JP5925544B2 - 音響装置、音量制御方法、音量制御プログラム及び記録媒体 - Google Patents

音響装置、音量制御方法、音量制御プログラム及び記録媒体 Download PDF

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Description

本願は、自動車等の移動体における音響装置において、出力音量を補正する方法の技術分野に関する。
移動体に搭乗するユーザが音響装置を利用して音楽などの音響を聴く場合、ユーザには、音響装置のスピーカーから出力される音響に加えて、例えばロードノイズやエンジン音等の移動体に発生するノイズが聞こえる。そのため、ノイズの音量が大きくなると、ユーザが音響装置からの音響を聴くことが難しくなる。そこで、従来、このようなノイズ対策として、ノイズレベルに応じて、音響装置の出力音量の補正を行う技術が知られている。
例えば、特許文献1には、マイクにより集音されたノイズのノイズレベルを検出し、ノイズレベルと楽音レベルとの比に応じた補正ステップ値を選択し、選択された補正ステップ値に応じた音量補正を行う技術が記載されている。
特開2004−228937号公報
ところで、移動体が移動する際に発生するノイズのレベルは、短時間で激しく変化する場合がある。そのため、ノイズレベルの変化に対して忠実に音量補正を行うと、音響に対する補正量が激しく変化する。これにより、スピーカーからの出力音量も激しく変化するため、ユーザが違和感を覚える場合がある。そこで、マイクにより検出されたノイズの信号に平滑化や遅延化等の安定化処理を施すように音響装置を構成することが考えられる。これにより、音量の補正量の決定に用いられるノイズレベルの変化が緩やかになる。
しかしながら、安定化処理後の信号におけるノイズレベルの変化は、実際に発生するノイズのレベルの変化に対して遅延する。そうすると、実際のノイズレベルの変化に対して遅延して音量補正が行われるため、ユーザが違和感を覚える場合がある。
本願は、以上の点に鑑みてなされたものであり、その課題の一例は、ノイズレベルの変化に対する音量補正の遅延を抑えつつ、音響を聴くユーザが違和感を覚えることを防止することを可能とする音響装置、音量制御方法、音量制御プログラム及び記録媒体を提供することにある。
上記課題を解決するために、本願の一つの観点では、移動体の移動速度を取得する速度取得部と、前記移動体の周囲のノイズレベルを取得するノイズ取得部と、出力音量を補正する補正部と、前記補正部の補正量を繰り返し決定する制御部と、を備え、前記制御部は、前記速度取得部により取得された現在の移動速度に対応した基準補正量を、前記現在の移動速度に基づいて推定される推定ノイズレベルと前記ノイズ取得部により取得された現在のノイズレベルとの差で補正して、前記補正部の補正量を決定する、ことを特徴とする。
本願の他の観点では、音響装置が出力する音量を制御する音量制御方法であって、移動体の移動速度を取得する速度取得工程と、前記移動体の周囲のノイズレベルを取得するノイズ取得工程と、出力音量を補正する補正工程と、前記補正工程における補正量を繰り返し決定する制御工程と、を含み、前記制御工程は、前記速度取得工程により取得された現在の移動速度に対応した基準補正量を、前記現在の移動速度に基づいて推定される推定ノイズレベルと前記ノイズ取得工程により取得された現在のノイズレベルとの差で補正して、前記補正量を決定する、ことを特徴とする。
本願の更に他の観点では、前記音量制御方法を、コンピュータにより実行させる音量制御プログラムであることを特徴とする。
本願の更に他の観点では、前記音量制御プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であることを特徴とする。
一実施形態に係るカーオーディオ装置Sの概要構成の一例を示すブロック図である。 周波数に対する補正レベルの一例を示すグラフである。 (a)は、車速に対する車速基準補正ステップ値の一例を示すグラフであり、(b)は、車速に対する車速基準ノイズレベルの一例を示すグラフである。 車速に対するマイク係数の設定例を示すグラフである。
以下、図面を参照して本願の実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、自動車に搭載されるカーオーディオ装置に対して本願を適用した場合の実施形態である。
[1.カーオーディオ装置Sの構成]
先ず、本実施形態に係るカーオーディオ装置Sの構成について、図1を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係るカーオーディオ装置Sの概要構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、カーオーディオ装置Sは、音源部1、イコライザー2、電子ボリューム3、フェーダー4、操作部5、記憶部6、音響補正部7、アンプ8、スピーカー9、マイク10、ノイズレベル検出部11、安定化処理部12、車速検出部13、車速基準補正ステップ決定部14、車速基準ノイズレベル決定部15、ノイズ差分算出部16、及び補正ステップ補正部17を備える。ここで、車速基準補正ステップ決定部14及び車速基準ノイズレベル決定部15は、本願の速度取得部の一例である。また、ノイズ差分算出部16は、本願のノイズ取得部の一例である。また、音響補正部7は、本願の補正部の一例である。また、補正ステップ補正部17は、本願の制御部の一例である。また、記憶部6は、本願の記憶部の一例である。
音源部1は、ユーザに聴かせる音響に対応する音響信号を出力する音源である。音源部1は、例えば、光ディスクプレーヤー、ラジオチューナー、テレビチューナー等により構成されている。イコライザー2は、音源部1から出力された音響信号の周波数特性を調整する。具体的に、イコライザー2は、操作部5に対する搭乗者の操作による設定に応じて、音響信号の信号レベルを周波数ごとに調整する。電子ボリューム3は、操作部5に対する搭乗者の操作に応じて設定されたボリューム値(増幅レベル)に応じて、イコライザー2により周波数特性が調整された音響信号の信号レベルを調整する。フェーダー4は、操作部5に対する搭乗者による左右のバランス等の設定操作に応じて、電子ボリューム3から出力された音響信号の信号レベルをチャネルごとに調整する。操作部5は、カーオーディオ装置Sに対する各種操作を行うために用いられる。操作部5は、例えば、ボタン、つまみ、タッチパネル等により構成される。
記憶部6は、例えばROM(Read Only Memory)やEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性のメモリである。記憶部6には、カーオーディオ装置Sの制御に用いられる各種のデータが記憶されている。記憶部6に記憶される各種データの値は、例えば、カーオーディオ装置Sの設計者により決定される。
音響補正部7は、自動車の走行等によって発生するノイズの対策として、フェーダー4から出力された音響信号を補正する。具体的に、音響補正部7は、補正ステップ補正部17から出力された補正ステップ値に対応する補正レベルで、音響信号の信号レベルを周波数ごとに調整する。図2は、各補正ステップ値において、周波数に対する補正レベルの一例を示すグラフである。図2に示すように、補正ステップ値が高いほど、補正レベルが大きくなっている。つまり、補正ステップ値が高いほど音響信号が増幅される。また、補正ステップ値の最小値及び最大値は、0及び10となっている。従って、ステップ数は11である。補正ステップ値が0である場合、全域で補正レベルが0dBである。なお、ステップ数は11以外であってもよい。
記憶部6には、補正ステップ値ごとに、周波数と補正レベルとの対応関係を示す補正量決定テーブルが記憶されている。音響補正部7は、補正ステップ値に対応する補正量決定テーブルから、周波数ごとの補正レベルを取得する。そして、音響補正部7は、取得した補正レベルで補正を行う。なお、図2では、周波数が低くなるほど補正レベルが大きくなっている。つまり、低音が増幅される。しかしながら、音響補正部7は、例えば、高域補正や全域補正を行うように構成されてもよい。また、音響補正部7は、電子ボリューム3に対して設定されたボリューム値に応じて、補正ステップ補正部17から出力された補正ステップ値を補正してもよい。そして、音響補正部7は、補正した補正ステップ値に対応する補正レベルで音響信号を補正してもよい。具体的に、音響補正部7は、例えば、ボリューム値が大きいほど、補正ステップ値を、元の補正ステップ値よりも小さくする。また、音響補正部7は、ボリューム値に代えて、音響信号の信号レベルに応じて、補正ステップ値を補正してもよい。
アンプ8は、音響補正部7により補正された音響信号を増幅する。スピーカー9は、アンプ8により増幅された音響信号を音波として出力する。マイク10は、自動車の走行に伴うロードノイズやエンジン音等の自動車の周囲のノイズを含む音を集音し、集音した音をマイク音信号として出力する。ノイズレベル検出部11は、マイク10から出力されたマイク音信号の信号レベルを検出し、検出した信号レベルを検出ノイズレベルとして出力する。安定化処理部12は、ノイズレベル検出部11から出力された検出ノイズレベルの信号に対して、平滑化や遅延化等の安定化処理を行う。車速検出部13は、自動車の走行速度を検出し、検出した走行速度を出力する。
車速基準補正ステップ決定部14は、車速検出部13から出力された車速に基づいて、車速に応じた補正ステップ値を決定する。車速基準補正ステップ決定部14が決定する補正ステップ値を、車速基準補正ステップ値という。以下に、車速基準補正ステップ値の決定方法を説明する。図3(a)は、車速に対する車速基準補正ステップ値の一例を示すグラフである。図3(a)に示すように、車速が高いほど、車速基準補正ステップ値が高くなっている。つまり、車速が高いほど、音響補正部7による音響の補正レベルが大きくなる。
カーオーディオ装置Sは、音響補正部7による補正レベルを、車速を主たる基準として決定する。自動車の走行により発生するノイズの音量は、車速に応じた音量となる傾向がある。具体的には、車速が高いほどノイズ音量も大きくなる。従って、車速に対して推定されるノイズ音量に応じて、車速に対する補正レベルを設計者が予め決めておくことができる。ここで、一般的に、車速の変化は、自動車の走行の際に発生するノイズの音量の変化よりも激しくはない。従って、車速に応じて補正レベルを決定した方が、ノイズ音量に応じて補正レベルを決定するよりも、音響補正部7の補正によってスピーカー9からの出力音量が激しく変化することを防止することができる。また、車速に応じて補正レベルを決定することで、ノイズの変化に対する音響補正の遅延をなくすことができる。ただし、車速から推定されるノイズの音量と、自動車が実際に走行したときに発生するノイズの音量とで差が生じることがある。この差が大きいと、音響の補正レベルが実際のノイズ音量に合わない場合がある。そこで、カーオーディオ装置Sは、車速に応じて基準となる補正レベルを決定しつつも、決定した補正レベルを、車速から推定されるノイズの音量と実際に発生するノイズの音量との差に応じて補正する。そして、カーオーディオ装置Sは、補正された補正レベルで、音響を補正する。これにより、音響を聴く搭乗者が違和感を覚えることを防止することができる。基準となる補正レベルに対応する情報が、車速基準補正ステップ値である。なお、実際に発生するノイズに応じた補正レベルの補正の詳細は後述する。
図3(a)に示すグラフに対応して、記憶部6には、車速と車速基準補正ステップ値との対応関係を示す基準ステップ決定テーブルが記憶されている。例えば、基準ステップ決定テーブルには、車速帯(車速の範囲)ごとに、車速帯の上限値とその車速帯に対応する車速基準補正ステップ値とが対応付けて設定されている。車速基準補正ステップ決定部14は、検出された車速と基準ステップ決定テーブルとに基づいて、車速基準補正ステップ値を決定する。
なお、自動車の加速時用と減速時用とで、別々の基準ステップ決定テーブルを記憶部6に記憶させてもよい。その理由は、車速基準補正ステップ決定部14が決定する車速基準補正ステップ値が頻繁に上下することを防止するためである。車速の細かな変化により、ある車速基準補正ステップ値に対応する車速帯と、別の車速基準補正ステップ値に対応する車速帯との境界を、車速が行き来する場合がある。そうすると、車速が境界を跨ぐたびに車速基準補正ステップ値が変化する。これに対し、加速時と減速時とで、同一の車速基準補正ステップ値に対応する車速帯の範囲を或る程度ずらして設定する。例えば、車速基準補正ステップ値=0に対して、加速時及び減速時の車速帯を、0〜5km/h、及び0〜3km/hとする。また、車速基準補正ステップ値=1に対して、加速時及び減速時の車速帯を、6〜10km/h、及び4〜8km/hとする。このように、基準ステップ決定テーブルを設定し、車速基準補正ステップ決定部14が、加速時には加速時用のテーブルを参照し、減速時には減速時用のテーブルを参照することで、車速が細かく上下しても、車速基準補正ステップ値が頻繁に上下することを防止することができる。
車速基準ノイズレベル決定部15は、車速に応じたノイズレベルを決定する。具体的に、車速基準ノイズレベル決定部15は、車速に対して推定される平均的なノイズレベルを決定する。車速基準ノイズレベル決定部15が決定するノイズレベルを、車速基準ノイズレベルという。図3(b)は、車速に対する車速基準ノイズレベルの一例を示すグラフである。設計者は、例えば、自動車を走行させて、あらゆる車速で実際に発生するノイズの音量を測定する。図3(b)に示す各点は、車速に対するノイズ音量の実測値である。次いで、設計者は、実測値に基づいて、車速ごとに、実際のノイズ音量の平均値を計算する。そして、設計者は、各平均値を結ぶ線に近似する関数を、車速基準ノイズレベルの計算式として求める。こうして求められる関数のグラフが、図3(b)に示すグラフである。記憶部6には、車速と車速基準ノイズレベルとの対応関係を示す基準ノイズ決定テーブルが記憶されている。具体的に、基準ノイズ決定テーブルには、車速基準補正ステップ値ごとに、車速基準補正ステップ値と車速基準ノイズレベルとが対応付けて設定されている。車速の代わりに車速基準補正ステップ値が設定されている理由は、車速基準補正ステップ値は、車速に対応する値であるからである。なお、基準ノイズ決定テーブルには、例えば、車速帯ごとに、車速帯の上限値とその車速帯に対応する車速基準ノイズレベルとが対応付けて設定されてもよい。車速基準ノイズレベル決定部15は、基準ノイズ決定テーブルに基づいて車速基準ノイズレベルを決定してもよいし、上述の関数を用いて車速基準ノイズレベルを算出してもよい。
ノイズ差分算出部16は、安定化処理部12により安定化が施された検出ノイズレベルと、車速基準ノイズレベル決定部15により決定された車速基準ノイズレベルとの差を算出する。そして、ノイズ差分算出部16は、算出した差を、ノイズ差分として出力する。具体的に、ノイズ差分算出部16は、下記の計算を行う。
ノイズ差分=検出ノイズレベル−車速基準ノイズレベル ・・・式1
補正ステップ補正部17は、車速と、車速に基づいて推定される車速基準ノイズレベルと検出ノイズレベルとのノイズ差分と、に基づいて、音響補正部7による補正量を制御する。具体的に、補正ステップ補正部17は、ノイズ差分算出部16から出力されたノイズ差分に応じて、車速基準補正ステップ決定部14により決定された車速基準補正ステップ値を補正する。つまり、補正ステップ補正部17は、車速に応じて決定されたノイズ音量と実際のノイズ音量との差に応じて、車速を基準として決定された音響の補正量を補正する。そして、補正ステップ補正部17は、補正した車速基準補正ステップ値を、最終的な補正ステップ値として音響補正部7に出力する。具体的に、補正ステップ補正部17は、下記の計算を行う。
最終的な補正ステップ値=
車速基準補正ステップ値+ノイズ差分×マイク係数 ・・・式2
式2に示すように、ノイズ差分にマイク係数を乗じて得られる値が、補正ステップ値の補正量である。なお、補正ステップ値の補正量は、例えば、四捨五入される。マイク係数は、最終的な補正ステップ値の算出にノイズ差分が寄与する程度、すなわち、重みを示す係数である。また、マイク係数は、実際に発生するノイズの音量が激しく変化しても、音響補正部7による音響の補正レベルが激しく変化しないようにするために用いられる。マイク係数は、車速に応じて決定される。記憶部6には、車速とマイク係数との対応関係を示すマイク係数決定テーブルが記憶されている。具体的に、マイク係数決定テーブルには、車速基準補正ステップ値ごとに、車速基準補正ステップ値とマイク係数とが対応付けて設定されている。車速の代わりに車速基準補正ステップ値が設定されている理由は、基準ノイズ決定テーブルの場合と同様である。設計者は、車速ごとにマイク係数を任意に決定し、決定した内容でマイク係数決定テーブルを記憶部6に記憶させておくことができる。ただし、上述したように、音響補正部7による音響の補正レベルが極力激しくならないように、マイク係数は設定される。
補正ステップ補正部17が車速基準補正ステップ値の補正に用いるノイズ差分は、安定化処理部12によって安定化処理が施された検出ノイズレベルに基づいて算出される。従って、車速基準補正ステップ値の補正分は、実際に発生するノイズの音量の変化に対して遅延する。しかしながら、補正ステップ補正部17によって最終的に得られる補正ステップ値の実際のノイズの音量に対する依存度は、車速に対する依存度よりも小さい。そのため、ノイズの変化に対する音響補正の遅延を抑えることができる。
図4は、車速に対するマイク係数の設定例を示すグラフである。図4の例では、低速域におけるマイク係数が0となっている。低速域では、想定されるノイズ音量は小さいが、ノイズ音量が小さい分、ノイズ音量の変化が激しい場合がある。例えば、自動車が凹凸のある場所を低速走行する場合が考えられる。そこで、音響補正部7による音響の補正レベルが激しく変化しないように、補正ステップ値の補正量が0とされている。また、図4の例では、車速が低速域から中速域に移るところでマイク係数が上昇し、中速域でマイク係数が最大となる。通常走行レベルとされる車速では、ノイズ音量が大きくなることから、実際のノイズ音量に応じて音響補正部7により音響を補正させる必要がある。また、低速域と比較して、車速から想定されるノイズ音量に対してノイズ音量の変化が激しくはないと考えられる。そこで、補正ステップ値の補正量が大きくされている。また、図4の例では、車速が中速域から高速域に移るところでマイク係数が或る程度低下し、高速域でマイク係数が一定となる。高速域では、ノイズ音量が更に大きくなるため、或る程度、実際のノイズ音量に応じて音響補正部7により音響を補正させる必要がある。一方で、高速域では、高速道路等の整備された道路を自動車が走行することが想定される。この場合、自動車が安定して走行するため、通常はノイズ音量が激しく変化しないものの、例えば、自動車が道路の継ぎ目を横切ったような場合には、車速が高い分、瞬間的にノイズ音量が大きくなる。このような瞬間的なノイズ音量の変化に対して音響補正部7による音響の補正レベルが激しく変化しないように、中速域の場合よりも補正ステップ値の補正量が小さくされる。
なお、図4は、マイク係数の設定の一例である。設計者は、如何なる車速でマイク係数を如何なる値とするかを任意に決定することができる。例えば、高速域ではノイズ音量が大きくなることから、高速域でのマイク係数を、中速域でのマイク係数と同程度または中速域でのマイク係数よりも大きくしてもよい。また、マイク係数は、車速にかかわらず一定であってもよい。この場合、マイク係数決定テーブルは必要ではなく、例えば、一のマイク係数が記憶部6に記憶されていてもよい。
以下に、補正ステップ値の補正の具体例を示す。現在の車速が50km/hであり、検出ノイズレベルが56dBであるとする。図3(a)より、50km/hに対応する車速基準補正ステップ値は、6である。また、図3(b)より、50km/hに対応する車速基準ノイズレベルは、52dBである。この場合、ノイズ差分は、+4dBである。図4より、50km/hに対応するマイク係数は、0.25である。従って、補正ステップ値の補正量は+1ステップであり、最終的な補正ステップ値は、7となる。一方、図3(b)より、56dBに対応する車速は、85km/hである。図3(a)より、85km/hに対応する車速基準補正ステップ値は、9である。つまり、自動車が50km/hで走行しているときに、ノイズの音量が52dBから56dBに急激に変化した場合、ノイズの音量で補正ステップ値を決定すると、補正ステップ値は+3ステップ変化する。一方、本実施形態では、補正ステップ値は+1ステップ変化する。このように、音響の補正レベルが急激に変化することを抑えることができる。
[2.カーオーディオ装置Sの動作]
次に、本実施形態に係るカーオーディオ装置Sの動作について説明する。
車速基準補正ステップ決定部14は、車速検出部13から出力された車速に基づいて、車速基準補正ステップ値を決定する。具体的に、車速基準補正ステップ決定部14は、記憶部6に記憶されている基準ステップ決定テーブルから、車速に対応する車速基準補正ステップ値を取得する。そして、車速基準補正ステップ決定部14は、取得した車速基準補正ステップ値を、車速基準ノイズレベル決定部15及び補正ステップ補正部17へ出力する。
車速基準ノイズレベル決定部15は、車速基準ノイズレベルを決定する。具体的に、車速基準ノイズレベル決定部15は、記憶部6に記憶されている基準ノイズ決定テーブルから、車速基準補正ステップ値に対応する車速基準ノイズレベルを取得する。そして、車速基準ノイズレベル決定部15は、取得した車速基準ノイズレベルを、ノイズ差分算出部16へ出力する。
ノイズ差分算出部16は、ノイズレベル検出部11により検出された検出ノイズレベルを取得する。次いで、ノイズ差分算出部16は、ノイズ差分を算出する。具体的に、ノイズ差分算出部16は、車速基準ノイズレベル決定部15により決定された車速基準ノイズレベルと、検出ノイズレベルとを用いて、式1を計算する。そして、ノイズ差分算出部16は、算出したノイズ差分を補正ステップ補正部17へ出力する。
補正ステップ補正部17は、車速基準補正ステップ決定部14により決定された車速基準補正ステップ値を、ノイズ差分算出部16からのノイズ差分に応じて補正する。具体的に、補正ステップ補正部17は、記憶部6に記憶されているマイク係数決定テーブルから、車速基準補正ステップ値に対応するマイク係数を取得する。次いで、補正ステップ補正部17は、車速基準補正ステップ値、ノイズ差分及びマイク係数を用いて、式2を計算する。そして、補正ステップ補正部17は、計算結果を、最終的な補正ステップ値として、音響補正部7へ出力する。
音響補正部7は、補正ステップ補正部17により補正された補正ステップ値に応じて、音響を補正する。具体的に、音響補正部7は、記憶部6に記憶されている補正量決定テーブルのうち、補正ステップ補正部17から出力された補正ステップ値に対応する補正量決定テーブルから、周波数ごとの補正レベルを取得する。そして、音響補正部7は、フェーダー4から出力された音響信号を、周波数ごとに取得した補正レベルで補正する。各部は、上述した処理を繰り返す。
以上説明したように、本実施形態によれば、車速基準補正ステップ決定部14及び車速基準ノイズレベル決定部15が、車速検出部13により検出された自動車の車速を取得し、ノイズ差分算出部16が、ノイズレベル検出部11により検出された自動車の周囲の検出ノイズレベルを取得し、音響補正部7が、出力音量を補正し、補正ステップ補正部17が、取得した車速と、取得した車速に基づいて推定される車速基準ノイズレベルと取得した検出ノイズレベルとのノイズ差分と、に基づいて音響補正部7による補正量を制御する。従って、ノイズ音量の変化に対する音響補正の遅延を抑えつつ、音響を聴く搭乗者が違和感を覚えることを防止することができる。
また、補正ステップ補正部17が、取得した車速に対応した車速基準補正ステップ値をノイズ差分で補正した補正ステップ値に対応する補正量で、音響補正部7により補正させる。従って、ノイズ音量の変化に対する音響補正の遅延を抑えつつ、音響を聴く搭乗者が違和感を覚えることを防止することができる。
また、補正ステップ補正部17が、車速とマイク係数との対応関係を示すマイク係数決定テーブルから、車速に対応するマイク係数を取得し、取得されたマイク係数に基づいてノイズ差分を調整し、調整されたノイズ差分に応じて、車速基準補正ステップ値を補正する。従って、設計者が、音響の補正量の実際のノイズに対する依存度を車速ごとに任意に設定することができる。
なお、カーオーディオ装置SがDSP(Digital Signal Processor)等のマイクロプロセッサを備え、マイクロプロセッサが、記憶部6等に記憶されたプログラムを読み出し実行することにより、車速基準補正ステップ決定部14、車速基準ノイズレベル決定部15、ノイズ差分算出部16及び補正ステップ補正部17等として、上述した処理を行ってもよい。また、上述したプログラムを光ディスク等の記録媒体に記録させ、ディスクドライブ装置等により記録媒体から記憶部6にプログラムが記憶されるようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、自動車に搭載されるカーオーディオ装置に、本願の音響装置を適用していたが、例えば、飛行機、船舶、列車等の移動体に搭載されるオーディオ装置に、本願の音響装置を適用してもよい。
S カーオーディオ装置
1 音源部
2 イコライザー
3 電子ボリューム
4 フェーダー
5 操作部
6 記憶部
7 音響補正部
8 アンプ
9 スピーカー
10 マイク
11 ノイズレベル検出部
12 安定化処理部
13 車速検出部
14 車速基準補正ステップ決定部
15 車速基準ノイズレベル決定部
16 ノイズ差分算出部
17 補正ステップ補正部

Claims (5)

  1. 移動体の移動速度を取得する速度取得部と、
    前記移動体の周囲のノイズレベルを取得するノイズ取得部と、
    出力音量を補正する補正部と、
    前記補正部の補正量を繰り返し決定する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記速度取得部により取得された現在の移動速度に対応した基準補正量を、前記現在の移動速度に基づいて推定される推定ノイズレベルと前記ノイズ取得部により取得された現在のノイズレベルとの差で補正して、前記補正部の補正量を決定する、
    ことを特徴とする音響装置。
  2. 前記制御部は、
    前記移動速度と前記基準補正量に対する前記差の重みとの対応関係を示す情報を記憶する記憶部から、前記取得した移動速度に対応する重みを取得し、
    当該取得した重みに基づいて前記差を重み付けして前記基準補正量を補正する、
    ことを特徴とする請求項に記載の音響装置。
  3. 音響装置が出力する音量を制御する音量制御方法であって、
    移動体の移動速度を取得する速度取得工程と、
    前記移動体の周囲のノイズレベルを取得するノイズ取得工程と、
    出力音量を補正する補正工程と、
    前記補正工程における補正量を繰り返し決定する制御工程と、
    を含み、
    前記制御工程は、前記速度取得工程により取得された現在の移動速度に対応した基準補正量を、前記現在の移動速度に基づいて推定される推定ノイズレベルと前記ノイズ取得工程により取得された現在のノイズレベルとの差で補正して、前記補正量を決定する、
    ことを特徴とする音量制御方法。
  4. 請求項3に記載の音量制御方法を、コンピュータにより実行させることを特徴とする音量制御プログラム。
  5. 請求項4に記載の音量制御プログラムを格納したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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