JP2023123014A - 重合体の製造方法、レジスト組成物の製造方法、及びパターンが形成された基板の製造方法 - Google Patents

重合体の製造方法、レジスト組成物の製造方法、及びパターンが形成された基板の製造方法 Download PDF

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Shuhei Yarimizu
一晃 向井
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隆史 三橋
Takashi Mihashi
明子 宮川
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Abstract

【課題】重合体の溶媒への溶解性を向上させることができる、重合体の製造方法の提供。【解決手段】反応容器内の気相の酸素濃度が1体積%以下の雰囲気下で、単量体をラジカル重合させ、重合反応溶液を得る工程(1)、及び工程(1)で得られた重合反応溶液が30℃以上の温度下で、反応容器内の気相を、酸素を含む気体で置換する工程(2)を含む、重合体の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、重合体の製造方法、レジスト組成物の製造方法、及びパターンが形成された基板の製造方法に関する。
近年、半導体素子、液晶素子等の製造工程において形成されるレジストパターンは、リソグラフィー技術の進歩により急速に微細化が進んでいる。微細化の手法としては、照射光の短波長化がある。
例えば、KrFエキシマレーザー(波長:248nm)リソグラフィー技術が導入され、さらなる短波長化を図ったArFエキシマレーザー(波長:193nm)リソグラフィー技術およびEUV(波長:13.5nm)リソグラフィー技術が研究されている。
レジストパターンの微細化に対応するために、リソグラフィー用重合体の溶媒への溶解性を向上させ、レジスト組成物の感度を向上させることが求められる。
特許文献1には、重合溶媒中で単量体をラジカル重合させてリソグラフィー用重合体を製造する方法において、反応容器内の気相を窒素で置換し、80℃の反応温度で重合させて重合反応溶液を得た後、重合反応を停止させるために20℃の水浴を用いて冷却するとともに、重合反応溶液が25℃になった時点で、反応容器内の気相の酸素濃度が3.0体積%となるように酸素を供給し、さらに20℃で6時間保存した実施例が記載されている。この実施例で得られた重合体は、反応容器内に酸素を供給しなかった比較例1で得られた重合体に比べて溶媒への溶解性に優れることが示されている。
特開2015-227419号公報
しかし、特許文献1に記載の方法で得られる重合体は溶媒への溶解性が必ずしも充分ではなく、リソグラフィー工程において現像欠陥が生じる場合がある。
本発明は、重合体の溶媒への溶解性を向上させることができる、重合体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は鋭意研究の結果、特許文献1に記載の方法では、重合反応溶液が25℃まで冷却される間に所望の分子量を上回る高分子量体が生成することがあり、かかる高分子量体が溶媒への溶解性を低下させ、現像欠陥の要因になり得ることを知見し、本発明に至った。
本発明は以下の態様を有する。
[1] 下記工程(1)及び工程(2)を含む、重合体の製造方法。
工程(1):反応容器内の気相の酸素濃度が1体積%以下の雰囲気下で、単量体をラジカル重合させ、重合反応溶液を得る工程。
工程(2):工程(1)で得られた重合反応溶液が30℃以上の温度下で、反応容器内の気相を、酸素を含む気体で置換する工程。
[2] 単量体が、極性基を有する単量体の1種以上と、酸脱離性基を有する単量体の1種以上とを含む、[1]の製造方法。
[3] 前記工程(1)において、重合溶媒の存在下で前記単量体をラジカル重合させる、[1]又は[2]の製造方法。
[4] 前記工程(1)において、重合開始剤を用いて前記単量体をラジカル重合させる、[1]~[3]のいずれかの製造方法。
[5] 前記重合体の濁度が10NTU以下である、[1]~[4]のいずれかの製造方法。
[6] 前記重合体が、リソグラフィー用重合体である、[1]~[5]のいずれかの製造方法。
[7] 前記[6]に記載の製造方法でリソグラフィー用重合体を製造し、得られたリソグラフィー用重合体を用いてレジスト組成物を製造する、レジスト組成物の製造方法。
[8] 前記[7]に記載の製造方法によりレジスト組成物を製造する工程と、得られたレジスト組成物を基板上に塗布してレジスト膜を形成する工程と、レジスト膜に対して露光する工程と、露光されたレジスト膜を現像液を用いて現像する工程と、を含む、パターンが形成された基板の製造方法。
本発明によれば、重合体の溶媒への溶解性を向上できる。
本明細書において、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸またはメタクリル酸を意味し、「(メタ)アクリロイルオキシ」は、アクリロイルオキシまたはメタクリロイルオキシを意味する。
本明細書において重合体の「構成単位」とは単量体1分子から形成される単位(原子団)を意味する。
本明細書において数値範囲を示す「~」は、その前後に記載された数値を下限値および上限値として含むことを意味する。
≪重合体≫
本発明における重合体は、単量体をラジカル重合させて合成される重合体である。特に、溶媒への優れた溶解性が求められる点で、リソグラフィー用重合体が好ましい。
<リソグラフィー用重合体>
本発明におけるリソグラフィー用重合体は、リソグラフィー工程に用いられる重合体であれば、特に限定されずに適用することができる。例えば、レジスト膜の形成に用いられるレジスト用重合体、レジスト膜の上層に形成される反射防止膜(TARC)、またはレジスト膜の下層に形成される反射防止膜(BARC)の形成に用いられる反射防止膜用重合体、ギャップフィル膜の形成に用いられるギャップフィル膜用重合体、トップコート膜の形成に用いられるトップコート膜用重合体が挙げられる。
レジスト用重合体の例としては、極性基を有する構成単位の1種以上と、酸脱離性基を有する構成単位の1種以上とを含む共重合体が挙げられる。極性基を有する構成単位の1種以上と、酸脱離性基を有する構成単位の1種以上とを含む共重合体は、極性基を有する単量体の1種以上と、酸脱離性基を有する単量体の1種以上とを含む単量体を重合することで得られる。
極性基を有する構成単位およびそれに対応する単量体、酸脱離性基を有する構成単位およびそれに対応する単量体については後述する。
反射防止膜用重合体の例としては、吸光性基を有する構成単位と、硬化性の反応性官能基を有する構成単位とを含む共重合体が挙げられる。
硬化性の反応性官能基とは、硬化剤などと反応して反射防止膜の硬化に寄与する基である。具体例としては、アミノ基、アミド基、ヒドロキシ基、エポキシ基等が挙げられる。反射防止膜を硬化させることで、レジスト膜と反射防止膜との混合を防止できる。
吸光性基とは、組成物中で反射防止膜用重合体と共存する感光成分が感度を有する波長領域の光に対して、高い吸収性能を有する基である。吸光性基の具体例としては、アントラセン環、ナフタレン環、ベンゼン環、キノリン環、キノキサリン環、チアゾール環等の環構造(任意の置換基を有していてもよい。)を有する基が挙げられる。特に、照射光として、KrFレーザ光が用いられる場合には、アントラセン環又は任意の置換基を有するアントラセン環が好ましく、ArFレーザ光が用いられる場合には、ベンゼン環又は任意の置換基を有するベンゼン環が好ましい。
上記任意の置換基としては、フェノール性水酸基、アルコール性水酸基、カルボキシ基、カルボニル基、エステル基、アミノ基、又はアミド基等が挙げられる。これらのうち、吸光性基として、保護された又は保護されていないフェノール性水酸基を有するものが、良好な現像性・高解像性の観点から好ましい。上記吸光性基を有する構成単位・単量体として、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、p-ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ギャップフィル膜用重合体の例としては、狭いギャップに流れ込むための適度な粘度を有し、レジスト膜や反射防止膜との混合を避けるため、硬化性の反応性官能基を有する構成単位を含む共重合体が挙げられる。
硬化性の反応性官能基とは、硬化剤などと反応してギャップフィル膜の硬化に寄与する基である。
ギャップフィル膜用重合体の具体例としては、スチレン、アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の単量体の1種以上と、ヒドロキシスチレンとの共重合体が挙げられる。
液浸リソグラフィーに用いられるトップコート膜用重合体の例としては、カルボキシ基を有する構成単位を含む共重合体、フッ素含有基を有する構成単位を含む共重合体等が挙げられる。
以下、リソグラフィー用重合体がレジスト用重合体である場合に、好適に用いられる構成単位およびそれに対応する単量体について説明する。
[極性基を有する構成単位]
レジスト用重合体は、極性基を有する構成単位を有することが好ましい。
「極性基」とは、極性を持つ官能基または極性を持つ原子団を有する基であり、具体例としては、ヒドロキシ基、シアノ基、アルコキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルボニル基、フッ素原子を含む基、硫黄原子を含む基、ラクトン骨格を含む基、アセタール構造を含む基、エーテル結合を含む基などが挙げられる。
これらのうちで、波長250nm以下の光で露光するパターン形成方法に適用されるレジスト用重合体は、極性基を有する構成単位として、ラクトン骨格を有する構成単位を有することが好ましく、さらに後述の親水性基を有する構成単位を有することが好ましい。
(ラクトン骨格を有する構成単位・単量体)
ラクトン骨格としては、例えば、4~20員環程度のラクトン骨格が挙げられる。ラクトン骨格は、ラクトン環のみの単環であってもよく、ラクトン環に脂肪族または芳香族の炭素環または複素環が縮合していてもよい。
重合体がラクトン骨格を有する構成単位を含む場合、その含有量は、基板等への密着性の点から、全構成単位(100モル%)のうち、20モル%以上が好ましく、25モル%以上がより好ましい。また、感度および解像度の点から、60モル%以下が好ましく、55モル%以下がより好ましく、50モル%以下がさらに好ましい。
ラクトン骨格を有する単量体としては、基板等への密着性に優れる点から、置換あるいは無置換のδ-バレロラクトン環を有する(メタ)アクリル酸エステル、置換あるいは無置換のγ-ブチロラクトン環を有する単量体からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、無置換のγ-ブチロラクトン環を有する単量体がより好ましい。
ラクトン骨格を有する単量体の具体例としては、β-(メタ)アクリロイルオキシ-β-メチル-δ-バレロラクトン、4,4-ジメチル-2-メチレン-γ-ブチロラクトン、β-(メタ)アクリロイルオキシ-γ-ブチロラクトン、β-(メタ)アクリロイルオキシ-β-メチル-γ-ブチロラクトン、α-(メタ)アクリロイルオキシ-γ-ブチロラクトン、2-(1-(メタ)アクリロイルオキシ)エチル-4-ブタノリド、(メタ)アクリル酸パントイルラクトン、5-(メタ)アクリロイルオキシ-2,6-ノルボルナンカルボラクトン、8-メタクリロキシ-4-オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-3-オン、9-メタクリロキシ-4-オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-3-オン等が挙げられる。また、類似構造を持つ単量体として、メタクリロイルオキシこはく酸無水物等の酸無水物に由来する環構造を有する単量体も挙げられる。基板等に対する密着性の点から、α-(メタ)アクリロイルオキシ-γ-ブチロラクトンが好ましく、α-メタクリロイルオキシ-γ-ブチロラクトンがより好ましい。
ラクトン骨格を有する単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(親水性基を有する構成単位・単量体)
本明細書における「親水性基」とは、-C(CF-OH、ヒドロキシ基、シアノ基、メトキシ基、カルボキシ基およびアミノ基の少なくとも1種である。
これらのうちで、波長250nm以下の光で露光するパターン形成方法に適用されるレジスト用重合体は、親水性基としてヒドロキシ基またはシアノ基を有することが好ましく、親水基としてヒドロキシ基を有することがより好ましい。
重合体における親水性基を有する構成単位の含有量は、レジストパターン矩形性の点から、全構成単位(100モル%)のうち、5~30モル%が好ましく、10~25モル%がより好ましい。
親水性基を有する単量体としては、例えば、末端ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリ酸エステル;単量体の親水性基上にアルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基等の置換基を有する誘導体;環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル(例えば(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸1-イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンチル、(メタ)アクリル酸2-メチル-2-アダマンチル、(メタ)アクリル酸2-エチル-2-アダマンチル等。)が置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基等の親水性基を有するもの;保護基を有してもよいヒドロキシ基を有する芳香族ビニル単量体(例えばp-ヒドロキシスチレン、p-アセトキシスチレン);が挙げられる。
親水性基を有する単量体の具体例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシ-n-プロピル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシフェニル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシアダマンチル、2-または3-シアノ-5-ノルボルニル(メタ)アクリレート、2-シアノメチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート、p-ヒドロキシスチレン、3,4-ジヒドロキシスチレン、p-アセトキシスチレン等が挙げられる。
基板等に対する密着性の点から、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシフェニル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシアダマンチル、(メタ)アクリル酸3,5-ジヒドロキシアダマンチル、2-または3-シアノ-5-ノルボルニル(メタ)アクリレート、2-シアノメチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシスチレンが好ましく、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシフェニル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシアダマンチル、p-ヒドロキシスチレン、3,4-ジヒドロキシスチレンがより好ましい。
親水性基を有する単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ヒドロキシ基を有する芳香族ビニル単量体の構成単位を重合体に導入する場合、ヒドロキシ基を有する芳香族ビニル単量体をそのまま重合してもよく、ヒドロキシ基を保護した芳香族ビニル単量体を重合した後に脱保護してもよいが、重合体の生産性に優れることから、ヒドロキシ基を有する芳香族ビニル単量体をそのまま重合する方法が好ましい。
[酸脱離性基を有する構成単位・単量体]
レジスト用重合体は、レジスト用途に用いるために上述した極性基を有する構成単位以外に酸脱離性基を有する構成単位を有することが好ましく、この他に、必要に応じて公知の構成単位を有していてもよい。
「酸脱離性基」とは、酸により開裂する結合を有する基であり、該結合の開裂により酸脱離性基の一部または全部が重合体の主鎖から脱離する基である。
レジスト用組成物において、酸脱離性基を有する構成単位を有する重合体は、酸成分と反応してアルカリ性溶液に可溶となり、レジストパターン形成を可能とする作用を奏する。
酸脱離性基を有する構成単位の割合は、感度および解像度の点から、重合体を構成する全構成単位(100モル%)のうち、20モル%以上が好ましく、25モル%以上がより好ましい。また、基板等への密着性の点から、60モル%以下が好ましく、55モル%以下がより好ましく、50モル%以下がさらに好ましい。
酸脱離性基を有する単量体は、酸脱離性基および重合性多重結合を有する化合物であればよく、公知のものを使用できる。重合性多重結合とは重合反応時に開裂して共重合鎖を形成する多重結合であり、エチレン性二重結合が好ましい。
酸脱離性基を有する単量体の具体例として、炭素数6~20の脂環式炭化水素基を有し、かつ酸脱離性基を有している(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。該脂環式炭化水素基は、(メタ)アクリル酸エステルのエステル結合を構成する酸素原子と直接結合していてもよく、アルキレン基等の連結基を介して結合していてもよい。
該(メタ)アクリル酸エステルには、炭素数6~20の脂環式炭化水素基を有するとともに、(メタ)アクリル酸エステルのエステル結合を構成する酸素原子との結合部位に第3級炭素原子を有する(メタ)アクリル酸エステル、または、炭素数6~20の脂環式炭化水素基を有するとともに、該脂環式炭化水素基に-COOR基(Rは置換基を有していてもよい第3級炭化水素基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、またはオキセパニル基を表す。)が直接または連結基を介して結合している(メタ)アクリル酸エステルが含まれる。
特に、波長250nm以下の光で露光するパターン形成方法に適用されるレジスト組成物を製造する場合には、酸脱離性基を有する単量体の好ましい例として、例えば、2-メチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート、2-エチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート、1-(1’-アダマンチル)-1-メチルエチル(メタ)アクリレート、1-メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1-エチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1-メチルシクロペンチル(メタ)アクリレート、1-エチルシクロペンチル(メタ)アクリレート、1-イソプロピルシクロペンチル(メタ)アクリレート、1-tert-ブチル-1-シクロペンチル(メタ)アクリレート、イソプロピルアダマンチル(メタ)アクリレート、1-エチルシクロオクチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。感度および解像度の点から、1-メチルシクロペンチル(メタ)アクリレート、1-エチルシクロペンチル(メタ)アクリレート、1-イソプロピルシクロペンチル(メタ)アクリレート、1-tert-ブチル-1-シクロペンチル(メタ)アクリレートが好ましく、1-メチルシクロペンチルメタクリレート、1-エチルシクロペンチルメタクリレート、1-イソプロピルシクロペンチルメタクリレート、1-tert-ブチル-1-シクロペンチルメタクリレートがより好ましい。
酸脱離性基を有する単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<分子量>
本発明における重合体の重量平均分子量(Mw)は、例えば1,000~200,000が好ましく、3,000~50,000がより好ましく、5,000~30,000がさらに好ましい。分子量分布(Mw/Mn)は1.0~3.0が好ましく、1.1~2.5がより好ましい。
<重合溶媒>
本発明において用いられる重合溶媒としては、例えば、下記のものが挙げられる。
エーテル類:鎖状エーテル(ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(以下、「PGME」と記す。)等。)、環状エーテル(テトラヒドロフラン(以下、「THF」と記す。)、1,4-ジオキサン等。)等。
エステル類:酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」と記す。)、γ-ブチロラクトン、2-ヒドロキシイソ酪酸メチル等。
ケトン類:アセトン、メチルエチルケトン(以下、「MEK」と記す。)、メチルイソブチルケトン(以下、「MIBK」と記す。)、シクロヘキサノン等。
アミド類:N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド等。
スルホキシド類:ジメチルスルホキシド等。
芳香族炭化水素:ベンゼン、トルエン、キシレン等。
脂肪族炭化水素:ヘキサン等。
脂環式炭化水素:シクロヘキサン等。
有機溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<重合開始剤>
本発明において用いられる重合開始剤としては、熱により効率的にラジカルを発生するものが好ましい。例えば、アゾ化合物(2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル-2,2’-アゾビスイソブチレート、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]等。)、有機過酸化物(2,5-ジメチル-2,5-ビス(tert-ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ(4-tert-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等。)等が挙げられる。
これらの重合開始剤の、分解温度に応じた使用適性温度は50~150℃の範囲内にある。
<重合体の製造方法>
本発明の重合体の製造方法は、下記工程(1)及び工程(2)を含む。
工程(1):反応容器内の気相の酸素濃度が1体積%以下の雰囲気下で、単量体をラジカル重合させ、重合反応溶液を得る工程。
工程(2):工程(1)で得られた重合反応溶液が30℃以上の温度下で、反応容器内の気相を、酸素を含む気体で置換する工程。
工程(1)は重合反応工程である。工程(1)で得られた重合反応溶液には目的の重合体のほかに未反応物や残存する重合開始剤等の不純物が含まれる。工程(1)の後に、これら不純物を除去するための精製工程を行うことが好ましい。
工程(1)の後、精製工程の前に、工程(1)で得られた重合反応溶液に対して、積極的に重合反応を停止させるための停止工程を行うことが好ましい。
工程(1)の後、精製工程の前に、重合反応溶液を保存する保存工程を行ってもよい。停止工程を行う場合は、停止工程の後に保存工程を行う。
工程(2)は、工程(1)の後、精製工程の前に行う。保存工程を行う場合は、保存工程の前に工程(2)を行う。
[工程(1)]
工程(1)では、反応容器内で単量体をラジカル重合して、生成した重合体を含む重合反応溶液を得る。単量体の重合反応は、反応容器内の気相の酸素濃度が1体積%以下の雰囲気下で行う。前記酸素濃度が1体積%以下であると重合反応への阻害効果が小さい。前記酸素濃度は0.1体積%以下が好ましく、0.01体積%以下がより好ましい。ゼロでもよい。
具体的には、重合反応の開始前に、反応容器内の気相を、酸素濃度が1体積%以下の不活性ガスで置換することが好ましい。不活性ガスとしては、窒素、希ガス等が挙げられる。ラジカルに対して不活性で、工業的に一般に用いられている点で窒素、アルゴンが好ましく、窒素がより好ましい。
工程(1)における重合方法としては、重合溶媒の存在下で単量体をラジカル重合させる溶液重合法が好ましい。
単量体のラジカル重合は、重合開始剤を用いて行うことが好ましい。
重合溶媒の存在下で、重合開始剤を使用して単量体をラジカル重合させる方法がより好ましい。
例えば、反応容器内に重合溶媒を供給し、反応容器内の気相の酸素濃度を1体積%以下にした状態で、重合開始剤および単量体を供給し、所定の重合温度(反応温度)に保持してラジカル重合反応を行う。
単量体および重合開始剤の反応容器への供給は、連続供給であってもよく、滴下供給であってもよい。製造ロットの違いによる平均分子量、分子量分布等のばらつきが小さく、再現性のある重合体が簡便に得られる点から、単量体および重合開始剤を反応容器内に滴下する滴下重合法が好ましい。
滴下重合法においては、反応容器内を所定の重合温度まで加熱した後、単量体および重合開始剤を、それぞれ独立に、または任意の組み合わせで、反応容器内に滴下する。
単量体は、単量体のみで滴下してもよく、単量体を重合溶媒に溶解させた単量体溶液として滴下してもよい。
重合溶媒及び/又は単量体をあらかじめ反応容器に仕込んでもよい。
重合開始剤は、単量体に直接に溶解させてもよく、単量体溶液に溶解させてもよく、重合溶媒のみに溶解させてもよい。
単量体および重合開始剤は、同じ貯槽内で混合した後、反応容器中に滴下してもよく;それぞれ独立した貯槽から反応容器中に滴下してもよく;それぞれ独立した貯槽から反応容器に供給する直前で混合し、反応容器中に滴下してもよい。
単量体および重合開始剤は、一方を先に滴下した後、遅れて他方を滴下してもよく、両方を同じタイミングで滴下してもよい。
滴下速度は、滴下終了まで一定であってもよく、単量体または重合開始剤の消費速度に応じて、多段階に変化させてもよい。
滴下は、連続的に行ってもよく、間欠的に行ってもよい。
重合温度は、重合開始剤の使用適性温度の範囲内に設定することが好ましい。例えば50~150℃が好ましい。
溶液重合法において、単量体の重合反応が進むにしたがって重合反応溶液の粘度が上昇する。重合反応溶液の粘度が高くなりすぎると、重合反応が急速に進行する、いわゆる暴走反応が生じるおそれがある。
重合反応溶液の粘度は、重合反応に用いる重合溶媒の量が多いと低くなり、重合溶媒の使用量が少ないと高くなる。重合反応に用いる重合溶媒の量は、上記の暴走反応が生じない程度に重合反応溶液の粘度が低くなるように設定すればよいが、重合溶媒の使用量が多いほど製造効率が悪くなる。
また重合反応溶液の粘度は、溶媒を用いて希釈することで任意の粘度に調整することができる。希釈溶媒の具体例としては1,4-ジオキサン、アセトン、THF、MEK、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、MIBK、γ-ブチロラクトン、PGMEA、PGME、乳酸エチル、2-ヒドロキシイソ酪酸メチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、水、ヘキサン、ヘプタン、ジイソプロピルエーテル、またはそれらの混合溶媒等を挙げることができる。
重合反応溶液の25℃における粘度は、製造効率の点からは25mPa・s以上が好ましく、50mPa・s以上がより好ましく、100mPa・s以上がさらに好ましく、150mPa・s以上が特に好ましい。該重合反応溶液の粘度の上限は、前記暴走反応が生じない範囲であればよく、例えば10,000mPa・s以下が好ましく、9,000mPa・s以下がより好ましい。
溶媒による希釈は工程(1)の途中で行ってもよい。停止工程中に行うこともできる。
工程(1)では、予め設定された重合時間だけ所定の重合温度に保持してラジカル重合反応を行う。所定の重合温度に保持するための加熱を停止した時点を工程(1)の終了時とする。
[停止工程]
工程(1)の終了後、停止工程を行うことが好ましい。
ラジカル重合反応は、開始反応、生長反応、停止反応、連鎖移動反応の4つの素反応からなる連鎖機構で重合が進行し、生成する重合体の分子量は各素反応の速度と機構によって決められる。生長反応速度は単量体濃度およびラジカル濃度の積に比例し、停止反応速度はラジカル濃度の2乗に比例する。
本発明において「重合反応を停止させる」とは、重合開始剤の分解によるラジカルの発生量が、開始反応および生長反応を引き起こさない程度に充分少なくなる状態にすることを意味する。
重合反応を停止させる手法は重合反応溶液を冷却させる工程が一般的に用いられるが、ラジカル捕捉剤を投入することによって停止させることもできる。
停止工程において重合反応溶液を冷却する場合、冷却後の重合反応溶液の温度(冷却後温度)は30℃以下が好ましく、25℃以下がより好ましく、20℃以下がさらに好ましく、15℃以下が特に好ましい。冷却後温度の下限は重合反応溶液を取り扱いやすい点から-20℃以上が好ましい。
[工程(2)]
工程(1)の終了後、重合反応溶液の温度が30℃以上である状態で、反応容器内の気相を、酸素を含む気体で置換する工程(2)を行う。工程(2)を行う時点、すなわち酸素を含む気体での置換を開始する直前における重合反応溶液の温度を、以下「温度T」ともいう。
例えば、工程(1)の終了後、停止工程を開始すると同時に工程(2)を行ってもよく、工程(1)の終了後、停止工程の途中で工程(2)を行ってもよい。
前記温度Tは30℃以上であり、45℃以上が好ましく、50℃以上がより好ましい。
前記温度Tの上限は、重合温度(反応温度)以下が好ましい。前記温度Tと重合温度との差(重合温度-T)は0~50℃が好ましく、0~35℃がより好ましく、0~30℃がさらに好ましい。
工程(1)の終了後の重合反応溶液中には未反応の単量体や重合開始剤が残存している。重合反応溶液を重合温度(反応温度)に保つための加熱が停止されると、重合反応溶液の温度が低下する。又は工程(1)の終了後に重合反応溶液を冷却する方法で停止工程を行うと重合反応溶液の温度が低下する。重合反応溶液の温度が30℃未満に低下する前に酸素を含む気体に接触した状態とすることで、重合開始剤から生成するラジカルに起因する重合反応の再開始を抑制することができ、所望の分子量を上回る高分子量体の生成を抑制し、溶媒への溶解性を向上させることができる。
前記温度Tが前記下限値以上であると、重合体の溶解性の向上効果に優れる。
工程(2)では、反応容器内に酸素を含む気体を導入し、該気体で反応容器内の気相の一部又は全部を置換する。
反応容器内に導入する気体としては、酸素ガスや空気(酸素濃度1体積%以上22体積%以下)を用いることができる。作業性および経済性の観点から空気を用いることが好ましい。
工程(2)終了後の反応容器内の気相における酸素濃度は1体積%以上が好ましく、3体積%以上がより好ましい。該酸素濃度の上限は作業性および経済性の観点から22体積%以下が好ましい。
[保存工程]
保存工程は、工程(2)の後に行う。すなわち、重合反応溶液が酸素を含む気体に接した状態で保存する。保存時間は、例えば1時間以上である。
工程(1)で用いた反応容器内で、停止工程及び工程(2)に引き続いて保存工程を行ってもよい。又は、反応容器内で停止工程及び工程(2)を終えた重合反応溶液を、反応容器とは別の容器に充填した後、充填された容器の気相の一部又は全部を、酸素を含む気体で置換してもよい。
重合反応溶液を保存する容器は解放状態であってもよく、密閉状態に保ってもよい。また、遮光状態、例えば、500nm以下の光の透過率が10%以下である容器を用いることが好ましい。
保存工程において、重合反応溶液を保存する容器内の気相における酸素濃度は、好ましい態様も含めて工程(2)と同様である。
停止工程において一旦重合反応が停止された後も、重合反応溶液中には未反応の単量体や重合開始剤が残存している。このため、工程(2)に引き続いて、酸素を含む気体に接した状態で重合反応溶液を保存することにより、重合開始剤から生成するラジカルに起因する重合反応の再開始を抑制することができる。その結果、保存中に高分子量体の生成を抑制できる。
特に、保存期間が5時間以上であると、かかる特定の状態に保つことによる高分子量体の生成防止効果が大きい。
また、停止工程後の重合反応溶液中の残存単量体量が多い場合にも、かかる特定の状態に保つことによる高分子量体の生成防止効果が大きい。具体的には、全単量体供給量の5モル%以上の単量体が残存している場合、さらに10モル%以上の単量体が残存している場合、特に15モル%以上の単量体が残存している場合に顕著な効果を奏する。
保存工程における保存温度は任意の温度とすることができるが、熱分解による品質の劣化を効果的に抑えることができる点で30℃以下が好ましく、25℃以下がより好ましく、20℃以下がさらに好ましく、15℃以下が特に好ましい。また、保存の操作が容易な点では-20℃以上が好ましい。
保存中の重合反応溶液を撹拌して、均一混合状態を保つこともできる。
≪精製工程≫
精製工程では再沈殿工程を行うことが好ましい。
[再沈殿工程]
再沈殿工程は公知の方法で実施できる。
例えば、重合反応溶液を、貧溶媒と混合し(好ましくは貧溶媒中に滴下し)、重合反応溶液中の重合体を析出させる。
再沈殿工程は、重合反応溶液中に残存する未反応単量体、重合開始剤等の不純物を取り除くために非常に有効である。未反応単量体は、そのまま残存しているとレジスト組成物として用いた場合に感度が低下するため、できるだけ取り除くことが好ましい。
貧溶媒中の析出物をろ別することにより、目的の重合体が湿粉の状態で得られる。重合体中に残存する未反応の単量体含有量は少ないほど好ましい。
[後工程]
貧溶媒中の析出物をろ別して得られる湿粉を乾燥させることにより、目的の重合体の乾燥粉末が得られる。
または、ろ別した湿粉を再び貧溶媒に分散させて重合体分散液とした後にろ別する操作を繰り返すこともできる。この工程は、リスラリ工程と呼ばれ、重合体湿粉中に残存する未反応の単量体、重合開始剤等の不純物をより低減させるために有効である。
重合体を高い生産性を維持したまま取得できる点では、リスラリ工程を行わず、再沈殿工程のみで精製を行うことが好ましい。
また、湿粉は、乾燥せずに湿粉のまま適当な溶媒に溶解させてリソグラフィー用組成物(例えば、レジスト組成物)として用いてもよく、濃縮して低沸点化合物を除去してからリソグラフィー用組成物として用いてもよい。その際、保存安定剤等の添加剤を適宜添加してもよい。
または、湿粉を乾燥させた後に適当な溶媒に溶解させ、さらに濃縮して低沸点化合物を除去してからリソグラフィー用組成物として用いてもよい。その際も、保存安定剤等の添加剤を適宜添加してもよい。
本発明によれば、後述の実施例に示すように、重合体の溶媒への溶解性を向上させることができ、濁度が10NTU以下である重合体を得ることができる。
重合体の濁度は、10NTU以下であり、5NTU以下が好ましく、3NTU以下がより好ましい。
本発明において、重合体の濁度は、重合体2gに、重合体の良溶媒30gを加えた後、重合体の貧溶媒3gを加え、液温を25℃に保ちながら1時間撹拌したものをサンプルとし、濁度計により測定する。重合体の良溶媒として、2-ヒドロキシイソ酪酸メチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルを用いることができる。重合体の貧溶媒として、メタノール、ジイソプロピルエーテル、ヘプタンを用いることができる。
<レジスト組成物の製造方法>
レジスト組成物は、前記で得た重合体(リソグラフィー用重合体)とレジスト溶媒を含む。化学増幅型のレジスト組成物は、さらに、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、「光酸発生剤」ともいう。)を含む。
例えば、レジスト溶媒に、前記で得た重合体と、必要に応じた光酸発生剤を溶解する方法で、レジスト組成物を製造できる。
レジスト溶媒としては、上記に重合溶媒として挙げた溶媒を用いることができる。
光酸発生剤は、化学増幅型レジスト組成物において公知の化合物を適宜選択して使用できる。光酸発生剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
光酸発生剤の具体例としては、オニウム塩化合物、スルホンイミド化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、キノンジアジド化合物、ジアゾメタン化合物等が挙げられる。
光酸発生剤の使用量は、重合体100質量部に対して、0.1~20質量部が好ましく、0.5~10質量部がより好ましい。
[含窒素化合物]
化学増幅型レジスト組成物は、含窒素化合物を含んでいてもよい。含窒素化合物を含むことにより、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等がさらに向上する。つまり、レジストパターンの断面形状が矩形により近くなり、また、レジスト膜に光を照射し、ついでベーク(PEB)した後、次の現像処理までの間に数時間放置されることが半導体素子の量産ラインではあるが、そのような放置(経時)したときにレジストパターンの断面形状の劣化の発生がより抑制される。
含窒素化合物としては、アミンが好ましく、第2級低級脂肪族アミン、第3級低級脂肪族アミンがより好ましい。
含窒素化合物の量は、重合体100質量部に対して、0.01~2質量部が好ましい。
[有機カルボン酸、リンのオキソ酸またはその誘導体]
化学増幅型レジスト組成物は、有機カルボン酸、リンのオキソ酸またはその誘導体(以下、これらをまとめて酸化合物と記す。)を含んでいてもよい。酸化合物を含むことにより、含窒素化合物の配合による感度劣化を抑えることができ、また、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等がさらに向上する。
有機カルボン酸としては、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸等が挙げられる。
リンのオキソ酸またはその誘導体としては、リン酸またはその誘導体、ホスホン酸またはその誘導体、ホスフィン酸またはその誘導体等が挙げられる。
酸化合物の量は、重合体100質量部に対して、0.01~5質量部が好ましい。
[添加剤]
レジスト組成物は、必要に応じて、界面活性剤、その他のクエンチャー、増感剤、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。該添加剤は、当該分野で公知のものであればいずれも使用可能である。また、これら添加剤の量は、特に限定されず、適宜決めればよい。
<微細パターンが形成された基板の製造方法>
上記で得たレジスト組成物を用いて、微細パターンが形成された基板を製造する方法の一例について説明する。
まず、所望の微細パターンを形成しようとするシリコンウエハー等の被加工基板の表面に、レジスト組成物をスピンコート等により塗布する。そして、該レジスト組成物が塗布された被加工基板を、ベーキング処理(プリベーク)等で乾燥することにより、基板上にレジスト膜を形成する。
ついで、レジスト膜に、フォトマスクを介して、250nm以下の波長の光を照射して潜像を形成する(露光)。照射光としては、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、Fエキシマレーザー、EUVエキシマレーザーが好ましく、ArFエキシマレーザー、EUVエキシマレーザーがより好ましい。また、電子線を照射してもよい。
また、該レジスト膜と露光装置の最終レンズとの間に、純水、パーフルオロ-2-ブチルテトラヒドロフラン、パーフルオロトリアルキルアミン等の高屈折率液体を介在させた状態で光を照射する液浸露光を行ってもよい。
露光後、適宜熱処理(露光後ベーク、PEB)し、レジスト膜にアルカリ現像液を接触させ、露光部分を現像液に溶解させ、除去する(現像)。アルカリ現像液としては、公知のものが挙げられる。
現像後、基板を純水等で適宜リンス処理する。このようにして被加工基板上にレジストパターンが形成される。
レジストパターンが形成された基板は、適宜熱処理(ポストベーク)してレジストを強化し、レジストのない部分を選択的にエッチングする。
エッチング後、レジストを剥離剤によって除去することによって、微細パターンが形成された基板が得られる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<重量平均分子量の測定>
重合体の重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)は、下記の条件(GPC条件)でゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより、ポリスチレン換算で求めた。
[GPC条件]
装置:東ソー社製、東ソー高速GPC装置 HLC-8320GPC(商品名)、
分離カラム:昭和電工社製、Shodex GPC K-805L(商品名)を3本直列に連結したもの、
測定温度:40℃、
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)、
試料:重合体の約20mgを5mLのTHFに溶解し、0.5μmメンブレンフィルターで濾過した溶液、
流量:1mL/分、
注入量:0.1mL、
検出器:示差屈折計。
検量線I:標準ポリスチレンの約20mgを5mLのTHFに溶解し、0.5μmメンブレンフィルターで濾過した溶液を用いて、上記の条件で分離カラムに注入し、溶出時間と分子量の関係を求めた。標準ポリスチレンは、下記の東ソー社製の標準ポリスチレン(いずれも商品名)を用いた。
F-80(Mw=706,000)、
F-20(Mw=190,000)、
F-4(Mw=37,900)、
F-1(Mw=10,200)、
A-2500(Mw=2,630)、
A-500(Mw=682、578、474、370、260の混合物)。
<濁度の測定(溶解性の評価)>
各例で得られた重合体2gに、2-ヒドロキシイソ酪酸メチル30gを加えた後、メタノール3gを加え、液温を25℃に保ちながら、スターラーを用いて100~1500rpm程度で1時間撹拌し、濁度を測定した。スターラーは、「SW-M120」(日伸理化社製)を用いた。濁度計は、「Orbeco-Hellige TB200」(Orbeco Hellige社製)を用いた。
<実施例1>
気体導入口、撹拌機、コンデンサー、滴下漏斗1個、及び温度計を備えた容量1LのSUS製のフラスコに、PGMEA55質量部を入れた。フラスコ内の気相を窒素で置換し、窒素雰囲気を保ったままフラスコを湯浴に入れ、フラスコ内を撹拌しながら湯浴の温度を上げ、フラスコ内の液の温度を80℃に上げた。
その後、下記混合物1を滴下漏斗より、4時間かけてフラスコ内に滴下し、さらに80℃の温度(重合温度)を3時間保持した後、湯浴の加熱を停止し、重合反応溶液(80℃)を得た。
[混合物1]
α-メタクリロイルオキシ-γ-ブチロラクトンを40質量部、
メタクリル酸3-ヒドロキシアダマンチルを30質量部、
1-メチルシクロペンチルメタクリレートを40質量部、
PGMEAを100質量部、
ジメチル-2,2’-アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V601(商品名))を5質量部。
続いて、湯浴の湯を20℃の水に連続的に置換することにより、フラスコ内の重合反応溶液を冷却して重合反応を停止させた。
重合反応溶液の温度Tが50℃になった時点で、気体導入口から窒素(97体積%)/酸素(3体積%)の混合ガスを供給し、フラスコ内の気相の酸素濃度を3体積%とした。
重合反応溶液の温度が20℃まで低下した後、20℃に保持した状態で6時間保存して保存後溶液を得た。
得られた保存後溶液を、10倍量(体積基準、以下同様。)の貧溶媒中に、該貧溶媒を撹拌しながら滴下し、重合体(白色の析出物)を沈殿させた。貧溶媒としてはメタノールを用いた。
沈殿を濾別し、重合体湿粉を得た。重合体湿粉を減圧下40℃で約40時間乾燥して、重合体の乾燥粉末を得た。
得られた重合体の重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)を測定した。上記の方法で濁度を測定し、重合体の溶解性を評価した。その結果を表1に示す(以下、同様)。
<実施例2>
本例では、フラスコ内に酸素を供給する際の重合反応溶液の温度Tを80℃とした。
すなわち、実施例1と同様にして重合反応を行い、湯浴の加熱を停止し、重合反応溶液(80℃)を得た。
湯浴の加熱を停止した直後に、気体導入口から窒素(80体積%)/酸素(20体積%)の混合ガスを供給し、フラスコ内の気相の酸素濃度を3体積%以上とした。
続いて、湯浴の湯を20℃の水に連続的に置換することにより、フラスコ内の重合反応溶液を冷却して重合反応を停止させた。
重合反応溶液の温度が20℃まで低下した後、20℃に保持した状態で6時間保存して保存後溶液を得た。
得られた保存後溶液から、実施例1と同様にして、重合体の乾燥粉末を得た。
<比較例1>
本例では、フラスコ内に酸素を供給する際の重合反応溶液の温度Tを25℃とした。
すなわち、実施例1と同様にして重合反応を行い、湯浴の加熱を停止し、重合反応溶液(80℃)を得た。
続いて、湯浴の湯を20℃の水に連続的に置換することにより、フラスコ内の重合反応溶液を冷却して重合反応を停止させた。
重合反応溶液の温度Tが25℃になった時点で、気体導入口から実施例2と同様に混合ガスを供給した。
重合反応溶液の温度が20℃まで低下した後、20℃に保持した状態で6時間保存して保存後溶液を得た。
得られた保存後溶液から、実施例1と同様にして、重合体の乾燥粉末を得た。
Figure 2023123014000001
表1の結果に示されるように、温度Tが30℃以上である実施例1、2は、温度Tが30℃未満である比較例1と比べて濁度が顕著に低く、溶媒への溶解性に優れていた。
実施例1、2は、比較例1と比べて平均分子量(Mw)が低いことから、保存工程中の高分子量体の生成量が低減されたと推測される。

Claims (8)

  1. 下記工程(1)及び工程(2)を含む、重合体の製造方法。
    工程(1):反応容器内の気相の酸素濃度が1体積%以下の雰囲気下で、単量体をラジカル重合させ、重合反応溶液を得る工程。
    工程(2):工程(1)で得られた重合反応溶液が30℃以上の温度下で、反応容器内の気相を、酸素を含む気体で置換する工程。
  2. 単量体が、極性基を有する単量体の1種以上と、酸脱離性基を有する単量体の1種以上とを含む、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記工程(1)において、重合溶媒の存在下で前記単量体をラジカル重合させる、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記工程(1)において、重合開始剤を用いて前記単量体をラジカル重合させる、請求項1~3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記重合体の濁度が10NTU以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記重合体が、リソグラフィー用重合体である、請求項1~5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 請求項6に記載の製造方法でリソグラフィー用重合体を製造し、得られたリソグラフィー用重合体を用いてレジスト組成物を製造する、レジスト組成物の製造方法。
  8. 請求項7に記載の製造方法によりレジスト組成物を製造する工程と、得られたレジスト組成物を基板上に塗布してレジスト膜を形成する工程と、レジスト膜に対して露光する工程と、露光されたレジスト膜を現像液を用いて現像する工程と、を含む、パターンが形成された基板の製造方法。
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