WO2009123274A1 - 燃料電池 - Google Patents

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水上和実
飯島孝
澤田英明
羽田智博
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新日本製鐵株式会社
新日鐵化学株式会社
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Definitions

  • the conductive assistant carbon material of the present invention it is preferable to use a carbon material having a certain degree of structure.
  • a carbon material having a certain degree of structure is carbon black.
  • carbon black multiple primary particles are fused to form a secondary structure called a structure. type Depending on the structure, this structure has been developed, and the connection of primary particles has a structure that encloses the space. It is preferable to use a carbon material having such a structure as the conductive assistant carbon material because the enclosed space becomes a gas diffusion path or a water movement path.
  • the carbon material which does not have a catalyst component in all the analysis methods It is not necessary to observe the agglomerated phase (gas-diffusing carbon material agglomerated phase) and satisfy the specified range of the present invention. If the value obtained by one analytical method satisfies the specified range of the present invention, the effect can be obtained. It is.
  • the present invention has a structure of two agglomerated phases of the catalyst agglomerated phase and the gas diffusion carbon material agglomerated phase, wherein the catalyst agglomerated phase is a continuum, and the gas diffusion carbon material agglomerated phase is dispersed in the catalyst agglomerated phase.
  • the structure is as follows. This method is particularly effective when using gas diffusion carbon materials with controlled surface hydration properties.
  • the MEA fabricated as described above can generally be used as a fuel cell by arranging a unit cell on the outside of the MEA and stacking it according to the required output.
  • a naphthion membrane (DuPont N112) was cut into a 6 cm square, and the catalyst layer applied on the Teflon (registered trademark) sheet was cut into a 2.5 cm square with a knife. These catalyst layers were sandwiched as an anode and a force sword so that there was no deviation at the center of the naphthion membrane, and pressed at 120 ° C. and 100 kg / cm 2 for 10 minutes. After cooling to room temperature, only the Teflon (registered trademark) sheet was carefully peeled off from both the anode and the force sword, and the anode and force sword catalyst layers were fixed to the naphthion membrane.

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Abstract

本発明は、加湿条件によらず高い性能を発現する燃料電池に関するものである。その概要は、プロトン伝導性電解質膜を挟んだ一対の触媒層を含む燃料電池であって、少なくともカソードの触媒層が、触媒成分、電解質材料、及び炭素材料を含み、かつ前記炭素材料が、前記触媒成分を担持した触媒担体炭素材料と、前記触媒成分を担持していない導電助剤炭素材料と、前記触媒成分を担持していないガス拡散炭素材料との3種からなり、かつ前記触媒層が、触媒成分を担持した前記触媒担体炭素材料、電解質材料、及び前記触媒成分を担持していない導電助剤炭素材料を主成分とする触媒凝集相と、前記触媒成分を担持していないガス拡散炭素材料を主成分とするガス拡散炭素材料凝集相との2相構造からなり、前記触媒凝集相が連続体であって、前記ガス拡散炭素材料相が前記触媒凝集相中に分散した構造である燃料電池。

Description

燃料電池
技術分野
本発明は、 燃料電池に関するものであり、 特に使用環境の制約か ら十分に触媒層を加湿できな明い場合や、 運転条件の変動により一時 的に低加湿運転を強いられる場合においても高い性能を発揮する燃 田
料電池用ガス拡散電極を有する燃料電池に関するものである。
書 背景技術
本発明が関わる燃料電池の基本構造は、 一般的な固体高分子形燃 料電池の構造を例にして説明すると、 プロ トン伝導性電解質膜を挟 んでアノードと力ソードとなる触媒層が配置され、 これを挟んで更 に外側にガス拡散層が配置され、 更にその外側にセパレ一夕一が配 置された単位セルからなり、 燃料電池として使用する際には、 通常 、 必要な出力に合わせて複数個の単位セルをスタックし、 複数個の 単位セルがスタックされた燃料電池として用いられている。
このような基本構造を持つ燃料電池 (各単位セル) から電流を取 り出すためには、 アノードとカゾードの両極に配されたセパレー夕 —のガス流路から、 カゾード側に酸素あるいは空気等の酸化性ガス を、 また、 アノード側には水素等の還元性ガスを、 それぞれガス拡 散層を介して触媒層まで供給する。 例えば、 水素ガスと酸素ガスを 利用する場合、 アノードの触媒上で起こる化学反応 〔H2→ 2 H+ + 2 e" (E0 = OV) 〕 と、 力ソードの触媒上で起こる化学反応 〔〇2 + 4 H+ + 4 e—→ 2 H2〇 (E。 = l . 2 3 V) とのエネルギー差 (電位差) を利用して、 電流を取り出している。 従って、 セパレ一夕一のガス流路から触媒層内部の触媒まで酸素 ガスあるいは水素ガスが移動できるガス拡散経路や、 アノード触媒 上で発生したプロ トン (H+ ) がプロ トン伝導性電解質膜を経由して 力ソードの触媒まで伝達できるプロ トン伝導経路、 更にはアノード 触媒上で発生した電子 (e— ) がガス拡散層、 セパレーター、 外部回 路を通じてカソード触媒まで伝達できる電子伝達経路が、 それぞれ 分断されることなく連続して連なっていないと、 効率よく電流を取 り出すことができない。
触媒層内部では、 一般に、 材料の間隙に形成されてガス拡散経路 となる気孔、 プロ トン伝導経路となる電解質材料、 及び、 電子伝導 経路となる炭素材料や金属材料等の導電性材料が、 それぞれの連続 したネッ トワークを形成していることが重要である。
また、 プロ トン伝導性電解質膜や触媒層中のプロ トン伝導経路に は、 高分子電解質材料としてパーフルォロスルホン酸ポリマーに代 表されるイオン交換樹脂が用いられている。 これら一般に用いられ る高分子電解質材料は、 湿潤環境下で高いプロ トン伝導性を発現し 、 乾燥環境下ではプロ トン導電性が低下してしまう。 従って、 効率 良く燃料電池を作動させるためには、 高分子電解質材料が十分な湿 潤状態であることが必須であり、 両極に供給するガスと共に、 常に 水蒸気を供給する必要がある。
水蒸気を供給するために一般には、 供給するガスをあらかじめ一 定温度に保温された水中に通じ加湿する方法や、 一定温度に保温さ れた水を直接セルに供給する方法が用いられ、 セルとは別に加湿器 が必要となる。 しかし、 システム全体のエネルギー効率を高く設定 する目的では、 保温のために一定のエネルギーを消耗する加湿器は 無い方が好ましく、 あつたとしても必要最低限のエネルギー消費で ある方が好ましい。 また、 システム全体を軽く、 小さくする目的で も同様で、 加湿器は無い方が好ましく、 あつたとしても必要最低限 の大きさであることが望ましい。 従って、 燃料電池の使用目的によ つては、 十分な加湿器をシステムに搭載できず十分に電解質材料を 加湿できない場合がある。 しかも、 定常運転では十分な加湿能力が 備わった加湿器が搭載されている場合においても、 起動時や負荷変 動時においては一時的に低加湿状態に陥ることは避けられない。
このように、 常に電解質材料に好適な湿潤環境で使用できるとは 限らないため、 上記のような低加湿条件においても高い性能を発揮 できる燃料電池用触媒層への要求は強く、 前記触媒層を具備して制 御や運転が容易となる高性能の燃料電池が望まれている。
このために従来から、 ガス拡散層や触媒層、 又はガス拡散層と触 媒層の間に配置した中間層に親水性を有する成分を使用し、 電解質 膜や触媒層内部の電解質材料を保湿する方法が提案されてきた。
これらの中で、 触媒層に親水性を賦与する提案として、 特開 200 4-342505号公報では、 加湿量を低減した場合であっても高い電池性 能を維持するために、 アノードにゼォライ トゃチタニア等の親水性 粒子や親水性担体に触媒成分を含有させることが開示されている。
特開 2006- 59634号公報では、 低温雰囲気下でも優れた始動性を示 す燃料電池として、 アノー ドの触媒層に水分保湿剤として親水化処 理された導電性材料 (親水化処理されたカーボンブラック等) を含 有させることが開示されている。
特開 2005- 174835号公報では、 広範囲な加湿条件に対応可能な燃 料電池を提供する目的で、 触媒層中に例えば 「テフロン (登録商標 ) 粒子を担持したシリカ粒子」 のような疎水性粒子を担持した親水 性粒子を含有させることが開示されている。
特開 2006- 15592 1号公報では、 活性炭を触媒担体とし、 該活性炭 の BET法 (B runaue r Emme U Te l l e r比表面積法) による表面積 S B ETが、 S B E T≥ 1 5 0 0 m2/gを満たし、 且つ、 直径 2 nm以下のミク ロ孔表面積 S m i e r。 (m2/g) の全細孔面積 S l () t a l (m2/g) に対する 比率が、 S n i c r。/ S tl a l≥ 0. 5を満たすことを特徴とする燃料 電池が提案されている。
特開 2004-71253号公報では、 メソポーラス力 ボン粒子を一部に 含む炭素材料からなる担体を触媒担体として使用した燃料電池が提 案されている。 発明の開示
しかしながら、 上記従来技術については、 以下の課題が残る。 特開 2004- 342505号公報及び特開 2005- 174835号公報では、 親水性 ではあるが導電性あるいはプロ トン伝導性を持たない材料を触媒層 中に含有するため、 電子あるいはプロ トンの移動経路を分断してし まい、 内部抵抗を増大する問題があった。
特開 2006-59634号公報では、 親水化処理された導電性材料の例と して硝酸処理されたカーボンブラックを触媒担体として使用してい るが、 親水性の程度 (親水化処理の程度) については記載も示唆も されていない。 発明者らの検討によれば、 単に親水化処理された力 —ボンブラックを含ませるだけでは、 低湿条件で優れた保水能力を 示すが、 十分加湿されたときにはガス拡散経路が凝縮した水で閉塞 されるという問題が生じることが明らかになった。 すなわち、 親水 性の程度によって、 保水能力が足りなかったり、 あるいは保水能力 が強すぎて十分加湿されている条件になったときにガスの拡散経路 が水に閉塞されたりすることがあった。
発明者らは、 触媒層の主成分である炭素材料を、 触媒成分を担持 した炭素材料 (以下、 触媒担体炭素材料) と触媒成分を担持してい ない炭素材料 (以下、 ガス拡散炭素材料) とに分けて触媒層に含有 させると共に、 ガス拡散炭素材料を水和性 (水和力) の異なる少な く とも 2種類の炭素材料を使用し、 低加湿条件下では触媒層中の電 解質材料を常に好適な湿潤状態に維持し、 高加湿条件下でも凝縮し た水によって閉塞することがない燃料電池用触媒層を開発し、 いか なる加湿条件下でも高い性能を発現する燃料電池を提案した。
しかし、 保水する部分が触媒を担持していないガス拡散炭素材料 であることから、 触媒近傍の電解質材料の保水効果という点では、 必ずしも十分ではなく、 更により高い特性を発現させるためには新 たな改良が必要であった。
特開 2006- 15592 1号公報は、 活性炭を担体とした提案であり、 触 媒粒子近傍の保水性という点では十分で、 ガス拡散炭素材料によつ てガスの移動も確保する工夫はされている。 しかし、 より高性能な 燃料電池を目指すことを前提とすると、 活性炭自身の電子伝導性が 低いことや、 触媒粒子周辺の親水性が高いあまり触媒のごく近傍の ガスの移動が妨げられる等の課題があった。
特開 2004-7 1253号公報は、 メソポーラス力一ボンを触媒担体の一 部とした提案は、 触媒担体としてメソポーラス力一ボン以外の炭素 材料と混合することにより、 ガスの拡散性や電子伝達性をメソポー ラスカーボン単独で用いたときよりも改善した。 しかし、 例えば高 加湿条件下の高負荷運転時には、 発生する水によってガスが閉塞す る傾向が強く、 これを回避するためメソポーラスカーボンの比率を 下げると、 特に低加湿条件下での低負荷運転時にメソポーラスカー ボン以外の炭素材料上の触媒近傍の電解質が乾燥しやすくなり、 あ る特定の混合比率では限定された条件でしか優れた特性を発現でき なかった。 特に、 メソポーラスカーボン以外の炭素材料に反応ガス の拡散性を増強させる機能を期待しているが、 メソポ一ラスカーボ ン以外の炭素材料にも触媒粒子が存在するため、 特に高負荷運転時 'の力ソードでの使用では、 触媒粒子で発生する水がガスの拡散を妨 げる傾向にあり、 あらゆる条件下で万能な触媒層にはなり得なかつ た。
そこで、 本発明は、 燃料電池に用いられる触媒層中において、 ガ ス、 電子、 プロ トンの移動経路をそれぞれ分断することなく形成し 、 低加湿条件下では触媒層中の電解質材料を常に好適な湿潤状態に 維持しつつ、 高加湿条件下でもガス拡散経路が凝縮した水によって 閉塞することのない燃料電池用触媒層を有する燃料電池、 すなわち 加湿条件によらず高い性能を発現する燃料電池を提供することを目 的とする。
以上の課題を解決するため、 燃料電池に用いられる触媒層中の保 水能力に着目し、 触媒成分、 電解質材料、 及び炭素材料の高次構造 を検討した結果、 触媒担体上に担持された触媒があらゆる条件下で も十分に機能するような触媒層構造を見出し、 優れたガスの拡散経 路を確保することができ、 本発明を完成した。 その触媒構造に関す る知見は以下のとおりである。
触媒層の成分である炭素材料を、 触媒成分を担持した触媒担体炭 素材料と、 触媒成分を担持していないガス拡散炭素材料と、 触媒成 分を担持していない導電助剤炭素材料とに分けて触媒層に含有させ ると共に、 触媒層中の触媒成分と前記触媒担体炭素材料と前記導電 助剤炭素材料と電解質材料とを凝集させて形成した触媒凝集相と、 前記'ガス拡散炭素材料を凝集して形成したガス拡散炭素材料凝集相 との 2つの凝集相からなる構造にし、 前記触媒凝集相を連続相 (マ トリ ックス) としてガス拡散炭素材料凝集相がその中に分散した構 造とすることにより、 加湿条件によらず高い性能を発揮するという 優れた機能が発現することを見出した。
前記触媒層の構造にすることで、 電解質材料は、 触媒炭素材料近 傍に存在することになり、 乾燥条件下での含水率低下を防ぐと共に 、 電解質材料を連続相とすることでプロ トン伝導経路すなわち電解 質材料のネッ トワークを発達させてプロ トン伝導性に起因する内部 抵抗上昇を防ぐ。
また、 導電助剤炭素材料も触媒担体炭素材料近傍に配置すること になり、 触媒で必要な電子授受を助け、 電子授受に起因する内部抵 抗上昇を防ぐ。 また、 導電助剤炭素材料上には触媒を担持させない ことによって、 高負荷運転時に触媒成分上で発生する水によってガ スの拡散経路が閉塞されるのを防ぐ効果が得られる。
更に、 上記のように、 前記触媒凝集相の連続相中にガス拡散炭素 材料凝集相を分散させることで、 ガスの拡散経路を確保する。 前記 ガス拡散炭素材料凝集相中には触媒成分が存在しないので、 発電時 に前記ガス拡散材料凝集相中で水が生成することがなく、 よって、 より効果的にガス拡散経路を確保することができる。 また、 前記ガ ス拡散炭素材料凝集相には、 電子伝導性を持たないフッ素化合物等 を用いないため、 電子伝導経路を分断することなくガス拡散経路を 確保できる。
また、 前記ガス拡散炭素材料凝集相は、 電解質物質や触媒成分を 含まない独立した凝集相なので、 前記凝集相を形成するガス拡散炭 素材料に水蒸気吸着特性の低い炭素材料を用いることで炭素材料表 面が元来有する撥水特性を生かすことができるため、 効果的にガス 拡散経路を確保することができる。
更に、 前記触媒担体炭素材料に保水しやすい細孔構造を持たせる と、 広範囲の条件下でも高い発電性能を維持できることを見出した 。 すなわち、 高加湿条件下や高負荷運転時等の湿潤条件においては 、 触媒層において加湿や発電によって水が生成すると、 この水によ つて触媒層には水蒸気が過度に存在することになり、 この水蒸気が 凝縮して触媒層のガス拡散経路を遮断し、 発電性能を極度に低下さ せる危険が高まるが、 触媒成分を担持していないガス拡散炭素材料 を触媒層中に存在させると、 ガス拡散経路が上記のような湿潤条件 下でも確保されやすくなり、 安定した発電性能が得られやすくなる 逆に、 低加湿条件下でかつ低負荷運転の時等の乾燥条件では、 触 媒層に供給される水蒸気も少なく、 発電によって生成する水も少な いため電解質材料が乾きやすくなる。 一般的に使用される電解質材 料に高いプロ トン伝導性を発現させるには、 水の存在が不可欠であ るが、 このような乾燥条件下では、 電解質材料の含水率が低下し、 プロ トン伝導性が極度に低下するため、 発電時の内部抵抗が上昇し 、 発電性能が悪化する。
しかし、 前記触媒担体炭素材料に保水しやすい細孔構造を持たせ ると、 高負荷運転時等で過剰に生成した水を前記触媒担体炭素材料 中に蓄えることができるので、 触媒層中の電解質材料の含水率低下 を防ぎ内部抵抗の上昇を効果的に抑制できるため、 電池性能の悪化 を防ぐことができる。
また、 上記のような保水しやすい細孔構造を有する炭素材料は、 一般的に電子伝導性が劣る場合が多い。 このため、 電子伝導性の優 れた炭素材料を導電助剤炭素材料として触媒層中に含有させれば、 電子伝導性に起因する内部抵抗上昇を防ぐことができる。
以上のように、 触媒層中に使用される炭素材料を求められる機能 によって複数の炭素材料に分割し、 触媒層中で触媒成分、 電解質材 料、 炭素材料がそれぞれ効率的に作用できるように凝集相構造を形 成させることで、 これまでに無い広範囲の条件下でも安定して効率 的に発電できる燃料電池が得られることを見出し、 本発明に至った 。 そして、 その要旨とするところは、 以下の通りである。 (1) プロ トン伝導性電解質膜を挟んだ一対の触媒層を含む燃 料電池であって、 少なく とも力ソードの触媒層が、 触媒成分、 電解 質材料、 及び炭素材料を含むと共に、 前記炭素材料が、 前記触媒成 分を担持した触媒担体炭素材料と、 前記触媒成分を担持していない 導電助剤炭素材料と、 前記触媒成分を担持していないガス拡散炭素 材料との 3種からなり、 前記触媒層が、 前記触媒成分を担持した前 記触媒担体炭素材料、 前記電解質材料、 及び前記触媒成分を担持し ていない前記導電助剤炭素材料を主成分として凝集してなる触媒凝 集相と、 前記触媒成分を担持していない前記ガス拡散炭素材料を主 成分として凝集してなるガス拡散炭素材料凝集相との 2相構造から なり、 前記触媒凝集相が連続体であって、 前記ガス拡散炭素材料凝 集相が前記触媒凝集相中に分散した構造である、 ことを特徴とする 燃料電池。
(2) 前記触媒層の前記触媒担体炭素材料に関し、 BET評価によ る比表面積 S B E Tが 1 0 0 0 m2/g以上 4 0 0 0 m2/g以下で、 かつ t プロッ ト解析による直径 2 nm以下のミクロ孔表面積 S ra i e r。の全表 面積 S tt a lの比 S B i„。/ S tt a lが 0. 5以上であることを特徴 とする (1) に記載の燃料電池。
(3) 前記触媒層の前記導電助剤炭素材料の DBP吸油量 X (mL/1 00g) と BET評価による比表面積 S B E T (m2/g) との比 X Z S B E τが 0
. 2以上 3. 0以下であることを特徴とする (1) に記載の燃料電 池。
(4) 前記触媒層の前記ガス拡散炭素材料の DBP吸油量 X (mL/1 00g) と BET評価による比表面積 S B E T (m2/g) との比 X/ S B E Tが 1
. 0以上であることを特徴とする (1)に記載の燃料電池。
(5) 前記触媒層の断面における 1 0 mX l 0 面積の視野 中に、 円相当直径 3 0 O nm以上の大きさの触媒成分を担持していな いガス拡散炭素材料凝集相が少なく とも 1個存在することを特徴と する (1 ) 〜 (4) のいずれかに記載の燃料電池。
本発明により、 次の効果が得られる。
本発明の燃料電池は、 その触媒層中において、 ガス、 電子、 プロ トンの移動経路をそれぞれ分断することなく形成させ、 低加湿条件 では触媒層中の電解質材料を常に好適な湿潤状態に維持しつつ、 高 加湿条件でもガス拡散経路が凝縮した水によって閉塞することを防 ぐことができ、 加湿条件によらず高い性能を発現する。
従って、 本発明の燃料電池によれば、 燃料電池システムの水分 ( 湿度) 管理が容易となるため、 システム制御や運転が簡便となる。 図面の簡単な説明
図 1 は、 本発明の触媒層の凝集相構造を説明するための模式図で ある。 ただし、 模式図として見易く しているために、 各階層構造の 相対サイズは、 実際のものとは異なる。 発明を実施するための最良の形態
本発明の燃料電池は、 プロ トン伝導性電解質膜を挟んだ一対の触 媒層を含む燃料電池である。
本発明の燃料電池に含まれる触媒層は、 触媒成分と、 炭素材料と 、 電解質材料を含む混合物で構成され、 かつ前記炭素材料が、 触媒 成分を担持した触媒担体炭素材料と、 触媒成分を担持していないガ ス拡散炭素材料と、 触媒成分を担持していない導電助剤炭素材料か らなる。 さらに、 本発明の触媒層は、 前記触媒担体炭素材料と電解 質材料と前記導電助剤炭素材料とを主成分として凝集して形成した 触媒凝集相と、 ガス拡散炭素材料を主成分として凝集して形成した ガス拡散炭素材料凝集相との 2つの凝集相構造を有し、 前記触媒凝 集相が連続体であって、 前記ガス拡散炭素材料凝集相が前記触媒凝 集相中に分散した構造になっており、 これによつて、 単に各成分が 平均的に混合した触媒層に比べて、 その特性が飛躍的に向上してい る。
図 1 に、 本発明に係る前記触媒層の構造が模式的に示されている 。 なお、 この図 1では、 各材料や凝集相を模式的に明確に表現して いるために、 各階層構造の相対サイズは、 実際とは異なる。
本発明における凝集とは、 一次粒子が、 ファン · デル · ワールス 力やクーロン力等の粒子間力によって集まった状態である。 前記一 次粒子が凝集した状態の塊状体 (凝集体) で触媒層が形成されてい る場合に、 この触媒層中の凝集体一つ一つを凝集相と呼ぶ。
本発明の各成分には、 それぞれに求められる機能があり、 その機 能を発現させるために、 それぞれが最低限の物質特性を有している 必要がある。 触媒成分であれば触媒としての機能を、 また、 電解質 材料であればプロ トンを伝導する機能を備えている必要がある。 特 に、 3つの炭素材料が、 それぞれ機能分担していることが本発明の 特徴である。
第一に、 ガス拡散炭素材料は、 ガスを効率よく拡散させる機能を 分担している。 このため本発明の触媒層では、 ガス拡散炭素材料同 士を凝集させることによって、 ガス拡散炭素材料のス トラクチャー によって形成される一次粒子間の空隙を連続的に繋ぎ、 ガス拡散経 路として触媒層中に発達させ、 ガス拡散炭素材料を効果的に機能さ せている。 またこの機能をさらに効果的に発揮させるため、 ガス拡 散炭素材料の表面にできるだけ触媒成分や電解質材料を接触させな いことによって、 ガス拡散炭素材料の表面特性やス トラクチャーに 代表される構造を最大限に活かしている。
第二に、 触媒担体炭素材料は、 触媒成分を担持する機能に加えて 水を蓄える機能を分担している。 本発明の触媒層では、 触媒成分を 担持した触媒担体炭素材料と電解質材料及び、 触媒成分を担持して いない導電助剤炭素材料を凝集させ触媒凝集相を形成している。 こ のため乾燥条件下においても、 前記触媒担体炭素材料が蓄えた水を 効果的に前記電解質材料へ放出し、 前記電解質材料の含水率の低下 を防ぐことができる。
第三に、 導電助剤炭素材料は、 触媒層における電子伝導性を確保 する機能を分担している。 水を蓄えやすいが電子伝導性が劣る触媒 担体炭素材料を用いた場合においても、 導電助剤炭素材料によつて 電子伝導性を補完させることができる。
本発明の触媒層における触媒凝集相は、 電解質材料を媒体として 強固に凝着させることで、 触媒層自体の機械的強度が確保され、 電 解質材料が連続的に接触することによってネッ 卜ワークを形成し、 触媒層における内部抵抗であるプロ トン伝導抵抗を低減できる。
本発明の触媒層に使用される触媒成分は、 求められる反応が触媒 成分上で進行すれば限定するものではない。 好ましい触媒成分の例 としては、 白金、 パラジウム、 ルテニウム、 金、 ロジウム、 ォスミ ゥム、 イ リジウム等の貴金属、 これらの貴金属を 2種類以上複合化 した貴金属の複合体や合金、 貴金属と有機化合物や無機化合物との 錯体、 遷移金属、 遷移金属同士あるいは遷移金属と貴金属との複合 体や合金、 貴金属や遷移金属と有機化合物や無機化合物との錯体、 金属酸化物等を挙げることができる。 また、 これらの 2種類以上を 複合したもの等も用いることもできる。
本発明に用いられる炭素材料のうちの触媒担体炭素材料は、 触媒 成分を担持する機能のほかに、 近傍の電解質材料を加湿できる程度 の水を蓄える機能を有している。 これによつて乾燥状態でも安定し た発電性能が得られる。 そして、 この機能をより効果的に発現させるために、 BET評価法 による比表面積 S BETが 1 0 0 0 m2/g以上 4 0 0 0 m2/g以下で、 力、 つ t プロッ ト解析による直径 2 nm以下のミクロ孔表面積 S m; c r。の 全表面積 S i () t a ,の比 S n i c r。 / S t Q l iHが 0 · 5以上であることが より好ましい。 ここで比表面積 S B E Tとは、 窒素ガスの液体窒素温 度での等温吸着線の測定から B E T法により求めた比表面積値であ る。 この触媒担体炭素材料は、 その比表面積 S B E Tが 1 0 0 0 m2/g 以上 4 0 0 0 m2/g以下であると、 触媒成分を担持しやすくなるだけ でなく、 湿潤条件下では水を蓄えやすくなり、 また、 乾燥条件下で は蓄えられた水を徐々に放出し、 近傍に存在する電解質材料の含水 率の低下を防ぐことができる。 このため、 電解質材料のプロ トン電 導性の低下を抑制することができる。 比表面積 S BE Tが 1 0 0 0 m2/ g未満であると、 触媒担体炭素材料が保水できる量が少なくなる場 合があり、 低加湿条件や低負荷運転時のような乾燥条件下では、 触 媒層中の電解質物質の含水率が低下し、 プロ トン伝導性に起因する 内部抵抗が上昇しやすくなる。 また、 比表面積 S B E Tの上限は特に 限定されないが、 実質的に利用できる炭素材料の比表面積は 4 0 0 0 m2/g以下である。
また、 前記触媒担体炭素材料に関し、 上記のように、 t プロッ ト 解析による直径 2 nm以下のミクロ孔表面積 S m i c r。の全表面積 S tt a!の比 S m i„。/ S tt a!が 0. 5以上であると、 実質的に乾燥条件 下での発電性能が更に向上する。 ここでミクロ孔の比表面積 S m i c r 。及び全表面積 S tl a lは、 窒素ガスの液体窒素温度における等温吸 着線から算出されるものであり、 tプロッ ト解析 (日本化学会編 「 コロイ ド化学 I」 (株) 東京化学同人 1995年発行) により算出され る値を用いた。
詳細なメカニズムは不明ではあるが、 直径 2 nm以下の孔として定 義されるミクロ孔は、 燃料電池の運転環境において湿潤条件下で水 を蓄えやすく、 乾燥条件下で蓄えていた水を適度に放出する性質を 有しており、 特に比表面積 S B ETが 1 0 0 0 m2/g以上 4 0 0 0 m2/g 以下で、 かつ S m ir。/ S l Q t a 1が 0. 5以上であると、 触媒成分の 担持のしゃすさが向上すると共に、 触媒担体炭素材料が保水できる 量、 並びに水の吸放出特性のバランスが良くなり、 湿潤条件下でも 乾燥条件下でも安定した発電特性が得られると推定している。 Sm i c r。が S t。 t a ,より大きくなることは有り得ないので S ra i c r。Z S tt a lの上限は 1である。
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O . 5未満になると実質 的に乾燥条件下での発電性能が低下し、 十分な特性が得られないこ とが多くなる。
本発明に用いられる触媒担体炭素材料は、 一般的に存在する炭素 材料であれば特に限定するものではなく、 上述のように比表面積 S
B ETが 1 0 0 O m2/g以上 4 0 0 O m2/g以下で、 S m i e r。 Z S tt a ,が 0. 5以上である炭素材料であれば、 好ましい炭素材料として用い ることができる。 特に、 本来求められる反応以外の化学反応を起し たり、 凝縮水との接触によって炭素材料を構成する物質が溶出した りするような材料は好ましくない。 化学的に安定な炭素材料が好ま しい。 そう した炭素材料としては、 力一ポンプラック、 黒鉛、 炭素 繊維、 活性炭等やこれらの粉砕物、 カーボンナノファイバ一、 力一 ボンナノチューブ等の炭素化合物等が使用できる。 これら炭素材料 を 2種類以上混合して用いることもできる。
最も好ましい炭素材料の例としては、 比表面積が大きく、 直径 2 nm以下のミクロ孔表面積の大きいものが多い活性炭を挙げることが できる。 一般に、 活性炭には、 その製造方法に応じて、 その細孔表 面に酸素を種々の化学的形態 (酸素含有官能基の形態) で導入する ことができる。 酸素含有官能基の種類は特に限定されるものではな いが、 例示するならば、 力ルポキシル基、 水酸基、 キノン型酸素、 ラク トン環、 環状エーテル等である。
本発明者らが鋭意検討した結果、 酸素含有量が多すぎると燃料電 池の触媒層中で長期的に使用したときに、 触媒担体炭素材料自身が 酸化消耗し、 発電性能の低下につながりやすくなることが分かった
。 そのため、 最適な酸素含有量の範囲は、 1質量%以上 5質量%以下 である。 活性炭の酸素含有量が 5質量%を超えると、 触媒担体炭素 材料が燃料電池運転環境下で酸化消耗しやすくなり、 触媒の寿命が 低下するため本発明には適用することができない場合がある。 1質 量%未満であると実質的に保水量が足りない場合があり、 乾燥条件 下での特性が悪化することがあるため好ましくない場合がある。
触媒層中における、 触媒担体炭素材料の好ましい含有率は、 触媒 担体炭素材料やガス拡散炭素材料の種類や含有率、 触媒成分の種類 や担持率によって影響を受けるので、 特定することはできない。 し かし、 5質量%以上 8 0質量%以下の範囲であれば、 少なく とも燃料 電池の機能を発揮し、 本発明の効果を得ることができる。 この範囲 外であると、 他の成分とのバランスが悪くなり、 効率の良い燃料電 池にならない場合がある。 例えば 5質量%未満であると、 触媒担体 炭素材料に担持される触媒成分の量が少なくなり過ぎて十分な性能 を発揮しない場合がある。 また、 例えば、 8 0質量%超であると、 電解質材料の量が少なくなりすぎて、 プロ トンの伝達経路が貧弱に なるため、 やはり効率の良い電池にはならない場合がある。 より好 ましい範囲を例示するならば、 1 0質量%以上 6 0質量%以下である 更に、 触媒担体炭素材料として 2 5 °C、 相対湿度 9 0 %における 水蒸気吸着量が 5 0 O mL/g以上である炭素材料を選ぶと、 触媒成分 近傍にある電解質が適当な湿潤状態を保ち、 プロ トン伝導性の低下 を防ぐことができるため、 力ソードの触媒成分上で水があまり生成 しないような低電流放電時においても、 プロ トン伝導抵抗が上昇せ ず、 燃料電池としてより好ましい状態を維持することができる。 従って、 本発明の触媒担体炭素材料は、 水に対して濡れ易いほど 良く、 2 5 °C、 相対湿度 9 0 %における水蒸気吸着量の好ましい範 囲の上限値を限定することはできない。 仮に 2 5 °C、 相対湿度 9 0 %における水蒸気吸着量の実質的な上限値を例示するならば、 高比 表面積の活性炭で得られると推定される 2 0 0 O mL/g程度を挙げる ことができる。 触媒担体炭素材料の相対湿度 9 0 %における水蒸気 吸着量が 5 0 O mL/gより低いと、 乾燥条件下で触媒成分近傍にある 電解質が乾き易くなり、 プロ トン伝導性が低下し易くなるため、 好 ましくない場合がある。
炭素材料の水和性 (水和力) は、 水分子との相互作用、 主として 水分子の電気双極子と媒質の電荷との静電気的相互作用及び水素結 合等の'強さである。 前記水和力は、 一定条件での水蒸気吸着量で判 断できる。 本発明で炭素材料の水和力を示す 2 5 °C、 相対湿度 9 0 %における水蒸気吸着量は、 2 5 °Cの環境に置かれた炭素材料 1 g当 りに吸着した水蒸気量を標準状態の水蒸気体積に換算して示した。 2 5 °C、 相対湿度 9 0 %における水蒸気吸着量の測定は、 市販の水 蒸気吸着量測定装置を用いて測定することができる。 あるいは、 2 5 °C、 相対湿度 9 0 %の恒温恒湿槽に乾燥したガス拡散炭素材料を 十分な時間静置し、 質量変化から測定することもできる。
また、 触媒担体炭素材料の一次粒子径は 1 0 以上 5 m以下が より好ましい。 この範囲より大きな炭素材料は粉砕して用いること ができ、 粉砕する方が好ましい。 一次粒子径が 5 x m超であると、 ガス拡散経路やプロ トン伝導経路を分断する恐れが高くなるほか、 特に経済的な理由により触媒成分の使用量が限定され、 たとえば厚 さ 1 0 Ai m程度の触媒層で性能を発現することが求められた時に、 触媒層の触媒担体炭素材料の分布が不均一になり易く、 好ましくな い場合がある。 また、 一次粒子径が 1 0 nm未満であると、 電子伝導 性が低くなつて好ましくない場合がある上、 S m i e r。 Z S I。 t a ,が 0 . 5以上の炭素材料が実質的に得られなくなる場合がある。
本発明の導電助剤炭素材料に用いられる炭素材料の種類は、 一般 的に存在する電子伝導性を有する炭素材料であれば特に限定するも のではない。 しかし、 本来求められる反応以外の化学反応を起した り、 凝縮水との接触によって炭素材料を構成する物質が溶出したり するような材料は好ましくなく、 化学的に安定な炭素材料が好まし い。 また、 前記炭素材料の一次粒子径は 5 nm以上 1 m以下がより 好ましい。 この範囲より大きな炭素材料は粉砕して用いることがで きる。 一次粒子径が 1 / m超であると、 触媒層中の導電助剤炭素材 料の分布が不均一になり易く、 好ましくない場合がある。
また、 一次粒子径が 5 nm未満であると、 電子伝導性が低くなり好 ましくない場合がある。 好ましい導電助剤炭素材料としては、 カー ボンブラックが最も一般的である。 その他にも、 電子伝導性を有す るものであれば、 黒鉛、 炭素繊維、 活性炭等やこれらの粉碎物、 力 一ボンナノファイバー、 力一ボンナノチューブ等の炭素化合物等が 使用できる。 また、 これら炭素材料の 2種類以上を混合して使用す ることもできる。 中でも、 導電助剤炭素材料は、 その電子導電率が 触媒担体炭素材料の電子導電率以上であることがより好ましい (導 電助剤炭素材料≥触媒担体炭素材料) 。
本発明の導電助剤炭素材料としては、 ある程度ス トラクチャーが 発達した炭素材料を用いることが好ましい。 好ましい材料の例は、 カーボンブラックである。 カーボンブラックは、 一次粒子が複数個 融着し、 ス トラクチャーと呼ばれる二次構造を形成している。 種類 によっては、 このス トラクチャーが発達しており、 一次粒子のつな がりが空間を抱え込んだ構造になっている。 導電助剤炭素材料とし てこのような構造を有している炭素材料を用いると、 抱え込んだ空 間がガスの拡散経路となったり、 水の移動経路となったりするため 、 好ましい。
ス トラクチャーの程度は、 電子顕微鏡で観察して決定する方法も あるが、 DBP吸油量と比表面積の関係で判断できる。 DBP吸油量とは 、 単位質量の力一ポンプラックにフ夕ル酸ジブチルを接触させたと きに、 カーボンブラックに吸収されるフ夕ル酸ジブチルの量のこと であり、 主に一次粒子の間隙に吸収されるので、 ス トラクチャーが 発達していると DBP吸油量は大きくなり、 ス トラクチャ一があまり 発達していないと DBP吸油量は小さくなる傾向にある。 ただし、 DBP は、 一次粒子の間隙以外に一次粒子内部に形成された微細孔にも吸 収されるので、 DBP吸油量がそのままス トラクチャ一の程度をあら わすとは限らない。 窒素吸着量で測定されるような比表面積が大き くなると、 微細孔に吸収される DBPが多くなり、 全体の DBP吸油量も 大きくなる傾向にあるためである。 従って、 高ス トラクチャ一カー ポンプラックでは、 窒素吸着量の割には DBP吸油量が大きくなり、 逆に低ス トラクチャ一力一ボンブラックでは、 窒素吸着量の割に DB P吸油量が小さくなる。
導電助剤炭素材料として、 DBP吸油量 X (ml/100g) と BET評価に よる比表面積 S B E T (m2/g) の比 XZ S B E Tが 0 , 2以上 3 . 0以下 である炭素材料を用いると、 導電経路を確保しつつガス拡散経路や 水の移動経路を確保できるので、 より高性能な触媒層を得ることが できるので好ましい。 38„の比が 0 . 2未満であると、 ガス 拡散経路としては空間が貧弱になり、 安定して触媒層の性能を引き 出すことが難しい場合がある。 3 . 0超であると導電性が損なわれ ることがあり好ましくない場合がある。
本発明の導電助剤炭素材料の触媒層中における含有率は、 3質量 %以上 3 0質量%以下の範囲内にあることが好ましい。 この範囲内で あれば、 触媒担体炭素材料自身の電子伝導性が劣る場合においても 導電助剤炭素材料が触媒成分から効果的に集電することができる。 3質量%未満であると集電効果が低くなることがある。 3 0質量%以 上であると触媒層中の触媒成分密度が下がりすぎてしまい、 特に力 ソードガスに空気を用いた場合に濃度分極が大きくなることがあり 好ましくない場合がある。
また、 導電助剤炭素材料の質量が、 触媒担体炭素材料の質量 1 に 対して 0 . 0 5以上 0 . 4以下の範囲内にあると、 より好ましい。 この範囲にあると湿潤条件下の発電特性と乾燥条件下の発電特性と の差が小さくなり、 条件に左右されにくい安定した特性を発揮する ことができる。 0 . 0 5未満であると高負荷運転時に性能低下する 場合がある。 0 . 4超であると触媒層中の触媒成分密度が下がりす ぎる。 特に力ソ一ドガスに空気を用いた場合に濃度分極が大きくな ることがあり好ましくない場合がある。
本発明の導電助剤炭素材料の最適な酸素含有量の範囲は、 5質量 %以下であり、 より好ましくは 3質量%以下である。 導電助剤炭素材 料の酸素含有量が 5質量%を超えると、 導電助剤炭素材料の集電効 果が低下するため導電助剤炭素材料を使用する効果が得られなくな る。 酸素含有量の下限値は特になく、 殆ど含有する酸素が無くても 良好な特性を示す。
本発明のガス拡散炭素材料に用いられる炭素材料の種類は、 本来 求められる反応以外の化学反応を起したり、 凝縮水との接触によつ て炭素材料を構成する物質が溶出したりするような材料は好ましく なく、 化学的に安定な炭素材料が好ましい。 また、 ガス拡散炭素材料の一次粒子径は 1 m以下 5 以上が好 ましい。 この範囲より大きな炭素材料は粉砕して用いることができ る。 一次粒子径が 1 超であると、 ガス拡散経路を確保する機能 が期待できなくなるだけでなく、 触媒層中のガス拡散炭素材料の分 布が不均一になり易く、 好ましくない。 一次粒子径が 5 nm未満であ ると、 好ましいガス拡散経路が得られない場合がある。
好ましいガス拡散炭素材料としては、 カーボンブラックが最も一 般的であるが、 そのほかにも、 ガス拡散経路が形成できれば、 黒鉛 、 炭素繊維、 活性炭等やこれらの粉砕物、 カーボンナノファイバ一 、 カーボンナノチューブ等の炭素化合物等が使用できる。 また、 こ れらの 2種類以上を混合して使用することもできる。
更に、 本発明では、 前記ガス拡散炭素材料同士を凝集させた凝集 相として触媒層に存在させる。 前記の凝集相によって形成させるガ ス拡散経路は、 セルを強く締結したときでも壊れにく く、 触媒層形 成時に制御した最適な孔径を長期間にわたって保持しやすい。
また、 本発明のガス拡散炭素材料は、 水和力の小さい炭素材料の 中から選ばれるとより好ましい。 触媒成分が担持されていなくて水 和力の小さい炭素材料、 すなわちガス拡散炭素材料を触媒層中に含 ませることによって、 触媒層中にガスが拡散できる経路を発達させ ることができ、 アノードであれば水素あるいは水素を主体とした混 合ガス、 力ソードであれば酸素あるいは空気等が、 触媒層中に拡散 し易くなり、 多くの触媒表面と接触できる。
そのため、 効率的に触媒層での反応を進行させ、 高い電池性能が 得られるものである。 ガス拡散炭素材料として水和力の小さい炭素 材料を選ぶと、 運転条件の変動により触媒層が高加湿条件にさらさ れた時や、 高電流密度域での運転により触媒層内に大量の水が発生 した時に、 水によるガス拡散経路の閉塞を防ぎ、 電池性能の低下を 防ぐことができる。
従って、 本発明の燃料電池に含まれるガス拡散炭素材料の 2 5 °C 、 相対湿度 9 0 %における水蒸気吸着量が 5 0 niL/g以下の小さい水 和力であれば、 大電流放電時に生成する水によるガス拡散経路の閉 塞を効果的に抑制でき、 安定した電圧で電流を取り出すことができ る。 5 O mL/g超であると、 電流放電時に触媒層中に凝縮水が滞り、 ガス拡散経路が遮断され易くなり、 電圧挙動が不安定になる場合が ある。
更に高い効果を得るためには、 水和力が更に適切な範囲にある炭 素材料をガス拡散炭素材料として用いる。 具体的には、 2 5 °C、 相 対湿度 9 0 %における水蒸気吸着量が 1 niL/g以上 2 0 mL/g以下であ る炭素材料を、 ガス拡散炭素材料として選択することである。 この 範囲内であると、 触媒層中の電解質材料の過度の乾燥を抑制し、 か つ、 大電流放電時にも、 触媒層内部で生成する水を効率良く触媒層 外へ排出し、 ガスの拡散経路を確保できるため、 低負荷から高負荷 まで負荷条件によらず、 全域にわたって効率の良い電池を得ること ができる。
2 5 °C、 相対湿度 9 0 %における水蒸気吸着量が 1 mL/g未満であ ると、 水和力が小さ過ぎて (撥水性が強くなり過ぎて) 、 過度の乾 燥を招く場合がある。 2 5 ° , 相対湿度 9 0 %における水蒸気吸着 量が 2 0 mL/g超になると、 大電流を継続的に取り出した時等に触媒 層内部で生成する水の排出が追いつかず、 ガス拡散経路を遮断して しまう場合がある。 前記場合には、 ガス拡散炭素材料を添加する効 果が低くなる。
本発明のガス拡散炭素材料は、 より高ス トラクチャーなカーボン ブラックを用いるのが好ましい。 前記カーボンブラックは、 一次粒 子が複数個融着し、 ストラクチャ一と呼ばれる二次構造を形成して いる。 種類によっては、 一次粒子のつながりであるス トラクチャー が発達し、 空間を抱え込んだ構造になる。 ガス拡散炭素材料の一次 粒子のネッ トワークに囲まれた空間を連続的につなぎ合わせること によって、 ガスの拡散経路が確保することも狙いの一つとしている ので力一ポンプラックをガス拡散炭素材料として使用することによ り、 狙った構造を触媒層に形成しやすくなる。 ガス拡散炭素材料と してカーボンブラックが凝集して形成されたガス拡散経路は、 セル を強く締結したときにでも更に壊れにく くなり、 触媒層形成時に制 御した最適な孔径をより長期間にわたって保持しやすい。
本発明のガス拡散炭素材料に、 DBP吸油量 X (ml/100g) と BET評 価による比表面積 SBET (m2/g) の比 X/ S BETが 1. 0以上である 炭素材料を用いると、 より好ましいガス拡散経路を具備した触媒層 が形成できる。 X / S B E τの比が 1. 0以上であると、 高ス トラク チヤ一で力一ボンブラックの一次粒子の間隙に形成される空間が大 きく、 電池反応に好ましいガス拡散経路の形成が期待できるためで ある。 X/ SBE Tの比が 1. 0未満であると、 ス トラクチャ一によ るガス拡散経路は貧弱になり、 カーボンブラックの二次粒子間の間 隙が主にガス拡散経路を形成することになるので、 十分な孔径を確 保できなかったり、 セル締結時に孔が壊れやすいため、 制御しづら く、 安定して触媒層の性能を引き出すことが難しい場合がある。 よ り好ましくは、 X/ SBETの比が 1. 5以上である。 1. 5以上で あると、 ス トラクチャ一によって形成されるガス拡散経路の孔径が 十分に大きく、 高電流を取り出したときもフラッデイ ングしにく く なる。 このようなス トラクチャ一であれば、 ガスが拡散しやすく、 水によるガス拡散経路の閉塞が更に起こりづらくなるので、 触媒層 中の触媒を有効に利用でき、 少ない触媒量でも高出力な燃料電池を 得ることができる。 触媒層中における、 本発明に係るガス拡散炭素材料の含有率は、
3質量%以上 3 0質量%以下の範囲内にあると好ましい。 3質量%未 満では、 ガス拡散経路を十分に発達させることができず、 ガス拡散 炭素材料を含ませる効果が期待できないことがある。 3 0質量%超 では、 プロ トン伝導経路がガス拡散炭素材料によって分断され貧弱 になり、 プロ トン伝導抵抗が大きくなるため、 電池性能が低下する ことがある。 3質量%以上 3 0質量%以下の範囲内にあれば、 ガス拡 散炭素材料の間隙が触媒層中にネッ トワークを形成し、 これがガス 拡散経路となるため、 触媒層中の触媒成分を有効に利用することが できる。 この範囲にあると、 プロ トン伝導経路と電子伝導経路を損 なう ことなく、 最適なガス拡散経路を発達させることができるため 、 極めて効率的な発電特性を持った燃料電池の電極を得ることがで きる。 炭素材料の種類や形態にもよるが、 5質量%以上 2 5質量%以 下とすることが、 さらに好ましい。
本発明に含まれる各種炭素材料の水和力の制御は、 一般に存在す る炭素材料中から水蒸気吸着量を指標に選択することによって達成 できる。 あるいは、 好適な範囲より少ない水蒸気吸着量を持つ炭素 材料である場合においても、 炭素材料を酸や塩基等で炭素材料表面 を処理したり、 酸化雰囲気環境に曝したりすることによって、 水蒸 気吸着量を好適な範囲にまで増加させることができる。 限定するも のでは無いが、 例えば、 加温した濃硝酸中で処理したり、 過酸化水 素水溶液中に浸潰したり、 アンモニア気流中で熱処理したり、 加温 した水酸化ナトリゥム水溶液中に浸潰したり、 K0Hや N aOHの中で加 熱したり、 希薄酸素や希薄 N0、 あるいは N02中で加熱処理したりす ることによって、 水蒸気吸着量を増加させることができる。 逆に、 水蒸気吸着量が多すぎる場合、 不活性雰囲気下で焼成することによ つて、 水蒸気吸着量を好適な範囲にまで低下させることもできる。 限定するものではないが、 例えば、 アルゴン、 窒素、 ヘリウム、 真 空等の雰囲気下で加熱処理することによって、 水蒸気吸着量を低下 させることができる。
本発明の燃料電池は、 使用される電解質材料の種類によらず効果 を発揮するものであって、 プロ トンを伝導する機能を有していれば 、 特に限定されるものではない。 本発明の燃料電池に使用される電 解質膜や触媒層中に使用される電解質材料は、 リン酸基、 スルホン 酸基等を導入した高分子、 例えば、 パーフルォロスルホン酸ポリマ 一やベンゼンスルホン酸が導入されたポリマー等を挙げることがで きるが、 高分子に限定するものではなく、 無機系、 無機-有機ハイ プリ ッ ド系等の電解質膜を使用した燃料電池に使用しても差し支え ない。 特に好適な作動温度範囲を例示するならば、 常温〜 1 5 0 °C の範囲内で作動する燃料電池が好ましい。
触媒層中に含まれる触媒担体炭素材料と電解質材料との質量比は 、 1 / 1 0〜 5 Z 1が好ましい。 1 / 1 0より触媒担体炭素材料が 少ないと、 触媒表面が電解質材料で過度に覆われてしまい、 反応ガ スが触媒成分と接触できる面積が小さくなる場合がある。 5 Z 1 よ り過剰に触媒担体炭素材料を含有すると、 電解質材料のネッ トヮー クが貧弱になり、 プロ トン伝導性が低くなる場合がある。
本発明の触媒層構造は、 その断面を観察することによつても確認 することができる。 触媒層の任意の場所に任意の角度で切断面を作 製し、 その断面を観察することによって触媒成分が担持されていな い炭素材料が凝集体 (凝集相) を形成していることを確認する方法 である。 前記凝集体が、 本発明のガス拡散炭素材料凝集相に対応す るものである。
触媒層の断面における 1 Ο ΠΙ Χ Ι 0 mの面積の視野中に、 円相 当直径が 3 0 O M以上の大きさの触媒成分を有さない炭素材料凝集 相 (ガス拡散炭素材料凝集相) が少なく とも 1個、 もしくは 1 0視 野の平均で 1個 Z視野以上存在していると好ましい。 1個未満では
、 触媒層形成時に各種炭素材料を平均的に混合してしまったか、 触 媒成分を担持していない炭素材料であるガス拡散炭素材料の含有率 が低すぎるため、 少なく ともガス拡散炭素材料が凝集相を形成して 分散していないので、 その触媒層はガスの伝達経路が未発達でガス の拡散性が悪く、 特に湿潤条件下で安定した性能を発現することは できない。 より好ましくは、 同視野中に円相当直径が 5 0 0 腿以上 の大きさの触媒成分を有さない炭素材料凝集相 (ガス拡散炭素材料 凝集相) が少なく とも 1個、 もしくは 1 0視野の平均で 1個/視野 以上存在することである。 前記構造であれば、 少なく とも湿潤条件 下で発電性能が不安定になることが抑制されて、 安定した発電性能 が得られる。
触媒層の切断面の形成方法は、 特に限定しないが、 例えば触媒層 をカッターナイフやはさみで切断することでもよい。 また、 電解質 物質のガラス転移温度以下に冷却した触媒層を破断し、 その断面を 観察する方法でもよい。 クライオミクロ トーム等を用いて、 液体窒 素で冷やされた環境下で触媒層の切断面を形成する方法が好ましい と考える。 クライすミクロ トームを用いて超薄切片を作製し観察す る方法も考えられるが、 より簡易的にはクライオミクロ トームに試 料として触媒層をセッ トし、 ダイヤモンドやガラスでできたトリ ミ ングナイフを用いて触媒層表面を切削し、 生成した切削面を観察す る方法である。
観察する方法は、 同一視野を二次電子像と反射電子像の両方で観 察でき、 少なく とも 1万倍以上の倍率で観察できる走査型電子顕微 鏡が好ましい。 二次電子像は触媒層断面の凹凸情報が反映され、 炭 素材料や電解質材料、 気孔の存在が確認できる。 高精度の電子顕微 鏡を用いれば触媒成分の存在が確認できるが、 同視野の反射電子像 を観察すると成分の分布情報が反映され、 例えば触媒成分に金属が 使用されている場合、 触媒成分は明るく、 触媒成分がないところは 暗いコントラス トになって像が得られる。 本発明の触媒層の二次電 子像と反射電子像を比較すると、 同視野中で二次電子像中では炭素 材料が存在するにもかかわらず、 反射電子像中では暗いコントラス 卜になった部分、 つまり触媒成分が存在しない炭素材料が認められ る。 前記部分、 すなわち、 触媒成分を有さない炭素材料部分の外周 の円相当直径が 3 0 0 nm以上であると本発明の好ましい形態となる 円相当直径が 3 0 O nm以上の大きさの触媒成分を有さない炭素材 料凝集相 (ガス拡散炭素材料凝集相) の存在を、 より定量的に識別 できる例を述べる。 反射電子像を 1万倍の倍率で 2 7 2 DP I X 2 7 2 DP I以上の解像度で、 かつ 2 5 6段階の階層で明るさを取り込む 。 取り込んだ画像の明るさを、 画像解析ソフ トを用いて、 喑いほう から 1 1 0階層目の範囲を黒色で表示し、 1 1 1階層目から明るい ほうへ 2 5 6階層目までの範囲を白色になるように二値化する。 こ のままでは黒色点が島状に孤立した点が多数発生して目的とする範 囲が明確にならないので、 目的とする範囲を明確化するために、 各 黒色点の膨張処理を 1度行い、 隣り合った点同士を認識させる。 更 に、 穴埋め処理を実行して、 範囲内の空白部分を穴埋めして同一範 囲であるように認識させる。 最後に、 膨張した分を元に戻す縮退処 理を行い、 目的とする範囲を明確化させる。 その上で、 各黒色部分 の円相当直径を各黒色部分の面積より算出し、 3 0 0 nm未満の部分 を全てカツ トする。 残った黒色部分のうち二次電子像で炭素材料が 存在する場合、 本発明の好ましい形態となる。
本発明では、 前記全ての分析手法で触媒成分を有さない炭素材料 凝集相 (ガス拡散炭素材料凝集相) を観察して本発明の規定範囲を 満足する必要はなく、 1つの分析手法でえられる値が本発明の規定 範囲を満足すればその効果が得られるものである。
本発明の燃料電池に含まれる触媒層の作製方法は、 触媒凝集相の 連続相にガス拡散炭素材料凝集相が分散し、 かつガス拡散炭素材料 表面にできるだけ電解質材料が吸着しないように作製できれば、 特 に限定はしない。 前記触媒層となる材料を含む液に、 必要に応じて 水や有機溶媒を加えて、 インクを作製する。 このインクを膜状に乾 燥し、 触媒層を形成することができる。
特に好ましい触媒層作製方法を以下に述べる。
( i ) 触媒成分を担持した触媒担体炭素材料と導電助剤炭素材料 と電解質材料とを、 電解質材料に対する良溶媒中で粉砕混合した後 に、 電解質材料に対する貧溶媒を加え、 電解質材料と触媒を担持し た触媒担体炭素材料とを凝集させて得られる A液と、 触媒成分を担 持していないガス拡散炭素材料を、 電解質材料に対する貧溶媒中で 粉碎して得られる B液を作成し、 A液と B液を混合して得られる C 液をインクとして、 膜状に乾燥して触媒層とする。
この方法では、 触媒成分を担持した触媒担体炭素材料と導電助剤 炭素材料を電解質材料と共に、 電解質材料に対する良溶媒中で粉砕 混合すると、 触媒担体炭素材料が微細な凝集体に粉碎され、 その表 面近傍に電解質材料が溶解して存在している状態になる。 これに電 解質材料に対する貧溶媒を加え電解質材料を析出させると、 触媒を 担持した触媒担体炭素材料と導電助剤炭素材料と電解質材料粒子が 凝集を起こし、 電解質材料が触媒を担持した触媒担体炭素材料と導 電助剤炭素材料に固定される。
更に、 この溶液に微細なガス拡散炭素材料が添加されると、 電解 質材料は触媒担体炭素材料と導電助剤炭素材料に固定されているた め、 ガス拡散炭素材料表面が電解質材料によって覆われ難く、 ガス 拡散炭素材料の表面が本来持ち合わせている表面性状を活かすこと ができる。 すなわち、 本発明の触媒凝集相とガス拡散炭素材料凝集 相との 2つの凝集相の構造となり、 前記触媒凝集相が連続体で、 前 記ガス拡散炭素材料凝集相が前記触媒凝集相中に分散した構造とな る。 特に、 表面の水和性を制御したガス拡散炭素材料を使用する場 合、 この方法は有効である。
( i i ) 触媒成分を担持した触媒担体炭素材料と微量の電解質材料 を、 電解質材料に対する良溶媒中で粉砕混合した後に乾燥によつて 固化し、 前記固化物に、 電解質材料に対する貧溶媒と共に導電助剤 炭素材料を加え、 前記固形物を粉砕した後、 更に電解質材料が溶解 した液を滴下して得られる A液と、 触媒成分を担持していないガス 拡散炭素材料を、 電解質材料に対する貧溶媒中で粉砕して得られる B液を作成し、 A液と B液を混合して得られる C液をインクとして 、 膜状に乾燥して触媒層とする。
この方法では、 触媒成分を担持した触媒担体炭素材料を微量の電 解質材料と共に電解質材料の良溶媒中で粉砕混合した後に乾燥する と、 微量の電解質材料が触媒成分を担持した触媒担体炭素材料表面 に膜状に固定される。 前記乾燥によって得られる固形物 (微量の電 解質材料が固定された触媒担体炭素材料) を、 電解質材料に対する 貧溶媒中で、 導電助剤炭素材料と共に粉砕すると、 電解質材料は、 触媒成分を担持した触媒担体炭素材料に固定されたまま微粒化する 更に、 前記懸濁液に、 必要十分な電解質溶液を滴下して、 電解質 材料を析出させ、 電解質材料が僅かに固定された触媒担体炭素材料 と導電助剤炭素材料と析出した電解質材料とが凝集した分散液が生 成する。 前記分散液に、 ガス拡散炭素材料が添加されると、 (i )の 方法と同様に、 電解質材料は触媒を担持した触媒担体炭素材料と導 電助剤炭素材料の表面に固定又は凝集しているため、 ガス拡散炭素 材料表面が電解質材料によって覆われ難く、 ガス拡散炭素材料の表 面が本来持ち合わせている表面性状を活かすことができる。 すなわ ち、 本発明の触媒凝集相とガス拡散炭素材料凝集相との 2つの凝集 相の構造となり、 前記触媒凝集相が連続体で、 前記ガス拡散炭素材 料凝集相が前記触媒凝集相中に分散した構造となる。 この方法も、 特に表面の水和性を制御したガス拡散炭素材料を使用する場合に有 効である。
これらの触媒層作製方法で使用する、 電解質材料に対する良溶媒 とは、 実質的に使用する電解質材料を溶解する溶媒のことであり、 電解質材料の種類や分子量によるため限定はできないが、 具体例を 例示すれば、 市販されているアルドリ ッチ製 5%ナフイオン (登録商 標) 溶液に含まれるパ一フルォロスルホン酸ポリマーに対する良溶 媒としては、 メタノール、 エタノール、 イソプロピルアルコール等 を挙げることができる。
また、 これらの好ましい触媒層作製方法で使用する、 電解質材料 に対する貧溶媒とは、 実質的に使用する電解質材料を溶解しない溶 媒のことであり、 電解質材料の種類や分子量により、 溶媒が異なる ため、 特定することはできない。 例えば、 市販されているアルドリ ツチ製 5%ナフイオン溶液に含まれるパーフルォロスルホン酸ポリマ 一に対する貧溶媒を例示するならば、 へキサン、 トルエン、 ベンゼ ン、 酢酸ェチル、 酢酸ブチル等を挙げることができる。
上述した(i)あるいは(i i )の好ましい触媒層作製方法の中で、 粉 砕あるいは粉砕混合する方法としては、 大きな凝集体となっている 触媒担体炭素材料やガス拡散炭素材料を粉砕し、 少なく とも 1 Dl 以下の凝集体に粉砕する目的を果たすことができれば、 手段は限定 しない。 一般的な手法としては、 例を挙げるならば、 超音波を利用 する方法、 ポールミルやガラスビーズ等を用いて機械的に粉砕する 方法等を挙げることができる。
本発明の燃料電池にガス拡散層を使用する場合は、 セパレーター に形成されたガス流路から触媒層までガスを均一に拡散させる機能 と、 触媒層とセパレーター間に電子を伝導する機能が求められ、 最 低限、 これらの機能を有していれば特に限定するものではない。 一 般的な例では、 力一ボンクロスやカーボンぺ一パ一等の炭素材料が 主な構成材料として用いられる。 ガスの拡散性、 電子伝導性のほか 、 耐食性も付与できるのであれば金属メッシュや金属ウール等の金 属材料を用いることもできる。
好ましいガス拡散層の構造の例としては、 ガス拡散層のセパレー 夕一側の層が繊維状炭素材料を主成分とするガス拡散繊維層、 触媒 層側の層にはカーボンブラックを主成分とするマイクロポア層で構 成される 2層 ί冓造をあげることができる。
前言己ィンクを膜状に乾燥する方法としては、 一般に提案されてい る方法が適用でさ 、 特に限定しない。 例えば、 ガス拡散層上にイン クを塗布するならば、 刷毛塗り、 スプレー、 口一ル 一夕一、 イン クジエツ 卜、 スクリーンプリント等の方法があげる とができる。 あるいは、 ィンクをバーコ一ター、 刷毛塗り、 スプレー、 ロール コ一夕一、 ィンクジェッ ト、 スク リーンプリ ント等の方法で塗布、 乾燥して、 ポ Uテトラフルォロェチレン (PTFE) シ トゃ PTFE板等
、 高分子材料の表面に一旦別の材料上に触媒層を形成した後、 ガス 拡散層へホッ トプレス等の方法で接合しガス拡散電極を形成する方 法を選択することもできる。
このように作製したガス拡散電極は、 パーフルォロスルホン酸ポ リマーのような電解質膜にホッ トプレス等で圧着し電解質膜と電極 の複合体 (Membrane Electrode Assembly, MEA) を形成することが できる。
又は、 ィンクを PTFEシートゃ PTFE板等の高分子材料に刷毛塗り、 スプレー、 ロールコ一夕一、 インクジェッ ト、 スクリーンプリント 等の方法で塗布、 乾燥して、 一旦別の材料上に触媒層を形成した後 、 パーフルォロスルホン酸ポリマーのような電解質膜へホッ トプレ ス等の方法で接合する方法や、 パ一フルォロスルホン酸ポリマーの ような電解質膜にインクを直接塗布、 乾燥する方法等で、 触媒層と 電解質膜の接合体を作製した後、 ガス拡散層をホッ 卜プレス等の方 法で触媒層に圧着する方法等でも MEAを形成することができる。
以上のように作製した MEAは、 一般的には、 その外側にセパレー 夕一を配置して単位セルを構成し、 これを必要な出力に合わせてス タックし、 燃料電池として用いることができる。 実施例
<炭素材料の物性測定 >
本発明のガス拡散電極、 並びに燃料電池の実施例を示すにあたり 、 使用する炭素材料として 8種の炭素材料 a〜!!を準備した。 表 1 (炭素材料の種類とその物性) に、 各種炭素材料の各種物性を示し た。
なお、 窒素吸着比表面積は、 1 2 0 °Cで真空乾燥したサンプルを 自動比表面積測定装置 (日本ベル製、 BELS0RP36) を用いて窒素ガ スにて測定し、 BET法に基づく 1点法にて比表面積 S B E Tを決定した 。 また、 t プロッ ト解析は装置に付属の解析プログラムを使用して S t。l a l及び S B i ( ^。の物性値を算出した。 酸素含有量は、 元素分析 値である。 水蒸気吸着量は、 定容量式水蒸気吸着装置 (日本ベル製 、 BELS0 P18) を用いて測定し、 1 2 0 °C、 l Pa以下で 2時間脱気 前処理を行った試料を 2 5 °Cの恒温中に保持し、 真空状態から、 2 5 °Cにおける水蒸気の飽和蒸気圧までの間、 徐々に水蒸気を供給し て段階的に相対湿度を変化させ、 水蒸気吸着量を測定した。 得られ た測定結果から吸着等温線を描き、 図から相対湿度 9 0 %のときの 水蒸気吸着量を読み取った。 表 1では、 読み取った水蒸気量を試料 1 g当りに吸着した標準状態の水蒸気体積に換算して示した。 DBP吸 油量は、 アブソープトメ一夕一 (Brabender社製) を用いて、 最大 トルクの 7 0 %の時の DBP添加量を試料 1 0 0 g当りの DBP吸油量に換 算して決定した。
表 1
Figure imgf000035_0001
く白金触媒の調製〉
塩化白金酸水溶液中に、 触媒担体炭素材料として表 1 の炭素材料 の中から選択した 1種を分散し、 5 0 °Cに保温し、 撹拌しながら過 酸化水素水を加え、 次いで Na2 S2 04水溶液を添加して、 触媒前駆体 を得た。 この触媒前駆体を濾過、 水洗、 乾燥した後に 100% H 2気流 中、 3 0 0 °Cで 3時間、 還元処理を行い、 触媒担体炭素材料に P tが 5 0質量%担持された P t触媒を調製した。
<触媒ィ ンクの調製 >
調製した P t触媒と導電助剤炭素材料として表 1 の炭素材料の中か ら選択した 1種を容器に取り、 これに 5%ナフイ オン溶液 (デュポン 製 DE52 1 ) を加え、 軽く撹拌後、 超音波で触媒を粉碎した。 更に撹 拌しながら酢酸プチルを加え、 P t触媒と導電助剤炭素材料とナフィ オンを合わせた固形分濃度が 2質量%となるようにし、 P t触媒 (P t が担持された触媒担体炭素材料) と導電助剤炭素材料とナフイ オン (電解質) とが凝集した触媒イ ンクを調製した。 各種材料は特に記 述がない限り、 触媒担体炭素材料の質量 1 に対して、 ナフイオンが 質量 1 . 5、 導電助剤炭素材料を質量 0 . 2の比率で混合した。 <ガス拡散炭素材料イ ンクの調製 >
容器にガス拡散炭素材料として表 1 の炭素材料の中から選択した 1種をそれぞれ取り、 炭素材料の濃度が 2質量%になるように酢酸 ブチルを加え、 超音波で炭素材料を粉砕し、 ガス拡散炭素材料が凝 集したガス拡散炭素材料ィ ンク a〜 i を調製した。
<塗布ィ ンクの作成 >
触媒インクとガス拡散炭素材料イ ンクを混合し、 固形分濃度が 2 質量%の塗布ィ ンクを作成した。 ガス拡散炭素材料は特に記述がな い限り、 触媒成分を除いた全固形分質量 1 に対して質量 0 . 0 5の 比率になるように混合した。 ぐ触媒層の作製 >
塗布インクをテフロン (登録商標) シートにそれぞれスプレーし た後、 アルゴン中 8 0 °Cで 1 0分間、 続いてアルゴン中 1 2 0 °Cで 6 0分間乾燥し、 触媒層を作製した。 触媒層の白金目付け量は、 作 製したテフロン (登録商標) シート上の触媒層を 3 cm角の正方形に 切り取って質量を測定し、 その後、 触媒層をスクレーパーで剥ぎ取 つた後のテフロン (登録商標) シート質量を測定し、 先の質量との 差分から触媒層質量を算出し、 触媒インク中の固形分中の白金が占 める割合から計算により求め、 白金目付け量が 0. 2 0 mg/cm2にな るようにスプレー量を調整した。
<MEAの作製〉
作製した触媒層を用いて MEA (膜電極複合体) を作製した。
ナフイオン膜 (デュポン社製 N112) は 6 cm角の正方形に切り取り 、 テフロン (登録商標) シート上に塗布された触媒層は、 カツ夕一 ナイフで 2. 5 cm角の正方形に切り取った。 これらの触媒層をァノ —ド及び力ソードとしてナフイオン膜の中心部にずれが無いように はさみ、 1 2 0 °C、 1 0 0 kg/cm2で 1 0分間プレスした。 室温まで 冷却後、 アノード、 力ソード共にテフロン (登録商標) シー トのみ を注意深くはがし、 アノード及び力ソードの触媒層をナフイオン膜 に定着させた。 次にガス拡散層として市販の力一ボンクロス (E - TE K社製 LT1200W) を 2. 5 cm角の正方形に切り取り、 アノードとカソ —ドにずれが無いようにはさみ、 1 2 0 °C、 5 0 kg/cm2で 1 0分間 プレスし、 MEAを作成した。 なお、 プレス前の触媒層付テフロン ( 登録商標) シートの重量とプレス後にはがしたテフロン (登録商標 ) シートの重量との差から定着した触媒層の重量を求め、 触媒層の 組成の質量比より白金目付け量を算出し、 0 . 2 mg/cm2であること を確認した。 <燃料電池性能評価条件 >
作製した MEAは、 それぞれセルに組み込み燃料電池測定装置にて 、 燃料電池性能評価を次の手順で行った。
最初に以下の条件を 「高加湿高負荷」 の代表的な条件として性能 評価を行った。 ガスは、 力ソードに空気、 アノードに純水素を、 利 用率がそれぞれ 3 0 %と 6 0 %となるように供給し、 それぞれのガス 圧は、 セル下流に設けられた背圧弁で圧力調整し、 0 . I MP aに設 定した。 セル温度は 8 0 °Cに設定し、 供給する空気と純水素は、 そ れぞれ 8 0 °Cに保温された蒸留水中でバブリ ングを行い、 加湿した 。 このような条件でセルにガスを供給した後、 1 0 0 0 mA/cm2まで 負荷を徐々に増加して 1 0 0 O mA/cm2で負荷を固定し、 6 0分経過 後のセル端子間電圧を 「高加湿高負荷」 性能として記録した。
次に、 以下の条件を 「低加湿低負荷」 の代表的な条件として性能 評価を行った。 ガスは、 力ソードに空気、 アノードに純水素を、 利 用率がそれぞれ 3 0 %と 6 0 %となるように供給し、 それぞれのガス 圧は、 セル下流に設けられた背圧弁で圧力調整し、 0 . I MP aに設 定した。 セル温度は 8 0 °Cに設定し、 供給する空気と純水素は、 そ れぞれ 5 0 °Cに保温された蒸留水中でバブリングを行い、 加湿した 。 このような条件でセルにガスを供給した後、 1 0 0 mA/cm2まで負 荷を徐々に増加して 1 0 0 mA/cm2で負荷を固定し、 3 0分経過後の セル端子間電圧を 「低加湿低負荷」 性能として記録した。
<性能比較 1 >
先ず、 表 2に示した通り、 触媒担体炭素材料を表 1 の a、 導電助 剤炭素材料を表 1の f 、 ガス拡散炭素材料を表 1の hとして、 触媒 担体炭素材料と導電助剤炭素材料と電解質とからなる触媒凝集相と 、 ガス拡散炭素材料凝集相とからなつて、 前記触媒凝集相中に前記 ガス拡散炭素材料凝集相が分散された構造となった実施例 1 の触媒 層を作製した。
また、 比較例 1 〜 3 として 3種の炭素材料のいずれかが欠落した 触媒層を作製した。
更に、 前記 2つの凝集相からなる 2相構造をとらない比較として 、 実施例 1 と同一組成比で比較例 4の触媒層を次の手順で作製した 。 触媒担体炭素材料に表 1 の aを用いた P t触媒、 導電助剤炭素材料 として表 1の f 、 ガス拡散炭素材料として表 1 の ]!、 を全て 1つの 容器にとり、 5%ナフイオン溶液 (デュポン製 DE52 1 ) を加えた。 こ のとき、 触媒担体炭素材料の質量 1 に対して、 ナフイオンが質量 1 . 5、 導電助剤炭素材料を質量 0 . 2の比率で混合し、 ガス拡散炭 素材料は、 触媒成分を除いた全固形分質量 1 に対して質量 0 . 0 5 の比率になるように混合した。 更にナフイオンの良溶媒であるイソ プロピルアルコールを固形分濃度が 2質量%となるように加え、 超 音波で炭素材料を粉砕し、 触媒担体炭素材料と導電助剤炭素材料と ガス拡散炭素材料と電解質が 1つの凝集体に凝集した塗布インクを 作成し、 実施例 1 と同様の方法で触媒層を形成し、 比較例 4の触媒 層を得た。
これらの触媒層を力ソードしたときの発電性能を比較した。 なお 、 アノードには、 実施例 1 の触媒層を用いた。
表 2
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上記性能比較で作製した触媒層のうち、 前記凝集相の 2相構造を 有する実施例 1 と、 前記のような 2相構造を有さない比較例 4の触 媒層の断面構造観察を行った。 観察試料には、 性能比較で用いた ME Aを性能評価を実施した後にセルから取り出し、 ピンセッ トを用い てガス拡散層を注意深く剥がした。 次に、 ガス拡散層を剥がした ME Aカツ夕一ナイフで 5■角程度の大きさで切り出し、 力ソードの触 媒層が切削できるようにクライオミクロ トームのホルダ一にカーボ ンテープで固定した。 作製したホルダーをクライオミクロ ト一ムに セッ 卜し、 ナイフにはダイアモンド トリミングナイフをセッ 卜した 。 このときダイアモンド トリミングナイフをナイフの進行方向に対 して 1 0度程度角度をつけ、 触媒層が斜めに切削されるようにした 。 切削温度を一 9 0で、 触媒層の深さ方向に 1回当り 5 0體の速度 で、 少なく とも 1 0 0回切削し、 触媒層の切断面を作製した。 これ ら切断面を作製した触媒層はホルダーごと電子顕微鏡ホルダーにセ ッ トし、 1万倍の倍率で 2次電子像と反射電子像を観察した。
比較例 4 の触媒層は、 2次電子像から電解質材料が固まりを作つ ていると推定される場所以外は、 反射電子像が一様に明るいコント ラス トとなって観察され、 触媒成分が担持されていない炭素材料の 凝集相 (ガス拡散炭素材料凝集相) は見られなかった。 それに対し て、 実施例 1 の触媒層では、 2次電子像で明らかに炭素材料が存在 すると判別できる箇所のうち反射電子像では暗いコントラス トとな つている箇所、 つまり触媒成分が担持されていない炭素材料の凝集 相 (ガス拡散炭素材料凝集相) が、 島状に分布している様子が観察 できた。
より定量的に識別するために、 1万倍の倍率で 2 7 2 DP I X 2 7 2 DP I以上の解像度で、 かつ 2 5 6色の階層で明るさで反射電子像 を電子情報として取り込み、 取り込んだ画像の明るさを画像解析ソ フ トを用いて、 暗いほうから 1 1 0階層目の範囲を黒色で表示し、 1 1 1階層目から明るいほうへ 2 5 6階層目までの範囲を白色にな るように二値化した。 次に、 各黒色点の膨張処理を 1度行い、 隣り 合った点同士を認識させた。 更に穴埋め処理を実行して、 範囲内の 空白部分を穴埋めして同一範囲であるように認識させた。 最後に、 膨張した分を元に戻す縮退処理を行い目的とする範囲を明確化させ た。 その上で、 各黒色部分の円相当直径を各黒色部分の面積より算 出し、 3 0 0 nm未満の部分を全てカッ トした。
残った黒部分のうち、 同視野の二次電子像で炭素材料が存在する 黒部分の個数を計測すると 1個以上であった。 更に黒部分の円相当 直径が 5 0 0 nm以下のものを削除しても残つた黒部分のうち、 同視 野の二次電子像で炭素材料が存在する黒部分の個数を計測すると 1 個以上であった。 従って、 実施例 1の触媒層は本発明の好ましい構 造を有していることが確認できた。
表 2 に示したとおり、 触媒担体炭素材料、 導電助剤炭素材料、 ガ ス拡散炭素材料を使用し、 かつ上記 2つの凝集相の 2相構造を有す る本発明の実施例 1は高加湿高負荷条件、 低加湿低負荷条件共に優 れた性能を示した。 特に、 ガス拡散炭素材料を含まずガス拡散単相 材料凝集相が無く、 触媒凝集相に導電助剤炭素材料がふくまれない 比較例 1、 及びガス拡散炭素材料を含まずガス拡散単相材料凝集相 が無い比較例 3は、 高加湿高負荷の特性が極端に悪く、 高加湿高負 荷条件で 1 0 0 0 mA/cm2の負荷をかけることができなかつた。 触媒 凝集相に導電助剤炭素材料がふくまれない比較例 2は、 内部抵抗が 高くなり、 1 0 0 0 mA/cm2の負荷における電圧降下が大きかつた。 また、 上記 2つの凝集相の 2相構造を有する実施例 1は、 前記のよ うな 2相構造を有さない比較例 4より高加湿高負荷条件、 低加湿低 負荷条件共に優れた性能を示した。 <性能比較 2 >
表 3 に示した通り、 触媒担体炭素材料を表 1の a gの炭素材料 を用い、 導電助剤炭素材料を表 1 の f 、 ガス拡散炭素材料を表 1 の hとして、 触媒担体炭素材料の種類が異なる各種触媒層を、 触媒凝 集相とガス拡散炭素材料凝集相との 2相構造となるように作製し、 これらの触媒層を力ソードしたときの発電性能を比較した。 なお、 アノードには、 実施例 1の触媒層を用いた。
表 3
Figure imgf000042_0001
表 3 に示した通り、 BET評価による比表面積 S B ETが 1 0 0 0 m2/g 以上 4 0 0 0 m2/g以下で、 かつ 1; プロッ ト解析による直径 2 以下 のミクロ孔表面積 Sffl i c r。の全表面積 S l () t a lの比 S m i !; r。/ S tt ai が 0 . 5以上である本発明の触媒担体炭素材料を使用した実施例 1 2 4は、 高加湿高負荷条件、 低加湿低負荷条件共に優れた性能 を示した。 中でも酸素含有量が 3. 3質量%である炭素材料 aを触 媒担体炭素材料として使用した実施例 1が特に優れた特性を示した それに対し、 BET評価による比表面積 S B E Tが 1 0 0 O m2/g以下で ある炭素材料を触媒担体炭素材料とした実施例 5及び 7は、 高加湿 高負荷と低加湿低負荷の両方の特性が悪い結果となった。 これらに 使用した Pt触媒を TEM観察すると、 担持された Pt粒子が凝集し巨大 化しており、 一部には 1 0 Mを越す粒子径のものが存在した。 実施 例 1、 2、 3の Pt触媒の TEM観察では、 Pt粒子が粒子径 5 nmを超え るものは観察できなかった。 また、 比表面積 S B E Tが 1 0 0 0 m2 /g 以上であってもミクロ孔表面積 Sm i e r。の全表面積 S tt a lの比 S m i c r。Z S tl a lが 0 · 5以下の実施例 3 と 6は、 比 SE i c r。/ S tl a l が 0. 5以上である実施例 1、 2、 4と比較すると低加湿低負荷条 件の特性が悪かった。
<性能比較 3 >
表 4に示した通り、 導電助剤炭素材料を表 1の e、 f 、 hの炭素 材料を用い、 触媒担体炭素材料を表 1 の a、 ガス拡散炭素材料を表
1 の hとして、 導電助剤炭素材料の種類が異なる各種触媒層を、 触 媒凝集相とガス拡散炭素材料凝集相との 2相構造となるように作製 し、 これらの触媒層をカゾードしたときの発電性能を比較した。 な お、 アノードには、 実施例 1 の触媒層を用いた。
表 4
Figure imgf000043_0001
本発明の実施例 8、 1、 9はすべて高加湿高負荷条件、 低加湿低 負荷条件共に優れた性能を示した。 DBP吸油量 X (mL/100g) と BET 評価による比表面積 SBE T (m2/g) の比 X/ SB E Tが 0. 2以下であ る実施例 8は、 比 X/ S B E Tが 0. 2以上 3. 0.以下である実施例 1及び 9 と比較すると高加湿高負荷の性能が劣る傾向にあった。 <性能比較 4 > 表 5に示した通りガス拡散炭素材料に表 1の : f 、 g、 hの炭素材 料を用い、 触媒担体炭素材料を表 1の a、 導電助剤炭素材料を表 1 の f として、 導電助剤炭素材料の種類が異なる各種触媒層を、 触媒 凝集相とガス拡散炭素材料凝集相との 2相構造となるように作製し 、 これらの触媒層を力ソードしたときの発電性能を比較した。 なお 、 アノードには、 実施例 1 の触媒層を用いた。
表 5
Figure imgf000044_0001
本発明の実施例 1 0、 1 1、 1はすべて高加湿高負荷条件、 低加 湿低負荷条件共に優れた性能を示した。 DBP吸油量 X (mL/100g) と BET評価による比表面積 SBE T (m2/g) の比 XZ S BE Tが:! . 0未満 である実施例 1 0は、 比 XZ S BETが 1. 0以上である実施例 1 1 及び 1 と比較すると高加湿高負荷の性能が劣る傾向にあった。
<性能比較 5 >
表 6に示した通り、 触媒担体炭素材料を表 1 の a、 導電助剤炭素 材料を表 1の f 、 ガス拡散炭素材料を表 1の hとして、 導電助剤炭 素材料の混合比率のみを触媒担体炭素材料の質量 1 に対して、 導電 助剤炭素材料を質量 0. 0 5〜 0. 5の比率で段階的に変化させて 混合した触媒層を、 触媒凝集相とガス拡散炭素材料凝集相との 2相 構造となるように作製し、 これらの触媒層を力ソードしたときの発 電性能を比較した。 なお、 アノードには、 実施例 1の触媒層を用い た。 表 6
Figure imgf000045_0001
本発明の実施例 1、 及び 1 2〜 1 6はすべて高加湿高負荷条件、 低加湿低負荷条件共に優れた性能を示した。 特に導電助剤炭素材料 の質量が触媒担体炭素材料の質量 1 に対して 0 . 1以上 0 . 4以下 の範囲内にある実施例 1及び 1 3〜 1 5は特に性能が優れる結果と なった。 産業上の利用可能性
本発明に係る燃料電池によれば、 燃料電池システムの水分 (湿度 ) 管理が容易となるため、 環境順応性が高く、 システム制御や運転 が簡便となるだけでなく、 発電効率が上がる。 このことから、 輸送 機器、 産業機器用途に限らず、 家庭用電池や民生機器用途にも活用 でき、 燃料電池の普及、 利用促進に大きく貢献するものと確信する

Claims

1 . プロ トン伝導性電解質膜を挟んだ一対の触媒層を含む燃料電 池であって、 少なく とも力ソー ドの触媒層が、 触媒成分、 電解質材 料、 及び炭素材料を含むと共に、
前記炭素材料が、 前請記触媒成分を担持した触媒担体炭素材料と 、 前記触媒成分を担持していない導電助剤炭素材料と、 前記触媒成 分を担持していないガス拡散炭素材料との 3種からなり、
前記触媒層が、 前記触媒成分を担持した前記触媒担体炭素材料
、 前記電解質材料、 及び前記触媒成分を担持していない前記導電助 剤炭素材料を主成分として凝集してなる触囲媒凝集相と、 前記触媒成 分を担持していない前記ガス拡散炭素材料を主成分として凝集して なるガス拡散炭素材料凝集相との 2相からなり、
前記触媒凝集相が連続体であって、 前記ガス拡散炭素材料凝集 相が前記触媒凝集相中に分散した構造であることを特徴とする燃料 電池。
2. 前記触媒層の前記触媒担体炭素材料に関し、 BET評価による 比表面積 S B E τが 1 0 0 0 m2 /g以上 4 0 0 0 m2 /g以下で、 かつ t プ ロッ ト解析による直径 2 nm以下のミクロ孔表面積 S m i c r。と全表面 積 Stt a l との比 S^ic ZS ,が 0. 5以上であることを特徴 とする請求の範囲 1 に記載の燃料電池。
3. 前記触媒層の前記導電助剤炭素材料の DBP吸油量 X (mL/lOOg ) と BET評価による比表面積 S B E T (m2/g) との比 XZ S B E Tが 0.
2以上 3. 0以下であることを特徴とする請求の範囲 1に記載の燃 料電池。
4. 前記触媒層の前記ガス拡散炭素材料の DBP吸油量 X (mL/100g ) と BET評価による比表面積 SB E T (mVg) との比 X/ S B E Tが 1. 0以上であることを特徴とする請求の範囲 1に記載の燃料電池。
5. 前記触媒層の断面における 1 0 ^mX l 0 m面積の視野中に 、 円相当直径 3 0 0 nm以上の大きさの触媒成分を担持していないガ ス拡散炭素材料凝集相が少なく とも 1個、 もしくは 1 0視野の平均 で 1個/視野以上存在することを特徴とする請求の範囲 1〜4のい ずれか 1項に記載の燃料電池。
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