WO2007007523A1

WO2007007523A1 - 車載用音響制御システム

Info

Publication number: WO2007007523A1
Application number: PCT/JP2006/312479
Authority: WO
Inventors: Katsuhiro Yamaguchi
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co., Ltd.
Priority date: 2005-07-07
Filing date: 2006-06-22
Publication date: 2007-01-18
Also published as: EP1826900A1; US20100040242A1; JP2007015526A; US8121307B2; EP1826900A4

Abstract

　複数の音源ソース（１０１、１０２、１０３）と、車の走行速度を検出する車速検出ユニット（１１３）と、音響再生装置（１２０）とが車載通信ネットワーク（１００）に接続され、車速検出ユニット（１１３）より送信される車速信号に応じて再生音響信号を制御する車載用音響制御システムであって、音響再生装置（１２０）は入力される複数の音源ソースおよび音源ソースのメディア情報に応じて、車速信号から決定される音響制御部（１０６）への制御量を切り替える。このようにしてメディア交換時やメディア内における音源チャンネルが切り替わっても、聴感上最適な自動音響制御ができる車載用音響制御システムを提供する。

Description

明細書

車載用音響制御システム

技術分野

[0001] 本発明は、車速や車室内騒音に感応し、音量などの音響特性値を自動的に調整する車載用音響制御システムに関する。

背景技術

[0002] 従来、車内における騒音レベルにより自動音量制御を行うシステムの一例として、音源入力ソースの切り替え時に、音量制御の補正値を変更する切り替え器を介して、自動的に音量制御することにより、聴感上自然な音質'音量制御効果を得る適応音質音量制御装置が特許第 3352946号公報に開示されている。

[0003] 例えば、図 6において、音源 A10で音源信号が出力中であるときは、切り替え器 12 は音源 A10側を入力させるようにしている。このとき、マイクロフォン 16で集音されたマイク信号と音源 A10からの音源信号は制御量算出器 17に入力され、推定される騒音レベルから予め音源 A10用に決められた制御量に基づいて、音響制御部 13を制御する。この状態において、音源 B11が選択されると、切り替え制御器 18は制御量算出器 17および切り替え器 12を制御する。制御量算出器 17は、予め音源 B11用に決められた制御量に基づいて、音響制御部 13を制御し、切り替え器 12は音源 B11 を入力させる。このような制御を行うことにより、音源 A10と音源 B11に対する制御量を常に算出しておき、音源信号が切り替わったときに制御量も切り替える。したがって、音源信号が切り替わることにより音源信号レベルが急に大きくなつたとき、またはその逆のときにも、最適な制御量で音質や音量を調整でき聴感上自然な制御ができるようにしている。このように、従来の適応音質音量制御装置は音源入力ソースの切り替えに伴う自動音響制御を行って!/、た。

[0004] しかしながら、近年 DVD (デジタルバーサタイルディスク）などのマルチ'チャンネルオーディオに代表される多チャンネル化、多メディア化により、同一の音源ソースであっても入力される音源信号は変化するようになった。そのため、例えば音源ソースが DVDの場合、 DVDリニア PCM (パルスコードモジュレーション）信号再生時や DVD5. lch (チャンネル)信号再生時などに、制御方法を変化させないと、 DVD 5. lch信号再生時にセンターチャンネルから出力されるセリフ音など力自動音響制御によりかえつて聴き取りづらくなる場合や、聴感上不自然な制御になる場合があつた o

発明の開示

[0005] 本発明の車載用音響制御システムは、複数の音源ソースと車の走行速度を検出する車速検出ユニットと音響再生装置が車載通信ネットワークに接続され、音響再生装置には複数のスピーカが接続され、車速検出ュ-ットょり送信される車速信号に応じて再生音響信号を制御する車載用音響制御システムであって、音響再生装置は、複数の音源ソースカゝら入力される音源信号を所定の複数のチャンネル毎に振り分ける音源信号分配部と、複数のチャンネル毎に振り分けられた音源信号の周波数特性と音量を調整する音響制御部と、音源信号分配部および音響制御部を制御するマイク口コントローラとを備え、入力される複数の音源ソースおよび音源ソースのメディア情報に応じて、車速信号力決定される音響制御部への制御量を切り替えるとともに、音響制御部を通じて出力される複数のチャンネル毎の再生信号を複数のスピーカにそれぞれ入力することにより、同じ音源ソースにおいて再生チャンネルや音源信号のレベルが大きく異なるメディアに切り替わった場合においても、最適な自動音響制御が行える。

[0006] さらに、本発明の車載用音響制御システムは、複数の音源ソースと車の走行速度を検出する車速検出ユニットと音響再生装置が車載通信ネットワークに接続され、音響再生装置には複数のスピーカと少なくとも 1つのマイクロフォンが接続され、車速検出ユニットより送信される車速信号またはマイクロフォンで検出した騒音レベルに応じて再生音響信号を制御する車載用音響制御システムであって、音響再生装置は、複数の音源ソースカゝら入力される音源信号を所定の複数のチャンネルに振り分ける音源信号分配部と、複数のチャンネル毎に振り分けられた音源信号の周波数特性と音量を調整する音響制御部と、音響制御部を通じて出力される複数のチャンネル毎の再生信号を所定の方法で抽出する再生信号分析'選択部と、マイクロフォンから入力される信号を所定の方法で抽出するマイク信号分析 ·抽出部と、再生信号分析，選択部とマイク信号分析'抽出部からの出力信号レベルを比較する信号レベル比較部と、音源信号分配部、音響制御部、再生信号分析，選択部、およびマイク信号分析，抽出部を制御するマイクロコントローラとを備え、入力される複数の音源ソースおよび音源ソースのメディア情報に応じて、再生信号分析'選択部で選択するチャンネルの再生信号とマイク信号分析 ·抽出部で抽出するマイク信号とを切り替え、車速信号またはマイクロフォンで抽出した騒音レベル力決定される音響制御部への制御量を切り替えるとともに、音響制御部を通じて出力される複数のチャンネル毎の再生信号を複数のスピーカにそれぞれ入力することにより、メディアの種類や再生チャンネルにより騒音信号検出方法を変化させるとともに、車速信号またはマイクロフォンで抽出した騒音レベル力も音響制御部への制御方法を最適な方法に切り替えることができる。図面の簡単な説明

[0007] [図 1]図 1は本発明の実施の形態 1における車載用音響制御システムの回路ブロックの一例を示す図である。

[図 2]図 2は実施の形態 1における音響再生装置が音源ソースを再生中である場合に、音源ソースの切り替えが発生したときにマイクロコントローラが行う処理フロー図である。

[図 3]図 3は実施の形態 1における再生メディア情報の取得処理方法の処理フローの例を示す図である。

[図 4]図 4は本発明の実施の形態 2における車載用音響制御システムの回路ブロックの一例を示す図である。

[図 5]図 5は実施の形態 2における音響再生装置が音源信号再生中に無音区間情報を受信したときにマイクロコントローラが行う処理フロー図である。

[図 6]図 6は従来の車載用音響制御システムの回路ブロックの例を示す図である。符号の説明

[0008] 100, 400 車載通信ネットワーク

101, 401 DVDデッキ

102, 402 ヘッドユニット

103, 403 ナビゲーシヨンユニット 104, 404 音源信号入力部

105, 405 音源信号分配部

106, 406 音響制御部

107, 407 AZD変

108, 408 DZA変

109, 409 増幅器

110, 410 スピーカ

i n, 411 マイクロ:コントローラ

112, 412 通信インターフェイス部（通信 IZF部)

113, 413 車速検出ユニット

120, 420 音響再生装置

414 再生信号分析 ·選択部

415 信号レベル比較部

416 マイク信号分析，抽出部

417 マイクロフォン

発明を実施するための最良の形態

[0009] 以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。

[0010] (実施の形態 1)

図 1は本発明の実施の形態 1における車載用音響制御システムの回路ブロックの一例を示す図である。

[0011] 図 1に示すように、車載通信ネットワーク 100には、第 1の音源ソースである DVDデツキ 101と、第 2の音源ソースであるヘッドユニット 102と、第 3の音源ソースであるナピゲーシヨンユニット 103と、車速検出ユニット 113と、音響再生装置 120が接続されている。音響再生装置 120には、音源ソースを入力する音源信号入力部 104が備わり、その入力側には音源ソースである DVDデッキ 101とヘッドユニット 102とナビゲーシヨンユニット 103の出力側が接続されている。音響再生装置 120は、音源信号入力部 104から入力された音源ソースを音源信号分配部 105により所定のチャンネルに振り分け、 DSPなどで構成される音響制御部 106に直接、もしくは AZD変 m^(An alogue to Digital Converter,図面には、 AZDと表記する） 107を通して入力する。音響制御部 106で所定の音量や周波数特性を制御された再生信号は、 D/A 変^ ^ (Digital to Analogue Converter、図面には、 DZAと表記する） 108を通して、増幅器 109に入力され、再生チャンネル毎に設置された複数のスピーカ 11 0により各再生チャンネルが出力される。マイクロコントローラ 111は、車速検出ュ-ット 113より送信される車速信号や各音源ソース 101、 102、 103から送信される制御信号を、通信インターフェイス部（以下、通信 IZF部と略記する） 112を通して受信し、音響制御部 106、音源信号分配部 105を制御する。

[0012] 次に具体的な動作を図 2、図 3を用いて説明する。

[0013] 図 2は、音響再生装置 120がある音源ソースを再生中である場合に、音源ソースの切り替え、もしくは、同音源ソースのメディア交換が発生したときに、マイクロコントローラ 111が行う処理フロー図である。

[0014] マイクロコントローラ 111は音源ソースの出力開始要求 (変更要求）を表す制御信号を受信すると、音響出力を停止し (S21)、自動音量制御を停止する (S22)。そして、マイクロコントローラ 111は現在の音量値を保存しておき（S23)、音源ソース情報を音源ソースより受信し、その音源ソースがマルチメディア型であるかを判定する（S24 )。ここでマルチメディア型とは、その音源ソースが多くの音源媒体を出力可能なものとする。

[0015] マルチメディア型でなければ (No)、マイクロコントローラ 111は音源ソースに依存する自動音響制御パラメータを設定する（S27)。一方、マルチメディア型であれば（ Yes)、マイクロコントローラ 111はさらに再生メディア情報を通信信号などで要求する (S25)。そして、マイクロコントローラ 111は、再生メディア情報を音源ソースより受信し、その受信した再生メディア情報により決定される自動音響制御パラメータを設定する（S26)。

[0016] なお、本実施の形態においては、自動音響制御パラメータとは、車速信号情報と音源ソース情報、メディア情報によって決まる制御量であり、マイクロコントローラ 111が音響制御部 106、音源信号分配部 105を制御するときに用いられる。

[0017] 以上の処理終了後、マイクロコントローラ 111は自動音量制御を開始する（S28)。そして、車速信号値の刻々の変化に応じてマイクロコントローラ 111は最適な音量で出力させるため、音響制御部 106を制御するようになる。その後、音響出力を開始し ( S29)、処理終了となる。

[0018] 図 3は、図 2における自動音響制御パラメータ設定 (S26)の再生メディア情報の取得処理方法の処理フローの例を示す図である。本実施の形態では DVDメディアについて記述している。

[0019] マイクロコントローラ 111は、再生メディア情報を要求後（図 2の S25)、メディア情報を取得すると、現在の再生メディアを特定する（S31)。メディアが DVDメディアである場合は (Yes)、マイクロコントローラ 111は DVDの録音情報を要求、取得する。さらに、 DVDの場合には、マイクロコントローラ 111は録音形態が映画用 DVDビデオメディアなどで多く用いられるデジタルシアターシステム（図中では、 DTSと表記する）やドルビーデジタル（図中では、 Dolby Digitalと表記する）であるかを判断する（S32)。該当すれば (Yes)、その出力チャンネル情報を要求、取得する。そしてさらに、マイクロコントローラ 111は音源ソースからの信号が 5. lchであるかを判別する (S33)。そして、 5. lchと判断すれば 5. lch自動音響制御パラメータを設定する（S 34)。

[0020] 一方、 S31において DVDメディア以外（CDなど）と判断された場合や (No)、 S32 において音楽用 DVDメディアに多く使用されるリニア PCM (図中では、 LPCMと表記する）やメリディアンロスレスノッキング (以下、 MLPと略記する）と判断された場合や (No)、 S33において 5. lch以外と判断された場合において（No)、 2chサラウンド用自動音響制御パラメータが設定される（S35)。

[0021] なお、上記 5. lch自動音響制御パラメータ、 2chサラウンド用自動音響制御パラメータについては詳細に記載しないが、例えば、 5. lch自動音響制御パラメータでは車速の上昇につれ、センタースピーカの音量増幅度が他のチャンネルのスピーカの増幅度よりも強調される。これによつて、センタースピーカ音をより聴取しやすくできる。一方、 2chサラウンド用自動音響制御パラメータでは車速の上昇につれ、全体のチヤンネル出力音が増幅される。

[0022] 以上のように、音源ソースだけではなぐ再生メディアに応じて自動音響制御パラメータを変更することで、最適な制御を行えるようになる。すなわち、複数の音源ソースと車の走行速度を検出する車速検出ユニット 113と音響再生装置 120が車載通信ネットワーク 100に接続され、音響再生装置 120には複数のスピーカ 110が接続され、車速検出ユニット 113より送信される車速信号に応じて再生音響信号を制御する車載用音響制御システムであって、音響再生装置 120は、複数の音源ソース力入力される音源信号を所定の複数のチャンネル毎に振り分ける音源信号分配部 105と、複数のチャンネル毎に振り分けられた音源信号の周波数特性と音量を調整する音響制御部 106と、音源信号分配部 105および音響制御部 106を制御するマイクロコントローラ 111とを備え、入力される複数の音源ソースおよび音源ソースのメディア情報に応じて、車速信号力も決定される音響制御部 106への制御量を切り替えるとともに、音響制御部 106を通じて出力される複数のチャンネル毎の再生信号を複数のスピ一力 110にそれぞれ入力することにより、同じ音源ソースにおいて再生チャンネルや音源信号のレベルが大きく異なるメディアに切り替わった場合においても、最適な自動音響制御が行える。

[0023] なお、本実施の形態については DVDデッキにおける再生メディアの一例についてのみ説明した力他のメディアや音源ソースの場合においても同様に制御できることは自明である。

[0024] また、メディア交換時などに自動音響制御によって音量レベルに大きな差異が発生するような場合で、特に急激に上昇してしまう場合については、所定の時定数に応じた音量変化を与えることにより、聴感上の違和感を防止できる。

[0025] (実施の形態 2)

図 4は本発明の実施の形態 2における車載用音響制御システムの回路ブロックの一例を示す図である。

[0026] 図 4は実施の形態 1で説明した図 1の構成要素に加え、車載通信ネットワーク 400 に接続された音響再生装置 420内に再生信号分析，選択部 414と、信号レベル比較部 415と、マイク信号分析'抽出部 416とを備え、マイクロフォン 417と接続させた構成である。なお、マイクロフォン 417とマイク信号分析'抽出部 416は対であり、図示しないが複数個備えるものとする。なお、図 4における、図 1の構成要素と同一もしくは同等の構成要素については、図 1の構成要素の符号 100代を 400代の符号として示している。

[0027] 再生信号分析'選択部 414はマイクロコントローラ 411に制御され、増幅器 409の出力信号から所定の出力チャンネルを選択 '抽出し、信号レベル比較部 415に入力するように動作する。

[0028] スピーカ 410から出力される再生音に騒音を含んだ車内音はマイクロフォン 417に入力される。そして、マイク信号分析'抽出部 416はマイクロコントローラ 411に制御され、マイクロフォン 417から入力される信号に対し所定の加工処理を行い、信号レべル比較部 415に入力する。信号レベル比較部 415は再生信号分析 ·選択部 414からの入力信号とマイク信号分析'抽出部 416からの入力信号のレベルを比較し、そのレベル差を表す信号をマイクロコントローラ 411に入力する。

[0029] 次に本実施の形態における車載用音響制御システムの自動音響制御の動作について説明する。本実施の形態では、車載通信ネットワーク 400に接続された車速検出ユニット 413より送信される車速信号、もしくは信号レベル比較部 415の出力より推定される騒音レベルに応じて、音響が制御される。すなわち、マイクロコントローラ 41 1は推定騒音レベルである信号レベル比較部 415の出力が所定のレベル以上かつ所定の時間以上継続しなヽ場合は、車速信号を自動音響制御パラメータとして用い、車速信号により音響制御部 406への制御量を決定する。一方、その条件を満たさな、場合は、推定騒音レベルを自動音響制御のパラメータとして適用する。

[0030] なお、自動音響制御パラメータとは、本実施の形態においては、車速信号情報もしくは推定騒音レベルと音源ソース情報、メディア情報によって決まる制御量であり、マイク口コントローラ 411が音響制御部 406、音源信号分配部 405を制御するときに用いられる。

[0031] 次に具体的な動作について説明する。本実施の形態のおいては、実施の形態 1で説明した図 2、図 3と同様の処理を行うが、図 3における再生メディアによる音響制御パラメータ設定処理 (S34、 S35)、および音源信号再生中の処理が異なる。以下では、それらについて説明する。

[0032] まず、前者の再生メディアによる自動音響制御パラメータ設定処理につ!、ては、音響制御部 406に対する音響パラメータ設定だけではなく、再生信号分析 ·選択部 41 4およびマイク信号分析 ·抽出部 416に対しても制御が行われる。

[0033] 具体的には、 5. lch自動音響制御パラメータの設定処理 (S34)においては、再生信号分析 ·選択部 414でセンタースピーカへの出力チャンネルが選択されるとともに、マイク信号分析'抽出部 416でセンタースピーカからの出力音の入力が大きいマイクロフオン 417からの入力が抽出される。もしくは、各スピーカチャンネルからの出力とそれに対応するマイク入力がそれぞれ入力され、信号レベル比較部 415でセンタースピーカ出力成分に対して大きな重みを与えるような計算処理が行われてもよい。以上の処理によって、センターチャンネルの出力に与える騒音成分に着目した制御ができる。

[0034] 一方、 2chサラウンド用自動音響制御パラメータの設定処理 (S35)にお、ては、順次もしくは同時に出力再生チャンネルを選択し、それら各々においてマイク入力信号力騒音レベルを推定し平均化するなどの処理を行う。

[0035] 次に、後者の音源信号再生中の処理について説明する。

[0036] 本実施の形態では、自動音響制御を行うためにマイクロフォン 417と音源の出力音により騒音レベルの推定が行われる。例えば、再生メディアの音源トラック間やユーザ操作による音源出力一時停止やスイッチング動作などのような音源出力がゼロになる無音区間が発生した場合に、無音区間におけるマイク入力音の変動に対して過度に反応させると、自動音響制御により無音区間終了後に音源の出力音が変動する。そのため自動音響制御により、力えって違和感を生じるおそれがある。

[0037] 上記の問題を解決するため、本実施の形態では音源再生中に図 5に示す処理を行う。図 5は実施の形態 2における音響再生装置 420が音源信号再生中に無音区間情報を受信したときにマイクロコントローラが行う処理フロー図である。

[0038] 図 5に示すように、マイクロコントローラ 411は、音源信号再生中に無音区間開始情報を受信すると、無音区間測定タイマをスタートさせる（S51)。次に、信号レベル比較部 415の動作を停止させる（S52)。この状態で無音区間終了情報を受信すると、タイマ状態を判定する（S53)。タイマ状態が終了していない場合は (No)、現在の音量値を維持し一定時間経過後に信号レベル比較部 415の動作を開始させる（S56) 。一方、タイマ状態が終了していれば (Yes)、現在の車速値を取得し (S54)、その車速値に対する自動音量制御値に現在の音量値を更新する（S55)。その後、前記と同様に一定時間経過後に信号レベル比較部 415の動作を開始させる（S56)。以上のように、音源出力がゼロになる無音区間、すなわち、音源ソース力も無音区間を検知したときには、信号レベル比較部 415の動作を停止することにより、曲間やオーディォ機器の操作中断時にマイクロフォン 417から集音される騒音に対して過度な制御を行わないという効果が得られる。したがって、自動音響制御による違和感が防止される。

[0039] 上記したように、本実施の形態における車載用音響制御システムは、音響再生装置 420が複数のスピーカと少なくとも 1つのマイクロフォン 417と接続され、複数の音源ソース力入力される音源信号を所定の複数のチャンネル毎に振り分ける音源信号分配部 405と、複数のチャンネル毎に振り分けられた音源信号の周波数特性と音量を調整する音響制御部 406と、音響制御部 406を通じて出力される複数のチャンネル毎の再生信号を所定の方法で抽出する再生信号分析'選択部 414と、それぞれのマイクロフォン 417から入力される信号を所定の方法で抽出するマイク信号分析 •抽出部 416と、再生信号分析，選択部 414とマイク信号分析，抽出部 416からの出力信号レベルを比較する信号レベル比較部 415と、音響制御部 406、音源信号分配部 405、再生信号分析 ·選択部 414およびマイク信号分析 ·抽出部 416を制御するマイクロコントローラ 411とを備え、入力される複数の音源ソースおよび音源ソースのメディア情報に応じて、再生信号分析'選択部 414で選択するチャンネルの再生信号とマイク信号分析 ·抽出部 416で抽出するマイク信号とを切り替え、車速信号またはマイクロフォン 417で抽出した騒音レベル力も決定される音響制御部 406への制御量を切り替えるとともに、音響制御部 406を通じて出力される複数のチャンネル毎の再生信号をスピーカ 410にそれぞれ入力することにより、メディアの種類や再生チャンネルにより騒音信号検出方法を変化させるとともに、車速信号またはマイクロフオン 417で抽出した騒音レベル力も音響制御部 406への制御方法を最適な方法に切り替えることができる。

[0040] また、上記したように、音源ソースに DVDデッキが含まれるときに、メディア情報として、ディスクの種類情報を得る再生メディア情報と、メディアの録音情報を得るデジタルサラウンド情報と、再生チャンネルを得る出力チャンネル情報とを識別できる所定の通信手順とを備え、セットされた再生メディアの音源がセンターチャンネルよりセリフ音が出力されるメディアであると特定されたとき、再生信号分析'選択部 414とマイク信号分析 ·抽出部 416に対して、センターチャンネルにおける帯域での騒音レベルを特定できるように制御を行うことにより、センターチャンネル個別の音響制御を行ヽセリフ音を聴き取り易い状態にすることができる。

[0041] また、本実施の形態では詳細に説明しな力つたが、車速度による音量制御値と推定騒音レベルによる音量制御値の差が大きい場合は、両者の制御切り替え時に、急激な音量差が起きな、ように時定数的に変化させることで、より違和感の少なヽ自動音響制御が可能となる。

産業上の利用可能性

[0042] 本発明に力かる車載用音響制御システムは、多様なマルチメディア音源ソースと車載通信ネットワークで接続され、計測した車速信号や周囲の騒音レベルに応じて自動音響制御を行い、特に音源ソースが 5. lchメディアを再生する手法として用いるのに有用である。

Claims

請求の範囲

[1] 複数の音源ソースと車の走行速度を検出する車速検出ユニットと音響再生装置が車載通信ネットワークに接続され、前記音響再生装置には複数のスピーカが接続され、前記車速検出ユニットより送信される車速信号に応じて再生音響信号を制御する車載用音響制御システムであって、

前記音響再生装置は、

前記複数の音源ソースカゝら入力される音源信号を所定の複数のチャンネル毎に振り分ける音源信号分配部と、

前記複数のチャンネル毎に振り分けられた音源信号の周波数特性と音量を調整する音響制御部と、

前記音源信号分配部および前記音響制御部を制御するマイクロコントローラとを備え入力される前記複数の音源ソースおよび音源ソースのメディア情報に応じて、前記車速信号力決定される前記音響制御部への制御量を切り替えるとともに、前記音響制御部を通じて出力される前記複数のチャンネル毎の再生信号を前記複数のスピー力にそれぞれ入力することを特徴とする車載用音響制御システム。

[2] 複数の音源ソースと車の走行速度を検出する車速検出ユニットと音響再生装置が車載通信ネットワークに接続され、前記音響再生装置には複数のスピーカと少なくとも 1 つのマイクロフォンが接続され、前記車速検出ユニットより送信される車速信号または前記マイクロフォンで検出した騒音レベルに応じて再生音響信号を制御する車載用音響制御システムであって、

前記音響再生装置は、

前記複数の音源ソースカゝら入力される音源信号を所定の複数のチャンネルに振り分ける音源信号分配部と、

前記音響制御部を通じて出力される複数のチャンネル毎の再生信号を所定の方法で抽出する再生信号分析 ·選択部と、前記マイクロフォンから入力される信号を所定の方法で抽出するマイク信号分析 '抽出部と、

前記再生信号分析 ·選択部と前記マイク信号分析 ·抽出部からの出力信号レベルを比較する信号レベル比較部と、

前記音源信号分配部、前記音響制御部、前記再生信号分析 ·選択部、および前記マイク信号分析'抽出部を制御するマイクロコントローラとを備え、

入力される前記複数の音源ソースおよび音源ソースのメディア情報に応じて、前記再生信号分析 ·選択部で選択するチャンネルの再生信号と前記マイク信号分析 ·抽出部で抽出するマイク信号とを切り替え、前記車速信号または前記マイクロフォンで抽出した騒音レベル力決定される前記音響制御部への制御量を切り替えるとともに、前記音響制御部を通じて出力される前記複数のチャンネル毎の再生信号を前記複数のスピーカにそれぞれ入力することを特徴とする車載用音響制御システム。

[3] 前記信号レベル比較部の出力が所定のレベル以上かつ所定の時間以上継続しな Vヽ場合は、前記車速信号により前記音響制御部への制御量を決定することを特徴とする請求項 2に記載の車載用音響制御システム。

[4] 前記複数の音源ソースに DVDデッキが含まれるときに、メディア情報として、ディスクの種類情報を得る再生メディア情報と、メディアの録音情報を得るデジタルサラウンド情報と、再生チャンネルを得る出力チャンネル情報とを識別できる所定の通信手順とを備え、セットされた再生メディアの音源がセンターチャンネルよりセリフ音が出力されるメディアであると特定されたとき、前記再生信号分析 ·選択部と前記マイク信号分析 '抽出部に対して、センターチャンネル出力における騒音レベルを特定できるように制御を行うことを特徴とする請求項 2に記載の車載用音響制御システム。

[5] 前記音源ソース力無音区間を検知したときには、前記信号レベル比較部の動作を停止することを特徴とする請求項 2に記載の車載用音響制御システム。