明 細 書
半導体リソダラフィ一用共重合体、 組成物並びに該共重合体の製造 方法
技術分野
[0001 ] 本発明は、 半導体の製造に使用されるリソグラフィー用共重合体、 該共重 合体を含む半導体リソグラフィ一用組成物並びに該共重合体の製造方法に関 するものであり、 更に詳しくは、 遠紫外線、 X線、 電子線等の各種放射線を 用いるレジスト膜等の微細パターンの形成に用いられる半導体リソグラフィ 一用共重合体、 該共重合体を含む半導体リソグラフィー用組成物並びに該共 重合体の製造方法に関するものである。
背景技術
[0002] 近年、 半導体素子や液晶表示素子の製造においては、 リソグラフィ一技術 の進歩により急速に微細化が進んでいる。 微細化の手法としては、 一般に露 光光源の短波長化が進められていて、 具体的には、 従来は i線に代表される 紫外線が用いられていたが、 現在では、 フッ化クリプトン (K r F ) エキシ マレ一ザ一 (波長 2 4 8 n m) が量産の中心となり、 更にフッ化アルゴン ( A r F ) エキシマレ _ザ_ (波長 1 9 3 n m) が量産工程で導入され始めて いる。 又、 フッ素ダイマ一 (F 2 ) エキシマレ一ザ一 (1 5 7 n m) や極紫外 線 (E U V ) 、 電子線 (E B ) 等を光源 (放射線源) として用いるリソグラ フィ一技術についても研究が行われている。
[0003] これらのリソグラフィ一技術においては、 化学増幅ポジ型リソグラフィ一 用共重合体が好適に用いられている。 この共重合体は、 アルカリ現像液に可 溶な極性基 (以下、 「アルカリ可溶性基」 ということがある。 ) を、 酸に対 して不安定であると共にアル力リ現像液に対する溶解性を抑制する置換基 ( 以下、 「酸解離性溶解抑制基」 ということがある。 ) で保護した構造 (以下 、 「酸解離性構造」 ということがある。 ) を有する繰り返し単位と、 半導体 基板等に対する密着性を高めたり、 リソグラフィ一溶剤やアル力リ現像液へ
の溶解性を調整したりするための極性基を有する繰り返し単位を含んで構成 される。
[0004] 例えば、 露光源として r Fエキシマレ一ザ一を用いるリソグラフィ一に おいては、 ヒドロキシスチレン由来の繰り返し単位と、 ヒドロキシスチレン 由来のフエノール性水酸基をァセタール構造や 4級炭化水素基等の酸解離性 溶解抑制基で保護した繰り返し単位、 若しくは、 (ひ—アルキル) アクリル 酸由来の力ルポキシル基をァセタール構造や 4級炭化水素基等の酸解離性溶 解抑制基で保護した繰り返し単位等を有する共重合体 (特許文献 1〜 4等参 照) 等が知られている。 又、 ドライエッチング耐性や、 露光前後のアルカリ 現像液に対する溶解速度の差を向上させるため、 脂環式炭化水素基を酸解離 性溶解抑制基とした繰り返し単位を有する共重合体 (特許文献 5〜 6等参照 ) も知られている。
[0005] 露光源として、 より短波長の A r Fエキシマレ一ザ一等を用いるリソグラ フィ一においては、 1 9 3 n mの波長に対する吸光係数が高いヒドロキシス チレン由来の繰り返し単位を有さない共重合体が検討され、 半導体基板等に 対する密着性を高めたり、 リソグラフィ一溶剤やアル力リ現像液への溶解性 を調整したりするための極性基として、 ラク トン構造を繰り返し単位に有す る共重合体 (特許文献 7〜 1 0等参照) が知られている。
[0006] —方、 近年になって、 液浸リソグラフィ一という手法が提案されている。
これは、 対物レンズとリソグラフィ一薄膜との間に、 空気より屈折率が高い 水などの液体を浸して露光する技術であり、 従来の、 対物レンズと薄膜の間 に空気層が存在するリソグラフィ一 (以下、 「ドライリソグラフィ一」 とい うことがある。 ) と比較して、 光源の波長が同一でもレンズの開口数を大き くすることができ、 又、 開口数が同じでも焦点深度を深くできるため、 同一 波長の光源でもより微細なパターンを形成することが可能になる。 このため 、 次世代のリソグラフィ一として、 A r Fエキシマレ一ザ一光源を中心とし た液浸リソグラフィ一が、 実用化に向けて盛んに研究されており、 A r F液 浸リソグラフィ一に用いる共重合体としては、 従来の A r Fドライリソグラ
フィ一で知られているものと同じ共重合体が提案されている (特許文献 1 1 〜1 3等参照) 。
[0007] このような化学増幅ポジ型リソグラフィ一用の共重合体において、 重合原 料である単量体及び該単量体を重合して得られる共重合体の酸価を 20 Om g-KOH/g (約 3. 6mmo l /g) 以下とすることにより、 保存中の 経時変化が無く、 又、 所定のパターンを精度良く形成できることが知られて いる (特許文献 1 4参照) 。 し力、し、 該特許文献では 1 Omg— KOH/g (約 0. 2mm0 l /g) まで低減した例しか開示されておらず、 又、 共重 合体の酸価を更に一桁以上低いレベルにまで低減することにより、 露光量に 対する現像速度のコントラスト (以下、 現像コントラストということがある 。 解像パターンのシャープさを表す指標である。 ) に優れた半導体リソグラ フィー用組成物が得られることは全く知られていなかった。
[0008] 特許文献 1 :特開昭 59— 045439号公報
特許文献 2:特開平 05— 1 1 3667号公報
特許文献 3:特開平 1 0— 026828号公報
特許文献 4:特開昭 62— 1 1 5440号公報
特許文献 5:特開平 09— 0731 73号公報
特許文献 6:特開平 1 0— 1 61 31 3号公報
特許文献 7:特開平 09— 090637号公報
特許文献 8:特開平 1 0— 207069号公報
特許文献 9:特開 2000 _ 026446号公報
特許文献 10:特開 2001 -242627号公報
特許文献 11 :特開 2005-227332号公報
特許文献 12:特開 2005 _ 23401 5号公報
特許文献 13:特開 2005 _ 31 6259号公報
特許文献 14:特開 2001 _ 1 66481号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0009] 本発明は上述した背景技術に鑑みてなされたものであり、 その目的は、 現 像コントラストが高く、 微細パターンの解像性能に優れた、 化学増幅ポジ型 の半導体リソグラフィ一用共重合体、 該共重合体を含む半導体リソグラフィ 一用組成物並びに該共重合体の製造方法を提供することにある。
課題を解決するための手段
[0010] 本発明者らは上記課題を解決するため、 鋭意検討した結果、 少なくとも、 酸解離性溶解抑制基でアル力リ可溶性基を保護した構造を有する繰り返し単 位 (A ) 、 ラク トン構造を有する繰り返し単位 (B ) 、 及び、 アルコール性 水酸基を有する繰り返し単位 (C ) を含む共重合体について、 該共重合体の 酸価を正確に定量する方法で分析し、 該共重合体の酸価を従来よりも低レべ ルに制御することにより、 前記の課題が解決できることを見出し、 本発明を 完成するに至った。
[001 1 ] 即ち、 前記従来技術の課題は、 以下の構成によって解決することができる
[0012] 〔 1〕 少なくとも、 酸解離性溶解抑制基でアル力リ可溶性基を保護した構造 を有する繰り返し単位 (A ) 、 ラク トン構造を有する繰り返し単位 (B ) 、 及び、 アルコール性水酸基を有する繰り返し単位 (C ) を含む共重合体であ つて、 該共重合体を溶媒に溶解した後、 プロモチモールブルーを指示薬とし て、 水酸化アルカリ金属含有溶液で中和滴定する方法で求めた酸価が 0 . 0 1 m m o I / g以下であることを特徴とする半導体リソグラフィ一用共重合 体。
[0013] 〔2〕 繰り返し単位 (A ) の酸解離性溶解抑制基が、 式 (L 1 )
oは酸解離性溶解抑制基としての結合部位を、 R 3及び R
4はそれぞれ独立して炭素数 1〜4の炭化水素基を、 R15は炭素数 1〜1 2の 炭化水素基を表し、 R15は R13又は R14と結合して環を形成しても良い。 } 若しくは式 (L 2)
ί式 (L 2) 中、 οは酸解離性溶解抑制基としての結合部位を、 ?^^及び?^ 7はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数 1〜4の炭化水素基を、 R18は炭素 数 1〜 1 2の炭化水素基を表し、 R 6は 7又は 8と結合して環を形成し ても良い。 }
で表される構造から選ばれる 〔1〕 に記載の半導体リソグラフィー用共重合 体。
[0014] 〔3〕 繰り返し単位 (A) 力 式 (A)
[化 9]
ί式 (Α) 中、 R
10は水素原子、 若しくは、 フッ素原子が置換しても良い炭 素数 1〜4の炭化水素基を、 は酸素原子若しくは硫黄原子を含んでも良 い炭素数 6〜 1 2の脂環式炭化水素基を、 nは 0又は 1の整数を、 R
12は式
(L 1 ) 若しくは (L 2) で表される酸解離性溶解抑制基を表す。 } で表される構造である 〔2〕 に記載の半導体リソグラフィー用共重合体。
[0015] 〔4〕 繰り返し単位 (B) 力 式 (B)
[化 10]
[式 (B) 中、 R20は水素原子、 若しくは、 フッ素原子が置換しても良い炭 素数 1〜 4の炭化水素基を、 R21は単結合、 又は、 酸素原子若しくは硫黄原 子を含んでも良い炭素数 5〜1 2の脂環式炭化水素基を、 L3は式 (L 3) [化 11]
ί式 (L 3) 中、 22〜 29のぃずれか1っは、 R21としての結合部位を 有する単結合を表し、 残りの R22〜R29は、 水素原子、 炭素数 1〜4の炭化 水素基又はアルコキシ基を表すか、
或いは、 R22〜R29のいずれか 1つは、 R21としての結合部位を有し、 他の 22〜 29のぃずれか1つ又は 2つと結合して炭素数 5〜 1 5の脂環を形成 する、 酸素原子又は硫黄原子を含んでも良い炭素数 3〜1 2の炭化水素基を 表し、 残りの R22〜R29は、 いずれか 1つ又は 2つが前記炭素数 5〜 1 5の 脂環を形成するための単結合を表し、 その残りは、 水素原子、 炭素数 1〜4 の炭化水素基又はアルコキシ基を表し、
又、 mは 0又は 1の整数を表す。 }
で表されるラク トン構造を表し、 L3は R21と 1又は 2の単結合で結合してい る。 ]
で表される構造である 〔1〕 乃至 〔3〕 のいずれかに記載の半導体リソグラ フィー用共重合体。
〔5〕 繰り返し単位 (C) 力 式 (C)
[化 12]
ί式 (C ) 中、 R
3 3は水素原子、 若しくは、 フッ素原子が置換しても良い炭 素数 1〜 4の炭化水素基を、 R
3 4〜R
3 6はそれぞれ独立して水素原子若しく は水酸基を表し、 R
3 4〜R
3 6の内、 少なくとも一つ以上が水酸基である。 } で表される構造である 〔1〕 乃至 〔4〕 のいずれかに記載の半導体リソグラ フィー用共重合体。
[0017] 〔6〕 少なくとも、 〔1〕 乃至 〔5〕 のいずれかに記載の共重合体と、 感放 射線性酸発生剤及び有機溶剤を含んでなることを特徴とする半導体リソグラ フィー用組成物。
[0018] 〔7〕 ドライリソグラフィ一に使用される 〔6〕 に記載の半導体リソグラフ ィー用組成物。
[0019] 〔8〕 液浸リソグラフィ一に使用される 〔6〕 に記載の半導体リソグラフィ 一用組成物。
[0020] 〔 9〕 少なくとも、 酸解離性溶解抑制基でアル力リ可溶性基を保護した構造 を有する繰り返し単位 (A ) 、 ラク トン構造を有する繰り返し単位 (B ) 、 及び、 アルコール性水酸基を有する繰り返し単位 (C ) を含む共重合体の製 造方法であって、 繰り返し単位 (A ) を与える単量体、 繰り返し単位 (B ) を与える単量体、 及び、 繰り返し単位 (C ) を与える単量体から選ばれる少 なくとも一種類以上を、 有機溶媒に溶解した状態で水と接触させ、 分液する 工程を経た後、 共重合に供することを特徴とする半導体リソグラフィー用共 重合体の製造方法。
[0021 ] 〔 1 0〕 少なくとも、 酸解離性溶解抑制基でアル力リ可溶性基を保護した構 造を有する繰り返し単位 (A ) 、 ラク トン構造を有する繰り返し単位 (B )
、 及び、 アルコール性水酸基を有する繰り返し単位 (C) を含む共重合体の 製造方法であって、 繰り返し単位 (A) を与える単量体、 繰り返し単位 (B ) を与える単量体、 及び、 繰り返し単位 (C) を与える単量体から選ばれる 少なくとも一種類以上を、 有機溶媒に溶解した状態でイオン交換樹脂と接触 させる工程を経た後、 共重合に供することを特徴とする半導体リソグラフィ 一用共重合体の製造方法。
発明の効果
[0022] 本発明によって、 現像コントラス卜が高く、 微細パターンの解像性能に優 れた化学増幅ポジ型の半導体リソグラフィ一用共重合体及び該共重合体を含 む半導体リソグラフィ一用組成物並びに該共重合体の製造方法を提供するこ とができ、 より高集積な半導体素子の製造が可能になる。
発明を実施するための最良の形態
[0023] 以下、 本発明を更に詳しく説明する。
[0024] 1. 共重合休の檨造
本発明の半導体リソグラフィー用共重合体は、 少なくとも、 繰り返し単位 (A) 、 繰り返し単位 (B) 、 及び、 繰り返し単位 (C) とを含む。
[0025] ( 1 ) し 反し fe (A)
繰り返し単位 (A) は、 酸解離性溶解抑制基でアルカリ可溶性基を保護し た構造を有する繰り返し単位であり、 アル力リ現像液に対する共重合体の溶 解性を変化させる働きをする。 アルカリ可溶性基としては、 水中 25°Cでの p K aが 1 2以下の極性基が好ましく、 特に好ましくは水中 25°Cでの p K aが 1 0以下の極性基である。 このような例として、 フエノ一ル性水酸基、 フルォロアルコール性水酸基、 力ルポキシル基、 スルホ基等を挙げることが でき、 1 93 n mの光線透過率や保存安定性等から、 特に好ましくは力ルポ キシル基である。 酸解離性溶解抑制基が、 このようなアルカリ可溶性基の水 素と置換して、 酸素原子に結合し、 アルカリ現像液に対する溶解性を抑制す る。
[0026] 酸解離性溶解抑制基は、 式 (L 1 ) 若しくは式 (L 2) から選ばれる構造
であることが好ましし
[0027] 式 (L 1 ) 中、 oは酸解離性溶解抑制基としての結合部位を表す。 R13及 び 4はそれぞれ独立して炭素数 1〜4の炭化水素基を表し、 具体的には、 メチル基、 ェチル基、 n—プロピル基、 i —プロピル基、 n_ブチル基、 i —プチル基等を挙げることができる。 R15は炭素数 1〜1 2の炭化水素基を 表し、 具体的には、 メチル基、 ェチル基、 n—プロピル基、 i —プロピル基 、 n_ブチル基、 i _ブチル基、 シクロペンチル基、 シクロへキシル基、 ノ ルポルニル基、 トリシクロ [5. 2. 1.02'6] デカニル基、 ァダマンチル基、 テトラシクロ [4.4.0. 125. 1710] ドデカ二ル基等を挙げることができる 。 尚、 15は 13又は 14と結合して環、 具体的にはシクロペンタン環、 シ クロへキサン環、 ノルポルナン環、 トリシクロ [5. 2. 1.02.6] デカン環、 ァダマンタン環、 テトラシクロ [4.4.0. 12'5. 17·'°] ドデカン環等を形成 しても良い。
[0028] 特に、 R15に、 若しくは、 R15が R13又は R14と結合して、 環、 具体的に はシクロペンタン環、 シクロへキサン環、 ノルポルナン環、 トリシクロ [5. 2. 1.02'6] デカン環、 ァダマンタン環、 テトラシクロ [4.4.0. 12'5. 17·10 ] ドデカン環等が含まれると、 リソグラフィ一前後でのアルカリ現像液に対 する溶解性の差が大きく、 微細パターンを描くのに好ましい。
(L2)
式 (L 2) 中、 oは酸解離性溶解抑制基としての結合部位を表す。 R16及 び R 7はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数 1〜 4の炭化水素基を表し、 具体的には、 水素原子、 メチル基、 ェチル基、 n—プロピル基、 i —プロピ ル基、 n _ブチル基、 i _ブチル基等を挙げることができる。 R18は炭素数 1〜 1 2の炭化水素基を表し、 具体的にはメチル基、 ェチル基、 n _プロピ ル基、 i _プロピル基、 n _ブチル基、 i _ブチル基、 t _ブチル基、 2_ ェチルへキシル基、 シクロペンチル基、 シクロへキシル基、 ノルポルニル基 、 トリシクロ [5. 2. 1. 02.6] デカニル基、 ァダマンチル基、 テトラシクロ [4. 4. 0. 12.5. 17·'°] ドデカ二ル基等を挙げることができる。 尚、 R16は 、 又は R18と結合して環を形成しても良く、 R16が と結合した環の 具体例として、 シクロペンタン環、 シクロへキサン環、 ノルポルナン環、 ト リシクロ [5. 2. 1. 02'6] デカン環、 ァダマンタン環、 テトラシクロ [4. 4 . 0. 12·5. 17·'°] ドデカン環等を、 又、 R16が R18と結合した環の具体例とし て、 ヒドロフラン環、 ヒドロピラン環等をそれぞれ挙げることができる。
[0030] 繰り返し単位 (A) は、 式 (A) で表される構造であることが好ましい。
[化 15]
[0031] 式 (A) 中、 R10は水素原子、 若しくは、 フッ素原子が置換しても良い炭 素数 1〜 4の炭化水素基を表し、 具体的には、 水素原子、 メチル基、 ェチル 基、 n—プロピル基、 i —プロピル基、 n _ブチル基、 i _ブチル基、 トリ フルォロメチル基等を挙げることができ、 好ましくは、 水素原子、 メチル基 、 トリフルォロメチル基である。
[0032] は、 酸素原子若しくは硫黄原子を含んでも良い炭素数 6〜 1 2の脂環 式炭化水素基を表し、 具体的には、 ノルポルナン環、 テトラシクロ [4. 4.
0. 12'5· 1 10] ドデカン環、 7 _ ο X a _ノルポルナン環、 7 _ t h i a _ ノルポルナン環等を有する脂環式炭化水素基を挙げることができ、 好ましく はノルポルナン環、 テトラシクロ [4. 4. 0. 12·5. 17·'°] ドデカン環である 。 尚、 ηは 0又は 1の整数である。
[0033] 以下に、 繰り返し単位 (Α) の具体的な例を示すが、 本発明はこれらの具 体例に限定されるものではない。 尚、 これらの繰り返し単位を与える単量体 は、 単独若しくは 2種類以上を組み合わせて用いることができる。
[0034] [化 16]
(A 101) (A 102) (A 103) (A 1 04)
(A 105) (A 106) (A 107) (A 1 08)
[0035]
()) ()) (slvs9SIVSTV:8SIV
i
〕 0
) () (寸 ΐ寸寸 5
〔〕6§
/ Oさ S080SAV
〔靈
[化 27]
(A 231) (A 232)
(A 235) (A 236)
[0047] (2) 繰り返し単位 (B)
繰り返し単位 (B) は、 ラク トン構造を有する繰り返し単位であり、 半導 体基板への密着性を高めたり、 リソグラフィ一溶媒やアル力リ現像液への溶 解性を制御したりする働きをする。 繰り返し単位 (B) は、 式 (B) で表さ れる構造であることが好ましい。
[化 29]
式 (B) 中、 R
20は水素原子、 若しくは、 フッ素原子が置換しても良い炭 素数 1〜 4の炭化水素基を表し、 具体的には、 水素原子、 メチル基、 ェチル 基、 n—プロピル基、 i —プロピル基、 n _ブチル基、 i _ブチル基、 トリ
フルォロメチル基等を挙げることができ、 好ましくは、 水素原子、 メチル基
、 トリフルォロメチル基である。 R21は単結合、 又は、 酸素原子若しくは硫 黄原子を含んでも良い炭素数 5〜1 2の脂環式炭化水素基を表し、 具体的に は単結合、 若しくは、 シクロへキサン環、 ノルポルナン環、 テトラシクロ [ 4.4.0. 125. 17 ,°] ドデカン環、 7 _ o X a _ノルポルナン環、 7_ t h i a—ノルポルナン環等を有する脂環式炭化水素基を挙げることができ、 好 ましくは単結合、 ノルポルナン環、 7 _o X a _ノルポルナン環である。 式 (B) 中、 L3は式 (L 3) で表されるラク トン構造を表し、 R21と 1又 は 2の単結合で結合している。
[化 30]
[0050] 式 (L 3) 中、 22〜 29のぃずれか1っは、 R 2 としての結合部位を有 する単結合を表し、 残りの R22〜R29は、 水素原子、 炭素数 1〜4の炭化水 素基又はアルコキシ基を表すか、
或いは、 R22〜R29のいずれか 1つは、 R21としての結合部位を有し、 他の 22〜 29のぃずれか1つ又は 2つと結合して炭素数 5〜 1 5の脂環を形成 する、 酸素原子又は硫黄原子を含んでも良い炭素数 3〜1 2の炭化水素基を 表し、 残りの R22〜R29は、 いずれか 1つ又は 2つが前記炭素数 5〜 1 5の 脂環を形成するための単結合を表し、 その残りは、 水素原子、 炭素数 1〜4 の炭化水素基又はアルコキシ基を表し、
又、 mは 0又は 1の整数を表す。
[0051] 以下に、 繰り返し単位 (B) の具体的な例を示すが、 本発明はこれらの具 体例に限定されるものではない。 尚、 これらの繰り返し単位を与える単量体 は、 単独若しくは 2種類以上を組み合わせて用いることができる。
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(B 1 86) (B 187) (B 1 88) (B 189) (B 1 90) (3) し 反し 立 (C)
繰り返し単位 (C) は、 アルコール性水酸基を有する繰り返し単位であり 、 半導体基板への密着性を高めたり、 リソグラフィ一溶媒やアルカリ現像液 への溶解性を制御したりする働きをする。 繰り返し単位 (C) の構造として は、 光線透過率やエッチング耐性に優れることから、 式 (C) で表される構 造であることが特に好ましい。
[化 38]
式 (C) 中、 R
33は水素原子、 若しくは、 フッ素原子が置換しても良い炭 素数 1〜 4の炭化水素基を表し、 具体的には、 水素原子、 メチル基、 ェチル 基、 n—プロピル基、 i —プロピル基、 n _ブチル基、 i _ブチル基、 トリ
フルォロメチル基等を挙げることができ、 好ましくは、 水素原子、 メチル基
、 トリフルォロメチル基である。 R 34〜R 36はそれぞれ独立して水素原子若 しくは水酸基を表し、 R34〜R36の内、 少なくとも一つ以上が水酸基である
[0061] 以下、 繰り返し単位 (C) の具体的な例を示すが、 本発明はこれらの具体 例に限定されるものではない。 尚、 これらの繰り返し単位を与える単量体は 、 単独若しくは 2種類以上を組み合わせることができる。
[0062] [化 39]
(C 1 1 1) (C 1 12) (C 1 13)
(C 1 15) (C 1 16) (C 1 1 7)
[0063] (4) その他の繰り返し単位
本発明の半導体リソグラフィ一用共重合体は、 上記の繰り返し単位以外に 、 必要に応じて、 アルカリ現像液ゃリソグラフィ一溶媒への溶解性を制御す る目的で、 酸安定溶解抑制基を有する繰り返し単位 (D) 等も含むことがで さる。
[0064] 繰り返し単位 (D) の例としては、 式 (D) で表される構造を挙げること ができる。
[化 40]
[0065] 式 (D) 中、 R40は水素原子、 若しくは、 フッ素原子が置換しても良い炭 素数 1〜 4の炭化水素基を表し、 具体的には、 水素原子、 メチル基、 ェチル 基、 n—プロピル基、 i —プロピル基、 n_ブチル基、 i _ブチル基、 トリ フルォロメチル基等を挙げることができ、 好ましくは、 水素原子、 メチル基 、 トリフルォロメチル基である。 R41はエステル結合している炭素が 1〜3 級炭素である炭素数 1〜1 2の脂環式炭化水素基、 若しくは、 1 _ァダマン チル基を表し、 具体的には、 メチル基、 ェチル基、 n—プロピル基、 i —プ 口ピル基、 n_ブチル基、 i _ブチル基、 シクロペンチル基、 シクロへキシ ル基、 2_ノルポルニル基、 2_イソポルニル基、 8—トリシクロ [5. 2. 1.02'6] デカニル基、 1—ァダマンチル基、 2—ァダマンチル基、 4—テト ラシクロ [4.4.0. 12'5. 17·'°] ドデカ二ル基等を挙げることができる。
[0066] 以下に、 繰り返し単位 (D) の具体的な例を示すが、 本発明はこれらの具 体例に限定されるものではない。 尚、 これらの繰り返し単位を与える単量体 は、 単独若しくは 2種類以上を組み合わせて用いることができる。
[0067]
[化 41]
(D i l l) (D 1 1 2) (D 1 13) (D 1 14) (D 1 15)
[0068] (5) 繰り返し単位組成
各繰り返し単位の組成は、 半導体リソグラフィ一における基本性能を損な わない範囲で選択することができる。 例えば、 繰り返し単位 (A) は、 通常 1 0〜 80モル0 /o、 好ましくは 1 5〜 70モル0 /o、 より好ましくは 20〜 6 0モル%の範囲を選択する。 繰り返し単位 (B) は、 通常 1 0〜80モル% 、 好ましくは 1 5〜70モル0 /o、 より好ましくは 20〜 60モル0 /oの範囲を 選択する。 繰り返し単位 (C) は、 通常 1〜50モル%、 好ましくは 5〜 4 0モル0 /0、 より好ましくは 1 0〜30モル%の範囲を選択する。 繰り返し単 位 (D) は、 通常 0〜30モル0 /0、 好ましくは 0〜20モル0 /0、 より好まし くは 0〜1 0モル%の範囲を選択する。
[0069] (6) ま 告
本発明の半導体リソグラフィー用共重合体は、 既に公知の末端構造を含む 。 通常、 ラジカル重合開始剤から発生するラジカル構造を重合開始末端とし
て含み、 連鎖移動剤を用いる場合は、 連鎖移動剤から発生するラジカル構造 を重合開始末端として含む。 溶媒や単量体等に連鎖移動する場合は、 溶媒や 単量体から発生するラジカル構造を重合開始末端として含む。 停止反応が再 結合停止の場合は、 両末端に重合開始末端を含むことができ、 不均化停止の 場合は片方に重合開始末端を、 もう片方に単量体由来の末端構造を含むこと ができる。 重合停止剤を用いる場合は、 一方の末端に重合開始末端を、 もう 片方の末端に重合停止剤由来の末端構造を含むことができる。 これらの開始 反応及び停止反応は、 一つの重合反応の中で複数発生する場合があり、 その 場合、 複数の末端構造を有する共重合体の混合物となる。 本発明で用いるこ とができる重合開始剤、 連鎖移動剤、 溶媒については後述する。
[0070] (7)
共重合体の重量平均分子量 (Mw) は、 高すぎるとレジスト溶剤やアル力 リ現像液への溶解性が低くなり、 一方、 低すぎるとレジストの塗膜性能が悪 くなることから、 1 , 000〜 40, 000の範囲内であることが好ましく、 1 , 500〜30, 000の範囲内であることがより好ましく、 2, 000〜 20, 000の範囲内であることが特に好ましい。 又、 分子量分布 (Mw/ M n) は 1. 0〜5. 0の範囲内であることが好ましく、 1. 0〜3. 0の 範囲内であることがより好ましく、 1. 2〜2. 5の範囲内であることが特 に好ましい。
[0071] 本発明の半導体リソグラフィー用共重合体は、 所定の方法で求めた酸価が
0. 0 1 mmo I /g以下であることを特徴とする。
[0072] 2. B§価の定暈カ法
本発明の共重合体の酸価は、 測定対象の共重合体を溶媒に溶解し、 ブロモ チモールブルーを指示薬として、 水酸化アル力リ金属含有溶液で中和滴定す ることにより求める。 この方法は、 次の理由により、 特にラク トン構造を有 する共重合体の酸価を定量する場合に好ましい。
[0073] 即ち、 ラク トン構造は p Hが 8以上で加水分解しゃすい。 又、 カルポキシ ル基のような弱酸を水酸化アル力リ金属のような強塩基で中和する場合、 滴
定量に対する p Hの変化は、 p Hが 7未満では緩やかであり、 1"1が7〜1 0の間で極大となる。 このため、 p Hが 7以上 8未満で変色する指示薬を用 いる必要があり、 最適な指示薬はプロモチモールブルーである。 該指示薬は p H = 7. 6で中間色の緑から塩基性色の青に変化する。
[0074] 上記以外の方法として、 例えば電位差滴定や13 C_NMR、 1 H_NMRに よる方法を挙げることができる。 しかし、 電位差滴定による方法では、 終点 の見極めが難しく、 過剰量滴下した塩基によってラク トンが加水分解してし まうため、 実質的に定量が困難である。 又、 13C_NMRによる方法では、 S/N比が低いために微小ピークの定量が困難であること、 又、 カルポキシ ル基を定量する場合、 (メタ) アクリル酸エステル系共重合体の主鎖力ルポ ニルゃラク トン構造の力ルポニルとピークが分離しない場合が多いこと等、 実質的に定量が困難である。 更に、 1 H— NMRによる方法では、 酸性水素の ピークはブロードになるため、 微小ピーク面積の積算が難しく、 実質的に定 量は困難である。
[0075] 以下、 プロモチモールブルーを指示薬とし、 水酸化アルカリ金属含有溶液 で中和滴定する方法について説明する。
[0076] 滴定に用いる水酸化アルカリ金属として、 好ましくは、 通常の中和滴定に 用いる水酸化ナトリウム、 水酸化カリウムを挙げることができる。 この水酸 化アルカリ金属を、 水若しくは有機溶媒と水の混合液に溶解し、 好ましくは 0. 0001〜 1 mo I /Lの範囲の濃度、 特に好ましくは 0. 001〜0 . 1 mo I /Lの範囲の濃度とする。 調製した滴定液は、 使用前に、 標準溶 液を使って滴定するなどの方法で、 正確な濃度を求めることが好ましい。 又 、 滴定液に使用する水は、 あらかじめフィルタ一ろ過や、 イオン交換処理、 蒸留、 脱気等の方法で、 二酸化炭素等の不純物を低減したものを使用するの が好ましい。
[0077] 滴定時に共重合体を溶解する溶媒は、 共重合体と指示薬を溶解する溶媒で あって、 滴定液を滴下しても共重合体が析出しない溶媒を選択する。 共重合 体が水溶性の場合は水、 水溶性の有機溶媒及びこれらの混合物を選ぶことが
でき、 特に好ましくは水である。 共重合体が非水溶性の場合は、 共重合体を 溶解し、 且つ、 水を好ましくは 1 %以上、 特に好ましくは 1 0 <½以上溶解す る有機溶媒が好ましく、 単独若しくは 2種以上を混合して用いることができ る。
[0078] 有機溶媒の具体例としては、 アセトン、 メチルェチルケトン、 メチルイソ アミルケトン、 メチルアミルケトン、 シクロへキサノン等のケトン類; メタ ノール、 エタノール、 イソプロパノール等のアルコール類; エチレングリコ —ルモノメチルエーテル、 エチレングリコ一ルモノエチルェ一テル、 ェチレ ングリコールモノプチルェ一テル、 プロピレングリコールモノメチルェ一テ ル、 3—メ トキシ _ 3 _メチル _ 1—ブタノ一ル等のエーテルアルコール類 ;前記エーテルアルコール類と酢酸等とのエステル化合物であるエーテルエ ステル類;酢酸メチル、 酢酸ェチル、 酢酸プチル、 プロピオン酸メチル、 3 —メ トキシプロピオン酸メチル、 3 _エトキシプロピオン酸ェチル、 乳酸メ チル、 乳酸ェチル、 r _プチロラク トン等のエステル類; テトラヒドロフラ ン、 1 , 4 _ジォキサン、 エチレングリコ一ルジメチルェ一テル、 ジェチレ ングリコ一ルジメチルェ一テル等のエーテル類; トルエン、 キシレン等の芳 香族炭化水素類; N , N—ジメチルホルムアミ ド、 N _メチルピロリ ドン等 のアミ ド類; ジメチルスルホキシド、 ァセトニトリル等が挙げられる。
[0079] 3 . # の 告カミ去
以下、 本発明の半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法について説明 する。 本発明の共重合体は、 少なくとも、 単量体から酸を除去する工程 (Q ) 、 単量体を加熱した有機溶媒中でラジカル重合させる工程 (P ) を経て得 ることができ、 又、 必要に応じ、 共重合体から単量体、 重合開始剤等の未反 応物ゃオリゴマー等の低分子量成分等の不要物を除去する工程 (R ) や、 低 沸点不純物を除去したり、 溶媒を次工程若しくはリソグラフィ一に適した溶 媒と置換したりする工程 (S ) 、 半導体の形成に好ましくない金属不純物を 低減する工程 (T ) 、 マイクロゲル等のパターン欠陥の原因となる物質を低 減する工程 (U ) を組み合わせることもできる。
[0080] ( 1 ) 工程 (Q)
工程 (Q) は、 単量体から、 その合成過程で使用した酸原料や酸触媒、 副 生した酸等の酸性物質を除去する工程である。 酸性物質が残留すると、 工程 (P) において、 繰り返し単位 (A) を与える単量体の酸解離性溶解抑制基 の一部が脱離したり、 酸性物質が重合性物質の場合は酸性物質が共重合した りして、 共重合体中に力ルポキシル基等の酸性官能基が生成してしまう。 共 重合体の酸価を 0. 01 mmo I /gとするためには、 単量体に含まれる酸 性物質を除去し、 単量体の酸価を好ましくは 0. 01 mg/g以下、 特に好 ましくは 0. 005mg/g以下に低減することが好ましい。
[0081] 酸性物質を除去する方法は、 単量体の酸価を 0. 01 mg/g以下にでき る方法であれば特に制限されないが、 好ましくは、 (Q 1 ) 水と二相に分離 する有機溶媒に単量体を溶解し、 水と混合して酸性分を水相に抽出し、 水相 を分液除去する方法、 或いは、 (Q2) 有機溶媒に溶解した単量体をイオン 交換樹脂に接触させ、 酸性分をイオン交換樹脂に吸着又はイオン交換して除 去する方法等を挙げることができる。
[0082] (Q 1 ) で用いる有機溶媒は、 前記した溶媒の中から、 単量体を溶解し、 水と分離する溶媒を選択するが、 単独又は 2種以上を混合しても良い。 単量 体の濃度は、 高すぎると酸性分の抽出効率が低下し、 低すぎると生産効率が 低下するため、 通常 5〜80質量%、 好ましくは 1 0〜70質量%、 特に好 ましくは 1 5〜50質量%の範囲を選択する。 抽出溶媒である水の量は、 少 なすぎると酸性分の抽出が不十分になり、 多すぎると生産効率が低下するた め好ましくなく、 通常、 単量体溶液の 0. 1〜1 0質量倍、 好ましくは 0. 2〜5質量倍、 特に好ましくは 0. 3〜 3質量の範囲を選択する。 抽出する 際の温度は、 高すぎると分液性が低下したり、 単量体や溶媒が変質したりし て好ましくなく、 又、 低すぎると水が凝固したりして好ましくない。 通常 0 〜60°C、 好ましくは 5〜50°C、 特に好ましくは 1 0〜40°Cの範囲を選 択する。
[0083] (Q2) で用いる有機溶媒は、 前記した溶媒の中から単量体を溶解する溶
媒を選択する。 イオン交換樹脂は、 通常ァニオン交換樹脂と呼ばれる、 ァニ オン吸着能ゃァニオン交換能を有する樹脂を、 単独若しくは組み合わせて使 用することができる。 又、 ァニオン交換樹脂を、 通常カチオン交換樹脂と呼 ばれるカチオン交換能を有する樹脂と組み合わせて用いても良い。 尚、 ァニ オン交換樹脂からは塩基成分が溶出することがあるため、 カチオン交換樹脂 と組み合わせて使用することが特に好ましい。
[0084] ァニオン交換樹脂の例としては、 ァニオン吸着能若しくはァニオン交換能 を有する置換基を有するポリスチレン、 (メタ) アクリル酸エステル一ジビ ニルベンゼン共重合体、 スチレン一ジビニルベンゼン共重合体や、 アルキレ ン基で架橋したポリスチレン、 (メタ) アクリル酸エステル一ジビニルベン ゼン共重合体、 スチレン—ジビニルベンゼン共重合体等の樹脂が挙げられる 。 又、 ァニオン吸着能を有する置換基の例としては、 1 3級のアミノ基を 有する置換基が挙げられ、 具体的には N, N—ジメチルァミノメチル基、 N —メチルァミノメチル基、 アミノメチル基、 N, N—ジェチルァミノメチル 基等を挙げることができ、 特に好ましくは N, N—ジメチルァミノメチル基 である。 ァニオン吸着能を有する置換基の例として、 4級アンモニゥムィォ ンを有する置換基が挙げられ、 対カチオンは水酸ァニオンであることが好ま しく、 具体的には以下に示す (E 1 ) (E4) を挙げることができ、 特に 好ましくは (E 1 ) 若しくは (E2) である。
(E l) (E 2) (E 3) (E4)
[0085] カチオン交換樹脂としては、 前記したァニオン交換樹脂における、 ァニォ ン吸着能若しくはァニオン交換能を有する官能基の替わりに、 カルボン酸、 スルホン酸などのカチオン交換能を有する官能基を有する樹脂を挙げること ができ、 特に好ましくはスルホン酸基が置換した樹脂である。
[0086] 単量体が溶解した溶液をイオン交換樹脂と接触させるには、 イオン交換樹 脂を単量体溶液に投入して撹拌しても良いし、 イオン交換樹脂を充填したィ オン交換層に単量体溶液を通液しても良い。 イオン交換樹脂の使用量は、 少 なすぎると酸性物質を除去しきれず、 多すぎると生産効率が低下するため好 ましくない。 イオン交換容量が酸性物質に対して、 通常、 1. 2〜 1 00等 量倍、 好ましくは 1. 5〜 50当量倍、 特に好ましくは 1. 5〜 20当量倍 になる範囲を選択する。
[0087] 単量体溶液をイオン交換層に通液する場合は、 L H SV (L i q u i d
H o u r l y S p a c e V e l o c i t yの略で、 流体の空間速度を表 す。 ここでは、 単量体溶液の通液速度をイオン交換層の体積で割った値で表 す。 ) が速すぎると酸性物質の除去効率が低下し、 遅すぎると生産効率が低 下するため好ましくなく、 L H SVが通常、 0. 1〜 1 00/h r、 好まし くは 0. 5〜50/h r、 特に好ましくは 1〜20/h rの範囲を選択する
[0088] イオン交換層の層高は、 低すぎるとショートパスによって酸性物質の除去 効率が低下し、 高すぎると差圧によって通液しにくくなるため好ましくなく 、 通常、 5〜500 cm、 好ましくは 1 0〜300 cm、 特に好ましくは 2 0〜200 cmの範囲を選択する。 温度は、 高すぎるとイオン交換樹脂や単 量体、 溶媒が変質するため好ましくなく、 低すぎるとイオン交換若しくは吸 着が不十分となるため好ましくなく、 通常、 0〜60°C、 好ましくは 5〜5 0°C、 特に好ましくは 1 0〜40°Cの範囲を選択する。
[0089] このようにして酸性分を除去した後、 そのまま工程 (P) に用いても良い 力 好ましくは、 減圧下で加熱して、 有機溶媒を留去させる等の方法で溶媒 と分離した後工程 (P) に供する。
[0090] (2) 工程 (P)
工程 (P) は、 単量体を、 ラジカル重合開始剤の存在下、 有機溶媒中でラ ジカル重合させる工程であり、 公知の方法にて実施できる。 例えば、 (P 1 ) 単量体を重合開始剤と共に溶媒に溶解し、 そのまま加熱して重合させる一
括昇温法、 (P 2) 単量体を重合開始剤と共に必要に応じて溶媒に溶解し、 加熱した溶媒中に滴下して重合させる混合滴下法、 (P 3) 単量体と重合開 始剤を別々に、 必要に応じて溶媒に溶解し、 加熱した溶媒中に別々に滴下し て重合させるいわゆる独立滴下法、 (P 4) 単量体を溶媒に溶解して加熱し 、 別途溶媒に溶解した重合開始剤を滴下して重合させる開始剤滴下法等が挙 げられる。
[0091] ここで、 (P 1 ) —括昇温法と (P 4) 開始剤滴下法は重合系内において 、 (P 2) 混合滴下法は重合系内に滴下する前の滴下液貯槽内において、 未 反応単量体の濃度が高い状態で低濃度のラジカルと接触する機会があるため 、 パターン欠陥発生原因のひとつである分子量 1 0万以上の高分子量体 (ハ ィポリマー) が生成しやすい傾向にある。 これに比べて、 (P 3) 独立滴下 法は、 滴下液貯槽で重合開始剤と共存しないこと、 重合系内に滴下した際も 未反応単量体濃度が低い状態を保つことから、 ハイポリマーが生成しないの で、 本発明の重合方法としては (P 3) 独立滴下法が特に好ましい。 尚、 ( P 2) 混合滴下法及び (P 3) 独立滴下法において、 滴下時間と共に滴下す る単量体の組成、 単量体、 重合開始剤及び連鎖移動剤の組成比等を変化させ ても良い。
[0092] 重合開始剤としては、 ラジカル重合開始剤として公知のものを用いること ができる。 好ましくは、 ァゾ化合物、 過酸化物等のラジカル重合開始剤であ る。 ァゾ化合物の具体例としては、 2 , 2 '—ァゾビスイソプチロニトリル、 2, 2'—ァゾビス (2—メチルブチロニトリル) 、 ジメチル一2, 2' —ァゾ ビスイソブチレ一ト、 1 , 1 '—ァゾビス (シクロへキサン一 1_力ルポ二トリ ル) 、 4, 4'—ァゾビス (4—シァノ吉草酸) 等を挙げることができる。 過 酸化物の具体例としては、 デカノィルパーオキサイ ド、 ラウロイルパーォキ サイ ド、 ベンゾィルパ一ォキサイ ド、 ビス (3, 5, 5_トリメチルへキサノ ィル) パーォキサイ ド、 コハク酸パーォキサイ ド、 t e r t—ブチルバ一才 キシ _ 2 _ェチルへキサノエ一ト、 t e r t—ブチルバ一ォキシピバレ一ト 、 1 , 1 , 3, 3—テトラメチルブチルバ一ォキシ _ 2 _ェチルへキサノエ
-ト等を挙げることができる。 これらは単独で若しくは混合して用いること ができる。 重合開始剤の使用量は、 目的とする M w、 原料である単量体、 重 合開始剤、 連鎖移動剤及び溶媒の種類や組成比、 重合温度や滴下速度等の製 造条件に応じて選択することができる。
[0093] 連鎖移動剤は、 連鎖移動剤として公知のものを、 必要に応じて用いること ができる。 中でもチオール化合物が好ましく、 公知のチオール化合物の中か ら幅広く選択することがでる。 具体的には、 t—ドデシルメルカブタン、 メ ルカプトエタノール、 メルカプト酢酸、 メルカプトプロピオン酸等を挙げる ことができる。 又、 2—ヒドロキシ一 1 , 1 , 1 , 3 , 3 , 3 _へキサフル オロー 2—プロピリデン基が飽和炭化に結合した構造を有するチオール化合 物は、 リソグラフイーバターンのラフネスや欠陥を抑える効果があるため特 に好ましい。
[0094] 連鎖移動剤の使用量は、 目的とする M w、 原料である単量体、 重合開始剤 、 連鎖移動剤及び溶媒の種類や組成比、 重合温度や滴下速度等の製造条件に 応じて選択することができる。 又、 連鎖移動剤は、 (P 1 ) —括昇温法にお いては、 単量体、 重合開始剤と共に溶媒に溶解して加熱することができ、 ( P 2 ) 混合滴下法、 (P 3 ) 独立滴下法、 (P 4 ) 開始剤滴下法においては 、 単量体と混合して滴下しても良く、 重合開始剤と混合して滴下しても良く 、 予め加熱する溶媒中に溶解して使用しても良い。
[0095] 重合溶媒は、 単量体、 重合開始剤、 連鎖移動剤、 更には重合して得られた 共重合体を溶解させる化合物であれば特に制限されない。 溶媒の具体例とし ては、 前記酸価の定量に用いることができる溶媒として例示した有機溶媒を 挙げることができ、 単独又は 2種以上を混合して用いることができる。
[0096] 工程 (P ) の重合温度は、 溶媒、 単量体、 連鎖移動剤等の沸点、 重合開始 剤の半減期温度等に応じて適宜選択することができる。 低温では重合が進み にくいため生産性に問題があり、 又、 必要以上に高温にすると、 単量体及び 共重合体の安定性の点で問題がある。 従って、 好ましくは 4 0〜1 2 0 °C、 特に好ましくは 6 0〜1 0 0 °Cの範囲で選択する。
[0097] (P 2) 混合滴下法及び (P 3) 独立滴下法における滴下時間は、 短時間 であると分子量分布が広くなりやすいことや、 一度に大量の溶液が滴下され るため重合液の温度低下が起こることから好ましくない。 逆に、 長時間であ ると共重合体に必要以上の熱履歴がかかることと、 生産性が低下することか ら好ましくない。 従って、 通常 0. 5〜24時間、 好ましくは 1〜1 2時間 、 特に好ましくは 2〜8時間の範囲から選択する。
[0098] (P 2) 混合滴下法及び (P 3) 独立滴下法における滴下終了後、 及び、
(P 1 ) 一括昇温法及び (P4) 開始剤滴下法における重合温度への昇温後 は、 一定時間温度を維持するか、 若しくは更に昇温する等して熟成を行い、 残存する未反応単量体を反応させることが好ましい。 熟成時間は長すぎると 時間当たりの生産効率が低下すること、 共重合体に必要以上の熱履歴がかか ることから好ましくない。 従って、 通常 1 2時間以内、 好ましくは 6時間以 内、 特に好ましくは 1〜4時間の範囲から選択する。
[0099] (3) ェ稈 (R)
工程 (R) は、 工程 (P) を経て得られた共重合体に含まれる、 単量体や 重合開始剤等の未反応物ゃォリゴマー等の低分子量成分を、 溶媒に抽出して 除去する工程である。 その方法として、 例えば、 (R 1 ) :貧溶媒を加えて 共重合体を沈殿させた後、 溶媒相を分離する方法、 (R 1 a) : (R 1 ) に 続いて貧溶媒を加え、 共重合体を洗浄した後、 溶媒相を分離する方法、 (R 1 b) : (R 1 ) に続いて良溶媒を加え、 共重合体を再溶解させ、 更に貧溶 媒を加えて共重合体を再沈殿させた後、 溶媒相を分離する方法、 (R2) : 貧溶媒を加えて貧溶媒相と良溶媒相の二相を形成し、 貧溶媒相を分離する方 法、 (R2 a) : (R 2) に続いて貧溶媒を加え、 良溶媒相を洗浄した後、 貧溶媒相を分離する方法等が挙げられる。 尚、 (R 1 a) 、 (R 1 b) 、 ( R2 a) は繰り返しても良いし、 それぞれ組み合わせても良い。
[0100] 貧溶媒は、 共重合体が溶解しにくい溶媒であれば特に制限されなし、が、 例 えば、 水やメタノール、 イソプロパノール等のアルコール類、 へキサン、 へ ブタン等の飽和炭化水素類等を用いることができる。 又、 良溶媒は、 共重合
体が溶解しやすい溶媒であれば特に制限されず、 1種又は 2種以上の混合溶 媒として用いることができる。 製造工程の管理上、 重合溶媒と同じものが好 ましい。 良溶媒の例としては、 工程 (P) の重合溶媒として例示された溶媒 と同じものを挙げることができる。
[0101] (4) 工程 (S)
工程 (S) は、 共重合体溶液に含まれる低沸点不純物を除去したり、 溶媒 を次工程若しくはリソグラフィ一組成物に適した溶媒に置換したりする工程 である。 重合体溶液を減圧下で加熱しながら濃縮し、 必要に応じて溶媒を追 加して更に濃縮する工程 (S 1 ) 、 重合体溶液を、 減圧下で加熱しながら、 必要に応じて濃縮した後、 溶媒を次工程若しくはリソグラフィ一組成物とし て好ましい溶媒を供給しながら、 初期の溶媒と供給した溶媒を留去させ、 必 要に応じて更に濃縮して、 溶媒を次工程若しくはリソグラフィ一組成物とし て好ましい溶媒に置換する工程 (S 2) 等によって行うことができる。
[0102] この工程 (S) は、 例えばリソグラフィ一組成物が工程 (P) や工程 (R ) を経て得られた溶媒と異なったり、 リソグラフィ一組成物に好ましくない 不純物が存在したりする場合に実施するもので、 リソグラフィ一組成物を調 合する工程 (U) に先立ち、 実施することが好ましい。
[0103] 工程 (S) を経ず、 減圧乾燥によって一旦固体にした後、 別の溶媒に溶解 することもできるが、 この操作では、 固体中に不純物や溶媒が残留しやすい こと、 又、 共重合体に対して必要以上の熱履歴を与えるため、 好ましくない
[0104] 工程 (S) の温度は、 共重合体が変質しない温度であれば特に制限されな いが、 通常 1 00°C以下が好ましく、 80°C以下がより好ましく、 更に好ま しくは 70°C以下、 特に好ましくは 60°C以下である。 溶媒を置換する際に 、 後から供給する溶媒の量は、 少なすぎると低沸点化合物が十分に除去でき ず、 多すぎると置換に時間がかかり、 共重合体に必要以上に熱履歴を与える ため好ましくない。 通常、 仕上がり溶液の溶媒として必要な量の 1. 05倍 〜1 0倍、 好まし<は1. 1倍〜 5倍、 特に好ましくは 1. 2倍〜 3倍の範
囲から選択できる。
[0105] (5) 工程 (T)
工程 (T) は、 半導体リソグラフィ一として好ましくない金属分を低減す る工程である。 金属は、 原料や副資材、 機器、 その他環境から混入すること があり、 この量が半導体形成における許容値を超えることがあるので、 必要 に応じて実施する。 この工程 (T) は、 工程 (R) において、 極性溶媒を貧 溶媒とする場合、 金属分を低減できる場合があり、 この場合は、 工程 (R) と兼ねることができる。 それ以外の方法として、 カチオン交換樹脂と接触さ せる工程 (T 1 ) 、 カチオン交換樹脂と、 ァニオン交換樹脂若しくは酸吸着 樹脂の混合樹脂と接触させる工程 ( T 2 ) 、 ポリアミ ドボリアミンェピクロ ロヒドリンカチオン樹脂などの正のゼータ電位を有する物質を含むフィルタ 一に通液させる工程 (T 3) 等を選択することができる。 これらの工程は組 み合わせて実施することができ、 工程 (T 3) で用いるフィルタ一としては 、 キュノ社製ゼ一タプラス 4 OQS H、 ゼ一タプラス 02 OGN、 エレク ト 口ポア E F I I等を例示できる (これらは商標で、 以下同様である。 ) 。
[0106] (6) ェ稈 (U)
工程 (U) は、 パターン欠陥の原因となるため好ましくないハイポリマー 等のマイクロゲルを、 有機溶媒に溶解した共重合体をフィルタ一に通液させ て低減する工程である。 フィルタ一の濾過精度は、 0. 2 m以下、 好まし くは 0. 1 m以下、 特に好ましくは 0. 05 m以下である。 フィルタ一 の材質は、 ポリエチレン、 ポリプロピレン等のポリオレフイン、 ポリアミ ド 、 ポリエステル、 ポリアクリロニトリルなどの極性基含有樹脂、 フッ化ポリ ェチレンなどのフッソ含有樹脂を挙げることができ、 特に好ましくはポリァ ミ ドである。
[0107] ポリアミ ド系フィルタ一の例としては、 日本ポール製のウルチプリーツ P —ナイロン 66、 ウルチポア N 66、 キュノ製のフォトシ一ルド、 エレク ト 口ポア I I E Fなどを挙げることができる。 ポリエチレン系フィルタ一とし ては、 日本インテグリス製のマイクロガ一ドプラス H C 1 0、 ォプチマイザ
_ D等を挙げることができる。 これらのフィルタ一はそれぞれ単独で用いて も 2種類以上を組み合わせて用いても良い。
[0108] (7) 工程 (V)
上記により得られた共重合体は、 乾燥固体を 1種又は 2種以上のリソグラ フィー溶媒に溶解するか、 又は、 リソグラフィ一溶媒に溶解した共重合体溶 液を必要に応じて同種又は異種のリソグラフィ一溶媒で希釈すると共に、 感 放射線性酸発生剤 (X) ί以下、 成分 (X) という } 、 放射線に暴露されな い部分への酸の拡散を防止するための含窒素有機化合物等の酸拡散抑制剤 ( Υ) ί以下、 成分 (Υ) という } 、 必要に応じてその他添加剤 (Ζ) {以下 、 成分 (Ζ) という } を添加することにより、 化学増幅型レジスト組成物に 仕上げることができる。
[0109] リソグラフィ一溶媒は、 リソグラフィ一組成物を構成する各成分を溶解し 、 均一な溶液とすることができるものであればよく、 従来化学増幅型レジス 卜の溶剤として公知のものの中から任意のものを 1種又は 2種以上の混合溶 媒として用いることができる。 通常、 工程 (Ρ) の重合溶媒、 工程 (R) の 良溶媒として例示された溶媒の中から、 共重合体以外の組成物の溶解性、 粘 度、 沸点、 リソグラフィ一に用いられる放射線の吸収等を考慮して選択する ことができる。 特に好ましいレジスト溶媒は、 メチルアミルケトン、 シクロ へキサノン、 乳酸ェチル (E L) 、 _プチロラク トン、 プロピレングリコ —ルモノメチルエーテルアセテート (PGMEA) であり、 中でも、 PGM E Aと他の極性溶剤との混合溶剤は特に好ましい。 更に混合する極性溶媒と しては E Lが特に好ましい。
[0110] リソグラフィ一組成物中に含まれるリソグラフィ一溶媒の量は特に制限さ れないが、 通常、 基板等に塗布可能な濃度であり、 塗布膜厚に応じて適当な 粘度となるように適宜設定される。 一般的にはリソグラフィ一組成物の固形 分濃度が 2〜 20質量%、 好ましくは 5〜1 5質量%の範囲内となるように 用いられる。
[0111] 成分 (X) は、 これまで化学増幅型レジスト用の感放射線性酸発生剤とし
て提案されているものから適宜選択して用いることができる。 このような例 として、 ョ一ドニゥム塩やスルホ二ゥム塩等のォニゥム塩、 ォキシムスルホ ネート類、 ビスアルキル又はビスァリールスルホニルジァゾメタン類等のジ ァゾメタン類、 二トロべンジルスルホネ一ト類、 ィミノスルホネ一ト類、 ジ スルホン類等を挙げることができ、 中でも、 フッ素化アルキルスルホン酸ィ オンをァニオンとするォニゥム塩が特に好ましい。 これらは単独で用いても 良いし、 2種以上を組み合わせて用いても良い。 成分 (X ) は、 共重合体 1 0 0質量部に対して通常 0 . 5〜 3 0質量部、 好ましくは 1〜 1 0質量部の 範囲で用いられる。
[01 12] 成分 (Y ) は、 これまで化学増幅型レジスト用の酸拡散抑制剤として提案 されているものから適宜選択することができる。 このような例として、 含窒 素有機化合物を挙げることができ、 第一級〜第三級のアルキルァミン若しく はヒドロキシアルキルァミンが好ましい。 特に第三級アルキルァミン、 第三 級ヒドロキシアルキルァミンが好ましく、 中でもトリエタノールァミン、 ト リイソプロパノ一ルァミンが特に好ましい。 これらは単独で用いても良いし 、 2種以上を組み合わせて用いても良い。 成分 (Y ) は、 共重合体 1 0 0重 量部に対して通常 0 . 0 1〜5 . 0質量部の範囲で用いられる。
[01 13] その他の添加剤 ί成分 (Ζ ) } としては、 酸発生剤の感度劣化防止ゃリソ グラフィ一パターンの形状、 引き置き安定性等の向上を目的とした有機カル ボン酸類やリンのォキソ酸類、 レジスト膜の性能を改良するための付加的樹 脂、 塗布性を向上させるための界面活性剤、 溶解抑止剤、 可塑剤、 安定剤、 着色剤、 ハレーション防止剤、 染料等、 リソグラフィ一用添加剤として慣用 されている化合物を必要に応じて適宜添加することができる。 有機カルボン 酸の例としては、 マロン酸、 クェン酸、 リンゴ酸、 コハク酸、 安息香酸、 サ リチル酸等を挙げることができ、 これらは単独若しくは 2種以上を混合して 用いることができる。 有機カルボン酸は、 共重合体 1 0 0質量部に対して 0 . 0 1〜5 . 0質量部の範囲で用いられる。
実施例
[0114] 次に、 実施例を挙げて本発明を更に説明するが、 本発明はこれら実施例に 限定されるものではない。 尚、 下記の例においては使用される略号は以下の 意味を有する。
単 体
単量体 G r_プチロラク トン _ 2—ィルメタクリレート
単量体 Ma 2 _メチル _ 2ァダマンチルァクリレート
単量体 Oa 3—ヒドロキシ _ 1—ァダマンチルァクリレート レ 反し ィ立
G : 単量体 Gから誘導される繰り返し単位
Ma :単量体 Maから誘導される繰り返し単位
Oa :単量体 O aから誘導される繰り返し単位
G Ma O a
[0115] !^台吝 II
MA I B : ジメチル一2, 2' —ァゾビスイソブチレ一ト
ME K : メチルェチルケトン
TH F : テトラヒドロフラン
PGMEA : プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート E L :乳酸ェチル
[0116] (1 ) 共重合体の Mw Mw/Mnの測定 (GPC)
G P Cにより測定した。 分析条件は以下の通りである。
装 置: 東ソ一製 GPC8220
検出器: 示差屈折率 (R I ) 検出器
カラム: 昭和電工製 KF— 804 L (X 3本)
試 料: 共重合体約 0. 02 gを、 テトラヒドロフラン約 1 m I に溶 解した。 G PCへの注入量は 60 I とした。
[0117] (2) 共重合体の繰り返し単位組成及び末端組成の測定 (13C— NMR) 装 置: B r u k e r製 A V 400
試 料: 共重合体の粉体約 1 gと C r (a c a c) 2 0. 1 gを、 M E KO. 5 g、 重アセトン 1. 5 gに溶解した。
測 定: 試料を内径 1 Ommガラス製チューブに入れ、 温度 40°C、 スキャン回数 1 0000回の条件で測定した。
[0118] (3) E t h、 : Γ値の測定
(3- 1 ) リソグラフィ一用組成物の調製
以下の組成となるように調製した。
共重合体 : 1 00質量部
成分 (X) : 4_メチルフエニルジフエニルスルホニゥムノナフルォロ ブタンスルホネート 3. 5質量部
成分 (Y) : トリエタノールァミン 0. 2質量部
成分 ) :サ一フロン S— 381 (セイミケミカル製) 0. 1質量部 溶媒: PGMEA 450質量部、 及び E L 300質量部
[0119] (3-2) ドライリソグラフィ一
リソグラフィ一用組成物を、 4インチシリコンウェハ一上に回転塗布し、 ホットプレート上で 1 00°C、 90秒間プリべ一ク (PAB) して、 厚さ 3 50 nmの薄膜を形成した。 A r Fエキシマレ一ザ一露光装置 (リソテック ジャパン製 VUVES— 4500) を用い、 露光量を変えて 1 OmmX 1 0 mm口の 1 8ショットを露光した。 次いで 1 20°C、 90秒間ポストべ一ク (P EB) した後、 レジスト現像アナライザ一 (リソテックジャパン製 RD A—800) を用い、 23°Cにて 2. 38質量0 /oテトラメチルアンモニゥム
ヒドロキシド水溶液で 1 80秒間現像し、 各露光量における現像中のレジス ト膜厚の経時変化を測定した。
[0120] (3-3) 模擬液浸リソグラフィ一
ドライリソグラフィ一と同様にして、 リソグラフィ一用組成物を、 4イン チシリコンウェハ一上に回転塗布し、 プリべ一ク (PAB) して、 厚さ 35 0 n mの薄膜を形成した。 このウェハーを、 超純水を張ったバッ卜に 30秒 間漬けた後、 取り出して乾燥空気を吹き付け、 水滴を振り切った。 次いで、 A r Fエキシマレ一ザ一露光装置 (リソテックジャパン製 VUV ES— 45 00) を用い、 露光量を変えて 1 OmmX 1 Omm口の 1 8ショットを露光 した。 露光後のウェハーを、 超純水を張ったバットに 30秒間漬け、 取り出 して乾燥空気を吹き付け、 水滴を振り切った。 以下、 ドライリソグラフィ一 と同様にして、 ポストべ一ク (P E B) を行い、 レジスト現像アナライザ一 (リソテックジャパン製 RDA—800) を用いて現像し、 各露光量におけ る現像中のレジスト膜厚の経時変化を測定した。
[0121] (3-4) 解析
得られたデータを基に、 露光量 (mJ/cm2) の対数と、 初期膜厚に対す る 60秒間現像した時点での残存膜厚率 (以下、 残膜率という) (%) をプ ロットした曲線 (以下、 露光量一残膜率曲線という) を作成し、 E t h (残 膜率 0%とするための必要露光量であり、 感度を表す。 ) と 値 (露光量一 残膜率曲線の接線の傾きであり、 現像コントラストを表す。 ) を以下の通り 求めた。
E t h :露光量一残膜率曲線が残膜率 0%と交わる露光量 (m J/cm2
)
Ύ 値:露光量一残膜率曲線の残膜率 50%における露光量を E50 (m J/cm2) 、 露光量—残膜率曲線の E50における接線が、 残膜率 1 00%の 線及び残膜率 0%の線と交わる露光量をそれぞれ E 00及び E。として、 以下 の計算式で求めた。
7= 1 / { I o g (E。/E100) }
[0122] (4) 酸価の測定
単量体 25質量%を含む酢酸ェチル溶液 4 g、 若しくは、 共重合体 25 質量%を含む PGMEA溶液 4 gを秤量し、 20 gのテトラヒドロフランを 加えて溶解させた。 指示薬として、 プロモチモールブル一を 1質量%含むメ タノ一ル溶液を 0. 05 g加え、 更に水 0. 5 gを加え黄色溶液とした。 こ の溶液を撹拌しながら、 あらかじめ調製した 0. 025mo I /L濃度の N a OH水溶液で滴定し、 緑からわずかに青みが出た色調をもつて終点とした 。 酸価の計算は次の通り行った。
ί酸価 (mmo l /g) } = (CN aOH X VNaOH) / (Ws zmp X Cp o , y) ここで各記号の意味は以下の通りとする。
CNaOH: N a OH水溶液中の N a OH濃度 (mo I L) VNaOH: N a OH水溶液の滴定量 (m L)
Ws zmp :測定試料の秤量 (g)
Cp o l y :試料に含まれる共重合体の濃度 (質量%)
尚、 滴定は 5回実施し、 平均と 3 σを求めた。
[0123] 合成例 1 一 1
市販の単量体 G ί大阪有機化学製ロット 1 (以下、 市販単量体 G という。 ) } 1. 2 k gを酢酸ェチル 3. 6 k gに溶解して得た溶液を、 撹拌しなが ら 20〜25°Cに保った水 4. 8 k gに投入し、 更に 1 5分間撹拌した後、 30分間静置した。 水相を除去した後、 N2ガスを吹き込みながら、 減圧下で 加熱して軽質分を留去し、 精製単量体 G を得た。 精製単量体の酸価は定量下 限 (0. 002mmo l /g) 以下であった。
[0124] 合成例 1 一 2
市販単量体 G の替わりに、 市販単量体 G2 (大阪有機化学製ロット 2) を 用いた以外は合成例 1 _ 1 と同様にして、 精製単量体 G2を得た。 精製単量体 の酸価は定量下限 (0. 002mmo l /g) 以下であった。
[0125] 合成例 2— 1
市販単量体 G ,の替わりに、 市販の単量体 M a {E N F製ロット 1 (以下、
市販単量体 Ma iという。 ) } を用いた以外は合成例 1 _ 1 と同様にして、 精 製単量体 Ma を得た。 精製単量体の酸価は定量下限 (0. 002mmo I / g) 以下であった。
[0126] 合成例 2— 2
市販単量体 Ma の替わりに、 市販単量体 Ma 2 (E N F製ロット 2) を用 いた以外は合成例 2 _ 1 と同様にして、 精製単量体 Ma 2を得た。 精製単量体 の酸価は定量下限 (0. 002mmo l /g) 以下であった。
[0127] 合成例 3— 1
市販の単量体 O a ί出光興産製ロット 1 (以下、 市販単量体 O a という。 ) } 1. O k gを酢酸ェチル 3. 0 k gに溶解して得た溶液を、 撹拌しなが ら 20〜25°Cに保った水 4. O k gに投入し、 更に 1 5分間撹拌した後、 30分間静置した。 水相を除去した後、 減圧下で加熱して軽質分を留去し、 溶液を濃縮した。 次いでへキサン 5. 0 k gを加えて固形分を析出させた後 、 固形分をろ別して回収し、 減圧下で乾燥させて、 精製単量体 O a を得た。 精製単量体の酸価は定量下限 (0. 002mmO l /g) 以下であった。
[0128] 合成例 3— 2
市販単量体 O a の替わりに、 市販単量体 O a 2 (出光興産製ロット 2) を 用いた以外は合成例 3_ 1 と同様にして、 精製単量体 O a 2を得た。 精製単量 体の酸価は定量下限 (0. 002mmo l /g) 以下であった。
[0129] 合成例 3— 3
市販単量体 O a i 1. O k gを酢酸ェチル 3. 0 k gに溶解した。 この O a 溶液を、 オルガノ製イオン交換樹脂アンバーリスト EG— 290 ί本文中 ( Ε 1 ) の置換基含有ァニオン交換樹脂と、 スルホン酸基含有カチオン交換樹 脂の 1 : 1混合品 } 47 O gを充填し、 メタノール 2. 4 k gを通液し、 次 いで酢酸ェチル 2. 4 k gを通液して洗浄した、 直径 5 cm、 層高 3 O cm のイオン交換層に、 20〜25°Cに保ちながら、 L H SV=5/h rで通液 した。 通液後の溶液を減圧下で加熱し、 軽質分を留去して溶液を濃縮した。 次いでへキサン 5. O k gを加えて、 固形分を析出させた後、 固形分をろ別
して回収し、 減圧下で乾燥して、 精製単量体 O a 3を得た。 精製単量体の酸価 は定量下限 (0. 002mmo l /g) 以下であった。
[0130] 実施例 1
容器に ME K 3. 1 k g、 合成例 1で得られた精製単量体 0 0. 7 k g、 合成例 2で得られた精製単量体 M 3 11. O k g, 合成例 3で得られた精製単 量体 Oa i O. 5 k gを溶解させ、 均一な 「単量体溶液」 を調製した。 別の容 器に、 MEKO. 2 k g、 MA I B0. 07 k gを溶解させ、 均一な 「開始 剤溶液」 を調製した。 又、 攪拌機と冷却器を備え付けた重合槽に MEK 1. 8 k gを仕込んで窒素雰囲気とした。 重合槽内の ME Kを 79 °Cに加熱した 後、 25〜30°Cに保った単量体溶液と開始剤溶液を、 それぞれ別々に、 定 量ポンプを用い、 一定速度で 4時間かけて 79〜81 °Cに保った重合槽内に 滴下して重合させた。 滴下終了後、 更に 80〜81 °Cに保ったまま 2時間熟 成させた後、 室温まで冷却した。
[0131] 攪拌機を備え付けた精製槽にへキサン 22 k gを投入し、 撹拌しながら 1 5°Cまで冷却し、 その状態を維持した。 ここに、 重合液を滴下して共重合体 を析出させ、 更に 30分間撹拌した後、 ウエットケーキをろ過した。 このゥ エツトケーキを容器に戻して、 へキサン 1 2 k g、 MEK3 k gを投入し、 30分間撹拌して洗浄し、 ろ過した。 このウエットケーキの洗浄をもう一度 繰り返した。 得られたウエットケーキから数 g抜き取り、 60°C以下で 1時 間減圧乾燥して乾燥粉体とし、 13C_NMRとGPCを用ぃて、 共重合体の G、 Ma、 O aの各繰り返し単位組成比、 Mw、 Mw/Mnを求めた。 結果 を表 1に記した。
[0132] 残りのウエットケーキは、 MEKに溶解させ、 撹拌しながら減圧下で加熱 して、 MEK等の軽質分を一部留去させた後、 PGMEAを投入しながら、 更に軽質分と PGMEAの一部を留去させ、 共重合体を 25質量%含む PG M E A溶液を得た。 得られた P GM E A溶液中の共重合体の酸価を測定した 。 次いで、 前記した方法でリソグラフィ一用組成物を調製し、 E t h、 : r値 を測定した。 結果を表 1にまとめた。
[0133] 実施例 2
精製単量体 G 精製単量体 Ma 、 精製単量体 O a の替わりに、 それぞれ 精製単量体 G2、 精製単量体 Ma 2、 精製単量体 O a 2を用いた以外は、 実施例 1 と同様にして共重合体及びリソグラフィー用組成物を得た。 共重合体の G 、 Ma、 O aの各繰り返し単位組成比、 Mw、 Mw/M n、 酸価と、 リソグ ラフィ一用組成物の E t h、 値を表 1にまとめた。
[0134] 実施例 3
精製単量体 O a の替わりに、 精製単量体 O a 3を用いた以外は、 実施例 1 と同様にして共重合体及びリソグラフィ一用組成物を得た。 共重合体の G、 Ma、 O aの各繰り返し単位組成比、 Mw、 Mw/M n、 酸価と、 リソグラ フィ一用組成物の E t h、 値を表 1にまとめた。
[0135] 比較例 1
精製単量体 G l、 精製単量体 精製単量体 O a の替わりに、 それぞれ市 販の単量体 市販の単量体 M1 市販の単量体 O a を用いた以外は、 実施 例 1 と同様にして共重合体及びリソグラフィー用組成物を得た。 共重合体の G、 Ma、 O aの各繰り返し単位組成比、 Mw、 Mw/M n、 酸価と、 リソ グラフィ一用組成物の E t h、 値を表 1にまとめた。
[0136] 比較例 2
精製単量体 G l、 精製単量体 精製単量体 O a の替わりに、 それぞれ市 販の単量体 G2、 市販の単量体 M2、 市販の単量体 O a 2を用いた以外は、 実施 例 1 と同様にして共重合体及びリソグラフィー用組成物を得た。 共重合体の G、 Ma、 O aの各繰り返し単位組成比、 Mw、 Mw/M n、 酸価と、 リソ グラフィ一用組成物の E t h、 値を表 1にまとめた。
[0137]
ほ 1 ]
* E t hの単位: m j / c m2 本発明の共重合体及び該共重合体を含むリソグラフィ一組成物を用い、 A r F露光によるドライ及び液浸条件でのリソグラフィ一特性を評価したとこ ろ、 いずれのリソグラフィ一条件でも、 プロモチモールブル一を指示薬とし 、 N a O H水溶液で滴定して求めた酸価が 0 . 0 1 m m o I / g以下である 共重合体を用いることにより、 解像コントラストを表すパラメ一タである 値が高い結果が得られた。 この結果から、 本発明の共重合体及び該共重合体 を含むリソグラフィ一用組成物は、 微細パターンの解像性能に優れることが 分かる。