JP6657846B2 - 半導体リソグラフィー用重合体の製造方法、レジスト組成物の製造方法、およびパターンが形成された基板を製造する方法 - Google Patents
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Description
例えば、ArFエキシマレーザーリソグラフィーにおいて用いられる化学増幅型レジスト用重合体として、波長193nmの光に対して透明なアクリル系重合体が注目されている。該アクリル系重合体としては、例えば、エステル部にアダマンタン骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルとエステル部にラクトン骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルとの重合体が提案されている(特許文献1等)。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、特許文献2に記載の従来法とは異なる方法で、高分子量体の生成を抑制することができる半導体リソグラフィー用重合体の製造方法、該製造方法により得られる半導体リソグラフィー用重合体、該半導体リソグラフィー用重合体を用いたレジスト組成物、および該レジスト組成物を用いて、パターンが形成された基板を製造する方法を提供することを目的とする。
[1]単量体供給容器から単量体を含む溶液を反応容器へ供給して重合体を製造する方法であって、前記単量体供給容器内を、不活性ガスXと活性ガスYを体積%でX:Y=90:10〜99:1の割合で含む混合ガスで満たす半導体リソグラフィー用重合体の製造方法。
[2]下記工程(I)及び(II)を含み、少なくとも工程(I)の完了から工程(II)が完了するまでの間、前記単量体供給容器内を、前記混合ガスで満たす[1]記載の半導体リソグラフィー用重合体の製造方法。
(I)単量体供給容器に単量体を含む溶液を仕込む工程
(II)単量体を含む溶液を、単量体供給容器から反応容器へ供給する工程
[3]活性ガスYが酸素である、[1]または[2]記載の半導体リソグラフィー用重合体の製造方法。
[4]不活性ガスXが窒素である、[1]〜[3]のいずれかに記載の半導体リソグラフィー用重合体の製造方法。
[6][5]に記載のレジスト組成物の製造方法により得られるレジスト組成物を基板の被加工面上に塗布してレジスト膜を形成する工程と、該レジスト膜に対して露光する工程と、露光されたレジスト膜を現像液を用いて現像する工程とを含む、パターンが形成された基板の製造方法。
本発明の半導体リソグラフィー用重合体を用いたレジスト組成物は、現像欠陥の要因となり得る高分子量体の生成が抑制されており、性能の安定性に優れる。
本発明の基板の製造方法によれば、高精度の微細なパターンを安定して形成できる。
<重合体>
[構成単位(a)]
本発明の製造方法で得られる半導体リソグラフィー用重合体(以下、単に重合体ということもある。)は、極性基を有する構成単位(a)を有することが好ましい。
「極性基」とは、極性を持つ官能基または極性を持つ原子団を有する基であり、具体例としては、ヒドロキシ基、シアノ基、アルコキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルボニル基、フッ素原子を含む基、硫黄原子を含む基、ラクトン骨格を含む基、アセタール構造を含む基、エーテル結合を含む基などが挙げられる。
これらのうちで、波長250nm以下の光で露光するパターン形成方法におけるレジスト組成物に用いられる重合体は、極性基を有する構成単位として、ラクトン骨格を有する構成単位を有することが好ましく、さらに後述の親水性基を有する構成単位を有することが好ましい。
ラクトン骨格としては、例えば、4〜20員環程度のラクトン骨格が挙げられる。ラクトン骨格は、ラクトン環のみの単環であってもよく、ラクトン環に脂肪族または芳香族の炭素環または複素環が縮合していてもよい。
重合体がラクトン骨格を有する構成単位を含む場合、その含有量は、基板等への密着性の点から、全構成単位(100モル%)のうち、20モル%以上が好ましく、25モル%以上がより好ましい。また、感度および解像度の点から、60モル%以下が好ましく、55モル%以下がより好ましく、50モル%以下がさらに好ましい。
ラクトン骨格を有する単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本明細書における「親水性基」とは、−C(CF3)2−OH、ヒドロキシ基、シアノ基、メトキシ基、カルボキシ基およびアミノ基の少なくとも1種である。
これらのうちで、波長250nm以下の光で露光するパターン形成方法におけるレジスト組成物に用いられる重合体は、親水性基としてヒドロキシ基またはシアノ基を有することが好ましい。
重合体における親水性基を有する構成単位の含有量は、レジストパターン矩形性の点から、全構成単位(100モル%)のうち、5〜30モル%が好ましく、10〜25モル%がより好ましい。
親水性基を有する単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の製造方法で得られる重合体は、レジスト用途に用いる場合は上述した極性基を
有する構成単位(a)以外に酸脱離性基を有する構成単位(b)を有することが好ましく
、この他に、必要に応じて公知の構成単位を有していてもよい。
「酸脱離性基」とは、酸により開裂する結合を有する基であり、該結合の開裂により酸
脱離性基の一部または全部が重合体の主鎖から脱離する基である。
レジスト組成物において、酸脱離性基を有する構成単位を有する重合体は、酸成分と反
応してアルカリ性溶液に可溶となり、レジストパターン形成を可能とする作用を奏する。
酸脱離性基を有する構成単位の割合は、感度および解像度の点から、重合体を構成する
全構成単位(100モル%)のうち、20モル%以上が好ましく、25モル%以上がより
好ましい。また、基板等への密着性の点から、60モル%以下が好ましく、55モル%以
下がより好ましく、50モル%以下がさらに好ましい。
酸脱離性基を有する単量体の具体例として、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を有し、かつ酸脱離性基を有している(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。該脂環式炭化水素基は、(メタ)アクリル酸エステルのエステル結合を構成する酸素原子と直接結合していてもよく、アルキレン基等の連結基を介して結合していてもよい。
該(メタ)アクリル酸エステルには、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を有するとともに、(メタ)アクリル酸エステルのエステル結合を構成する酸素原子との結合部位に第3級炭素原子を有する(メタ)アクリル酸エステル、または、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を有するとともに、該脂環式炭化水素基に−COOR基(Rは置換基を有していてもよい第3級炭化水素基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、またはオキセパニル基を表す。)が直接または連結基を介して結合している(メタ)アクリル酸エステルが含まれる。
酸脱離性基を有する単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の重合体の製造方法は、反応容器内で、重合溶媒の存在下に、重合開始剤を使用して、単量体をラジカル重合させる溶液重合法である。
溶液重合法において、単量体および重合開始剤の反応容器への供給は、連続供給であってもよく、滴下供給であってもよい。製造ロットの違いによる平均分子量、分子量分布等のばらつきが小さく、再現性の良い重合体が得られやすい点から、単量体および重合開始剤を含む滴下溶液を反応容器内に滴下する、滴下重合法が好ましい。
エーテル類:鎖状エーテル(ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(以下、「PGME」と記す。)等。)、環状エーテル(テトラヒドロフラン(以下、「THF」と記す。)、1,4−ジオキサン等。)等。
エステル類:酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」と記す。)、γ−ブチロラクトン等。
ケトン類:アセトン、メチルエチルケトン(以下、「MEK」と記す。)、メチルイソブチルケトン(以下、「MIBK」と記す。)等。
アミド類:N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等。
スルホキシド類:ジメチルスルホキシド等。
芳香族炭化水素:ベンゼン、トルエン、キシレン等。
脂肪族炭化水素:ヘキサン等。
脂環式炭化水素:シクロヘキサン等。
重合溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
反応容器には、重合溶媒の少なくとも一部および/または単量体の少なくとも一部を予め仕込むことが好ましい。重合溶媒の一部を予め反応容器内に仕込んだ場合、残りの重合溶媒は単量体溶液の溶媒として単量体供給容器内に仕込んでもよい。単量体を予め反応容器内に仕込む場合は、重合反応に用いる全単量体のうちの一部を反応容器内に仕込み、残りの単量体は単量体供給容器内に仕込み、重合反応時に単量体供給容器から単量体溶液を反応容器内へ供給してもよい。単量体を予め反応容器内に仕込まない場合は、重合反応に用いる全単量体を単量体供給容器に重合溶媒とともに仕込んで単量体溶液とし、重合反応時に単量体供給容器から単量体溶液を反応容器内へ供給してもよい。
単量体供給容器には、単量体、重合溶媒及び重合開始剤を仕込んでもよく、単量体及び重合溶媒だけを仕込んでおいてもよい。単量体供給容器は複数用いてもよい。その場合、各単量体供給容器から反応容器内への各単量体溶液の供給は同時に行ってもよく、時間をずらして行っても良い。
単量体供給容器とは別に、重合開始剤を少なくとも含み単量体は含まない開始剤供給容器を別に用いてもよい。開始剤供給容器は複数用いてもよい。その場合、各開始剤供給容器から反応容器内への各開始剤溶液の供給は同時に行ってもよく、時間をずらして行っても良い。
不活性ガスXは、ラジカルに対して不活性なガスである。Xの具体例としては、窒素または希ガス元素が好ましく、工業的に一般的に用いられていることから窒素またはアルゴンがより好ましく、窒素がさらに好ましい。
活性ガスYは、ラジカルに対して活性なガスである。Yの具体例としては、ラジカル捕捉剤の一つである酸素が好ましい。
単量体供給容器内を効果的に混合ガスパージさせるため、混合ガスパージする前に予め単量体供給容器内を所定の圧力まで減圧した後、混合ガスパージしてもよい。また、単量体溶液中へ混合ガスをバブリングさせてもよい。単量体を少なくとも含む溶液を単量体供給容器内に仕込む前から、単量体供給容器内に混合ガスパージしてもよく、仕込み途中で混合ガスパージしてもよいが、少なくとも仕込みを完了した時に単量体供給容器内が混合ガスで満たされている必要がある。
単量体溶液に重合開始剤が含まれており、予め反応容器内の温度が重合温度まで加熱されている場合は、単量体供給容器から反応容器に供給されるとともに重合開始となる。
工程(II)は単量体供給容器から反応容器に単量体溶液が全て供給された時点で完了とする。
本発明の製造方法においては、少なくとも工程(I)で単量体供給容器に単量体を含む溶液の仕込みを完了してから、工程(II)で単量体溶液を単量体供給容器から反応容器への供給を完了するまでの間、単量体供給容器内が混合ガスで満たされていることが好ましい。
工程(II)において、単量体供給容器から単量体溶液を反応容器へ供給する時に、混合ガスパージされた単量体溶液中に溶存する活性ガスがわずかに反応容器内へ同時に供給されることになるが、混合ガスにおける活性ガスの混合比がばらつくと、重合体の分子量がばらつく原因となる。そのため、単量体供給容器内の混合ガスパージ時には、不活性ガスと活性ガスの混合比がロット間で出来るだけ差がないようにすることが好ましい。よって、混合比のバラツキを抑制するため、不活性ガスと活性ガスを別供給源から混合する場合は、レギュレータ等を用いてそれぞれのガス流量を制御して混合することが好ましい。
重合圧力が変動すると、重合溶媒および/または単量体の溶液沸点が変動し、重合反応時の反応温度が安定しないため、一定範囲内の重合圧力となることが好ましい。好ましい重合圧力は、70〜130kPaであり、より好ましくは90〜110kPaである。
重合開始剤は、単量体に直接に溶解させて滴下してもよく、単量体溶液に溶解させて滴下してもよく、重合溶媒のみに溶解させて滴下してもよい。
単量体および重合開始剤を、同じ供給容器内に仕込み混合した後、反応容器中に滴下してもよく、それぞれ独立した供給容器から反応容器中に滴下してもよく、それぞれ独立した貯槽から反応容器に供給する直前で混合し、反応容器中に滴下してもよい。
単量体および重合開始剤は、一方を先に滴下した後、遅れて他方を滴下してもよく、両方を同じタイミングで滴下してもよい。
滴下速度は、滴下終了まで一定であってもよく、単量体または重合開始剤の消費速度に応じて、多段階に変化させてもよい。
滴下は、連続的に行ってもよく、間欠的に行ってもよい。
得られた重合体溶液を、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、水、ヘキサン、ヘプタン、ジイソプロピルエーテル、またはそれらの混合溶媒等の貧溶媒中に滴下し、重合体を析出させる。この工程は再沈殿工程と呼ばれ、重合体溶液中に残存する未反応の単量体、重合開始剤等を取り除くために非常に有効である。
使用する貧溶媒の量は残存する未反応単量体をより低減できるため、重合体溶液と同質量以上用いることができ、3倍以上が好ましく、4倍以上がより好ましく、5倍以上がさらに好ましく、6倍以上が特に好ましい。
また、湿粉を再び貧溶媒に分散させて重合体分散液を得た後、重合体をろ別する操作を繰り返すこともできる。この工程は、リスラリ工程と呼ばれ、重合体湿粉中に残存する未(反応の単量体、重合開始剤等をより低減させるために非常に有効である。
また、ろ別した後、乾燥せずに湿粉のまま適当な溶媒に溶解させて半導体リソグラフィー用組成物として用いてもよく、濃縮して低沸点化合物を除去してから半導体リソグラフィー用組成物として用いてもよい。その際、保存安定剤等の添加剤を適宜添加してもよい。
また、乾燥させた後に適当な溶媒に溶解させ、さらに濃縮して低沸点化合物を除去してから半導体リソグラフィー用組成物として用いてもよい。その際、保存安定剤等の添加剤を適宜添加してもよい。
本発明の方法で得られるレジスト組成物は、本発明の製造方法により重合体を製造する工程と、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、「光酸発生剤」ということもある。)とを混合する工程とを有する方法により製造される、化学増幅型レジスト組成物である。上記レジスト組成物は、重合体と、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物とをレジスト溶媒に溶解させて得られる。
レジスト溶媒としては、前記重合溶媒と同様の溶媒が挙げられる。
光酸発生剤は、化学増幅型レジスト組成物の光酸発生剤として公知のものを適宜選択して用いることができる。光酸発生剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
光酸発生剤としては、例えば、オニウム塩化合物、スルホンイミド化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、キノンジアジド化合物、ジアゾメタン化合物等が挙げられる。
レジスト組成物における光酸発生剤の含有量は、重合体100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
化学増幅型レジスト組成物は、含窒素化合物を含んでいてもよい。含窒素化合物を含むことにより、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等がさらに向上する。つまり、レジストパターンの断面形状が矩形により近くなり、また、レジスト膜に光を照射し、ついでベーク(PEB)した後、次の現像処理までの間に数時間放置されることが半導体素子の量産ラインではあるが、そのような放置(経時)したときにレジストパターンの断面形状の劣化の発生がより抑制される。
含窒素化合物としては、アミンが好ましく、第2級低級脂肪族アミン、第3級低級脂肪族アミンがより好ましい。
含窒素化合物の量は、重合体100質量部に対して、0.01〜2質量部が好ましい。
化学増幅型レジスト組成物は、有機カルボン酸、リンのオキソ酸またはその誘導体(以下、これらをまとめて酸化合物と記す。)を含んでいてもよい。酸化合物を含むことにより、含窒素化合物の配合による感度劣化を抑えることができ、また、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等がさらに向上する。
リンのオキソ酸またはその誘導体としては、リン酸またはその誘導体、ホスホン酸またはその誘導体、ホスフィン酸またはその誘導体等が挙げられる。
酸化合物の量は、重合体100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましい。
本発明のレジスト組成物は、必要に応じて、界面活性剤、その他のクエンチャー、増感剤、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。該添加剤は、当該分野で公知のものであればいずれも使用可能である。また、これら添加剤の量は、特に限定されず、適宜決めればよい。
本発明の、微細パターンが形成された基板の製造方法は、本発明のレジスト組成物を、基板の被加工面上に塗布してレジスト膜を形成する工程と、該レジスト膜に対して、露光する工程と、露光されたレジスト膜を現像液を用いて現像する工程とを含む。
以下、該基板の製造方法の一例について説明する。
また、該レジスト膜と露光装置の最終レンズとの間に、純水、パーフルオロ−2−ブチルテトラヒドロフラン、パーフルオロトリアルキルアミン等の高屈折率液体を介在させた状態で光を照射する液浸露光を行ってもよい。
現像後、基板を純水等で適宜リンス処理する。このようにして被加工基板上にレジストパターンが形成される。
エッチング後、レジストを剥離剤によって除去することによって、パターンが形成された基板が得られる。
本発明の製造方法により得られるレジスト組成物は、該レジスト組成物に含まれる半導体リソグラフィー用重合体の分子量バラツキが小さいため、感度および現像コントラスト等のレジスト性能の安定性に優れる。
したがって本発明の基板の製造方法によれば、本発明のレジスト組成物を用いることによって、高精度の微細なレジストパターンを安定して形成できる。また、高感度のレジスト組成物の使用が要求される、波長250nm以下の露光光を用いるフォトリソグラフィーまたは電子線リソグラフィー、例えばArFエキシマレーザー(193nm)を使用するリソグラフィーによる、パターン形成にも好適に用いることができる。
重合体の重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)は、下記の条件(GPC条件)でゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより、ポリスチレン換算で求めた。
[GPC条件]
装置:東ソー社製、東ソー高速GPC装置 HLC−8220GPC(商品名)、
分離カラム:昭和電工社製、ShodeX GPC K−805L(商品名)を3本直列に連結したもの、
測定温度:40℃、
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)、
試料:重合体の約20mgを5mLのTHFに溶解し、0.5μmメンブレンフィルターで濾過した溶液、
流量:1mL/分、
注入量:0.1mL、
検出器:示差屈折計。
F−128(Mw=1,090,000)、
F−80(Mw=706,000)、
F−20(Mw=190,000)、
F−4(Mw=37,900)、
F−1(Mw=10,200)、
A−2500(Mw=2,630)、
A−500(Mw=682、578、474、370、260の混合物)。
所望の分子量におけるピーク(以下、メインピークということもある。)よりも早い溶出時間にピークが検出される場合、高分子量側のピークも解析を行った。また、重合体全体の面積%に対する高分子量体の割合を求め、これを高分子量体の含有率とする。
レジスト組成物を、6インチシリコンウエハー上に回転塗布し、ホットプレート上で120℃、60秒間プリベーク(PAB)して、厚さ300nmの薄膜を形成した。ArFエキシマレーザー露光装置(リソテックジャパン製 VUVES−4500)を用い、露光量を変えて10mm×10mm2の18ショットを露光した。次いで110℃、60秒間ポストベーク(PEB)した後、レジスト現像アナライザー(リソテックジャパン製RDA−800)を用い、23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で65秒間現像し、各露光量における現像中のレジスト膜厚の経時変化を測定した。
得られたデータを基に、露光量(mJ/cm2)の対数と、初期膜厚に対する60秒間現像した時点での残存膜厚率(以下、残膜率という)(%)をプロットした曲線(以下、露光量−残膜率曲線という)を作成し、Eth感度(残膜率0%とするための必要露光量であり、感度を表す。)を求めた。
Eth感度:露光量−残膜率曲線が残膜率0%と交わる露光量(mJ/cm2)
(I)混合ガス導入口、攪拌機、コンデンサー、及び温度計を備えた容量1LのSUS製のフラスコ(単量体供給容器)に下記の単量体、重合溶媒及び重合開始剤を仕込み単量体溶液を得た。
下記式(m1)の単量体を95.20g、
下記式(m2)の単量体を131.04g、
下記式(m3)の単量体を66.08g、
乳酸エチル438.5g、
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V601(商品名))8.649g。
単量体供給容器内の温度を30℃で一定にして、混合ガス雰囲気下で18時間保った。
表1に示す通りに条件を変えたほかは、実施例1と同様にして重合体を製造し、評価した。すなわち、実施例2は、窒素ガスと酸素ガスの混合比が95:5(体積%)となるよう混合比を変更した。実施例3は、混合ガスの混合比は実施例2と同様とし、単量体供給容器内の温度を25℃一定にして、混合ガス雰囲気下で18時間保ち、重合を行った。実施例4は、窒素ガスと酸素ガスの混合比が92:8(体積%)となるよう混合比を変更した。実施例2、3及び4においても、実施例1同様に高分子量体は検出されなかった。
表1に示す通りに条件を変えたほかは、実施例1と同様にして重合体を製造し、評価した。すなわち、比較例1は、混合ガスで単量体供給容器内をパージせず、窒素雰囲気下のまま18時間保ち、重合を行った。比較例2は、比較例1と同様に、単量体供給容器内を、窒素ガスのみで満たし、単量体供給容器内の温度を25℃一定にして、窒素雰囲気下で18時間保った。
GPC結果においては、比較例1及び2ともに、メインの重合体ピークよりも早い溶出時間に高分子量体のピークが検出された。この高分子量体も同時に解析を行った結果を表1に示す。
Claims (6)
- 単量体供給容器からラジカル重合性単量体を含む溶液を反応容器へ供給して重合体を製
造する方法であって、前記単量体供給容器内を、ラジカルに対して不活性ガスXと、ラジ
カルに対して活性ガスYを体積%でX:Y=90:10〜99:1の割合で含む混合ガス
で満たす半導体リソグラフィー用重合体の製造方法。 - 下記工程(I)及び(II)を含み、少なくとも工程(I)の完了から工程(II)が完了
するまでの間、前記単量体供給容器内を、前記混合ガスで満たす請求項1記載の半導体リ
ソグラフィー用重合体の製造方法。
(I)単量体供給容器に単量体を含む溶液を仕込む工程
(II)単量体を含む溶液を単量体供給容器から反応容器へ供給する工程 - 前記活性ガスYが酸素である、請求項1または2に記載の半導体リソグラフィー用重合
体の製造方法。 - 前記不活性ガスXが窒素である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体リソグラ
フィー用重合体の製造方法。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法により半導体リソグラフィー用重合体を
製造する工程と、得られた半導体リソグラフィー用重合体と、活性光線又は放射線の照射
により酸を発生する化合物とを混合する工程とを有するレジスト組成物の製造方法。 - 請求項5に記載のレジスト組成物の製造方法により得られるレジスト組成物を基板の被
加工面上に塗布してレジスト膜を形成する工程と、該レジスト膜に対して露光する工程と
、露光されたレジスト膜を現像液を用いて現像する工程とを含む、パターンが形成された
基板の製造方法。
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