明 細 書
組合せ計量装置
技術分野
[0001] 本発明は、組合せ計量装置に関し、特に、分散部に特徴を有する組合せ計量装置 に関するものである。
背景技術
[0002] 一般に、組合せ計量装置は、分散テーブルと、計量ホツバとを備えて!/ヽる。分散テ 一ブルに供給された物品は、分散テーブルにおいて分散され、複数の計量ホツバの いずれかに供給されることになる。分散テーブルへの物品の供給には、桟付コンペ ャゃバケツトコンべャなどが用いられる。
[0003] ここで、分散テーブルを振動させることにより、コンペャ力 分散テーブルに供給さ れた物品を分散させることは、たとえば、当該物品が鶏肉などの柔らかい物品である 場合には難しい。そのため、回転する分散テーブルに物品を落下させる方法が採用 されている。しかし、物品をコンペャカも分散テーブルの略中央に落下させることは、 当該物品が鶏肉などの柔らかぐかつ、粘着性の高い物品である場合には難しい。し たがって、このような場合、物品の落下位置がずれて計量ホツバへの供給が偏るおそ れがある。
[0004] そこで、特許文献 1の装置では、一方向に回転する分散テーブル上に突起物を設 けて、下方のホツバへの物品投入の偏りの防止を狙っている。
特許文献 1:特開 2001— 183224 (要約書)
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0005] しかし、実際には、特許文献 1の突起物だけでは物品の偏りを防止するには至らな い。また、分散テーブルを回転させることにより、その遠心力よつて放射方向に滑落 する物品がこの突起物に引っ掛力る場合がある。
[0006] 本発明の目的は、物品の滑落する方向の偏りを抑制し得る分散部を備えた組合せ 計量装置を提供することにある。
課題を解決するための手段
[0007] 請求項 1にかかる組合せ計量装置は、分散部と、複数の計量ホツバと、組合せ部と を備える。分散部は、上方力も落下してくる物品を周囲に分散させる。計量ホッパは、 分散部の下方に略円周上に配列されている。組合せ部は、各計量ホツバで計量され た計量値を組み合わせる。そして、運転中に、分散部における物品の落下位置の状 態が変化する。
[0008] 請求項 2にかかる組合せ計量装置は、請求項 1にかかる組合せ計量装置であって 、分散部は、略円錐状に形成された分散テーブルと、分散テーブルを回転させる回 転駆動部とを有する。分散テーブルの頂点は、回転中心力も偏心している。
[0009] 請求項 3にかかる組合せ計量装置は、請求項 1にかかる組合せ計量装置であって 、分散部は、分散テーブルと、分散テーブルを回転させる回転駆動部とを有する。回 転駆動部は、分散テーブルの回転パターンを変化させる。
[0010] 請求項 4に力かる組合せ計量装置は、請求項 1にかかる組合せ計量装置であって 、分散部は、分散テーブルと、分散テーブルを回転させる回転駆動部とを有する。分 散テーブルは、回転駆動部による回転駆動中、水平方向に対して傾斜している。
[0011] 請求項 5にかかる組合せ計量装置は、分散部と、複数の計量ホッパと、組合せ部と を備える。分散部は、物品を所定の位置で受け取り周囲に分散させる。計量ホッパは 、分散部で分散された物品を受け取り計量する。組合せ部は、各計量ホツバで計量 された計量値を所定の重量または所定の数量になるように組み合わせる。そして、運 転中に、分散部における所定の位置の状態が変化する。
発明の効果
[0012] 本発明にかかる組合せ計量装置によれば、運転中に分散部において物品の供給 される位置の状態が変化することにより、物品の滑落する方向の偏りを抑制して、物 品の滑落する方向をより均等に分散することができる。
[0013] 特に、請求項 2にかかる組合せ計量装置によれば、頂点が回転中心力も偏心した 略円錐の傾斜面が回転することにより、物品の滑落する方向が分散される。そのため 、物品の落下位置が回転中心からずれても物品を適正に分散可能となる。
図面の簡単な説明
[0014] [図 1]本発明の一実施例にかかる組合せ計量装置の機能を示す概念図である。
[図 2]本発明の一実施例に力かる組合せ計量装置のブロック図である。
[図 3]分散テーブル力 供給トラフへの物品の供給方法を示す概略平面図および概 略側面図である。
[図 4]変形例に力かる分散テーブルの概略側面図である。
符号の説明
[0015] 1 :組合せ計量装置
2 :分散部
2a:分散テーブル
2b :回転装置(回転駆動部)
20 :制御部 (組合せ部)
Xi:計量ホッパ
C :回転中心
L:回転軸
M :内容物
P :頂点
発明を実施するための最良の形態
[0016] 以下、図面を参照して、本発明の一実施例に力かる組合せ計量装置 1について説 明する。
[0017] 概略構成:
まず、組合せ計量装置 1の一般的な機能および動作について説明する。
[0018] 図 1に示すように、搬送コンペャ 100は、被計量物である物品 Mを組合せ計量装置 1の分散部 2の上方まで搬送し、組合せ計量装置 1の分散部 2に向けて落下させる。 組合せ計量装置 1では、複数の物品 Mが、その合計数量または合計重量が所定の 数量または重量となる、あるいは所定の数量または重量に近づくように集められる。 その後、組合せ計量装置 1において集められた物品 Mは、下流の製袋包装機(図示 せず)等において袋詰めされて商品になる。
[0019] 組合せ計量装置 1は、シュート 10と、分散部 2と、 n個の供給トラフ Ui (i= l, 2, · · ·
, n)と、 n個のプールホッパ Vi (i= l, 2, · · · , n)と、 n個の計量ホッパ Xi(i= 1, 2, · · · , n)と、集合排出シュート 9と、制御部 20 (図 2参照)とを有している。
[0020] 各供給トラフ Uiは、分散部 2から受け取った物品 Mを、当該供給トラフ Uiの下流に 設けられたプールホッパ Viに供給する。各プールホッパ Viには、ゲート Wiが設けら れており、各プールホッパ Viは、供給トラフ U も供給されて受け取った物品 Mを一 時的に収容して貯留する。各プールホッパ Viの下流には、計量ホッパ Xiが設けられ ている。各計量ホッパ Xiには、プールホッパ V 当該計量ホッパ Xiに投入された 物品 Mの重量を検出する重量検出器 Yiを備えた計量ヘッドおよびゲート Ziが設けら れている。ゲート Zl〜Znの下方には、大きな集合排出シュート 9が設けられている。 制御部 20は、各重量検出器 Yiで検出された物品 Mの計量値を目標値もしくは目標 値に近い値となるように組み合わせる。集合排出シュート 9は、制御部 20により組み 合わされた計量値に対応する物品 Mを一まとめにして、下流の製袋包装機(図示せ ず)等に向けて落下させる。
[0021] 分散部 2 :
図 3 (a)〜(d)は、分散部 2および供給トラフ Ul〜Unを示す概略平面図であり、図 3 (e)〜 (h)は分散部 2および供給トラフ Ul〜Un付近の概略側面図である。なお、 図 3 (e)は図 3 (a)に、図 3 (f)は図 3 (b)に、図 3 (g)は図 3 (c)に、図 3 (h)は図 3 (d)に 対応している。
[0022] 図 2および図 3 (e)に示すように、分散部 2は、頂点 Pが偏心した略円錐状に形成さ れた分散テーブル 2aと、分散テーブル 2aを回転駆動する回転装置 2bとを備えて ヽ る。略円錐状の分散テーブル 2aは、頂点 Pが偏心しているので、母線の長い側の傾 斜面 2fと母線の短い側の傾斜面 2sとを有し、母線の長い側の傾斜面 2f上に、図 3 (a )に示す回転中心 Cが設定されている。回転中心 Cは、好ましくは、略円錐状の分散 テーブル 2aの底面の中心の直上にある。
[0023] 供給トラフ Ul〜Unは、分散テーブル 2aの下方であり、かつ、分散テーブル 2aのま わりに略円周上に配列されている。図 1の各プールホッパ Viは、供給トラフ Uiの下方 に設けられており、各計量ホッパ Xiは、プールホッパ Viの下方に設けられている。し たがって、プールホッパ Vl〜Vnおよび計量ホッパ Xl〜Xnは、分散テーブル 2aの
下方に略円周上に配列されていることになる。
[0024] 図 3 (e)に示すように、搬送コンペャ 100は、たとえば、バケツトコンべャであり、その 下方には、シュート 10が設けられている。物品 Mは、たとえば、鶏肉などの柔らかぐ かつ、粘着性の高い物品であり、搬送コンペャ 100によってシュート 10の上方まで搬 送された後、下方のシュート 10に向って各パケットから間欠的に投入され、シュート 1 0を通り抜けて分散テーブル 2a上に落下する。
[0025] 図 3 (e)〜 (h)に示すように、分散テーブル 2aは、回転装置 2bにより、概ね鉛直な 回転軸 Lのまわりを一定の回転速度で、かつ、連続的に回転駆動される。物品 Mは、 図 3 (e)〜(h)の矢印に示すように、シュート 10を通り抜けることによって、分散テープ ル 2aの回転中心 C (図 3 (a) )ないしその近傍に落下する。物品 Mは、分散テーブル 2aの回転による遠心力と重力とにより、分散テーブル 2aの傾斜した表面上を螺旋を 描いて滑落し、供給トラフ Ul〜Unのいずれかに供給される。
[0026] なお、各供給トラフ Uiは、物品 Mの供給方向に間欠的に往復移動し、これにより、 物品 Mをプールホッパ Viに供給する。供給トラフ Ul〜Unの往復移動は、たとえば、 モータの回転を往復運動に変換することにより実現される。
[0027] 物品 Mの供給動作:
次に、分散テーブル 2aからの物品 Mの供給トラフ Ul〜Unへの供給動作について 説明する。物品 Mは、前述のように、搬送コンベア 100によって分散テーブル 2aの上 方まで間欠的に搬送されてくる。以下では、分散テーブル 2aが 90° 回転する毎に分 散テーブル 2aへの物品 Mの供給が 1回行われる場合について例示する。
[0028] 図 3 (a)〜(d)に示すように、分散テーブル 2aは、回転中心 Cを中心に回転している 。図 3 (e)に示す搬送コンペャ 100からシュート 10に投入された物品 Mは、分散テー ブル 2aの回転中心 Cな 、しその近傍に落下する。分散テーブル 2aの回転中心 Cな いしその近傍に落下した物品 Mは、略円錐状の分散テーブル 2aの頂点 Pの反対方 向に向って、かつ、分散テーブル 2aの傾斜した表面に沿って螺旋を描いて滑落する 。すなわち、物品 Mは、母線の長い側の傾斜面 2f上に落下し、落下後、当該傾斜面 2fに沿って滑落し、図 3 (a)の矢印に示すように、図 3 (a)の右側方向に位置する複 数の供給トラフ Uiに供給される。
[0029] その後、物品 Mは、分散テーブル 2aが 90° 回転する毎に分散テーブル 2a上に供 給され、図 3 (b)〜(d)に示すように、分散テーブル 2aの回転方向に沿って約 90° ずつ異なる位置の複数の供給トラフ Uiに供給される。
[0030] たとえば、図 3 (a)〜(d)に示すように、分散テーブル 2aが時計回りに回転している 場合、物品 Mは、右側(図 3 (a)参照)、下側(図 3 (b)参照)、左側(図 3 (c)参照)、上 側(図 3 (d)参照)の順に、供給トラフ Uiに供給されることになる。
[0031] このように、回転中心 Cに対して偏心した頂点を持つ分散テーブル 2aの傾斜面が 回転することにより、物品 Mの滑落する方向が分散される。そのため、物品 Mの落下 位置が回転中心 C力 ずれても、物品 Mが母線の長い側の傾斜面 2fに落下し、更に 、この母線の長い側の傾斜面 2fに沿って滑落し、この母線の長い側の傾斜面 2fが分 散テーブル 2aの回転に伴って回転するから、物品 Mを適正に分散可能となる。
[0032] ところで、たとえば、鶏肉のように比較的大きぐかつ、柔らかな物品 Mでは、分散テ 一ブル 2aの頂点 Pを回転中心 C力 偏心させない場合、当該頂点 Pに物品 Mが食い 込み残留するおそれがある。本組合せ計量装置 1では、分散テーブル 2aの頂点 Pを 当該分散テーブル 2aの回転中心 C力も偏心した位置に設定しているので、シュート 1 0から落下してくる物品 Mの落下位置が分散テーブル 2aの中心力もずれても、物品 Mは母線の長い側の傾斜面 2f上に常に落下することになる。したがって、頂点 Pへの 物品 Mの食い込みが防止できるので、物品 Mの残留を無くすことができる。
[0033] 変形例:
(1)
説明を分かり易くするために、前述の実施例では、分散テーブル 2aへの物品 Mの 供給を分散テーブル 2aが 90° 回転する毎に 1回行うこととした力 分散テーブル 2a への物品 Mの供給間隔をそれ以外に設定してもよい。
たとえば、前述のように 90° に 1回の供給を行う為には、分散テーブル 2aが 1回転 する間に物品 Mを 4回供給すればよいが、分散テーブル 2aが 1回転する間の物品 M の供給回数を整数にしないことで、物品 Mの供給トラフ Ul〜Unへの落下位置を毎 回変ィ匕させることができる。
(2)
分散テーブル 2aとしては、その頂点 Pが回転中心 C力 偏心した略円錐状に形成 されておればよぐたとえば、図 4 (a)に示すように、丸みを帯びたなだらかな円錐状 であってもよいし、図 4 (b)に示すように、分散テーブル 2aの表面が波状に形成され ていてもよい。更に、分散テーブル 2aの表面に無数の凸部が形成されていてもよい。 なお、一般に、母線の長い側の傾斜面 2fは、母線の短い側の傾斜面 2sに比べ傾 斜が緩くなる。
(3)
分散テーブル 2aは、図 4 (c)に示すように、頂点の偏心した略円錐を高さ方向に平 行に切断したものの底面を含む側の上方に、略円錐を組み合わせた形状であっても よい。このように、分散テーブル 2aは、円錐と円錐の一部とを任意に組み合わせた形 状であって、その頂点 Pが回転中心 C力も偏心した形状であってもよい。
(4)
制御部 20は、回転装置 2bを制御することにより、分散テーブル 2aの回転パターン を調節可能となっていてもよい。この変形例では、制御部 20は、複数の供給トラフ U l〜Unへの物品 Mの分散状況に関する情報を取得し、この情報に基づいて複数の 供給トラフ Ul〜Unのうち物品 Mの供給が乏しい供給トラフに優先して物品 Mが供 給されるように、分散テーブル 2aの回転速度を調節する。この制御が加えられること により、この変形例に力かる糸且合せ計量装置 1では、運転中に分散部 2において物品 Mの供給される位置の状態が変化することとなり、物品 Mの滑落する方向の偏りを抑 制して、物品 Mの滑落する方向をより均等に分散することができる。
なお、この変形例においては、分散テーブル 2aは、例えば、平らな略円形状 (ター ンテーブル形状)であってもよいし、平らな略矩形状であってもよいし、略円錐形状で あってもよい。これらの場合、分散テーブル 2aの回転軸 Lは、それぞれ、略円形の中 心を通り分散テーブル 2aの平らな面に直交する直線、略矩形の中心を通り分散テー ブル 2aの平らな面に直交する直線、略円錐の底面の中心を通り底面に直交する直 線であることが好ましい。
(5)
分散テーブル 2aは、図 4 (d)に示すような形状であってもよい。すなわち、分散テー
ブル 2aが、水平方向に対して傾斜した状態で回転軸 Lに取り付けられており、この回 転軸 Lのまわりを回転するようになっていてもよい。そして、この分散テーブル 2aは、 例えば、平らな略円形状 (ターンテーブル形状)であってもよいし、平らな略矩形状で あってもよいし、略円錐形状であってもよい。これらの場合、分散テーブル 2aの回転 軸 Lは、それぞれ、略円形の中心を通り分散テーブル 2aの平らな面に直交する直線 、略矩形の中心を通り分散テーブル 2aの平らな面に直交する直線、略円錐の底面 の中心を通り底面に直交する直線であることが好ま 、。
産業上の利用可能性
本発明は、物品の計量値を組み合わせる組合せ計量装置に用いることができる。