JP7352268B1 - 環境音制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】音響結合を含む閉ループを持つ制御系の安定度を系の実動作中に測定し制御する方法であって、高度な理論知識を必要とすることなく、アルゴリズムが直感的であって、プログラミングが簡単で、メンテナンスしやすく、実働中の系の信号のモニタリングにより閉ループの状態の掌握ができる制御方法が望まれる。【解決手段】制御系の閉ループを複数の帯域に分割し、それぞれの帯域のゲインと位相を、制御対象に影響を及ぼさない程度に変化させ、その制御系の閉ループのいずれかの場所にあって動作状態のモニタリングが可能な場所の信号を検出し、閉ループゲインに与えた変化とモニタリングポイントの信号の変化を求めることで、系の安定度を特定し、目標の状態となるようゲインと位相を調節する。【選択図】図1

Description

適応フィルター
適応制御のロバスト性
状態変数のオブザーバーによる推定
環境音制御
フィルター
インパルス応答
単純適応制御(SAC)
ハウリング抑制
環境ノイズキャンセラー
拡声装置、PAシステム
請求項で定義した用語と記号は明細書においても同様とする。
本案の開発過程における考察 その1.
アクティブノイズキャンセラーやハウリングキャンセラーやオープンスピーカー型の補聴器など環境音に関わる制御系の設計は音響技術者にとって障壁の高い分野である。
適応制御に関する理論は、一般の技術者にとってはとても理解できるものではなく、
販売されているアプリケーションプログラムを使っても、満足な性能が得られないケースも多い。その上、問題が発生したとき、現実問題として対処できない。
一方では、この技術は生産市場においてニーズは潜在的にも顕在的にも強く、
さらなる高安定高性能であって組み入れが簡単なものが必要とされている。
本案の開発過程における考察 その2.
環境音の制御で実動作中に発生する最大の問題は、ハウリングである。制御系が閉ループである限りこの問題は常に背中合わせにあって、高性能化とハウリング発生の課題は常にぎりぎりのトレードオフ関係にある。
このトレードオフ関係を緩めるには、
三次元音響空間、エネルギーである音波伝搬と反射、多重共振、群遅延、非線型
などのキーワードに代表される 音響環境の複雑さ に直接関わることなく。影響を受けにくいロバスト性の強い制御方法が求められる。
数ある文献には、簡易制御方法などが解説されているが、それでも、一般の技術者にとっては障壁が高い。アルゴリズムもさることながら実用になるソフトウェアとして作り上げることはほとんど不可能である。
本案の開発過程における考察 その3.
一例をあげると、乗用車のアクティブロードノイズキャンセラーの場合では、
市販されている乗用車に搭載されている最高性能のもので、
100Hz 付近では 10dB最大 1kHz 付近では 3dB最大 程度である。
10dB は、軽減落差は感じるものの、3dB となると、感じるか否かの限界、という程度の評価である。
例えば、ノイズリジェクション比をユーザー側から要望するなら、
1kHz 付近の帯域で、小形乗用車の場合なら、少なくとも 10dB、
軽トラックの場合なら 少なくとも 20dB のノイズリジェクション比が必要である。
本案の開発過程における考察 その4.
通常の音響結合を含む閉ループにはシャープな周波数ゲイン特性を随所に持つ。
ハウリングはこのようなポイントで発生することが多く、
逆にハウリング寸前のポイントではシャープな周波数ゲイン特性を持つポイントが少なくない。
どのように複雑な系でも、ハウリングポイントでは位相とゲインの関係に起因して問題が発生することは、一般の技術者でも理解できる。
特に音響系は群遅延が伴うことから、周波数と位相回転が比例関係にあって、発振条件を満足する位相が至るところに出現する。
また、音響系は物理振動系の多重共振や伝達系の反射による定在波など、システムの設計側から見て、測定が面倒で、ゲイン位相共に変動ファクターが散在している。
本案の開発過程における考察 その5.
ハウリングが発生しているとき、最も単純なハウリング抑制方法はループゲインを下げることである。逆に、ハウリングが発生していなくても、ハウリングする可能性が高いポイントでは他のポイントよりもループゲインが高くなっている。もちろん位相の問題もあるが、まずはゲインに注目できる。しかし、実働中の制御系のループゲインを直接測定する方法はない。実働中の制御系のループゲインを測定できさえすれば、
あるいは、ループゲインに対応する何らかの指標を測定できれば、制御性能とのトレードオフ条件はあるものの、ハウリングの危険領域から遠ざける手立てが可能となる。
本案の開発過程における考察 その6.
閉ループを含む制御系の最も単純なモデルを図1(a)に示す。
ループゲインが G*F*Y*K であって、 伝達特性は F*Y*K/(1-G*F*Y*K) である。
この系の K を変化させた時の 伝達特性のゲイン変化の数値を図1(b)に示す。
K が大きくなると、閉ループのゲイン余裕が小さくなる。
この例は、閉ループの位相特性が 0 の場合である。
系の安定度を知る上での目安の一つにゲイン余裕があるが、 No.20 の K=0.505 の付近でゲイン余裕が 6dB である。この付近での 測定信号 P について、
K を 5% 変化させると、No.19 の列に対する P の強度の変化率は 10.1% 0.8dB である。
音響系において、制御対象の 10% 変化は、人の聴覚ではその変化の感じ方は極めて小さいので、スイッチノイズを発生させない程度に K を変化させ P の強度を測定することでその制御系のゲイン余裕がどの程度の状態にあるかを掌握できる。
この数値は一つの例であるが、どのような系でも、その系がどのような状態にあっても、P の変化を測定できる。
従って、閉ループのモデルがどのようなものでも、その系の安定性に関する状態を知ることができる。結果、系の動作を目標の状態に変えることが可能である。
本案の開発過程における考察 その7.
つぃいきフィルターを Wx とし、図1(a)の Y を Wx*Yx とし、Wx の出力信号に位相変換 Yx を作用させることで、さらに系の状態を変えることができる。例えば、Yx に 位相角の変化 ΔAx を作用させ、伝達ゲインの変化と伝達ゲインの二次変化を測定することで、系の位相の状態を推定することができる。
Yx に位相変換を作用する方法を図6(a)と(b)、その原理を図6(c)に示す。
Wx の出力信号に 微分または積分 を作用させ、元々の信号と π/2 の信号を作り、元々の信号と合成することで、Wx の出力信号の位相を無理なく一回転させることができる。
二次のディジタルフィルターの場合は、一般的に5個のパラメーターを持っていて、5個のパラメーターを以て、フィルターの中心周波数と選択度とゲインの3個のパラメーターを決定する。フィルターの特性がシャープであるほど、二次のディジタルフィルターは、初期値によっては無条件に自己発振の可能性がある他、実働中のパラメーターの調節に際し、自己発振やスイッチノイズが発生しない手順と方法で調節されなければならない。
しかし、π/2 の位相の異なる信号との組み合わせで位相回転を作用させる方法は、
自己発振の可能性は皆無であることから、運転中のパラメーターの調節に際し、
安全性とノイズ発生の問題に注意を向ける必要がなくなる。
図6(d)に位相変換と制御系の伝達特性のゲインの関係をグラフで示す。
位相の補正によって変化する伝達ゲインを実測評価することで、その位相補正が、系の安定度に及ぼす影響を知ることができる。結果、目標とする位相の状態に調節できる。
このようにカットアンドトライの手法で閉ループのゲインと位相の状態を知ることができ、制御に適した目標の状態に追い込むことができる。
本案の開発過程における考察 その8.
位相回転で、最適な位相変位を作用させても、さらに 帯域フィルター Wx の補正が必要な場合、Wx の周波数と帯域に補正を加えることもできるが、
Wx の特性はアプリケーションに依存して決定され、このことは本案の本質ではない。
本案の開発過程における考察 その9.
図3は図1(a)の制御系のモデルの変形である。図1(a)の F*Y*K の部分を複数の帯域フィルターに分割することで、それぞれの帯域フィルター Wj*Yj*Kj の特性の組合せによって、図3の制御系のモデルを図1のモデルに実用的に近似させることができる。
個々の Wj,Yj,Kj はそれぞれ線型であることから、図3のモデルは図1(a)のモデルが複数個並列になっていて、それぞれが独立して動作している、と見なすことができる。
即ち、異なる帯域フィルター間の相互影響を受けることなく個々の Wj*Yj*Kj について、安定性を測定し制御することで、不安定要因が複数個存在する系全体の安定性の制御が
可能となる。


多数の書物と文献があるが、本案との関わりにおいて列記する必要のある文献がどれかについて判断がつかないので、記載を省略する。
特願 2009-512075 閉ループ制御のチューニングの自動化
特願 2004-103763 光ディスク装置
特願 2012-256043 非適応型のアクティブノイズコントロール
特願 平 06-137334 音響エコー相殺器
特願 平 05-057261 騒音低減器
特願 平 04-006280 騒音制御装置
特願 昭 63-049447 ハンズフリー電話
いずれも、本案と共通する内容ではない。
特願 2011-48010 アクティブフィードバック制御装置及びプログラム
システムの伝達特性があらかじめ知られている場合のゲインの修正に関する。
特願 2009-512075 閉ループ制御のチューニングの自動化
システムの伝達特性を測定する工程を必要とする閉ループ制御の調節方法に関する。
音響結合を含む閉ループを持つ制御系の安定度を系の実動作中に測定し制御する方法であって、高度な理論知識を必要とすることなく、アルゴリズムが直感的であって、
プログラミングが簡単で、メンテナンスしやすく、実働中の系の信号のモニタリングにより閉ループの状態の掌握ができる制御方法。
詳細は、本案の開発過程における考察 その1.からその5.に記載
手段1
実働中の閉ループのゲイン余裕の状態を測定する。
詳細は、本案の開発過程における考察 その6.に記載
手段2
実働中の閉ループの位相を必要な最適状態に調節する。
詳細は、詳細は、本案の開発過程における考察 その7.に記載
手段3
信号処理系統に複数の帯域フィルターを組み込む。ここの帯域フィルターは他のフィルターと独立関係にあることから、
他のフィルターの状態の影響を受けることなく、また、
他のフィルターの状態に影響を与えることなく、
個々の閉ループのゲインと位相を、それぞれにとって必要な最適状態に調節する。
詳細は、本案の開発過程における考察 その9.に記載
効果1
手段1と手段2によって、
適応制御に関する理論的知識を必要とすることなく、実動作とパラメーターが一対一に対応する簡素なアルゴリズムと信号処理プログラで制御系を構成できる。
効果2
手段3によって、制御の自由度が高くなる。
(a)閉ループを含む最も簡素な制御系のモデル図 (b)図1(a)の閉ループゲインを変えたときの系の状態の計算値の表 (c)図1(b)の表の閉ループゲインとその変化率のグラフ表示。 本案のアルゴリズムの一例の概略図 図1(a)を複数の帯域フィルターに分割するアルゴリズムの概略図 実働中の制御系のゲイン余裕の特定と調節方法の一例のアルゴリズムの概略図 実働中の制御系の位相変換による位相調節方法の一例のアルゴリズムの概略図 (a)微分機能を使った、位相変換のアルゴリズムの概略図 (b)積分機能を使った、位相変換のアルゴリズムの概略図 (c)位相補正を作用させる原理の説明図 (d)位相補正と伝達ゲインとその変化率の関係の説明図
第1に、アクティブロードノイズキャンセラーの制御プログラムへの応用
第2に、ハウリングキャンセラーの制御プログラムへの応用
第1に、応用商品向けのアプリケーションソフトウェア
第2に、応用商品
図1(a)は、閉ループを含む最も簡素な制御系のモデル図である。
本案の本質であるところの、実働状態にあって直接測定ができない制御系のゲイン余裕の判定の原理説明のためのモデル図である。ループ位相の状態の判定もループゲインと同様、直接測定ができないことからこの伝達ゲインの測定を利用する。
Si は制御対象の入力信号、F*Y*K は信号処理系の伝達特性、P はその出力であって、制御対象に対応するところの実働状態のモニタリング信号である。
G は帰環経路の伝達特性であって、音響結合と信号処理の伝達系からなる。
G の出力は帰環信号であり、Si と加算される。
この制御系の Si から P に至る伝達特性は
P=Si*F*Y*K/(1-G*F*Y*K) で表現できる。(1-G*F*Y*K) がゼロの近傍では、系が不安定な領域にある。極めて大雑把に、(1-G*F*Y*K) の強度が 0.5 、即ちゲイン余裕が 6dB の状態が、系の安定か否かの境界の一つの目安である。
具体的境界値については応用先のシステムの仕様によって決定される。
図1(b)は、図1(a)の閉ループのゲインを変えたとき、即ち K の値を変えたと
きの、伝達ゲインと伝達ゲインの変化率の計算値の表である。
図1(b)の表が示す数値との関連において、実働中の制御系の閉ループゲインの測定は原理上できないものの、閉ループゲインを少し変えることでの伝達ゲインの変化を検出することで閉ループゲインを推定できることの説明の計算値の表である。
R21 Reference Table (an example) by 5% step of ΔK は、K を 5% ステップで変えたときの 系の伝達特性のゲイン と 系の伝達ゲインの変化率であるところの R21
の計算値の対応表であることを示す。G,F,Y 全て虚数部を持たない単純な例である。
No. は列の番号、
Loop Gain=K(1+ΔK) の列は ΔK=K*0.05 とするところの K を順次補正した場合の K の変化、
1/((1/K)–1) の列は G*Y*F を 1 とするところの、系の伝達ゲイン、
R21=P2/P1 の列は 1/(1–GFYK) に関し、その列の値とその一つ上の列の値の比であって、% と dB の列はそれぞれの単位で表した数値である。
例えば、P2 が No,20 の伝達ゲイン 1.022 であって P1 は0.928 であるので、
R21=P2/P1 の値は 10.1% 0.8dB である。
経験則からではあるが、複雑な制御系であっても、Loop Gain は不明であっても、不安定領域の近傍では、K と R21 の関係はほぼ、よく似た傾向を示す。
この表で、No.19 と No.20 の列にある行では、6dB のゲイン余裕に対し、ΔK が 5% 増加のとき、P が 10.1% または 0.8dB 増加することになる。
したって、必ずしも完全に一致するとは限らないが、K を 5% 補正してみて、 大雑把に P の変化が 10.1% 0.8dB より小さければ 系は ゲイン余裕 6dB 以上の状態にある、と見積ることができる。逆に ゲイン余裕 が 6dB を越えれば、
制御の安定性の確保のために、何らかの補正を加える必要がある、と判断できる。
K に 5% の強制補正を加えることは、一般の制御系にとっては都合が悪いこともあるが、制御対象が音響系の場合、実用上差し支えのない範囲である。
表は 下から上へ K が増加する方向にあるが、実働中の制御系への補正は K を増加させるよりも 減少させて測定する方が安全度は高い。
Un-Stable は制御が不安定になる方向、Stable は制御が安定になる方向を示す。
境界をどこに設定するかは制御系の応用先によって設計的に決定されるが、一般的に、
閉ループ制御は何らかの目的で、何かを制御するので、閉ループゲインのゲイン余裕は許される範囲で小さい状態が望ましい。常にトレードオフの関係にある制御と不安定の関係は、あらゆる制御系において共通の課題である。
6dB Gain Margin はゲイン余裕が 6dB の列である。6dBを超えると System Gain の変化率は急激に増加する。
12dB Gain Margin はゲイン余裕が 12dB の列である。
図1(c)は、図1(b)の数値の表の
系の伝達ゲイン と 系の状態のモニタリングポイント上の信号 P の強度の変化と、
の比較を現すグラフである。
System Gain & R21 / 5% Step は、伝達ゲインと伝達ゲインの変化率 R21 とを示すグラフであることを示す。
横軸は 係数 K の値であって、5% ステップの変化。
左の縦軸 System Gain は系の伝達ゲイン、
右の縦軸R21 % は伝達ゲインの変化率である。
伝達ゲインは系の状態に依存することから値そのものを評価することには意味がない。
しかし、K を少し変えた場合の伝達ゲインの変化率は、元々の強度に対する変化の比率であるので、系の状態の如何にかかわらず系の状態の評価として使える数値である。
K の変化に対し P は K が 1 に近づくほど急激に変化する。
閉ループゲインを直接測ることはできないが、閉ループゲインを少し変えて、得られた
P の変化から系の閉ループゲインを推定し、安定度がどのくらいにあるかを知ることができる。
例えば、ゲイン余裕が 6dB の K の値付近の 伝達ゲインを計算できることから、
実測による伝達ゲインの変化率を測定し、その値に対応する R21 の値を実測することで、閉ループのゲイン余裕を推定することができる。この方法で K の値の調節によって
閉ループのゲイン余裕を目標値に追い込むことができる。
R21max は設計的に決定される R21 の許容限界値の例である。
Stable は、左へより安定域、un-Stable は右へより不安定域であることを示す。
Not Controlled は、左へ制御がより弱い域、Controlled は右へ制御がより強い域であることを示す。
図2は、本案を具現化するアルゴリズムの一例の概略図である。
Stability Conditioning は、図が安定度の調節の説明図であることを示す。
SQ20 は、準備工程である。
Build Wx,Yx,Kx with F は、閉ループの一部の伝達特性 F の後段に安定度測定と調節のための Wx と Yx と Kx を組み込むことを示す。
Start up L は、制御系を実動作させる工程、
L is Running は L が実動作状態に入っている状態に入っていることを示す。
SQ21 は、閉ループゲインの調節と位相の調節の工程である。
for x = a,b,,,,,j,,,,,n は、x が a から n まで、順次実行させる工程、
Gain Conditioning Kx は、Kx のゲイン補正の工程、
Phase Conditioning Yx は、Yx の位相補正の工程、
である。
SQ22 は、ゲイン位相の調節を継続するか否かの判断工程である。
Continue ? は、さらに調節の継続が必要かどうかの判断工程であって、
必要であれば継続して SQ21 を実行する。
必要なければこの工程を End で修了する。
この工程は、プログラムとして閉ループの一部に、組み込まれる。
図3は、図1(a)を複数の帯域フィルターに分割して安定度を制御するアルゴリズムの一例の概略図である。詳細については請求項2の記述のとおりである。
概要については、本案の開発過程における考察 その9.に説明のとおりである。
Divided F は図が、帯域分割した制御系の一例であることを示す。
図1(a)のモデルと図3のモデルを等価とすべく、図1(a)の F*K の伝達特性を
{F}と、{複数の帯域フィルター Wx と位相変換手段 Yx と係数 Kx}の積に置き換える。
等価とは音響信号処理において、実用上差し支えない程度に近似な特性であるとする。
G と F は系に固有の伝達特性である。
Wx*Yx*Kx x=a,b,,,,,j,,,,,n は a から n までの Wx,Yx,Kx の積である。
Px x=a,b,,,,,j,,,,,n は Wx*Yx*Kx の出力信号である。
Σ は Pa から Pn までの信号の加算である。
P はその出力であって、図1(a)の P と等価である。
Wx はあらかじめ、閉ループが不安定になる、と予想される帯域に設けられる。
代表的な設計例として、 Wa=Ya=Ka=1 がある。これは、全帯域を通過させておいて、
その他の Wx,Yx,Kx に不安定な帯域の制御を担当させることもできる。
考察にも説明のとおり、 Wx*Yx*Kx は線型であることから、一つの Wx*Yx*Kx の制御によって他の Wx,Yx,Kx の状態に影響を与えるものではなく、逆に、他から影響を受けるものでもない。それぞれ、独立してその帯域の安定性を制御することによって、全体の安定性を制御することができる。
図4は、実働中の制御系のゲイン余裕の実測と調節方法のアルゴリズムの一例の概略図である。実動中の閉ループのゲイン余裕の状態を直接測定できないことから、閉ループの
ゲインを少し変えてみることで、モニタリングポントの状態の前後の比を測定し、
閉ループの安定度の状態を間接的に推定する。
請求項1の閉ループゲイン補正手段に記述のとおりである。
Gain Conditioning は、図がループゲインの調節機能であることを示す。
Initilal Kx=Kx は、Kx の初期値を Kx とする。
SQ40 は、ここから実行開始。
SQ41 は、R21 の測定工程。
Prms1=Measured Prms は、実測した Prms を Prms1 とする。
Kx=Kx*(1-ΔKx) は、 Kx を ΔKx 分減少させる。
ゲインを増加させると系が不安定になる可能性があることから、減少させ、伝達ゲインの変化分を測定する。
Prms2=Measured Prms は、実測した Prms を Prms2 とする。
R21=Prms2/Prms1 は 伝達ゲイン変化率 R21 を Prms2/Prms1 とする。
SQ42 は、測定した R21 の所属範囲の確認工程。
R21>R21max ? は、測定の結果、得られた R21 が設計値の R21max より大きいか否かの判定。大きければ閉ループゲインをさらに下げる工程に戻る。
Prms1=Prms2 は、次の工程の Prms1 の測定を省略するため。
SQ43 はこのシーケンスの終了工程である。
Kx=Kx+ΔKx は現在の Kx に戻して、End でこの工程を終了する。
以上の動作を系の動作中に繰り返すことで、
目標とするゲイン余裕に対応する Kx に追い込むことができる。
図5は位相変換手段 Yx の位相補正方法のアルゴリズムの一例の概略図である。
実動中の閉ループの位相余裕の状態を直接測定できないことから、位相に少し補正を加えることによって、閉ループの位相特性が同相にある周波数上では伝達ゲインの変化がより急峻になり、逆相にある周波数軸上ではより緩やかになる性質を利用する。
伝達ゲインの変化を確認した上、位相特性の調節の方向を定めた後、適正な位相の状態と判断できるまで、その方向の位相補正を繰り返し続ける。
Phase Conditioning は、図が位相補正のアルゴリズムであることを示す。
Initial Phase(Yx)=Ax は、Yx の位相変換の初期値を Ax とする。
SQ50 は、このシーケンスの始まり。
SQ51 は、現在位相における 伝達ゲインの変化を求める工程である。
Prms3=Measure Prms は、Prmsを測定し その値を Prms3 とする。
Ax=Ax+ΔAx は、Ax を ΔAx 変化させる。
Prms4=Measure Prms は、Prms を測定し その値を Prms4 とする。
R43=(Prms4-Prms3)/Prms4 は Prms4 における伝達ゲインの変化率である。
SQ52 は、測定した R43 が、
R43max と R43min の間の許容範囲にあるか否かの確認の工程である。
R43>R43max であれば、Ax=Ax-2*ΔAx と、位相を -2*ΔAx 変化させ、
R43<R43min であれば、Ax に修正を加えず、
SQ51 と SQ52 の実行を繰り返す。
SQ53 は、R43 が許容範囲内であっても、R43 の傾斜を確認することで、安定領域にあるか否かを判定する工程である。
Ax=Ax+ΔAx は、Ax をさらに ΔAx 変化させる。
Prms5=Measure Prms は、Prms を測定し その値を Prms5 とする。
R54=(Prms5-Prms4)/Prms5 は Prms5 における伝達ゲインの変化率である。
abs(R54-R43)>ΔR54max? は絶対値(R54-R43) が設計的に決めておいた ΔR54max より大きいか否かの判断である。
傾斜が許容値より大きく、不安定域あると判定できる場合は、
Ax=Ax-π-ΔAx とし、SQ51 の工程に戻る。
-π は同相域から逆相域へのシフト、-ΔAx は Ax を元に戻して SQ51 の工程に戻る。
SQ54 は、終了工程である。
Ax=Ax-2*ΔAx は測定のために変化させた Ax を現在値に戻す。
End で終了。
一般的に、閉ループの位相が不安定領域に近づくほど モニタリングポイントの信号強度 P は急激に大きくなることから、 R43 の変化率の値をもって、系が安全域にあるか否かの判断が可能である。測定の結果、不安定領域にあれば、さらに位相を変位させて、安定領域までシフトさせる。
以上の動作を系の動作中に繰り返すことで、元々の制御系の閉ループの位相特性が不明であっても、位相変換を作用させることで、その帯域、即ち Wx の帯域で目標の位相に合わせ込むことができる。
測定の結果、閉ループゲインが、
最少にある範囲では G*F*Wx*Yx は逆位相の状態にあって、
最大にある範囲では G*F*Wx*Yx は同位相の状態にあることは明らかである。
その中間に 90度位相 の範囲がある。
どの位相を目標値とするかは制御系の仕様に合わせ設計的に決定される。
図6(a)は、微分機能を使った、位相補正の一例のアルゴリズムの概略図である。
Phase Generation Model by Differentiation for High Frequency Range は、図が微分機能を使った位相補正の構成図であって、高い周波数帯の位相変換に向いている。
Si は制御系の入力信号、So は制御系の制御対象に対応する信号、である。
Wx は帯域フィルター、Ss は帯域フィルターの出力信号、d()/dt は微分機能、
St は 微分機能の出力信号、Su は強度が Ss と同じとなるよう補正したところの、
Ss と位相が π/2 進んだ信号である。
安定度を測定しようとする位相角を A とするとき、
So=Ss*cos(A)+Su*sin(A) が Ss に対し 進み位相角 A の信号となる。
RMS は信号の強度を得る機能、Mss は信号 Ss の強度、Mst は信号 St の強度である。Mss/Mst は 信号 Ss と St の強度の比である。
Su=St*(Mss/Mst) とすることで Ss と Su の強度が等しくなる。
Wx の帯域には幅があることから、Wx の有効帯域において、このアルゴリズムは厳密に正確な位相変換ができるアルゴリズムではない。
しかし、目的は位相を変えてみることで、推定ではあるが、知ることができるゲイン余裕を目標値に合わせることである。従って、厳密に正確な位相変換である必要はない。
図5の abs(R54-R43)>ΔR54max でさえなければ、その状態が位相条件を満足することになる。
ゲイン調節は図2に示すように、常時、繰り返されていることから、目標の状態に追い込むことができる。難解な適応制御理論の知識がなくても、通常の直感的なシーケンスによってプログラミングが可能であり、各部の信号のモニタリングもできて、メンテナンスも極めて容易である。
図6(b)は、積分機能を使った位相補正の一例のアルゴリズムの概略図である。
Phase Generation Model by Integration for Low Frequency Range は、図が積分機能を使った位相補正の構成図であって、低い周波数帯の位相変換に向いている。
図6(a)と異なる点は、積分機能が -π/2 の位相を持つ信号を作る点である。
-∫()dt は積分機能である。
図6(c)は、実働中の帯域フィルターの出力信号に位相補正を作用させる方法の説明図である。π/2 の位相差を持つ二つの信号で、2*π の位相補正を作用させることができることを示す。
Phase Generation Model は、図が位相変換の原理図であることを示す。
Ss, Su, So の強度が同じであることから、Ss*cos(A)+Su*sin(A) は角度 A によって円周上を移動する。位相や強度に幾分の違いがあっても円軌道が楕円軌道になる程度であって、やはり楕円周上を移動する。位相変換としては十分な手段である。
A=Phase(So/Ss) は So の Ss に対する位相角度が A であることを示す。
abs(So)=abs(Ss)=abs(Su) は So と Ss と Su の強度が同じであることを示す。
図6(d)は、位相変換手段 Yx の位相補正と閉ループゲインの関係の説明図である。
System Gain & ΔGain/Phase Shift は、図が位相変位に対する制御系の伝達ゲインとその変化率を現すグラフであることを示す。
System Gain=0.5/(1.25-cos(A))^0.5 は、位相変換手段の位相を変化させることによる制御系の伝達ゲインの変化の計算式である。
横軸は Yx の出力である補正位相角、縦軸はゲインである。
左側縦軸の System Gain は、Yx の位相補正による伝達ゲイン、
右側縦軸の R43 % は伝達ゲインの変化率である。
ΔGain R43 は 伝達ゲインの変化率を示す。
元々の位相補正による伝達ゲインとの関係は不明であるが、
Yx の位相補正による伝達ゲインの変化率 R43 % は計算により既知であるので、制御系の閉ループの位相特性はわからないものの、位相補正に対するゲインの変化率を
実測により知ることができることから、ゲインの変化率 R43 の実測値から閉ループの位相の状態を推定することができる。
位相回転 Ax を 高々、一回転することで、R21 の変化の全容もしくは許容限度内に合うか否かの状態を掌握できる。
Yx を含めた閉ループ全体の位相が π であるとき、伝達ゲインは最小であって、
逆に、0 であるとき、最大となる。従って、Ax を最大でも一回転させることで、波状の伝達ゲインの状態が求まる。伝達ゲインの変化率によって系の状態を判断し、目的の位相状態へと追い込むことができる。不安定領域付近では R43 の傾斜が急峻であって、安定領域では傾斜が緩やかであることを利用する。
R43 の値の許容範囲として、
最大値 R43max、最小値として R43min の閾値を設ける。
さらに、R43 の傾斜が急峻な領域は不安定領域であることから傾斜の許容範囲として
R54=abs(ΔR43)max の傾斜の閾値を設ける。
請求項1の補足説明
その1.請求項1の概要について、
音響結合を含む閉ループを形成する制御系の 安定度測定制御手段 である。
安定度の評価は制御系のゲイン余裕と位相余裕が基本である。
動作中の制御系のゲイン余裕と位相余裕の簡単な直接測定方法はない。
図1(b)に、制御系のゲイン余裕と伝達ゲインの関係の代表例の計算値を示す。
この計算値の表から、伝達ゲインがループゲインによってどのような影響を受けるかがわかる。一般的に、閉ループを持つ制御系が持つ問題は、多かれ少なかれゲイン余裕と系の安定とがバランスする付近にあることから、一つの目安としてゲイン余裕が 6dB の付近が重要であると言える。ゲイン余裕が 6dB の付近では ゲイン余裕がゼロの領域に向かって伝達ゲインが急激に大きくなる傾向にあることを利用する。実働中の制御系の
ループゲインを少し変えてみることによる伝達ゲインの変化を測定することで、
ゲイン余裕がおおよそどの程度かを推定することができる。結果ゲイン余裕も目標の水準に追い込むことができる。
そして、位相余裕に関しては、
図1(b)に、制御系の閉ループの位相回転と伝達ゲインの関係の代表例の計算値を示す。この計算値の表から、伝達ゲインが位相回転によってどのような影響を受けるかがわかる。一般的に、閉ループを持つ制御系が持つ問題は、多かれ少なかれ位相余裕と系の安定とがバランスする付近にあることから、一つの目安として π/2 から π/6 の位相余裕がgン海付近の目安となる。位相余裕が 0 の付近では 位相余裕がゼロの領域に向かって伝達ゲインが急激に大きくなる傾向にあることを利用する。逆に、位相余裕が π の付近では伝達ゲインの変化が最も緩やかであることを利用する。一般的には位相が π であることが制御系は安定しているが その位相 π が 0 と π のバランスで成り立っている場合は不安定と安定が隣り合わせにあることから、このような場合は π/2 位相が望ましい。例えば、伝達系がノッチフィルターを有する場合、特異点の付近で位相が不連続に逆転することから、伝達系の特性を掌握していない場合は 0 位相 とか π 位相は避けなければならない。
いずれにしても、請求項3の手段による位相変換は自在に 2*π の回転が自在に可能である。
実働中の制御系の位相回転を少し変えてみることによる伝達ゲインの変化を測定することで、ゲイン余裕がおおよそどの程度かを推定することができる。結果ゲイン余裕も目標の水準に追い込むことができる。
図1(a)、(b)、(c)、図2、図4、図5、図6(d) が請求項1の説明図である。
その2.制御系の一部の伝達特性 F について、
本案にとって、与えられた制御系のループの一部である伝達特性 F は既知である必要はない。F は、元々の制御系が持つ性質であるか、その制御系を安定化させる目的の付加された伝達特性をも含むものであるか、本案にとっては無関係である。Wx,Yx,Kx を F に付加し、F を F*Wx*Yx*K とすることが本案の本質である。
その3.安定度評表とは、
ループゲインを変化させた場合の伝達ゲインの変化の対応表をあらかじめ計算あるいは実測により準備しておく。その表からどの伝達ゲインの変化率が安定度の目標値あるいは限界値に対応するかについて判断できる情報をも準備しておく。
その4.安定度評価値について、
安定度評価表が持つ安定度評価値とは、
図1(b)の数値表とその数値表をグラフに表した図1(c)に代表例を示すように、
閉ループゲインを変化させて、ゲイン余裕が小さくなればなるほど伝達ゲインの変化率が大きくなる、という普遍的な事実の下に、
最適なゲイン補正の決定のための制御シーケンスの判断基準である。
請求項2の補足説明
その1.請求項2の概要について、
音響結合を含む閉ループを形成する制御系の 安定度測定制御手段 であって、請求項1の基本構成を応用して、実用に向いた構成に仕立てたものである。
図1が本案の基本構成であって、図3が実用的な構成である。図1の閉ループの一部である F*Y*K の部分を変形させたものである。Y*K の部分を Wx*Yx*Kx として、Wx なる帯域フィルターによって複数の帯域に分割する。または複数の問題発生の確率の高い帯域に分割する。最も実用的な構成では Wa*Ya*Ka を 1 とし、その他の Wj*Yj*Kj で以て、問題が発生する確率の高い帯域に割り当てる。対象外の帯域は Wa*Ya*Ka=1 が受け持つ。即ち、帯域を分割する。一般的に、閉ループを持つ制御系でループゲインを上げるほど不安定領域が増す傾向にあることから、不安定領域の数は個々の制御系によって異なる。また、制御系によっては制御環境によっても不安定要因が変動することから、
Wj,Yj,Kj は動的な制御が必要な場合もある。
その2.帯域フィルター Wx とは、
特に安定度に注意しなければならない帯域に設けた帯域通過フィルターである。
全帯域について均等に高密度に設ける必要もあれば、
特別な不安定帯域があって、その帯域について、きめ細かく安定度を制御しなければならない場合は、その帯域に限って帯域フィルターを設ける。Wx に群遅延の特性を持たせるか否かについても設計的に決定されるものとする。
閉ループの分割方法について、
帯域の分割は、制御系の実働中に動的に帯域を決定する場合も含まれるとし、
この場合、帯域をおおまかに分割し、例えば二つに分割し、
どちらの帯域が最も安定から遠いかを見出し、
さらにその帯域をおおまかに分割し、どの帯域が最も不安定かを見出す。
この工程を繰り返すことで、安定度の改善が必要な度合の高い帯域から順番に目標の安定度の水準に追い込む。
このように帯域の分割を動的に決定する方法につぃても設計的に決定されるものとする。
あるいは、一つの帯域の範囲内にさらに帯域を設けることもできる。帯域を階層化することで、制御性能を上げることができる。
その3.帯域の分割について、
帯域の分割とは、全帯域を分割することではなく、全帯域の中で特にゲインと位相の制御を必要とする帯域に限ってその帯域にフィルターを割り当てることとする。
請求項3の補足説明
その1.請求項3の概要について、
音響結合を含む閉ループを形成する制御系の 安定度測定制御手段 であって、
請求項1と請求項2に記述の帯域の位相制御に関する。位相制御を必要とする帯域はその帯域に位相とゲインに関わる不安定要因を持っている場合である。位相を制御する方法は多数あるが、群遅延による位相を除けば、図6(c)に示すように、直角座標上の横軸と縦軸の座標で表現できる角度の制御である。実働している系においては、制御系の信号を周期信号として見立てて、周期信号としての位相を制御することになる。元の信号に対し π/2 の位相の信号を作り、元の信号との合成によって、元の信号に対し任意の位相の信号を得ることができる。
その2.位相変換について、
位相を変換する手法は多種ある。位相というからには信号が定常な正弦波であるという条件で意味を持つ。一般的に、人のコミュニケーションやリスニングの環境における騒音や扱う信号は冗長度が高いことは公知である。
騒音や信号が常に変化する中で、過渡的に、位相という概念が通用するか否かについて、は説明できないが、生活環境にある音には少なくとも冗長度が高い性質があるという事実によって、位相制御という手法が意味を持つことは明らかである。
一方、ハウリングなどの発振の現象には位相とゲインの二つの基本要因によって理論的な裏付けもあることから、
信号の冗長度が高い、という条件の下での位相変換による制御系の安定度を制御することには充分意味がある。
その3.微分機能と積分機能について、
位相差 π/2 を得るには如何なるフィルターでも微分や積分の機能が必修である。
Si 制御系の入力信号
+-*/ 加減乗除算演算子
F 制御系の伝達ループの一部
G 制御系の伝達ループの一部
Y 本案の本質である制御安定化のための位相変換
K 本案の本質である制御安定化のための係数
P = Si*F*Y*K/(1-G*F*Y*K) 図1(a)の制御系の伝達特性の計算式
R21 Reference Table / an example / by 5% step of ΔK
ΔK の 5% 変化量に対する R21 の値の一覧表
No. 列の番号
Stimulus 測定のために系に変化を作用させる
0.05 ΔK が5%
K=K(1+ΔK) K を ΔK 補正
System Gain 制御系の伝達ゲイン
GFY=1,FY=1 G*F*Y=1 とする。 F*Y=1 とする
1/(1&#8211;GFK) G*F*Y=1,F*Y=1 とする、1/(1 &#8211; GFK) の値
R21=P2/P1 その列とその上の列の 1/(1 &#8211; GFK) の値の比
% その比の % の値
dB その比の dB の値
6dB Gain Margin ゲイン余裕が 6dB の列
12dB Gain Margin ゲイン余裕が 12dB の列
Un-Stable 制御が不安定になる方向
table 制御が安定になる方向
System Gain & R21 / 5% Step K を 5% ステップで変化させたときの
伝達ゲイン と 伝達ゲインの変化率のグラフ
5% Step (K(1+ΔK) K の変化率を 5% とする
Gain 伝達ゲイン
R21 % 伝達ゲインの変化率
6dB Gain Margin ゲイン余裕が 6dB のライン
12dB Gain Margin ゲイン余裕が 12dB のライン
System Gain 伝達ゲインのグラフ
R21 % 伝達ゲインの変化率 R21 のグラフ
Stable 制御系がより安定になる方向
Un-Stable 制御系がより不安定になる方向
Not Controlled 制御系のコントロールが緩くなる方向
Controlled 制御系のコントロールが強くなる方向
Stability Conditioning 図が安定度の調節工程
SQ20 前準備工程
Build Wx,Yx,Kx with F ループ伝達特性の中に Wx,Yx,Kx を組み込む
Start up L 制御系を実動作させる
L is Running L が実動作状態に入っている状態
SQ21 Kx の調節工程
for x = a,b,,,,,j,,,,,n x が a から n まで
Gain Conditioning Kx Kx のゲイン調節
Phase Conditioning Yx Yx の位相調節
SQ23 終了工程
Continue ? 調節工程が終了したが、さらに調節の必要がある?
End 終了
Divided F 閉ループを帯域分割する方法の説明図
Si 制御系の入力信号
F 制御系の伝達ループの一部
G 制御系の伝達ループの一部
Wx*Yx*Kx x=a,b,,,,,j,,,,,n
a から n までの帯域フィルターと位相変換と係数
Px x=a,b,,,,,j,,,,,n Wx*Kx の出力信号
Σ Pa から Pn までの信号の加算
P Pa から Pn までの信号の加算結果の出力
Gain Conditioning ゲイン調節のシーケンス
Initial Kx=Kx Kx の初期値が Kx
SQ40 開始シーケンス
Start 開始
SQ41 伝達ゲインの変化率の測定工程
Prms1=Measure Prms Prms を測定し、Prms1 とする
Kx=Kx*(1-ΔKx) Kx に ΔKx の補正を作用させる
Prms2=Measure Prms Prms を測定し、Prms1 とする
R21=Prms1/Prms2 伝達ゲインの変化率 R21 を計算
SQ42 R21 が許容範囲に入っているかどうかの確認工程
R21 > R21max 測定した R21 は R21max より大きい?
Prms1=Prms2 Prms2 の値を Prms1 に
SQ43 終了工程
Kx=Kx*(1+ΔKx) Kx を現在値とする
Phase Conditioning 図は位相調節のシーケンスである
Initial Phase(Yx)=Ax Yx の位相の初期値が Ax
SQ50 開始シーケンス
Start 開始
SQ51 位相を変化させ伝達ゲインの変化を測定
Prms3=Measure Prms Prms を測定し Prms3 へ
Ax=Ax+ΔAx Ax に ΔAx の変化
Prms4=Measure Prms Prms を測定し Prms4 へ
R43=(Prms4-Prms3)/Prms4 伝達ゲインの変化率 R43 を計算
SQ52 R43 の評価工程
R43>R43max ? R43 は R43max より大きい?
R43<R43min ? R43 は R43min より小さい?
Ax=Ax-2*ΔAx Ax をさらに -2*ΔAx 変化させて SQ51 工程へ
SQ53 伝達ゲインの変化率の傾斜の測定と判断の工程
Ax=Ax+ΔAx Ax をさらに ΔAx 変化させる
Prms5=Measure Prms Prms を測定し Prms5 へ
R54=(Prms5-Prms4)/Prms5 伝達ゲイン変化率 R54 を計算
abs(R54-R43)>ΔR54max? 伝達ゲイン変化率傾斜の絶対値がΔR54max より大きい?
Ax=Ax-π-ΔAx Ax を &#8211;π-ΔAx 変化させS Q51 シーケンスへ
SQ54 終了工程
Ax=Ax-2*ΔAx Ax を現在値にもどして
End 終了
Phase Generation Model by differentiation for High Frequency Range
微分を使った位相変換のモデル図
Phase Generation Model by Integration for Low Frequency Range
積分を使った位相変換のモデル図
Siw 帯域フィルター Wx の入力信号
So 位相変換の出力信号
Wx 帯域フィルター
Ss 帯域フィルターの出力信号
d()/dt 微分機能
-∫()dt 積分機能
St 微分機能または積分機能の出力信号
Su Ss の強度と同じとなるよう係数を補正した Ss
RMS 信号の強度を得る機能
Mss Ss の強度
Mst St の強度
Mss/Mst Ss と St の強度の比
A 位相変換角
So=Ss*cos(A)+Su*sin(A) So は Ss に対し 位相角 A だけ進んだ信号
Su=St*(Mss/Mst) Su の強度を Ss と等しくする
Phase Generation Model 位相変換説明図
Ss*cos(A)+Su*sin(A) 角度 A によって So は円周上を移動
A=Phase(So/Ss) So の Ss に対する位相角が 位相変換 A
abs(So)=abs(Ss)=abs(Su) So と Ss と Su の強度が同じ
System Gain & ΔGain / Phase Shift
位相変換よるゲイン変化率とゲイン変化率傾斜のグラフの例
Phase 横軸、位相変換の位相角
System Gain 縦軸、伝達ゲイン
R43 % 縦軸、ゲイン変化率
System Gain 伝達ゲインの変化
R43 % ゲイン変化率
R43max R43 の許容最大値
R43min R43 の許容最小値
R54=abs(ΔR43 %)max ゲイン変化率傾斜の許容最大値

Claims (3)

  1. 閉ループを持つ音響制御系の安定度の制御機能を 安定度制御手段 とし、
    特定の音響信号帯域を B とし、
    特定の音響信号帯域 とは、
    人の聴覚に照らして全帯域から任意の部分帯域までを意味するものとし、
    帯域 B において、音響結合を含む制御系の閉ループの名称を L とし、
    L のループ伝達特性を Z とし、伝達特性 Z は
    閉ループ L に固有であって、時々刻々と変化する L の動的伝達特性とし、
    Wx と Yx と Kx を、実動作中の制御系の安定度を補正する目的で、
    Z に付加するところの 伝達特性補正手段 とし、
    伝達特性補正手段の構造と特性は設計的に決定されるものとし、
    Wx は帯域フィルター、Yx は位相変換手段、Kx を比例係数とし、
    即ち、
    Z*Wx*Yx*Kx は、元々の制御系の安定度を制御すべく、Wx*Yx*Kx を Z に付加するものとし、
    制御系が実働状態にある L の制御対象または制御対象に対応する信号を P とし、
    絶対値、平均値、実効値、最大値 などの信号の強さを表す量を 強度 とし、
    P の強度を Prms とし、
    帯域 Wx について、
    係数が Kx のときの P の値を Prms1 とし
    係数 Kx を ΔK % 減少させる方向に変化させた場合
    即ち Kx=Kx(1-ΔKx) とした場合の P の値を Prms2 とし、
    R21 = Prms2/Prms1 を、Kx に -ΔKx なる変化を作用させたときの 安定度評価値 とし、
    安定度評価値は、制御系の安定度の評価値であるゲイン余裕と密接な関係にあって、
    実動作状態での制御系の安定度を評価できる値であることを利用するものとし、
    Kx の変化に対応するところの R21 の値の一覧表を 安定度評価表 とし、
    R21 の値に対応する安定度評価表が示す安定度の評価を以て安定度を評価した結果、
    必要に応じて閉ループゲインを補正する機能を 閉ループゲイン補正手段 とし、
    安定度の評価表と評価基準は、設計的に決定されるものとし、
    位相変換手段 Yx が変換する位相を Ax とし、
    位相 Ax の変化に対する伝達ゲインの変化率を 位相影響率 とし、
    位相 Ax の変化に対する位相影響率の傾斜を 位相影響率傾斜 とし、
    位相影響率の許容範囲を 位相影響率許容範囲 とし、
    位相影響率傾斜の許容範囲を 位相影響率傾斜許容範囲 とし、
    位相影響率許容範囲と位相影響率傾斜許容範囲は設計的に決定されるものとし、
    位相影響率と位相影響率傾斜の双方が許容範囲内にあるべく Ax を調節するものとし、
    Ax の調節機能を 閉ループ位相補正手段 とし、
    閉ループ位相補正手段によって得られた位相を 最適位相 とし、
    閉ループ位相補正手段は Yx の変換位相量を最適位相に調節すべく機能するものとし、
    伝達特性補正手段 を第1とし、
    安定度評価表 を第2とし、
    閉ループゲイン補正手段 を第3とし、
    閉ループ位相補正手段 を第4とし、
    第1と第2と第3と第4を有し、制御系の閉ループのループゲインとループ位相とが
    許容範囲にあるべく調節を司るところの、
    音響結合を含む閉ループを形成する制御系の安定度測定制御方法。
  2. 請求項1の音響結合を含む閉ループの伝達特性 Z に
    Z*{Wa*Ya*Ka + Wb*Yb*Kb + ,,,,,+ Wj*Yj*Kj + ,,,,,+ Wn*Yn*Kn}
    となるよう、j = a,b,,,,,j,,,,n とする Wj*Yj*Kj を組み入れるものとし、
    j = a,b,,,,,j,,,,n とは、a から n までの異なるパラメーターを持つ W,Y,Kの種類とし、
    Wj*Yj*Kj は Z を閉ループ伝達特性とする制御系の安定度と性能を改善する目的で閉ループに組み入れるものとし、
    Wj は帯域フィルターとし、Yj は位相変換手段とし、Kx は係数とし、
    請求項1の Wx*Yx*Kx を
    Wx*Yx*Kx = Σ(Wj*Yj*Kj) j = a,b,,,,,j,,,,n
    とすることを 閉ループの分割 とし、
    閉ループの分割の一例として
    Wa=Ka=1 の場合も含まれるものとし、
    この場合は Wx*Kx = 1+Σ(Wj+Kj) j = b,c,,,,,j,,,,n であるとし、
    閉ループを分割し、個々の閉ループごとに請求項1の安定度の測定制御を作用させる機能を 閉ループ分割手段 とし、
    閉ループの分割とは、制御を必要とするところの複数の帯域を意味するものとし、
    帯域の具体的分割方法については設計的に決定するものとし、
    分割された個々の閉ループは、請求項1の第1と第2と第3と第4を有するものとし、
    閉ループ分割手段を第5とし、
    第5を有するところの音響結合を含む閉ループを形成する制御系の安定度測定制御方法。
  3. 請求項1に記述の位相補正手段の内、位相特性の調節方法に関し、
    帯域フィルター Wx の出力信号に位相変換の目的で設けるところの Yx に関し、
    Si を Wx の入力信号とし、
    Ss を Wx の出力とし、
    Ss の微分機能を d()/dt とし、
    Ss の積分機能を -∫()dt とし、
    微分機能と積分機能の双方の出力を St とし、
    St は微分機能と積分機能のいずれかから得るものとし、
    St の強度を Ss の強度と等しくした信号、または 実用上等しいと見なすことができる信号を Su とし、
    即ち、abs() を強度を得る機能とし、
    St の強度を abs(St) とし、Ss の強度を abs(Ss) とし、
    Su=St*abs(Ss)/abs(St) とし、
    Ss と Su から
    Ss*cos(A)+Su*sin(A) なる信号を生成し、この信号を So とし、
    即ち、
    So=Yx(Ss)=Ss*cos(A)+Su*sin(A) とし、
    A を 0 から 2*π まで可変することにより So が Ss に対して 2*π 即ち
    一回転することを利用するものとし、
    Wx の帯域が中音から高音域にある場合、Ss の微分信号を信号処理に使うものとし、
    Wx の帯域が低音域にある場合、Ss の積分信号を信号処理に使うものとし、
    この場合の低音域と高音域は制御対象に照らして設計的に決定されるものとし、
    Wx の出力 Ss から 微分機能と積分機能のいずれかを作用させ、Su を生成し、
    Ss と π/2 の位相差を持つ信号 Su から Ss に対し目的とする位相差の信号 So を生成する機能を 位相生成手段 とし、
    位相生成手段を第6とし、
    請求項1の第1と第2と第3と第4と 請求項2の第5 と 第6を有するところの、
    音響結合を含む閉ループを形成する制御系の安定度測定制御方法。
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