明 細 書
光学活性 βーヒドロキシー aーァミノカルボン酸エステルの製造方法 技術分野
[0001] 本発明は、医薬品、農薬、化成品等の合成中間体として重要な光学活性 /3—ヒド 口キシ— α—ァミノカルボン酸エステルの製造方法に関する。より詳細には、 β—ケト aーァミノカルボン酸エステルを不斉還元して、光学活性 0ーヒドロキシー a—了 ミノカルボン酸エステル、特にそのアンチ体を製造する方法に関する。
背景技術
[0002] 従来、 /3—ケトー α—ァミノカルボン酸エステルを不斉還元して、光学活性 βーヒド 口キシー α—ァミノカルボン酸エステルのアンチ体を製造する方法としては、次のよう な方法が知られていた。
[0003] ωルテニウム一光学活性ホスフィン錯体触媒を用いた触媒的不斉水素化反応によ り、ラセミ体の /3—ケトー α—ァセチルァミノカルボン酸エステルを不斉水素化し、シ ン選択的に光学活性 /3—ヒドロキシー α—ァミノカルボン酸エステルを合成し、これ の 0位水酸基の立体配置を反転させてアンチ体を合成する方法(特許文献 1)。
[0004] (ii)ルテニウム 光学活性ホスフィン錯体触媒を用 1/、た触媒的不斉水素化反応に より、窒素原子に置換基を有しない /3—ケトー α—ァミノカルボン酸エステルを不斉 水素化し、アンチ選択的に光学活性 /3—ヒドロキシー α—ァミノカルボン酸エステル を合成する方法 (特許文献 2)。
[0005] (iii)ルテニウム 光学活性ホスフィン錯体触媒を用レ、た触媒的不斉水素化反応に より、ラセミ体の 0ーケトー α フタルイミドカルボン酸エステルを不斉水素化し、アン チ選択的に光学活性 /3—ヒドロキシー α フタルイミドカルボン酸エステルを合成す る方法(特許文献 3)。
[0006] また、 βーケトー α—ァミノカルボン酸エステルの中でも、炭素鎖長が長い /3—ケト
aーァミノ高級カルボン酸エステルは、皮膚保護剤として有用なセラミド誘導体の 重要合成中間体となる。 /3—ケトー α—ァミノ高級カルボン酸エステルを製造する方 法としては、従来、次のような方法が知られていた。
[0007] (iv)塩化パルミトイルをァセト酢酸メチルで増炭した後、フエニルジァゾニゥム塩で ジァゾ化し、亜鉛でジァゾ基を還元して /3—ケトー α—ァセチルアミノォクタデカン酸 メチルとする方法 (特許文献 1 )
[0008] (V) βーケト キサデカン酸メチルを亜硝酸ナトリウムでォキシム化し、ォキシム の水酸基をァセチル化後、水素化反応によりォキシム部位を還元する方法(特許文 献 4)。
特許文献 1:特許第 2976214号
特許文献 2: WO2005/005371
特許文献 3: WO2005/069930
特許文献 4:特許第 2733583号
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0009] しかしな力 Sら、(i)の方法では、まずシン体が選択的に得られるため、水酸基の立体 配置を反転させなければならず、余分な工程が必要となる。
[0010] また、(ii)の方法では、直接的にアンチ体を得ることができるものの、原料である β ーケトー α—ァミノカルボン酸エステルの α—ァミノ基に置換基を有していてはなら ず、その合成方法が限定される。さらに、高い立体選択性を発現できる原料の化学 構造が限定されるため汎用性に問題がある。
[0011] また、(iii)の方法では、危険な水素ガスを高圧で使用するため、安全上の問題があ る上、高価な光学活性ホスフィン配位子を使用するため、工業的に有利でない。さら に、原料の化学構造が限定されるため汎用性に問題がある。
[0012] (iv)の方法は工程数が多く煩雑である上、爆発性を有するジァゾ化合物を経由し なくてはならず、工業的に有利ではない。
[0013] また、(V)の方法も工程数が多く煩雑である上、危険な水素ガスを使用するため、 安全上の問題があり、工業的に有利ではない。
課題を解決するための手段
[0014] 本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、所定の光学活性 アミン錯体を触媒として、 /3—ケトー α—ァミノカルボン酸エステルを不斉還元して、
アンチ体の光学活性 /3—ヒドロキシー α—ァミノカルボン酸エステルを直接的かつ選 択的に製造する方法を完成するに至った。
[0015] すなわち、本発明は、一般式(1) ;
[0016] [化 11]
[0017] (式中、 *は不斉炭素原子であることを示し、 R R2はそれぞれ同一または異なって いてもよく、置換されていてもよい炭素数 1〜21のアルキル基、置換されていてもよい 炭素数 7〜20のァラルキル基、または、置換されていてもよい炭素数 6〜20のァリー ル基を示す。また、 R1は R2と一緒になつて環を形成してもよい。 R3は水素原子、置換 されて!/、てもよ!/、炭素数 1〜21のアルキル基、置換されて!/、てもよ!/、炭素数 7〜20 のァラルキル基、または、置換されていてもよい炭素数 6〜20のァリール基を示し、 A rは置換されていてもよい芳香族化合物を示し、 Mは遷移金属を示し、 Zはハロゲン 原子、置換されていてもよいアルキルスルホニルォキシ基、置換されていてもよいァリ 一ルスルホニルォキシ基、または、置換されていてもよいァラルキルスルホ二ルォキ シ基を示し、 Yは酸素原子、置換されていてもよいアルキルスルホニルアミド基、置換 されていてもよいァリールスルホニルアミド基、または、置換されていてもよいァラルキ ノレスルホニルアミド基を示す。)で示される光学活性アミン錯体、及び、水素または水 素供与性化合物存在下、一般式 (2);
[0018] [化 12]
(式中、 R4は水素原子、置換されていてもよい炭素数 1〜21のアルキル基、置換され て!/、てもよ!/、炭素数 2〜21のアルケニル基、置換されて!/、てもよ!/、炭素数 2〜21の アルキニル基、置換されていてもよい炭素数 7〜20のァラルキル基、または、置換さ
れて!/、てもよ!/、炭素数 6〜20のァリール基を示し、 R5は置換されて!/、てもよ!/、炭素数 ;!〜 10のァノレキノレ基、置換されていてもよい炭素数 7〜20のァラルキル基、または、 置換されていてもよい炭素数 6〜20のァリール基を示し、 R6、 R7はそれぞれ同一また は異なっていてもよぐ水素原子、置換されていてもよい炭素数 1〜; 10のアルキル基 、置換されていてもよい炭素数 7〜20のァラルキル基、置換されていてもよい炭素数 6〜20のァリール基、置換されていてもよい炭素数 1〜40のァシル基、または、ァミノ 保護基を示す。また、 R6と R7は隣接する窒素原子と一緒になつて複素環を形成して もよい。)で示される βーケトー α—ァミノカルボン酸エステルを不斉還元することを 特徴とする、下記一般式 (3)または一般式 (4);
[0020] [化 13]
[0021] [化 14]
[0022] (式中、 *は不斉炭素原子であることを示し、 R4、 R5、 R6及び R7は前記と同じ。)で示 される光学活性 /3—ヒドロキシー α—ァミノカルボン酸エステルの製造方法に関する
〇
[0023] また、本発明は、一般式(5) ;
[0024] [化 15]
[0025] (式中、 R5は置換されていてもよい炭素数 1〜; 10のアルキル基、置換されていてもよ
い炭素数 7〜20のァラルキル基、または、置換されていてもよい炭素数 6〜20のァリ 一ル基を示し、 R6、 R7はそれぞれ同一または異なってもよぐ水素原子、置換されて V、てもよ!/、炭素数 1〜; 10のアルキル基、置換されて!/、てもよ!/、炭素数 7〜20のァラ ルキル基、置換されていてもよい炭素数 6〜20のァリール基、置換されていてもよい 炭素数 1〜40のァシル基、または、ァミノ保護基を示す。また、 R6と R7は隣接する窒 素原子と一緒になつて複素環を形成してもよい。)で示されるグリシン誘導体と、一般 式 (6) ;
[0027] (式中、 Xはハロゲン原子、置換されていてもよいァシルォキシ基、置換されていても よ!/、アルキルォキシカルボニルォキシ基、置換されて!/、てもよ!/、スルホニルォキシ基 、置換されていてもよいアルキルォキシ基、置換されていてもよいァリールォキシ基、 または、置換されていてもよいイミダゾール基を示し、 R4は水素原子、置換されていて もよ!/、炭素数 1〜21のアルキル基、置換されて!/、てもよ!/、炭素数 2〜21のアルケニ ル基、置換されていてもよい炭素数 2〜21のアルキニル基、置換されていてもよい炭 素数 7〜20のァラルキル基、または、置換されていてもよい炭素数 6〜20のァリール 基を示す。)で示されるカルボン酸誘導体を、ルイス酸及びアミン存在下で反応させ ることを特徴とする前記式(2)で示される /3—ケトー α—ァミノカルボン酸エステルの 製造方法に関する。
[0028] また、本発明は、一般式(15) ;
[0029] [化 17]
[0030] (式中、 R5は置換されていてもよい炭素数 1〜; 10のアルキル基、置換されていてもよ
い炭素数 7〜20のァラルキル基、または、置換されていてもよい炭素数 6〜20のァリ 一ル基を示す。)で示される 0ーケトー α—ステアロイルアミノォクタデカン酸エステ ルに関する。
発明の効果
[0031] 本発明に力、かる方法によれば、光学活性 0ーヒドロキシー α—ァミノカルボン酸ェ ステルのアンチ体を効率的かつ簡便に、工業的に有利に製造することができる。 発明を実施するための最良の形態
[0032] 以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本明細書において、 R'-R8, X、 Y、 Z、 Ar、および Mを構成する官能基上の 置換基としては、例えばアルキル基、ァリール基、ァラルキル基、アミノ基、ニトロ基、 スルホニル基、ハロゲン原子、水酸基、ァシルォキシ基、アルコキシ基等が挙げられ る力 これらに限定されるものではない。
[0033] まず、一般式(5) ;
[0034] [化 18]
[0035] で示されるグリシン誘導体と一般式 ½);
[0037] で示されるカルボン酸誘導体を、ルイス酸及びアミン存在下で反応させ、一般式(2)
[0039] で示される /3—ケトー α—ァミノカルボン酸エステルを製造する工程について説明す
[0040] 前記式(6)において、 R4は水素原子、置換されていてもよい炭素数 1〜21のアルキ ル基、置換されていてもよい炭素数 2〜21のアルケニル基、置換されていてもよい炭 素数 2〜21のァノレキニノレ基、置換されていてもよい炭素数 7〜20のァラルキル基、 置換されてレ、てもよ!/、炭素数 6〜20のァリール基を示す。
[0041] 例えば、置換されていてもよい炭素数 1〜21のアルキル基としては、メチル基、ェ チノレ基、プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、 tert ブチル基、シクロペンチ ル基、シクロへキシル基、ペンタデシル基、 1ーヒドロキシペンタデシル基、ドデシル 基等があげられる。
[0042] 置換されていても良い炭素数 2〜21のアルケニル基としては、ビュル基、ァリル基、 トランス 1 ペンタデセニル基、 3—ヒドロキシートランス 1 ペンタデセ二ル基等 があげられる。置換されていてもよい炭素数 2〜21のアルキニル基としては、 1—ぺ ンタデシュル基等があげられる。
[0043] 置換されて!/、てもよ!/、炭素数 7〜20のァラルキル基としては、ベンジル基等があげ られる。
[0044] 置換されていてもよい炭素数 6〜20のァリール基としてはフエニル基、 p メトキシ フエニル基、 p クロ口フエ二ル基、 p ニトロフエニル基、 p トリノレ基、ナフチル基等 が挙げられる。
[0045] 中でも化合物(2)の有用性から、 R4としては、置換されていてもよい炭素数 10〜21 のアルキル基、置換されていてもよい炭素数 10〜21のアルケニル基、置換されてい てもよレ、炭素数 10〜21のアルキニル基が好ましく、置換されて!/、てもよ!/、炭素数 11 〜21のアルキル基、置換されていてもよい炭素数;!;!〜 21のアルケニル基、置換さ れて!/、てもよ!/、炭素数 1;!〜 21のアルキニル基がより好まし!/、。とりわけ好ましくはぺ
ンタデシル基、 1ーヒドロキシペンタデシル基、トランス 1 ペンタデセニル基、 1 ペンタデシュル基である。
[0046] また、前記式(6)において、 Xは、ハロゲン原子、置換されていてもよいァシルォキ シ基、置換されていてもよいアルキルォキシカルボニルォキシ基、置換されていても よいスルホニルォキシ基、置換されていてもよいアルキルォキシ基、置換されていて もよ!/、ァリールォキシ基、置換されてレ、てもよ!/、イミダゾール基を示す。
[0047] 具体的には、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン 原子;ァセチノレオキシ基、トリクロロアセチノレオキシ基、ピバロイノレオキシ基等のァシ ルォキシ基;メトキシカルボニルォキシ基、エトキシカルボニルォキシ基、イソプロピノレ ォキシカルボニルォキシ基、イソブチルォキシカルボニルォキシ基等のアルキルォキ シカルボニルォキシ基;メタンスルホニルォキシ基、 p トルエンスルホニルォキシ基 等のスルホニルォキシ基;メトキシ基、エトキシ基、ベンジルォキシ基等のアルキルォ キシ基;フエニルォキシ基、 p 二トロフエニルォキシ基等のァリールォキシ基;イミダ ゾール基、 N メチルイミダゾール基等のイミダゾール基が挙げられる。
[0048] 中でも経済性及び収率の観点から、塩素原子、臭素原子、メトキシ基、エトキシ基、 メトキシカルボニルォキシ基、エトキシカルボニルォキシ基、トリクロロアセチルォキシ 基、ビバロイルォキシ基、 N メチルイミダゾール基が好ましい。特に好ましくは塩素 原子である。
[0049] 前記式(5)において、 R5は置換されていてもよい炭素数 1〜; 10のアルキル基、置換 されていてもよい炭素数 7〜20のァラルキル基、または、置換されていてもよい炭素 数 6〜20のァリール基を示す。
[0050] 置換されていてもよい炭素数 1〜; 10のアルキル基としては、例えば、メチル基、ェ チル基、プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、 tert ブチル基等があげられる 。置換されていてもよい炭素数 7〜20のァラルキル基、置換されていてもよい炭素数 6〜20のァリール基の具体例としては、前述のものがあげられる。中でも原料合成の 容易さや脱エステル反応の容易さから、メチル基、ェチル基、イソプロピル基、ベンジ ル基が好ましぐより好ましくはェチル基である。
[0051] R6、 R7はそれぞれ同一または異なっていてもよぐ水素原子、置換されていてもよい
炭素数 1〜 10のァノレキノレ基、置換されて!/、てもよ!/、炭素数 7〜20のァラルキル基、 置換されてレ、てもよ!/、炭素数 6〜20のァリール基、置換されて!/、てもよ!/、炭素数;!〜 40のァシル基、または、ァミノ保護基を表す。
[0052] 置換されていてもよい炭素数 1〜; 10のアルキル基、置換されていてもよい炭素数 7 〜20のァラノレキノレ基、置換されていてもよい炭素数 6〜20のァリール基などの具体 例としては、前述のものがあげられる。
[0053] 置換されて!/、てもよ!/、炭素数 1〜40のァシル基としてはホルミル基、ァセチル基、ト リフルォロアセチル基、トリクロロアセチル基、クロロアセチル基、ベンゾィル基、ォクタ デカノィル基、 2—ヒドロキシォクタデカノィル基、 2—ォキソォクタデカノィル基、ドコ サノィル基、 2—ヒドロキシドコサノィル基、 30—(8, 11—アイコサジエノィルォキシ) トリアコンタノィル基等が挙げられる。
[0054] また、ァミノ保護基としては、例えば、 Protective Groups in Organic Synthesis 3rd e d. (Theodora W. Greene and Peter G. M. Wuts Ed., Wiley- Interscience: New York, 1999)に記述されている保護基のうち、前述の置換されていてもよい炭素数 1〜; 10の アルキル基、置換されていてもよいァラルキル基、置換されていてもよい炭素数 6〜2 0のァリール基、置換されていてもよい炭素数 1〜40のァシル基以外のものが挙げら れる。中でも、脱保護が容易なメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンジ ノレォキシカルボニル基、 tert—ブトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、 p—二トロベンゼンスルホニル基等のスルホニル基が好ましい。
[0055] また、 R6と R7は隣接する窒素原子と一緒になつて複素環を形成してもよぐそのよう な官能基としては、例えば、フタロイル基が挙げられる。
[0056] R6及び R7としては、 R6及び R7のうち一方が置換されていてもよい炭素数 1〜40のァ シル基、置換されていてもよい炭素数 7〜20のァラルキル基または炭素数 1〜21の アルコキシカルボニル基であり、かつ、他方が水素である力、、 R6と R7が隣接する窒素 原子と一緒になつて複素環を形成してレ、るのが好ましレ、。
[0057] より好ましくは R6及び R7のうち一方が置換されて!/、てもよ!/、炭素数;!〜 40のアシノレ 基かつ他方が水素原子であり、この場合、置換されていてもよい炭素数 1〜40のァ シル基としては、脱保護の容易性や化合物の有用性からホルミル基、ァセチル基、
ベンゾィル基、ォクタデカノィル基、 2—ヒドロキシォクタデカノィル基、 2—ォキソオタ タデカノィル基、ドコサノィル基、 2—ヒドロキシドコサノィノレ基、 30 - (8, 11—アイコ サジエノィルォキシ)トリアコンタノィル基が好ましぐ特に好ましくはォクタデカノイノレ 基 Cある。
[0058] なお、生成する化合物(2)において、 R4がペンタデシル基、 R6および R7がォクタデ カノィル基および水素原子である一般式(15);
[0059] [化 21]
[0060] で表される化合物は、本発明者らによって見出された新規化合物であり、化粧品成 分として有用なセラミド類の重要合成中間体となる。前記式(15)中、 R5は前記に同じ であるが、メチル基またはェチル基が好ましい。
[0061] 本工程で使用するカルボン酸誘導体 ½)の使用量は、特に制限はないが、グリシン 誘導体(5)に対して、通常 0. ;!〜 10当量である力 S、好ましくは 0. 5〜3当量である。 カルボン酸誘導体(6)がグリシン誘導体(5)よりも安価であればカルボン酸誘導体 ½ )の使用量が多!/、ほうが好ましく、カルボン酸誘導体(6)がグリシン誘導体(5)よりも 高価であればカルボン酸誘導体(6)の使用量が少な!/、ほうが好まし!/、。
[0062] 本工程で使用するァミンとしては、特に制限はないが、例えば、ジェチルァミン、ジ イソプロピルァミン、ジイソブチルァミン等の 2級ァミン;トリメチルァミン、トリェチルアミ ン、トリブチルァミン、ジイソプロピルェチルァミン等の 3級ァミンが挙げられ、中でも収 率の観点から、トリェチルァミン、トリブチルァミン、ジイソプロピルェチルァミンが好ま しい。
[0063] 本工程で使用するァミンの使用量は、特に制限はないが、グリシン誘導体(5)に対 して、通常 0. 5〜; 10当量、好ましくは 1〜5当量である。
[0064] 本工程で使用するルイス酸としては、特に制限はないが、例えば、四塩化チタン、ト リクロロイソプロピルォキシチタン、四臭化チタン、四塩化ジルコニウム、四塩化ハフ二
ゥム、塩化アルミニウム、三塩化鉄、塩化アンチモン、四塩化スズ、スズトリフラート等 が挙げられ、中でも収率の観点から、四塩化チタンが好ましい。
[0065] 本工程で使用するルイス酸の使用量は、特に制限はないが、グリシン誘導体(5)に 対して、通常 0. 5〜10当量、好ましくは 1〜5当量である。
[0066] また、本工程では、基質によっては N メチルイミダゾール誘導体を反応の際に添 カロすること力 S好ましい。添加する N メチルイミダゾール誘導体としては、例えば、 N ーメチルイミダゾール、 2—メチルー N メチルイミダゾール、 2—ェチルー N メチル イミダゾール、 2—イソプロピル N メチルイミダゾールが挙げられ、中でも経済性 の観点から N メチルイミダゾールが好ましい。
[0067] 本工程で N メチルイミダゾール誘導体を使用する場合、使用量は特に制限はな いが、カルボン酸誘導体(6)に対して、通常 0. 5〜; 10当量である力 好ましくは 1〜3 当量、さらに好ましくは 1〜; 1. 5当量である。
[0068] 本工程にお!/、て使用する反応溶媒は、反応を阻害しな!/、溶媒であれば特に制限 はなく、例えば、ペンタン、へキサン、ヘプタン、シクロへキサン、メチノレシクロへキサ ン、石油エーテル等の炭化水素系溶媒;酢酸ェチル、酢酸メチル等のエステル系溶 媒;トルエン、クロ口ベンゼン、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;ァセト 二トリル、プロピオ二トリル等の二トリル系溶媒; tert ブチルメチルエーテル、ジェチ ルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジォキサン等のエーテル系 溶媒; N, N ジメチルホルムアミド、 N, N ジメチルァセトアミド等のアミド系溶媒; ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;塩化メチレン、 1 , 2—ジクロロェタン、 クロ口ホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒が挙げられる。中でも、へ キサン、シクロへキサン、メチノレシクロへキサン、トノレェン、クロ口ベンゼン、塩ィ匕メチレ ン、 1 , 2—ジクロロェタンが好ましい。これら溶媒の 2種以上を混合して用いても良い 。混合溶媒を用いる場合、混合割合に特に制限はない。
[0069] 反応を行う際のカルボン酸誘導体 ½)の濃度は、用いる反応溶媒によって異なるが 、一般的には l〜50% (w/v)で反応を実施することができ、好ましくは 2〜30% (w / V)でめる。
[0070] 反応時の反応温度は、用いるグリシン誘導体(5)、カルボン酸誘導体 ½)、ルイス
酸、及びァミンの種類と使用量、反応溶媒の種類により異なる力 通常は用いる反応 溶剤の凝固点以上、沸点以下の範囲である。反応を短時間で完了させるためには温 度を高めて実施する方が良ぐ副反応を抑える観点からは温度は低く設定して実施 する方が良い。一般的には— 100〜; 100°Cであり、更に好適には— 50〜40°Cであ
[0071] 反応時の反応時間は、用いるグリシン誘導体(5)、カルボン酸誘導体 ½)、ルイス 酸、ァミン及び N メチルイミダゾール誘導体の種類と使用量、反応溶媒の種類及び 反応温度により異なる力 反応温度を 50〜40°Cで実施した場合、通常;!〜 24時 間程度である。
[0072] 本反応に用いるグリシン誘導体(5)、カルボン酸誘導体(6)、ルイス酸、ァミン及び N メチルイミダゾール誘導体、反応溶媒等の混合順序は、任意であり、特に制限さ れないが、グリシン誘導体(5)と N メチルイミダゾール誘導体の混合物に、カルボン 酸誘導体(6)を添加し、さらにルイス酸とアミンを添加するのが好ましい。
[0073] 本工程の反応において、特に、前記式(6)で表される化合物において、 R4が置換 されて!/、てもよ!/、炭素数 1;!〜 21のアルキル基、置換されて!/、てもよ!/、炭素数 1;!〜 2 1のアルケニル基、置換されて!/、てもよ!/、炭素数 1;!〜 21のアルキニル基である化合 物(9) ;
[0075] で示されるカルボン酸誘導体を用いて反応を実施し、一般式(10);
[0076] [化 23]
[0077] で示される /3
[0078] 前記式(9)、 (10)中、 R5〜R7は前述のとおりである。また、 R9は置換されていてもよ V、炭素数 1;!〜 21のアルキル基、置換されて!/、てもよ!/、炭素数 1;!〜 21のアルケニル 基、置換されてレ、てもよ!/、炭素数 1;!〜 21のアルキニル基である。
[0079] この場合も、前述の方法で反応を実施することができるが、本反応においては、高 収率で反応を進行させるためには、 N メチルイミダゾール誘導体として、安価な N ーメチルイミダゾールを使用することが好ましい。反応温度としては、 50°C以上が 好ましく、 40°C以上がより好ましぐ 20°C以上が特に好ましい。また、溶媒として クロ口ベンゼンを用いることがより好ましレ、。
[0080] 本反応の後処理としては、反応液から生成物を取得するための一般的な処理を行 えば良い。例えば、反応終了後の反応液に水、塩酸、アルカリ水等を添加し、一般的 な抽出溶媒、例えば、酢酸ェチル、ジェチルエーテル、塩化メチレン、トルエン、へキ サン等を用いて抽出操作を行う。得られた抽出液から反応溶媒及び抽出溶媒を減圧 留去すると、 目的物が得られる。このようにして得られる生成物は、必要であれば、シ リカゲルクロマトグラフィーや蒸留、再結晶等の一般的精製を行い、さらに純度を高 めても良い。
[0081] 次に、一般式(1) ;
[0082] [化 24]
[0083] で示される光学活性アミン錯体及び、水素または水素供与性化合物存在下、前記式
(2)で示される /3—ケトー α—ァミノカルボン酸エステルの不斉還元反応を行い、一 般式 (3)または一般式 (4) ;
[0084] [化 25]
[0086] で示される光学活性 (3ーヒドロキシー α—ァミノカルボン酸エステルを製造する工程 について説明する。
[0087] 前記式(2)、 (3)、 (4)において、 R4、 R5、 R6、及び R7は前記と同じである。
[0088] 前記式(3)、 (4)にお!/、て、 *は不斉炭素原子を表す。化合物(3)または(4)は 2 つの不斉炭素原子を有するので、 2種類のジァステレオマーが存在する力 化合物( 3)または (4)のような相対立体配置を有する化合物をアンチ体と!/、う。もう一方のジ ァステレオマーをシン体といい、下記一般式(23)または(24);
[0089] [化 27]
(式中、 *は不斉炭素原子を示し、 R4, R5、 R6、 R7は前記と同じ。)で表すことができ る。本方法によれば、アンチ体である前記式(3)または(4)で表される化合物を優先 して得ること力 Sでさる。
[0092] なお、 R4が水素原子の場合、当然のことながら化合物(3)または (4)の 3位の水酸 基の根元の炭素原子は、不斉炭素原子とはならない。従って不斉炭素原子は 1つし かないので、アンチ体やシン体のようなジァステレオマーは存在しない。
[0093] 化合物(2)の製造方法としては、特に制限されるものではなぐ前述の方法でもよい し、例えば、 /3—ケトエステルを亜硝酸ナトリウムで処理して、 α位をォキシム化し、ォ キシムのみを水素化などで還元してアミノ基とするなど既知の方法で製造することも 可能である。
[0094] 本工程で使用する光学活性アミン錯体(1)において、 *は不斉炭素原子を表す。
[0095] Μは遷移金属を示し、例えば、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、白金、 ジルコニウム、チタン、クロム、コバルト、銅、ニッケル、亜鉛、マンガン、鉄、イツテルビ ゥム、ランタン、サマリウム等が挙げられ、中でもルテニウム、ロジウム、イリジウムが好 ましい。
[0096] 前記式(1)において、 R1, R2はそれぞれ同一または異なってもよぐ置換されてい てもよい炭素数 1〜21のアルキル基、置換されていてもよい炭素数 6〜20のァリール 基、置換されていてもよい炭素数 7〜20のァラルキル基を示し、 R1は R2と一緒になつ て環を形成してもよい。置換されていてもよい炭素数 1〜21のアルキル基、置換され て!/、てもよ!/、炭素数 6〜20のァリール基、置換されて!/、てもよ!/、炭素数 7〜20のァラ ルキル基としては前述のものがあげられ、 R1および R2が一緒になつて環を形成する 基としては、テトラメチレン基などがあげられる。 R1, R2としては反応の立体選択性の 観点から、フエニル基、テトラメチレン基が好ましい。
[0097] R3は水素原子、置換されていてもよい炭素数 1〜21のアルキル基、置換されてい てもよレ、炭素数 7〜20のァラルキル基、置換されて!/、てもよ!/、炭素数 6〜20のァリー ル基を示し、具体例としては前述のものがあげられる。反応の収率、立体選択性の観 点から、メチル基、水素原子が好ましぐ特に好ましくは、水素原子である。
[0098] Arは置換されていてもよい芳香族化合物を示し、例えば、ベンゼン、トルエン、キシ レン、メシチレン、へキサメチノレベンゼン、ェチノレベンゼン、 tert—ブチノレベンゼン、 p ーシメン、タメン、ペンタメチルシクロペンタジェニル等が挙げられ、中でも、 p—シメン 、ベンゼン、メシチレンが好ましい。
[0099] Zはハロゲン原子、置換されて!/、てもよ!/、アルキルスルホニルォキシ基、置換されて いてもよいァリールスルホニルォキシ基、または、置換されていてもよいァラルキルス ルホニルォキシ基を示し、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ト リフルォロメタンスルホニルォキシ基、メタンスルホニルォキシ基、 p トルエンスルホ ニルォキシ基等が挙げられ、中でも、塩素原子、トリフルォロメタンスルホニルォキシ 基が好ましい。
[0100] Yは酸素原子、置換されて!/、てもよ!/、アルキルスルホニルアミド基、置換されて!/、て もよぃァリールスルホニルアミド基、または、置換されていてもよいァラルキルスルホ二 ルアミド基を示し、例えば、酸素原子、メタンスルホニルアミド基、トリフルォロメタンス ルホニルアミド基、カンファースルホニルアミド基等の置換されて!/、てもよ!/、アルキル スルホニルアミド基、ベンゼンスルホニルアミド基、 p トルエンスルホニルアミド基、 p トリフルォロメチルベンゼンスルホニルアミド基、 p ドデシルベンゼンスルホニルァ ミド基、 o, m, p 二トロベンゼンスルホニルアミド基等の置換されていてもよいァリー ルスルホニルアミド基、ベンジルスルホニルアミド基などの置換されて!/、てもよ!/、ァラ ルキルスルホニルアミド基が挙げられ、中でも反応収率、反応の立体選択性の観点 から p トルエンスルホニルアミド基、力ンファースルホニルアミド基が好ましい。
[0101] 光学活性アミン錯体(1)としては、例えば、 RuCl[ (R, R)—TsDPEN] (p— cyme ne)錯体、 RuCl[ (S, S) -TsDPEN] (p— cymene)錯体、 RuOTf [ (R, R)—TsD PEN] (p— cymene)錯体または RuOTf [ (S, S) -TsDPEN] (p— cymene)錯体 などがあげられる。ここで、 (S, S)— TsDPENとは、 (IS, 2S)— N モノトシル一 1 , 2—ジフエニルエチレンジァミンを表し、 OTfはトリフルォロメタンスルホニルォキシ 基を表す。
[0102] 例えば、 RuCl[ (R、 R)—TsDPEN] (p— cymene)錯体は下記式(25);
[0103] [化 29]
[0104] で表され、 RuOTf [ (R, R)—TsDPEN] (p— cymene)錯体は下記式 (26) ;
[0105] [化 30]
[0106] で表される。
[0107] 光学活性アミン錯体(1)は、 J. Am. Chem. So , 1996, 118, 2521に記載の方法で 合成可能である。また、市販のものを用いてもよい。本工程で使用する光学活性アミ ン錯体(1)は、前もって調製し、単離精製したものを使用してもよいし、系中で調製し たものをそのまま使用してもよい。
[0108] 本工程で使用される光学活性アミン錯体(1)の使用量は、特に制限されないが、前 記式(2)で示される βーケトー α—ァミノカルボン酸エステルに対して通常 0. 0000 ;!〜 1当量である力 S、好ましくは 0. 0001 -0. 2当量である。
[0109] 本工程で使用する水素または水素供与性化合物としては、特に制限されないが、 例えば、メタノーノレ、エタノーノレ、 η—プロパノール、イソプロパノール等のアルコール ;ギ酸;ギ酸ナトリウム、ギ酸アンモユウム等のギ酸塩;水素等が挙げられ、特に収率 の観点からギ酸、ギ酸ナトリウム、水素が好ましぐギ酸がとりわけ好ましい。
[0110] 本工程で使用する水素供与性化合物の使用量としては、特に制限はないが、前記 式(4)で示される /3—ケトー α—ァミノカルボン酸エステルに対して通常 1〜; 100当 量であるが、好ましくは 1〜; 10当量である。
[0111] また、本工程において、塩基を共存させてもよい。塩基としては、例えば、水酸化ナ トリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等の無機塩基;ナトリウムメトキシド、カリウム ter t—ブトキシド等のアルコキシド;トリェチルァミン、トリメチルァミン、アンモニア等のアミ ンが挙げられる。水素供与性化合物としてギ酸を使用した場合、塩基を共存させるこ と力 S好ましく、トリェチルァミンの使用が特に好ましい。
[0112] 本工程で塩基を使用する場合、使用量としては、特に制限はないが、前記式(2)で 示される 13ーケトー α—ァミノカルボン酸エステルに対して通常 0. 0;!〜 100当量で
ある力 好ましくは 0. ;!〜 10当量であり、より好ましくは 1〜; 10当量である。
[0113] 本工程において水素供与性化合物が溶液であったり、共存させる塩基が溶液であ る場合は、反応溶媒は特に必要とせず、無溶媒で反応を行うと極めて短時間で反応 を完結でき、触媒使用量を削減できるため好ましい。しかし反応基質によっては反応 溶媒を使用してもよい。反応溶媒は、反応を阻害しない溶媒であれば特に制限はな いが、例えば、前述の炭化水素系溶媒;エステル系溶媒;芳香族炭化水素系溶媒; 二トリル系溶媒;エーテル系溶媒;アミド系溶媒;スルホキシド系溶媒;ハロゲン化炭化 水素系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール、 n—ブタノール等のアルコー ノレ溶媒;ギ酸、酢酸等のカルボン酸系溶媒;水が挙げられる。また、これら溶媒の 2種 以上を混合して用いても良い。混合溶媒を用いる場合、混合割合に特に制限はない
[0114] 反応を行う際の /3—ケトー α—ァミノカルボン酸エステル(2)の濃度は用いる反応 溶媒によって異なる力 一般的には;!〜 50% (w/v)で反応を実施することができ、 好ましくは 4〜30% (w/v)である。
[0115] 反応時の反応温度は、用いる光学活性な遷移金属錯体及び水素供与性化合物の 種類と使用量、反応溶媒の種類により異なるが、通常は用いる反応溶剤の凝固点以 上、沸点以下の範囲である。反応を短時間で完了させるためには温度を高めて実施 する方が良ぐ副反応を抑える観点からは温度は低く設定して実施する方が良い。一 般的には一 20〜; 150°Cであり、更に好適には 0〜70°Cである。
[0116] 反応時の反応時間は、用いる光学活性な遷移金属錯体及び水素供与性化合物の 種類と使用量、反応溶媒の種類及び反応温度により異なるが、反応温度を 0〜70°C で実施した場合、通常 1〜36時間程度である。
[0117] 本反応に用いる /3—ケトー α—ァミノカルボン酸エステル(2)、光学活性アミン錯体
(1)、水素または水素供与性化合物、反応溶媒等の混合順序は、任意であり、特に 制限されないが、 βーケトー α—ァミノカルボン酸エステル(2)と光学活性アミン錯体 (1)の混合物に、水素または水素供与性化合物を添加するのが好ましい。塩基を添 加する場合も、 /3—ケトー α—ァミノカルボン酸エステル(2)と光学活性アミン錯体( 1)と塩基の混合物に、水素または水素供与性化合物を添加するのが好ましい。水素
供与性化合物は、一括添加して反応させてもよいし、連続的、または断続的に添カロ しながら反応させてもよい。反応の進行に伴ってガスが発生する場合、安全性の面か ら反応の進行に合わせて逐次添加するのが好ましレ、。
[0118] 本反応の後処理としては、反応液から生成物を取得するための一般的な処理を行 えば良い。例えば、反応終了後の反応液に水、塩酸、アルカリ水等を添加し、一般的 な抽出溶媒、例えば、酢酸ェチル、ジェチルエーテル、塩化メチレン、トルエン、へキ サン等を用いて抽出操作を行う。得られた抽出液から反応溶媒及び抽出溶媒を減圧 留去すると、 目的物が得られる。このようにして得られる生成物は、必要であれば、シ リカゲルクロマトグラフィーや蒸留、再結晶等の一般的精製を行い、さらに純度を高 めても良い。
[0119] 次に、前記式(2)で表される化合物を、光学活性ホスフィン配位子を有する遷移金 属錯体を触媒として不斉水素化反応を行い、必要に応じて 3位水酸基の立体配置を 反転し、前記式(3)または(4)で示される光学活性 /3—ヒドロキシー α—ァミノカルボ ン酸エステルを製造する工程にっレ、て説明する。
[0120] 本工程で使用する光学活性ホスフィン配位子を有する遷移金属錯体における遷移 金属としては、前記式(1)での Μと同じものがあげられる。
[0121] また、光学活性なホスフィン配位子は、特に限定されるものではないが、例えば、 一般式(16)で示されるビナフチル型ホスフィン配位子(以下、 ΒΙΝΑΡと略す。)、一 般式(17)で示されるビフエ二ル型ホスフィン配位子(以下、 MeO— ΒΙΡΗΕΡと略す
。)、
一般式(18)で示されるビフエ二ル型ホスフィン配位子(以下、 SEGPHOSと略す。 ) 一般式(19)で示されるビフエ二ル型ホスフィン配位子(以下、 TUNEPHOSと略す。 )、
一般式(20)で示されるビスホスフィン配位子(以下、 DUPHOSと略す。)、 一般式 (21)で示されるアルキルホスフィン配位子(以下、 BISPと略す。 ) 一般式(22)で示されるビフエ二ルホスフィン配位子(以下、 DIOXANPHOSと略す
。)が挙げられる。
[0122] [化 31]
[0126] (式中、 nは;!〜 6の整数を表す。)
[0127] [化 35]
[0130] 中でも、立体選択性の観点から、 BINAP、 DIOXANPHOS、 TUNEPHOS、 SE GPHOS、 MeO— BIPHEPが好ましい。
[0131] 本工程で使用する光学活性ホスフィン配位子を有する遷移金属錯体は、遷移金属 化合物及び光学活性ホスフィン配位子を適当な溶媒中、混合することにより調製する ことができる。事前に調整し、単離したものを使用してもよいし、反応系中で調製した ものをそのまま使用してもよい。
[0132] 本工程で使用する光学活性ホスフィン配位子を有する遷移金属錯体の使用量は、 特に制限されないが、前記式(2)で示される βーケトー α—ァミノカルボン酸エステ ノレに対して通常 0. 00001〜;!当量である力 好ましく (ま 0. 0001—0. 2当量である
〇
[0133] 本工程で使用する水素は通常水素ガスを使用し、水素ガスの圧力としては、特に 制限はないが、通常 1〜150気圧の範囲であり、好ましくは、 5〜; 100気圧の範囲で ある。反応を短時間で完了させるためには圧力を高めて実施する方が良い。
[0134] 本工程にお!/、て使用する反応溶媒は、反応を阻害しな!/、溶媒であれば特に制限 はないが、例えば、前述の炭化水素系溶媒;エステル系溶媒;芳香族炭化水素系溶 媒;二トリル系溶媒;エーテル系溶媒;アミド系溶媒;スルホキシド系溶媒;ハロゲン化 炭化水素系溶媒;アルコール溶媒;カルボン酸系溶媒;水が挙げられる。また、これら 溶媒の 2種以上を混合して用いても良い。混合溶媒を用いる場合、混合割合に特に 制限はない。
[0135] 反応を行う際の /3—ケトー α—ァミノカルボン酸エステル(2)の濃度は用いる反応 溶媒によって異なるが、一般的には;!〜 50% (w/v)で反応を実施することができ、 好ましくは 4〜30% (w/v)である。
[0136] 反応時の反応温度は、用いる光学活性ホスフィン配位子を有する遷移金属錯体の 種類と使用量、反応溶媒の種類、水素圧により異なるが、通常は用いる反応溶剤の 凝固点以上、沸点以下の範囲である。反応を短時間で完了させるためには温度を高 めて実施する方が良ぐ副反応を抑える観点からは温度は低く設定して実施する方 が良い。一般的には— 20〜; 150°Cであり、更に好適には 0〜; 100°Cである。
[0137] 反応時の反応時間は、用いる光学活性ホスフィン配位子を有する遷移金属錯体の 種類と使用量、水素圧、反応溶媒の種類及び反応温度により異なるが、反応温度を 0〜100°Cで実施した場合、通常 1〜36時間程度である。
[0138] 本反応に用いる /3—ケトー α—ァミノカルボン酸エステル(2)、光学活性ホスフィン 配位子を有する遷移金属錯体、水素ガス、反応溶媒等の混合順序は、任意であり、 特に制限されないが、例えば、 βーケトー α—ァミノカルボン酸エステル(2)と光学 活性ホスフィン配位子を有する遷移金属錯体の混合物に、水素ガスを添加することも できる。
[0139] 本反応の後処理としては、反応液から生成物を取得するための一般的な処理を行 えば良い。例えば、反応液から反応溶媒を留去するだけでもよい。また、反応終了後 の反応液に水、塩酸、アルカリ水等を添加し、一般的な抽出溶媒、例えば、酢酸ェチ ル、ジェチルエーテル、塩化メチレン、トルエン、へキサン等を用いて抽出操作を行う 。得られた抽出液から反応溶媒及び抽出溶媒を減圧留去すると、 目的物が得られる 。このようにして得られる生成物は、必要であれば、シリカゲルクロマトグラフィーや蒸
留、再結晶等の一般的精製を行い、さらに純度を高めてもよい。
[0140] 本工程における不斉水素化では、用いる 0ーケトー α—ァミノカルボン酸エステル
(2)や光学活性ホスフィン配位子を有する遷移金属錯体の種類により、前記式 (3)ま たは(4)で表されるようなアンチ体ではなぐ前記式(23)または(24)で表されるよう なシン体が生成する場合もある。シン体が生成した場合、必要に応じて、 3位水酸基 の立体配置を反転し、アンチ体に変換するとよい。
[0141] シン体の 3位水酸基の立体配置を反転させる方法としては、特に制限されないが、 例えば化合物(23)または(24)の R6または R7を、必要に応じてァセチル基ゃォクタ デカノィル基等のァシル基に変換した後、塩化チォニル等を作用させる方法が挙げ られる。
[0142] この際の塩化チォニルの使用量は、特に制限はないが、化合物(23)または(24) に対して、通常;!〜 50当量であるが、好ましくは 1〜; 10当量である。
[0143] 本反転操作にお!/、て使用する反応溶媒は、反応を阻害しな!/、溶媒であれば特に 制限はないが、例えば、炭化水素系溶媒、エステル系溶媒、芳香族炭化水素系溶 媒、二トリル系溶媒、エーテル系溶媒、アミド系溶媒、スルホキシド系溶媒、ハロゲン 化炭化水素系溶媒、塩化チォニルが挙げられ、中でも、へキサン、シクロへキサン、 メチノレシクロへキサン、トノレェン、クロ口ベンゼン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、塩 化チォニルが好ましい。これら溶媒の 2種以上を混合して用いても良い。混合溶媒を 用いる場合、混合割合に特に制限はない。
[0144] 反転操作を行う際の化合物(23)または(24)の濃度は、用いる反応溶媒によって 異なるが、一般的には;!〜 50% (w/v)で反応を実施することができ、好ましくは 4〜 30% (w/v)である。
[0145] 反転操作時の反応温度は、用いる化合物(23)または(24)の種類と塩化チォニル の使用量、反応溶媒の種類により異なるが、通常は用いる反応溶剤の凝固点以上、 沸点以下の範囲である。反応を短時間で完了させるためには温度を高めて実施する 方が良ぐ副反応を抑える観点からは温度は低く設定して実施する方が良い。一般 的には 40〜100°Cであり、更に好適には 10〜50°Cである。
[0146] 反転操作時の反応時間は、用いる化合物(23)または(24)の種類と塩化チォニル
の使用量、反応溶媒の種類及び反応温度により異なるが、反応温度を—10〜50°C で実施した場合、通常 1〜24時間程度である。
[0147] 反転操作に用いる化合物(23)または(24)と塩化チォニル、反応溶媒等の混合順 序は、任意であり、特に制限されない。
[0148] 本反応の後処理としては、反応液から生成物を取得するための一般的な処理を行 えば良い。例えば、反応終了後の反応液に水、塩酸、アルカリ水等を添加し、一般的 な抽出溶媒、例えば、酢酸ェチル、ジェチルエーテル、塩化メチレン、トルエン、へキ サン等を用いて抽出操作を行う。得られた抽出液から反応溶媒及び抽出溶媒を減圧 留去すると、 目的物が得られる。このようにして得られる生成物は、必要であれば、シ リカゲルクロマトグラフィーや蒸留、再結晶等の一般的精製を行い、さらに純度を高 めても良い。
[0149] 次に、上記で製造した前記式(3)または (4)で示される光学活性 /3—ヒドロキシー
aーァミノカルボン酸エステルのエステル部位を還元し、必要に応じてァミノ置換基 をァシル基に変換し、一般式(7)または一般式(8);
[0150] [化 38]
[0152] で示される光学活性 2—アミノー 1 , 3—ジオール誘導体を製造する工程について説 明する。
[0153] 光学活性 2—ァミノ一 1 , 3—ジオール誘導体(7)または(8)の R4は前記と同じであ
[0154] R8は置換されて!/、てもよ!/、炭素数;!;!〜 40のアルキル基またはアルカノィル基を示 し、例えば、ペンタデシル基、ヘプタデシル基、 1ーヒドロキシヘプタデシル基、 1ーォ キソヘプタデシル基、へニコシル基、 1ーヒドロキシへニコシル基、 29—(8, 11 アイ コサジエノィルォキシ)ノナコシル基等が挙げられ、中でも、セラミド誘導体としての有 用性から、ヘプタデシル基、 1ーヒドロキシヘプタデシル基、 1 ォキソヘプタデシル 基、へニコシル基、 1ーヒドロキシへニコシル基、 29—(8, 11 アイコサジエノィルォ キシ)ノナコシル基が好ましレ、。
[0155] 「必要に応じてァミノ置換基をァシル基に変換する」とは、化合物(3)または (4)に おけるァミノ置換基 (R6及び R7)の R6をァシル基及び R7を水素に変換してもよレ、し、し なくても良レ、ことを指す。化合物(3)または (4)の R6及び R7の!/、ずれか一方が水素で ある場合は、水素でない置換基を脱離し、ァシル基に変換してやればよいし、 R6及 び R7のいずれも置換されており、水素でない場合は、両方のァミノ置換基を脱離し、 一方をァシル基に変換してやればょレ、。
[0156] 化合物(3)または(4)の R6及び R7のいずれか一方がァシル基であり、いずれか一 方が水素である場合、ァミノ置換基をァシル基に変換しなくとも、化合物(8)または(9 )が得られることになる力 R6または R7のァシル基を脱離し、異なるァシル基に変換し てもよい。また、ァミノ置換基をァシル基に変換する工程は、例えば、化合物(3)また は(4)のエステル部位の還元後、ァミノ置換基の脱離反応を行い、最後に無置換アミ ノ基のァシル化反応を行ってもよいし、ァミノ置換基の脱離反応後、無置換アミノ基の ァシル化反応を行レ、、最後にエステル部位の還元を行ってもょレ、。
[0157] まず、化合物(3)または (4)、または、化合物(3)または (4)のァミノ置換基をアシノレ 基に変換した化合物のエステル部位を還元する方法について説明する。
[0158] エステル部位を還元する還元剤としては、特に限定されな!/、が、例えば、水素化ホ ゥ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化アルミニウムリチウム、ボラン、水素化ジ イソブチルアルミニウム、水素等が挙げられ、なかでも経済性の観点から水素化ホウ 素ナトリウムが好ましい。
[0159] 還元反応で使用する還元剤の使用量は、特に制限はないが、光学活性 0ーヒドロ
キシー α—ァミノカルボン酸エステル(3)または(4)、または、前記式(3)または(4) で表される化合物のァミノ置換基がァシル基に変換された化合物に対して、通常 0. 5〜10当量である力 好ましくは 1〜3当量である。
[0160] 還元剤として水素化ホウ素ナトリウムを使用する場合、ルイス酸共存下で還元を行う と、反応が活性化される及び/又は反応中のェピメリ化を抑制できる場合があり好ま しい。
[0161] ノレイス酸としては特に限定されないが、例えば、四塩化チタン、四塩化スズ、三フッ 化ホウ素ジェチルエーテル錯体、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、塩化マグネシゥ ム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化リチウム、臭化リ チウム、塩化カルシウム、塩化鉄、塩化ニッケル等が挙げられる。中でも経済性の観 点から塩化カルシウムが好ましレ、。
[0162] 共存させるルイス酸の使用量は、特に制限はないが、光学活性 βーヒドロキシー α ーァミノカルボン酸エステル(3)または(4)、または、前記式(3)または(4)で表される 化合物のァミノ置換基がァシル基に変換された化合物に対して、通常 0. 5〜; 10当量 であるが、好ましくは 1〜3当量である。
[0163] 本工程にお!/、て使用する反応溶媒は、反応を阻害しな!/、溶媒であれば特に制限 はないが、例えば、前述の炭化水素系溶媒;エステル系溶媒;芳香族炭化水素系溶 媒;二トリル系溶媒;エーテル系溶媒;アミド系溶媒;スルホキシド系溶媒;ハロゲン化 炭化水素系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール、 η—ブタノール等のアル コール溶媒;水が挙げられ、中でも、クロ口ベンゼン、 η—ブタノール、テトラヒドロフラ ン、ジォキサンが好ましい。これら溶媒の 2種以上を混合して用いても良い。混合溶 媒を用いる場合、混合割合に特に制限はない。
[0164] 還元反応に付す化合物の濃度は、用いる反応溶媒によって異なるが、一般的には ;!〜 50% (w/v)で反応を実施することができ、好ましくは 4〜30% (w/v)である。
[0165] 反応時の反応温度は、還元反応に付す化合物、還元剤の種類と使用量、反応溶 媒の種類により異なるが、通常は用いる反応溶剤の凝固点以上、沸点以下の範囲で ある。反応を短時間で完了させるためには温度を高めて実施する方が良ぐ副反応 を抑える観点からは温度は低く設定して実施する方が良い。一般的には— 70〜; 120
°Cであり、更に好適には 0〜; 100°Cである。
[0166] 反応時の反応時間は、還元反応に付す化合物、還元剤の種類と使用量、反応溶 媒の種類及び反応温度により異なるが、反応温度を 0〜100°Cで実施した場合、通 常 1〜24時間程度である。
[0167] 本反応に還元反応に付す化合物、還元剤、反応溶媒等の混合順序は、任意であり
、特に制限されない。
[0168] 本反応の後処理としては、反応液から生成物を取得するための一般的な処理を行 えば良い。例えば、反応終了後の反応液に水、塩酸、アルカリ水等を添加し、一般的 な抽出溶媒、例えば、酢酸ェチル、ジェチルエーテル、塩化メチレン、トルエン、へキ サン等を用いて抽出操作を行う。得られた抽出液から反応溶媒及び抽出溶媒を減圧 留去すると、 目的物が得られる。このようにして得られる生成物は、必要であれば、シ リカゲルクロマトグラフィーや蒸留、再結晶等の一般的精製を行い、さらに純度を高 めても良い。
[0169] 次に、必要に応じて、ァミノ置換基をァシル基に変換する工程について説明する。
ァシル基への変換反応は、通常、ァミノ基の置換基を脱離させ、無置換のァミノ基と した後、ァシル化剤によって N ァシル化すればよい。
[0170] ァミノ置換基の脱離反応は、置換基によって異なり、ァミノ保護基であった場合、例 えは、 Protective Groups in urganic synthesis 3rd ed. (Theodora W. reene and Pet er G. M. Wuts Ed., Wiley- Interscience: New York, 1999)に記述されている脱保護 反応が挙げられる。例えば、ァミノ置換基がァセチル基ゃメトキシカルボニル基である 場合、酸や塩基によって脱離することができ、フタロイル基である場合、酸加水分解 ゃメチルァミン、ヒドラジン処理によって脱離することができる。ベンジルォキシカルボ ニル基やべンジル基である場合、加水素分解によって脱離できる。
[0171] 無置換アミノ基のァシル化反応は、ァシル化剤によって行う。用いるァシル化剤とし ては、例えば、塩化ステアロイル、塩化ビバロイル、ドコサン酸クロリド、 30—(8, 11 アイコサジエノィルォキシ)トリアコンタン酸クロリド等の酸クロリド、ステアリン酸メチ ル、 2—ヒドロキシステアリン酸メチル、 2—ォキソステアリン酸メチル、ドコサン酸メチ ノレ、 2—ヒドロキシドコサン酸メチル等のエステルが挙げられる。また、対応するカルボ
ン酸の酸無水物または混合酸無水物でも実施できる。
[0172] ァシル化反応で使用するァシル化剤の使用量は、特に制限はな!/、が、光学活性 0 ーヒドロキシー α—ァミノカルボン酸エステル(3)または(4)、またはそのエステル部 位還元体に対して、通常 0. 5〜; 10当量である力 好ましくは 1〜2当量である。
[0173] 本ァシル化反応において、必要であれば塩基を使用してもよぐ用いる塩基として は前述の無機塩基、トリェチルァミン、ピリジン、 4—ジメチルァミノピリジン等の有機 塩基が挙げられる。
[0174] ァシル化反応で使用する塩基の使用量は、特に制限はないが、光学活性 /3—ヒド 口キシー α—ァミノカルボン酸エステル(3)または(4)、またはそのエステル部位還元 体に対して、通常 0. 01〜; 10当量である力 S、好ましくは 0. 0;!〜 2当量である。
[0175] 本反応において使用する反応溶媒は、反応を阻害しない溶媒であれば特に制限 はないが、例えば、炭化水素系溶媒、エステル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、二 トリル系溶媒、エーテル系溶媒、アミド系溶媒、スルホキシド系溶媒、ハロゲン化炭化 水素系溶媒、アルコール溶媒、水が挙げられ、中でも、クロ口ベンゼン、塩化メチレン
、 η ブタノール、テトラヒドロフラン、ジォキサンが好ましい。これら溶媒の 2種以上を 混合して用いても良い。混合溶媒を用いる場合、混合割合に特に制限はない。
[0176] 反応を行う際の光学活性 βーヒドロキシー α—ァミノカルボン酸エステル(3)または
(4)、またはそのエステル部位還元体の濃度は、用いる反応溶媒によって異なるが、 一般的には 1〜50% (w/v)で反応を実施することができ、好ましくは 4〜30% (w/ V)である。
[0177] 反応時の反応温度は、用いる光学活性 βーヒドロキシー α—ァミノカルボン酸エス テル(3)または(4)、またはそのエステル部位還元体、ァシル化剤の種類と使用量、 反応溶媒の種類により異なる力 通常は用いる反応溶剤の凝固点以上、沸点以下の 範囲である。反応を短時間で完了させるためには温度を高めて実施する方が良ぐ 副反応を抑える観点からは温度は低く設定して実施する方が良い。一般的には 5 0〜; 120°Cであり、更に好適には 0〜; 100°Cである。
[0178] 反応時の反応時間は、用いる光学活性 βーヒドロキシー α—ァミノカルボン酸エス テル(3)または(4)、またはそのエステル部位還元体、ァシル化剤の種類と使用量、
反応溶媒の種類及び反応温度により異なる力、反応温度を 0〜100°Cで実施した場 合、通常 1〜24時間程度である。
[0179] 本反応に用いる光学活性 /3—ヒドロキシー α—ァミノカルボン酸エステル(3)また は(4)、またはそのエステル部位還元体、ァシル化剤、反応溶媒等の混合順序は、 任意であり、特に制限されない。
[0180] 本反応の後処理としては、反応液から生成物を取得するための一般的な処理を行 えば良い。例えば、反応終了後の反応液に水、塩酸、アルカリ水等を添加し、一般的 な抽出溶媒、例えば、酢酸ェチル、ジェチルエーテル、塩化メチレン、トルエン、へキ サン等を用いて抽出操作を行う。得られた抽出液から反応溶媒及び抽出溶媒を減圧 留去すると、 目的物が得られる。このようにして得られる生成物は、必要であれば、シ リカゲルクロマトグラフィーや蒸留、再結晶等の一般的精製を行い、さらに純度を高 めても良い。
実施例
[0181] 以下に例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定 されるものではない。
[0182] (実施例 1 ) 2—ァセチルアミノー 3—ォキソォクタデカン酸ェチルの製造
Ν—ァセチルグリシンェチルエステル(72. 5mg、 0. 50mmol)と N—メチルイミダ ゾール(50· 4mg、0. 61mmol)の塩化メチレン(5· Oml)溶液を一 45°Cまで冷却し 、窒素雰囲気下、塩化パルミトイル(142· 6mg、 0. 50mmol)の塩化メチレン(0· 5 ml)溶液を添加した。これを同温度で 20分攪拌した後、四塩化チタン(340. 4mg、 1. 78mmol)の塩ィ匕メチレン(0. 5ml)溶 ί夜とトリフ、、チノレアミン(372. 4mg、 2. 01m mol)の塩化メチレン(0. 5ml)溶液を加え、— 45°Cで 2時間撹拌した。これに水を加 えて、室温まで昇温し、有機層を分液した。水層をさらに塩化メチレンで 2回抽出し、 有機層を合わせて、硫酸マグネシウムで乾燥後した。溶媒を減圧留去して、得られた 粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(Merck社 Kieselgel 60、へキサン:酢酸ェチ ル = 3 : 2)により精製し、表題化合物(148. 8mg、収率 88%)を得た。
[0183] :H NMR (400MHZ, CDCl /ppm): δ 0. 88 (t, 3H) , 1. 25— 1. 36 (m, 29
3
H) , 2. 07 (s, 3H) , 2. 71 (m, 2H) , 4. 26 (q, 2H) , 5. 23 (d, 1H) , 6. 62 (d, 1
H)。
[0184] (実施例 2) 2 ァセチルアミノー 3 ォキソォクタデカン酸ェチルの製造
N ァセチルグリシンェチルエステノレ(1. 50g、 10. 33mmol)と N メチルイミダゾ ール(1. 02g、 12. 40mmol)のジクロロメタン(45. Oml)溶液を 45°Cまで冷却し 、窒素雰囲気下、塩化パルミトイル(2. 84g、 10. 33mmol)を添加した。これを同温 度で 20分擾持した後、四塩ィ匕チタン(6. 86g、 36. 16mmol)とトリエチノレアミン(4. 18g、 41. 31mmol)を加え、 45°Cで 2時間撹拌した。これに水(20mUを加えて 、室温まで昇温し、有機層を分液した。有機層を HPLCで標品と比較分析した結果、 表題化合物が 2. 81g含有されて!/ゝることが確認された(収率 71 %)。
[0185] (実施例 3) 2 ァセチルアミノ 3 ォキソォクタデカン酸ェチルの製造
N ァセチルグリシンェチルエステノレ(1. 00g、 6. 89mmol)と N メチルイミダゾ ール(679mg、 8. 27mmol)のトルエン(33· 0ml)溶液を— 20°Cまで冷却し、窒素 雰囲気下、塩化パルミトイル(1. 89g、 6. 89mmol)を添加した。これを同温度で 30 分擾持した後、四塩ィ匕チタン(4· 57g、 24. 12mmol)とトリエチノレアミン(2· 79g、 2 7. 56mmol)を加え、 20°Cで 2時間撹拌した。これに水(20mUを加えて、室温ま で昇温し、有機層を分液した。有機層を HPLCで標品と比較分析した結果、表題化 合物が 1. 75g含有されて!/、ること力 S確認された(収率 66%)。
[0186] (実施例 4) 2 ァセチルアミノ 3 ォキソォクタデカン酸ェチルの製造
N ァセチルグリシンェチルエステノレ(1. 50g、 10. 33mmol)と N メチルイミダゾ 一ノレ(1. 02g、 12. 40mmol)のクロ口ベンゼン(45· Oml)溶液を 20°Cまで冷却し 、窒素雰囲気下、塩化パルミトイル(2. 84g、 10. 33mmol)を添加した。これを同温 度で 45分擾持した後、四塩ィ匕チタン(6. 86g、 36. 16mmol)とトリエチノレアミン(4. 18g、 41. 31mmol)を加え、 20°Cで 2時間撹拌した。これに水(20mUを加えて 、室温まで昇温し、有機層を分液した。有機層を HPLCで標品と比較分析した結果、 表題化合物が 2. 92g含有されて!/ゝることが確認された(収率 74%)。
[0187] (実施例 5) 2 ァセチルアミノー 3 ォキソォクタデカン酸ェチルの製造
N ァセチルグリシンェチルエステノレ(1. 50g、 10. 33mmol)と N メチルイミダゾ 一ノレ(1. 02g、 12. 40mmol)のクロ口ベンゼン(45· Oml)溶液を 10°Cまで冷却し
、窒素雰囲気下、塩化パルミトイル(2. 84g、 10. 33mmol)を添加した。これを同温 度で 45分擾持した後、四塩ィ匕チタン(6. 86g、 36. 16mmol)とトリエチノレアミン(4. 18g、 41. 31mmol)を加え、 10°Cで 2時間撹拌した。これに水(20mUを加えて 、室温まで昇温し、有機層を分液した。有機層を HPLCで標品と比較分析した結果、 表題化合物が 2. 92g含有されて!/ゝることが確認された(収率 80%)。
[0188] (実施例 6) 2 ァセチルアミノー 3 ォキソォクタデカン酸ェチルの製造
N ァセチルグリシンェチルエステノレ(1. 50g、 10. 33mmol)と N メチルイミダゾ 一ノレ(1. 02g、 12. 40mmol)のクロ口ベンゼン(45· Oml)溶液を 10°Cまで冷却し 、窒素雰囲気下、塩化パルミトイル(2. 84g、 10. 33mmol)を添加した。これを同温 度で 45分擾持した後、四塩ィ匕チタン(6. 86g、 36. 16mmol)とトリプ、チノレアミン(7. 66g、 41. 32mmol)を加え、 10°Cで 2時間撹拌した。これに水(20mUを加えて 、室温まで昇温し、有機層を分液した。有機層を HPLCで標品と比較分析した結果、 表題化合物が 3. 33g含有されて!/ゝることが確認された(収率 84%)。
[0189] (実施例 7) 2 ァセチルアミノー 3 ォキソォクタデカン酸ェチルの製造
N ァセチルグリシンェチルエステノレ(1. 50g、 10. 33mmol)と N メチルイミダゾ 一ノレ(1. 02g、 12. 40mmol)のクロ口ベンゼン(45· Oml)溶液を 0°Cまで冷却し、窒 素雰囲気下、塩化パルミトイル(2. 84g、 10. 33mmol)を添加した。これを同温度で 25分擾持した後、四塩ィ匕チタン(6 · 86g、 36. 16mmol)とトリエチノレアミン(4· 18g 、 41. 31mmol)を加え、 0°Cで 2時間撹拌した。これに水(20mUを加えて、室温ま で昇温し、有機層を分液した。有機層を HPLCで標品と比較分析した結果、表題化 合物が 2. 93g含有されて!/、ること力 S確認された(収率 74%)。
[0190] (実施例 8) 2 ホルミルアミノー 3 ォキソォクタデカン酸ェチルの製造
N—ホルミルグリシンェチルエステル(1. 31g、 lOmmol)と N メチルイミダゾール (985. 4mg、 12mmol)の塩化メチレン(100ml)溶液を— 45°Cまで冷却し、窒素雰 囲気下、塩化パルミトイル(2. 85g、 lOmmol)の塩化メチレン(10ml)溶液を添加し た。これを同温度で 20分攪拌した後、四塩化チタン(6. 78g、 35mmol)の塩化メチ レン(10ml)溶液とトリブチルァミン(7· 42g、 40mmol)の塩化メチレン(10ml)溶液 を加え、 45°Cで 3時間撹拌した。これに水 100mlを加えて、室温まで昇温し、有機
層を分液した。水層をさらに塩化メチレン 100mlで 2回抽出し、有機層を合わせて、 硫酸マグネシウムで乾燥後した。溶媒を減圧留去して、得られた粗生成物をシリカゲ ルクロマトグラフィー(Merck社 Kieselgel 60、酢酸ェチル単独)により精製し、表題化 合物(3· 15g、収率 85%)を得た。
[0191] :H NMR (400MHz, CDC1 /ppm): δ 0. 88 (t, 3Η) , 1. 25— 1. 33 (m, 29
3
Η) , 2. 73 (m, 2Η) , 4. 26 (q, 2H) , 5. 28 (d, 1H) , 6. 78 (bs, 1H) , 8. 25 (s, 1H)。
[0192] (実施例 9) 2 ォクタデカノィルアミノー 3 ォキソォクタデカン酸ェチルの製造
N ォクタデカノィルグリシンェチルエステル(3. 70g、 lOmmol)と N メチルイミ ダゾール(985· 4mg、 12mmol)の塩化メチレン(100ml)溶液を 45°Cまで冷却し 、窒素雰囲気下、塩化パルミトイル(2· 76g、9. 74mmol)の塩化メチレン(10ml)溶 液を添加した。これを同温度で 20分攪拌した後、四塩化チタン(6· 81g、 35mmol) の塩化メチレン(10ml)溶液とトリブチルァミン(7· 42g、 40mmol)の塩化メチレン(1 Oml)溶液を加え、 45°Cで 2時間撹拌した。これに水 100mlを加えて、室温まで昇 温し、有機層を分液した。水層をさらに塩化メチレン 100mlで 2回抽出し、有機層を 合わせて、硫酸マグネシウムで乾燥後した。溶媒を減圧留去して、得られた粗生成物 をシリカゲルクロマトグラフィー(Merck社 Kieselgel 60、へキサン:酢酸ェチル =4: 1) により精製し、表題化合物(3· 20g、収率 54%)を得た。
[0193] :H NMR (400MHZ, CDCl /ppm): δ 0. 88 (m, 6H) , 1. 25— 1. 32 (m, 59
3
H) , 2. 27 (t, 2H) , 2. 70 (m, 2H) , 4. 25 (m, 2H) , 5. 22 (d, 1H) , 6. 58 (d, 1H)。
[0194] (実施例 10) 2 ォクタデカノィルアミノー 3 ォキソォクタデカン酸ェチルの製造
N ォクタデカノィルグリシンェチルエステル(2. 00g、 5. 41mmol)と N メチルイ ミダゾ一ノレ(533mg、 6. 49mmol)のクロ口ベンゼン(33· Oml)溶液を一 10。Cまで冷 却し、窒素雰囲気下、塩化パルミトイル(1. 49g、 5. 41mmol)を添加した。これを同 温度で 45分擾持した後、四塩ィ匕チタン(3. 60g、 18. 94mmol)とトリプ、チノレアミン(4 . 01g、 21. 64mmol)をカロ免、 10。Cで 1. 5日寺間携持した。これに水(25mL)をカロ えて、室温まで昇温し、有機層を分液した。有機層を HPLCで標品と比較分析した
結果、表題化合物が 2.52g含有されていることが確認された (収率 77%)。
[0195] (実施例 11)2—ォクタデカノィルアミノー 3—ォキソォクタデカン酸メチルの製造
実施例 9における N—ォクタデカノィルグリシンェチルエステルを N—ォクタデカノィ ルグリシンメチルエステルに代えて、実施例 9と同様の方法で実施し、表題化合物( 収率 36%)を得た。
[0196] :H NMR (400MHz, CDC1 /ppm): δ 0.88 (m, 6Η) , 1.25 (m, 56Η) , 2.
27 (t, 2Η), 2.70 (m, 2H) , 3.80(s, 3H) , 5.24 (d, 1H), 6.59(d, 1H)。
[0197] (実施例 12) (2R.3R)— 2—ァセチルアミノー 3—ヒドロキシォクタデカン酸ェチル の製造
RuCl[(R, R) -TsDPEN] (p— cymene)錯体(19· 6mg、 0.03mmol)と実施 例 1と同様の方法で合成した 2—ァセチルアミノー 3—ォキソォクタデカン酸ェチル(7 7.0mg、 0.20mmol)の脱水 THF(4. Oml)溶 ί夜 ίこ、トリエチノレアミン(131.9mg、 1.30mmol)の脱水 THF(0.5ml)溶液とギ酸(64· 2mg、 1.37mmol)の脱水 TH F(0.5ml)溶液を添加した。これを室温で 3日間攪拌した後、反応溶媒を減圧留去 した。これに水を加えて、酢酸ェチルで 3回抽出し、有機層を合わせて、硫酸マグネ シゥムで乾燥後した。溶媒を減圧留去して、得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグ ラフィー(Merck社 Kieselgel 60、酢酸ェチル単独)により精製し、表題化合物(71· 3 mg、収率 94%)を得た。これを HPLC分析した結果、アンチ体:シン体 = 93: 7、アン チ体光学純度 98%eeであった。
[0198] ここで、 (R, R)— TsDPENとは(1R, 2R)— N—トシノレ一 1, 2—ジフエニノレエチレ ンジァミンのことである(以下同様)。
[0199] アンチ体:1 H NMR (400MHz, CDC1 /ppm): δ 0.88 (t, 3H) , 1.25— 1.3
5(m, 29Η), 1.43— 1.49 (m, 2H) , 2.07(s, 3H) , 3.90— 97(m, 1H), 4.2 4(m, 2H), 4.67 (dd, 1H), 6.45(d, 1H)。
[0200] シン体:1 H NMR (400MHz, CDC1 /ppm): δ 0.88 (t, 3H) , 1.25— 1.35 ( m, 29H), 1.43-1.49 (m, 2H) , 2.07(s, 3H) , 4.09— 4.15(m, 1H), 4. 24 (m, 2H), 4.65 (dd, 1H), 6.20 (d, 1H)。
[0201] [光学純度 HPLC分析条件]
カラム: CHIRALPAK AD— H
カラム温度: 25°C
移動相:へキサン/イソプロパノール = 95/5
流速: 0. 5mレ min
検出波長: 210nm
保持時間:アンチ体 = 18. 9分と 24. 1分、シン体 = 29. 7分と 56. 6分。
[0202] (実施例 13) (2R. 3R)— 2—ァセチルアミノー 3—ヒドロキシォクタデカン酸ェチル の製造
RuCl[ (R, R) -TsDPEN] (p— cymene)錯体(17· 6mg、 0. 03mmol)と実施 例 1と同様の方法で合成した 2—ァセチルアミノー 3—ォキソォクタデカン酸ェチル( 1 • 00g、 2. 61mmol)のクロ口ベンゼン(10· 0ml)溶 ί夜 ίこ、トリエチノレアミン(1 · 32g、 13. 05mmol)とギ酸(350mg、 7. 82mmol)を添カロした。これを 40。Cで 15. 5日寺間 攪拌した後、反応溶液に水(10mUを加えて、 40°Cにて分液操作を実施し、有機層 を取得した。有機層を HPLCで標品と比較分析した結果、表題化合物が 0. 96g含 有されていることが確認された(収率 96%)。またアンチ体:シン体 = 95 : 5、アンチ体 光学純度 97%eeであった。
[0203] (実施例 14) (2R. 3R)— 2—ァセチルアミノー 3—ヒドロキシォクタデカン酸ェチル の 告
RuCl[ (R, R)— TsDPEN] (p— cymene)錯体(8. 8mg、 0. Olmmol)と実施例 1と同様の方法で合成した 2—ァセチルアミノー 3—ォキソォクタデカン酸ェチル( 1. 00g、 2. 61mmol)のクロ口ベンゼン(10· Oml)溶 ί夜 ίこ、トリエチノレアミン(1 · 32g、 1 3. 05mmol)とギ酸(350mg、 7. 82mmol)を添加した。これを 40°Cで 3日間攪拌し た後、反応溶液に水(lOmL)を加えて、 40°Cにて分液操作を実施し、有機層を取得 した。有機層を HPLCで標品と比較分析した結果、表題化合物が 0. 96g含有されて いることが確認された(収率 96%)。またアンチ体:シン体 = 98 : 2、アンチ体光学純 度 97%eeであった。
[0204] (実施例 15) (2R. 3R)— 2—ホルミルアミノー 3—ヒドロキシォクタデカン酸ェチル の製造
RuCl[ (R, R) -TsDPEN] (p— cymene)錯体(19· 6mg、 0. 03mmol)と実施 例 8と同様の方法で合成した 2—ホルミルアミノー 3—ォキソォクタデカン酸ェチル(7 3. 5mg、 0. 20mmol)の脱水 THF (4. 0ml)溶 ί夜 ίこ、トリエチノレアミン(131. 7mg、 1. 30mmol)の脱水 THF (0. 5ml)溶液とギ酸(64· 2mg、 1. 37mmol)の脱水 TH F (0. 5ml)溶液を添加した。これを室温で 3日間攪拌した後、反応溶媒を減圧留去 した。これに水を加えて、酢酸ェチルで 3回抽出し、有機層を合わせて、硫酸マグネ シゥムで乾燥後した。溶媒を減圧留去して、得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグ ラフィー(Merck社 Kieselgel 60、へキサン:酢酸ェチル = 1: 2)により精製し、表題化 合物(64. 6mg、収率 87%)を得た。これを HPLC分析した結果、アンチ体:シン体 = 95 : 5、アンチ体光学純度 96%eeであった。
[0205] アンチ体:1 H NMR (400MHz, CDC1 /ppm): δ 0. 88 (t, 3H) , 1. 25— 1. 3
8 (m, 29H) , 1. 43— 1. 58 (m, 2H) , 3. 95 (m, 1H) , 4. 23 (m, 2H) , 4. 73 (d d, 1H) , 6. 61 (d, 1H) , 8. 24 (s, 1H)。
[0206] シン体:1 H NMR (400MHz, CDC1 /ppm): δ 0. 88 (t, 3H) , 1. 25— 1. 38 ( m, 29H) , 1. 43- 1. 58 (m, 2H) , 3. 95 (m, 1H) , 4. 23 (m, 2H) , 4. 73 (dd, 1H) , 6. 52 (d, 1H) , 8. 31 (s, 1H)。
[0207] [光学純度 HPLC分析条件]
カラム: CHIRALPAK AD— H 2本
カラム温度: 25°C
移動相:へキサン/イソプロパノール = 9/1
流速: 0. 5mレ min
検出波長: 210nm
保持日寺間:アンチ体 = 22. 2分と 24. 3分、シン体 = 39. 2分と 40. 3分。
[0208] (実施例 16) (2R. 3R)— 2—ォクタデカノィルアミノー 3—ヒドロキシォクタデカン酸 ェチルの製造
RuCl[ (R, R) -TsDPEN] (p— cymene)錯体(18· 9mg、 0. 03mmol)と実施 例 9と同様の方法で合成した 2—ォクタデカノィルアミノー 3—ォキソォクタデカン酸ェ チノレ(121 · 6mg、 0. 20mmol)の塩ィ匕メチレン(4· 0ml)溶 ί夜に、トリエチノレアミン(1
31. 6mg、 1. 30mmol)の塩ィ匕メチレン(0. 5ml)溶 ί夜とギ酸(64. 5mg、 1. 37mm ol)の塩化メチレン(0. 5ml)溶液を添加した。これを室温で 16時間攪拌した後、水を 加えて、塩化メチレンで 3回抽出した。有機層を合わせて、硫酸マグネシウムで乾燥 後し、溶媒を減圧留去して得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(Merck 社 Kieselgel 60、へキサン:酢酸ェチル =4: 1)により精製し、表題化合物(109. 6mg 、収率 90%)を得た。これを HPLC分析した結果、アンチ体:シン体 = 91 : 9、アンチ 体光学純度 95%eeであった。
[0209] アンチ体:1 H NMR (400MHz, CDC1 /ppm): δ 0. 88 (t, 6H) , 1. 25- 1. 4
0 (m, 59Η) , 1. 43- 1. 58 (m, 2H) , 2. 27 (t, 2H) , 3. 94 (m, 1H) , 4. 23 (m , 2H) , 4. 66 (dd, 1H) , 6. 43 (d, 1H)。
[0210] シン体:1 H NMR (400MHz, CDC1 /ppm): δ 0. 88 (t, 6H) , 1. 25— 1. 40 ( m, 59H) , 1. 43- 1. 58 (m, 2H) , 2. 27 (t, 2H) , 4. 12 (m, 1H) , 4. 23 (m, 2 H) , 4. 66 (dd, 1H) , 6. 15 (d, 1H)。
[0211] [光学純度 HPLC分析条件]
カラム: SUMICHIRAL OA— 4700
カラム温度: 25°C
移動相:へキサン/イソプロパノール = 98/2
流速: 0. 5mレ min
検出波長: 210nm
保持時間:アンチ体 = 16. 6分と 18. 9分、シン体 = 25. 9分と 34. 2分。
[0212] (実施例 17) (2R. 3R)— 2—ォクタデカノィルアミノー 3—ヒドロキシォクタデカン酸 ェチルの製造
RuCl[ (R, R) -TsDPEN] (p— cymene)錯体(11 · 0mg、 0. 03mmol)と実施 例 10と同様の方法で合成した 2—ォクタデカノィルアミノー 3—ォキソォクタデカン酸 ェチノレ(1 · 00g、 1. 64mmol)のクロ口ベンゼン(15· 0ml)溶 ί夜 ίこ、トリエチノレアミン (830mg、 8. 20mmol)とギ酸(227mg、 4. 93mmol)を添カロした。これを 40。Cで 3 日間攪拌した後、反応溶液に水(10mUを加えて、 40°Cにて分液操作を実施し、有 機層を取得した。有機層を全量が 3. l lgとなるまで濃縮した後、 AcOEtを 10mL加
え、再結晶を行い、表題化合物 0. 73gを得た (収率 74%)。アンチ体:シン体 = 100 : 0、アンチ体光学純度 100%eeであった。
[0213] (実施例 18) (2R. 3R)— 2 アミノー 3 ヒドロキシォクタデカン酸ェチル塩酸塩の 製造
実施例 13と同様の方法で合成した(2R, 3R)—2 ァセチルァミノ一 3 ヒドロキシ ォクタデカン酸ェチル(1. 00g、 2. 59mmol)を約 30wt%塩化水素エタノール溶液 に懸濁させ、還流下、 15. 5時間攪拌した。エタノール(10. OmL)を添加後、 26°C まで冷却を行った。析出した固体をろ別により取得し、表題化合物 0. 61gを得た (収 率 62% )。
[0214] :H NMR (400MHZ, DMSO— d6/ppm): δ 1. 16 (t, 3H) , 1. 53— 1. 61 ( m, 29H) , 1. 71 - 1. 79 (m, 2H) , 4. 26 (br, 1H) , 4. 27 (s, 1H)、 4. 44— 4. 59 (m, 2H)、 5. 91 (d, 1H) , 8. 61 (br, 2H)。
[0215] (実施例 19) (2R. 3R)— 2 ォクタデカノィルアミノー 3 ヒドロキシォクタデカン醉 ェチルの製造
実施例 18と同様の方法で合成した(2R, 3R)—2 ァミノ一 3 ヒドロキシォクタデ カン酸ェチノレ塩酸塩(300mg、 0. 79mmol)、トリエチノレアミン(239mg、 2. 37mm ol)の THF (5. OmL)溶 ί夜に、 27。C下、塩ィ匕ステアロイノレ(227mg、 4. 93mmol)を 添加した。これを 60°Cで 3時間攪拌した後、反応溶液に水(5mL)および AcOEt (5 mUを加えて分液操作を実施し、有機層を取得した。有機層を濃縮し、表題化合物 を含む粗生成物 0. 48gを得た (粗収率 100%)。
[0216] (実施例 20) (2S. 3R)— 2 ォクタデカノィルアミノォクタデカン 1 , 3 ジオール の製造
実施例 19と同様の方法で合成した(2R, 3R)—2 ォクタデカノィルァミノ一 3 ヒ ドロキシォクタデカン酸ェチル(150mg、 0. 25mmol)の THF (5. OmU溶液に、 6 0°C下、水素化ホウ素ナトリウム(18. 6mg、 0. 50mmol)を添加した。これを 60°Cで 2. 5時間攪拌した後、反応溶液に水(1. 5mUおよび AcOEt (5mUを加えて分液 操作を実施し、有機層を取得した。有機層を水(1. 5mL X 2回)で洗浄した後、濃縮 を行った。 EtOHから再結晶を行い、表題化合物 76mgを得た(収率 55% )。 HPLC
で分析した結果、アンチ:シン比は 92 : 8であり、アンチ体光学純度 99%eeであった
〇
[0217] :H NMR (400MHz, CDC1— DMSO— d /ppm): δ 0. 88 (t, 3H) , 1. 18—
1. 29 (m, 54H) , 1. 45— 1. 52 (m, 2H) , 1. 61 - 1. 65 (m, 2H) , 2. 22 (dd, 2 H) , 3. 65- 3. 68 (m, 2H)、 3. 81— 3. 93 (m, 1H)、 6. 64 (d, 1H)。
[0218] [光学純度 HPLC分析条件]
カラム: SUMICHIRAL OA— 4700
カラム温度: 25°C
移動相:へキサン/イソプロパノール = 98/2
流速: 1. 0mレ min
検出波長: 210nm
保持時間:アンチ体 = 32. 3分と 37. 1分、シン体 = 19. 1分と 23. 1分。
[0219] (室 列 21) 2 ォクタデカノィルアミノー 3 ォキソォクタデカン酸メチルの製造
実施例 10における N ォクタデカノィルグリシンェチルエステルを N ォクタデカノ ィルグリシンメチルエステルに代えて、実施例 10と同様の方法で実施し、表題化合 物(収率 64%)を得た。
[0220] (実施例 22) (2S. 3R)— 2—ォクタデカノィルアミノォクタデカン一 1. 3 ジオール の 告
実施例 17と同様の方法で合成した(2R, 3R)—2 ォクタデカノィルァミノ一 3 ヒ ドロキシォクタデカン酸ェチル(100mg、 0. 16mmol)、水素化ホウ素ナトリウム(20 . 3mg, 0. 54mmmol)からなる t ブチルメチルエーテル(2mL)懸濁液を 23°C下 、 48時間の攪拌を行った。反応液に水(5mL)を加えたのち、 40°C下で分液し有機 層を分離した。得られた有機層を HPLCで標品と比較分析した結果、表題化合物が 86. 6mg含有されていることが確認された(収率 93%)。 HPLCで分析した結果、ァ ンチ:シン比は 93 : 7であり、アンチ体光学純度 100%eeであった。
[0221] (実施例 23) (2S. 3R)— 2 ォクタデカノィルアミノォクタデカン 1 , 3 ジオール の製造
実施例 22における溶媒を t ブチルメチルエーテルからエタノールに代え、実施例
22と同様の方法で実施し、表題化合物(収率 87%)を得た。 HPLCで分析した結果 、アンチ:シン比は 88 : 12であり、アンチ体光学純度 99%eeであった。
[0222] (実施例 24) (2S. 3R)— 2—ァセチルアミノォクタデカン 1 , 3 ジオールの製造
実施例 14と同様の方法で合成した(2R, 3R)—2 ァセチルァミノ一 3 ヒドロキシ ォクタデカン酸ェチル(68· 9mg、 0. 18mmol)、水素化ホウ素ナトリウム(21 · lmg , 0. 53mmmol)からなるエタノール(3mL)懸濁液を 23°C下、 21時間の攪拌を行つ た。反応液に酢酸ェチルと水を加えた後、 60°C下で 1時間攪拌した。有機層を分離 した後、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒 を減圧留去して、表題化合物が 54. Omg含有されていることが確認された (収率 88 %)。 HPLCで分析した結果、アンチ体光学純度 99%eeであった。
[0223] :H NMR (400MHZ, CDCl— CD OD/ppm) : δ 0. 88 (t, 3H) , 1. 18— 1.
3 3
30 (m, 26H) , 1. 45— 1. 52 (m, 2H) , 2. 03 (s, 3H) , 3. 65— 3. 70 (m, 2H)、 3. 73- 3. 80 (m, 1H)、 3. 85— 3. 95 (m, 1H)、 6. 93 (d, 1H)。
[0224] [光学純度 HPLC分析条件]
カラム: CHIRALPAK AD— H
カラム温度: 25°C
移動相:へキサン/イソプロパノール = 95/5
流速: 0. 5mレ min
検出波長: 210nm
保持時間:アンチ体 = 13. 7分と 18. 4分、シン体 = 11. 2分と 12. 7分。
[0225] (実施例 25) (2S. 3R)— 2 ァセチルアミノォクタデカン 1 , 3 ジオールの製造
水素化ホウ素ナトリウム(38. 2mg, 0. 93mmmol)の THF (0. 3mL)懸濁液を 60 °Cに加熱し、これに実施例 14と同様の方法で合成した(2R, 3R)— 2 ァセチルアミ ノー 3 ヒドロキシォクタデカン酸ェチル(250· lmg, 0. 62mmol)の THF (2. 5mL )溶液を 5. 5時間で滴下した。滴下後さらに 60°Cで 17時間攪拌した。反応液に酢酸 ェチルと水を加えた後、 60°C下で 1時間攪拌した。有機層を分離した後、得られた有 機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して、 表題化合物が 178. 7mg含有されていることが確認された(収率 84%)。 HPLCで分
析した結果、アンチ体光学純度 99%eeであった。
[0226] (実施例 26) (2S. 3R)—2 ォクタデカノィルアミノォクタデカン 1 , 3 ジオール の製造
水素化ホウ素ナトリウム(39· 2mg, 0. 96mmmol)の THF (2mL)懸濁液を 60°C に加熱し、これに実施例 17と同様の方法で合成した(2R, 3R) 2 ォクタデカノィ ノレアミノー 3 ヒドロキシォクタデカン酸ェチル(300· Omg、 0. 49mmol)を 2· 5時 間で添加した。滴下後さらに 60°Cで 24時間攪拌した。反応液に酢酸ェチルと水を加 えた後、 60°C下で 1時間攪拌した。有機層を分離した後、得られた有機層を飽和食 塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して、表題化合物が 2 19. 4mg含有されていることが確認された(収率 78%)。 HPLCで分析した結果、ァ ンチ体:シン体比は 81: 19であり、アンチ体光学純度 99%eeであった。
[0227] (実施例 27) (2S. 3R)—2 ォクタデカノィルアミノォクタデカン一 1. 3 ジオール の 告
水素化ホウ素ナトリウム(271. 9mg, 7. 38mmmol)の THF (15mL)懸濁液に実 施例 17と同様の方法で合成した(2R, 3R)—2 ォクタデカノィルァミノ一 3 ヒドロ キシォクタデカン酸ェチル(1. 50g、 2. 46mmol)を室温下 0. 5時間で添加した。滴 下終了後塩化アルミニウム(984. Omg、 7. 38mmol)を 1時間で添加した。反応液 に水を加えた後、濃塩酸を添加し、系内の pHを 1. 5とし、さらに 50°C下で 1時間攪 拌した。有機層を分離した後、有機層を取得した。有機層を HPLCで標品と比較分 析した結果、表題化合物が 1. 18g含有されていることが確認された (収率 84%)。ま たアンチ体:シン体比は 98: 2であり、アンチ体光学純度は 97%eeであった。
[0228] (実施例 28) (2S. 3R)—2 ォクタデカノィルアミノォクタデカン 1 , 3 ジオール の製造
水素化ホウ素ナトリウム(0· 62g, 16. 34mmmol)の THF (48mL)懸濁液に実施 例 17と同様の方法で合成した(2R, 3R)—2 ォクタデカノィルァミノ一 3 ヒドロキ シォクタデカン酸ェチル(5. 00g、 8. 17mmol)を 0°C下 5時間で添加した。滴下終 了後塩化カルシウム(1. 82g、 16. 40mmol)を 1時間で添加した。反応液に水を加 えた後、濃塩酸と添加し、系内の pHを 1. 5とし、さらに 50°C下で 1時間攪拌した。有
機層を分離した後、有機層を取得した。有機層を HPLCで標品と比較分析した結果 、表題化合物が 4. 41g含有されていることが確認された (収率 95%)。またアンチ体 :シン体 = 98: 2、アンチ体光学純度 99%eeであった。