JP2005040985A - 成形用金型及び成形方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】突き出しピンを利用してガス等気体を抜く際に、突き出しピンとその孔の軸芯を一致できるようにする金型装置を提供することを目的とする。
【解決手段】第1の金型部材1と第3の金型部材3の間に形成されゲート44を接続したキャビティ27に開口部54Dを設けると共に、該開口部54Dに接続した孔54に突き出しピン53を摺動自在に設ける。孔54の開口部54Dは突き出しピン53が嵌合すると共に、突き出しピン53の先端面55の後退位置側では孔54に該突き出しピン53の先端面55が隙間Lを有して遊嵌する。また孔54は、開口部54D側が次第に径小となるように形成する。開口部54D側が次第に径小となった孔54に突き出しピン53が案内されることにより、突き出しピン53が孔54を通してキャビティ27に突出する際、突き出しピン53の軸芯と孔54の軸芯を一致させて、正確に突き出しを行うことができる。
【選択図】 図4
【解決手段】第1の金型部材1と第3の金型部材3の間に形成されゲート44を接続したキャビティ27に開口部54Dを設けると共に、該開口部54Dに接続した孔54に突き出しピン53を摺動自在に設ける。孔54の開口部54Dは突き出しピン53が嵌合すると共に、突き出しピン53の先端面55の後退位置側では孔54に該突き出しピン53の先端面55が隙間Lを有して遊嵌する。また孔54は、開口部54D側が次第に径小となるように形成する。開口部54D側が次第に径小となった孔54に突き出しピン53が案内されることにより、突き出しピン53が孔54を通してキャビティ27に突出する際、突き出しピン53の軸芯と孔54の軸芯を一致させて、正確に突き出しを行うことができる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金型装置及び成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、金型装置にあっては成形品を取出すためにキャビティ形成面に突き出しピンが出没自在に設けられている。そして、突き出しピンにガスベントを形成するものとして、突き出しピンの先端に隣接して凹溝を形成して、該凹溝を前記先端に繋がる部分をキャビティから離れる方向に向かって径の小さくなるテーパ部に形成したものが公知である(例えば特許文献1)。
【0003】
また、2種類の樹脂を一体的に成形するものして2色成形が従来知られている。2色成形は例えば、カセットテープ収納ケースのベースの基板部と側板部とにそれぞれ透明窓を形成するようなもので、相互に移動可能で相互間に成形品形状のキャビティを形成する複数の金型部材を備え、これら複数の金型部材として、第1の金型部材と、該第1の金型部材に対し開閉自在の第2の金型部材と、第1の金型部材および第2の金型部材に対し第1面部と交差する方向へ移動可能で前記キャビティにおける第1面部の異色部に対応する部分を開閉する第3の金型部材を備えたもの等である(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−187822号公報
【特許文献2】
特開平5−42562号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1のようにガスベントを設けた突き出しピンであっても、該突き出しピンには凹溝が形成されているので、凹溝をキャビティ形成面に形成した開口部より突き出すときには、両者間に隙間が形成されて突き出しピンとその孔の軸芯が一致しなくなり、突き出しピンを正確な位置に突出することができなくなる。
【0006】
また、2種類の樹脂により成形される成形品としては、第1の樹脂により第1の成形体を成形する際、突き出しピンの先端とその孔の僅かな隙間を介してガス抜きが行われ、その後第2の樹脂により第2の成形体を成形するものであるが、例えば突き出しピン側に第1の成形体が配置されて突き出しピンと反対側に第2の樹脂をさらに充填して第2の成形体を成形するような場合には、突き出しピン側が第1の成形体により塞がれているのでガス抜きを良好に行うことができないという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、突き出しピンを利用してガス等気体を抜く際に、突き出しピンとその孔の軸芯を一致できるようにする金型装置を提供することを目的とする。また本発明は、2種類の樹脂によりそれぞれ成形された成形品を一体に設ける成形にあって、第2の成形品の成形時におけるキャビティ内の気体を良好に排気できる金型装置及び成形方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、複数の金型部材間に形成され樹脂供給口を接続したキャビティに開口部を設けると共に、該開口部に接続した孔に突き出しピンを摺動自在に設け、前記孔の開口部は前記突き出しピンが嵌合すると共に、前記突き出しピンの先端の後退位置側では前記孔に該突き出しピンの先端が隙間を有して遊嵌し、かつ前記孔は、前記開口部側が次第に径小となるように形成したことを特徴とする成形用金型である。
【0009】
該請求項1の構成によれば、後退位置にある突き出しピンがキャビティより突出する際、突き出しピンの先端は開口部側が次第に径小となった孔に案内される。
【0010】
請求項2の発明は、第2の金型部材に開口部を設け、該開口部に接続した孔に突き出しピンを第1の金型部材に接触可能に第1のキャビティに出没自在に設け、前記孔の開口部は前記突き出しピンに嵌合すると共に、前記突き出しピンの先端の後退位置側では該突き出しピンの先端が隙間を有して前記孔に遊嵌することを特徴とする成形用金型である。
【0011】
該請求項2の構成によれば、突き出しピンの先端を第1の金型部材に接触させた状態で第1の成形体を成形した後、突き出しピンを後退させて突き出しピンの先端が隙間を有して孔に遊嵌することにより、突き出しピンにより形成した貫通孔が開口部に接続した孔に接続する。
【0012】
請求項3の発明は、突き出しピンを第1のキャビティに突出すると共に第1の金型部材に当接し前記第1のキャビティに第1の樹脂を充填し第1の成形体を成形して、該第1の成形体に前記突き出しピンによる排気用の貫通孔を成形し、次に前記第1の金型部材と第3の金型部材間を型閉じして貫通孔と接続する第2のキャビティに第2の樹脂を充填し第2の成形体を成形する際に、前記突き出しピンを後退させ該突き出しピンの先端を孔に遊嵌して、第2のキャビティ内の気体を貫通孔及び孔を介して排気することを特徴とする成形方法である。
【0013】
該請求項3の構成によれば、突き出しピンを利用して第1の成形体に貫通孔を成形した状態で第2の成形体を成形する。この際、第2のキャビティ内の気体を前記貫通孔及び前記孔を介して第2の金型部材側に排気することができる。
【0014】
【発明の実施形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図を参照して説明する。図1〜図5に示すように、射出成形機に取り付けられる金型装置は、第1の金型部材1と、前記第1の金型部材1に対向する第2の金型部材2と、前記第2の金型部材2に前記第1の金型部材1と選択的に対向する第3の金型部材3とからなる。
【0015】
第1の金型部材1は、固定側取り付け板4と、その一側に設ける中間板5と、その一側の一方に設けるブロック6と、ブロック6の他方に設けられるランナー7を備えたランナー板8と、ランナー板8の一側に設けられる第1の型体9を備えた第1の型体取付板10を設けている。
【0016】
第2の金型部材2は可動側取り付け板11と、その他側の左右に設けるブロック12と、該ブロック12の他側に設けられこれらブロック12間に架設する中間板13と、該中間板13の他側に設けられる第2の型体14を備えた第2の型体取付板15を設けている。さらに、ブロック12間の空間20には一側及び他側板材16,17からなる押圧体たる操作板18が第1の金型部材1と第2の金型部材2の型開閉方向Xに移動可能に収容されていると共に、該操作板18には一側に突設した突部19を介して図示しない操作部が接続されるようになっている。
【0017】
前記第1の金型部材1と選択的に第2の金型部材2に対向する第3の金型部材3は、固定側取り付け板21と、その一側に設ける中間板22と、その一側に設けられる第3の型体23を備えた型体取付板24を設けている。
【0018】
そして、第2の金型部材2は第1の金型部材1と対向することにより、両者間に第1のキャビティ25が形成されて第1の成形体26が形成され、この後第2の金型部材2は移動して第3の金型部材3と対向することにより、両者間に第2のキャビティ27が形成されて第2の成形体28が成形されるようになっている。
【0019】
前記第1のキャビティ25を形成する他側のキャビティ面となる第1の型体9の表面29は、第1の型体9と第2の型体14による第1の分割面PL1と同一平面状の平らな平面である。そして第1の金型部材1には第1のキャビティ25に連通する第1のゲート30を第1の型体9の表面29に設けており、該第1のゲート30には、第1の樹脂通路31が接続される。尚、第1のゲート30はバルブゲートなどよって形成してもよい。そして、第1の樹脂通路31は射出成形機の図示しないノズルが接続するスプルー32、該スプルー32に接続しランナー板8に形成したランナー33、さら接続する第2の型体9に形成したランナー34により形成されている。尚、35は第1のロケートリングである。そして、第1のキャビティ25に対応する表面29には、後述するゲートピン45の先端と取出しピン53の先端にそれぞれ対向する第1及び第2の突部36,37が形成されている。そして第2の突部37は一方に配置され、第1の突部36は他方に配置されて、両者は離間するように配置されている。
【0020】
前記第2の型体14の表面(第1の分割面PL1)にはキャビティ面となる第1の凹部41が形成されている。実施形態では凹部41は皿形状のように底部42の周囲に側面部43を斜め形成して凹状に形成されている。さらに、前記第2の金型部材2における前記凹部41の底部42の一方に樹脂供給口たる第2のゲート44が形成されており、該第2のゲート44を開閉するゲートピン45が摺動するゲートピン用孔46は第2のゲート44より一側に向けて第2の型体15、中間板13を貫通してブロック12間の空間20に接続している。ゲートピン45は同一径を有する円柱軸形状に形成されている。ゲートピン用孔46のゲート側部位46Aにはゲートピン45が密に嵌合しており、ゲートピン用孔46の中間・基端側部位46B、すなわち中間板13側ではゲートピン45が遊嵌している。尚、ゲートピン45の先端面47は第1の突部36の先端面に対向しており、第1の突部36の先端面の大きさAは、前記ゲートピン45の先端面47の大きさBより小さく形成されている(A<B)。一方、ゲートピン45の基端48は一側及び他側板材16,17に挟まれて操作板18に固定している。さらに、前記ゲートピン用孔46のゲート側部位46Aに、第2の樹脂通路51の出口側である2次側52の先端52Aが接続される。先端52Aはゲートピン45の先端面47が一側に後退した位置(図4における先端面47の位置)より第2のゲート44側に接続される。すなわち、ゲートピン45の先端面47が一側に後退し、ゲートピン用孔46に第2のゲート44と連通して形成される空間(図4における第2のゲート44から先端面47までの空間85)に第2の樹脂通路51の先端52Aはサイドゲート状に連通されている。さらに、先端52Aに連通する第2の樹脂通路51の2次側52は、第2の型体14及び第2の型体取付板15のそれぞれの表面(第1の分割面PL1)にランナー状に形成されている。
【0021】
また、前記第2の金型部材2における前記凹部41の底部42の他方に突き出しピン53が出没自在に設けられる。該突き出しピン53が摺動する突き出しピン用孔54は底部42に形成した開口部54Dより一側に向けて第2の型体14、中間板13を貫通してブロック12間の空間20に接続している。突き出しピン用孔54の開口部側部位54Aには突き出しピン53が密に嵌合しており、突き出しピン用孔54の中間側部位54B、すなわち第2の型体14では一側に次第に径大となるようなテーパ形状に形成され、中間側部位54Bにおいては、突き出しピン53と中間側部位54Bとの間には隙間Lが形成されるようになっている。さらに中間板13側の基端側部位54Cでは中間側部位54Bの最大径となって、突き出しピン53が遊嵌している。尚、突き出しピン53の先端面55は第2の突部37の先端面に対向しており、第2の突部37の先端面の大きさは、前記突き出しピン53の先端面55の大きさより小さく形成されている。一方、突き出しピン53の基端56は一側及び他側板材16,17に挟まれて操作板18に固定している。
【0022】
また、操作板18には他側へ向けてリターンピン61の基端62が固定されており、該リターンピン61の先端63は第1の金型部材1に表面(第1の分割面PL1)に当接するようになっている。実施形態では第1の型体取付板6の表面に形成した凹部64に当接するようになっている。該凹部64の深さCは、第1,2の金型部材1,2を閉じたときに、前記第1,2の突部36,37の突出長と同一寸法に形成されている。尚、65はリターンピン61に介装して中間板13と操作板18との間に介在するバネ等の弾性体である。
【0023】
前記第3の型体3の表面、すなわち第2の金型部材2と第3の金型部材3による第2の分割面(PL2)には前記凹部41と対向して、該凹部41に覆われるように第2のキャビティ27を形成するキャビティ面となる第2の凹部71が形成される。実施形態では凹部71は逆皿形状のように底部72の周囲に側面部73を斜めに形成するように凹状に形成されており、底部42,72相互は対向するように位置している。凹部71における側面部73の縁は、凹部41に挿入した前記第1,2の突部36,37の対応位置より外側に配置されている。すなわち、第1のキャビティ25における中心軸線Xから第1,2の突部36,37までの距離より、第2のキャビティ27における中心軸線Yから凹部71の縁までの距離は大きく形成されている。また、第3の金型部材3には、第2の樹脂通路51の入口たる1次側74がスプルーにより設けられ、1次側74には射出成形機の図示しないノズルが接続して、1次側74、2次側52によりサイドゲート状の先端52Aに接続する第2の樹脂通路51が形成されるようになっている。尚、図中75はロケートリングである。さらに、第3の金型部材3の表面(第2の分割面PL2)に、リターンピン61の先端63が当接する突部76が一側方向に突設して設けられる。該突部76の突出長Dは、第1,3の金型部材1,3を型閉じしたとき、ゲートピン45の先端面47が孔46における第2の樹脂通路51の先端52Aより後退する長さであり、また第1,3の金型部材1,3を型閉じしたとき、突き出しピン53の先端面55が突き出しピン用孔54の中間側部位54B、すなわち突き出しピン53の先端面55が遊嵌する孔54の部位に後退させる長さとなっている。
【0024】
次に前記構成についてその作用を説明する。予め第1の型部材1と第2の型部材2は型閉じされていると共に、ゲートピン45が第1のキャビティ25内に突出して第2のゲート44を閉じると共に、その先端面47が第1の突部36の先端面に同軸状に当接し、さらに突き出しピン53が第1のキャビティ25内に突出してその先端面55が第2の突部37の先端面に同軸状に当接している。この際、図示しない操作部により操作板18は他側へ移動し、突き出しピン53の先端が凹部64に当接することにより、ゲートピン45の先端面47、突き出しピン53の先端面55が第1,2の突部36,37に当接して停止するように規制されるようになっている。
【0025】
そして成形の始めにおいては、第1の型部材1と第2の型部材2は型閉じされてスプルー32から第1の樹脂通路31により第1の樹脂81が第1のゲート30を介して第1のキャビティ25に充填し、図5(A)に示すように一側に底部42により形成された表面42Aを有すると共に、他側に表面29により成形された平らな接合面29Aを設けた第1の成形体26を成形する。該第1の成形体26の一方には第1のキャビティ25内にあるゲートピン45及び第1の突部36によって表面42Aから接合面29Aにかけて貫通する第1の貫通孔82が形成される。そしてゲートピン45により成形される第1の貫通孔82の一側82Aの平断面積は、第1の突部36により成形される他側82Bの平断面積より大きく形成している。同様に第1の成形体26の他方には第1のキャビティ25内にある突き出しピン53及び第2の突部37によって表面42Aから接合面29Aにかけて貫通する第2の貫通孔83が形成される。そして突き出しピン53により成形される第2の貫通孔83の一側83Aの平断面積は、第2の突部37により成形される他側83Bの平断面積より大きく形成している。
【0026】
このように第1の成形体26が成形された後に、第1の成形体26が第2の型部材2に維持された状態で該第2の金型部材2を第3の金型部材3に対向するように移動する。この際には、第1の金型部材1と第2の金型部材2の型閉じが解除されて型開きし、そして第2の金型部材2が第3の金型部材3に対向し、この後第2の型部材2が前進して第3の金型部材3に型閉じすることにより、リターンピン61が突部76に当接して一側に操作板18と共に後退することにより、ゲートピン45、突き出しピン53も図4に示す位置に後退する。
【0027】
次に第2の型部材2と第3の型部材3とが型閉じすることにより、ゲートピン45の先端面47が第1の突部36より離れて底部42より没するように後退して第2のゲート44を開くようになる。この結果第2の樹脂通路51に接続する先端52Aは底部42と先端面47との間に形成された空間部85に接続するようになる。また突き出しピン53の先端面55が第2の突部37より離れて底部42より没するように後退し、この結果先端面55は底部42より没して突き出しピン用孔54のテーパ状の中間側部位54Bに後退し、この結果、底部42と先端面55との間に形成された空間部85により、第2の貫通孔83とブロック12間の空間20、すなわち外部とが隙間Lを介して連通するようになっている。
【0028】
次にスプルーにより形成した第2の樹脂通路51の入口たる1次側74より第2の樹脂84が2次側52を介してサイドゲート状の先端52Aより空間部85に注入され、さらに該第2の樹脂84は、第2のゲート44、第1の貫通孔82を通って凹部71に至り、凹部71を充填した後、さらに第2の貫通孔83に至り該箇所を充填する。この結果、第1,2の貫通孔82,83には第2の樹脂84が充填されて、それぞれ段部87,88を介して一側の平断面が他側の平断面より大きい軸部89,90が成形される。尚、図中71Aは第2の成形体28の他側に形成された表面である。
【0029】
この第2の樹脂84が注入、充填される際に、凹部71内の空気或いは成形時に伴うガスGは、凹部71内から、第2の貫通孔83、空間部83、隙間Lを通って突き出しピン用孔54から外部に排気される。
【0030】
尚、操作板18の作動に対して第1の金型部材1と第2の金型部材3との型開きが遅延するような手段を設けておき、先端47からの第2の樹脂84の注入量を、第1,2の貫通孔82,83と凹部71の総量とし、すなわち空間85に第2の樹脂84をいったん溜めた状態でゲートピン45の先端面47を開口部44に位置することにより、空間85内の第2の樹脂84を押しこんで、軸部90側を成形するようにしてもよい。この際、突き出しピン53の先端55は開口部54Dに位置している。
【0031】
このようにして第2の樹脂84が充填された後に、第2の型部材2が後退して第3の型部材3と型開きする。そして操作部により操作板18を前進させて、ゲートピン45、突き出しピン53を底部42より突き出すことにより、第1の成形体26の接合面29Aの他側に第2の成形体28が一体化したものを第1のキャビティ25より取出すことができる。そして、突き出しピン53が底部42より突き出ようとするとき、先端面55はテーパ状の中間側部位54Bに案内されて孔54の軸芯Xに突き出しピン53の軸芯が一致するように案内されて、底部42より突き出して第2の軸90の端部に先端面55が当るようになって、先端面55が第1の成形体26に当らないように正確に突き出すことができる。
【0032】
そして、再び第1の金型部材1と第2の金型部材が型閉じして次の成形を行うことができる。
【0033】
以上のように、前記実施形態においては、第1の金型部材1と第3の金型部材3の間に形成されゲート44を接続したキャビティ27に開口部54Dを設けると共に、該開口部54Dに接続した孔54に突き出しピン53を摺動自在に設け、前記孔54の開口部54Dは前記突き出しピン53が嵌合すると共に、前記突き出しピン53の先端面55の後退位置側では前記孔54に該突き出しピン53の先端面55が隙間Lを有して遊嵌し、かつ前記孔54は、前記開口部54D側が次第に径小となるように形成し、開口部54D側が次第に径小となった孔54に突き出しピンが案内されることにより、突き出しピン53が孔54を通してキャビティ27に突出する際、突き出しピン53の軸芯と孔54の軸芯を一致させて、正確に突き出しを行うことができる。
【0034】
また、第2の金型部材2に開口部54Dを設け、該開口部54Dに接続した孔54に突き出しピン53を第1の金型部材1に当接可能に第1のキャビティ25に出没自在に設け、前記孔54の開口部54Dは前記突き出しピンに嵌合すると共に、前記突き出しピン53の先端面55の後退位置側では該突き出しピン53の先端面が隙間Lを有して前記孔54に遊嵌し、突き出しピン53を第1のキャビティ25に突出すると共に第1の金型部材1に当接し前記第1のキャビティ25に第1の樹脂81を充填し第1の成形体26を成形して、該第1の成形体26に前記突き出しピン53による排気用の貫通孔83を成形し、次に前記第1の金型部材1と第3の金型部材3間を型閉じして貫通孔83と接続する第2のキャビティ27に第2の樹脂84を充填し第2の成形体28を成形する際に、前記突き出しピン53を後退させ該突き出しピン53の先端面55を孔53に遊嵌して、第2のキャビティ27内のガスGを、貫通孔83、開口部54Dを介して孔54の隙間L側に良好に排気することができる。
【0035】
図6は第2実施形態を示しており、前記第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。第2実施形態では、ゲートピン45、突き出しピン53の先端にそれぞれ小径部91,92を形成し、その先端面47,55を第1の金型部材1の第1の型体9の表面に当接するようにして、第1の成形体26に貫通孔82,83を形成してもよい。
【0036】
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において、種々の変形実施が可能である。
【0037】
【発明の効果】
請求項1の発明は、複数の金型部材間に形成され樹脂供給口を接続したキャビティに開口部を設けると共に、該開口部に接続した孔に突き出しピンを摺動自在に設け、前記孔の開口部は前記突き出しピンが嵌合すると共に、前記突き出しピンの先端の後退位置側では前記孔に該突き出しピンの先端が隙間を有して遊嵌し、かつ前記孔は、前記開口部側が次第に径小となるように形成したことを特徴とする成形用金型であり、開口部側が次第に径小となった孔に突き出しピンが案内されることにより、突き出しピンの軸芯と孔の軸芯を一致させて正確に突き出しを行うことができる。
【0038】
請求項2の発明は、第2の金型に開口部を設け、該開口部に接続した孔に突き出しピンを第1の金型部材に接触可能に第1のキャビティに出没自在に設け、前記孔の開口部は前記突き出しピンに嵌合すると共に、前記突き出しピンの先端の後退位置側では該突き出しピンの先端が隙間を有して前記孔に遊嵌することを特徴とする成形用金型であり、第2の成形体の成形のときに、キャビティ内の気体を、貫通孔、開口部を介して孔側に排気することができる。
【0039】
請求項3の発明は、突き出しピンを第1のキャビティに突出すると共に第1の金型部材に当接し前記第1のキャビティに第1の樹脂を充填し第1の成形体を成形して、該第1の成形体に前記突き出しピンによる排気用の貫通孔を成形し、次に前記第1の金型部材と第3の金型部材間を型閉じして貫通孔と接続する第2のキャビティに第2の樹脂を充填し第2の成形体を成形する際に、前記突き出しピンを後退させ該突き出しピンの先端を孔に遊嵌して、第2のキャビティ内の気体を貫通孔及び孔を介して排気することを特徴とする成形方法であり、突き出しピンを利用して第2のキャビティ内の気体を前記貫通孔及び前記孔を介して第2の金型部材側に排気することができることにより、キャビティ内の気体を良好に廃棄することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す第1工程の断面図である。
【図2】本発明の一実施形態を示す第2工程の断面図である。
【図3】本発明の一実施形態を示す第1工程の要部の断面図である。
【図4】本発明の一実施形態を示す第2工程の要部の断面図である。
【図5】本発明の一実施形態を示す成形体の断面図であり、図5(A)は第1の成形体の断面図、図5(B)は第1及び第2の成形体の断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 第1の金型部材
2 第2の金型部材
3 第3の金型部材
25 第1のキャビティ
26 第1の成形体
27 第2のキャビティ
28 第2の成形体
53 突き出しピン
54 孔
54D 開口部
55 先端面
83 貫通孔
L 隙間
【発明の属する技術分野】
本発明は、金型装置及び成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、金型装置にあっては成形品を取出すためにキャビティ形成面に突き出しピンが出没自在に設けられている。そして、突き出しピンにガスベントを形成するものとして、突き出しピンの先端に隣接して凹溝を形成して、該凹溝を前記先端に繋がる部分をキャビティから離れる方向に向かって径の小さくなるテーパ部に形成したものが公知である(例えば特許文献1)。
【0003】
また、2種類の樹脂を一体的に成形するものして2色成形が従来知られている。2色成形は例えば、カセットテープ収納ケースのベースの基板部と側板部とにそれぞれ透明窓を形成するようなもので、相互に移動可能で相互間に成形品形状のキャビティを形成する複数の金型部材を備え、これら複数の金型部材として、第1の金型部材と、該第1の金型部材に対し開閉自在の第2の金型部材と、第1の金型部材および第2の金型部材に対し第1面部と交差する方向へ移動可能で前記キャビティにおける第1面部の異色部に対応する部分を開閉する第3の金型部材を備えたもの等である(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−187822号公報
【特許文献2】
特開平5−42562号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1のようにガスベントを設けた突き出しピンであっても、該突き出しピンには凹溝が形成されているので、凹溝をキャビティ形成面に形成した開口部より突き出すときには、両者間に隙間が形成されて突き出しピンとその孔の軸芯が一致しなくなり、突き出しピンを正確な位置に突出することができなくなる。
【0006】
また、2種類の樹脂により成形される成形品としては、第1の樹脂により第1の成形体を成形する際、突き出しピンの先端とその孔の僅かな隙間を介してガス抜きが行われ、その後第2の樹脂により第2の成形体を成形するものであるが、例えば突き出しピン側に第1の成形体が配置されて突き出しピンと反対側に第2の樹脂をさらに充填して第2の成形体を成形するような場合には、突き出しピン側が第1の成形体により塞がれているのでガス抜きを良好に行うことができないという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、突き出しピンを利用してガス等気体を抜く際に、突き出しピンとその孔の軸芯を一致できるようにする金型装置を提供することを目的とする。また本発明は、2種類の樹脂によりそれぞれ成形された成形品を一体に設ける成形にあって、第2の成形品の成形時におけるキャビティ内の気体を良好に排気できる金型装置及び成形方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、複数の金型部材間に形成され樹脂供給口を接続したキャビティに開口部を設けると共に、該開口部に接続した孔に突き出しピンを摺動自在に設け、前記孔の開口部は前記突き出しピンが嵌合すると共に、前記突き出しピンの先端の後退位置側では前記孔に該突き出しピンの先端が隙間を有して遊嵌し、かつ前記孔は、前記開口部側が次第に径小となるように形成したことを特徴とする成形用金型である。
【0009】
該請求項1の構成によれば、後退位置にある突き出しピンがキャビティより突出する際、突き出しピンの先端は開口部側が次第に径小となった孔に案内される。
【0010】
請求項2の発明は、第2の金型部材に開口部を設け、該開口部に接続した孔に突き出しピンを第1の金型部材に接触可能に第1のキャビティに出没自在に設け、前記孔の開口部は前記突き出しピンに嵌合すると共に、前記突き出しピンの先端の後退位置側では該突き出しピンの先端が隙間を有して前記孔に遊嵌することを特徴とする成形用金型である。
【0011】
該請求項2の構成によれば、突き出しピンの先端を第1の金型部材に接触させた状態で第1の成形体を成形した後、突き出しピンを後退させて突き出しピンの先端が隙間を有して孔に遊嵌することにより、突き出しピンにより形成した貫通孔が開口部に接続した孔に接続する。
【0012】
請求項3の発明は、突き出しピンを第1のキャビティに突出すると共に第1の金型部材に当接し前記第1のキャビティに第1の樹脂を充填し第1の成形体を成形して、該第1の成形体に前記突き出しピンによる排気用の貫通孔を成形し、次に前記第1の金型部材と第3の金型部材間を型閉じして貫通孔と接続する第2のキャビティに第2の樹脂を充填し第2の成形体を成形する際に、前記突き出しピンを後退させ該突き出しピンの先端を孔に遊嵌して、第2のキャビティ内の気体を貫通孔及び孔を介して排気することを特徴とする成形方法である。
【0013】
該請求項3の構成によれば、突き出しピンを利用して第1の成形体に貫通孔を成形した状態で第2の成形体を成形する。この際、第2のキャビティ内の気体を前記貫通孔及び前記孔を介して第2の金型部材側に排気することができる。
【0014】
【発明の実施形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図を参照して説明する。図1〜図5に示すように、射出成形機に取り付けられる金型装置は、第1の金型部材1と、前記第1の金型部材1に対向する第2の金型部材2と、前記第2の金型部材2に前記第1の金型部材1と選択的に対向する第3の金型部材3とからなる。
【0015】
第1の金型部材1は、固定側取り付け板4と、その一側に設ける中間板5と、その一側の一方に設けるブロック6と、ブロック6の他方に設けられるランナー7を備えたランナー板8と、ランナー板8の一側に設けられる第1の型体9を備えた第1の型体取付板10を設けている。
【0016】
第2の金型部材2は可動側取り付け板11と、その他側の左右に設けるブロック12と、該ブロック12の他側に設けられこれらブロック12間に架設する中間板13と、該中間板13の他側に設けられる第2の型体14を備えた第2の型体取付板15を設けている。さらに、ブロック12間の空間20には一側及び他側板材16,17からなる押圧体たる操作板18が第1の金型部材1と第2の金型部材2の型開閉方向Xに移動可能に収容されていると共に、該操作板18には一側に突設した突部19を介して図示しない操作部が接続されるようになっている。
【0017】
前記第1の金型部材1と選択的に第2の金型部材2に対向する第3の金型部材3は、固定側取り付け板21と、その一側に設ける中間板22と、その一側に設けられる第3の型体23を備えた型体取付板24を設けている。
【0018】
そして、第2の金型部材2は第1の金型部材1と対向することにより、両者間に第1のキャビティ25が形成されて第1の成形体26が形成され、この後第2の金型部材2は移動して第3の金型部材3と対向することにより、両者間に第2のキャビティ27が形成されて第2の成形体28が成形されるようになっている。
【0019】
前記第1のキャビティ25を形成する他側のキャビティ面となる第1の型体9の表面29は、第1の型体9と第2の型体14による第1の分割面PL1と同一平面状の平らな平面である。そして第1の金型部材1には第1のキャビティ25に連通する第1のゲート30を第1の型体9の表面29に設けており、該第1のゲート30には、第1の樹脂通路31が接続される。尚、第1のゲート30はバルブゲートなどよって形成してもよい。そして、第1の樹脂通路31は射出成形機の図示しないノズルが接続するスプルー32、該スプルー32に接続しランナー板8に形成したランナー33、さら接続する第2の型体9に形成したランナー34により形成されている。尚、35は第1のロケートリングである。そして、第1のキャビティ25に対応する表面29には、後述するゲートピン45の先端と取出しピン53の先端にそれぞれ対向する第1及び第2の突部36,37が形成されている。そして第2の突部37は一方に配置され、第1の突部36は他方に配置されて、両者は離間するように配置されている。
【0020】
前記第2の型体14の表面(第1の分割面PL1)にはキャビティ面となる第1の凹部41が形成されている。実施形態では凹部41は皿形状のように底部42の周囲に側面部43を斜め形成して凹状に形成されている。さらに、前記第2の金型部材2における前記凹部41の底部42の一方に樹脂供給口たる第2のゲート44が形成されており、該第2のゲート44を開閉するゲートピン45が摺動するゲートピン用孔46は第2のゲート44より一側に向けて第2の型体15、中間板13を貫通してブロック12間の空間20に接続している。ゲートピン45は同一径を有する円柱軸形状に形成されている。ゲートピン用孔46のゲート側部位46Aにはゲートピン45が密に嵌合しており、ゲートピン用孔46の中間・基端側部位46B、すなわち中間板13側ではゲートピン45が遊嵌している。尚、ゲートピン45の先端面47は第1の突部36の先端面に対向しており、第1の突部36の先端面の大きさAは、前記ゲートピン45の先端面47の大きさBより小さく形成されている(A<B)。一方、ゲートピン45の基端48は一側及び他側板材16,17に挟まれて操作板18に固定している。さらに、前記ゲートピン用孔46のゲート側部位46Aに、第2の樹脂通路51の出口側である2次側52の先端52Aが接続される。先端52Aはゲートピン45の先端面47が一側に後退した位置(図4における先端面47の位置)より第2のゲート44側に接続される。すなわち、ゲートピン45の先端面47が一側に後退し、ゲートピン用孔46に第2のゲート44と連通して形成される空間(図4における第2のゲート44から先端面47までの空間85)に第2の樹脂通路51の先端52Aはサイドゲート状に連通されている。さらに、先端52Aに連通する第2の樹脂通路51の2次側52は、第2の型体14及び第2の型体取付板15のそれぞれの表面(第1の分割面PL1)にランナー状に形成されている。
【0021】
また、前記第2の金型部材2における前記凹部41の底部42の他方に突き出しピン53が出没自在に設けられる。該突き出しピン53が摺動する突き出しピン用孔54は底部42に形成した開口部54Dより一側に向けて第2の型体14、中間板13を貫通してブロック12間の空間20に接続している。突き出しピン用孔54の開口部側部位54Aには突き出しピン53が密に嵌合しており、突き出しピン用孔54の中間側部位54B、すなわち第2の型体14では一側に次第に径大となるようなテーパ形状に形成され、中間側部位54Bにおいては、突き出しピン53と中間側部位54Bとの間には隙間Lが形成されるようになっている。さらに中間板13側の基端側部位54Cでは中間側部位54Bの最大径となって、突き出しピン53が遊嵌している。尚、突き出しピン53の先端面55は第2の突部37の先端面に対向しており、第2の突部37の先端面の大きさは、前記突き出しピン53の先端面55の大きさより小さく形成されている。一方、突き出しピン53の基端56は一側及び他側板材16,17に挟まれて操作板18に固定している。
【0022】
また、操作板18には他側へ向けてリターンピン61の基端62が固定されており、該リターンピン61の先端63は第1の金型部材1に表面(第1の分割面PL1)に当接するようになっている。実施形態では第1の型体取付板6の表面に形成した凹部64に当接するようになっている。該凹部64の深さCは、第1,2の金型部材1,2を閉じたときに、前記第1,2の突部36,37の突出長と同一寸法に形成されている。尚、65はリターンピン61に介装して中間板13と操作板18との間に介在するバネ等の弾性体である。
【0023】
前記第3の型体3の表面、すなわち第2の金型部材2と第3の金型部材3による第2の分割面(PL2)には前記凹部41と対向して、該凹部41に覆われるように第2のキャビティ27を形成するキャビティ面となる第2の凹部71が形成される。実施形態では凹部71は逆皿形状のように底部72の周囲に側面部73を斜めに形成するように凹状に形成されており、底部42,72相互は対向するように位置している。凹部71における側面部73の縁は、凹部41に挿入した前記第1,2の突部36,37の対応位置より外側に配置されている。すなわち、第1のキャビティ25における中心軸線Xから第1,2の突部36,37までの距離より、第2のキャビティ27における中心軸線Yから凹部71の縁までの距離は大きく形成されている。また、第3の金型部材3には、第2の樹脂通路51の入口たる1次側74がスプルーにより設けられ、1次側74には射出成形機の図示しないノズルが接続して、1次側74、2次側52によりサイドゲート状の先端52Aに接続する第2の樹脂通路51が形成されるようになっている。尚、図中75はロケートリングである。さらに、第3の金型部材3の表面(第2の分割面PL2)に、リターンピン61の先端63が当接する突部76が一側方向に突設して設けられる。該突部76の突出長Dは、第1,3の金型部材1,3を型閉じしたとき、ゲートピン45の先端面47が孔46における第2の樹脂通路51の先端52Aより後退する長さであり、また第1,3の金型部材1,3を型閉じしたとき、突き出しピン53の先端面55が突き出しピン用孔54の中間側部位54B、すなわち突き出しピン53の先端面55が遊嵌する孔54の部位に後退させる長さとなっている。
【0024】
次に前記構成についてその作用を説明する。予め第1の型部材1と第2の型部材2は型閉じされていると共に、ゲートピン45が第1のキャビティ25内に突出して第2のゲート44を閉じると共に、その先端面47が第1の突部36の先端面に同軸状に当接し、さらに突き出しピン53が第1のキャビティ25内に突出してその先端面55が第2の突部37の先端面に同軸状に当接している。この際、図示しない操作部により操作板18は他側へ移動し、突き出しピン53の先端が凹部64に当接することにより、ゲートピン45の先端面47、突き出しピン53の先端面55が第1,2の突部36,37に当接して停止するように規制されるようになっている。
【0025】
そして成形の始めにおいては、第1の型部材1と第2の型部材2は型閉じされてスプルー32から第1の樹脂通路31により第1の樹脂81が第1のゲート30を介して第1のキャビティ25に充填し、図5(A)に示すように一側に底部42により形成された表面42Aを有すると共に、他側に表面29により成形された平らな接合面29Aを設けた第1の成形体26を成形する。該第1の成形体26の一方には第1のキャビティ25内にあるゲートピン45及び第1の突部36によって表面42Aから接合面29Aにかけて貫通する第1の貫通孔82が形成される。そしてゲートピン45により成形される第1の貫通孔82の一側82Aの平断面積は、第1の突部36により成形される他側82Bの平断面積より大きく形成している。同様に第1の成形体26の他方には第1のキャビティ25内にある突き出しピン53及び第2の突部37によって表面42Aから接合面29Aにかけて貫通する第2の貫通孔83が形成される。そして突き出しピン53により成形される第2の貫通孔83の一側83Aの平断面積は、第2の突部37により成形される他側83Bの平断面積より大きく形成している。
【0026】
このように第1の成形体26が成形された後に、第1の成形体26が第2の型部材2に維持された状態で該第2の金型部材2を第3の金型部材3に対向するように移動する。この際には、第1の金型部材1と第2の金型部材2の型閉じが解除されて型開きし、そして第2の金型部材2が第3の金型部材3に対向し、この後第2の型部材2が前進して第3の金型部材3に型閉じすることにより、リターンピン61が突部76に当接して一側に操作板18と共に後退することにより、ゲートピン45、突き出しピン53も図4に示す位置に後退する。
【0027】
次に第2の型部材2と第3の型部材3とが型閉じすることにより、ゲートピン45の先端面47が第1の突部36より離れて底部42より没するように後退して第2のゲート44を開くようになる。この結果第2の樹脂通路51に接続する先端52Aは底部42と先端面47との間に形成された空間部85に接続するようになる。また突き出しピン53の先端面55が第2の突部37より離れて底部42より没するように後退し、この結果先端面55は底部42より没して突き出しピン用孔54のテーパ状の中間側部位54Bに後退し、この結果、底部42と先端面55との間に形成された空間部85により、第2の貫通孔83とブロック12間の空間20、すなわち外部とが隙間Lを介して連通するようになっている。
【0028】
次にスプルーにより形成した第2の樹脂通路51の入口たる1次側74より第2の樹脂84が2次側52を介してサイドゲート状の先端52Aより空間部85に注入され、さらに該第2の樹脂84は、第2のゲート44、第1の貫通孔82を通って凹部71に至り、凹部71を充填した後、さらに第2の貫通孔83に至り該箇所を充填する。この結果、第1,2の貫通孔82,83には第2の樹脂84が充填されて、それぞれ段部87,88を介して一側の平断面が他側の平断面より大きい軸部89,90が成形される。尚、図中71Aは第2の成形体28の他側に形成された表面である。
【0029】
この第2の樹脂84が注入、充填される際に、凹部71内の空気或いは成形時に伴うガスGは、凹部71内から、第2の貫通孔83、空間部83、隙間Lを通って突き出しピン用孔54から外部に排気される。
【0030】
尚、操作板18の作動に対して第1の金型部材1と第2の金型部材3との型開きが遅延するような手段を設けておき、先端47からの第2の樹脂84の注入量を、第1,2の貫通孔82,83と凹部71の総量とし、すなわち空間85に第2の樹脂84をいったん溜めた状態でゲートピン45の先端面47を開口部44に位置することにより、空間85内の第2の樹脂84を押しこんで、軸部90側を成形するようにしてもよい。この際、突き出しピン53の先端55は開口部54Dに位置している。
【0031】
このようにして第2の樹脂84が充填された後に、第2の型部材2が後退して第3の型部材3と型開きする。そして操作部により操作板18を前進させて、ゲートピン45、突き出しピン53を底部42より突き出すことにより、第1の成形体26の接合面29Aの他側に第2の成形体28が一体化したものを第1のキャビティ25より取出すことができる。そして、突き出しピン53が底部42より突き出ようとするとき、先端面55はテーパ状の中間側部位54Bに案内されて孔54の軸芯Xに突き出しピン53の軸芯が一致するように案内されて、底部42より突き出して第2の軸90の端部に先端面55が当るようになって、先端面55が第1の成形体26に当らないように正確に突き出すことができる。
【0032】
そして、再び第1の金型部材1と第2の金型部材が型閉じして次の成形を行うことができる。
【0033】
以上のように、前記実施形態においては、第1の金型部材1と第3の金型部材3の間に形成されゲート44を接続したキャビティ27に開口部54Dを設けると共に、該開口部54Dに接続した孔54に突き出しピン53を摺動自在に設け、前記孔54の開口部54Dは前記突き出しピン53が嵌合すると共に、前記突き出しピン53の先端面55の後退位置側では前記孔54に該突き出しピン53の先端面55が隙間Lを有して遊嵌し、かつ前記孔54は、前記開口部54D側が次第に径小となるように形成し、開口部54D側が次第に径小となった孔54に突き出しピンが案内されることにより、突き出しピン53が孔54を通してキャビティ27に突出する際、突き出しピン53の軸芯と孔54の軸芯を一致させて、正確に突き出しを行うことができる。
【0034】
また、第2の金型部材2に開口部54Dを設け、該開口部54Dに接続した孔54に突き出しピン53を第1の金型部材1に当接可能に第1のキャビティ25に出没自在に設け、前記孔54の開口部54Dは前記突き出しピンに嵌合すると共に、前記突き出しピン53の先端面55の後退位置側では該突き出しピン53の先端面が隙間Lを有して前記孔54に遊嵌し、突き出しピン53を第1のキャビティ25に突出すると共に第1の金型部材1に当接し前記第1のキャビティ25に第1の樹脂81を充填し第1の成形体26を成形して、該第1の成形体26に前記突き出しピン53による排気用の貫通孔83を成形し、次に前記第1の金型部材1と第3の金型部材3間を型閉じして貫通孔83と接続する第2のキャビティ27に第2の樹脂84を充填し第2の成形体28を成形する際に、前記突き出しピン53を後退させ該突き出しピン53の先端面55を孔53に遊嵌して、第2のキャビティ27内のガスGを、貫通孔83、開口部54Dを介して孔54の隙間L側に良好に排気することができる。
【0035】
図6は第2実施形態を示しており、前記第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。第2実施形態では、ゲートピン45、突き出しピン53の先端にそれぞれ小径部91,92を形成し、その先端面47,55を第1の金型部材1の第1の型体9の表面に当接するようにして、第1の成形体26に貫通孔82,83を形成してもよい。
【0036】
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において、種々の変形実施が可能である。
【0037】
【発明の効果】
請求項1の発明は、複数の金型部材間に形成され樹脂供給口を接続したキャビティに開口部を設けると共に、該開口部に接続した孔に突き出しピンを摺動自在に設け、前記孔の開口部は前記突き出しピンが嵌合すると共に、前記突き出しピンの先端の後退位置側では前記孔に該突き出しピンの先端が隙間を有して遊嵌し、かつ前記孔は、前記開口部側が次第に径小となるように形成したことを特徴とする成形用金型であり、開口部側が次第に径小となった孔に突き出しピンが案内されることにより、突き出しピンの軸芯と孔の軸芯を一致させて正確に突き出しを行うことができる。
【0038】
請求項2の発明は、第2の金型に開口部を設け、該開口部に接続した孔に突き出しピンを第1の金型部材に接触可能に第1のキャビティに出没自在に設け、前記孔の開口部は前記突き出しピンに嵌合すると共に、前記突き出しピンの先端の後退位置側では該突き出しピンの先端が隙間を有して前記孔に遊嵌することを特徴とする成形用金型であり、第2の成形体の成形のときに、キャビティ内の気体を、貫通孔、開口部を介して孔側に排気することができる。
【0039】
請求項3の発明は、突き出しピンを第1のキャビティに突出すると共に第1の金型部材に当接し前記第1のキャビティに第1の樹脂を充填し第1の成形体を成形して、該第1の成形体に前記突き出しピンによる排気用の貫通孔を成形し、次に前記第1の金型部材と第3の金型部材間を型閉じして貫通孔と接続する第2のキャビティに第2の樹脂を充填し第2の成形体を成形する際に、前記突き出しピンを後退させ該突き出しピンの先端を孔に遊嵌して、第2のキャビティ内の気体を貫通孔及び孔を介して排気することを特徴とする成形方法であり、突き出しピンを利用して第2のキャビティ内の気体を前記貫通孔及び前記孔を介して第2の金型部材側に排気することができることにより、キャビティ内の気体を良好に廃棄することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す第1工程の断面図である。
【図2】本発明の一実施形態を示す第2工程の断面図である。
【図3】本発明の一実施形態を示す第1工程の要部の断面図である。
【図4】本発明の一実施形態を示す第2工程の要部の断面図である。
【図5】本発明の一実施形態を示す成形体の断面図であり、図5(A)は第1の成形体の断面図、図5(B)は第1及び第2の成形体の断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 第1の金型部材
2 第2の金型部材
3 第3の金型部材
25 第1のキャビティ
26 第1の成形体
27 第2のキャビティ
28 第2の成形体
53 突き出しピン
54 孔
54D 開口部
55 先端面
83 貫通孔
L 隙間
Claims (3)
- 複数の金型部材間に形成され樹脂供給口を接続したキャビティに開口部を設けると共に、該開口部に接続した孔に突き出しピンを摺動自在に設け、前記孔の開口部は前記突き出しピンが嵌合すると共に、前記突き出しピンの先端の後退位置側では前記孔に該突き出しピンの先端が隙間を有して遊嵌し、かつ前記孔は、前記開口部側が次第に径小となるように形成したことを特徴とする成形用金型。
- 第1の金型部材と、前記第1の金型部材と対向する第2の金型部材と、前記第2の金型部材に前記第1の金型部材と選択的に対向する第3の金型部材を設け、前記第1の金型部材と第2の金型部材を型閉じして両者間の第1のキャビティにより第1の成形体を成形した後に、前記第1の成形体を備えた状態で前記第1の金型部材と第3の金型部材間を型閉じして両者間の第2のキャビティに第2の成形体を前記第1の成形体と一体に成形する金型装置において、前記第2の金型部材に開口部を設け、該開口部に接続した孔に突き出しピンを前記第1の金型部材に接触可能に第1のキャビティに出没自在に設け、前記孔の開口部は前記突き出しピンに嵌合すると共に、前記突き出しピンの先端の後退位置側では該突き出しピンの先端が隙間を有して前記孔に遊嵌することを特徴とする成形用金型。
- 前記請求項2記載の成形用金型を用いた成形方法であって、前記第1の金型部材と第2の金型部材とを型閉じした状態で、前記突き出しピンを第1のキャビティに突出すると共に第1の金型部材に当接し前記第1のキャビティに第1の樹脂を充填し前記第1の成形体を成形して、該第1の成形体に前記突き出しピンによる排気用の貫通孔を成形し、次に前記第1の金型部材と第3の金型部材間を型閉じして貫通孔と接続する第2のキャビティに第2の樹脂を充填し前記第2の成形体を成形する際に、前記突き出しピンを後退させ該突き出しピンの先端を前記孔に遊嵌して、第2のキャビティ内の気体を前記貫通孔及び前記孔を介して排気することを特徴とする成形方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003200095A JP2005040985A (ja) | 2003-07-22 | 2003-07-22 | 成形用金型及び成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003200095A JP2005040985A (ja) | 2003-07-22 | 2003-07-22 | 成形用金型及び成形方法 |
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JP2005040985A true JP2005040985A (ja) | 2005-02-17 |
Family
ID=34260652
Family Applications (1)
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JP2003200095A Withdrawn JP2005040985A (ja) | 2003-07-22 | 2003-07-22 | 成形用金型及び成形方法 |
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JP (1) | JP2005040985A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010113847A1 (ja) * | 2009-03-31 | 2010-10-07 | 日本写真印刷株式会社 | 型内塗装品形成金型及び型内塗装品の製造方法 |
US8123998B2 (en) * | 2008-03-28 | 2012-02-28 | Konica Minolta Opto, Inc. | Injection molding method and injection molding die |
-
2003
- 2003-07-22 JP JP2003200095A patent/JP2005040985A/ja not_active Withdrawn
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WO2010113847A1 (ja) * | 2009-03-31 | 2010-10-07 | 日本写真印刷株式会社 | 型内塗装品形成金型及び型内塗装品の製造方法 |
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