JP2003236875A - 管製造方法および管製造用射出成形金型と特異形状管 - Google Patents

管製造方法および管製造用射出成形金型と特異形状管

Info

Publication number
JP2003236875A
JP2003236875A JP2002035506A JP2002035506A JP2003236875A JP 2003236875 A JP2003236875 A JP 2003236875A JP 2002035506 A JP2002035506 A JP 2002035506A JP 2002035506 A JP2002035506 A JP 2002035506A JP 2003236875 A JP2003236875 A JP 2003236875A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pipe
mold
wall member
sealing member
cavity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002035506A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiichi Ishii
芳一 石井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SanyoSeiko Co Ltd
Original Assignee
SanyoSeiko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SanyoSeiko Co Ltd filed Critical SanyoSeiko Co Ltd
Priority to JP2002035506A priority Critical patent/JP2003236875A/ja
Publication of JP2003236875A publication Critical patent/JP2003236875A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/14Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles
    • B29C45/14598Coating tubular articles
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/26Moulds
    • B29C45/261Moulds having tubular mould cavities
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/14Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles
    • B29C45/14467Joining articles or parts of a single article

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 屈曲管の内部に形成されがちなシャープコー
ナーを排除して屈曲管各部の内径を統一化することが可
能であり、しかも、2ヶ所以上の屈曲部や拡径部を含む
ような特異形状の管も製造することが可能な管製造方法
および管製造用射出成形金型を提供し、特異形状管の製
造を容易化する。 【解決手段】 所望する管71の中心線L1を含む面を
パーティングラインとして所望する管71よりも一回り
小さな内壁部材1を得るための一対の管構成部材1a,
1bを製作することにより、管構成部材1a,1bを成
形するための第一の射出成形金型におけるコアC1等と
管構成部材1a,1bとの間のアンダーカットをなく
し、第一の射出成形金型におけるコアC1等、要する
に、管構成部材1a,1bの内周壁を自由な形に仕上
げ、この管構成部材1a,1bを組み立てて内壁部材1
とし、更に、第二の射出成形金型2により内壁部材1を
コアとしてコア抜きを必要としない射出成形作業を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、管製造方法および
管製造用射出成形金型と特異形状管の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】L字型,T字型等の特異形状管の屈曲管
を製造するための射出成形金型としては、スライドブロ
ックを利用した多方開きの射出成形金型が公知である。
【0003】通常、L字型の屈曲管を製造する場合に
は、固定側のプレートと可動側のプレートとの間のパー
ティングライン上に相互に90°交叉するスライドブロ
ックを設け、その各々に管の内径に匹敵する円柱状のコ
アを取り付けて、このコアと固定側キャビティおよび可
動側キャビティとの間に形成される空間に溶融樹脂を充
填してL字型の屈曲管とする。
【0004】この場合、屈曲管の離型操作は、射出成形
金型の型締め型開き動作、つまり、固定側金型と可動側
金型の接離動作を利用して、プレートやスライドブロッ
クの斜面あるいはアンギュラピン等の連動機構でスライ
ドブロックを各々のコアの軸方向に沿って外側に移動さ
せることによって行われる。
【0005】T字型の屈曲管を製造する場合の射出成形
金型の場合、金型自体の構造は一層複雑化するが、その
作用原理に関しては、基本的に、L字型の屈曲管の場合
と同様である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上に述べた通り、従
来の射出成形金型の場合、成形品の離型に際して必要と
されるコア抜きの操作を実現するための機構は著しく複
雑であり、加工工数や加工精度の面から見ても、金型の
単価が通常の2プレート金型や3プレート金型に比べて
著しく高価になるといった問題がある。
【0007】また、作業を中断して金型の清掃等を行っ
た後に成形作業を再開するような場合、スライドブロッ
クの位置が規定位置から外れた状態で誤って型締め動作
を行うと金型自体が破損するといった可能性もある。
【0008】しかも、この種の従来の金型は、各々のコ
アをコアの軸方向に沿って外側に移動させることによっ
てコア抜きを行う構成であるため、コアの先端部分にア
ンダーカットが生じるとコア抜きが不能になるといった
決定的な問題がある。このため、従来の射出成形金型の
場合、屈曲管の屈曲部の内壁にシャープコーナーをその
まま残すことでアンダーカットをなくし、コア抜きに支
障がないようなコア設計を行っていたが、この結果、屈
曲部にシャープコーナーが残り、事実上、屈曲管各部の
内径を統一化することが不可能となっていた。
【0009】更に、コア抜きを前提とする射出成形作業
では、例えば、S字型等のように2ヶ所以上の屈曲部を
有する特異形状の屈曲管を成形することは完全に不可能
であり、また、管の直径が部分的に太くなるような異径
部を有する特異形状の管については、例え、それが直管
であっても成形することは全く不可能である。
【0010】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、前記従来技術
の欠点を解消し、屈曲管の屈曲部に形成されがちなシャ
ープコーナーを排除して屈曲管各部の内径を統一化する
ことが可能であり、しかも、2ヶ所以上の屈曲部や拡径
部を含むような特異形状の管も製造することが可能な管
製造方法および管製造用射出成形金型を提供し、特異形
状管の製造を容易化することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の管製造方法は、
前記目的を達成するため、所望する管の中心線を含む面
をパーティングラインとして製作された第一の射出成形
金型によって前記管の外径よりも小さな外径を有する断
面略円弧形状の一対の管構成部材を対称形状に成形し、
この一対の管構成部材を組み立てて前記管と相似形状の
内壁部材とした後、前記管の中心線を含む面をパーティ
ングラインとして前記管の外径に合わせて製作された一
対の対称形状のキャビティを対向させて固定側のプレー
トと可動側のプレートに配備した第二の射出成形金型の
パーティングライン上に、両端の開口を封止部材によっ
て封止された前記内壁部材をコア状に装着して型を閉
じ、前記一対のキャビティの内壁と前記内壁部材との間
に形成された間隙に溶融樹脂を充填して前記内壁部材と
実質的に一体の外壁部材を形成し、前記溶融樹脂の固化
後、成形品から前記封止部材を取り外すことを特徴とし
た構成を有する。
【0012】まず、所望する管の中心線を含む面をパー
ティングラインとして製作された第一の射出成形金型を
利用して、所望する管の外径よりも小さな外径を有する
断面略円弧形状の一対の管構成部材を成形する。第一の
射出成形金型は所望する管の中心線を含む面をパーティ
ングラインとして製作されているので、第一の射出成形
金型のコアと成形対象となる管構成部材との間にアンダ
ーカットが生じて離型作業に支障を生じる問題はない。
つまり、所望する管の中心線が、平面または平面の組み
合わせ、もしくは、平面と二次曲面の組み合わせ、もし
くは、二次曲面と二次曲面の組み合わせ等によって形成
される面上に位置するものである限り、L字型,T字
型,S字型等を始めとする管の曲がり具合や管上におけ
る屈曲部の数、更には、拡径部の有無等に関わりなく、
単純な2プレート金型で1/2分割の管構成部材を製造
することが可能である。また、各管構成部材の内面形状
を規定する第一の射出成形金型のコアに対してはNCフ
ライスや型彫放電加工機等を始めとする公知の工作機械
によって所望の形状を自由に与えることが可能であり、
これにより、管の内壁つまり管構成部材の内壁のシャー
プコーナーの除去,各部の内径の統一,2ヶ所以上の屈
曲部や拡径部の形成が容易に達成される。次に、前述の
ようにして成形された一対の管構成部材、つまり、1/
2分割された2つの管構成部材を組み立てて所望する管
と相似形状の内壁部材とする。内壁部材の組み立てに際
しては接着剤や超音波溶着を利用してもよいし、また、
予め第一の射出成形金型で一方の管構成部材の接合面に
突条を形成すると共に他方の管構成部材の接合面に溝を
形成しておき、突条と溝との凹凸嵌合によって両者を組
み合わせるようにしてもよい。次いで、組立の完了した
内壁部材の両端の開口を封止部材によって封止し、所望
する管の中心線を含む面をパーティングラインとして管
の外径に合わせて製作された第二の射出成形金型のパー
ティングライン上に前述の内壁部材をコアとして装着す
る。そして、型締め完了後、第二の射出成形金型におけ
る一対のキャビティの内壁と前記内壁部材との間に形成
された間隙に溶融樹脂を充填して内壁部材の外周部に実
質的に一体の外壁部材を形成する。最終的に、保圧およ
び冷却が完了してキャビティ内の溶融樹脂が固化した後
で成形品から封止部材を取り外し、所望する形状の管を
得る。つまり、本発明の管製造方法の基本的な要旨は、
管の中心線を含む面をパーティングラインとして所望す
る管よりも一回り小さな内壁部材を得るための一対の管
構成部材を製作することにより、管構成部材を成形する
ための第一の射出成形金型におけるコアと管構成部材と
の間のアンダーカットをなくし、第一の射出成形金型に
おけるコア、要するに、管構成部材の内周壁を自由な形
に仕上げ、この管構成部材を組み立てて内壁部材とし、
更に、この内壁部材をコアとしてコア抜きを必要としな
い射出成形作業を行うことで、従来、コア抜きを実施す
る際に不都合が生じて実用に耐えなかった屈曲管の内部
のシャープコーナーの排除,屈曲管各部の内径の統一,
2ヶ所以上の屈曲部や拡径部を含むような特異形状の管
の製造を実現しようとするものである。
【0013】更に、内壁部材の両端の開口を封止する封
止部材を第二の射出成形金型のパーティングライン上に
着脱自在に装着し、この封止部材を介して内壁部材の両
端を位置決めするようにしてもよい。
【0014】封止部材を利用して内壁部材の両端を位置
決めすることにより、第二の射出成形金型におけるキャ
ビティの内壁と内壁部材との相対的な位置関係が適正に
保持され、外壁部材の肉厚、更には、管全体の肉厚を常
に適正な厚みにすることができるようになる。
【0015】また、成形品に対する離型操作に合わせて
封止部材に対する離型操作を同時に行い、成形品と封止
部材との相対位置関係を保持したまま成形品および封止
部材を金型から離型させることが望ましい。
【0016】成形品である管に係合した封止部材と管と
を一体的に離型させることにより、封止部材の物理的な
干渉による管の損傷が未然に防止される。
【0017】更に、第二の射出成形金型の各キャビティ
の裏面側から付勢されて内壁部材の外周面に接する位置
まで突出する位置決めピンを各キャビティの中央部に設
け、この位置決めピンによって溶融樹脂の充填開始時に
おける前記内壁部材の中央部を位置決めすると共に、キ
ャビティ内の樹脂圧の上昇によって前記位置決めピンを
キャビティの内周面と面一の状態にまで後退させ、位置
決めピンの後退した空間に溶融樹脂を充填することが可
能である。
【0018】このような構成を適用した場合、少なくと
も、射出開始の初期段階では、内壁部材の両端の開口に
加えて内壁部材の中央部がキャビティに対して正確に位
置決めされることになるので、第二の射出成形金型のキ
ャビティの内壁と内壁部材との相対的な位置関係を更に
適正に保持することが可能となり、外壁部材の肉厚、更
には、管全体の肉厚を常に適正な厚みにすることができ
る。しかも、この位置決めピンはキャビティ内の樹脂圧
の上昇に伴ってキャビティの内周面と面一の状態にまで
後退し、位置決めピンの後退した空間に溶融樹脂が充填
されることになるので、位置決めピンの存在が最終的な
管の外形に影響を与えることはない。
【0019】本発明の管製造用射出成形金型は前述した
管製造方法で使用される第二の射出成形金型に相当する
ものであり、前記と同様の目的を達成するため、管の中
心線を含む面をパーティングラインとして前記管の外径
に合わせて製作された一対の対称形状のキャビティを対
向させて固定側のプレートと可動側のプレートに備える
と共に、前記可動側のプレートには、前記管の外径より
も小さな外径を有して前記管と相似形状に形成された樹
脂製の内壁部材の両端の開口に突入して該開口を封止す
ると共に前記内壁部材をコアとして前記パーティングラ
イン上に位置決め保持する封止部材を型締め型開き方向
に着脱自在に備えたことを特徴とする構成を有する。
【0020】このような構成を適用した場合、樹脂製の
内壁部材の両端の開口に突入した封止部材によって内壁
部材の内側に対する溶融樹脂の侵入が確実に防止され、
同時に、この封止部材によって射出成形金型のキャビテ
ィの内壁と内壁部材との相対的な位置関係が適正に保持
される。よって、外壁部材の肉厚、更には、管全体の肉
厚を常に適正な厚みにすることができる。また、内壁部
材と係合する封止部材は型締め型開き方向に着脱自在と
されているので、成形品としての管の離型操作も容易で
ある。
【0021】また、封止部材を離型させるための封止部
材離型用エジェクタピンをエジェクタプレート上に配備
し、封止部材と共に成形品を離型させるようにしてもよ
い。
【0022】このような構成を適用した場合、内壁部材
と係合した封止部材を封止部材離型用エジェクタピンで
突き出すことで離型操作が行われるので、成形品となる
管の表面に傷を付けずに取り出し作業を行うことが可能
となる。
【0023】但し、可動側金型に対する成形品の喰い付
きが激しいような場合には、前述の封止部材離型用エジ
ェクタピンに加え、エジェクタプレート上に成形品エジ
ェクタピンを併設することを妨げない。
【0024】同じエジェクタプレートに植設された封止
部材離型用エジェクタピンと成形品エジェクタピンが同
期して突出するので、管に係合した封止部材と管とを一
体的に離型させることができ、成形品の喰い付きによる
離型不良や封止部材の物理的な干渉による管の損傷が未
然に防止される。
【0025】更に、所望する管の外周面に合わせて端面
を加工された位置決めピンを前記各キャビティの中央部
に摺動自在かつ回転不能に取り付け、この位置決めピン
を前記内壁部材の装着位置に向けて付勢する付勢手段を
配備すると共に、この位置決めピンの後退限度をキャビ
ティの内周面と面一の位置に規制するようにしてもよ
い。
【0026】このような構成を適用した場合、内壁部材
の両端の開口に加えて内壁部材の中央部が位置決めピン
によって位置決めされることになるので、射出成形金型
のキャビティの内壁と内壁部材との相対的な位置関係を
更に適正に保持することが可能となり、外壁部材の肉
厚、更には、管全体の肉厚を常に適正な厚みにすること
ができる。この際、位置決めピンの端面は所望する管の
外周面に合わせて形成されているので、この端面の曲率
半径は内壁部材の外周面の曲率半径に比べて相対的に大
きい。つまり、内壁部材の外周面と接するのは厳密には
位置決めピンの端面の中央部のみであり、この端面の両
側においては内壁部材の外周面と位置決めピンの端面と
の間に僅かな間隙が生じる。従って、キャビティ内に射
出された溶融樹脂はこの間隙に侵入して位置決めピンの
端面に圧力を与え、前述の付勢手段の付勢力に抗して位
置決めピンを後退させて、最終的に、位置決めピンの端
面がキャビティの内周面と面一の状態にまで後退し、位
置決めピンの後退した空間に溶融樹脂が充填される。従
って、この位置決めピンの存在が最終的な管の外形に影
響を与えることはない。
【0027】本発明の特異形状管の一つは、前述した管
製造用射出成形金型を利用した管製造方法の結果物とし
て得られるものであって、所望する管の中心線を含む面
をパーティングラインとして製作された断面略円弧形状
の一対の樹脂製の管構成部材を組み立てて形成された内
壁部材の外周に樹脂製の外壁部材を射出成形により一体
的に形成してなる内径が一定の屈曲部を有する特異形状
管である。
【0028】内壁部材となる管構成部材は所望する管の
中心線を含む面をパーティングラインとして1/2分割
されているので、この管構成部材を成形する金型のコア
を適切に加工することで屈曲管の内部のシャープコーナ
ーが排除され、また、屈曲管各部の内径が統一されてい
る。また、分割構成の内壁部材の外周には樹脂製の外壁
部材が射出成形により一体的に形成されているので、機
械的な強度も十分である。内壁部材と外壁部材の材質は
各々独立的に任意に選択し得る。
【0029】また、本発明の特異形状管の他の一つは、
前述した管製造用射出成形金型を利用した管製造方法の
結果物として得られるものであって、所望する管の中心
線を含む面をパーティングラインとして製作された断面
略円弧形状の一対の樹脂製の管構成部材を組み立てて形
成された内壁部材の外周に樹脂製の外壁部材を射出成形
により一体的に形成してなる2ヶ所以上の屈曲部を有す
る特異形状管である。
【0030】管構成部材を組み立てて形成された内壁部
材をコアとして外周に樹脂製の外壁部材を射出成形によ
り一体的に形成した構成であるため、コア抜きの必要が
なく、屈曲部と屈曲部との間にも管路を形成することが
できるので、2ヶ所以上の屈曲部を有する屈曲管が実現
される。
【0031】更に、本発明の特異形状管の他の一つは、
前述した管製造用射出成形金型を利用した管製造方法の
結果物として得られるものであって、所望する管の中心
線を含む面をパーティングラインとして製作された断面
略円弧形状の一対の樹脂製の管構成部材を組み立てて形
成された内壁部材の外周に樹脂製の外壁部材を射出成形
により一体的に形成してなる端部以外の場所に1以上の
拡径部を有する特異形状管である。
【0032】管構成部材を組み立てて形成された内壁部
材をコアとして外周に樹脂製の外壁部材を射出成形によ
り一体的に形成した構成であるため、コア抜きの必要が
なく、縮径部と縮径部部との間に拡径部を形成すること
ができるので、端部以外の場所に1以上の拡径部を有す
る屈曲管が実現される。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明を適
用した管製造方法および管製造用射出成形金型と特異形
状管の実施形態について詳細に説明する。
【0034】ここでは、一実施形態として、本発明を適
用して屈曲部の内壁からシャープコーナーを除去し管各
部の内径を統一化すると共に、管上に2ヶ所の屈曲部を
形成した特異形状管の製造方法と管製造用射出成形金
型、および、この特異形状管について説明するが、3ヶ
所以上の屈曲部を有する特異形状管や端部以外の場所に
1以上の拡径部を有する特異形状管の製造工程について
も以下に示す実施形態と実質的に同様であり、また、そ
の際に使用される管製造用射出成形金型の構造に関して
も、コアやキャビティの具体的な形状を別にすれば、以
下に示す実施形態の管製造用射出成形金型の構造と実質
的に同等である。
【0035】まず、所望する管の外径よりも小さな外径
を有する断面略円弧形状の一対の管構成部材を製作する
ために必要とされる第一の射出成形金型の構造と、管構
成部材の一例について簡単に説明する。なお、ここで必
要とされる第一の射出成形金型は慣用技術の範疇に属す
る単純な2プレート金型であり、射出成形金型自体の一
般的な構造および射出成形金型の加工法等については既
に公知であるので、第一の射出成形金型それ自体に関す
る構造の説明や図示は省略し、成形品である管構成部材
の一例を挙げて第一の射出成形金型の構造を簡単に説明
するにとどめる。
【0036】図7(a)および図7(b)は、所望する
管の外径よりも小さな外径を有する断面略円弧形状の一
対の管構成部材1a,1bの形状の一例について示した
斜視図、また、図7(c)は、これらの管構成部材1
a,1bを組み立てて得られた内壁部材1について示し
た斜視図である。
【0037】これらの管構成部材1a,1bは、所望す
る管の中心線L1を含む面をパーティングラインとして
設計された第一の射出成形金型によって射出成形されて
いる。ここでいう所望する管の中心線とは、図7(a)
〜図7(c)において一点鎖線の曲線L1で示される線
である。この略S字型の曲線L1は図7(a)に示され
る通り全長に亘って一つの平面S1上に位置し、従っ
て、この例では第一の射出成形金型のパーティングライ
ンも完全な平面となる。つまり、平面S1が第一の射出
成形金型のパーティングライン(可動側金型と固定側金
型との分割位置)であり、このパーティングラインS1
に所望する管の中心線L1が完全に含まれていることに
なる。
【0038】また、金型の加工が著しく複雑化すること
を別にすれば、例えば、第一の射出成形金型のパーティ
ングラインを図7(d)の折れ線S2のように取ること
も可能である。この場合、折れ線S2に対して紙面厚み
方向に直交する第一の射出成形金型のステップ状のパー
ティングラインと所望する管の中心線L1とは厳密には
一致しないが、第一の射出成形金型のパーティングライ
ンにおける3平面の接続部分をシャープコーナーとした
り可動側金型と固定側金型の押し切り部分にテーパを付
けたりするのは単に金型設計上の問題であり、少なくと
も本発明においては、実際のパーティングラインS2と
所望する管の中心線L1との間にこのような相違があっ
たとしても、第一の射出成形金型のパーティングライン
S2の面が所望する管の中心線L1を含んでいるものと
見做す。
【0039】ここでは、一例として、一つの平面S1上
で屈曲する管構成部材1a,1bについて示している
が、図7(d)に示されるような平面の組み合わせによ
るパーティングライン、更には、平面と二次曲面の組み
合わせ、あるいは、二次曲面と二次曲面の組み合わせ等
を利用して金型上のパーティングラインを形成するよう
にすれば、一つの平面上で屈曲する管構成部材1a,1
bの他、二次曲面上さらには三次曲面上で屈曲する様々
な形状の管構成部材を成形することが可能である。
【0040】つまり、所望する管の中心線L1が第一の
射出成形金型のパーティングラインに含まれている限
り、成形品としての管構成部材1a,1bと金型との間
にアンダーカットは発生せず、第一の射出成形金型内に
成形された管構成部材1a,1bを金型から容易に離型
させることが可能である。但し、多少のアンダーカット
が生じたとしても実際の離型操作に際して管構成部材1
a,1bに損傷が生じなければ構わない。
【0041】図7(a)に示されるような形状の管構成
部材1aを成形する第一の射出成形金型の場合、可動側
金型のコアの形状は図7(a)の二点鎖線C1で示され
るように略円弧状の断面を有する突条となるが、このよ
うな形状は、通常のNCフライス加工あるいは型彫放電
加工等によって容易に製作できる。また、固定側金型の
キャビティの形状は図7(a)の二点鎖線C2で示され
るような略円弧状の断面を有する溝となり、これも、ボ
ールエンドミル等を利用した通常のNCフライス加工あ
るいは型彫放電加工等によって容易に製作することがで
きる。
【0042】所望する管の中心線L1を第一の射出成形
金型のパーティングラインとしているため、離型操作に
際してコアC1が管構成部材1aの内壁に干渉すること
はない。
【0043】管構成部材1aの内壁の形状はコアC1の
外形によって決まるため、コアC1を適切に加工しさえ
すれば、管構成部材1aの屈曲部の内壁からシャープコ
ーナーを除去して各部の内径を統一化し、2ヶ所の屈曲
部を形成した管構成部材1aを確実に得ることができ
る。
【0044】図7(b)に示される管構成部材1bに関
しても前記と同様であり、従来公知の金型加工技術によ
り、屈曲部の内壁からシャープコーナーを除去して各部
の内径を統一化し、2ヶ所の屈曲部を形成した管構成部
材1bを容易かつ確実に得ることが可能である。
【0045】管構成部材1bを成形するための第一の射
出成形金型の構造は、コアおよびキャビティの形状が図
7(a)のコアC1やキャビティC2と対称の形状とな
っている点を除き、その構造自体は、管構成部材1aを
成形するための第一の射出成形金型の場合と全く同様で
ある。
【0046】但し、ここでいう第一の射出成形金型とは
厳密にはコアやキャビティそれ自体を指すもので、モー
ルドベースを意味するものではない。例えば、一つのモ
ールドベースを共用して管構成部材1aを成形するため
の第一の射出成形金型(コアおよびキャビティ)と管構
成部材1bを成形するための第一の射出成形金型(コア
およびキャビティ)を同時に配置することが可能であ
る。管構成部材1aと管構成部材1bの投影面積は同一
であるから、射出成形機の射出軸を中心として管構成部
材1aを成形するための第一の射出成形金型(コアおよ
びキャビティ)と管構成部材1bを成形するための第一
の射出成形金型(コアおよびキャビティ)を同じモール
ドベース上に対称に配置しても、ランナーバランス等に
関する問題は全く生じない。
【0047】また、管構成部材1aを成形するための第
一の射出成形金型(コアおよびキャビティ)と管構成部
材1bを成形するための第一の射出成形金型(コアおよ
びキャビティ)を各々に別のモールドベースに搭載して
別の射出成形機で射出成形作業を行ったとしても何ら支
障はない。
【0048】管構成部材1aと管構成部材1bは完全に
対称な形状であり、その外径d1は所望する管の外径D
1に比べて所定量だけ小さい。
【0049】ここでは敢えて図示しないが、既に述べた
通り、所望する管の中心線を第一の射出成形金型のパー
ティングラインとして金型設計を行うことにより、3ヶ
所以上の屈曲部を有するコアやキャビティ、および、端
部以外の場所に1以上の拡径部を有するコアやキャビテ
ィの製作が容易なことは明らかである。
【0050】そして、このようにして射出成形された樹
脂製の管構成部材1aと管構成部材1bとを組み立てて
図7(c)に示されるような内壁部材1を得る。
【0051】図8(a)に示されるようにして管構成部
材1aと管構成部材1bの接合面に突条と溝を形成して
おけば、内壁部材1の組み立ては更に容易である。この
突条と溝の形成は前述の第一の射出成形金型のコアC1
やキャビティC2を加工することで容易に実現され得
る。また、図8(b)のように管構成部材1aと管構成
部材1bを組み合わせてから粘性の低い接着剤を流し込
むようにしてもよいし、更には、超音波溶着等によって
両者を固着するようにしてもよく、組み立ての方法自体
は自由である。
【0052】このようにして組み立てられた内壁部材1
は所望する管の形状と相似の関係にあり、その外径d1
だけが所望する管の外径D1に比べて所定量だけ小さく
なっている。
【0053】次に、この内壁部材1の外周部に外壁部材
を形成する際に必要とされる第二の射出成形金型の一実
施形態について図1〜図6を参照して詳細に説明する。
図1〜図6に示される第二の射出成形金型2は従来にな
い本実施形態に固有の構成要素である。
【0054】図1は第二の射出成形金型2の構成要素の
うち射出成形機のムービングプラテン側に装着される可
動側金型3を示した平面図、図2は図1の可動側金型3
を矢視A−Aの部分で割って示した断面図、図3は図1
の可動側金型3を矢視B−Bの部分で割って示した断面
図である。
【0055】また、図4は第二の射出成形金型2の構成
要素のうち射出成形機のステーショナリープラテン側に
装着される固定側金型4の部分を示した平面図、図5は
図4の固定側金型4を矢視C−Cの部分で割って示した
断面図、図6は図4の固定側金型4を矢視D−Dの部分
で割って示した断面図である。
【0056】このうち可動側金型3は、図2に示される
ように、概略において、可動側キャビティプレート5と
可動側バックプレート6、および、スペーサブロック7
と可動側取付板8、ならびに、第一プレート9aおよび
第二プレート9bからなるエジェクタプレート9によっ
て構成され、エジェクタプレート9を除いた各部材5,
6,7,8は、図1に示されるようなボルト10によっ
て可動側取付板8の側から一体的に固定されている。
【0057】可動側取付板8は、この可動側金型3を射
出成形機のムービングプラテンに搭載するための取付板
であり、通常、その四隅をムービングプラテン上のクラ
ンプで固定されることでムービングプラテンの中央に設
置される。可動側取付板8の中央部には、ムービングプ
ラテンから突出するエジェクタバーを通すための貫通孔
11が穿設されている。
【0058】エジェクタプレート9の一部を構成する第
一プレート9aの四隅には段付きの貫通孔12が穿設さ
れ、この貫通孔に挿通されたリターンピン13の鍔部
が、第一プレート9aと重合してボルト止めされた第二
プレート9bによってエジェクタプレート9に一体的に
固定されている。
【0059】リターンピン13は可動側キャビティプレ
ート5に穿設された貫通孔14によって摺動自在にガイ
ドされており、リターンピン13に固定されたエジェク
タプレート9は、可動側キャビティプレート5に対して
接離する方向、つまり、図2の上下方向に移動自在とさ
れている。可動側バックプレート6の貫通孔15の直径
はリターンピン13に環装されたリターンスプリング1
6の直径を僅かに上回る大きさである。
【0060】リターンピン13に環装されたリターンス
プリング16は、その一端を可動側キャビティプレート
5の裏面で支持され、エジェクタプレート9を可動側キ
ャビティプレート5から離間させる方向、つまり、図2
の下方に向けて付勢している。エジェクタプレート9の
後退限度は可動側取付板8によって規制され、また、そ
の前進限度は、第一プレート9a上にボルト17で固着
されたスリーブ状のストッパ18によって規制される。
従って、エジェクタプレート9の実質的なストロークは
ストッパ18の先端から可動側バックプレート6までの
離間距離に等しい。
【0061】可動側キャビティプレート5の四隅には、
型締めの際の位置決め手段となるガイドポスト19が一
体的に植設され、また、可動側キャビティプレート5の
表面には、図1および図2に示されるような略矩形状の
ポケット21が彫り込まれ、このポケット21の内部に
可動側キャビティ20が埋設されている。
【0062】可動側キャビティ20の表面は所望する管
の中心線L1を含むパーティングラインであって、この
表面から、所望する管の外径D1の1/2に匹敵する深
さの彫込22が、ボールエンドミル等を利用した通常の
NCフライス加工あるいは型彫放電加工等によって形成
されている。
【0063】この彫込22の形状は、前述した第一の射
出成形金型のキャビティ形状C2の対称形状と相似であ
り、その外径が所望する管の外径D1に合わせて形成さ
れている点のみが異なる。つまり、可動側キャビティ2
0は所望する管の中心線L1を含む面をパーティングラ
インとして所望する管の外径に合わせて製作されたキャ
ビティである。前述した第一の射出成形金型の場合と同
様、所望する管の中心線L1をパーティングラインとし
ているため、離型操作に際して彫込22が成形品である
管の外壁に干渉することはない。
【0064】更に、可動側キャビティ20の中央には、
所望する管の外周面、要するに、彫込22の内周面に合
わせて端面を加工された位置決めピン23が摺動自在に
取り付けられている。
【0065】この位置決めピン23は、図2に示される
ような鍔付ピンであり、可動側キャビティ20の中央に
穿設された孔24に先端を摺動自在に突入させる一方、
孔24と同軸上に形成された可動側キャビティプレート
5上の矩形状の盲穴25に矩形状の鍔23aを摺動自在
かつ回転不能に嵌合させている。
【0066】更に、鍔23aの端面には座ぐりが形成さ
れ、孔24および矩形状の盲穴25と同軸上に穿設され
た可動側キャビティプレート5の盲穴26に設置された
スプリング27から成る付勢手段によって、この位置決
めピン23が、彫込22内にセットされる内壁部材1の
装着位置に向けて図2中で上方に付勢されている。
【0067】位置決めピン23の前進限度は鍔23aの
上面と可動側キャビティ20の下面によって規制され、
図2に示される如く、最大で、位置決めピン23の端面
が内壁部材1の外周面に接する位置まで突出するように
なっている。なお、図2では図面のスケールの関係から
位置決めピン23の端面の曲率が不明瞭であるが、この
端面の曲率は内壁部材1の外周面の曲率よりも大きく、
所望する管および彫込22の底面の曲率と同一である。
【0068】位置決めピン23の後退限度は、矩形状の
盲穴25と盲穴26の間に形成される段差部と鍔23a
の下面とによって規制され、最大で、位置決めピン23
の端面が可動側キャビティ20の彫込22の内周面と面
一となる後退位置に規制される。
【0069】可動側キャビティ20は、可動側キャビテ
ィプレート5に対するスプリング27および位置決めピ
ン23の装着が完了した後にポケット21に挿入され、
可動側キャビティプレート5の裏面から通されたボルト
28によって四隅を固定される。
【0070】ポケット21の両側には、更に、図1に示
されるように、封止部材保持ブロック30を装着するた
めのポケット29が彫り込まれ、このポケット29に埋
設された封止部材保持ブロック30が、前述の可動側キ
ャビティ20の場合と同様にして可動側キャビティプレ
ート5の裏面から通されたボルト31によって固定され
ている。
【0071】封止部材保持ブロック30は、図2に示さ
れるような段付きのブロックであり、可動側キャビティ
20に接する側の肉厚の薄い部分30aには、ピン状の
封止部材32を嵌合させるための円弧状の溝33が刻設
されている。肉厚の薄い部分30aの表面は前述したパ
ーティングラインと同一平面上に位置し、溝33の深さ
は封止部材32の直径の1/2である。従って、溝33
にセットされたピン状の封止部材32のセンターもパー
ティングラインと同一平面上に位置することになる。
【0072】また、封止部材保持ブロック30の肉厚の
薄い部分30bには、封止部材32のセンターと同一軸
上に小径の孔34が穿設されている。より具体的に言え
ば、この孔34はキリ穴であり、図2で表示されている
封止部材保持ブロック30を例に取ると、ドリルの加工
経路は図中の右から左に向かう方向であり、ドリルの最
大外径部が肉厚の薄い部分30bの左端面を突き切る寸
前で穴あけの加工を停止することで孔34の左端側開口
部が僅かに縮径されている。従って、孔34内に遊嵌さ
れた鋼球35が孔34から外に転げ落ちることはない。
鋼球35は孔34に埋設されたスプリング36によって
孔34の左端側開口部に向けて付勢され、孔34の右端
側開口部を封止したセットスクリュー37が、圧縮状態
にあるスプリング36の一端を支えている。
【0073】一方、封止部材32の基部側の端面には前
述の鋼球35に適合する座ぐりが形成され、この座ぐり
と孔34の左端側開口部から僅かに突出する鋼球35と
の嵌合で実現されるクリックストップにより、封止部材
32が溝33内に一定の力で保持されるようになってい
る。従って、封止部材32は封止部材保持ブロック30
に対して型締めおよび型開きの方向、つまり、図2の上
下方向に着脱自在であり、封止部材32の下面側に或る
程度以上の押し上げ力が作用した場合には、封止部材3
2が強制的に上方に押し上げられて前述のクリックスト
ップが解除され、鋼球35が座ぐりの深さ分だけ孔34
内に押し戻されて、溝33からの封止部材32の離脱が
許容される。
【0074】また、可動側バックプレート6,可動側キ
ャビティプレート5,封止部材保持ブロック30を貫通
して溝33に至るように穿設されたピン通し穴38に
は、ムービングプラテンのエジェクタバーによって押圧
されるエジェクタプレート9で駆動される封止部材離型
用エジェクタピン39が摺動自在に内嵌され、エジェク
タプレート9と連動して移動する封止部材離型用エジェ
クタピン39の突出動作によって、封止部材保持ブロッ
ク30の溝33から封止部材32が離型されるようにな
っている。エジェクタプレート9に対する封止部材離型
用エジェクタピン39の取付方法は前述のリターンピン
13の場合と同様である。
【0075】更に、図3に示されるように、可動側キャ
ビティプレート5の金型中心において可動側バックプレ
ート6,可動側キャビティプレート5,可動側キャビテ
ィ20を貫通して穿設されたピン通し穴40には、ムー
ビングプラテンのエジェクタバーによって押圧されるエ
ジェクタプレート9で駆動される成形品エジェクタピン
41が摺動自在に内嵌され、エジェクタプレート9と連
動して移動する成形品エジェクタピン41の突出動作に
よって、成形品のランナー部分が可動側キャビティ20
から離型されるようになっている。エジェクタプレート
9に対する成形品エジェクタピン41の取付方法は前述
のリターンピン13および封止部材離型用エジェクタピ
ン39の場合と同様である。
【0076】なお、可動側キャビティ20上の符号4
2,43,44は、各々、樹脂通路となるランナー溝,
ランド,サイドゲートであり、また、符号45,46は
温調用の水穴である。
【0077】一方、固定側金型4は、図5に示されるよ
うに、概略において、固定側キャビティプレート47と
固定側取付板48とによって構成され、これらの部材が
ボルト49によって固定側取付板48の側から一体的に
固定されている。固定側キャビティプレート47と固定
側取付板48の位置ズレは両者間のノックピン50で防
止される。
【0078】固定側取付板48は、この固定側金型4を
射出成形機のステーショナリープラテンに搭載するため
の取付板であり、通常、その四隅をステーショナリープ
ラテン上のクランプで固定されることでステーショナリ
ープラテンの中央に設置される。固定側取付板48の中
央部には固定側金型4をステーショナリープラテンのセ
ンターに位置決めするためのロケートリング51がボル
ト52で固着され、更に、固定側キャビティプレート4
7と固定側取付板48を貫通して、樹脂の流路となるス
プルー穴53が抜きテーパを有して穿設され、固定側取
付板48の表面には、射出成形機のノズルと接触するた
めのノズルタッチ用の座ぐり54が設けられている。
【0079】固定側キャビティプレート47の四隅に
は、可動側キャビティプレート5のガイドポスト19と
嵌合して型締めの際の位置決め手段となるガイドブッシ
ュ55が埋設され、固定側キャビティプレート47の表
面には、図6に示されるような略矩形状のポケット56
が彫り込まれ、このポケット56の内部に図4に示され
るような固定側キャビティ57が埋設されて、固定側キ
ャビティプレート47の裏面側から四隅をボルト63で
固定されている。
【0080】固定側キャビティ57は可動側キャビティ
プレート5の側に取り付けられた可動側キャビティ20
と対称形状のキャビティであり、その構造に関しては実
質的に可動側キャビティ20と同様である。固定側キャ
ビティ57には、所望する管の外形を形成する彫込58
の他、スプルー穴53と連絡するランナー溝59、およ
び、ランド60,サイドゲート61等が刻設され、ま
た、その中央部には前述した位置決めピン23と同じ機
能を有する位置決めピン62が取り付けられているが、
図6では位置決めピン23や付勢手段としてのスプリン
グについては記載を省略している。
【0081】そして、ポケット56の両側には、更に、
図4に示されるように、封止部材保持ブロック64を装
着するためのポケット65が彫り込まれ、このポケット
65に埋設された封止部材保持ブロック64が、固定側
キャビティプレート47の裏面から通されたボルト66
によって固定されている。
【0082】封止部材保持ブロック64は、図5に示さ
れるような段付きのブロックであり、固定側キャビティ
57に接する側の肉厚の厚い部分64aには、前述した
ピン状の封止部材32を嵌合させるための円弧状の溝6
7が刻設されている。肉厚の厚い部分64aの表面は前
述したパーティングラインと同一平面上に位置し、溝6
7の深さは封止部材32の直径の1/2である。
【0083】また、封止部材保持ブロック64の肉厚の
薄い部分64bは、可動側キャビティプレート5からパ
ーティングラインを越えて突出した封止部材保持ブロッ
ク30の肉厚の厚い部分30bと干渉しないように、固
定側キャビティプレート47の表面から縮退している。
【0084】なお、固定側キャビティプレート47を貫
通して側方に延びる孔68,69は温調用の水穴であ
る。
【0085】次に、第二の射出成形金型2を用いて内壁
部材1の外周部に樹脂製の外壁部材を形成する際の射出
成形作業について説明する。
【0086】但し、この段階では既に、可動側金型3お
よび固定側金型4の各々が射出成形機のムービングプラ
テンおよびステーショナリープラテンに装着されて射出
成形機のシリンダ温度や第二の射出成形金型2の温度も
適切な温度範囲に調整され、封止部材32は可動側金型
3から取り外されて、材料となる樹脂の混練が完了し、
ムービングプラテンが型開き完了位置にあるものとす
る。また、図7(c)に示されるような内壁部材1が予
め幾つか準備されているものとする。
【0087】以下、一例として、第二の射出成形金型2
を利用して射出成形機を1サイクルの半自動運転で動作
させる場合の操作について述べる。
【0088】射出成形機のオペレータは、まず、図7
(c)に示されるような内壁部材1を一つ取り上げ、内
壁部材1の両端の開口に封止部材32の先端を突入させ
て、これらの開口を封止する。内壁部材1の開口に対す
る封止部材32の突入量は、封止部材32の先端の突起
32aが内壁部材1の内壁に干渉する位置で規制され、
このとき、両側に位置する封止部材32,32の端面間
の離間距離が図1における距離Xと一致するようになっ
ている。
【0089】次いで、オペレータは、封止部材32,3
2を装着した内壁部材1を取り上げて、両側の封止部材
32,32を図1に示されるようにして可動側金型3の
封止部材保持ブロック30,30にセットする。既に述
べた通り、この状態で封止部材32,32のセンターは
パーティングライン上に位置決めされることになるの
で、必然的に、内壁部材1も第二の射出成形金型2のパ
ーティングライン上に設置されることになる。また、両
側に位置する封止部材32には、その端面に形成された
座ぐりを封止部材保持ブロック30の鋼球35に嵌合さ
せることによってクリックストップが掛けられ、可動側
金型3からの内壁部材1および封止部材32の不用意な
脱落が防止される。
【0090】しかも、封止部材32,32と封止部材保
持ブロック30,30による内壁部材1の両端の支持に
加え、可動側キャビティ20の中心に位置する位置決め
ピン23が内壁部材1の外周部に当接して内壁部材1の
姿勢を特定するので、可動側キャビティ20の彫込2
2、つまり、キャビティ内周面に対する内壁部材1の位
置決めは確実である。
【0091】この状態で射出成形機の半自動運転スイッ
チを操作すると、1サイクルの半自動運転が開始され
る。
【0092】まず、最初の工程である型閉じ型締め工程
では、射出成形機のムービングプラテンがステーショナ
リープラテンに向けて移動を開始して型閉じ動作が行わ
れ、可動側金型3と固定側金型4とが閉じ合わされて、
一対のキャビティ即ち可動側キャビティ20の彫込22
および固定側キャビティ57の彫込58で形成されるキ
ャビティの内周面と、実質的なコアとなる内壁部材1と
の間に溶融樹脂を充填するための空間が形成される。可
動側金型3と固定側金型4の双方に位置決めピン23,
62が設けられているので、彫込22,58によって形
成されるキャビティ内周面に対する内壁部材1の位置決
めは正確である。
【0093】そして、金型のロックアップ完了後、射出
スクリューの前進による射出工程が開始され、射出成形
機のノズルから射出される溶融樹脂がスプルー穴53か
らランナー溝42,59およびランド43,60とサイ
ドゲート44,62を介して、彫込22および彫込58
で形成されるキャビティの内周面とコアとしての内壁部
材1との間に充填され、内壁部材1の外周部に、この内
壁部材1と実質的に一体の外壁部材70が形成される。
【0094】前述した通り、位置決めピン23の端面は
所望する管の外周面に合わせて形成されているので、こ
の端面の曲率半径は内壁部材1の外周面の曲率半径に比
べて相対的に大きい。従って、キャビティ内に射出され
た溶融樹脂は内壁部材1の外周面と位置決めピン23の
端面との間の間隙に侵入して位置決めピン23の端面に
圧力を与え、この圧力が付勢手段としてのスプリング2
7の付勢力に抗して位置決めピン23を後退させて、最
終的に、位置決めピン23の端面はキャビティの内周面
と面一の状態にまで後退し、位置決めピン23の後退し
た空間に溶融樹脂が充填される。位置決めピン23の後
退限度は矩形状の盲穴25と盲穴26の間に形成される
段差部と鍔23aの下面とによって規制されるので、位
置決めピン23が過剰に後退して成形品である外壁部材
70の表面に突起が形成されたり、あるいは、位置決め
ピン23の後退量が不足して外壁部材70の表面に窪み
が発生したりする心配はない。位置決めピン62に関し
ても前記と同様である。また、内壁部材1の両端の開口
は封止部材32によって閉鎖されているので、内壁部材
1の内部に溶融樹脂が侵入することはない。
【0095】そして、保圧および冷却工程が完了して溶
融樹脂が固化すると、ムービングプラテンがステーショ
ナリープラテンから離間して型開きが行われる。既に述
べた通り、封止部材32には鋼球35によるクリックス
トップが掛けられて一定の力で封止部材保持ブロック3
0の側に保持されているので、成形品や封止部材32が
固定側金型4の側に残留することはなく、確実に可動側
金型3と共に固定側金型4から引き抜かれる。
【0096】そして、型開き完了後、ムービングプラテ
ン上のエジェクタバーが作動し、このエジェクタバーが
リターンスプリング16の弾性力に抗してエジェクタプ
レート9を押圧して封止部材離型用エジェクタピン39
と成形品エジェクタピン41を同時に可動側キャビティ
プレート5の表面に突出させ、内壁部材1と一体化した
外壁部材70のランナー部分と、内壁部材1を可動側金
型3に保持する封止部材32に対して同時に離型操作が
行われ、内壁部材1と外壁部材70とによって一体的に
形成された所望形状の管71と封止部材32とが可動側
金型3からステーショナリープラテンの方向、つまり、
型締め型開き方向に向けてエジェクトされる。
【0097】封止部材離型用エジェクタピン39と成形
品エジェクタピン41の連携により、所望形状の管71
およびそのランナー部分と封止部材32の相対位置関係
を保持したままの状態で離型操作が行われるので、封止
部材32と管71およびそのランナー部分との物理的な
干渉による管71の損傷、例えば、封止部材32あるい
はランナー部分の何れか一方に対してのみ離型操作を行
うことによって生じる可能性のあるランナー部分のみの
可動側残留あるいは管71のみの可動側残留に伴って生
じるゲート部分の毟れ等に起因する外壁部材70の損傷
が確実に防止される。
【0098】そして、エジェクタバーの作動が完了する
と、射出成形機は、次のショットのための樹脂ペレット
の計量と混練りの工程を実行して1サイクルの半自動運
転を終え、型開き完了の状態を保持したまま半自動運転
スイッチの再操作を待つ待機状態に入る。
【0099】オペレータは、エジェクトされた管71か
らニッパー等を利用してゲート部分でランナーを切除
し、更に、管71の両端の開口から封止部材32を取り
外して図9に示されるような完成状態の管71を得る。
【0100】封止部材32は反復使用が可能であるの
で、オペレータは、取り外した封止部材32を再び新た
な内壁部材1に嵌合させ、前記と同様にして可動側金型
3に装着して半自動運転を実施するといった操作を繰り
返すことにより、管71を次々と製造することが可能で
ある。
【0101】図9では屈曲部の内壁からシャープコーナ
ーを除去し管各部の内径を統一化すると共に管上に2ヶ
所の屈曲部を形成した特異形状の管71を一例として示
しているが、所望する管の中心線を含む面をパーティン
グラインとして製作された第一の射出成形金型を利用し
た射出成形作業により所望する管よりも一回り小さな一
対の管構成部材を得て内壁部材を組み立て、更に、この
内壁部材をコアとして第二の射出成形金型によるコア抜
きを必要としない射出成形作業を行うことで、3ヶ所以
上の屈曲部を有する特異形状管、更には、図10に示さ
れるように、端部以外の場所に1以上の拡径部を有する
特異形状管も前記と全く同様にして製造することが可能
であり、その他にも、Y字型,T字型等の特異形状管の
屈曲部の内壁からシャープコーナーを除去して管各部の
内径を統一化したりすることができる。
【0102】内壁部材と外壁部材の材質は同一としても
よいし、また、管内を流れる流体に対する耐薬品性等を
考慮して内壁部材の材質を選択したり、全体としての機
械的強度を考慮して外壁部材の材質を決めるといったよ
うに、別個の材質を選択するようにしてもよい。
【0103】
【発明の効果】本発明の管製造方法は、所望する管の中
心線を含む面をパーティングラインとして所望する管よ
りも一回り小さな内壁部材を得るための一対の管構成部
材を製作することで管構成部材を成形するための第一の
射出成形金型におけるコアと管構成部材との間のアンダ
ーカットをなくして管構成部材の内周壁を自由な形に仕
上げた後、この管構成部材を組み立てて内壁部材とし、
更に、この内壁部材をコアとして第二の射出成形金型で
コア抜きを必要としない射出成形作業を行うようにした
ので、屈曲管の内部のシャープコーナーの排除や屈曲管
各部の内径の統一が可能であり、更に、2ヶ所以上の屈
曲部や拡径部を含むような特異形状の管も容易に製造す
ることができる。
【0104】しかも、内壁部材の両端の開口を封止する
封止部材を第二の射出成形金型のパーティングライン上
に着脱自在に装着し、この封止部材を介して内壁部材の
両端をパーティングライン上に位置決めするようにして
いるので、第二の射出成形金型におけるキャビティの内
壁と内壁部材との相対的な位置関係が適正に保持され、
外壁部材の肉厚、更には、所望する管全体の肉厚を常に
適正な厚みにすることができる。
【0105】また、成形品に対する離型操作に合わせて
封止部材に対する離型操作を同時に行い、成形品と封止
部材との相対位置関係を保持したまま成形品としての管
および封止部材を金型から同時に離型させるようにした
ので、封止部材や管の何れか一方が金型に残留すること
によって発生する可能性のある管の損傷等も未然に防止
することができる。
【0106】更に、第二の射出成形金型の各キャビティ
の裏面側から付勢されて内壁部材の外周面に接する位置
まで突出する位置決めピンを各キャビティの中央部に設
け、この位置決めピンによって内壁部材を位置決めする
ようにしているので、キャビティに対する内壁部材の位
置決め精度、更には、外壁部材の肉厚および所望する管
全体の肉厚を常に適正な厚みに保持することができ、位
置決めピンの存在によって管の外形が損なわれるといっ
た弊害も発生しない。
【0107】この管製造方法において第二の射出成形金
型として使用される管製造用射出成形金型は、樹脂製の
内壁部材の両端の開口に突入してパーティングライン上
に内壁部材を位置決め保持する封止部材を型締め型開き
方向に着脱自在に設けているので、内壁部材の内側に対
する溶融樹脂の侵入を確実に防止することができ、同時
に、この封止部材によって射出成形金型のキャビティの
内壁と内壁部材との相対的な位置関係を適正に保持する
ことができる。しかも、内壁部材と係合する封止部材は
型締め型開き方向に着脱自在とされているので、成形品
としての管の離型操作も容易である。
【0108】また、封止部材を離型させるための封止部
材離型用エジェクタピンをエジェクタプレート上に配備
し、封止部材と共に成形品を離型させるようにしている
ので、成形品となる管の表面に傷を付けずに取り出し作
業を行うことが可能である。
【0109】更に、可動側金型に対する成形品の喰い付
きが激しいような場合には、封止部材離型用エジェクタ
ピンに加え、エジェクタプレート上に成形品エジェクタ
ピンを併設するようにしているので、成形品としての管
の形状が複雑な場合であっても、成形品の喰い付きによ
る離型不良や管の損傷を未然に防止することができる。
【0110】また、所望する管の外周面に合わせて端面
を加工された位置決めピンを各キャビティの中央部に摺
動自在かつ回転不能に取り付け、この位置決めピンを内
壁部材の装着位置に向けて付勢する付勢手段を配備する
と共に、この位置決めピンの後退限度をキャビティの内
周面と面一の位置に規制するようにしているので、内壁
部材の両端の開口に加えて内壁部材の中央部が位置決め
ピンによって位置決めされることになり、射出成形金型
のキャビティの内壁と内壁部材との相対的な位置関係を
更に厳密に保持することができる。しかも、位置決めピ
ンの端面の曲率半径は内壁部材の外周面の曲率半径に比
べて相対的に大きいので、キャビティ内に射出された溶
融樹脂の樹脂圧で自動的に位置決めピンを後退させて位
置決めピンの端面とキャビティの内周面とを面一の状態
とし、位置決めピンの端面をキャビティ内周面の一部と
して利用することができるので、位置決めピンの存在が
最終的な管の外形に影響を与えることはなく、所望する
形状の管を確実に得ることができる。
【0111】本発明によって得られる屈曲部を有する特
異形状管は、屈曲部の内周面を含めて管の内径が一定と
され、不用意なシャープコーナー部が内周面に形成され
ることもないので、これを流体移送管として使用する場
合のサージ圧の発生を極力抑制することが可能であり、
また、シャープコーナー部が残らないことから、流体中
の不純物が屈曲部に付着したり堆積したりする問題も解
消される。
【0112】また、本発明によって得られる2ヶ所以上
の屈曲部を有する特異形状管は、全体が一体に形成され
ているため、直管と屈曲管を複数組み合わせて1つの複
雑形状の特異形状管を作成する従来技術とは違って複雑
な接合部やフランジ部が必要なく、十分な内径を保持し
た状態で従来よりも外径の小さな特異形状管を提供する
ことが可能であり、機械的強度においても優れる。
【0113】また、本発明によって得られる端部以外の
場所に1以上の拡径部を有する特異形状管は、従来、ブ
ロー成形のみで可能であった拡径部の形成が射出成形に
よって形成されたもので、ブロー成形では利用できない
材質の使用が可能となり、また、形状や寸法精度におい
ても優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した管製造方法の一実施形態で使
用される第二の射出成形金型の可動側金型の部分を示し
た平面図である。
【図2】図1の可動側金型を矢視A−Aの部分で割って
示した断面図である。
【図3】図1の可動側金型を矢視B−Bの部分で割って
示した断面図である。
【図4】同実施形態で使用される第二の射出成形金型の
固定側金型の部分を示した平面図である。
【図5】図4の固定側金型を矢視C−Cの部分で割って
示した断面図である。
【図6】図4の固定側金型を矢視D−Dの部分で割って
示した断面図である。
【図7】図7(a)および図7(b)は所望する管の外
径よりも小さな外径を有する断面略円弧形状の一対の管
構成部材の形状と中心線の一例について示した斜視図、
また、図7(c)はこれらの管構成部材を組み立てて得
られた内壁部材について示した斜視図、図7(d)は第
一の射出成形金型におけるパーティングラインの他の設
計例である。
【図8】図8(a)は管構成部材の接合面に突条と溝を
形成して内壁部材の組み立てを容易化した例について示
した概念図、図8(b)は管構成部材の接合面を接着し
て内壁部材を組み立てる例について示した概念図であ
る。
【図9】完成した特異形状管の一例を示した斜視図であ
る。
【図10】完成した特異形状管の他の一例を示した斜視
図である。
【符号の説明】
1 内壁部材 1a,1b 管構成部材 2 第二の射出成形金型 3 可動側金型 4 固定側金型 5 可動側キャビティプレート(可動側のプレート) 6 可動側バックプレート 7 スペーサブロック 8 可動側取付板 9 エジェクタプレート 9a 第一プレート 9b 第二プレート 10 ボルト 11 貫通孔 12 貫通孔 13 リターンピン 14 貫通孔 15 貫通孔 16 リターンスプリング 17 ボルト 18 ストッパ 19 ガイドポスト 20 可動側キャビティ(対称形状のキャビティ) 21 ポケット 22 彫込(キャビティ内周面) 23 位置決めピン 23a 鍔 24 孔 25 矩形状の盲穴 26 盲穴 27 スプリング(付勢手段) 28 ボルト 29 ポケット 30 封止部材保持ブロック 30a 肉厚の薄い部分 30b 肉厚の厚い部分 31 ボルト 32 封止部材 32a 突起 33 溝 34 孔 35 鋼球 36 スプリング 37 セットスクリュー 38 ピン通し穴 39 封止部材離型用エジェクタピン 40 ピン通し穴 41 成形品エジェクタピン 42 ランナー溝 43 ランド 44 サイドゲート 45 水穴 46 水穴 47 固定側キャビティプレート(固定側のプレート) 48 固定側取付板 49 ボルト 50 ノックピン 51 ロケートリング 52 ボルト 53 スプルー穴 54 座ぐり 55 ガイドブッシュ 56 ポケット 57 固定側キャビティ(対称形状のキャビティ) 58 彫込(キャビティ内周面) 59 ランナー溝 60 ランド 61 サイドゲート 62 位置決めピン 63 ボルト 64 封止部材保持ブロック 64a 肉厚の厚い部分 64b 肉厚の薄い部分 65 ポケット 66 ボルト 67 溝 68 水穴 69 水穴 70 外壁部材 71 所望する管 L1 所望する管の中心線 S1,S2 第一の射出成形金型のパーティングライン C1 第一の射出成形金型におけるコアの形状 C2 第一の射出成形金型におけるキャビティの形状 d1 管構成部材および内壁部材の外径 D1 所望する管の外径
フロントページの続き Fターム(参考) 4F202 AD05 AD12 AD23 AD27 AG03 AG08 AH11 AH81 CA11 CB01 CB12 CK25 CK54 CK81 CM02 CQ03 CQ05 CQ07 4F206 AD05 AD12 AD23 AD27 AG03 AG08 AH11 AH81 JA07 JB12 JN25 JN41 JQ81 JW50

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所望する管の中心線を含む面をパーティ
    ングラインとして製作された第一の射出成形金型によっ
    て前記管の外径よりも小さな外径を有する断面略円弧形
    状の一対の管構成部材を対称形状に成形し、この一対の
    管構成部材を組み立てて前記管と相似形状の内壁部材と
    した後、前記管の中心線を含む面をパーティングライン
    として前記管の外径に合わせて製作された一対の対称形
    状のキャビティを対向させて固定側のプレートと可動側
    のプレートに配備した第二の射出成形金型のパーティン
    グライン上に、両端の開口を封止部材によって封止され
    た前記内壁部材をコア状に装着して型を閉じ、前記一対
    のキャビティの内壁と前記内壁部材との間に形成された
    間隙に溶融樹脂を充填して前記内壁部材の外周部に実質
    的に一体の外壁部材を形成し、前記溶融樹脂の固化後、
    成形品から前記封止部材を取り外すことを特徴とした管
    製造方法。
  2. 【請求項2】 前記封止部材を第二の射出成形金型のパ
    ーティングライン上に着脱自在に装着し、この封止部材
    を介して前記内壁部材の両端を位置決めするようにした
    ことを特徴とした請求項1記載の管製造方法。
  3. 【請求項3】 成形品に対する離型操作に合わせて前記
    封止部材に対する離型操作を同時に行い、成形品と封止
    部材との相対位置関係を保持したまま成形品および封止
    部材を金型から離型させるようにしたことを特徴とした
    請求項2記載の管製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第二の射出成形金型の各キャビティ
    の裏面側から付勢されて前記内壁部材の外周面に接する
    位置まで突出する位置決めピンを各キャビティの中央部
    に設け、この位置決めピンによって溶融樹脂の充填開始
    時における前記内壁部材の中央部を位置決めすると共
    に、キャビティ内の樹脂圧の上昇によって前記位置決め
    ピンをキャビティの内周面と面一の状態にまで後退さ
    せ、位置決めピンの後退した空間に溶融樹脂を充填する
    ようにしたことを特徴とした請求項1,請求項2または
    請求項3記載の管製造方法。
  5. 【請求項5】 所望する管の中心線を含む面をパーティ
    ングラインとして前記管の外径に合わせて製作された一
    対の対称形状のキャビティを対向させて固定側のプレー
    トと可動側のプレートに備えると共に、前記可動側のプ
    レートには、前記管の外径よりも小さな外径を有して前
    記管と相似形状に形成された樹脂製の内壁部材の両端の
    開口に突入して該開口を封止すると共に前記内壁部材を
    コアとして前記パーティングライン上に位置決め保持す
    る封止部材を型締め型開き方向に着脱自在に備えたこと
    を特徴とした管製造用射出成形金型。
  6. 【請求項6】 ムービングプラテンのエジェクタバーに
    よって押圧されるエジェクタプレート上に、前記封止部
    材を離型させるための封止部材離型用エジェクタピンを
    配備し、前記封止部材と共に成形品を離型させるように
    したことを特徴とした請求項5記載の管製造用射出成形
    金型。
  7. 【請求項7】 ムービングプラテンのエジェクタバーに
    よって押圧されるエジェクタプレート上に、成形品を離
    型させるための成形品エジェクタピンに加えて前記封止
    部材を離型させるための封止部材離型用エジェクタピン
    が配備されていることを特徴とした請求項5記載の管製
    造用射出成形金型。
  8. 【請求項8】 前記管の外周面に合わせて端面を加工さ
    れ、前記内壁部材の外周面に接する位置まで突出する位
    置決めピンを前記各キャビティの中央部に摺動自在かつ
    回転不能に取り付け、この位置決めピンを前記内壁部材
    の装着位置に向けて付勢する付勢手段を配備すると共
    に、この位置決めピンの後退限度がキャビティの内周面
    と面一の位置に規制されていることを特徴とした請求項
    5,請求項6または請求項7記載の管製造用射出成形金
    型。
  9. 【請求項9】 所望する管の中心線を含む面をパーティ
    ングラインとして製作された断面略円弧形状の一対の樹
    脂製の管構成部材を組み立てて形成された内壁部材の外
    周に樹脂製の外壁部材を射出成形により一体的に形成し
    てなる内径が一定の屈曲部を有する特異形状管。
  10. 【請求項10】 所望する管の中心線を含む面をパーテ
    ィングラインとして製作された断面略円弧形状の一対の
    樹脂製の管構成部材を組み立てて形成された内壁部材の
    外周に樹脂製の外壁部材を射出成形により一体的に形成
    してなる2ヶ所以上の屈曲部を有する特異形状管。
  11. 【請求項11】 所望する管の中心線を含む面をパーテ
    ィングラインとして製作された断面略円弧形状の一対の
    樹脂製の管構成部材を組み立てて形成された内壁部材の
    外周に樹脂製の外壁部材を射出成形により一体的に形成
    してなる端部以外の場所に1以上の拡径部を有する特異
    形状管。
JP2002035506A 2002-02-13 2002-02-13 管製造方法および管製造用射出成形金型と特異形状管 Pending JP2003236875A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002035506A JP2003236875A (ja) 2002-02-13 2002-02-13 管製造方法および管製造用射出成形金型と特異形状管

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002035506A JP2003236875A (ja) 2002-02-13 2002-02-13 管製造方法および管製造用射出成形金型と特異形状管

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003236875A true JP2003236875A (ja) 2003-08-26

Family

ID=27777679

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002035506A Pending JP2003236875A (ja) 2002-02-13 2002-02-13 管製造方法および管製造用射出成形金型と特異形状管

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003236875A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007050532A (ja) * 2005-08-15 2007-03-01 Toyo Mach & Metal Co Ltd 射出成形機
JP2013111969A (ja) * 2011-12-01 2013-06-10 Nippo Seisakusho:Kk 合成樹脂製中空曲管の製造方法
JP5543012B1 (ja) * 2013-12-27 2014-07-09 ユニチカ株式会社 パイプ状成形体、およびその製造方法
CN109262988A (zh) * 2018-09-06 2019-01-25 浙江伟星新型建材股份有限公司 一种用于弯头管件的自动脱模模具
CN109702969A (zh) * 2019-02-21 2019-05-03 台州市黄岩炜大塑料机械有限公司 大过桥弯管件模具斜拉直抽式脱模结构
WO2019141560A1 (en) * 2018-01-19 2019-07-25 Basf Se Process for producing a composite component
CN110394937A (zh) * 2019-08-23 2019-11-01 河南三杰热电科技股份有限公司 一种异型预制保温管件的生产模具及生产工艺
CN111873306A (zh) * 2020-07-27 2020-11-03 广东朝阳电子科技股份有限公司 制作耳挂式耳机线材的方法
CN114905714A (zh) * 2021-02-09 2022-08-16 现代摩比斯株式会社 制造用于前围横杆的管件的设备和方法
CN115556310A (zh) * 2022-09-30 2023-01-03 临海伟星新型建材有限公司 一种无顶杆多腔弯头成型模具及其操作方法

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007050532A (ja) * 2005-08-15 2007-03-01 Toyo Mach & Metal Co Ltd 射出成形機
JP2013111969A (ja) * 2011-12-01 2013-06-10 Nippo Seisakusho:Kk 合成樹脂製中空曲管の製造方法
JP5543012B1 (ja) * 2013-12-27 2014-07-09 ユニチカ株式会社 パイプ状成形体、およびその製造方法
WO2019141560A1 (en) * 2018-01-19 2019-07-25 Basf Se Process for producing a composite component
KR102632797B1 (ko) 2018-01-19 2024-02-01 바스프 에스이 복합 부품의 제조 방법
KR20200108469A (ko) * 2018-01-19 2020-09-18 바스프 에스이 복합 부품의 제조 방법
CN109262988B (zh) * 2018-09-06 2023-09-01 临海伟星新型建材有限公司 一种用于弯头管件的自动脱模模具
CN109262988A (zh) * 2018-09-06 2019-01-25 浙江伟星新型建材股份有限公司 一种用于弯头管件的自动脱模模具
CN109702969A (zh) * 2019-02-21 2019-05-03 台州市黄岩炜大塑料机械有限公司 大过桥弯管件模具斜拉直抽式脱模结构
CN109702969B (zh) * 2019-02-21 2023-12-29 台州市黄岩炜大塑料机械有限公司 大过桥弯管件模具斜拉直抽式脱模结构
CN110394937A (zh) * 2019-08-23 2019-11-01 河南三杰热电科技股份有限公司 一种异型预制保温管件的生产模具及生产工艺
CN111873306B (zh) * 2020-07-27 2022-07-01 广东朝阳电子科技股份有限公司 制作耳挂式耳机线材的方法
CN111873306A (zh) * 2020-07-27 2020-11-03 广东朝阳电子科技股份有限公司 制作耳挂式耳机线材的方法
CN114905714A (zh) * 2021-02-09 2022-08-16 现代摩比斯株式会社 制造用于前围横杆的管件的设备和方法
CN115556310A (zh) * 2022-09-30 2023-01-03 临海伟星新型建材有限公司 一种无顶杆多腔弯头成型模具及其操作方法
WO2024066534A1 (zh) * 2022-09-30 2024-04-04 临海伟星新型建材有限公司 一种无顶杆多腔弯头成型模具及其操作方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20060073235A1 (en) Convertible injection molding system, apparatus, and method
JP2003236875A (ja) 管製造方法および管製造用射出成形金型と特異形状管
US20070031533A1 (en) Injection molding method and injection mold
KR100517914B1 (ko) 사출압축 성형장치 및 사출압축 성형방법
JPS5944979B2 (ja) 射出成形用金型
JP3366714B2 (ja) 射出成形装置及びその装置による射出成形方法
JP4140973B2 (ja) 内部に液体流路を有する成形品の製造方法および成形品
CN113561421B (zh) 一种活动行位注射成型模具
JPH1058490A (ja) 射出成形用金型
JP2003053784A (ja) 射出成形方法および射出成形用金型装置
JPH069826Y2 (ja) 射出圧縮成形用金型の逆流防止装置
JP4302127B2 (ja) 中空成形品
JPH0910361A (ja) ゴルフボール射出成形方法及びゴルフボール射出成形用金型
JP3326752B2 (ja) 接合部を有する成形品の成形方法および成形用金型
JP3312209B2 (ja) インサート成形用金型装置
JPH0523306Y2 (ja)
JPH0533309Y2 (ja)
JP2006116721A (ja) 成形装置および成形方法
JPS60166416A (ja) 鋳抜穴を有する成形品の成形方法および装置
JP2005040985A (ja) 成形用金型及び成形方法
JP2005131834A (ja) 射出成形用金型装置と射出成形方法
JP3000537B2 (ja) 合成樹脂成形品の成形方法
JP2006281463A (ja) 射出成形用金型装置及びそれを用いた射出成形方法
JP2003039500A (ja) 成形用金型
JPH0539819Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040426

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040506

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040914