JP6657846B2 - 半導体リソグラフィー用重合体の製造方法、レジスト組成物の製造方法、およびパターンが形成された基板を製造する方法 - Google Patents

半導体リソグラフィー用重合体の製造方法、レジスト組成物の製造方法、およびパターンが形成された基板を製造する方法 Download PDF

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Description

本発明は半導体リソグラフィー用重合体の製造方法、該製造方法により得られる半導体リソグラフィー用重合体を用いて得られるレジスト組成物の製造方法、および該レジスト組成物を用いて、パターンが形成された基板を製造する方法に関する。
近年、半導体素子、液晶素子等の製造工程において形成されるレジストパターンは、半導体リソグラフィー技術の進歩により急速に微細化が進んでいる。微細化の手法としては、照射光の短波長化がある。具体的には、従来のg線(波長:438nm)、i線(波長:365nm)に代表される紫外線から、より短波長のDUV(Deep Ultra Violet)へと照射光が短波長化してきている。
最近では、KrFエキシマレーザー(波長:248nm)リソグラフィー技術が導入され、さらなる短波長化を図ったArFエキシマレーザー(波長:193nm)リソグラフィー技術およびEUV(波長:13.5nm)リソグラフィー技術が研究されている。さらに、これらの液浸リソグラフィー技術も研究されている。また、これらとは異なるタイプのリソグラフィー技術として、電子線リソグラフィー技術についても精力的に研究されている。
該短波長の照射光または電子線を用いたレジストパターンの形成に用いられる高感度のレジスト組成物として、光酸発生剤を含有する「化学増幅型レジスト組成物」が提唱され、現在、該化学増幅型レジスト組成物の改良および開発が進められている。
例えば、ArFエキシマレーザーリソグラフィーにおいて用いられる化学増幅型レジスト用重合体として、波長193nmの光に対して透明なアクリル系重合体が注目されている。該アクリル系重合体としては、例えば、エステル部にアダマンタン骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルとエステル部にラクトン骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルとの重合体が提案されている(特許文献1等)。
レジストパターンの微細化に伴って、半導体リソグラフィー用重合体の品質への要求も厳しくなっている。例えば、半導体リソグラフィー用重合体の製造上のロットバラツキや予期しない高分子量体の生成により、現像時に微少な欠陥を発生させ、デバイス設計における欠陥の原因となる場合がある。下記特許文献2には、現像欠陥の抑制する方法として、単量体、ラジカル重合開始剤及び重合溶媒を含む溶液及び反応容器内の溶媒の少なくとも一方から、ラジカル捕捉性物質を除去する工程を有する方法が記載されている。
特開平10−319595号公報 特開2008−260931号公報
しかし、特許文献2に記載の方法では、単量体を含む溶液を窒素雰囲気下とし、反応容器内へ供給しているが、ラジカル捕捉性物質が除去された状態で長時間保持すると、所望の分子量を上回る高分子量体が生成することがあり、これが現像欠陥の要因となりえる。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、特許文献2に記載の従来法とは異なる方法で、高分子量体の生成を抑制することができる半導体リソグラフィー用重合体の製造方法、該製造方法により得られる半導体リソグラフィー用重合体、該半導体リソグラフィー用重合体を用いたレジスト組成物、および該レジスト組成物を用いて、パターンが形成された基板を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、単量体を含む溶液を仕込んでから、これを反応容器内へ全て供給するまでの間、単量体溶液を含む単量体供給容器内に不活性ガス及び活性ガスを所定の割合で混合して満たすことによって、所望の分子量を上回る高分子量体の生成を抑制させることができることを見出して、本発明に至った。
本発明は以下の態様を有する。
[1]単量体供給容器から単量体を含む溶液を反応容器へ供給して重合体を製造する方法であって、前記単量体供給容器内を、不活性ガスXと活性ガスYを体積%でX:Y=90:10〜99:1の割合で含む混合ガスで満たす半導体リソグラフィー用重合体の製造方法。
[2]下記工程(I)及び(II)を含み、少なくとも工程(I)の完了から工程(II)が完了するまでの間、前記単量体供給容器内を、前記混合ガスで満たす[1]記載の半導体リソグラフィー用重合体の製造方法。
(I)単量体供給容器に単量体を含む溶液を仕込む工程
(II)単量体を含む溶液を、単量体供給容器から反応容器へ供給する工程
[3]活性ガスYが酸素である、[1]または[2]記載の半導体リソグラフィー用重合体の製造方法。
[4]不活性ガスXが窒素である、[1]〜[3]のいずれかに記載の半導体リソグラフィー用重合体の製造方法。
[5][1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法により半導体リソグラフィー用重合体を製造する工程と、得られた半導体リソグラフィー用重合体と、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物とを混合する工程を有する、レジスト組成物の製造方法。
[6][5]に記載のレジスト組成物の製造方法により得られるレジスト組成物を基板の被加工面上に塗布してレジスト膜を形成する工程と、該レジスト膜に対して露光する工程と、露光されたレジスト膜を現像液を用いて現像する工程とを含む、パターンが形成された基板の製造方法。
本発明によれば、所望の分子量を上回る高分子量体の生成を抑制させた半導体リソグラフィー用重合体が得られる。
本発明の半導体リソグラフィー用重合体を用いたレジスト組成物は、現像欠陥の要因となり得る高分子量体の生成が抑制されており、性能の安定性に優れる。
本発明の基板の製造方法によれば、高精度の微細なパターンを安定して形成できる。
本明細書においては、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸またはメタクリル酸を意味し、「(メタ)アクリロイルオキシ」は、アクリロイルオキシまたはメタクリロイルオキシを意味する。
<重合体>
[構成単位(a)]
本発明の製造方法で得られる半導体リソグラフィー用重合体(以下、単に重合体ということもある。)は、極性基を有する構成単位(a)を有することが好ましい。
「極性基」とは、極性を持つ官能基または極性を持つ原子団を有する基であり、具体例としては、ヒドロキシ基、シアノ基、アルコキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルボニル基、フッ素原子を含む基、硫黄原子を含む基、ラクトン骨格を含む基、アセタール構造を含む基、エーテル結合を含む基などが挙げられる。
これらのうちで、波長250nm以下の光で露光するパターン形成方法におけるレジスト組成物に用いられる重合体は、極性基を有する構成単位として、ラクトン骨格を有する構成単位を有することが好ましく、さらに後述の親水性基を有する構成単位を有することが好ましい。
(ラクトン骨格を有する構成単位・単量体)
ラクトン骨格としては、例えば、4〜20員環程度のラクトン骨格が挙げられる。ラクトン骨格は、ラクトン環のみの単環であってもよく、ラクトン環に脂肪族または芳香族の炭素環または複素環が縮合していてもよい。
重合体がラクトン骨格を有する構成単位を含む場合、その含有量は、基板等への密着性の点から、全構成単位(100モル%)のうち、20モル%以上が好ましく、25モル%以上がより好ましい。また、感度および解像度の点から、60モル%以下が好ましく、55モル%以下がより好ましく、50モル%以下がさらに好ましい。
ラクトン骨格を有する単量体としては、基板等への密着性に優れる点から、置換あるいは無置換のδ−バレロラクトン環を有する(メタ)アクリル酸エステル、置換あるいは無置換のγ−ブチロラクトン環を有する単量体からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、無置換のγ−ブチロラクトン環を有する単量体が特に好ましい。
ラクトン骨格を有する単量体の具体例としては、β−(メタ)アクリロイルオキシ−β−メチル−δ−バレロラクトン、4,4−ジメチル−2−メチレン−γ−ブチロラクトン、β−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、β−(メタ)アクリロイルオキシ−β−メチル−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、2−(1−(メタ)アクリロイルオキシ)エチル−4−ブタノリド、(メタ)アクリル酸パントイルラクトン、5−(メタ)アクリロイルオキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトン、8−メタクリロキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3−オン、9−メタクリロキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3−オン等が挙げられる。また、類似構造を持つ単量体として、メタクリロイルオキシこはく酸無水物等も挙げられる。
ラクトン骨格を有する単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(親水性基を有する構成単位・単量体)
本明細書における「親水性基」とは、−C(CF−OH、ヒドロキシ基、シアノ基、メトキシ基、カルボキシ基およびアミノ基の少なくとも1種である。
これらのうちで、波長250nm以下の光で露光するパターン形成方法におけるレジスト組成物に用いられる重合体は、親水性基としてヒドロキシ基またはシアノ基を有することが好ましい。
重合体における親水性基を有する構成単位の含有量は、レジストパターン矩形性の点から、全構成単位(100モル%)のうち、5〜30モル%が好ましく、10〜25モル%がより好ましい。
親水性基を有する単量体としては、例えば、末端ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリ酸エステル;単量体の親水性基上にアルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基等の置換基を有する誘導体;環式炭化水素基を有する単量体(例えば(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸1−イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンチル、(メタ)アクリル酸2−メチル−2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸2−エチル−2−アダマンチル等。)が置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基等の親水性基を有するもの;が挙げられる。
親水性基を有する単量体の具体例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−n−プロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシアダマンチル、2−または3−シアノ−5−ノルボルニル(メタ)アクリレート、2−シアノメチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。基板等に対する密着性の点から、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシアダマンチル、2−または3−シアノ−5−ノルボルニル(メタ)アクリレート、2−シアノメチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート等が好ましい。
親水性基を有する単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[構成単位()]
本発明の製造方法で得られる重合体は、レジスト用途に用いる場合は上述した極性基を
有する構成単位(a)以外に酸脱離性基を有する構成単位(b)を有することが好ましく
、この他に、必要に応じて公知の構成単位を有していてもよい。
「酸脱離性基」とは、酸により開裂する結合を有する基であり、該結合の開裂により酸
脱離性基の一部または全部が重合体の主鎖から脱離する基である。
レジスト組成物において、酸脱離性基を有する構成単位を有する重合体は、酸成分と反
応してアルカリ性溶液に可溶となり、レジストパターン形成を可能とする作用を奏する。
酸脱離性基を有する構成単位の割合は、感度および解像度の点から、重合体を構成する
全構成単位(100モル%)のうち、20モル%以上が好ましく、25モル%以上がより
好ましい。また、基板等への密着性の点から、60モル%以下が好ましく、55モル%以
下がより好ましく、50モル%以下がさらに好ましい。
酸脱離性基を有する単量体は、酸脱離性基および重合性多重結合を有する化合物であればよく、公知のものを使用できる。重合性多重結合とは重合反応時に開裂して共重合鎖を形成する多重結合であり、エチレン性二重結合が好ましい。
酸脱離性基を有する単量体の具体例として、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を有し、かつ酸脱離性基を有している(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。該脂環式炭化水素基は、(メタ)アクリル酸エステルのエステル結合を構成する酸素原子と直接結合していてもよく、アルキレン基等の連結基を介して結合していてもよい。
該(メタ)アクリル酸エステルには、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を有するとともに、(メタ)アクリル酸エステルのエステル結合を構成する酸素原子との結合部位に第3級炭素原子を有する(メタ)アクリル酸エステル、または、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を有するとともに、該脂環式炭化水素基に−COOR基(Rは置換基を有していてもよい第3級炭化水素基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、またはオキセパニル基を表す。)が直接または連結基を介して結合している(メタ)アクリル酸エステルが含まれる。
特に、波長250nm以下の光で露光するパターン形成方法に適用されるレジスト組成物を製造する場合には、酸脱離性基を有する単量体の好ましい例として、例えば、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、1−(1’−アダマンチル)−1−メチルエチル(メタ)アクリレート、1−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−メチルシクロペンチル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロペンチル(メタ)アクリレート、イソプロピルアダマンチル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロオクチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
酸脱離性基を有する単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<重合体の製造方法>
本発明の重合体の製造方法は、反応容器内で、重合溶媒の存在下に、重合開始剤を使用して、単量体をラジカル重合させる溶液重合法である。
溶液重合法において、単量体および重合開始剤の反応容器への供給は、連続供給であってもよく、滴下供給であってもよい。製造ロットの違いによる平均分子量、分子量分布等のばらつきが小さく、再現性の良い重合体が得られやすい点から、単量体および重合開始剤を含む滴下溶液を反応容器内に滴下する、滴下重合法が好ましい。
重合溶媒としては、例えば、下記のものが挙げられる。
エーテル類:鎖状エーテル(ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(以下、「PGME」と記す。)等。)、環状エーテル(テトラヒドロフラン(以下、「THF」と記す。)、1,4−ジオキサン等。)等。
エステル類:酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」と記す。)、γ−ブチロラクトン等。
ケトン類:アセトン、メチルエチルケトン(以下、「MEK」と記す。)、メチルイソブチルケトン(以下、「MIBK」と記す。)等。
アミド類:N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等。
スルホキシド類:ジメチルスルホキシド等。
芳香族炭化水素:ベンゼン、トルエン、キシレン等。
脂肪族炭化水素:ヘキサン等。
脂環式炭化水素:シクロヘキサン等。
重合溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合開始剤としては、熱により効率的にラジカルを発生するものが好ましい。該重合開始剤としては、例えば、アゾ化合物(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等。)、有機過酸化物(2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等。)等が挙げられる。
本発明の製造方法において、用いる容器としては、重合反応用の反応容器と、該反応容器へ単量体溶液を供給するための単量体供給容器を用いる。
反応容器には、重合溶媒の少なくとも一部および/または単量体の少なくとも一部を予め仕込むことが好ましい。重合溶媒の一部を予め反応容器内に仕込んだ場合、残りの重合溶媒は単量体溶液の溶媒として単量体供給容器内に仕込んでもよい。単量体を予め反応容器内に仕込む場合は、重合反応に用いる全単量体のうちの一部を反応容器内に仕込み、残りの単量体は単量体供給容器内に仕込み、重合反応時に単量体供給容器から単量体溶液を反応容器内へ供給してもよい。単量体を予め反応容器内に仕込まない場合は、重合反応に用いる全単量体を単量体供給容器に重合溶媒とともに仕込んで単量体溶液とし、重合反応時に単量体供給容器から単量体溶液を反応容器内へ供給してもよい。
単量体供給容器には、単量体、重合溶媒及び重合開始剤を仕込んでもよく、単量体及び重合溶媒だけを仕込んでおいてもよい。単量体供給容器は複数用いてもよい。その場合、各単量体供給容器から反応容器内への各単量体溶液の供給は同時に行ってもよく、時間をずらして行っても良い。
単量体供給容器とは別に、重合開始剤を少なくとも含み単量体は含まない開始剤供給容器を別に用いてもよい。開始剤供給容器は複数用いてもよい。その場合、各開始剤供給容器から反応容器内への各開始剤溶液の供給は同時に行ってもよく、時間をずらして行っても良い。
本発明の製造方法は、単量体供給容器から単量体を含む溶液を反応容器へ供給して重合体を製造する方法であって、前記単量体供給容器内を、不活性ガスXと活性ガスYを体積%でX:Y=90:10〜99:1の割合で含む混合ガスで満たす半導体リソグラフィー用重合体の製造方法である。
本発明の製造方法において、工程(I)は、単量体供給容器に、単量体を含む溶液を仕込む工程である。本発明の製造方法においては、少なくとも工程(I)で単量体を含む溶液を単量体供給容器内への仕込みを完了した時に、不活性ガスXと活性ガスYを前記特定の混合比で混合したガス(以下に「混合ガス」ということもある。)で単量体供給容器内の気相部分を満たすことが好ましい。
不活性ガスXは、ラジカルに対して不活性なガスである。Xの具体例としては、窒素または希ガス元素が好ましく、工業的に一般的に用いられていることから窒素またはアルゴンがより好ましく、窒素がさらに好ましい。
活性ガスYは、ラジカルに対して活性なガスである。Yの具体例としては、ラジカル捕捉剤の一つである酸素が好ましい。
本発明の混合ガスの混合比は、体積%でX:Y=90:10〜99:1の割合とするが、。活性ガスYの混合比の下限は、単量体供給容器内での重合反応による高分子量体生成を効果的に抑制させる点から、1%以上であり、2%以上とすることが好ましく、3%以上とすることがより好ましい。また、活性ガスYの混合比の上限は、爆発等に対する安全性の点から10%以下であり、7%以下とすることが好ましく、5%以下とすることがより好ましい。
単量体容器内の気相部分を前記混合ガスで満たす(以下に「混合ガスパージ」ということもある。)方法については、不活性ガスXのみからなる供給源と活性ガスYのみからなるガス供給源を別々に準備しておき、単量体供給容器内へのガス供給ラインの途中で混合して単量体供給容器内へガス供給してもよく、各ガスを単量体供給容器内まで供給して混合させてもよい。または、予め不活性ガスXと活性ガスYを混合したガス供給源を準備しておき、単量体供給容器内へガス供給して混合ガスパージしてもよい。
単量体供給容器内を効果的に混合ガスパージさせるため、混合ガスパージする前に予め単量体供給容器内を所定の圧力まで減圧した後、混合ガスパージしてもよい。また、単量体溶液中へ混合ガスをバブリングさせてもよい。単量体を少なくとも含む溶液を単量体供給容器内に仕込む前から、単量体供給容器内に混合ガスパージしてもよく、仕込み途中で混合ガスパージしてもよいが、少なくとも仕込みを完了した時に単量体供給容器内が混合ガスで満たされている必要がある。
本発明の製造方法において、工程(II)は、単量体を含む溶液を、単量体供給容器から反応容器に供給する工程である。
単量体溶液に重合開始剤が含まれており、予め反応容器内の温度が重合温度まで加熱されている場合は、単量体供給容器から反応容器に供給されるとともに重合開始となる。
工程(II)は単量体供給容器から反応容器に単量体溶液が全て供給された時点で完了とする。
本発明の製造方法においては、少なくとも工程(I)で単量体供給容器に単量体を含む溶液の仕込みを完了してから、工程(II)で単量体溶液を単量体供給容器から反応容器への供給を完了するまでの間、単量体供給容器内が混合ガスで満たされていることが好ましい。
反応容器内は、重合開始前に、予め不活性ガスのみでガスパージされていることが好ましく、重合溶媒の少なくとも一部および/または単量体の少なくとも一部を仕込んだ状態で、不活性ガスでガスパージを行うことにより、反応容器内の気層部だけでなく、重合溶媒および/または単量体からなる液層中の酸素も効率よく除去できる。(以下、不活性ガスのみによるガスパージ工程を「不活性ガスパージ工程」ということがある。)
工程(II)において、単量体供給容器から単量体溶液を反応容器へ供給する時に、混合ガスパージされた単量体溶液中に溶存する活性ガスがわずかに反応容器内へ同時に供給されることになるが、混合ガスにおける活性ガスの混合比がばらつくと、重合体の分子量がばらつく原因となる。そのため、単量体供給容器内の混合ガスパージ時には、不活性ガスと活性ガスの混合比がロット間で出来るだけ差がないようにすることが好ましい。よって、混合比のバラツキを抑制するため、不活性ガスと活性ガスを別供給源から混合する場合は、レギュレータ等を用いてそれぞれのガス流量を制御して混合することが好ましい。
不活性ガスパージ工程において、反応容器内を所定の圧力まで減圧した後、不活性ガスを供給してパージすることで、溶液中に溶存する不活性ガスを効率よくパージすることができる。供給して昇圧する際の昇圧の程度は特に限定されないが、不活性ガスパージ工程後に重合反応を開始する際には、反応容器内の圧力が、重合反応を行う圧力(重合圧力)となるように調整する。
重合圧力が変動すると、重合溶媒および/または単量体の溶液沸点が変動し、重合反応時の反応温度が安定しないため、一定範囲内の重合圧力となることが好ましい。好ましい重合圧力は、70〜130kPaであり、より好ましくは90〜110kPaである。
不活性ガスパージ工程の後、重合反応を開始する。具体的には、反応容器内に予め仕込んだ液(重合溶媒および/または単量体)を所定の重合温度まで加熱し、反応容器内に単量体と重合開始剤を共存させることで、重合反応が開始される。重合温度は50〜150℃が好ましい。
滴下重合法において、単量体を滴下する方法は、単量体のみで滴下してもよく、単量体を重合溶媒に溶解させた単量体溶液として滴下してもよい。
重合開始剤は、単量体に直接に溶解させて滴下してもよく、単量体溶液に溶解させて滴下してもよく、重合溶媒のみに溶解させて滴下してもよい。
単量体および重合開始剤を、同じ供給容器内に仕込み混合した後、反応容器中に滴下してもよく、それぞれ独立した供給容器から反応容器中に滴下してもよく、それぞれ独立した貯槽から反応容器に供給する直前で混合し、反応容器中に滴下してもよい。
単量体および重合開始剤は、一方を先に滴下した後、遅れて他方を滴下してもよく、両方を同じタイミングで滴下してもよい。
滴下速度は、滴下終了まで一定であってもよく、単量体または重合開始剤の消費速度に応じて、多段階に変化させてもよい。
滴下は、連続的に行ってもよく、間欠的に行ってもよい。
所定量の単量体および重合開始剤を供給し、所定の時間、重合反応させた後、反応液を冷却して重合反応を停止させ、重合体溶液を得る。
得られた重合体溶液を、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、水、ヘキサン、ヘプタン、ジイソプロピルエーテル、またはそれらの混合溶媒等の貧溶媒中に滴下し、重合体を析出させる。この工程は再沈殿工程と呼ばれ、重合体溶液中に残存する未反応の単量体、重合開始剤等を取り除くために非常に有効である。
貧溶媒としては、製造する重合体が溶解せずに析出する溶媒であればよく、公知のものを使用できるが、半導体リソグラフィー用重合体に用いられる未反応の単量体、重合開始剤等を効率的に取り除くことができる点で、メタノール、イソプロピルアルコール、ジイソプロピルエーテル、ヘプタン、水、またはそれらの混合溶媒が好ましい。
使用する貧溶媒の量は残存する未反応単量体をより低減できるため、重合体溶液と同質量以上用いることができ、3倍以上が好ましく、4倍以上がより好ましく、5倍以上がさらに好ましく、6倍以上が特に好ましい。
その後、析出物をろ別し、湿粉を得る。
また、湿粉を再び貧溶媒に分散させて重合体分散液を得た後、重合体をろ別する操作を繰り返すこともできる。この工程は、リスラリ工程と呼ばれ、重合体湿粉中に残存する未(反応の単量体、重合開始剤等をより低減させるために非常に有効である。
得られた湿粉は、十分に乾燥して、乾燥粉末状の重合体を得ることができる。
また、ろ別した後、乾燥せずに湿粉のまま適当な溶媒に溶解させて半導体リソグラフィー用組成物として用いてもよく、濃縮して低沸点化合物を除去してから半導体リソグラフィー用組成物として用いてもよい。その際、保存安定剤等の添加剤を適宜添加してもよい。
また、乾燥させた後に適当な溶媒に溶解させ、さらに濃縮して低沸点化合物を除去してから半導体リソグラフィー用組成物として用いてもよい。その際、保存安定剤等の添加剤を適宜添加してもよい。
<レジスト組成物>
本発明の方法で得られるレジスト組成物は、本発明の製造方法により重合体を製造する工程と、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、「光酸発生剤」ということもある。)とを混合する工程とを有する方法により製造される、化学増幅型レジスト組成物である。上記レジスト組成物は、重合体と、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物とをレジスト溶媒に溶解させて得られる。
[レジスト溶媒]
レジスト溶媒としては、前記重合溶媒と同様の溶媒が挙げられる。
[活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(光酸発生剤)]
光酸発生剤は、化学増幅型レジスト組成物の光酸発生剤として公知のものを適宜選択して用いることができる。光酸発生剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
光酸発生剤としては、例えば、オニウム塩化合物、スルホンイミド化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、キノンジアジド化合物、ジアゾメタン化合物等が挙げられる。
レジスト組成物における光酸発生剤の含有量は、重合体100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
[含窒素化合物]
化学増幅型レジスト組成物は、含窒素化合物を含んでいてもよい。含窒素化合物を含むことにより、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等がさらに向上する。つまり、レジストパターンの断面形状が矩形により近くなり、また、レジスト膜に光を照射し、ついでベーク(PEB)した後、次の現像処理までの間に数時間放置されることが半導体素子の量産ラインではあるが、そのような放置(経時)したときにレジストパターンの断面形状の劣化の発生がより抑制される。
含窒素化合物としては、アミンが好ましく、第2級低級脂肪族アミン、第3級低級脂肪族アミンがより好ましい。
含窒素化合物の量は、重合体100質量部に対して、0.01〜2質量部が好ましい。
[有機カルボン酸、リンのオキソ酸またはその誘導体]
化学増幅型レジスト組成物は、有機カルボン酸、リンのオキソ酸またはその誘導体(以下、これらをまとめて酸化合物と記す。)を含んでいてもよい。酸化合物を含むことにより、含窒素化合物の配合による感度劣化を抑えることができ、また、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等がさらに向上する。
有機カルボン酸としては、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸等が挙げられる。
リンのオキソ酸またはその誘導体としては、リン酸またはその誘導体、ホスホン酸またはその誘導体、ホスフィン酸またはその誘導体等が挙げられる。
酸化合物の量は、重合体100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましい。
[添加剤]
本発明のレジスト組成物は、必要に応じて、界面活性剤、その他のクエンチャー、増感剤、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。該添加剤は、当該分野で公知のものであればいずれも使用可能である。また、これら添加剤の量は、特に限定されず、適宜決めればよい。
<微細パターンが形成された基板の製造方法>
本発明の、微細パターンが形成された基板の製造方法は、本発明のレジスト組成物を、基板の被加工面上に塗布してレジスト膜を形成する工程と、該レジスト膜に対して、露光する工程と、露光されたレジスト膜を現像液を用いて現像する工程とを含む。
以下、該基板の製造方法の一例について説明する。
まず、所望の微細パターンを形成しようとするシリコンウエハー等の被加工基板の表面(被加工面)に、本発明のレジスト組成物をスピンコート等により塗布する。そして、該レジスト組成物が塗布された被加工基板を、ベーキング処理(プリベーク)等で乾燥することにより、基板上にレジスト膜を形成する。
次いで、レジスト膜に、フォトマスクを介して、250nm以下の波長の光を照射して潜像を形成する(露光)。照射光としては、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、F2エキシマレーザー、EUVエキシマレーザーが好ましく、ArFエキシマレーザーが特に好ましい。また、電子線を照射してもよい。
また、該レジスト膜と露光装置の最終レンズとの間に、純水、パーフルオロ−2−ブチルテトラヒドロフラン、パーフルオロトリアルキルアミン等の高屈折率液体を介在させた状態で光を照射する液浸露光を行ってもよい。
露光後、適宜熱処理(露光後ベーク、PEB)し、レジスト膜にアルカリ現像液を接触させ、露光部分を現像液に溶解させ、除去する(現像)。アルカリ現像液としては、公知のものを用いることができる。
現像後、基板を純水等で適宜リンス処理する。このようにして被加工基板上にレジストパターンが形成される。
レジストパターンが形成された基板は、適宜熱処理(ポストベーク)してレジストを強化し、レジストのない部分を選択的にエッチングする。
エッチング後、レジストを剥離剤によって除去することによって、パターンが形成された基板が得られる。
本発明の製造方法により得られる半導体リソグラフィー用重合体は、高分子量体の生成が抑制されているだけでなく、ロット間における分子量のばらつきや、製造スケールが違うことによる重合体の分子量バラツキが抑制されている。
本発明の製造方法により得られるレジスト組成物は、該レジスト組成物に含まれる半導体リソグラフィー用重合体の分子量バラツキが小さいため、感度および現像コントラスト等のレジスト性能の安定性に優れる。
したがって本発明の基板の製造方法によれば、本発明のレジスト組成物を用いることによって、高精度の微細なレジストパターンを安定して形成できる。また、高感度のレジスト組成物の使用が要求される、波長250nm以下の露光光を用いるフォトリソグラフィーまたは電子線リソグラフィー、例えばArFエキシマレーザー(193nm)を使用するリソグラフィーによる、パターン形成にも好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、各実施例、比較例中「部」とあるのは、特に断りのない限り「質量部」を示す。測定方法および評価方法は以下の方法を用いた。
<重量平均分子量の測定>
重合体の重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)は、下記の条件(GPC条件)でゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより、ポリスチレン換算で求めた。
[GPC条件]
装置:東ソー社製、東ソー高速GPC装置 HLC−8220GPC(商品名)、
分離カラム:昭和電工社製、ShodeX GPC K−805L(商品名)を3本直列に連結したもの、
測定温度:40℃、
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)、
試料:重合体の約20mgを5mLのTHFに溶解し、0.5μmメンブレンフィルターで濾過した溶液、
流量:1mL/分、
注入量:0.1mL、
検出器:示差屈折計。
検量線I:標準ポリスチレンの約20mgを5mLのTHFに溶解し、0.5μmメンブレンフィルターで濾過した溶液を用いて、上記の条件で分離カラムに注入し、溶出時間と分子量の関係を求めた。標準ポリスチレンは、下記の東ソー社製の標準ポリスチレン(いずれも商品名)を用いた。
F−128(Mw=1,090,000)、
F−80(Mw=706,000)、
F−20(Mw=190,000)、
F−4(Mw=37,900)、
F−1(Mw=10,200)、
A−2500(Mw=2,630)、
A−500(Mw=682、578、474、370、260の混合物)。
[高分子体の解析および含有率の算出]
所望の分子量におけるピーク(以下、メインピークということもある。)よりも早い溶出時間にピークが検出される場合、高分子量側のピークも解析を行った。また、重合体全体の面積%に対する高分子量体の割合を求め、これを高分子量体の含有率とする。
<感度測定>
レジスト組成物を、6インチシリコンウエハー上に回転塗布し、ホットプレート上で120℃、60秒間プリベーク(PAB)して、厚さ300nmの薄膜を形成した。ArFエキシマレーザー露光装置(リソテックジャパン製 VUVES−4500)を用い、露光量を変えて10mm×10mm2の18ショットを露光した。次いで110℃、60秒間ポストベーク(PEB)した後、レジスト現像アナライザー(リソテックジャパン製RDA−800)を用い、23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で65秒間現像し、各露光量における現像中のレジスト膜厚の経時変化を測定した。
[解析]
得られたデータを基に、露光量(mJ/cm)の対数と、初期膜厚に対する60秒間現像した時点での残存膜厚率(以下、残膜率という)(%)をプロットした曲線(以下、露光量−残膜率曲線という)を作成し、Eth感度(残膜率0%とするための必要露光量であり、感度を表す。)を求めた。
Eth感度:露光量−残膜率曲線が残膜率0%と交わる露光量(mJ/cm
[実施例1]
(I)混合ガス導入口、攪拌機、コンデンサー、及び温度計を備えた容量1LのSUS製のフラスコ(単量体供給容器)に下記の単量体、重合溶媒及び重合開始剤を仕込み単量体溶液を得た。
下記式(m1)の単量体を95.20g、
下記式(m2)の単量体を131.04g、
下記式(m3)の単量体を66.08g、
乳酸エチル438.5g、
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V601(商品名))8.649g。
工程(I)完了後、単量体供給容器内を18kPaまで減圧した後、窒素ガスと酸素ガスの混合比が98:2(体積%)となるよう予め各ガス流量をレギュレータで調整して供給ライン中で混合させて、容器内へ供給した(混合ガスパージ)。
単量体供給容器内の温度を30℃で一定にして、混合ガス雰囲気下で18時間保った。
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、単量体溶液供給口、及び温度計を備えた容量1LのSUS製のフラスコ(反応容器)に、重合溶媒として乳酸エチル243.6gを入れた。反応容器内を18kPaまで減圧した後、窒素ガスを供給して重合圧力である101kPaまで昇圧した(不活性ガスパージ工程)。次いで、反応容器内を窒素雰囲気下に保ったまま反応容器を湯浴に入れ、反応容器内を攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。
(II)単量体供給容器内の単量体溶液を、滴下ポンプを用いて4時間かけて反応容器内に滴下した。滴下の間、単量体供給容器内へ上記混合比と同じ混合ガスを供給し続け、単量体溶液の供給が完了するまで混合ガスが十分に満たされるようにした。
単量体溶液の供給が終わった後、さらに80℃の温度を3時間保持した。その後、25℃まで反応液を冷却し、重合反応を停止させて、重合体溶液を得た。
得られた重合体溶液を7.0倍量の、メタノール及び水の混合溶媒(メタノール/水=95/5容量比)に撹拌しながら滴下し、白色の析出物(重合体)の沈殿を得た。沈殿を濾別し、重合体湿粉を得た。重合体湿粉を減圧下40℃で約40時間乾燥した。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)を表1に示す。なお、高分子量体は検出されなかった。
重合体の100部と、光酸発生剤であるトリフェニルスルホニウムトリフレートの2部と、溶媒であるPGMEAとを、重合体濃度が12.5質量%になるように混合して均一溶液とした後、孔径0.1μmのメンブレンフィルターで濾過し、レジスト組成物を得た。得られたレジスト組成物の感度(Eth)を評価した。結果を表1に示す。
[実施例2、3、4]
表1に示す通りに条件を変えたほかは、実施例1と同様にして重合体を製造し、評価した。すなわち、実施例2は、窒素ガスと酸素ガスの混合比が95:5(体積%)となるよう混合比を変更した。実施例3は、混合ガスの混合比は実施例2と同様とし、単量体供給容器内の温度を25℃一定にして、混合ガス雰囲気下で18時間保ち、重合を行った。実施例4は、窒素ガスと酸素ガスの混合比が92:8(体積%)となるよう混合比を変更した。実施例2、3及び4においても、実施例1同様に高分子量体は検出されなかった。
[比較例1、2]
表1に示す通りに条件を変えたほかは、実施例1と同様にして重合体を製造し、評価した。すなわち、比較例1は、混合ガスで単量体供給容器内をパージせず、窒素雰囲気下のまま18時間保ち、重合を行った。比較例2は、比較例1と同様に、単量体供給容器内を、窒素ガスのみで満たし、単量体供給容器内の温度を25℃一定にして、窒素雰囲気下で18時間保った。
GPC結果においては、比較例1及び2ともに、メインの重合体ピークよりも早い溶出時間に高分子量体のピークが検出された。この高分子量体も同時に解析を行った結果を表1に示す。
表1の結果より、単量体供給容器内を、窒素と酸素の混合ガスで満たした実施例1〜4では、重合まで長い時間置いても、予期せぬ高分子量体は生成されなかった。一方、単量体供給容器内を、窒素のみで満たした比較例1〜2では、重合まで長い時間置くと、高分子量体が生成され、レジスト組成物における感度も悪くなった。

Claims (6)

  1. 単量体供給容器からラジカル重合性単量体を含む溶液を反応容器へ供給して重合体を製
    造する方法であって、前記単量体供給容器内を、ラジカルに対して不活性ガスXと、ラジ
    カルに対して活性ガスYを体積%でX:Y=90:10〜99:1の割合で含む混合ガス
    で満たす半導体リソグラフィー用重合体の製造方法。
  2. 下記工程(I)及び(II)を含み、少なくとも工程(I)の完了から工程(II)が完了
    するまでの間、前記単量体供給容器内を、前記混合ガスで満たす請求項1記載の半導体リ
    ソグラフィー用重合体の製造方法。
    (I)単量体供給容器に単量体を含む溶液を仕込む工程
    (II)単量体を含む溶液を単量体供給容器から反応容器へ供給する工程
  3. 前記活性ガスYが酸素である、請求項1または2に記載の半導体リソグラフィー用重合
    体の製造方法。
  4. 前記不活性ガスXが窒素である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体リソグラ
    フィー用重合体の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法により半導体リソグラフィー用重合体を
    製造する工程と、得られた半導体リソグラフィー用重合体と、活性光線又は放射線の照射
    により酸を発生する化合物とを混合する工程とを有するレジスト組成物の製造方法。
  6. 請求項5に記載のレジスト組成物の製造方法により得られるレジスト組成物を基板の被
    加工面上に塗布してレジスト膜を形成する工程と、該レジスト膜に対して露光する工程と
    、露光されたレジスト膜を現像液を用いて現像する工程とを含む、パターンが形成された
    基板の製造方法。
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