WO2006115118A1

WO2006115118A1 - メカニカルシール装置、摺動部品およびその製造方法

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Publication number: WO2006115118A1
Application number: PCT/JP2006/308117
Authority: WO
Inventors: Masami Miyazawa
Original assignee: Eagle Industry Co., Ltd.
Priority date: 2005-04-22
Filing date: 2006-04-18
Publication date: 2006-11-02
Also published as: EP1873429A4; JP5107702B2; KR20080015394A; EP1873429B1; US20090022973A1; US8440295B2; KR101318428B1; EP1873429A1; JPWO2006115118A1; CN100567779C; CN101163910A

Abstract

　摺動面を有する摺動部品であって、前記摺動面となる基材上には、樹脂層が形成されており、前記樹脂層は、その表面に複数の気孔部を有し、かつ、前記気孔部内には、フッ素化オイルが含有されていることを特徴とする摺動部品。好ましくは、前記樹脂層は、第１樹脂と、前記第１樹脂よりも高い融点を有する第２樹脂と、を含有し、前記樹脂層の気孔部は、前記樹脂層を前記第１樹脂の融点以上、前記第２樹脂の融点未満の温度で加熱することにより形成される気孔部であって、かつ、前記樹脂層を研磨することにより、前記樹脂層の表面に露出した気孔部である。

Description

明細書

メカニカルシール装置、摺動部品およびその製造方法

技術分野

[0001] 本発明は、摺動部品およびその製造方法、ならびにこの摺動部品を有するメカ-力ルシール装置に関し、さらに詳しくは、耐腐蝕性を有し、耐摩耗性に優れ、乾燥潤滑条件下においても、摺動時の鳴きの発生および摺動面の摩耗を有効に防止することができる摺動部品およびその製造方法、ならびにこの摺動部品を有するメカ-カルシール装置に関する。

背景技術

[0002] メカ-カルシール装置は、一対の摺動部品が、それぞれのシール面を介して、密接摺動することにより、流体を密封するものである。そのため、このメカ-カルシール装置に用いられる摺動部品としては、低摩擦性および耐摩耗性に優れた材料が選択されている。特に、摺動面間に、流体潤滑膜が供給されない無潤滑状態で摺動される摺動部品には、優れた自己潤滑性および耐摩耗性が求められている。このような無潤滑状態で摺動される摺動部品としては、従来から、たとえば、カーボン材料や、各種材料 (たとえば、黒鉛、ガラス繊維、炭素繊維、金属粉等)を骨材として配合した四フッ化工チレン榭脂材料が用いられて、る。

[0003] 一方で、上記摺動部品を構成する材料として、カーボン材料を使用した場合には、真空中、還元ガス中、あるいは露点温度の低い乾燥空気中等の雰囲気においては、カーボンの潤滑性が失われてしまうため、著しく摩耗してしまう場合がある。

[0004] また、上記摺動部品を構成する材料として、骨材を配合した四フッ化工チレン榭脂材料を使用した場合においても、カーボン材料と比較して、上記各雰囲気による影響は比較的小さくなるものの、依然として摩耗が発生してしまう。

[0005] 特に、食品や医薬品の製造過程で使用される撹拌機等においては、衛生面や、製品の特性への影響という観点から、異物の侵入を極力防止する必要がある。そのため、このような撹拌機等に使用されるメカ-カルシール装置には、製品への摩耗粉（異物)の混入を極力防止するため、無潤滑の状態においても、摺動部品の摩耗を極めて少なくすることが求められている。

[0006] そのため、摩耗粉の発生を少なくするために、このような骨材を配合した四フッ化工チレン榭脂からなる摺動部品において、配合する骨材の種類や配合比率に関してさまざまな検討が加えられ、耐摩耗性の向上が図られている (たとえば、特許文献 1)。

[0007] し力しながら、骨材を配合した四フッ化工チレン榭脂摺動材料においては、その潤滑性を維持するためには、耐摩耗性の低い四フッ化工チレン榭脂の含有量を 70% 未満とすることは困難であり、したがって、耐摩耗性の向上には限界があった。そのため、上記のような食品や医薬品等の製造過程で使用される各種機器の摺動部品として使用することができな力つた。

[0008] 一方、近年では、カーボン等の自己潤滑物質を配合したセラミックスや金属材を、無潤滑での摺動部品として使用する場合もあるが、真空状態、加圧状態といった条件が、繰り返される場合は、摺動面の「かじり」や潤滑不良に起因する鳴き音等が発生し、また、摩耗粉の発生も起こっていた。そのため、摺動面に溝を設けることにより、摺動時において、摺動面間に気体膜が形成されるようにし、摺動部品の負担を軽減する試みもなされている（たとえば、特許文献 2)。し力しながら、このように摺動面に溝を設けた場合においても、低速回転条件や、上述のように真空状態、加圧状態が繰り返される条件においては、十分な効果が発揮されていな力つた。

特許文献 1：特開 2001— 26792号公報

特許文献 2：特開平 5 - 60247号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0009] 本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、耐腐蝕性を有し、潤滑油または液体の存在しな!、雰囲気や、潤滑性が期待できな!、ような乾燥潤滑条件下においても、摺動時の鳴きの発生を有効に防止することができ、し力も、耐摩耗性に優れ、摩耗粉の発生の極めて少な、摺動部品およびその製造方法を提供することである。さらに、本発明は、このような摺動部品を有し、乾燥潤滑条件下においても、好適に使用可能なメカ-カルシール装置を提供することも目的とする。

課題を解決するための手段 [0010] 上記目的を達成するために、本発明に係る摺動部品は、

摺動面を有する摺動部品であって、

前記摺動面となる基材上には、榭脂層が形成されており、

前記榭脂層は、その表面に複数の気孔部を有し、かつ、前記気孔部内には、フッ素化オイルが含有されて、ることを特徴とする。

[0011] 本発明の摺動部品において、好ましくは、前記榭脂層は、第 1榭脂と、前記第 1榭脂よりも高い融点を有する第 2榭脂と、を含有する。

[0012] 本発明の摺動部品において、好ましくは、

前記榭脂層の気孔部は、前記榭脂層を前記第 1榭脂の融点以上、前記第 2榭脂の融点未満の温度で加熱することにより形成される気孔部であって、かつ、

前記榭脂層を研磨することにより、前記榭脂層の表面に露出した気孔部である。

[0013] 本発明の摺動部品において、好ましくは、

前記第 1榭脂が、四フッ化工チレン榭脂および Zまたはその変性物であり、前記第 2榭脂が、ポリアミドイミド榭脂および Zまたはポリイミド榭脂であり、

前記榭脂層全体 100重量％に対する、前記第 1榭脂の含有量が 5〜55重量％である。

[0014] 本発明の摺動部品において、好ましくは、前記フッ素化オイルが、炭素原子、フッ素原子、酸素原子力なるパーフルォロポリエーテルおよび Zまたはその変性物である。

[0015] 本発明の摺動部品において、好ましくは、前記基材が、カーボン、炭化ケィ素、力一ボンと炭化ケィ素との複合材料、およびセラミック材料力選択される 1種である。

[0016] 本発明の摺動部品の製造方法は、

基材上の摺動面となる部分に、第 1榭脂と、前記第 1榭脂よりも高い融点を有する第 2榭脂と、を含有する榭脂層を形成する工程と、

前記榭脂層を、前記第 1榭脂の融点以上、前記第 2榭脂の融点未満の温度で加熱し、前記第 1榭脂を溶融させることで榭脂の収縮およびわず力な流動が発生し、主に前記第 1榭脂と前記第 2榭脂との界面、および前記榭脂層内に複数の気孔部を形成する工程と、前記榭脂層の表面を研磨して、複数の前記気孔部のうち少なくとも一部を表面に露出させる工程と、

前記露出した気孔部に、フッ素化オイルを含油させる工程と、を有する。

[0017] 本発明の摺動部品の製造方法において、好ましくは、

前記第 1榭脂が、四フッ化工チレン榭脂および Zまたはその変性物であり、前記第

2榭脂が、ポリアミドイミド榭脂および Zまたはポリイミド榭脂であり、

[0018] 本発明の摺動部品の製造方法において、好ましくは、

前記フッ素化オイルが、炭素原子、フッ素原子、酸素原子力もなるパーフルォロポリエーテルおよび Zまたはその変性物である。

[0019] 本発明の摺動部品の製造方法において、好ましくは、

前記基材が、カーボン、炭化ケィ素、カーボンと炭化ケィ素との複合材料、およびセラミック材料力選択される 1種である。

[0020] 本発明のメカ-カルシール装置は、

一対の摺動部品を突き合わせてシールするメカ-カルシール装置であって、前記各摺動部品が、上記本発明の摺動部品または、上記本発明の製造方法により製造される摺動部品から構成される。

発明の効果

[0021] 本発明の摺動部品によると、摺動面を、複数の気孔部を有する榭脂層で形成するとともに、この気孔部には、潤滑油としてのフッ素化オイル力含油してある。そのため、乾燥潤滑条件下においても、摺動面の摩耗を有効に防止することができるとともに、摩耗粉の発生も極めて少なくでき、このような乾燥潤滑条件で使用されるメカ-力ルシール装置用の摺動部品として好適に用いることができる。

[0022] 上記気孔部に含油されるフッ素化オイルは、耐食性に優れたオイルであるため、このようなフッ素化オイルを、摺動面に含油させることにより、摺動面の耐腐蝕性を向上させることがでさる。

[0023] また、本発明の摺動部品においては、好ましくは、榭脂層を、第 1榭脂と、この第 1 榭脂よりも高い融点を有する第 2榭脂とで構成し、しかも、この榭脂層を、第 1榭脂の融点以上、第 2榭脂の融点未満で加熱することにより、上記気孔部を形成する。そのため、第 2榭脂を固体の状態としたまま、第 1榭脂だけを溶融させることができ、この第 1榭脂を溶融させることにより、第 1榭脂と第 2榭脂との界面を中心に緻密な気孔部を複数形成することができる（第 1榭脂の溶融は無負荷なため大きな流動は発生しない)。

[0024] さらに、本発明においては、榭脂層内に緻密な気孔部を形成した後に、榭脂層を研磨し、この緻密な気孔部を榭脂層表面に露出させ、露出した気孔部に上記フッ素化オイルを含油させる。そして、この含油されたフッ素化オイルは、微細な気孔部に含油されているため、この気孔部内に長期間吸着させておくことができる。そのため、本発明の摺動部品を、乾燥潤滑条件で使用した場合においても、含油されたフッ素化オイルが気孔部より流出することなぐ長期間に渡り安定した使用が可能となる。

[0025] また、本発明のメカ-カルシール装置は、摺動部品として、上記特性を有する本発明の摺動部品を有するため、乾燥潤滑条件下においても好適に使用することができる。

図面の簡単な説明

[0026] [図 1]図 1は本発明の一実施形態に係るメカ-カルシール装置の概略図である。

[図 2]図 2は本発明の実施例における摺動部品の摺動面の顕微鏡写真である。

[図 3A]図 3Aは本発明の実施例の摺動部品の摩耗状態を示す図である。

[図 3B]図 3Bは比較例の摺動部品の摩耗状態を示す図である。

発明を実施するための最良の形態

[0027] 以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。

メカニカルシール装置 1

本発明の一実施形態に係るメカ-カルシール装置 1は、回転環であるシールリング 2と、固定環であるフローティングシート 3とが、それぞれの摺動面を介して、互いに突き合わされた構造となっている。すなわち、シールリング 2と、フローティングシート 3とは、シールリング 2の摺動面 2aと、フローティングシート 3の摺動面 3aとを介して、互いに圧接されており、両摺動面 2a, 3a間が、回転軸 20の回転時、非回転時に関わらずシールされる構成となって、る。

[0028] 回転環であるシールリング 2は、ノッキン 24を介して、回転体 20に直接装着されたコンプレツシヨンリング 21により、フローティングシート 3の方向に押圧されるような構成となっている。そして、このコンプレツシヨンリング 21の押圧力により、シールリング 2は、回転軸 20の回転に伴い回転可能となっているとともに、そのシール面 2aを介して、フローティングシート 3のシール面 3aと圧接されるようになっている。なお、このコンプレツシヨンリング 21の押圧力は、支持リング 23に支持されているばね 22の弾性力により、調整可能となっている。

[0029] 一方、固定環であるフローティングシート 3は、パッキン 31を介して、ハウジング 30 に固定されるような構造となっており、上述のコンプレツシヨンリング 21により押圧されたシールリング 2と、摺動面 3aを介して圧接されるような構造となって、る。

[0030] シールリング 2、フローティングシート 3

本実施形態のメカ-カルシール装置 1において、回転側のシールリング 2、および固定側のフローティングシート 3は、共に、本発明の摺動部品から構成される。すなわち、シールリング 2、およびフローティングシート 3は、所定の材料から構成される基材を含有するとともに、それぞれの摺動面 2a, 3aには、フッ素化オイルが含油した榭脂層が形成されている。

[0031] 雄

本実施形態にぉ、て、シールリング 2およびフローティングシート 3を構成する基材は、カーボン、炭化ケィ素、カーボンと炭化ケィ素との複合材料、およびセラミック材料力も選択される 1種であることが好ま、。

[0032] これらの材料は、硬質性および熱伝導性が高ぐ熱膨張係数が低ぐしかも榭脂層に含油されるフッ素化オイルとのなじみが良いという点力も特に好ましい。具体的には、これらの材料は、高い硬質性を有するため、摺動時の負荷による変形が少ないため、摺動面 2a, 3aに形成された榭脂層の変形を抑制する効果を有し、摺動面 2a, 3aを平滑な状態に保つことできる。そのため、摺動時における摩耗を有効に防止することができる。さらに、これらの材料は、高い熱伝導性を有するため、摺動時における発熱を、速やかに拡散させることができ、焼付きなどの不具合を有効に防止することがでさる。

[0033] 上記カーボン材料としては、炭素質、黒鉛質のヽずれでも良ぐまたその組成は特に限定されず、目的に応じて炭素質、黒鉛質を使い分けて用いることができる。具体的には、天然黒鉛、人造黒鉛、メソフェーズ、カーボンブラック等の骨材と、コールタ一ルビッチ、合成樹脂等の結合材を主成分とし、混合、混練り、成形工程を経て 100 0〜3000°Cで焼成することによって得ることができる。

[0034] 上記基材を、炭化ケィ素で構成する場合には、たとえば、炭化ケィ素粉末に、必要に応じて、溶媒や、バインダなどを添加して、所定形状に成形した後に、焼結することにより得ることができる。

[0035] 上記基材を、カーボンと炭化ケィ素との複合材料で構成する場合には、たとえば、カーボン基材を所定形状に加工した後、 Siと高温で反応させることによって、カーボン気孔中に Siを含浸させ、反応させて SiC化させることにより製造することができる（反応焼結法)。あるいは、 Siガスと反応させて SiC化させるコンバージョン法 (気相転換法）〖こよっても製造することができる。

[0036] また、上記基材を、セラミック材料で構成する場合には、たとえば、酸ィ匕アルミニウム、Si N (窒化ケィ素）等のセラミック粉のうち一種以上を使用し、必要に応じて、溶

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媒ゃ、バインダなどを添加して、所定形状に成形した後に、焼結することにより得ることがでさる。

[0037] なお、シールリング 2およびフローティングシート 3を構成する基材の表面のうち、少なくとも摺動面となる部分には、榭脂層との密着性を高めるという観点より、凹凸をつけておくことが好ましい。

[0038] 榭脂層およびフッ素化オイル

シールリング 2およびフローティングシート 3のそれぞれの摺動面 2a, 3aには、その表面に、複数の気孔部を有する榭脂層が形成されており、さらにこの榭脂層の気孔部には、フッ素化オイルが含油されている。

[0039] 本実施形態においては、上記榭脂層は、第 1榭脂と、この第 1榭脂よりも高い融点を有する第 2榭脂とを含むことが好ま、。

そして、榭脂層の気孔部は、上記榭脂層を、第 1榭脂の融点以上、かつ、第 2榭脂の融点未満で加熱することにより、第 1榭脂が溶融して、形成される緻密な気孔部であることが好ましい。さらに、本実施形態においては、この気孔部内にフッ素化オイルを含油させるために、榭脂層を研磨し、この緻密な気孔部を榭脂層表面に露出させる。

[0040] 上記第 1榭脂としては、四フッ化工チレン榭脂（PTFE : poly tetra fluoro ethyl ene)や、この四フッ化工チレン榭脂の変性物である四フッ化工チレンパーフルォロアノレコキシビ-ノレエーテノレ共重合体（PFA: tetra fluoro ethylene -perfluor o alkylvinyl ether copolymer)や、フッ素化工チレン—プロピレン共重合体（F EP： f luorinated ethylene propylene copolymer)など力 S挙げられる。これらのなかでも、造膜性や強度の観点から四フッ化工チレン榭脂が特に好ましい。

[0041] 上記第 2榭脂としては、第 1榭脂として好適に用いられる四フッ化工チレン榭脂よりも高い融点を有する榭脂であれば良いが、特に、ポリアミドイミド榭脂またはポリイミド榭脂が好ましい。ポリアミドイミド榭脂や、ポリイミド榭脂は、四フッ化工チレン榭脂の融点（327°C程度)よりも高い温度に加熱された場合においても、耐熱性、結合力、および造膜性を維持することができ、しかもこれらの榭脂が耐摩耗性に優れてヽると V、う性質を有することから最も好ま、。

[0042] 上記榭脂層中における第 1榭脂の含有量は、榭脂層全体 100重量％に対して、 5 〜55重量％であることが好ましぐより好ましくは 30〜40重量％である。第 1榭脂の含有量が少なすぎると、上記気孔部が形成され難くなる傾向にある。一方、多すぎると、榭脂層の強度が低下してしまう傾向にある。

[0043] また、榭脂層中には、上記第 1榭脂および第 2榭脂の他に、種々の添加物が含有されていても良い。このような添加物としては、メカ-カルシール装置 1の使用される環境に応じて適宜選択すれば良いが、たとえば、二硫ィ匕モリブデンや黒鉛などが挙げられる。このような添加物を使用する場合においては、その含有量は、榭脂層全体 1 00重量％に対して、好ましくは 3〜15重量％、より好ましくは 5〜10重量％とする。

[0044] 榭脂層の厚みは、特に限定されないが、好ましくは 10〜30 μ mである。

[0045] 榭脂層の表面に形成される気孔部は、緻密な気孔部であることが好ましい。

[0046] また、榭脂層の表面全体 100%に対する気孔部の存在割合 (気孔率）は、面積比で、好ましくは 1〜10%、より好ましくは 2〜5%である。気孔部の存在割合 (気孔率）が低すぎると、本発明の効果が得られなくなる傾向にある。一方多すぎると、全体の密着力（コーティング密着力）が低下してしまう傾向にある。

[0047] 本実施形態においては、上記榭脂層は、その表面に複数の気孔部を有しており、この気孔部内には、フッ素化オイルが含油されている。

このようなフッ素化オイルとしては、特に限定されないが、炭素原子、フッ素原子、酸素原子からなるパーフルォロポリエーテルや、このパーフルォロポリエーテルの変性物が好ましい。上記パーフルォロポリエーテルの変性物としては、たとえば、パーフルォロポリエーテルに、水酸基や、塩素基、カルボキシル基などの種々の官能基を導入したものが使用できる。これらパーフルォロポリエーテルやその変性物は、潤滑性、耐劣化性、および耐薬品性に優れ、特に、榭脂層の気孔部内に長期間吸着し、摺動面 2a, 3aの摩耗を低減する効果を有する。

[0048] 本実施形態において、上記気孔部に含油されるフッ素化オイルの分子量や粘度は、特に限定されず、その使用条件によって選択すれば良いが、高温条件下や真空条件下で使用されるメカ-カルシール装置に用いる場合には、分子量が大きぐ揮発し難、ものを選択することが好ま、。

[0049] シールリング 2、フローティングシート 3の製诰方法

次、で、本実施形態のシールリング 2およびフローティングシート 3の製造方法について、説明する。

まず、シールリング 2およびフローティングシート 3を構成することとなる基材を製造する。基材は、上述したカーボン、炭化ケィ素、カーボンと炭化ケィ素との複合材料、およびセラミック材料力選択される 1種とすれば良ぐこれらの原料を、必要に応じてバインダなどを使用して、所定形状に成形し、その後焼結することにより製造することがでさる。

[0050] なお、本実施形態においては、基材を焼結した後に、少なくとも摺動面 2a, 3aとなる部分に、凹凸処理を施すことが好ましい。凹凸処理を施すことにより、後に形成する榭脂層と、基材との密着性を向上させることができる。

[0051] 次いで、この基材のうち、摺動面 2a, 3aとなる部分に、榭脂層を形成する。具体的には、まず、上述の第 1榭脂と第 2榭脂とが、溶媒中に分散あるいは溶解した榭脂層形成用溶液を使用し、この榭脂層形成用溶液を、摺動面 2a, 3aとなる部分に、スプレーや刷毛により塗布あるいは、浸漬などの方法によりコーティングする。そして、このコーティングした榭脂層形成用溶液に含有されていた溶媒を除去することにより、加熱前の榭脂層を得る。

[0052] なお、上記第 1榭脂として、四フッ化工チレン榭脂を使用する場合には、四フッ化工チレン榭脂は、一般に溶媒に不溶であるため、一定の粒度を有する粒子の状態として、溶媒に分散させることにより、上記榭脂層形成用溶液を調製する。この場合の四フッ化工チレン榭脂粒子の粒度は、最大粒子径が 10 m程度で、 3〜7 /ζ πι付近で正規分布となっていることが好ましい。また、四フッ化工チレン榭脂として、一度融点（約 327°C)以上の温度で加熱したものを使用すると、本発明の効果が小さくなつてしまうため、このような熱履歴を受けて、な、ものを使用することが好まし、。

[0053] 上記榭脂層形成用溶液には、上記榭脂層を形成することとなる成分として、上記第 1榭脂および第 2榭脂以外の添加物を、必要に応じて含有させても良い。このような添加物としては、たとえば、二硫ィ匕モリブデンや黒鉛などが挙げられる。

[0054] 上記第 1榭脂として、四フッ化工チレン榭脂を、上記第 2榭脂として、ポリアミドイミド榭脂またはポリイミド榭脂を使用する場合には、上記榭脂層形成用溶液の溶媒としては、 NMP (N—メチル—2—ピロリドン)を使用することが好ましい。また、溶媒の含有量は、固形分 (すなわち、第 1榭脂、第 2榭脂および必要に応じて使用される添加物）全体 100重量部に対して、通常 30重量部以下である。溶媒が少なすぎると、摺動面 2a, 3aとなる部分への塗布が困難となる傾向にある。一方、多すぎると、所望の気孔率が得られなくなる場合がある。

[0055] 次いで、摺動面 2a, 3aとなる部分に形成した加熱前の榭脂層を、第 1榭脂の融点以上、第 2榭脂の融点未満の温度で加熱し、第 1榭脂を溶融させる。本実施形態においては、榭脂層を、第 1榭脂の融点以上、第 2榭脂の融点未満の温度で加熱するため、第 2榭脂を固体状態としたままで、第 1榭脂のみを溶融させることができる。そして、このように第 1榭脂を選択的に溶融させることにより、溶融した第 1榭脂と、固体状態の第 2榭脂との間に、緻密な気孔部を発生させることができる。なお、この緻密な気孔部は、榭脂層内部全体に渡って、複数形成されることとなる。

[0056] 上記加熱温度は、第 1榭脂の融点より高ぐしかも第 2榭脂の融点よりも低い温度であれば良ぐ特に限定されない。たとえば、第 1榭脂として四フッ化工チレン榭脂を使用した場合には、上記加熱温度は、この四フッ化工チレン榭脂の融点より高い 327 °C以上とすることが好ましぐより好ましくは 340〜350°Cとし、加熱時間は、好ましくは 20〜30分とする。加熱温度が低すぎると、四フッ化工チレン榭脂の溶融が不十分となってしまう場合がある。一方、加熱温度が高すぎると、第 2榭脂が劣化してしまうおそれがある。

[0057] 次いで、榭脂層を加熱することにより形成した複数の気孔部を、榭脂層表面に露出させるために、加熱後の榭脂層について、表面研磨を行う。本実施形態においては、榭脂層の加熱により形成される上記気孔部は、主に、榭脂層内部に形成されている。そのため、加熱後に、榭脂層の表面研磨を行うことにより、気孔部を表面に露出させる必要がある。榭脂層を研磨する方法としては、特に限定されず、公知の方法により研磨すればよい。また、研磨深さは、好ましくは 2〜5 /z mとする。研磨深さが小さすぎると、上記気孔部の表面への露出が不十分となってしまう場合がある。一方、大きすぎると、榭脂層を構成する材料のロスが大きくなり、生産性が低下してしまう。

[0058] 次いで、榭脂層の表面に露出させた気孔部に、フッ素化オイルを含浸させ、本実施形態のシールリング 2およびフローティングシート 3を得る。

気孔部にフッ素化オイルを含浸させる方法としては、特に限定されないが、好ましくは、榭脂層を 50〜100°Cに加温した状態で、フッ素化オイルを塗布する方法を採用することが好ましい。このように、加温した状態とすることにより、フッ素化オイルの粘度を低下させることができるため、フッ素化オイルの含浸を良好に行うことができる。

[0059] このような方法により製造される本実施形態のシールリング 2およびフローティングシート 3を有するメカ-カルシール装置 1は、各種攪拌機や、固液分離、洗浄および乾燥の機能を備えた多機能炉乾燥機、真空乾燥機、ロータリーフィーダ一シール、口一タリージョイントなどの乾燥潤滑用途に好適に用いることができる。

[0060] なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなぐ本発明の範囲内で種々に改変することができる。実施例

[0061] 以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。

[0062] ¾細

基材として、炭化ケィ素 (比重 3. 05以上)を使用して、図 1に示す回転側のシールリング 2および固定側のフローティングシート 3となる焼結体を準備した。本実施例においては、回転側のシールリング 2の摺動面 2aを内径 φ 56. 5mm、外径 φ 75mm ( シールリング 2自体の大きさは、内径 φ 56. 5mm、外径 φ 77mm、高さ 26. 5mm)とし、固定側のフローティングシート 3の摺動面 3aを内径 φ 58. 6mm、外径 φ 66. lm m (フローティングシート 3自体の大きさは、内径 φ 56πιπι、外径 φ 81πιπι、高さ 27m m とした。

[0063] そして、シールリング 2およびフローティングシート 3のそれぞれの摺動面 2a, 3aについて、研磨ラップを施し、表面粗さ Raを、 0. 05 mとした。次いで、研磨ラップを施した摺動面 2a, 3aについて、 9 mのダイヤモンドペーパーを使用して面荒らしを行い、その後、 3 mのダイヤモンド分散液を使用してポリツシングを行い、面荒らしにより形成された凹凸の凸部の頂点を平行にカットして、摺動面 2a, 3aの表面粗さ R a力 SO. 30〜0. 35 /z mとなるように調整した。

[0064] 次に、上記にて表面粗さを調整した摺動面 2a, 3a上に、榭脂層を形成した。榭脂層は、榭脂層形成用溶液として、ポリアミドイミド榭脂と、四フッ化工チレン榭脂と、溶媒としての NMP (N—メチル 2—ピロリドン）とを含有する溶液を使用し、この溶液を刷毛により、摺動面 2a, 3a上に塗布し、その後乾燥し、乾燥後の膜厚が 25〜30 mとなるように形成した。なお、上記榭脂層形成用溶液においては、固形分全体 100 重量％に対する、ポリアミドイミド榭脂の含有量を 60重量％、四フッ化工チレン榭脂の含有量を 40重量％とした。また、四フッ化工チレン榭脂としては、平均粒子径が 5 〜7 μ mの範囲のものを使用した。

[0065] 次いで、摺動面 2a, 3aに形成した榭脂層を温度 340°C、時間 30分の条件で加熱することにより、四フッ化工チレン榭脂を溶融させ、榭脂層内に気孔部を形成した。その後、摺動面 2a, 3aを常温まで冷却し、 6 mのダイヤモンド分散液を使用し、榭脂層を 5 /z mの深さまで研磨して、榭脂層の表面に気孔部を露出させた。研磨後の摺動面 2aの顕微鏡写真を、図 2に示す。

[0066] 次いで、摺動面 2a, 3a上の研磨後の榭脂層の気孔部に、パーフルォロポリエーテルを、含油させることにより、摺動面に、パーフルォロポリエーテルを含油した気孔部を有する榭脂層が形成されたシールリング 2およびフローティングシート 3を得た。なお、上記パーフルォロポリエーテルとしては、平均分子量 8400のパーフルォロポリエーテル (ダイキン工業 (株)製 DEMUNUM S - 200)を使用した。また、一フルォロポリエーテルの含油は、榭脂層を 80°Cに加温し、この榭脂層の表面にパ一フルォロポリエーテルを塗布し、その後、自然浸透させることにより、含油させた。

[0067] そして、上記にて得られたシールリング 2およびフローティングシート 3を、それぞれの摺動面 2a, 3aを介して、組み合わせてメカ-カルシール装置とし、回転摺動試験を行った。回転摺動試験は、回転数： 300rpm (回転速度： lmZs)、試験雰囲気：窒素雰囲気、試験圧力： 0. 8MPa、試験時間： 100時間とした。 100時間の試験後における回転側の摺動面 2aおよび固定側の摺動面 3aの摩耗量と、試験時の鳴きの有無を表 1に示す。また、図 3Aに、 100時間の試験後における回転側の摺動面 2aの摩耗状態を示す。

[0068] 比較例 1〜3

榭脂層の熱処理の温度を、それぞれ、 300°C (比較例 1)、 260°C (比較例 2)、 220 °C (比較例 3)に変更した以外は、実施例 1と同様にして、シールリング 2およびフローティングシート 3を製造し、回転摺動試験を行った。結果を表 1に示す。

[0069] 比較例 4

榭脂層の気孔部に、パーフルォロポリエーテルを含油させなかった以外は、実施例 1と同様にして、シールリング 2およびフローティングシート 3を製造し、回転摺動試験を行った。結果を表 1に示す。

[0070] [表 1] 樹脂層 «量熱処理温度摩耗: B [ m」

鳴き

PTFE PAI [°C] 含油成分

回転側固定側

実施例 1 40 60 340 DE UNU S-200 0.1 0 無し比較例 1 40 60 300 DEMUNUM S- 200 1.9 1.5 無し比較例 2 40 60 260 DEMUNUM S-200 1.5 1 無し

40 60 220 DEMUNUM S-200 1.8 1.5 無し比較例 4 40 60 340 - 1.5 1 有りなお、表 1において、 PTFEは四フッ化工チレン榭脂を、 PAIはポリアミドイミド榭脂を、それぞれ意味する（以下、表 2〜表 5において同様)。

[0071] 評価 1

実施例 1および比較例 1〜4の回転摺動試験の結果をまとめた表 1より、次のことが確認できる。

すなわち、榭脂層を四フッ化工チレン榭脂およびポリアミドイミド榭脂で形成し、四フッ化エチレン榭脂の融点よりも高、温度である 340°Cで加熱処理をした実施例 1においては、榭脂層に緻密な気孔部が形成されていた。そのため、この気孔部内にパーフルォロポリエーテルを含油させることができ、 100時間後においても、回転側および固定側のいずれも、摩耗量が少なく良好な結果であった。さらに、この実施例 1においては、回転摺動中に、鳴き音が発生することもな力つた。

[0072] 一方、榭脂層の加熱温度を、四フッ化工チレン榭脂の融点よりも低い温度である 30 0°C、 260°C、 220°Cとした比較例 1〜3は、いずれも榭脂層に気孔部が形成されていなかった。そのため、パーフルォロポリエーテルを榭脂層に含油させることができず、回転摺動試験において、摩耗量が多くなる結果となった。また、パーフルォロポリエーテルを含油させな力つた比較例 4においては、摩耗量が多くなるとともに、回転摺動試験中に鳴き音が発生する結果となった。

なお、図 3Aに、実施例 1の回転側の摺動面の摩耗状態を、図 3Bに、比較例 3の回転側の摺動面の摩耗状態を、それぞれ示す。

[0073] これらの結果より、摺動面を構成する榭脂層の表面に気孔部を形成し、この気孔部内に、フッ素化オイルを含油させることにより、乾燥条件下においても、摺動面の摩耗および摺動による鳴き音の発生を有効に防止できることが確認できた。 [0074] 実施例 2

ポリアミドイミド榭脂を、ポリイミド榭脂に変更した以外は、実施例 1と同様にして、シールリング 2およびフローティングシート 3を製造し、回転摺動試験を行った。結果を表 2に示す。

[0075] 比較例 5 7

樹脂層の熱処理の温度を、それぞれ、 300°C (比較例 5)、 260°C (比較例 6)、 220 °C (比較例 7)に変更した以外は、実施例 2と同様にして、シールリング 2およびフローティングシート 3を製造し、回転摺動試験を行った。結果を表 2に示す。

[0076] [表 2]

なお、表 2において、 PIはポリイミド榭脂を、意味する。

[0077] 評価 2

樹脂層を構成する樹脂として、ポリアミドイミド樹脂の代わりに、ポリイミド樹脂を使用した場合にぉヽても、同様の傾向力 S得られることが確認できる。

[0078] 実施例 3 6

榭脂層に含有される四フッ化工チレン榭脂のうちの一部を、表 3に示すように黒鉛粉に変更した以外は、実施例 1と同様にして、シールリング 2およびフローティングシート 3を製造し、回転摺動試験を行った。結果を表 3に示す。

[0079] [表 3] 樹脂層！2量 %] 熱処理温度摩耗量 [ mj

含油成分鳴き

PTFE PAI 口 1¾ [¾] 回転側固定側実施例 3 35 60 5 340 DEMUNUM S-200 0.2 0 無し実施例 4 25 60 15 340 DEMUNUM S-200 0.4 0 無し実施例 5 15 60 25 340 DEMUNUM S-200 0.6 0.1 無し実施例 6 5 60 35 340 DEMUNUM S-200 0.7 0.2 無し [0080] 評価 3

表 3より、榭脂層中に黒鉛粉を含有させた場合においても、本発明の効果が得られることが確認できる。なお、この表 3から、四フッ化工チレン榭脂の含有量が減っていくと、若干摩耗量が増加する傾向にあることも確認できる。

[0081] 実施例 7〜9

基材を、カーボン (実施例 7)、酸ィ匕アルミセラミック (実施例 8)および炭化ケィ素とカーボンの複合材料 (実施例 9)に、それぞれ変更した以外は、実施例 1と同様にして、シールリング 2およびフローティングシート 3を製造し、回転摺動試験を行った。なお、実施例 9においては、炭化ケィ素とカーボンとの混合比率は、重量比で 40 : 60とした。結果を表 4に示す。

[0082] [表 4]

[0083] 評価 4

表 4より、基材を、カーボン、酸ィ匕アルミセラミックおよび炭化ケィ素とカーボンの複合材料に、それぞれ変更した場合においても、本発明の効果が得られることが確認できる。

[0084] 実施例 10. 11

榭脂層の気孔部に含油させるパーフルォロポリエーテルの種類を変更した以外は、実施例 1と同様にして、シールリング 2およびフローティングシート 3を製造し、回転摺動試験を行った。なお、実施例 10においては、平均分子量 6250のパーフルォロポリエーテル (AUSIMONT社製 FOMBLIN YR)を、実施例 11においては、平均分子量 7500のパーフルォロポリエーテル（NOKクリューバー（株）製 BARRIER TA J400)を、それぞれ使用した。結果を表 5に示す。

[0085] [表 5]

表 5より、分子量の異なるパーフルォロポリエーテルを使用した場合においても、本発明の効果が得られることが確認できる。

Claims

請求の範囲

[1] 摺動面を有する摺動部品であって、

前記摺動面となる基材上には、榭脂層が形成されており、

前記榭脂層は、その表面に複数の気孔部を有し、かつ、前記気孔部内には、フッ素化オイルが含有されていることを特徴とする摺動部品。

[2] 前記榭脂層は、第 1榭脂と、前記第 1榭脂よりも高い融点を有する第 2榭脂と、を含有する請求項 1に記載の摺動部品。

[3] 前記榭脂層の気孔部は、前記榭脂層を前記第 1榭脂の融点以上、前記第 2榭脂の融点未満の温度で加熱することにより形成される気孔部であって、かつ、

前記榭脂層を研磨することにより、前記榭脂層の表面に露出した気孔部である請求項 2に記載の摺動部品。

[4] 前記第 1榭脂が、四フッ化工チレン榭脂および Zまたはその変性物であり、前記第

前記榭脂層全体 100重量％に対する、前記第 1榭脂の含有量が 5〜55重量％である請求項 2または 3に記載の摺動部品。

[5] 前記フッ素化オイルが、炭素原子、フッ素原子、酸素原子力もなるパーフルォロポリエーテルおよび Zまたはその変性物である請求項 1〜4のいずれかに記載の摺動部

P

PPo

[6] 前記基材が、カーボン、炭化ケィ素、カーボンと炭化ケィ素との複合材料、およびセラミック材料力選択される 1種である請求項 1〜5のいずれかに記載の摺動部品。

[7] 一対の摺動部品を突き合わせてシールするメカ-カルシール装置であって、

前記各摺動部品が、請求項 1〜6のいずれかに記載の摺動部品であるメカニカルシール装置。

[8] 基材上の摺動面となる部分に、第 1榭脂と、前記第 1榭脂よりも高い融点を有する第 2榭脂と、を含有する榭脂層を形成する工程と、

前記榭脂層を、前記第 1榭脂の融点以上、前記第 2榭脂の融点未満の温度で加熱し、前記第 1榭脂を溶融させて、前記榭脂層内に複数の気孔部を形成する工程と、前記榭脂層の表面を研磨して、複数の前記気孔部のうち少なくとも一部を表面に露出させる工程と、

前記露出した気孔部に、フッ素化オイルを含油させる工程と、を有する摺動部品の製造方法。

[9] 前記第 1榭脂が、四フッ化工チレン榭脂および Zまたはその変性物であり、前記第

前記榭脂層全体 100重量％に対する、前記第 1榭脂の含有量が 5〜55重量％である請求項 8に記載の摺動部品の製造方法。

[10] 前記フッ素化オイルが、炭素原子、フッ素原子、酸素原子力もなるパーフルォロポリエーテルおよび Zまたはその変性物である請求項 8または 9に記載の摺動部品の製造方法。

[11] 前記基材が、カーボン、炭化ケィ素、カーボンと炭化ケィ素との複合材料、およびセラミック材料力も選択される 1種である請求項 8〜10のいずれかに記載の摺動部品の製造方法。