明 細 書
表示処理装置、表示処理方法及び表示処理プログラム
技術分野
[0001] 本発明は、ナビゲーシヨン装置等に用いられる表示処理装置、表示処理方法及び 表示処理プログラムに関する。
背景技術
[0002] 例えばナビゲーシヨン装置等においては、地図画面に含まれる地名等の文字や、メ ニュー画面等に含まれる選択肢としての文字列やその他の説明文としての文字列が 、装置内に備わったフォントデータを用いて描画されている。特に、最近のナビゲー シヨン装置は高精細な表示処理を求める傾向にあり、文字表現力の向上や、種々の サイズの文字を使用できることが求められている。
[0003] ところで、このような表示処理を行っている状態で、操作者により画面のスクロール 等の操作がされると、これに対応した高速描画が必要とされる。このようなスクローノレ 時において特別な描画処理を行う手法は、例えば特許文献 1や特許文献 2において 既に提唱されている。
[0004] 特許文献 1に記載の従来技術では、表示データ量が所定の値を越えるか否かに応 じて表示すべき道路および名称を動的に増減させる技術が記載されており、具体的 には、スクロール時などにおいては描画するアイテムの量を削減し、これによつて最 低限でも経路や自車近傍の道路の表示を確保するものである。
[0005] また特許文献 2に記載の従来技術においては、建造物形状地図を表示する案内 装置において特定の条件により家形の描画を制限する技術が記載されており、具体 的には、スクロール時などにおいては家形の表示色を背景色と同じ色に設定する(又 は家形を描画しないようにする)ことによって、スクロール時にも画面が見に《ならな レ、ようにし必要な情報を提供するものである。
[0006] 特許文献 1 :特開 2000— 241176号公報
特許文献 2:特開平 9 292258号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0007] デジタル処理による表示画面では、ドットで描いた絵や文字を拡大したときに、曲線 や斜めの直線が階段のようにギザギザになる現象 (ジャギー)が発生する場合がある 。近年、このジャギーを除去するために、例えば白地に黒文字を表示する場合にそ の中間調であるグレーも利用する(=グレースケール)ことでジャギーを目立たなくす る手法(=アンチエイリアシング)が用いられつつある。このアンチエイリアシングを上 述のナビゲーシヨン装置に適用する場合には、地図の上に描く文字などにおけるグ レースケールにつレ、て、画素毎のグレー値をブレンド比率としてブレンド描画をする ことになる。
[0008] ここで、一般に、ナビゲーシヨン装置等で使用されるグラフィックコントローラは、 lbp pのビットマップを高速にブレンド描画する機能を備えている(「1」の画素はブレンド 描画し、「2」の画素はブレンド比率 0つまり元のままで描画する)が、画素毎にプレン ド比率を持ったブレンド描画を行なうことができなレ、ものが主流である。このため、上 記グレースケールを用いたブレンド描画時には、グレースケールの文字データを、共 通のブレンド比率の画素のみで構成されたグレースケール階調分の個数の lbppの ビットマップデータに分解し、その分解個数と同数だけブレンド描画を行うことになる 。この結果、グレースケールの階調数の大小が描画のパフォーマンスに多大に影響 することとなり、特にスクロール等の高速描画が必要なときには、 CPU,グラフィックコ ントローラの負担を著しく増大させる。
[0009] 上記特許文献 1や特許文献 2に記載の従来技術では、上記のようなグレースケー ルの文字を含む表示処理における高速描画までは特に配慮されておらず、そのまま では適用できない。特に、特許文献 1記載の従来技術ではスクロール時には文字を 完全に描画しない状態としてしまうため、削減された文字情報は完全に欠落する。
[0010] 本発明が解決しょうとする課題には、上記した問題が一例として挙げられる。
課題を解決するための手段
[0011] 上記課題を解決するために、請求項 1記載の発明は、複数の画素からなる文字又 は図像 (シンボルマーク、記号等)を、各画素ごとに所定の階調値により表示手段に 表示させるための表示データを生成して出力する表示処理装置であって、高速描画
処理へ移行するための描画切替信号を入力する描画切替信号入力手段と、前記文 字又は図像に係わる各画素を、対応する前記階調値を 2値化処理した 2値化階調値 によって前記表示手段に表示させるための、高速描画表示データを生成する高速描 画データ生成手段と、前記描画切替信号入力手段で前記描画切替信号が入力され たときに、前記高速描画データ生成手段で生成された前記高速描画表示データを 前記表示手段に出力する高速描画データ出力手段とを有する。
[0012] 上記課題を解決するために、請求項 9記載の発明は、複数の画素からなる文字又 は図像を、各画素ごとに所定の階調値により表示手段に表示させるための表示デー タを生成して出力する表示処理方法であって、高速描画処理へ移行するための描画 切替信号を入力し、前記文字又は図像に係わる各画素を、対応する前記階調値を 2 値化処理した 2値化階調値によって前記表示手段に表示させるための、高速描画表 示データを生成し、前記描画切替信号が入力されたときに、前記生成された前記高 速描画表示データを前記表示手段に出力する。
[0013] 上記課題を解決するために、請求項 10記載の発明は、高速描画処理へ移行する ための描画切替信号を入力し、前記文字又は図像に係わる各画素を、対応する前 記階調値を 2値化処理した 2値化階調値によって前記表示手段に表示させるための 、高速描画表示データを生成することと、前記描画切替信号が入力されたときに、前 記生成された前記高速描画表示データを前記表示手段に出力することを、表示処 理装置に備えられた演算手段に実行させる。
発明を実施するための最良の形態
[0014] 以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
[0015] 本発明の第 1の実施形態を図 1〜図 7により説明する。本実施形態は、フォントデー タとして、画素毎の階調値 (ブレンド比率)で構成されたデータを用いる場合の実施 形態である。
[0016] 図 1は、本実施形態の表示処理装置を有する車両ナビゲーシヨン装置の全体機能 構成を表すブロック図である。
[0017] 図 1において、車両ナビゲーシヨン装置 Sは、 自動車の発進又は停止若しくは加速 時又は減速時における車両に実際に加わる進行方向の加速度を検出し、加速度デ
ータを出力する加速度センサ 1と、自動車の回転時の角速度を検出し、角速度デー タ及び相対方位データを出力する角速度センサ 2と、車輪の回転に対応した車速パ ルス信号を検出する走行距離センサ 3と、 GPS (Global Positioning System)衛 星からの電波を受信して自動車が位置する緯度及び経度等の GPS測位データを出 力すると共に、 自動車の進行方向の絶対方位データを出力する GPS受信器 4とを備 えている。ここで、加速度センサ 1の例としては、静電容量型やピエゾ型等の半導体 加速度センサや、圧電素子型の加速度センサ等の種々の形式のものが挙げられる。
[0018] 更に、ナビゲーシヨン装置 Sは、加速度センサ 1、角速度センサ 2、走行距離センサ
3、及び GPS受信器 4からそれぞれ出力される、加速度データ、相対方位データ、角 速度データ、走行距離データ、 GPS測位データ及び絶対方位データに基づいて、 ナビゲーシヨン装置全体の制御を行うシステムコントローラ 5と、操作者が各種操作入 力を行うためのタツチパネル、キー、スィッチ、ボタン、リモコン等の適宜の操作手段 を備えた入力装置 11と、システムコントローラ 5による制御の下、ハードディスクドライ ブ 24、フラッシュメモリ 23、 DVD— R〇M (DVD Read Only Memory)ディスク DK1、及び CD— ROM (Compact Disk Read Only Memory)ディスク DK2 のうち少なくとも一つから、車線数、道幅等を示す道路データを含む地図データや各 施設の詳細情報を示すデータ等の各種データを読出し、出力する、ハードディスクド ライブ 24、フラッシュメモリ 23、 DVD— ROMドライブ 12a、及び CD— ROMドライブ 12bと、システムコントローラ 5による制御の下、各種表示データを表示する表示ュニ ット 13と、システムコントローラ 5による制御の下、各種音声データを再生し、出力する 音響再生ユニット 18と、 VICS (Vehicle Information and Communication S ystem)に基づく渋滞情報を受信する VICS受信部 22とを備えている。
[0019] システムコントローラ 5は、 GPS受信器 4等の外部センサとのインターフェース動作 を行うインターフェース部 6と、走行距離センサ 3からの車速パルス信号におけるパル ス数を計測することにより自動車の走行距離を算出すると共にシステムコントローラ 5 全体を制御する CPU7と、システムコントローラ 5を制御する制御プログラム等が格納 された R〇M (Read Only Memory) 8と、入力装置 11を介して使用者により予め 設定された経路データ等の各種データを格納する読み書き可能な RAM (Random
Access Memory) 9とを備えている。このシステムコントローラ 5は、入力装置 11、 ハードディスクドライブ 24、フラッシュメモリ 23、 DVD— ROMドライブ 12a、 CD— RO Mドライブ 12b、表示ユニット 13、音響再生ユニット 18、及び VICS受信部 22とは、 バスライン 10を介して接続されてレ、る。
[0020] 表示ユニット 13は、 LCD装置、 CRT表示装置等のディスプレイ 17 (表示手段)と、 このディスプレイ 17に文字又は図像を表示させるための表示データを生成して出力 する本実施形態の表示処理装置 25とを有している。この表示処理装置 25は、 CPU 7と、バスライン 10を介して CPU7から送られる制御データに基づいて表示ユニット 1 3全体の制御を行うグラフィックコントローラ 14と、 VRAM (Video RAM)等のメモリ からなり、文字や図像等の画像情報を読み書き自在に一時的に記憶保持するワーク メモリ 15と、グラフィックコントローラ 14から出力される画像データに基づいて上記デ イスプレイ 17を表示制御する表示制御部 16と、文字又は図像に係わるスケーラブル フォントデータが格納されたフラッシュメモリ 23と、文字又は図像に係わるプレラスタラ ィズビットマップフォントデータが格納されたハードディスク(図示せず)を備えたハー ドディスクドライブ 24等とから構成されている。なお、上記ハードディスクドライブ 24は 、この例ではコネクタ 26により表示処理装置 25 (グラフィックコントローラ 14)に対し着 脱自在に取り付けられている。また、ワークメモリ 15は、上記のようにグラフィックコント ローラ 14のみに接続される形態のほカ グラフィックコントローラ 14の上記 CPUに接 続されたメモリに所定の領域として設ける(ユニファイドアーキテクチャ)形態もある。
[0021] 音響再生ユニット 18は、ハードディスクドライブ 24、フラッシュメモリ 23、 DVD-RO Mドライブ 12a、 CD— ROMドライブ 12b又は RAM9の少なくとも一つ力らバスライン 10を介して送られる音声ディジタルデータの DZA変換を行う D/Aコンバータ 19と 、 DZAコンバータ 19から出力される音声アナログ信号を増幅する増幅器 20と、増 幅された音声アナログ信号を音声に変換して外部出力するスピーカ 21とを備えてい る。
[0022] フラッシュメモリ 23には、この例では、文字又は図像に係わる複数のスケーラブルフ オントデータ SCDが格納されている。このスケーラブルフォントデータとは、文字の軌 跡をベクトルで表したものであり、任意の文字サイズで文字を表示することが可能なフ
オントデータである。なお、上記ではスケーラブルフォントデータを記憶する好適な記 憶媒体としてフラッシュメモリを用いた力 これに限るものではなぐ例えばハードディ スクドライブや、 DVD— ROMドライブ等の外部記憶装置に記憶させるようにしてもよ レ、。
[0023] ハードディスクドライブ 24 (正確にはハードディスクドライブ 24が有する図示しない ハードディスク。以下、 HDD24と記載)には、この例では、文字又は図像に係わる複 数のプレラスタライズビットマップフォントデータ BMPが格納されてレ、る。このプレラス タラィズビットマップフォントデータとは、予めスケーラブルフォントを所望のサイズに 展開しビットマップデータとしたフォントデータである。 HDD24には、所望の文字に 関わる複数のプレラスタライズビットマップフォントデータ BMPがそれぞれ格納されて いる。なお、前述したように、 HDD24はコネクタ 26を介してグラフィックコントローラ 1 4に対し着脱自在に取り付けられている。
[0024] なお、上記ではプレラスタライズビットマップフォントデータを記憶する好適な記憶媒 体として HDDを用いた力 S、これに限るものではなぐ例えばフラッシュメモリや、 DVD ROMドライブ等の外部記憶装置に記憶させるようにしてもよい。
[0025] ワークメモリ 15は、上記フラッシュメモリ 23から読み出されたスケーラブルフォントデ ータ SCD、上記 HDD24から読み出されたプレラスタライズビットマップフォントデー タ BMP等の文字データや、地図等の図像の画像情報を、読み書き自在に一時的に 記憶保持する作業メモリである。このワークメモリ 15は、スケーラブルフォントデータ S CDを常駐 (フラッシュメモリ 23等から読み出されたデータをコピーしてワークメモリ 15 上に一時的に記憶すること。以下同様)させるためのスケーラブルフォントエリア 15A と、 HDD24から読み出されたプレラスタライズビットマップフォントデータ BMPを常駐 させるためのプレラスタライズビットマップフォントエリア 15Bとを有している。
[0026] グラフィックコントローラ 14は、表示対象である文字に該当するフォントデータを、主 としてワークメモリ 15のプレラスタライズビットマップフォントエリア 15Bに常駐するプレ ラスタライズビットマップフォントデータ BMPを用いて描画処理する。詳細には、 lbp pのビットマップをワークメモリ 15上のフレームバッファ等にブレンド描画する機能を持 つている。
[0027] (A)本実施形態の背景となる基本原理
本実施形態の背景となる基本原理を図 2及び図 3を用いて説明する。デジタル処理 による表示画面では、ドットで描いた絵や文字を拡大したときに、曲線や斜めの直線 が階段のようにギザギザになる現象 (ジャギー)が発生する場合がある。このジャギー を除去するためには、例えば白地に黒文字を表示する場合にその中間調であるダレ 一も利用する( =グレースケール)ことでジャギーを目立たなくする手法( =アンチェ ィリアシング)を用いることができる。図 2はその一例を表した説明図であり、この例で は、第 1階調による基本図形のジャギーを除去 (緩和)するために、背景色の第 4階 調との間に、中間色としての第 2階調、第 3階調を (この順で薄くなつてレ、くように)設 け、合計 4階調によるグレースケールを実現している。本実施形態では、上記グレー スケールの固定サイズフォントデータ(又はスケーラブルフォントでプレラスタライズデ ータ)が、画素毎の階調値 (ブレンド比率)で構成されたデータとして、上記フラッシュ メモリ 23又は HDD24に格納されている。そして、それらをグラフィックコントローラ 14 で読み出すとともにそのコピーをワークメモリ 15に設けることで、描画処理を行う。
[0028] 図 3は、上記アンチエイリアシングをナビゲーシヨン装置に適用する場合の一例とし て、図 2に示した構成を地図上にを重ねて表示する場合を表す説明図である。図示 のように、この場合には、地図の上に描く文字などにおけるグレースケールについて 、画素毎のグレー値をブレンド比率としてブレンド描画をすることになる。
[0029] (B)本実施形態の基本挙動
本実施形態では、文字又は図像のフォントデータとして、前述したように、画素毎の 階調値 (ブレンド比率)で構成されたデータを用いる。図 4は、当該フォントデータの 画素ごとの階調値分布の一例を表す説明図である。図 4において、図 2に示した第 1 〜第 4階調の 8 X 8 = 64画素からなるデータを例にとって表しており、図中、第 1階調 を「3」、第 2階調を「2」、第 3階調を「1」、第 4階調を「0」の階調値 (大きいほど色が濃 レ、)で表している。
[0030] そして、本実施形態では、スクロール等の高速描画時におけるグラフィックコント口 ーラ 14の負担を低減するために、上記階調数の低減処理(2値化)を行う。すなわち 、図 5に示すように、階調値にしきい値 (この例では 2)を設け、高速描画時には、この
しきい値以上である画素のみからなる lbppビットマップデータを動的に生成し描画を 行う。なおこのとき、 2のべき乗で境界を設定することで、高速に描画処理を行うことが できる。
[0031] 図 6は、上記図 5で説明した描画処理を実施するために、グラフィックコントローラ 14 により実行される、例えば 1文字等の 1単位分描画するための制御手順を表すフロー チャートである。なお、このフローチャートは、例えば車両ナビゲーシヨン装置 Sの起 動時に開始される。
[0032] 図 6において、まずステップ S110で、操作手段を介した操作によりスクロール等が なされ、これに対応してシステムコントローラ 5から、通常描画から高速描画に移行す るための描画切替信号が入力された力 ^言い換えれば高速描画時であるかどうか)を 判定する。
[0033] 上記描画切替信号が入力されていれば判定が満たされ、ステップ S 120に移る。ス テツプ S120では、ワークメモリ 15にこの時点で格納されている描画対象のフォントデ ータ(例えば上記図 4のような態様)から、上記図 5を用いて説明したように、所定のし きい値以上(図 5の例では階調値 = 2)の画素を抽出した lbppビットマップデータを 生成する。
[0034] その後、ステップ S130において、上記ステップ S120において生成した lbppビット マップデータを表示制御部 16を介しディスプレイ 17に出力して描画を行レ、、このフロ 一を終了する。
[0035] 一方、前述のステップ S110で、通常描画から高速描画に移行するための上記描 画切替信号が入力されていなければ判定が満たされず、ステップ S140に移る。
[0036] ここで、本実施形態のグラフィックコントローラ 14では、一般的なナビゲーシヨン装 置の主流と同様、 lbppのビットマップを高速にブレンド描画する機能を備えているも のの、画素毎にブレンド比率を持ったブレンド描画を行なうことができない場合を想 定している。そこで、このステップ S 140では、ワークメモリ 15にこの時点で格納されて レ、る描画対象のフォントデータ(上記図 4のような態様)を、共通(同一)の階調値を持 つ画素ごとの lbppビットマップデータに分解する。
[0037] この例では、図 4及び図 5を用いて前述したように、階調値 0〜3の 4種類が存在す
るので、階調値 3の第 1階調の画素を含む lbppビットマップデータ、階調値 2の第 2 階調の画素を含む lbppビットマップデータ、階調値 1の第 3階調の画素を含む lbpp ビットマップデータの 3枚のデータに分解生成する。なお、階調値 0の第 4階調の画 素については、何も描画されないため、 lbppビットマップデータは必要なレ、。図 7は、 このときの第 1階調 (階調値 3)のデータ、第 2階調 (階調値 2)のデータ、第 3階調 (階 調値 1)のデータを表す説明図である。
[0038] その後、ステップ S150に移り、上記ステップ S140で生成した各階調の lbppビット マップデータに対しそれぞれ所望のブレンド比を乗じてグレースケールィ匕し、表示制 御部 16を介しディスプレイ 17に出力して描画を行レ、、このフローを終了する。
[0039] 図 8はこのときの挙動を表す説明図であり、図示のように、地図上に、ブレンド比率 が最も低レ、(階調値 1)第 3階調用 lbppビットマップデータをブレンド描画し、さらに、 ブレンド比率が中程度の(階調値 2)第 2階調用 lbppビットマップデータをブレンド描 画し、さらに、ブレンド比率が最も大きい(階調値 3)第 1階調用 lbppビットマップデー タをブレンド描画している。
[0040] 上記ステップ S150が終了したら、このフローを終了する。
[0041] 以上説明したように、本実施形態における表示処理装置 25は、複数の画素からな る文字又は図像を、各画素ごとに所定の階調値により表示手段 (この例ではディスプ レイ 17)に表示させるための表示データを生成して出力する表示処理装置 25であつ て、高速描画処理へ移行するための描画切替信号を入力する描画切替信号入力手 段(この例では図 6に示したフローのステップ S110)と、文字又は図像に係わる各画 素を、対応する階調値を 2値化処理した 2値化階調値によって表示手段 17に表示さ せるための、高速描画表示データを生成する高速描画データ生成手段(この例では 図 6に示したフローのステップ S120)と、描画切替信号入力手段 S110で描画切替 信号が入力されたときに、高速描画データ生成手段 S120で生成された高速描画表 示データを表示手段 17に出力する高速描画データ出力手段 (この例では図 6に示し たフローのステップ S 130とを有することを特徴とする。
[0042] 本実施形態の表示処理装置 25においては、例えば表示手段 17における表示スク ロール等、高速描画処理を行う必要がある場合には、描画切替信号が描画切替信
号入力手段 SI 10で入力される。これに応じて、高速描画表示データが高速描画デ ータ出力手段 S130から表示手段 17に出力されて表示が行われる。この高速描画時 において、例えば共通の階調値を備えた画素からなる階調値別の描画表示データ を複数群用いた場合、階調値の数が多くなるほど描画処理のための演算が増大する 。このため、描画のためのグラフィックコントローラの負担が大きくなる。本実施形態に おいては、高速描画データ生成手段 S 120が、文字又は図像に係わる各画素を対応 する階調値を 2値化処理した 2値化階調値によって表示させる高速描画表示データ を生成し、これを用いて表示手段 17の表示を行う。
[0043] このように、高速描画が必要なときには、階調値を 2値化したデータ(言い換えれば 階調数を減らしたデータ)を用いることにより、グラフィックコントローラの負担を増大さ せることなく迅速な処理を行うことができる。また高速描画が必要なスクロール時等に おいては、もともと視認性が低い。このため、階調値を低減し文字や図像の品質をや や落としても、美観や明確性等の視覚効果の低減は最小限に抑えられる。
[0044] 以上のようにして、グレースケール等複数の階調値を備えた表示データの高速描 画時においても、視覚効果の低減をほとんど招くことなぐ迅速な描画処理を行うこと ができる。
[0045] 本実施形態における表示処理装置 25で実施される表示処理方法は、複数の画素 からなる文字又は図像を、各画素ごとに所定の階調値により表示手段 17に表示させ るための表示データを生成して出力する表示処理方法であって、高速描画処理へ移 行するための描画切替信号を入力し、文字又は図像に係わる各画素を、対応する階 調値を 2値化処理した 2値化階調値によって表示手段 17に表示させるための、高速 描画表示データを生成し、描画切替信号が入力されたときに、生成された高速描画 表示データを表示手段 17に出力することを特徴とする。
[0046] 本実施化形態の表示処理方法においては、例えば表示手段 17における表示スク ロール等、高速描画処理を行う必要がある場合には、描画切替信号が入力される。 これに応じて高速描画表示データが表示手段 17に出力されて表示が行われる。
[0047] この高速描画時にぉレ、て、例えば共通の階調値を備えた画素からなる階調値別の 描画表示データを複数群用いた場合、階調値の数が多くなるほど描画処理のための
演算が増大する。このため、描画のための CPU、グラフィックコントローラの負担が大 きくなる。本実施形態においては、文字又は図像に係わる各画素を対応する階調値 を 2値化処理し、その 2値化階調値によって表示させる高速描画表示データを生成し 、これを用いて表示手段 17の表示を行う。
[0048] このように、高速描画が必要なときには、階調値を 2値化したデータ(言い換えれば 階調数を減らしたデータ)を用いることにより、 CPU,グラフィックコントローラの負担を 増大させることなく迅速な処理を行うことができる。また高速描画が必要なスクロール 時等においては、もともと視認性が低い。このため、階調値を低減し文字や図像の品 質をやや落としても、美観や明確性等の視覚効果の低減は最小限に抑えられる。
[0049] 以上のようにして、グレースケール等複数の階調値を備えた表示データの高速描 画時においても、視覚効果の低減をほとんど招くことなぐ迅速な描画処理を行うこと ができる。
[0050] 本実施形態における表示処理方法を実施するための表示処理プログラムは、高速 描画処理へ移行するための描画切替信号を入力し、文字又は図像に係わる各画素 を、対応する階調値を 2値化処理した 2値化階調値によって表示手段 17に表示させ るための、高速描画表示データを生成することと、描画切替信号が入力されたときに 、生成された高速描画表示データを表示手段 17に出力することを、表示処理装置 2 5に備えられた演算手段(この例では CPU7)に実行させることを特徴とする。
[0051] 本実施化形態の表示処理プログラムを用いた場合、例えば表示手段 17における 表示スクロール等、高速描画処理を行う必要がある場合には、描画切替信号が入力 される。これに応じて高速描画表示データが表示手段 17に出力されて表示が行わ れる。
[0052] この高速描画時にぉレ、て、例えば共通の階調値を備えた画素からなる階調値別の 描画表示データを複数群用いた場合、階調値の数が多くなるほど描画処理のための 演算が増大する。このため、描画のための CPU、グラフィックコントローラの負担が大 きくなる。本実施形態においては、文字又は図像に係わる各画素を対応する階調値 を 2値化処理し、その 2値化階調値によって表示させる高速描画表示データを生成し 、これを用いて表示手段 17の表示を行う。
[0053] このように、高速描画が必要なときには、階調値を 2値化したデータ(言い換えれば 階調数を減らしたデータ)を用いることにより、 CPU,グラフィックコントローラの負担を 増大させることなく迅速な処理を行うことができる。また高速描画が必要なスクロール 時等においては、もともと視認性が低い。このため、階調値を低減し文字や図像の品 質をやや落としても美観や明確性等の視覚効果の低減は最小限に抑えられる。
[0054] 以上のようにして、グレースケール等複数の階調値を備えた表示データの高速描 画時においても、視覚効果の低減をほとんど招くことなぐ迅速な描画処理を行うこと ができる。
[0055] 上記実施形態における表示処理装置 25においては、高速描画データ生成手段 S 120は、文字又は図像を構成する各画素ごとに階調値を備えた画素別階調値デー タに対し、描画切替信号が描画切替信号入力手段 S110に入力された後に、階調値 の所定のしきい値を適用して 2値化処理を行い、高速描画表示データを生成する画 素別階調処理手段(上記ステップ S120)を備えており、高速描画データ出力手段 S 130は、画素別階調処理手段 S120で生成された高速描画表示データを表示手段 1 7に出力することを特徴とする。
[0056] 画素別階調処理手段 S120が、各画素ごとに階調値を備えた画素別階調値データ にしきい値を適用して 2値化処理を行い、高速描画表示データを生成する。このよう にして階調数を減らしたデータを用いることにより、 CPU,グラフィックコントローラの 負担を増大させることなく迅速な処理を行うことができる。
[0057] 上記実施形態における表示処理装置 25においては、高速描画処理へ移行しない 通常時の描画の際、文字又は図像に係わる各画素を表示手段 17に表示させるため の、文字又は図像を構成する複数の画素のうち共通の階調値を備えた画素からなる 階調値別の第 1通常描画表示データを生成する第 1通常描画処理手段 (この例では 図 6のステップ S140)と、この第 1通常描画処理手段 S140で生成された第 1通常描 画表示データを表示手段 17に出力する第 1通常描画データ出力手段 (この例では 図 6のステップ S150)とを有することを特徴とする。
[0058] 高速描画処理へ移行しない通常時には、描画の際に、第 1通常描画処理手段 S1 40で、文字又は図像を構成する複数の画素のうち共通の階調値を備えた画素から
なる階調値別の第 1通常描画表示データを生成する。その生成した第 1通常描画表 示データを、第 1通常描画データ出力手段 S150で表示手段 17に出力する。このよう な構成とすれば、最終的に描画したいグレースケールの文字又は図像データを、グ レースケールの階調分 (階調値 0を除く)の各第 1通常描画表示データとして分解し、 その分解した個数と同数だけブレンド描画を行うことによって(画素毎にブレンド比率 を持ったブレンド描画を行わなくても)描画を行うことができる。
[0059] 本発明の第 2の実施形態を図 9及び図 10により説明する。本実施形態は、同じブレ ンド比率の画素のみで構成された lbppのビットマップをグレースケールの階調数(階 調値 0を除く)と同数だけ用意しておき、それらのデータをフォントデータとして用いる 場合の実施形態である。
[0060] 例えば上記第 1の実施形態において図 2に示した第 1〜第 4階調の 8 X 8 = 64画素 からなる表示データを例にとると、この表示データを描画するために必要なフォントデ ータは、先に図 7を用いて説明したのと同じ、階調値 3の第 1階調の画素を含む lbpp ビットマップデータ、階調値 2の第 2階調の画素を含む lbppビットマップデータ、階調 値 1の第 3階調の画素を含む lbppビットマップデータの 3枚のデータになり、これらの データがワークメモリ 15に格納されている。
[0061] そして、本実施形態では、グラフィックコントローラ 14力 上記 3枚の lbppビットマツ プデータのうち、第 1階調用 lbppビットマップデータ(階調値 3)、第 2階調用 lbppビ ットマップデータ(階調値 2)の 2枚を用いて、予め高速描画用の lbppビットマップデ ータを作成しておく。
[0062] すなわち、図 9に示すように、しきい値 (この例では 2)以上の階調値を備えた複数 の階調 (この例では第 1階調及び第 2階調)用 lbppビットマップデータの論理和(OR )をとつたものを、プレラスタライズデータである高速描画用 lbppビットマップデータと して生成しておく。またこのとき併せて、第 2階調用 lbppビットマップデータの論理否 定 (NOT)をとつたもの(=第 1、第 2階調生成用 lbppビットマップデータ)と、前述の 3枚のうちの 1枚である第 3階調用 lbppビットマップデータ(階調値 1)とを、通常時描 画用のプレラスタライズデータとして生成しておく。これら 3つの予め生成されたプレラ スタライズデータは、それぞれワークメモリ 15に格納しておく。
[0063] このように 3つのプレラスタライズデータを予め生成しておく。これにより、通常時の 描画の際に、まず第 1階調用 lbppビットマップデータについては、図 9の右側上段に 示す前述の高速描画用 lbppビットマップデータと、中段に示す前述の第 1、第 2階 調生成用 lbppビットマップデータとの論理積 (AND)をとることで生成することができ る。また、第 2階調用 lbppビットマップデータについては、上記第 1、第 2階調生成用 lbppビットマップデータの論理否定 (NOT)を取ることで生成することができる。
[0064] 図 10は、上記図 9で説明した描画処理を実施するために、グラフィックコントローラ 1 4により実行される、例えば 1文字等の 1単位分描画するための制御手順を表すフ口 一チャートである。なお、このフローチャートは、例えば車両ナビゲーシヨン装置 Sの 起動時に開始される。
[0065] 図 10において、まずステップ S210は、先の第 1の実施形態において説明した図 6 のステップ S110と同様である。すなわち、操作手段を介した操作によりスクロール等 がなされ、これに対応して、システムコントローラ 5から、通常描画から高速描画に移 行するための描画切替信号が入力された力 言い換えれば高速描画時であるかどう か、を判定する。
[0066] 上記描画切替信号が入力されていれば判定が満たされ、ステップ S220に移る。ス テツプ S220では、ワークメモリ 15にこの時点で格納されている前述の高速描画用 lb ppビットマップデータ(図 9の右側上段参照)を表示制御部 16を介しディスプレイ 17 に出力して描画を行レ、、このフローを終了する。
[0067] 一方、前述のステップ S210で、通常描画から高速描画に移行するための上記描 画切替信号が入力されていなければ判定が満たされず、ステップ S230に移る。
[0068] ステップ S230では、先に説明したように、上記高速描画用 lbppビットマップデータ と上記第 1、第 2階調生成用 lbppビットマップデータ(図 9の右側中段参照)との論理 積 (AND)により第 1階調用 lbppビットマップデータを生成する。また、上記第 1、第 2階調生成用 lbppビットマップデータの論理否定 (NOT)により第 2階調用 lbppビッ トマップデータを生成する。
[0069] その後、ステップ S240に移り、上記ステップ S140で生成した第 1階調用 lbppビッ トマップデータ及び上記第 2階調用 lbppビットマップデータと、予めワークメモリ 15に
保持されていた第 3階調用 lbppビットマップデータとのそれぞれに対し、それぞれ所 望のブレンド比を乗じてグレースケール化する。そして、表示制御部 16を介しディス プレイ 17に出力して描画を行う。このときの挙動は、先に図 8を用いて説明したものと 同様であり、詳細な説明を省略する。
[0070] 上記ステップ S240が終了したら、このフローを終了する。
[0071] 以上説明したように、本実施形態における表示処理装置 25は、複数の画素からな る文字又は図像を、各画素ごとに所定の階調値により表示手段(この例ではディスプ レイ 17)に表示させるための表示データを生成して出力する表示処理装置 25であつ て、高速描画処理へ移行するための描画切替信号を入力する描画切替信号入力手 段(この例では図 10に示したフローのステップ S210)と、文字又は図像に係わる各 画素を、対応する階調値を 2値化処理した 2値化階調値によって表示手段 17に表示 させるための、高速描画表示データを生成する高速描画データ生成手段(この例で は図 9の右側上段の lbppビットマップデータデータを予め生成しておくことが相当)と 、描画切替信号入力手段 S210で描画切替信号が入力されたときに、高速描画デー タ生成手段で生成された高速描画表示データを表示手段 17に出力する高速描画 データ出力手段(この例では図 10に示したフローのステップ S220とを有することを特 徴とする。
[0072] 本実施形態の表示処理装置 25においては、例えば表示手段 17における表示スク ロール等、高速描画処理を行う必要がある場合には、描画切替信号が描画切替信 号入力手段 S210で入力される。そしてこれに応じて高速描画表示データが高速描 画データ出力手段 S220から表示手段 17に出力され、表示が行われる。この高速描 画時にぉレ、て、例えば共通の階調値を備えた画素からなる階調値別の描画表示デ ータを複数群用いた場合、階調値の数が多くなるほど描画処理のための演算が増大 する。このため、描画のためのグラフィックコントローラの負担が大きくなる。本実施形 態においては、高速描画データ生成手段が、文字又は図像に係わる各画素を対応 する階調値を 2値化処理した 2値化階調値によって表示させる高速描画表示データ を生成し、これを用いて表示手段 17の表示を行う。
[0073] このように、高速描画が必要なときには、階調値を 2値化したデータ(言い換えれば
階調数を減らしたデータ)を用いることにより、グラフィックコントローラの負担を増大さ せることなぐ迅速な処理を行うことができる。また高速描画が必要なスクロール時等 においては、もともと視認性が低い。このため、階調値を低減し文字や図像の品質を やや落としても、美観や明確性等の視覚効果の低減は最小限に抑えられる。
[0074] 以上のようにして、グレースケール等複数の階調値を備えた表示データの高速描 画時においても、視覚効果の低減をほとんど招くことなぐ迅速な描画処理を行うこと ができる。
[0075] 上記実施形態における表示処理装置 25においては、高速描画データ生成手段は 、文字又は図像を構成する複数の画素のうち共通の階調値を備えた画素からなる階 調値別画素データに基づき、描画切替信号が前記描画切替信号入力手段 S210に 入力される前に、予め高速描画表示データを生成する階調別画素処理手段 (この例 では図 9の右側上段の lbppビットマップデータデータを予め生成しておくことが相当 )を備え、高速描画データ出力手段 S220は、描画切替信号が描画切替信号入力手 段 S210に入力された後に、階調別画素処理手段で生成された高速描画表示デー タを表示手段に出力することを特徴とする。
[0076] 階調別画素処理手段が、複数の画素のうち共通の階調値を備えた画素からなる階 調値別画素データに基づき(上記の例では論理式によって)高速描画表示データを 予め生成しておく。これにより、描画切替信号が入力された後、高速描画データ出力 手段 S220は、上記階調値別画素データに基づく階調数を減らした高速描画表示デ ータを表示手段 17へ出力することが可能となる。これにより、 CPU,グラフィックコント ローラの負担を増大させることなく迅速な処理を行うことができる。
[0077] 上記実施形態における表示処理装置 25においては、高速描画処理へ移行しない 通常時において、文字又は図像に係わる各画素を表示手段 17に表示させるための 、第 2通常描画表示データ(図 9の左側上 ·中 ·下段に示した「第 1階調用 lbppビット マップデータ」「第 2階調用 lbppビットマップデータ」「第 3階調用 lbppビットマップデ 一タ」)を表示手段 17に出力する第 2通常描画データ出力手段(この例では図 10の フローのステップ S240)を有することを特徴とする。
[0078] 高速描画処理へ移行しない通常時に、第 2通常描画データ出力手段 S240で第 2
通常描画表示データを表示手段 17に出力することで、描画を行うことができる。
[0079] 上記実施形態における表示処理装置 25においては、高速描画処理へ移行しない 通常時の描画の際、高速描画表示データ(図 9の右側上段に示した「高速描画用 lb ppビットマップデータ」 )に基づき第 2通常描画表示データを生成する第 2通常描画 処理手段(この例では図 10のフローに示す S230)を有することを特徴とする。
[0080] 高速描画処理へ移行しない通常時には、描画の際に、予め階調別画素処理手段 で階調別画素データに応じ作成された高速描画表示データに基づき、第 2通常描画 処理手段 S230が、第 2通常描画表示データを生成する。その生成した第 2通常描 画表示データを、第 2通常描画データ出力手段 S240が表示手段 17に出力する。こ のように、通常描画時に既に作成されてレ、る高速描画表示データを用いるようにする ことで、最終的に描画したいグレースケールの文字又は図像データを(画素毎にブレ ンド比率を持ったブレンド描画を行わなくても)簡単な演算処理のみで描画すること ができる。
[0081] 本発明の第 3の実施形態を図 11〜図 13により説明する。本実施形態は、上記第 2 実施形態をさらに発展させて描画処理のさらなる迅速化を図る場合の実施形態であ る。
[0082] 前述と同様に図 2の第 1〜第 4階調の 8 X 8 = 64画素からなる表示データを例にと る。この場合、本実施形態においても、この表示データを描画するために必要なフォ ントデータは、第 1階調用 lbppビットマップデータ(階調値 3)、第 2階調用 lbppビット マップデータ(階調値 2)、第 3階調用 lbppビットマップデータ(階調値 1)の 3枚のデ ータになり、これらのデータがワークメモリ 15に格納されている。
[0083] そして、本実施形態では、グラフィックコントローラ 14が、第 1階調用 lbppビットマツ プデータ(階調値 3)、第 2階調用 lbppビットマップデータ(階調値 2)、第 3階調用 lb ppビットマップデータ(階調値 1)の 3枚を用いて、各階調の階調値以上の階調値を 備えた全ての lbppビットマップデータ(階調値包括画素データ)をプレラスタライズデ ータとして生成しておく。すなわちこの例では、図 11に示すように、「第 1階調の階調 値以上の階調値( = 3)を備えた第 1階調用 lbppビットマップデータ (第 1階調用包括 lbppビットマップデータ)」「第 2階調の階調値以上の階調値( = 2, 3)を備えた第 1、
第 2階調用 lbppビットマップデータ(第 2階調用包括 lbppビットマップデータ)」「第 3 階調の階調値以上の階調値( = 1 , 2, 3)を備えた第 1、第 2、第 3階調用 lbppビット マップデータ(第 3階調用包括 lbppビットマップデータ)」の 3つを生成する。そのうち 「第 1、第 2階調用 lbppビットマップデータ」を高速描画用の lbppビットマップデータ として生成し、それぞれワークメモリ 15に格納しておく。
[0084] なお、「第 2階調の階調値以上の階調値を備えた第 1、第 2階調用 lbppビットマップ データ(第 2階調用包括 lbppビットマップデータ)」は、上述のように、第 2階調の階 調値以上の階調値( = 2, 3)、すなわち第 2階調の階調値 2を備えたデータと第 1階 調の階調値 3を備えたデータとの両方を包括的に含むという意味で第 2階調用包括 1 bppビットマップデータと称しているものである。但しこの場合、先の図 9右側の上段 に示した「高速描画用 lbppビットマップデータ」と実質同一である。
[0085] 図 12は、上述した描画処理を実施するために、グラフィックコントローラ 14により実 行される、例えば 1文字等の 1単位分描画するための制御手順を表すフローチャート である。なお、このフローチャートは、例えば車両ナビゲーシヨン装置 Sの起動時に開 始される。
[0086] 図 12において、まずステップ S310で、先の第 1及び第 2の実施形態の図 6のステツ プ S110や図 10のステップ S210と同様の手順を行う。すなわち、操作手段を介した 操作によりスクロール等がなされ、これに対応してシステムコントローラ 5から、通常描 画から高速描画に移行するための描画切替信号が入力された力 言い換えれば高 速描画時であるかどうか)を判定する。
[0087] 上記描画切替信号が入力されていれば判定が満たされ、ステップ S320に移る。ス テツプ S320では、図 10のステップ S220と同様の手順を行う。すなわち、ワークメモリ 15にこの時点で格納されている前述の高速描画用 lbppビットマップデータ(図 11の 右側中段参照)を、表示制御部 16を介して、ディスプレイ 17に出力して描画を行レ、、 このフローを終了する。
[0088] 一方、前述のステップ S310で、通常描画から高速描画に移行するための上記描 画切替信号が入力されていなければ判定が満たされず、ステップ S330に移る。
[0089] ステップ S330では、先に説明したようにして予めワークメモリ 15に保持されていた
第 3階調用包括 lbppビットマップデータ(=第 1階調用 lbppビットマップデータ、第 2 階調用 lbppビットマップデータ、第 3階調用 lbppビットマップデータの論理和に等し レ、)に対し、第 3階調用の通常のブレンド比(B3)を乗じてグレースケールィ匕する。そ してこのデータを、表示制御部 16を介してディスプレイ 17に出力し、描画を行う。図 1 3 (a)〜(d)はこれ以降のブレンド描画挙動を表す説明図であり、このステップ S330 には図 13 (b)が対応してレ、る。
[0090] その後、ステップ S340に移り、先に説明したようにして予めワークメモリ 15に保持さ れてレ、た第 2階調用包括 lbppビットマップデータ( =第 1階調用 lbppビットマップデ ータ、第 2階調用 lbppビットマップデータの論理和に等しい)に対し、上記 B3と第 2 階調用の通常のブレンド比(B2)により変更されたブレンド比(B2' )を乗じてグレー スケール化する。そしてこのデータを、表示制御部 16を介してディスプレイ 17に出力 し、描画を行う(図 13 (c)参照)。
[0091] その後、ステップ S350に移り、先に説明したようにして予めワークメモリ 15に保持さ れてレヽた第 1階調用包括 lbppビットマップデータ(=この例では第 1階調用 lbppビッ トマップデータそのものに等しい)に対し、上記 と第 1階調用の通常のブレンド 比(B1)により変更されたブレンド比(B )を乗じてグレースケール化する。そしてこ のデータを、表示制御部 16を介してディスプレイ 17に出力し、描画を行う(図 13 (d) 参照)。
[0092] 上記ステップ S350が終了したら、このフローを終了する。
[0093] なお、本実施形態では、上記ステップ S330、ステップ S340、ステップ S350におけ るブレンド比を適宜調整することにより、 (各階調のデータ生成のための計算を行なう ことなく)所望の画像が得られ、更なる高速化を図ることができる。このときのブレンド 比率は、例えば以下のようにして算出することができる。
[0094] すなわち、階調 nの描画前の画素の色を Cd、階調 nのブレンド比率を B、階調 n_l (
11 11
nの上位)の階調 nの描画前の画素の色を Cd 、ブレンド比率を B 、文字描画色を C n-l n-1
s、文字描画前の画素の色を Cdとすると、任意の階調の nの画素は以下の計算式で 表される色にならなければならない。
[0095] Cd =Cd(l-B )+Cs' B、(階調 nの画素) …(式:!)
n n n
[0096] ここで、図 13の最低階調 N (この例では N = 3)の第 N階調用包括 lbppデータの描 画は以下の計算式で行なわれる。
[0097] Cd =Cd(l-B )+Cs ' B (" 1 "の画素) …(式 3)
N N N
Cd =Cd ("0"の画素)
N
[0098] 次に階調 N_ lの描画を考える。この場合、階調 Nを描画するための上記 N階調用 包括 lbppビットマップデータは、階調 N—1の画素を含んでしまっている。このため、 階調 N—1を描画する段階では、階調 Nの描画で既にブレンド比率 BNでブレンドさ れた状態になってしまっている。したがって、最低階調 Nの次の階調、第 N—1階調 用包括 lbppデータの描画は、ブレンド比率を調整 (B ' )しなければならない。この
N-1
ブレンド描画は以下の計算式で行なわれる。
[0099] Cd =Cd (1-B ' )+Cs -B ' (" 1"の画素) …(式 4)
N-1 N N-1 N-1
Cd =Cd ("0"の画素)
N-1 N
なお B 'は、以下の要領で計算される。
N-1
[0100] (式 3)、(式 4)力 、
Cd ={Cd(l-B )+Cs- B }(1-B ' )+Cs- B ' (第 N— 1階調用包括 lbppデータで" 1
N-1 N N N-1 N-1
"の画素)…(式 5)
[0101] また、 (式 1)から、
Cd =Cd(l-B )+Cs- B …(式 6)
N-1 N-1 N-1
[0102] (式 5)、(式 6)から、
Β ' =(Β -Β ) /(1-Β ) …(式 7)
N-1 N-1 Ν Ν
となる。
[0103] つまり、階調 Ν_ 1の画素が、階調 Νの描画で既にブレンド描画されていても、第 Ν - 1階調用包括 lbppデータを (式 7)で計算される B 'でブレンド描画することにより
N-1
、所望のブレンド比率(B )での描画結果が得られることがわかる。
N
[0104] 次に任意の階調 n_ lについて考える。任意の階調 n_ lのデータは上述の通り階 調 nの画素を含んでしまっているので、階調 n_ lの描画する段階では、階調 nの描画 で既にブレンド比率 Bでブレンドされた状態になってしまっている。したがって、任意 の第 n_ 1階調用包括 lbppデータの描画は、ブレンド比率を調整(B ' )しなければ
ならなレ、。ブレンド描画は以下の計算式で行なわれる。
[0105] Cd =Cd (1-B ' )+Cs- B ' (第 n— 1階調用包括 lbppデータで "1"の画素) · · ·(
n-1 n n-1 n~l
式 8)
Cd =Cd ("0"の画素)
n-1 n
なお B 'は、以下の要領で計算される。
n-1
[0106] (式 1)から、
Cd =Cd(l-B )+Cs- B、(階調 nの画素) …(式 9)
n n n
(式 8)、(式 9)から、
Cd ={Cd(l-B )+Cs -B }(l-B ' )+Cs- B , …(式 10)
11 - 1 n n n-1 n-1
また、 (式 1)から、
Cd =Cd(l-B )+Cs -B 、(階調 nの画素) …(式 11)
11 - 1 11 - 1 n-1
(式 10)、(式 11)から、
B ' =(Β -Β ) /(1-Β ) (式 12)
11 - 1 n-1 η η
となる。
[0107] 以上により、階調 η— 1の画素が、階調 ηの描画で既にブレンド描画されていても、 第 η— 1階調用包括 lbppデータを (式 12)で計算される Β 'でブレンド描画すること
n-1
により、所望のブレンド比率 (B )での描画結果が得られることがわかる。
n
[0108] 以上説明したように、本実施形態における表示処理装置 25は、複数の画素からな る文字又は図像を、各画素ごとに所定の階調値により表示手段 (この例ではディスプ レイ 17)に表示させるための表示データを生成して出力する表示処理装置 25であつ て、高速描画処理へ移行するための描画切替信号を入力する描画切替信号入力手 段(この例では図 12に示したフローのステップ S310)と、文字又は図像に係わる各 画素を、対応する階調値を 2値化処理した 2値化階調値によって表示手段 17に表示 させるための、高速描画表示データを生成する高速描画データ生成手段(この例で は図 12の右側中段の lbppビットマップデータデータを予め生成しておくことが相当) と、描画切替信号入力手段 S310で描画切替信号が入力されたときに、高速描画デ ータ生成手段で生成された高速描画表示データを表示手段 17に出力する高速描 画データ出力手段(この例では図 12に示したフローのステップ S320とを有することを
特徴とする。
[0109] 本実施形態の表示処理装置 25においては、例えば表示手段 17における表示スク ロール等、高速描画処理を行う必要がある場合には、描画切替信号が描画切替信 号入力手段 S310で入力される。これに応じて高速描画表示データが、高速描画デ ータ出力手段 S320から表示手段 17に出力され、表示が行われる。この高速描画時 におレ、て、例えば共通の階調値を備えた画素からなる階調値別の描画表示データ を複数群用いた場合、階調値の数が多くなるほど描画処理のための演算が増大する 。このため、描画のためのグラフィックコントローラの負担が大きくなる。本実施形態に おいては、高速描画データ生成手段が、文字又は図像に係わる各画素を対応する 階調値を 2値化処理した 2値化階調値によって表示させる高速描画表示データを生 成し、これを用いて表示手段 17の表示を行う。
[0110] このように、高速描画が必要なときには、階調値を 2値化したデータ(言い換えれば 階調数を減らしたデータ)を用いる。これにより、グラフィックコントローラの負担を増大 させることなく迅速な処理を行うことができる。また高速描画が必要なスクロール時等 においては、もともと視認性が低いため、階調値を低減し文字や図像の品質をやや 落としても、美観や明確性等の視覚効果の低減は最小限に抑えられる。
[0111] 以上のようにして、グレースケール等複数の階調値を備えた表示データの高速描 画時においても、視覚効果の低減をほとんど招くことなぐ迅速な描画処理を行うこと ができる。
[0112] 上記実施形態における表示処理装置 25においては、高速描画データ生成手段は 、文字又は図像を構成する複数の画素のうち共通の階調値を備えた画素からなる階 調値別画素データに基づき、描画切替信号が前記描画切替信号入力手段 S310に 入力される前に、予め高速描画表示データを生成する階調別画素処理手段 (この例 では図 11の右側中段の第 2階調用包括 lbppビットマップデータデータを予め生成し ておくことが相当)を備え、高速描画データ出力手段 320は、描画切替信号が描画 切替信号入力手段 S310に入力された後に、階調別画素処理手段で生成された高 速描画表示データを表示手段 17に出力することを特徴とする。
[0113] 階調別画素処理手段が、複数の画素のうち共通の階調値を備えた画素からなる階
調値別画素データに基づき、高速描画表示データを予め生成しておく。これにより、 描画切替信号が入力された後、高速描画データ出力手段 S320は、上記階調値別 画素データに基づく階調数を減らした高速描画表示データを表示手段 17へ出力す ること力 S可能となる。これにより、 CPU,グラフィックコントローラの負担を増大させるこ となぐ迅速な処理を行うことができる。
[0114] 上記実施形態における表示処理装置 25においては、高速描画処理へ移行しない 通常時において、文字又は図像に係わる各画素を表示手段 17に表示させるための 、第 2通常描画表示データ(図 11の右側上 ·中,下段に示した「第 1階調用包括 lbpp ビットマップデータ」「第 2階調用包括 lbppビットマップデータ」「第 3階調用包括 lbp pビットマップデータ」)を表示手段 17に出力する第 2通常描画データ出力手段 (この 例では図 12のフローのステップ S330、ステップ S340、ステップ S350)を有すること を特徴とする。
[0115] 高速描画処理へ移行しない通常時に、第 2通常描画表示データを第 2通常描画デ ータ出力手段 S330, S340, S350で表示手段 17に出力することで、描画を行うこと ができる。
[0116] 上記実施形態における表示処理装置 25においては、階調別画素処理手段は、高 速描画表示データとして、階調値別画素データ(図 11の左側上'中 '下段に示した「 第 1階調用 lbppビットマップデータ」「第 2階調用 lbppビットマップデータ」「第 3階調 用 lbppビットマップデータ」)に基づき、所定階調値以上の階調値を備えた画素から なる高速用階調値画素データ(図 11の右側中段の「第 2階調用包括 lbppビットマツ プデータ」 )を生成することを特徴とする。
[0117] 階調別画素処理手段が、複数の画素のうち共通の階調値を備えた画素からなる階 調値別画素データに基づき、高速描画表示データとして、所定階調値以上の階調 値を備えた画素からなる高速用階調値画素データを予め生成しておく。これにより、 描画切替信号が入力された後、高速描画データ出力手段は、上記高速用階調値画 素データに基づく階調数を減らした高速描画表示データを表示手段 17へ出力する ことが可能となる。この結果、 CPU,グラフィックコントローラの負担を増大させることな ぐ迅速な処理を行うことができる。
[0118] 上記実施形態における表示処理装置 25においては、階調別画素処理手段は、高 速描画表示データ以外に、階調値別画素データに基づき、高速描画処理へ移行し ない通常時に用いるための、所定階調値以上の階調値を備えた画素からなる通常 時用階調値画素データ(図 11の右側上 ·中 ·下段に示した「第 1階調用包括 lbppビ ットマップデータ」「第 2階調用包括 lbppビットマップデータ」「第 3階調用包括 lbpp ビットマップデータ」)を生成し、第 2通常描画データ出力手段 S330, S340, S350 は、第 2通常描画表示データとして、高速用及び通常時用階調値画素データを所望 の態様でブレンドしたものを表示手段 17に出力することを特徴とする。
[0119] 本実施形態においては、階調別画素処理手段で、階調値別画素データに基づき、 所定階調値以上の階調値を備えた画素からなる通常時用階調値画素データを生成 しておく。そして、高速描画処理へ移行しない通常時には、描画の際に、予め階調 別画素処理手段で階調別画素データに応じ作成された上記通常時用階調値画素 データ(図 11の右側上段'下段の「第 1階調用包括 lbppビットマップデータ」「第 3階 調用包括 lbppビットマップデータ」 )及び上記高速用階調値画素データ(図 11の右 側中段の「第 2階調用包括 lbppビットマップデータ」)を、第 2通常描画データ出力手 段 S330, S340, S350力 S所望の態様でブレンドし、表示手段 17に出力する。このよ うに、通常描画時に既に作成されている通常時用階調値画素データ及び上記高速 用階調値画素データをブレンドして用いるようにする。これにより、最終的に描画した いグレースケールの文字又は図像データを、新たなデータ作成を行わずブレンド処 理のみで迅速に描画することができる。
[0120] 上記第 1実施形態における表示処理装置 25は、複数の画素からなる文字又は図 像を、各画素ごとに所定の階調値によりディスプレイ 17に表示させるための表示デー タを生成して出力する表示処理装置 25であって、高速描画処理へ移行するための 描画切替信号を入力するステップ S110と、文字又は図像に係わる各画素を、対応 する階調値を 2値化処理した 2値化階調値によってディスプレイ 17に表示させるため の、高速描画表示データを生成するステップ S120と、ステップ S110で描画切替信 号が入力されたときに、ステップ S 120で生成された高速描画表示データをディスプ レイ 17に出力するステップ S130とを有する。
[0121] 第 1実施形態の表示処理装置 25においては、例えばディスプレイ 17における表示 スクロール等、高速描画処理を行う必要がある場合には、描画切替信号力 Sステップ S 110で入力される。そして、これに応じて、高速描画表示データがステップ S130から ディスプレイ 17に出力されて表示が行われる。この高速描画時において、例えば共 通の階調値を備えた画素からなる階調値別の描画表示データを複数群用いた場合 、階調値の数が多くなるほど描画処理のための演算が増大する。このため、描画のた めのグラフィックコントローラの負担が大きくなる。この第 1実施形態においては、ステ ップ S120が、文字又は図像に係わる各画素を対応する階調値を 2値化処理した 2値 化階調値によって表示させる高速描画表示データを生成し、これを用いてディスプレ ィ 17の表示を行う。
[0122] このように、高速描画が必要なときには、階調値を 2値化したデータ(言い換えれば 階調数を減らしたデータ)を用いる。これにより、グラフィックコントローラの負担を増大 させることなく、迅速な処理を行うことができる。また高速描画が必要なスクロール時 等においては、もともと視認性が低いため、階調値を低減し文字や図像の品質をや や落としても美観や明確性等の視覚効果の低減は最小限に抑えられる。
[0123] 第 2実施形態における表示処理装置 25は、複数の画素からなる文字又は図像を、 各画素ごとに所定の階調値によりディスプレイ 17に表示させるための表示データを 生成して出力する表示処理装置 25であって、高速描画処理へ移行するための描画 切替信号を入力するステップ S210と、文字又は図像に係わる各画素を、対応する階 調値を 2値化処理した 2値化階調値によってディスプレイ 17に表示させるための、高 速描画表示データを生成する高速描画データ生成手段と、ステップ S210で描画切 替信号が入力されたときに、高速描画データ生成手段で生成された高速描画表示 データをディスプレイ 17に出力するステップ S220とを有する。
[0124] 第 2実施形態の表示処理装置 25においては、例えばディスプレイ 17における表示 スクロール等、高速描画処理を行う必要がある場合には、描画切替信号がステップ S 210で入力される。これに応じて、高速描画表示データが、ステップ S220からディス プレイ 17に出力されて表示が行われる。この高速描画時において、例えば共通の階 調値を備えた画素からなる階調値別の描画表示データを複数群用いた場合、階調
値の数が多くなるほど描画処理のための演算が増大する。このため、描画のための グラフィックコントローラの負担が大きくなる。この第 2実施形態においては、高速描画 データ生成手段が、文字又は図像に係わる各画素を対応する階調値を 2値化処理し た 2値化階調値によって表示させる高速描画表示データを生成し、これを用いてディ スプレイ 17の表示を行う。
[0125] このように、高速描画が必要なときには、階調値を 2値化したデータ(言い換えれば 階調数を減らしたデータ)を用いることにより、グラフィックコントローラの負担を増大さ せることなく、迅速な処理を行うことができる。また高速描画が必要なスクロール時等 においては、もともと視認性が低いため、階調値を低減し文字や図像の品質をやや 落としても、美観や明確性等の視覚効果の低減は最小限に抑えられる。
[0126] 第 3実施形態における表示処理装置 25は、複数の画素からなる文字又は図像を、 各画素ごとに所定の階調値によりディスプレイ 17に表示させるための表示データを 生成して出力する表示処理装置 25であって、高速描画処理へ移行するための描画 切替信号を入力するステップ S310と、文字又は図像に係わる各画素を、対応する階 調値を 2値化処理した 2値化階調値によってディスプレイ 17に表示させるための、高 速描画表示データを生成する高速描画データ生成手段と、ステップ S310で描画切 替信号が入力されたときに、高速描画データ生成手段で生成された高速描画表示 データをディスプレイ 17に出力するステップ S320とを有する。
[0127] 第 3実施形態の表示処理装置 25においては、例えばディスプレイ 17における表示 スクロール等、高速描画処理を行う必要がある場合には、描画切替信号力 Sステップ S 310で入力される。これに応じて、高速描画表示データが、ステップ S320からディス プレイ 17に出力されて表示が行われる。この高速描画時において、例えば共通の階 調値を備えた画素からなる階調値別の描画表示データを複数群用いた場合、階調 値の数が多くなるほど描画処理のための演算が増大する。このため、描画のための グラフィックコントローラの負担が大きくなる。この第 3実施形態においては、高速描画 データ生成手段が、文字又は図像に係わる各画素を対応する階調値を 2値化処理し た 2値化階調値によって表示させる高速描画表示データを生成し、これを用いてディ スプレイ 17の表示を行う。
[0128] このように、高速描画が必要なときには、階調値を 2値化したデータ(言い換えれば 階調数を減らしたデータ)を用いる。これにより、グラフィックコントローラの負担を増大 させることなく、迅速な処理を行うことができる。また高速描画が必要なスクロール時 等においては、もともと視認性が低いため、階調値を低減し文字や図像の品質をや や落としても、美観や明確性等の視覚効果の低減は最小限に抑えられる。
図面の簡単な説明
[0129] [図 1]本発明の第 1実施形態の表示処理装置を有する車両ナビゲーシヨン装置の全 体機能構成を表すブロック図である。
[図 2]ジャギーを目立たなくするアンチエイリアシングの一例を表す説明図である。
[図 3]図 2に示した構成を地図上に重ねて表示する場合を表す説明図である。
[図 4]フォントデータの画素ごとの階調値分布の一例を表す説明図である。
[図 5]高速描画処理の挙動を表す説明図である。
[図 6]グラフィックコントローラにより実行される制御手順を表すフローチャートである。
[図 7]通常描画時に各階調値ごとに Ibppビットマップデータに分解生成した場合の データを表す説明図である。
[図 8]通常描画時のブレンド描画挙動を表す説明図である。
[図 9]本発明の第 2実施形態の表示処理装置において、各階調用 Ibppビットマップ データから予め所定のプレラスタイズビットマップデータを作成しておく手法を表す説 明図である。
[図 10]グラフィックコントローラにより実行される制御手順を表すフローチャートである
[図 11]本発明の第 3実施形態の表示処理装置において、各階調用 Ibppビットマップ データから予め所定のプレラスタイズビットマップデータを作成しておく手法を表す説 明図である。
[図 12]グラフィックコントローラにより実行される制御手順を表すフローチャートである
[図 13]通常描画時のブレンド描画挙動を表す説明図である。
符号の説明
グラフィックコントローラ ワークメモリ
ディスプレイ (表示手段) 表示処理装置