JPH1136004A - 鉄道ポイント用床板及びその製造方法 - Google Patents
鉄道ポイント用床板及びその製造方法Info
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- JPH1136004A JPH1136004A JP9210101A JP21010197A JPH1136004A JP H1136004 A JPH1136004 A JP H1136004A JP 9210101 A JP9210101 A JP 9210101A JP 21010197 A JP21010197 A JP 21010197A JP H1136004 A JPH1136004 A JP H1136004A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】無給油で長期間良好な摺動性を維持し、定期的
且つ頻繁な保守作業を省略可能な鉄道ポイント用床板及
びその製造方法を提供する。 【解決手段】Cr系ステンレス鋼粉末に硬質粒子を50
重量%以下の含有率で均一に混合した混合物を焼結して
成る多孔質焼結体に裏金を接合し、焼結体の気孔部には
4フッ化エチレン樹脂を含浸させる。またその製造方法
として、Cr系ステンレス鋼粉末に硬質粒子を50重量
%以下の含有率で混合した混合物を床板形状に成形した
後、焼結処理して多数の連続気孔を有する多孔質焼結体
を得た後裏面に裏金を接合し、その後4フッ化エチレン
樹脂を気孔部に含浸処理した上で、加工率15%以下の
冷間圧延加工を施す方法を用いる。
且つ頻繁な保守作業を省略可能な鉄道ポイント用床板及
びその製造方法を提供する。 【解決手段】Cr系ステンレス鋼粉末に硬質粒子を50
重量%以下の含有率で均一に混合した混合物を焼結して
成る多孔質焼結体に裏金を接合し、焼結体の気孔部には
4フッ化エチレン樹脂を含浸させる。またその製造方法
として、Cr系ステンレス鋼粉末に硬質粒子を50重量
%以下の含有率で混合した混合物を床板形状に成形した
後、焼結処理して多数の連続気孔を有する多孔質焼結体
を得た後裏面に裏金を接合し、その後4フッ化エチレン
樹脂を気孔部に含浸処理した上で、加工率15%以下の
冷間圧延加工を施す方法を用いる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は鉄道ポイント用床
板及びその製造方法に関する。
板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】鉄道車
両の走行を一の軌道から他の軌道へと切り替える分岐器
のポイント部には床板が設けられて、その床板上に可動
レールが載せられ、その可動レールが床板上を移動する
ことで線路の切替えがなされるようになっている。
両の走行を一の軌道から他の軌道へと切り替える分岐器
のポイント部には床板が設けられて、その床板上に可動
レールが載せられ、その可動レールが床板上を移動する
ことで線路の切替えがなされるようになっている。
【0003】図2はそのポイント部と周辺部を示してい
る。図中100は枕木で、102は可動レール、104
は鉄道ポイント用床板である。従来、この鉄道ポイント
用床板104はSS材で形成されており、そして可動レ
ール102をこの床板104上を円滑に摺動させるため
に、また防錆のために床板104上に潤滑油を塗布して
いた。
る。図中100は枕木で、102は可動レール、104
は鉄道ポイント用床板である。従来、この鉄道ポイント
用床板104はSS材で形成されており、そして可動レ
ール102をこの床板104上を円滑に摺動させるため
に、また防錆のために床板104上に潤滑油を塗布して
いた。
【0004】ところが床板104に塗布した潤滑油は期
間の経過とともに失われて行き、これにより可動レール
102が床板104上を摺動する際の摩擦係数が高くな
って摺動性が低下するために、また潤滑油にごみや砂等
が付着して汚れてくるため、従来にあっては定期的且つ
頻繁に潤滑油の塗布,清掃を含む保守作業が必要であっ
て、このために多大な労力を費やしており、その解決が
望まれていた。
間の経過とともに失われて行き、これにより可動レール
102が床板104上を摺動する際の摩擦係数が高くな
って摺動性が低下するために、また潤滑油にごみや砂等
が付着して汚れてくるため、従来にあっては定期的且つ
頻繁に潤滑油の塗布,清掃を含む保守作業が必要であっ
て、このために多大な労力を費やしており、その解決が
望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願の発明はこのような
課題を解決するためになされたものである。而して本願
請求項1は鉄道ポイント用床板に係るもので、Cr系ス
テンレス鋼粉末に硬質粒子を50重量%以下の含有率で
均一に混合した混合物を焼結して成る多孔質焼結体に裏
金を接合し、該焼結体の気孔部には4フッ化エチレン樹
脂を含浸させたことを特徴とする。
課題を解決するためになされたものである。而して本願
請求項1は鉄道ポイント用床板に係るもので、Cr系ス
テンレス鋼粉末に硬質粒子を50重量%以下の含有率で
均一に混合した混合物を焼結して成る多孔質焼結体に裏
金を接合し、該焼結体の気孔部には4フッ化エチレン樹
脂を含浸させたことを特徴とする。
【0006】請求項2は床板の製造方法に係るもので、
Cr系ステンレス鋼粉末に硬質粒子を50重量%以下の
含有率で混合した混合物を床板形状に成形した後、焼結
処理して多数の連続気孔を有する多孔質焼結体を得た後
裏面に裏金を接合し、その後4フッ化エチレン樹脂を該
気孔部に含浸処理した上で、加工率15%以下の冷間圧
延加工を施すことを特徴とする。
Cr系ステンレス鋼粉末に硬質粒子を50重量%以下の
含有率で混合した混合物を床板形状に成形した後、焼結
処理して多数の連続気孔を有する多孔質焼結体を得た後
裏面に裏金を接合し、その後4フッ化エチレン樹脂を該
気孔部に含浸処理した上で、加工率15%以下の冷間圧
延加工を施すことを特徴とする。
【0007】更に請求項3の製造方法は、請求項2にお
いて、4フッ化エチレン樹脂粉末を分散媒に分散させて
成る液中に前記多孔質焼結体とこれに接合した裏金とを
浸漬し、減圧下で脱ガスして気孔部内に4フッ化エチレ
ン樹脂の分散液を浸入させ、しかる後自然乾燥又は加熱
乾燥により気孔部内の分散媒を除去した後、4フッ化エ
チレン樹脂の融点以上分解温度以下の温度に加熱して該
気孔部内の4フッ化エチレン樹脂を溶融させた後、冷却
により固化させることによって前記4フッ化エチレン樹
脂の含浸処理を行うことによって行うことを特徴とす
る。
いて、4フッ化エチレン樹脂粉末を分散媒に分散させて
成る液中に前記多孔質焼結体とこれに接合した裏金とを
浸漬し、減圧下で脱ガスして気孔部内に4フッ化エチレ
ン樹脂の分散液を浸入させ、しかる後自然乾燥又は加熱
乾燥により気孔部内の分散媒を除去した後、4フッ化エ
チレン樹脂の融点以上分解温度以下の温度に加熱して該
気孔部内の4フッ化エチレン樹脂を溶融させた後、冷却
により固化させることによって前記4フッ化エチレン樹
脂の含浸処理を行うことによって行うことを特徴とす
る。
【0008】
【作用及び発明の効果】上記のように請求項1の鉄道ポ
イント用床板は、Cr系ステンレス鋼粉末と硬質粒子と
の混合物を焼結して成る多孔質焼結体の裏面に裏金を接
合し、そして焼結体の各気孔部に4フッ化エチレン樹脂
を含浸させたもので、この床板の場合、各気孔部に含浸
させた4フッ化エチレン樹脂の潤滑作用により床板表面
の摩擦抵抗が効果的に低減され(金属可動レールとの摩
擦係数μは0.5以下とすることができる)、床板表面
に沿って可動レールを円滑に摺動させることができる。
イント用床板は、Cr系ステンレス鋼粉末と硬質粒子と
の混合物を焼結して成る多孔質焼結体の裏面に裏金を接
合し、そして焼結体の各気孔部に4フッ化エチレン樹脂
を含浸させたもので、この床板の場合、各気孔部に含浸
させた4フッ化エチレン樹脂の潤滑作用により床板表面
の摩擦抵抗が効果的に低減され(金属可動レールとの摩
擦係数μは0.5以下とすることができる)、床板表面
に沿って可動レールを円滑に摺動させることができる。
【0009】尚、本発明者は多孔質焼結体の各気孔部に
黒鉛,二硫化モリブデン等の固体潤滑材を充填すること
も試みたが、十分な効果が得られなかった。これら黒
鉛,二硫化モリブデン等の固体潤滑材を気孔部に充填し
た場合、当初は一時的に摺動性が良好となるものの使用
中に摺動性が低下してしまう。
黒鉛,二硫化モリブデン等の固体潤滑材を充填すること
も試みたが、十分な効果が得られなかった。これら黒
鉛,二硫化モリブデン等の固体潤滑材を気孔部に充填し
た場合、当初は一時的に摺動性が良好となるものの使用
中に摺動性が低下してしまう。
【0010】これに対して気孔部に4フッ化エチレン樹
脂を含浸させた場合長期に亘って良好な摺動性が確保さ
れる。その理由として、上記黒鉛,二硫化モリブデン等
の場合、使用中にそれらが失われて行くのに対して、4
フッ化エチレン樹脂の場合、床板に対して可動レールを
摺動させている間に4フッ化エチレン樹脂の膜が床板表
面に形成され、その膜の作用で良好な摺動性が維持され
ることが考えられる。
脂を含浸させた場合長期に亘って良好な摺動性が確保さ
れる。その理由として、上記黒鉛,二硫化モリブデン等
の場合、使用中にそれらが失われて行くのに対して、4
フッ化エチレン樹脂の場合、床板に対して可動レールを
摺動させている間に4フッ化エチレン樹脂の膜が床板表
面に形成され、その膜の作用で良好な摺動性が維持され
ることが考えられる。
【0011】本発明においては、多孔質焼結体における
気孔率を5〜60%とすることが望ましい。気孔率が5
%未満であると4フッ化エチレン樹脂の含有量が少なく
なり、逆に60%を超えると焼結体の強度が低くなって
しまう。気孔率のより望ましい範囲は10〜40%であ
る。
気孔率を5〜60%とすることが望ましい。気孔率が5
%未満であると4フッ化エチレン樹脂の含有量が少なく
なり、逆に60%を超えると焼結体の強度が低くなって
しまう。気孔率のより望ましい範囲は10〜40%であ
る。
【0012】尚、各気孔部は表面から奥部にかけて連続
した形態の連続気孔であることが望ましい。気孔部がこ
のような連続気孔であると4フッ化エチレン樹脂を床板
の表層部のみでなく奥部まで含浸させることができ、従
って床板が表面側から減耗した場合であっても、常に新
生面上に4フッ化エチレン樹脂を供給でき、長期に亘っ
て良好な摺動性を確保することができる。
した形態の連続気孔であることが望ましい。気孔部がこ
のような連続気孔であると4フッ化エチレン樹脂を床板
の表層部のみでなく奥部まで含浸させることができ、従
って床板が表面側から減耗した場合であっても、常に新
生面上に4フッ化エチレン樹脂を供給でき、長期に亘っ
て良好な摺動性を確保することができる。
【0013】但し焼結体における気孔部は粉末を通常の
条件で焼結することで連続気孔とすることができる。尚
床板における上記裏金は、床板を相手部材に対して固定
する部分となる。
条件で焼結することで連続気孔とすることができる。尚
床板における上記裏金は、床板を相手部材に対して固定
する部分となる。
【0014】本発明の床板は、焼結体全体に亘って分散
状に存在している気孔部に4フッ化エチレン樹脂を含浸
させ、気孔部を埋めたことによって、焼結体の気孔部へ
の吸水を防止することができ、従って気孔部への含水に
よる冬季の凍結膨張による割れを回避できるのみなら
ず、その4フッ化エチレン樹脂が撥水性を有しているこ
とから、床板表面への水の付着を防止ないし抑制でき、
耐食性を効果的に向上させることができる。
状に存在している気孔部に4フッ化エチレン樹脂を含浸
させ、気孔部を埋めたことによって、焼結体の気孔部へ
の吸水を防止することができ、従って気孔部への含水に
よる冬季の凍結膨張による割れを回避できるのみなら
ず、その4フッ化エチレン樹脂が撥水性を有しているこ
とから、床板表面への水の付着を防止ないし抑制でき、
耐食性を効果的に向上させることができる。
【0015】また無給油で長期に亘って良好な摺動性を
確保できることから、従来多大な労力を費やしていた定
期的且つ頻繁な保守作業を省略することが可能となる。
確保できることから、従来多大な労力を費やしていた定
期的且つ頻繁な保守作業を省略することが可能となる。
【0016】本発明においてはCr系ステンレス鋼粉末
と硬質粒子との混合物を焼結して多孔質焼結体を得てお
り、その硬質粒子の作用で焼結体、つまり床板の硬度を
高めることができ、床板の強度,耐荷重性を高めること
ができる。
と硬質粒子との混合物を焼結して多孔質焼結体を得てお
り、その硬質粒子の作用で焼結体、つまり床板の硬度を
高めることができ、床板の強度,耐荷重性を高めること
ができる。
【0017】従って本発明で硬質粒子とは、床板におけ
る硬度を高める作用を有するものを意味し、代表的には
CoをベースとしてMoとSiとの金属間化合物を析出
させたトリバロイを用いることができる。
る硬度を高める作用を有するものを意味し、代表的には
CoをベースとしてMoとSiとの金属間化合物を析出
させたトリバロイを用いることができる。
【0018】ここで本発明において硬質粒子の含有量を
50%以下と規定している理由は、それ以上含有量を増
加しても硬度の上昇がみられず、また硬質粒子が高価で
あることから経済性を考慮した結果である。
50%以下と規定している理由は、それ以上含有量を増
加しても硬度の上昇がみられず、また硬質粒子が高価で
あることから経済性を考慮した結果である。
【0019】尚、硬質粒子は5%以上含有させておくこ
とが望ましい。硬質粒子の含有量が5%未満であると上
記した効果が十分に得られないことによる。ここで硬質
粒子の含有率50%とは多孔質焼結体の重量を基準とし
た値である。
とが望ましい。硬質粒子の含有量が5%未満であると上
記した効果が十分に得られないことによる。ここで硬質
粒子の含有率50%とは多孔質焼結体の重量を基準とし
た値である。
【0020】次に請求項2は床板の製造方法に係り、こ
の方法は多孔質焼結体を得て裏金を接合し、その後4フ
ッ化エチレン樹脂の含浸処理をした上で加工率15%以
下の冷間圧延加工を施すことを特徴とするもので、これ
により床板における表面の平滑度を高めることができ、
床板表面の摩擦係数を一層低減することができる。加え
て表層部の硬さを高めることができ、耐荷重性を更に高
めることができる。
の方法は多孔質焼結体を得て裏金を接合し、その後4フ
ッ化エチレン樹脂の含浸処理をした上で加工率15%以
下の冷間圧延加工を施すことを特徴とするもので、これ
により床板における表面の平滑度を高めることができ、
床板表面の摩擦係数を一層低減することができる。加え
て表層部の硬さを高めることができ、耐荷重性を更に高
めることができる。
【0021】但し15%を超える加工率で冷間圧延加工
を施した場合、目潰れが生じて却って摩擦係数が大きく
なってしまう。尚、冷間圧延加工による十分な効果を得
る上で、加工率の下限は5%以上とすることが望まし
い。
を施した場合、目潰れが生じて却って摩擦係数が大きく
なってしまう。尚、冷間圧延加工による十分な効果を得
る上で、加工率の下限は5%以上とすることが望まし
い。
【0022】次に請求項3の製造方法は、4フッ化エチ
レン樹脂粉末を分散媒に分散した液中に多孔質焼結体と
裏金を浸漬して、減圧下で脱ガスすることにより気孔部
内のガス抜きを行って、その気孔部内に4フッ化エチレ
ン樹脂の分散液を浸入させ、その後気孔部内の分散媒を
除去した後に、加熱により4フッ化エチレン樹脂を溶融
させて、その後冷却により気孔部内の4フッ化エチレン
樹脂を固化させるもので、この方法によれば、気孔部内
に4フッ化エチレン樹脂が1つの塊状となって、即ち気
孔部に沿って4フッ化エチレン樹脂がつながった状態で
存在することとなるため、単に気孔部に4フッ化エチレ
ン樹脂の粉末粒子を含浸させただけの場合と異なって、
外力により気孔部内の4フッ化エチレン樹脂が外側に取
り出されてしまって潤滑性能が低下するといったことが
なく、しかも4フッ化エチレン樹脂は床板の内奥部まで
連続して存在することとなるため、床板の使用に際して
長期に亘って床板表面に4フッ化エチレン樹脂が均等に
供給され、良好な摺動性能が持続的に保持される。
レン樹脂粉末を分散媒に分散した液中に多孔質焼結体と
裏金を浸漬して、減圧下で脱ガスすることにより気孔部
内のガス抜きを行って、その気孔部内に4フッ化エチレ
ン樹脂の分散液を浸入させ、その後気孔部内の分散媒を
除去した後に、加熱により4フッ化エチレン樹脂を溶融
させて、その後冷却により気孔部内の4フッ化エチレン
樹脂を固化させるもので、この方法によれば、気孔部内
に4フッ化エチレン樹脂が1つの塊状となって、即ち気
孔部に沿って4フッ化エチレン樹脂がつながった状態で
存在することとなるため、単に気孔部に4フッ化エチレ
ン樹脂の粉末粒子を含浸させただけの場合と異なって、
外力により気孔部内の4フッ化エチレン樹脂が外側に取
り出されてしまって潤滑性能が低下するといったことが
なく、しかも4フッ化エチレン樹脂は床板の内奥部まで
連続して存在することとなるため、床板の使用に際して
長期に亘って床板表面に4フッ化エチレン樹脂が均等に
供給され、良好な摺動性能が持続的に保持される。
【0023】ここで上記分散媒としては水を用いること
ができるが、水よりも低沸点の有機溶媒を用いた場合、
分散媒の除去が容易であって望ましい。
ができるが、水よりも低沸点の有機溶媒を用いた場合、
分散媒の除去が容易であって望ましい。
【0024】
【実施例】次に本発明の実施例を以下に具体的に詳述す
る。水噴霧法により製造した表1に示す組成からなるF
e−17Cr合金の粉末(-100mesh)に、同表に示す組
成の硬質粒子(トリバロイ。粒径は-100mesh)を表2に
示す各種割合で混合したものを出発原料とした。
る。水噴霧法により製造した表1に示す組成からなるF
e−17Cr合金の粉末(-100mesh)に、同表に示す組
成の硬質粒子(トリバロイ。粒径は-100mesh)を表2に
示す各種割合で混合したものを出発原料とした。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】この出発原料100重量部に対してステア
リン酸亜鉛1重量部を添加して混合した後、プレス成形
機に充填し、大気中において表2に示す圧力で成形し
た。
リン酸亜鉛1重量部を添加して混合した後、プレス成形
機に充填し、大気中において表2に示す圧力で成形し
た。
【0028】次いでそれらの成形体を400℃(温度)
×30分(時間)の条件で脱脂処理した後、真空雰囲気
中で1200℃〜1280℃で1時間焼結処理した。得
られた焼結体の寸法及び重量より密度を算出し、原料粉
末の密度との比を相対密度とし、%で表2に示した。
尚、焼結体の各気孔部は表面から内部に亘って連続した
形態の連続気孔であった。
×30分(時間)の条件で脱脂処理した後、真空雰囲気
中で1200℃〜1280℃で1時間焼結処理した。得
られた焼結体の寸法及び重量より密度を算出し、原料粉
末の密度との比を相対密度とし、%で表2に示した。
尚、焼結体の各気孔部は表面から内部に亘って連続した
形態の連続気孔であった。
【0029】その後それらの焼結体を、4フッ化エチレ
ン樹脂粉末を分散媒に分散させて成る液中に浸漬し、減
圧条件下で脱ガスを実施して焼結体の気孔部に4フッ化
エチレン樹脂の分散液を含浸させた。
ン樹脂粉末を分散媒に分散させて成る液中に浸漬し、減
圧条件下で脱ガスを実施して焼結体の気孔部に4フッ化
エチレン樹脂の分散液を含浸させた。
【0030】次にそれらを100℃で乾燥処理し、続い
て240℃で10分程度保持した後、370℃で30分
間加熱処理し、分散媒の除去により気孔部内に残った4
フッ化エチレン樹脂の粒子を一旦溶融させた後、その後
冷却して4フッ化エチレン樹脂を固化させた。
て240℃で10分程度保持した後、370℃で30分
間加熱処理し、分散媒の除去により気孔部内に残った4
フッ化エチレン樹脂の粒子を一旦溶融させた後、その後
冷却して4フッ化エチレン樹脂を固化させた。
【0031】ここで4フッ化エチレン樹脂の分散媒とし
てはイソプロパノール(IPA)を用い、これに粒径
0.3μmの4フッ化エチレン樹脂粉末を20%の濃度
で分散させた。
てはイソプロパノール(IPA)を用い、これに粒径
0.3μmの4フッ化エチレン樹脂粉末を20%の濃度
で分散させた。
【0032】尚、表面硬さはロックウェルBスケールで
測定した。また摩擦係数の測定は図1(A)に示す方法
で行った。即ち、ベース10上の可動台12の上に測定
試料14を載せてその表面に測定圧子16を荷重1.0
kgで押圧接触させ、その状態で測定試料14を可動台
12とともにエアシリンダ18により図中左右方向に摺
動(10mm往復摺動/2秒)させて、その際の抵抗を
歪ゲージ20で計測することにより測定試料14表面の
摩擦係数を測定した。
測定した。また摩擦係数の測定は図1(A)に示す方法
で行った。即ち、ベース10上の可動台12の上に測定
試料14を載せてその表面に測定圧子16を荷重1.0
kgで押圧接触させ、その状態で測定試料14を可動台
12とともにエアシリンダ18により図中左右方向に摺
動(10mm往復摺動/2秒)させて、その際の抵抗を
歪ゲージ20で計測することにより測定試料14表面の
摩擦係数を測定した。
【0033】ここで測定圧子16としてはSS400を
用いた。またその測定圧子16の測定試料14表面に対
する接触面の形状は、図1(B)に示すように3.0m
m×7.0mmの大きさの四角形状とした。尚具体的な
測定条件は以下の通りとした。
用いた。またその測定圧子16の測定試料14表面に対
する接触面の形状は、図1(B)に示すように3.0m
m×7.0mmの大きさの四角形状とした。尚具体的な
測定条件は以下の通りとした。
【0034】<摩擦係数測定条件> 摺動振幅:10mm 摺動速度:0.6m/min. 測定荷重:1.0kg(4.8kg/cm2) 摺動回数:100回 測定圧子:材質SS400,形状図1(B) そして4フッ化エチレン樹脂で処理した焼結体の表面硬
さ測定及び摩擦係数の測定を行った。結果が表2に併せ
て示してある。
さ測定及び摩擦係数の測定を行った。結果が表2に併せ
て示してある。
【0035】次に表2中No.4のものについて、JI
S−Z−2371で規定する塩水噴霧試験(5%塩化ナ
トリウム溶液,35℃,96時間)及び屋外大気暴露試
験を行い、耐食性を評価した。尚、ここでは350℃〜
370℃×10〜30分の条件で、焼結体の気孔部に含
浸させた4フッ化エチレン樹脂の溶融及び固化を行っ
た。
S−Z−2371で規定する塩水噴霧試験(5%塩化ナ
トリウム溶液,35℃,96時間)及び屋外大気暴露試
験を行い、耐食性を評価した。尚、ここでは350℃〜
370℃×10〜30分の条件で、焼結体の気孔部に含
浸させた4フッ化エチレン樹脂の溶融及び固化を行っ
た。
【0036】また併せて比較のために4フッ化エチレン
樹脂の含浸処理に代えてグリス塗布,潤滑油塗布を行っ
た場合、更にそれらの何れの処理をも行わなかった場合
の結果を表3に示した。
樹脂の含浸処理に代えてグリス塗布,潤滑油塗布を行っ
た場合、更にそれらの何れの処理をも行わなかった場合
の結果を表3に示した。
【0037】
【表3】
【0038】これらの結果において、4フッ化エチレン
樹脂の含浸処理を行ったものでは摩擦係数が効果的に小
さくなること、また冷間圧延処理を行うことによって摩
擦係数が低減すること、更に本発明例のものは耐食性が
良好であること、加えて4フッ化エチレン樹脂で処理し
たものについては長期間の大気暴露後において摩擦係数
が当初の摩擦係数に対して殆ど変化がないことなどが分
かる。
樹脂の含浸処理を行ったものでは摩擦係数が効果的に小
さくなること、また冷間圧延処理を行うことによって摩
擦係数が低減すること、更に本発明例のものは耐食性が
良好であること、加えて4フッ化エチレン樹脂で処理し
たものについては長期間の大気暴露後において摩擦係数
が当初の摩擦係数に対して殆ど変化がないことなどが分
かる。
【0039】以上本発明の実施例を詳述したがこれはあ
くまで一例示であり、本発明はその主旨を逸脱しない範
囲において種々変更を加えた態様で実施可能である。
くまで一例示であり、本発明はその主旨を逸脱しない範
囲において種々変更を加えた態様で実施可能である。
【図1】本発明の実施例において行った摩擦係数の測定
方法の説明図である。
方法の説明図である。
【図2】鉄道ポイント用床板とその周辺部を示す図であ
る。
る。
10 ベース 12 可動台 14 測定試料 16 測定圧子 18 エアシリンダ 20 歪ゲージ 102 可動レール 104 床板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 直弘 愛知県知多市にしの台1丁目801の2 (72)発明者 永田 雅 愛知県名古屋市緑区鳴海町字伝治山98−3 (72)発明者 上仲 明郎 愛知県東海市加木屋町南鹿持18 (72)発明者 河野 富夫 愛知県名古屋市天白区土原3−905−2 (72)発明者 若月 雅人 東京都板橋区稲荷台27番H−301号
Claims (3)
- 【請求項1】 Cr系ステンレス鋼粉末に硬質粒子を5
0重量%以下の含有率で均一に混合した混合物を焼結し
て成る多孔質焼結体に裏金を接合し、該焼結体の気孔部
には4フッ化エチレン樹脂を含浸させたことを特徴とす
る鉄道ポイント用床板。 - 【請求項2】 Cr系ステンレス鋼粉末に硬質粒子を5
0重量%以下の含有率で混合した混合物を床板形状に成
形した後、焼結処理して多数の連続気孔を有する多孔質
焼結体を得た後裏面に裏金を接合し、その後4フッ化エ
チレン樹脂を該気孔部に含浸処理した上で、加工率15
%以下の冷間圧延加工を施すことを特徴とする鉄道ポイ
ント用床板の製造方法。 - 【請求項3】 請求項2において、4フッ化エチレン樹
脂粉末を分散媒に分散させて成る液中に前記多孔質焼結
体とこれに接合した裏金とを浸漬し、減圧下で脱ガスし
て気孔部内に4フッ化エチレン樹脂の分散液を浸入さ
せ、しかる後自然乾燥又は加熱乾燥により気孔部内の分
散媒を除去した後、4フッ化エチレン樹脂の融点以上分
解温度以下の温度に加熱して該気孔部内の4フッ化エチ
レン樹脂を溶融させた後、冷却により固化させることに
よって前記4フッ化エチレン樹脂の含浸処理を行うこと
を特徴とする鉄道ポイント用床板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9210101A JPH1136004A (ja) | 1997-07-18 | 1997-07-18 | 鉄道ポイント用床板及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9210101A JPH1136004A (ja) | 1997-07-18 | 1997-07-18 | 鉄道ポイント用床板及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1136004A true JPH1136004A (ja) | 1999-02-09 |
Family
ID=16583840
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9210101A Pending JPH1136004A (ja) | 1997-07-18 | 1997-07-18 | 鉄道ポイント用床板及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1136004A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006115118A1 (ja) * | 2005-04-22 | 2006-11-02 | Eagle Industry Co., Ltd. | メカニカルシール装置、摺動部品およびその製造方法 |
-
1997
- 1997-07-18 JP JP9210101A patent/JPH1136004A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006115118A1 (ja) * | 2005-04-22 | 2006-11-02 | Eagle Industry Co., Ltd. | メカニカルシール装置、摺動部品およびその製造方法 |
US8440295B2 (en) | 2005-04-22 | 2013-05-14 | Eagle Industry Co. Ltd. | Mechanical seal device, sliding element, and method of production thereof |
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