明 細 書
インドール化合物の製造方法
技術分野
[0001] 本発明は、医農薬等の生理活性物質をはじめとする種々のファインケミカル中間体 として有用なインドールイ匕合物の製造方法に関する。
背景技術
[0002] インドールイ匕合物の製造方法として、以下の方法が知られている。
N—o トリル—ァセトアミドを 360°Cで酸化バリウムと反応させて 2—メチルインドー ルを得た例がある (特許文献 1)。同様にナトリウムアミド (非特許文献 1)やナトリウムメ トキシド (非特許文献 2)を用いた例もあるが、いずれも高い反応温度を必要とし、副 生成物が多く収率も高くない。
アセトンのフエ-ルヒドラゾンを 240°Cで水酸化ナトリウムと反応して 2—メチルインド ールを得た例があるが副生成物が多く低収率である(非特許文献 3)。
2— -トロ— 1— (2— -トロフエ-ル)プロペンを 10%活性炭担持パラジウム触媒存 在下水素と反応させて 2 メチルインドールを製造している力 収率は 81%である( 非特許文献 4)。
ァ-リンをトリス(2—ヒドロキシプロピル)ァミン塩酸塩と二塩化スズ、三塩化ルテ- ゥム、トリフエ-ルホスフィン存在下 180°Cで反応させて収率 64%で 2—メチルインド ールを得て 、るが、収率が低!、 (非特許文献 5)。
[0003] 2 -トロベンジルカルボ-ル化合物からの製法としては、例えば 2 -トロフエ- ルアセトンを酢酸、酢酸ナトリウム存在下鉄で還元して 2—メチルインドールを収率 68 %で得た記載 (非特許文献 6)がある力 収率が低い。 4 フルオロー 2 -トロフ - ルアセトンを酢酸水溶液中亜鉛と反応させて 95%の収率で 6 フルオロー 2 メチル インドールを得た記載 (特許文献 2)等があるが、反応後処理時大量の酸化亜鉛が廃 棄物として排出され、環境面での影響が大きい。また、パラジウム、ラネーニッケル、 白金などの触媒存在下の接触還元でも同様な生成物が得られるという記載もあるが( 特許文献 2)、それに対応する実施例の記載がない。
[0004] 担持貴金属触媒等の還元触媒と水素供与体を用いる方法で、 2 置換インドール 化合物を 1段階で収率よく製造した例はあまりない。実際に 4 フルォロ 2 ニトロ フエニルアセトンを活性炭担持パラジウム触媒存在下水素ガスで還元すると、 6—フ ルォロ 2 メチルインドリンが副生するために 6 フルォロ 2 メチルインドール の収率は約 70%である。これは、反応中間体として生成する 1—ヒドロキシ— 2—メチ ルインドールが 2—メチルインドレニン N—ォキシドと互変異性の関係にあり、この 2 メチルインドレ-ン N—ォキシドがさらに還元されて 6 フルオロー 2 メチルイン ドリンを生成するためである。
[0005] 還元中間体の 1ーヒドロキシー2 アルキルインドールの合成例としては、 2 -トロ フエ-ルアセトンを亜鉛と塩化アンモ-ゥムで還元して 1—ヒドロキシ一 2—メチルイン ドールを合成した例(非特許文献 7)や、電気化学的な α—(ο ヒドロキシァミノフエ -ル)プロペン力もの合成 (非特許文献 8)がある。また、 1—ヒドロキシ一 2—メチルイ ンドールは、 2—メチルインドレニン Ν—ォキシドと互変異性の関係にあることが知ら れて ヽる(非特許文献 9および非特許文献 10)。
[0006] ついで、そのァシル化の例としては、 1—ヒドロキシ一 2 フエ-ルインドール類から 無水酢酸や塩化ベンゾィルで 1ーァセトキシー 2—フエ-ルインドール類ある 、は 1 ベンゾイロキシ 2—フエ-ルインドール類を合成した例(非特許文献 11)や 1ーァセ トキシ— 2—メチルインドール (非特許文献 12)の合成例がある。
[0007] さらに、そのァシル化体からの還元反応の例としては、 1一べンゾイロキシー2 フ ェ-ルインドールある 、は 1ーァセトキシ 3 シァノ 2 フエ-ルインドールをエタ ノール中活性炭担持パラジウム触媒で還元して 2 フエ-ルインドールあるいは 3— シァノ 2 フエニルインドールを得た例(非特許文献 13)がある。しかし、この方法 は出発物質の 2— -トロベンジルカルボ-ル化合物から目的物のインドール化合物 を得るのに多段階を要し、効率的な方法ではな!/、。
[0008] 唯一、一段階で高収率で還元したものに活性炭担持 5%パラジウムと水素で酢酸ナ トリウム、無水酢酸存在下に実施した例(特許文献 3)がある。しかし、この方法で使用 する触媒が高価で危険なため、回収再使用操作が煩雑で製造コストを引き上げる原 因になっている。
以上のように安価な試剤と簡単な操作でインドールを製造できる製造法は、これま でない。
[0009] インドール環の 3位ハロゲン化は一般的にハロゲンや次亜ハロゲン酸等で行われる 。ハロゲンを用いた場合はトルエンやクロ口ベンゼン等の溶媒のハロゲン化を起こす ので、塩素化を受けない溶媒を使用する必要がある。また、ハロゲンを用いた場合は ジハロゲノインドールを生成しやす 、(非特許文献 14、非特許文献 15)。
[0010] 一方、次亜ハロゲン酸では溶媒のハロゲン化は防げる力 ジハロゲノインドールを 生成するため、収率の低下を引き起こす (非特許文献 16)。そのため、ジハロゲノイン ドールを亜硫酸水素ナトリウムや亜硫酸ナトリウム等の還元剤で還元して目的とする 3 ーハロゲノインドールにする工程が必要になり、工業的には煩雑な製造方法となる( 特許文献 3)。その他、ハロゲン化トリメチルシラン、ハロゲン化スクシンイミドゃハロゲ ン化銅を用いた例があるが (特許文献 4、特許文献 5、非特許文献 17、非特許文献 1 8、非特許文献 19)、高価な試剤や廃棄物の大量発生という意味で問題がある。
[0011] そのため、 3—ハロゲノインドールの工業的な製造では、これらの問題を発生させな ぃノヽロゲン化の方法が求められている。そのようなハロゲン化の例としては、ベンゼン 等を用いて、ジメチルスルホキシドのようなジアルキルスルホキシドと塩酸や臭化水素 酸のようなハロゲンィ匕水素酸の組み合わせの穏やかな条件で実施された例があるが (非特許文献 20、非特許文献 21)、インドールイ匕合物の製造では実施された例はな い。
そこで、溶媒をハロゲンィ匕することなぐジハロゲンィ匕を起こさない、安価で操作の 簡単なインドールイ匕合物のハロゲンィ匕方法が望まれている。
[0012] インドール化合物と 1一(N, N ジメチルスルファモイル)ー3 クロロスルホ-ルー 1, 2, 4 トリァゾールとを反応させることによりスルファモイルトリアゾール化合物を製 造する方法が知られているが(特許文献 4)、高価なカリウム ターシャリーブトキシド や水素化ナトリウムの使用(特許文献 4、特許文献 5)が必要である。また、一旦インド ール化合物のナトリウム塩を生成した後 1— (N, N ジメチルスルファモイル)—3— クロロスルホ -ル一 1, 2, 4 トリァゾールと反応させる例があるが(特許文献 3)、前 工程からの反応溶媒を一度留去して力 ジグライム等のエーテル系溶媒中で反応さ
せ、反応終了後にエーテル系溶媒を留去して再度別の溶媒で抽出を行うといった操 作を必要とするため、安価な工業的製法とは 、えな 、。
一方、インドール化合物とベンゼンスルホユルク口ライド化合物との反応では、安価 な水酸ィ匕ナトリウムを使用して 1段階で実施する例が多く知られている (非特許文献 1 5、非特許文献 22)。このような、より簡単な操作で収率の高い方法力インドールイ匕合 物と 1— (N, N—ジメチルスルファモイル)一 3—クロロスルホ-ルー 1, 2, 4—トリァゾ ールの反応でも求められている。
上記以外にも、製造方法に関する幾つかの報告がなされている(特許文献 6、 7及 び 8)。
特許文献 1:独国特許公開第 262327号明細書
特許文献 2:特開昭 47— 38963号公報
特許文献 3:特開 2004— 083559号公報
特許文献 4:特開 2000— 302781号公報
特許文献 5:特開 2001— 187786号公報
特許文献 6:特開 2001— 247567号公報
特許文献 7:特開 2002 - 241364号公報
特許文献 8:国際公開第 99Z21851号パンフレット
非特許文献 1:ブルチン 'デ'ラ 'ォブ 'ソサイエテ'チミケ 'デ'フランス(Bull. Soc. Ch im. Fr. ), 4, p.1039(1924)
非特許文献 2:オーガニックシンセセス(Org. Syn. ), 27, p.94(1942) 非特許文献 3:ケミカル 'ベリヒテ(Chem. Ber. ), 81, 266, p.270(1948) 非特許文献 4:ヘテロサイクルス(Heterocycles), 55, p.95(2001)
非特許文献 5:テトラへドロン (Tetrahedron), p.3321(2001)
非特許文献 6:ジャーナル'ォブ 'オーガニック 'ケミストリー (J. Org. Chem. ), 48, p
.2066(1983)
非特許文献 7:ブルチン 'デ'ラ 'ォブ 'ソサイエテ'チミケ 'デ'フランス(Bull. Soc. Ch im. Fr. ), p. 1296(1967)
非特許文献 8:ブルチン 'デ'ラ'ォブ'ソサイエテ'チミケ 'デ'フランス(Bull. Soc. Ch
im. Fr. ), p. 121(1974)
非特許文献 9:ジャーナル'ォブ ·ザ'ケミカルソサイエティー (J. Chem. Soc. ), p.1 067(1970))
非特許文献 10:スぺクトロチミ力'ァクタ(Spectrochim. Acta) , 23, p.717(1967 ))
非特許文献 11:ジャーナル'ォブ 'ザ 'ケミカルソサイエティー (J. Chem. Soc. ), p. 3466(1960)
非特許文献 12:ブルチン 'デ'ラ 'ォブ 'ソサイエテ'チミケ 'デ'フランス(Bull. Soc. C him. Fr. ), p.3040(1973)
非特許文献 13:ジャーナル'ォブ 'ザ 'ケミカルソサイエティー (J. Chem. Soc. ), p. 3466(1960)
非特許文献 14:シンレツ卜(Synlett), p.705(2003)
非特許文献 15:シンセティック 'コミニュケ—シヨンズ(Syn. Com. ), 34, p.1325(2 004)
非特許文献 16:ジャーナル'ォブ 'オーガニック 'ケミストリー (J. Org. Chem. ), 46, p.2054(1981)
非特許文献 17:ジャーナル'ォブ'ケミカル'リサーチ,シナプシス (J. Chem. Reasea rch, Synopses) , 6, p. 182(1989)
非特許文献 18:テトラへドロン'レターズ (Tetrahedron Letters) , 27、 p.1051(1 986)
非特許文献 19:ジャーナル ·ォブ ·ザ ·ケミカルソサイエティー,パーキン ·トランザクシ ヨン ·1(Ι. Chem. Soc. Perkin Trans.1), p.2305(1986)
非特許文献 20:ジャーナル'ォブ 'オーガニック 'ケミストリー (J. Org. Chem. ), 62, p.4321(1997)
非特許文献 21:ケミカル'コミニュケ—シヨンズ(Chem. Com. ), p.2679(1996) 非特許文献 22:テトラへドロン'レターズ (Tetrahedron Letters) , 28、 p.3423(1 987)
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0014] 本発明が解決しょうとする課題は、工業的に有利な安価なインドール化合物の製造 方法を提供することである。
課題を解決するための手段
[0015] 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、 2 -トロベンジルカル ボニル化合物を金属と酸とで還元する際に、ァシル化剤と塩基とを共存させること〖こ より、インドールイ匕合物を 1段階で収率よく製造できることを見出すとともに、その 3— ノ、ロゲノ化合物およびスルファモイルトリァゾールイ匕合物の工業的に有利な新規な製 造方法を見いだし、本発明を完成するに至った。
[0016] すなわち、本発明は、次の〔1〕から〔15〕に関する。
〔1〕式 (2)
[化 1]
H
(式中、 Rおよび Rはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、置換されていても
1 2
よいアルキル基またはフエ-ル基を表し、 Rは置換されていてもよいアルキル基、フ
3
ェニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボ-ル基またはハロゲン原子を表し、 nは 0 から 4の整数を表す。 )
で表されるインドール化合物を相間移動触媒と塩基の存在下、直接 3—クロロスルホ -ルー 1—(N, N ジメチルスルファモイル) 1, 2, 4 トリァゾールと反応させるこ とによる式(3)
[化 2]
(式中、 R , R , Rおよび nは前記と同様の意味を表す)
1 2 3
で表されるスルファモイルトリァゾールイ匕合物の製造方法。
〔2〕式 (1)
[化 3]
(式中、 R、 Rはそれぞれ独立して水素原子、置換されていてもよいアルキル基また
1 2
はフエ-ル基を表し、 Rは置換されていてもよいアルキル基、フエ-ル基、アルコキシ
3
基、アルコキシカルボ-ル基またはハロゲン原子を表し、 nは 0から 4の整数を表す。) で表される 2— -トロベンジルカルボ-ル化合物を、ァシル化剤と塩基の存在下、金 属と酸とで還元することにより製造した前記式(2)で表されるインドールイ匕合物を用い る請求項 1記載の製造方法。
〔3〕前記式(1)で表される 2—二トロべンジルイ匕合物を金属と酸とで還元する際に 、ァシル化剤と塩基とを共存させることを特徴とする前記式 (2)で表されるインドール 化合物の製造方法。
〔4〕前記式(2) (但し、 Rは水素原子)で表されるインドールイ匕合物をハロゲンィ匕
2
水素酸とスルホキシド化合物を反応させることにより製造した前記式 (2) (但し、 Rは
2 ハロゲン原子)で表されるインドールイ匕合物を用いる請求項 1記載の製造方法。
[5] 前記式(2) (但し、 Rは水素原子)で表されるインドールイ匕合物をハロゲンィ匕
水素酸およびスルホキシド化合物と反応させることを特徴とする前記式(2) (但し、 R
2 はハロゲン原子)で表されるインドールイ匕合物の製造方法。
〔6〕 前記ァシル化剤が有機酸無水物である請求項 3記載のインドールイ匕合物の 製造方法。
〔7〕 前記ァシル化剤が無水酢酸である請求項 3記載のインドール化合物の製造 方法。
〔8〕 前記塩基がアルカリ金属塩またはアルカリ金属の水酸ィ匕物である請求項 3 記載のインドールイヒ合物の製造方法。
〔9〕 前記塩基がアルカリ金属の有機酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩または水酸ィ匕物 である請求項 3記載のインドールイヒ合物の製造方法。
〔10〕 前記金属が鉄である請求項 3記載のインドールイ匕合物の製造方法。
〔11〕 前記ハロゲンィ匕水素酸が臭化水素酸である請求項 5記載の製造方法。 〔 12〕 前記スルホキシドィ匕合物がジメチルスルホキシドである請求項 5記載の製 造方法。
〔 13〕 前記式(2)で表されるインドール化合物が 3 ブロモ 6 フルォロ 2— メチルインドールである請求項 1記載の製造方法。
〔14〕 1— (4 フルオロー 2 -トロフエ-ル)アセトンを金属と酸とで還元する際 に、ァシル化剤と塩基とを共存させることを特徴とする 2—メチルー 6 フルォロインド ールの製造方法。
〔 15〕 2 メチル 6 フルォロインドールを臭化水素酸およびスルホキシド化合 物と反応させることを特徴とする 3 ブロモ 6 フルォロ 2 メチルインドールの 製造方法。
前記式(3)で表される 2 二トロべンジルカルボニル化合物からの前記式(1)で表 されるインドールイ匕合物の製造方法についてさらに詳細に説明すれば、本発明は、 式 (1)
(式中、 Rおよび Rはそれぞれ独立して水素原子、置換されていてもよいアルキル基
1 2
またはフエ-ル基を表し、 Rは置換されていてもよいアルキル基、フエ-ル基、アルコ
3
キシ基、アルコキシカルボ-ル基またはハロゲン原子を表し、 nは 0から 4の整数を表 す。)
で表される 2— -トロベンジルカルボ二ルイ匕合物を金属と酸とで還元する際に、ァシ ル化剤と塩基とを共存させることにより、中間体の式 (4)
[化 5]
で表される 1ーヒドロキシインドールおよびその互変異性体の式(5)
[化 6]
で表されるインドレニン N—ォキシドをァシル化して、式(6)
(式中、 R ル
4は上記ァシル化剤のァシ 基を表す。 )
で表される 1 -ァシロキシインドール類を経由させることを特徴とする、式(2)
[化 8]
H
で表されるインドールイ匕合物の製造方法である。この方法により、還元副生成物のィ ンドリン化合物をほとんど副生せず、高収率でインドールイ匕合物を製造することがで きる。
[0018] 前記式(2) (但し、 Rは水素原子)で表されるインドールイ匕合物をハロゲンィ匕水素酸
2
およびスルホキシド化合物と反応させることを特徴とするハロゲン化では、ジハロゲン 化物の副生等の問題が回避された結果、 1段階で収率良くハロゲン化を行えるため 、操作性が向上し、工業的に非常に有利な製造方法となっている。
[0019] また、前記式(2) (但し、 Rはハロゲン原子)で表されるインドールイ匕合物を相間移
2
動触媒と塩基存在下直接 3 クロロスルホ-ルー 1一(N, N ジメチルスルファモイ ル) 1, 2, 4 トリァゾールと反応させることによる前記式(3)で表される化合物の製 造方法は、エーテル系溶媒以外の溶媒中でも行えるため、溶媒を置換する工程が不 要となり、工業的に非常に有利である。
発明の効果
[0020] 本発明の製造方法は操作的に優れているため、インドールイ匕合物を工業的に、収 率良く製造することができる。
発明を実施するための最良の形態
[0021] 本発明が適用される化合物としては、式(1)で表される 2—二トロべンジルカルボ二 ル化合物および式(2)で表されるインドール化合物において、 Rおよび Rがそれぞ
1 2 れ独立して水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基またはフエ- ル基を表し、 Rが置換されていてもよいアルキル基、フエ-ル基、アルコキシ基、アル
3
コキシカルボニル基またはハロゲン原子を表し、 nが 0から 4の整数を表す場合が挙 げられ、 Rおよび Rがそれぞれ独立して水素原子または置換されていてもよいアル
1 2
キル基を表し、 Rがハロゲン原子を表し、 nが 0または 1の整数を表す場合が挙げら
3
れ、 Rカ^チル基を表し、 Rが水素原子を表し、 Rがフッ素原子を表し、 nが 0または
1 2 3
1の整数を表す場合が挙げられる。
[0022] 本発明の出発原料である式(3)で表される 2— -トロベンジルカルボ-ルイ匕合物は 、既知の方法で製造される。たとえば、 1一(2— -トロフエ-ル)アセトン (テトラへドロ ン-レターズ(Tetrahedron Lett. ) , 42, p. 1387 (2001) )、 1— (4—クロ口一 2— ニトロフエ-ル)アセトン(ケミカル ·アンド ·ファーマソィティカル ·ブルチン(Chem. Ph arm. Bull. ) , 17, p. 605 (1969) )、 1— (4—フルオロー 2— -トロフエ-ル)ァセト ン (特開昭 47— 38947号公報)が挙げられる。
[0023] 2— -トロベンジルカルボ-ル化合物を還元する際に使用する試剤および反応条 件は以下の通りである力 これらに限定されるものではない。
ァシル化剤としては、反応活性なァシル基を持つ有機酸無水物が有効であり、無 水酢酸、無水トリフルォロ酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水カプロン酸、無水 クロトン酸、無水マレイン酸、無水安息香酸、無水コハク酸等あるいは無水酢酸と蟻 酸から合成した混合酸無水物等が好ましぐこれらの混合物も使用できる。この内、 特に無水酢酸が経済性の面力 好まし 、。
ァシル化剤の使用量は、 2— -トロベンジルカルボ-ル化合物に対して通常 0. 01 〜: L0モル、好ましくは 0. 5〜5モルである。
[0024] 塩基としては、アミンゃピリジン等の有機塩基や、アルカリ金属の有機酸塩、炭酸塩 、炭酸水素塩、リン酸塩及び亜硫酸塩等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属の有 機酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩及び亜硫酸塩等のアルカリ土類金属塩、ァ
ルカリ金属の水酸化物、酸化物並びにアルカリ土類金属の水酸化物、酸化物等の無 機塩基が挙げられる力 S、好ましくはアルカリ金属塩及びアルカリ金属の水酸ィ匕物が挙 げられ、また好ましくはアルカリ金属の有機酸塩や反応液中で有機酸無水物あるい は有機酸と反応してアルカリ金属の有機酸塩を生成するアルカリ金属の炭酸塩、炭 酸水素塩、水酸ィ匕物等の塩基が挙げられる。このうち特に蟻酸ナトリウム、蟻酸力リウ ム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カリウム、炭酸 ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸ィ匕ナトリウム、 水酸ィ匕カリウム、リン酸カルシウム等が好ましい。これらの塩基の混合使用も可能であ る。
塩基の使用量としては、 2 -トロベンジルカルボ-ル化合物に対して 0. 01〜5モ ルカ S好ましく、 0. 1〜2モルが更に好ましい。
[0025] 金属としては、通常還元に使用される鉄、亜鉛、スズ、マグネシウム等の金属が好ま しぐさらに安価で環境に対する影響の小さい鉄が経済性の面力 好ましい。また、 硫酸鉄や塩ィ匕第一スズ等の金属化合物も使用できる。
金属の使用量は、 2— -トロベンジルカルボ-ル化合物に対して、好ましくは 1モル 力ら 10モノレ、更に好ましく ίま 1. 5モノレカら 5モノレである。
金属の形状や粒子の大きさは反応速度に影響する可能性があり、鉄でいえば、通 常の鉄粉の他に還元鉄、電解鉄等の鉄粉があるが、本反応では粒子の大きさによら ず使用することができる。
[0026] 酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、シユウ酸、コハク酸等の有機酸や塩酸、硫 酸等の無機酸が挙げられるが、その内特に水を含まない酢酸が経済性の面からも好 ましい。水を含む場合、ァシル化剤の加水分解が起こり、所望の効果が得られない 場合がある。
酸の使用量としては、 2— -トロベンジルカルボニル化合物に対して 1〜20モルで あり、好ましくは 3〜 10モルである。
[0027] 溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に制限はな 、が、例えばベンゼン、 トルエン、キシレン等の芳香族類、ジェチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒド 口フラン、 1, 4 ジォキサン、ジメトキシェタン、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル等のエーテル類、蟻酸メチル、蟻酸ェチル、酢酸メチル、酢酸ェチル、酢酸ブチ ル、プロピオン酸ェチル等のエステル類、アセトン、メチルェチルケトン、メチルイソブ チルケトン、シクロへキサノン等のケトン類、へキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン等の 炭化水素類、蟻酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸類、 N, N—ジメチルホルムアミド 、 N, N—ジメチルァセトアミド、 N—メチルピロリドン等の極性溶媒が挙げられ、これら の混合溶媒でも使用できる。
溶媒の使用量としては、 2— -トロベンジルカルボニル化合物に対して 1〜20倍量 が好ましぐ 3〜 10倍量が更に好ましい。
[0028] 2— -トロベンジルカルボ-ル化合物力 インドール化合物を製造する反応は、 2— ニトロべンジルカルボニル化合物、ァシル化剤、塩基、金属、酸および溶媒の混合物 を反応させることで行う。工業的に好ましい方法としては、例えば、 2— -トロベンジル カルボニル化合物、ァシル化剤、塩基、金属および溶媒の混合物に反応温度で酸を 反応に影響しない速度で加える方法が挙げられる。
反応温度は、通常、室温以下の低温から数百度の範囲であり、好ましくは室温から 反応溶媒の沸点以下の温度である。
反応時の圧力としては、常圧から lOOkgZcm2等の高圧下あるいは減圧下でも行う ことができるが、好ましくは常圧である。
[0029] 反応後の反応液の処理法としては、金属酸化物や未反応金属をろ過により除いた 後反応液の水洗浄を行い、インドールイ匕合物を含む溶液を得ることができる。ろ過性 が悪 ヽ場合は、塩酸や硫酸などを加えて金属酸化物を溶解してろ過しやすくするこ とができる。また、必要に応じて、水酸ィ匕ナトリウム等のアルカリ性水溶液や、硫酸、 塩酸等の酸性水溶液で反応液を洗浄することで反応に使用した試剤や副生成物等 を除くことができる。
[0030] 式(2) (但し、 Rは水素原子)で表されるインドールイ匕合物をハロゲンィ匕水素酸とス
2
ルホキシドィ匕合物と反応させる際に使用する試剤および反応条件は以下の通りであ るが、これらに限定されるものではない。
ハロゲン化水素酸としては、フッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素および その水溶液が挙げられるが、好ましくは臭化水素酸水溶液である。
ハロゲン化水素酸の使用量は、インドールイ匕合物に対して通常 0. 1から 5モル、好 ましくは 1から 2モルである。
[0031] スルホキシド化合物としては、ジメチルスルホキシド、ジェチルスルホキシド、高級ァ ルキル基を持つ長鎖の鎖状スルホキシド類、スルホラン等の環状スルホキシドが挙げ られる力 ジメチルスルホキシドが経済性の面から好まし!/、。
スルホキシド化合物の使用量は、インドール化合物に対して通常 0. 01力ら 5モル、 好ましくは 0. 1から 2モルである。
[0032] 溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に制限はな 、が、例えばベンゼン、 トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族類、ジェチルエーテル、ジブチルェ 一テル、テトラヒドロフラン、 1, 4 ジォキサン、ジメトキシェタン、ジエチレングリコー ルジメチルエーテル等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸ェチル、酢酸ブチル、プロピ オン酸ェチル等のエステル類、アセトン、メチルェチルケトン、メチルイソブチルケトン 、シクロへキサノン等のケトン類、へキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン等の炭化水素 類、ジクロロメタン、クロ口ホルム、 1, 2—ジクロロェタン等のハロゲン化炭化水素類、 蟻酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸類、 N, N ジメチルホルムアミド、 N, N ジメ チルァセトアミド、 N メチルピロリドン等の極性溶媒および水が挙げられ、これらの 混合溶媒も使用できる。
溶媒の使用量としては、インドールイ匕合物に対して通常 1から 10倍量、好ましくは 3 力 7倍量である。
[0033] 反応温度としては、室温以下の低温から溶媒の沸点の範囲で行うことができる。
反応は、インドール化合物、スルホキシド類および溶媒の混合物に反応温度でハロ ゲンィ匕水素酸を反応に影響しない速度で添加することによって行うことができる。 反応ではスルホキシド類が還元されたスルフイド類が副生するが、過酸化水素、有 機酸の過酸、無機酸化剤等の、スルフイドをスルホキシドに酸ィ匕することができる酸ィ匕 剤の添加ある 、は酸素酸ィ匕等でスルフイドをスルホキシドに戻すこともできる。その場 合、再生したスルホキシドを再使用することができるため、スルホキシド類を大幅に削 減することができ、環境に対する影響を軽減できる。
[0034] 式 (2)で表されるインドールイ匕合物を相間移動触媒と塩基存在下直接 3 クロロス
ルホ-ルー 1—(N, N ジメチルスルファモイル) 1, 2, 4 トリァゾールと反応させ ることにより、式 (3)で表される化合物を製造することができる。
[化 9]
S02N(CH3)2
式(3)で表される化合物は、国際公開第 99Z21851号パンフレット記載の殺菌剤 である。
相間移動触媒としては、塩ィ匕テトラメチルアンモ-ゥム、臭化テトラメチルアンモ-ゥ ム、ヨウ化テトラメチルアンモ-ゥム、水酸ィ匕テトラメチルアンモ-ゥム、塩ィ匕テトラェチ ルアンモ-ゥム、臭化テトラェチルアンモ-ゥム、ヨウ化テトラェチルアンモ-ゥム、塩 化テトラプロピルアンモ-ゥム、臭化テトラプロピルアンモ-ゥム、ヨウ化テトラプロピル アンモ-ゥム、塩ィ匕テトラブチルアンモ-ゥム、臭化テトラブチルアンモ-ゥム、ヨウ化 テトラプチルアンモ-ゥム、水酸化テトラプチルアンモ-ゥム、塩化べンジルトリメチル アンモ-ゥム、塩化べンジルトリェチルアンモ-ゥム、塩化べンジルトリブチルアンモ ユウム、塩化トリオクチルメチルアンモ-ゥム、塩化フエ-ルトリメチルアンモ-ゥム等 の 4級アンモ-ゥム塩、塩ィ匕テトラブチルホスホ-ゥム、臭化テトラブチルホスホ-ゥム 、臭化工チルトリフエ-ルホスホ-ゥム、臭化べンジルトリフエ-ルホスホ-ゥム、臭化 テトラフエ-ルホスホ -ゥム等の 4級ホスホ-ゥム塩、塩ィ匕ドデシルピリジ -ゥム等のピ リジ -ゥム塩、 15 クラウンー5 エーテル、ジベンゾ 18 クラウンー6 エーテル 等のクラウンエーテル等が挙げられる。好ましくは安価で反応性が高ぐ反応後分離 が容易な臭化テトラプチルアンモ-ゥム、硫酸水素テトラプチルアンモ -ゥム等が挙 げられる。
相間移動触媒の使用量としては、インドールイ匕合物に対して通常 0. 0001から 1モ
ノレであり、好ましく ίま 0. 001力ら 0. 05モノレである。
[0036] 塩基としては、アルカリ金属の有機酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩及び亜硫 酸塩等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属の有機酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、リン 酸塩及び亜硫酸塩等のアルカリ土類金属塩、アルカリ金属の水酸ィ匕物、酸化物並び にアルカリ土類金属の水酸ィ匕物、酸ィ匕物等の無機塩基が挙げられるが、好ましくは アルカリ金属の水酸ィヒ物であり、水酸化カリウムや水酸化ナトリウムが挙げられ、水酸 化ナトリウムが経済性の面力 好ましぐ中でも取り扱いやすい水酸ィ匕ナトリウム水溶 液が好ましい。
塩基の使用量としては、インドールイ匕合物に対して通常 0. 1から 10モル、好ましく は 1. 0力も 3モルである。
[0037] 3 クロロスルホ-ルー 1— (Ν, Ν ジメチルスルファモイル)一 1, 2, 4 トリァゾー ルの使用量としては、インドール化合物に対して通常 0. 5から 3モル、好ましくは 1. 0 力も 1. 5モルである。
[0038] 溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に制限はな 、が、例えばベンゼン、 トルエン、キシレン、クロ口ベンゼン等の芳香族類、ジェチルエーテル、ジブチルエー テル、テトラヒドロフラン、 1, 4 ジォキサン、シクロペンチルメチルエーテル、ジメトキ シェタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、酢酸メチル、酢 酸ェチル、プロピオン酸ェチル等のエステル類、ジクロロメタン、クロ口ホルム、 1, 2— ジクロロェタン等のハロゲン化炭化水素類、アセトン、メチルェチルケトン、メチルイソ ブチルケトン、シクロへキサノン等のケトン類、へキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン等 の炭化水素類、 Ν, Ν ジメチルホルムアミド、 Ν, Ν ジメチルァセトアミド、 Ν—メチ ルピロリドン等の極性溶媒、ピリジン、 2—メチル—5 ェチルピリジン、キノリン等のピ リジン類等および水が挙げられ、これらの混合溶媒も使用できる。
塩基として水酸化ナトリウム水溶液を用いる場合、上記溶媒の内、水と分離する溶 媒中で反応を行うことが好ましい。
溶媒の使用量としては、インドールイ匕合物に対して通常 1から 20倍量、好ましくは 3 力 10倍量である。
[0039] 反応温度としては、室温以下の低温力 溶媒の沸点までの範囲で行うことができる
反応は、インドール化合物、相間移動触媒、塩基および溶媒の混合物に 3—クロ口 スルホ -ル— 1— (N, N ジメチルスルファモイル)— 1, 2, 4 トリァゾールあるいは その溶液を添加することで反応させるカゝ、インドール化合物、相間移動触媒、 3—クロ ロスルホ-ルー 1一(N, N ジメチルスルファモイル) 1, 2, 4ートリアゾールおよび 溶媒の混合物に反応温度で塩基を加えることで反応できる。
[0040] 式(3)で表される化合物は以下の方法で結晶として単離することができる。
[化 10]
CH
3)ゥ 晶析溶媒として上記の反応時の溶媒がそのまま使用できるが、好ましくは反応で使 用した溶媒をそのまま濃度調整して晶析溶媒として使用する方法であり、エタノール 、 1,2 ?ジクロロエタン、トルエン、キシレン、クロ口ベンゼン等が好ましい。
溶媒量は収率および晶析時の溶液状態力 最適な量で行われ、 1倍量から 5倍量 で晶析されるのが好まし 、。
[0041] 1— (N, N—ジメチルスルファモイル)—3— (3 ブロモ—6 フルオロー 2—メチ ルインドール— 1—ィル)スルホ -ル— 1, 2, 4 トリァゾールの場合、結晶多形として 融点が 132°Cのアルファ形結晶、 126°Cのベータ形結晶、転移温度 119°Cでアルフ ァ形結晶に転移するガンマ形結晶等やトルエンを含有した擬似結晶のデルタ形結晶 等が存在する。
[0042] そのうち、最も高融点で安定なアルファ形結晶が目的物として望まれ、その製造法 としてトルエンやクロ口ベンゼン等の溶媒を含有した擬似結晶をー且得た後減圧、加 熱等の条件で溶媒を除くことで得るか、溶媒を含有した擬似結晶を生成しな ヽ溶媒
で晶析を行うことによって得ることができる。好ましくは、トルエン溶媒で反応後、トル ェン量を目的物の 2倍量から 3倍量に調整後、冷却してろ過することでトルエンを含 有したデルタ型結晶を得た後、 40°C以上の温度で減圧下トルエンを除去してアルフ ァ形結晶を製造することができる。
[0043] 結晶化時トルエン含有のデルタ型結晶の種結晶を少量添加すれば、ベータ形結 晶ゃガンマ形結晶を生成させずにトルエン含有のデルタ形結晶だけを確実に生成さ せることができる上にろ過性のよい大きなデルタ型結晶を得ることができる。
実施例
[0044] 以下、実施例を挙げ本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定され るものではない。
〔実施例 1〕
6 -フルォロ 2 メチルインドールの製造
窒素で置換した反応フラスコに 4 -フルォロ 2 -トロフエ-ルアセトン 200g ( 1. 01モル)、トルエン 1060g、酢酸ナトリウム 41. 6g (0. 507モル)、無水酢酸 207. lg (2. 03モル)および鉄粉 170g (3. 04モル)を入れ、 100。Cに昇温して酢酸 487g (8 . 12モル)を 3時間かけて滴下した後、 1. 5時間反応させた。液体クロマトグラフィー で 4 -フルォロ 2 -トロフエ-ルアセトンの消失を確認した後、水 1600gを投入し て室温まで冷却した。 97%硫酸 207gを滴下した後、不溶物の酸化鉄や未反応の鉄 をろ過して除いた。トルエン層を分液した後、水 400gで洗浄、水 400gと 30%水酸ィ匕 ナトリウム水溶液 40gの混合溶液で洗浄、水 400gで 2回洗浄して 6 フルオロー 2— メチルインドールのトルエン溶液を得た。液体クロマトグラフィーで定量分析したところ 、 6 フルオロー 2—メチルインドール 144. 4g (収率 95. 4%)の生成を確認した。
[0045] 〔実施例 2〕
6 -フルォロ 2 メチルインドールの製造
窒素で置換した反応フラスコに 4 -フルォロ 2 -トロフエ-ルアセトン 20. Og (0 . 101モル)、トルエン 106g、酢酸ナトリウム 4.16g (0. 0507モル)、無水酢酸 20. 7 g (0. 203モル)および鉄粉 17. 0g(0. 304モル)を入れ、 100。Cに昇温して酢酸 30 . 5g (0. 507モル)を 1時間かけて滴下した後 4時間反応させた。液体クロマトグラフ
ィ一で 4 フルォロ 2 -トロフエ-ルアセトンの消失を確認した後、水 160gを投入 して室温まで冷却した。不溶物の酸ィ匕鉄や未反応の鉄をろ過して除いた後、トルェ ン層を分液し、水 40gで洗浄、水 40gと 30%水酸ィ匕ナトリウム水溶液 1. 6gの混合溶 液で洗浄、水 40gで 2回洗浄して 6 フルォロ 2 メチルインドールのトルエン溶液 を得た。液体クロマトグラフィーで定量分析したところ、 6 フルオロー 2—メチルイン ドール 14. Og (収率 92. 4%)の生成を確認した。 70°Cでトルエン量が 10. 5gになる まで減圧下留去した後、ヘプタン 24. 5gを加えた溶液を 0°Cまで冷却して結晶化さ せてろ過、ヘプタン 14. Ogで洗浄を経て 6 フルオロー 2 メチルインドール 12. lg を結晶として得た。
[0046] 〔実施例 3〕
3 -ブロモ 6 フルォロ 2 メチルインドールの製造
6 フルオロー 2—メチルインドール 40. 0g (0. 268mol)のトルエン 200g溶液に ジメチルスルホキシド 33. 5g (0. 429mol)を窒素雰囲気下でカ卩え、温度を 20°Cにし た。この溶液に 18〜22°Cで 47%臭化水素 73. 9g (0. 429mol)を 1時間かけて滴 下し、 18〜22°Cで更に 7時間反応させた。 目的物が生成していることを HPLCで確 認したあと、 5〜10°Cに冷却して水 120gを滴下し分液した。その後、 5〜10°Cで水 1 20gで 2回洗浄して、 3 ブロモ—6 フルオロー 2—メチルインドールのトルエン溶 液を得た。
[0047] 〔実施例 4〕
1— (N, N ジメチルスルファモイル) 3— (3 ブロモ 6 フルォロ 2 メチル インドールー 1 ィル)スルホ-ルー 1, 2, 4 トリァゾールの製造
前工程で得られた 3 ブロモ 6 フルォロ 2 メチルインドールのトルエン溶液 に 0〜5°Cで 30%水酸化ナトリウム 53. 6g (0. 402mol)、テトラブチルアンモ -ゥム ブロマイド 0. 865g (0. 00268mol)を窒素雰囲気下で加えた後、別途窒素雰囲気 下 50°Cで溶解しておいた 3 クロロスルホ-ルー 1— (N, N ジメチルスルファモイ ル)— 3 クロロスルホ-ルー 1, 2, 4ートリアゾール 87. 2g (0. 317mol)のトルエン 419gの溶液を— 5〜0°Cで 4時間かけて滴下し、 0°Cで更に 3時間攪拌した。反応終 了後、水 183gを投入して、 40°Cまで昇温して分液後、水 183gで 2回洗浄して目的
とする 1— (N, N ジメチルスルファモイル) 3— (3 ブロモ 6 フルオロー 2—メ チルインドール— 1—ィル)スルホ -ル— 1, 2, 4ートリアゾール 118. 7g (収率 95. 0 %)を含むトルエン溶液を得た。トルエンを留去して目的物の 2. 5倍量までトルエン 量を減らした後、— 5〜0°Cまで冷却して結晶を析出させた。結晶をろ過し、冷却した トルエン 113gで洗浄してトルエン含有のデルタ型結晶を得た後、減圧下 60°Cで、乾 燥後、 1— (N, N—ジメチルスルファモイル)— 3— (3 ブロモ—6 フルオロー 2— メチルインドールー 1 ィル)スルホ-ルー 1, 2, 4 トリァゾールのアルファ型結晶 1 06. 4g (収率 85. 1%)を得た。
[0048] 〔実施例 5〕
3 -ブロモ 6 フルォロ 2 メチルインドールの製造
6 フルオロー 2—メチルインドール 232. 3g (l. 558mol)のトルエン 1162g溶液 にジメチルスルホキシド 133. 9g (l. 713mol)を窒素雰囲気下でカ卩え、温度を 20°C にした。この溶液に 18〜22。Cで 47%臭ィ匕水素 455. 9g (2. 648mol)を 2時間力け て滴下し、 18〜22°Cで更に 7時間攪拌した。 目的物が生成していることを HPLCで 確認したあと、 5〜10°Cに冷却して水 604g、 30%水酸ィ匕ナトリウム 160gを滴下した 後、分液した。その後、水 604gで 2回洗浄して、 3 ブロモ—6 フルオロー 2—メチ ルインドールのトルエン溶液を得た。
[0049] 〔実施例 6〕
1— (N, N ジメチルスルファモイル) 3— (3 ブロモ 6 フルォロ 2 メチル インドールー 1 ィル)スルホ-ルー 1, 2, 4 トリァゾールの製造
前工程で得られた 3 ブロモ 6 フルォロ 2 メチルインドールのトルエン溶液 に 0〜5°Cで 30%水酸ィ匕ナトリウム 311. 5g (2. 336モル)、テトラプチルアンモ-ゥ ムブロマイド 5. 02g (0. 0156モル)を窒素雰囲気下でカ卩えた後、別途窒素雰囲気 下 50°Cで溶解しておいた 3 クロロスルホ-ルー 1— (N, N ジメチルスルファモイ ル)— 3 クロロスルホ-ルー 1, 2, 4ートリアゾール 511. 2g (l. 860モル)のトルェ ン 2986g溶液を— 5〜0°Cで 4時間かけて滴下し、 0°Cで更に 3時間攪拌した。反応 終了後、水 1066gを投入して、 40°Cまで昇温して分液後、前工程力も混入している ジメチノレスノレフイドを除去するために、水 1066g、 30%過酸ィ匕水素 194. 2g (l . 713
モル)、 35%重亜硫酸ナトリウム 92. 6gを順次カ卩えて処理した。分液後、水 1066gで 2回洗浄して目的とする 1一(N, N ジメチルスルファモイル) 3—(3 ブロモー 6 —フルオロー 2—メチルインドール— 1—ィル)スルホ二ルー 1, 2, 4ートリアゾール 65 7. 3g (収率 90. 5%)を含むトルエン溶液を得た。トルエンを 60°Cで留去して目的物 の 2. 5倍量までトルエン量を減らした後、徐々に冷却しながら 55°Cからトルエン含有 結晶を 1°Cおきに少量添加して結晶化させ、その後 5〜0°Cまで冷却した。結晶を ろ過し、冷却したトルエン 657gで洗浄してトルエン含有のデルタ型結晶を得た後、減 圧下 60°Cで乾燥して、 1— (N, N ジメチルスルファモイル) - 3- (3 ブロモ—6 フルオロー 2 メチルインドールー 1 ィル)スルホ二ルー 1, 2, 4 トリァゾールの アルファ型結晶 598. 4g (収率 79. 5%)を得た。
[0050] 〔実施例 7〕
6 -フルォロ 2 メチルインドールの製造
窒素で置換した反応フラスコにトルエン 422g、鉄粉 150g (2. 68モル)および酢酸 ナトリウム 43. 9g (l. 34モル)を入れ、 90。Cに昇温して無水酢酸 273g (2. 68モル) と酢酸 642g (10. 7モル)を滴下して加えた。 4 フルオロー 2 二トロフエ-ルァセト ン 211g (l. 07モノレ)のトノレェン 422gの溶液を 90°Cで 3時間力けて滴下した。滴下 後、 100°Cに昇温して 3時間反応させた。液体クロマトグラフィーで 4 フルォロ 2 —ニトロフエ-ルアセトンの消失を確認した後、水 1688gを投入して室温まで冷却し た。 97%硫酸 223gを滴下した後、不溶物の酸ィ匕鉄や未反応の鉄をろ過して除いた 。トルエン層を分液した後、水 400gで洗浄、水 400gと 30%水酸ィ匕ナトリウム水溶液 40gの混合溶液で洗浄、水 400gで 2回洗浄して 6 フルオロー 2—メチルインドール のトルエン溶液を得た。液体クロマトグラフィーで定量分析したところ、 6—フルォロ一 2—メチルインドール 149g (収率 93. 2%)の生成を確認した。
[0051] 〔実施例 8〕
1— (N, N ジメチルスルファモイル) 3— (3 ブロモ 6 フルォロ 2 メチル インドールー 1 ィル)スルホ-ルー 1, 2, 4 トリァゾールの製造
前工程で 6 フルォロ— 2—メチルインドール 7. OOg (0. 0469mol)から得られた 3 -ブロモ 6 フノレオ口 2 メチルインドールのトルエン溶液に 3 クロロスノレホニ
ルー 1— (N, N—ジメチルスルファモイル)— 3 クロロスルホ-ルー 1, 2, 4ートリア ゾール 14. 2g (0. 0516mol)のトルエン 85. lgの溶液とテトラプチルアンモ-ゥムブ ロマイド 0. 151g (0. 000469mol)を加え、 48%水酸ィ匕ナ卜リウム 5. 99g (0. 0704 mol)を—5〜0°Cで 4時間かけて滴下し、—5〜0°Cで更に 3時間攪拌した。反応終 了後、水 32gを投入して、 40°Cまで昇温して分液後、水 32gで 2回洗浄して目的とす る 1— (N, N ジメチルスルファモイル) 3— (3 ブロモ 6 フルォロ 2 メチ ルインドール— 1—ィル)スルホ -ル— 1, 2, 4 トリアゾール 20. Og (収率 91. 2%) を含むトルエン溶液を得た。
[0052] 〔参考例 1〕
ビス [1—(N, N ジメチルスルファモイル) 1, 2, 4 トリァゾールー 3 ィル]ジス ルフイドの製造法
ビス [1, 2, 4 トリァゾール— 3—ィル]ジスルフイド 327. lg (l . 634モル)と 1, 2 —ジクロロェタン 1636gの混合物に N, N, Ν', Ν'—テトラメチルエチレンジァミン 1 9. 0g (0. 1634モル)、炭酸ナトリウム 346. 3g (3. 268モル)を加えて 30。Cに昇温、 28〜32°Cの間で N, N ジメチルスルファモイルク口ライド 492. 6g (3. 431モル)を 2時間で滴下し、 28〜32°Cの間で 6時間反応させた。反応後、 1, 2 ジクロ口エタン 2944gをカロえ、この溶液を 35%塩酸 340. 7gと水 3925gの混合物に 20〜25°Cの 範囲で投入した。水層を分液して除きビス [1— (N, N ジメチルスルファモイル) - 1, 2, 4 トリァゾール— 3—ィル]ジスルフイド 629. lgを含む 1, 2 ジクロロエタン 溶液 5548gを得た (液体クロマトグラフィーによる定量分析により、収率 92. 9%)。
[0053] 〔参考例 2〕
3 クロロスルホ-ルー 1— (N, N ジメチルスルファモイル)— 1, 2, 4 トリァゾー ルの製造法
ビス [1—(N, N ジメチルスルファモイル) 1, 2, 4 トリァゾールー 3 ィル]ジ スルフイド 600g (l. 45モル)を含む 1, 2 ジクロロエタン溶液 4800gに水 1800gを 投入して 15。Cに冷却し、メタノール 300gを加えた後、塩素ガス 564. 5g (7. 96モル )を 15〜20°Cの範囲内で 3時間かけて吹き込んだのち、 15〜20°Cで 0. 5時間反応 させた。反応後、分液し、水 1620gでの洗浄 3回を経て、 3 クロロスルホ -ル— 1—
(N, N ジメチルスルファモイル)— 1, 2, 4ートリアゾール 724. 3g (液体クロマトグ ラフィーによる分析で収率 91.1%)を含む 1, 2 ジクロロェタン溶液を得た。
[0054] 〔参考例 3〕
1— (4—フルオロー 2— -トロフエ-ル)アセトンの製造
2, 5 ジフルォ口-トロベンゼン 15. Og (0. 0943モル)、ジメチルスルホキシド 30g の混合溶液に炭酸カリウム 39. lg (0. 283モル)を投入して 50°Cに昇温し、 48〜52 °Cの範囲で室温下、ァセチルアセトン 11. 3g (0. 113モル)を 1時間かけて滴下した 。 48〜52。Cで反応 9. 5時間の後、トルエン 90. 0g、水 30. 0g、メタノール 30. Ogを 投入し、 48〜52°Cの範囲で 9時間反応させた。反応後、室温に冷却し、水 120gを 投入して分液、水 30gで 2回洗浄して、 1— (4—フルオロー 2 -トロフエ-ル)ァセト ン 16. Og (液体クロマトグラフィーによる定量分析で 2, 5 ジフルォ口-トロベンゼン から収率 86. 2%)を含むトルエン溶液を得た。
産業上の利用可能性
[0055] 本発明に従うと、従来安価な製造が困難であったインドール製造等の有用中間体 である 6 フルォロ 2 メチルインドールを 2 -トロフエ-ルアセトン類から容易に 得ることができ、さらにインドール化合物の 3 ハロゲン体や 1 スルホ -ル体を安価 で容易な方法で製造することができるため、工業的な製造方法として非常に優れて いる。