WO2008010505A1 - Packaging bag with fastener tape - Google Patents

Description

明 細 書

チャックテープ付き包装袋

技術分野

[0001] 本発明は、開封および再封が可能なチャックテープを配設したチャックテープ付き 包装袋に関する。

背景技術

[0002] 食品、薬品、医療品、雑貨等の各種物品を包装するための包装材としては、袋の 開口部に対して雄部材および雌部材より形成されて雌雄咬合する一対の帯状のチヤ ックテープを配設して、力かる咬合状態を開閉自在としたチャックテープ付き包装袋 が適用されている。

また、包装袋内部の気密性や水密性を確保するために、チャックテープよりも内容 物に近!、位置でもヒートシールする方法が特許文献 1に記載されて 、る。

特許文献 1では、対向するフィルム内面に取り付けられたチャックテープの一方の テープ部が内容物側に向かって広幅になっており、この広幅部の一部に肉薄部を形 成している。広幅部は、この肉薄部よりも内容物側の位置で、対向する包装袋内面と シールされ、包装袋を密封している。この包装袋は、チャックテープを開く力で肉薄 部を切ることによって開封する。

[0003] 特許文献 l :WO2004Z050487 A2

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] し力しながら特許文献 1では、肉薄部の切れやすさ（切れ性）力 対向するフィルム とのシール位置やシール形状によって左右され、安定した切れ性を有することが困 難である。

[0005] 本発明の主な目的は、シール条件で開封性が左右されず、開封時にはチャックテ ープを開封する力で肉薄部を容易に切断することができるチャックテープ付き包装袋 を提供することである。

課題を解決するための手段 [0006] 本発明は、一対の雄部材および雌部材が互いに咬合する咬合部と、前記雄部材と 前記雌部材とにそれぞれ連接する帯状基部とを備え、前記帯状基部のうち一方の帯 状基部が他方の帯状基部より内容物側に向力つて広幅とされたシール基部を有する チャックテープが、それぞれ対向する袋体内面に取り付けられ、このシール基部の咬 合部側の面は、互いに対向する一方の袋体内面に接着され、前記シール基部の咬 合部側と反対の面は、互いに対向する他方の袋体内面と実質的に接着されていな いチャックテープ付き包装袋において、前記シール基部には、前記咬合部の長手方 向と略平行に設けられた一条の切断可能な線状部が形成され、前記線状部の内容 物側端縁と、前記線状部の内容物側に設けられたシール部の開口部側端部とが接 しているか、もしくは近接しており、前記シール部と前記線状部との間の寸法力 前 記線状部の長手方向に沿って変化した形状を有して 、ることを特徴として 、る。

[0007] この発明では、シール基部に切断可能な線状部が形成されているので、チャックテ ープ付き包装袋を開封するときに、チャックテープの咬合部を開封する力で線状部 を切断することができる。

し力も、線状部とシール部とが接している力、もしくは近接しているので、チャックテ ープを開 、た時に、袋体の対向する面が線状部の位置で開く方向に屈曲するため、 力が線状部付近にかかり、線状部の位置で容易にかつ安定して切断される。なお、 線状部とシール部とが接している構成のほうが、確実に線状部の位置で袋体の対向 する面が屈曲されるので、より好ましい。

また、シール部と線状部との間の寸法が線状部の長手方向に沿って変化して！/、る ので、チャックテープを開いた際に、シール部と線状部との間の寸法が最も小さい位 置に応力が集中する。シール部と線状部は接している力 もしくは近接していることか ら、応力が線状部付近にも力かるので、線状部の位置で切断されやすくなる。

[0008] 本発明のチャックテープ付き包装袋は、前記線状部の内容物側端縁と、前記シー ル部の開口部側端部との距離は、 3mm以下である構成が好ましい。

線状部の内容物側端縁と、シール部の開口部側端部との距離が 3mmを超えてし まうと、チャックテープを開いた時に線状部の位置で屈曲しないため、切断されにくく なる。 [0009] 本発明のチャックテープ付き包装袋は、前記シール部の形状力 1つ以上の凸状ま たは 1つ以上の波状を有する構成が好ましい。

このようなシール部の形状では、線状部側に向力う突出部が複数形成されることか ら、チャックテープ開封時には、その開封位置に関わらず、シール部のいずれかの突 出部の頂点（開口部側端部）に応力が集中する。線状部の内容物側端縁は、この突 出部の頂点と接している力 もしくは近接しているので、線状部付近にも応力がかか ることによって、線状部が切断されやすくなる。

[0010] 本発明のチャックテープ付き包装袋は、前記シール基部を有する前記帯状基部に おける前記咬合部と前記線状部との距離と、他方の前記帯状基部における前記咬 合部と前記帯状基部の内容物側端部との距離が同じである構成が好ましい。

この発明によれば、シール基部を有する帯状基部の咬合部力 線状部までの長さ と、シール基部を有していない帯状基部の咬合部力 内容物側端部までの長さが同 じであるので、シール基部と対向する包装袋内面とをシールするように重ね合わせる と、シール基部を有しな 、帯状基部の内容物側端部は線状部の位置まで達する。

[0011] したがって、シールバーによってシールするとき、シール部および線状部を含むシ ール基部全体をシールするようにすると、線状部から開口部側では、対向する帯状 基部があるためにシール基部と対向する包装袋内面がシールされない。一方、線状 部よりも内容物側ではシール基部と対向する包装袋内面がシールされる。し力も、線 状部の内容物側端縁までを確実にシールすることができるので、線状部の切れ性に ぉ 、てより高 、効果を得られる。

[0012] 本発明のチャックテープ付き包装袋は、前記シール部の融点が、前記シール部以 外の前記シール基部の融点より低 、ことが好ま 、。

この発明では、シール部を構成する材料の融点力 シール部以外のシール基部を 構成する材料の融点よりも低くなつて ヽるので、シールバーによるシール温度を調整 することによって、低融点のシール部のみをシールすることができる。したがって、線 状部内容物側端縁までを確実にシールすることができるので、線状部の切れ性にお いてより高い効果を得られる。

[0013] 本発明のチャックテープ付き包装袋は、前記線状部の厚さが、前記線状部と隣接 する部分よりも薄くなつて 、る構成が好まし 、。

この発明によれば、線状部が隣接する他の部分よりも薄くなつているので、チャック テープを開いた時に、線状部の位置で袋体が開く方向に屈曲し、線状部に力がかか りやすくなる。したがって、線状部の位置で確実に切断することができる。

[0014] 本発明のチャックテープ付き包装袋は、前記線状部が、前記シール基部の前記線 状部以外の部分とは相溶性の小さ 、榭脂からなる構成が好ま 、。

この発明によれば、線状部と、線状部以外に使用される榭脂が異なっており、しか もそれらの榭脂の相溶性が小さいため、その接合部分は切断されやすい。したがつ て、チャックテープを開封した力で、線状部とシール部の接合面が容易に切断される 図面の簡単な説明

[0015] [図 1]本発明の第一実施形態のチャックテープ付き包装袋を示す正面図。

[図 2]図 1のチャックテープ付き包装袋を示す斜視図。

[図 3]図 1の III III断面図であって、雄部材と雌部材が咬合した状態を示す断面図。

[図 4]前記第一実施形態に使用されるチャックテープを示す断面図。

[図 5]前記第一実施形態のチャックテープ付き包装袋をシールする様子を示す断面 図。

[図 6]前記第一実施形態に使用されるシールバーの形状を示す平面図。

[図 7]図 3のチャックテープの咬合部を開封した状態を示す断面図。

[図 8]図 4の線状部を切断して開封した状態を示す断面図。

[図 9]本発明の第二実施形態に使用されるチャックテープを示す断面図。

[図 10]前記第二実施形態のチャックテープ付き包装袋をシールする様子を示す断面 図。

[図 11]前記第二実施形態に使用されるシールバーの形状を示す平面図。

[図 12]本発明の第三実施形態に使用されるチャックテープを示す断面図。

[図 13]図 12のチャックテープが切断された状態を示す断面図。

符号の説明

[0016] 1…チャックテープ付き包装袋 2…袋体

23…開口咅

3· · ·チャックテープ

31…咬合部

32…雄部材

33…雌部材

321、 331 · · ·帯状基部

35· · ·線状部

36· · ·シーノレ基咅

4…シール部 発明を実施するための最良の形態

[0017] 以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。各実施形態の説明におい て同一符号を付した部材は説明を省略もしくは簡略にする。

[第一実施形態]

まず、本発明の第一実施形態を図 1から図 3に基づいて説明する。

図 1は、本発明の第一実施形態にかかるチャックテープ付き包装袋の正面図、図 2 は図 1の斜視図である。図 3は図 1の III III断面図であって、咬合部が咬合した状態 のチャックテープを、包装袋を構成する袋体に対してシールした状態を示す断面図 である。

[0018] 図 1に示すように、本実施形態のチャックテープ付き包装袋 1は、包材となる基材フ イルム 24を重ね合わせて、その周縁にサイドシール部 21およびトップシール部 22を 形成することによって形成される袋体 2を備えている。

袋体 2の開口部 23の内面には、チャックテープ 3が取り付けられ、このチャックテー プ 3は、一対の雄部材 32および雌部材 33から構成される（図 2)。

図 3にチャックテープ 3の断面構成を示すように、雄部材 32は、袋体 2に対して融着 される帯状基部 321と、断面が略鏃 (やじり）形状の頭部 322、およびこの帯状基部 3 21と頭部 322を連結する連結部 323により一体的に形成される。また、雌部材 33は 、前記した雄部材 32と同様に、袋体 2に対して融着される帯状基部 331と、この帯状 基部 331と連結して形成される断面が円弧形状の第 1のフック部 332および第 2のフ ック部 333からなり、この第 1のフック部 332と第 2のフック部 333は対向するように形 成されている。

[0019] そして、チャックテープ 3は、雄部材 32の頭部 322と雌部材 33の第 1のフック部 3 32および第 2のフック部 333が咬合部 31を形成しており、これらが咬合または離れる ことにより、開封または再封が行われることとなる。

なお、このチャックテープ付き包装袋 1は、図示しない内容物が袋体 2の底方向から 収納された後は、袋体 2の底辺をシールすることにより、密封状態とされる。

[0020] 雌部材 33と一体的に形成されている帯状基部 331は、雄部材 32と一体的に形成 されている帯状基部 321より、袋体 2の内容物側に向かって（図 1および図 3において 下側に）幅広に形成されたシール基部 36を有している。シール基部 36には、咬合部 31の長手方向に平行となるような一条の線状部 35が楔形状に薄く形成されている。 図 4にチャックテープ 3の断面図を示す。帯状基部 331の線状部 35から咬合部 31 までの長さ L2は、帯状基部 321の内容物側端部 321Aから咬合部 31までの長さ L1 と同じになっている。

また、この帯状基部 321, 331は、ともに咬合部 31とは反対側の面を、対向する袋 体 2の内面とシールすることにより、袋体 2に対してチャックテープ 3が固定される。

[0021] 帯状基部 331に形成されたシール基部 36の咬合部 31とは反対側の面 36Aは、対 向する袋体 2の内面とは実質的に融着されていない。一方、シール基部 36の咬合部 31側の面 36Bは、対向する袋体 2の内面にシールされ、シール部 4を形成している。 シール部 4は、線状部 35よりも内容物側に形成され、 2つ以上の凸状または 2っ以 上の波状を有する形状であることが好ましぐ本実施形態では、図 1および図 2に示さ れるように、それぞれ線状部 35側に頂点を有する複数の三角形状部 4Bと、これらの 三角形状部 4Bの底面側における直線状部 4Cとが一体的に形成される。

この三角形状部 4Bの頂点は、シール部 4の開口部側端部 4Aであり、開口部側端 部 4Aと線状部 35の内容物側端縁 35Aとの距離は 3mm以下が好ましいが、本実施 形態では、線状部 35の内容物側端縁 35Aと、シール部 4の開口部側端部 4Aとが接 するように形成される。 [0022] なお、シール部 4は、後述する通り、袋体 2を介してシールバー 5が加熱状態で押 圧された際に形成されるものであり、このシールバー 5の押圧面にはシール部 4の形 状と同じ形状の押圧突起 5Aが長手方向に沿って連続的に形成される（図 6)。

[0023] ここで、本実施形態のチャックテープ 3を構成する雄部材 32は、帯状基部 321と連 続する頭部 322と連結部 323とを、共押出成形法により一体ィ匕して得ることができ、 同様に、雌部材 33も、帯状基部 331と連続する第 1のフック部 332および第 2のフッ ク部 333を、共押出成形法により一体ィ匕して得ることができる。チャックテープ 3をこの ような共押出法により成形すれば、製造工程を簡略ィ匕でき、製造コストを低くでき、チ ャックテープ 3を連続的に安定して製造することができる。

このようなチャックテープ 3の雄部材 32、雌部材 33は、ポリプロピレンで構成されて いる。具体的には、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレ ン（RPP)、プロピレン エチレンーブテン 1ランダム三元共重合体、ポリオレフイン系 特殊軟質榭脂 (TPO榭脂。例えばプライムポリマー TPO)等の熱可塑性榭脂や、こ れらの榭脂を混合した混合物を使用することができる。

[0024] なお、チャックテープ 3を構成する榭脂としてランダムポリプロピレン (RPP)を使用 する場合にあっては、この RPPのメルトフローレート（MFR)は、 0. 5〜20gZlO分 であることが好ましぐ l〜15gZl〇分であることが特に好ましい。ランダムポリプロピ レンの MFRが 0. 5gZlO分より小さいと、帯状基部 321, 331と連続して一体的に形 成される咬合部 31の押出成形性が悪くなる場合があり、一方、 MFRが 20gZlO分 より大きいと、雌部材の第 1のフック部 332,第 2のフック部 333の先端が閉じやすくな つたり、雄部材 32の連結部 323が倒れやすくなつたりするので、再開閉可能な所定 の形状に押し出すことが困難になる場合がある。

[0025] このような構成のチャックテープ 3を、袋体 2を形成する基材フィルム 24に融着させ 、当該基材フィルム 24を製袋化することにより、図 1に示すようなチャックテープ付き 包装袋 1を得ることができる。

ここで、袋体 2を形成する包材である基材フィルム 24としては、基材層 242にシーラ ント層 241を積層した構成の積層フィルムを使用することが好ましいが、要求される性 能に応じて、基材層 242とシーラント層 241との間に、中間層として図示しないガスバ リア一層、遮光層、強度向上層などを積層した構成の積層フィルム層を使用してもよ い。

[0026] 基材層 242には、二軸延伸ポリプロピレンフィルム（OPPフィルム）のほか、ニ軸延 伸ポリエチレンテレフタレートフィルム（PETフィルム）、二軸延伸ポリエチレンナフタレ 一トフイルム（PENフィルム）などの二軸延伸ポリエステルフィルムや、ナイロン 6、ナイ ロン 66、 MXD6 (ポリメタキシリレンアジパミド）などの二軸延伸ポリアミドフィルムなど を好適に使用することができる力 必要に応じて各種エンジニアリングプラスチックフ イルムを使用することもできる。また、これらは単独で使用してもよぐまた、複数を組 み合わせて積層して使用することもできる。

中間層をガスバリアー層とする場合、中間層には、エチレン 酢酸ビニル共重合体 ケン化物（EVOH)、ポリ塩化ビ-リデン（PVDC)、ポリアクリロニトリル（PAN)などの フィルムのほ力、アルミニウム箔、或いは、シリカ、アルミナ、アルミニウムなどの蒸着 層や PVDCの塗膜層を使用することができる。

[0027] また、シリカ、アルミナ、アルミニウムなどの蒸着層や PVDCの塗膜層を使用する場 合は、前記基材層 242の内面に蒸着または塗布して形成してもよぐまた、別の二軸 延伸ナイロンフィルム（ONyフィルム）、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム（ PETフィルム）、二軸延伸ポリプロピレンフィルム（OPPフィルム）などに蒸着または塗 布して形成してぉ 、て、そのフィルムを中間層に積層してもよ!、。

これらのうち、アルミニウム箔とアルミニウム蒸着層は、不透明であるため遮光層を 兼ねることちでさる。

基材層 242と中間層のフィルムの積層には、公知のドライラミネーシヨン法または押 し出しラミネーシヨン法 (サンドイツチラミネーシヨン法)を用いることができる。

[0028] 最内層のシーラント層 241には、ポリプロピレン（CPP)などを使用することができる なお、シーラント層 241の積層は、上記の榭脂をフィルム状に製膜し、ドライラミネ一 シヨン法または押出ラミネーシヨン法で積層してもよぐまた、前記の榭脂を押し出しコ ートして積層することもできる。

[0029] また、本実施形態のチャックテープ付き包装袋 1は、例えば、チャックテープ付け三 方シール製袋機等を用いて簡便に製造することができる。

咬合部 31が咬合されたチャックテープ 3が袋体 2の内面に融着された後、チャック テープ付き包装袋 1のシール基部 36を挟んで互いに対向配置された一対のシール バー 5によってシールされる。

シールバー 5は、近接離隔可能とされており、互いに離反している際にチャックテー プ付き包装袋 1が所定位置に保持される。このとき、シール部 4の形状により、シール バー 5の位置を、シール基部 36、線状部 35、帯状基部 321の一部を含む位置（図 5 )にする力、シール部 4の開口部側端部 4Aが線状部 35の内容物側端縁 35Aに接す る位置のどちらかに配置する。本実施形態では、シール部 4の三角形状部 4Bが頂点 (開口部側端部 4A)を有して 、るので、開口部側端部 4Aが線状部 35の内容物側端 縁 35Aに接する位置にシールバー 5を配置する。

[0030] 一方、シール部 4の形状を凸状とした場合には、凸部の突出部分を線状部 35よりも 開口部側に突き出すように配置できる（図 5)。帯状基部 331の線状部 35から咬合部 31までの長さ L2と、帯状基部 321の内容物側端部 321Aから咬合部 31までの長さ L 1とが同じになっている（図 4)ことから、線状部 35よりも開口部側ではシールされない 。こうすることで、シール部 4の線状部 35の内容物側端縁 35Aの際までを確実にシ 一ノレすることができる。

この状態でシールバー 5が互いに近接すると、一方のシールバー 5が基材フィルム 24を介してシール基部 36に押圧することになり、シール基部 36にシール部 4が形成 される。

[0031] ここで、一方のシールバー 5は、図 6に示されるとおり、シール部 4と同じ連続した波 状の押圧突起 5Aを備えて ヽる。

このようにして、本実施形態では、シール部 4と同じ形状の押圧突起 5Aを有するシ 一ルバ一 5を用いることで、連続した波状のシール部 4を容易に形成することができる なお、融着条件 (温度、圧力等）は、チャックテープ 3、および袋体 2を形成する基材 フィルム 24を構成する榭脂の種類等に応じて適宜決定することができる。

[0032] 次に、図 3、図 7および図 8を用いて本実施形態のチャックテープ付き包装袋 1の開 封の状態を説明する。

図 3の状態では、チャックテープ 3の雄部材 32と雌部材 33は咬合している状態であ り、図 3における咬合部 31の下側（内容物側）にあっては、雄部材 32の帯状基部 32 1より幅広とされた雌部材 33の帯状基部 331におけるシール基部 36の咬合部 31側 の面 36Bと、対向する袋体 2内面とがシールされているため、気密性、水密性が保持 され、例えば搬送途中などにおいてチャックテープ 3の咬合部 31の隙間に液状の内 容物が入り込むこともない。

[0033] また、図 3の構成のチャックテープ付き包装袋 1にあっては、シール基部 36のうち咬 合部 31と反対側の面 36Aについては、対向する袋体 2内面と実質的に接着されて いないため、例えばレトルト処理等により、袋体 2の内容物側に内圧が作用した場合 であっても、応力は図 3における「X」の部分に集中し、内圧が作用しても、シール基 部 36の咬合部 31側の面 36Bと対向する袋体 2内面とが剥離することもなぐ内容物 が漏れ出してしまうこともな!/、。

[0034] 次に、チャックテープ付き包装袋 1から内容物を取り出す場合には、開口部 23を切 断し、チャックテープ 3を開いて咬合部 31の咬合状態を解除すると、シール部 4の開 口部側端部 4Aが線状部 35と接しているため、図 7に示すように、線状部 35の位置 で袋体 2が開く方向に屈曲し、線状部 35に力が力かりやすくなる。

そして、チャックテープ 3を開いた時の力で線状部 35が切断され、チャックテープ付 き包装袋 1が開封される（図 8)。

チャックテープ付き包装袋 1を再封するには、雄部材 32と雌部材 33を咬合させて 咬合部 31を咬合状態とすればよ!ヽ。

[0035] 前記したようなチャックテープ付き包装袋 1によれば、以下に示す作用効果を奏す ることがでさる。

(1)本実施形態のチャックテープ付き包装袋 1は、雌部材 33の帯状基部 331が、雄 部材 32の帯状基部 321より内容物側に向力つて幅広とされたシール基部 36を有し、 シール基部 36の開口部側に隣接して楔形状に形成された線状部 35が形成され、シ ール基部 36と対向する袋体 2の内面とシールされてシール部 4が形成される。線状 部 35の内容物側端縁 35Aと、シール部 4の開口部側端部 4Aとが接し、かつ、線状 部 35が楔形状に薄く形成されるので、チャックテープ 3を開封するとき、線状部 35の 位置で、袋体 2が開くほうに屈曲し、線状部 35に力が力かりやすくなる。したがって、 チャックテープ 3を開封するときの力で、線状部 35を容易に切断することができる。

[0036] (2)また、シール部 4は、連続した波状となっており、線状部 35側に頂点を有した形 状である。したがって、チャックテープ 3を開封したときの力が、この頂点（開口部側端 部 4A)〖こ集中する。開口部側端部 4Aは、線状部 35の内容物側端縁 35Aに接して いるので、線状部 35にも力が力かるため、線状部 35が切断されやすくなる。

[0037] (3)帯状基部 331の線状部 35から咬合部 31までの長さ L2と、帯状基部 321の内容 物側端部 321Aから咬合部 31までの長さ L1とが同じであるので、雄部材 32の帯状 基部 321の内容物側端部 321A力 対向する雌部材 33の線状部 35まで達しており 、シール基部 36を対向する袋体 2の内面とシールするとき、線状部 35よりも開口部 側ではシールされない。

したがって、シール部 4の開口部側端部 4A力 線状部 35の内容物側端縁 35Aの 際まで確実にシールされ、（2)の効果を奏することができる。

[0038] (4)チャックテープ付き包装袋 1は、雌部材 33の帯状基部 331が、雄部材 32の帯状 基部 321より内容物側に向力つて幅広とされたシール基部 36を有しており、シール 基部 36のうち咬合部 31側の面 36B力 対向する袋体 2内面とシールされているため 、気密性、水密性が保持され、チャックテープ 3の咬合部 31の隙間に液状の内容物 が入り込むことを防止することができる。

[0039] (5)シール基部 36のうち咬合部 31と反対側の面 36A力 対向する袋体 2内面と実質 的に接着されていないようにしているので、袋体 2の内容物側に内圧が作用した場合 であっても、シール基部 36の咬合部 31側の面 36Bと対向する袋体 2内面とが剥離 することもなく、内容物が漏れ出してしまうこともない。

従って、このような構成のチャックテープ付き包装袋 1は、気密性'水密性に優れ、 かつ、袋体 2の内容物側に内圧が作用した場合であっても、内容物が漏れ出してし まうこともないため、食品、薬品、医療品、雑貨等の各種物品を包装するために用い るほか、高温によるレトルト殺菌処理にも対応可能なチャックテープ付き包装袋 1とす ることがでさる。 (6)雄部材 32や雌部材 33をポリプロピレンで構成したので、耐熱性を向上できる。

[0040] [第二実施形態]

次に、本発明の第二実施形態を図 9から図 11に基づいて説明する。本実施形態は 、シール基部 36の構成が異なる以外は前述した第一実施形態と同様の構成である ので、説明は省略する。

図 9に示すように、本実施形態では、シール基部 36は、線状部 35よりも開口部側に 位置する帯状基部 331に使用する材料の融点よりも低融点の材料で構成されて ヽる 。例えば、シール基部 36の材料をランダムポリプロピレン (融点 135°C)とし、線状部 35よりも開口部側に位置する帯状基部 331の材料をホモポリプロピレン (融点 160°C )とする。また、本実施形態では、シール部 4の形状は、図 11に示すような連続する 凸状を有した形状である。

[0041] 図 10は、シールバー 5で、シール基部 36と対向する袋体 2の内面とをシールする 様子を示した図である。この場合、シール基部 36、線状部 35および帯状基部 321の 一部を含むようにシールする。このときのシール温度は、例えば、 150°Cとすること力 S できる。

このような形状では、チャックテープ 3を開封したとき、線状部 35側に突出した部分（ 開口部側端部 4A)に力がかかるため、開口部側端部 4Aに接している線状部 35が 切断される。

[0042] このような本実施形態の構成では、前述した第 1実施形態の作用効果（1)〜（6)の ほかに、以下に示す作用効果を奏することができる。

(7)シール基部 36と線状部 35よりも開口部側に位置する帯状基部 331とで融点格 差があるので、シールバー 5の温度を調整することによって、低融点のシール基部 36 のみをシールさせることができる。

また、シール基部 36だけではなぐシール基部 36、線状部 35および帯状基部 321 の一部を含むようにシールすることで、線状部 35の際まで確実にシールすることがで き、線状部 35のより高い切れ性を得ることができる。し力も、シール部 4の凸状である 凸部の開口部側端部 4Aが線状部 35を超える位置に配置されることになり、シール バー 5の位置を厳密に設定しなくてもよいので、シール位置の失敗や手間を省くこと ができる。

[0043] [第三実施形態]

次に、本発明の第三実施形態について説明する。本実施形態は、シール基部 36 の構成が異なる以外は前述した第一実施形態と同様の構成であるので、説明は省 略する。

図 12は、本実施形態にかかるチャックテープ 3の断面図である。

本実施形態では、線状部 35の材料と、線状部 35に隣接するシール基部 36の材料 とが、相溶性の小さ 、異なる材料で構成される。

例えば、シール基部 36にポリプロピレンを使用した場合には、線状部 35には低密 度ポリエチレン (LDPE)を用いることができる。

シール形状は、前述した第二実施形態と同様の形状である（図 11)ので、開封時に は、その力がシール部 4の開口部側端部 4Aに力かるため、開口部側端部 4Aに接す る線状部 35にも力がかかる。したがって、図 13に示すように、相溶性の小さい材料で 形成された線状部 35とシール基部 36の接合面 36Dで切断される。

[0044] このような本実施形態の構成では、前述した第 1実施形態の作用効果（1)〜（6)の ほかに、以下に示す作用効果を奏することができる。

(8)線状部 35に使用する材料は、シール基部 36に使用する材料と相溶性の小さい 材料で構成されるので、線状部 35付近に力が力かると、線状部 35と隣接するシール 基部 36との接合面 36Dで層間剥離しやすい。したがって、チャックテープ 3を開封す るときの力で、線状部 35を容易に切断することができる。

[0045] なお、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなぐ本発明の目的およ び効果を達成できる範囲内での変形や改良力 本発明の内容に含まれるものである ことはいうまでもない。また、本発明を実施する際における具体的な構造および形状 等は、本発明の目的および効果を達成できる範囲内において、他の構造や形状等と しても問題はない。

[0046] 前述した第一実施形態および第二実施形態では、線状部 35の形状を楔形状とし たが、これに限定されず、矩形状や円状のほか、線状部 35と隣接する部分よりも薄く 形成できる形状であればょ ヽ。 [0047] 前記各実施形態では、シール部 4の形状を連続した波状もしくは凸状で示したが、 これらに限定されず、線状部 35側に頂点を有する形状であれば、その具体的な形状 は問わない。

[0048] 前記各実施形態では、シール部 4の開口部側端部 4Aと、線状部 35の内容物側端 縁 35Aとが接する構成を示したが、開口部側端部 4Aと内容物側端縁 35Aとの距離 力 S3mm以内の距離に形成されればよい。

[0049] 前記各実施形態では、チャックテープ 3の雄部材 32と雌部材 33につ 、て、雌部材 33の帯状基部 331を雄部材 32の帯状基部 321より幅広とした態様を示した力 これ には限られず、雄部材 32の帯状基部 321が雌部材 33の帯状基部 331より幅広にな るようにしてシール基部 36を帯状基部 321側に設けてもょ 、。

[0050] 前記各実施形態では、チャックテープ 3を袋体 2の内面に取り付けるに際し、雄部 材 32および雌部材 33の帯状基部 321, 331を袋体 2の内面（シーラント層 241)に 直接シールする（ただし、雌部材 33の帯状基部 331におけるシール基部 36の咬合 部 31側と反対側の面 36Aを除く）態様を示したが、例えば、雄部材 32と雌部材 33の 帯状基部 321, 331にはシール可能な榭脂からなるシール層を設けてもよい。このよ うなシール層を設ければ、チャックテープ 3の袋体 2への取付けが良好に行われるこ とになる（ただし、このシール層も、雌部材 33の帯状基部 331におけるシール基部 3 6の咬合部 31側と反対側の面 36Aには配設する必要はない)。

[0051] 前記各実施形態では、チャックテープ 3が、咬合部 31である雄部材 32の略鏃形状 の頭部 322と、雌部材 33の略円弧形状の第 1のフック部 332および第 2のフック部 3 33が咬合ないしは離れることにより、開封および再封が行われる態様を示した力 咬 合部 31の形状はこれには限定されず、開封および再封の機能を有していれば、雄 部材 32の頭部 322や、雌部材 33の第 1のフック部 332および第 2のフック部 333の 形状や数は任意のものであってょ 、。

実施例 1

[0052] 以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する力 本発明は 実施例等の内容に何ら限定されるものではない。

シール部と線状部との距離、およびシール部の形状による線状部の開封性の官能 評価と開封強度の測定を行った。

[0053] チャックテープは、シール基部にはランダムポリプロピレン (融点 135°C)、線状部よ りも開口部側の帯状基部にはホモポリプロピレン (融点 157°C)を使用し、線状部の 厚みを 30 m、線状部に隣接する部位の厚みを 300 mとした。包装袋の基材フィ ルム 40は、ポリエチレンテレフタレート（PET)：厚み 12 mZナイロン（Ny)；厚み 15 μ m/キャストポリプロピレンフィルム（CPP)：厚み 60 μ mの多層フィルムを使用し、 チャック付け三方シール製袋機を用いて、以下の実施例 1〜3および比較例 1〜4の 条件でサンプルを作製した。サンプルの袋サイズは、幅 200mm X高さ 200mmであ つた o

[0054] [実施例 1]

シール部と線状部との距離： Omm

シールバー形状:波状 (波が連続した形状、図 6参照）

[0055] [実施例 2]

シール部と線状部との距離： 2mm

シールバー形状:波状 (波が連続した形状、図 6参照）

[0056] [実施例 3]

シール部と線状部との距離： Omm

シールバー形状:凸状 (凸状が連続した形状、図 11参照）

[0057] [比較例 1]

シール部と線状部との距離： Omm

シールバー形状:直線

[0058] [比較例 2]

シール部と線状部との距離： 2mm

シールバー形状:直線

[0059] [比較例 3]

シール部と線状部との距離： 4mm

シールバー形状:直線

[0060] [比較例 4] シール部と線状部との距離： 4mm

シールバー形状:波状 (波が連続した形状、図 6参照）

[0061] (シール処理後の開封性評価）

実施例:!〜 3及び比較例 1〜4の条件で作製されたサンプルにつ 、て、線状部の開 封性の官能評価おょぴ開封強度の測定を行った。

開封性の官能評価の判定は以下の通りである。

開封強度は、 JIS Z 0238に準じて、サンプルを 15mmにカットして開口部側のテ ープをチヤッキングし、 180度剥離にて強度を測定した。測定機には、イマダ社製デ ジタルフォースゲージを用いた。

[0062] [開封性の官能評価]

判 定： 内 容

A ：シール位置に関係なく容易に剥離可能

B ：容易に開封可能

C ：抵抗があるがなんとか開封可能

D ：抵抗が大きく開封困難

[0063] [表 1]

表 1の結果より、実施例 1から実施例 3においては開封性、開封強度ともに良好で、 特にシールパー形状が凸状の実施例 3のときが格別に良いことがわかる。

比較例 1から比較例 3では、シール部の形状が直線となっており、開封性が悪ぐ開 封強度が強い。特に比較例 3は、シール部と線状部との距離力 S4mmと長いために、 開封できなかった。比較例 4はシール形状は波状であるが、シール部と線状部の距 離が 4mmと長いために、開封性が悪ぐ開封強度が強い。

産業上の利用可能性

本発明は、例えば、食品、薬品、医療品、雑貨等の各種物品を包装するほか、高 温によるレトルト殺菌処理にも対応可能であるため、特にレトルト食品包装用のチヤッ クテープ付き包装袋として広く利用することができる。

Claims

請求の範囲

[1] 一対の雄部材および雌部材が互いに咬合する咬合部と、前記雄部材と前記雌部 材とにそれぞれ連接する帯状基部とを備え、前記帯状基部のうち一方の帯状基部が 他方の帯状基部より内容物側に向力つて広幅とされたシール基部を有するチャック テープが、それぞれ対向する袋体内面に取り付けられ、このシール基部の咬合部側 の面は、互いに対向する一方の袋体内面に接着され、前記シール基部の咬合部側 と反対の面は、互いに対向する他方の袋体内面と実質的に接着されて 、な 、チヤッ クテープ付き包装袋において、

前記シール基部には、前記咬合部の長手方向と略平行に設けられた一条の切断 可能な線状部が形成され、

前記線状部の内容物側端縁と、前記線状部の内容物側に設けられたシール部の 開口部側端部とが接している力 もしくは近接しており、

前記シール部と前記線状部との間の寸法が、前記線状部の長手方向に沿って変 化した形状を有していることを特徴とするチャックテープ付き包装袋。

[2] 請求項 1に記載のチャックテープ付き包装袋にぉ 、て、

前記線状部の内容物側端縁と、前記シール部の開口部側端部との距離は、 3mm 以下であることを特徴とするチャックテープ付き包装袋。

[3] 請求項 1または請求項 2のいずれかに記載のチャックテープ付き包装袋において、 前記シール部の形状力 1つ以上の凸状または 1つ以上の波状を有することを特徴 とするチャックテープ付き包装袋。

[4] 請求項 1から請求項 3のいずれかに記載のチャックテープ付き包装袋において、 前記シール基部を有する前記帯状基部における前記咬合部と前記線状部との距 離と、他方の前記帯状基部における前記咬合部と前記帯状基部の内容物側端部と の距離が同じであることを特徴とするチャックテープ付き包装袋。

[5] 請求項 1から請求項 4のいずれかに記載のチャックテープ付き包装袋において、 前記シール部の融点が、前記シール部以外の前記シール基部の融点より低 、こと を特徴とするチャックテープ付き包装袋。

[6] 請求項 1から請求項 5のいずれかに記載のチャックテープ付き包装袋において、 前記線状部の厚さが、前記線状部と隣接する部分よりも薄くなつていることを特徴と するチャックテープ付き包装袋。

請求項 1から請求項 5のいずれかに記載のチャックテープ付き包装袋において、 前記線状部が、前記シール基部の前記線状部以外の部分とは相溶性の小さ 、榭 脂からなることを特徴とするチャックテープ付き包装袋。