明 細 書
高分子材料組成物
技術分野
[0001] 本発明は、特定の構造を有するトリアジン系化合物を含有する高分子材料組成物 に関する。
背景技術
[0002] ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレン系榭脂、ポリ塩化ビュル、ポリカーボネート、 ポリエステル等の高分子材料や有機顔料または染料は、光の作用により劣化し、変 色あるいは機械的強度の低下等を引き起こして長期の使用に耐えられない場合があ る。
[0003] これに対し、これら有機材料の劣化を防止したり、透過光の波長をコントロールする ために、従来から種々の紫外線吸収剤が用いられており、これら紫外線吸収剤として は、ベンゾフエノン系、ベンゾトリアゾール系、 2, 4, 6—トリアリールトリアジン系およ びシァノアクリレート系の紫外線吸収剤が用いられて 、る。
[0004] これら紫外線吸収剤は、その構造の違いに由来して各々異なる紫外線吸収スぺク トルを示し、有機材料との相溶性や揮散性も異なるため、用途に応じて使い分けられ ている。特に保護層に用いられる薄膜状物においては、高度の紫外線遮蔽効果が 要求されるため、紫外線吸収剤の添加量を多くする必要があり、基材層との相溶性 に優れ、揮散性が小さぐ吸光係数の大きな紫外線吸収剤が求められる。
[0005] 2, 4, 6—トリアリールトリアジン系紫外線吸収剤は、従来から高分子材料に添加、 使用されてきた力 2, 4, 6—トリアリールトリアジン系紫外線吸収剤化合物のなかで も、特に、ァリール基のオルト位にヒドロキシ基を有した、 2, 4, 6—トリス(2—ヒドロキ シァリール)トリアジン系化合物は、高い吸光係数と有機材料を着色しない吸収波長 を有すること、さらには耐熱性に優れること、写真材料や高分子材料への使用が報告 されている(特許文献 1、 2)。
[0006] しかし、この 2, 4, 6—トリス(2—ヒドロキシァリール)トリアジン系紫外線吸収剤にお いても、ポリカーボネートやポリオレフイン等の高分子材料に対する相溶性が充分で
はなぐ耐熱性ゃ耐候性も、満足できるものではな力つた。
[0007] また、特許文献 3, 4には、本発明に係るトリアジン系化合物が開示されている力 こ れは光学記録材料と光学フィルム用途に関するものとして例を挙げたものであり、本 発明のトリアジン系化合物の構造を限定したものではない。さらには、本発明で使用 されるトリアジン系化合物が、耐熱性や高分子材料との相溶性に優れ、高分子材料 に優れた耐候性を付与すると ヽぅ効果を有することは何ら記載されて ヽな ヽ。
特許文献 1:特開平 5 - 232630号公報
特許文献 2:特開平 11— 71356号公報
特許文献 3 :特開 2004— 160883号公報
特許文献 4:WO2005Zl09052号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0008] 上述のように、高分子材料の耐候性や耐熱性を改良する技術につ!、ては、未だ十 分なものはなかった。そこで本発明の目的は、耐熱性と相溶性に優れ、さらに耐候性 が大幅に向上した高分子材料組成物を提供することにある。
課題を解決するための手段
[0009] 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の構造を有する 2, 4, 6—トリス(2—ヒドロキシァリール)トリアジン系化合物に着目し、これを用いた高分 子材料組成物により上記目的を達成しうることを見出して、本発明を完成するに至つ た。
[0010] すなわち本発明の高分子材料組成物は、高分子材料と、下記一般式 (I)、
( I )
0
0人 R2
(式中、!^〜 は、各々独立に、炭素原子数 1〜18の直鎖または分岐のアルキル基 、炭素原子数 3〜8のシクロアルキル基、炭素原子数 3〜8のァルケ-ル基、炭素原 子数 6〜 18のァリール基、アルキルァリール基またはァリールアルキル基を表す。伹 し、これらアルキル基、シクロアルキル基、ァルケ-ル基、ァリール基、アルキルァリー ル基またはァリールアルキル基は、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シァノ基、ニトロ基、 炭素原子数 1〜18のアルキル基またはアルコキシ基で置換されていてもよぐ酸素 原子、硫黄原子、カルボニル基、エステル基、アミド基またはィミノ基で中断されてい てもよく、これらの置換及び中断は組み合わされていてもよい。 R4〜R6は、各々独立 に、水素原子、炭素原子数 1〜8の直鎖または分岐のアルキル基、または炭素原子 数 3〜8のアルケニル基を表す。 R7〜R9は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、 炭素原子数 1〜8の直鎖または分岐のアルキル基、または炭素原子数 3〜8のァルケ -ル基を表す。 )で表されるトリアジン系化合物とを含有することを特徴とするものであ る。
[0011] 本発明の高分子材料組成物は、好適には、前記一般式 (I)中の R4、 R5、 R6がメチ ル基であり、より好適には、さらに前記一般式 (I)中の R7、 R8、 R9が水素原子であるト リアジン系化合物を含有する。また、本発明の高分子材料組成物は、好適には、前 記一般式 (I)中の R4、 R5、 R6および R7、 R8、 R9が水素原子であるトリアジン系化合物 を含有する。
[0012] また、本発明の高分子材料組成物にお!ヽて、前記高分子材料は、好適にはポリ力 ーボネート榭脂である。
発明の効果
[0013] 本発明によれば、上記構成としたことにより、加工時の着色が小さぐ耐熱性に優れ 、さらには耐候性にも優れた高分子材料組成物を実現することが可能となった。 発明を実施するための最良の形態
[0014] 以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
本発明で用いられるトリアジン系化合物は、下記一般式 (1)、
(式中、!^〜 は、各々独立に、炭素原子数 1〜18の直鎖または分岐のアルキル基 、炭素原子数 3〜8のシクロアルキル基、炭素原子数 3〜8のァルケ-ル基、炭素原 子数 6〜 18のァリール基、アルキルァリール基またはァリールアルキル基を表す。伹 し、これらアルキル基、シクロアルキル基、ァルケ-ル基、ァリール基、アルキルァリー ル基またはァリールアルキル基は、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シァノ基、ニトロ基、 炭素原子数 1〜18のアルキル基またはアルコキシ基で置換されていてもよぐ酸素 原子、硫黄原子、カルボニル基、エステル基、アミド基またはィミノ基で中断されてい てもよく、これらの置換及び中断は組み合わされていてもよい。 R4〜R6は、各々独立 に、水素原子、炭素原子数 1〜8の直鎖または分岐のアルキル基、または炭素原子 数 3〜8のアルケニル基を表す。 R7〜R9は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、 炭素原子数 1〜8の直鎖または分岐のアルキル基、または炭素原子数 3〜8のァルケ 二ル基を表す。)で表される。
[0015] 本発明に係る上記一般式 (I)で表されるトリアジン系化合物において、!^〜 で表 される炭素数 18以下の直鎖または分岐のアルキル基としては、メチル、ェチル、プロ
ピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、ァミル、イソアミ ノレ、第三アミノレ、へキシノレ、へプチノレ、 2—へプチノレ、イソへプチノレ、第三へプチノレ、 n—ォクチル、イソオタチル、第三ォクチル、 2—ェチルへキシル、ノニル、イソノニル 、デシル、ゥンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、へキサデ シル、ヘプタデシル、ォクタデシル等が挙げられ、置換や中断を有するものとしては、 クロロメチノレ、ジクロロメチル、トリクロロメチル、 2—ヒドロキシェチル、 2—ヒドロキシプ 口ピル、 3 ヒドロキシプロピル、 2—メトキシェチル、 2 エトキシェチル、 2 ブトキシ ェチル、 2—メトキシプロピル、 3—メトキシプロピル、 2, 3 ジヒドロキシプロピル、 2- ヒドロキシー 3—メトキシプロピル、 2, 3 ジメトキシプロピル、 2—(2—メトキシェトキ シ)ェチル等が挙げられる。
[0016] !^〜 で表される炭素原子数 3〜8のシクロアルキル基としては、シクロプロピル、 シクロペンチル、シクロへキシル、シクロへプチル、シクロォクチルなどが挙げられる。
[0017] !^〜 で表される炭素原子数 3〜8のァルケ-ル基としては、直鎖および分岐のプ ロぺニル、ブテニル、ペンテニル、へキセニル、ヘプテニル、オタテニルが不飽和結 合の位置によらず挙げられる。
[0018] !^〜 で表される炭素原子数 6〜 18のァリール基またはアルキルァリール基として は、フエ-ル、ナフチル、 2 メチルフエ-ル、 3 メチルフエ-ル、 4 メチルフエ-ル 、 4—ビニルフエニル、 3—イソプロピルフエニル、 4—イソプロピルフエニル、 4—ブチ ルフエニル、 4—イソブチルフエ-ル、 4—第三ブチルフエ-ル、 4—へキシルフエ- ル、 4 シクロへキシルフエ-ル、 4—ォクチルフエ-ル、 4— (2 ェチルへキシル)フ ェニル、 2, 3 ジメチルフエニル、 2, 4 ジメチルフエニル、 2, 5 ジメチルフエニル 、 2, 6 ジメチルフヱニル、 3, 4 ジメチルフヱニル、 3, 5 ジメチルフヱニル、 2, 4 ージ第三ブチルフエ-ル、 2, 5 ジ第三ブチルフエ-ル、 2, 6 ジ—第三ブチルフ ェ -ル、 2, 4 ジ第三ペンチルフエ-ル、 2, 5 ジ第三アミルフエ-ル、 2, 5 ジ第 三ォクチルフエ-ル、ビフエ-ル、 2, 4, 5 トリメチルフエ-ル等が挙げられる。 1^〜 R3で表される炭素数 6〜18のァリールアルキル基としては、ベンジル、フエネチル、 2 フエ-ルプロパン 2—ィル、ジフエ-ルメチル等が挙げられる。
[0019] また、 R4〜R6で表される炭素原子数 1〜8の直鎖または分岐のアルキル基としては
、メチル、ェチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブ チル、ァミル、第三ァミル、ォクチル、第三ォクチル等が挙げられる。
[0020] R4〜R6で表される炭素原子数 3〜8のァルケ-ル基としては、直鎖および分岐のプ ロぺニル、ブテニル、ペンテニル、へキセニル、ヘプテニル、オタテニルが不飽和結 合の位置によらず挙げられる。
[0021] また、 R7〜R9で表される炭素原子数 1〜8の直鎖または分岐のアルキル基としては
、メチル、ェチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブ チル、ァミル、第三ァミル、ォクチル、第三ォクチル等が挙げられる。
[0022] R7〜R9で表される炭素原子数 3〜8のァルケ-ル基としては、直鎖および分岐のプ ロぺニル、ブテニル、ペンテニル、へキセニル、ヘプテニル、オタテニルが不飽和結 合の位置によらず挙げられる。
[0023] 上記一般式 (I)で表されるトリアジン系化合物の中でも、下記一般式 (Π)で表される ものが、製造が容易であり、低コストであるので好ましい。
(式中、 R1U〜R "は、各々独立に、炭素原子数 1〜12の直鎖または分岐のアルキル 基、または炭素原子数 3〜8のシクロアルキル基を表し、 R13は、各々独立に、水素原 子またはメチル基を表す。 )
[0024] 上記一般式 (Π)で表されるトリアジン系化合物において、 R1G〜R12で表される炭素 原子数 1〜12の直鎖または分岐のアルキル基としては、メチル、ェチル、プロピル、 イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、ァミル、イソァミル、第 三ァミル、へキシル、ヘプチル、 2—へプチル、イソへプチル、第三へプチル、 n—ォ
クチル、イソオタチル、第三ォクチル、 2—ェチルへキシル、ノエル、イソノエル、デシ ル、ゥンデシル、ドデシルなどが挙げられる。
[0025] R1G〜R12で表される炭素原子数 3〜8のシクロアルキル基としては、シクロプロピル 、シクロペンチル、シクロへキシル、シクロへプチル、シクロォクチルなどが挙げられる
[0026] 本発明で用いられる上記一般式 (I)または (Π)で表されるトリアジン系化合物の具 体例としては、以下に示す化合物 No. 1〜28が挙げられる。なお、下記化学式にお いて、 Meはメチル基、 Etはェチル基、 Prはプロピル基、 iPrはイソプロピル基、 Buは ブチル基、 Amはァミル基、 iAmはイソアミル基、 cyHxはシクロへキシル基を表す。
[0028] 前記一般式 (I)で表されるトリアジン系化合物の合成方法は、特に制限を受けること はなぐトリァジン構造を有する化合物の合成に通常用いられる合成方法を適用する ことができる。例えば、塩ィ匕シァヌルにフエノール誘導体またはレゾルシノール誘導体 を、三塩ィ匕アルミニウムを用いて付加反応させる方法が挙げられる。!^〜 で表され る置換基は、トリァジン構造を形成した後に導入してもよぐトリアジン構造を形成する 前に、フエノール誘導体又はレゾルシノール誘導体に導入してもよ 、。
[0029] 例えば、!^〜 の置換基を導入する場合は、塩化シァヌルと、フエノール誘導体ま たはレゾルシノール誘導体とで、トリアジン環を有する中間体を合成後、該中間体の ァリール基のパラ位の水酸基と、!^〜 の置換基を有するカルボン酸誘導体 (カル
ボン酸、カルボン酸クロライド、カルボン酸エステル、カルボン酸塩)とを反応させ、ェ ステル結合を形成することにより、!^〜 の置換基を導入すればよい。
[0030] 特に、 2—メチルレゾルシノールを原料として製造される前記一般式 (Π)で表される トリアジン系化合物は、合成が容易であり、低コストであるため好ましい。
[0031] 次に、本発明で使用される高分子材料について説明する。
高分子材料としては、熱可塑性榭脂、熱硬化性榭脂、エラストマ一などが例示でき る。
[0032] 熱可塑性榭脂としては、高密度、低密度または直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプ ロピレン、ポリブテン一 1、ポリ一 3—メチルペンテン等の (X—ォレフイン重合体または エチレン 酢酸ビュル共重合体、エチレン一プロピレン共重合体等のポリオレフイン 及びこれらの共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩ィ匕ビユリデン、塩素化ポリエチレン、 塩素化ポリプロピレン、ポリフッ化ビ-リデン、塩ィ匕ゴム、塩ィ匕ビュル—酢酸ビュル共 重合体、塩ィヒビュル エチレン共重合体、塩ィヒビ二ルー塩ィヒビユリデン共重合体、 塩化ビニル 塩化ビ-リデン 酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル アクリル酸 エステル共重合体、塩ィ匕ビ-ルーマレイン酸エステル共重合体、塩ィ匕ビュルーシクロ へキシルマレイミド共重合体等の含ハロゲン榭脂、石油榭脂、クマロン榭脂、ポリスチ レン、ポリ酢酸ビニル、アクリル榭脂、スチレン及び Z又は OCーメチルスチレンと他の 単量体(例えば、無水マレイン酸、フエ-ルマレイミド、メタクリル酸メチル、ブタジエン 、アクリロニトリル等)との共重合体 (例えば、アクリロニトリルスチレン共重合体 (AS) 榭脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体 (ABS)榭脂、メチルメタタリレート ブタジエンスチレン共重合体 (MBS)榭脂、耐熱 ABS榭脂等)、ポリメチルメタクリレ ート、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリェチ レンテレフタレート及びポリテトラメチレンテレフタレート等の直鎖ポリエステル、ポリフ ェ-レンオキサイド、ポリ力プロラタタム及びポリへキサメチレンアジパミド等のポリアミ ド、ポリカーボネート、分岐ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフエ-レンサルファ イド、ポリウレタン、繊維素系榭脂等の熱可塑性合成樹脂及びこれらのブレンド物が 例示できる。熱硬化性榭脂としては、フエノール榭脂、ユリア榭脂、メラミン榭脂、ェポ キシ榭脂、不飽和ポリエステル榭脂等の熱硬化性榭脂が例示できる。更にエラストマ
一としては、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリル一ブタジエン共重合ゴム 、スチレン—ブタジエン共重合ゴム等が例示できる。
[0033] さらに、ポリ乳酸等の植物由来の榭脂または生分解性榭脂も挙げられる。
[0034] 上記高分子材料の中でも、ヘテロ原子を有する高分子材料は、前記一般式 (I)で 表されるトリアジン系化合物との相溶性に優れるので好ましい。ヘテロ原子を有する 高分子材料としては、例えば、ポリカーボネート、分岐ポリカーボネート、ポリエチレン テレフタレートおよびポリテトラメチレンテレフタレート等の直鎖ポリエステル、ポリカプ 口ラタトンおよびポリへキサメチレンアジパミド等のポリアミド、ポリフエ-レンオキサイド 、ポリフエ-レンサルファイド、ポリ(メタ)アクリル酸メチルおよびポリ(メタ)アクリル酸ブ チルなどのポリ(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。これらの中で、ポリカーボネー ト、ポリエチレンテレフタレート、ポリフエ-レンオキサイド等の主鎖上にヘテロ原子ま たは芳香環を有する高分子材料が特に好ましぐポリカーボネート榭脂が最も好まし い。
[0035] これら高分子材料は、単独の他、 2種以上を組み合わせて用いることができる。組 み合わせとしては、ポリカーボネート ZABS、ポリカーボネート Zポリエステルなどの 複合ィ匕や、ポリカーボネートのフィルムに本発明で使用する上記一般式 (I)で表され る特定のトリアジン系化合物を添加したポリカーボネートまたはポリ (メタ)アクリル酸ェ ステルをラミネートして、積層フィルム等として用いることができる。
[0036] 本発明の高分子材料組成物は、高分子材料 100質量部に対し、上記一般式 (I)で 表されるトリアジン系化合物を 0. 001〜10質量部、特には 0. 005〜10質量部添カロ したものであることが好ましい。この範囲で、十分に耐候性が改善され、かつ着色性 が改善されるからである。
[0037] 本発明で使用する前記一般式 (I)で表されるトリアジン系化合物の高分子材料へ の適用方法は特に限定されるものではなぐ添加する際の形態は粉末でもェマルジ ヨンゃサスペンジョンなどの水分散体でもよぐ有機溶剤により溶液としてもよい。ただ し、重合時の添加や、加工時の温度などにより(メタ)アタリロイル基が反応する条件 での添カ卩は、得られる高分子材料組成物の加工時の着色が大きくなるので実用的で ない。
[0038] 本発明の高分子材料組成物においては、前記一般式 (I)で表されるトリアジン系化 合物以外に、必要に応じて他の汎用の酸化防止剤、安定剤等の添加剤を併用する ことができる。これらの添加剤として特に好ましいものとしては、フエノール系、硫黄系 、ホスファイト系等の酸ィ匕防止剤、ヒンダードァミン系の光安定剤 (HALS)が挙げら れ、特に、 2, 2, 6, 6—テトラメチルピペリジンィ匕合物に代表されるヒンダードアミン系 の光安定剤 (HALS)は、本発明に係るトリアジン系化合物と相乗効果を奏するので 好ましい。
[0039] 上記 HALSとしては、下記一般式 (ΠΙ)で表される化合物、塩化シァヌル縮合型 H ALS、高分子量型 HALS等が挙げられる。
(式(III)中、 mは、 1〜6の整数を表し、 Aは、水素原子、炭素数 1〜18の m価の炭 化水素基、 m価のァシル基または m価の力ルバモイル基を表し、 Bは、酸素原子、 - NH—又は炭素数 1〜8のアルキル基 Reを有する— NRe—を表し、 Yは、水素原子 、ォキシラジカル(·〇)、炭素数 1〜18のアルコキシ基、炭素数 1〜8のアルキル基ま たはヒドロキシル基を表し、 Ζは、メチン、または炭素数 1〜8のアルキル基 Rfを有する 下記一般式 (IV)、
\ ,0 ,R f
、 (IV)
7 0 ~ ' CH2— で表される基を表す。 )
[0040] 上記一般式 (III)において、 Aで表される m価の炭素数 1〜18の炭化水素基として は、メタン、ェタン、プロパン、ブタン、第二ブタン、第三ブタン、イソブタン、ペンタン、 イソペンタン、第三ペンタン、へキサン、シクロへキサン、ヘプタン、イソヘプタン、第 三ヘプタン、 n—オクタン、イソオクタン、第三オクタン、 2—ェチルへキサン、ノナン、 イソノナン、デカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、へキサデカン、
ヘプタデカン、ォクタデカン等の炭化水素化合物から誘導される基 (アルキル基、ァ ルカンジな ヽしへキサイル基)が挙げられる。
[0041] 上記一般式(ΠΙ)にお!/、て、 Aで表される m価のァシル基は、カルボン酸から誘導さ れる基、 m価カルボン酸から誘導される基、又は、 n価カルボン酸から誘導され且つ カルボキシル基が m個残存して!/、る (n-m)個のエステル基を含有するアルキルェ ステルから誘導される基である(カルボン酸、 m価カルボン酸及び上記アルキルエス テルを、ァシル誘導体化合物という)。
[0042] 力かるァシル誘導体ィ匕合物としては、酢酸、安息香酸、 4 トリフルォロメチル安息 香酸、サリチル酸、アクリル酸、メタクリル酸、シユウ酸、マロン酸、スクシン酸、グルタ ル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ァゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、 2—メチルコハク酸、 2 メチルアジピン酸、 3 メチルアジピン酸、 3—メチルペンタ ンニ酸、 2 メチルオクタン二酸、 3, 8 ジメチルデカン二酸、 3, 7 ジメチルデカン 二酸、水添ダイマー酸、ダイマー酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレ ンジカルボン酸、シクロへキサンジカルボン酸、トリメリト酸、ピロメリット酸、トリメシン酸 、プロパン— 1, 2, 3 トリカルボン酸、プロパン— 1, 2, 3 トリカルボン酸モノ又は ジアルキルエステル、ペンタン 1, 3, 5 トリカルボン酸、ペンタン 1, 3, 5 トリ力 ルボン酸モノ又はジアルキルエステル、ブタン 1, 2, 3, 4ーテトラカルボン酸、ブタ ン— 1, 2, 3, 4—テトラカルボン酸モノないしトリアルキルエステル、ペンタン— 1, 2, 3, 4, 5 ペンタカルボン酸、ペンタン 1, 2, 3, 4, 5 ペンタカルボン酸モノない しテトラアルキルエステル、へキサン 1, 2, 3, 4, 5, 6 へキサカルボン酸、へキサ ン—1, 2, 3, 4, 5, 6 へキサカルボン酸モノないしペンタアルキルエステル等が挙 げられる。
[0043] 上記一般式(ΠΙ)にお!/、て、 Aで表される m価の力ルバモイル基は、イソシァネート 化合物力 誘導されるモノアルキル力ルバモイル基又はジアルキル力ルバモイル基 である。
[0044] モノアルキル力ルバモイル基を誘導するイソシァネートイ匕合物としては、トリレンジィ ソシァネート、ジフエ-ノレメタン 4, 4,ージイソシァネート、 p—フエ-レンジイソシァ ネート、キシリレンジイソシァネート、 1, 5 ナフチレンジイソシァネート、 3, 3,ージメ
チルジフエ-ルー 4, 4'ージイソシァネート、ジァ-シジンジイソシァネート、テトラメチ ルキシリレンジイソシァネート、イソホロンジイソシァネート、ジシクロへキシルメタン 4, 4,ージイソシァネート、トランス 1, 4ーシクロへキシノレジイソシァネート、ノルボル ネンジイソシァネート、 1, 6 へキサメチレンジイソシァネート、 2, 2, 4 (2, 2, 4)ート リメチルへキサメチレンジイソシァネート、リシンジイソシァネート、トリフエ-ルメタントリ イソシァネート、 1—メチルベンゾール一 2, 4, 6 トリイソシァネート、ジメチルトリフエ -ルメタンテトライソシァネート等が挙げられる。
[0045] ジアルキル力ルバモイル基としては、ジェチルカルバモイル基、ジブチルカルバモ ィル基、ジへキシルカルバモイル基、ジォクチルカルバモイル基等が挙げられる。
[0046] 上記の炭素数 1〜18の m価の炭化水素基、上記の m価のァシル基及び上記の m 価の力ルバモイル基は、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基 、シァノ基等で置換されていてもよい。
[0047] 上記一般式 (ΠΙ)にお 、て、 Bで表される基が有する、 Reで表される炭素数 1〜8の アルキル基としては、メチル、ェチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、 第三ブチル、イソブチル、ァミル、イソァミル、第三ァミル、へキシル、シクロへキシル、 ヘプチル、イソへプチル、第三へプチル、 1ーェチルペンチル、 n—ォクチル、イソォ クチル、第三ォクチル、 2—ェチルへキシル等が挙げられる。
[0048] 上記一般式 (III)において、 Yで表される炭素数 1〜18のアルコキシ基としては、メ トキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、第二ブチルォキシ、第三ブチ ルォキシ、イソブチルォキシ、アミルォキシ、イソアミルォキシ、へキシルォキシ、ヘプ チルォキシ、ォクチルォキシ、 2—ェチルへキシルォキシ、ノニルォキシ、イソノニル ォキシ、デシルォキシ、ドデシルォキシ、トリデシルォキシ、テトラデシルォキシ、ペン タデシルォキシ、へキサデシルォキシ、ぺプタデシルォキシ、ォクタデシルォキシ等 が挙げられる。 Yで表される炭素数 1〜8のアルキル基としては、上記 Reと同様の基 が挙げられる。
[0049] 上記一般式 (ΠΙ)における Zを表す上記一般式 (IV)中の Rfで表される炭素数 1〜8 のアルキル基としては、上記 Reと同様の基が挙げられる。
[0050] 上記一般式 (III)で表される化合物の具体例としては、例えば、 2, 2, 6, 6—テトラ
メチルー 4ーピベリジルステアレート、 1, 2, 2, 6, 6 ペンタメチルー 4ーピペリジル ステアレー卜、 2, 2, 6, 6—テ卜ラメチル— 4 ピペリジルベンゾエー卜、ビス(2, 2, 6, 6—テトラメチル一 4 ピペリジル)セバケート、ビス(1, 2, 2, 6, 6 ペンタメチル一 4 —ピペリジル)セバケート、ビス(1—オタトキシ一 2, 2, 6, 6—テトラメチル一 4 ピぺ リジル)セノケー卜、 1, 2, 2, 6, 6 ペンタメチル— 4 ピペリジルメタクリレー卜、 2, 2 , 6, 6—テトラメチルーピペリジルメタタリレート、テトラキス(2, 2, 6, 6—テトラメチル — 4 ピペリジル) 1, 2, 3, 4 ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1, 2, 2, 6, 6 ペンタメチル— 4 ピペリジル)—1, 2, 3, 4 ブタンテトラカルボキシレート、 ビス(2, 2, 6, 6—テトラメチル— 4 ピペリジル) 'ビス(トリデシル)— 1, 2, 3, 4 ブ タンテトラカルボキシレート、ビス(1, 2, 2, 6, 6 ペンタメチルー 4ーピペリジル) 'ビ ス(トリデシル)— 1, 2, 3, 4 ブタンテ卜ラカルボキシレー卜、ビス(1, 2, 2, 6, 6 ぺ ンタメチル 4 ピペリジル) - 2-ブチル 2— ( 3 , 5 ジ第三ブチル 4 ヒドロキ シベンジル)マロネート、 3, 9 ビス〔1, 1—ジメチル一 2— [トリス(2, 2, 6, 6—テトラ メチル 4 ピペリジルォキシカルボ-ルォキシ)ブチルカルボ-ルォキシ]ェチル〕 —2, 4, 8, 10—テトラオキサスピロ〔5. 5〕ゥンデカン、 3, 9 ビス〔1, 1—ジメチル 2 [トリス(1, 2, 2, 6, 6 ペンタメチルー 4ーピペリジルォキシカルボ-ルォキシ )ブチルカルボ-ルォキシ]ェチル〕 2, 4, 8, 10—テトラオキサスピロ〔5. 5〕ゥンデ カン等が挙げられる。
本発明の高分子材料組成物にお!ヽて用いることができる上記塩ィ匕シァヌル縮合型 HALSとしては、 1, 6 ビス(2, 2, 6, 6—テトラメチル一 4 ピペリジルァミノ)へキサ ン /2, 4 ジクロロ一 6 モルホリノ一 s トリアジン重縮合物、 1, 6 ビス(2, 2, 6, 6ーテトラメチル 4 ピペリジルァミノ)へキサン /2, 4 ジクロロ 6 第三ォクチ ルァミノ s トリアジン重縮合物、 1, 5, 8, 12—テトラキス [2, 4 ビス(N ブチル — N— (2, 2, 6, 6—テトラメチル一 4 ピペリジル)ァミノ)一 s トリァジン一 6—ィル ] 1, 5, 8, 12—テトラァザドデカン、 1, 5, 8, 12—テトラキス [2, 4 ビス(N ブ チル一 N— (1, 2, 2, 6, 6 ペンタメチル一 4 ピペリジル)ァミノ)一 s トリァジン一 6—ィル 1, 5, 8, 12—テ卜ラァザドデカン、 1, 6, 11—卜リス [2, 4 ビス(N ブ チル一 N— (2, 2, 6, 6—テトラメチル一 4 ピペリジル)ァミノ)一 s トリァジン一 6—
ィルァミノ]ゥンデカン、 1, 6, 11ートリス [2, 4 ビス(N ブチル N— (1, 2, 2, 6 , 6—ペンタメチル— 4—ピペリジル)ァミノ)—s トリァジン— 6—ィルァミノ]ゥンデ力 ン等が挙げられる。
[0052] 本発明の高分子材料組成物において用いることができる上記高分子量型 HALSと しては、 1一(2 ヒドロキシェチル)ー 2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4ーピベリジノール Zコハク酸ジェチル重縮合物、 1, 6 ビス(2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4ーピベリジ ルァミノ)へキサン Zジブロモェタン重縮合物等が挙げられる。
[0053] 本発明の高分子材料組成物において用いることができる上記ホスファイト系抗酸ィ匕 剤としては、例えば、トリフエ-ルホスフアイト、トリス(2, 4 ジ第三ブチルフエ-ル)ホ スフアイト、トリス(2, 5 ジ第三ブチルフエ-ル)ホスファイト、トリス(ノ -ルフエ-ル) ホスファイト、トリス(ジノユルフェ-ル)ホスファイト、トリス(モノ、ジ混合ノ-ルフエ-ル )ホスフアイト、ジフエ-ルアシッドホスファイト、 2, 2'—メチレンビス(4, 6 ジ第三ブ チルフエ-ル)ォクチルホスファイト、ジフエ-ルデシルホスファイト、ジフエ-ルォクチ ルホスフアイト、ジ(ノユルフェ-ル)ペンタエリスリトールジホスフアイト、フエ-ルジイソ デシルホスフアイト、トリブチルホスファイト、トリス(2—ェチルへキシル)ホスファイト、ト リデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、ジブチルアシッドホスファイト、ジラウリル アシッドホスファイト、トリラウリルトリチォホスファイト、ビス(ネオペンチルグリコール) · 1, 4ーシクロへキサンジメチルジホスファイト、ビス(2, 4 ジ第三ブチルフエ-ル)ぺ ンタエリスリトールジホスフアイト、ビス(2, 5 ジ第三ブチルフエ-ル)ペンタエリスリト ールジホスファイト、ビス(2, 6 ジ第三ブチルー 4 メチルフエ-ル)ペンタエリスリト ールジホスファイト、ビス(2, 4 ジクミルフエ-ル)ペンタエリスリトールジホスファイト 、ジステアリルペンタエリスリトールジホスフアイト、テトラ(C 12— 15混合アルキル)― 4, 4,一イソプロピリデンジフエ-ルホスフアイト、ビス [2, 2,ーメチレンビス(4, 6 ジ アミルフヱ-ル)] 'イソプロピリデンジフエ-ルホスフアイト、テトラトリデシル.4, 4, - ブチリデンビス(2 第三ブチルー 5 メチルフエノール)ジホスフアイト、へキサ(トリデ シル) · 1, 1, 3 トリス(2—メチル—5 第三ブチル—4 ヒドロキシフエ-ル)ブタン 'トリホスファイト、テトラキス(2, 4 ジ第三ブチルフエ-ル)ビフエ-レンジホスホナイ ト、トリス(2—〔(2, 4, 7, 9—テトラキス第三ブチルジベンゾ〔d, f〕〔1, 3, 2〕ジォキサ
ホスフエピン一 6—ィル)ォキシ〕ェチル)ァミン、 9, 10 ジハイド口一 9—ォキサ 10 ホスファフェナンスレン 10—オキサイド、 2 ブチル 2—ェチルプロパンジォー ル · 2, 4, 6 トリ第三ブチルフエノールモノホスファイト等が挙げられる。
本発明の高分子材料組成物において用いることができる上記フエノール系抗酸ィ匕 剤としては、例えば、 2, 6 ジ第三ブチル ρ クレゾール、 2, 6 ジフエ-ルー 4— ォクタデシロキシフエノール、ステアリル(3, 5—ジ第三ブチルー 4ーヒドロキシフエ- ル)プロピオネート、ジステアリル(3, 5—ジ第三ブチル—4—ヒドロキシベンジル)ホ スホネート、トリデシル · 3, 5—ジ第三ブチルー 4ーヒドロキシベンジルチオアセテート 、チオジェチレンビス [ (3, 5—ジ第三ブチルー 4ーヒドロキシフエ-ル)プロピオネー ト]、 4, 4'ーチォビス(6 第三ブチルー m クレゾ一ル)、 2—ォクチルチオ 4, 6 —ジ(3, 5 ジ第三ブチル 4 ヒドロキシフエノキシ) s トリァジン、 2, 2'—メチ レンビス(4ーメチルー 6—第三ブチルフエノール)、ビス [3, 3—ビス(4ーヒドロキシー 3—第三ブチルフエ-ル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、 4, 4'ーブチリデン ビス(2, 6 ジ第三ブチルフエノール)、 4, 4,ーブチリデンビス(6 第三ブチルー 3 メチルフエノール)、 2, 2,ーェチリデンビス(4, 6 ジ第三ブチルフエノール)、 1, 1, 3 トリス(2—メチル—4 ヒドロキシ— 5 第三ブチルフエ-ル)ブタン、ビス [2— 第三ブチル 4 メチル 6—( 2 ヒドロキシー 3 第三ブチル 5 メチルベンジ ル)フエ-ル]テレフタレート、 1, 3, 5 トリス(2, 6 ジメチル一 3 ヒドロキシ一 4— 第三ブチルベンジル)イソシァヌレート、 1, 3, 5 トリス(3, 5 ジ第三ブチルー 4 ヒドロキシベンジル)イソシァヌレート、 1, 3, 5 トリス(3, 5 ジ第三ブチル 4 ヒド ロキシベンジル)—2, 4, 6 トリメチルベンゼン、 1, 3, 5 トリス [ (3, 5 ジ第三ブ チルー 4ーヒドロキシフエ-ル)プロピオ-ルォキシェチル]イソシァヌレート、テトラキ ス [メチレンー3— (3 ' , 5,ージ第三ブチルー 4,ーヒドロキシフエ-ル)プロピオネート ]メタン、 2 第三ブチルー 4ーメチルー 6—(2 ァクロィルォキシー3 第三ブチル —5—メチルベンジル)フエノール、 3, 9 ビス [2— (3 第三ブチル—4 ヒドロキシ 5—メチルヒドロシンナモイルォキシ) 1, 1ージメチルェチル ]—2, 4, 8, 10—テ トラォキサスピロ [5. 5]ゥンデカン、トリエチレングリコールビス [ j8 (3—第三ブチル 4ーヒドロキシー5—メチルフエ-ル)プロピオネート]等が挙げられる。
[0055] 本発明の高分子材料組成物において用いることができる上記硫黄系抗酸化剤とし ては、例えば、チォジプロピオン酸の、ジラウリルエステル、ジミリスチルエステル、ミリ スチルステアリルエステル、ジステアリルエステル等のジアルキルチオジプロピオネー ト類、ペンタエリスリトールテトラ —ドデシルメルカプトプロピオネート)等のポリオ一 ルの β アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類が挙げられる。
[0056] また、本発明の高分子材料組成物には、さらに必要に応じて、本発明の効果を損 なわな 、範囲で、前記一般式 (I)で表されるトリアジン系化合物以外の従来公知の紫 外線吸収剤を用いることもできる。
[0057] 本発明の高分子材料組成物において用いることができる紫外線吸収剤としては、 例えば、 2, 4ージヒドロキシベンゾフエノン、 2 ヒドロキシー4ーメトキシベンゾフエノ ン、 2 ヒドロキシ一 4—オタトキシベンゾフエノン、 5, 5,一メチレンビス(2 ヒドロキシ - 4 メトキシベンゾフエノン)等の 2 ヒドロキシベンゾフエノン類; 2— (2 ヒドロキシ 5 メチルフエ-ル)ベンゾトリァゾール、 2—(2 ヒドロキシー5 第三ォクチルフ ェ -ル)ベンゾトリァゾール、 2—(2 ヒドロキシ—3, 5 ジ第三ブチルフエ-ル) 5 クロ口べンゾトリァゾール、 2—(2 ヒドロキシー3 第三ブチルー 5 メチルフエ二 ル)一 5 クロ口べンゾトリァゾール、 2— (2 ヒドロキシ一 3, 5 ジクミルフエ-ル)ベ ンゾトリァゾール、 2, 2'—メチレンビス(4 第三ォクチルー 6 べンゾトリアゾリルフ ェノール)、 2- (2—ヒドロキシ— 3—第三ブチル—5—カルボキシフエ-ル)ベンゾト リアゾールのポリエチレングリコールエステル、 2—〔2 ヒドロキシ一 3— (2—アタリ口 ィルォキシェチル) 5 メチルフエ-ル〕ベンゾトリァゾール、 2—〔2 ヒドロキシー3 一(2—メタクリロイルォキシェチル) 5 第三ブチルフエ-ル〕ベンゾトリァゾール、 2-〔2 ヒドロキシ 3—(2—メタクリロイルォキシェチル) 5 第三ォクチルフエ- ル〕ベンゾトリァゾール、 2—〔2 ヒドロキシ一 3— (2—メタクリロイルォキシェチル) 5 第三ブチルフエ-ル〕—5 クロ口べンゾトリァゾール、 2—〔2 ヒドロキシ— 5— ( 2—メタクリロイルォキシェチル)フエ-ル〕ベンゾトリァゾール、 2—〔2 ヒドロキシ一 3 第三ブチルー 5—(2—メタクリロイルォキシェチル)フエ-ル〕ベンゾトリァゾール、 2-〔2 ヒドロキシー 3 第三アミルー 5—(2—メタクリロイルォキシェチル)フエ-ル 〕ベンゾトリアゾール、 2—〔2 ヒドロキシ一 3 第三ブチル 5— (3—メタクリロイル
ォキシプロピル)フエ-ル〕 5 クロ口べンゾトリァゾール、 2—〔2 ヒドロキシ一 4— ( 2—メタクリロイルォキシメチル)フエ-ル〕ベンゾトリァゾール、 2—〔2 ヒドロキシ一 4 - (3—メタクリロイルォキシ一 2 ヒドロキシプロピル)フエ-ル〕ベンゾトリァゾール、 2 -〔2 ヒドロキシ一 4— (3—メタクリロイルォキシプロピル)フエ-ル〕ベンゾトリァゾー ル等の 2— (2 ヒドロキシフエ-ル)ベンゾトリアゾール類; 2— (2 ヒドロキシ一 4—メ トキシフエ- ) 4, 6 ジフエニノレー 1, 3, 5 トリアジン、 2—(2—ヒドロキシー4 へキシロキシフエ-ル)一 4, 6 ジフエ-ル一 1, 3, 5 トリァジン、 2— (2 ヒドロキ シ一 4—オタトキシフエ-ル)一 4, 6 ビス(2, 4 ジメチルフエ-ル) 1, 3, 5 トリ ァジン、 2—〔2 ヒドロキシ— 4— (3— C12 13混合アルコキシ—2 ヒドロキシプロ ポキシ)フエ-ル〕一 4, 6 ビス(2, 4 ジメチルフエ-ル)一 1, 3, 5 トリァジン、 2 -〔2 ヒドロキシ一 4— (2—アタリロイルォキシエトキシ)フエ-ル〕 4, 6 ビス(4— メチルフエ二ル)一 1, 3, 5 トリアジン、 2— (2, 4 ジヒドロキシ一 3 ァリルフエ-ル )—4, 6 ビス(2, 4 ジメチルフエ-ル)— 1, 3, 5 トリアジン、 2, 4, 6 トリス(2 —ヒドロキシ一 3—メチル 4 へキシロキシフエ二ル)一 1, 3, 5 トリァジン等の 2— (2 ヒドロキシフエ-ル)一 4, 6 ジァリール一 1, 3, 5 トリアジン類;フエ-ルサリシ レート、レゾルシノールモノべンゾ ト、 2, 4ージ第三ブチルフエ-ルー 3, 5 ジ第 三ブチルー 4ーヒドロキシベンゾエート、ォクチル(3, 5—ジ第三ブチルー 4ーヒドロキ シ)ベンゾ ト、ドデシル(3, 5—ジ第三ブチルー 4ーヒドロキシ)ベンゾ ト、テト ラデシル(3, 5—ジ第三ブチルー 4ーヒドロキシ)ベンゾ ト、へキサデシル(3, 5— ジ第三プチルー 4ーヒドロキシ)ベンゾエート、ォクタデシル(3, 5—ジ第三ブチルー 4 ーヒドロキシ)ベンゾエート、ベへ-ル(3, 5—ジ第三ブチルー 4ーヒドロキシ)ベンゾ ト等のベンゾ ト類; 2 ェチルー 2 トキシォキザ-リド、 2 エトキシー 4 ードデシルォキザ-リド等の置換ォキザ-リド類;ェチルー aーシァノー j8 , j8ージフ ェニルアタリレート、メチル 2 シァノ 3—メチル 3— (p—メトキシフエ-ル)ァク リレート等のシァノアクリレート類;ニッケル、クロム等の各種金属の金属塩又は金属キ レート等が挙げられる。
その他必要に応じて、本発明の高分子材料組成物には、カチオン系界面活性剤、 ァニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤等からなる帯電防
止剤;ハロゲン系化合物、リン酸エステル系化合物、リン酸アミド系化合物、メラミン系 化合物、ポリリン酸のメラミン塩ィ匕合物、フッ素榭脂又は金属酸ィ匕物等の難燃剤;炭 化水素系、脂肪酸系、脂肪族アルコール系、脂肪族ヱステル系、脂肪族アマイド系、 金属石けん系等の滑剤;重金属不活性剤;ハイド口タルサイト;有機カルボン酸;染料 顔料等の着色剤;ポリオレフインパウダー等の加工助剤;フュームドシリカ、微粒子シ リカ、けい石、珪藻土類、クレー、カオリン、シリカゲル、珪酸カルシウム、セリサイト、 カオリナイト、フリント、長石粉、蛭石、ァタパルジャイト、タルク、マイ力、ミネソタイト、 ノイロフィライト等の珪酸系添加剤;炭酸カルシウム等の充填剤;造核剤;有機錫化 合物;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等の脂肪 族有機酸金属塩;可塑剤;エポキシ化合物;発泡剤等の添加剤を配合することができ る。
[0059] 本発明の高分子材料組成物の用途としては、特に制限されるものではないが、そ の形態としては、成形品、薄膜状物などが挙げられ、特に、薄膜状物が有効であり、 薄膜状のものであれば、合成樹脂フィルム、シート、塗料の他、不織布や織物などに 用いられる繊維であってもよ 、。
[0060] また、具体的な用途としては、バンパー、ダッシュボード、インスツルメントパネル等 の自動車用樹脂部品;冷蔵庫、洗濯機、掃除機等の家電製品用樹脂部品;食器、バ ケッ、入浴用品等の家庭用品;コネクタ一等の接続用榭脂部品;玩具等の雑貨品; 医療用パック、注射器、カテーテル、医療用チューブ等の医療用成形品;壁材、床材 、窓枠、壁紙等の建材;電線被覆材;ハウス、トンネル等の農業用資材;ラップ、トレイ 等の食品包装材等の、フィルム及びシートを含む成形品;繊維;塗料;コーティング材 等が挙げられる。
実施例
[0061] 以下、実施例及び比較例をもって本発明を更に詳細に説明する。しかし、本発明 は以下の実施例によって何ら制限を受けるものではない。
[0062] (合成例 1)
化合物 No. 7の合成
(1)中間体 Aの合成
下記式で表される中間体 Aを合成した。すなわち、反応フラスコに塩ィ匕シァヌル 65 . Ommol、 2—メチルレゾルシノール 278mmol、及びクロ口ベンゼン 80mlを仕込み 、三塩ィ匕アルミニウム 84. 5mmolを徐々に加え、 80°Cで 2時間反応させた。反応系 を 25°Cに冷却し、 6molZリットルの塩酸水溶液を 14ml滴下し、 1時間撹拌した。得 られた結晶を濾取し、水洗した後、ジメチルホルムアミド溶媒を用いて再結晶を行い、 中間体 Aの結晶を収率 68. 0%で得た。 中
(2)化合物 No. 7の合成
メカ-カルスターラー、ジムロート、温度計および窒素送入手段を備えた lOOmLの 四つ口丸底フラスコに、先に得られた中間体 Aである 2, 4, 6—トリ(3—メチルー 2, 4 —ジヒドロキシフエ-ル)一 1, 3, 5—トリァジン 5. Og (l l. l X 10_3mol)、トリェチル ァミン(TEA) 6. 78g (33. 5 X 10_3mol)、及びキシレン 18gを仕込んだ。その後、 8 0°Cまで昇温し、 2—ェチルへキサン酸クロライド 5. 42g (33. 5 X 10_3mol)を 30分 かけて滴下した。反応率を HPLC (カラム;(株)センシユー科学製 PEGASIL ODS 、展開溶媒;テトラヒドロフラン (THF):水 = 3 : 1)により確認し、 6時間 80°Cで反応さ せた。原料の消失を確認した後、反応混合物を冷却し、 IN HC1で中和を行った。 有機相を水で 2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を減圧下で 除去した。それをへキサンに分散させてろ過を行い、得られたろ液から溶媒を除去す
ることにより、目的化合物 (ィ匕合物 No. 7)を 6. 4g、収率 70%で得た。
得られた化合物について、各種分析を行った。分析結果を以下に示す。
融点: 74. 0°C
赤外吸収スペクトル (KBr, cm"1) : 3433, 2963, 2932, 2862, 1759, 1605, 15 39, 1435, 1308, 1103
'H -NMR OOMHZ, CDCl , ppm) : 13. 29 (s, - OH) , 8. 40 (d, Ph) , 6. 73 (
3
d, Ph) , 2. 58 (quin) , 2. 24 (s, — CH ) , 2. 17— 0. 95 (m)
化合物 No. 21の合成
(1)中間体 Bの合成
下記式で表される中間体 Bを合成した。すなわち、反応フラスコに塩ィ匕シァヌル 65 . 0mmol、レゾルシノール 278mmol、及びクロ口ベンゼン 80mlを仕込み、三塩化ァ ルミユウム 84. 5mmolを徐々に加え、 80°Cで 2時間反応させた。反応系を 25°Cに冷 却し、 6molZリットルの塩酸水溶液を 14ml滴下し、 1時間撹拌した。得られた結晶を 濾取し、水洗した後、ジメチルホルムアミド溶媒を用いて再結晶を行い、中間体 Bの 結晶を収率 68. 0%で得た。
メカ-カルスターラー、ジムロート、温度計および窒素送入手段を備えた 300mLの 四つ口丸底フラスコに先で得られた中間体 Bである 2, 4, 6—トリ(2, 4—ジヒドロキシ フエ-ル)— 1, 3, 5—トリァジン 10.0g(24.7X10
_3mol)、トリエチルァミン (TEA )17.5g(172.7X10
_3mol)、及びキシレン 70gを仕込んだ。その後、 2—ェチル へキサン酸クロライド 14. lg(86.4X10
_3mol)を室温で 30分かけて滴下した。反 応率を HPLC (カラム;昭和電工株式会社製 Shodex KF— 802、展開溶媒;テトラ ヒドロフラン (THF))により確認し、 10時間 50°Cで反応させた。原料の消失を確認し た後、反応混合物を冷却し、酢酸ェチルを加えて、 IN HC1で中和を行った。有機 相を水で 2回洗浄し、溶媒を減圧下で除去した。それをキシレンに分散させてろ過を 行い、得られたろ液を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー (溶媒:トルエン:へキサン = 1:1)により目的化合物 (化合物 No.21)が 8.7g、収率 45%で得られた。
[0067] 得られたィ匕合物について、各種分析を行った。分析結果を以下に示す。
赤外吸収スペクトル (KBr, cm"1) :3433, 2931, 2873, 1762, 1601, 1504, 14 58, 1246, 1146, 1107
'H-NMROOMHZ, CDCl , ppm) :12.96 (s, -OH), 8.20 (d, Ph), 6.88 (
3
s, Ph), 6.81 (d, Ph), 2.55(quin), 1.85— 0.95 (m) 化合物 No.21 o— ii
I 、Et
[0068] (実施例 1)
(試料 (キャストフィルム)作製)
120°Cで 6時間乾燥させたポリカーボネート榭脂(三菱エンジニアリングプラスチック ス株式会社製:ユーピロン S— 3000F)を 1. 25g、上記化合物 No. 7を 6. 25mg (0 . 5phr)、それぞれ 25mlメスフラスコに入れ、ジクロロメタンを標線までカ卩えた。 1時間 ほど室温で放置し溶解した後、この溶液を 4mlホールピペットでシャーレ(直径: 60m m)に入れ、 30分間室温で乾燥させた。乾燥後、シャーレ力 フィルムをはがし取るこ とで、実施例 1の 50 μ m厚の PCフィルムを得た。
[0069] (実施例 2、比較例 1、 2)
上記化合物 No. 7に代えて No. 21を用いた以外は実施例 1と同様にして、実施例 2の 50 m厚の PCフィルムを得た。また、上記化合物 No. 7に代えて下記比較化合 物 1を用いた以外は実施例 1と同様にして、比較例 1の PCフィルムを得た。さらに、上 記化合物 No. 7を用いない以外は実施例 1と同様にして、比較例 2の PCフィルムを
比絞化合物 1
[0070] (耐候性試験方法)
上記実施例および比較例の PCフィルムについて、スガ試験機株式会社製 サンシ ャインウエザーメーター(83°C)水スプレーあり、および、 ATLAS社製 キセノンゥェ 一ザ一メーター(65°C)水スプレーあり(条件同一:連続照射、水スプレー時間 120 分中 18分)で、 120時間毎の黄色度をスガ試験機株式会社製 多光源分光測色計 により測定した。
[0071] サンシャインウエザーメーターでの耐候性試験ではフィルムの透過により黄色度の 測定を行い、色差(Δ Ε)を表 1に、黄色度の差(ΔΥ. I. )を表 2に示した。また、キセ
ノンゥエーザーメーターでは反射により黄色度の測定を行 、、色差( Δ E)を表 3に、 黄色度の差(Δ Υ. I. )を表 4に示した。
[0072] [表 1]
[0073] [表 2]
[0074] [表 3]
[0075] [表 4]
黄色度 ( Y. I.)
化合物
0時間 120時間 240時間 360時間 480時間 実施例 1-4 化合物 No.7 0. 00 1. 30 2. 46 4. 34 5. 39 実施例 2-4 化合物 No.21 0. 00 1. 12 2. 31 3. 82 4. 92 比棚 1-4 比較化合物 1 0. 00 1. 55 2. 50 4. 35 5. 64 比棚 2-4 なし 0. 00 3. 14 5. 13 7. 27 8. 63