WO2007032432A1

WO2007032432A1 - 操作用ダイアル

Info

Publication number: WO2007032432A1
Application number: PCT/JP2006/318252
Authority: WO
Inventors: Kouichi Yamanoue; Takeshi Yamane; Yoshifumi Makino
Original assignee: Visteon Global Technologies, Inc.
Priority date: 2005-09-14
Filing date: 2006-09-14
Publication date: 2007-03-22
Also published as: JP4933436B2; JPWO2007032432A1; US20100149001A1; KR20080055912A; KR100991082B1; DE112006002444T5

Abstract

　安価で、耐久性、信頼性に優れ、ダイアルの回転角度検出精度の高い操作用ダイアルを提供する。　回転して操作される操作用ダイアルであって、電気回路を有するプリント回路基板１０と、プリント回路基板１０上に設けられた駆動電極１３と、プリント回路基板１０上の、駆動電極１３の周囲に設けられた複数の検出電極１２と、駆動電極１３と隙間を隔てて対向して配置されたリング電極１０１であって、上記複数の検出電極１２のいずれかと隙間を隔てて対向するように外方に突出した少なくとも一つの突出部１０２を有するリング電極１０１と、リング電極１０１と一体となって回転可能な電気絶縁性材料のダイアルと、を具備する。

Description

明細書

操作用ダイアル

技術分野

[0001] 本発明は、操作用ダイアルに関し、より詳細には、車両に搭載して空調操作パネル等に用いて好適な、操作用ダイアルの絶対回転位置を電気的に検出する回転式の操作用ダイアルに関する。

背景技術

[0002] 従来の回転式の操作用ダイアルとして、操作用ダイアルの外周部位に切り替え接点を配したもの、又は、操作用ダイアルの外周部位に駆動歯車と回転式スィッチとを配したものが知られて、る（特許文献 1)。

[0003] 特許文献 1 :特開 2001— 184969号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] 上記従来技術において、切り替え接点部を有する方式では、車室内の埃等の侵入や、電気接点の摺動磨耗によって接触不良を起こす場合があるため、長期間使用による耐久性、信頼性上の懸念があった。逆に、かかる耐久性、信頼性の向上を目的として複雑な防塵構造を要する点、力 tlえて、該電気接点に金メッキを施す等によってコストアップが発生していた。

[0005] また、駆動歯車を有する方式にお!、ては、駆動歯車を保護する目的で、表ケース、中ケース及び裏ケースの 3部品を必要とする力も構造上のコストアップを免れない。

[0006] さらに、回転式スィッチとして、例えば、村田製作所製ロータリーポジションセンサ S V01シリーズを採用した例において、このロータリーポジションセンサの回転検出誤差が 3%となっているのにカ卩えて、駆動歯車の回転角度伝達誤差が存在するので、操作用ダイアルの回転位置に対して、概ね全回転角度比 5%の検出誤差が生じることが知られている。

[0007] しかるに、この回転式スィッチの操作用ダイアルの全回転角度を仮に 240度とすると、 240 X 0. 05 = 12度の誤差を生じることになる。これに対して、例えば、空調用の温度設定ダイアルの設定分解能を 32ステップ Z240度としたときの必要角度分解能は 7. 5度である。したがって、この回転式スィッチを、この空調用の温度設定ダイアルに適用すると、回転角度検出精度の要求値よりも誤差の方が大きくなつてしまうという問題が生じる。

[0008] そこで、本発明は、安価で、耐久性、信頼性に優れ、ダイアルの回転角度検出精度の高、操作用ダイアルを提供することを目的として、る。

課題を解決するための手段

[0009] 上記の目的を達成するため、本発明の操作用ダイアルは、回転して操作される操作用ダイアルであって、電気回路を有するプリント回路基板（10)と、上記プリント回路基板（10)上に設けられた駆動電極（13)と、上記プリント回路基板（10)上の、上記駆動電極（13)の周囲に設けられた複数の検出電極（12)と、上記駆動電極（13) と隙間を隔てて対向して配置されたリング電極（101, 101a)であって、上記複数の検出電極（12)のいずれかと隙間を隔てて対向するように外方に突出した少なくとも一つの突出部（102, 102a)を有するリング電極（101, 101a)と、上記リング電極（1 01 , 101a)と一体となって回転可能な電気絶縁性材料のダイアルと、を具備したことを特徴としている。

[0010] このように、本発明の操作用ダイアルは、駆動電極、検出電極及びリング電極の各電極どうしが互いに非接触である。このため、本発明の操作用ダイアルは、電極の摩耗ゃ接触不良の発生するおそれがないので、耐久性及び信頼性に優れる。さら〖こ、本発明の操作用ダイアルは、複雑な防塵構造や歯車機構を設ける必要がないため、簡単な構成とすることができる。このため、本発明の操作用ダイアルは、安価に製造することができる。

[0011] さらに、本発明の操作用ダイアルは、歯車機構を必要としないため、歯車による誤差がない。その代わり、ダイアルの外周のプリント回路基板上に配設された、ダイァノレの設定分解能 Z又はステップ数に応じた個数の検出電極によって、ダイアルの回転角度がデジタル的に検出される。したがって、高い回転角度検出精度が実現される。

[0012] また、本発明において好ましくは、上記駆動電極（13)に高周波信号を印加する駆動回路（200)と、上記複数の検出電極（12)の各々に順次に接続され、接続した検出電極（12)力の信号を出力する切り替え回路（300)と、上記切り替え回路（300) 力の出力信号を処理して、上記駆動電極（13)に印加された高周波信号により上記リング電極（101, 101a)の突出部（102, 102a)と対向した検出電極（12)に誘導された信号を検出し、それによつて、ダイアル操作位置に応じた検出信号を出力する信号検出手段 (400)と、を具備する。

[0013] 駆動電極に高周波信号が印加されると、駆動電極に対向したリング電極に高周波信号が誘導される。さらに、複数の検出電極のうち、リング電極の突出部と対向する検出電極にも高周波信号が選択的に誘導される。その結果、複数の検出電極からの信号のうち、突出部と対向した検出電極からの信号レベルが最大となる。そして、リング電極の突起部はダイアルと一体に回転するので、ダイアルの回転操作位置に応じて、最大の信号レベルの検出される検出電極が決まる。したがって、最大の信号レべルが検出される検出電極を特定することによって、操作用ダイアルの操作位置が検出される。

[0014] また、本発明において好ましくは、上記駆動電極（13)は、上記ダイアルと同軸に形成された円環状パターンを有し、上記リング電極（101, 101a)は、上記駆動電極（1 3)の円環状パターンと重なり合うように配置されて、る。

このように、駆動電極を円環状パターンとすれば、ダイアルの回転角度に関係なぐ駆動電極を介してリング電極に高周波が誘起される。

[0015] また、本発明において好ましくは、上記駆動回路 (200)は、矩形波信号発振回路と、上記矩形波信号発振回路力発振した矩形波信号から、上記駆動電極（13)に印カロされる高周波信号の周波数成分を取り出す L C共振回路と、を有する。

これにより、駆動電極に所望の周波数の高周波信号を印加することができる。

[0016] ところで、ダイアルの部品とリング電極の部品とが別々に形成される場合、それらの部品どうしは手作業で勘合され、操作用ダイアルが組み立てられる。その場合、操作用ダイアルの組み立てのために、組み立て用の治具が必要となる。また、半勘合状態の誤組み付けが発生するおそれがあるため、勘合状態を検査も必要となる。誤組み付けの発生、及び勘合状態の検査の必要性は、コストの上昇を招く。

[0017] そこで、本発明において、好ましくは、上記ダイアルは、スリーブ（100a)を有し、上記スリーブ（100a)は、下面が上記駆動電極と対向したフランジ（1000)を有し、上記フランジ（1000)は、外方に突出した少なくとも一つの突出部（1001)を有し、上記リング電極（101a)は、上記フランジ（1000)の下面に印刷され、上記リング電極（101 a)の突出部（102a)は、上記フランジ（1000)の突出部（1001)の下面（1002)に印刷されている。

これにより、ダイアルの部品とリング電極の部品とを別々に形成した場合には 2点の部品点数を必要としたが、リング電極を印刷形成することにより、実質的に 1点で同じ機能を実現することができる。その結果、部品点数を少なくしてコストの低減を図ることができる。さらに、ダイアルの部品とリング電極の部品とを勘合して組み立てる必要がない。このため、誤組付けの発生するおそれがなぐまた、誤組み付けの有無を検查する必要もない。また、リング電極の部品を別個に製造する必要もない。このため、リング電極の部品の金型製造コストも不要となる。

発明の効果

[0018] このように、本発明によれば、安価で、耐久性、信頼性に優れ、ダイアルの回転角度の検出精度の高い操作用ダイアルを提供することができる。

発明を実施するための最良の形態

[0019] 以下、添付の図面を参照して、本発明の操作用ダイアルの実施形態を説明する。

まず、図 1を参照して、実施形態の操作用ダイアルの基本構造について説明する。図 1は、本発明の操作用ダイアルの基本構造を示す。

[0020] 図 1に示すように、本実施形態の操作用ダイアルは、回転して操作される操作用ダィアルであって、電気回路を有するプリント回路基板 10と、上記プリント回路基板 10 上に設けられた駆動電極 13と、上記プリント回路基板 10上の、上記駆動電極 13の周囲に設けられた複数の検出電極 12と、上記駆動電極 13と隙間を隔てて対向して配置されたリング電極 101であって、上記複数の検出電極 12のいずれかと隙間を隔てて対向するように外方に突出した少なくとも一つの突出部 102を有するリング電極 101と、上記リング電極 101と一体となって回転可能な電気絶縁性材料のダイアルと、を具備する。

駆動電極 13は、ダイアルと同軸に形成された円環状パターンを有し、リング電極（1 01 , 101a)は、駆動電極（13)の円環状パターンと重なり合うように配置されている。また、ダイアルは榭脂製のスリーブ 100を有する。

[0021] スリーブ 100は、操作用ダイアルと一体に構成された円筒形状を有する。スリーブ 1

00は、図 2に示すダイアル胴部 104と勘合されて、プリント回路基板 10の表面に回動可能にして取り付けられている。また、スリーブ 100の内面には、セレーシヨン 103 が設けられている。セレーシヨン 103と圧接したパネ（図示せず）によって、スリーブ 1

00の回転位置に対応したクリック力が生じる。

[0022] 検出電極 12は、プリント回路基板 10の表面に、スリーブ 100と同軸の円周上に、互いに等角度ずつ離れて配置されたプリント配線パターンによって構成される。駆動電極 13は、プリント回路基板 10上の検出電極 12の内周部に、ダイアルと同軸に形成された円環状パターンによって構成される。

[0023] リング電極 101は、図 2に示すように、スリーブ 100のフランジの下面に勘合されて、かつ、駆動電極 13の円環状パターンと重なり合うように設けられている。リング電極は 101は、リング電極 101から外側に突出した突出部 102を有する。突出部 10は、検出電極 12の各々と対向可能に配置されている。突出部 102はまた、個々の検出電極 12の面積及び形状とほぼ同一の面積及び形状を有する。

[0024] また、この操作用ダイアルは、上記駆動電極 13に高周波信号を印加する駆動回路 200と、上記複数の検出電極 12の各々に順次に接続され、接続した検出電極 12からの信号を出力する切り替え回路 300と、上記切り替え回路 300からの出力信号を処理して、上記駆動電極 13に印加された高周波信号により上記リング電極 101の突出部 102と対向した検出電極 12に誘導された信号を検出し、それによつて、ダイァル操作位置に応じた検出信号を出力する信号検出手段 400とを有する。

[0025] 駆動電極 13は、プリント回路基板 10上に形成しされた所定周波数の高周波信号を供給する駆動回路手段 200と接続される。また、各検出電極 12は、プリント回路基板 10上に形成した切り替え回路手段 300を介して、複数の検出電極 12のうちから選択した一つの検出電極と電気的に接続され、かつ、信号検出手段 400とも接続される。

[0026] なお、プリント回路基板 10の表面とリング電極 101の裏面との隙間 D1は、望ましくは 0. 2mm程度である。リング電極 101の突出部 102は、スリーブ 100の回転に伴つて、検出電極 12の、ずれか一つと対向するように構成されて!、る。

[0027] このように構成された検出電極 12と突出部 102との間には、静電容量 Caが形成される。また、リング電極 101と駆動電極 13との間には、静電容量 Cbが形成される。

[0028] 次に、図 2に、本実施形態の操作用ダイアルの断面構造を示す。

なお、図 2では、プリント回路基板 10上の検出電極 12及び駆動電極 13のパターンの図示を省略している。図 2に示すように、プリント回路基板 10の上面には、透明榭脂材料より成る導光体 107が固定されている。導光体 107の内側円筒形状部には、上方力も押動可能な円筒状の榭脂製ボタン 106が挿入されている。

[0029] 導光体 107の外周部には、回動可能なダイアル胴部 104が勘合されている。スリーブ 100とダイアル胴部 104は、スリーブ 100がダイアル胴部 104の下部に結合された状態で、金属板製のリング電極 101の折り曲げ部によって狭持されている。

[0030] ポインタ 105が、ダイアルの操作位置を視覚的に示す。スィッチ部材 108が、ボタン 106押圧時に連動して電気的接点が閉じるように、プリント回路基板 10の表面上に構成されている。また、 LED109が、導光体 107を透過してボタン 106の表面の夜間照明を行うために、プリント回路基板 10の表面に半田付けで実装されている。

[0031] 次に、図 3に、本発明の操作用ダイアルを備えた空調制御モジュールの構造を例示する。

なお、図 3においても、プリント回路基板 10上の検出電極 12及び駆動電極 13のパターンの図示を省略している。図 3に示すように、この空調制御モジュールでは、ダイァノレ月同咅 104、ボタン 106、導光体 107、スリーブ 100及びリング電極 101力プリント回路基板 10の表面に、同軸状に装着されている。この空調制御モジュールは、プリント回路基板 10をケース 110の底面側力も挿入してケースに固定した後に、ケース 1 10の背面からカバー 111が装着されるように構成されて、る。

[0032] 以下、本発明の操作用ダイアルの作用に関して、図面を参照して説明する。

駆動回路 200は、矩形波信号発振回路と、矩形波信号発振回路から発振した矩形波信号から、駆動電極（13)に印加される高周波信号の周波数成分を取り出す L C共振回路と、を有する。

駆動回路手段 200は、矩形波信号発振回路と、矩形波信号発振回路から発振した矩形波信号から、駆動電極 13に印加される高周波信号の周波数成分を取り出す L —C共振回路とから構成してある。

[0033] 図 4に示す矩形波信号発振回路は、公知の R— C発振回路によって形成することができる。矩形波信号発振回路は、例えば、 300KHzの矩形波信号を発生するように設定されている。また、 L— C共振回路は、コイル 15及びコンデンサ 16から構成される。 L— C共振回路はまた、矩形波信号発振回路力もの出力に対して、電圧振幅の増大と所望の周波数のみを抽出するフィルタリングを行い、それによつて、図 5に S 1で示す正弦波信号の高周波信号を、プリント回路基板 10に設けた駆動電極 13へ供給する。

[0034] 力かる共振回路によって、駆動電極 13に対する印加電圧が上昇し、かつ、駆動回路手段 200の出力信号に含まれる高調波成分が抑制される。これにより、駆動電極 1 3から外部へ放射される妨害電波の発生が抑制される。

[0035] 図 1に示すように、上述のように、駆動電極 13と、リング電極 101の円環部とは、互いに対向して、静電容量 Cbを形成する。さら〖こ、リング電極 101の突出部 102と、突出部 102と対向している検出電極 12とは、静電容量 Caを形成する。

[0036] したがって、駆動回路手段 200から出力した高周波信号 S1は、静電容量 Ca及び Cbを介して、複数の検出電極 12のうち、リング電極 101の突出部 102と対向した検出電極 (対向検出電極） 12に誘導される。高周波信号 S1の対向検出電極 12への誘導信号は、図 4に示すように、公知のアナログスィッチ力も成る切り替え回路手段 300 によって順次に選択されて、増幅及び検波を行うように構成された信号検出手段 40 0へ入力される。

なお、切り替え回路手段 300の切り替え信号入力端子 18及び信号検出手段 400 の出力端子 19は、マイクロプロセッサ（図示せず）に接続されて所望の制御を行うように構成されている。

[0037] ここで、対向検出電極 12は、ダイアル胴部 104の回転位置により選択的に決定される。一例として、突出部 102が、検出電極 12c (図 4参照）と対向している場合、切り替え回路手段の切り替え信号 S2が図 5中に「3」で示す期間中、検出回路手段の出力信号 S3が最大値を示す。 [0038] 上記のようにして、信号検出手段 400の出力が最大レベルとなるときに切り替え回路手段 300が接続されている検出電極を特定することによって、ダイアル胴部 104の操作位置が検出される。

[0039] 以上の説明したように、本発明の操作用ダイアルは、プリント回路基板上のパターンと所定の隙間を隔てて回転するリング電極との間で形成される静電容量を利用した高周波信号の誘導レベル力ダイアルの操作位置を検出するように構成されて、る。このため、本発明の操作用ダイアルは、接触による電極の磨耗がないため、耐久性に優れる。また、本発明の操作用ダイアルは、従来技術における駆動歯車とロータリーポジションセンサとの組み合わせによる検出角度誤差がない。本発明の操作用ダイアルでは、設定分解能に応じた個数の検出電極を配置することによってデジタル的に回転角度を検出可能であるため、操作用ダイアルの回転操作位置を高精度で検出することができる。

[0040] また、本発明の操作用ダイアルは、駆動歯車を具備した従来技術と異なり、表ケース、中ケース、裏ケースの 3層構造とする必要が無ぐ例えば、カバーとケースとの 2 点で構成可能であるから低コストィ匕が可能である。

[0041] カロえて、本発明の操作用ダイアルは、外部カゝら誘導される高周波ノイズに対しても優れた耐性を有する。一般的に車両上で搭載機器に印加される高周波ノイズの周波数は数十 kHzから数百 MHzである。これら高周波ノイズの波長を鑑みた場合、操作用ダイアルにお!/、て最も外来ノイズの誘導を受ける部位は、最大線路長であるリング電極である。

[0042] しカゝしながら、本発明の操作用ダイアルは複数の検出電極からの信号レベルのうちの最大値を検出しており、かつ、リング電極の突出部によって選択的に検出電極へ信号が印加される。このため、仮にリング電極に対して過大な高周波のノイズが印加されても、選択された検出電極からの信号は、正規の高周波信号とノイズとの和となり、その結果、選択された検出電極力もの信号の信号レベルがより大きくなる。したがつて、ノイズが印加されると、各検出電極からの信号のうちの最大の信号レベルと、残りの検出電極力もの信号の信号レベルとの差がより大きくなる。

[0043] 上述のように、リング電極 101とプリント回路基板 10の隙間 D1は、 0. 2mm程度に近接している必要がある。しかし、この隙間 D1の間に、車両の温度変化又は湿度によって結露が発生するおそれがある。結露による水分の付着場所は、駆動電極 13とリング電極 101との間、又は該リング電極 101の突出部 102と検出電極 12との間である。

[0044] これらの隙間に水分が付着すると、静電容量 Ca及び Cbの値は数十倍に増加する。その結果、検出電極 12における高周波信号の誘導レベルが倍増する。このため、水分の付着により、上述の外来ノイズの場合と同様に、各検出電極力もの信号のうちの最大の信号レベルと、残りの検出電極力の信号の信号レベルとの差がより大きくなる。したがって、結露により水分が付着しても、実用上、問題は発生しない。

[0045] なお、本実施例では、複数の検出電極 12の出力信号を切り替え回路手段 300を介して信号検出手段 400に入力したが、複数の検出電極の総数が少な!/、場合には

、検出電極と複数配設した信号検出手段とを直接接続し、信号検出手段の出力をマイク口プロセッサ等によって比較処理して同様の機能を実現させてもょ、。すなわち、マイクロプロセッサが、切り替え回路手段と信号処理手段とを兼ねてもよ、。

[0046] 次に、本発明の操作用ダイアルの他の実施形態について説明する。

なお、本実施形態では、スリーブ 100及びリング電極 101以外の構成は、上述した実施形態のものと同じであるので、同一部分の詳細な説明は省略する。

[0047] 図 6 (a)は、本実施形態の操作用ダイアルのスリーブの側面図である。図 6 (b)は、その下面図である。図 6 (a)に示すように、本実施形態のスリーブ 100aは、フランジ 1

000を有する。このフランジ 1000は、下面 1001が駆動電極 13と対向し、かつ、スリーブ 100aの周囲に向けて突出した突出部 1002を有する。

なお、図 6 (a)では、フランジ 1000の下面に貼り付けたリング状電極 101aの図示を省略している。

[0048] 図 6 (b)に示すように、スリーブ 100aのフランジ 1000の下面 1002に、リング電極 1 Olaのリング状のパターンが印刷形成されている。フランジ 1000の突出部 1001の下面に、リング電極 101aの突出部 102aのパターンが印刷形成されている。リング電極 10 la及び 102aは、ホットスタンプ法 (箔押印刷法）によりフランジに貼り付けられて印刷形成されている。 [0049] リング電極を印刷により貼り付けたスリーブ 100単体力上述の実施形態においてスリーブ 100とリング電極 101とを組み付けたものと同じ機能を、実質的に実現する。したがって、少ない部品点数によって、コストが低減される。また、誤組付けの発生するおそれがないので、製品の信頼性が向上する。

[0050] なお、リング電極のパターンをスリーブに形成する方法はホットスタンプ法に限定されず、例えば、水圧転写法や、金属薄膜のインサート形成法を用いてもよい。

産業上の利用可能性

[0051] 以上説明したように、本発明の操作用ダイアルは、ダイアルの回転位置を非接触でかつ正確に検出可能であり、また外来ノイズや結露等に対して信頼性の高!、ダイァル構造を提供できるから、自動車用の空調制御装置用ダイアル等に用いて好適であるほか、一般電気製品の操作用ダイアルとしても使用可能である。

図面の簡単な説明

[0052] [図 1]本発明に係る実施形態の操作用ダイアルの基本構造を示す図である。

[図 2]本発明の実施形態の操作用ダイアルの断面図である。

[図 3]本発明の操作用ダイアルを用いた空調制御モジュールの構造を示す分解斜視図である。

[図 4]本発明に係る実施形態の操作用ダイアルの電気回路図である。

[図 5]本発明に係る実施形態の操作用ダイアルの動作を説明する電気信号波形を示す図である。

[図 6] (a)は、本発明に係る他の実施形態の操作用ダイアルのスリーブの側面図であり、（b)は、その下面図である。

符号の説明

[0053] 10 プリント回路基板

12 検出電極

13 駆動電極

15 コイル

16 コンデンサ

12a〜12d 検出電極 18 切り替え信号入力端子 19 検出信号出力端子

100、 , 100a スリーブ

101、 , 101a リング電極

102、 102a 突出部

103 セレーシヨン

104 ダイアル胴部

105 ポインタ

106 ボタン

107 導光体

108 スィッチ

109 LED

110 ケース

111 カノく一

200 駆動回路手段

300 切り替え回路手段

400 信号検出手段

1000 フランジ

1001 突出部

1002 下面

Ca, Cb 静電容量

SI 駆動回路手段出力信号

S2 切り替え信号

S3 信号検出手段出力信号

Claims

請求の範囲

[1] 回転して操作される操作用ダイアルであって、

電気回路を有するプリント回路基板（10)と、

上記プリント回路基板（10)上に設けられた駆動電極（13)と、

上記プリント回路基板（ 10)上の、上記駆動電極（ 13)の周囲に設けられた複数の検出電極（12)と、

上記駆動電極（13)と隙間を隔てて対向して配置されたリング電極（101, 101a)であって、上記複数の検出電極（12)の、ずれかと隙間を隔てて対向するように外方に突出した少なくとも一つの突出部（102, 102a)を有するリング電極（101, 101a)と、上記リング電極（101, 101a)と一体となって回転可能な電気絶縁性材料のダイァルと、

を具備したことを特徴とする操作用ダイアル。

[2] 上記駆動電極（13)に高周波信号を印加する駆動回路（200)と、

上記複数の検出電極（12)の各々に順次に接続され、接続した検出電極（12)からの信号を出力する切り替え回路（300)と、

上記切り替え回路（300)からの出力信号を処理して、上記駆動電極（13)に印加された高周波信号により上記リング電極（101, 101a)の突出部（102, 102a)と対向した検出電極（12)に誘導された信号を検出し、それによつて、ダイアル操作位置に応じた検出信号を出力する信号検出手段 (400)と、

を具備することを特徴とする請求項 1記載の操作用ダイアル。

[3] 上記駆動電極（13)は、上記ダイアルと同軸に形成された円環状パターンを有し、上記リング電極（101, 101a)は、上記駆動電極（13)の円環状パターンと重なり合うように配置されている

ことを特徴とする請求項 1又は 2記載の操作用ダイアル。

[4] 上記駆動回路 (200)は、矩形波信号発振回路と、

上記矩形波信号発振回路力発振した矩形波信号から、上記駆動電極（13)に印カロされる高周波信号の周波数成分を取り出す L C共振回路と、

を有することを特徴とする請求項 1乃至 3のいずれか一項に記載の操作用ダイアル。上記ダイアルは、スリーブ（100a)を有し、

上記スリーブ（100a)は、下面が上記駆動電極と対向したフランジ（1000)を有し、上記フランジ（1000)は、外方に突出した少なくとも一つの突出部（1001)を有し、上記リング電極（101a)は、上記フランジ（1000)の下面に印刷され、

上記リング電極（101a)の突出部（102a)は、上記フランジ（1000)の突出部（100 1)の下面（1002)に印刷されている

ことを特徴とする請求項 1乃至 4のいずれか一項に記載の操作用ダイアル。