JP2004260357A - カメラモジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化を図ることができ、かつ焦点精度が高いカメラモジュールを提供すること。
【解決手段】本発明にかかるカメラモジュールは、レンズ11と、このレンズ1を支持する鏡筒12と、レンズ11を介して入射された光に基づき撮像信号を出力するイメージセンサチップ2とを備えている。そして、センサカバー24がイメージセンサチップ2の上に載置され、このセンサカバーは、2枚の透明電極と透明電極間に位置する液晶層と、前記透明電極に電圧を印加するための外部接続部から構成されるシャッター機構を構成している。
【選択図】 図19
【解決手段】本発明にかかるカメラモジュールは、レンズ11と、このレンズ1を支持する鏡筒12と、レンズ11を介して入射された光に基づき撮像信号を出力するイメージセンサチップ2とを備えている。そして、センサカバー24がイメージセンサチップ2の上に載置され、このセンサカバーは、2枚の透明電極と透明電極間に位置する液晶層と、前記透明電極に電圧を印加するための外部接続部から構成されるシャッター機構を構成している。
【選択図】 図19
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラモジュールとその製造方法に関するものであり、より詳しくは、レンズ、レンズを支持する鏡筒及びカバーを有するイメージセンサチップを備えたカメラモジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話、携帯端末(PDA)やカードカメラ等の用途に、カメラモジュールが広く使用されている。ここで従来のカメラモジュールの構造例を図20に示す。図20に示されるように、カメラモジュールは、基板104上にイメージセンサチップ106を収容したパッケージ108が載置され、半田103により固定されている。このパッケージ108の上部には、カバーガラス105が設けられており、上部から光が入射されるよう構成されている。
【0003】
そして、パッケージ108を包囲する鏡筒102によってレンズ101が支持されている。この鏡筒102は、筒状の構成を有し、2つの部材により構成されている。そして、鏡筒102を構成する2つの部材は、相対的に移動可能であり、焦点調整のために、レンズ101とイメージセンサチップ106間の距離を変更できる。
【0004】
ここで、携帯電話等に用いられるカメラモジュールは、携帯電話等が小型化されるに伴って、さらなる小型化が要請されている。しかしながら、従来のカメラモジュールは、図20に示されるような構成を有しているため、小型化することは困難であった。
【0005】
また、従来のカメラモジュールは、レンズ101とイメージセンサチップ106間の経路長を決定するための構成が、レンズ101、鏡筒102を構成する2つの部材、基板104、パッケージ108及びイメージセンサチップ106と多数存在するため、各構成の寸法誤差及びそれら相互の接続による誤差が積み重ねられ、レンズ101とイメージセンサチップ106間の経路長のバラツキが大きく、焦点精度が低くなる傾向にある。
【0006】
これを解決する手法として、本願出願人は、直接、イメージセンサチップ上にレンズの鏡筒を載置して固定することにより、バッケージ等の誤差要因を排除する構造を発明し、特願2001−238568「カメラモジュール」(以下、先の出願とする)を出願している。この先の出願については、本件出願時において公開されていたものではなく、公知技術ではないが、本発明の課題の理解のために説明する。図21は先の出願において、発明の実施の形態1として説明された、カメラモジュールの主要部を示す構造図である。このカメラモジュールは、レンズ部1とイメージセンサチップ2を備えている。ここで、レンズ部1は、レンズ11と鏡筒12により構成されている。
【0007】
レンズ11は、この例では、非球面凸レンズであり、入射された光をイメージセンサチップ2の表面上で結像させる機能を有する。鏡筒12は、円筒状等の形状を有し、その内周部の所定の位置においてレンズ11を支持している。
【0008】
また、イメージセンサチップ2は、センサ部21、論理回路部22及びボンディングパッド23を有している。センサ部21は、当該イメージセンサチップ2の表面上に形成され、光学的な情報を電気信号に光電変換し、撮像信号を処理する素子である。この素子は、光電変換を行なう多数の読取画素を有する。
【0009】
このように配置することにより、レンズ11からセンサ部21までは、支持部としては鏡筒12しかなく、この鏡筒12の構造的な精度が焦点に対する精度を実質的に決める。その為、高精度な構造を構成できるとともに、センサとレンズ部しかないので、小型化の要請にも十分応えることが可能となる。
【0010】
先の出願に記載された構成によれば、小型化、焦点精度の向上を図ることができる。しかし、このカメラモジュールは、センサ部とレンズ部を一体に製造することについては問題ないが、これ以外の製造方法が必要な場合、例えば、センサ部を製造した後、後日レンズ部を取り付ける等の製造工程を採用する場合には、センサ部21が保管或いは組立て等の雰囲気中に暴露されることにより、ゴミ等の異物がセンサ面上に付着する機会が増加し、そのため、カメラモジュールの歩留まりを低下させる問題点があった。
【0011】
センサ面上には、通常、受光素子ごとにマイクロレンズが形成されている。そのマイクロレンズ上に異物が付着すると受光素子への光の入射が無くなり、画像上に黒点となり、画質の悪化を招く。また一度異物が付着すると、マイクロレンズの表面は凹凸形状を有しているため、取り除くことが困難である。
【0012】
この問題は、もちろん、図20で示した従来のカメラモジュールでも発生する。図20において、イメージセンサチップ106が収容されたパッケージ108が基板104上に配置されてカメラモジュールが構成されている。この構成では、基板104とパッケージ108を組み立てた後、更に鏡筒102等を配置し組み立てるという順序でカメラモジュールを組み立てるが、その前に、パッケージ108上にイメージセンサチップ106を配置しボンディングワイヤー107により組み立てる工程を経る必要がある。その場合、一旦、ウェハからカットし、パッケージ108に配置し、さらにボンディングワイヤー107によりパッケージ108の端子109と接続し、その後、カバーガラス105を付けるという、一連の工程を行なう必要がある。
【0013】
そのため、一連の工程の間、イメージセンサチップ106は組立作業場の雰囲気中に晒され続けることになり、センサ面上に異物が付着しやすくなる問題点がある。この場合、カバーガラス107を配置した後では異物を取り除けないので、更に、不良率の引き下げが困難となる。
【0014】
尚、イメージセンサチップ上に撮像レンズを固定する技術は、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4等に開示されているが、いずれも異物の付着の問題点を解決するものではない。
【0015】
【特許文献1】
特開昭61−154369号公報
【特許文献2】
特開平9−284617号公報
【特許文献3】
特開2000−98223号公報
【特許文献4】
特開2000−49319号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来のカメラモジュールは、レンズ表面に異物が付着し、生産性を低下させるという問題点があった。
【0017】
また、カメラモジュール自身にはシャッター機構がなくカメラモジュール以外にシャッター機構を別途配置する必要がありカメラの薄型化の障害になるとともに、製造工程増加による生産性の悪さが問題となっていた。
【0018】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、カメラモジュールおよびデジタルカメラの小型化が可能で、かつ生産性が高いカメラモジュールを提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかるカメラモジュールは、レンズと、前記レンズを介して入射された光に基づき撮像信号を処理するイメージセンサチップとを備え、前記イメージセンサチップのセンサ部上を覆うセンサカバーに光学的機能を持たせたものである。このような構成により、異物の付着を防止できるとともに、例えセンサカバーの上に異物が付着したとしてもその影響を低減できる。
【0020】
さらに、センサカバーに2枚の透明電極と透明電極間に位置する液晶層と、前記透明電極に電圧を印加するための外部接続部から構成されるシャッター機構を付加することでカメラモジュールの小型化・低コスト化を実現することが出来る。
【0021】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態1.
図1は、発明の実施の形態1にかかるカメラモジュールの主要部を示す構造図である。図1(a)は当該カメラモジュールの側面図を、図1(b)は当該カメラモジュールの上面図を示す。このカメラモジュールは、レンズ部1とイメージセンサチップ2を備えている。ここで、レンズ部1は、レンズ11と鏡筒12により構成されている。イメージセンサチップ2は、センサ部21、論理回路部22及びボンディングパッド23を有している。
【0022】
以下、カメラモジュールの構成についてさらに詳細に説明する。
レンズ11は、この例では、非球面凸レンズであり、入射された光をイメージセンサチップ2の表面上で結像させる機能を有する。
【0023】
鏡筒12は、円筒状或いは角形等の形状を有し、その内周部の所定の位置においてレンズ11を支持している。但し、鏡筒12は、レンズ支持部として機能していている。このレンズ支持部は、筒状に構成される必要はない。例えば、レンズ支持部は、レンズ11を単数又は複数の点で支えるようにしてもよい。鏡筒12は、センサカバー24が設けられていない間隙の部分において、イメージセンサチップ2の論理回路部22上に固定されている。この例では、センサカバー24は、四方向に延出する連結部241を備えているため、この部分以外の4箇所において鏡筒12がイメージセンサチップ2に固定される。
【0024】
鏡筒12とイメージセンサチップ2は、例えば、紫外線硬化樹脂によって接着される。この場合、イメージセンサチップ2に対して、予め定められた位置に鏡筒12を載置し、その後、イメージセンサチップ2と鏡筒12が接着されるように紫外線硬化樹脂を塗布する。または、イメージセンサチップ2又は鏡筒12のいずれか一方又は双方に紫外線硬化樹脂を塗布した後に、両者の位置決めをするようにしてもよい。そして、紫外線をこの紫外線硬化樹脂に照射することによってイメージセンサチップ2と鏡筒12とを接着固定する。このように、図1に示すカメラモジュールにおいては、レンズを支持するレンズ支持部をイメージセンサチップ上に直接固定するようにしたため、小型化を図ることができる。そして、レンズとイメージセンサチップの間の部材がレンズ支持部のみであることから、積み上げ誤差が少なく、両者の相対的な位置を精確に固定することができる。
【0025】
鏡筒12は、図1(b)に示されるように、隣接するイメージセンサチップ2の鏡筒12と連結する連結部121を有する。この連結部121は、ダイシングの際に切断される。
【0026】
このように、論理回路部22上に鏡筒12を載置することによって、通常は利用されていない論理回路部22の上方の領域を有効活用することができる。特に、今後、さらにセンサ部21と論理回路部22の1チップ化が進むことが推測されるため、論理回路部22の上方の領域を活用するこの技術の価値は高い。
【0027】
イメージセンサチップ2のセンサ部21は、当該イメージセンサチップ2の表面上に形成され、光学的な情報を電気信号に変換し、撮像信号として出力する素子である。この素子は、多数の読取画素を有する。ここで、イメージセンサチップ2は、レンズ11を介して入射された光に基づき撮像信号を処理すればよく、撮像信号自体を出力する必要はない。イメージセンサチップ2は、例えば、撮像信号を予め定めた信号と比較したり、過去の撮影により得られた撮像信号と比較することによって、画像の変化を認識し、変化したか否かを示す信号だけを出力する構成であってもよい。
【0028】
センサ部21は、例えば、CCD素子やCMOS素子である。このセンサ部21は各読取画素の上方には複数のマイクロチップレンズが形成されており、入射光を読取画素に対して集光させる。
【0029】
論理回路部22は、センサ部21から出力された電気信号に対して、増幅処理、ノイズ除去処理等の種々の信号処理を行なう。
【0030】
ボンディングパッド23は、論理回路部22と電気的に接続された入出力端子である。このボンディングパッド23は、ワイヤボンディングにより外部の電極と電気的に接続される。例えば、当該イメージセンサチップ2を携帯電話、携帯端末(PDA)やカードカメラを構成する配線基板の上に設置し、ボンディングパッド23と前記配線基板とをワイヤーボンディングにて電気的に接続する。また、抵抗、コンデンサー等の受動部品、トランジスター、LSI等の能動部品が搭載されたサブ配線基板に当該イメージセンサチップ2を設置してボンディングパッド23と前記サブ配線基板とをワイヤーボンディングにて電気的に接続し、前記サブ配線基板を携帯電話、携帯端末(PDA)やカードカメラと電気的に接続することもできる。
【0031】
センサカバー24は、少なくともセンサ部21の上を保護するように配置し、センサ部21への異物の付着を防いでいる。センサカバー24は、センサ部21の領域外においてイメージセンサチップ2と固定される接触部を有する。そして、センサカバー24とセンサ部21との間には間隙が形成される。センサーカバー24は、例えば、透明性を有する合成樹脂やガラスによって形成される。この合成樹脂には、シリコン樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ナイロン樹脂等種々の樹脂が含まれる。センサカバー24は、イメージセンサチップ2上に接着又は圧着される。接着の場合には、例えば紫外線硬化樹脂が用いられる。このセンサカバー24は、カメラモジュールの製造段階において形成され、カメラモジュールの使用段階においても継続して取り付けられる。即ち、センサカバー24は、使用段階において取り外されるものではない。従って、センサカバー24は、入射光を通過させる透明性を有している必要がある。但し、センサカバー24の全体が透明性を有している必要はなく、センサ部21に対する入射光が遮蔽されない部分は透明性を有していなくても良い。
【0032】
センサカバー24の入射面、即ちレンズ11側の面と、センサ部21の表面との間の距離は、所定距離以上である必要がある。レンズ11を通過した入射光は、徐々に収束し、センサ部21で結像するため、同じ大きさの異物であってもセンサ部21に直接に付着した場合と、センサ部21より所定距離ほど離れたセンサカバー24に付着した場合とでは、センサ部21において撮像される画像上の大きさが異なる。具体的には、レンズ11が収束レンズである場合、センサカバー24の入射面がセンサ部21より離れれば離れるほど、センサカバー24に付着した異物がセンサ部21の画像上小さく映し出され、異物の付着の影響を少なくすることができる。例えば、センサカバー24の入射面とセンサ部21の表面との距離が、センサ部21内の読取画素間の距離の5倍以上であることが好ましい。さらに好ましくは、センサカバー24の入射面とセンサ部21の表面との距離が、センサ部21内の読取画素間の距離の10倍以上である。
【0033】
ここで、センサカバー24は、図1(b)に示されるように、隣接するイメージセンサチップ2のセンサカバー24と連結する連結部241を有する。この連結部241は、ダイシングの際に切断される。センサカバー24は、この連結部241によってウェハ上のチップ全てが一体的に形成される。
【0034】
また、光学的精度を維持するため、鏡筒12とイメージセンサチップ2とが直接に接するように鏡筒12とイメージセンサチップ2との接触部分にはセンサカバー24が設けられておらず、センサカバー24の空隙が設けられている。同様に、配線を容易にする為ボンディングパッド23の上もセンサカバー24が設けられておらず、センサカバー24の空隙が設けられている。
【0035】
ここで、簡単に、このカメラモジュールの製造工程について説明する。まず、ウェハ上にセンサ部21、論理回路部22、ボンディングパッド23を形成する。さらに、センサカバー24、レンズ部1を形成する。その後に、ウェハをダイシングしてイメージセンサチップ2を切り出す。このとき、センサカバー24の連結部241及び鏡筒12の連結部241も切断される。
【0036】
このように、本発明の実施の形態1にかかるカメラモジュールにおいては、イメージセンサチップ2のセンサ部21を覆うセンサカバー24を設けたため、その後の組立て等における異物の付着を防止できるとともに、例えセンサカバー24の上に異物が付着したとしてもその影響を低減できる。
【0037】
更に、鏡筒12とイメージセンサチップ2とが直接に接するように、センサカバー24に空隙を設けることにより、光学上の精度を確保し、組立てに際しての配線の容易さを維持できる。なお、これを実現する為には、一体にウェハ上に設けるセンサカバー24に対して、予め空隙のパターンを生成しておくことで容易に実現できる。
【0038】
発明の実施の形態2.
図2を用いて発明の実施の形態2にかかる他のカメラモジュールの構成を説明する。図2において、図1と同一の符号を付した構成は、図1に示す構成と同一又は相当部を示し、その説明を省略する。図2に示す構成ではセンサカバー24でセンサ部21を覆うことを第一として構成したものである。即ち、センサカバー24は、センサ部21のみを覆っている。この場合、センサカバー24をウェハ段階で一体に取り付けるために、各イメージセンサチップ2に対応したセンサカバー24を多数個一体に形成したものをウェハに取り付けることが、量産性の観点から好都合である。
【0039】
本発明の実施の形態2にかかるカメラモジュールにおいても、イメージセンサチップ2のセンサ部21を覆うセンサカバー24を設けたため、その後の組立て等における異物の付着を防止できるとともに、例えセンサカバー24の上に異物が付着したとしてもその影響を低減できる。
【0040】
発明の実施の形態3.
図3を用いて、本発明の実施の形態3にかかるカメラモジュールの構成を説明する。図3において、図1と同一の符号を付した構成は、図1に示す構成と同一又は相当部を示し、その説明を省略する。このカメラモジュールは、レンズ部1とセンサカバー24及びイメージセンサチップ2の配置が他の実施の形態と異なる。この例では、イメージセンサチップ2の上にセンサカバー24を配置した後、更にその上にレンズ部1を配置したものである。このようにした場合でも、センサカバー24の寸法精度を確保すれば、光学的精度の低下を防止できるとともに、積み重ねて配置したのみであるので、センサモジュール自体の製作も容易に実施できる。
【0041】
本発明の実施の形態3にかかるカメラモジュールにおいては、イメージセンサチップ2のセンサ部21を覆うセンサカバー24を設けたため、その後の組立て等における異物の付着を防止できるとともに、例えセンサカバー24の上に異物が付着したとしてもその影響を低減できる。
【0042】
発明の実施の形態4.
図4を用いて、本発明の実施の形態4にかかるカメラモジュールの構成について説明する。図4において、図1と同一の符号を付した構成は、図1に示す構成と同一又は相当部を示し、その説明を省略する。上述した他の実施の形態では、レンズ部1をセンサカバー24とほぼ連続した作業工程により一体的に取り付けることを前提として説明したが、従来のようにレンズ部1を後に取り付けることも想定されるため、それに対応した構造も可能である。発明の実施の形態4では、センサカバー24をイメージセンサチップ2の上に載置し、後の組立製造工程での異物の付着防止を図っている。
【0043】
以上のように、レンズ構造や製造工程等の変更に従いセンサカバー24形状等を変更しイメージセンサチップ2上に載置することにより、それぞれの場合に適する形態を選択すればよい。
【0044】
本発明の実施の形態4にかかるカメラモジュールにおいても、イメージセンサチップ2のセンサ部21を覆うセンサカバー24を設けたため、その後の組立て等における異物の付着を防止できるとともに、例えセンサカバー24の上に異物が付着したとしてもその影響を低減できる。
【0045】
発明の実施の形態5.
図5を用いて発明の実施の形態5にかかる他のカメラモジュールの構成を説明する。図5において、図1と同一の符号を付した構成は、図1に示す構成と同一又は相当部を示し、その説明を省略する。図5に示す構成では、CSP(Chip Size Package)再配線層3を有している。このCSP再配線層3は、光学窓を備えており、その光学窓の部分においてセンサカバー24及び鏡筒12がイメージセンサチップ2上に接着固定されている。CSP再配線層3は、その上部に半田バンプ31が複数設けられている。この半田バンプ31は、イメージセンサチップ2に設けられた論理回路部22と銅配線等によって電気的に接続されている。
【0046】
この図5に示すカメラモジュールも、図1に示す構成と同様にレンズ部1をイメージセンサチップ2上に直接固定するようにしたため、小型化を図ることができる。そして、レンズ11とイメージセンサチップ2の間の部材が鏡筒12のみであることから、積み上げ誤差が少なく、両者の相対的な位置を精確に固定することができる。
【0047】
本発明の実施の形態5にかかるカメラモジュールにおいても、イメージセンサチップ2のセンサ部21を覆うセンサカバー24を設けたため、その後の組立て等における異物の付着を防止できるとともに、例えセンサカバー24の上に異物が付着したとしてもその影響を低減できる。
【0048】
発明の実施の形態6.
次に、先の図4に示すカメラモジュールにおいても、発明の実施の形態5において説明した図5のCSP再配線層3を有するような構成とすることもできる。その場合の構成を発明の実施の形態6として図6に示す。図6において、図1及び図5と同一の符号を付した構成は、図1及び図5に示す構成と同一又は相当部を示し、その説明を省略する。図5では再配線層3を有するイメージセンサチップ2にセンサカバー24を載置して構成している。レンズ部1は、後に搭載することを前提にした構造である。このように構成することにより、レンズ部を別の工程、或いは組立工場において搭載しても、異物の付着による性能劣化を防止することが可能である。
【0049】
発明の実施の形態7.
レンズ部1を搭載する場所は変更しても良く、その一例として発明の実施の形態7を示す図7を用いて説明する。図7において、図1と同一の符号を付した構成は、図1に示す構成と同一又は相当部を示し、その説明を省略する。先に図5で示した発明の実施の形態5では、再配線層3の空隙を通してイメージセンサチップ2の上に直接レンズ部1を搭載しているのに対し、本例ではレンズ部1を再配線層3の上に設置して、モジュールの組立てを容易にすることを狙ったものである。
【0050】
以上、カメラモジュールの構造について種々の例をあげて説明したが、発明の実施の形態7にかかるカメラモジュールを例にして、カメラモジュールのセンサカバー24等の載置方法について、図8を用いてさらに詳細に説明する。
【0051】
このカメラモジュールは、ウェハ200において構成される。即ち、チップサイズに切断される前段階において、センサカバー24がウェハ200に固定され、更にその上にレンズ11を支持する鏡筒12が一体となったレンズ部1がウェハ200に固定される。このとき、センサカバー24及び、レンズ部1をウェハ200上の精確な位置に固定する必要があり、また、両者が接触するに際して衝撃を緩和するため、ロボットを用いて固定する。その後、ウェハ200はチップサイズに切断される。
【0052】
ここで、センサカバー24は複数のセンサカバーを一体に成形し移動しウェハ200上に載置するために、それぞれのセンサカバー24を連結している連結部241がある。しかし、もちろんこの連結部241で互いを連結しておく必要は無く、フィルム状のセンサカバーを作成し載置してもよいことは言うまでもない。同様に、レンズ部1も連結部121ではなく、フィルム状に形成した後センサカバーの上部に載置してもよい。
【0053】
また、レンズ部を後から組み立てるカメラモジュールにおいては、センサーカバーのみをウェハ200に載置して、レンズ部1を載置せずチップに細断することも可能である。
【0054】
発明の実施の形態8.
図9に発明の実施の形態8にかかるカメラモジュールの構成を示す。図9におて、図1、図5と同一の符号を付した構成は、図1、図5に示す構成と同一又は相当部を示し、その説明を省略する。発明の実施の形態8にかかるカメラモジュールは、レンズ部1、センサカバー24及びイメージセンサチップ2と、さらには、多層配線基板5を備えている。この配線基板5は、例えばポリエステルやポリイミドにより構成され、銅等によって配線されている。そして、この実施の形態にかかる配線基板5は、特に、窓部を有している。
【0055】
このカメラモジュールは、配線基板5の窓部に鏡筒が差し込まれた状態において、アンダフィル7によって配線基板5と固定されている。このアンダフィル7は、樹脂封止剤である。
【0056】
また、配線基板5の窓部の周囲には、CSP再配線層3の半田バンプ31に対応する位置に外部電極が設けられている。従って、発明の実施の形態2にかかるカメラモジュールが、配線基板5の窓部に差し込まれ、加熱処理等によって当該半田バンプ31と、配線基板5の外部電極とが電気的に接触する。
【0057】
配線基板5には、外部電極と同じ面にDSP(Digital Signal Processor)チップ6等の他のチップも搭載される。このDSPチップ6もアンダフィル7によって配線基板5に対して接着固定される。
【0058】
以上のように、この実施の形態8にかかるカメラモジュールは、配線基板の窓部に対してレンズ部が差し込まれる構成としたため、より小型化を図ることができる。また、鏡筒の外周面と配線基板の窓部の内周面とが接するような構成にすれば、両者の相対的な位置を相互に規制することになるため、位置決めが容易になる。
【0059】
また、本発明の実施の形態8にかかるカメラモジュールにおいても、イメージセンサチップ2のセンサ部21を覆うセンサカバー24を設けたため、その後の組立て等における異物の付着を防止できるとともに、例えセンサカバー24の上に異物が付着したとしてもその影響を低減できる。
【0060】
発明の実施の形態9.
図10は、発明の実施の形態9にかかるカメラモジュールの構成を示す図である。図10において、図1、図9と同一の符号を付した構成は、図1、図9に示す構成と同一又は相当部を示し、その説明を省略する。このカメラモジュールは、発明の実施の形態8にかかるカメラモジュールと同様に、窓の空いた配線基板5を備えている。そして、レンズ部1の鏡筒12がイメージセンサチップ2の上面の論理回路部22上に固定されている。この例では、鏡筒12と配線基板5とがアンダフィル7によって固定されている。このアンダフィル7は、鏡筒12の全周に亘って設けられていてもよく、また一部であってもよい。このカメラモジュールは、CSP再配線層3を有している。
【0061】
本実施の形態にかかるカメラモジュールは、例えば、センサカバー24の載置されたイメージセンサチップ2を配線基板5と固定した後に、鏡筒12をイメージセンサチップ2上に載置し、そしてアンダフィル7によって、鏡筒121と配線基板5とを固定するようにしてもよい。また、鏡筒12をイメージセンサチップ2上に固定した後に、配線基板5の窓部に下方より差し込み、そしてアンダフィル7によって、鏡筒12と配線基板5とを固定するようにしてもよい。
【0062】
さらに図11を用いて、このカメラモジュールの構成について詳細に説明する。図11において、図1、図9と同一の符号を付した構成は、図1、図9に示す構成と同一又は相当部を示し、その説明を省略する。このカメラモジュールのイメージセンサチップ2は、DSPチップ6と共に、配線基板5の下面に設けられ、封止樹脂8によって覆われている。
【0063】
イメージセンサチップ2と配線基板5の電気的な接続については、図11に示されるように複数の方法がある。例えば、イメージセンサチップ2の上面にパッドに半田金バンプ91を印刷する方法、異方性導電材92を用いる方法や再配線層3に半田バンプを用いる方法がある。
【0064】
また、図12に示されるように、イメージセンサチップ2と配線基板5の間にスペーサを設けてもよい。このような構成にすることにより、イメージセンサチップ2と配線基板5間の距離を一定にすることができ、レンズ11とイメージセンサチップ2間の距離を一定にすることができる。
【0065】
以上のように、この実施の形態9にかかるカメラモジュールは、配線基板の窓部に対してレンズ部が差し込まれる構成としたため、より小型化を図ることができる。また、レンズ部の外周面と配線基板の窓部の内周面とが接するような構成にすれば、両者の相対的な位置を相互に規制することになるため、位置決めが容易になる。
【0066】
また、本発明の実施の形態9にかかるカメラモジュールにおいては、イメージセンサチップ2のセンサ部21を覆うセンサカバー24を設けたため、その後の組立て等における異物の付着を防止できるとともに、例えセンサカバー24の上に異物が付着したとしてもその影響を低減できる。
【0067】
発明の実施の形態10.
図13は、発明の実施の形態10にかかるカメラモジュールの構成を示す図である。図13において、図1と同一の符号を付した構成は、図1に示す構成と同一又は相当部を示し、その説明を省略する。このカメラモジュールは、配線基板5と鏡筒12との間にガラス基板10を備えていることを特徴としている。このガラス基板10は、透明又は半透明の透明性を有する素材からなる基板であれば、ガラスを素材とするものでなくともよい。以下、他の実施の形態におけるガラス基板も同様である。
【0068】
ガラス基板10の上面に鏡筒12が接着固定されている。そして、ガラス基板10の下面に配線基板5が固定されている。さらに、配線基板5とイメージセンサチップ2が固定されている。配線基板5は、窓部を有し、イメージセンサチップ2のセンサ部21がその窓部から露出するような位置においてイメージセンサチップ2と固定されている。
【0069】
このカメラモジュールにおいて、入射された外光は、レンズ11を通過後、ガラス基板10を通過し、イメージセンサチップ2上のセンサ部21に入射する。
【0070】
この実施の形態10にかかるカメラモジュールは、以上のような構成を有するため、小型化が可能である。さらに、イメージセンサチップ2のセンサ部21がセンサカバー24によりカバーされているため、ガラス基板10に取り付けるまでの間に、埃や塵等の異物がセンサ部21上に混入することを防止することができ、画質の低下を防止することができる。
【0071】
発明の実施の形態11.
図14は、発明の実施の形態11にかかるカメラモジュールの構成を示す図である。図14において、図1と同一の符号を付した構成は、図1に示す構成と同一又は相当部を示し、その説明を省略する。このカメラモジュールは、発明の実施の形態10にかかるカメラモジュールと同様に配線基板5と鏡筒12との間にガラス基板10を備えている。さらに、このカメラモジュールは、配線基板5とイメージセンサチップ2との間に、スペーサ94を有し、これら配線基板5とイメージセンサチップ2とを異方性導電材92によって電気的な接触を図っている。
【0072】
ガラス基板10の上面に鏡筒12が接着固定されている。そして、ガラス基板10の下面に配線基板5が固定されている。さらに、配線基板5とイメージセンサチップ2が固定されている。配線基板5は、窓部を有し、イメージセンサチップ2のセンサ部21がその窓部から露出するような位置においてイメージセンサチップ2と固定されている。
【0073】
このカメラモジュールにおいて、入射された外光は、レンズ11を通過後、ガラス基板10を通過し、イメージセンサチップ2上のセンサ部21に入射する。
【0074】
この実施の形態11にかかるカメラモジュールは、以上のような構成を有するため、小型化が可能である。さらに、イメージセンサチップ2のセンサ部21がセンサカバー24によりカバーされているため、埃や塵等の異物がセンサ部21上に混入することを防止することができ、画質の低下を防止することができる。
【0075】
イメージセンサチップ2と配線基板5の間にスペーサを設けているため、イメージセンサチップ2と配線基板5間の距離を一定にすることができ、レンズ11とイメージセンサチップ2間の距離を一定にすることができる。
【0076】
発明の実施の形態12.
以上、種々のカメラモジュールの実施形態について述べてきたが、センサカバー24自体はカバーの形状としてセンサの前面に隙間を有するとして凹部のある形状として説明してきた。これは、センサ表面とカバー前面の間をセンサ1画素間隔の5倍以上、望ましくは10倍以上の距離を保てばカバー前面の異物の影響を防止できることから、説明の容易さから模式的に表してきたが、もちろん、このカバーの形状に種々の実施の形態があることは言うまでもない。
【0077】
その一例を、発明の実施の形態12にかかるカメラモジュールの一部を示す図15により説明する。図15において、図1と同一の符号を付した構成は、図1に示す構成と同一又は相当部を示し、その説明を省略する。同図において242はフィルム状のセンサカバーである。このセンサカバー242は、ボンディングパッド23の上は空隙を設けて、カバーがボンディングの妨げにならないような構成としている。このような構造とすることにより、図8において説明したセンサカバー24と連結部241の代わりに、ボンディングパッドの上だけ空隙を開けたセンサカバー用フィルムをウェハ200上に載置することにより、センサカバーの設置を行なうことができる。このようなカバーの構成であれば、カバー自体の製造も容易となり、精度を維持しつつ従来の問題点を低コストに解決することができる。
【0078】
次に、図16にカメラモジュールのセンサ部21の一部を模式的に詳細に示し、センサカバー24の作用を説明する。図16において、図1と同一の符号を付した構成は、図1に示す構成と同一又は相当部を示し、その説明を省略する。図16において、211はマイクロレンズ、2121〜2124はカラーフィルタ、2131〜2134は受光フォトダイオードを示している。不図示のレンズ101を通過した光は、センサカバー242、マイクロレンズ211、カラーフィルタ2121他を通過して受光フォトダイオード2124他に入射する。ここで、センサカバー242は平行平板状であり、マイクロレンズ211との間に間隙243があるため、センサカバー24が凹部の構造であった場合となんら変わりなくマイクロレンズ21aの集光作用が成立する。従って、先に説明した他の実施の形態にかかるカメラモジュールと同一の作用を有する。ここで、センサカバー242の厚みは、フォトダイオード213の間隔の5倍以上であればよく、さらに好ましくは10倍以上あればよい。例えば、フォトダイオード213の間隔が5μmである場合には、センサカバー242の厚みを50μmとする。
【0079】
以上、センサカバー24がフィルム状であってもよいことを説明したが、それ以外の形状でも同様な効果を得られることはもちろんである。その一例として、図17にカメラモジュールのセンサ部分の拡大図を示し、以下説明する。図17において、244はセンサカバーであり、ここではマイクロレンズ211との間に空隙をなくしている。また、245はセンサカバー24dの表面からマイクロレンズ211の先端までの距離を示しており、十分大きければ異物の付着による問題点を防止できる。
【0080】
なお、ここで、センサカバー24dの屈折率が大である場合、マイクロレンズ211の集光作用に影響を及ぼすが、屈折率が小である材料でセンサカバー244を製造すればなんら問題がない。もちろん、マイクロレンズ211をセンサカバー244に合わせて設計、製造してもよい。
【0081】
また、このようなセンサカバー244は、マイクロレンズ211上にセンサカバー244の材料を塗布、充填後、硬化させてもよい。このときセンサカバー244を形成するための樹脂(例えば、紫外線硬化樹脂)をスピンコート等の方法により塗布すると、容易に膜厚の均一なセンサカバー244を形成することができる。また、このようなセンサ部21に接する構造のセンサカバーに対しては、レンズ部1を直接載置しても、或いは、イメージセンサチップ2に接触するようにセンサカバーに空隙を空けていてもよい。
【0082】
以上、上記、発明の実施の形態1乃至12において、レンズ部はレンズと鏡筒とから構成されるように説明してあるが、樹脂成形等によりレンズと鏡筒は一体構造とすることもできる。この場合レンズ透過光以外がイメージセンサへ漏れこむことを防止するため、レンズ相当部以外は黒色等の光を透過させない不透明な材料を使用した成形とする。または、すべて透明材料で成形した後、鏡筒相当部を不透明材料で塗装する、もしくはチューブを被せるなどの遮光処理を施す。
【0083】
このようにレンズ相当部と鏡筒相当部を一体化しても、本発明の効果は変わらない。また、レンズ相当部は非球面の1枚構成としてあるが色収差等の補正のため複数枚構成としてもよい。
【0084】
また、センサカバー或いは前記レンズ部に光の波長に対するイメージセンサの感度を人間のそれに近づけるように補正するため、赤外線カットフィルターを配置しても、本発明の効果は変わらない。また、イメージセンサのサンプリング作用による画質の悪化を防止するため、光学的ローパスフィルターを追加してもよい。また、入射する光量を制限する絞りを取り付けてもよい。
【0085】
なお、レンズ部を取り付ける際にレンズ支持部のガイドを設けることを先に述べたが、これに関する発明の実施の形態を図18に示し、その例に従い説明する。同図において(a)は、図1において示したセンサカバー24にガイド部24aを設置した例を示しており、レンズ支持部12をイメージセンサチップ2に接触させている。(b)は、図3において示したセンサカバー24にガイド部24bを設置した例を示しており、レンズ支持部12をセンサカバー24に接触させている。(c)は図15において示したフィルム状のセンサカバー242にガイド部24cを設置した例を示しており、レンズ支持部12をイメージセンサチップ2に接触させている。なお、この場合、図に示すようにガイドとして空隙を設けることを想定している。このガイドは、その用に供するならば、テーパ状、凸或いは凹状、更には空隙、その他でもよいことは言うまでもない。
【0086】
さらに、このようなガイドが有効な例として、センサカバーのみであるとは限らないことは言うまでもない。その例として図18の(d)を示し、以下説明する。同図は、従来の例を説明した図20に於いてのイメージセンサチップを収納するパッケージを示したものである。すなわち、イメージセンサチップを収納したパッケージにレンズを設置する場合、通常、パッケージを載せた基板に設置する。しかし、それでは基板を介してレンズとイメージセンサチップの位置が決められてしまう問題点がある。そこで、本例では、直接パッケージにレンズ支持部を設置することとした。
【0087】
図18の(d)において、パッケージ108の一部に設けられたガイド部を108dで示している。ガイド部108dは、パッケージ108の周辺部に形成された凹みであり、その全周にわたって設けられている。このガイド部108dの凹みにレンズ支持部である鏡筒12が挿入される形で設置されることにより位置決めが容易となり、また組立て精度も向上する。
【0088】
以上、ガイド部をセンサカバー等に設けることを説明したが、センサカバーに更に機能を追加してもよいことは言うまでも無い。これは、先に、センサカバー或いは前記レンズ部に赤外カットフィルター等を配置してもよい等のことを述べたが、これに対応して、赤外カットフィルター機能等をセンサカバー自体に持たせてることであり、種々の機能を付加できる。
【0089】
例えば、赤外部分を不透明にする顔料等を混入した材料等によりセンサカバーを製造したり、カバーの表面に薄膜を蒸着し赤外部分を不透過とするように製造したりすることにより赤外カットフィルター機能を容易に実現できる。
【0090】
更に、光を散乱させることにより光学的ローバスフィルタ−機能を、或いは、光の強度に反応に透過率が変更する材料を用いて絞りの代用の機能を持たせる等の、他の様々な光学的な機能を持たせることが出来ることは言うまでもない。
【0091】
このように光学的機能を持たせたセンサカバーであれば、製造工程において、複数のイメージセンサチップにセンサカバーを一体に取り付けた後、各イメージセンサチップを切り離すだけであり、量産性に優れるとともに、低コスト、小型化等を実現できる。
【0092】
更に、単にカバー単独に機能を持たせるだけでなく、カバーの機能を外部からコントロールすることも容易に実現できることは言うまでもない。これはセンサカバーがイメージセンサチップに密着していることから可能となる。すなわち、イメージセンサチップにおいては他の信号処理回路との結線をする必要があり、必ず、電気的コンタクトを必要とする。そのため、この電気的コンタクトを流用或いは、センサカバーの制御の為に専用に追加することにより、センサカバーの機能を制御し、新たに積極的に光学的機能を制御できるようになる。
【0093】
この例としてシャッタ動作を有するセンサカバーを、図19の(a)に示し、以下説明する。同図において、24b1は液晶部、24b2は偏光フィルタ、24b3は透明電極、24b5は透明電極である。24b4は24b2の偏光フィルタとは偏光方向が異なる或いは同一の偏光フィルタであり、機能によって設置方向を変更する。また、23aは透明電極24b2に設けたコンタクトパッド部、23dは透明電極24b5と電気的コンタクトを有するコンタクトパッドであり、ここでは、コンタクトパッドエリアを延長し透明電極24b5と電気的接触を持たせる例を示している。なお、24bはセンサカバーの一部として示しているが、ここでは、液晶部24b1を保持する為のセパレータとしての作用を持ち、更に、別のイメージセンサチップ上の同様なセンサカバーとの連結を保つ為の保持部をなしている。
【0094】
更に、23b及び23cはボンディングワイヤーでありコンタクトバッド部23a及びコンタクトパッド23dと電気的に接触し、不図示の基板と導通を保っている。ここでは、説明のため、特にこの二つのボンディングワイヤーを示している。
【0095】
このような構成により、ボンディングワイヤー23bと23cに電圧を印加すると、液晶部24bで偏光が生じ、入射光を通過或いは遮断する。このような動作によりシャッタ機能を有するセンサカバーを実現できる。
【0096】
以上、ボンディングワイヤーをセンサカバー上面のコンタクトパッド部23aまで伸ばした例を示したがこれに限るものではないことは言うまでもない。図19の(b)にその一例を示し、以下説明する。同図に置いて、24b6及び24b7は電極であり、24b8に於いて空隙を有し分離されている。ここで24b2に電界により変化するいわゆるエレクトロクロミック系の材料によりセンサカバーを生成しておき、電極24b6,24b7を通じて電界を印加することにより遮光作用を起こさせ、(a)に於いて説明したシャッタ機能と同様な機能をより簡便に実現できる。
【0097】
【発明の効果】
本発明によれば、シャッター機構を内蔵した小型化で、かつ生産性が高いカメラモジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるカメラモジュールの構造図である。
【図2】本発明の実施の形態2にかかるカメラモジュールの構造図である。
【図3】本発明の実施の形態3にかかるカメラモジュールの斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態4にかかるカメラモジュールの構造図である。
【図5】本発明の実施の形態5にかかるカメラモジュールの構造図である。
【図6】本発明の実施の形態6にかかるカメラモジュールの構造図である。
【図7】本発明の実施の形態7にかかるカメラモジュールの構造図である。
【図8】本発明の実施のカメラモジュールの斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態8にかかるカメラモジュールの構造図である。
【図10】本発明の実施の形態9にかかるカメラモジュールの構造図である。
【図11】本発明の実施のカメラモジュールの構造図である。
【図12】本発明の実施のカメラモジュールの一部を示す断面図である。
【図13】本発明の実施の形態10にかかるカメラモジュールの構造図である。
【図14】本発明の実施の形態11にかかるカメラモジュールの構造図である。
【図15】本発明の実施の形態12にかかるカメラモジュールの構造図である。
【図16】本発明の実施のカメラモジュールの一部を示す構造図である。
【図17】本発明の実施のカメラモジュールの一部を説明する構造図である。
【図18】本発明の実施のレンズガイド部の例を示す構造図である。
【図19】本発明の実施のセンサカバーの機能の例を示す構造図である。
【図20】従来のカメラモジュールの一例を示す構造図である。
【図21】先願のカメラモジュールの実施の形態を説明する構造図である。
【符号の説明】
1 レンズ部
2 イメージセンサチップ
5 配線基板
11 レンズ
12 鏡筒
21 センサ部
24 センサカバー
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラモジュールとその製造方法に関するものであり、より詳しくは、レンズ、レンズを支持する鏡筒及びカバーを有するイメージセンサチップを備えたカメラモジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話、携帯端末(PDA)やカードカメラ等の用途に、カメラモジュールが広く使用されている。ここで従来のカメラモジュールの構造例を図20に示す。図20に示されるように、カメラモジュールは、基板104上にイメージセンサチップ106を収容したパッケージ108が載置され、半田103により固定されている。このパッケージ108の上部には、カバーガラス105が設けられており、上部から光が入射されるよう構成されている。
【0003】
そして、パッケージ108を包囲する鏡筒102によってレンズ101が支持されている。この鏡筒102は、筒状の構成を有し、2つの部材により構成されている。そして、鏡筒102を構成する2つの部材は、相対的に移動可能であり、焦点調整のために、レンズ101とイメージセンサチップ106間の距離を変更できる。
【0004】
ここで、携帯電話等に用いられるカメラモジュールは、携帯電話等が小型化されるに伴って、さらなる小型化が要請されている。しかしながら、従来のカメラモジュールは、図20に示されるような構成を有しているため、小型化することは困難であった。
【0005】
また、従来のカメラモジュールは、レンズ101とイメージセンサチップ106間の経路長を決定するための構成が、レンズ101、鏡筒102を構成する2つの部材、基板104、パッケージ108及びイメージセンサチップ106と多数存在するため、各構成の寸法誤差及びそれら相互の接続による誤差が積み重ねられ、レンズ101とイメージセンサチップ106間の経路長のバラツキが大きく、焦点精度が低くなる傾向にある。
【0006】
これを解決する手法として、本願出願人は、直接、イメージセンサチップ上にレンズの鏡筒を載置して固定することにより、バッケージ等の誤差要因を排除する構造を発明し、特願2001−238568「カメラモジュール」(以下、先の出願とする)を出願している。この先の出願については、本件出願時において公開されていたものではなく、公知技術ではないが、本発明の課題の理解のために説明する。図21は先の出願において、発明の実施の形態1として説明された、カメラモジュールの主要部を示す構造図である。このカメラモジュールは、レンズ部1とイメージセンサチップ2を備えている。ここで、レンズ部1は、レンズ11と鏡筒12により構成されている。
【0007】
レンズ11は、この例では、非球面凸レンズであり、入射された光をイメージセンサチップ2の表面上で結像させる機能を有する。鏡筒12は、円筒状等の形状を有し、その内周部の所定の位置においてレンズ11を支持している。
【0008】
また、イメージセンサチップ2は、センサ部21、論理回路部22及びボンディングパッド23を有している。センサ部21は、当該イメージセンサチップ2の表面上に形成され、光学的な情報を電気信号に光電変換し、撮像信号を処理する素子である。この素子は、光電変換を行なう多数の読取画素を有する。
【0009】
このように配置することにより、レンズ11からセンサ部21までは、支持部としては鏡筒12しかなく、この鏡筒12の構造的な精度が焦点に対する精度を実質的に決める。その為、高精度な構造を構成できるとともに、センサとレンズ部しかないので、小型化の要請にも十分応えることが可能となる。
【0010】
先の出願に記載された構成によれば、小型化、焦点精度の向上を図ることができる。しかし、このカメラモジュールは、センサ部とレンズ部を一体に製造することについては問題ないが、これ以外の製造方法が必要な場合、例えば、センサ部を製造した後、後日レンズ部を取り付ける等の製造工程を採用する場合には、センサ部21が保管或いは組立て等の雰囲気中に暴露されることにより、ゴミ等の異物がセンサ面上に付着する機会が増加し、そのため、カメラモジュールの歩留まりを低下させる問題点があった。
【0011】
センサ面上には、通常、受光素子ごとにマイクロレンズが形成されている。そのマイクロレンズ上に異物が付着すると受光素子への光の入射が無くなり、画像上に黒点となり、画質の悪化を招く。また一度異物が付着すると、マイクロレンズの表面は凹凸形状を有しているため、取り除くことが困難である。
【0012】
この問題は、もちろん、図20で示した従来のカメラモジュールでも発生する。図20において、イメージセンサチップ106が収容されたパッケージ108が基板104上に配置されてカメラモジュールが構成されている。この構成では、基板104とパッケージ108を組み立てた後、更に鏡筒102等を配置し組み立てるという順序でカメラモジュールを組み立てるが、その前に、パッケージ108上にイメージセンサチップ106を配置しボンディングワイヤー107により組み立てる工程を経る必要がある。その場合、一旦、ウェハからカットし、パッケージ108に配置し、さらにボンディングワイヤー107によりパッケージ108の端子109と接続し、その後、カバーガラス105を付けるという、一連の工程を行なう必要がある。
【0013】
そのため、一連の工程の間、イメージセンサチップ106は組立作業場の雰囲気中に晒され続けることになり、センサ面上に異物が付着しやすくなる問題点がある。この場合、カバーガラス107を配置した後では異物を取り除けないので、更に、不良率の引き下げが困難となる。
【0014】
尚、イメージセンサチップ上に撮像レンズを固定する技術は、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4等に開示されているが、いずれも異物の付着の問題点を解決するものではない。
【0015】
【特許文献1】
特開昭61−154369号公報
【特許文献2】
特開平9−284617号公報
【特許文献3】
特開2000−98223号公報
【特許文献4】
特開2000−49319号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来のカメラモジュールは、レンズ表面に異物が付着し、生産性を低下させるという問題点があった。
【0017】
また、カメラモジュール自身にはシャッター機構がなくカメラモジュール以外にシャッター機構を別途配置する必要がありカメラの薄型化の障害になるとともに、製造工程増加による生産性の悪さが問題となっていた。
【0018】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、カメラモジュールおよびデジタルカメラの小型化が可能で、かつ生産性が高いカメラモジュールを提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかるカメラモジュールは、レンズと、前記レンズを介して入射された光に基づき撮像信号を処理するイメージセンサチップとを備え、前記イメージセンサチップのセンサ部上を覆うセンサカバーに光学的機能を持たせたものである。このような構成により、異物の付着を防止できるとともに、例えセンサカバーの上に異物が付着したとしてもその影響を低減できる。
【0020】
さらに、センサカバーに2枚の透明電極と透明電極間に位置する液晶層と、前記透明電極に電圧を印加するための外部接続部から構成されるシャッター機構を付加することでカメラモジュールの小型化・低コスト化を実現することが出来る。
【0021】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態1.
図1は、発明の実施の形態1にかかるカメラモジュールの主要部を示す構造図である。図1(a)は当該カメラモジュールの側面図を、図1(b)は当該カメラモジュールの上面図を示す。このカメラモジュールは、レンズ部1とイメージセンサチップ2を備えている。ここで、レンズ部1は、レンズ11と鏡筒12により構成されている。イメージセンサチップ2は、センサ部21、論理回路部22及びボンディングパッド23を有している。
【0022】
以下、カメラモジュールの構成についてさらに詳細に説明する。
レンズ11は、この例では、非球面凸レンズであり、入射された光をイメージセンサチップ2の表面上で結像させる機能を有する。
【0023】
鏡筒12は、円筒状或いは角形等の形状を有し、その内周部の所定の位置においてレンズ11を支持している。但し、鏡筒12は、レンズ支持部として機能していている。このレンズ支持部は、筒状に構成される必要はない。例えば、レンズ支持部は、レンズ11を単数又は複数の点で支えるようにしてもよい。鏡筒12は、センサカバー24が設けられていない間隙の部分において、イメージセンサチップ2の論理回路部22上に固定されている。この例では、センサカバー24は、四方向に延出する連結部241を備えているため、この部分以外の4箇所において鏡筒12がイメージセンサチップ2に固定される。
【0024】
鏡筒12とイメージセンサチップ2は、例えば、紫外線硬化樹脂によって接着される。この場合、イメージセンサチップ2に対して、予め定められた位置に鏡筒12を載置し、その後、イメージセンサチップ2と鏡筒12が接着されるように紫外線硬化樹脂を塗布する。または、イメージセンサチップ2又は鏡筒12のいずれか一方又は双方に紫外線硬化樹脂を塗布した後に、両者の位置決めをするようにしてもよい。そして、紫外線をこの紫外線硬化樹脂に照射することによってイメージセンサチップ2と鏡筒12とを接着固定する。このように、図1に示すカメラモジュールにおいては、レンズを支持するレンズ支持部をイメージセンサチップ上に直接固定するようにしたため、小型化を図ることができる。そして、レンズとイメージセンサチップの間の部材がレンズ支持部のみであることから、積み上げ誤差が少なく、両者の相対的な位置を精確に固定することができる。
【0025】
鏡筒12は、図1(b)に示されるように、隣接するイメージセンサチップ2の鏡筒12と連結する連結部121を有する。この連結部121は、ダイシングの際に切断される。
【0026】
このように、論理回路部22上に鏡筒12を載置することによって、通常は利用されていない論理回路部22の上方の領域を有効活用することができる。特に、今後、さらにセンサ部21と論理回路部22の1チップ化が進むことが推測されるため、論理回路部22の上方の領域を活用するこの技術の価値は高い。
【0027】
イメージセンサチップ2のセンサ部21は、当該イメージセンサチップ2の表面上に形成され、光学的な情報を電気信号に変換し、撮像信号として出力する素子である。この素子は、多数の読取画素を有する。ここで、イメージセンサチップ2は、レンズ11を介して入射された光に基づき撮像信号を処理すればよく、撮像信号自体を出力する必要はない。イメージセンサチップ2は、例えば、撮像信号を予め定めた信号と比較したり、過去の撮影により得られた撮像信号と比較することによって、画像の変化を認識し、変化したか否かを示す信号だけを出力する構成であってもよい。
【0028】
センサ部21は、例えば、CCD素子やCMOS素子である。このセンサ部21は各読取画素の上方には複数のマイクロチップレンズが形成されており、入射光を読取画素に対して集光させる。
【0029】
論理回路部22は、センサ部21から出力された電気信号に対して、増幅処理、ノイズ除去処理等の種々の信号処理を行なう。
【0030】
ボンディングパッド23は、論理回路部22と電気的に接続された入出力端子である。このボンディングパッド23は、ワイヤボンディングにより外部の電極と電気的に接続される。例えば、当該イメージセンサチップ2を携帯電話、携帯端末(PDA)やカードカメラを構成する配線基板の上に設置し、ボンディングパッド23と前記配線基板とをワイヤーボンディングにて電気的に接続する。また、抵抗、コンデンサー等の受動部品、トランジスター、LSI等の能動部品が搭載されたサブ配線基板に当該イメージセンサチップ2を設置してボンディングパッド23と前記サブ配線基板とをワイヤーボンディングにて電気的に接続し、前記サブ配線基板を携帯電話、携帯端末(PDA)やカードカメラと電気的に接続することもできる。
【0031】
センサカバー24は、少なくともセンサ部21の上を保護するように配置し、センサ部21への異物の付着を防いでいる。センサカバー24は、センサ部21の領域外においてイメージセンサチップ2と固定される接触部を有する。そして、センサカバー24とセンサ部21との間には間隙が形成される。センサーカバー24は、例えば、透明性を有する合成樹脂やガラスによって形成される。この合成樹脂には、シリコン樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ナイロン樹脂等種々の樹脂が含まれる。センサカバー24は、イメージセンサチップ2上に接着又は圧着される。接着の場合には、例えば紫外線硬化樹脂が用いられる。このセンサカバー24は、カメラモジュールの製造段階において形成され、カメラモジュールの使用段階においても継続して取り付けられる。即ち、センサカバー24は、使用段階において取り外されるものではない。従って、センサカバー24は、入射光を通過させる透明性を有している必要がある。但し、センサカバー24の全体が透明性を有している必要はなく、センサ部21に対する入射光が遮蔽されない部分は透明性を有していなくても良い。
【0032】
センサカバー24の入射面、即ちレンズ11側の面と、センサ部21の表面との間の距離は、所定距離以上である必要がある。レンズ11を通過した入射光は、徐々に収束し、センサ部21で結像するため、同じ大きさの異物であってもセンサ部21に直接に付着した場合と、センサ部21より所定距離ほど離れたセンサカバー24に付着した場合とでは、センサ部21において撮像される画像上の大きさが異なる。具体的には、レンズ11が収束レンズである場合、センサカバー24の入射面がセンサ部21より離れれば離れるほど、センサカバー24に付着した異物がセンサ部21の画像上小さく映し出され、異物の付着の影響を少なくすることができる。例えば、センサカバー24の入射面とセンサ部21の表面との距離が、センサ部21内の読取画素間の距離の5倍以上であることが好ましい。さらに好ましくは、センサカバー24の入射面とセンサ部21の表面との距離が、センサ部21内の読取画素間の距離の10倍以上である。
【0033】
ここで、センサカバー24は、図1(b)に示されるように、隣接するイメージセンサチップ2のセンサカバー24と連結する連結部241を有する。この連結部241は、ダイシングの際に切断される。センサカバー24は、この連結部241によってウェハ上のチップ全てが一体的に形成される。
【0034】
また、光学的精度を維持するため、鏡筒12とイメージセンサチップ2とが直接に接するように鏡筒12とイメージセンサチップ2との接触部分にはセンサカバー24が設けられておらず、センサカバー24の空隙が設けられている。同様に、配線を容易にする為ボンディングパッド23の上もセンサカバー24が設けられておらず、センサカバー24の空隙が設けられている。
【0035】
ここで、簡単に、このカメラモジュールの製造工程について説明する。まず、ウェハ上にセンサ部21、論理回路部22、ボンディングパッド23を形成する。さらに、センサカバー24、レンズ部1を形成する。その後に、ウェハをダイシングしてイメージセンサチップ2を切り出す。このとき、センサカバー24の連結部241及び鏡筒12の連結部241も切断される。
【0036】
このように、本発明の実施の形態1にかかるカメラモジュールにおいては、イメージセンサチップ2のセンサ部21を覆うセンサカバー24を設けたため、その後の組立て等における異物の付着を防止できるとともに、例えセンサカバー24の上に異物が付着したとしてもその影響を低減できる。
【0037】
更に、鏡筒12とイメージセンサチップ2とが直接に接するように、センサカバー24に空隙を設けることにより、光学上の精度を確保し、組立てに際しての配線の容易さを維持できる。なお、これを実現する為には、一体にウェハ上に設けるセンサカバー24に対して、予め空隙のパターンを生成しておくことで容易に実現できる。
【0038】
発明の実施の形態2.
図2を用いて発明の実施の形態2にかかる他のカメラモジュールの構成を説明する。図2において、図1と同一の符号を付した構成は、図1に示す構成と同一又は相当部を示し、その説明を省略する。図2に示す構成ではセンサカバー24でセンサ部21を覆うことを第一として構成したものである。即ち、センサカバー24は、センサ部21のみを覆っている。この場合、センサカバー24をウェハ段階で一体に取り付けるために、各イメージセンサチップ2に対応したセンサカバー24を多数個一体に形成したものをウェハに取り付けることが、量産性の観点から好都合である。
【0039】
本発明の実施の形態2にかかるカメラモジュールにおいても、イメージセンサチップ2のセンサ部21を覆うセンサカバー24を設けたため、その後の組立て等における異物の付着を防止できるとともに、例えセンサカバー24の上に異物が付着したとしてもその影響を低減できる。
【0040】
発明の実施の形態3.
図3を用いて、本発明の実施の形態3にかかるカメラモジュールの構成を説明する。図3において、図1と同一の符号を付した構成は、図1に示す構成と同一又は相当部を示し、その説明を省略する。このカメラモジュールは、レンズ部1とセンサカバー24及びイメージセンサチップ2の配置が他の実施の形態と異なる。この例では、イメージセンサチップ2の上にセンサカバー24を配置した後、更にその上にレンズ部1を配置したものである。このようにした場合でも、センサカバー24の寸法精度を確保すれば、光学的精度の低下を防止できるとともに、積み重ねて配置したのみであるので、センサモジュール自体の製作も容易に実施できる。
【0041】
本発明の実施の形態3にかかるカメラモジュールにおいては、イメージセンサチップ2のセンサ部21を覆うセンサカバー24を設けたため、その後の組立て等における異物の付着を防止できるとともに、例えセンサカバー24の上に異物が付着したとしてもその影響を低減できる。
【0042】
発明の実施の形態4.
図4を用いて、本発明の実施の形態4にかかるカメラモジュールの構成について説明する。図4において、図1と同一の符号を付した構成は、図1に示す構成と同一又は相当部を示し、その説明を省略する。上述した他の実施の形態では、レンズ部1をセンサカバー24とほぼ連続した作業工程により一体的に取り付けることを前提として説明したが、従来のようにレンズ部1を後に取り付けることも想定されるため、それに対応した構造も可能である。発明の実施の形態4では、センサカバー24をイメージセンサチップ2の上に載置し、後の組立製造工程での異物の付着防止を図っている。
【0043】
以上のように、レンズ構造や製造工程等の変更に従いセンサカバー24形状等を変更しイメージセンサチップ2上に載置することにより、それぞれの場合に適する形態を選択すればよい。
【0044】
本発明の実施の形態4にかかるカメラモジュールにおいても、イメージセンサチップ2のセンサ部21を覆うセンサカバー24を設けたため、その後の組立て等における異物の付着を防止できるとともに、例えセンサカバー24の上に異物が付着したとしてもその影響を低減できる。
【0045】
発明の実施の形態5.
図5を用いて発明の実施の形態5にかかる他のカメラモジュールの構成を説明する。図5において、図1と同一の符号を付した構成は、図1に示す構成と同一又は相当部を示し、その説明を省略する。図5に示す構成では、CSP(Chip Size Package)再配線層3を有している。このCSP再配線層3は、光学窓を備えており、その光学窓の部分においてセンサカバー24及び鏡筒12がイメージセンサチップ2上に接着固定されている。CSP再配線層3は、その上部に半田バンプ31が複数設けられている。この半田バンプ31は、イメージセンサチップ2に設けられた論理回路部22と銅配線等によって電気的に接続されている。
【0046】
この図5に示すカメラモジュールも、図1に示す構成と同様にレンズ部1をイメージセンサチップ2上に直接固定するようにしたため、小型化を図ることができる。そして、レンズ11とイメージセンサチップ2の間の部材が鏡筒12のみであることから、積み上げ誤差が少なく、両者の相対的な位置を精確に固定することができる。
【0047】
本発明の実施の形態5にかかるカメラモジュールにおいても、イメージセンサチップ2のセンサ部21を覆うセンサカバー24を設けたため、その後の組立て等における異物の付着を防止できるとともに、例えセンサカバー24の上に異物が付着したとしてもその影響を低減できる。
【0048】
発明の実施の形態6.
次に、先の図4に示すカメラモジュールにおいても、発明の実施の形態5において説明した図5のCSP再配線層3を有するような構成とすることもできる。その場合の構成を発明の実施の形態6として図6に示す。図6において、図1及び図5と同一の符号を付した構成は、図1及び図5に示す構成と同一又は相当部を示し、その説明を省略する。図5では再配線層3を有するイメージセンサチップ2にセンサカバー24を載置して構成している。レンズ部1は、後に搭載することを前提にした構造である。このように構成することにより、レンズ部を別の工程、或いは組立工場において搭載しても、異物の付着による性能劣化を防止することが可能である。
【0049】
発明の実施の形態7.
レンズ部1を搭載する場所は変更しても良く、その一例として発明の実施の形態7を示す図7を用いて説明する。図7において、図1と同一の符号を付した構成は、図1に示す構成と同一又は相当部を示し、その説明を省略する。先に図5で示した発明の実施の形態5では、再配線層3の空隙を通してイメージセンサチップ2の上に直接レンズ部1を搭載しているのに対し、本例ではレンズ部1を再配線層3の上に設置して、モジュールの組立てを容易にすることを狙ったものである。
【0050】
以上、カメラモジュールの構造について種々の例をあげて説明したが、発明の実施の形態7にかかるカメラモジュールを例にして、カメラモジュールのセンサカバー24等の載置方法について、図8を用いてさらに詳細に説明する。
【0051】
このカメラモジュールは、ウェハ200において構成される。即ち、チップサイズに切断される前段階において、センサカバー24がウェハ200に固定され、更にその上にレンズ11を支持する鏡筒12が一体となったレンズ部1がウェハ200に固定される。このとき、センサカバー24及び、レンズ部1をウェハ200上の精確な位置に固定する必要があり、また、両者が接触するに際して衝撃を緩和するため、ロボットを用いて固定する。その後、ウェハ200はチップサイズに切断される。
【0052】
ここで、センサカバー24は複数のセンサカバーを一体に成形し移動しウェハ200上に載置するために、それぞれのセンサカバー24を連結している連結部241がある。しかし、もちろんこの連結部241で互いを連結しておく必要は無く、フィルム状のセンサカバーを作成し載置してもよいことは言うまでもない。同様に、レンズ部1も連結部121ではなく、フィルム状に形成した後センサカバーの上部に載置してもよい。
【0053】
また、レンズ部を後から組み立てるカメラモジュールにおいては、センサーカバーのみをウェハ200に載置して、レンズ部1を載置せずチップに細断することも可能である。
【0054】
発明の実施の形態8.
図9に発明の実施の形態8にかかるカメラモジュールの構成を示す。図9におて、図1、図5と同一の符号を付した構成は、図1、図5に示す構成と同一又は相当部を示し、その説明を省略する。発明の実施の形態8にかかるカメラモジュールは、レンズ部1、センサカバー24及びイメージセンサチップ2と、さらには、多層配線基板5を備えている。この配線基板5は、例えばポリエステルやポリイミドにより構成され、銅等によって配線されている。そして、この実施の形態にかかる配線基板5は、特に、窓部を有している。
【0055】
このカメラモジュールは、配線基板5の窓部に鏡筒が差し込まれた状態において、アンダフィル7によって配線基板5と固定されている。このアンダフィル7は、樹脂封止剤である。
【0056】
また、配線基板5の窓部の周囲には、CSP再配線層3の半田バンプ31に対応する位置に外部電極が設けられている。従って、発明の実施の形態2にかかるカメラモジュールが、配線基板5の窓部に差し込まれ、加熱処理等によって当該半田バンプ31と、配線基板5の外部電極とが電気的に接触する。
【0057】
配線基板5には、外部電極と同じ面にDSP(Digital Signal Processor)チップ6等の他のチップも搭載される。このDSPチップ6もアンダフィル7によって配線基板5に対して接着固定される。
【0058】
以上のように、この実施の形態8にかかるカメラモジュールは、配線基板の窓部に対してレンズ部が差し込まれる構成としたため、より小型化を図ることができる。また、鏡筒の外周面と配線基板の窓部の内周面とが接するような構成にすれば、両者の相対的な位置を相互に規制することになるため、位置決めが容易になる。
【0059】
また、本発明の実施の形態8にかかるカメラモジュールにおいても、イメージセンサチップ2のセンサ部21を覆うセンサカバー24を設けたため、その後の組立て等における異物の付着を防止できるとともに、例えセンサカバー24の上に異物が付着したとしてもその影響を低減できる。
【0060】
発明の実施の形態9.
図10は、発明の実施の形態9にかかるカメラモジュールの構成を示す図である。図10において、図1、図9と同一の符号を付した構成は、図1、図9に示す構成と同一又は相当部を示し、その説明を省略する。このカメラモジュールは、発明の実施の形態8にかかるカメラモジュールと同様に、窓の空いた配線基板5を備えている。そして、レンズ部1の鏡筒12がイメージセンサチップ2の上面の論理回路部22上に固定されている。この例では、鏡筒12と配線基板5とがアンダフィル7によって固定されている。このアンダフィル7は、鏡筒12の全周に亘って設けられていてもよく、また一部であってもよい。このカメラモジュールは、CSP再配線層3を有している。
【0061】
本実施の形態にかかるカメラモジュールは、例えば、センサカバー24の載置されたイメージセンサチップ2を配線基板5と固定した後に、鏡筒12をイメージセンサチップ2上に載置し、そしてアンダフィル7によって、鏡筒121と配線基板5とを固定するようにしてもよい。また、鏡筒12をイメージセンサチップ2上に固定した後に、配線基板5の窓部に下方より差し込み、そしてアンダフィル7によって、鏡筒12と配線基板5とを固定するようにしてもよい。
【0062】
さらに図11を用いて、このカメラモジュールの構成について詳細に説明する。図11において、図1、図9と同一の符号を付した構成は、図1、図9に示す構成と同一又は相当部を示し、その説明を省略する。このカメラモジュールのイメージセンサチップ2は、DSPチップ6と共に、配線基板5の下面に設けられ、封止樹脂8によって覆われている。
【0063】
イメージセンサチップ2と配線基板5の電気的な接続については、図11に示されるように複数の方法がある。例えば、イメージセンサチップ2の上面にパッドに半田金バンプ91を印刷する方法、異方性導電材92を用いる方法や再配線層3に半田バンプを用いる方法がある。
【0064】
また、図12に示されるように、イメージセンサチップ2と配線基板5の間にスペーサを設けてもよい。このような構成にすることにより、イメージセンサチップ2と配線基板5間の距離を一定にすることができ、レンズ11とイメージセンサチップ2間の距離を一定にすることができる。
【0065】
以上のように、この実施の形態9にかかるカメラモジュールは、配線基板の窓部に対してレンズ部が差し込まれる構成としたため、より小型化を図ることができる。また、レンズ部の外周面と配線基板の窓部の内周面とが接するような構成にすれば、両者の相対的な位置を相互に規制することになるため、位置決めが容易になる。
【0066】
また、本発明の実施の形態9にかかるカメラモジュールにおいては、イメージセンサチップ2のセンサ部21を覆うセンサカバー24を設けたため、その後の組立て等における異物の付着を防止できるとともに、例えセンサカバー24の上に異物が付着したとしてもその影響を低減できる。
【0067】
発明の実施の形態10.
図13は、発明の実施の形態10にかかるカメラモジュールの構成を示す図である。図13において、図1と同一の符号を付した構成は、図1に示す構成と同一又は相当部を示し、その説明を省略する。このカメラモジュールは、配線基板5と鏡筒12との間にガラス基板10を備えていることを特徴としている。このガラス基板10は、透明又は半透明の透明性を有する素材からなる基板であれば、ガラスを素材とするものでなくともよい。以下、他の実施の形態におけるガラス基板も同様である。
【0068】
ガラス基板10の上面に鏡筒12が接着固定されている。そして、ガラス基板10の下面に配線基板5が固定されている。さらに、配線基板5とイメージセンサチップ2が固定されている。配線基板5は、窓部を有し、イメージセンサチップ2のセンサ部21がその窓部から露出するような位置においてイメージセンサチップ2と固定されている。
【0069】
このカメラモジュールにおいて、入射された外光は、レンズ11を通過後、ガラス基板10を通過し、イメージセンサチップ2上のセンサ部21に入射する。
【0070】
この実施の形態10にかかるカメラモジュールは、以上のような構成を有するため、小型化が可能である。さらに、イメージセンサチップ2のセンサ部21がセンサカバー24によりカバーされているため、ガラス基板10に取り付けるまでの間に、埃や塵等の異物がセンサ部21上に混入することを防止することができ、画質の低下を防止することができる。
【0071】
発明の実施の形態11.
図14は、発明の実施の形態11にかかるカメラモジュールの構成を示す図である。図14において、図1と同一の符号を付した構成は、図1に示す構成と同一又は相当部を示し、その説明を省略する。このカメラモジュールは、発明の実施の形態10にかかるカメラモジュールと同様に配線基板5と鏡筒12との間にガラス基板10を備えている。さらに、このカメラモジュールは、配線基板5とイメージセンサチップ2との間に、スペーサ94を有し、これら配線基板5とイメージセンサチップ2とを異方性導電材92によって電気的な接触を図っている。
【0072】
ガラス基板10の上面に鏡筒12が接着固定されている。そして、ガラス基板10の下面に配線基板5が固定されている。さらに、配線基板5とイメージセンサチップ2が固定されている。配線基板5は、窓部を有し、イメージセンサチップ2のセンサ部21がその窓部から露出するような位置においてイメージセンサチップ2と固定されている。
【0073】
このカメラモジュールにおいて、入射された外光は、レンズ11を通過後、ガラス基板10を通過し、イメージセンサチップ2上のセンサ部21に入射する。
【0074】
この実施の形態11にかかるカメラモジュールは、以上のような構成を有するため、小型化が可能である。さらに、イメージセンサチップ2のセンサ部21がセンサカバー24によりカバーされているため、埃や塵等の異物がセンサ部21上に混入することを防止することができ、画質の低下を防止することができる。
【0075】
イメージセンサチップ2と配線基板5の間にスペーサを設けているため、イメージセンサチップ2と配線基板5間の距離を一定にすることができ、レンズ11とイメージセンサチップ2間の距離を一定にすることができる。
【0076】
発明の実施の形態12.
以上、種々のカメラモジュールの実施形態について述べてきたが、センサカバー24自体はカバーの形状としてセンサの前面に隙間を有するとして凹部のある形状として説明してきた。これは、センサ表面とカバー前面の間をセンサ1画素間隔の5倍以上、望ましくは10倍以上の距離を保てばカバー前面の異物の影響を防止できることから、説明の容易さから模式的に表してきたが、もちろん、このカバーの形状に種々の実施の形態があることは言うまでもない。
【0077】
その一例を、発明の実施の形態12にかかるカメラモジュールの一部を示す図15により説明する。図15において、図1と同一の符号を付した構成は、図1に示す構成と同一又は相当部を示し、その説明を省略する。同図において242はフィルム状のセンサカバーである。このセンサカバー242は、ボンディングパッド23の上は空隙を設けて、カバーがボンディングの妨げにならないような構成としている。このような構造とすることにより、図8において説明したセンサカバー24と連結部241の代わりに、ボンディングパッドの上だけ空隙を開けたセンサカバー用フィルムをウェハ200上に載置することにより、センサカバーの設置を行なうことができる。このようなカバーの構成であれば、カバー自体の製造も容易となり、精度を維持しつつ従来の問題点を低コストに解決することができる。
【0078】
次に、図16にカメラモジュールのセンサ部21の一部を模式的に詳細に示し、センサカバー24の作用を説明する。図16において、図1と同一の符号を付した構成は、図1に示す構成と同一又は相当部を示し、その説明を省略する。図16において、211はマイクロレンズ、2121〜2124はカラーフィルタ、2131〜2134は受光フォトダイオードを示している。不図示のレンズ101を通過した光は、センサカバー242、マイクロレンズ211、カラーフィルタ2121他を通過して受光フォトダイオード2124他に入射する。ここで、センサカバー242は平行平板状であり、マイクロレンズ211との間に間隙243があるため、センサカバー24が凹部の構造であった場合となんら変わりなくマイクロレンズ21aの集光作用が成立する。従って、先に説明した他の実施の形態にかかるカメラモジュールと同一の作用を有する。ここで、センサカバー242の厚みは、フォトダイオード213の間隔の5倍以上であればよく、さらに好ましくは10倍以上あればよい。例えば、フォトダイオード213の間隔が5μmである場合には、センサカバー242の厚みを50μmとする。
【0079】
以上、センサカバー24がフィルム状であってもよいことを説明したが、それ以外の形状でも同様な効果を得られることはもちろんである。その一例として、図17にカメラモジュールのセンサ部分の拡大図を示し、以下説明する。図17において、244はセンサカバーであり、ここではマイクロレンズ211との間に空隙をなくしている。また、245はセンサカバー24dの表面からマイクロレンズ211の先端までの距離を示しており、十分大きければ異物の付着による問題点を防止できる。
【0080】
なお、ここで、センサカバー24dの屈折率が大である場合、マイクロレンズ211の集光作用に影響を及ぼすが、屈折率が小である材料でセンサカバー244を製造すればなんら問題がない。もちろん、マイクロレンズ211をセンサカバー244に合わせて設計、製造してもよい。
【0081】
また、このようなセンサカバー244は、マイクロレンズ211上にセンサカバー244の材料を塗布、充填後、硬化させてもよい。このときセンサカバー244を形成するための樹脂(例えば、紫外線硬化樹脂)をスピンコート等の方法により塗布すると、容易に膜厚の均一なセンサカバー244を形成することができる。また、このようなセンサ部21に接する構造のセンサカバーに対しては、レンズ部1を直接載置しても、或いは、イメージセンサチップ2に接触するようにセンサカバーに空隙を空けていてもよい。
【0082】
以上、上記、発明の実施の形態1乃至12において、レンズ部はレンズと鏡筒とから構成されるように説明してあるが、樹脂成形等によりレンズと鏡筒は一体構造とすることもできる。この場合レンズ透過光以外がイメージセンサへ漏れこむことを防止するため、レンズ相当部以外は黒色等の光を透過させない不透明な材料を使用した成形とする。または、すべて透明材料で成形した後、鏡筒相当部を不透明材料で塗装する、もしくはチューブを被せるなどの遮光処理を施す。
【0083】
このようにレンズ相当部と鏡筒相当部を一体化しても、本発明の効果は変わらない。また、レンズ相当部は非球面の1枚構成としてあるが色収差等の補正のため複数枚構成としてもよい。
【0084】
また、センサカバー或いは前記レンズ部に光の波長に対するイメージセンサの感度を人間のそれに近づけるように補正するため、赤外線カットフィルターを配置しても、本発明の効果は変わらない。また、イメージセンサのサンプリング作用による画質の悪化を防止するため、光学的ローパスフィルターを追加してもよい。また、入射する光量を制限する絞りを取り付けてもよい。
【0085】
なお、レンズ部を取り付ける際にレンズ支持部のガイドを設けることを先に述べたが、これに関する発明の実施の形態を図18に示し、その例に従い説明する。同図において(a)は、図1において示したセンサカバー24にガイド部24aを設置した例を示しており、レンズ支持部12をイメージセンサチップ2に接触させている。(b)は、図3において示したセンサカバー24にガイド部24bを設置した例を示しており、レンズ支持部12をセンサカバー24に接触させている。(c)は図15において示したフィルム状のセンサカバー242にガイド部24cを設置した例を示しており、レンズ支持部12をイメージセンサチップ2に接触させている。なお、この場合、図に示すようにガイドとして空隙を設けることを想定している。このガイドは、その用に供するならば、テーパ状、凸或いは凹状、更には空隙、その他でもよいことは言うまでもない。
【0086】
さらに、このようなガイドが有効な例として、センサカバーのみであるとは限らないことは言うまでもない。その例として図18の(d)を示し、以下説明する。同図は、従来の例を説明した図20に於いてのイメージセンサチップを収納するパッケージを示したものである。すなわち、イメージセンサチップを収納したパッケージにレンズを設置する場合、通常、パッケージを載せた基板に設置する。しかし、それでは基板を介してレンズとイメージセンサチップの位置が決められてしまう問題点がある。そこで、本例では、直接パッケージにレンズ支持部を設置することとした。
【0087】
図18の(d)において、パッケージ108の一部に設けられたガイド部を108dで示している。ガイド部108dは、パッケージ108の周辺部に形成された凹みであり、その全周にわたって設けられている。このガイド部108dの凹みにレンズ支持部である鏡筒12が挿入される形で設置されることにより位置決めが容易となり、また組立て精度も向上する。
【0088】
以上、ガイド部をセンサカバー等に設けることを説明したが、センサカバーに更に機能を追加してもよいことは言うまでも無い。これは、先に、センサカバー或いは前記レンズ部に赤外カットフィルター等を配置してもよい等のことを述べたが、これに対応して、赤外カットフィルター機能等をセンサカバー自体に持たせてることであり、種々の機能を付加できる。
【0089】
例えば、赤外部分を不透明にする顔料等を混入した材料等によりセンサカバーを製造したり、カバーの表面に薄膜を蒸着し赤外部分を不透過とするように製造したりすることにより赤外カットフィルター機能を容易に実現できる。
【0090】
更に、光を散乱させることにより光学的ローバスフィルタ−機能を、或いは、光の強度に反応に透過率が変更する材料を用いて絞りの代用の機能を持たせる等の、他の様々な光学的な機能を持たせることが出来ることは言うまでもない。
【0091】
このように光学的機能を持たせたセンサカバーであれば、製造工程において、複数のイメージセンサチップにセンサカバーを一体に取り付けた後、各イメージセンサチップを切り離すだけであり、量産性に優れるとともに、低コスト、小型化等を実現できる。
【0092】
更に、単にカバー単独に機能を持たせるだけでなく、カバーの機能を外部からコントロールすることも容易に実現できることは言うまでもない。これはセンサカバーがイメージセンサチップに密着していることから可能となる。すなわち、イメージセンサチップにおいては他の信号処理回路との結線をする必要があり、必ず、電気的コンタクトを必要とする。そのため、この電気的コンタクトを流用或いは、センサカバーの制御の為に専用に追加することにより、センサカバーの機能を制御し、新たに積極的に光学的機能を制御できるようになる。
【0093】
この例としてシャッタ動作を有するセンサカバーを、図19の(a)に示し、以下説明する。同図において、24b1は液晶部、24b2は偏光フィルタ、24b3は透明電極、24b5は透明電極である。24b4は24b2の偏光フィルタとは偏光方向が異なる或いは同一の偏光フィルタであり、機能によって設置方向を変更する。また、23aは透明電極24b2に設けたコンタクトパッド部、23dは透明電極24b5と電気的コンタクトを有するコンタクトパッドであり、ここでは、コンタクトパッドエリアを延長し透明電極24b5と電気的接触を持たせる例を示している。なお、24bはセンサカバーの一部として示しているが、ここでは、液晶部24b1を保持する為のセパレータとしての作用を持ち、更に、別のイメージセンサチップ上の同様なセンサカバーとの連結を保つ為の保持部をなしている。
【0094】
更に、23b及び23cはボンディングワイヤーでありコンタクトバッド部23a及びコンタクトパッド23dと電気的に接触し、不図示の基板と導通を保っている。ここでは、説明のため、特にこの二つのボンディングワイヤーを示している。
【0095】
このような構成により、ボンディングワイヤー23bと23cに電圧を印加すると、液晶部24bで偏光が生じ、入射光を通過或いは遮断する。このような動作によりシャッタ機能を有するセンサカバーを実現できる。
【0096】
以上、ボンディングワイヤーをセンサカバー上面のコンタクトパッド部23aまで伸ばした例を示したがこれに限るものではないことは言うまでもない。図19の(b)にその一例を示し、以下説明する。同図に置いて、24b6及び24b7は電極であり、24b8に於いて空隙を有し分離されている。ここで24b2に電界により変化するいわゆるエレクトロクロミック系の材料によりセンサカバーを生成しておき、電極24b6,24b7を通じて電界を印加することにより遮光作用を起こさせ、(a)に於いて説明したシャッタ機能と同様な機能をより簡便に実現できる。
【0097】
【発明の効果】
本発明によれば、シャッター機構を内蔵した小型化で、かつ生産性が高いカメラモジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるカメラモジュールの構造図である。
【図2】本発明の実施の形態2にかかるカメラモジュールの構造図である。
【図3】本発明の実施の形態3にかかるカメラモジュールの斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態4にかかるカメラモジュールの構造図である。
【図5】本発明の実施の形態5にかかるカメラモジュールの構造図である。
【図6】本発明の実施の形態6にかかるカメラモジュールの構造図である。
【図7】本発明の実施の形態7にかかるカメラモジュールの構造図である。
【図8】本発明の実施のカメラモジュールの斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態8にかかるカメラモジュールの構造図である。
【図10】本発明の実施の形態9にかかるカメラモジュールの構造図である。
【図11】本発明の実施のカメラモジュールの構造図である。
【図12】本発明の実施のカメラモジュールの一部を示す断面図である。
【図13】本発明の実施の形態10にかかるカメラモジュールの構造図である。
【図14】本発明の実施の形態11にかかるカメラモジュールの構造図である。
【図15】本発明の実施の形態12にかかるカメラモジュールの構造図である。
【図16】本発明の実施のカメラモジュールの一部を示す構造図である。
【図17】本発明の実施のカメラモジュールの一部を説明する構造図である。
【図18】本発明の実施のレンズガイド部の例を示す構造図である。
【図19】本発明の実施のセンサカバーの機能の例を示す構造図である。
【図20】従来のカメラモジュールの一例を示す構造図である。
【図21】先願のカメラモジュールの実施の形態を説明する構造図である。
【符号の説明】
1 レンズ部
2 イメージセンサチップ
5 配線基板
11 レンズ
12 鏡筒
21 センサ部
24 センサカバー
Claims (1)
- レンズと、前記レンズを介して入射された光に基づき撮像信号を処理するイメージセンサチップとを備え、前記イメージセンサチップのセンサ部上を覆うセンサカバーを有するカメラモジュールに於いて、前記センサカバーは、2枚の透明電極と透明電極間に位置する液晶層と、前記透明電極に電圧を印加するための外部接続部から構成されるシャッター機構を含むことを特徴とするカメラモジュール。
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- 2003-02-24 JP JP2003046533A patent/JP2004260357A/ja not_active Withdrawn
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