WO2007135735A1

WO2007135735A1 - 顔認証装置、顔認証方法および顔認証プログラム

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Publication number: WO2007135735A1
Application number: PCT/JP2006/310258
Authority: WO
Inventors: Masao Yamashita; Kazutaka Adachi; Hirofumi Kameyama; Yojiro Kamise; Shunsuke Umaba
Original assignee: Glory Ltd.
Priority date: 2006-05-23
Filing date: 2006-05-23
Publication date: 2007-11-29
Also published as: CA2652092A1; CN101449288A; JPWO2007135735A1; EP2023284A4; US20100246904A1; EP2023284A1

Abstract

　人感センサが認証対象者を検出した際に、照明ユニットが照度センサによって測定された環境光照度を取得し、環境光照度に応じた照明照度をあらわす情報である照度変換情報を用いることによって、環境光照度が低い場合には低い照明照度となるように、また、環境光照度が高い場合には高い照明照度となるように照明照度を決定し、決定した照明照度を発するように光源の照度制御をおこなう。そして、照明ユニットによる照明がおこなわれた状態で顔認証端末が認証対象者の認証をおこなう。

Description

明細書

顔認証装置、顔認証方法および顔認証プログラム

技術分野

[0001] 本発明は、認証対象者の顔を入力画像として撮像し、撮像した入力画像と登録画像とを照合することによって本人認証をおこなう顔認証装置、顔認証方法および顔認証プログラムに関し、特に、認証対象者に不快感を与えることなく様々な環境光のもとで精度良ヽ認証をおこなうことができる顔認証装置、顔認証方法および顔認証プログラムに関する。

背景技術

[0002] 従来から、認証対象者の顔を CCD (Charge Coupled Device)カメラ等で撮像した入力画像とあらかじめ登録されてヽる登録画像とを照合し、本人であることを認証する顔認証装置が知られてヽる。

[0003] このような顔認証装置は、建物への入館チェックに用いるために直射日光が射し込む屋外に設置されたり、建物内部にある部屋への入室チェックに用、るために喑ヽ屋内に設置されたりと、うように、様々な環境光のもとでの利用ニーズが多、。

[0004] しかし、様々な環境光のもとで入力画像を撮像すると、直射日光のもとでは顔に影ができてしまったり、暗い屋内では顔自体が不鮮明になってしまったりするので、入力画像に顔の特徴があらわれに《なる。したがって、入力画像と登録画像との照合精度が低下してしまうという問題が発生する。

[0005] このため、様々な環境光のなかで精度良い顔照合を実現することを目的として、顔認証装置と連動する照明装置を設けることとし、この照明装置が照射する光の強度を制御する手法が提案されている。たとえば、特許文献 1および特許文献 2には、環境光が明るい場所では照明の照度を低くするとともに、環境光が暗い場所では照明の照度を高くすることによって撮像対象の照度を所定の基準値付近に安定化させる照明制御手法が開示されている。

[0006] 特許文献 1 :特開 2005— 92700号公報

特許文献 2 :特開 2005— 165943号公報発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0007] 特許文献 1および特許文献 2の手法は、屋内での実用を目指した手法であり、この手法を適用した屋内装置を屋外に設置すると、周囲が暗い場合には屋内の暗い状態と同じ条件であるため、照明を明るくする制御がおこなわれ、この際にはさほど強い光は必要とされない。しかしながら、周囲が明るい場合には、屋内で想定される最高照度を超えることとなり、照明を OFFにせざるをえない。したがって、顔にできる影を打ち消したり軽減したりすることはできず、良好な顔認証をおこなうことは困難となる

[0008] また、特許文献 1および特許文献 2の手法を屋外装置に適用すると、直射日光下でも顔画像を良好に撮像するために、上記した所定の基準値を屋内に比べて明るく設定する必要がある。このため、周囲が暗い場合には、認証対象者に対して不快感を伴う強い光を照射してしまうことになる。

[0009] これらのことから、認証対象者に不快感を与えることなく様々な環境光のもとで精度良、認証をおこなうことができる顔認証装置を、かにして実現するかが大きな課題となっている。なお、かかる課題は、入力画像を取得する際における課題であるとともに、登録画像を取得する際における課題でもある。

[0010] 本発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、認証対象者に不快感を与えることなく様々な環境光のもとで精度良い認証をおこなうことができる顔認証装置、顔認証方法および顔認証プログラムを提供することを目的とする課題を解決するための手段

[0011] 上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、認証対象者の顔を入力画像として撮像し、前記入力画像と登録画像とを照合することによって本人認証をおこなう顔認証装置であって、環境光による照度を検出する環境光照度検出手段と、前記認証対象者の顔に対して光を照射する照明手段と、前記環境光照度検出手段が検出した環境光による照度が低い場合には前記照明手段による照射光が弱くなるように制御するとともに、前記環境光による照度が高い場合には前記照明手段による照射光が強くなるように制御する照明制御手段とを備えたことを特徴とする。

[0012] また、本発明は、上記の発明において、前記照明制御手段は、前記照明手段による照射光を少なくとも 1000ルクスから 10000ルクスの範囲内において変化させるように制御することを特徴とする。

[0013] また、本発明は、上記の発明において、前記照明制御手段は、前記環境光照度検出手段が検出した環境光による照度が少なくとも 2000ルクスから 20000ルクスの範囲内において、前記照明手段による前記照射光を段階的または連続的に変化させるように制御することを特徴とする。

[0014] また、本発明は、上記の発明において、前記環境光照度検出手段は、人感センサが前記認証対象者を検出したならば前記環境光による照度を検出することを特徴とする。

[0015] また、本発明は、上記の発明において、前記照明手段は、電圧または電流の変化によって照射光の強さを変化させる単一種類の光源力もなることを特徴とする。

[0016] また、本発明は、上記の発明において、前記照明手段は、照射光の強さが異なる複数種類の光源からなり、前記照明制御手段は、前記複数種類の光源を切り替えることによって前記照射光の強さを制御することを特徴とする。

[0017] また、本発明は、上記の発明において、前記照明制御手段は、前記光源に対する電圧または電流を変化させることによって前記照射光の強さを制御することを特徴とする。

[0018] また、本発明は、上記の発明において、前記照明手段は、前記認証対象者の顔を上方力も照射する位置に取り付けられたことを特徴とする。

[0019] また、本発明は、上記の発明において、前記環境光照度検出手段は照度センサであって、前記照明手段の下部に下向きに設けられたことを特徴とする。

[0020] また、本発明は、上記の発明において、前記環境光照度検出手段は、前記入力画像の輝度に基づいて前記環境光による照度を検出することを特徴とする。

[0021] また、本発明は、上記の発明において、前記照明手段によって照射された前記認証者の顔を撮像し、撮像した画像を前記登録画像として登録する登録手段をさらに備えたことを特徴とする。 [0022] また、本発明は、認証対象者の顔を入力画像として撮像し、前記入力画像と登録画像とを照合することによって本人認証をおこなう顔認証方法であって、環境光による照度を検出する環境光照度検出工程と、前記環境光照度検出工程によって検出された前記環境光による照度が低い場合には前記認証対象者の顔に対して光を照射する照明装置の照射光が弱くなるように制御するとともに、前記環境光による照度が高い場合には前記照明装置の照射光が強くなるように制御する照明制御工程とを含んだことを特徴とする。

[0023] また、本発明は、認証対象者の顔を入力画像として撮像し、前記入力画像と登録画像とを照合することによって本人認証をおこなう顔認証プログラムであって、環境光による照度を検出する環境光照度検出手順と、前記環境光照度検出手順によって検出された前記環境光による照度が低、場合には前記認証対象者の顔に対して光を照射する照明装置の照射光が弱くなるように制御するとともに、前記環境光による照度が高い場合には前記照明装置の照射光が強くなるように制御する照明制御手順とをコンピュータに実行させることを特徴とする。

発明の効果

[0024] 本発明によれば、環境光による照度を検出するとともに、認証対象者の顔に対して光を照射し、検出した環境光による照度が低い場合には照射光が弱くなるように制御するとともに、環境光による照度が高い場合には照射光が強くなるように制御することとしたので、顔認証装置のまわりが暗いときは弱い光を照射するとともに、明るいときには強い光を照射することによって環境光の影響を打ち消しまたは軽減しつつ、認証対象者に眩しさを感じさせることなく顔画像を取得することが可能である。したがつて、認証対象者に不快感を与えることなく様々な環境光のもとで良好な顔画像を取得することができると、う効果を奏する。

[0025] また、本発明によれば、照射光を少なくとも 1000ルクスから 10000ルクスの範囲内にお、て変化させるように制御することとしたので、夜間や屋内にぉ、て必要となる認証のための最低照射光照度から、晴天時の屋外において必要となる最高照射高照度までの範囲内で環境光の影響を打ち消しまたは軽減するに足りる照射光を照射することによって認証対象者に不快感を与えることがないという効果を奏する。 [0026] また、本発明によれば、環境光による照度が少なくとも 2000ルクスから 20000ルクスの範囲内において、照射光を段階的または連続的に変化させるように制御することとしたので、夜間や屋内における環境光の照度から、屋外における環境光の照度までの範囲内で認証に耐えうる精度の顔画像を取得することができるという効果を奏する。

[0027] また、本発明によれば、人感センサが認証対象者を検出したならば環境光による照度を検出することとしたので、環境光が変化しやす、場所に設置された場合であっても、認証時における環境光の照度を精度良く取得することができるという効果を奏する。

[0028] また、本発明によれば、電圧または電流の変化によって照射光の強さを変化させる単一種類の光源力もなる照明装置を用いることとしたので、環境光の照度に応じて効率的に照射光を調整することができるという効果を奏する。

[0029] また、本発明によれば、照射光の強さが異なる複数種類の光源力もなる照明装置を用いるとともに、複数種類の光源を切り替えることによって照射光の強さを制御することとしたので、環境光の照度に応じた照明照度を容易に得ることができるという効果を奏する。

[0030] また、本発明によれば、光源に対する電圧または電流を変化させることによって照射光の強さを制御することとしたので、単一種類の光源および複数種類の光源のヽずれの場合であっても、きめ細かい照度調整をおこなうことができるという効果を奏する。

[0031] また、本発明によれば、認証対象者の顔を上方力照射する位置に照明装置を取り付けることとしたので、照明装置が照射する光が認証対象者の目に直接入ることを防止することによって認証対象者に眩しさを感じさせないという効果を奏する。

[0032] また、本発明によれば、照度センサによって環境光の照度を検出するとともに、この照度センサを照明装置の下部に下向きに設けることとしたので、照度センサが直射光を検出することを防止することによって、反射光に基づく環境光の照度を精度良く検出することができると!/、う効果を奏する。

[0033] また、本発明によれば、入力画像の輝度に基づいて環境光による照度を検出することとしたので、環境光による照度を精度良く検出することができるという効果を奏する。

[0034] また、本発明によれば、照明装置によって照射された認証者の顔を撮像し、撮像した画像を登録画像として登録することとしたので、認証時のみならず、顔画像登録時にも環境光の影響を良好に打ち消しまたは軽減することができるという効果を奏する図面の簡単な説明

[0035] [図 1]図 1は、照明照度と環境光照度との関係を示す図である。

[図 2]図 2は、直射日光のもとで撮像した入力画像の例を示す図である。

[図 3]図 3は、本発明に係る顔認証装置の配置例を示す図である。

[図 4]図 4は、実施例 1に係る顔認証装置の構成を示すブロック図である。

[図 5]図 5は、実施例 1に係る照度変換情報の一例を示す図である。

[図 6]図 6は、実施例 1に係る顔認証装置における処理手順を示すフローチャートである。

[図 7]図 7は、実施例 2に係る顔認証装置の構成を示すブロック図である。

[図 8]図 8は、実施例 2に係る照度変換情報の一例を示す図である。

符号の説明

[0036] 1 顔認証装置

10 照明ユニット

11 照度変換情報

12 照明制御部

13 ハロゲンランプ

13a 白熱灯

14 照度センサ

20 顔認証端末

21 顔認証アルゴリズム

22 カメラ

23 人感センサ発明を実施するための最良の形態

[0037] 以下に添付図面を参照して、本発明に係る照明手法を適用した顔認証装置、顔認証方法および顔認証プログラムの好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、まず、本発明に係る照明手法の概要および特徴を説明し、単一種類の光源を用いる場合 (実施例 1)、複数種類の光源を用いる場合 (実施例 2)について、それぞれ説明することにする。

[0038] まず、本発明に係る照明手法の概要および特徴について図 1〜図 3を用いて説明する。図 1は、照明照度と環境光照度との関係を示す図である。同図に示すように、本発明に係る照明手法では、環境光照度が 2000ルクス以下においては照明照度を 1000ルクス程度、環境光照度が 20000ルクス以上にお!、ては照明照度を 10000 ルクス程度とするとともに、環境光照度が 2000ルクス〜 20000ルクスの範囲においては、照明照度を 1000ルクス〜 10000ルクスの範囲で徐々に（連続的あるいは段階的に)変化させる点に主な特徴がある。

[0039] 従来、暗い屋内や夜間（0ルクス）から晴天時の屋外（10万ルクス以上）までのあらゆる環境光の条件下において、良好な顔画像 (環境光による影が許容値以下の顔画像)を取得するためには、物理的な手段 (たとえば、カーテンや遮光板など)で太陽光を遮断することが通常であった。しかし、太陽は移動するため、物理的な手段ではあらゆる方向力の光を遮断できるわけではなぐたとえできたとしても非常に大が力りな装置にならざるをえない。

[0040] また、環境光の照度に合わせて照射光の照度を変化させる手法も存在したが、この従来手法は、屋内での実用を目指した手法であり、環境光の照度が低い (まわりが暗い)場合には、照射光の照度を上げる（照射光を強くする）とともに、環境光の照度が高い (まわりが明るい)場合には、照射光の照度を下げる（照射光を弱くする)ものであった。つまり、この従来手法を用いた場合には、屋外の非常に明るい環境では照明を OFFにする制御がおこなわれることになり、顔にできた影の影響によって良好な顔認証をおこなうことができな、。

[0041] さらに、この従来手法は、撮像対象の照度を所定の基準値付近に安定化させるものであるため、直射日光下でも顔画像を良好に撮像しょうとすると、かかる所定の基準値を屋内に比べて明るく設定する必要がある。このため、周囲が暗い場合には、認証対象者に対して不快感を伴う強い光を照射してしまう。

[0042] そこで、本発明に係る照明手法では、環境光の照度が低い (まわりが暗い)場合には、照射光の照度を下げる（照射光を弱くする）とともに、環境光の照度が高い (まわりが明るい)場合には、照射光の照度を上げる (照射光を強くする)こととした。このように、まわりが暗い場合に弱い照射光を用いるとともに、まわりが明るい場合に強い照射光を用いることができる理由は以下の通りである。

[0043] すなわち、まわりが暗い場合には環境光による影が顔にできにくいので顔を撮像するために必要な最低限の光を照射すれば足りるからであり、逆に、まわりが明るい場合には環境光による影ができやすいので環境光による影を打ち消しまたは軽減するために必要な最低限の光を照射すれば足りる力である。

[0044] なお、図 1では、環境光照度が 2000ルクス〜 20000ルクスの範囲において照明制御をおこなう場合について示したが、かかる範囲外の明るさのときに照明制御をおこなうこととしてもよい。また、図 1では、照明照度を 1000ルクス〜 10000ルクスの範囲内で制御する場合について示したが、かかる範囲外の照度となるように照明制御をおこなうこととしてもよい。

[0045] 図 2は、直射日光のもとで撮像した入力画像の例を示す図である。なお、同図の 10 2aに示したのは、向カゝつて右方向から直射日光 (約 10万ルクス）を受けた場合の顔画像であり、同じく 102bに示したのは 101aと同じ環境において、さらに、上方から約 1万ルクスの照射光をあてた場合の顔画像である。

[0046] 図 2の 102aに示したように、直射日光を受けた顔には強い影ができており、 102a の顔画像では顔認証に用いることはできない。一方、 102bに示したように、上方から照射光をあてた顔からは直射日光による強い影が消されており、 102bの顔画像であれば顔認証に用いることができる。なお、 102bのように上方力も照射光をあてる理由は、照明装置が照射する光が認証対象者の目に直接入ることを防止することによつて認証対象者に眩しさを感じさせなヽためである。

[0047] 次に、本発明に係る照明手法を適用した顔認証装置の配置例について図 3を用いて説明する。図 3は、本発明に係る顔認証装置の配置例を示す図である。なお、図 3 には、顔認証装置 1を屋外に設置した場合の配置例を示してヽる。

[0048] 同図に示すように、顔認証装置 1は、照明ユニット 10と、顔認証端末 20とを備えており、照明ユニット 10の下部には照度センサが下向きに取り付けられている。また、照明ユニットの下方に取り付けられた顔認証端末 20は、カメラと、人感センサとを備えている。そして、照明ユニット 10と顔認証端末 20とは有線または無線によって接続されている。

[0049] このような構成の顔認証装置 1は、顔認証端末 20の人感センサが認証対象者を検知したタイミングで周囲の照度 (環境光の照度）を測定し、測定した環境光の照度に応じた光量で照明ユニット 10を発光させる。そして、顔認証端末 20が、照明ユニット 10によって照射光を照射された認証対象者の顔画像を入力画像として取り込み、取り込んだ入力画像と、あらかじめ登録された登録画像を照合することによって認証対象者の認証をおこなう。

[0050] なお、照明ユニット 10を顔認証端末 20の上方に取り付けるのは、認証対象者の上方力も照射光を照射することによって、照射光が直接、認証対象者の目に入ることを防止するためである。また、照度センサを照明ユニット 10の下部に下向きにとりつけるのは、照度センサが直射光 (たとえば、直射日光や屋内照明の直射光)を検出してしまうことを防止するためである。

[0051] このように、本発明に係る照明手法は、あらゆる環境光の条件下において良好な顔画像を取得するために必要な照射光の強さを制御 (調整)することによって、認証対象者に眩しさを感じさせることなく顔認証をおこなうことができる。以下では、本発明に係る照明手法を適用した顔認証装置についてさらに詳細に説明する。

実施例 1

[0052] 本実施例 1では、図 3に示した照明ユニット 10に、単一種類の光源を用いた顔認証装置 laについて詳細に説明する。まず、この顔認証装置 laの構成について図 4を用いて説明する。図 4は、実施例 1に係る顔認証装置 laの構成を示すブロック図である

[0053] 図 4に示すように、顔認証装置 laは、照明ユニット 10と、顔認証端末 20とを備えており、照明ユニット 10は、照度変換情報 11を記憶するとともに、照明制御部 12と、ハロゲンランプ 13とを備えている。また、照明制御部 12には、照度センサ 14が接続されている。そして、顔認証端末 20は、顔認証アルゴリズム 21を記憶するとともに、この顔認証端末 20には、カメラ 22と、人感センサ 23とが接続されている。

[0054] 照明ユニット 10は、図 3に示した照明ユニット 10に対応するものであり、照度センサ 14が計測した環境光の照度に基づき、最適な照明照度を照度変換情報 11を用いて決定したうえで、照明制御部 12がハロゲンランプ 13に対する印加電圧を調整することで認証対象者の顔に対して照明光を照射する処理をおこなうユニットである。なお、この照明ユニット 10は、人感センサ 23が認証対象者を検出したことを顔認証端末 2 0を介して受け取ったタイミングで、上記したハロゲンランプ 13の点灯処理を実行する。

[0055] 照度変換情報 11は、照度センサ 14が測定した環境光照度と、ハロゲンランプ 13が照射すべき照射光照度との関係をあらわす情報であり、「照度変換テーブル」または「照度変換式」の形式で不揮発性 RAM (Random Access Memory)などの記憶デバイスに記憶される。

[0056] ここで、この照度変換情報 11の一例について図 5を用いて説明する。図 5は、実施例 1に係る照度変換情報 11の一例を示す図である。なお、図 5に示したのは、上記した「照度変換テーブル」の例である。また、図 5では、環境光照度を 4つの範囲に区切り、各範囲内では照明照度を一定とする例について示している。

[0057] 図 5に示すように、たとえば、環境光照度が 2000ルクス以下では、照明ユニット 10 の照明照度は 1000ルクスであり、環境光照度が 2000ルクス〜 5000ルクスでは、照明照度は 2000ルクスである。なお、図 5では、環境光照度の各範囲内では、照明照度を一定とする場合について示したが、環境光照度の増加に伴って照明照度を連続的に増加させたり、段階的に増カロさせたりすることとしてもょ、。

[0058] 照明制御部 12は、顔認証端末 20からの点灯指示を受けたならば、照度センサ 14 が計測した環境光照度を取得するとともに、取得した環境光照度に基づき、最適な照明照度を照度変換情報 11を用いて決定したうえで、ハロゲンランプ 13に対する電圧を調整することによってハロゲンランプ 13の照明照度を制御する処理をおこなう処理部である。なお、本実施例 1では、光源としてハロゲンランプ 13を用いる場合について示したが、光源として LED (Light Emitting Diode)を用いる場合には、 LEDに対する電流を制御することで LEDの照度を調整すればよい。

[0059] ノ、ロゲンランプ 13は、光源の一例であり、照明制御部 12の電圧制御によって照度を変化させる。なお、図 4には、一つのハロゲンランプ 13を示した力複数のハロゲンランプ 13を備えることとし、照明制御部 12は、ハロゲンランプ 13の点灯数を制御することによって照明照度を調整することにしてもよい。また、顔認証装置 laの設置場所に応じてハロゲンランプ 13の種類を変更することとしてもよい。たとえば、設置場所が屋内であれば低出力ハロゲン灯を、屋外であれば高出力ハロゲン灯を、それぞれ用いることがでさる。

[0060] ここで、光源選択のノリエーシヨンについてさらに詳細に説明する。晴天時の屋外は直射光で 10万ルクス程度の照度がある力このような強い光が顔につくる影を打ち消しまたは軽減して顔照合に適した顔画像を得るには、 1万ルクス程度の照射光を発する必要がある。 1万ルクス程度の照射光を発する光源として、たとえば、ハロゲン灯、フラッシュなどを用いることができる。

[0061] 一方、屋内や夜間には、環境光の影響が少ないので、晴天時の屋外で用いる光源のような照度は必要ない。このため、屋内や夜間には、たとえば、白熱灯、クリプトン灯、無電極放電管などを用いることができる。

[0062] また、屋外用および屋内用光源の組合せとしては、たとえば、屋外用光源としてフラッシュを屋内用光源として LEDをそれぞれ用いたり、屋外用光源として高出力ハロゲン灯を屋内用光源として低出力ハロゲン灯をそれぞれ用いたりすることができる。特に、 LEDなどのように光量の少ない光源については、搭載する LEDの数や点灯させる LEDの数を屋内と屋外とで変更するようにすることもできる。

[0063] 照度センサ 14は、照明ユニット 10の下部に下向きに取り付けられ（図 3参照）、顔認証装置 laが設置された場所における環境光の照度を計測するセンサである。また、この照度センサ 14が計測した環境光照度は照明制御部 12に渡される。

[0064] 顔認証端末 20は、あらカゝじめ登録された顔画像である登録画像と、カメラ 22で撮像した認証対象者の顔画像である入力画像とを顔認証アルゴリズム 21で照合することによって認証対象者の本人認証をおこなう装置である。また、この顔認証端末 21は、人感センサ 23が認証対象者を検出した旨を照明ユニット 10に対して通知する処理もあわせておこなう。

[0065] 顔認証アルゴリズム 21は、たとえば、入力画像および登録画像の特徴点を対比し、特徴点の一致度が所定値以上であれば照合成功、一致度が所定値未満であれば照合失敗とするアルゴリズムである。

[0066] カメラ 22は、たとえば、 CCD (Charge Coupled Devices)カメラなどのカメラである。

なお、照明ユニット 10が強い照射光を発することで顔画像が露出オーバーとなる場合があるが、このような場合には、カメラの絞りなどを自動的に調整し、適正な露出状態にあわせて力も顔画像を撮像することになる。

[0067] 人感センサ 23は、顔認証装置 laの前方における所定エリア内に認証対象者が接近したことを検出するセンサであり、この人感センサ 23の出力は、顔認証端末 20を介して照明ユニット 10に伝えられ、光源点灯のトリガとして用いられる。

[0068] 次に、本実施例 1に係る顔認証装置 laにおける処理手順について図 6を用いて説明する。図 6は、実施例 1に係る顔認証装置 laにおける処理手順を示すフローチヤートである。なお、同図には、ドアの施錠機能と連動させた顔認証装置 laにおける処理手順につヽて示してヽる。

[0069] まず、人感センサ 23が認証対象者を検出した旨を顔認証端末 20から通知された照明ユニット 10の照明制御部 12は (ステップ S101, Yes)、照度センサ 14から、環境光照度を取得する (ステップ S102)。なお、人感センサ 23が認証対象者を検出しない場合には (ステップ S101, No)、ステップ S101の判定処理を繰り返す。

[0070] 次に、照明ユニット 10の照明制御部 12は、照度変換情報 11を参照し (ステップ S1 03)、照度センサ 14が測定した環境光照度に応じた照明照度を決定する (ステップ S 104)。そして、照明制御部 12は、ハロゲンランプ 13に印加する電圧を調整することによって所定の照度でハロゲンランプ 13を点灯（照明 ON)させる (ステップ S105)。

[0071] つづヽて、顔認証端末 20は、カメラ 22を介して撮像した入力画像と、あら力じめ登録してお、た登録画像とを顔認証アルゴリズム 21を用いて照合することによって、顔照合処理を実行する (ステップ S106)。そして、認証に成功したならば (ステップ S 10 7, Yes)、ドアの鍵を解錠するとともに (ステップ S108)、照明を消灯（照明 OFF)して (ステップ S 109)処理を終了する。

[0072] 一方、ステップ S107において、認証に失敗した場合には (ステップ S107, No)、リトライ回数が所定の回数 (N回)未満である力否かを判定し (ステップ S 110)、リトライ N回未満であれば (ステップ S110, Yes)、照明照度を変更したうえで (ステップ S11 1)ステップ S 106以降の処理を繰り返す。

[0073] ここで、ステップ S111における照明照度の変更は、照明照度を所定の値だけ増加

(たとえば、 500ルクスずつ増カロ）させることによっておこなう。なお、図 6には、リトライ N回未満の場合に照明照度を変更する場合について示したが、照明照度を変更することなくステップ 106以降の処理を繰り返すこととしてもよい。

[0074] 一方、ステップ S110においてリトライ N回以上であれば (ステップ S110, No)、図示しないディスプレイに認証カ^ジェタトされた旨を表示し (ステップ S112)、照明を消灯（照明 OFF)して (ステップ S109)処理を終了する。なお、ステップ S106における顔画像撮像後に、このステップ S109 (照明 OFF)をおこなうこととしてもよい。

[0075] 上述したように、本実施例 1では、人感センサが認証対象者を検出した際に、照明ユニットが照度センサによって測定された環境光照度を取得し、環境光照度に応じた照明照度をあらわす情報である照度変換情報を用いることによって、環境光照度が低い場合には低い照明照度となるように、また、環境光照度が高い場合には高い照明照度となるように照明照度を決定し、決定した照明照度を発するように光源の照度制御をおこなうこととした。そして、照明ユニットによる照明がおこなわれた状態で顔認証端末が認証対象者の認証をおこなうこととした。したがって、あらゆる環境光の条件下において良好な顔画像を取得するために必要な照明の強さを制御することによつて、認証対象者に眩しさを感じさせることなく顔認証をおこなうことができる。

[0076] なお、上記した実施例 1では、照度センサによって環境光照度を測定する場合につ V、て示したが、カメラで撮像された顔画像の輝度に基づ、て環境光照度を測定することとしてもよい。このようにすることで、たとえば、取得した顔画像にできた影を打ち消しまたは軽減するよう徐々に照明照度を変化させるといったフィードバック制御を容易におこなうことができる。

[0077] また、上記した実施例 1では、単一種類の光源を用いる場合について説明したが、照明性能が異なる複数種類の光源を用いることもできる。そこで、実施例 2では、図 3 に示した照明ユニット 10に、複数種類の光源を用いた顔認証装置 lbについて説明する。なお、以下の実施例 2では、実施例 1との相違点について主に説明し、共通点についての説明は省略する力、または、簡単なものにとどめることにする。

実施例 2

[0078] 図 7は、実施例 2に係る顔認証装置 lbの構成を示すブロック図である。図 7に示すように、顔認証装置 lbは、ハロゲンランプ 13および白熱灯 13aの 2種類の光源が照明制御部 12に接続されている点で実施例 1の顔認証装置 la (図 4参照）と異なる。また、照度変換情報 11として記憶される情報も実施例 1の場合と異なる。ここで、実施例 2に係る照度変換情報 11の例について図 8を用いて説明する。

[0079] 図 8は、実施例 2に係る照度変換情報の一例を示す図である。同図に示すように、実施例 2に係る照度変換情報 11には、環境光照度が 5000未満であれば白熱灯 13 aを、環境光照度が 5000以上であればノ、ロゲンランプ 13をそれぞれ点灯させる旨の情報が含まれている。

[0080] なお、実施例 1に示した電圧変化あるいは電流変化による光源の制御を組み合わせることによって、さらに、きめ細かい照明照度制御をおこなうこととしてもよい。つまり、周囲が暗ければ白熱灯 13aなどの照度の低い光源に切り替え、逆に、周囲が明るければハロゲンランプ 13などの照度の高い照明に切り替えることにカ卩え、中間的な照度を得るために、さらに、電圧制御あるいは電流制御を組み合わせた照度制御をおこなうこととしてもよい。

[0081] このように、本実施例 2によれば、複数種類の光源を切り替えることによって照射光の強さを制御することとしたので、環境光の照度に応じた照明照度を容易に得ることができる。また、電圧制御や電流制御といった照度制御と組み合わせることで、きめ細か、照度制御をおこなうことができる。

[0082] なお、上述した各実施例にお!ヽては、認証対象者を認証する際の照明手法にっヽて主に説明したが、認証対象者の登録画像を撮像する際にも、この照明手法を用いることができる。たとえば、この登録画像の撮像は、図示しない操作部によって通常モード (認証モード)から登録モードへ切り替えた後におこなわれる。 [0083] かかる照明手法を登録モードにおいても用いることで、従来は制約が多かった顔登録時の環境光についても大幅に条件が緩和される。つまり、顔認証装置がどこに設置されていても、力かる照明手法によって照明ユニットを制御し、適切な照度の照明を顔にあてて登録画像を取得することで、あらゆる環境における登録 Z認証が可能となる。

[0084] また、登録時と認証時に使用する光源の種類にっ、ては、必要な照度を確保することができれば特に制限はない。しかし、より精度の高い認証をおこなうためには、同じ色温度の光源を使用することが望ましい。たとえば、屋内での登録時にはクリプトン灯（色温度は 3000K)、屋外での認証時にはハロゲン灯（色温度は 3000K)を使用することで、登録時および認証時における光源の色温度を同じにすることができる。

[0085] また、上記した各実施例では、本発明を実現する顔認証装置を機能面から説明した力顔認証装置の各機能はパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータにプログラムを実行させることによって実現することもできる。

[0086] すなわち、上述した各種の処理手順は、あらかじめ用意されたプログラムをコンビュータ上で実行することによって実現することができる。そして、これらのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。さらに、これらのプログラムは、ハードディスク、フレキシブノレディスク（FD)、 CD— ROM、 MO、 DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されること〖こよって実行することもできる。

産業上の利用可能性

[0087] 以上のように、本発明に係る顔認証装置、顔認証方法および顔認証プログラムは、様々な環境光のもとで顔認証をおこないたい場合に有用であり、特に、認証対象者に不快感を与えることなく顔認証をおこなヽたヽ場合に適して、る。

Claims

請求の範囲

[1] 認証対象者の顔を入力画像として撮像し、前記入力画像と登録画像とを照合することによって本人認証をおこなう顔認証装置であって、

環境光による照度を検出する環境光照度検出手段と、

前記認証対象者の顔に対して光を照射する照明手段と、

前記環境光照度検出手段が検出した環境光による照度が低い場合には前記照明手段による照射光が弱くなるように制御するとともに、前記環境光による照度が高い場合には前記照明手段による照射光が強くなるように制御する照明制御手段とを備えたことを特徴とする顔認証装置。

[2] 前記照明制御手段は、前記照明手段による照射光を少なくとも 1000ルクスから 10 000ルクスの範囲内にお、て変化させるように制御することを特徴とする請求項 1に記載の顔認証装置。

[3] 前記照明制御手段は、前記環境光照度検出手段が検出した環境光による照度が少なくとも 2000ノレタス力ら 20000ノレタスの範囲内において、前記照明手段による前記照射光を段階的または連続的に変化させるように制御することを特徴とする請求項 1または 2に記載の顔認証装置。

[4] 前記環境光照度検出手段は、人感センサが前記認証対象者を検出したならば前記環境光による照度を検出することを特徴とする請求項 1、 2または 3に記載の顔認証装置。

[5] 前記照明手段は、電圧または電流の変化によって照射光の強さを変化させる単一種類の光源力なることを特徴とする請求項 1〜4のいずれか一つに記載の顔認証装置。

[6] 前記照明手段は、照射光の強さが異なる複数種類の光源力なり、

前記照明制御手段は、前記複数種類の光源を切り替えることによって前記照射光の強さを制御することを特徴とする請求項 1〜5のいずれか一つに記載の顔認証装置。

[7] 前記照明制御手段は、前記光源に対する電圧または電流を変化させることによつて前記照射光の強さを制御することを特徴とする請求項 1〜6のいずれか一つに記載の顔認証装置。

[8] 前記照明手段は、前記認証対象者の顔を上方から照射する位置に取り付けられたことを特徴とする請求項 1〜7のいずれか一つに記載の顔認証装置。

[9] 前記環境光照度検出手段は照度センサであって、前記照明手段の下部に下向きに設けられたことを特徴とする請求項 8に記載の顔認証装置。

[10] 前記環境光照度検出手段は、前記入力画像の輝度に基づいて前記環境光による照度を検出することを特徴とする請求項 1〜9のいずれか一つに記載の顔認証装置

[11] 前記照明手段によって照射された前記認証者の顔を撮像し、撮像した画像を前記登録画像として登録する登録手段をさらに備えたことを特徴とする請求項 1〜10のいずれか一つに記載の顔認証装置。

[12] 認証対象者の顔を入力画像として撮像し、前記入力画像と登録画像とを照合することによって本人認証をおこなう顔認証方法であって、

環境光による照度を検出する環境光照度検出工程と、

前記環境光照度検出工程によって検出された前記環境光による照度が低い場合には前記認証対象者の顔に対して光を照射する照明装置の照射光が弱くなるように制御するとともに、前記環境光による照度が高い場合には前記照明装置の照射光が強くなるように制御する照明制御工程と

を含んだことを特徴とする顔認証方法。

[13] 認証対象者の顔を入力画像として撮像し、前記入力画像と登録画像とを照合することによって本人認証をおこなう顔認証プログラムであって、

環境光による照度を検出する環境光照度検出手順と、

前記環境光照度検出手順によって検出された前記環境光による照度が低い場合には前記認証対象者の顔に対して光を照射する照明装置の照射光が弱くなるように制御するとともに、前記環境光による照度が高い場合には前記照明装置の照射光が強くなるように制御する照明制御手順と

をコンピュータに実行させることを特徴とする顔認証プログラム。