JP2018182480A - 騒音スペクトル分布検出方法と対騒音音量音質制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
騒音が大きく変化する環境でのリスニングでは音量を上げなければならない。騒音によっては音量だけでなく音質を可変する必要がある。騒音と再生音とが混ざった混成音を検出するマイクロホンには音量を上げた分の再生音が混入するため、制御系は、騒音の強度だけを知る必要がある。
【解決手段】
混成音信号と再生信号のそれぞれに同じ特性の帯域分割フィルターを作用させる。それぞれのフィルター出力の 200mmsec から 1秒 の時間区間の最大値を検出する。それぞれの帯域ごとに混成音信号と再生信号の差、騒音の最大値を得る。騒音の最大値に、低速のアタック時定数と高速のレリース時定数を作用させる。得られた帯域ごとの信号で、帯域ごとに再生音のゲインを補正する。
【選択図】図1

Description

請求項で記述の用語は明細書においても同様とする。
加算とは、+は加算 -は符合反転の加算 を意味するものとする。
適応フィルター
フィードバックループの安定化
予測フィルター
音の伝搬
地下鉄、航空機客室、の騒音の性質
車両の構造仕様と路面状態と風切り音の走行速度による運転席の騒音の性質
音響信号の統計的性質
相互に無相関の二つの信号の加算信号の確率分布
相互に無相関の二つの信号のそれぞれの確率分布と加算した信号の確率分布
聴覚の騒音と信号との関係
イヤホンやヘッドホンのアクティブノイズキャンセラー
運転席のアクティブノイズキャンセラー
特開2000-22471 適応音質音量制御装置
騒音信号の最大値を検出し、騒音信号の最大値でもって再生信号を補正する方法に関する。再生音の補正量を算出する方法について複数の記述があるが、
いずれも、騒音と再生音との合成音 と 再生音 から 騒音の大きさを算出する、
という記述はない。
騒音信号の周波数帯域ごとの分析について記述があるが、
その分析結果について、騒音 と 騒音と再生信号との合成音 との双方から 同じ帯域における騒音の大きさを算出し、その結果をもって 周波数帯域ごとの再生音を制御する、という記述はない。
特開2000-22471 適応音質音量制御装置
再生信号の最大値を検出し、その最大値と検出した騒音信号の大きさでもって再生信号を補正する方法に関する。強度に抑揚のある再生信号の、強度の抑揚を周囲騒音に合わせてせるべく再生信号の大きさを制御する方法に関する。
騒音と再生音が混ざった信号 と 再生信号 の双方から 騒音の大きさを算出する、という記述はない。
請求項で定義した用語と記号は明細書においても同様とする。
第1に、運転中 地下鉄通勤中 航空機客席内 などの強い騒音下では音楽やレクチャやエンターテイメント番組の再生音を聴くために音量を上げなければならない。さらには最小限の音量にするためには音量だけでなく音質をも可変する必要がある。騒音と再生音とが混ざった音波を検出するマイクロホンには音量を上げた分の再生音が混入するため、そのことが不安定要因となる。制御ループを安定化させるには純粋の騒音最大値を知る必要がある。もとより、対騒音音質音量制御には純粋の騒音最大値を検出する必要がある。
第2に、近年は音場の制御技術が向上し、騒音を特定の領域で消音するアクティブノイズキャンセラーの応用商品が市場に出回るようになっている。しかし、強い騒音環境で満足できる性能を出すことは難しく、もしくは、実用にならない構造やコストを必要とし、商品のレベルでは性能とコストと使い勝手の関係で、できる範囲内に留まらざるを得ない。
第3に、騒音に応じた最適な音量音質制御をしようとすると、検出した騒音に応じて音量を上げる必要があるが、騒音と再生音は混ざっていることから、検出した混成音量から再生音の音量を差し引かなければならない。再生音と騒音の双方の音量の関係は時間と共に双方とも比較的ランダムに変化することから、混成音に占める騒音分の音量を正確に推定することが難しい。
第1に、騒音の最大値を求める方法に関し、
騒音と再生信号が混ざった信号から騒音の最大振幅を推定する方法に関する。
以下の表1は、騒音と再生信号が混じった信号から騒音の最大値を正確に検出できる可能性があることを示す計算値のサンプルである。表1は、双方が無相関の正弦波に関する。相互に無相関の二つの信号を加算した最大振幅付近の確率密度は、元の二つの信号の最大値を加算した値が、双方の最大振幅付近の確率密度の積で発生することが推定できる。
表1は、相互に無相関の二つ正弦波 正弦波(X) と 正弦波(Y) と それらの加算信号である 信号(X+Y) の関係を示す。
表1は、角度5度 ごとに、それぞれの横軸の評価項目について算出した値である。評価範囲は、正弦波 X について 2160度 即ち 6周期 である。
正弦波(X)の最大値 と 正弦波(X+Y)の最大値 の差が 正弦波(Y)の最大値 の差に等しいことを示す。表1は、角度5度 ごとの瞬時値のサンプリングであるので、精度に若干の劣化があるが、それでも極めて正確に理論値と一致している。

正弦波(X) と 正弦波(Y) は周波数が 1 対 ルート(2) の関係にある。
横軸の評価項目に関し、
PK( ) は ( ) 内の信号の最大振幅、
AVG( ) は ( ) 内の信号の平均値、
RMS() は()内の信号の実効値、
を示す。
縦軸は、
正弦波(Y) の最大振幅 PK(Y) を X の最大振幅 PK(X) の 0.01倍 から 30倍 に変化させた場合についての結果を示す。
ここで、正弦波(X) を再生音、正弦波(Y) を騒音と仮定すると、
PK(X+Y)−PK(X) の縦の欄の数値が PK(Y)の最大値と 0.2% 以下の誤差内で一致していることを示している。
計算値は、正弦波(X)について、360度 を 1周期 とした 角度5度 ごとにサンプリングし、2160度 即ち 6周期 の範囲を計算した結果を集計したものである。
6周期 は、30Hz を最低再生周波数とする比較的良好な再生系を想定した、200msec の時間区間である。
AVG(X+Y)-AVG(X) と RMS(X+Y)-RMS(X) はそれぞれ、平均値の差、実効値の差、であるが、いずれも PK(Y) に一致しないことがわかる。
表2は 正弦波(X) と正弦波(Y) の周波数が 1 対 ルート(ルート(ルート(2))) の場合についての 表1 と同様の評価結果である。サンプリングの角度と 6周期 分の評価は 表1 と同じである。双方の周波数の関係は 1 対 2^0.125 の関係にあるが、この条件でも 200msec の評価区間において、PK(X+Y)-PK(X) が PK(Y) と 0.2%以下 の誤差で一致していることがわかる。

横軸の評価項目は表1と同じである。縦軸も表1と同じである。
表3は 二つの無相関の信号が 音響帯域のサンプリング周波数が 44.1kHz のM系列信号である場合において、 表1 と 表2 と同様に、最大振幅の検出でもって騒音の最大振幅を検出できることを、実測により求めた結果を示す。




横軸の、
WN(20%) は基準になる音響帯域のM系列信号、
WN(20%+4%) は基準になるM系列信号に対し、
最大値が 4% の基準信号とは無相関のM系列信号を合成した信号である。
100% は符合付き 16ビット の最大値である。 LEVEL は縦軸の 数値(%) が信号の絶対値の大きさの範囲を示す。0.00% の横軸は 信号の振幅が 0.00% から 0.50% の範囲にある時間区間の総和である。総評価時間は 3sec である。
4% から 16% までの間の空欄は 振幅の確率密度に変化がないことを理由に表示を省略した区間である。基準のM系列信号の確率密度が存在する振幅の最大値は 19.0% であって、さらに 4% のM系列信号を合成した信号は 22.5% であることから、その差は 3.50% であり、比率では 3.68% となる。4% 相当分が 騒音であることから、再生信号と騒音が M系列 の検出が難しい条件であっても、音響系の制御に実用的に充分な 8%の誤差 で騒音最大値を測定できていることを示している。少なくとも再生信号は音響信号であり、最大値付近の確率は M系列 よりも遙かに高いことから、表3の結果よりも高い精度で騒音最大値を測定できることは容易に推測できる。
以上のことは、合成信号と基準信号から騒音の最大振幅を検出できることを示している。
表4は、車の走行ノイズとカーオーディオの再生音が混ざっている信号の最大値から再生信号の最大値を差し引くことで走行騒音の最大値を 再生信号と騒音信号の最大値換算において 14% の誤差 で検出していることを示ところの、実際の測定結果の一例である。車の走行ノイズとカーオーディオの再生音は一般的には独立した音源であることから双方は無相関である。

MUSIC は再生信号の代用であって、ワーストケースを想定してのM系列信号。
LOAD-Nise は一例の車の運転席の一例の走行騒音の録音信号。MUSIC+LoadNoise は双方の合成信号。
LEVEL は縦軸の 数値(%) が信号の絶対値の大きさの範囲を示す。0.00% の横軸は 信号の振幅が 0.00% から 0.50% の範囲にある時間区間の総和である。
総時間は 300msec である。Music の確率密度が存在する振幅の最大値は 29.5% であって、合成信号の最大値は 55.5% にあることから 実測値から推定される 騒音の最大振幅は 26% であるが、供給している LoadNoise の最大振幅は 31% であるので、 その差は 5% 比率では -16% デシベル換算で 1.3dB の誤差をもつことになる。騒音に対する音量の制御量は高々 10dB 程度であることから、16% の誤差によって音量フィードバック系がゲインの発散による不安定動作に陥ることはない。
合成信号と基準信号から騒音の最大振幅を 1.3dB の誤差で算出できることは、この検出結果が実使用に充分であるとを示している。
上記の、表1 と 表2 と 表3 と表4 の計算及び実測結果は騒音と再生音の合成音に対応する混成音信号の最大値から再生信号の最大値を差し引くことで、純粋の騒音の最大値を検出―できることを示す。但し、騒音がないときの、混成音信号と再生信号の最大値が一致するよう、双方の最大値を合わす行程を必要とする。
第2に、騒音の成分のスペクトル分布と音量音質の制御の関連について、
以下は騒音の周波数帯域別の最大値を求め、その最大値に対応して、帯域ごとに再生信号の音量音質制御する方法に関する。
騒音の最大値を算出できることは前述に説明のとおりであるが、得られた騒音の最大値をどのように再生信号の音量音質の補正に反映させるか、という課題が残る。
車の運転席の騒音の場合、ロードノイズやエンジンノイズは低音に偏って分布していて、風切り音の場合は高音に偏っている。このようなケースでは全帯域で単純に一様なパラメータで音量や音質の制御をすることは適切ではない。
低速走行では風切り音はほとんど発生しないが、路面状態に依存して低速走行でも低音に偏ったロードノイズが発生する。
国際線に使われる大型旅客機の場合、前方席ではエンジンノイズよりも風切り音が強く、後方席では風切り音は弱くエンジンノイズが大きい。また、窓側座席と中央座席でも異なる。
地下鉄の場合は、鉄道であることによる広帯域の強い騒音と、トンネル内の反響音もあって、時には低音に、時には中音に、時には高音に、強度の偏よりを持ち、変化が激しい騒音環境である。
家庭内では掃除機や話し声が騒音となる。掃除機の場合音域は広く、話し声は中音に強度が分布する。
騒音環境下で音楽やレクチャやニュースを聞く場合、騒音が持つスペクトル分布に応じてきめ細かく制御されることが望ましいが、大雑把に低音域と中音域と高音域に分割し、それぞれの帯域における環境騒音に応じて音量を補正することで、全帯域の音量音質補正を満足できる。
第3に、近年多く使われるようになった騒音キャンセル技術との組み合わせについて、
以下は、騒音キャンセラーの残差信号の利用に関する。
騒音キャンセルは正確に表現すると、物理現象的には、
消音 即ち 消波 ではなく、防波 即ち 反射 の現象を利用する。音波はエネルギーであることから逆相の波を注入してもそこで消波が発生するわけではなく、騒音の進行方向には波は打ち消されるが、逆に進入方向に追い返されるという現象が発生する。
このことは現象的に反射と同じ結果となる。消波は空気中を伝搬するエネルギーである音波を熱に変換するものであるが、消波をアクティブに制御することは理論的にも技術的にも至難であり、2017年4月現在、実用となる技術は確立されていない。
制御量が、電圧もしくは電流の場合、相殺を作用させることは比較的容易である。
スピーカーやマイクロホンは波を発生させるか、波を捉える素子のエネルギー変換系であるが、音波の相手方であるところの電気系は電圧か電流のいずれかの信号を取り扱うのが通常である。エネルギー変換系を含む 波を制御対象とする制御系の制御信号は電圧か電流で扱われることもあって、一様に難しい課題が多い。このような理由もあって、騒音キャンセラーの機能は常に完全ではなく、人の聴覚を満足させる状態にまで完成度を上げることは難しい。
特に、カーオーディオの騒音キャンセラーは、イヤホンやヘッドホンとは違って、より任意空間に近い状態でのリスニング環境にあることから、2017年3月の段階ではコンシューマレベルにまで満足度を上げる状態には至っていない。
以上の理由で、騒音キャンセラーの残差信号から騒音成分の最大値を取り出して、この値を再生信号の音量音質制御に反映させることでのカーオーディオのリスニング環境の改善が有効である。騒音キャンセラーシステムでは、混成音マイクロホンや高度な信号処理の資源を既に持っていることから、検出系の余分なハードウェアのコストアップを必要とすることなく、信号処理系の余剰の資源を使うことで、対騒音の有効な音質音量制御を可能とする。
抽出した騒音のレベルは騒音の最大値であって、この値から騒音の周波数成分を特定することはできない。従って、必要とする帯域のフィルターを再生信号側と混成音信号側の双方に設け、帯域フィルター通過後の信号から騒音最大値を算出することで、その値でもってそれぞれの帯域ごとに騒音最大値に応じて再生音量を補正する。分割した帯域ごとに信号処理を作用させる方法として、時分割とする方法と並列処理をする方法がある。
第4に、騒音に対応した音質音量制御の制御量の平均化に関して、
音量と音質を騒音に対応して制御できることは上記の説明のとおりであるが、
騒音環境にあってのリスニングといえども、人の聴覚は鋭敏であることから再生音の音量や音質が騒音に対応して即座に変化することには違和感を覚え、リスナーにとっては騒音とは別のストレスの原因となる。一方、長い時間区間での平均処理を反映させると、騒音が強くなったとき、再生音より騒音が強いことに気づくには幾分の時間余裕をもっても差し支えないが、騒音が急激に弱くなった時にはそれまで強い騒音に対応していた強い再生音がしばらく続くことになる。このことは実使用状態で大きな違和感を覚える。感覚的な問題であるので個人差もある課題であるが、総じて、騒音がない状態での大きな再生音には強い違和感があり、回数を重ねることで、リスナーに強いストレスを与える。
このような理由から、検出した騒音最大値に対応する再生音の音質音量制御は、
騒音の強度が増す方向に低速アタック動作が、
騒音の強度が減少する方向に高速レリース動作が、それぞれ適切である。
乗用車に応用した実験では、高速道路の走行中路面の状態が良い場所から悪い場所へ入った時とその逆の場合では、低速アタックと高速レリースの組み合わせが最も良いことを確認している。
低速のアタックの場合、時定数で1秒以下では違和感が伴い、2秒 から 4秒 では良好で、10秒ではラジオ放送の内容が聞き取れないこともあって長すぎると感じる。
高速のレリースの場合、時定数で 3秒 以上では違和感が伴い、1秒 では良好である。それより短い 0.3秒 から 0.1秒 については走行ノイズが不安定な場合、走行ノイズの弱い状態に合わされることから、補正量が小さくなりすぎて機能を成さない。低速アタックと高速レリースで得られた制御量と音量補正量との関係については、
対象がイヤホンの場合、乗用車の場合、乗用車の場合でも車の特性に依存して、
リスナーにとっての最適な状態を設計的に決定する。
第5に、再生信号 と 混成音信号の中の再生音の成分 の振幅比率の関係づけは重要である。騒音がない状態での一定時間区間内の再生音の最大振幅と検出信号の最大振幅が一致すべく、混成音信号から差し引く再生信号の係数を決定する。
この方法として、以下の3種類の方法がある。これらの選択や具体的方法については設計的に決定する。
第5−1.リスナーが、騒音がない状態でスイッチ操作をすることで、再生信号の最大値と検出信号の最大値を合致させる。
第5−2.カーオーディオの場合、加速度センサを設けこの加速度センサの出力が一定値を下回ったときの再生信号と混成音信号の最大値を合致させる。
第5−3.カーオーディオの場合、車が停止している状態、あるいはエンジン停止していて、アクセサリー電源がオンの状態で、再生信号と混成音信号の最大値を合致させる。
第5−4.再生信号のレベルを短時間、騒音よりも大きくすることで、再生信号の最大値と検出信号の最大値を合致させる。
第1に、
騒音と再生信号が混ざった信号から騒音の成分を正確に測定算出でき、そのスペクトル分布も得られることから、騒音に最適な再生信号の音量音質をきめ細かく決定することができる。
第2に、
第1の結果であるが、騒音に応じて再生信号の音量を上げても、検出している再生音と騒音の合成信号から騒音最大値が正確に検出されていて、検出した騒音の強度に再生音の強度が含まれていない、かまたは、小さいことから、再生系の音量制御は正確であって、音量制御系の閉ループの動作を不安定に陥らせることがない。
第3に、
騒音キャンセラーが騒音を満足にキャンセルできないときの誤差信号、即ち、残差信号から聴覚に届く騒音成分の最大振幅を求めることができる。従って、騒音キャンセラーの限界性能を超えて、聴覚に達する騒音最大値に応じて、再生音の音量音質を補正することができる。
騒音のスペクトルを検出する説明図で、本案の基本構成 検出した騒音信号による再生音の音量音質制御の説明図 騒音キャンセラーの残差信号を混成音信号に使う構成例の説明図 騒音変化に対する低速アタックと高速レリースの説明図 騒音の強度と音量音質制御と騒音の継続時間の関係
騒音対応の音量音質制御機能を持つ携帯端末
騒音対応の音量音質制御機能を持つカーオーディオ
騒音対応の音量音質制御機能を持つTV
騒音対応の音量音質制御機能を持つPAシステム
再生信号が既知の場合の 再生信号 と 騒音と再生音が混ざっている混成音信号 とから算出した騒音のスペクト分布の応用。
イヤホン、ヘッドホン、乗用車、TV、PAシステムの、対環境騒音に対応した音量音質制御プログラム。
イヤホン、ヘッドホン、乗用車、に使われている騒音キャンセラー機能の付加改善機能としての、対騒音の音量音質制御プログラム。
図1は、本案の基本構成であるところの、再生信号と混成音信号から帯域ごとの騒音最大値を検出する機能の、請求項1に対応する説明図である。
+、- はそれぞれ 正極性 と 負極性 を示す。
INPUT は信号入力であって、楽曲や放送の再生信号が入力される。
source は再生信号、SAMP は再生信号の増幅機能、SP はスピーカーである。
MUSIC(source) は 混成音マイクロホンに到達する再生音、en は騒音源、NOISE(en) は混成音マイクロホンに到達する騒音、MR は騒音と再生音の合成音を検出用の混成音マイクロホン、MRAMP は混成音マイクロホンの起電力の増幅機能、EN+SOURCE は増幅された混成音信号である。
GAIN は再生信号の最大値を、混成音信号に含まれる再生信号成分の最大値に一致させるためのゲイン調整機能であって、CONDITIOBNER から制御を受ける。
CTRLGAIN は GAIN の制御信号である。混成音信号の最大値から再生信号の最大値を差し引く際に、正確に騒音成分の最大値を検出するに必要な機能である。
BPF-、BPF+ はそれぞれ、再生信号と混成音信号の帯域フィルターであって、双方は同じ特性を持つ。BPF-、BPF+ の特性は 後述の CONDITIONEDR によって制御され、必要な帯域を必要な分解能で騒音のスペクトル分布を時分割または並列分割で検出する。分割方法と分割特性と分割数については設計的に決定される。BPF-、BPF+ の入力はそれぞれ、SOURCE、EN+SOURCE である。
BPF(SOURCE)、BPF(EN+SOURCE) はそれぞれ、帯域フィルターの出力、
PEAK-、PEAK+ はそれぞれ、最大値検出機能であって、PK(BPF(S))、PK(BPF(EN,S) はそれぞれ、最大値検出機能の出力である。最大値検出は、200mmsec から 1sec を例とする、一定時間内の最大値である。この時間幅は個別の目的に応じ設計的に決定される。PEAK-、PEAK+ は制御信号 CTRLPK によって CONDITIONER の制御を受ける。最大値の具体的検出方法については設計的に決定される。
ADD は加算機能であって、符合に示すように PK(BPF(EN,S)) から PK(BPF(S)) を差し引くことで、騒音レベルの最大値を得ることができる。
PK(BPF(EN)) は検出された騒音の最大値である。
PK(BPF(EN)) が騒音の最大値に対応することは、表1、表2、表3、表4 の説明のとおりである。
CONDITIONER はシステム全体の制御機能であり、CTRLGAIN は再生信号のゲイン制御信号、CTRLBPF は帯域フィルターの制御信号、CTRLPK は最大値検出機能の制御信号である。
CTRLGAIN は騒音が無視できるほどに小さい時、また、再生音が大きく騒音を無視できる場合に、SOURCE と EN+SOURCE の双方の最大値が一致するよう、調整決定される。一般的に、音響系の特性は温度や経時など、環境条件によってドリフトを発生することから、必要に応じて手動的にあるいは自動的に更新することが望ましい。どのような条件で GAIN のゲインを調節するかは設計的に決定される。
NOISE_PATTERN は検出した騒音のスペクトルパターンである。
帯域の全範囲の1分割を含め、複数帯域にどのように分割するかは目的に応じ設計的に決定される。検出した騒音のスペクトルパターンの応用例として、騒音最大値に応じた再生音の音量音質制御がある。音量音質の制御量は構成システムの誤差を除けば騒音成分だけであることから、騒音最大値に応じた再生音量制御、さらに、帯域ごとの騒音最大値に応じ、帯域ごとの再生音の音量制御が可能となる。
図2は、図1の基本構成を、全帯域を低音域、中音域、高音域に3分割した場合の、簡素で効果の高い、騒音に応じて音量音質制御をするシステムの構成例である。請求項3に対応する。
図1と同記号は同機能である。
COMP(B)、COMP(M)、COMP(T) はそれぞれ、低音域、中音域、高音域の音量補正機能である。音量補正機能はそれぞれの帯域ごとに検出された騒音最大値によって補正量が制御される。SUM_INP は加算機能である。
BASS-、BASS+ は低音域帯域フィルター、MID-、MID+ は中音域帯域フィルター、TREBLE-、TREBLE+ は高音域帯域フィルター である。
図1では、帯域フィルターの数は任意であるが、図2は低音域と中音域と高音域の3分割同時測定である。最も実用的な構成の一例である。
GAINB、GAINM、GAINT はそれぞれ、source 信号と混成音信号の双方の 低音域、中音域、高音域 の成分の最大値を合わせるためのゲイン調節機能である。ゲイン調節機能の出力はそれぞれ、SOURCEB、SOURCEM、SOURCET である。
それぞれのゲインの制御は CONDITIONER が決定し、その制御信号は CTRLGAIN である。
BASS(SOURCEB)、BASS(EN+SOURCE) はそれぞれ、低音域帯域フィルターの出力、
MID(SOURCE)、MID(EN+SOURCE) はそれぞれ、中音域帯域フィルターの出力、
TREBLE(SOURCE)、TREBLE(EN+SOURCE) それぞれ、高音域帯域フィルターの出力である。
PEAKB-、PEAKB+ は低音域の最大値検出機能、PEAKM-、PEAKM+ 中音域の最大値検出機能、PEAKT-、PEAKT+ は高音域の最大値検出機能である。
CTRLPK は最大値検出機能の制御信号である。
PK(B(S))、PK(B(EN,S)) は低音域の検出最大値、PK(M(S))、PK(M(EN,S)) は中音域の検出最大値、PK(T(S))、PK(T(EN,S)) は高音域の検出最大値である。
ADDB、ADDM、ADDT は加算機能、PK(B(EN))、PK(M(EN))、PK(T(EN)) はそれぞれ、低音中音高音域の騒音最大値であり、混成側の検出最大値から信号側の検出最大値を差し引いた値である。S/Q_B、S/Q_M、S/Q_T は表1から表4に説明の、PK(B(EN))、PK(M(EN))、PK(T(EN)) に、低速アタックタイムと高速レリースタイムの機能を作用させるところの、それぞれ、低音域、中音域、高音域 の平均化機能である。平均化機能の出力によって低音、中音、高音の音量補正を制御する。
平均化の具体的な方法とアタックタイムとレリースタイムは用途に合わせ設計的に決定される。
CONDITIONER はシステム全体の制御機能、CTRL は音量音質補正の制御信号である。
図3は、騒音キャンセラーの残差信号を混成音信号をとする場合の、請求項2に対応する説明図である。
騒音キャンセラーは本案の範囲外であることから、この仕組みについては詳細構成とその説明を省略する。図2の場合は、混成音信号は混成音マイクロホンの増幅信号を利用するが、図3の場合は、混成音信号は騒音をキャンセルしきれずに、残った信号を利用する。残った信号には再生音の成分と騒音の成分が含まれていることから、この信号は混成音信号である。
マイクロホンは騒音源の騒音の検出用と聴覚の近くの混成音の検出用との二つが使われる場合について示す。騒音源が多い場合は、一般的に複数の騒音源に対し複数の源騒音検出マイクロホンが使われるが、図3は1個の場合を示す。騒音キャンセラーの方式は多数あって、騒音源マイクロホンを持たないシステムもあるが、騒音源マイクロホンの有無と数については本案の範囲外である。
源騒音マイクロホンは MN である。MNAMP はその信号増幅機能。TRN は騒音源から混成音マイクロホンに至る経路の伝達定数である。EN はその出力である。ITRS は SAMP で増幅され SP で音波に変換され MR に到達するまでの伝達定数の逆定数である。このループは音源から出る騒音が 混成音マイクロホンに到達する騒音をキャンセルする役割を持つ。TRN と ITRS が精密なほど騒音キャンセル性能が高くなるが、このループには 音波のエネルギーの伝搬系を含むことから定在波の存在や機構部の共振などの影響があって、常に解が存在するとは限らない。
特に逆伝達定数 ITRS の精度を上げることが難しく、騒音源が多数ある場合において、低コスト小消費電力の条件でこの問題を解決することが難しい。
FEEDBACK は ITRS の出力であり、SAMP、SP を経由して MR に到達する音が NOISE(en) を相殺するよう、騒音キャンセル系が構成される。
NOISE(en) は 源騒音が伝搬経路を通って混成音マイクロホン に到達し検出した騒音である。
SAMP は再生信号と騒音相殺信号の合成信号の増幅機能である。SAMP の図1または図2 と異なる点は 再生信号と騒音相殺信号の合性信号が入力される点にある。
TRS は 再生信号 source が混成音マイクロホン に到達するまでの伝達定数である。SOURCE はその出力信号である。TRS の精度が十分に高い場合、その出力は MRAMP の出力に含まれる SOURCE に一致する。
ADDSS は 加算機能であり、その出力は系の残差成分 ERR である。騒音キャンセル機能はこの残差信号 ERR が最小となるよう、TRN と ITRS を制御する。
GAINB、GAINM、GAINT はそれぞれ SOURCE と ERR に含まれる 低音域、中音域、高音域の 再生信号の成分の最大値を合わせるためのゲイン調節機能である。CTRLGAIN はその制御信号である。GAINB、GAINM、GAINT の出力はそれぞれ SOURCEB、SOURCEM、SOURCET である。SOURCEB、SOURCEM、SOURCET はそれぞれ BASS-、MID-、TREBLE- の帯域分割フィルターの入力である。ERR は BASS+、MID+、TREBLE+ の帯域分割フィルターの入力となる。その後の信号処理は 図2 と同様であることから説明を省略する。
請求項3は この残差信号を 混成音信号として利用する。混成音信号には、聴覚に到達するところの、再生音と騒音の成分が含まれている。
図4は、騒音最大値変化に対応して、再生音の音量音質を変化させるに際し、音量音質の変化の聴覚への違和感を軽減させる機能であるところの、低速アタックタイムと高速レリースタイムによる平均化の説明図である。
横軸 TIME は時間軸、縦軸 E_NOISE は騒音最大値、COMPENSATION は音量音質補正量 である。以下、単に補正量とは音量音質補正量のこととする。
t0、t1、t2、t3、t4、t5、t6、t7、t8、t9、t10、t11 はそれぞれ騒音の変化点、
P0、P1、P2、P3a、P4、P5a、P6、P7、P8a、P9、P10a、P11 はそれぞれ制御量の変化点 を示す。
t1 から t2 に9かけて騒音が急激に大きくなって、 t2 から t3 にかけて急激に騒音が小さくなる。この変化に対して、P1 から P2 にかけて徐々に補正量が増えるが、P2 から P3a にかけて 補正量は急激に下がる。従って、短時間で元に戻るような騒音変化に対して、補正は鈍く反応する。
t4 から t5 にかけて 騒音が急激に大きくなり、t6 まで継続した場合、補正量は P4 から P5a にかけてゆっくり大きくなり、P6 までその状態が継続する。さらに t6 から t7 t8 にかけて短時間騒音が大きくなるが、補正量は p6 p7 p8a のように大きく変化しない。
t9 から t10 にかけて騒音が急激に小さくなるが、補正量は p9 から p10a へと急激に元に戻る。
以上のような、低速アタックタイム、高速レリースタイム を持つ平均化機能による騒音に対する補正量が、他の方法との比較において、聴覚にとって違和感の少ない制御方法であること実験的にではあるが確認した。アタックタイムとレリースタイムの時間または時定数または平均化の方式とそのパラメータについては、目的に応じて設計的に決定する。また、低音域、中音域、高音域 におけるアタックタイムとレリースタイムは必ずしも同じではない。
図5は、騒音の大きさと補正量の関係の傾向の、騒音継続時間別の説明図である。
(a)は低音域、(b)は中音域、(c)は高音域 である。
横軸 E_NOISE は騒音最大値、縦軸 COMPENSATION は補正量、
BGN は暗騒音最大値である。
BASS、MID、TREBLE はグラフがそれぞれ、低音域、中音域、高音域 における騒音最大値に対応する継続時間ごとの制御量であることを示す。
2sec、5sec、10sec、20sec は騒音の継続時間である。
いずれも、騒音の継続時間が短いほど補正量は小さく、当然ながら騒音が小さいほど補正量が小さいことを示す。
図1
+、- 正極性 と 負極性
INPUT 信号入力
Source 再生信号
SAMP 再生信号の増幅機能
SP スピーカー
MUSIC(source) 混成音マイクロホンに到達する再生音
en 騒音源
NOISE(en) 混成音マイクロホンに到達する騒音
MR 混成音マイクロホン
MRAMP 混成音マイクロホンの起電力の増幅機能
EN+SOURCE 混成音信号
GAIN ゲイン調整機能
CTRLGAIN GAIN の制御信号
BPF-、BPF+ 再生信号と混成音信号の帯域フィルター
SOURCE、EN+SOURCE BPF-、BPF+ の出力
BPF(SOURCE)、BPF(EN+SOURCE) 帯域フィルターの出力
PEAK-、PEAK+ 最大値検出機能
PK(BPF(S))、PK(BPF(EN,S) 最大値検出機能の出力
ADD 加算機能
PK(BPF(EN)) 騒音の最大値
CONDITIONER システム全体の制御機能
CTRLGAIN 再生信号最大値のゲイン制御信号
CTRLBPF 帯域フィルターの制御信号
CTRLPK 最大値検出機能の制御信号
NOISE_PATTERN 検出した騒音のスペクトルパターン
図2
COMP(B)、COMP(M)、COMP(T) 低音域、中音域、高音域の音量補正機能
SUM_INP 加算機能
BASS-、BASS+ 低音域帯域フィルター
MID-、MID+ 中音域帯域フィルター
TREBLE-、TREBLE+ 高音域帯域フィルター
GAINB、GAINM、GAINT ゲイン調節機能
SOURCEB、SOURCEM、SOURCET GAINB、GAINM、GAINT の出力
CTRLGAIN GAINB、GAINM、GAINT のゲイン制御信号
BASS(SOURCEB)、BASS(EN+SOURCE) 低音域帯域フィルターの出力
MID(SOURCE)、MID(EN+SOURCE) 中音域帯域フィルターの出力
TREBLE(SOURCE)、TREBLE(EN+SOURCE) 高音域帯域フィルターの出力
PEAKB-、PEAKB+ 低音域の最大値検出機能
PEAKM-、PEAKM+ 中音域の最大値検出機能
PEAKT-、PEAKT+ 高音域の最大値検出機能
CTRLPK 最大値検出機能の制御信号
PK(B(S))、PK(B(EN,S)) 低音域の検出最大値
PK(M(S))、PK(M(EN,S)) 中音域の検出最大値
PK(T(S))、PK(T(EN,S)) 高音域の検出最大値
ADDB、ADDM、ADDT 加算機能
PK(B(EN))、PK(M(EN))、PK(T(EN)) 低音中音高音域の騒音最大値
S/Q_B、S/Q_M、S/Q_T 低速アタックタイムと高速レリースタイムによる平均化機能
CONDITIONER システム全体の制御機能
CTRL 音量音質補正の制御信号
図3
MN 源騒音マイクロホン
MNAMP 増幅機能
EN その出力
FEEDBACK ITRSの出力
NOISE(en) 混成音マイクロホン に到達する騒音
SAMP 再生音と騒音相殺信号の合性信号の増幅機能
TRS 再生信号が混成音マイクロホンに到達するまでの伝達定数
TRN 騒音源から混成音マイクロホンに至る経路の伝達定数
SOURCE その出力信号
ITRS TRN の逆達定数
ADDSS 加算機能
ERR その出力であって、系の残差成分
GAINB、GAINM、GAINT ゲイン調節機能
CTRLGAIN その制御信号
SOURCEB、SOURCEM、SOURCET GAINB、GAINM、GAINT の出力
BASS-、MID-、TREBLE- 帯域分割フィルター
BASS+、MID+、TREBLE+ 帯域分割フィルター
図4
TIME 時間軸
E_NOISE 騒音最大値軸
COMPENSATION 音量音質補正量軸
t0、t1、t2、t3、t4、t5、t6、t7、t8、t9、t10、t11 騒音の変化点
P0、P1、P2、P3a、P4、P5a、P6、P7、P8a、P9、P10a、P11 制御量の変化点
図5
E_NOISE 騒音最大値軸
COMPENSATION 再生音の補正量軸
BGN 暗騒音最大値
BASS、MID、TREBLE それぞれ、低音域、中音域、高音域 の制御量
2sec、5sec、10sec、20sec 騒音の継続時間
























表1は、相互に無相関の二つ正弦波 正弦波(X) と 正弦波(Y) と それらの加算信号である 信号(X+Y) の関係を示す。
表1は、角度5度 ごとに、それぞれの横軸の評価項目について算出した値である。評価範囲は、正弦波 X について 2160度 即ち 6周期 である。
正弦波(X)の最大値 と 正弦波(X+Y)の最大値 の差が 正弦波(Y)の最大値 の差に等しいことを示す。表1は、角度5度 ごとの瞬時値のサンプリングであるので、精度に若干の劣化があるが、それでも極めて正確に理論値と一致している。

正弦波(X) と 正弦波(Y) は周波数が 1 対 ルート(2) の関係にある。
横軸の評価項目に関し、
PK( ) は ( ) 内の信号の最大振幅、
AVG( ) は ( ) 内の信号の平均値、
RMS() は()内の信号の実効値、
を示す。
縦軸は、
正弦波(Y) の最大振幅 PK(Y) を X の最大振幅 PK(X) の 0.01倍 から 30倍 に変化させた場合についての結果を示す。
ここで、正弦波(X) を再生音、正弦波(Y) を騒音と仮定すると、
PK(X+Y)−PK(X) の縦の欄の数値が PK(Y)の最大値と 0.2% 以下の誤差内で一致していることを示している。
計算値は、正弦波(X)について、360度 を 1周期 とした 角度5度 ごとにサンプリングし、2160度 即ち 6周期 の範囲を計算した結果を集計したものである。
6周期 は、30Hz を最低再生周波数とする比較的良好な再生系を想定した、200msec の時間区間である。
AVG(X+Y)-AVG(X) と RMS(X+Y)-RMS(X) はそれぞれ、平均値の差、実効値の差、であるが、いずれも PK(Y) に一致しないことがわかる。

横軸の評価項目は表1と同じである。縦軸も表1と同じである。

表3は 二つの無相関の信号が 音響帯域のサンプリング周波数が 44.1kHz のM系列信号である場合において、 表1 と 表2 と同様に、最大振幅の検出でもって騒音の最大振幅を検出できることを、実測により求めた結果を示す。

横軸の、
WN(20%) は基準になる音響帯域のM系列信号、
WN(20%+4%) は基準になるM系列信号に対し、
最大値が 4% の基準信号とは無相関のM系列信号を合成した信号である。
100% は符合付き 16ビット の最大値である。 LEVEL は縦軸の 数値(%) が信号の絶対値の大きさの範囲を示す。0.00% の横軸は 信号の振幅が 0.00% から 0.50% の範囲にある時間区間の総和である。総評価時間は 3sec である。
4% から 16% までの間の空欄は 振幅の確率密度に変化がないことを理由に表示を省略した区間である。基準のM系列信号の確率密度が存在する振幅の最大値は 19.0% であって、さらに 4% のM系列信号を合成した信号は 22.5% であることから、その差は 3.50% であり、比率では 3.68% となる。4% 相当分が 騒音であることから、再生信号と騒音が M系列 の検出が難しい条件であっても、音響系の制御に実用的に充分な 8%の誤差 で騒音最大値を測定できていることを示している。少なくとも再生信号は音響信号であり、最大値付近の確率は M系列 よりも遙かに高いことから、表3の結果よりも高い精度で騒音最大値を測定できることは容易に推測できる。
以上のことは、合成信号と基準信号から騒音の最大振幅を検出できることを示している。
表4は、車の走行ノイズとカーオーディオの再生音が混ざっている信号の最大値から再生信号の最大値を差し引くことで走行騒音の最大値を 再生信号と騒音信号の最大値換算において 14% の誤差 で検出していることを示ところの、実際の測定結果の一例である。車の走行ノイズとカーオーディオの再生音は一般的には独立した音源であることから双方は無相関である。

MUSIC は再生信号の代用であって、ワーストケースを想定してのM系列信号。
LOAD-Nise は一例の車の運転席の一例の走行騒音の録音信号。MUSIC+LoadNoise は双方の合成信号。
LEVEL は縦軸の 数値(%) が信号の絶対値の大きさの範囲を示す。0.00% の横軸は 信号の振幅が 0.00% から 0.50% の範囲にある時間区間の総和である。
総時間は 300msec である。Music の確率密度が存在する振幅の最大値は 29.5% であって、合成信号の最大値は 55.5% にあることから 実測値から推定される 騒音の最大振幅は 26% であるが、供給している LoadNoise の最大振幅は 31% であるので、 その差は 5% 比率では -16% デシベル換算で 1.3dB の誤差をもつことになる。騒音に対する音量の制御量は高々 10dB 程度であることから、16% の誤差によって音量フィードバック系がゲインの発散による不安定動作に陥ることはない。
合成信号と基準信号から騒音の最大振幅を 1.3dB の誤差で算出できることは、この検出結果が実使用に充分であるとを示している。
請求項で記述の用語は明細書においても同様とする。
加算とは、+は加算 –は符合反転の加算 を意味するものとする。
適応フィルター
フィードバックループの安定化
予測フィルター
音の伝搬
地下鉄、航空機客室、の騒音の性質
車両の構造仕様と路面状態と風切り音の走行速度による運転席の騒音の性質
音響信号の統計的性質
相互に無相関の二つの信号の加算信号の確率分布
相互に無相関の二つの信号のそれぞれの確率分布と加算した信号の確率分布
聴覚の騒音と信号との関係
イヤホンやヘッドホンのアクティブノイズキャンセラー
運転席のアクティブノイズキャンセラー
特開2000-22471 適応音質音量制御装置
騒音信号の最大値を検出し、騒音信号の最大値でもって再生信号を補正する方法に関する。再生音の補正量を算出する方法について複数の記述があるが、
いずれも、騒音と再生音との合成音 と 再生音 から 騒音の大きさを算出する、
という記述はない。
騒音信号の周波数帯域ごとの分析について記述があるが、
その分析結果について、騒音 と 騒音と再生信号との合成音 との双方から 同じ帯域における騒音の大きさを算出し、その結果をもって 周波数帯域ごとの再生音を制御する、という記述はない。
特開2000-22471 適応音質音量制御装置
再生信号の最大値を検出し、その最大値と検出した騒音信号の大きさでもって再生信号を補正する方法に関する。強度に抑揚のある再生信号の、強度の抑揚を周囲騒音に合わせてせるべく再生信号の大きさを制御する方法に関する。
騒音と再生音が混ざった信号 と 再生信号 の双方から 騒音の大きさを算出する、という記述はない。
請求項で定義した用語と記号は明細書においても同様とする。
第1に、運転中 地下鉄通勤中 航空機客席内 などの強い騒音下では音楽やレクチャやエンターテイメント番組の再生音を聴くために音量を上げなければならない。さらには最小限の音量にするためには音量だけでなく音質をも可変する必要がある。騒音と再生音とが混ざった音波を検出するマイクロホンには音量を上げた分の再生音が混入するため、そのことが不安定要因となる。制御ループを安定化させるには純粋の騒音最大値を知る必要がある。もとより、対騒音音質音量制御には純粋の騒音最大値を検出する必要がある。
第2に、近年は音場の制御技術が向上し、騒音を特定の領域で消音するアクティブノイズキャンセラーの応用商品が市場に出回るようになっている。しかし、強い騒音環境で満足できる性能を出すことは難しく、もしくは、実用にならない構造やコストを必要とし、商品のレベルでは性能とコストと使い勝手の関係で、できる範囲内に留まらざるを得ない。
第3に、騒音に応じた最適な音量音質制御をしようとすると、検出した騒音に応じて音量を上げる必要があるが、騒音と再生音は混ざっていることから、検出した混成音量から再生音の音量を差し引かなければならない。再生音と騒音の双方の音量の関係は時間と共に双方とも比較的ランダムに変化することから、混成音に占める騒音分の音量を正確に推定することが難しい。
第1に、騒音の最大値を求める方法に関し、
騒音と再生信号が混ざった信号から騒音の最大振幅を推定する方法に関する。
以下の表1は、騒音と再生信号が混じった信号から騒音の最大値を正確に検出できる可能性があることを示す計算値のサンプルである。表1は、双方が無相関の正弦波に関する。相互に無相関の二つの信号を加算した最大振幅付近の確率密度は、元の二つの信号の最大値を加算した値が、双方の最大振幅付近の確率密度の積で発生することが推定できる。
表1は、相互に無相関の二つ正弦波 正弦波(X) と 正弦波(Y) と それらの加算信号である 信号(X+Y) の関係を示す。
表1は、角度5度 ごとに、それぞれの横軸の評価項目について算出した値である。評価範囲は、正弦波 X について 2160度 即ち 6周期 である。
正弦波(X)の最大値 と 正弦波(X+Y)の最大値 の差が 正弦波(Y)の最大値 の差に等しいことを示す。表1は、角度5度 ごとの瞬時値のサンプリングであるので、精度に若干の劣化があるが、それでも極めて正確に理論値と一致している。
正弦波(X) と 正弦波(Y) は周波数が 1 対 ルート(2) の関係にある。
横軸の評価項目に関し、
PK( ) は ( ) 内の信号の最大振幅、
AVG( ) は ( ) 内の信号の平均値、
RMS() は()内の信号の実効値、
を示す。
縦軸は、
正弦波(Y) の最大振幅 PK(Y) を X の最大振幅 PK(X) の 0.01倍 から 30倍 に変化させた場合についての結果を示す。
ここで、正弦波(X) を再生音、正弦波(Y) を騒音と仮定すると、
PK(X+Y)−PK(X) の縦の欄の数値が PK(Y)の最大値と 0.2% 以下の誤差内で一致していることを示している。
計算値は、正弦波(X)について、360度 を 1周期 とした 角度5度 ごとにサンプリングし、2160度 即ち 6周期 の範囲を計算した結果を集計したものである。
6周期 は、30Hz を最低再生周波数とする比較的良好な再生系を想定した、200msec の時間区間である。
AVG(X+Y)-AVG(X) と RMS(X+Y)-RMS(X) はそれぞれ、平均値の差、実効値の差、であるが、いずれも PK(Y) に一致しないことがわかる。
表2は 正弦波(X) と正弦波(Y) の周波数が 1 対 ルート(ルート(ルート(2))) の場合についての 表1 と同様の評価結果である。サンプリングの角度と 6周期 分の評価は 表1 と同じである。双方の周波数の関係は 1 対 2^0.125 の関係にあるが、この条件でも 200msec の評価区間において、PK(X+Y)-PK(X) が PK(Y) と 0.2%以下 の誤差で一致していることがわかる。
横軸の評価項目は表1と同じである。縦軸も表1と同じである。
表3は 二つの無相関の信号が 音響帯域のサンプリング周波数が 44.1kHz のM系列信号である場合において、 表1 と 表2 と同様に、最大振幅の検出でもって騒音の最大振幅を検出できることを、実測により求めた結果を示す。
横軸の、
WN(20%) は基準になる音響帯域のM系列信号、
WN(20%+4%) は基準になるM系列信号に対し、
最大値が 4% の基準信号とは無相関のM系列信号を合成した信号である。
100% は符合付き 16ビット の最大値である。 LEVEL は縦軸の 数値(%) が信号の絶対値の大きさの範囲を示す。0.00% の横軸は 信号の振幅が 0.00% から 0.50% の範囲にある時間区間の総和である。総評価時間は 3sec である。
4% から 16% までの間の空欄は 振幅の確率密度に変化がないことを理由に表示を省略した区間である。基準のM系列信号の確率密度が存在する振幅の最大値は 19.0% であって、さらに 4% のM系列信号を合成した信号は 22.5% であることから、その差は 3.50% であり、比率では 3.68% となる。4% 相当分が 騒音であることから、再生信号と騒音が M系列 の検出が難しい条件であっても、音響系の制御に実用的に充分な 8%の誤差 で騒音最大値を測定できていることを示している。少なくとも再生信号は音響信号であり、最大値付近の確率は M系列 よりも遙かに高いことから、表3の結果よりも高い精度で騒音最大値を測定できることは容易に推測できる。
以上のことは、合成信号と基準信号から騒音の最大振幅を検出できることを示している。
表4は、車の走行ノイズとカーオーディオの再生音が混ざっている信号の最大値から再生信号の最大値を差し引くことで走行騒音の最大値を 再生信号と騒音信号の最大値換算において 14% の誤差 で検出していることを示ところの、実際の測定結果の一例である。車の走行ノイズとカーオーディオの再生音は一般的には独立した音源であることから双方は無相関である。
MUSIC は再生信号の代用であって、ワーストケースを想定してのM系列信号。
LOAD-Nise は一例の車の運転席の一例の走行騒音の録音信号。MUSIC+LoadNoise は双方の合成信号。
LEVEL は縦軸の 数値(%) が信号の絶対値の大きさの範囲を示す。0.00% の横軸は 信号の振幅が 0.00% から 0.50% の範囲にある時間区間の総和である。
総時間は 300msec である。Music の確率密度が存在する振幅の最大値は 29.5% であって、合成信号の最大値は 55.5% にあることから 実測値から推定される 騒音の最大振幅は 26% であるが、供給している LoadNoise の最大振幅は 31% であるので、 その差は 5% 比率では -16% デシベル換算で 1.3dB の誤差をもつことになる。騒音に対する音量の制御量は高々 10dB 程度であることから、16% の誤差によって音量フィードバック系がゲインの発散による不安定動作に陥ることはない。
合成信号と基準信号から騒音の最大振幅を 1.3dB の誤差で算出できることは、この検出結果が実使用に充分であるとを示している。
上記の、表1 と 表2 と 表3 と表4 の計算及び実測結果は騒音と再生音の合成音に対応する混成音信号の最大値から再生信号の最大値を差し引くことで、純粋の騒音の最大値を検出できることを示す。但し、騒音がないときの、混成音信号と再生信号の最大値が一致するよう、双方の最大値を合わす行程を必要とする。
第2に、騒音の成分のスペクトル分布と音量音質の制御の関連について、
以下は騒音の周波数帯域別の最大値を求め、その最大値に対応して、帯域ごとに再生信号の音量音質制御する方法に関する。
騒音の最大値を算出できることは前述に説明のとおりであるが、得られた騒音の最大値をどのように再生信号の音量音質の補正に反映させるか、という課題が残る。
車の運転席の騒音の場合、ロードノイズやエンジンノイズは低音に偏って分布していて、風切り音の場合は高音に偏っている。このようなケースでは全帯域で単純に一様なパラメータで音量や音質の制御をすることは適切ではない。
低速走行では風切り音はほとんど発生しないが、路面状態に依存して低速走行でも低音に偏ったロードノイズが発生する。
国際線に使われる大型旅客機の場合、前方席ではエンジンノイズよりも風切り音が強く、後方席では風切り音は弱くエンジンノイズが大きい。また、窓側座席と中央座席でも異なる。
地下鉄の場合は、鉄道であることによる広帯域の強い騒音と、トンネル内の反響音もあって、時には低音に、時には中音に、時には高音に、強度の偏よりを持ち、変化が激しい騒音環境である。
家庭内では掃除機や話し声が騒音となる。掃除機の場合音域は広く、話し声は中音に強度が分布する。
騒音環境下で音楽やレクチャやニュースを聞く場合、騒音が持つスペクトル分布に応じてきめ細かく制御されることが望ましいが、大雑把に低音域と中音域と高音域に分割し、それぞれの帯域における環境騒音に応じて音量を補正することで、全帯域の音量音質補正を満足できる。
第3に、近年多く使われるようになった騒音キャンセル技術との組み合わせについて、
以下は、騒音キャンセラーの残差信号の利用に関する。
騒音キャンセルは正確に表現すると、物理現象的には、
消音 即ち 消波 ではなく、防波 即ち 反射 の現象を利用する。音波はエネルギーであることから逆相の波を注入してもそこで消波が発生するわけではなく、騒音の進行方向には波は打ち消されるが、逆に進入方向に追い返されるという現象が発生する。
このことは現象的に反射と同じ結果となる。消波は空気中を伝搬するエネルギーである音波を熱に変換するものであるが、消波をアクティブに制御することは理論的にも技術的にも至難であり、2017年4月現在、実用となる技術は確立されていない。
制御量が、電圧もしくは電流の場合、相殺を作用させることは比較的容易である。
スピーカーやマイクロホンは波を発生させるか、波を捉える素子のエネルギー変換系であるが、音波の相手方であるところの電気系は電圧か電流のいずれかの信号を取り扱うのが通常である。エネルギー変換系を含む 波を制御対象とする制御系の制御信号は電圧か電流で扱われることもあって、一様に難しい課題が多い。このような理由もあって、騒音キャンセラーの機能は常に完全ではなく、人の聴覚を満足させる状態にまで完成度を上げることは難しい。
特に、カーオーディオの騒音キャンセラーは、イヤホンやヘッドホンとは違って、より任意空間に近い状態でのリスニング環境にあることから、2017年3月の段階ではコンシューマレベルにまで満足度を上げる状態には至っていない。
以上の理由で、騒音キャンセラーの残差信号から騒音成分の最大値を取り出して、この値を再生信号の音量音質制御に反映させることでのカーオーディオのリスニング環境の改善が有効である。騒音キャンセラーシステムでは、混成音マイクロホンや高度な信号処理の資源を既に持っていることから、検出系の余分なハードウェアのコストアップを必要とすることなく、信号処理系の余剰の資源を使うことで、対騒音の有効な音質音量制御を可能とする。
抽出した騒音のレベルは騒音の最大値であって、この値から騒音の周波数成分を特定することはできない。従って、必要とする帯域のフィルターを再生信号側と混成音信号側の双方に設け、帯域フィルター通過後の信号から騒音最大値を算出することで、その値でもってそれぞれの帯域ごとに騒音最大値に応じて再生音量を補正する。分割した帯域ごとに信号処理を作用させる方法として、時分割とする方法と並列処理をする方法がある。
第4に、騒音に対応した音質音量制御の制御量の平均化に関して、
音量と音質を騒音に対応して制御できることは上記の説明のとおりであるが、
騒音環境にあってのリスニングといえども、人の聴覚は鋭敏であることから再生音の音量や音質が騒音に対応して即座に変化することには違和感を覚え、リスナーにとっては騒音とは別のストレスの原因となる。一方、長い時間区間での平均処理を反映させると、騒音が強くなったとき、再生音より騒音が強いことに気づくには幾分の時間余裕をもっても差し支えないが、騒音が急激に弱くなった時にはそれまで強い騒音に対応していた強い再生音がしばらく続くことになる。このことは実使用状態で大きな違和感を覚える。感覚的な問題であるので個人差もある課題であるが、総じて、騒音がない状態での大きな再生音には強い違和感があり、回数を重ねることで、リスナーに強いストレスを与える。
このような理由から、検出した騒音最大値に対応する再生音の音質音量制御は、
騒音の強度が増す方向に低速アタック動作が、
騒音の強度が減少する方向に高速レリース動作が、それぞれ適切である。
乗用車に応用した実験では、高速道路の走行中路面の状態が良い場所から悪い場所へ入った時とその逆の場合では、低速アタックと高速レリースの組み合わせが最も良いことを確認している。
低速のアタックの場合、時定数で1秒以下では違和感が伴い、2秒 から 4秒 では良好で、10秒ではラジオ放送の内容が聞き取れないこともあって長すぎると感じる。
高速のレリースの場合、時定数で 3秒 以上では違和感が伴い、1秒 では良好である。それより短い 0.3秒 から 0.1秒 については走行ノイズが不安定な場合、走行ノイズの弱い状態に合わされることから、補正量が小さくなりすぎて機能を成さない。低速アタックと高速レリースで得られた制御量と音量補正量との関係については、
対象がイヤホンの場合、乗用車の場合、乗用車の場合でも車の特性に依存して、
リスナーにとっての最適な状態を設計的に決定する。
第5に、再生信号 と 混成音信号の中の再生音の成分 の振幅比率の関係づけは重要である。騒音がない状態での一定時間区間内の再生音の最大振幅と混成信号の最大振幅が一致すべく、混成音信号の大きさを決定する係数を決定する。
この方法として、以下の4種類の方法がある。これらの選択や具体的方法については設計的に決定する。
第5−1.リスナーが、騒音がない状態でスイッチ操作をすることで、再生信号の最大値と混成信号の最大値を合致させる。
第5−2.カーオーディオの場合、加速度センサを設けこの加速度センサの出力が一定値を下回ったときの再生信号と混成音信号の最大値を合致させる。
第5−3.カーオーディオの場合、車が停止している状態、あるいはエンジン停止していて、アクセサリー電源がオンの状態で、再生信号と混成音信号の最大値を合致させる。
第5−4.再生信号のレベルを短時間、騒音よりも大きくすることで、再生信号の最大値と混成信号の最大値を合致させる。
第1に、
騒音と再生信号が混ざった信号から騒音の成分を正確に測定算出でき、そのスペクトル分布も得られることから、騒音に最適な再生信号の音量音質をきめ細かく決定することができる。
第2に、
第1の結果であるが、騒音に応じて再生信号の音量を上げても、検出している再生音と騒音の合成信号から騒音最大値が正確に検出されていて、検出した騒音の強度に再生音の強度が含まれていない、かまたは、小さいことから、再生系の音量制御は正確であって、音量制御系の閉ループの動作を不安定に陥らせることがない。
第3に、
騒音キャンセラーが騒音を満足にキャンセルできないときの誤差信号、即ち、残差信号から聴覚に届く騒音成分の最大振幅を求めることができる。従って、騒音キャンセラーの限界性能を超えて、聴覚に達する騒音最大値に応じて、再生音の音量音質を補正することができる。
騒音のスペクトルを検出する説明図で、本案の基本構成 検出した騒音信号による再生音の音量音質制御の説明図 騒音キャンセラーの残差信号を混成音信号に使う構成例の説明図 騒音変化に対する低速アタックと高速レリースの説明図 騒音の強度と音量音質制御と騒音の継続時間の関係
騒音対応の音量音質制御機能を持つ携帯端末
騒音対応の音量音質制御機能を持つカーオーディオ
騒音対応の音量音質制御機能を持つTV
騒音対応の音量音質制御機能を持つPAシステム
再生信号が既知の場合の 再生信号 と 騒音と再生音が混ざっている混成音信号 とから算出した騒音のスペクト分布の応用。
イヤホン、ヘッドホン、乗用車、TV、PAシステムの、対環境騒音に対応した音量音質制御プログラム。
イヤホン、ヘッドホン、乗用車、に使われている騒音キャンセラー機能の付加改善機能としての、対騒音の音量音質制御プログラム。
図1は、本案の基本構成であるところの、再生信号と混成音信号から帯域ごとの騒音最大値を検出する機能の、請求項1に対応する説明図である。
+、- はそれぞれ 正極性 と 負極性 を示す。
INPUT は信号入力であって、楽曲や放送の再生信号が入力される。
source は再生信号、SAMP は再生信号の増幅機能、SP はスピーカーである。
MUSIC(source) は 混成音マイクロホンに到達する再生音、en は騒音源であって、騒音を発生するかまたは騒音として測定する場所に設置されたマイクロホンの検出信号、NOISE(en) は混成音マイクロホンに到達する騒音、MR は騒音と再生音の合成音を検出用の混成音マイクロホン、MRAMP は混成音マイクロホンの起電力の増幅機能、EN+SOURCE は増幅された混成音信号である。
GAIN は再生信号の最大値を、混成音信号に含まれる再生信号成分の最大値に一致させるためのゲイン調整機能であって、CONDITIOBNER から制御を受ける。
CTRLGAIN は GAIN の制御信号である。混成音信号の最大値から再生信号の最大値を差し引く際に、正確に騒音成分の最大値を検出するに必要な機能である。
BPF-、BPF+ はそれぞれ、再生信号と混成音信号の帯域フィルターであって、双方は同じ特性を持つ。BPF-、BPF+ の特性は 後述の CONDITIONEDR によって制御され、必要な帯域を必要な分解能で騒音のスペクトル分布を時分割または並列分割で検出する。分割方法と分割特性と分割数については設計的に決定される。BPF-、BPF+ の入力はそれぞれ、SOURCE、EN+SOURCE である。
BPF(SOURCE)、BPF(EN+SOURCE) はそれぞれ、帯域フィルターの出力、
PEAK-、PEAK+ はそれぞれ、最大値検出機能であって、PK(BPF(S))、PK(BPF(EN,S) はそれぞれ、最大値検出機能の出力である。最大値検出は、200mmsec から 1sec を例とする、一定時間内の最大値である。この時間幅は個別の目的に応じ設計的に決定される。PEAK-、PEAK+ は制御信号 CTRLPK によって CONDITIONER の制御を受ける。最大値の具体的検出方法については設計的に決定される。
ADD は加算機能であって、符合に示すように PK(BPF(EN,S)) から PK(BPF(S)) を差し引くことで、騒音レベルの最大値を得ることができる。
PK(BPF(EN)) は検出された騒音の最大値である。
PK(BPF(EN)) が騒音の最大値に対応することは、表1、表2、表3、表4 の説明のとおりである。
CONDITIONER はシステム全体の制御機能であり、CTRLGAIN は再生信号のゲイン制御信号、CTRLBPF は帯域フィルターの制御信号、CTRLPK は最大値検出機能の制御信号である。
CTRLGAIN は騒音が無視できるほどに小さい時、また、再生音が大きく騒音を無視できる場合に、SOURCE と EN+SOURCE の双方の最大値が一致するよう、調整決定される。一般的に、音響系の特性は温度や経時など、環境条件によってドリフトを発生することから、必要に応じて手動的にあるいは自動的に更新することが望ましい。どのような条件で GAIN のゲインを調節するかは設計的に決定される。
NOISE_PATTERN は検出した騒音のスペクトルパターンである。
帯域の全範囲の1分割を含め、複数帯域にどのように分割するかは目的に応じ設計的に決定される。検出した騒音のスペクトルパターンの応用例として、騒音最大値に応じた再生音の音量音質制御がある。音量音質の制御量は構成システムの誤差を除けば騒音成分だけであることから、騒音最大値に応じた再生音量制御、さらに、帯域ごとの騒音最大値に応じ、帯域ごとの再生音の音量制御が可能となる。
図2は、図1の基本構成を、全帯域を低音域、中音域、高音域に3分割した場合の、簡素で効果の高い、騒音に応じて音量音質制御をするシステムの構成例である。請求項3に対応する。
図1と同記号は同機能である。
COMP(B)、COMP(M)、COMP(T) はそれぞれ、低音域、中音域、高音域の音量補正機能である。音量補正機能はそれぞれの帯域ごとに検出された騒音最大値によって補正量が制御される。SUM_INP は加算機能である。
BASS-、BASS+ は低音域帯域フィルター、MID-、MID+ は中音域帯域フィルター、TREBLE-、TREBLE+ は高音域帯域フィルター である。
図1では、帯域フィルターの数は任意であるが、図2は低音域と中音域と高音域の3分割同時測定である。最も実用的な構成の一例である。
GAINB、GAINM、GAINT はそれぞれ、source 信号と混成音信号の双方の 低音域、中音域、高音域 の成分の最大値を合わせるためのゲイン調節機能である。ゲイン調節機能の出力はそれぞれ、SOURCEB、SOURCEM、SOURCET である。
それぞれのゲインの制御は CONDITIONER が決定し、その制御信号は CTRLGAIN である。
BASS(SOURCEB)、BASS(EN+SOURCE) はそれぞれ、低音域帯域フィルターの出力、
MID(SOURCE)、MID(EN+SOURCE) はそれぞれ、中音域帯域フィルターの出力、
TREBLE(SOURCE)、TREBLE(EN+SOURCE) それぞれ、高音域帯域フィルターの出力である。
PEAKB-、PEAKB+ は低音域の最大値検出機能、PEAKM-、PEAKM+ 中音域の最大値検出機能、PEAKT-、PEAKT+ は高音域の最大値検出機能である。
CTRLPK は最大値検出機能の制御信号である。
PK(B(S))、PK(B(EN,S)) は低音域の検出最大値、PK(M(S))、PK(M(EN,S)) は中音域の検出最大値、PK(T(S))、PK(T(EN,S)) は高音域の検出最大値である。
ADDB、ADDM、ADDT は加算機能、PK(B(EN))、PK(M(EN))、PK(T(EN)) はそれぞれ、低音中音高音域の騒音最大値であり、混成側の検出最大値から信号側の検出最大値を差し引いた値である。S/Q_B、S/Q_M、S/Q_T は表1から表4に説明の、PK(B(EN))、PK(M(EN))、PK(T(EN)) に、低速アタックタイムと高速レリースタイムの機能を作用させるところの、それぞれ、低音域、中音域、高音域 の平均化機能である。平均化機能の出力によって低音、中音、高音の音量補正を制御する。
平均化の具体的な方法とアタックタイムとレリースタイムは用途に合わせ設計的に決定される。
CONDITIONER はシステム全体の制御機能、CTRL は音量音質補正の制御信号である。
図3は、騒音キャンセラーの残差信号を混成音信号をとする場合の、請求項2に対応する説明図である。
騒音キャンセラーは本案の範囲外であることから、この仕組みについては詳細構成とその説明を省略する。図2の場合は、混成音信号は混成音マイクロホンの増幅信号を利用するが、図3の場合は、混成音信号は騒音をキャンセルしきれずに、残った信号を利用する。残った信号には再生音の成分と騒音の成分が含まれていることから、この信号を混成音信号として利用する。
マイクロホンは騒音源の騒音の検出用と聴覚の近くの混成音の検出用との二つが使われる場合について示す。騒音源が多い場合は、一般的に複数の騒音源に対し複数の源騒音検出マイクロホンが使われるが、図3は1個の場合を示す。騒音キャンセラーの方式は多数あって、騒音源マイクロホンを持たないシステムもあるが、騒音源マイクロホンの有無と数については本案の範囲外である。
源騒音マイクロホンは MN である。MNAMP はその信号増幅機能。TRN は騒音源から混成音マイクロホンに至る経路の伝達定数である。EN はその出力である。ITRS は SAMP で増幅され SP で音波に変換され MR に到達するまでの伝達定数の逆定数である。このループは音源から出る騒音が 混成音マイクロホンに到達する騒音をキャンセルする役割を持つ。TRN と ITRS が精密なほど騒音キャンセル性能が高くなるが、このループには 音波のエネルギーの伝搬系を含むことから定在波の存在や機構部の共振などの影響があって、常に解が存在するとは限らない。
特に逆伝達定数 ITRS の精度を上げることが難しく、騒音源が多数ある場合において、低コスト小消費電力の条件でこの問題を解決することが難しい。
FEEDBACK は ITRS の出力であり、SAMP、SP を経由して MR に到達する音が NOISE(en) を相殺するよう、騒音キャンセル系が構成される。
NOISE(en) は 源騒音が伝搬経路を通って混成音マイクロホン に到達し検出した騒音である。
SAMP は再生信号と騒音相殺信号の合成信号の増幅機能である。SAMP の図1または図2 と異なる点は 再生信号と騒音相殺信号の合性信号が入力される点にある。
TRS は 再生信号 source が混成音マイクロホン に到達するまでの伝達定数である。SOURCE はその出力信号である。TRS の精度が十分に高い場合、その出力は MRAMP の出力に含まれる SOURCE に一致する。
ADDSS は 加算機能であり、その出力は系の残差成分 ERR である。騒音キャンセル機能はこの残差信号 ERR が最小となるよう、TRN と ITRS を制御する。
GAINB、GAINM、GAINT はそれぞれ SOURCE と ERR に含まれる 低音域、中音域、高音域の 再生信号の成分の最大値を合わせるためのゲイン調節機能である。CTRLGAIN はその制御信号である。GAINB、GAINM、GAINT の出力はそれぞれ SOURCEB、SOURCEM、SOURCET である。SOURCEB、SOURCEM、SOURCET はそれぞれ BASS-、MID-、TREBLE- の帯域分割フィルターの入力である。ERR は BASS+、MID+、TREBLE+ の帯域分割フィルターの入力となる。その後の信号処理は 図2 と同様であることから説明を省略する。
請求項3は この残差信号を 混成音信号として利用する。混成音信号には、聴覚に到達するところの、再生音と騒音の成分が含まれている。
図4は、騒音最大値変化に対応して、再生音の音量音質を変化させるに際し、音量音質の変化の聴覚への違和感を軽減させる機能であるところの、低速アタックタイムと高速レリースタイムによる平均化の説明図である。
横軸 TIME は時間軸、縦軸 E_NOISE は騒音最大値、COMPENSATION は音量音質補正量 である。以下、単に補正量とは音量音質補正量のこととする。
t0、t1、t2、t3、t4、t5、t6、t7、t8、t9、t10、t11 はそれぞれ騒音の変化点、
P0、P1、P2、P3a、P4、P5a、P6、P7、P8a、P9、P10a、P11 はそれぞれ制御量の変化点 を示す。
t1 から t2 に9かけて騒音が急激に大きくなって、 t2 から t3 にかけて急激に騒音が小さくなる。この変化に対して、P1 から P2 にかけて徐々に補正量が増えるが、P2 から P3a にかけて 補正量は急激に下がる。従って、短時間で元に戻るような騒音変化に対して、補正は鈍く反応する。
t4 から t5 にかけて 騒音が急激に大きくなり、t6 まで継続した場合、補正量は P4 から P5a にかけてゆっくり大きくなり、P6 までその状態が継続する。さらに t6 から t7 t8 にかけて短時間騒音が大きくなるが、補正量は p6 p7 p8a のように大きく変化しない。
t9 から t10 にかけて騒音が急激に小さくなるが、補正量は p9 から p10a へと急激に元に戻る。
以上のような、低速アタックタイム、高速レリースタイム を持つ平均化機能による騒音に対する補正量が、他の方法との比較において、聴覚にとって違和感の少ない制御方法であること実験的にではあるが確認した。アタックタイムとレリースタイムの時間または時定数または平均化の方式とそのパラメータについては、目的に応じて設計的に決定する。また、低音域、中音域、高音域 におけるアタックタイムとレリースタイムは必ずしも同じではない。
図5は、騒音の大きさと補正量の関係の傾向の、騒音継続時間別の説明図である。
(a)は低音域、(b)は中音域、(c)は高音域 である。
横軸 E_NOISE は騒音最大値、縦軸 COMPENSATION は補正量、
BGN は暗騒音最大値である。
BASS、MID、TREBLE はグラフがそれぞれ、低音域、中音域、高音域 における騒音最大値に対応する継続時間ごとの制御量であることを示す。
2sec、5sec、10sec、20sec は騒音の継続時間である。
いずれも、騒音の継続時間が短いほど補正量は小さく、当然ながら騒音が小さいほど補正量が小さいことを示す。
図1
+、- 正極性 と 負極性
INPUT 信号入力
Source 再生信号
SAMP 再生信号の増幅機能
SP スピーカー
MUSIC(source) 混成音マイクロホンに到達する再生音
en 騒音源
NOISE(en) 混成音マイクロホンに到達する騒音
MR 混成音マイクロホン
MRAMP 混成音マイクロホンの起電力の増幅機能
EN+SOURCE 混成音信号
GAIN ゲイン調整機能
CTRLGAIN GAIN の制御信号
BPF-、BPF+ 再生信号と混成音信号の帯域フィルター
SOURCE、EN+SOURCE BPF-、BPF+ の出力
BPF(SOURCE)、BPF(EN+SOURCE) 帯域フィルターの出力
PEAK-、PEAK+ 最大値検出機能
PK(BPF(S))、PK(BPF(EN,S) 最大値検出機能の出力
ADD 加算機能
PK(BPF(EN)) 騒音の最大値
CONDITIONER システム全体の制御機能
CTRLGAIN 再生信号最大値のゲイン制御信号
CTRLBPF 帯域フィルターの制御信号
CTRLPK 最大値検出機能の制御信号
NOISE_PATTERN 検出した騒音のスペクトルパターン
図2
COMP(B)、COMP(M)、COMP(T) 低音域、中音域、高音域の音量補正機能
SUM_INP 加算機能
BASS-、BASS+ 低音域帯域フィルター
MID-、MID+ 中音域帯域フィルター
TREBLE-、TREBLE+ 高音域帯域フィルター
GAINB、GAINM、GAINT ゲイン調節機能
SOURCEB、SOURCEM、SOURCET GAINB、GAINM、GAINT の出力
CTRLGAIN GAINB、GAINM、GAINT のゲイン制御信号
BASS(SOURCEB)、BASS(EN+SOURCE) 低音域帯域フィルターの出力
MID(SOURCE)、MID(EN+SOURCE) 中音域帯域フィルターの出力
TREBLE(SOURCE)、TREBLE(EN+SOURCE) 高音域帯域フィルターの出力
PEAKB-、PEAKB+ 低音域の最大値検出機能
PEAKM-、PEAKM+ 中音域の最大値検出機能
PEAKT-、PEAKT+ 高音域の最大値検出機能
CTRLPK 最大値検出機能の制御信号
PK(B(S))、PK(B(EN,S)) 低音域の検出最大値
PK(M(S))、PK(M(EN,S)) 中音域の検出最大値
PK(T(S))、PK(T(EN,S)) 高音域の検出最大値
ADDB、ADDM、ADDT 加算機能
PK(B(EN))、PK(M(EN))、PK(T(EN)) 低音中音高音域の騒音最大値
S/Q_B、S/Q_M、S/Q_T 低速アタックタイムと高速レリースタイムによる平均化機能
CONDITIONER システム全体の制御機能
CTRL 音量音質補正の制御信号
図3
MN 源騒音マイクロホン
MNAMP 増幅機能
EN その出力
FEEDBACK ITRSの出力
NOISE(en) 混成音マイクロホン に到達する騒音
SAMP 再生音と騒音相殺信号の合性信号の増幅機能
TRS 再生信号が混成音マイクロホンに到達するまでの伝達定数
TRN 騒音源から混成音マイクロホンに至る経路の伝達定数
SOURCE その出力信号
ITRS TRN の逆達定数
ADDSS 加算機能
ERR その出力であって、系の残差成分
GAINB、GAINM、GAINT ゲイン調節機能
CTRLGAIN その制御信号
SOURCEB、SOURCEM、SOURCET GAINB、GAINM、GAINT の出力
BASS-、MID-、TREBLE- 帯域分割フィルター
BASS+、MID+、TREBLE+ 帯域分割フィルター
図4
TIME 時間軸
E_NOISE 騒音最大値軸
COMPENSATION 音量音質補正量軸
t0、t1、t2、t3、t4、t5、t6、t7、t8、t9、t10、t11 騒音の変化点
P0、P1、P2、P3a、P4、P5a、P6、P7、P8a、P9、P10a、P11 制御量の変化点
図5
E_NOISE 騒音最大値軸
COMPENSATION 再生音の補正量軸
BGN 暗騒音最大値
BASS、MID、TREBLE それぞれ、低音域、中音域、高音域 の制御量
2sec、5sec、10sec、20sec 騒音の継続時間

Claims (4)

  1. 機能とは演算処理機能であって、アナログまたはディジタルまたは双方の混成による信号処理機能であるものとし、
    M系列信号とは、本案の検証に使ったランダム信号であって、
    サンプリング周波数が 44.1kHz の乱数によるデータ を再生する信号であるとし、
    最大値検出とは、特定の時間区間において、その時間帯の信号の最大値に相当する値を検出する機能であるとし、
    音楽や放送音の再生の元になる信号を再生信号とし、
    再生信号を再生した音を再生音とし、
    再生音とは別の、リスニングの妨げになるところの聴覚に届く音 を騒音とし、
    騒音の音源を騒音源とし、
    再生音と騒音が混じった音を混成音とし、
    混成音を検出するマイクロホンを混成音マイクロホンとし、
    混成音マイクロホンの信号を信号処理ができるレベルにまで増幅した信号を混成音信号とし、
    演算に必要な計算処理はアナログとディジタルのいずれも対象の範囲に入るものとし、
    帯域分割とは人の聴覚にとって意味を持つ周波数帯域にあって、その帯域を1個または複数個の帯域に分割することを意味するものとし、
    帯域分割のフィルターを帯域分割フィルターとし、
    帯域分割フィルターによって分割された個々の帯域を分割帯域とし、
    再生信号側の帯域分割フィルター と 混成音信号側の帯域分割フィルター は同一特性の帯域のフィルターが一対または複数対で構成されるものとし、
    再生音に比べ騒音を無視できるほど騒音が小さいとき、または、再生音が騒音に比べ十分に大きいときの再生信号と混成音信号の最大値が一致するよう、調整機能を有することを第1とし、この時の双方の信号の比は設計的に決定されるものとし、
    それぞれの帯域分割フィルターの出力の、
    混成側の大値から再生側の大値を差し引いた値を検出騒音最大値とし、
    個々の分割帯域の検出騒音最大値を得る機能を持つことを第2とし、
    最大値を得る具体的手段については設計的に決定するものとし、
    総ての分割帯域の検出騒音最大値のセットを騒音スペクトル分布とし、
    騒音スペクトル分布を得ることを第3とし、
    第1と第2と第3からなるところの、混成音信号と再生信号から分割帯域ごとの騒音の最大値を検出する騒音スペクトル分布検出方法。
  2. 請求項1で記述の用語を適用するものとし、
    騒音キャンセラーとは、聴覚に届く騒音を軽減する機能であるものとし、
    残差信号とは、騒音キャンセラーが機能している状態で、キャンセル機能が完全ではなく騒音成分が残っている場合の混成音信号のこととし、
    残差信号を混成音信号とすることを第4とし、
    請求項1に記述の第1と第2と第3と、第4からなるところの、騒音キャンセラーの残差信号と混成音信号と再生信号から騒音の最大値のスペクトル分布を検出する騒音スペクトル分布検出方法。
  3. 請求項1と請求項2で記述の用語を適用するものとし、
    アタックタイムとは平均値を検出する機能の、大きくなる信号への追従時定数に相当するパラメータであるとし、
    レリースタイムとは平均値を検出する機能の、小さくなる信号への追従時定数に相当するパラメータであるとし、
    低速のアタックタイムと高速のレリースタイムを持つ平均化機能を騒音最大値平均化機能とし、
    上記のアタックタイムとレリースタイムのパラメータは設計的に決定されるものとし、
    騒音最大値平均化機能は検出騒音最大値を入力とし、その出力を音量音質補正値とし、騒音最大値平均化機能は個々の分割帯域に対応して機能するものとし、
    騒音最大値平均化機能を有することを第5とし、
    分割帯域ごとに音量音質補正値でもって再生信号の分割帯域ごとの音量を補正する機能を有することを第6とし、
    音量音質補正値と分割帯域ごとの音量の補正量の関係は設計的に決定されるものとし、
    請求項1に記述の第1と第2と第3 と上記、第5と第6 または 請求項2に記述の第1と第2と第3と第4 と上記、第5と第6 からなるところの、騒音の最大値を検出し、その値でもって分割帯域ごとに、それぞれの帯域の音量を補正する対騒音音量音質補正方法。
  4. 請求項1に記述の混成音マイクロホンの代わりに再生中のイヤホンが騒音により生成する信号から分離した 再生音と騒音に起因する信号を増幅した信号 から再生信号成分を差し引いた信号を混成音信号として利用することを第7とし、
    請求項1に記述の第1と第2と第3と、請求項3に記述の第5と第6と、上記第7からなるところの、
    イヤホンを混成音マイクロホンとして使って、混成音信号と再生信号から騒音の最大値を検出し、その値でもって分割帯域ことにそれぞれの帯域の音量を補正する、対騒音音量音質補正方法。

























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