WO2009119441A1 - 射出成形方法及び射出成形金型 - Google Patents

射出成形方法及び射出成形金型 Download PDF

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    • B29C45/2628Moulds with mould parts forming holes in or through the moulded article, e.g. for bearing cages

Definitions

  • the cover material When the cover material is bonded to the bonding surface of the substrate using heat, the distortion of the bonding surface and the decrease in flatness result in a decrease in the bonding strength between the substrate and the cover material, and the sealing performance of the fine flow path and the through hole. In addition, air entrainment (air accumulation) occurs on the bonding surface, which greatly affects the bonding accuracy and quality of the microchip.
  • FIG. 5A shows a state where the outer wall forming portion 242 is positioned at the entrance of the prepared hole 22.
  • FIG. 5C shows a plan view of one mold 20 and the other surface 12 (joint surface) of the substrate 10 with the other mold 30 opened.

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Abstract

 板状の基板の一方の面から基板の他方の面の方向へ孔径を徐々に小さくするように貫通した貫通孔が設けられ、貫通孔に連通する微細流路が他方の面に設けられた樹脂製基板の射出成形方法において、一方の面を成形する一方の金型と他方の面を成形する他方の金型とを合わせることによりキャビティを構成し、一方の金型から他方の金型に向けて突出したテーパーピンにより、貫通孔を成形するための一方の金型の一部を構成し、キャビティに樹脂材を充填することにより、基板を成形し、一方の金型と他方の金型とを離間することにより、基板を他方の金型から離し、他方の金型に向けてさらに突出させたテーパーピンで貫通孔の内壁を押し出すことにより、基板を一方の金型から離す。

Description

射出成形方法及び射出成形金型
 この発明は、射出成形方法及び射出成形金型に関し、特に、板状の基板の両面の少なくとも一方に微細流路が形成され、微細流路が形成された面にカバー材を接合する樹脂製基板の射出成形方法及び射出成形金型に関する。
 微細加工技術を利用して、シリコンやガラス基板上に微細流路や回路を形成し、微小空間上で、核酸、タンパク質、血液などの液体試料の化学反応や、分離、分析などをおこなうマイクロ分析チップ、あるいはμTAS(Micro Total Analysis Systems)と称される装置が実用化されている。このようなマイクロチップの利点としては、サンプルや試薬の使用量又は廃液の排出量が軽減され、省スペースで持ち運び可能な安価なシステムの実現が考えられる。マイクロチップは、少なくとも一方の部材に微細加工が施された部材2つをはり合わせることにより製造される。
 従来においては、マイクロチップにはガラス基板が用いられ、様々な微細加工方法が提案されている。例えば、ガラス基板の表面に微細流路を形成する方法としてフォトレジスト法がある(例えば、特許文献1)。しかしながら、ガラス基板は、大量生産には向かず、非常に高コストであるため、廉価で使い捨て可能な樹脂製マイクロチップの開発が望まれている。
 また、PDMS(ポリジメチルシロキサン)基板に光リソグラフィー法により微細流路を形成する方法がある(例えば、特許文献2)。光リソグラフィー法により成形された微細流路にはエッジが残る(微細流路の縁や角がだれない)という利点がある。しかしながら、光リソグラフィー法では、マイクロチップが高コストとなる。
 マイクロチップのコストを低減することを主目的として、射出成形方法により、板状の基板に微細流路を形成する方法がある。この射出成形方法では、成形圧を高く、射出速度を早くすること等により、微細流路にエッジを残すための微細流路の高転写性が要求される。高転写性を達成しようとすれば、離型抵抗が大きくなり、成形品の離型が困難となる。成形品を無理に離型すると、微細流路が形成された接合面に歪みが残る。また、離型抵抗が大きくなることによって、離型時に微細流路の形状が変形し、及び離型時に発生するうねりや反りにより、基板の接合面の平面性が低下する。接合面に対して要求される平面度は例えば10μm以下である。
 特に、微細流路内に試料及び試薬を導入するための貫通孔(ウェル)を1から複数個備えた樹脂製基板の射出成形では、成形後の樹脂の収縮により、貫通孔の内壁が型に密着し、貫通孔の離型抵抗が大きくなるため、貫通孔近傍において、微細流路の形状の変形が著しく、また、基板の平面性も著しく低下する傾向にある。
 さらに、基板の接合面とは反対の面に、接合面とは反対側に筒状部(チムニー)が突設され、筒状部の中心に貫通孔が穿たれている基板では、成形後の樹脂の収縮により、貫通孔の内壁が型に密着する面積が増し、貫通孔の離型抵抗がさらに大きくなるため、貫通孔近傍において、微細流路の形状の変形及び基板の平面性の低下する傾向が極めて顕著となる。
 樹脂材同士の接合においては、一般的に接着剤等の粘着剤が用いられる。粘着剤を用いた接合においては、粘着剤層がある程度の厚みを有し、緩衝材の役目をするため、接着面の歪み、平面性が接合性に影響することは少ない。
 しかしながら、基板の接合面にカバー材を接合したマイクロチップにおいて、分析に影響を及ぼす可能性のある物質を介在させることはできず、熱を利用した接合を中心とする基板とカバー材の直接的な接合が要求される。
 実験の結果、熱を利用した接合においては、接合面の歪み及び平面性の低下が接合精度及び品質に大きく影響することが分かった。
 熱を利用して、基板の接合面にカバー材を接合した場合、接合面の歪み及び平面性の低下は、基板とカバー材の接合強度が低下し、微細流路や貫通孔のシール性が低下し、また接合面へのエア巻き込み(エア溜まり)が発生し、マイクロチップの接合精度及び品質に大きな影響を及ぼす。
 従来の射出成形方法において、基板である成形品を金型から離す技術としては、図8に示すように、基板1の空きエリアをエジェクタピン3で押し出すことにより、金型2から離す方法がある。また、図9に示すように、基板1のテーパ状の外周壁4を、エジェクタピン3で押し出すことにより、金型2から離す方法がある。さらに、図10に示すように、基板1のテーパ状の外周壁4及び外周縁部5を、段付きのエジェクタピン3で押し出す方法がある。さらに、図11に示すように、基板1の面全体6をブロック7で押し出す方法がある。
特開2003-215140号公報 特開2006-53064号公報
 しかしながら、上記の図8から図10に示す方法では、貫通孔の離型抵抗が大きいため、貫通孔近傍において、接合面の歪み及び平面性の低下が生じるという問題点があった。さらに、図11に示す方法では、基板の面全体が空きエリアである成形品に限られるという問題点があった。
 この発明は、上記の問題を解決するものであり、射出成形により生じる基板の接合面の歪みを緩和し、接合面の平面性の低下を防止することができる射出成形方法及び射出成形金型を提供することを目的とする。
 上記課題を解決するため、この発明は、離型抵抗が大きな貫通孔の近傍において、接合面の歪み及び平面性の低下が発生することに着目し、貫通孔を成形するための金型の一部で貫通孔の内壁を押し出すこととした。
 具体的に、この発明の第1の形態は、板状の基板の一方の面から該基板の他方の面の方向へ孔径を徐々に小さくするように貫通した貫通孔が設けられ、該貫通孔に連通する微細流路が前記他方の面に設けられ、該他方の面にカバー材が接合される樹脂製基板の射出成形方法において、前記一方の面を成形する一方の金型と前記他方の面を成形する他方の金型とを合わせることによりキャビティを構成する型合わせ工程と、前記一方の金型から前記他方の金型に向けて突出したテーパーピンにより、前記貫通孔を成形するための前記一方の金型の一部を構成する第1構成工程と、前記キャビティに樹脂材を充填することにより、前記基板を成形する充填工程と、前記一方の金型と前記他方の金型とを離間することにより、前記基板を前記他方の金型から離す離間工程と、前記他方の金型に向けてさらに突出させた前記テーパーピンで前記貫通孔の内壁を押し出すことにより、前記基板を前記一方の金型から離す押出工程と、を有することを特徴とする射出成形方法である。
 また、この発明の第2の形態は、板状の基板の一方の面に、該基板の他方の面とは反対側へ筒状部が突設され、該筒状部の中心に穿たれ、前記一方の面から前記他方の面の方向へ孔径を徐々に小さくするように貫通した貫通孔が設けられ、該貫通孔に連通する微細流路が前記他方の面に設けられ、該他方の面にカバー材が接合される樹脂製基板の射出成形方法において、前記一方の面を成形する一方の金型と前記他方の面を成形する他方の金型とを合わせることによりキャビティを構成する型合わせ工程と、前記一方の金型から前記他方の金型に向けて突出したテーパーピンにより、前記貫通孔を成形するための前記一方の金型の一部を構成する第1構成工程と、前記テーパーピンを外嵌した状態で、前記一方の金型の下穴に出没可能に設けられたスリーブであり、前記下穴に没入した前記スリーブの端面により、前記筒状部の貫通孔の入口周縁部を成形するための前記一方の金型の一部を構成する第2構成工程と、前記キャビティに樹脂材を充填することにより、前記基板を成形する充填工程と、前記一方の金型と前記他方の金型とを離間することにより、前記基板を前記他方の金型から離す離間工程と、前記下穴から突出した前記スリーブの端面で前記筒状部の貫通孔の入口周縁部を押し出すことにより、前記基板を前記一方の金型から離す押出工程と、を有することを特徴とする射出成形方法である。
 さらに、この発明の第3の形態は、第1の形態又は第2の形態のいずれかに記載の射出成形方法であって、前記型合わせ工程は、前記一方の金型を固定側の金型である前記他方の金型に近づけ、前記離間工程は、前記他方の金型から前記一方の金型を遠ざけることを特徴とする射出成形方法である。
 さらに、この発明の第4の形態は、第1の形態から第3の形態のいずれかに記載の射出成形方法であって、前記型合わせ工程において、前記テーパーピンの先端を前記他方の金型に接触させる位置は、前記他方の面を形成するための他方の金型の一部から前記一方の金型の方へ前記微細流路の深さとほぼ同量ずらした位置であることを特徴とする射出成形方法である。
 さらに、この発明の第5の形態は、第1の形態に記載の射出成形方法であって、さらに、前記第1構成工程において、前記テーパーピンに一体的に形成され、前記貫通孔の入口周縁部を成形するための大径部により前記一方の金型の一部を構成し、さらに、前記押出工程において、前記大径部で前記貫通孔の入口周縁部を押し出すことを特徴とする射出成形方法である。
 さらに、この発明の第6の形態は、第1の形態から第5の形態のいずれかに記載の射出成形方法であって、前記押出工程の前に、前記テーパーピンを前記他方の金型とは反対の方向に没入させ、前記テーパーピンから前記貫通孔の内壁を離す先抜き工程を有することを特徴とする射出成形方法である。
 さらに、この発明の第7の形態は、第2の形態に記載の射出成形方法であって、さらに、前記第2構成工程において、前記スリーブの端面に一体的に形成され、前記筒状部の先端側から基端側である前記一方の面側に向かって徐々に拡径する外壁を成形するための外壁形成部により前記一方の金型の一部を構成し、さらに、前記押出工程において、前記外壁形成部で前記筒状部の外壁を押し出すことを特徴とする射出成形方法である。
 さらに、この発明の第8の形態は、板状の基板の一方の面に、該基板の他方の面とは反対側へ筒状部が突設され、該筒状部の中心に穿たれ、前記一方の面から前記他方の面の方向へ孔径を徐々に小さくするように貫通した貫通孔が設けられ、該貫通孔に連通する微細流路が前記他方の面に設けられ、該他方の面にカバー材が接合される樹脂製基板の射出成形金型において、前記一方の面を成形する一方の金型と、前記他方の面を成形し、前記一方の金型と合わせることによりキャビティを構成し、該キャビティに樹脂材を充填することにより、前記基板を成形し、前記一方の金型から相対的に離間することにより、前記基板が離れる他方の金型と、前記一方の金型から前記他方の金型に向けて突出していることにより前記貫通孔を成形するための前記一方の金型の一部を構成するテーパーピンと、前記テーパーピンを外嵌した状態で、前記一方の金型の下穴に出没可能に設けられ、該下穴に没入していることにより、筒状部の貫通孔の入口周縁部を形成するための前記一方の金型の一部をその端面が構成するスリーブと、を有することを特徴とする射出成形金型である。
 この発明の第1の形態によると、成形後の樹脂の収縮により、貫通孔の内壁がテーパーピンに密着する。貫通孔の内壁をテーパーピンで押し出すので、貫通孔の離型抵抗が小さく、貫通孔近傍において、接合面の歪みを緩和することができ、また、接合面の平面性の低下を防止することができる。
 また、この発明の第2の形態及び第8の形態によると、成形後の樹脂の収縮により、貫通孔の内壁がテーパーピンに密着する。筒状部の貫通孔の入口周縁部をスリーブで押し出すので、貫通孔近傍において、接合面の歪みを緩和することができ、また、接合面の平面性の低下を防止することができる。
 さらに、この発明の第3の形態によると、微細流路を形成するための金型である他方の金型を固定側の金型としたので、射出成形するときに、他方の金型を高い位置精度に維持することができ、微細流路を高い精度で成形可能となる。
 さらに、この発明の第4の形態によると、テーパーピンの先端と他方の金型とを接触させた位置近傍に生じた隙間が原因で、成形後にバリが発生した場合、発生するバリは、微細流路の深さとほぼ同位置にできるので、接合面の平面性に影響を与えない。
 さらに、この発明の第5の形態によると、テーパーピンの大径部で貫通孔の入口周縁部を押し出すので、貫通孔の離型抵抗がさらに小さくなり、貫通孔近傍において、接合面の歪み及び平面性の低下をさらに防止することができ、成形品を安定して離型することができる。
 さらに、この発明の第6の形態によると、成形後、貫通孔の内壁はテーパーピンに密着する。そのテーパーピンを没入させることにより、貫通孔の内壁をテーパーピンから離すことができるので、貫通孔の離型抵抗が極めて小さくなり、押出工程において、貫通孔近傍における接合面の歪み及び平面性の低下を発生させることなく、成形品を一方の金型から取り出すことができる。
 さらに、この発明の第7の形態によると、成形後の樹脂の収縮により、貫通孔の内壁がテーパーピンに密着する。筒状部の外壁を外壁形成部で押し出すので、貫通孔近傍において、接合面の歪みを緩和することができ、また、接合面の平面性の低下を防止することができ、成形品を安定して離型することができる。
第1実施の形態に係る射出成形金型の断面図である。 第1実施の形態の変形例に係る射出成形金型の断面図である。 第1実施の形態の他の変形例に係る射出成形金型の断面図である。 第2実施の形態に係る射出成形金型の断面図である。 第2実施の形態の変形例に係る射出成形金型の断面図である。 第3実施の形態に係る射出成形金型の断面図である。 第4実施の形態に係る射出成形金型の断面図である。 従来の射出成形金型の断面図である。 従来の射出成形金型の断面図である。 従来の射出成形金型の断面図である。 従来の射出成形金型の断面図である。
符号の説明
 S1 隙間
 10 基板
 11 一方の面
 12 他方の面
 13 貫通孔
 131 貫通孔の内壁
 132 貫通孔の入口周縁部
 14 外周壁
 15 筒状部
 151 筒状部の外壁
 16 溝部
 20 一方の金型
 21 凹部
 211 テーパー溝
 22 下穴
 23 テーパーピン
 231 テーパー部
 232 円柱部
 233 大径部
 24 スリーブ
 241 スリーブの端面
 242 外壁形成部
 243 周縁形成部
 30 他方の金型
 31 段部
[第1の実施の形態]
 この発明の第1の実施形態に係る射出成形金型について、図1を参照して説明する。図1は射出成形金型の断面図である。
 先ず、第1の実施形態に係る射出成形金型により成形される板状の基板10について説明する。基板10は、一方の面11から他方の面12の方向へ孔径を徐々に小さくするように貫通した貫通孔13が設けられている。貫通孔13に連通する微細流路(図示省略)が他方の面12に設けられている。微細流路が設けられる他方の面12にはカバー材(図示省略)が接合される。基板10と、基板10の他方の面12に接合されるカバー材とによりマイクロチップが構成される。基板10の一方の面11は微細流路が設けられない平面である。また、微細流路が設けられる他方の面12は、カバー材が接合される接合面である。
 基板10は、射出成形機で透明樹脂材料の環状ポリオレフィン樹脂を成形し、外形寸法が50mm×50mm×1.5mmの板状部材に幅50μm、深さ50μmの複数の微細流路で構成される。
 カバー材は、その材質が透明樹脂材料の環状ポリオレフィン樹脂であり、外形寸法が50mm×50mm×(30μm~300μm)である。
 基板10において、一方の面11である平面には歪みが残っていても良く、他方の面12である接合面に歪みを作りたくない。また、成形後の樹脂の収縮により、貫通孔13の内壁131が金型の一部(後述するテーパー部231)に密着し、離型抵抗が大きい。そのため、貫通孔13の近傍において、他方の面12である接合面に歪みが発生し易い。
 貫通孔13の内壁131は、前述したように孔径が徐々に小さくなっていて、3~5°の傾斜角度を有することにより、貫通孔13に液体試料を導入するときに、貫通孔13の内部に空気が溜まらないようになっている。また、基板10の外周壁14は、一方の面11から他方の面12の方向に対して、3~5°外側へ開いている。
 次に、射出成形金型について説明する。この射出成形金型は、基板10一方の面11を成形する一方の金型20と他方の面12を成形する他方の金型30とを有している。一方の金型20が可動側金型であり、他方の金型30が固定側金型である。
 一方の金型20には、凹部21が形成されている。一方の金型20を他方の金型30に近づけ、両方の金型を合わせることにより樹脂材の充填空間であるキャビティが形成される。凹部21がキャビティに相当する。キャビティに樹脂材を充填することにより、基板10である成形品が成形される。凹部21には下穴22が穿設されている。下穴22には、テーパーピン23が出没可能に嵌合している。
 テーパーピン23は、先端側のテーパー部231と基端側の円柱部232とが一体的に形成されている。円柱部232が下穴22に没入し、テーパー部231が凹部21(キャビティ)内にあって他方の金型30に向けて突出している状態を図1(a)に示す。この状態では、テーパー部231は、貫通孔13を成形するための一方の金型20の一部を構成している。
 一方の金型20には、基板10の一方の面11及び外周壁14が密着し、他方の金型30には基板10の他方の面12である接合面が密着する。基板10である成形品に対する密着面積は、一方の金型20より他方の金型30の方が小さい。一方の金型20と他方の金型30とを離間させることにより、基板10である成形品を一方の金型20に密着させる一方、成形品を他方の金型30から離れさせる。このとき、一方の金型20の一部を構成するテーパー部231には、貫通孔13の内壁131が密着している。
 円柱部232の一部が下穴22から突出し、テーパーピン23が凹部21内から他方の金型30に向けてさらに突出した状態を図1(b)に示す。この状態では、テーパー部231が貫通孔13の内壁131を押し出すことにより、基板10である成形品を一方の金型20から離れさせる。図1(b)に示す状態では、貫通孔13の内壁131がテーパー部231に密着した状態にある。
 円柱部232及びテーパー部231が共に下穴22に没入した状態では、下穴22の周縁部が貫通孔13の入口周縁部132を押し出すことにより、テーパー部231を相対的に貫通孔13から抜き、基板10である成形品を金型から取り出し可能となる。
 次に、以上の射出成形金型を用いた樹脂製基板の射出成形方法について、図1を参照にして説明する。
 (型合わせ工程)
 可動側金型である一方の金型20を固定側金型である他方の金型30に近づけ、両方の金型20、30を合わせる。一方の金型20の凹部21を他方の金型30で塞ぐことにより、キャビティが形成される。
 (第1構成工程)
 テーパー部231は凹部21内にあって、他方の金型30に向けて突出していて、貫通孔13を成形するための一方の金型20の一部を構成する。他方の金型30に突出したテーパー部231は、基板10の他方の面12(成形品の接合面)を形成する他方の金型30の一部に接触している。
 なお、第1構成工程は型合わせ工程の前であっても、型合わせ工程の後であっても、型合わせ工程と同時(並行)であっても良い。また、第1構成工程の開始段階ではテーパー部231が下穴22に没入し、第1構成工程の終了段階までに、下穴22から他方の金型30に向けて突出し、凹部21内に位置するようにしても良い。
 (充填工程)
 次に、キャビティに樹脂材を充填することにより、基板10である成形品を成形する。基板10の他方の面12には、微細流路が形成される。基板10には貫通孔13が形成される。微細流路の高転写性の要求から、射出成形は、成形圧を高く、射出速度を早くして行われる。一方の金型20に基板10の一方の面11及び外周壁14が密着し、また、一方の金型20の一部を構成するテーパー部231に貫通孔13の内壁131が密着する。さらに、他方の金型30に基板10の他方の面12が密着する。
 (離間工程)
 次に、可動側金型である一方の金型20を固定側金型である他方の金型30から遠ざける。成形品に対する密着面積が一方の金型20より他方の金型30の方が小さいため、一方の金型20を他方の金型30から離間させると、基板10の他方の面12(成形品の接合面)が他方の金型30から離れる。
 (押出工程)
 次に、凹部21内から他方の金型30に向けてさらに突出させたテーパー部231で貫通孔13の内壁131を押し出すことにより、基板10の一方の面11(成形品の平面)を一方の金型20から離す。
 貫通孔13の内壁131がテーパー部231に密着したままで、貫通孔13の内壁131を押し出すので、貫通孔13の離型抵抗が小さく、貫通孔13の近傍において、基板10の他方の面12(成形品の接合面)の歪みを緩和することができる。また、接合面の平面性の低下を防止することができる。さらに、貫通孔13が均等配置された成形品では、テーパー部231で貫通孔13の内壁131を押し出すことにより、バランス良く、成形品を突き出すことができる。
 (没入工程)
 次に、テーパーピン23の円柱部232及びテーパー部231を共に下穴22に没入させる。それにより、下穴22の周縁部が貫通孔13の入口周縁部132を押し出し、テーパー部231を相対的に貫通孔13から抜き、貫通孔13の内壁131から離す。それにより、基板10である成形品は、金型との密着部分の全てが離れ、基板10の他方の面12(形成品の接合面)に歪みを残すことなく、基板10である成形品を取り出すことができる。
 次に、第1実施形態の変形例に係る射出成形金型について、図2を参照にして説明する。図2は、変形例に係る射出成形金型の断面図である。なお、以降の変形例においては、符号が煩雑になることを防ぐため、同一名称のものにおいては形状等の違いは有っても同一の符号とする。
 変形例に係る射出成形金型の特徴は、テーパーピン23が大径部233を有している点にある。大径部233は、基板側の円柱部232全体を大径に形成して成る。大径部233は、先端側のテーパー部231の最大径より大きな外径を有している。大径部233は、貫通孔13の入口周縁部132を成形する一方の金型20の一部を構成している。大径部233が一方の金型20の一部を構成した状態を図2(a)に示す。
 凹部21内から他方の金型30に向けてさらに突出させたテーパー部231で貫通孔13の内壁131を押し出す前記押出工程において、大径部233は、貫通孔13の入口周縁部132を他方の金型30に向けて押し出す。大径部233が貫通孔13の入口周縁部132を押し出した状態を図2(b)に示す。なお、大径部233は、先端側のテーパー部231と基端側の円柱部232との間の中間部に一体的に形成されていても良い。
 テーパーピン23の大径部233で貫通孔13の入口周縁部132を押し出すので、基板10である成形品を安定して、一方の金型20から離型することが可能となり、また、貫通孔13の離型抵抗がさらに小さくなり、貫通孔13の近傍において、基板10の他方の面12(成形品の接合面)の歪み及び平面性の低下をさらに防止することができる。
 次に、第1実施形態の他の変形例に係る射出成形金型について、図3を参照にして説明する。図3は、他の変形例に係る射出成形金型の断面図である。
 この他の変形例に係る射出成形金型は、前記第1実施形態に係る射出成形金型と以下の構成が異なる。前記第1実施形態では、一方の金型20と他方の金型30とを合わせる型合わせ工程において、テーパーピン23のテーパー部231を基板10の他方の面12(成形品の接合面)を成形するための他方の金型30の一部に接触させた。この他の変形例では、テーパーピン23のテーパー部231を他方の金型30に接触させる位置は、他方の面12(接合面)を形成するための他方の金型30の一部から一方の金型20の方へ微細流路(図示省略)の深さとほぼ同量ずらした位置である。
 テーパーピン23と他方の金型30とを接触させる位置をずらした分だけ、テーパーピン23は、短くなっている。また、他方の金型30には、ずらした分に相当する高さの段部31が形成されている。段部31の頂面の面積は、テーパーピン23の先端面の面積より広くなっている。テーパー部231を段部31に接触させた状態を図3(a)に示す。また、テーパー部231で、基板10である成形品を押し出した状態を図3(b)に示す。
 テーパーピン23と他方の金型30の段部31とを接触させた位置近傍に生じた隙間が原因で、成形後にバリが発生した場合にも、バリが微細流路の深さとほぼ同位置にできるので、基板10の他方の面12(成形品の接合面)の平面性に影響を与えない。図3(a)、(b)に示すように、段部31により、基板10の他方の面12に溝部16が形成される。
 なお、前記第1実施形態では、一方の金型20を可動側金型とし、他方の金型30を固定側金型としたが、逆の態様であっても良い。
[第2の実施の形態]
 次に、第2実施形態に係る射出成形金型について、図4を参照して説明する。図4は第2実施形態に係る射出成形金型の断面図である。
 先ず、第2実施形態に係る射出成形金型により成形される基板10について説明する。第2実施形態に係る基板10が、第1実施形態に係る基板10と異なる点は、筒状部(チムニー)15を有している点である。
 筒状部15は、基板10の一方の面11に他方の面12とは反対側へ突設されている。他方の面12には微細流路が形成される接合面である。他方の金型30を開いて、一方の金型20及び基板10の他方の面12(接合面)の平面図を図4(c)に示す。
 筒状部15は、基板10の板厚の3倍以上の高さを有している。筒状部15の高さは、一般的に基板10の板厚の3~5倍である。筒状部15の外壁151は、先端側から基端側である一方の面11側に向かって徐々に拡径している。外壁151は3~5°の傾斜角度を有している。
 筒状部15の中心には、貫通孔13が穿設されている。貫通孔13は、前記第1実施形態に係る貫通孔13に比較して、筒状部15の高さの分だけ長く、貫通孔13の内壁131の面積も広く、貫通孔13を成形するテーパー部231も長い。成形後の樹脂の収縮により、貫通孔13の内壁131がより広い面積でテーパー部231に密着し、貫通孔13の離型抵抗が一段と増大する。
 次に、第2実施形態に係る射出成形金型について説明する。この射出成形金型は第1実施形態に係る射出成形金型に対して次の2点で大きく異なる。
 第1の異なる点は、筒状部15の外壁151を形成するためのテーパー溝211が一方の金型20の凹部21に形成されている点にある。テーパー溝211と下穴22とは連続しており、テーパー溝211の奥の位置と下穴22の入口の位置とは一致している。
 第2の異なる点は、第1実施形態では、テーパーピン23のテーパー部231を他方の金型30に向けて突き出すことで、基板10である成形品を一方の金型20から離していたが、第2実施形態では、新たに設けたスリーブ24で基板10である成形品を一方の金型20から離している点にある。
 スリーブ24は、テーパーピン23を外嵌した状態で、一方の金型20の下穴22に出没可能に設けられ、下穴22に没入したスリーブ24の端面241が筒状部15の貫通孔13の入口周縁部132を形成するための一方の金型20の一部を構成する。スリーブ24の端面241を下穴22の入口に位置させた状態を図4(a)に示す。
 次に、第2実施形態に係る射出成形方法について、図4を参照にして説明する。この射出成型方法が、第1実施形態に係る射出成型方法と異なる点は、第2構成工程を新たに設けた点、並びに押出工程及び没入工程を変更した点である。以下、第2構成工程、押出工程及び没入工程について説明し、第1実施形態とほぼ同様の工程についてはその説明を省略する。
 (第2構成工程)
 スリーブ24を下穴22に没入させ、図4(a)に示すように、スリーブ24の端面241を下穴22の入口(テーパー溝211の奥に位置させる。スリーブ24の端面241により、筒状部15の貫通孔13の入口周縁部132を形成するための一方の金型20の一部を構成する。
 なお、第2構成工程は型合わせ工程の前であっても、型合わせ工程の後であっても、型合わせ工程と同時、並行であっても良い。同じく、第2構成工程は第1構成工程の前であっても、第1構成工程の後であっても、第1構成工程と同時、並行であっても良い。
 また、第2構成工程の開始段階からスリーブ24の端面241を下穴22の入口に位置させたが、これに限らない。開始段階では、スリーブ24の端面241を下穴22の入口から突出させた位置にし、又は、下穴22の入口から没入させた位置にし、第2構成工程の終了段階までに、下穴22の入口に位置させれば良い。
 (押出工程)
 下穴22から他方の金型30に向けて突出させたスリーブ24の端面241で筒状部15の貫通孔13の入口周縁部132を押し出す。それにより、基板10である成形品を一方の金型20から離す。スリーブ24の端面241を凹部21外に突出させた状態を図4(b)に示す。
 なお、図4(a)、(b)で分かるように、テーパーピン23は、一方の金型20に固定されており、下穴22に出没可能に嵌合している前記第1実施形態に係るテーパーピン23とは異なる。
 スリーブ24の端面241で筒状部15の貫通孔13の入口周縁部132を押し出すことで、基板10の一方の面11(成形品の平面)が凹部21から離れ、筒状部15の外壁151がテーパー溝211から離れ、また、貫通孔13の内壁131がテーパー部231から離れ、テーパー部231が相対的に貫通孔13から抜ける。
 筒状部15の貫通孔13の入口周縁部132がスリーブ24の端面241に密着しており、それ以外の部分は金型に密着していないので、離型抵抗が小さく、基板10である成形品に歪みを残さず、成形品を容易に取り出すことができる。
 スリーブ24の端面241で筒状部15の貫通孔13の入口周縁部132を押し出すので、離型抵抗が一段と増大した貫通孔13の近傍においても、基板10の他方の面12(成形品の接合面)の歪みを緩和することができ、また、他方の面12(接合面)の平面性の低下を防止することができる。
 (没入工程)
 前記第1実施形態では、テーパーピン23を下穴22に没入させたが、この第2実施形態では、テーパーピン23は一方の金型20に固定されているので、スリーブ24を下穴22に没入させる。
 没入工程では、スリーブ24を下穴22に没入させ、スリーブ24の端面241を下穴22の入口に位置させる。前述した、押出工程において、離型抵抗があり、成形品が取り出せない場合は、スリーブ24を下穴22にさらに没入させ、筒状部15の貫通孔13の入口周縁部132をスリーブ24の端面241から離せば良い。
 次に、第2実施形態の変形例に係る射出成形金型について、図5を参照にして説明する。図5は、変形例に係る射出成形金型の断面図である。
 変形例に係る射出成形金型の特徴は、スリーブ24の先端部が筒状部15の外壁151を形成するための外壁形成部242と、筒状部15の貫通孔13の入口周縁部132を成形するための周縁形成部243とを有することにある。
 変形例に係る射出成形方法において、充填工程では、スリーブ24を下穴22に没入させ、スリーブ24の外壁形成部242を下穴22の入口に位置にさせている。外壁形成部242を下穴22の入口に位置させた状態を図5(a)に示す。他方の金型30を開いて、一方の金型20及び基板10の他方の面12(接合面)の平面図を図5(c)に示す。
 また、押出工程では、スリーブ24を下穴22から他方の金型30に向けて突出させ、外壁形成部242で筒状部15の外壁151を他方の金型30に向けて押し出すと共に、周縁形成部243で筒状部15の貫通孔13の入口周縁部132を他方の金型30に向けて押し出す。筒状部15の外壁151等を凹部21外に押し出した状態を図5(b)に示す。
 筒状部15の外壁151を外壁形成部242で押し出し、また、貫通孔13の入口周縁部132を周縁形成部243で押し出すので、貫通孔13の近傍において、基板10の他方の面12(成形品の接合面)の歪みを緩和することができ、他方の面12(接合面)の平面性の低下を防止することができ、及び成形品を安定して離型することができる。
[第3の実施の形態]
 次に、第3実施形態に係る射出成形金型について、図6を参照して説明する。図6は第3実施形態に係る射出成形金型の断面図である。
 第3実施形態に係る射出成形金型の特徴は、第2実施形態に係るスリーブ24を無くした点にある。第3実施形態においても、貫通孔13は筒状部15の中心に穿たれており、貫通孔13の離型抵抗は大きい。
 第3実施形態に係る射出成形方法おいては、テーパーピン23で基板10である成形品を一方の金型20から離す押出工程の前に、テーパーピン23を他方の金型30とは反対の方向に没入させ、テーパーピン23から貫通孔13の内壁131を離す先抜き工程を有する。
 (先抜き工程)
 テーパーピン23を没入させた図6(b)に示す先抜き工程は、押出工程の前であって、図6(a)に示す離間工程の後にある。先抜き工程では、テーパーピン23を他方の金型30とは反対の方向に没入させても、下穴22の周縁部で筒状部15の貫通孔13の入口周縁部132を止めているため、筒状部15はテーパーピン23と共に没入せず、貫通孔13の内壁131がテーパー部231から離れる。貫通孔13の離型抵抗が極めて小さくなる。
 (押出工程)
 次に、押出工程で、テーパーピン23を下穴22から他方の金型30に向けて突出させることにより、テーパー部231で貫通孔13の内壁131を他方の金型30に向けて押し出す。先抜き工程で、貫通孔13の離型抵抗が極めて小さくすることにより、押出工程において、貫通孔13の近傍における基板10の他方の面12(成形品の接合面)の歪み及び平面性の低下を発生させることなく、成形品を一方の金型から取り出すことができる。
 なお、第2実施形態に係る射出成形において、先抜き工程を設けても良い。すなわち、テーパーピン23を出没可能に構成し、スリーブ24による押出工程の前に、テーパーピン23を没入させても良い。それにより、基板10の他方の面12(成形品の接合面)の歪み及び平面性の低下をさらに抑えることができる。
[第4の実施の形態]
 次に、第4実施形態に係る射出成形金型について、図7を参照して説明する。図7は第4実施形態に係る射出成形金型の断面図である。
 第4実施形態に係る射出成形金型の特徴は、第2実施形態に係るスリーブ24を無くした点にある。また、第3実施形態に係る下穴22の穴径を大きくし、下穴22の穴壁とテーパーピン23の円柱部232との間の隙間S1を設けた点にある。下穴22の穴径を大きくして隙間S1を設けた状態を図7(a)に示す。
 第4実施形態においても、貫通孔13は筒状部15の中心に穿たれており、貫通孔13の離型抵抗は大きい。しかし、下穴22の穴壁とテーパーピン23の円柱部232との間の隙間S1からエアを吹き出させ、吹き出したエアを、テーパー溝211の溝壁と筒状部15の外壁151との間の隙間S1に通し、また、テーパー部231と貫通孔13の内壁131との間の隙間S1に通す(図7(b)に示すエア吹出工程)。それにより、貫通孔13の離型抵抗を極めて小さくすことができる。
 なお、前記エア吹出工程を、第2実施形態又は第3実施形態に係る射出成形方法と組み合わせて用いても良い。また、第2実施形態及び第3実施形態に係る射出成形方法を組み合わせた方法に前記エア吹出工程を組み合わせて用いても良い。前記エア吹出工程を第3実施形態に係る射出成形方法と組み合わせて用いるとき、前記エア吹出工程を第3実施形態に係る先抜き工程と、同時に行うようにすれば良い。
 また、前記エア吹出工程を、第1実施形態に係る射出成形方法と組み合わせて用いても良い。

Claims (8)

  1.  板状の基板の一方の面から該基板の他方の面の方向へ孔径を徐々に小さくするように貫通した貫通孔が設けられ、該貫通孔に連通する微細流路が前記他方の面に設けられ、該他方の面にカバー材が接合される樹脂製基板の射出成形方法において、
     前記一方の面を成形する一方の金型と前記他方の面を成形する他方の金型とを合わせることによりキャビティを構成する型合わせ工程と、
     前記一方の金型から前記他方の金型に向けて突出したテーパーピンにより、前記貫通孔を成形するための前記一方の金型の一部を構成する第1構成工程と、
     前記キャビティに樹脂材を充填することにより、前記基板を成形する充填工程と、
     前記一方の金型と前記他方の金型とを離間することにより、前記基板を前記他方の金型から離す離間工程と、
     前記他方の金型に向けてさらに突出させた前記テーパーピンで前記貫通孔の内壁を押し出すことにより、前記基板を前記一方の金型から離す押出工程と、
     を有することを特徴とする射出成形方法。
  2.  板状の基板の一方の面に、該基板の他方の面とは反対側へ筒状部が突設され、該筒状部の中心に穿たれ、前記一方の面から前記他方の面の方向へ孔径を徐々に小さくするように貫通した貫通孔が設けられ、該貫通孔に連通する微細流路が前記他方の面に設けられ、該他方の面にカバー材が接合される樹脂製基板の射出成形方法において、
     前記一方の面を成形する一方の金型と前記他方の面を成形する他方の金型とを合わせることによりキャビティを構成する型合わせ工程と、
     前記一方の金型から前記他方の金型に向けて突出したテーパーピンにより、前記貫通孔を成形するための前記一方の金型の一部を構成する第1構成工程と、
     前記テーパーピンを外嵌した状態で、前記一方の金型の下穴に出没可能に設けられたスリーブであり、前記下穴に没入した前記スリーブの端面により、前記筒状部の貫通孔の入口周縁部を成形するための前記一方の金型の一部を構成する第2構成工程と、
     前記キャビティに樹脂材を充填することにより、前記基板を成形する充填工程と、
     前記一方の金型と前記他方の金型とを離間することにより、前記基板を前記他方の金型から離す離間工程と、
     前記下穴から突出した前記スリーブの端面で前記筒状部の貫通孔の入口周縁部を押し出すことにより、前記基板を前記一方の金型から離す押出工程と、
     を有することを特徴とする射出成形方法。
  3.  前記型合わせ工程は、前記一方の金型を固定側の金型である前記他方の金型に近づけ、
     前記離間工程は、前記他方の金型から前記一方の金型を遠ざけることを特徴とする請求の範囲第1項又は請求の範囲第2項のいずれかに記載の射出成形方法。
  4.  前記型合わせ工程において、前記テーパーピンの先端を前記他方の金型に接触させる位置は、前記他方の面を形成するための他方の金型の一部から前記一方の金型の方へ前記微細流路の深さとほぼ同量ずらした位置であることを特徴とする請求の範囲第1項から請求の範囲第3項のいずれかに記載の射出成形方法。
  5.  さらに、前記第1構成工程において、前記テーパーピンに一体的に形成され、前記貫通孔の入口周縁部を成形するための大径部により前記一方の金型の一部を構成し、
     さらに、前記押出工程において、前記大径部で前記貫通孔の入口周縁部を押し出すことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の射出成形方法。
  6.  前記押出工程の前に、前記テーパーピンを前記他方の金型とは反対の方向に没入させ、前記テーパーピンから前記貫通孔の内壁を離す先抜き工程を有することを特徴とする請求の範囲第1項から請求の範囲第5項のいずれかに記載の射出成形方法。
  7.  さらに、前記第2構成工程において、前記スリーブの端面に一体的に形成され、前記筒状部の先端側から基端側である前記一方の面側に向かって徐々に拡径する外壁を成形するための外壁形成部により前記一方の金型の一部を構成し、
     さらに、前記押出工程において、前記外壁形成部で前記筒状部の外壁を押し出すことを特徴とする請求の範囲第2項に記載の射出成形方法。
  8.  板状の基板の一方の面に、該基板の他方の面とは反対側へ筒状部が突設され、該筒状部の中心に穿たれ、前記一方の面から前記他方の面の方向へ孔径を徐々に小さくするように貫通した貫通孔が設けられ、該貫通孔に連通する微細流路が前記他方の面に設けられ、該他方の面にカバー材が接合される樹脂製基板の射出成形金型において、
     前記一方の面を成形する一方の金型と、
     前記他方の面を成形し、前記一方の金型と合わせることによりキャビティを構成し、該キャビティに樹脂材を充填することにより、前記基板を成形し、前記一方の金型から相対的に離間することにより、前記基板が離れる他方の金型と、
     前記一方の金型から前記他方の金型に向けて突出していることにより前記貫通孔を成形するための前記一方の金型の一部を構成するテーパーピンと、
     前記テーパーピンを外嵌した状態で、前記一方の金型の下穴に出没可能に設けられ、該下穴に没入していることにより、筒状部の貫通孔の入口周縁部を形成するための前記一方の金型の一部をその端面が構成するスリーブと、
     を有することを特徴とする射出成形金型。
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