WO2006046343A1

WO2006046343A1 - 電池パック

Info

Publication number: WO2006046343A1
Application number: PCT/JP2005/014200
Authority: WO
Inventors: Shinji Ota; Katsuyuki Shirasawa; Toshio Yamashitafuji; Takeshi Ishimaru; Kenjin Masumoto; Hiroaki Imanishi
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co., Ltd.
Priority date: 2004-10-27
Filing date: 2005-08-03
Publication date: 2006-05-04
Also published as: EP1814189A4; US20080233472A1; KR20070072426A; EP1814189A1; US7622219B2; KR101121323B1

Abstract

　電池（１）と、充放電安全回路を有し電池の一端面（３）上に配置される回路基板（５）と、外部接続端子（７）を装着された端部ケース（６）とを備えた電池パック（１０）であって、回路基板（５）を端部ケース（６）の内部に収容配置し、端部ケース（６）を、その両端部にそれぞれ頭部（１２ａ）が係合して貫通するねじ（１２）の先端部を電池（１）の一端面（３）の両端部にねじ込み固定して固着したことにより、コンパクトで、接続抵抗が小さく、信頼性が高く、かつ、生産性の高い電池パックを実現する。

Description

明細書

電池パック

技術分野

[0001] 本発明は、電池の一端に充放電保護回路を有する回路基板を配置し、この回路基板を収容した端部ケースを電池と一体結合してなる電池パックに関するものである。背景技術

[0002] 電池と充放電保護回路を有する回路基板とを組み合わせて一体ィ匕した電池パックにおいては、コンパクトな構成であること、接続抵抗が小さくかつ接続部の信頼性が高、こと、製造工程の生産性が高、ことなどが要請される。

[0003] 従来の電池パックは、ケース内に電池と保護素子や回路基板を収容配置した構成とされている。具体例としては、端子窓を有するケース内に電池を収容し、電池とケースとの間に設けたスペースに保護素子や回路基板を配置し、電池と回路基板を接続するリード板を端子窓に対向する位置に配置して外部端子としたものが知られている (例えば、特許文献 1参照)。

[0004] また、電池の一端面外周に凸条を形成して内側に凹部を設け、下部に電池一端面の凹部に嵌合する嵌着凸部を有する端子ホルダーを設け、端子ホルダーには保護素子を内蔵させるとともに上面に端子板を固定し、端子ホルダーを電池に粘着テープゃ熱収縮フィルムなどで連結し、その後端子板と電池ケースに引き出し用のリード板を溶着した後、ケースに収納し、あるいは熱収縮チューブ等で被覆して電池パックとしたものが知られている（例えば、特許文献 2参照)。

[0005] また、従来、回路基板をホルダーにて電池に仮保持した状態でリード板にて電池と回路基板を機械的及び電気的に連結していたのに対して、電池の封口板に連結凸部を設け、この連結凸部を回路基板に連結し、連結凸部にて電池と回路基板を機械的及び電気的に連結したものが知られている（例えば、特許文献 3参照)。

[0006] また、電池の一部又は全体をインサート成形することで、外部接続端子を外部に表出するとともに保護素子を内蔵固定した榭脂成形部を電池の一端部に一体成形したものも知られている（例えば、特許文献 4参照)。特許文献 1：特許第 3244400号明細書

特許文献 2：特開 2000— 243362号公報

特許文献 3：特開 2002 - 298809号公報

特許文献 4：特開 2004— 95329号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0007] ところが、特許文献 1の構成では、ケースと電池の間に保護素子や回路基板を配置するスペースを設けているので、ケースの外形が大きくなり、また回路基板や保護素子が動くと振動により故障する恐れがあるが、回路基板や保護素子を動力ないように電池やケースに固定するのが困難で、高い信頼性を確保できないという問題があり、またリード板で接続しているので接続抵抗が大きくなるという問題がある。

[0008] また、特許文献 2では、保護素子が端子ホルダーを介して電池に固定的に装着されているが、この電池とホルダーの組立体にリード板を溶着し、ケースに収納して電池パックを構成しており、外形が大きくなるとともに、接続抵抗が大きくなり、組立工数も多くなつて高い生産性を確保するのが困難であるという問題がある。

[0009] また、特許文献 3では、電池の封口板に連結凸部を有する特殊な封口板を用いて回路基板を固定することで、リード板を用いない接続構成にて接続抵抗を小さくでき、また組立工数を低減できる構成となっているが、これら回路基板及び電池をケース内に収納して電池パックとする構成であり、その分外形が大きくなるという問題がある

[0010] また、特許文献 4では、電池と保護素子及び出力端子をインサート成形することで、保護素子及び出力端子を榭脂成形部に固定しているので、部品点数を少なくかつコンパタトに構成できるが、インサート成形は設備コストがかかり、かつ高い寸法精度や生産性を確保するのが困難であるという問題がある。

[0011] そこで本発明は、上記従来の問題点に鑑み、コンパクトで、接続抵抗が小さぐ信頼性が高ぐ生産性の高い電池パックを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0012] 上記目的を達成するための本発明の電池パックは、電池と、充放電安全回路を有し電池の一端面上に配置される回路基板と、外部接続端子を装着された端部ケースとを備えた電池パックであって、回路基板を端部ケースの内部に収容配置し、端部ケースの両端部に頭部が係合して貫通するねじの先端部を電池の一端面の両端部にねじ込み固定したものである。

[0013] この構成によると、電池の一端に端部ケースを固着した構成であるため、コンパクトな構成とすることができ、また電池と端部ケース内の回路基板と外部接続端子との間の接続経路を短かくできて接続抵抗を小さくでき、またねじの先端部を電池の一端面にねじ込み固定するという簡単な工程で電池と端部ケースを一体的に結合固定できるので、高い信頼性と生産性を両立した電池パックを実現することができる。また、端部ケースと電池をねじで固定しているので、電池の一端面と平行な方向（ねじをせん断する方向）だけでなぐ端部ケースを電池に対して離間させる方向（ねじを引張する方向）に対しても大きな耐カを持たせることができ、あらゆる方向の外力に対して高い固着強度を確保することができる。

[0014] また本発明の他の電池パックは、電池と、充放電安全回路を有し電池の一端面上に配置される回路基板と、外部接続端子を装着された端部ケースとを備えた電池パックであって、回路基板を端部ケースの内部に収容配置し、端部ケースの両端部に頭部が係合して貫通する頭付きの結合ピンの先端を電池の一端面の両端部に固着したものである。

[0015] この構成によると、電池の一端に端部ケースを固着した構成であるため、コンパクトな構成とすることができ、また電池と端部ケース内の回路基板と外部接続端子との間の接続経路を短かくできて接続抵抗を小さくでき、また結合ピン先端を電池に固着するという簡単な工程で電池と端部ケースを一体的に結合固定できるので、高い信頼性と生産性を両立した電池パックを実現することができる。

[0016] また、この電池の一端面の少なくとも結合ピン先端を固着する部位に、結合ピンと同系の材質の部材を設けると、同系材質同士の固着となるので、十分な強度を有する信頼性の高い固着状態を容易に確保することができる。例えば、電池の一端面は電池ケースと同じアルミニウム又はアルミニウム合金力成り、結合ピンは微小でありながら十分な強度を確保するために鉄系材料から成る場合に、それらを抵抗溶接にて固着すると固着強度を高い信頼性をもって確保するのが困難な場合があるが、電池の一端面の結合ピン先端を固着する部位を同系材質とすることで、容易に信頼性の高い固着状態を確保することができる。

[0017] さらに、この電池の一端面の結合ピン先端に対向する部位を結合ピンと同系材質とする方法としては、電池の一端面をアルミニウム又はアルミニウム合金と鋼板を一体的に貼り合わせたクラッド板などの複合材を用いて構成したり、電池の一端面を構成する部材に結合ピンと同系材質の部材をレーザ溶接や電子ビーム溶接などで予め固着する方法などがあるが、結合ピンと同系材質力成るねじを螺合固定すると、より簡易に実施することができて好適である。

[0018] また、本発明の別の電池パックは、電池と、充放電安全回路を有し電池の一端面上に配置される回路基板と、外部接続端子を装着された端部ケースとを備えた電池ノックであって、回路基板を端部ケースの内部に収容配置し、端部ケースに頭部が係合して貫通する結合ピンの先端部と電池の一端面を、電池の一端面を形成する部材を結合ピンの先端部外周に形成した凹部に食い込ませた状態で固着したものである。

[0019] この構成によると、電池の一端に端部ケースを固着した構成であるため、コンパクトな構成とすることができ、また電池と端部ケース内の回路基板と外部接続端子との間の接続経路を短かくできて接続抵抗を小さくできる。また、結合ピンの先端部と電池の一端面を、電池の一端面を形成する部材を結合ピンの先端部外周に形成した凹部に食い込ませた状態で固着しているので、単に結合ピンの先端を電池の一端面に固着した場合に比べて、電池の一端面と平行な方向（結合ピンをせん断する方向）及び端部ケースを電池に対して離間させる方向（結合ピンを引張する方向）に対して大きな耐カを持たせることができ、あらゆる方向の外力に対して高い固着強度を確保することができ、信頼性の高!、電池パックを提供できる。

[0020] また、結合ピンの先端に周面に凹部を有する突部を設け、電池の一端面に結合ピン先端の突部が嵌合する穴を形成し、前記突部を前記穴に嵌合させて結合ピン先端と電池の一端面を抵抗溶接すると、抵抗溶接時に電池の一端面を形成する部材が溶融して凹部に食い込むことにより、電池と端部ケースを上記のように強固に一体固定でき、抵抗溶接による簡単な工程で信頼性の高、電池パックを得ることができ、生産性と高、信頼性を両立することができる。

[0021] また、電池は、電池ケースが一方の極性の電極端子であり、一端面に電池ケースと異なる極性の電極端子を有し、電池ケースの一端面に立ち上がり部を有する第 1の接続ブラケットを固着し、端部ケースの一側壁の内側に第 1の接続ブラケットの立ち上がり部に重なるとともに一部が回路基板に接続された接続板を配置し、端部ケースの一側壁の立ち上がり部に対向する部分に形成した作業開口を通して立ち上がり部と接続板を溶接した構成とすると、接続経路が短く接続抵抗を小さくすることができるとともに、作業性良く接続できて高い生産性を確保することができる。

[0022] また、電池は、電池ケースが一方の極性の電極端子であり、一端面に電池ケースと異なる極性の電極端子を有し、電池ケースの一端面の電極端子に安全保護素子の一端を接続し、安全保護素子の他端を回路基板に接続した構成とすると、温度ヒューズゃ PTCなどの安全保護素子を電極端子の側部の空間を利用して電池の一端面に当接又は近接配置して電極端子と回路基板の間に介装することができ、電池の異常温度上昇時に電流を遮断することができ、コンパクトな構成にて安全性を向上することができる。

[0023] また、安全保護素子の他端と回路基板に、相互に重なり合う立ち上がり部を有する第 2と第 3の接続ブラケットを固着し、端部ケースに開口された作業孔を通して第 2と第 3の接続ブラケットの立ち上がり部を溶接すると、回路基板と安全保護素子を第 2と第 3の接続ブラケットを介することで端部ケースの作業孔を通した溶接にて生産性良く接続することがでさる。

[0024] また、端部ケースに装着された外部接続端子が、接続相手の接続端子を挿脱して接続'遮断するものであると、電池配置空間に電池パックを収納して設置するようにした携帯電子機器などにおいて、平面状の外部接続端子に相手方の電極端子を当接させるようにしたものに比して、電源供給の安定性が格段に向上し、振動や衝撃を受けるような環境下においても信頼性の高い電源供給を実現でき、かっこの種の外部接続端子であっても端部ケースに容易かつコンパクトに装着することができる。

図面の簡単な説明 [図 1]図 1は、本発明における第 1の実施例の電池パックの要部を示す分解斜視図である。

[図 2]図 2A〜図 2Bは、第 1の実施例の電池パックの要部構成を示し、図 2Aは図 1の ΠΑ矢方向力見た部分破断斜視図であり、図 2Bは同部分の断面図である。

[図 3]図 3A〜図 3Bは、本発明の電池パックの要部構成を示し、図 3Aは図 1、図 9ならびに図 13の ΠΙΑ—ΠΙΑ矢視位置での断面図であり、図 3Βは図 1、図 9ならびに図 1 3の ΙΠΒ— ΠΙΒ矢視位置での断面図である。

[図 4]図 4Α〜図 4Cは、本発明の電池パックの組立工程を順に示す斜視図である。

[図 5]図 5は、本発明の電池パックの組立工程を示す斜視図である。

[図 6]図 6は、本発明の電池パックの組立工程を示す斜視図である。

[図 7]図 7は、本発明の電池パックの組立工程を示す斜視図である。

[図 8]図 8は、本発明の電池パックの完成状態の斜視図である。

[図 9]図 9は、本発明における第 2の実施例の電池パックの要部を示す分解斜視図である。

[図 10]図 10は、第 2の実施例の電池パックの要部を示す、図 9の X矢方向から見た部分破断斜視図である。

[図 11]図 11は、本発明における第 3の実施例の電池パックの要部の断面図である。

[図 12]図 12A〜図 12Bは、第 3の実施例におけるねじの装着工程を示す断面図である。

[図 13]図 13は、本発明における第 4の実施例の電池パックの要部を示す分解斜視図である。

[図 14]図 14A〜図 14Bは、第 4の実施例の電池パックの要部構成を示し、図 14Aは図 13の XIVA矢方向力も見た部分破断斜視図であり、図 14Bは同部分の断面図である。

[図 15]図 15A〜図 15Bは、同実施例における結合ピンの溶接工程を示し、図 15Aは溶接前の状態を示す断面図であり、図 15Bは溶接後の状態を示す断面図である。

[図 16]図 16A〜図 16Eは、同実施例における結合ピンの各種構成例を示す斜視図である。 [図 17]図 17A〜図 17Bは、同実施例のおける結合ピンの他の溶接工程を示し、図 1 7Aは溶接前の状態を示す斜視図であり、図 17Bは溶接後の状態を示す斜視図である。

発明を実施するための最良の形態

[0026] 以下、本発明の電池パックについて、図 1〜図 17Bを参照して説明する。

[0027] (実施例 1)

図 1において、 1は横断面形状が扁平な長方形、若しくは隅丸長方形ないし長円形の角形の電池である。電池 1はリチウムイオン電池力成り、電池ケース 2の内部に発電要素としての極板群と電解液が収容されている。極板群は、帯状の正極板と負極板の間にセパレータを介装した状態で卷回することで多層に積層して構成されている。正極板はアルミニウム箔カゝら成る芯材に正極合剤を塗着 ·乾燥して構成され、負極板は銅箔力成る芯材に負極合剤を塗着 ·乾燥して構成され、セパレータは微多孔性ポリプロピレンフィルムなどにて構成されて、る。

[0028] 電池ケース 2の一端面 3の中央部には電極端子 4が突出して配設されている。電極端子 4は電池ケース 2の一端面 3を絶縁状態で密封貫通し、電池 1の負極の電極端子を構成して、る。電池 1の正極の電極端子は電池ケース 2にて構成されて、る。

[0029] 5は、電池ケース 2の一端面 3上に配置される回路基板であり、充放電安全回路が設けられている。 6は、回路基板 5を内部に収容した状態で電池ケース 2の一端面 3 上に固定される端部ケースである。端部ケース 6には、 3つの外部接続端子 7が内蔵された状態で装着されている。これら外部接続端子 7は、接続相手の接続端子を挿脱して接続'遮断するものであり、端部ケース 6の一端側に適当間隔おきにかつ一側角部の上面と側面にわたって開口された 3つの接続窓 8に臨むように配設されている。また、各外部接続端子 7は一対の接続脚 7aが下方に突出形成され、回路基板 5にはこれら接続脚 7aを挿入貫通させて半田付けする接続穴 9が設けられている。 3つの外部接続端子 7の内、 2つは正極と負極の外部接続端子、残りの 1つは識別抵抗検出用の接続端子である。

[0030] 電池パック 10は、主として以上の電池 1と、回路基板 5を収納配置した端部ケース 6 とを相互に一体固定することで構成されている。そのため、図 1〜図 2Bに示すように、端部ケース 6の両端部に、下端近傍に段部 11aを有して上下方向に貫通する取付穴 11が設けられ、この取付穴 11に挿入したねじ 12の頭部 12aを段部 1 laに係合させた状態でその先端部を電池ケース 2の一端面 3の両端部にねじ込むことで一体固定されている。

[0031] このねじ固定の詳細を、主として図 2Bを参照して説明すると、電池ケース 2はその一端面 3を含めてアルミニウム又はアルミニウム合金にて構成され、かつ一端面 3の肉厚は例えば 0. 8〜1. 5mm程度と比較的厚くされており、この一端面 3の両端部に、雌ねじを形成しながらねじ 12をねじ込むための、ねじ下穴としての円形凹部 3aがプレス成形にて形成されている。例えば、ねじ 12としてねじ外径が 1. 2mmのメートル細めねじを用いる場合、ねじ山の高さが 0. 13mm,ねじピッチが 0. 25mmであり、円形凹部 3aの内径を 0. 9mm、深さを 1. 4mmとすることで、円形凹部 3aに対してねじ 12のねじ山が 4山程度螺合し、一端面 3がアルミニウムまたはアルミニウム合金の場合、ねじ 12の軸心方向に対して必要な固着強度が得られる。

[0032] なお、上記ねじ 12の具体例は一例であって、通常使用されるねじ 12としては、外径が 1.0〜2.0mm、ねじピッチが 0.2〜0.4mmの細目系ねじが好適に用いられ、それに対応して円形凹部 3aは、その内径が 0.6〜1.7mm、深さが 0.8〜1.6mm程度に設定される。

[0033] 次に、この電池パック 10における電気的な接続構成について説明する。正極の電池ケース 2は、第 1の接続ブラケット 13と接続板 14を介して回路基板 5に接続されている。第 1の接続ブラケット 13は電池の一端面に溶接にて固着され、一側に立ち上力 Sり部 13aを有している。この立ち上がり部 13aは、図 3Aに示すように、端部ケース 6 の一側壁の内側に接して上方に延出する。接続板 14は、この第 1の接続ブラケット 1 3の立ち上がり部 13aの内側に重なるように回路基板 5上に配設され、下端から下方に突出された接続脚 14aが、回路基板 5の一側に凹入形成された接続部 15に嵌合され、接続部 15の下面に形成された接続電極に半田付けされている。端部ケース 6 には、接続板 14を内側から支持する支持壁 6bが設けられている。また、端部ケース 6の一側壁の立ち上がり部 13aに対向する部分に作業開口 6aが形成されている。この作業開口 6aを通して一対の溶接電極を第 1の接続ブラケット 13の立ち上がり部 13 aに押し当ててそれらの間に溶接電流を流すことで立ち上がり部 13aと接続板 14が相互に溶接され、電気的に接続される。

[0034] 負極の電極端子 4は、温度ヒューズや PTC素子などの安全保護素子 16を介して回路基板 5に接続されている。詳細には、電極端子 4に安全保護素子 16の一端の接続片 16aが溶接にて接続され、安全保護素子 16の他端の接続片 16bに一側に立ち上力 Sり部 17aを有する第 2の接続ブラケット 17が溶接にて固着され、図 1及び図 3Bに示すように、回路基板 5に立ち上がり部 17aの内面に重なり合う立ち上がり部 18aを有する第 3の接続ブラケット 18が溶接にて固着され、これら接続ブラケット 17、 18の立ち上がり部 17a、 18aが、この立ち上がり部 17a、 18aに対応位置して端部ケース 6に幅方向に貫通して形成されている作業孔 19を通して溶接されている。こうして、負極の電極端子 4が安全保護素子 16と接続ブラケット 17、 18を介して回路基板 5に接続されている。なお、本実施例において電池パック 10の電気的接続構成を示す図 1の I ΠΑ— ΠΙΑ矢視位置における断面図として図 3Aを、 ΠΙΒ— ΠΙΒ矢視位置における断面図として図 3Bを用いて説明したが、後述する他の実施例（図 9、図 13参照）における電池パック 10の電気的接続構成も本実施例と同一のものであることから、図 3Aは図 9および図 13の ΠΙΑ—ΠΙΑ矢視位置での断面図でもあり、図 3Bは図 9および図 13の I IIB ΠΙΒ矢視位置での断面図でもある。

[0035] 図 1において、電池ケース 2の一端面 3と安全保護素子 16との間には、第 1の絶縁板 20が配置され、その下面に設けられた粘着剤にて接着固定されている。第 1の絶縁板 20〖こは、中央部に電極端子 4が挿通される貫通開口 21が形成され、安全保護素子 16の素子部に対応する位置には電池ケース 2の一端面 3に素子部を臨ませる伝熱用開口 28が形成され、他端の接続片 16bに対応する他端部上面にはこれを固定する粘着剤 23が設けられている。伝熱用開口 28には、図 4Bに示すように、電池 1 の熱が効果的に素子部に伝達されるようにシリコン 24が充填されている。安全保護素子 16の上面には、第 2の絶縁板 25が配置され、下面に設けられた粘着剤にて安全保護素子 16に接着され、安全保護素子 16と回路基板 5の間の絶縁が確保されている。

[0036] 次に、以上の構成の電池パック 10の組立工程を説明する。まず、図 4Aに示すように、電池 1の一端面 3上に第 1の絶縁板 20を配置して接着する。次に、図 4Bに示すように、第 1の絶縁板 20の伝熱用開口 28にシリコン 24を充填し、他端の接続片 16b に第 2の接続ブラケット 17を溶接した安全保護素子 16を第 1の絶縁板 20上に配置し、一端の接続片 16aを電極端子 4に溶接する。また、電池 1の一端面上の第 1の絶縁板 20の側部に第 1の接続ブラケット 13を溶接する。次に、図 4Cに示すように、安全保護素子 16及び第 1の接続ブラケット 13上にわたって第 2の絶縁板 25を配置して接着する。

[0037] 一方、図 1に示すように、端部ケース 6に対して外部接続端子 7を接続窓 8に臨む所定位置に装着し、接続板 14を一側壁における作業開口 6a形成部位と支持壁 6bとの間に挿入する。また、回路基板 5上の所定位置に第 3の接続ブラケット 18を溶接する。次いで、回路基板 5を端部ケース 6の下端開口力挿入配置し、接続穴 9から突出した外部接続端子 7の接続脚 7aの端部を接続穴 9の周囲に形成された電極に半田付けし、接続部 15から突出した接続板 14の接続脚 14aの端部を接続部 15の周囲に形成された電極に半田付けする。

[0038] 次に、図 5に示すように、回路基板 5を収容配置した端部ケース 6を、第 1の接続ブラケット 13の立ち上がり部 13aが接続板 14の外側に重なり合い、また第 2の接続ブラケット 17の立ち上がり部 17aが第 3の接続ブラケット 18の立ち上がり部 18aの外側に重なり合うように電池 1の一端面 3上に被せる。また、取付穴 11にねじ 12を挿入する。電池 1の他端面 lbには、電池パック 10を着脱する際に爪を引っ掛けるためのネィルフック 26を接着する。

[0039] 次に、図 6に示すように、端部ケース 6の両端部の取付穴 11に、矢印 aのように、ドラィバー（工具)を挿入してねじ 12の頭部 12aに係合させ、押圧しながら回転することで、ねじ 12の先端部を電池 1の一端面 3に形成した円形凹部 3aの内周面に雌ねじを形成しつつねじ込み、このねじ 12を介して端部ケース 6の両端部を電池 1に一体固定する。また、矢印 bのように、端部ケース 6に形成されている作業孔 19の両側力も溶接電極を挿入し、押圧して溶接電流を流して接続ブラケット 17、 18の立ち上がり部 1 7a、 18aを溶接する（図 3B参照)。また、矢印 cのように、端部ケース 6の作業開口 6a から、一対の溶接電極を挿入して第 1の接続ブラケット 13の立ち上がり部 13aに当接させ、押圧して溶接電流を流して第 1の接続ブラケット 13と接続板 14を溶接する（図 3A参照)。

[0040] 次に、図 7に示すように、合成樹脂シートの裏面に粘着剤を塗着した外装ラベル 27 を、電池 1の周側面、端部ケース 6の下部周囲及びネイルフック 26の周囲に巻き付けて接着する。また、外装ラベル 27の上縁からは、端部ケース 6の上部に形成されている取付穴 11、作業孔 19、及び作業開口 6aに対応する位置に封止片 27a、 27b、 27 cが延出されており、これら封止片 27a、 27b, 27cを端部ケース 6の表面に沿って貼り付けることで取付穴 11、作業孔 19、及び作業開口 6aを隠蔽する。力べして、図 8に示すように、電池パック 10が完成する。

[0041] 本実施例の電池パック 10によれば、電池 1の一端に端部ケース 6をねじ 12のねじ込み固定によって一体固着した構成であり、電池 1及び回路基板 5の全体をケース内に収容したものでないため、コンパクトな構成とすることができる。また、電池 1と端部ケース 6内の回路基板 5と外部接続端子 7との間の接続経路を短カゝくできて接続抵抗を小さくできる。

[0042] また、ねじ 12の先端部を電池 1の一端面 3の円形凹部 3aにねじ込むという簡単な工程で電池 1と端部ケース 6を一体的に結合固定できるので、高い信頼性と生産性を両立した電池パック 10を実現することができる。また、端部ケース 6と電池 1の一端面 3をねじ 12で固定しているので、電池 1の一端面 3と平行な方向（ねじ 12をせん断する方向）だけでなぐ端部ケース 6を電池 1に対して離間させる方向（ねじ 12を引張する方向）に対してもねじ山の係合によって大きな耐カを持たせることができることから、あらゆる方向の外力に対して高い強度を確保することができる。また、ねじ 12を電池 1の一端面 3に雌ねじを形成しながらねじ込んでいるので、ねじ 12を緩めて端部ケース 6を取り外し、電池パック 10を一度分解すると、雌ねじが破損してしまうために再度組み立てることが不可能となり、再使用（リユース）による偽造を防止することができ、偽造によって安全性が欠如した電池パック 10が流通するのを防止できる。

[0043] また、電池 1は、電池ケース 2が正極の電極端子であり、一端面 3に負極の電極端子 4を有して、るものであるため、電池ケース 2の一端面 3に第 1の接続ブラケット 13 を固着し、端部ケース 6の一側壁の内側に一部が回路基板 5に接続された接続板 14 を配置し、端部ケース 6に形成された作業開口 6aを通して第 1の接続ブラケット 13の立ち上がり部 13aと接続板 14を溶接することで、電池 1の正極と回路基板 5を電気的に作業性良く接続できて高ヽ生産性を確保することができ、また接続経路が短く接続抵抗を小さくすることができる。

[0044] また、電池 1の一端面 3の電極端子 4に安全保護素子 16の一端を接続し、安全保護素子 16の他端を回路基板 5に接続しているので、温度ヒューズや PTCなどの安全保護素子 16を電極端子 4の側部の空間を利用して電池 1の一端面 3に当接又は近接配置して電極端子 4と回路基板 5の間に介装することができ、電池 1の異常温度上昇時に電流を遮断することができ、コンパクトな構成にて安全性を向上することができる。

[0045] また、安全保護素子 16の他端と回路基板 5に、相互に重なり合う立ち上がり部 17a 、 18aを有する第 2と第 3の接続ブラケット 17、 18を固着し、端部ケース 6に開口された作業孔 19を通して接続ブラケット 17、 18の立ち上がり部 17a、 18aを溶接しているので、回路基板 5と安全保護素子 16を接続ブラケット 17、 18を介することで溶接にて生産性良く接続することができる。なお、安全保護素子 16を設けずに、電極端子 4と回路基板 5を接続ブラケットを介して接続するようにしても良、。

[0046] また、端部ケース 6に装着された外部接続端子 7は、接続相手の接続端子を挿脱して接続 ·遮断するものであるので、電池配置空間に電池パック 10を収納して設置するようにした携帯電子機器などにおいて、振動や衝撃を受けるような使用条件下にお Vヽても信頼性の高、電源供給を実現でき、かっこの種の外部接続端子 7であっても端部ケース 6に容易かつコンパクトに装着することができる。

[0047] なお、この実施例では、ねじ 12は端部ケース 6を電池 1に一体固着する機能のみを奏しており、電池 1の電池ケース 2と回路基板 5を電気的に接続する機能を奏しない例を示したが、ねじ 12の頭部 12aを回路基板 5の電極に接触させ、また必要に応じてレーザビーム照射等にて頭部 12aの一部を溶着させて電気的接続も同時に行うようにしても良い。そうすると、第 1の接続ブラケット 13と接続板 14を省略することができ、一層簡単な構成とすることができる。

[0048] (実施例 2) 次に発明の第 2の実施例について説明する。なお、上記第 1の実施例と共通する構成要素については同じ参照符号付して説明を省略し、主として相違点についてのみ説明する。

[0049] 第 1の実施例では、ねじ 12の先端を電池ケース 2の一端面 3にねじ込むことで電池ケース 2と端部ケース 6とを一体固定する例を示した力本実施例では図 9〜図 10に示すように、端部ケース 6の両端部における取付穴 11に、頭付きの結合ピン 22の頭部 22aを取付穴 11の段部 11aに係合させた状態でその先端を電池ケース 2の一端面 3の両端部に溶接して一体固着している。溶接方法としては、スポット溶接、アーク溶接、レーザー溶接などの方法を用いることができるが、安価で作業性の良いスポット溶接が好ましい。

[0050] 本実施例と第 1の実施例との組立工程上の違いは、第 1の実施例においては端部ケース 6の両端部の取付穴 11にドライバー（工具)を挿入してねじ 12を押圧しながら回転させ、ねじ 12の先端部を電池 1の一端面 3に形成した円形凹部 3aにねじ込むことで端部ケース 6と電池 1を一体固定していたことに比して、本実施例においては、端部ケース 6の両端部の取付穴 11に、図 6の矢印 aのように、溶接電極を挿入して結合ピン 22の頭部 22aに当接させ、押圧して溶接電流を流して結合ピン 22の先端を電池 1の一端面 3に溶接し、この結合ピン 22を介して端部ケース 6の両端部を電池 1に一体結合することである。なお、その他の工程は第 1の実施例と同じであり、矢印 bのように端部ケース 6に形成されている作業孔 19の両側力溶接電極を挿入し、押圧して溶接電流を流すと接続ブラケット 17、 18の立ち上がり部 17a、 18aを溶接し（図 3 B参照）、矢印 cのように端部ケース 6の作業開口 6aから一対の溶接電極を挿入して第 1の接続ブラケット 13の立ち上がり部 13aに当接させ、押圧して溶接電流を流すと第 1の接続ブラケット 13と接続板 14を溶接する（図 3A参照)。

[0051] 以上の本実施例の電池パック 10によれば、結合ピン 22の先端を電池 1の一端面 3 に溶接するという簡単な工程で電池 1と端部ケース 6を一体的に結合固定できるので、高、信頼性と生産性を両立した電池パック 10を実現することができる。

[0052] なお、本実施例では、結合ピン 22は端部ケース 6を電池 1に一体固着する機能のみを奏しており、電池 1の電池ケース 2と回路基板 5を電気的に接続する機能を奏しなヽ例を示した力結合ピン 22の頭部 22aを回路基板 5の電極に溶着させて電気的接続も同時に行うようにしても良ぐそうすると第 1の接続ブラケット 13と接続板 14を省略することができ、一層簡単な構成とすることができる。

[0053] (実施例 3)

次に、本発明の電池パックの第 3の実施例について説明する。なお、上記 2つの実施例と共通する構成要素については同じ参照符号を付して説明を省略し、主として相違点についてのみ説明する。

[0054] 第 2の実施例では、結合ピン 22の先端を電池ケース 2の一端面 3に直接抵抗溶接した例を示したが、例えば電池ケース 2の一端面 3がアルミニウム又はアルミニウム合金から成り、結合ピン 22として、微小でありながら十分な強度を確保するためにステンレス鋼材やニッケルメツキした鉄鋼材などの鉄系材料力なるものを用いた場合、それらを直接抵抗溶接すると必要な固着強度を高い信頼性をもって確保するのが困難な場合がある。このような問題に対処するため、本実施例では電池ケース 2の一端面 3の少なくとも結合ピン 22の先端を固着する部位を同系材質としている。

[0055] 本実施例では、図 11に示すように、電池ケース 2の一端面 3の結合ピン 22の先端を固着する部位に、結合ピン 22と同系の材質、すなわちステンレス鋼材やニッケルメツキした鉄鋼材力も成るねじ 31を螺合して固定しており、このねじ 31の頭部 31aの上端に結合ピン 22の先端を抵抗溶接してヽる。

[0056] 具体的には、電池ケース 2の一端面 3を構成する封口板がアルミニウム又はアルミ -ゥム合金にて構成され、かつその肉厚は、例えば 0. 8〜1. 5mm程度と比較的厚くされている。この電池ケース 2の一端面 3の両端部に、図 12Aに示すように、雌ねじを形成しながらねじ 31をねじ込むためのねじ下穴としての円形凹部 32を、一端面 3 を構成する封口板をプレス成形する際に形成しておき、その後、図 12Bに示すように、ねじ 31をねじ込んで一端面 3に一体的に固定することで、その頭部 31aの上端面を結合ピン 22の下端の溶接面として、る。

[0057] ねじ 31としては、例えばねじ外径が 1. 2mmのメートル細めねじを用いた場合、ねじ山の高さが 0. 13mm,ねじピッチが 0. 25mmであり、円形凹部 32の内径を 0. 9m m、深さを 1. 4mmとすることで、円形凹部 32に対してねじ 31のねじ山が 4山程度螺合するので、一端面 3がアルミニウム又はアルミニウム合金の場合でもねじ 31との間でねじの軸心方向に対して必要な固着強度が得られる。

[0058] なお、上記ねじ 31の具体例は一例であって、通常使用されるねじ 31としては、ねじ外径が 1. 0〜2. Omm,ねじピッチが 0. 2〜0. 4mmの細目系ねじが好適に用いられ、それに対応して円形凹部 32は、その内径が 0. 6〜1. 7mm、深さが 0. 8〜1. 6 mm程度に設定される。

[0059] 以上のように本実施例によれば、電池ケース 2の一端面 3の少なくとも結合ピン 22 の先端を固着する部位に、結合ピン 22と同系の材質のねじ 31を固着してその頭部 3 laの上端面に抵抗溶接するようにしたので、同系材質同士の固着となって十分な強度を有する信頼性の高い固着状態を容易に確保することができ、かつ電池 1の一端面 3にねじ 31を螺合固定するという簡単な工程を付加するだけであるので、より簡易に実施することができて好適である。

[0060] なお、本実施例では、結合ピン 22は端部ケース 6を電池 1に一体固着する機能のみを奏しており、電池 1の電池ケース 2と回路基板 5を電気的に接続する機能を奏しなヽ例を示した力結合ピン 22の頭部 22aを回路基板 5の電極に溶着させて電気的接続も同時に行うようにしても良ぐそうすると第 1の接続ブラケット 13と接続板 14を省略することができ、一層簡単な構成とすることができる。

[0061] (実施例 4)

次に、本発明の電池パックの第 4の実施例について説明する。なお、上記第 1から第 3の実施例と共通する構成要素については同じ参照符号を付して説明を省略し、主として相違点についてのみ説明する。

[0062] 本実施例においては、第 1の実施例におけるねじ 12、第 2の実施例における結合ピン 22、第 3の実施例におけるねじ 31と結合ピン 22の組合せに替えて、図 13A〜1 4Bに示すような結合ピン 42を用いる。すなわち、端部ケース 6の両端部に、下端近傍に段部 1 laを有して上下方向に貫通する取付穴 11を設け、この取付穴 11に挿入した結合ピン 42の頭部 42aを段部 11aに係合させた状態でその先端部を電池ケース 2の一端面 3の両端部にスポット溶接 (抵抗溶接）にて固着することで電池 1と端部ケース 6とを一体固定する。 [0063] この結合ピン 42の先端部のスポット溶接部の詳細を、主として図 14B及び図 15A 〜15Bを参照して説明する。電池ケース 2はその一端面 3を含めてアルミニウム又はアルミニウム合金にて構成され、かつ一端面 3の肉厚は例えば 0. 8〜1. 5mm程度と比較的厚くされており、この一端面 3の両端部に、図 15Aに詳細に示すように、内径が 0. 6〜1. 7mm、深さが 0. 8〜1. 6mm程度の円形の穴 3aがプレス成形にて形成されている。なお、穴 3aは必ずしも円形である必要はなぐ方形であっても良い。

[0064] 結合ピン 42は、表面にニッケルメツキを施した鋼材やステンレス鋼材などの鉄系材質のものが微小でも十分な強度が得られるので好適に用いられ、図 15Aに詳細に示すように、その先端に穴 3aに嵌合する突部 42bが突設され、さらにその突部 42bの周面の基端部に凹部 42cが凹入形成されている。結合ピン 42の軸径は、 1. 0〜2. Omm、突部 42bは穴 3aに対応し、凹部 42cの軸方向幅は穴 3aの深さの 1/3〜： LZ 2程度、径方向の深さは穴 3aの内径の 1Z5〜1Z3程度が好適である。また、凹部 4 2cの形状と数は、図 16Aに示すように、矩形のものを周方向に 2〜4箇所に形成したもの、図 16Bに示すように、突部 42bの両側から三日月状に切欠形成したもの、図 1 6Cに示すように、周方向全周に連続する環状溝に形成したもの、また図 16Dに示すように、矩形の突部の場合のスロット溝に形成したもの、さらに図 16Eに示すように、凹部 42cを突部 42bの外面に形成した、例えば幅 l〜2mm、深さ l〜2mmのローレット溝にて構成したものなど種々の形状から任意に選択することができる。

[0065] 図 15Aに示すように、電池ケース 2の一端面 3に形成した穴 3aに、結合ピン 42の突部 42bを嵌合させた状態で、端部ケース 6の両端部の結合ピン 42の頭部 42aに溶接電極を当接させ、結合ピン 42と電池ケース 2の一端面 3との間に溶接電流を流すと、結合ピン 42の先端と電池ケース 2の一端面 3との接触面が加熱され、アルミニウム又はアルミニウム合金力成り溶融温度の低、電池ケース 2の一端面 3が溶融し、両者が溶接接合されるとともに溶融金属が図 15Bに示すように、突部 42bの凹部 42c内に流入'充填されてアンカー効果が発揮され、結合ピン 42の先端部と電池ケース 2の一端面 3とが何れの方向にた、しても強固に結合される。

[0066] なお、図 15A〜15Bの例では、電池ケース 2の一端面 3の穴 3aの周縁部が他の部分と面一の平面の例を示したが、図 17Aに示すように、穴 3aのプレス成型時に、穴 3 aの周縁部に突出部 3bを突出形成し、その突出部 3bに結合ピン 42の突部 42bの周囲の端面が当接するように構成すると、スポット溶接時にこの突出部 3bに溶接電流が集中して流れて容易に溶融し、溶融した金属が、図 17Bに示すように、凹部 42c内に円滑に流動して充填されるので、アンカー効果を確実に得ることができる。

[0067] 本実施例において電池 1と端部ケース 6を固着させるには、端部ケース 6の両端部の取付穴 11に、図 6の矢印 aのように、スポット溶接機の溶接電極を挿入して結合ピン 42の頭部 42aに当接させ、押圧して溶接電流を流し、結合ピン 42の先端部を電池 1の一端面 3に溶接し、この結合ピン 42を介して端部ケース 6の両端部を電池 1に一体固定する。その後の工程は他の実施例と同じであり、矢印 bのように端部ケース 6に形成されている作業孔 19の両側から溶接電極を挿入し、押圧して溶接電流を流して接続ブラケット 17、 18の立ち上がり部 17a、 18aを溶接し（図 3B参照）、矢印 cのように端部ケース 6の作業開口 6aから、一対の溶接電極を挿入して第 1の接続ブラケット 13の立ち上がり部 13aに当接させ、押圧して溶接電流を流して第 1の接続ブラケット 13と接続板 14を溶接する（図 3A参照)。

[0068] 本実施例の電池パック 10によれば、結合ピン 42の先端部を電池 1の一端面 3にスポット溶接するという簡単な工程で電池 1と端部ケース 6を一体的に結合固定できるので、高い信頼性と生産性を両立した電池パック 10を実現することができる。しかも、結合ピン 42の先端部と電池 1の一端面 3は、結合ピン 42先端の突部 42b外周に形成した凹部 42cに電池 1の一端面 3を形成する部材が食い込んでアンカー効果を奏する状態で固着されているので、電池 1の一端面 3と平行な方向（結合ピン 42をせん断する方向）だけでなぐ端部ケース 6を電池 1に対して離間させる方向（結合ピン 42 を引張する方向）に対してもアンカー効果によって大きな耐カを持たせることができることから、あらゆる方向の外力に対して高い固着強度を確保することができる。

[0069] なお、本実施例では、結合ピン 42は端部ケース 6を電池 1に一体固着する機能のみを奏しており、電池 1の電池ケース 2と回路基板 5を電気的に接続する機能を奏しない例を示したが、結合ピン 42の頭部 42aを回路基板 5の電極に接触させ、また必要に応じてレーザビーム照射等にて頭部 42aの一部を溶着させて電気的接続も同時に行うようにしても良い。そうすると、第 1の接続ブラケット 13と接続板 14を省略することができ、一層簡単な構成とすることができる。

産業上の利用可能性

以上説明したとおり本発明の電池パックは、電池の一端に端部ケースを固着した構成であるため、コンパクトな構成とすることができるとともに全ての方向の外力に対して高い耐カを有する状態で一体固着でき、また電池と端部ケース内の回路基板と外部接続端子との間の接続経路を短かくできて接続抵抗を小さくできる。また、電池と端部ケースの固着は、ねじの先端部を電池の一端面にねじ込むことや、結合ピンの先端部を電池の一端面に溶接することや、ねじの先端部を電池の一端面にねじ込んでそのねじの頭部に結合ピンを溶接することや、結合ピンの先端部をアンカー効果を持たせた状態で電池の一端面に溶接することにより一体固定しているので簡単なェ程で電池と端部ケースを一体的に結合固定でき、力べして高い信頼性と生産性を両立した電池パックを実現することができ、携帯電子機器用などの小型の電池パックに有用である。

Claims

請求の範囲

[1] 1.電池（1)と、充放電安全回路を有し電池の一端面（3)上に配置される回路基板

(5)と、外部接続端子 (7)を装着された端部ケース (6)とを備えた電池パックであって、回路基板 (5)を端部ケース (6)の内部に収容配置し、端部ケース (6)の両端部に頭部（12a)が係合して貫通するねじ（12)の先端部を電池（1)の一端面（3)の両端部にねじ込み固定した電池パック。

[2] 2.電池（1)は、電池ケース（2)がー方の極性の電極端子であり、一端面（3)に電池ケース（2)と異なる極性の電極端子 (4)を有し、電池ケース（2)の一端面（3)の電極端子 (4)に安全保護素子（16)の一端（16a)を接続し、安全保護素子（16)の他端（16b)を回路基板 (5)に接続した請求の範囲第 1項に記載の電池パック。

[3] 3.電池（1)と、充放電安全回路を有し電池の一端面（3)上に配置される回路基板

(5)と、外部接続端子 (7)を装着された端部ケース (6)とを備えた電池パックであって、回路基板 (5)を端部ケース (6)の内部に収容配置し、端部ケース (6)の両端部に頭部（22a)が係合して貫通する頭付きの結合ピン（22)の先端を電池（1)の一端面（ 3)の両端部に固着した電池パック。

[4] 4.電池（1)の一端面（3)の少なくとも結合ピン先端を固着する部位に、結合ピン (2

2)と同系の材質の部材を設けた請求の範囲第 3項に記載の電池パック。

[5] 5.電池（1)の一端面（3)の結合ピン先端に対向する部位に、結合ピン（22)と同系材質力成るねじ（31)を螺合固定した請求の範囲第 4項に記載の電池パック。

[6] 6.電池（1)は、電池ケース（2)がー方の極性の電極端子であり、一端面（3)に電池ケース（2)と異なる極性の電極端子 (4)を有し、電池ケース（2)の一端面（3)の電極端子 (4)に安全保護素子（16)の一端（16a)を接続し、安全保護素子（16)の他端（16b)を回路基板 (5)に接続した請求の範囲第 3項に記載の電池パック。

[7] 7.電池（1)と、充放電安全回路を有し電池の一端面（3)上に配置される回路基板

(5)と、外部接続端子 (7)を装着された端部ケース (6)とを備えた電池パックであって、回路基板 (5)を端部ケース (6)の内部に収容配置し、端部ケース (6)に頭部 (42a) が係合して貫通する結合ピン (42)の先端部と電池の一端面（3)を、電池の一端面（

3)を形成する部材を結合ピン (42)の先端部外周に形成した凹部 (42c)に食、込ませた状態で固着した電池パック。

[8] 8.結合ピン (42)の先端に周面に凹部 (42c)を有する突部 (42b)を設け、電池の一端面 (3)に結合ピン先端の突部 (42b)が嵌合する穴（3a)を形成し、前記突部 (4 2b)を前記穴（3a)に嵌合させて結合ピン先端と電池の一端面（3)を抵抗溶接した請求の範囲第 7項に記載の電池パック。

[9] 9.電池（1)は、電池ケース（2)がー方の極性の電極端子であり、一端面（3)に電池ケース（2)と異なる極性の電極端子 (4)を有し、電池ケース（2)の一端面（3)の電極端子 (4)に安全保護素子（16)の一端（16a)を接続し、安全保護素子（16)の他端（16b)を回路基板 (5)に接続した請求の範囲第 7項に記載の電池パック。

[10] 10.電池（1)は、電池ケース（2)がー方の極性の電極端子であり、一端面（3)に電池ケース（2)と異なる極性の電極端子 (4)を有し、電池ケース（2)の一端面（3)に立ち上がり部（13a)を有する第 1の接続ブラケット（13)を固着し、端部ケース (6)の一側壁の内側に第 1の接続ブラケット（ 13)の立ち上がり部（ 13a)に重なるとともに一部が回路基板 (5)に接続された接続板（14)を配置し、端部ケース (6)の一側壁の立ち上がり部（14)に対向する部分に形成した作業開口（6a)を通して立ち上がり部（13a )と接続板（14)を溶接した請求の範囲第 1、第 3、第 7項のいずれか 1項に記載の電池パック。

[11] 11.安全保護素子（16)の他端（16b)と回路基板 (5)に、相互に重なり合う立ち上力 Sり部（17a, 18a)を有する第 2と第 3の接続ブラケット（17, 18)を固着し、端部ケース (6)に開口された作業孔（19)を通して第 2と第 3の接続ブラケット（17, 18)の立ち上がり部（17a, 18a)を溶接した請求の範囲第 2、第 6、第 9項のいずれか 1項に記載の電池パック。

[12] 12.端部ケース (6)に装着された外部接続端子 (7)は、接続相手の接続端子を挿脱して接続'遮断する請求の範囲第 1、第 3、第 7項のいずれか 1項に記載の電池パック