせとしては、本実施の形態で例示されたものに限定されるものではなく、たとえば、正孔注入層が省略されることや電子輸送層が挿入されてもよい。
 また、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属からなる電子注入層と有機発光層との間にさらに別の層が設けられても良い。例えば、電子輸送性の有機材料からなる層が挿入されることが挙げられる。
 また、電子注入層と陰極バッファ層との間にさらに別の層が設けられても良い。例えば、電子輸送材料を好適に用いることができ、一例として、[化11]で表された化合物Alqが挙げられる。
 なお、これまでの本発明の構成は、トップエミッション用有機EL素子の構成として述べてきたが、ボトムエミッション用有機EL素子のトップ電極が陰極である場合の構成の一部としても好適に用いることができる。例えば、有機発光層の上のBa/NPD+10%6CN/Alなどの構成が挙げられる。この場合、有機発光層より上層の陰極側には透明性は要求されないが、電子注入機能、電子輸送機能、及びAl成膜時のダメージから有機発光層を防御する機能が要求される。よって、本発明の電子注入層及び陰極バッファ層は、トップエミッション用有機EL素子として使用される場合と同様、ボトムエミッション用有機EL素子として使用される場合にも十分な効果を奏する。
 なお、本発明の有機EL素子の有する電極は、基板上の全面あるいは大部分に一様に形成されていてもよい。この場合は、大面積発光が得られるので照明などの用途に用いることができる。あるいは、この電極は、特定の図形や文字を表示できるようにパターン化されていても良い。この場合は、特性のパターン状の発光が得られるので広告表示などに用いることができる。あるいは、この電極は、行列状に多数配置されていても良い。この場合は、パッシブ駆動のディスプレイパネルなどの用途に用いることができる。あるいは、この電極は、トランジスタアレイを並べた基板上で、このトランジスタアレイに対応する形で電気的な接続を得られるように形成されていてもよい。この場合は、図5に記載されたTVに代表されるように、アクティブ駆動のディスプレイパネルなどの用途に用いることができる。
 以上、本発明の有機EL素子及びその製造方法について、実施の形態及び実施例に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態及び実施例に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものも、本発明の範囲内に含まれる。
 本発明にかかる有機EL素子は、低駆動電圧で高効率、長寿命であることから、ディスプレイデバイスの画素発光源、液晶ディスプレイのバックライト、各種照明用光源、光デバイスの光源等として有用であり、特に、TFTと組み合わせたアクティブマトリックス有機ELディスプレイパネルへの応用に適性がある。
 1、2、600、700  有機EL素子
 11  基板
 12  陽極
 13、603、703  有機層
 14、141  透明陰極
 15、151  電子注入層
 16、26、161  陰極バッファ層
 111  ガラス基板
 121  合金電極
 122  補助陽極
 131  正孔注入層
 132  正孔輸送層
 133  有機発光層
 601  透明基板
 602  透明ボトム電極
 604  不透明トップ電極
 701  不透明基板
 702  不透明ボトム電極
 704  透明トップ電極

Claims (13)

  1.  陽極および陰極と、前記両電極の間に形成された有機発光層とを備える有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
     前記陰極と前記有機発光層との間に形成され、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のうち少なくとも一方を主成分とする金属であり、前記有機発光層へ電子を注入する電子注入層と、
     前記電子注入層と前記陰極との間に形成され、正孔輸送性の有機物質を含有する陰極バッファ層とを備える
     ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2.  前記陰極バッファ層は、
     前記正孔輸送性の有機物質を電子不足にする物質を含む
     ことを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3.  前記正孔輸送性の有機物質を電子不足にする物質は、フラーレン類である
     ことを特徴とする請求項2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4.  前記フラーレン類は、フラーレンC60である
     ことを特徴とする請求項3記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5.  前記正孔輸送性の有機物質を電子不足にする物質は、遷移金属酸化物である
     ことを特徴とする請求項2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6.  前記遷移金属酸化物は、酸化モリブデン、酸化タングステンおよび酸化バナジウムのうち少なくともいずれか1つである
     ことを特徴とする請求項5記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7.  前記正孔輸送性の有機物質を電子不足にする物質は、最低非占有分子軌道のエネルギーレベルの絶対値が真空準位に対して4eV以上の有機物質である
     ことを特徴とする請求項2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8.  前記正孔輸送性の有機物質を電子不足にする物質は、シアノ基を含有する有機化合物、または、炭素-窒素二重結合を含む環状分子構造を有する有機化合物である
     ことを特徴とする請求項7記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9.  前記電子注入層は、前記有機発光層の表面に接して積層される
     ことを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10.  前記有機発光層は、高分子有機化合物からなる
     ことを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  11.  前記陽極、前記有機発光層、前記電子注入層、前記陰極バッファ層および前記陰極は、基板上にこの順で積層され、
     前記陰極は、光を透過する透明電極であり、
     前記電子注入層の膜厚は、1nm以上20nm以下である
     ことを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  12.  請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備える
     ことを特徴とするディスプレイパネル。
  13.  基板上に、陽極、有機発光層及び陰極が順次積層された有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
     前記陽極の上に、前記有機発光層を積層する発光層積層ステップと、
     前記有機発光層の上に、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のうち少なくとも一方を主成分とする金属であり、前記有機発光層に電子を注入する電子注入層を積層する電子注入層積層ステップと、
     前記電子注入層の上に、正孔輸送性の有機物質を含有する陰極バッファ層を積層する陰極バッファ層積層ステップと、
     前記陰極バッファ層の上に、前記陰極を積層する陰極積層ステップとを含む
     ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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