明 細 書
固体撮像装置およびその製造方法
技術分野
[0001] 本発明は、固体撮像装置およびその製造方法に係り、特に、監視カメラ、医療用力 メラ、車載用カメラ、情報通信端末用カメラなどの固体撮像素子を用いて形成される 小型の固体撮像装置およびその製造方法に関するものである。
背景技術
[0002] 近年、固体撮像素子を用いる固体撮像装置は、小型化、高性能化が進むに伴い、 カメラも小型化され、各方面で使用されてきており、映像の入力装置としての市場を 広げている。
[0003] 固体撮像装置は、レンズ、固体撮像素子、その駆動回路および信号処理回路など を搭載した LSI等の部品を夫々筐体あるいは基板 ·構造体等に形成して、これらを組 み合わせて構成される。
[0004] 例えば、ガラス繊維 ·エポキシ樹脂等から成るプリント基板に各素子が搭載された固 体撮像装置がある。
[0005] 図 4 (a)は、従来の平板のプリント基板を用いた固体撮像装置の外観斜視図である 。図 4 (b)は、図 4 (a)中の A— A線断面図である。図 4 (a)、図 4 (b)に示すように、固 体撮像装置 100を構成する各部品が搭載されるプリント基板 101は、中央部に貫通 開口部 10 laが形成されている。
[0006] また、プリント基板 101は、平板面のうちの一方側(以下、裏面側)にプリント配線パ ターン 110が形成されている。また、貫通開口部 101aの開口端部のうち、プリント配 線 110が形成されていない他方側(以下、表面側)に開口する開口端部の内壁には 段差部 101bが設けられ、レンズ 102が嵌めこまれている。また、プリント基板 101は、 プリント配線 110が形成されている裏面側の開口面上に、固体撮像素子 103が装着 されている。また、レンズ 102に入り込む光量を調節する絞り部材 104が、レンズの上 に重なる形で貫通開口部 101aに嵌め込まれている。
[0007] 固体撮像素子 103は、表面に形成されたバンプ 103aを介してプリント基板 101の
裏面側に設けられたプリント配線パターン 110に接続され、封止樹脂 107で封止され ることによってプリント基板 101に固定されている。
[0008] また、プリント基板 101のプリント配線パターン 110は、駆動回路および信号処理回 路等に電気的に接続している。
[0009] 次に、図 5、図 6に従来の固体撮像装置の組み立て工程図を示す。実装に際して、 まず、プリント配線パターン 110が形成されたプリント基板 101を成形する(図 5 (a) )。 そして、プリント配線パターン 110上に、プリント配線パターン 110とバンプ 103aと が接触する位置であって固体撮像素子 103が貫通開口部 101aを覆う位置に固体撮 像素子 103を載置する(図 5 (b) )。
[0010] この後、固体撮像素子 103とプリント基板 101の隙間に封止樹脂 107を、光を照射 しながら注入する(図 5 (c) )。このとき、封止樹脂 107は、照射された光が届く範囲で 硬化する。図 5 (c)中の 107aは、光照射により硬化した封止樹脂硬化部を示している
。さらに、この後、封止樹脂 107の残りの部分を熱硬化させて、固体撮像素子 103の 装着工程が終了する(図 5 (c) )。
[0011] 次に、レンズ 102を搭載するために、プリント基板 101を反転させる(図 6 (a) )。そし て、プリント基板 101の段差部 101bにレンズ 102の外周縁部 102aを載置して、レン ズ 102を貫通開口部 101aに嵌め込む(図 6 (b) )。その後、レンズの上にドーナツ形 状の絞り部材 104を更に嵌め込む(図 6 (c) )。絞り部材 104を嵌め込んだ後、絞り部 材 104とプリント基板 101の境界部付近に接着剤を塗布し、その接着材を硬化させ て、固体撮像装置 100の組み立て工程が完了する。
[0012] このように、従来、ガラス繊維やエポキシ樹脂等の絶縁物で構成される平板のプリ ント基板に、レンズ、固体撮像素子、その駆動回路および信号処理回路などを含む L
SI等の各部品を搭載した固体撮像装置が提案されている。
[0013] また、装置の小型化を図るため、他にも例えば、樹脂製の立体プリント基板に各素 子が搭載された固体撮像装置が提案されている(特許文献 1参照)。
特許文献 1 :特開 2001— 245186号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0014] しかしながら、従来の平板のプリント基板 101は、ガラス繊維 'エポキシ樹脂等を材 料とするため、貫通開口部 101aの端部や内壁 101cに塵'バリ等の異物が発生しや すいものである。また、上述のような構成の固体撮像装置は、プリント基板 101の貫 通開口部 101aを、レンズ 102と固体撮像素子 103とにより、表面側からと裏面側とか ら挟んで塞ぐ構造であるため、各部材を装着した後も貫通開口部 101aの端部や内 壁 101cが固体撮像素子の受光面 103bに対して露出している。
[0015] 従って、固体撮像装置の各部材の組み立て工程が完了した後であっても、その後 の衝撃(例えば、運搬時の衝撃、落下時の衝撃等)により、貫通開口部 101aの端部 や内壁 101cに発生した塵'バリ等の異物力 S、固体撮像素子 103の受光面 103b上に 脱落して、黒点映像不良の原因となることがあった。
[0016] また、特許文献 1に記載されるような立体プリント基板を用いた固体撮像装置も、立 体プリント基板が、構造絶縁性のポリフタルアミド樹脂等を金型成型して形成されるも のであり、貫通開口部 cの端部や内壁等にノ リが発生しやすぐ同様に、そのバリが 黒点映像不良の原因となることがあった。
[0017] また、上述の固体撮像装置は、平板のプリント基板又は立体のプリント基板のいず れを用いるにしても、固体撮像素子とレンズとを、互いに反対側の開口端部に装着す る構成である。そのため、製造工程において、固体撮像素子とレンズのいずれか一 方を装着する工程が終了した後、もう一方を装着する前に、基板上下を反転させる 工程が必要となってしまい、製造工程が長く生産性が低いものであった。
[0018] 本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、黒点映像不良の原因となるバリ の受光面への脱落を防ぐとともに、生産性が向上する固体撮像装置およびその製造 方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0019] 本発明の固体撮像装置は、貫通開口部と、前記貫通開口部の開口端部に設けら れた段差部と、前記段差部と同一面側に設けられた配線部とを有する平板基板と、 前記段差部に装着された透光性部材と、前記透光性部材を、固体撮像素子の受光 面が臨むように、前記配線部に装着された固体撮像素子と、前記段差部に装着され た透光性部材の装着領域と、前記固体撮像素子とを、一体的に樹脂封止する封止
部とを具備したことを特徴とする。
すなわち、固体撮像素子とレンズとを装着する平板基板を備える固体撮像装置で あって、前記平板基板は、貫通開口部を有し、前記固体撮像素子の受光面が臨む 開口面上に固体撮像素子を装着する配線部と、前記貫通開口部の前記開口面側の 開口端部にレンズを装着する段差部とを有し、前記配線部に装着された固体撮像素 子と前記段差部に装着されたレンズとが、一体に樹脂封止されている。
[0020] この構成により、従来のように固体撮像素子とレンズなどの透光性部材とが基板を 両側から挟み込む形式で装着されるのではなぐ平板基板の一方側(配線部が形成 された側)に固体撮像素子とレンズとが装着され、それらが一体に樹脂封止されるの で、貫通開口部の内壁や貫通開口部の受光面側の端部は、レンズの外周縁部や封 止樹脂で覆われ、固体撮像素子の受光面に対して露出しない。よって、黒点映像不 良の原因となるバリ'粉塵等の異物が受光面に脱落することを防ぐことができる。
[0021] また、本発明の固体撮像装置において、前記平板基板の貫通開口部が、前記固 体撮像素子の受光面が臨む第 1の面側とは反対側の第 2の面側の端部に配設され、 前記受光面に入る光量を調節する絞り部を具備したものを含む。
[0022] また、本発明の固体撮像装置は、前記平板基板の貫通開口部が、前記固体撮像 素子の受光面が臨む開口面側とは反対側の端部に、前記受光面に入る光量を調節 する絞り部が形成されて!/、る。
[0023] この構成により、絞り部材を別途設けなくても良ぐ部品点数を減らすことができると ともに、絞り部を、平板基板を構成する構造体成形工程で形成しておくことで、後から 絞り部材を装着する工程を省略することができる。
[0024] また、本発明の固体撮像装置において、前記絞り部が、前記平板基板とは一体的 に形成されたものを含む。
また、本発明の固体撮像装置において、前記絞り部は、前記平板基板とは別部材 で構成されたものを含む。
このように、絞り部は、前記平板基板と一体的に形成されていてもよいし、別部材で 構成するものとしても良い。別部材として構成する場合は、固体撮像素子の受光面に 入る光量を変更するとき、平板基板全体を設計変更する必要はなぐ絞り部材の形
状を変更するだけで良い。
[0025] また、本発明の固体撮像装置の透光性部材は、赤外線カット機能や反射防止機能 を有するものとしても良い。
[0026] この構成により、赤外線カット機能や反射防止機能等を有する光学フィルタを省略 すること力 Sでき、部品点数を削減することができる。
[0027] また、本発明の固体撮像装置の製造方法は、貫通開口部と、前記貫通開口部の開 口端部に設けられた段差部と、前記段差部と同一面側に設けられた配線部とを有す る平板状の配線基板を成形する平板基板成形工程と、前記段差部に、前記透光性 部材を装着する透光性部材装着工程と、前記配線部に、前記固体撮像素子を装着 する固体撮像素子装着工程と、前記配線部に装着された固体撮像素子と前記段差 部に装着された透光性部材の装着領域とを、一体的に樹脂封止する樹脂封止工程 と、を含む。
[0028] この工程により、レンズなどの透光性部材と固体撮像素子とが、平板基板の同一面 側に載置されるため、各部材を平板基板に装着するのに、平板基板の上下 (表裏) を反転させることなぐ一連の工程で行うことができる。すなわち、反転工程を省略す ること力 Sできる。また、各部材を接着する工程も樹脂封止により一度で済み、従来の 製造方法に比べて生産性が向上する。
[0029] また、本発明の固体撮像装置の製造方法において、前記平板基板を成型するェ 程は、貫通開口部が、前記固体撮像素子の受光面が臨む第 1の面側とは反対側の 第 2の面側の端部に配設され、前記受光面に入る光量を調節する絞り部を具備する ように成型する工程であるものを含む。
[0030] また、本発明の固体撮像装置の製造方法において、前記平板基板を成型するェ 程は、前記絞り部を一体成型する工程を含むものを含む。
[0031] また、本発明の固体撮像装置の製造方法において、前記平板基板を成型するェ 程は、別部材で構成された絞り部を装着する工程を含むものを含む。
発明の効果
[0032] 本発明によれば、黒点映像不良の原因となるバリ'粉塵等の受光面への脱落を防 ぐとともに、生産性が向上する固体撮像装置およびその製造方法を提供することが
できる。
図面の簡単な説明
[0033] [図 l] (a)本実施の形態 1の固体撮像装置の外観斜視図、(b)図 1中の A— A線断面 図
[図 2] (a)本実施の形態 1の固体撮像装置の構造体成形工程を説明する図、(b)本 実施の形態 1の固体撮像装置のレンズ (透光性部材)装着工程を説明する図、(c)本 実施の形態 1の固体撮像装置の固体撮像素子装着工程を説明する図
[図 3] (a)本実施の形態 1の固体撮像装置の樹脂封止工程を説明する図、(b)本実 施の形態 1の固体撮像装置の樹脂封止工程を説明する図、(c)本実施の形態 1の固 体撮像装置の使用例を説明する図
[図 4] (a)従来の固体撮像装置の外観斜視図、(b)図 5中の A— A線断面図
[図 5]従来の固体撮像装置の組み立て工程を説明する図
[図 6]従来の固体撮像装置の組み立て工程を説明する図
符号の説明
[0034] 10 固体撮像装置
11 プリント基板
11 a 貫通開口部
l ib 段差部
11c 配線部
l i d 絞り部
12 レンズ
13 固体撮像素子
13a バンプ
13b 受光面
14 封止樹脂
発明を実施するための最良の形態
[0035] 以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[0036] (実施の形態 1)
図 1 (a)は、本実施の形態 1の固体撮像装置の外観斜視図である。図 1 (b)は、図 1 (a)中の A— A線断面図である。図 2、図 3は、本実施の形態 1の固体撮像装置の組 み立て工程を説明する図である。
[0037] 本実施の形態 1の固体撮像装置は、従来のように固体撮像素子とレンズなどの透 光性部材とが基板を両側から挟み込む形式で装着されるのではなぐ平板基板の一 方側 (配線部が形成された側)に固体撮像素子とレンズとが装着され、それらが一体 に樹脂封止されるので、貫通開口部の内壁や貫通開口部の受光面側の端部は、レ ンズの外周縁部や封止樹脂で覆われ、固体撮像素子の受光面に対して露出せず、 黒点映像不良の原因となるバリ'粉塵等の異物が受光面に脱落することを防ぐように したものである。
[0038] この固体撮像装置は、図 1 (a)、図 1 (b)に示すように、本実施の形態 1の固体撮像 装置 10は、平板形状のプリント基板 11に、透光性部材としてのレンズ 12と固体撮像 素子 13とが装着されて構成されるものである。
[0039] 平板形状のプリント基板 11には、その中心付近に、当該基板の一方の面(以下、 表面)から他方の面(以下、裏面)に貫通する円形の貫通開口部 11aが形成されてい る。そして、基板 11の裏面には、他の部品と電気的に接続するための端子パターン を含む配線部 1 lcが形成されて!/、る。
[0040] 貫通開口部 11aは、配線部 11cが形成されている裏面側に、レンズ 12を装着する ための段差部 l ibが形成されている。この段差部 l ibは、レンズ 12を嵌め込むことが 可能なように、レンズ 12の外形よりやや幅広の大きさに形成されている。一方、貫通 開口部 11 aの表面側には、レンズ 12に入り込む光量を調節する絞り部 l idが形成さ れている。この絞り部 l idは、プリント基板 11と一体成形によって得られるものである
[0041] レンズ 12は、例えば、中央部が外周縁部 12aより厚い凸形のレンズであって、貫通 開口部 11 aから入射してくる光を固体撮像素子 13の受光面 13bに導くものである。こ のレンズ 12の外周縁部 12aが、基板 11の段差部 l ibに載置される。
[0042] また、このレンズ 12は、赤外線除去機能を有する材料を凸レンズ形状に形成したも ので、表面に真空蒸着等のコーティング方法により反射防止膜が施されている。
[0043] 固体撮像素子 13は、半導体製造技術を用いて集積回路化された光電変換素子で あって、光を検出して電荷を発生させるフォトダイオードと検出された電荷を搬送する 電荷転送部とが配列されたものであり、バンプ 13aを介して配線部 11cの一部に装着 され電気的に接続している。
[0044] 上述のように、レンズ 12は、貫通開口部 11aを塞ぐように装着されている。固体撮像 素子 13は、その受光面 13bが、レンズ 12から所定間隔だけ離れるとともにレンズ 12 を覆うように装着されている。また、レンズ 12と固体撮像素子 13は、樹脂封止体 14に より一体成形されている。このようにして、固体撮像素子 13の受光面 13aは、レンズ 1 2と樹脂封止体 13とにより形成される密封空間に配置されている。
[0045] この構成により、本実施の形態 1の固体撮像装置 10は、固体撮像素子 13の受光 面 13bが貫通開口部 11aの内壁面に露出しないので、黒点映像不良の原因となる 塵'バリ等の受光面への脱落を防ぐことができる。
[0046] また、平板の基板を用いて固体撮像装置を構成するので、従来の立体基板を用い た固体撮像装置と比較して、装置全体を小型 ·薄型化することができる。また、赤外 線カット機能や反射防止機能等をレンズに持たせることで、光学フィルタを省略して いるので、部品点数を削減することができる。なお透光性部材としては、レンズ単体、 フィルタ単体、反射防止膜、あるいはレンズ、フィルタ、反射防止膜などの複数の機 能を備えたものを含むものとする。
[0047] 次に、この固体撮像装置 10の製造方法について説明する。
[0048] (構造体成形工程)
この工程では、まず、その中心付近に、一方の面から他方の面に貫通する円形の 貫通開口部 11 aを有する平板形状のプリント基板 11を形成する。プリント基板 11の 材料は、例えば、ガラス繊維 'エポキシ樹脂等である。プリント基板 11に対して機械 加工等により、まず貫通開口部 11aを形成して、その貫通開口部 11aに対して、段差 部 11 bや絞り部 11 dを形成する。
[0049] 次に、このプリント基板 11の所定の領域に、めっきプロセスあるいはスパッタリング 法などの薄膜プロセスにより基板の裏面側に配線部 11cを形成する。そして、図 2 (a) に示すように、配線部 11cを設けた面が上方に臨む状態で基板 11を載置する。
[0050] (レンズ装着工程)
この工程では、図 2 (b)に示すように、段差部 l ib上に、レンズ 12の中心部に光軸 が通るように、レンズ 12を載置する。レンズ 12の外周縁部 12aが段差部 l ibに載置さ れる。この状態において、貫通開口部 11aは、レンズ 12により塞がれた状態となる。
[0051] (固体撮像素子装着工程)
続いて、図 2 (c)に示すように、基板 11の配線部 11c上に、固体撮像素子 13の受 光面 13bの中心部に光軸が通るように、固体撮像素子 13を載置する。固体撮像素 子 13の接続電極にはバンプ 13aが形成されており、配線部 11cの所定位置に熱圧 着によって接続される。
[0052] (樹脂封止工程)
そして、図 3 (a)、図 3 (b)に示すように、固体撮像素子 13とプリント基板 11の隙間 に封止樹脂 14を、光を照射しながら注入する(図 3 (a) )。このとき、封止樹脂 14は、 照射された光が届く範囲で硬化する。図 3 (c)中の 14aは、光照射により硬化した封 止樹脂硬化部を示している。さらに、この後、封止樹脂 14を熱硬化させて、レンズ 12 と固体撮像素子 13とを樹脂封止体 14により一体に被覆する(図 3 (b) )。このようにし て、本実施の形態 1の固体撮像装置 10は製造される。
[0053] 本実施の形態 1の固体撮像装置 10は、例えば、図 3 (c)に示すように、必要に応じ て向きを反転させ、電子機器等に組み込まれる。
[0054] 以上のように、本実施の形態 1の固体撮像装置 10の製造方法は、レンズ 12と固体 撮像素子 13とが、プリント基板 11の同一面側に配置されるものであるので、各部材 をプリント基板 1 1に装着するのに、プリント基板 11の上下を反転させことなぐ一連の 工程で行うことができる。すなわち、反転工程を省略することができる。
[0055] また、各部材を接着する工程も樹脂封止により一度で済む。平板基板の一方の面 側に固体撮像素子とレンズなどの透光性部材とを装着するため、他方の面側に絞り 部を形成しておくことができる。また、絞り部を構造体成形工程で形成しておくことで 、後から絞り部材を装着する工程を省略することができる。
[0056] このように、本実施の形態 1の固体撮像装置 10の製造方法は、従来の反転工程や 絞り部材を嵌め込む工程を省略することができるので、従来の製造方法に比べて生
産性が向上するものである。
[0057] なお、絞り部 l idは、上記説明においては、プリント基板 11と一体に成形するものと して説明したが、これに限らず、プリント基板 11と絞り部 l idとを別部材で構成するも のとしても良い。別部材として構成する場合は、固体撮像素子 13の受光面 13bに入 る光量を変更するとき、プリント基板 11全体の構成を設計変更する必要はなぐ絞り 部材の形状を変更するだけで最適な光量を取り込む絞り部を形成することができる。
[0058] なお、上述の固体撮像装置は、カメラとして、光通信分野に限定されることなぐ CD 、 DVDなどの読み取り素子、複写機の読み取り素子、医療機器あるいはドアホンな ど、種々の光学機器への適用が可能である。
産業上の利用可能性
[0059] 本発明の固体撮像装置およびその製造方法は、黒点映像不良の原因となるバリの 受光面への脱落を防ぐとともに、生産性が向上する固体撮像装置およびその製造方 法として有用である。