明 細 書
シート状プローブおよびプローブカードならびにウェハの検査方法 技術分野
[0001] 本発明は、回路装置の電気検査に用いられるシート状プローブ、およびプローブ力 ード、ならびにウェハの検査方法に関し、さらに詳しくは、例えばウェハに形成された 複数の集積回路の電気検査をウェハの状態で行うために用いられるシート状プロ一 ブ、およびプローブカード、ならびにウェハの検査方法に関する。
背景技術
[0002] 例えば、多数の集積回路が形成されたウェハや、半導体素子などの電子部品など の回路装置の電気検査では、被検査回路装置の被検査電極のパターンに従って配 置された検査用電極を有するプローブ装置が用いられて ヽる。
従来から、このような装置としてピンもしくはブレードからなる検査用電極 (検査プロ ーブ)が配列されたプローブ装置が使用されて 、る。
[0003] 被検査回路装置が多数の集積回路が形成されたウェハである場合、ウェハ検査用 のプローブ装置を作製するためには、非常に多数の検査プローブを配列することが 必要となるので、プローブ装置は高価になる。
また、被検査電極のピッチが小さい場合には、プローブ装置を作製すること自体が 困難になる。
[0004] さらにウェハには一般に反りが生じており、その反りの状態も製品(ウエノ、)ごとに異 なるため、各ウェハの多数の被検査電極に対して、プローブ装置の検査プローブの それぞれを安定にかつ確実に接触させることは実際上困難である。
このような問題に対応するため、一面に被検査電極のパターンに従って複数の検 查用電極が形成された検査用回路基板の一面上に異方導電性シートを配置し、こ の異方導電性シート上に、絶縁シートにその厚さ方向に貫通して延びる複数の電極 構造体が配列されたシート状プローブを配置したプローブカードが、特許文献 1 (特 開 2001— 15565号公報)および特許文献 2 (特開 2002— 184821号公報)に提案 されている。
[0005] このプローブカードのシート状プローブ 100は図 33に示したように、ポリイミドなどの 榭脂からなる柔軟な円形の絶縁シート 104を有し、この絶縁シート 104には、その厚 さ方向に延びる複数の電極構造体 102が被検査回路装置の被検査電極のパターン に従って配置されている。
また絶縁シート 104の周縁部には、絶縁シート 104の熱膨張を制御するなどの目的 で、例えばセラミックス力もなるリング状の支持部材 106が設けられている。
[0006] この支持部材 106は、絶縁シート 104の面方向の熱膨張を制御し、バーンイン試験 において温度変化による電極構造体 102と被検査電極との位置ずれを防止するた めのものである。
さらに各電極構造体 102は、絶縁シート 104の表面に露出する突起状の表面電極 部 108と、絶縁シート 104の裏面に露出する板状の裏面電極部 110とが、絶縁シート 104をその厚さ方向に貫通して延びる短絡部 112を介して一体に連結された構造に なっている。
特許文献 1 :特開 2001— 15565号公報
特許文献 2 :特開 2002— 184821号公報
特許文献 3:特許第 2828410号公報
特許文献 4:特開 2002— 76074号公報
特許文献 5:特願 2004 - 131764号
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0007] し力しながら、このようなシート状プローブには以下のような問題がある。
例えば直径 8インチ以上のウェハでは、 5000個または 10000個以上の被検查電 極が形成されており、これらの被検査電極のピッチは 300 m以下であり、微細な場 合は 160 m以下である。
このようなウェハの検査を行うためのシート状プローブとしては、ウェハに対応した 大面積を有し、 5000個または 10000個以上の電極構造体が 300 μ m以下のピッチ で配置されたものが必要となる。
[0008] しカゝしウェハを構成する材料の例であるシリコンの線熱膨張係数は、 3. 3 X 10"V
K程度であり、一方シート状プローブの絶縁シートを構成する材料の例であるポリイミ ドの線熱膨張係数は、 4. 5 X 10— 5ΖΚ程度である。
従って、例えば 25°Cにおいてそれぞれ直径が 8インチ(20cm)のウエノ、、シート状 プローブの各々を 25°Cから 125°Cまで加熱した場合には、理論上ウェハの直径の変 ィ匕は 66 μ mにすぎないことになる力 シート状プローブの絶縁シートの直径の変化 は 900 μ mに達し、両者の熱膨張の差は 834 μ mとなる。
[0009] このように、ウェハとシート状プローブの絶縁シートとの間で面方向の熱膨張の絶対 量に大きな差が生じると、絶縁シートの周縁部をウェハの線熱膨張係数と同等の線 熱膨張係数を有する支持部材によって固定しても、バーンイン試験の際に温度変化 による電極構造体と被検査電極との位置ずれを確実に防止することが困難であるた め、良好な電気的接続状態を安定に維持することができない。
[0010] また、検査対象が小型の回路装置であっても、隣接する被検査電極間の離間距離 が 50 m以下である場合には、バーンイン試験の際に温度変化による電極構造体と 被検査電極との位置ずれを確実に防止することは困難であるため、良好な電気的接 続状態を安定に維持することができな 、。
このような問題点に対して特許文献 3 (特許第 2828410号公報)では、図 34に示し たように、絶縁シート 204に張力を作用させた状態でリング状の支持部材 206に固定 することにより、絶縁シート 204の熱膨張を緩和する方法、すなわちリング状の支持部 材 206の熱膨張率 Aと、絶縁シート 204の熱膨張率 Bを同一の熱膨張率に制御する 方法が提案されている。
[0011] しかしながらこの方法では、絶縁シート 204の全ての面方向について張力を均一に 作用させることは極めて困難である。
また電極構造体 202を形成することによって絶縁シート 204に作用する張力のバラ ンスが変化し、その結果、絶縁シート 204は熱膨張について異方性を有するようにな る。
[0012] このため、面方向の一方向の熱膨張を抑制することは可能であっても、この一方向 と交差する他方向の熱膨張を抑制することはできず、結局、温度変化による電極構 造体 202と被検査電極との位置ずれを防止することができない。
また、絶縁シート 204に張力を作用させた状態で支持部材 206に固定するために は、加熱下において絶縁シート 204を支持部材 206に接着するという煩雑な工程が 必要となるため、製造コストの増大を招くという問題がある。
[0013] このため特許文献 4 (特開 2002— 76074号公報)においては、絶縁性フィルムと導 電層とを積層した構造の積層フィルムを、所定の温度でセラミックリング上に張力を持 たせて張り付け、この積層フィルムにバンプホールを形成して電気メツキを行い、バン プホール内にメツキを成長させ表面電極部を形成するとともに導電層を選択的にエツ チングして、裏面電極部を形成して電極構造体を形成して ヽる。
[0014] そして、絶縁性フィルムを選択的にエッチングして、電極構造体の部分を避けてリン グ状に残しパターンを形成して!/ヽる。
なお絶縁性フィルムの張力は、セラミックリングの元に戻ろうとする復元力に比べ非 常に弱いものである。
このため、電極構造体を形成することによって熱膨張について異方性を有する原因 である絶縁シートに作用する張力バランスを変化させ、さらに絶縁性フィルム上に残 しパターンを形成することによって、セラミックリングの復元力に対抗させて 、る。
[0015] また本出願人は、特許文献 5 (特願 2004— 131764号)において、検査対象が直 径 8インチ以上の大面積のウェハや被検査電極のピッチが極めて小さい回路装置で あっても、バーンイン試験において良好な電気的接続状態を安定に維持することが できるプローブカードおよびその製造方法を既に提案している。
すなわち特許文献 5 (特願 2004— 131764号)では、図 35 (a)に示したように、フレ ーム板形成用金属板 302と、このフレーム板形成用金属板 302上に一体的に積層さ れた絶縁層形成用榭脂シート 304とを有する積層体 306を用意し、この積層体 306 の絶縁層形成用榭脂シート 304に貫通孔 308を形成している。
[0016] さらに図 35 (b)に示したように、積層体 306に対してメツキ処理を施すことにより絶 縁層形成用榭脂シート 304の貫通孔 308内に、フレーム板形成用金属板 302に連 結された短絡部 310と、短絡部 310に連結された表面電極部 312を形成している。 そして図 35 (c)に示したように、フレーム板形成用金属板 302をエッチング処理す ることにより、貫通孔 314が形成された金属フレーム板 316を形成し、フレーム板形
成用金属板 302の一部によって、短絡部 310に連結された裏面電極部 318を形成し ている。
[0017] これにより、表面に露出する表面電極部 312と裏面に露出する裏面電極部 318を 有する電極構造体 320とが、柔軟な榭脂よりなる絶縁層 322に保持されてなる接点 膜 324と、この接点膜 324を支持する金属フレーム板 316とから構成されるシート状 プローブ 300が得られるものである。
このような特許文献 5 (特願 2004— 131764号)のシート状プローブ 300では、絶 縁層 322の面方向の熱膨張が金属フレーム板 316によって確実に規制されるので、 検査対象が例えば直径 8インチ以上の大面積のウェハや被検査電極のピッチが極 めて小さい回路装置であっても、バーンイン試験において温度変化による電極構造 体と被検査電極との位置ずれが確実に防止され、良好な電気的接続状態が安定に 維持されるものである。
[0018] しカゝしながら、特許文献 4 (特開 2002— 76074号公報)および特許文献 5 (特願 20 04— 131764号)のいずれの場合であっても、絶縁層 322と、金属フレーム板 316と 、リング状の支持部材 (図示せず)との間の熱膨張率については、何ら考慮されてい ないものである。
従って絶縁層 322と、金属フレーム板 316と、リング状の支持部材(図示せず)の形 成材料が、例えば、
(1) 絶縁層 322が、ポリイミド系榭脂、液晶ポリマーなどの柔軟性を有する榭脂から 構成され、
(2) 金属フレーム板 316力 42合金、インバー、コバールなどの鉄—ニッケル合金 鋼から構成され、
(3) リング状の支持部材 (図示せず)が、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素などのセラ ミックス材料から構成され、
ている場合には、これらの異なる材料の間の熱膨張率を適切な範囲に選択しないと 、バーンイン試験の際に温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれを確 実に防止することが困難となり、良好な電気的接続状態を安定に維持することができ ない。
[0019] さらに図 36 (a)に示したように検査対象のウエノ、 400は、空気環境下にて長時間放 置された場合や、製造工程や検査工程において高温条件下にさらされた場合、図 3 6 (b)に示したように被検査電極 402の表面に酸ィ匕膜 404が形成されることがある。 そして、図 37 (a)に示したように、特許文献 5 (特願 2004— 131764号)に示される ような球形の表面電極部 312からなる電極構造体 320を備えたシート状プローブ 30 0においては、図 37 (b)に示したように、ウェハ 400の表面に形成された酸化膜 404 を破るのが困難であり、ウェハ 400の被検査電極 402とシート状プローブ 300の電極 構造体 320の電気的接続が困難となる場合があった。
[0020] そのため、図 38 (a)および図 38 (b)に示したように、ウェハ 400の被検査電極 402 の表面に形成された酸ィ匕膜 404を接触時に破って、ウェハ 400の被検査電極 402と シート状プローブ 500の電極構造体 504が電気的な接続が容易に達成できるように 、シート状プローブ 500に形成された電極構造体 504の表面電極部 502の先端部形 状を、角錐や円錐台することが考えられる。
[0021] このような円錐台電極は、表面電極部 502における被検査電極 402との接触する 部分の面積が球状電極の場合より小さいため、同一荷重を加えた場合、単位面積当 たりに加えられる荷重量が大きく酸ィ匕膜 404を破るのが容易になる。
現在、ウェハ検査時にカ卩えられる荷重は、 1被検査電極当たり計算して「8gZ電極 」となっている。
[0022] 例えば、球状電極の場合の接触部分の面積が bとして、円錐台電極の場合の接触 部分の面積が 0. 5bなるとすれば、酸ィ匕膜 404を破るための接触時の単位面積当た りの荷重で考えると、円錐台電極での「8gZ電極」の荷重は、球状電極での「16gZ 電極」の荷重に相当する。
そのため、円錐台電極で酸化膜 404が形成された被検査電極 402を有するウェハ 400を検査する場合、検査時に必要な荷重の合計は、円錐台電極の方が小さい圧 力で達成できるため、ウェハ検査装置の加圧機構の小型化が達成でき、さらに小さ な圧力にて検査できることは、異方導電性コネクターの繰り返し使用耐久性の向上を もたらし、結果的に検査コストの低減をもたらすこととなる。
[0023] しかしながら図 39 (a)および図 39 (b)に示したように、シート状プローブ 500に形成
された電極構造体 504の表面電極部 502の先端部形状を角錐や円錐台とした場合 、ウェハ 400の被検査電極 402と接触できる電極構造体 504の先端部の寸法力 表 面電極部の形状が球状の電極構造体 320の場合よりも小さくなる。
このような場合にお 、て、シート状プローブの電極構造体が距離 Aの位置ズレを生 ずると、球状の電極構造体 320では被検査電極と電気的接続が可能であるが、円錐 台の電極構造体 504では被検査電極 402と接触できず電気的接続が不可となる。 そのため、円錐台電極または角錐台電極を備えたシート状プローブは、電極構造体 504の位置ズレ許容量力 、さ 、。
[0024] このため、バーンイン試験の際に温度変化による電極構造体 504と被検査電極 40 2との位置ずれによる接続不良が表面電極部の形状が球状の場合よりも生じやすく なり、良好な電気的接続状態を安定に達成することが困難となりやすい。
従って絶縁層 322と、金属フレーム板 316と、リング状の支持部材(図示せず)の異 なる材料間の熱膨張率の適切な範囲の選択が、バーンイン試験の際に温度変化に よる電極構造体と被検査電極との位置ずれを確実に防止して、良好な電気的接続 状態を安定に維持するために、より重要となる。
[0025] 本発明は、このような現状に鑑み、検査対象が直径 8インチ以上の大面積のウェハ や被検査電極のピッチが極めて小さい回路装置であっても、バーンイン試験におい て温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれを確実に防止し、これによ り良好な電気的接続状態を安定に維持することができるシート状プローブを提供する ことを目的とする。
また本発明は、検査対象が直径 8インチ以上の大面積のウェハや被検査電極のピ ツチが極めて小さい回路装置であっても、バーンイン試験において良好な電気的接 続状態を安定に維持することができるプローブカード、およびこれを備えた回路装置 の検査装置ならびにウェハ検査方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0026] 本発明は、前述したような従来技術における課題及び目的を達成するために発明 されたものであって、
本発明のシート状プローブは、
絶縁層と、
前記絶縁層の面方向に互いに離間して配置され、さらに前記絶縁層の厚み方向に 貫通して伸びる複数の電極構造体を備えた接点膜を有し、
前記電極構造体の各々は、
前記絶縁層の表面に露出し、さらに前記絶縁層の表面力 突出する表面電極部と 前記絶縁層の裏面に露出する裏面電極部と、
前記表面電極部の基端から連続して前記絶縁層をその厚み方向に貫通して伸び 、前記裏面電極部に連結された短絡部とよりなるとともに、
前記短絡部の上端部分と前記表面電極部の基端部分との径が異なるよう肩部が設 けられ、
前記接点膜は、
貫通孔が形成された金属フレーム板の貫通孔の周縁部に支持され、
前記金属フレーム板の外周縁に前記絶縁層とは離間してリング状の支持部材が設 けられて 、るシート状プローブであって、
前記絶縁層の熱線膨張係数を H 1とし、
前記金属フレーム板の熱線膨張係数を H2とし、
前記リング状の支持部材の熱線膨張係数を H3としたとき、下記の条件(1)〜(3)、 すなわち、
条件(1) :H1 = 0. 8 X 10— 5〜8 X 10— 5ZK
条件(2): H2/HK 1
条件(3): H3/HK 1
を満足することを特徴とする。
また、本発明のシート状プローブは、
前記金属フレーム板の熱線膨張係数を Η2と、前記リング状の支持部材の熱線膨 張係数を Η3が、下記の条件 (4)、すなわち、
条件(4): Η3/Η2 = 0. 02〜50
を満足することを特徴とする。
[0028] このようなシート状プローブによれば、金属フレーム板の貫通孔に接点膜を支持し ているので、貫通孔に配置される接点膜の面積を小さくすることができる。
例えば、検査対象である回路装置の被検査電極が形成された電極領域に対応し て、複数の貫通孔を形成した金属フレーム板を用いれば、これらの各貫通孔に配置 され、その周縁部で支持されるそれぞれの接点膜の面積を大幅に小さくすることがで きる。
[0029] このような面積の小さい接点膜は、その絶縁層の面方向の熱膨張の絶対量が小さ いため、絶縁層の熱膨張を金属フレーム板によって確実に規制することが可能となる また、絶縁層の熱線膨張係数 HIと、金属フレーム板の熱線膨張係数 H2と、リング 状の支持部材の熱線膨張係数 H3とを、上記のような条件(1)〜 (4)を満足するよう にこれらの部材の間の熱膨張率を設定することによって、これら部材の熱膨張率の相 違による影響、すなわち温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれを抑 えることができる。
[0030] 従って、検査対象が例えば直径 8インチ以上の大面積のウェハや被検査電極のピ ツチが極めて小さい回路装置であつても、バーンイン試験の際に温度変化による電 極構造体と被検査電極との位置ずれが確実に防止されるため、良好な電気的接続 状態を安定して維持することができる。
また、肩部を設けることにより、電極構造体の表面電極部を小さくすることができると ともに、肩部より下方の短絡部部分を大径とすることによって、貫通孔と電極構造体と の接触面積が増大し、貫通孔より電極構造体が抜け落ちることを防止することができ る。
[0031] また、本発明のシート状プローブは、
前記金属フレーム板の熱線膨張係数 H2が、下記の条件(5)、すなわち、 条件(5): H2=— 1 X 10— 7〜3 X 10— 5ZK
を満足することを特徴とする。
このように、金属フレーム板の熱線膨張係数 Η2を、上記のような条件(5)を満足す るように、これらの部材間の熱膨張率を設定することによって、絶縁層と、金属フレー
ム板と、リング状の支持部材の熱膨張率の相違による影響、すなわち温度変化による 電極構造体と被検査電極との位置ずれをさらに抑えることができる。
[0032] また、本発明のシート状プローブは、
前記リング状の支持部材の熱線膨張係数 H3が、下記の条件 (6)、すなわち、 条件(6): H3=— 1 X 10— 7〜3 X 10— 5ZK
を満足することを特徴とする。
このように、リング状の支持部材の熱線膨張係数 Η3を、上記のような条件 (6)を満 足するように、これらの部材の間の熱膨張率を設定することによって、絶縁層と、金属 フレーム板と、リング状の支持部材の熱膨張率の相違による影響、すなわち温度変 化による電極構造体と被検査電極との位置ずれをさらに抑えることができる。
[0033] また、本発明のシート状プローブは、
前記肩部に、前記絶縁層の面方向の外方に伸びる保持部が設けられていることを 特徴とする
このように肩部に保持部が設けられていれば、電極構造体が不意に抜落してしまう ことを防止することができる。
[0034] また、本発明のシート状プローブは、
前記肩部に設けられた前記保持部が、前記絶縁層内に埋没状態となるように、前 記電極構造体が設けられて!/ヽることを特徴とする。
このように構成することによって、電極構造体と貫通孔との接触面積を確保すること により、電極構造体が貫通孔より脱落してしまうことを防止することができる。
[0035] また、本発明のシート状プローブは、
前記肩部に設けられた前記保持部が、前記絶縁層の表面と略同一となるように、前 記電極構造体が設けられて!/ヽることを特徴とする。
このように肩部に設けられた保持部が絶縁層の表面と略同一となるように電極構造 体が設けられていても、肩部より下方の短絡部を大径とすれば、貫通孔と電極構造 体との接触面積を十分確保することができ、電極構造体が貫通孔より脱落してしまう ことを防止することができる。
[0036] また、本発明のシート状プローブは、
前記肩部に設けられた前記保持部が、前記絶縁層内に一部埋没となるように、前 記電極構造体が設けられて!/ヽることを特徴とする。
このように肩部に設けられた保持部が絶縁層に一部埋没となるように電極構造体が 設けられていても、肩部より下方の短絡部を大径とすれば、貫通孔と電極構造体との 接触面積を十分確保することができ、電極構造体が貫通孔より脱落してしまうことを 防止することができる。
[0037] また、本発明のシート状プローブは、
前記金属フレーム板が、
複数の貫通孔が形成され、これらの各貫通孔に前記接点膜が支持されていること を特徴とする。
このように構成することによって、金属フレーム板には、検査対象である回路装置の 被検査電極が形成された電極領域に対応して複数の貫通孔が形成されており、これ らの貫通孔の各々に配置される接点膜は面積の小さいものでよぐ面積の小さい接 点膜は、その絶縁層の面方向の熱膨張の絶対量が小さいため絶縁層の熱膨張を金 属フレーム板によって確実に規制することが可能となる。
[0038] 従って、検査対象が例えば直径 8インチ以上の大面積のウェハや被検査電極のピ ツチが極めて小さい回路装置であっても、バーンイン試験において温度変化による 電極構造体と被検査電極との位置ずれが確実に防止され、その結果良好な電気的 接続状態を安定して維持することができる。
また、本発明のシート状プローブは、
前記リング状の支持部材が、
検査装置本体の検査電極が設けられた側に形成された位置合わせ部に係合する ことにより、検査装置の検査電極と絶縁層に形成された電極構造体が位置合わせさ れるように構成されて 、ることを特徴とする。
[0039] このように構成することにより、シート状プローブの検査装置本体への着脱が容易で あり、し力もその位置を確実に固定することができ、位置ずれが確実に防止され、そ の結果良好な電気的接続状態を安定して維持することができる。
また、本発明のシート状プローブは、
前記シート状プローブが、
ウェハに形成された複数の集積回路について、集積回路の電気検査をウェハの状 態で行うために用いられるものであることを特徴とする。
このように本発明のシート状プローブは、ウェハに形成された複数の集積回路につ V、て、集積回路の電気検査をウェハの状態で行うために好適に用いることができる。 また、本発明のシート状プローブの製造方法は、
絶縁性シートの表面に表面側金属層、裏面に第 1裏面側金属層が形成された積層 体を準備する工程と、
前記積層体に、前記表面側金属層に形成すべき電極構造体のパターンに対応す るパターンに従って、第 1裏面側金属層側から、表面電極部形成用凹所を形成する 工程と、
前記積層体の前記表面電極部形成用凹所を、第 1裏面側金属層側から覆うように レジストパターンを形成する工程と、
前記積層体の前記第 1裏面側金属層のレジストパターン以外の露出した部分をェ ツチング処理することにより前記表面電極部形成用凹所の周縁部に前記第 1裏面側 金属層が一部残存した状態とする工程と、
前記表面電極部形成用凹所の上から絶縁層と第 2裏面側金属層を形成すること〖こ より前記表面電極部形成用凹所が前記絶縁層に塞がれて空洞状態とする工程と、 前記絶縁層に前記表面電極部形成用凹所よりも大きな電極構造体形成用の開口 部を形成する工程と、
前記電極構造体形成用の開口部に電気メツキを行って電極構造体部分を形成す る工程と、
前記第 2裏面側金属層を金属フレーム板部分と電極構造体とに分離する工程と、 前記絶縁性シートにエッチング処理を施して絶縁性シートの厚みを薄くすることによ り、前記電極構造体の表面電極部部分を突出させるとともに、前記表面電極部形成 用凹所の周縁部に一部残存した前記第 1裏面側金属層を、前記絶縁性シート内に 埋没状態とする工程と、
前記金属フレーム板の外周縁に前記絶縁層とは離間してリング状の支持部材を設
ける工程と、を含むことを特徴とする。
[0041] また、本発明のシート状プローブの製造方法は、
前記第 1裏面側金属層を前記絶縁性シート内に埋没状態とする工程において、 前記第 1裏面側金属層が、前記絶縁層の表面と略同一となるようにすることを特徴 とする。
また、本発明のシート状プローブの製造方法は、
前記第 1裏面側金属層を前記絶縁性シート内に埋没状態とする工程において、 前記第 1裏面側金属層が、前記絶縁層に一部埋没状態となるようにすることを特徴 とする。
[0042] また、本発明のシート状プローブの製造方法は、
絶縁性シートの表面に表面側金属層、裏面に第 1裏面側金属層が形成された積層 体を準備する工程と、
前記積層体に、前記表面側金属層に形成すべき電極構造体のパターンに対応す るパターンに従って、前記第 1裏面側金属層側から、表面電極部形成用凹所を形成 する工程と、
前記表面電極部形成用凹所の上から絶縁層と第 2裏面側金属層を形成すること〖こ より前記表面電極部形成用凹所が前記絶縁層に塞がれて空洞状態とする工程と、 前記絶縁層に前記表面電極部形成用凹所よりも大きな電極構造体形成用の開口 部を形成することにより、前記表面電極部形成用凹所と前記開口部との間に肩部を 設ける工程と、
前記電極構造体形成用の開口部に電気メツキを行って電極構造体部分を形成す る工程と、
前記第 2裏面側金属層を金属フレーム板部分と電極構造体とに分離する工程と、 前記絶縁性シートにエッチング処理を施して絶縁性シートの厚みを薄くすることによ り、前記電極構造体の表面電極部部分を突出させるとともに、前記肩部が前記絶縁 性シート内に埋没状態とする工程と、
前記金属フレーム板の外周縁に前記絶縁層とは離間してリング状の支持部材を設 ける工程と、を含むことを特徴とする。
[0043] また、本発明のシート状プローブの製造方法は、
前記肩部が前記絶縁性シート内に埋没状態とする工程において、
前記肩部が前記絶縁層の表面と略同一となるようにすることを特徴とする。 また、本発明のプローブカードは、
検査対象である回路装置の被検査電極に対応する検査電極が表面に形成された 検査用回路基板と、
この検査用回路基板上に配置される異方導電性コネクターと、
この異方導電性コネクター上に配置される上記のいずれかに記載のシート状プロ 一ブとを備えることを特徴とする。
[0044] また、本発明の回路装置の検査装置は、
上記のプローブカードを備えることを特徴とする。
また、本発明のウェハの検査方法は、
複数の集積回路が形成されたウェハの各集積回路を、上記のプローブカードを介 してテスターに電気的に接続し、各集積回路の電気検査を行うことを特徴とする。 発明の効果
[0045] 本発明のシート状プローブによれば、金属フレーム板の貫通孔に接点膜を支持し ているので、貫通孔に配置される接点膜の面積を小さくすることができる。
例えば、検査対象である回路装置の被検査電極が形成された電極領域に対応し て複数の貫通孔を形成した金属フレーム板を用いれば、これらの各貫通孔に配置さ れ、その周縁部で支持されるそれぞれの接点膜の面積を大幅に小さくすることができ る。
[0046] このような面積の小さい接点膜は、その絶縁層の面方向の熱膨張の絶対量が小さ いため、絶縁層の熱膨張を金属フレーム板によって確実に規制することが可能となる また絶縁層の熱線膨張係数 HIと、金属フレーム板の熱線膨張係数 H2と、リング状 の支持部材の熱線膨張係数 H3とを、上記のような条件(1)〜 (4)を満足するように、 これらの部材間の熱膨張率を設定することによって、これらの部材の熱膨張率の相 違による影響、すなわち温度変化による電極構造体と被検査電極との位置ずれを抑
えることができる。
[0047] 従って、検査対象が例えば直径 8インチ以上の大面積のウェハや被検査電極のピ ツチが極めて小さい回路装置であつても、バーンイン試験の際に温度変化による電 極構造体と被検査電極との位置ずれが確実に防止されるため、良好な電気的接続 状態を安定して維持することができる。
また、肩部を設けることにより、電極構造体の表面電極部を小さくすることができると ともに、肩部より下方の短絡部部分を大径とすることによって、貫通孔と電極構造体と の接触面積が増大し、貫通孔より電極構造体が抜け落ちることを防止することができ る。
[0048] さらに、絶縁層に一部または全部が埋没した保持部を設けることにより、バーンイン 試験等にお 1ヽて繰り返し試験を行った場合にお 、ても、保持部の変形が抑制され、 保持部が絶縁層より剥離することが抑制される。
これにより電極構造体の絶縁層力もの脱落を更に抑制でき、シート状プローブの耐 久性が更に高いものとなる。
図面の簡単な説明
[0049] [図 1]図 1は、本発明のシート状プローブの実施例を示した図であり、図 1 (a)は平面 図、図 1 (b)は図 1 (a)の X— X線による断面図である。
[図 2]図 2は、図 1のシート状プローブの接点膜を拡大して示した平面図である。
[図 3]図 3は、図 2の X—X線による部分断面図である。
[図 4]図 4は、シート状プローブの金属フレーム板の形状を説明する平面図である。
[図 5]図 5は、本発明のシート状プローブの別の実施例を示した図であり、図 5 (a)は 平面図、図 5 (b)は図 5 (a)の X—X線による断面図である。
[図 6]図 6は、本発明のシート状プローブの別の実施例を示した図であり、図 6 (a)は 平面図、図 6 (b)は図 6 (a)の X—X線による断面図である。
[図 7]図 7は、本発明のシート状プローブの別の実施例を示した図であり、図 7 (a)は 平面図、図 7 (b)は図 7 (a)の X—X線による断面図である。
[図 8]図 8は、シート状プローブの製造方法を説明する断面図である。
[図 9]図 9は、シート状プローブの製造方法を説明する断面図である。
[図 10]図 10は、シ -ト状プロ -ブの製造方法を説明する断面図である。
[図 11]図 11は、シ -ト状プロ -ブの製造方法を説明する断面図である。
[図 12]図 12は、シ -ト状プロ -ブの製造方法を説明する断面図である。
[図 13]図 13は、シ -ト状プロ -ブの製造方法を説明する断面図である。
[図 14]図 14は、シ -ト状プロ -ブの製造方法を説明する断面図である。
[図 15]図 15は、シ -ト状プロ -ブの製造方法を説明する断面図である。
[図 16]図 16は、シ -ト状プロ -ブの他の製造方法を説明する断面図である。
[図 17]図 17は、シ -ト状プロ -ブの他の製造方法を説明する断面図である。
[図 18]図 18は、シ -ト状プロ -ブの他の製造方法を説明する断面図である。
[図 19]図 19は、シ -ト状プロ -ブの他の製造方法を説明する断面図である。
[図 20]図 20は、シ -ト状プロ -ブの他の製造方法を説明する断面図である。
[図 21]図 21は、シ -ト状プロ -ブの他の製造方法を説明する断面図である。
[図 22]図 22は、シ -ト状プロ -ブの他の製造方法を説明する断面図である。
[図 23]図 23は、シ -ト状プロ -ブの他の製造方法を説明する断面図である。
[図 24]図 24は、シ -ト状プロ -ブの他の製造方法を説明する断面図である。
[図 25]図 25は、シ -ト状プロ -ブの他の製造方法を説明する断面図である。
[図 26]図 26は、シ -ト状プロ -ブの他の製造方法を説明する断面図である。
[図 27]図 27は、シ -ト状プロ -ブの他の製造方法を説明する断面図である。
[図 28]図 28は、シ -ト状プロ -ブに金属フレーム板の取り付け方法を説明する断面 図である。
[図 29]図 29は、本発明の回路装置の検査装置およびそれに用いられるプローブ力 ードの実施例を示した断面図である。
[図 30]図 30は、図 29のプローブカードにおける組み立て前後の各状態を示した断 面図である。
[図 31]図 31は、図 29のプローブカードの要部構成を示した断面図である。
圆 32]図 32は、比較例におけるシート状プローブの製造方法を説明する断面図であ る。
[図 33]図 33は、従来のシート状プローブの断面図である。
[図 34]図 34は、従来のシート状プローブの断面図である。
[図 35]図 35は、従来のシート状プローブの製造方法の概略を示した断面図である。
[図 36]図 36は、ウェハの被検査電極に酸化膜が形成される状況を説明する概略断 面図である。
[図 37]図 37は、従来のシート状プローブをウェハの被検査電極に接触させた状態を 説明する概略断面図である。
[図 38]図 38は、従来のシート状プローブをウェハの被検査電極に接触させた状態を 説明する概略断面図である。
[図 39]図 39は、従来のシート状プローブの電極構造体とウェハの被検査電極との位 置ずれにつ 、て説明する概略断面図である。
符号の説明
1·· 'プローブカード
2" '支持部材
3·· •加圧板
4·· •ウェハ載置台
5·· '加熱器
Ό · · •ウエノヽ
7" ,検査用電極
9·· •接点膜
10·· 'シート状プローブ
10A- '.積層体
10B- '積層体
10C- '積層体
10K- ··表面電極部形成用凹所
11A- '·絶縁性シート
11H' • ·貝通孑し
12·· •貫通孔
12A- '·レジスト膜
Η··パターン孔
···レジストパターン···電極構造体a,,表面電極部b,,裏面電極部
C,,短絡部
(1··肩部
e,,保持部
Η··開口部
Α··表面側金属層Α··第 2裏面側金属層Η··パターン孔
···絶縁層
Α··絶縁層
Η··貫通孔
Α··第 1裏面側金属層Η·· /《ターン孑し
···検査用回路基板···検査電極
···電極構造体部分···支持部
···金属フレーム板Α··レジスト膜
Β··レジスト膜
Η··パターン孔
Α··レジスト膜
Η··ノ《ターン孑し
···異方導電性コネクター
31··•フレーム板
32·· •検査用電極
34A •レジスト膜
35·· '異方導電性シート
36·· •導電部
36a- •導電性粒子
37·· •絶縁部
38·· •突出部
40A '保護フィルム
50·· 'ガイドピン
70·· •積層体
72·· •表面側金属層
74·· •裏面側金属層
76·· •裏面側金属層
78·· '絶縁性シート
80··養層
82·· •電極構造体形成用凹所
84·· •保持部
86·· •裏面電極部
88·· •支持部
100·· 'シート状プローブ
102·· •電極構造体
104·· '絶縁シート
106·· '支持部材
108·· •表面電極部
110·· •裏面電極部
112·· •短絡部
202·· •電極構造体
204·· '絶縁シート
206·· '支持部材
300·· 'シート状プローブ
302·· 'フレーム板形成用金属板
304·· '絶縁層形成用榭脂シート
306·· •積層体
308·· •貫通孔
310·· •短絡部
312·· •表面電極部
314·· •貫通孔
316·· '金属フレーム板
318·· •裏面電極部
320·· •電極構造体
322·· '絶縁層
324·· •接点膜
400·· •ウェハ
402·· '被検査電極
404·· '酸化膜
500·· 'シート状プローブ
502·· •表面電極部
504·· •電極構造体
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態 (実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。 なお、添付した各図面は説明用のものであり、その各部の具体的なサイズ、形状な どは本明細書の記載、および従来技術に基づいて当業者に理解されるところによる
1.シート状プローブについて:
図 1は、本発明のシート状プローブの実施例を示した図であり、図 1(a)は平面図、
図 1 (b)は X— X線による断面図、図 2は、図 1のシート状プローブの接点膜を拡大し て示した平面図、図 3は、図 2の X—X線による部分断面図である。
[0052] 本実施形態のシート状プローブは、複数の集積回路が形成された 8インチなどのゥ ェハについて、各集積回路の電気検査をウェハの状態で行うために用いられる。 このシート状プローブ 10は、図 1 (a)および図 2に示したように、被検査対象である ウェハ上の各集積回路に対応する各位置に貫通孔 12が形成された金属フレーム板 25を有し、この貫通孔 12内には接点膜 9が配置されている。また接点膜 9は、金属フ レーム板 25の貫通孔 12の縁部に、支持部 24で支持されている。
[0053] さらに図 1 (b)および図 3に示したように、この支持部 24では榭脂製の絶縁層 18が 金属フレーム板 25上に支持されて 、る。
また接点膜 9は、柔軟な絶縁層 18に電極構造体 15が貫通形成された構造になつ ている。
すなわち、絶縁層 18の厚さ方向に延びる複数の電極構造体 15が、検査対象であ るウェハの被検査電極に対応するパターンに従って絶縁層 18の面方向に互いに離 間して配置されている。
[0054] このような電極構造体 15は図 3に示したように、絶縁層 18の表面に露出する突起 状の表面電極部 15aと、絶縁層 18の裏面に露出する板状の裏面電極部 15bと、絶 縁層 18の厚さ方向に貫通して延びる短絡部 15cとが一体ィ匕した構造になって 、る。 さらに短絡部 15cの上端部分と表面電極部 15aの基端部分との間には、短絡部 15 cの上端部分と表面電極部 15aの基端部分との径が異なるように肩部 15dが設けら れている。
[0055] この肩部 15dには、絶縁層 18の面方向の外方に伸びる保持部 15eが設けられてお り、保持部 15eは絶縁層 18内に埋没状態となって!/、る。
なお、本実施例において肩部 15dには保持部 15eが形成されている力 この保持 部 15eは必須のものではなぐ後に説明する本発明の他の実施例のように保持部の な 、状態でもよ 、ものである。
[0056] さらに肩部 15dは、保持部 15eがない状態において絶縁層 18内に埋没状態であつ ても、また絶縁層 18の表面と略同一となるような状態であってもよぐ特に限定されな
いものである。
また、このようなシート状プローブ 10は、周縁部に剛性を有する平板リング状の支 持部材 2が設けられている。
<金属フレーム板 >
金属フレーム板 25は、線熱膨張係数が 3 X 10—5ΖΚ以下のものを用いることが好ま しぐより好ましくは一 1 X 10— 7〜1 X 10— 5Ζ :、特に好ましくは一 1 X 10— 6〜8 Χ 10— 6 /Κである。
[0057] また金属フレーム板 25を構成する材料の具体例としては、インバーなどのインバー 型合金、エリンバーなどのエリンバー型合金、スーパーインバー、コバール、 42合金 などの合金または合金鋼、モリブデン、モリブデン合金または合金鋼が挙げられる。 さらに金属フレーム板 25の厚みは、 3〜 150 mであることが好ましぐより好ましく は 5〜: LOO /z mである。
[0058] この厚みが過小である場合には、シート状プローブ 10を支持する金属フレーム板 2
5として必要な強度が得られな 、ことがある。
一方、この厚みが過大である場合には、後述する製造方法において、エッチング処 理によって第 2裏面側金属層 17Aより金属フレーム板 25と裏面電極部 15bに分離す ることが困難となることがある。
[0059] なお図 1に示した実施例では、図 4 (a)に示したように被検査対象であるウェハ上の 各集積回路に対応する各位置に、複数個の貫通孔 12が形成された金属フレーム板
25を形成し、これらの貫通孔 12にそれぞれ絶縁層 18を互いに隔離するように形成し ている。
し力しながら、図 5に示したように(図 5 (a)は平面図、図 5 (b)は X—X線による断面 図である)、絶縁層 18を一体ィ匕し、連続した 1つの支持部 24としてもよぐ図 6に示し たように(図 6 (a)は平面図、図 6 (b)は X—X線による断面図である)、絶縁層 18を複 数の接点膜 9を含むように分割し(同図では 4分割)、複数の接点膜 9について連続し た支持部 24を形成するようにしてもょ 、。
[0060] さらに、図 4 (b)に示したように、中央に一つ大径の貫通孔 12を形成したリング形状 の金属フレーム板 25を形成し、図 7に示したように(図 7 (a)は平面図、図 7 (b)は X—
X線による断面図である)、この貫通孔 12に絶縁層 18を一体ィ匕し、連続した 1つの支 持部 24として、この絶縁層 18に被検査対象であるウェハ上の各集積回路に対応す る各位置に複数個の電極構造体 15を形成するようにすることも可能である。
[0061] このように金属製の金属フレーム板 25から構成されることによって、使用する際に 必要な機械的強度が得られ、繰り返し使用に対しても耐久性が高くなる。
また、金属フレーム板 25の厚さは 3〜150 mであることが好ましぐより好ましくは 5〜: LOO /z mである。
この厚さが過小である場合には、接点膜 9を支持する金属フレーム板 25として必要 な強度が得られな 、ことがある。
[0062] このような範囲に金属フレーム板 25の厚さを設定することによって、絶縁層 18、金 属フレーム板 25、リング状の支持部材 2の熱膨張率の相違による影響、すなわち温 度変化による電極構造体 15と被検査電極との位置ずれをさらに抑えることができる。 <絶縁層 >
絶縁層 18としては、柔軟性を有する榭脂膜が用いられる。
[0063] 絶縁層 18の形成材料としては、電気的絶縁性を有する榭脂材料であれば特に限 定されるものではないが、例えばポリイミド系榭脂、液晶ポリマー、およびこれらの複 合材料を用いることができる。
また、ポリイミドにより絶縁層 18を形成する場合は、熱硬化性のポリイミド、熱可塑性 のポリイミド、感光性のポリイミド、ポリイミド前駆体を溶媒に希釈したポリイミドのワニス
、溶液などを用いて形成することが好ましい。
[0064] さらに絶縁層 18の厚さは、良好な柔軟性を得る点などから 5〜 150 mであること が好ましぐより好ましくは 7〜: LOO μ m、さらに好ましくは 10〜50 μ mである。
<電極構造体 >
電極構造体 15の材料としては、例えばニッケル、鉄、銅、金、銀、ノ ラジウム、鉄、 コバルト、タングステン、ロジウム、またはこれらの合金もしくは合金鋼などが挙げられ る。
[0065] また電極構造体 15は、全体を単一の金属もしくは合金で形成してもよぐ 2種以上 の金属もしくは合金を積層して形成してもよい。
さらに表面に酸ィ匕膜が形成された被検査電極について電気検査を行う場合には、 シート状プローブ 10の電極構造体 15と被検査電極を接触させ、電極構造体 15の表 面電極部 15aにより被検査電極の表面の酸化膜を破壊して電極構造体 15と被検査 電極との電気的接続を行うことが必要である。
[0066] このため電極構造体 15の表面電極部 15aは、酸ィ匕膜を容易に破壊することかでき る程度の硬度を有して 、ることが望ま 、。
このような表面電極部 15aを得るために、表面電極部 15aを形成する金属中に硬度 の高 、粉末物質を含有させることができる。
このような粉末物質としては、例えばダイヤモンド粉末、窒化シリコン、炭化シリコン
、セラミックス、ガラスを挙げることができる。
[0067] これらの非導電性の粉末物質を適量含有させることにより電極構造体 15の導電性 を損なうことなく、電極構造体 15の表面電極部 15aにより被検査電極の表面に形成 された酸ィ匕膜を破壊することができる。
また、被検査電極の表面の酸化膜を容易に破壊するために、電極構造体 15の表 面電極部 15aの形状を鋭利な突起状とするとよぐまた表面電極部 15aの表面に微 細な凹凸を形成してもよい。
[0068] このように、表面電極部 15aの形状は必要に応じて適宜の形状としてよいものであ る。
また 1つの接点膜 9には、ウェハ上の集積回路の被検査電極の数にもよる力 例え ば数十個以上の電極構造体 15が形成される。
まず表面電極部 15aは、先端の径 R1から基端部の径 R2に従って径が広くなる円 錐台形状で絶縁層 18Aの表面力 突出して 、る。
[0069] 次いで、短絡部 15cは、表面電極部 15aの基端部の径 R2より若干広い径で、先端 の径 R3を有し、さらに基端部の径 R4に従って径が広くなる円錐台形状である。 また、短絡部 15cの基端部には、矩形で径 R5を有する裏面電極部 15bが設けられ ている。この裏面電極部 15bは、絶縁層 18Aから突出して形成されている。
さらに、表面電極部 15aの基端部と短絡部 15cの基端部との間には、径の大きさの 差異により肩部 15dが形成されている。
[0070] この肩部 15dの上には、絶縁層 18Aの面方向の外方に伸びる矩形状の保持部 15 eが設けられている。
さらに、形状が矩形の保持部 15eが、肩部 15d上に形成されている。保持部 15eの 径 R6は、短絡部 15cの先端の径 R3よりも広 、径で設けられて 、る。
なお、上記の説明において、裏面電極部 15bおよび保持部 15eは矩形であるため 、縦横の寸法のうち短手方向の寸法を、それぞれ径 R5、 R6として説明している。
[0071] このように、表面電極部 15aから裏面電極部 15bに至る径 R1から R5は、表面電極 部 15aの先端の径 R1から基端部の径 R2、さらに短絡部 15cの先端の径 R3から基端 部の径 R4、裏面電極部 15bの径 R5の順に大径となり、次の関係を満たしている。 RKR2<R3<R4<R5
また、保持部 15eの径 R6は、好ましくは次の関係を満たしている。
R3<R6<R5
このような、電極構造体 15が、絶縁層 18Aの上下に貫通するとともに、一定の配置 ピッチ Pで形成されている。
[0072] なお、上記の説明では、裏面電極部 15bを矩形状で説明したが、その他の形状、 例えば円形状、楕円形状などとすることももちろん可能である。
<支持部材>
支持部材 2の材料としては、インバー、スーパーインバーなどのインバー型合金、ェ リンバーなどのエリンバー型合金、コバール、 42ァロイなどの低熱膨張金属材料、ァ ルミナ、炭化珪素、窒化珪素などのセラミックス材料が挙げられる。
[0073] また、支持部材 2の厚さとしては、好ましくは 2mm以上であるのが望まし 、。
このような範隨こリング状の支持部材 2の厚さを設定することによって、金属フレー ム板 25と支持部材 2の熱膨張率の相違による影響、すなわち温度変化による電極構 造体 15と被検査電極との位置ずれをさらに抑えることができる。
このような支持部材 2の剛性でシート状プローブ 10を支持することで、後述のプロ ーブカードにぉ 、て、例えば支持部材 2に形成した孔とプローブカードに設けられた ガイドピンとを係合させること、あるいは支持部材 2とプローブカード周縁部に設けら れた周状の段差部とを嵌め合わせることにより、シート状プローブ 10の接点膜 9に設
けられた電極構造体 15を、被検査物の被検査電極ゃ異方導電性コネクターの導電 部と容易に位置合わせすることができる。
[0074] さらに、繰り返し検査に使用する場合においても、被検査物への張り付きや電極構 造体 15の所定位置からの位置ずれを確実に防止できる。
<被覆膜 >
電極構造体 15の裏面電極部 15bには必須ではないが被覆膜 (図示せず)が備えら れても良い。
[0075] なお、被覆膜(図示せず)は、例えば裏面電極部 15bの材料が化学的に安定して V、な 、場合や導電性が不十分な場合に設けると良 、。
材質としては化学的に安定な金、銀、ノラジウム、ロジウムなどの高導電性金属を 用!/、ることができる。
また、電極構造体 15の表面電極部 15aにも金属被覆膜を形成することができ、例 えは被検査電極が半田材料より形成されている場合には、この半田材料が拡散する ことを防止する点から、銀、ノラジウム、ロジウムなどの耐拡散性金属で表面電極部 1 5aを被覆することが望ま 、。
[0076] ところで本発明のシート状プローブ 10では、これらの絶縁層 18、金属フレーム板 2 5、リング状の支持部材 2との熱線膨張係数を、下記のような条件に制御することによ つて、温度変化による電極構造体 15と被検査電極との位置ずれを抑えるようになつ ている。
本発明のシート状プローブ 10では、
絶縁層 18の熱線膨張係数を H 1とし、
金属フレーム板 25の熱線膨張係数を H2とし、
リング状の支持部材 2の熱線膨張係数を H3としたとき、下記の条件(1)〜(3)、す なわち、
条件(1) :H1 = 0. 8 X 10— 5〜8 X 10— 5ZK
条件(2): H2/HK 1
条件(3): H3/HK 1
を満足するように設定して 、る。
[0077] さらに本発明のシート状プローブ 10は、金属フレーム板 25の熱線膨張係数を H2と
、リング状の支持部材 2の熱線膨張係数を H3が、下記の条件 (4)、すなわち、 条件(4): H3/H2 = 0.02〜50
を満足するように設定して 、る。
このような条件を満足するように、絶縁層 18、金属フレーム板 25、リング状の支持 部材 2の材料の組み合わせを適切に選択することによって、温度変化による電極構 造体 15と被検査電極との位置ずれを抑えることができる。
[0078] なお、このような絶縁層 18、金属フレーム板 25、リング状の支持部材 2の材料の組 み合わせは、上記の条件(1)〜 (4)を満足するものであれば良ぐ特に限定されるも のではない。
このような組み合わせとしては、例えば以下の熱線膨張係数を有する材料、すなわ ち、(a)絶縁層 18 HI:
ポリイミド=約 5X10— 5Ζκ
(b)金属フレーム板 25 H2:
42ァロイ =約 5 X 10—ソ K
インバー合金 =1.2Χ10"6/Κ
エリンバー合金 =8X 10— 6Ζκ
コバール合金 =5Χ 10— 5ΖΚ
ステンレス不変鋼 =±0.1 X 10" VK
(c)支持部材 2 H3:
窒化ケィ素 =3.5Χ10"6/Κ
炭化ケィ素 =4X10— 6Ζκ
インバー合金 =1.2Χ10"6/Κ
ステンレス不変鋼 =±o.1 X 10" VK
力ら選択することができる。
[0079] このようにして、絶縁層 18の熱線膨張係数 HIと、金属フレーム板 25の熱線膨張係 数 H2と、リング状の支持部材 2の熱線膨張係数 H3とを、上記のような条件(1)〜(4) を満足するように、これらの部材間の熱膨張率を設定することによって、これら部材の
熱膨張率の相違による影響、すなわち温度変化による電極構造体 15と被検査電極 との位置ずれを抑えることができる。
[0080] また本発明のシート状プローブ 10では、金属フレーム板 25の熱線膨張係数 H2が 、下記の条件(5)、すなわち、
条件(5): H2=— 1 X 10— 7〜3 X 10— 5ZKを満足するように設定するのが好ましい。 このように金属フレーム板 25の熱線膨張係数 Η2を、上記のような条件(5)を満足 するように、これらの部材間の熱膨張率を設定することによって、絶縁層 18、金属フ レーム板 25、リング状の支持部材 2の熱膨張率の相違による影響、すなわち温度変 化による電極構造体 15と被検査電極との位置ずれをさらに抑えることができる。
[0081] また本発明のシート状プローブ 10では、リング状の支持部材 2の熱線膨張係数 Η3 力 下記の条件 (6)、すなわち、
条件(6): Η3 =— 1 X 10—7〜3 X 10—5ΖΚを満足するように設定するのが好ましい。 このようにリング状の支持部材 2の熱線膨張係数 Η3を、上記のような条件 (6)を満 足するように、これらの部材間の熱膨張率を設定することによって、絶縁層 18、金属 フレーム板 25、リング状の支持部材 2の熱膨張率の相違による影響、すなわち温度 変化による電極構造体 15と被検査電極との位置ずれをさらに抑えることができる。
[0082] このようなシート状プローブ 10によれば、金属フレーム板 25の貫通孔 12に接点膜 9を支持しているので、貫通孔 12に配置される接点膜 9の面積を小さくすることができ る。
例えば、検査対象である回路装置の被検査電極が形成された電極領域に対応し て、複数の貫通孔 12を形成した金属フレーム板 25を用いれば、これらの各貫通孔 1 2に配置され、その周縁部で支持されるそれぞれの接点膜 9の面積を大幅に小さくす ることがでさる。
[0083] このような面積の小さい接点膜 9は、その絶縁層 18の面方向の熱膨張の絶対量が 小さいため、絶縁層 18の熱膨張を金属フレーム板 25によって確実に規制することが 可能となる。
従って、検査対象が例えば直径 8インチ以上の大面積のウェハや被検査電極のピ ツチが極めて小さい回路装置であつても、バーンイン試験の際に温度変化による電
極構造体 15と被検査電極との位置ずれが確実に防止されるため、良好な電気的接 続状態を安定して維持することができる。
2.シート状プローブの製造方法について:
以下、本発明のシート状プローブ 10の第 1の実施例の製造方法について説明する
[0084] 図 8 (a)に示したように、絶縁性シート 11Aと、この絶縁性シート 11Aの表面に形成 された表面側金属層 16Aと、絶縁性シート 11Aの裏面に形成された第 1裏面側金属 層 19Aとよりなる積層体 10Aを用意する。
絶縁性シート 11 Aは、絶縁性シート 11 Aの厚みと第 1裏面側金属層 19Aの厚みと の合計の厚み力 形成すべき電極構造体 15における表面電極部 15aの突出高さと 同等となるものとされる。
[0085] また、絶縁性シート 11 Aを構成する材料としては、絶縁性を有する柔軟なものであ れば特に限定されるものではなぐ例えばポリイミド榭脂、液晶ポリマー、ポリエステル
、フッ素系榭脂などカゝらなる榭脂シート、繊維を編んだクロスに上記の榭脂を含浸し たシートなどを用いることができる。
このうち、表面電極部 15aを形成するための貫通孔をエッチングにより容易に形成 することができる点で、エッチング可能な材料よりなることが好ましぐ特にポリイミドが 好ましい。
[0086] また、絶縁性シート 11 Aの厚みは、絶縁性シート 11Aが柔軟なものであれば特に 限定されるものではないが、好ましくは 10〜50 μ m、より好ましくは 10〜25 μ mであ る。
このような積層体 10Aは、例えば一般に市販されている両面に銅よりなる金属層が 積層された積層ポリイミドシートを用いることができる。
[0087] このような積層体 10Aに対し、図 8 (b)に示したように、その表面側金属層 16Aの表 面全体に保護フィルム 40Aを積層すると共に、第 1裏面側金属層 19Aの表面に、形 成すべき電極構造体 15のパターンに対応するパターンに従って複数のパターン孔 1 2Hが形成されたエッチング用のレジスト膜 12Aを形成する。
ここで、レジスト膜 12Aを形成する材料としては、エッチング用のフォトレジストとして
使用されて 、る種々のものを用いることができる。
[0088] 次いで、第 1裏面側金属層 19Aに対し、レジスト膜 12Aのパターン孔 12Hを介して 露出した部分にエッチング処理を施してその部分を除去することにより、図 8 (c)に示 したように、第 1裏面側金属層 19Aに、それぞれレジスト膜 12Aのパターン孔 12Hに 連通する複数のパターン孔 19Hが形成される。
その後、絶縁性シート 11Aに対し、レジスト膜 12Aの各パターン孔 12Hおよび第 1 裏面側金属層 19Aの各パターン孔 19Hを介して露出した部分に、エッチング処理を 施して、その部分を除去することにより、図 9 (a)に示したように、絶縁性シート 11Aに 、それぞれ第 1裏面側金属層 19Aのパターン孔 19Hに連通する、絶縁性シート 11A の裏面力 表面に向力うに従って小径となるテーパ状の複数の貫通孔 11Hが形成さ れる。
[0089] これにより、積層体 10Aの裏面に、それぞれ第 1裏面側金属層 19Aのパターン孔 1 9H、絶縁性シート 11Aの貫通孔 11Hが連通されてなる複数の表面電極部形成用 凹所 10Kが形成される。
以上において、第 1裏面側金属層 19Aをエッチング処理するためのエッチング剤と しては、これらの金属層を構成する材料に応じて適宜選択され、これらの金属層が例 えば銅よりなるものである場合には、塩ィ匕第二鉄水溶液を用いることができる。
[0090] また、絶縁性シート 11Aをエッチング処理するためのエッチング液としては、ァミン 系エッチング液、ヒドラジン系水溶液や水酸ィ匕カリウム水溶液等を用いることができ、 エッチング処理条件を選択することにより、絶縁性シート 11Aに、裏面から表面に向 力 に従って小径となるテーパ状の貫通孔 11Hを形成することができる。
さらにその後、図 9 (b)に示したように、表面電極部形成用凹所 10Kが形成された 積層体 10Aからレジスト膜 12Aを除去する。
[0091] そして、図 9 (c)に示したように、積層体 10Aの第 1裏面側金属層 19Aの上から、表 面電極部形成用凹所 10Kを覆うようにレジストパターン 14を形成する。
さらに、図 10 (a)に示したように、この積層体 10Aの第 1裏面側金属層 19Aのレジ ストパターン 14以外の露出した部分をエッチング処理することにより、大部分を除去 する。
[0092] そして、図 9 (c)の工程時に使用したレジストパターン 14を除去することにより、図 1 0 (b)に示したように、積層体 10Aの第 1裏面側金属層 19Aが貫通孔 11Hの周縁部 、一部残存した状態とする。
さら〖こ、図 10 (c)に示したように、積層体 10Aに設けられた表面電極部形成用凹所 10Kの上から、絶縁層 18と第 2裏面側金属層 17Aを形成することにより、積層体 10 Bを形成する。
[0093] この状態において、表面電極部形成用凹所 10Kは、絶縁層 18に塞がれており空 洞状態となっている。
そして、図 11 (a)に示したように、この積層体 10Bの第 2裏面側金属層 17Aの表面 に、形成すべき電極構造体 15のパターンに対応するパターンに従って複数のパタ ーン孔 28Hが形成されたエッチング用のレジスト膜 28Aを形成する。
[0094] さらに、第 2裏面側金属層 17Aに対し、レジスト膜 28Aのパターン孔 28Hを介して 露出した部分にエッチング処理を施してその部分を除去することにより、図 11 (b)に 示したように、第 2裏面側金属層 17Aに、それぞれレジスト膜 28Aのパターン孔 28H に連通する複数のパターン孔 17Hが形成される。
そして、図 11 (c)に示したように、絶縁層 18にエッチング処理を行うことにより貫通 孔 18Hを形成する。これにより、貫通孔 18Hと先に形成した貫通孔 11Hとが連通し、 電極構造体形成用の開口部 15Hが形成される。
[0095] そして、第 2裏面側金属層 17Aからレジスト膜 28Aを除去し、図 12 (a)に示したよう に、新たに第 2裏面側金属層 17Aの表面に、それぞれ第 2裏面側金属層 17Aのバタ ーン孔 17Hに連通するパターン孔を有するレジスト膜 28Bを形成した。
さらに、図 12 (b)に示したように、表面側金属層 16Aを共通電極として、電極構造 体形成用の開口部 15Hに電気メツキを行い、表面電極部、短絡部、裏面電極部を一 括した電極構造体部分 22を形成する。
[0096] そして、積層体 10Bよりレジスト膜 28Bを除去し、図 12 (c)に示したように、新たに 第 2裏面側金属層 17Aの上力もエッチング用のレジスト膜 29Aを形成する。
さらに、図 13 (a)に示したように、第 2裏面側金属層 17Aのレジスト膜 29Aのパター ン孔 29Hを介して露出した部分にエッチング処理を施してその部分を除去すること
により、第 2裏面側金属層 17Aを金属フレーム板部分と電極構造体とに分離する。
[0097] そして、図 13 (b)に示したように、レジスト膜 29Aを除去し、積層体 10Bの裏面側に 新たに保護用のレジスト膜 34Aを形成する。
さらに、図 13 (c)に示したように、表面側金属層 16Aの表面全体に積層された保護 フィルム 40Aを剥離し、表面側金属層 16Aをエッチング処理を施して除去する。 そして、図 14 (a)に示したように、絶縁性シート 11 Aにエッチング処理を施してその 厚みを薄くし、表面電極部 15aを突出させる。この際、絶縁性シート 11Aは薄肉化さ せるが、全てを除去せず一部を残した状態とする。
[0098] これにより、薄肉化して残存した絶縁性シート 11Aによって、一部残存した第 1裏面 側金属層 19Aが絶縁性シート 11 Aおよび絶縁層 18A内に埋没した状態が維持され る。
そのため、第 1裏面側金属層 19Aの残部は、絶縁層 18の表面に露出してはいない ものである。
[0099] さらに、図 14 (b)に示したように積層体 10Bの裏面側に設けられた保護用のレジス ト膜 34Aを除去する。
そして、図 14 (c)に示したように、絶縁性シート 11Aと絶縁層 18Aの一部を露出さ せるようレジスト膜 29を積層体 10Bの上面に形成する。
さらに、図 15 (a)に示したように、この状態で絶縁性シート 11Aと絶縁層 18Aをエツ チング処理をすることにより、第 2裏面側金属層 17Aの一部が露出される。
[0100] そして、絶縁性シート 11Aの表面よりレジスト膜 29を除去することにより、図 15 (b) に示したように、保持部 15eが絶縁層 18Aに埋没状態となっているとともに、保持部 1 5eの表面が絶縁性シート 11Aで覆われたシート状プローブ 10が得られる。
次に、本発明のシート状プローブ 10の第 2の実施例の製造方法について説明する 図 16 (a)から図 17 (c)に示した実施例は、基本的には先に説明したシート状プロ一 ブの製造方法と同じである力 相違点としては、図 15 (b)に示したように、保持部 15e が絶縁性シート 11Aと絶縁層 18Aの間に埋没した状態ではなぐ絶縁性シート 11A を全て除去することにより、絶縁層 18Aと保持部 15eとが面一の状態となっている点
である。
[0101] この実施例では、図 8 (a)から図 13 (b)までの工程は第 1の実施例と同様であるた め、同様の工程についてはその詳細な説明を省略する。
図 16 (a)に示したように、図 13 (c)と同様に、電極構造体形成用の開口部 15Hに 電気メツキを行い、表面電極部、短絡部、裏面電極部を一括した電極構造体部分 22 を形成するとともに、第 2裏面側金属層 17Aにより、電極構造体の裏面電極部 15bを 形成し、積層体 10Bの裏面側に新たに保護用のレジスト膜 34Aを形成する。
[0102] さらに、表面側金属層 16Aの表面全体に積層された保護フィルム 40Aを剥離し、 表面側金属層 16 Aをエッチング処理を施して除去した状態にする。
そして、図 16 (b)に示したように、絶縁性シート 11 Aにエッチング処理を施して絶縁 性シート 11A全部を除去する。
これによつて、表面電極部 15aを突出させるとともに、絶縁層 18Aと保持部 15eとが 面一の状態となる。
[0103] さらに、図 16 (c)に示したように積層体 10Bの裏面側に設けられた保護用のレジス ト膜 34Aを除去する。
そして、図 17 (a)に示したように、絶縁性シート 11Aと絶縁層 18Aの一部を露出さ せるようレジスト膜 29を積層体 10Bの上面に形成する。
さらに、図 17 (b)に示したように、この状態で絶縁性シート 11Aと絶縁層 18Aをエツ チング処理をすることにより、第 2裏面側金属層 17Aの一部が露出される。
[0104] そして、絶縁性シート 11Aの表面よりレジスト膜 29を除去することにより、図 17 (c) に示したように、絶縁層 18Aと保持部 15eとが面一の状態となったシート状プローブ 1 0が得られる。
次に、本発明のシート状プローブ 10の第 3の実施例の製造方法について説明する 図 18 (a)から図 19 (c)に示した実施例は、基本的には先に説明したシート状プロ一 ブの製造方法と同じである力 相違点としては、図 15 (b)に示したように、保持部 15e が絶縁性シート 11Aと絶縁層 18Aの間に埋没した状態ではなぐ絶縁性シート 11A を全て除去するとともに、絶縁層 18Aの一部を除去することにより、保持部 15eが絶
縁層 18A内に一部埋没状態となって!/ヽる点である。
[0105] この実施例では、図 8 (a)力も図 13 (b)までの工程は同様であるため、同様の工程 につ 、てはその詳細な説明を省略する。
図 18 (a)に示したように、図 13 (c)と同様に、電極構造体形成用の開口部 15Hに 電気メツキを行い、表面電極部、短絡部、裏面電極部を一括した電極構造体部分 22 を形成するとともに、第 2裏面側金属層 17Aにより、電極構造体の裏面電極部 15bを 形成し、積層体 10Bの裏面側に新たに保護用のレジスト膜 34Aを形成する。
[0106] さらに、表面側金属層 16Aの表面全体に積層された保護フィルム 40Aを剥離し、 表面側金属層 16 Aをエッチング処理を施して除去した状態にする。
そして、図 18 (b)に示したように、絶縁性シート 11 Aにエッチング処理を施して絶縁 性シート 11A全部を除去するとともに、絶縁層 18Aの一部をさらにエッチング処理を 施して除去することにより、表面電極部 15aを突出させ、保持部 15eが絶縁層 18A内 に一部埋没した状態となる。
[0107] さらに、図 18 (c)に示したように積層体 10Bの裏面側に設けられた保護用のレジス ト膜 34Aを除去する。
そして、図 19 (a)に示したように、絶縁性シート 11Aと絶縁層 18Aの一部を露出さ せるようレジスト膜 29を積層体 10Bの上面に形成する。
さらに、図 19 (b)に示したように、この状態で絶縁性シート 11Aと絶縁層 18Aをエツ チング処理をすることにより、第 2裏面側金属層 17Aの一部が露出される。
[0108] そして、絶縁性シート 11Aの表面よりレジスト膜 29を除去することにより、図 19 (c) に示したように、保持部 15eが絶縁層 18A内に一部埋没状態となったシート状プロ ーブ 10が得られる。
次に、本発明のシート状プローブ 10の第 4の実施例の製造方法について説明する 図 20 (a)から図 25 (b)に示した実施例は、基本的には先に説明したシート状プロ ーブの製造方法と同じである力 相違点としては、図 10 (a)に示したような部分的に 残って 、る第 1裏面側金属層 19Aがな 、ことである。
[0109] この実施例では、図 8 (a)力も図 9 (a)までの工程は同様であるため、同様の工程に
つ!、てはその詳細な説明を省略する。
図 20 (a)に示したように、図 8 (a)から図 9 (a)までの工程を経た後、図 9 (b)と同様 にして、表面電極部形成用凹所 10Kが形成された状態にする。
そして、図 20 (b)に示したように、第 1裏面側金属層 19Aをエッチング処理を施して その部分を除去する。
[0110] その後、図 20 (c)に示したように、積層体 10Aの絶縁性シート 11Aの下面に、積層 シート 10Cの絶縁層 18A側力 表面電極部形成用凹所 10K側となるように配置して 、積層体 10Bを形成する。
この状態において、貫通孔 11Hは、絶縁層 18に塞がれており空洞状態となってい る。
[0111] そして、図 21 (a)に示したように、この積層体 10Bの第 2裏面側金属層 17Aの表面 に、形成すべき電極構造体 15のパターンに対応するパターンに従って複数のパタ ーン孔 28Hが形成されたエッチング用のレジスト膜 28Aを形成する。
さらに、第 2裏面側金属層 17Aに対し、レジスト膜 28Aのパターン孔 28Hを介して 露出した部分にエッチング処理を施してその部分を除去することにより、図 21 (b)に 示したように、第 2裏面側金属層 17Aに、それぞれレジスト膜 28Aのパターン孔 28H に連通する複数のパターン孔 17Hが形成される。
[0112] そして、図 21 (c)に示したように、絶縁層 18にエッチング処理を行うことにより貫通 孔 18Hを形成する。これにより、貫通孔 18Hと先に形成した貫通孔 11Hとが連通し、 電極構造体形成用の開口部 15Hが形成される。
そして、第 2裏面側金属層 17Aからレジスト膜 28Aを除去し、図 22 (a)に示したよう に、新たに第 2裏面側金属層 17Aの表面に、それぞれ第 2裏面側金属層 17Aのバタ ーン孔 17Hに連通するパターン孔を有するレジスト膜 28Bを形成した。
[0113] さらに、図 22 (b)に示したように、表面側金属層 16Aを共通電極として、電極構造 体形成用の開口部 15Hに電気メツキを行い、表面電極部、短絡部、裏面電極部を一 括した電極構造体部分 22を形成する。
そして、積層体 10Bよりレジスト膜 28Bを除去し、図 22 (c)に示したように、新たに 第 2裏面側金属層 17Aの上力もエッチング用のレジスト膜 29Aを形成する。
[0114] さらに、図 23 (a)に示したように、第 2裏面側金属層 17Aのレジスト膜 29Aのパター ン孔 29Hを介して露出した部分にエッチング処理を施してその部分を除去すること により、第 2裏面側金属層 17Aを金属フレーム板部分と電極構造体とに分離する。 そして、図 23 (b)に示したように、レジスト膜 29Aを除去し、積層体 10Bの裏面側に 新たに保護用のレジスト膜 34Aを形成する。
[0115] さらに、図 23 (c)に示したように、表面側金属層 16Aの表面全体に積層された保護 フィルム 40Aを剥離し、表面側金属層 16 Aをエッチング処理を施してその部分を除 去する。
そして、図 24 (a)に示したように、絶縁性シート 11 Aにエッチング処理を施してその 厚みを薄くし、表面電極部 15aを突出させる。この際、絶縁性シート 11Aは薄肉化さ せるが、全てを除去せず一部を残した状態とする。
[0116] これにより、薄肉化して残存した絶縁性シート 11Aによって、短絡部 15cの上端部 分が絶縁性シート 11 Aおよび絶縁層 18A内に埋没した状態が維持される。
さら〖こ、図 24 (b)に示したように積層体 10Bの裏面側に設けられた保護用のレジス ト膜 34Aを除去する。
そして、図 24 (c)に示したように、絶縁性シート 11Aと絶縁層 18Aの一部を露出さ せるようレジスト膜 29を積層体 10Bの上面に形成する。
[0117] さらに、図 25 (a)に示したように、この状態で絶縁性シート 11Aと絶縁層 18をエッチ ング処理することにより、第 2裏面側金属層 17Aの一部が露出される。
そして、絶縁性シート 11Aの表面よりレジスト膜 29を除去することにより、図 25 (b) に示したように、肩部 15dが絶縁層 18Aに埋没状態となっているとともに、肩部 15d の表面が絶縁性シート 11 Aで覆われたシート状プローブ 10が得られる。
[0118] 次に、本発明のシート状プローブ 10の第 5の実施例の製造方法について説明する 図 26 (a)から図 27 (c)に示した実施例は、基本的には先に説明したシート状プロ一 ブの製造方法と同じである力 相違点としては、図 14 (b)に示したエッチング処理を 施して厚みを薄くした絶縁性シート 11Aを除去することにより、肩部と絶縁層との段差 がない点である。
[0119] この実施例では、上記の第 4の実施例と、図 20 (a)から図 23 (b)までの工程は同様 であるため、同様の工程についてはその詳細な説明を省略する。
上記の第 4の実施例と、図 20 (a)から図 23 (b)までの工程を経ることによって、電極 構造体形成用の開口部 15Hに電気メツキを行い、表面電極部、短絡部、裏面電極 部を一括した電極構造体部分 22を形成し、第 2裏面側金属層 17Aを電極構造体に 分離して、裏面電極部 15bを形成する。
[0120] その後、図 26 (a)に示したように、図 23 (c)と同様にして、表面側金属層 16Aの表 面全体に積層された保護フィルム 40Aを剥離し、表面側金属層 16 Aをエッチング処 理を施してその部分を除去する。
その後、図 26 (b)に示したように、絶縁性シート 11Aにエッチング処理を施して除 去し、表面電極部 15aを突出させる。この際、絶縁層 18の表面と表面電極部 15aの 端部が略同一となる所までエッチング処理を行う。
[0121] さらに、図 26 (c)に示したように積層体 10Bの裏面側に設けられた保護用のレジス ト膜 34Aを除去する。
そして、図 27 (a)に示したように、絶縁性シート 11Aと絶縁層 18Aの一部を露出さ せるようレジスト膜 29を積層体 10Bの上面に形成する。
さらに、図 27 (b)に示したように、この状態で絶縁性シート 11Aと絶縁層 18をエッチ ング処理することにより、第 2裏面側金属層 17Aの一部が露出される。
[0122] そして、絶縁性シート 11Aの表面よりレジスト膜 29を除去することにより、図 27 (c) に示したように、絶縁層 18Aと肩部 15dとが面一の状態となったシート状プローブ 10 が得られる。
なお、上記のいずれかの製造方法によって得られた、金属フレーム板との支持部で 接点膜が支持されたシート状プローブ(図 28 (a)参照)は、シート状プローブ 10の周 縁部、すなわち金属フレーム板 25の外周縁に絶縁層とは離間して、例えば接着剤を 介して、図 28 (b)に示したように剛性を有する平板リング状の支持部材 2が設けられ る。
3.プローブカードおよび回路装置の検査装置について:
図 29は、本発明の回路装置の検査装置およびそれに用いられるプローブカードの
実施形態を示した断面図であり、図 30は、プローブカードの組み立て前後の状態を 示した断面図、図 31は、プローブカードの要部の構成を示した断面図である。
[0123] この検査装置は、複数の集積回路が形成されたウェハ 6についてそれぞれの集積 回路の電気検査をウェハ 6の状態で行うために用いられる。この検査装置のプローブ カード 1は、検査用回路基板 20と、この検査用回路基板 20の表面に配置された異方 導電性コネクター 30と、この異方導電性コネクター 30の表面に配置されたシート状 プローブ 10とを備えて!/、る。
[0124] 検査用回路基板 20の表面には、検査対象であるウェハ 6に形成された全ての集積 回路の被検査電極のパターンに従って複数の検査用電極 32が形成されている。 検査用回路基板 20の基板材料としては、例えば、ガラス繊維補強型エポキシ榭脂
、ガラス繊維補強型フエノール榭脂、ガラス繊維補強型ポリイミド榭脂、ガラス繊維補 強型ビスマレイミドトリアジン榭脂などの複合榭脂基板材料、ガラス、二酸化珪素、ァ ルミナなどのセラミックス基板材料、金属板をコア材としてエポキシ榭脂、ポリイミド榭 脂などの榭脂を積層した積層基板材料が挙げられる。
[0125] バーンイン試験に用いるためのプローブカード 1は基板材料として、線熱膨張係数 力^ X 10— 5Ζκ以下、好ましくは 1 X 10— 7〜1 X 10" 5/Κ,より好ましくは 1 X 10— 6〜6
X 10 6 ZKであるものを用いることが望ましい。
異方導電性コネクター 30は、図 29に示したように、複数の貫通孔が形成された円 板状のフレーム板 31を備えている。
[0126] このフレーム板 31の貫通孔は、例えば検査対象であるウェハ 6に形成された各集 積回路に対応して形成されて!ヽる。
貫通孔の内部には、厚さ方向に導電性を有する異方導電性シート 35が、貫通孔の 周辺部に支持された状態で隣接する異方導電性シート 35と互いに独立して配置さ れる。
また、フレーム板 31には、シート状プローブ 10と検査用回路基板 20との位置決め を行うための位置決め孔(図示省略)が形成されて!ヽる。
[0127] フレーム板 31の厚さは材質によって異なる力 20-600 μ mであることが好ましぐ より好ましくは 40〜400 μ mである。この厚さが 20 μ m未満である場合、異方導電性
コネクター 30を使用する際に必要な強度が得られないことがあり、耐久性が低くなり 易い。
一方、厚さが 600 mを超える場合、貫通孔に形成される異方導電性シート 35が 過剰に厚くなり、接続用導電部の良好な導電性と、隣接する接続用導電部間におけ る絶縁性が得られなくなることがある。
[0128] フレーム板 31の貫通孔の面方向の形状と寸法は、検査対象であるウェハ 6の被検 查電極の寸法、ピッチとパターンに応じて設計される。
フレーム板 31の材料としては、フレーム板 31が容易に変形せず、その形状が安定 に維持される程度の剛性を有するものが好ましぐ具体的には金属材料、セラミックス 材料、榭脂材料が挙げられる。
[0129] 金属材料としては、具体的には鉄、銅、ニッケル、チタン、アルミニウムなどの金属ま たはこれらを 2種以上組み合わせた合金もしくは合金鋼が挙げられる。フレーム板 31 を金属材料により形成する場合には、フレーム板 31の表面に絶縁性被膜が施されて いてもよい。
バーンイン試験に用いるためのプローブカード 1では、フレーム板 31の材料として、 線熱膨張係数が 3 X 10— 5Ζκ以下、好ましくは 1 X 10— 7〜1 X 10— 5Ζκ、より好ましく は 1 X 10一6〜 8 X 10 6 ΖΚであるものを用いることが望ましい。
[0130] このような材料の具体例としては、インバーなどのインバー型合金、エリンバーなど のエリンバー型合金、スーパーインバー、コバール、 42合金などの磁性金属の合金 もしくは合金鋼が挙げられる。
異方導電性シート 35は、図 31に示したように、厚さ方向に延びる複数の接続用の 導電部 36と、それぞれの導電部 36を互いに絶縁する絶縁部 37とからなる。
[0131] 導電部 36には、磁性を示した導電性粒子 36aが厚さ方向に並ぶよう配向した状態 で密に含有されている。また導電部 36は、異方導電性シート 35の両面カゝら突出して おり、両面に突出部 38が形成されている。
異方導電性シート 35の厚さ(導電部 36が表面力 突出して 、る場合には導電部 3 6の厚さ)は、 50〜3000 μ mであること力好ましく、より好ましくは 70〜2500 μ m、特 に好ましくは 100〜2000 μ mである。この厚さが 50 μ m以上であれば、充分な強度
を有する異方導電性シート 35が確実に得られる。
[0132] また、この厚さが 3000 μ m以下であれば、所要の導電性特性を有する導電部 36 が確実に得られる。
突出部 38の突出高さは、突出部 38の最短幅もしくは直径の 100%以下であること が好ましぐより好ましくは 70%以下である。
このような突出高さを有する突出部 38を形成することにより、突出部 38が加圧され た際に座屈することがなく導電性が確実に得られる。
[0133] 異方導電性シート 35のフレーム板 31に支持された二股部分の一方の厚さは 5〜6 00 μ mであること力 子ましく、より好ましくは 10〜500 μ m、特に好ましくは 20〜400 μ mであ 。
また、図示したように異方導電性シート 35をフレーム板 31の両面側で二股状に支 持する場合の他、フレーム板 31の片面のみで支持するようにしてもょ 、。
[0134] 異方導電性シート 35を形成する弾性高分子物質としては、架橋構造を有する耐熱 性の高分子物質が好まし 、。
このような架橋高分子物質を得るために用いることができる硬化性の高分子物質形 成材料としては、例えばシリコーンゴム、ポリブタジエンゴム、天然ゴム、ポリイソプレン ゴム、スチレン ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル ブタジエン共重合体ゴ ムなどの共役ジェン系ゴムおよびこれらの水素添カ卩物、スチレン ブタジエンージェ ンブロック共重合体ゴム、スチレン イソプレンブロック共重合体などのブロック共重 合体ゴムおよびこれらの水素添カ卩物、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、ポリエステル系 ゴム、ェピクロルヒドリンゴム、エチレン一プロピレン共重合体ゴム、エチレン一プロピ レン一ジェン共重合体ゴム、軟質液状エポキシゴムが挙げられる。中でも、成形加工 性および電気特性の点力 シリコーンゴムが好ましい。
[0135] シリコーンゴムとしては、液状シリコーンゴムを架橋または縮合したものが好ましい。
液状シリコーンゴムは、その粘度が歪速度 10— ecで 105ポアズ以下であることが好ま しぐ縮合型、付加型、ビニル基ゃヒドロキシル基を有するものなどを使用できる。具 体的には、例えば、ジメチルシリコーン生ゴム、メチルビ-ルシリコーン生ゴム、メチル フエ-ルビ-ルシリコーン生ゴムを挙げることができる。
[0136] また、高分子物質形成材料中には硬化触媒を含有させることができる。
このような硬化触媒のとしては、例えば過酸化べンゾィル、過酸化ビスジシクロベン ゾィル、過酸化ジクミル、過酸ィ匕ジターシャリーブチルなどの有機過酸ィ匕物、脂肪酸 ァゾィ匕合物、ヒドロシリルイ匕触媒が挙げられる。
硬化触媒の使用量は、高分子物質形成材料の種類、硬化触媒の種類、その他の 硬化処理条件を考慮して適宜選択されるが、通常は高分子物質形成材料 100重量 部に対して 3〜 15重量部である。
[0137] 異方導電性シート 35の導電部 36に含有される導電性粒子 36aとしては、磁性を示 した粒子が好ましい。このような磁性を示した粒子としては、例えば鉄、ニッケル、コバ ルトなどの金属粒子もしくはこれらの合金粒子またはこれらの金属を含有する粒子が 挙げられる。
またこれらの粒子を芯粒子とし、この芯粒子の表面に金、銀、パラジウム、ロジウム などの導電性が良好な金属をメツキした粒子、あるいは非磁性金属粒子、ガラスビー ズなどの無機粒子またはポリマー粒子を芯粒子とし、この芯粒子の表面にニッケル、 コバルトなどの導電性磁性体をメツキした粒子、あるいは芯粒子に導電性磁性体およ び導電性が良好な金属の両方を被覆した粒子も使用できる。
[0138] 中でもニッケル粒子を芯粒子とし、その表面に金や銀などの導電性が良好な金属 のメツキを施したものが好ましい。芯粒子の表面への導電性金属の被覆は、例えば 無電解メツキにより行うことができる。
芯粒子の表面に導電性金属を被覆した導電性粒子は、良好な導電性を得る点か ら粒子表面の導電性金属の被覆率 (芯粒子の表面積に対する導電性金属の被覆面 積の割合)が 40%以上であることが好ましぐさらに好ましくは 45%以上、特に好まし くは 47〜95%である。
[0139] 導電性金属の被覆量は、芯粒子の 2. 5〜50重量%であることが好ましぐより好ま しくは 3〜45重量%、さらに好ましくは 3. 5〜40重量%、特に好ましくは 5〜30重量 %である。
導電性粒子 36aの粒子径は、 1〜500 /ζ πιであることが好ましぐより好ましくは 2〜 400 m、さら〖こ好ましくは 5〜300 m、特〖こ好ましくは 10〜150 mである。
[0140] また、導電性粒子 36aの粒子径分布 (Dw/Dn)は、 1〜10であることが好ましぐ より好ましくは 1〜7、さらに好ましくは 1〜5、特に好ましくは 1〜4である。
このような条件を満足する導電性粒子 36aを用いることにより、異方導電性シート 35 の加圧変形が容易であるとともに、導電部 36において各導電性粒子 36a間に充分な 電気的接触が得られる。
[0141] また導電性粒子 36aの形状は、高分子物質形成材料中に容易に分散させることが できる点で、球状、星形状、あるいは 1次粒子が凝集した 2次粒子による塊形状が好 ましい。
また、導電性粒子 36aの表面をシランカップリング剤などのカップリング剤で処理し てもよい。これにより、導電性粒子 36aと弾性高分子物質との接着性が高くなり、得ら れる弾性異方導電膜 50の繰り返し使用における耐久性が高くなる。
[0142] 導電部 36の導電性粒子 36aの含有割合は、体積分率で 10〜60%、好ましくは 15 〜50%が好ましい。この割合が 10%未満の場合、充分に電気抵抗値の小さい導電 部 36が得られないことがある。
一方この割合が 60%を超える場合、得られる導電部 36が脆弱になり易ぐ必要な 弾性が得られな 、ことがある。
[0143] 高分子物質形成材料中には、必要に応じて、通常のシリカ粉、コロイダルシリカ、ェ ァロゲルシリカ、アルミナなどの無機充填材を含有させることができる。このような無機 充填材を含有させることにより、成形材料のチキソトロピー性が確保されその粘度が 高くなる。さらに導電性粒子 36aの分散安定性が向上するとともに、硬化処理されて 得られる異方導電性シート 35の強度が高くなる。
[0144] 異方導電性コネクター 30は、例えば特開 2002— 334732号公報に記載されてい る方法により製造することができる。
プローブカード 1の検査用回路基板 20の裏面には、図 29および図 30に示したよう に、プローブカード 1を下方に加圧する加圧板 3が設けられ、プローブカード 1の下方 には、検査対象であるウェハ 6が載置されるウェハ載置台 4が設けられて 、る。
[0145] 加圧板 3とウェハ載置台 4のそれぞれには、加熱器 5が接続されている。
シート状プローブ 10のリング状の支持部材 2は図 29に示したように、加圧板 3に設
けられた周状の嵌合用段差部に嵌め込まれる。また異方導電性コネクター 30の位置 決め孔には、ガイドピン 50が揷通される。
これにより異方導電性コネクター 30は、異方導電性シート 35のそれぞれの導電部
36が検査用回路基板 20のそれぞれの検査電極 21に対接するように配置され、この 異方導電性コネクター 30の表面に、シート状プローブ 10がそれぞれの電極構造体 1
5が異方導電性コネクター 30の異方導電性シート 35の各導電部 36に対接するよう 配置され、この状態で三者が固定される。
[0146] ウェハ載置台 4には検査対象であるウェハ 6が載置され、加圧板 3によりプローブ力 ード 1を下方に加圧することにより、シート状プローブ 10の電極構造体 15の各表面 電極部 15aがウェハ 6の各被検査電極 7に加圧接触する。
この状態では、異方導電性コネクター 30の異方導電性シート 35の各導電部 36は、 検査用回路基板 20の検査電極 21とシート状プローブ 10の電極構造体 15の裏面電 極部 15aとにより挟圧されて厚さ方向に圧縮されている。
[0147] これにより、導電部 36にはその厚さ方向に導電路が形成され、ウェハ 6の被検査電 極 7と検査用回路基板 20の検査電極 21とが電気的に接続される。その後、加熱器 5 によってウェハ載置台 4と加圧板 3を介してウェハ 6が所定の温度に加熱され、この 状態で、ウェハ 6に形成された複数の集積回路のそれぞれについて電気的検査が 行われる。
このウェハ検査装置によれば、ウェハ 6が例えば直径 8インチ以上の大面積であり、 かつ被検査電極 7のピッチが極めて小さい場合であっても、バーンイン試験において ウェハ 6に対する良好な電気的接続状態を安定に維持することができ、ウェハ 6の複 数の集積回路のそれぞれについて所要の電気検査を確実に実行することができる。
[0148] なお本実施形態では、プローブカード 1の検査電極がウェハ 6に形成された全ての 集積回路の被検査電極に対して接続され一括して電気検査が行われる力 ウェハ 6 に形成された全ての集積回路の中から選択された複数の集積回路の被検査電極 7 に対してプローブカード 1の検査電極を接続して、選択領域ごとに検査するようにし てもよい。
選択される集積回路の数は、ウェハ 6のサイズ、ウェハ 6に形成された集積回路の
数、各集積回路の被検査電極 7の数などを考慮して適宜選択されるが、例えば 16個 、 32個、 64個、 128個である。
[0149] また異方導電性シート 35には、被検査電極 7のパターンに対応するパターンに従 つて形成された導電部 36の他に、被検査電極 7に電気的に接続されない非接続用 の導電部 36が形成されて 、てもよ 、。
また、本発明のプローブカード 1および回路装置の検査装置は、ウェハ検査用の他 、半導体チップ、 BGA、 CSPなどのパッケージ LSI、 MCMなどの半導体集積回路 装置などに形成された回路を検査するための構成としてもよい。
実施例
[0150] 以下、本発明の具体的な実施例について説明する力 本発明はこれらの実施例に 限定されるものではない。
A.試験用ウェハの作製について:
直径 8インチのシリコン製のウェハ 6上に、それぞれの寸法が 8mm X 8mmである 正方形の集積回路 Lを合計で 393個形成した。
[0151] ウェハ 6に形成された各集積回路 Lは、その中央に被検査電極領域を有し、この被 検査電極領域には、それぞれ縦方向の寸法が 200 mで横方向の寸法が 70 m である矩形の 40個の被検査電極 7が 120 mのピッチで横方向に一列に配列され ている。
また、このウエノ、 6全体の被検査電極 7の総数は 15720個であり、全ての被検查電 極 7は互 、に電気的に絶縁されて 、る。
[0152] 以下、このウェハを「試験用ウェハ Wl」という。
また、全ての被検査電極 7を互いに電気的に絶縁することに代えて、集積回路 の 40個の被検査電極 7のうち、最も外側の被検査電極 7から数えて 1個おきに 2個ずつ を互 ヽに電気的に接続したこと以外は、上記試験用ウエノ、 W1と同様の構成である 3 93個の集積回路 Lをウエノ、 6上に形成した。
[0153] 以下、このウェハを「試験用ウェハ W2」という。
B.シート状プローブの作製について:
(実施例 1)
ポリイミドシート (東レ 'デュポン (株)「カプトン」登録商標 ポリイミドフィルム 品種 1 OOEN 両面に厚み 8 μ mの銅層を有する)を加工して、直径が 20cmで厚みが 25 μ mのポリイミドシートの両面にそれぞれ直径が 20cmで厚みが 8 μ mの銅よりなる金属 層が積層された積層ポリイミドシート (以下、「積層体 10A」という。)を用意した (図 8 ( a)参照)。
[0154] 積層体 10Aは、厚みが 25 μ mのポリイミドシートよりなる絶縁性シート 11Aの一面 に厚みが 8 mの銅よりなる第 1裏面側金属層 19Aを有し、他面に厚みが 8 mの銅 よりなる表面側金属層 16Aを有するものである。
上記の積層体 10Aに対し、厚みが 25 μ mのポリエチレンテレフタレートよりなる保 護シールによって表面側金属層 16 Aの表面全面に保護フィルム 40Aを形成すると 共に、第 1裏面側金属層 19Aの裏面全面に、試験用ウェハ W1に形成された被検査 電極 7のパターンに対応するパターンに従って直径が 50 mの円形の 26116個の ノ ターン孔 12Hが形成されたレジスト膜 12Aを形成した(図 8 (b)参照)。
[0155] ここで、レジスト膜 12Aの形成において、露光処理は、高圧水銀灯によって 80mJの 紫外線を照射することにより行い、現像処理は、 1%水酸ィ匕ナトリウム水溶液よりなる 現像剤に 40秒間浸漬する操作を 2回繰り返すことによって行った。
次いで、第 1裏面側金属層 19Aに対し、塩化第二鉄系エッチング液を用い、 50°C 、 30秒間の条件でエッチング処理を施すことにより、レジスト膜 12Aのパターン孔 12 Hに連通する 26116個のパターン孔 19Hを形成した(図 8 (c)参照)。
[0156] その後、絶縁性シート 11Aに対し、アミン系ポリイミドエッチング液 (東レエンジニアリ ング株式会社製、「TPE— 3000」)を用い、 80°C、 10分間の条件でエッチング処理 を施すことにより、絶縁性シート 11Aに、それぞれ第 1裏面側金属層 19Aのパターン 孔 19Hに連通する 26116個の貫通孔 11Hを形成した(図 9 (a)参照)。
[0157] この貫通孔 11Hの各々は、絶縁性シート 11Aの裏面から表面に向力うに従って小 径となるテーパ状のものであって、裏面側の開口径が 50 m、表面側の開口径が 2 0 m (平均値)のものであった。
次いで、積層体 10Aを 45°Cの水酸ィ匕ナトリウム溶液に 2分間浸漬させることにより、 積層体 10Aからレジスト膜 12Aを除去した (図 9 (b)参照)。
[0158] その後、積層体 10Aに対し、厚みが 10 mのドライフィルムレジスト(日立化成:フ ォテック RY— 3210)によって、第 1裏面側金属層 19Aの貫通孔 11Hを覆うように 寸法が 160 m X mの矩形のレジストパターン 14を形成した(図 9 (c)参照)。 なお、レジストパターン 14の形成において、露光処理は、高圧水銀灯によって 80m Jの紫外線を照射することにより行い、現像処理は 1 %水酸ィ匕ナトリウム水溶液よりなる 現像剤に 40秒間浸漬する操作を 2回繰り返すことによって行った。
[0159] さらに、その後、絶縁性シート 11Aに対し、塩化第二鉄系エッチング液を用い、 50 。C、 30秒間の条件でエッチング処理を施すことにより、第 1裏面側金属層 19Aの大 部分を除去した (図 10 (a)参照)。
そして、積層体 10Aを 45°Cの水酸ィ匕ナトリウム溶液に 2分間浸漬させることにより、 積層体 10Aからレジストパターン 14を除去した(図 10 (b)参照)。
[0160] さらに、積層体 10Aに設けられた絶縁性シート 11Aの上から、直径が 20. 4cmで 厚みが 25 μ mの熱可塑性ポリイミドフィルム (新日鐡ィ匕学 (株)商品名「エスパネックス 」)力もなる絶縁層 18を積層し、この絶縁層 18の上に直径が 22cmで厚みが 10 μ m の 42ァロイよりなる金属シートを積層し、 165°C、 40kgf/cm2で 1時間の条件でカロ 熱プレスを行って積層体 10Bを形成した(図 10 (c)参照)。
[0161] この状態において、貫通孔 11Hは、絶縁層 18に塞がれており空洞状態となってい る。
そして、この積層体 10Bの第 2裏面側金属層 17Aの表面に、形成すべき電極構造 体 15のパターンに対応するパターンに従って直径力 ¾0 μ mの円形の 26116個のパ ターン孔 28Hが形成された厚み 10 mのレジスト膜 28Aを形成した(図 1 1 (a)参照)
[0162] 次いで、第 2裏面側金属層 17Aに対し、塩化第二鉄系エッチング液を用い、 50°C 、 30秒間の条件でエッチング処理を施すことにより、レジスト膜 28Aのパターン孔 28 Hに連通する 26116個のパターン孔 17Hを形成した(図 11 (b)参照)。
その後、絶縁層 18に対し、アミン系ポリイミドエッチング液 (東レエンジニアリング株 式会社製、「TPE— 3000」)を用い、 80°C、 10分間の条件でエッチング処理を施す ことにより、絶縁層 18に、それぞれ第 2裏面側金属層 17Aのパターン孔 17Hに連通
する 26116個の貫通孔 18Hを形成した(図 11 (c)参照)。
[0163] そして、貫通孔 18Hが形成された積層体 10Bを、 45°Cの水酸ィ匕ナトリウム溶液に 2 分間浸漬させることにより、積層体 10Bからレジスト膜 28Aを除去した。
その後、新たに第 2裏面側金属層 17Aの表面に、それぞれ第 2裏面側金属層 17A のパターン孔 17Hに連通する、寸法が 80 m X 150 mのパターン孔を有するレジ スト膜 28Bを形成した(図 12 (a)参照)。
[0164] これにより、貫通孔 18Hと先に形成した貫通孔 11Hとが連通し、電極構造体形成 用の開口部 15Hが形成された。
次いで、積層体 10Bをスルファミン酸ニッケルを含有するメツキ浴中に浸漬し、積層 体 10Bに対し、表面側金属層 16Aを電極として、電解メツキ処理を施して電極構造 体形成用の開口部 15H内に金属を充填することにより、表面電極部、短絡部、裏面 電極部を一括した電極構造体部分 22を形成した(図 12 (b)参照)。
[0165] 次 、で、電極構造体部分 22が形成された積層体 10Bを、 45°Cの水酸ィ匕ナトリウム 溶液に 2分間浸漬させることにより、積層体 10Bからレジスト膜 28Bを除去した。その 後、新たに第 2裏面側金属層 17Aの上力もエッチング用のレジスト膜 29Aを形成した
(図 12 (c)参照)。
さらに、第 2裏面側金属層 17Aに対し、塩ィ匕第二鉄系エッチング液を用い、 50°C、 30秒間の条件でエッチング処理を施すことにより、第 2裏面側金属層 17Aを金属フ レーム板部分と電極構造体とに分離した (図 13 (a)参照)。
[0166] そして、レジスト膜 29Aを除去し、積層体 10Bの裏面側に新たに保護用のレジスト 膜 34Aを形成する。
積層体 10Bを 45°Cの水酸ィ匕ナトリウム溶液に 2分間浸漬させることにより、積層体 1 OBからレジスト膜 29Aを除去し、積層体 10Bの裏面側に新たに保護用のレジスト膜 3 4Aを形成した(図 13 (b)参照)。
[0167] さらに、表面側金属層 16Aの表面全体に積層された保護フィルム 40Aを剥離し、こ の積層体 10Bの表面側金属層 16Aに対し、塩化第二鉄系エッチング液を用い、 50 °C、 30秒間の条件でエッチング処理を施すことにより除去した(図 13 (c)参照)。 その後、絶縁性シート 11Aに対し、アミン系ポリイミドエッチング液 (東レエンジニアリ
ング株式会社製、「TPE— 3000」)を用い、 80°C、 6分間の条件でエッチング処理を 施すことにより、絶縁性シート 11 Aの表面部分を除去し、絶縁性シートの厚みを 25 mから とし、表面電極部 15aを突出させた(図 14 (a)参照)。
[0168] さらに、積層体 10Bを 45°Cの水酸ィ匕ナトリウム溶液に 2分間浸漬させることにより、 積層体 10Bからレジスト膜 34Aを除去した(図 14 (b)参照)。
そして、積層体 10Bの表面電極部 15aおよび絶縁性シート 11 Aを覆うように厚みが 25 μ mのドライフィルムレジストによりレジスト膜を形成し、接点膜となるべき部分を覆 うように、パターユングされたレジスト膜 29を形成した(図 14 (c)参照)。
[0169] レジスト膜 29の各々は、横方向 4600 μ mで縦方向 2000 μ mである。
この状態で、アミン系ポリイミドエッチング液 (東レエンジニアリング株式会社製、「T ΡΕ— 3000」)を用い、 80°C、 10分間の条件でエッチング処理を施すことにより、金 属フレーム板 25の各々の貫通孔に電極構造体 15が形成された接点膜を備えた積 層体 10Cを得た(図 15 (a)参照)。
[0170] そして、積層体 10Cを 45°Cの水酸ィ匕ナトリウム水溶液に 2分間浸漬することにより、 レジスト膜 29を除去した(図 15 (b)参照)。
そして、シート状プローブ 10の周縁部、すなわち金属フレーム板 25の外周縁に絶 縁層 18とは離間してシリコーン系熱硬化性接着剤 (信越化学製:品名 1300T)を塗 布し、 150°Cに保持した状態でシリコーン系熱硬化性接着剤が塗布された部分に、 外径が 220mm、内径が 205mmで厚さ 2mmの窒化シリコンよりなるリング状の支持 部材 2を配置した。
[0171] さらに、金属フレーム板 25と支持部材 2とを加圧しながら 180°Cで 2時間保持するこ とにより、本発明に係るシート状プローブ 10を製造した。
以上においてドライフィルムレジストとしては、とくに記載しな力つた部分においては 日立化成製の H— K350を使用した。
得られたシート状プローブ 10の仕様は以下の通りである。
[0172] 金属フレーム板 25は直径 22cm、厚さ 10 μ mの円板状で、材質が 42ァロイである 金属フレーム板 25の貫通孔 12の数は 393個で、それぞれの横方向の寸法が 640
0 mで、縦方向の寸法が 320 /zmである。 393個の接点膜 9のそれぞれの絶縁層 1 8は、材質がポリイミドで、その寸法は横方向 7. 5mm、縦方向 7. 5mm、厚さ 12. 5 μ mであ 。
[0173] 接点膜 9のそれぞれの電極構造体 15は、その数が 40個 (合計 15720個)で、横方 向に 120 mのピッチで一列に並ぶよう配置されている。
得られたシート状プローブ 10は、絶縁層 18Aの厚み dが 25 m、電極構造体 15の 表面電極部 15aの形状が円錐台状で、その先端の径 R1が 20/ζπι、その基端の径 R
2力 0 μ m、その絶縁 ¾シート 11の表面からの突出高さ tlが 20 μ mである。
[0174] 保持部 15eは形状が矩形で、寸法は横幅が 70 μ m、縦幅が 160 μ m、厚み t2が 8 μ mであ 。
短絡部 15cは、形状が円錐台状で、その表面側の一端の径 R3が 60/ζπι、裏面側 の他端の径 R4が 80 μ mである。
裏面電極部 15bの形状が矩形で、その寸法は横幅が 80 m、縦幅が 150 m、厚 み t3が 20 μ mである。
[0175] 短絡部 15cの上端部分の外径が 60 mで、表面電極部 15aの基端部分の外径が 50 μ mで、径が 10 μ m異なって肩部 15dが設けられている。
絶縁層 18の厚み Hは 30 mであり、保持部 15eの上部に 5 mの絶縁性シート 11 力 なる絶縁層が存在する。
電極構造体 15の配置ピッチ Pは 120 μ mである。
[0176] また、熱線膨張係数は、以下の通りである。
絶縁層 18 111:ポリィミド=約5 10—57:^
金属フレーム板 25 H2:42ァロイ =約 5X10— 6ZK
支持部材 2 Η3:窒化ケィ素 =3. 5Χ10—6ΖΚ
実施例 1における各条件の計算値
条件(1): Η1 = 5Χ10"5/Κ
条件(2): H2/H1 = (5 X 10"6) / (5 X 10"5) =0. 1
条件(3): H3/H1=(3. 5X10— 6)/ (5X10— 5) =0.07
条件(4) :H3ZH2=(3. 5X10— 6) Z (5X10— 6) =0. 7
このようにして、合計で 4枚のシート状プローブを製造した。
[0177] これらのシート状プローブを「シート状プローブ II」〜「シート状プローブ 14」とする。
(実施例 2)
実施例 1において、図 14 (a)に示した積層体 10Bの絶縁性シート 11Aに対しての エッチング処理条件を、アミン系ポリイミドエッチング液 (東レエンジニアリング株式会 社製、「TPE— 3000」)を用いて 80°C、 8分間に変更し、絶縁性シート 11Aと絶縁層 18の界面までエッチングを進めて絶縁性シート 11Aを除去したこと以外は実施例 1と 同様にてしてシート状プローブを得た。
[0178] 得られたシート状プローブ 10は、絶縁層 18Aの厚み dが 25 μ m、電極構造体 15の 表面電極部 15aの形状が円錐台状で、その先端の径 R1が 20 /ζ πι、その基端の径 R 2力 0 μ m、その絶縁層 18の表面からの突出高さ tlが 25 μ mである。
保持部 15eは形状が矩形で、寸法は横幅が 70 μ m、縦幅が 160 μ m、厚み t2が 8 μ mであ 。
[0179] 短絡部 15cは、形状が円錐台状で、その表面側の一端の径 R3が 60 m、裏面側 の他端の径 R4が 80 μ mである。
裏面電極部 15bの形状が矩形で、その寸法は横幅が 80 m、縦幅が 150 m、厚 み t3が 20 μ mである。
短絡部 15cの上端部分の外径が 60 mで、表面電極部 15aの基端部分の外径が 50 μ mで、径が 10 μ m異なって肩部 15dが設けられている。
[0180] 絶縁層 18の厚み Hは 25 mであり、保持部 15eの表面と絶縁層 18の表面が略同 一面となっている。電極構造体 15の配置ピッチ Pは 120 μ mである。
これらのシート状プローブを「シート状プローブ Jl」〜「シート状プローブ J4」とする。
(実施例 3)
実施例 1において、図 14 (a)に示した積層体 10Bの絶縁性シート 11Aに対しての エッチング処理条件を、アミン系ポリイミドエッチング液 (東レエンジニアリング株式会 社製、「TPE— 3000」)を用いて 80°C、 10分間に変更し、絶縁性シート 11Aを除去 して更にエッチングを進めて絶縁層 18の表面部分の一部を除去したこと以外は実施 例 1と同様にてしてシート状プローブを得た。
[0181] 得られたシート状プローブ 10は、絶縁層 18Aの厚み dが 25 μ m、電極構造体 15の 表面電極部 15aの形状が円錐台状で、その先端の径 R1が 20 /ζ πι、その基端の径 R 2力 0 μ m、その絶縁層 18の表面からの突出高さ tlが約 30 μ mである。
保持部 15eは形状が矩形で、寸法は横幅が 70 μ m、縦幅が 160 μ m、厚み t2が 8 μ mであ 。
[0182] 短絡部 15cは、形状が円錐台状で、その表面側の一端の径 R3が 60 m、裏面側 の他端の径 R4が 80 μ mである。
裏面電極部 15bの形状が矩形で、その寸法は横幅が 80 m、縦幅が 150 m、、 厚み t3が 20 μ mである。
短絡部 15cの上端部分の外径が 60 mで、表面電極部 15aの基端部分の外径が 50 μ mで、径が 10 μ m異なって肩部 15dが設けられている。
[0183] 絶縁層 18の厚み Hは約 20 mであり、保持部 15eはその全厚 t2 = 8 mのうち、 厚み約 5 μ mが絶縁層 18より露出しており、厚み約 3 μ mが絶縁層に埋設された状 態であった。電極構造体 15の配置ピッチ Pは 120 μ mである。
これらのシート状プローブを「シート状プローブ Kl」〜「シート状プローブ Κ4」とする
[0184] (実施例 4)
実施例 1において図 9 (c)に示した積層体 10Aよりレジスト膜 12Aを除去した後、レ ジストパターン 14を形成せずに、塩ィ匕第二鉄系エッチング液でエッチング処理を行 い第 1裏面側金属層 19Aをすベて除去して保持部を形成しな力つたこと以外は実施 例 1と同様にしてシート状プローブを得た。
[0185] 得られたシート状プローブは保持部が存在しないこと以外は実施例 1と同様のもの である。
これらのシート状プローブを「シート状プローブ Ll」〜「シート状プローブ L4」とする
(比較例 1)
図 32 (a)に示すような表面側金属層 72、第 2裏面側金属層 74、第 1裏面側金属層 76を有し、絶縁性シート 78、絶縁層 80よりなる積層体 70を用意した。
[0186] 積層体 70は、厚さ 4 mの銅よりなる表面側金属層 72と、厚さ 12. 5 mのポリイミ ドよりなる絶縁層 80と、厚さ 4 mの銅よりなる第 1裏面側金属層 76と、厚さ 37. 5 μ mのポリイミドよりなる絶縁層 80と、厚さ 10 mの 42ァロイよりなる第 2裏面側金属層
74と、力 構成されたものである。
この積層体 70に対して、特開 2004— 172589号に記載された方法に従い、第 2裏 面側金属層 74側に直径 90 mのパターン孔を形成し、順次に絶縁層 80、第 1裏面 側金属層 76、絶縁性シート 78に連続する貫通孔を形成し、貫通孔の底面に表面側 金属層 72を露出させた。
[0187] これにより、短絡部と表面電極部を一括して形成する電極構造体形成用凹所 82を 作成した (図 32 (b)参照)。
次いで、積層体 70をスルファミン酸ニッケルを含有するメツキ浴中に浸漬し、積層 体 70に対し、表面側金属層 72を電極として、電解メツキ処理を施して各電極構造体 形成用凹所 82に金属を充填した(図 32 (c)参照)。
[0188] 次いで、表面側金属層 72を除去し、絶縁性シート 78をエッチングにより除去した( 図 32 (d)参照)。
次いで、第 1裏面側金属層 76にエッチングを行い保持部 84を形成し、第 2裏面側 金属層 74にエッチングを行 、その一部を除去することにより裏面電極部 86と支持部 88を形成し、絶縁層 80にエッチングを行 、絶縁層 80を各々の接点膜に分割した ( 図 32 (e)参照)。
[0189] その後、外径が 22cm、内径が 20. 5cmで厚みが 2mmのリング状の窒化シリコンよ りなる支持板の表面に、シァノアクリレート系接着剤 (東亞合成 (株)製:品名 ァロン アルファ (登録商標)品番: # 200)を滴下して接着層を形成し、これに接点膜を形成 した積層体 70を積層し、 25°Cで 30分保持することにより、接着層を硬化させてシート 状プローブを製造した。
[0190] 得られたシート状プローブは、絶縁層の厚み dが 37. 5 m、電極構造体の表面電 極部の形状が円錐台状で、その基端の径が 37 111、その先端の径が 13 /z m (平均 値)であり、その突出高さが 12. 5 m、保持部 84は横幅が 60 μ m、縦幅が 200 μ m で厚み力 S4 /z m、短絡部の形状が円錐台状で、その表面側の一端の径が 37 m、
裏面側の他端の径が 90 111、裏面電極部の形状が矩形の平板状で、その横幅が 9 0 m、縦幅力 200 μ m、厚みが 20 μ mのものである。
[0191] このようにして、合計で 4枚のシート状プローブを製造した。
これらのシート状プローブを「シート状プローブ Ml」〜「シート状プローブ M4」とす る。
(比較例 2)
比較例 1において積層体 70を、厚さ 4 mの銅よりなる表面側金属層 72と、厚さ 17 . 5 μ mのポリイミドよりなる絶縁性シート 78と、厚さ 4 μ mの銅よりなる第 1裏面側金属 層 76と、厚さ 48 μ mのポリイミドよりなる絶縁層 80と、厚さ 10 μ mの 42ァロイよりなる 第 2裏面側金属層 74とに変更した。
[0192] さらに、比較例 1と同様にして電極構造体形成用凹所 82を形成して、積層体 70を スルファミン酸ニッケルを含有するメツキ浴中に浸漬し、積層体 70に対し、表面側金 属層 72を電極として、電解メツキ処理を施して各電極構造体形成用凹所 82内に金 属の充填を試みた。
しかしながら、電極構造体形成用凹所 82内に金属の充填はほとんど行われな力つた
[0193] また、積層体 70の電極構造体形成用凹所 82を観察したところ、その底部に表面側 金属層 72がほとんど露出していな力つた。
C.異方導電性コネクターの作製について:
<磁性芯粒子の調製 >
市販のニッケル粒子(Westaim社製、「FC1000」)を用い、以下のようにして磁性 芯粒子を調製した。
[0194] 日清エンジニアリング株式会社製の空気分級機「ターボクラシファイア TC— 15N 」によって、ニッケル粒子 0. 5kgを捕集した。
得られたニッケル粒子は、数平均粒子径が 7. 4 /z m、粒子径の変動係数が 27%、 BET比表面積が 0. 46 X 103m2Zkg、飽和磁化が 0. 6Wb/m2であった。
このニッケル粒子を「磁性芯粒子 [A]」とする。
<導電性粒子の調製 >
粉末メツキ装置の処理槽内に、磁性芯粒子 [A] 100gを投入し、さらに、 0. 32Nの 塩酸水溶液 2Lを加えて攪拌し、磁性芯粒子 [A]を含有するスラリーを得て、これより 導電性粒子を調製した。
[0195] この導電性粒子を、 90°Cに設定された乾燥機によって乾燥処理し、導電性粒子を 得た。
得られた導電性粒子は、数平均粒子径が 7. 3 m、 BET比表面積が 0. 38 X 103 mVkg, (被覆層を形成する金の質量) Z (磁性芯粒子 [A]の質量)の値が 0. 3であ つた o
[0196] この導電性粒子を「導電性粒子 (a)」とする。
<フレーム板の作製 >
下記の条件により、上記の試験用ウェハ W1の各被検査電極領域に対応して形成 された 393個の異方導電膜配置用の貫通孔を有する直径 8インチのフレーム板 31を 作製した。
[0197] このフレーム板 31の材質はコバール (線熱膨張係数 5 X 10— 6ZK)で、その厚さは 6 0 μ mである。
各貫通孔は、その横方向の寸法が 5400 μ mで縦方向の寸法が 320 μ mである。 縦方向に隣接する異方導電膜配置用孔の間の中央位置には、円形の空気流入孔 が形成されており、その直径は 1000 μ mである。
<成形材料の調製 >
付加型液状シリコーンゴム 100重量部に、導電性粒子 [a] 30重量部を添加して混 合し、その後、減圧による脱泡処理を施すことにより、成形材料を調製した。
[0198] 以上において、使用した付加型液状シリコーンゴムは、それぞれ粘度が 250Pa's である A液と B液よりなる二液型のものであって、その硬化物の圧縮永久歪みが 5%、 デュロメーター A硬度が 32、引裂強度が 25kNZmのものである。
なお、付加型液状シリコーンゴムおよびその硬化物の特性は以下のようにして測定 されたものである。
(a)付加型液状シリコーンゴムの粘度は、 B型粘度計により 23 ±2°Cにおける値を測 し 7こ。
(b)シリコーンゴム硬化物の圧縮永久歪みは次のようにして測定した。
[0199] 二液型の付加型液状シリコーンゴムの A液と B液とを等量となる割合で攪拌混合し た。
次いで、この混合物を金型に流し込み、この混合物に対して減圧による脱泡処理を 行った後、 120°C、 30分間の条件で硬化処理を行うことにより、厚さが 12. 7mm,直 径が 29mmのシリコーンゴム硬化物よりなる円柱体を作製し、この円柱体に対して 20 0°C、 4時間の条件でポストキュアを行った。
[0200] このようにして得られた円柱体を試験片として用い、 JIS K 6249に準拠して 150 士 2°Cにおける圧縮永久歪みを測定した。
(c)シリコーンゴム硬化物の引裂強度は、次のようにして測定した。
上記 (b)と同様の条件で付加型液状シリコーンゴムの硬化処理とポストキュアを行う ことにより、厚さが 2. 5mmのシートを作製した。このシートから打ち抜きによってタレ セント形の試験片を作製し、 JIS K 6249に準拠して 23± 2°Cにおける引裂強度を 測定した。
(d)デュロメーター A硬度は、上記 (c)と同様にして作製されたシートを 5枚重ね合わ せ、得られた積重体を試験片として用い、 JIS K 6249に準拠して 23± 2°Cにおけ る値を測定した。
<異方導電性コネクターの作製 >
上記で作製したフレーム板 31と、上記で調製した成形材料を用い、特開 2002— 3 24600号公報に記載された方法に従って、フレーム板 31にそれぞれの貫通孔内に 配置され、その周辺部に固定されて支持された 393個の異方導電性シート 35を形成 することにより異方導電性コネクター 30を製造した。
[0201] なお成形材料層の硬化処理は、電磁石によって厚さ方向に 2Tの磁場を作用させ ながら 100°C、 1時間の条件で行った。
得られた異方導電性シート 35について具体的に説明すると、異方導電性シート 35 の各々は横方向の寸法が 7000 μ m、縦方向の寸法が 1200 μ mであり、 40個の導 電部 36が絶縁部 37によって互いに絶縁された状態で 120 mのピッチで横方向に 一列に配列されている。
[0202] また導電部 36の各々は、横方向の寸法が 40 μ m、縦方向の寸法が 200 μ m、厚さ 力 μ m、突出部 38の突出高さが 25 μ m、絶縁部 37の厚さが 100 μ mである。 また、横方向において最も外側に位置する導電部 36とフレーム板 31との間には、 非接続用の導電部が配置されている。
[0203] 非接続用の導電部の各々は、横方向の寸法が 60 m、縦方向の寸法が 200 m 、厚さ力 50 mである。
さらに、異方導電性シート 35の各々の被支持部の厚さ(二股部分の一方の厚さ)は 20 μ mである。
また、各異方導電性シート 35の導電部 36中の導電性粒子 36aの含有割合を調べ たところ、全ての導電部 36について体積分率で約 25%であった。
[0204] このようにして、合計で 12枚の異方導電性コネクターを製造した。
これらの異方導電性コネクターを「異方導電性コネクター Cl」〜「異方導電性コネク ター C20」とする。
D.検査用回路基板の作製について:
基板材料としてアルミナセラミックス (線熱膨張係数 4. 8 X 10—ソ K)を用い、試験 用ウエノ、 W1の被検査電極のパターン従って、検査用電極 32が形成された検査用 回路基板 20を作製した。
[0205] この検査用回路基板 20は、全体の寸法が 30cm X 30cmの矩形であり、その検査 用電極は横方向の寸法が 60 μ mで縦方向の寸法が 200 μ mである。
得られた検査用回路基板を「検査用回路基板 T1」とする。
E.シート状プローブの評価について:
<試験 1 (隣接する電極構造体間の絶縁性) >
シート状プローブ II、 12、 Jl、 J2、 Kl、 K2、 Ll、 L2、 Ml、 M2の各々について、以 下のようにして隣接する電極構造体間の絶縁性の評価を行った。
[0206] 室温(25°C)下において、試験用ウェハ W1を試験台に配置しこの試験用ウェハ W 1の表面上に、図 30に示したようにシート状プローブ 10をその表面電極部 15aの各 々が試験用ウェハ W1の被検査電極 7上に位置するよう位置合わせして配置し、この シート状プローブ 10上に異方導電性コネクター 30をその導電部 36の各々がシート
状プローブ 10の裏面電極部 15b上に位置するよう位置合わせして配置した。
[0207] そして、この異方導電性コネクター 30上に、検査用回路基板 T1をその検査電極 2 1の各々力 異方導電性コネクター 30の導電部 36上に位置するよう位置合わせして 配置した。
さらに検査用回路基板 T1を、下方に 125kgの荷重 (電極構造体 1個当たりに加わ る荷重が平均で約 8gで加圧した。なお、異方導電性コネクター 30としては下記表 1 に示したものを使用した。
[0208] そして、検査用回路基板 T1の 15720個の検査電極 21の各々に、順次電圧を印加 するとともに、電圧が印加された検査電極 21と他の検査電極 21との間の電気抵抗を シート状プローブ 10の電極構造体 15間の電気抵抗 (以下、「絶縁抵抗」という。)とし て測定し、全測定点における絶縁抵抗が 10Μ Ω以下である測定点の割合 (以下、「 絶縁不良割合」という。)を求めた。
[0209] なお絶縁抵抗が 10Μ Ω以下である場合には、実際上、ウェハ 6に形成された集積 回路の電気的検査に使用することが困難である。
試験の結果を表 1に示した。
[0210] [表 1]
Milil0211wQ V
シート状プローブ 異方導電性コネクター 絶縁不良割合 実施例 1 11 C1 0%
12 C2 0% 実施例 2 J1 C3 0%
J2 C4 0% 実施例 3 K1 C5 0%
K2 C6 0% 実施例 4 し 1 C7 0%
し 2 C8 0% 比較例 1 1 C9 0%
M2 C10 0%
うにして被検査電極に対する電極構造体の接続安定性の評価を行った。
室温(25°C)下において、試験用ウェハ W2を電熱ヒーターを備えた試験台に配置 し、この試験用ウェハ W2の表面に、シート状プローブ 10をその表面電極部 15aの各 々が試験用ウェハ W2の被検査電極 7上に位置するように位置合わせして配置した。
[0212] また、このシート状プローブ 10上に、異方導電性コネクター 30をその導電部 36の 各々がシート状プローブ 10の裏面電極部 15b上に位置するよう位置合わせして配置 した。
そしてこの異方導電性コネクター 30上に、検査用回路基板 T1をその検査電極 21 の各々が異方導電性コネクター 30の導電部 36上に位置するよう位置合わせして配 し 7こ。
[0213] さらに検査用回路基板 T1を下方に、 125kgの荷重 (電極構造体 1個当たりに加わ る荷重が平均で約 8g)で加圧した。なお、異方導電性コネクター 30としては下記の 表 2に示したものを使用した。
そして、検査用回路基板 T1の 15720個の検査電極 21について、シート状プロ一 ブ 10と、異方導電性コネクター 30と、試験用ウェハ W2を介して互いに電気的に接 続された 2個の検査電極 21間の電気抵抗を順次測定した。
[0214] そして、測定された電気抵抗値の 2分の 1の値を検査用回路基板 T1の検査電極 2
1と試験用ウェハ W2の被検査電極 7との間の電気抵抗 (以下、「導通抵抗」という。 ) として記録し、全測定点における導通抵抗が 1 Ω以上である測定点の割合 (以下、「 接続不良割合」という。)を求めた。
この操作を「操作 (1)」とする。
[0215] 次いで検査用回路基板 T1に対する加圧を解除し、その後、試験台を 125°Cに昇 温した。さらに、その温度が安定するまで放置し、その後、検査用回路基板 T1を下 方に 125kgの荷重 (電極構造体 1個当たりに加わる荷重が平均で約 8g)で加圧し、 上記操作 (1)と同様にして接続不良割合を求めた。
この操作を「操作 (2)」とする。
[0216] 次いで、検査用回路基板 T1に対する加圧を解除し、その後、試験台を室温 (25°C
)まで冷却した。
この操作を「操作 (3)」とする。
そして、上記の操作(1)、操作(2)および操作(3)を 1サイクルとして、合計で 100サ イタル連続して行った。
[0217] また、 1サイクルに要する時間は約 1. 5時間であった。
なお導通抵抗が 1 Ω以上である場合には、実際上、ウェハに形成された集積回路 の電気的検査に使用することが困難である。
試験の結果を表 2に示した。
また、試験 2が終了した後、シート状プローブ 13、 14、 J3、 J4、 K3、 K4、 L3、 L4の 各々の電極構造体および保持部の状態を、実体顕微鏡を用いて目視にて観察した
[0218] シート状プローブ 13、 14、 J3、 J4、 K3、 K4、 L3、 L4については、いずれの電極構 造体も絶縁層から脱落しておらず、高 、耐久性を有することが確認された。
保持部については、実施例 1に係るシート状プローブ 13、 14については、いずれの 電極構造体の保持部も変形を生じておらず、保持部の密着性が極めて良好であつ た。
シート状プローブ J3、 J4、 K3、 Κ4の保持部については、実施例 2に係るシート状プ ローブ J3、J4については約 10個の電極構造体の保持部が変形して絶縁膜より剥離 し、まくれ上がっており、実施例 3に係るシート状プローブ K3、 Κ4については約 30個 の保持部が変形して絶縁膜より剥離してまくれ上がっていた。
[0219] これに対し、シート状プローブ Μ3については、 15720個の電極構造体のうち、約 2 00個の電極構造体が絶縁膜から脱落しており、またシート状プローブ Μ4について は、約 150個の電極構造体が絶縁膜から脱落していた。
保持部については、シート状プローブ Μ3、 Μ4とも全体の 5%以上(1000個以上) の電極構造体にぉ 、て、保持部が変形して絶縁膜より剥離してまくれ上がって 、た。
産業上の利用可能性
本発明は、回路装置の電気検査、例えば、ウェハに形成された複数の集積回路の 電気検査をウェハの状態で行うために用いられる。