WO2009081900A1

WO2009081900A1 - 車両シートのプリテンショナーおよびプリテンショナーの組立方法

Info

Publication number: WO2009081900A1
Application number: PCT/JP2008/073309
Authority: WO
Inventors: Eiji Masutani
Original assignee: Ts Tech Co., Ltd.
Priority date: 2007-12-21
Filing date: 2008-12-22
Publication date: 2009-07-02
Also published as: JP2009149268A; JP5311814B2

Abstract

　本プリテンショナー１０は、シリンダ１１と、前記シリンダ１１内を移動するピストン１２とを有する。前記ピストンは第１方向に至るに従い大径となる傾斜ストッパ面３７を有する。ストッパ面３７と前記シリンダ１１の内周面との間の空間Ｈには、前記ストッパ面３７および前記シリンダ１１の内周面に当接して前記ピストン１２の第２方向への移動を抑制する鋼球３５を装着する。鋼球３５はリテーナ１８の嵌合溝２１に嵌合させ、該リテーナ１８は前記ピストン１２に取り付ける。

Description

車両シートのプリテンショナーおよびプリテンショナーの組立方法

　本発明は、車両シートに関するものであり、特に、車両衝突等により大きな外力が車体に作用したときに、シートボトムやシートベルト等の可動部材を移動させて着座者を保護するプリテンショナーに関するものである。

　従来、車両衝突等により大きな外力が車体に作用したときに、シートベルトを緊張させて、着座者の好ましくない前方移動を抑制するプリテンショナーは公知である（特許文献１参照）。また、車両衝突時に、車両シートを移動させるプリテンショナーも提案されている。従来のプリテンショナーは、シリンダと、前記シリンダ内を移動するピストンと、前記シリンダ内の膨張チャンバーにガスを供給して前記ピストンを移動させるガスジェネレータと、ピストンの戻り止め手段とを有している。

　戻り止め手段は、ガスの圧力により第１方向に移動したピストンが、シートベルトに加わる外力により第２方向に戻ることを抑制し、シートベルトによる着座者の保護性能が低下するのを防止する。
特開２００３－１４６１８４号公報

　従来の戻り止め手段は、特許文献１に記載されているように、ピストンとシリンダとの間に設けられた複数の鋼球を有している。しかし、複数の鋼球をピストンとシリンダとの間に設ける作業は、面倒である。また、鋼球によるブレーキ効果にバラツキが生じやすい。

　本発明の目的は、上記課題を克服したプリテンショナーを提供することにある。この目的のために、鋼球が装着されるリテーナをピストンに取付けている。

シートベルトを備えた車両シートの斜視図。１本のワイヤーケーブルに接続されるプリテンショナーの断面図。２本のワイヤーケーブルに接続されるプリテンショナーの断面図。プリテンショナーのシリンダとピストンの移動状態を示す概略図。１本のワイヤーケーブルに接続されるプリテンショナーで、ガスジェネレータを内部に配置したピストンの詳細を示す断面図。２本のワイヤーケーブルに接続されるプリテンショナーで、ガスジェネレータを内部に配置したピストンの詳細を示す断面図。ガスジェネレータを内部に配置したピストンの分解斜視図。プリテンショナーのシリンダとピストンの移動状態を示す概略図。リテーナをピストンに取付けた状態の斜視図。リテーナに鋼球を取付けた状態を示す斜視図。リテーナをピストンに取付けた状態を示す断面図。リテーナおよびピストンをシリンダに取り付ける状態を示す斜視図。鋼球によるロック状態（ブレーキ状態）を示す断面図。リテーナの他の実施例を示す斜視図。シートボトムフレームと固定フレームの斜視図。シートボトムとシート用プリテンショナーの斜視図。図１６とは別角度の斜視図。プリテンショナーが作動前の前記シートボトムの側面図。プリテンショナーが作動後の前記シートボトムの側面図。シートベルト用プリテンショナーを備えた車両シートを示す斜視図。ベルト用プリテンショナーのケーブルガイド付近の斜視図。

　本発明の実施例を図面により説明すると、１は車両シート、２は車両シート１のシートバック、３はシートボトム、４はシートバック２の上部に設けたヘッドレスト、５は車両シート１を車体６側に対して移動させるスライドレールである。

　車両シート１には、ガス発生剤により大量のガスを発生させて車両シートの可動部材Ｋを任意に作動させるプリテンショナー１０を設ける。プリテンショナー１０は、シリンダ１１内にピストン１２を設け、ピストン１２にワイヤケーブル１３の一端を接続し、ワイヤケーブル１３の他端はシリンダ１１のガイド部１４の挿通孔１５からシリンダ１１の外部に引き出して任意の係止部Ｔに接続する（図３）。ワイヤケーブル１３の代わりにロッドを使用することもできる。

　また、図３、図６のワイヤケーブル１３は一対の第１ケーブル１３Ａと第２ケーブル１３Ｂとにより構成し、第１ケーブル１３Ａと第２ケーブル１３Ｂの何れか一方の先端はプリテンショナー１０の一つのシリンダ１１内に設けたピストン１２側に接続し、前記第１ケーブル１３Ａと第２ケーブル１３Ｂの何れか他方の先端は前記ガイド部１４の反対側となるシリンダ１１のシリンダ側ワイヤ係止部１７に接続し、該シリンダ１１は所定の固定部に対して移動自在に取付け、もって、シリンダ１１とピストン１２とが互いに反力により夫々反対に移動するように構成する。

　前記シリンダ１１にはピストン１２を移動させる多量のガスを供給するガスジェネレータ１６を設ける。ガスジェネレータ１６は、内部に備えたガス発生剤により高圧ガスを発生させ、このガス圧によって瞬時にピストン１２を移動させる。

　図２では、ガスジェネレータ１６はシリンダ１１の外側に設けているが、図５～図８のように、ピストン１２に、直接、ガスジェネレータ１６を取り付けることもできる。ピストン１２は、シリンダ１１の内周に摺接する大径部２６を有して構成する。大径部２６の一方側にはワイヤケーブル１３を係止するケーブル固定部２７を形成する。ケーブル固定部２７の反対側の大径部２６の一部は筒状に形成し、大径部２６の他方側からマイクロガスジェネレータ（ＭＧＧ）２８を大径部２６内に密に挿入する（図５，６において、理解を容易にするためにマイクロガスジェネレータ２８に細点を付して表示しているが、これにより構成は限定されない）。マイクロガスジェネレータ２８の一部は柱状に形成し、マイクロガスジェネレータ２８の柱状部分の外径と大径部２６の内径を互いに挿入可能であって互いに密着するように設定する。

　前記ピストン１２は、大径部２６の一方側にはガス噴出口２９を形成し、前記大径部２６の他方側は前記マイクロガスジェネレータ２８の柱状部分により閉塞状態とする。大径部２６の他方側にはマイクロガスジェネレータ（ＭＧＧ）２８の抜け止め用のキャップ３０を取付ける。実施例のキャップ３０は大径部２６に螺合させている。キャップ３０には透孔３１を形成し、透孔３１の部分からマイクロガスジェネレータ２８にカプラ３２を接続する。カプラ３２に接続したハーネス３３は、車体所望位置に設けた衝撃検出装置３４に接続する。衝撃検出装置３４は衝撃を検知すると、マイクロガスジェネレータ２８を作動させて多量のガスを発生させ、この多量のガスをガス噴出口２９からシリンダ１１内に充満させ、このときのガス圧により瞬時にピストン１２を移動させてワイヤケーブル１３を牽引してプリテンショナー１０を作動させる。

　ピストン１２の大径部２６にはオーリング３５を設ける。ピストン１２の大径部２６に螺合させるキャップ３０の外周には大径部２６より小径でピストン１２の移動方向Ｘに至るに従い大径となるように傾斜する傾斜ストッパ面３７を形成し、ストッパ面３７とシリンダ１１の内周面との間の空間Ｈにピストン１２の戻り移動を停止させるストッパ用の鋼球３６を内蔵させる。この鋼球３６は、円形状のリテーナ１８に取付け、リテーナ１８ごとピストン１２に取付ける。

　リテーナ１８は合成樹脂あるいは金属部材により円形のリング部１９を形成し、リング部１９にはリング部１９の軸心方向に突出する複数のアーム突起２０を形成し、各アーム突起２０間に鋼球３６を嵌合させる嵌合溝２１を形成する。鋼球３６は空間Ｈの間隔より小径に形成し、シリンダ１１に装着するときはシリンダ１１の内面に接触しないように所定間隔Ｓを有し（図１１）、ピストン１２がワイヤケーブル１３による戻り荷重が掛かると、ストッパ面３７とシリンダ１１の内面に接触してピストン１２の移動を瞬時に停止するように構成する。リテーナ１８のアーム突起２０と鋼球３６とは、互いに遊びを有して装着されるが、鋼球３６はアーム突起２０から外れないように構成する。

　リテーナ１８は、そのリング部１９がストッパ面３７の最小直径部分の径より大であって、シリンダ１１の内径より小径となるように形成する。同様に、リテーナ１８のアーム突起２０は、ストッパ面３７の最小直径部分の外面より放射方向の外側であって、シリンダ１１の内周面より内側に位置するように形成する。前記リテーナ１８のアーム突起２０の先端は側面視円弧形状に屈曲形成し、鋼球３６の側面に円形を描いて重なって見えるように構成する。そのため、アーム突起２０と鋼球３６とが、互いに遊びを有し、かつ、鋼球３６がアーム突起２０から外れないように支持する。

　また、図１１においてアーム突起２０の基部と先端との上下間隔は鋼球３６の直径より小に形成する。鋼球３６はアーム突起２０の何れかの部分が当接して支持され、鋼球３６の外周面との間に所定の遊びを有し、かつ、外れないように構成する。アーム突起２０は可撓性を有して構成すると、一層、鋼球３６の装着を容易にできて好適である。鋼球３６は、リテーナ１８の各嵌合溝２１に嵌合させる。この鋼球３６を装着したリテーナ１８をキャップ３０のストッパ面３７に嵌める。

　次に、キャップ３０を大径部２６に螺合させて、ピストン１２の組立が完了する。このとき、ピストン１２の一方側にはワイヤケーブル１３の端部を係止し、このワイヤケーブル１３にはガイド部１４の挿通孔１５を挿通しておき、ガイド部１４を取付ける側のシリンダ１１の開口部に、キャップ３０側からピストン１２を挿入すると、キャップ３０を奥側（シリンダ側ワイヤ係止部１７側）に移動させる方向にはピストン１２が移動可能（ワンウエイ）であるから、ピストン１２はシリンダ１１内を所定位置まで挿入し、この状態でガイド部１４をシリンダ１１の開口部に嵌合させてからシリンダ１１の端部をカシメ固定すると、ピストン１２の装着が完了する。

　図２の、シリンダ１１の外側にガスジェネレータ１６を設けた実施例のように、分解できない一体ものに形成したピストン１２の外周の一部にストッパ面３７を形成した場合では、前記リング部１９は可撓性部材により形成し、前記リング部１９の一部を切り離して接離自在の接合部２２に形成し（図１４）、接合部２２を切り離した状態でピストン１２のストッパ面３７に取付け、次に、リング部１９の接合部２２を接合する。

　図１５～図１９は、前記機器Ｋをシートボトム３の移動装置とし、前記係止部Ｔを後述する固定フレーム４６とし、前記プリテンショナー１０を車両シート１のシート用プリテンショナー１０Ａに使用した実施例を示したものである。

　シート用プリテンショナー１０Ａは、車体所望位置に設けた衝撃検出装置３４により衝撃を検知すると、ガスジェネレータ１６のガス発生剤により多量のガスを発生させ、この多量のガスのガス圧により瞬時にワイヤーケーブル１３を牽引して、シートバック２はそのままにして、シートベルト４０とは独立させてシートボトム３だけをシートバック２に対して衝突時に後方移動させて、着座者の拘束性を向上させるものである。

　シート用プリテンショナー１０Ａの具体的構成は任意であるが、一例を示すと、シートベルト４０の左右のアンカープレート４１およびインナーラップアンカー４２の基部を、スライドレール５の左右のアッパーレール３５に設けた左右一対の固定フレーム４６に取付け、左右の固定フレーム４６には前記シートボトム３のシートボトムフレーム５１を所定範囲で後方移動可能に取付ける。４７はベルトリトラクターである。

　固定フレーム４６を係止部Ｔとし、前記固定フレーム４６には夫々左右一対のワイヤーケーブル１３の第１ケーブル１３Ａと第２ケーブル１３Ｂの夫々の基部を係止し、前記ワイヤーケーブル１３の第１ケーブル１３Ａと第２ケーブル１３Ｂの先端のうちの何れか一方は、シート用プリテンショナー１０Ａのシリンダ１１内に設けたピストン１２に接続し、第１ケーブル１３Ａと第２ケーブル１３Ｂのうちの何れか他方はシリンダ１１の端部に接続する。

　この場合、シート用プリテンショナー１０Ａの一つのシリンダ１１によりワイヤーケーブル１３の第１ケーブル１３Ａと第２ケーブル１３Ｂの夫々を牽引して、略同時にシートボトムフレーム５１を牽引し、シートボトム３を後方移動させる。

　また、前記シート用プリテンショナー１０Ａのシリンダ１１は、シートボトムフレーム５１の下面にワイヤーケーブル１３の牽引方向とシリンダ１１の軸芯とが略並行となるように位置させ、かつ、シリンダ１１の軸芯方向にシリンダ１１が移動自在に設置するように構成すると、一つのシリンダ１１によっても、ピストン１２に接続した第１ケーブル１３Ａと、シリンダ１１に接続した第２ケーブル１３Ｂとを、略同時に同量牽引して、ワイヤーケーブル１３はシートボトム３を後方移動させることができ、好適である。即ち、ガスジェネレータ１６の多量のガスにより瞬時に移動するピストン１２の反力がシリンダ１１に作用して、ピストン１２とシリンダ１１とは互いに反対方向に移動する。

　それゆえ、シート用プリテンショナー１０Ａの一つのシリンダ１１によっても、ピストン１２に接続した第１ケーブル１３Ａと、シリンダ１１に接続した第２ケーブル１３Ｂとは、略同時に同量牽引されて、ワイヤーケーブル１３はシートボトム３を後方移動させる。

　シート用プリテンショナー１０Ａのシリンダ１１およびピストン１２に夫々係止したワイヤーケーブル１３の第１ケーブル１３Ａと第２ケーブル１３Ｂと左右の固定フレーム５１（係止部Ｔ）との中間位置には、ピストン１２とシリンダ１１とが左右方向に牽引した第１ケーブル１３Ａと第２ケーブル１３Ｂの移動方向を、シートボトム３が後方移動するように、前後方向に変換する前記ケーブルガイド６１を設ける（図１６，図１７）。この前記シートボトム３の具体的移動構成は任意であるが、一例を示すと、シートボトムフレーム５１の左右一対の側部部材５５の前後両側部部分に棒状形状の取付部材５７を形成し、取付部材５７は固定フレーム４６に設けた取付孔５６に夫々係合させて、固定フレーム４６に対してシートボトムフレーム５１を所定範囲で後方移動させる（図１５）。

　また、図１６の実施例では、シートボトムフレーム５１の左右一対の側部部材５５の後両側部部分に取付孔５６を形成し、取付孔５６に固定フレーム４６に設けた棒状形状の取付部材５７を夫々係合させ、シートボトムフレーム５１の前側部分は、図１６～図１９のように、取付孔５６と取付部材５７によらずに、アーム５８の上部を軸５９により回動自在に取付け、アーム５８の下部は軸６０により固定フレーム４６に回動自在に取付けている。

　このため、衝突時のシートボトム３の後退をさせるとき、シートボトム３の前端が上昇しながら後退するようにでき、シートベルト４０による着座者の拘束効果のさらなる向上を図ることができ、好適である。６２はシートボトム３のクッション材、６３は表皮部材である。

　前記機器Ｋをシートベルト４０の全体の張力を緊張させるシートベルト緊張装置とし、シートベルト４０を緊張させるベルト用プリテンショナー１０Ｂを、前記プリテンショナー１０により構成し、一層、着座者の車両シート１への拘束効果を向上させている（図２０）。具体的には、左右のアンカープレート４１およびインナーラップアンカー４２の基部を係止部Ｔとし、アンカープレート４１およびインナーラップアンカー４２の夫々に左右一対のワイヤーケーブル１３の第１ケーブル１３Ａと第２ケーブル１３Ｂの夫々の一端部を係止し、ワイヤーケーブル４６の第１ケーブル１３Ａと第２ケーブル１３Ｂの他端はベルト用プリテンショナー１０Ｂのシリンダ１１とピストン１２の夫々に取付ける。

　ベルト用プリテンショナー１０Ｂは、車体所望位置に設けた衝撃検出装置３４により衝撃を検知すると、ガス発生剤により発生する高圧ガスのガス圧で瞬時にワイヤーケーブル１３を牽引して、シートベルト４０を緊張させ、乗員を車両シート１に拘束するように構成する。

　シート用プリテンショナー１０Ａと同様に、ベルト用プリテンショナー１０Ｂは、一つのシリンダ１１によりワイヤーケーブル１３の第１ケーブル１３Ａと第２ケーブル１３Ｂの夫々を牽引して、略同時に左右のアンカープレート４１およびインナーラップアンカー４２を牽引し、乗員を車両シート１に拘束する。

　シート用プリテンショナー１０Ａと同様に、前記ベルト用プリテンショナー１０Ｂは、車両シート１または車体に対してワイヤーケーブル１３の牽引方向とシリンダ１１の軸芯が並行となるように位置させ、かつ、シリンダ１１の軸芯方向にのみ移動自在にシリンダ１１を設置する。即ち、ガスジェネレータ１６の多量のガスにより瞬時に移動するピストン１２の反力をシリンダ１１に作用させて、ピストン１２とシリンダ１１とを互いに反対方向に移動するように構成する（図３、図８）。

　それゆえ、ベルト用プリテンショナー１０Ｂは一つのシリンダ１１によっても、ピストン１２に接続した第１ケーブル１３Ａと、シリンダ１１に接続した第２ケーブル１３Ｂとを、略同時に同量牽引して、ワイヤーケーブル１３は乗員を車両シート１に拘束する。

　しかして、ベルト用プリテンショナー１０Ｂの前記シリンダ１１および前記ピストン１２と左右のアンカープレート４１およびインナーラップアンカー４２（係止部Ｔ）との間の前記ワイヤケーブル１３の一対の第１ケーブル１３Ａと第２ケーブル１３Ｂの夫々の中間部には夫々前記ベルト用ケーブルガイド６１を設ける。ベルト用ケーブルガイド６１は前記ケーブルガイド６１と同一形状に形成し、任意の固定部に固定する。

　シートベルト４０の左右のアンカープレート４１およびインナーラップアンカー４２は、スライドレール５の左右のアッパーレール３５に設けた左右一対の固定フレーム４６に取り付けているが、車両シート１に車両シート１の高さを調節する高さ調節機構を設けた場合には、アッパーレール３５に対して前記固定フレーム４６を上下させることとなるので、アッパーレール３５に左右のアンカープレート４１およびインナーラップアンカー４２を取付け、ベルト用ケーブルガイド６１もアッパーレール３５側に取り付けることになる。そのため、左右のベルト用ケーブルガイド６１間に設ける補強フレーム９０も、ベルト用ケーブルガイド６１を設けた任意の固定部に設けると良い。

　前記シリンダ１１は前記シートボトム３の左右幅より短い長さに形成し、前記ケーブルガイド６１は前記シリンダ１１の左右両側のシートボトム３の下方に設ける。ベルト用プリテンショナー１０Ｂの前記シリンダ１１も、左右のベルト用ケーブルガイド６１の間に、前記ワイヤケーブル１３の一対の第１ケーブル１３Ａと第２ケーブル１３Ｂにより宙吊り状態に設け、シリンダ１１をワイヤケーブル１３により支持するように構成している。６５はシートベルト４０の中間部に設けたタングプレート、６６はインナーバックルである。

　シートベルト４０は、タングプレート６５をインナーバックル６６に係合させたとき、ベルトリトラクター４７の一端側の着座者の肩付近からタングプレート６５までがショルダベルト６７となり、タングプレート６５からアンカープレート４１までがラップベルト６８となる。６９はスルーアンカー、７０はケーブルガイド、７１はケーブルガイド７０内に設けたローラである。

　前記ベルトリトラクター４７は、公知の構成であり、通常シートベルト４０の引き出しを許容するが、衝撃が掛かると、シートベルト４０の引き出しをロックさせる機構を内蔵していればよい。タングプレート６５も公知の構成であり、シートベルト４０に対して移動自在であるが、通常のシートベルト４０の引き出すとき等の場合にはシートベルト４０に対して移動しないように構成している。

（実施例の作用）
　（作動装置の作用）
　しかして、例えば、シート用プリテンショナー１０Ａおよびベルト用プリテンショナー１０Ｂとなるプリテンショナー１０は、衝撃検出装置３４が衝撃を検知すると、マイクロガスジェネレータ２８のガス発生剤により多量のガスを発生させ、ピストン１２の一方側のシリンダ１１内に充満させ、ガス圧により瞬時にピストン１２を移動させ、ピストン１２の移動の反力がシリンダ１１に作用して、ピストン１２とシリンダ１１とは互いに反対方向に移動する。

　ピストン１２とシリンダ１１とが互いに反対方向に移動することにより、プリテンショナー１０はシリンダ１１およびピストン１２に夫々係止したワイヤーケーブル１３の第１ケーブル１３Ａと第２ケーブル１３Ｂが牽引され、第１ケーブル１３Ａと第２ケーブル１３Ｂが接続された着座者を拘束する可動部材Ｋを作動させて、着座者を拘束する。

　プリテンショナー１０の作動後に、ワイヤケーブル１３を引き戻す反対荷重がピストン１２に作用すると、ピストン１２のストッパ面３７がストッパ用の鋼球３６を外側に移動させて、鋼球３６はシリンダ１１の内面とストッパ面３７の外面との両者間に嵌合し、ピストン１２の戻りを阻止する。鋼球３６は、円形状のリテーナ１８に取付け、リテーナ１８ごとピストン１２に取付けているから、鋼球３６の装着を頗るように行える。

　従来の鋼球３６は多数の鋼球３６を一個ずつ、シリンダ１１の内面とピストン１２のストッパ面３７の外面との間に組み入れるので、非常に面倒であったが、本願では、多数の鋼球３６はリテーナ１８に装着されているので、リテーナ１８をピストン１２に組み付けるだけで一度で行え、このピストン１２をシリンダ１１に組み付ければよく、鋼球３６の組み付け作業を容易にする。

　リテーナ１８は樹脂あるいは金属部材により円形のリング部１９を形成し、リング部１９にはリング部１９の軸心方向に突出する複数のアーム突起２０を形成し、各アーム突起２０間に鋼球３６を嵌合させる嵌合溝２１を形成しているから、各アーム突起２０間に鋼球３６を嵌合させると、リテーナ１８への鋼球３６の組み付けは完了する。

　次に、鋼球３６を装着したリテーナ１８をピストン１２のキャップ３０のストッパ面３７に嵌め、次に、キャップ３０を大径部２６に螺合させると、ピストン１２の組立が完了する。

　次に、リテーナ１８を取り付けたピストン１２は、ガイド部１４を取付ける側のシリンダ１１の開口部から挿入すると、キャップ３０を奥側（シリンダ側ワイヤ係止部１７側）に移動させる方向（ワンウエイ）にはピストン１２が移動可能であるから、ピストン１２はシリンダ１１内を所定位置まで挿入させることができる。

　この状態でガイド部１４をシリンダ１１の開口部に嵌合させてからシリンダ１１の端部をカシメ固定すると、ピストン１２の装着が完了する。したがって、鋼球３６を装着した一方向にのみ移動するピストン１２のシリンダ１１への装着は頗る容易に行える。この場合、鋼球３６は空間Ｈより小径に形成しているから、ピストン１２をシリンダ１１に挿入するとき、鋼球３６はピストン１２の大径部２６より内側に位置して、ピストン１２の挿入作業の障害とならない。

　リテーナ１８のアーム突起２０と鋼球３６とは、互いに遊びを有して装着されるが、鋼球３６はアーム突起２０から外れないように構成しているから、鋼球３６はシリンダ１１に装着するとき、ストッパ面３７とシリンダ１１の内面に接触しないので、容易にピストン１２をシリンダ１１に挿入できる。また、各鋼球３６はリテーナ１８に遊びを有して装着されているから、ピストン１２をシリンダ１１に挿入するとき、挿入作業を容易にする。

　リテーナ１８は、そのリング部１９がストッパ面３７の最小直径部分の径より大であって、シリンダ１１の内径より小径となるように形成しているから、この点でも、ピストン１２を挿入するときの各鋼球３６の外径面はシリンダ１１の内周より内側に位置して、ピストン１２の挿入を容易にする。

　同様に、リテーナ１８のアーム突起２０は、ストッパ面３７の最小直径部分の外面より放射方向の外側であって、シリンダ１１の内周面より内側に位置しているから、リテーナ１８およびアーム突起２０はシリンダ１１およびストッパ面３７に接触することはなく、鋼球３６の作動に悪影響を与えない。

　ピストン１２にワイヤケーブル１３による戻り荷重が掛かると、ストッパ面３７の作用により鋼球３６はシリンダ１１の内面に接触してピストン１２の移動を瞬時に停止する。このとき、アーム突起２０は円弧形状に屈曲形成し、図１１においてアーム突起２０の基部と先端との上下間隔は鋼球３６の直径より小に形成しているから、アーム突起２０は鋼球３６の側方に重なるので、鋼球３６がシリンダ１１およびストッパ面３７に接触してロックするとき、アーム突起２０がシリンダ１１およびストッパ面３７に接触することはなく、鋼球３６はピストン１２の戻り時に確実にロックする。

　同様に、リテーナ１８のリング部１９の上下幅も鋼球３６の直径より小に形成しているから、正面視リング部１９は鋼球３６と重なるので、鋼球３６がシリンダ１１およびストッパ面３７に接触してロックするとき、リテーナ１８はシリンダ１１およびストッパ面３７に接触することはなく、鋼球３６を確実にロックさせる。また、アーム突起２０はリテーナ１８のリング部１９に一定間隔で複数形成しているから、各鋼球３６を空間Ｈ内に均等に配置でき、鋼球３６の作動を確実にする。

　また、図２の、シリンダ１１の外側にガスジェネレータ１６を設けた実施例のように、ピストン１２を分解できない一体ものに形成して、ピストン１２の外周の一部にストッパ面３７を形成した場合では、前記リング部１９は可撓性部材により形成し、リング部１９の一部を切り離して接離自在の接合部２２に形成し、接合部２２を切り離した状態でピストン１２のストッパ面３７に取付け、次に、リング部１９の接合部２２を接合させて取付ける。

　　（シートボトムの移動）　
　車両シート１に着座した状態の走行中に前方から衝突されると、車体は衝突により前進が阻止されて直ちに減速し、慣性力が着座者を車両シート１に対して相対的に前方移動させるように作用するが、シートベルト４０があるため、着座者は車両シート１に拘束される。

　しかし、シートベルト４０が着座者を拘束するが、減速に伴う着座者の慣性力によってシートボトム３のクッション材（パッド）が撓むことや、シートベルト４０の弛みと伸び等の理由で、衝突時のシートベルト４０による拘束効果を向上させるには限界があり、そのため、近年、プリテンショナーにより衝突時にシートベルトを引いて拘束しようとしていたが、従来のシートベルトのみの拘束はシートベルトの左右の何れか一方の片側のみを牽引していることから、拘束力の立ち上がりをさらに早めて拘束効果を向上させるには限界があった。

　そこで、前記機器Ｋをシートボトム３の移動装置とし、前記係止部Ｔを固定フレーム４６とし、前記プリテンショナー１０を車両シート１のシート用プリテンショナー１０Ａに使用したものであり、シート用プリテンショナー１０Ａにより、車両シート１のシートバック２は、そのままで、シートベルト４０とは独立させてシートボトム３のみを固定フレーム４６（スライドレール５）に対して衝突を検知すると瞬時に後方移動させるから、着座者が沈み込んで車両シート１の着座状態から前方移動する前に、瞬時にクッション材６２の撓みを積極的に発生させてクッション材６２の反力を高めながらシートボトム３を後方移動させて、拘束力の立ち上がりを早め、着座者の移動量を減少させて、着座者の車両シート１への拘束効果を向上させる。即ち、後方移動するシートボトム３の座面が着座者を支持して、着座者の車両シート１への拘束効果を向上させる。

　この場合、車両シート１のうちシートボトム３のみが後退し、シートバック２は後方移動させないので、車両シート１の後方空間の占有する容積を最小限にでき、後席乗員に後方移動した車両シート１が衝突するという二次被害も防止できる。

　シートボトム３のシートボトムフレーム５１の左右一対の側部部材５５には棒状形状の取付部材５７（取付孔５６）を設け、取付部材５７は固定フレーム４６に設けた前後に長い取付孔５６（取付部材５７）に相対的に移動自在に挿通しているから、シートボトム３は、シートボトムフレーム５１が固定フレーム４６に対して後方移動する。

　したがって、シートボトム３の後方移動によりシートボトム３の座面が着座者をより確実に支持して、着座者の車両シート１への拘束効果を向上させる。シートボトムフレーム５１の前側部分は、アーム５８により上下自在に取付けているから、衝突時のシートボトム３が後退するとき、シートボトム３の前端を上昇させながら後退させるようにでき、着座者の臀部の下方のシートボトム３の座面が高くなって、一層、クッション材６２の反力を高め、シートベルト４０による着座者の拘束効果のさらなる向上を図ることができ、好適である。

　シートボトム３のシートボトムフレーム５１の側部部材５５の後部には、左右一対のワイヤケーブル１３の第１ケーブル１３Ａと第２ケーブル１３Ｂの夫々の基部の夫々を係止し、ワイヤーケーブル１３の第１ケーブル１３Ａと第２ケーブル１３Ｂの何れか一方の先端は、シート用プリテンショナー１０Ａのシリンダ１１内に設けたピストン１２側に接続し、第１ケーブル１３Ａと第２ケーブル１３Ｂの何れか他方の先端はシリンダ１１側に接続しているから、車体所望位置に設けた衝撃検出装置３４により衝撃を検知すると、シート用プリテンショナー１０Ａは、ガス発生剤により多量のガスを発生させ、この多量のガスにより瞬時に略同時に略同量左右の側部部材５５を牽引し、ワイヤケーブル１３を牽引して、シートボトムフレーム５１を牽引して、シートボトム３を後方移動させる。

　シートボトム３が後方移動してシーベルト４０が着座者を拘束すると、シートベルト４０にはシートベルト４０を引き出そうと反対荷重が掛かるが、シート用プリテンショナー１０Ａのピストン１２のストッパ面３７とシリンダ１１の内面との間の空間Ｈ内に鋼球３６を設けているので、鋼球３６がストッパ面３７とシリンダ１１の内面に当接してロックし、ピストン１２の戻りを阻止する。

　シート用プリテンショナー１０Ａは、車両シート１に対してワイヤーケーブル１３の牽引方向とシリンダ１１の軸芯が並行となるように位置させ、かつ、シート用プリテンショナー１０Ａの軸芯方向にのみ移動自在にシリンダ１１を設置しているから、ガスジェネレータ１６の多量のガスにより瞬時に移動するピストン１２の反力が移動自在のシリンダ１１に作用し、ピストン１２とシリンダ１１とが互いに反対に夫々移動する。

　したがって、ピストン１２に接続した第１ケーブル１３Ａと、シリンダ１１に接続した第２ケーブル１３Ｂとは、略同時に略同量牽引されて、シートボトムフレーム５１を後方移動させることができ、着座者拘束機構の構成部品点数を少なくして、安価に提供できる。

　シート用プリテンショナー１０Ａのシリンダ１１はシートボトムフレーム５１の前側下方に位置させ、シリンダ１１の左右両側にケーブルガイド６１を設け、各ケーブルガイド６１から第１ケーブル１３Ａと第２ケーブル１３Ｂの夫々を固定フレーム４６の側方に向けて方向変換させて位置させ、固定フレーム４６に係止しているから、第１ケーブル１３Ａと第２ケーブル１３Ｂの互いの相対的短縮方向への移動の際の車両シート１の他の構成品との接触を防止して、良好かつ確実にでき、シートボトム３の後方移動によってクッション材６２の反力を高め、着座者の車両シート１への拘束効果を向上させる。

　また、シート用プリテンショナー１０Ａは、シリンダ１１をシートボトム３のシートボトムフレーム５１の前側下面下方に配置し、シリンダ１１の軸芯方向が左右方向となるように一つ配置して構成しているから、この車両シート１の後方の車両シート１に着座した着座者の脚入れ性を犠牲にせず、着座者拘束機構を設置でき、他方では、シート用プリテンショナー１０Ａの作動を良好かつ確実にできる。

　（シートベルトの作動）
　前記機器Ｋを、シートベルト４０の全体の張力を緊張させるシートベルト緊張装置とし、シートベルト４０を緊張させるベルト用プリテンショナー１０Ｂを、前記プリテンショナー１０により構成し、一層、着座者の車両シート１への拘束効果を向上させたものであり、シートベルト４０は、ベルト用プリテンショナー１０Ｂにより左右のアンカープレート４１またはインナーラップアンカー４２の何れか一方または両方を牽引して、シートベルト４０の全体の張力を緊張させるように構成し、ベルト用プリテンショナー１０Ｂは、車体所望位置に設けた衝撃検出装置により衝撃を検知すると、ガス発生剤により発生する高圧ガスのガス圧で瞬時にワイヤーケーブル１３を牽引して、シートベルト４０を緊張させ、乗員を車両シート１に拘束する。

　シートベルト４０が緊張して着座者を拘束すると、シートベルト４０にはシートベルト４０を引き出そうと反対荷重が掛かるが、ベルト用プリテンショナー１０Ｂのピストン１２のストッパ面３７とシリンダ１１の内面との間のの空間Ｈ内に鋼球３６を設けているので、鋼球３６がストッパ面３７とシリンダ１１の内面に当接してロックし、ピストン１２の戻りを阻止する。

　ワイヤーケーブル１３の第１ケーブル１３Ａと第２ケーブル１３Ｂの何れか一方は、ベルト用プリテンショナー１０Ｂのシリンダ１１内に設けたピストン１２に接続し、第１ケーブル１３Ａと第２ケーブル１３Ｂの何れか他方はシリンダ１１の端部に接続しているから、一つのベルト用プリテンショナー１０Ｂにより、略同時に左右のアンカープレート４１およびインナーラップアンカー４２を牽引し、乗員を車両シート１に拘束する。

　即ち、ベルト用プリテンショナー１０Ｂのシリンダ１１は、車両シート１または車体に対してワイヤーケーブル１３の牽引方向とシリンダ１１の軸芯が並行となるように位置させ、かつ、シリンダ１１の軸芯方向にのみ移動自在にシリンダ１１を設置させているから、ガスジェネレータ１６の多量のガスにより瞬時に移動するピストン１２の反力がシリンダ１１に作用して、ピストン１２とシリンダ１１とは互いに反対方向に移動する。

　そのため、第１ケーブル１３Ａと第２ケーブル１３Ｂのそれぞれは、略同時に左右のアンカープレート４１およびインナーラップアンカー４２を牽引し、乗員を車両シート１に拘束する。この場合、ベルト用プリテンショナー１０Ｂは、シートボトムフレーム５１の前側下面に取付け、シリンダ１１の左右両側にケーブルガイド６１を設け、各ケーブルガイド６１から第１ケーブル１３Ａと第２ケーブル１３Ｂの夫々を固定フレーム４６の側方に向けて方向変換させて位置させ、夫々アンカープレート４１およびインナーラップアンカー４２に係止しているから、第１ケーブル１３Ａと第２ケーブル１３Ｂの互いの相対的短縮方向への移動の際の車両シート１の他の構成品との接触を防止して、良好かつ確実にでき、シートベルト４０の緊張を迅速にして、着座者の車両シート１への拘束効果を向上させる。

Claims

車両衝突時に車両シートの可動部材を移動させるプリテンショナーにおいて、前記プリテンショナーは、シリンダと、前記シリンダ内を移動するピストンと、前記シリンダ内の膨張チャンバーにガスを供給して前記ピストンを第１方向に移動させるガスジェネレータとを有し、前記ピストンには該ピストンの前記第１方向に至るに従い大径となる傾斜ストッパ面を形成し、該ストッパ面と前記シリンダの内周面との間の空間には、前記プリテンショナーの作動後に、前記ピストンが前記可動部材に加わる外力により前記第１方向とは反対の第２方向に移動すると、前記ストッパ面および前記シリンダの内周面に当接して前記ピストンの前記第２方向への移動を抑制する鋼球を装着し、該鋼球はリテーナの嵌合溝に嵌合させ、該リテーナを前記ピストンに取り付けた車両シートのプリテンショナー。
請求項１において、前記リテーナは、円形のリング部と、該リング部から軸心方向に突出する複数のアーム突起と、各アーム突起間に定義された嵌合溝とを有する車両シートのプリテンショナー。
請求項２において、前記鋼球とリテーナのアーム突起とは、互いに遊びを有し、かつ、アーム突起から鋼球が外れないように構成した車両シートのプリテンショナー。
請求項１～３のいずれか１項において、前記リテーナのリング部は、前記ピストンのストッパ面の最小直径部分の径より大であって、かつ、前記シリンダの内径より小径となるように形成して構成した車両シートのプリテンショナー。
請求項１～３のいずれか１項において、前記リテーナのアーム突起は、前記ピストンのストッパ面の最小直径部分の外面より放射方向の外側であって、かつ、シリンダの内周面より内側に位置するように構成した車両シートのプリテンショナー。
請求項１～３のいずれか１項において、前記リテーナのアーム突起の先端は側面視円弧形状に屈曲形成し、アーム突起の基部と先端との間隔は鋼球の直径より小に形成して構成した車両シートのプリテンショナー。
請求項１～３のいずれか１項において、前記リテーナのリング部の放射方向の幅は鋼球の直径より小に形成して構成した車両シートのプリテンショナー。
請求項１～３のいずれか１項において、前記リテーナは、前記アーム突起をリング部に略一定間隔で複数形成して構成した車両シートのプリテンショナー。
請求項１～３のいずれか１項において、前記リテーナは前記リング部を可撓性部材により形成し、前記リング部には該リング部の一部を切り離して接離自在の接合部に形成して構成した車両シートのプリテンショナー。
請求項１～３のいずれか１項において、前記車両シートの可動部材は車両シートのシートボトムとし、前記プリテンショナーは前記シートボトムを後方移動させるシート用プリテンショナーとし、シート用プリテンショナーは、車体が所定以上の加速を受けると、シート用プリテンショナーの前記シリンダおよび前記ピストンの移動を前記ワイヤーケーブルにより伝達して車体側に取付けた固定フレームに対して前記シートボトムが後方移動するように構成し、前記リテーナに装着した鋼球は前記シートボトムが前方移動させる反対荷重が前記ピストンに掛かると、前記ピストンの移動を停止させるように構成した車両シートのプリテンショナー。
請求項１～３のいずれか１項において、前記車両シートの可動部材は、車両シートの着座者を拘束するシートベルトとし、前記プリテンショナーはシートベルトを緊張させるベルト用プリテンショナーとし、該ベルト用プリテンショナーは、所定以上の加速度を受けると、ベルト用プリテンショナーのピストンの移動を前記ワイヤーケーブルにより伝達して乗員を拘束させる方向にシートベルトが移動するように構成し、前記リテーナに装着した鋼球は前記シートベルトを引き出す反対荷重が前記ピストンに掛かると、前記ピストンの移動を停止させるように構成した車両シートのプリテンショナー。
円形のリング部の軸心方向に突出する複数のアーム突起の各嵌合溝に鋼球を夫々嵌合させ、この鋼球を装着したリテーナを鋼球ごとピストンのストッパ面の最小径部に取付け、ピストンにワイヤーケーブルの一端部を係止し、このワイヤーケーブルにはシリンダの端部に取り付けるガイド部の挿通孔を挿通しておき、該ガイド部を取付ける側のシリンダの開口部に、前記ストッパ面の最大径部側からピストンをシリンダ内の所定位置まで挿入し、この状態でガイド部をシリンダの開口部に嵌合させ、この状態で、シリンダの端部とガイド部とをカシメ固定し、前記ワイヤーケーブルの他端部を任意の係止部Ｔに係止する、着座者を拘束する可動部材を作動させるプリテンショナーを有する車両シートの組立方法。