WO2008072662A1

WO2008072662A1 - 作業車両の制御装置

Info

Publication number: WO2008072662A1
Application number: PCT/JP2007/073953
Authority: WO
Inventors: Katsuaki Kodaka; Hidetoshi Satake; Kazuhiro Ichimura
Original assignee: Hitachi Construction Machinery Co., Ltd.
Priority date: 2006-12-15
Filing date: 2007-12-12
Publication date: 2008-06-19
Also published as: JP2008149802A; EP2116435A1; US8388498B2; EP2116435A4; KR101384719B1; KR20090088906A; JP4956171B2; CN101535104B; CN101535104A; EP2116435B1; US20100016123A1

Abstract

　駐車ブレーキ指令によって作動を開始するネガティブ型の駐車ブレーキ装置と、駐車ブレーキ指令を出力する出力部と、運転者のブレーキペダルの操作に応じて作動するサービスブレーキ装置と、出力部により駐車ブレーキ指令が出力されると、運転者のペダル操作に拘わらずサービスブレーキ装置を作動させるブレーキ制御部とを備える。

Description

明細書

作業車両の制御装置

技術分野

[0001] 本発明は、ホイール式油圧ショベルやホイールローダなどの作業車両の制御装置に関する。

背景技術

[0002] 従来より、この種の作業車両にあっては、ネガティブ型の駐車ブレーキを備え、油圧源からブレーキ解除圧を供給して駐車ブレーキを解除し、ブレーキ解除圧の供給を停止して駐車ブレーキを作動するようにしたものがある（例えば特許文献 1参照）。この特許文献 1記載のものは、トランスミッションに第 1および第 2のクラッチ装置を設け、駐車ブレーキの作動指令により第 1および第 2のクラッチ装置を同時に係合状態としてトランスミッションをロックし、駐車ブレーキを作動する。

[0003] 特許文献 1：特開 2002— 79931号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] しかしながら、上述したネガティブ型の駐車ブレーキは、駐車ブレーキ作動指令が出力されてから駐車ブレーキが完全に作動するまでの間にタイムラグがある。このため、坂道などで駐車ブレーキを作動する場合、駐車ブレーキが完全に作動するまでの間、運転者はブレーキペダルを操作し続ける必要があり、煩雑であった。

課題を解決するための手段

[0005] 本発明による作業車両の制御装置は、駐車ブレーキ指令によって作動を開始するネガティブ型の駐車ブレーキ装置と、駐車ブレーキ指令を出力する出力部と、運転者のブレーキペダルの操作に応じて作動するサービスブレーキ装置と、出力部により駐車ブレーキ指令が出力されると、運転者のペダル操作に拘わらずサービスブレーキ装置を作動させるブレーキ制御部とを備える。

出力部により駐車ブレーキ指令が出力されると、所定時間だけサービスブレーキ装置を作動させることもできる。この場合、駐車ブレーキ指令の出力による駐車ブレーキ装置の作動開始後、駐車ブレーキ力が所定値まで増加するのに要する時間を所定時間として設定することが好ましい。

駐車ブレーキ装置にブレーキ解除圧を作用させる圧油の温度を検出する油温検出部をさらに備え、油温検出部により検出された油温が高いほど所定時間を短く設定することが好ましい。

ブレーキペダルの操作を検出するペダル操作検出部を有し、ペダル操作検出部により予め設定された踏み込み操作が検出されると、出力部により駐車ブレーキ指令が出力されていなくても、運転者のペダル操作に拘わらずブレーキ装置を作動させることもできる。

この場合、予め設定された踏み込み操作は、最大踏み込み操作とすることが好ましい。

車速を検出する車速検出部を有し、車速検出部により検出された車速が所定値以下のとき、駐車ブレーキ指令が出力された際のサービスブレーキ装置の作動を許可し、車速が所定値より大きいとき、駐車ブレーキ指令が出力された際のサービスブレーキ装置の作動を禁止するようにしてもよ!/、。

駐車ブレーキ装置を、走行用の動力を車軸に伝達するネガティブ型の第 1のクラッチ装置と第 2のクラッチ装置とを有するトランスミッションによって構成し、このトランスミッシヨンが、駐車ブレーキ指令が出力されると、第 1のクラッチ装置と第 2のクラッチ装置を同時に係合して車軸の回転を阻止するようにしてもよい。

第 1のクラッチ装置と第 2のクラッチ装置を、ばねの付勢力によりそれぞれ係合し、油圧力によりそれぞれ解放するものとして構成することができる。

第 1のクラッチ装置が解放され、かつ、第 2のクラッチ装置が係合されると、トランスミッシヨンは第 1の変速比となり、第 1のクラッチ装置が係合され、かつ、第 2のクラッチ装置が解放されると、トランスミッションは第 1の変速比よりも小さい第 2の変速比となるようにしてあよレヽ。

以上の制御装置は、油圧モータにより車輪を回転する走行装置と、掘削装置とを有する走行式作業車両に備えることが好ましレ、。発明の効果

[0006] 本発明によれば、駐車ブレーキ指令が出力されると、運転者のペダル操作に拘わらずサービスブレーキ装置を作動させるようにしたので、坂道等で駐車ブレーキを作動する場合に、運転者はブレーキペダルを操作する必要がなぐ駐車ブレーキを容易に作動できる。

図面の簡単な説明

[0007] [図 1]本発明の実施の形態に係る作業車両の制御装置の構成を示す図。

[図 2]図 1の CPUで実行される処理の一例を示すフローチャート。

[図 3]本発明の実施の形態に係る制御装置の動作を説明する図。

[図 4]図 3の変形例を示す図。

発明を実施するための最良の形態

[0008] 以下、図 1〜図 4を参照して本発明による作業車両の制御装置の実施の形態について説明する。

図 1は、本実施の形態に係る制御装置の構成を示す図であり、主に走行用の油圧回路図を示している。この制御装置は、油圧ショベルやホイールローダ等、タイヤを装備して作業現場や一般道路を走行する作業車両に設けられる。この種の作業車両は、ブームやパケットからなる掘削装置を有する。掘削装置は、油圧シリンダ等、油圧ァクチユエータにより駆動される。

[0009] エンジン（原動機） 1により駆動されるメインポンプ 2からの吐出油は、コントロールバルブ 3によりその方向および流量がそれぞれ制御されて、センタージョイント 5を通過し、カウンタバランスバルブ 6を経て走行モータ 7に供給される。走行モータ 7の回転はトランスミッション 8によって変速され、車軸 9,アクスル 10を介してタイヤ 11に伝達され、作業車両が走行する。

[0010] トランスミッション 8はサンギア、プラネタリギア、リングギアからなる遊星減速機構と、そのサンギア側およびリングギア側にそれぞれ設けられたクラッチ 81,82とを有する周知のものである。すなわち図示は省略するが、クラッチ 81,82は、それぞればねを内蔵したクラッチ用シリンダを有し、ばねの付勢力によりクラッチ用シリンダがディスクに押圧されることで、クラッチ 81 , 82は係合状態とされる。また、ばね力に杭して作用する油圧源 12からの油圧力によりクラッチ用シリンダの押圧力が除去されることで、クラッチ 81 , 82は解放状態とされる。クラッチ 81,82に作用する油圧力は、電磁切換弁 13の駆動によって制御される。なお、ばねの付勢力によって係合状態とされ、油圧力によって解放状態とされるようなクラッチをネガティブ型のクラッチと呼ぶ。

[0011] 電磁切換弁 13は CPU30 (コントローラ）からの制御信号によって切り換わる。なお、コントローラは、 CPU30, ROM, RAM,その他の周辺回路などを有する演算処理装置を含んで構成されるが、図ではコントローラを代表して CPU30を示している。電磁切換弁 13が位置ィに切り換わると、油圧源 12からの圧油が管路 14を介してクラッチ 81に作用する。これによりクラッチ 81が解放、クラッチ 82が係合状態とされ、トランスミッション 8は所定の変速比 R1 (ローギア）となる。この状態では、走行モータ 7の回転による走行用の動力が車軸 9に伝達され、低速高トルクの 1速走行が可能となる。電磁切換弁 13が位置口に切り換わると、油圧源 12からの圧油が管路 15を介してクラツチ 82に作用する。これによりクラッチ 82が解放、クラッチ 81が係合状態とされ、トランスミッション 8は所定の変速比 R2 (ノ、ィギア）となり、高速低トルクの 2速走行が可能となる。なお、変速比 R1は変速比 R2より大きい。

[0012] 一方、電磁切換弁 13が位置ハに切り換わると、管路 14, 15はタンクに連通する。この場合は、クラッチ 81および 82はばね力によって係合状態とされるため、トランスミツシヨン 8がロックされて車軸 9の回転が阻止される。本実施の形態では、この車軸 9の回転を阻止させるクラッチ 81 , 82を駐車ブレーキとして用いる。駐車ブレーキを解除する場合は、一方のクラッチ 81または 82に圧油（ブレーキ解除圧）を作用し、クラッチ 81または 82を解放状態とする。なお、ばねの付勢力によって作動し、油圧力によつて解除されるようなブレーキをネガティブ型の駐車ブレーキと呼ぶ。

[0013] このように構成された駐車ブレーキは、電磁切換弁 13が位置ハに切り換わってもクラッチ 81 , 82内の圧力が即座にタンク圧となるわけではなぐ駐車ブレーキの作動に遅れが生じる。なお、トランスミッション 8と電磁切換弁 13の間の管路 14, 15に絞りを介してアキュムレータを接続してもよぐこの場合には、駐車ブレーキの作動に一層遅れが生じる。

[0014] 走行用パイロット回路は、エンジン 1によって駆動されて圧油を生成するパイロット油圧源 16と、アクセルペダル 17の踏み込みに応じてパイロット 2次圧力を発生する走行パイロットバルブ 18と、このパイロットバルブ 18に後続し、パイロットバルブ 18への戻り油を遅延するスローリターンバルブ 19と、このスローリターンバルブ 19に接続し車両の前進、後進、中立を選択する前後進切換バルブ 20とを有する。前後進切換バルブ 20は操作レバー 21の操作によって切り換えられる。パイロット油圧源 16からのパイロット圧はコントロールバルブ 3のパイロットポートに作用し、コントロールバルブ 3を駆動する。このときのバルブストローク量をアクセルペダル 17で調整することで車両の走行速度を調整できる。

[0015] 作業車両には、ブレーキペダル 22の操作に応じた減速力を及ぼす周知の油圧フットブレーキ（サービスブレーキ）が設けられて!/、る。このフットブレーキ用パイロット回路は、エンジン 1によって駆動されて圧油を生成するパイロット油圧源 23と、ブレーキペダル 22の踏み込みに応じてパイロット 2次圧力（ブレーキ作動圧）を発生するブレーキバルブ 24とを有する。ブレーキペダル 22の操作により、ブレーキバルブ 24からのブレーキ作動圧がそれぞれ前輪用ブレーキ装置 25および後輪用ブレーキ装置 2 6に作用する。これによりペダル操作に応じてブレーキ装置 25, 26が作動し、ブレーキ装置 25, 26を走行時にサービスブレーキとして用いることができる。

[0016] ブレーキバルブ 24には、電磁弁 27を介して油圧源 12が接続されている。電磁弁 2 7は CPU30からの信号により切り換わる。電磁弁 27が位置ィに切り換わると、油圧源 12からのパイロット圧がブレーキバルブ 24に作用する。これによりブレーキバルブ 24 が駆動され、油圧源 23からの圧油がブレーキ装置 25, 26に作用する。このためブレーキペダル 22を操作しなくてもブレーキ装置 25, 26を作動でき、ブレーキ装置 25, 26を掘削作業等の作業時に作業ブレーキとして用いることができる。

[0017] 一方、電磁弁 27が位置口に切り換わると、油圧源 12からブレーキバルブ 24へのパィロット圧の作用が停止する。この状態では、作業ブレーキが解除され、ブレーキぺダル 22の操作によりブレーキ装置 25, 26を作動できる。なお、電磁弁 27を位置ィに切り換えるとブレーキ装置 25, 26は即座に作動し、作業ブレーキは駐車ブレーキよりも応答性がよい。電磁弁 27は、例えば図示しない作業ブレーキスィッチのオンにより位置ィに、オフにより位置口に切り換わる。 [0018] 電磁切換弁 13と電磁弁 27は CPU30により制御される。 CPU30には、ブレーキバルブ 24からのブレーキ作動圧、つまりブレーキペダル 22の操作を検出する圧力センサ 31と、駐車ブレーキの作動を指令する駐車ブレーキスィッチ 32と、 1速 /2速の変速を指令する変速スィッチ 33と、車速を検出する車速センサ 34が接続されている。 C PU30では以下のような処理が実行される。

[0019] 図 2は、 CPU30で実行される処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、例えばエンジンキースィッチのオンによりスタートする。なお、初期状態では電磁弁 27は位置口に切り換わっている。ステップ S1では、駐車ブレーキスィッチ 3 2がオンか否かを判定する。駐車ブレーキスィッチ 32がオフと判定されるとステップ S 6に進み、変速スィッチ 33の操作を判定する。変速スィッチ 33により 1速が指令と判定されるとステップ S7に進み、電磁切換弁 13を位置ィに切り換える。変速スィッチ 33 により 2速が指令と判定されるとステップ S8に進み、電磁切換弁 13を位置口に切り換 X·る。

[0020] 一方、ステップ S1で駐車ブレーキスィッチ 32がオンと判定されるとステップ S2に進む。ステップ S2では、電磁弁 27を位置ィに切り換え、作業ブレーキを作動する。次いで、ステップ S3で電磁切換弁 13を位置ハに切り換え、油圧源 12力、らクラッチ 81 , 82 への圧油の作用を停止する。

[0021] ステップ S4では、駐車ブレーキスィッチ 32がオンされてから所定時間を経過したか否かを判定する。所定時間は、駐車ブレーキスィッチ 32をオンしてからクラッチ 81 , 8 2内がタンク圧となるまでの時間、つまり駐車ブレーキが作動を開始してから完全に作動するまでの時間と同程度の時間に予め設定されている。ステップ S4が否定されるとステップ S2に戻り、同様な処理を繰り返す。ステップ S4が肯定されるとステップ S 5に進み、電磁弁 27を位置口に切り換え、作業ブレーキを解除する。

[0022] 本実施の形態に係る作業車両の制御装置の特徴的な動作を説明する。

(1)走行時

駐車ブレーキスィッチ 32をオフした状態で、変速スィッチ 33により 1速を指令すると、電磁切換弁 13が位置ィに切り換えられ、油圧源 12からの圧油が管路 14を介してクラッチ 81に作用する（ステップ S7)。これによりクラッチ 81が解放、クラッチ 82が係合状態とされて、トランスミッション 8は所定の変速比 R1となり、アクセルペダル 17の操作により低速高トルクの 1速走行が可能となる。また、変速スィッチ 33により 2速を指令すると、電磁切換弁 13が位置口に切り換えられ、油圧源 12からの圧油が管路 15 を介してクラッチ 82に作用する（ステップ S8)。これによりクラッチ 82が解放、クラッチ 81が係合状態とされて、トランスミッション 8は所定の変速比 R2となり、高速低トルクの 2速走行が可能となる。走行時にブレーキペダル 22を操作すると、油圧源 24からの圧油がブレーキ装置 25, 26に作用し、ブレーキペダル 22の操作量に応じて車両を減速できる。

[0023] (2)駐車時

駐車時の動作を図 3 (a)のタイムチャートにより説明する。なお、図中の作業ブレーキは、ブレーキ装置 25, 26に作用する油圧力の大きさを表し、駐車ブレーキは、クラツチ 81 , 82に作用する油圧力の大きさを表している。作業ブレーキのブレーキ力は、ブレーキ装置 25, 26に作用する油圧力の増加に伴い増加し、駐車ブレーキのブレ一キカはクラッチ 81 , 82に作用する油圧力の減少に伴い増加する。

[0024] 例えば車両停車状態で、作業ブレーキスィッチをオフした状態で駐車ブレーキスィツチ 32をオンすると（時点 tl)、電磁弁 27が位置ィに切り換えられるとともに、電磁切換弁 13が位置ハに切り換えられる（ステップ S2,ステップ S3)。これにより油圧源 23 力、らの圧油がブレーキ装置 25, 26に作用し、作業ブレーキが作動する。また、クラッチ 81または 82への圧油の作用が停止し、クラッチ用シリンダからディスクに押圧力が作用し、駐車ブレーキが作動を開始する。このとき、クラッチ 81または 82に作用する圧力が徐々に低下し、駐車ブレーキ力が徐々に増加する。時点 t2では駐車ブレーキ力が最大になり、駐車ブレーキが完全に作動 (オン)する。時点 t3で、駐車ブレーキスイッチ 32をオンしてから所定時間が経過すると、電磁弁 27が位置口に切り換えられる (ステップ S 5)。これにより作業ブレーキが解除 (オフ）される。

[0025] このように駐車ブレーキスィッチ 32の操作により作業ブレーキをオンし、所定時間後に作業ブレーキをオフすることで、駐車ブレーキが完全に作動する前であっても車両の移動が阻止され、坂道などで駐車ブレーキスィッチを操作した場合の不所望な車両の動きを防止できる。このため駐車ブレーキが完全に作動するまでの間、運転者がブレーキペダル 22を継続して操作するといつた必要がなぐ駐車ブレーキを作動する際の操作が容易である。

[0026] 本実施の形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。

(1)駐車ブレーキスィッチ 32の操作により、駐車ブレーキの作動開始と同時に作業ブレーキを作動するようにした。これによりネガティブ型の駐車ブレーキ装置の作動に遅れがあっても、作業ブレーキにより車両の動きが阻止され、坂道等で誤って車両が動き出すことを防止できる。駐車ブレーキスィッチ 32を操作してすぐに運転席を離れる場合にも車両が動き出すことはなぐ安全性が高い。

(2)駐車ブレーキスィッチ 32の操作から所定時間後に作業ブレーキを解除するので、作業ブレーキの作動時間を最小限に抑えることができる。その結果、駐車ブレーキと作業ブレーキとが同時に作動する時間は短くなり、ギヤのバックラッシュ等に起因し

、作業ブレーキに引きずられて駐車ブレーキに無理な力力かかることを防止できる。

(3)トランスミッション 8に駐車ブレーキの機能を持たせるようにしたので、駐車ブレーキを別途設ける必要がなぐ部品点数を低減できる。

[0027] なお、図 3 (a)では、駐車ブレーキが完全に作動した後に作業ブレーキを解除した

1S 駐車ブレーキが完全に作動する前に作業ブレーキを解除してもよい。すなわち、駐車ブレーキ力がある一定レベル以上になっていれば、作業ブレーキを解除しても実質上は問題ないのであり、所定時間の設定は上述したものに限らない。クラッチ 81 , 82からの圧油の流出の速度、つまり駐車ブレーキの応答性は、油温によって変化する。このため、例えば油温センサにより管路 14, 15内の油温を検出し、作業ブレーキの作動する所定時間を油温に応じて変更してもよい。この場合、図 3 (b)に示すように油温が高いと油の粘性が小さくなり、駐車ブレーキが完全に作動するまでの時間が短くなるため、油温が高いほど上記所定時間を短く設定すればよい。

[0028] 駐車ブレーキスィッチ 32のオン時に即座に電磁弁 27と電磁切換弁 13を切り換えるのではなく、車速センサ 34により検出された車速が所定値以下の低速走行状態となつたときに切り換えるようにしてもよい。これにより図 4に示すように高速走行時に駐車ブレーキスィッチ 32が操作された場合、車速が所定値より大き!/、状態では作業ブレーキと駐車ブレーキは非作動であり、時点 t4で車速が所定値以下になると、作業ブレーキが作動し、駐車ブレーキが作動を開始する。したがって、高速走行時に急ブレーキがかかることを防止できる。

[0029] 作業ブレーキスィッチのオンにより電磁弁 27を位置ィに切り換え、作業ブレーキを作動するようにした力所定のペダル操作がなされたとき、あるいは所定の車両状態が成立したときに電磁弁 27を位置ィに切り換えるようにしてもよい。例えば車速が所定値以下の状態で、ブレーキペダル 22が所定量以上踏み込み操作されたときに（例えば最大踏み込み操作時）、電磁弁 27を位置ィに切り換え、作業ブレーキを作動するようにしてもよ!/、。これにより操作レバーから手を離すことなくブレーキペダル 22の操作のみで作業ブレーキを作動することができ、煩雑な操作が不要になる。また、作業ブレーキが作動して一旦ブレーキペダル 22の操作をやめた後、再びブレーキぺダル 22が所定量以上踏み込み操作されたときに電磁弁 27を位置口に切り換え、作業ブレーキを解除するようにしてもよ!/、。

[0030] ペダル 22の所定量以上の踏み込み操作 (例えば最大踏み込み操作）は、圧力センサ 31により検出することができる。所定量以上の踏み込み操作が所定時間継続してなされたときに、作業ブレーキを作動/解除するようにしてもよい。これにより運転者が瞬間的にブレーキペダル 22を操作しても作業ブレーキは作動/解除されず、作業ブレーキが頻繁に作動/解除することを防止できる。圧力センサ以外のペダル操作検出部を用いてもよい。

[0031] なお、上記実施の形態では、トランスミッション 8のクラッチ 81 (第 1のクラッチ装置）および 82 (第 2のクラッチ装置）により駐車ブレーキ装置を構成した力 S、クラッチ 81 , 8 2とは別に駐車ブレーキを設けてもよぐ駐車ブレーキ装置の構成はこれに限らない。駐車ブレーキスィッチ 32により駐車ブレーキ指令を出力するようにした力他の出力部により出力するようにしてもよい。駐車ブレーキスィッチ 32のオンにより電磁弁 27 を切り換え、ブレーキペダル 22の操作に拘わらずブレーキ装置 25, 26を作動させるようにした力 S、ブレーキ制御部の構成はこれに限らない。ブレーキ装置 25, 26とは別に作業ブレーキを設けてもよぐサービスブレーキ装置を作業ブレーキと兼用しなくてもよい。クラッチ 81の解放かつクラッチ 82の係合でトランスミッション 8の変速比を R1 ( 第 1の変速比）とし、クラッチ 81の係合かつクラッチ 82の解放で変速比を R2 (第 2の変速比）とした力クラッチ装置の構成はこれに限らな!/、。

[0032] 駐車ブレーキが作動を開始して力完全に作動するまでの時間を所定時間として設定し、所定時間だけ作業ブレーキ（サービスブレーキ装置）を作動するようにしたが、所定時間の設定はこれに限らない。例えば駐車ブレーキ力が所定値以上となるまでに要する時間を時間を所定時間として設定してもよい。駐車ブレーキ力と相関関係のある物理量を検出し、この物理量に応じて作業ブレーキの作動を制御するようにしてもよく、時間以外をパラメータとしてもよい。例えばクラッチ 81 , 82に作用する油圧力を圧力センサにより検出し、この油圧力が所定値以下のときに、電磁弁 27を位置口に切り換え、作業ブレーキをオフするようにしてもよい。すなわち本発明の特徴、機能を実現できる限り、本発明は実施の形態の作業車両の制御装置に限定されない。

[0033] 本出願は日本国特許出願 2006— 337935号（2006年 12月 15日出願）を基礎として、その内容は引用文としてここに組み込まれる。

Claims

請求の範囲

[1] 駐車ブレーキ指令によって作動を開始するネガティブ型の駐車ブレーキ装置と、前記駐車ブレーキ指令を出力する出力部と、

運転者のブレーキペダルの操作に応じて作動するサービスブレーキ装置と、前記出力部により駐車ブレーキ指令が出力されると、運転者のペダル操作に拘わらず前記サービスブレーキ装置を作動させるブレーキ制御部とを備える作業車両の制御装置。

[2] 請求項 1に記載の作業車両の制御装置にお V、て、

前記ブレーキ制御部は、前記出力部により駐車ブレーキ指令が出力されると、所定時間だけ前記サービスブレーキ装置を作動させる作業車両の制御装置。

[3] 請求項 2に記載の作業車両の制御装置において、

前記所定時間は、駐車ブレーキ指令の出力による前記駐車ブレーキ装置の作動開始後、駐車ブレーキ力が所定値まで増加するのに要する時間に設定される作業車両の制御装置。

[4] 請求項 2または 3に記載の作業車両の制御装置において、

前記駐車ブレーキ装置にブレーキ解除圧を作用させる圧油の温度を検出する油温検出部をさらに備え、

前記ブレーキ制御部は、前記油温検出部により検出された油温が高いほど前記所定時間を短く設定する作業車両の制御装置。

[5] 請求項;!〜 3のいずれか 1項に記載の作業車両の制御装置において、

前記ブレーキペダルの操作を検出するペダル操作検出部を有し、

前記ブレーキ制御部は、前記ペダル操作検出部により予め設定された踏み込み操作が検出されると、前記出力部により駐車ブレーキ指令が出力されていなくても、運転者のペダル操作に拘わらず前記ブレーキ装置を作動させる作業車両の制御装置

[6] 請求項 5に記載の作業車両の制御装置において、

前記予め設定された踏み込み操作は、最大踏み込み操作である作業車両の制御装置。

[7] 請求項;!〜 6のいずれか 1項に記載の作業車両の制御装置において、

車速を検出する車速検出部を有し、

前記ブレーキ制御手段は、前記車速検出部により検出された車速が所定値以下のとき、前記駐車ブレーキ指令が出力された際の前記サービスブレーキ装置の作動を許可し、車速が前記所定値より大きいとき、前記駐車ブレーキ指令が出力された際の前記サービスブレーキ装置の作動を禁止する作業車両の制御装置。

[8] 請求項;!〜 7のいずれか 1項に記載の作業車両の制御装置において、

前記駐車ブレーキ装置は、走行用の動力を車軸に伝達するネガティブ型の第 1のクラッチ装置と第 2のクラッチ装置とを有するトランスミッションによって構成され、このトランスミッションは、前記駐車ブレーキ指令が出力されると、前記第 1のクラッチ装置と第 2のクラッチ装置を同時に係合して車軸の回転を阻止する作業車両の制御装置。

[9] 請求項 8に記載の作業車両の制御装置において、

前記第 1のクラッチ装置と第 2のクラッチ装置は、ばねの付勢力によりそれぞれ係合され、油圧力によりそれぞれ解放される作業車両の制御装置。

[10] 請求項 8または 9に記載の作業車両の制御装置において、

前記第 1のクラッチ装置が解放され、かつ、前記第 2のクラッチ装置が係合されると、前記トランスミッションは第 1の変速比となり、前記第 1のクラッチ装置が係合され、かつ、前記第 2のクラッチ装置が解放されると、前記トランスミッションは前記第 1の変速比よりも小さい第 2の変速比となる作業車両の制御装置。

[11] 請求項 1〜； 10のいずれ力、 1項に記載の制御装置と、

油圧モータにより車輪を回転する走行装置と、

掘削装置とを有する走行式作業車両。