明 細 書
PAR— 2アンタゴニスト 技術分野
[0001] 本発明は、 PAR— 2アンタゴニスト、及び当該 PAR— 2アンタゴニストを有効成分と して含有する PAR— 2が関与する疾患の予防 ·治療剤、詳細には喘息等の呼吸器 疾患、アレルギー性鼻炎等のアレルギー性疾患、心筋梗塞等の心血管系疾患、神 経痛等の神経系疾患、アトピー性皮膚炎、慢性関節炎等の炎症性疾患や癌等に対 し、その発症'進展の予防、病態改善、治療等に有用な医薬に関する。
背景技術
[0002] PAR(Protease-activated receptor)— 2は、 Nystedtらにより 1994年に発見された 7 回膜貫通型の G蛋白結合型受容体である(Proc Natl Acad Sci USA, 91, 9208-9212 (1994))。これまでに PAR— 1 , 2, 3, 4が知られているプロテアーゼ活性化受容体(P AR)ファミリ一は、受容体分子の細胞外 N末端の特定部位がトロンビンやトリプシンな どのプロテアーゼの作用により切断され、新たに露出された切断末端のリガンド部位 が受容体自体の結合部位に結合することで活性化を引き起こす、特徴的な活性化メ 力二ズムを有している。 PAR- 1, 3, 4は Thrombinにより活性化されることが知られて いる力 PAR— 2は Thrombinによっては活性化を受けず、トリプシン(Proc Natl Acad Sci USA, 91, 9208-9212 (1994))、トリプターゼ((J Biol Chem., 272(7):4043-4049 (1 997))、ティッシュファクター/ Vila因子、 Xa因子(Proc Natl Acad Sci U S A., 97(10): 5255-5260 (2000))、精子プロテアーゼの一種ァクロシン(FEBS Lett., 484(3):285- 29 0 (2000))、ラットの脳より同定されたトリプシン様セリンプロテアーゼ (J Neurochem., 7 4(4):1731-1738. (2000))等のプロテアーゼにより活性化されることが報告されている。
[0003] PAR— 2は内皮性の組織に広く分布することが知られている力 特に消化器、呼吸 器、血管、皮膚、腎臓等で高く発現していることが示されており、上述のように生体内 ではトリプシンや肥満細胞由来のトリプターゼ等によって活性化されることから、幅広 く炎症性の疾患に関与する可能性が示唆されている(Pharmacological Rev, 53, 245- 282, (2001))。実際、近年の PAR— 2活性化ペプチドや PAR— 2遺伝子欠損マウス
を用いた薬理学的、遺伝子学的解析により PAR— 2刺激が多くの器官において炎症 的に作用を示すこと(Br J Pharmacol, 125, 419-422 (1998))、 PAR— 2が炎症性の 刺激により発現誘導されること(J Biol Chem., 271(25):14910-14915. (1996))、炎症 時の組織や動脈硬化巣、癌細胞等において高発現していること (J Clin Invest., 111( 1):35-41. (2003)、 Int J Oncol, 23(1):61_66 (2003)など)、また PAR— 2遺伝子欠損 マウスでは接触性皮膚炎モデルや実験的関節炎モデルにおいて炎症の発症が抑 制されること(国際公開特許 WO03/049723号)、喘息の原因となる炎症性細胞の局 所への浸潤が抑制されること(J Immunol., 165(11):6504-6510 (2000))等が示され、 P AR— 2の炎症や癌における働きが注目されている。従って、 PAR— 2活性化を阻害 することにより炎症性疾患(喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、慢性関節 炎など)や癌の発症'進展の予防、あるいは病態改善が可能と考えられ、新規抗炎症 剤 '杭がん剤としての PAR— 2活性化阻害剤、特に PAR— 2アンタゴニストの開発が 期待されている。
[0004] 一方、涙腺'唾液腺にぉレ、ては PAR— 2活性化による顕著な涙液 ·唾液の分泌が 認められており、シエーダレン症候群等の涙液 ·唾液分泌の低下が問題となる疾患に 対しては PAR— 2ァゴニストが有用な治療薬となりうる可能性が示されてレ、る(日本国 公開特許 2001-64203、 2001-181208)。さらに、消化器官においては PAR— 2活性 化による胃粘膜保護作用(日本国公開特許 2001-233790)や、腸の自動運動の促進 (米国特許第 5888529号、第 5958407号)が報告されており、 PAR— 2ァゴニストなど による PAR— 2の活性化が、胃潰瘍や腸閉塞の治療に役立つ可能性も考えられる。
[0005] このように、 PAR— 2をターゲットとしたァゴニストあるいはアンタゴニストの治療薬と しての可能性に注目が集まっており、 PAR— 2の活性化を評価する様々な方法が試 みられている。例えば、 PAR— 2を発現している細胞を用いた PAR— 2活性化に伴う セカンドメッセンジャーの産生を指標にする方法として、リン酸化 Inositolの定量 (Proc Natl Acad Sci U S A" 5;94(16):8884— 8889 (1997))、あるいは細胞内 Ca2+濃度変動 の測定 (Anal Biochem., 290(2):378_9 (2001》などが一般的に用いられる。また、 ex vi voや in vivoでの活性評価の方法として摘出血管の弛緩を指標にした方法 (Can J Phy siol Pharmacol., 75(7):832-41 (1997))、唾液分泌亢進を指標にした方法 (Br J Pharm
acol., 129(8):1808-14 (2000》等が知られている。他に、リガンドと G蛋白結合型受容 体の相互作用を直接的に評価する方法として、放射性同位元素あるいは蛍光色素 等でラベルしたリガンドを用いた、受容体—リガンド結合試験が一般に用いられてお り、?八 _ 2特異的なリガンド &113-(±111&1110^-し1〇1^0_^^2を用ぃた受容体_リガ ンド結合試験(J Pharmacol Exp Ther, 290, 753-760 (1999))や、さらに高活性の PA R— 2活性化ペプチド 2_i iroy卜 LIGRL-NH2を用いた高感度アツセィの報告がある( 投稿中)。
[0006] し力しながら、前述のように PAR— 2選択的な高活性ァゴニスト(国際公開特許 WO 03/104268)の報告は認められるものの、明らかな PAR— 2アンタゴニスト活性を示す 化合物の報告はほとんど認められていない。これまでに PAR— 2ァゴニスト刺激によ る細胞内シグナル伝達を阻害する化合物が報告されているが(日本国公開特許 2003 -286171)、 PAR— 2に対する直接的な阻害作用であるかは明らかにされていない。 また、 PAR— 2ァゴニストの構造から導かれたとされる一連のアンタゴニストが報告( 国際公開特許 WO2004/002418)されているが、 PAR— 2阻害のメカニズムが明らか にされていないことに加え、 PAR— 2刺激を阻害するのに必要な濃度は mMオーダ 一であることが示されており、阻害活性としては十分であるとは言えない。これ以外に は A卜 Aniらにより報告されている PAR— 1あるいは PAR— 2活性化ペプチドの誘導 体ペプチドが Trypsin刺激による PAR— 2活性化を抑制することが報告されているが 、 PAR— 2活性化ペプチドに対する阻害効果を示さず、 Trypsinと PAR— 2との結合 、あるいは相互作用を阻害している可能性が示唆されている。もう一つのユニークな PAR— 2活性化の阻害方法として、 PAR- 2受容体の細胞内ドメイン構造を模した ペプチドにパルミチン酸を付加した化合物(Pepducin)により、受容体と G蛋白質との 結合を妨げることでシグナル伝達を特異的に阻害するアプローチがなされている(Na t Med. 2002 Oct;8(10):1161_5.)力 化合物の標的部位への適切な移送や受容体シ グナルの特異性等、薬物療法として用いるには未だ問題点が残されている。
[0007] 従って、本発明の目的は、 PAR— 2の活性化を受容体レベルで的確に阻害する、 受容体のリガンド結合部位に競合的に作用する PAR—2アンタゴニストを提供するこ とにある。即ち、 PAR— 2が関与する疾患、例えば喘息等の呼吸器疾患、アレルギー
性鼻炎等のアレルギー性疾患、心筋梗塞等の心血管系疾患、神経痛等の神経系疾 患、アトピー性皮膚炎、慢性関節炎等の炎症性疾患や癌等に対し、その発症 '進展 の予防、病態改善、治療等に有用な医薬を提供することにある。
発明の開示
[0008] 上記実状に鑑み、本発明者らは鋭意検討した結果、下記の一般式(1)
[化 1]
(式中、 R1は水素原子、ハロゲン原子、又は次の式(2)
[0009] [化 2]
(式中、 R11は炭素数 1—6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示し、 R1 R"は 隣接する窒素原子と共に 5— 7員の環構造を形成し、当該環中の 1—2個の炭素原 子は窒素原子又は酸素原子で置換されてもよぐまた当該環は炭素数 1 6の直鎖 状又は分岐状のアルキル基で置換されてレ、てもよレ、。 )で表される基を示し:
R2は、炭素数 1 6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数 3— 6のシクロア ルキル基、炭素数 3 6のシクロアルキル基で置換された炭素数 1 6の直鎖状若し くは分岐状のアルキル基、又は 1 3個のハロゲン原子若しくは炭素数 1 6の直鎖 状若しくは分岐状のアルキル基で置換されてレ、てもよレ、炭素数 7— 12のァラルキノレ 基を示し:
R3及び R4は、それぞれ独立して水素原子、 1—3個のハロゲン原子若しくは炭素数 1 6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基で置換されてもょレ、炭素数 7— 21のァラ ルキル基を示し:
Ai—AZ—A3は、それぞれ独立してグリシン、ァラニン、シクロへキシノレァラニン、 ひ , 7—ジァミノ酪酸、リジン、アルギニン、フエ二ルァラニン、パリン、及びナフチルァラ ニンからなる群から選ばれるひ 一アミノ酸からなるトリペプチド残基を示す。) で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物が、 PAR— 2ァゴニストに よるヒト皮膚角化細胞(ケラチノサイト)のシグナル伝達を強く抑制することを示したこと から、 PAR— 2に対して阻害効果を有することを見出した。
[0010] 従って、本発明は、前記一般式(1)で表される化合物、その塩又はそれらの溶媒和 物を提供するものである。
[0011] また、本発明は、前記一般式(1)、その塩又はそれらの溶媒和物、及び製薬上許 容される担体とからなる、 PAR— 2が関与する疾患を予防 ·治療するための医薬組成 物に関する。
[0012] また、本発明は、前記一般式(1)、その塩又はそれらの溶媒和物、及び製薬上許 容される担体とからなる、喘息等の呼吸器疾患、アレルギー性鼻炎等のアレルギー 性疾患、心筋梗塞等の心血管系疾患、神経痛等の神経系疾患、アトピー性皮膚炎、 慢性関節炎等の炎症性疾患や癌を予防 ·治療するための医薬組成物に関する。
[0013] また、本発明は、 PAR— 2が関与する疾患の患者又はその可能性がある患者に、 前記本発明の化合物(1)、その塩又はそれらの溶媒和物の有効量を投与することか らなる、 PAR— 2が関与する疾患の予防又は治療方法に関する。
[0014] また、本発明は、喘息等の呼吸器疾患、アレルギー性鼻炎等のアレルギー性疾患 、心筋梗塞等の心血管系疾患、神経痛等の神経系疾患、アトピー性皮膚炎、慢性関 節炎等の炎症性疾患や癌の患者又はその可能性がある患者に、前記本発明の化合 物(1)、その塩又はそれらの溶媒和物の有効量を投与することからなる喘息等の呼 吸器疾患、アレルギー性鼻炎等のアレルギー性疾患、心筋梗塞等の心血管系疾患 、神経痛等の神経系疾患、アトピー性皮膚炎、慢性関節炎等の炎症性疾患や癌の 予防又は治療方法に関する。
[0015] また、本発明は、 PAR— 2が関与する疾患の予防 ·治療用の医薬組成物を製造す るための前記本発明化合物(1)、その塩又はそれらの溶媒和物の使用に関する。
[0016] また、本発明は、喘息等の呼吸器疾患、アレルギー性鼻炎等のアレルギー性疾患
、心筋梗塞等の心血管系疾患、神経痛等の神経系疾患、アトピー性皮膚炎、慢性関 節炎等の炎症性疾患や癌の予防'治療用の医薬組成物を製造するための前記本発 明化合物(1)、その塩又はそれらの溶媒和物の使用に関する。
また、本発明は、次の一般式(3)
[化 3]
(式中、 R5は、ハロゲン原子、又は式— CO— R51 (式中、 R51は、水素原子、炭素数 1 _ 6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよいフエニル基、 又は置換基を有してもよい 2—フロイル基)を示し:
R2は、炭素数 1 _ 6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数 3 _ 6のシクロア ルキル基、炭素数 3— 6のシクロアルキル基で置換された炭素数 1 6の直鎖状若し くは分岐状のアルキル基、又は 1 3個のハロゲン原子若しくは炭素数 1 6の直鎖 状若しくは分岐状のアルキル基で置換されてレ、てもよレ、炭素数 7— 12のァラルキノレ 基を示し:
R3及び R4は、それぞれ独立して水素原子、 1—3個のハロゲン原子若しくは炭素数 1 6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基で置換されてもょレ、炭素数 7— 21のァラ ルキル基を示し:
A1— A2— A3は、それぞれ独立してグリシン、ァラニン、シクロへキシノレァラニン、 α , yージァミノ酪酸、リジン、アルギニン、フエ二ルァラニン、バリン、及びナフチルァラ ニンからなる群から選ばれる α アミノ酸からなるトリペプチド残基を示す。) で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物に関する。
本発明によれば、 PAR— 2を介したシグナル伝達の阻害により炎症性疾患を初め とした様々な PAR— 2が関与する疾患に対して有効な予防 ·治療剤となりうる PAR - 2アンタゴニストを提供できる。
図面の簡単な説明
[0018] [図 1]図 1は、 PAR— 2を発現しているヒト皮膚角化細胞(ケラチノサイト)における PA R— 2ァゴニストによる細胞内 Ca2+濃度変動、ならびに PAR— 2アンタゴニストによる 阻害作用を示す図である。
発明を実施するための最良の形態
[0019] 以下、前記の一般式(1)〜(3)に沿って説明する。
一般式(1)中、 R1で表されるハロゲン原子、 R2で表される 1—3個のハロゲン原子 で置換されていてもよい炭素数 7 12のァラルキル基におけるハロゲン原子、ならび に R3及び R4で表される 1—3個までのハロゲン原子で置換されてもよい炭素数 7— 2 1のァラルキル基におけるハロゲン原子には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ 素原子が含まれる。
[0020] R1は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもょレ、ピロリジニルメチル基、置換基 を有してもよい N—メチルビペラジニルメチル基、置換基を有してもよいモルホリニル メチル基、置換基を有してもよい 2—フロイル基を示す力 これらの内、水素原子、ピ ロリジニルメチル基、 N—メチルビペラジニルメチル基が好ましぐピロリジニルメチノレ 基、 N メチルビペラジニルメチル基が特に好ましレ、。また、ピロリジニルメチル基、 N —メチルビペラジニルメチル基、モルホリニルメチル基、 2—フロイル基の置換基とし ては、ハロゲン原子、水酸基、炭素数 1 _ 6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、 又は炭素数 3 _ 6の環状アルキル基が挙げられる。
[0021] R2はハロゲン置換若しくは無置換べンジノレ基、炭素数 1—6の直鎖、分岐状若しく は環状アルキル基を示すが、これらの内、ハロゲン置換べンジル基、炭素数 1 _ 6の 分岐状アルキル基が好ましぐ 2, 6 ジクロ口べンジル基、イソプロピル基が特に好ま しい。
R3及び R4は、それぞれ独立して水素原子、 1—3個までのハロゲン原子若しくは炭 素数 1 6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基で置換されてもよい炭素数 7 21 のァラルキル基を示す力 水素原子、ベンジル基、ベンズヒドリル基が特に好ましい。
[0022] A1 A2 A3は、それぞれ独立して天然又は非天然の α アミノ酸、好ましくはダリ シン、ァラニン、シクロへキシルァラニン、 a , y—ジァミノ酪酸、リジン、アルギニン、 フエ二ルァラニン、バリン、及びナフチルァラニンからなる群から選ばれる α—ァミノ
酸からなるトリペプチド残基を示す。
A1のひ一アミノ酸としては、グリシン、ァラニン又はシクロへキシルァラニンが好まし ぐより好ましくはグリシンが挙げられる。
A2のひ 一アミノ酸としては、炭素鎖 3から 8の鎖状ジァミノカルボン酸が好まし より 好ましくは a, y—ジァミノ酪酸又はリジンが挙げられる。
A3のひ一アミノ酸としては、フエ二ルァラニン、ノ リン又は β—ナフチルァラニンが 好ましぐより好ましくはフエ二ルァラニンが挙げられる。
[0023] 本発明化合物(1)の塩としては、製薬上許容される塩であれば特に制限されない 力 酸付加塩が好ましぐ例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、 リン酸塩のような鉱酸の酸付加塩;安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン 酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、 ρ—トルエンスルホン酸塩、シユウ酸塩、マレイン酸塩、 フマル酸塩、酒石酸塩、クェン酸塩、酢酸塩のような有機酸の酸付加塩を挙げること ができる。
[0024] また、本発明化合物(1)は、水和物に代表される溶媒和物の形態で存在し得るが、 当該溶媒和物も本発明に包含される。また、本発明化合物(1)が不斉炭素を有する 場合は、本発明は何れの立体配置からなる異性体をも包含されている。
[0025] 本発明の一般式(1)で表される化合物は、公知の化学合成方法を適宜組み合わ せて製造することができる。好ましい製造方法としては、例えば、遊離又はアミノ基が 保護されているひ—アミノ酸をアミド化して、必要に応じてァミノ基の保護基を脱保護 し、また必要に応じてアミノ基を反応性の誘導体として、一般式 (4)
( 4 )
(式中、
及び A
3は前記したものと同じであり、 R
61は水素原子、ァミノ基の保 護基、又は反応性誘導体の基を示す。 )
で表される α—アミノ酸のアミド化物を製造し、これを公知のペプチド合成方法により 、一般式 (5)
[0026] [化 5]
( 5 )
(式中、 R3、 R4、 A1— A2— A3は前記と同じものを示し、 R62は水素原子、ァミノ基の保 護基、又は反応性誘導体を示す。 )
で表されるトリペプチド誘導体を製造し、これと次の一般式 (6)
[0027] [化 6]
(式中、 R2は前記と同じものを示し、 R5は前記と同じもの力 又は前記した R1と同じも のを示し、 R63は脱離基を示す。 )
で表される化合物とを反応させて製造することができる。
[0028] このような方法により直接本発明の一般式(1)で表される化合物を製造することもで きる力 前記した方法により中間体として、例えば一般式 (3)
[化 7]
( 3 )
(式中、 R5は、ハロゲン原子、又は式— CO— R51 (式中、 R51は、水素原子、炭素数 1 _ 6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよいフエニル基、 又は置換基を有してもよい 2—フロイル基)を示し:
R2は、炭素数 1 _ 6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数 3 _ 6のシクロア ルキル基、炭素数 3— 6のシクロアルキル基で置換された炭素数 1一 6の直鎖状若し
くは分岐状のアルキル基、又は 1一 3個のハロゲン原子若しくは炭素数 1一 6の直鎖 状若しくは分岐状のアルキル基で置換されてレ、てもよレ、炭素数 7 - 12のァラルキノレ 基を示し:
R3及び R4は、それぞれ独立して水素原子、 1—3個までのハロゲン原子若しくは炭 素数 1一 6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基で置換されてもよい炭素数 7— 21 のァラノレキノレ基を示し:
Ai—AS—A3は、それぞれ独立してグリシン、ァラニン、シクロへキシノレァラニン、 ひ, yージァミノ酪酸、リジン、アルギニン、フエ二ルァラニン、バリン、及びナフチルァラ ニンからなる群から選ばれる α—アミノ酸からなるトリペプチド残基を示す。) を製造し、この中間体を加水分解、アミド化などの公知の方法により本発明の一般式 (1)で表される化合物とすることができる。
[0029] 本発明の前記した一般式(3)で表される中間体は新規化合物である。
本発明の一般式(1)で表される化合物の製造方法のより具体的な例は、後記する 実施例によりさらに詳細に開示されている。
本発明の一般式(1)で表される化合物の精製方法としては、例えば再結晶法、カラ ムクロマトグラフィーなどの通常の精製手段が挙げられる。また必要に応じて、常法に よって前記した所望の塩又は溶媒和物にすることもできる。
[0030] 本発明の医薬組成物は、本発明化合物(1)、その塩又はその溶媒和物を有効成 分とするものであり、この投与形態は、特に限定されず治療目的に応じて適宜選択で き、例えば、経口剤、注射剤、坐剤、軟膏剤、吸入剤、点眼剤、点鼻剤、貼付剤のい ずれでもよ これらの投与形態に適した組成物は、製薬上許容される担体を配合し 、当業者に公知慣用の製剤方法により製造できる。
[0031] 経口用固形製剤を調製する場合は、本発明化合物(1)に賦形剤、必要に応じて結 合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤等を加えた後、常法により錠剤、被 覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等を製造することができる。そのような添加剤とし ては、当該分野で一般的に使用されているものでよぐ例えば、賦形剤としては、乳 糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、微結晶セ ルロース、珪酸等を、結合剤としては水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブド
ゥ糖液、デンプン液、ゼラチン液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセ ノレロース、 ヒドロキシプロピノレスターチ、メチノレセノレロース、ェチノレセノレロース、シエラ ック、リン酸カルシウム、ポリビュルピロリドン等を、崩壊剤としては乾燥デンプン、アル ギン酸ナトリウム、カンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナト リウム、ステアリン酸モノグリセリド、乳糖等を、滑沢剤としては精製タルク、ステアリン 酸塩、ホウ砂、ポリエチレングリコール等を、矯味剤としては白糖、橙皮、クェン酸、酒 石酸等を例示できる。
[0032] 経口用液体製剤を調製する場合は、本発明化合物(1)に矯味剤、緩衝剤、安定化 剤、矯臭剤等を加えて常法により内服液剤、シロップ剤、エリキシル剤等を製造する こと力 Sできる。この場合矯味剤としては上記に挙げられたものでよぐ緩衝剤としては クェン酸ナトリウム等力 安定化剤としてはトラガント、アラビアゴム、ゼラチン等が挙 げられる。
[0033] 注射剤を調製する場合は、本発明化合物(1)に pH調節剤、緩衝剤、安定化剤、等 張化剤、局所麻酔剤等を添加し、常法により皮下、筋肉及び静脈内注射剤を製造す ることができる。この場合の pH調製剤及び緩衝剤としてはクェン酸ナトリウム、酢酸ナ トリウム、リン酸ナトリウム等が挙げられる。安定化剤としてはピロ亜硫酸ナトリウム、 E DTA、チォグリコール酸、チォ乳酸等が挙げられる。局所麻酔剤としては塩酸プロ力 イン、塩酸リドカイン等が挙げられる。等張化剤としては、塩ィ匕ナトリウム、ブドウ糖等 が例示できる。
[0034] 坐薬を調製する場合は、本発明化合物(1)に当業界において公知の製剤用担体、 例えば、ポリエチレングリコール、ラノリン、カカオ脂、脂肪酸トリグリセライド等を、さら に必要に応じてツイーン (登録商標)のような界面活性剤等を加えた後、常法により 製造すること力 Sできる。
[0035] 軟膏剤を調製する場合は、本発明化合物(1)に通常使用される基剤、安定剤、湿 潤剤、保存剤等が必要に応じて配合され、常法により混合、製剤化される。基剤とし ては、流動パラフィン、白色ワセリン、サラシミツロウ、オタチルドデシルアルコール、 ノ ラフィン等が挙げられる。保存剤としては、 p—ヒドロキシ安息香酸メチル、 P-ヒドロ キシ安息香酸ェチル、 P—ヒドロキシ安息香酸プロピル等が挙げられる。
上記以外に、常法により吸入剤、点眼剤、点鼻剤とすることもできる。
[0036] 本発明の医薬組成物の有効成分の投与量は、患者の年齢、性別、体重、症状、治 療効果、処理時間、投与形態及び投与回数等によって異なるが、通常は成人に対し て本発明ィ匕合物(1)として 1曰 0. 001〜1000mg、好ましくは 0. 01〜500mgを 1回 又は数回に分けて経口投与又は非経口投与するのが好ましい。し力 ながら、投与 量は種々の条件により変動するため、上記投与量より少ない量で十分な場合もあり、 また上記の範囲を越える投与量が必要な場合もある。例えば、注射剤の場合には、 生理食塩水あるいは注射用蒸留水等の非毒性の製薬上許容される担体中に、本発 明化合物(1)として 0.1 μ g/mL担体〜 10mg/mL担体の濃度となるように溶解又 は懸獨することにより製造すること力できる。
[0037] このようにして製造された注射剤は、処置を必要とするヒト患者に対し、 1回の投与 におレヽて lkg体重あたり、 1 μ g〜100mgの害 'J合で、好ましくは 50 μ g〜50mgの害 ij 合で、 1日あたり 1回〜数回投与することができる。投与の形態としては、静脈内注射 、皮下注射、皮内注射、筋肉内注射あるいは腹腔内注射のような医療上適当な投与 形態が例示できる。好ましくは静脈内注射である。また、注射剤は、場合により、非水 性の希釈剤(例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ォリーブ油のよう な植物油、エタノールのようなアルコール類など)、懸濁剤あるいは乳濁剤として調製 することもできる。そのような注射剤の無菌化は、バクテリア保留フィルターを通す濾 過滅菌、殺菌剤の配合又は照射により行うことができる。注射剤は、用時調製の形態 として製造することができる。即ち、凍結乾燥法などによって無菌の固体組成物とし、 使用前に無菌の注射用蒸留水又は他の溶媒に溶解して使用することができる。
[0038] 力べして得られる本発明の医薬組成物は、後記試験例に示すように PAR—2に対し て選択的な阻害効果を有するので、 PAR— 2が関与する疾患、例えば喘息等の呼 吸器疾患、アレルギー性鼻炎等のアレルギー性疾患、心筋梗塞等の心血管系疾患 、神経痛等の神経系疾患、アトピー性皮膚炎、慢性関節炎等の炎症性疾患や癌等 に対し、その発症'進展の予防、病態改善、治療等に有用である。より詳細には、本 発明の医薬組成物は、気腫、喘息、気管支炎、慢性閉塞性肺疾患、アレルギー反応 、アレルギー性接触過敏症、アレルギー性鼻炎、ァテローム硬化症(ァテローム硬化
症性血小板破壊)、大動脈瘤 (腹部大動脈瘤及び脳大動脈瘤)、結節性動脈周囲炎 、うつ血性心不全、心筋梗塞、発作、低血圧、ショック、大脳虚血、頭部外傷、脊髄損 傷、神経痛、神経変性疾患(急性及び慢性)、アルツハイマー病、ハンティングトン病 、パーキンソン病、片頭痛、うつ病、末梢神経障害、疼痛(背の下部及び首の痛み、 頭痛ならびに歯痛)、疼痛を伴う神経組織由来の神経性炎症、歯肉炎、大脳アミロイ ド血管障害、ヌート口ピック (nootropic)又は認識強化、関節炎(変形性関節炎、変形 性関節症、脊椎関節症、痛風関節炎、全身性エリテマトーデス、若年性関節炎及び 慢性関節リウマチを含む)、熱(リウマチ熱ならびにインフルエンザ及び他のウィルス 性感染症関連熱)、一般的な感冒、月経困難、月経痙攣、炎症性腸疾患、限局性腸 炎、潰瘍性大腸炎、憩室炎、再発性胃腸病変、胃腸出血、凝固、貧血、滑膜炎、痛 風、強直性脊椎炎、再狭窄、歯周病、表皮水泡症、骨粗しょう症、人工関節インブラ ントのゆるみ、 自己免疫疾患、筋萎縮性側策硬化症、多発性硬化症、 目の脈管形成 、角膜損傷、黄斑変性、結膜炎、異常創傷治癒、筋肉もしくは関節の捻挫又は緊張 、腱炎、皮膚疾患 (例えば、乾癬、湿疹、強皮症及び皮膚炎)、重症筋無力症、多発 性筋炎、筋炎、滑液包炎、熱傷、糖尿病 (タイプ I及び II糖尿病、糖尿病性網膜症)、 腫瘍浸潤、腫瘍成長、腫瘍転移、角膜傷跡、強膜炎、免疫不全疾患 (例えば、人の エイズ、ネコの FLV、 FIV)、敗血症、早産、低プロトロンビン血症、血友病、甲状腺 炎、サルコイドーシス、ベーチェット症候群、過敏症、クローン病、器官移植毒性、悪 液質、癌 (例えば、結腸癌,乳癌、肺癌及び前立腺癌を含めた固形腫瘍癌;白血病 及びリンパ腫を含めた造血悪性疾患;ホジキン病;再生不良性貧血、皮膚癌及び家 族性腺腫ポリポーシス)等の発症 ·進展の予防、病態改善、治療等に有用であり、特 に喘息、気管支炎、慢性閉塞性肺疾患、アレルギー反応、アレルギー性接触過敏症 、アレルギー性鼻炎、ァテローム硬化症、心筋梗塞、ショック、大脳虚血、神経痛、ァ ルツハイマー病、疼痛、疼痛を伴う神経組織由来の神経性炎症、、関節炎、炎症性 腸疾患、限局性腸炎、潰瘍性大腸炎、滑膜炎、自己免疫疾患、 目の脈管形成、結膜 炎、異常創傷治癒、関節の捻挫又は緊張、皮膚疾患、及び癌の発症 '進展の予防、 病態改善、治療等に有用である。
以下に、実施例を挙げてこの発明をさらに具体的に説明するが、この発明の技術
的範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下 t— butoxycarbonylを Bocと、 9— fluorenylmethoxycarbonylを Fmocと、 benzyl oxycarbonylを Zと、それぞれ略記することがある。
実施例 1
[0040] Boc-Phe-CONHCHPhの製造
2
[化 8]
0 Ph
BocHN ANAph
H
、Ph
N—ひ一 t—ブトキシカルボニル一 L—フエ二ルァラニン 66mg (0. 25mmol)とベン ズヒドリノレアミン 68mg (0. 35mmol)及び、 Ν,Ν—ジイソプロピルェチルァミン 96mg ( 0. 75mmol)の無水テトラヒドロフラン溶液(2mL)に氷冷下、ジェチルリン酸シアニド 61mg (0. 37mmol)を加えた。ついで、室温にて 16時間攪拌した後、反応液に水を 加えて希釈し、クロ口ホルムにて抽出した。有機層を 1N塩酸水、飽和重曹水、飽和食 塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒留去し、粗油状物を得た。得ら れた油状物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製することにより、標題化合物 107mg (収率 100%)を白色結晶性粉末として得た。
— NMR (CDC1 ) δ:
3
1.40 (s, 9Η), 3.02 (dd, J=7.5, 13·9Ηζ, 1Η), 3.13 (dd, J=6.1, 13.9Hz, 1H), 4.38 (br, 1H), 5.03 (br, 1H), 6.16 (br, 1H), 6.49 (d, J=8.0Hz, 1H), 7.01 (bs, 2H), 7.12— 7.19 (m, 4H), 7.21 - 7.32 (m, 9H)
実施例 2
[0041] Phe-CONHCHPh ' HClの製造
2
N— a—t—ブトキシカルボニル一 L—フエ二ルァラニン一 N—ベンズヒドリルアミド 1
04mg(0. 24mmol)のジクロロメタン(4mL)溶液に氷冷下、 4N塩化水素—酢酸ェ チル溶液 2mL(8mmol)をカ卩えた。ついで、室温にて 2時間攪拌した後、減圧濃縮し 、残渣をクロ口ホルム—エーテルにて再結晶し、標題化合物 89mg (収率 100%)を 白色結晶性粉末として得た。
'H-NMRiCD OD) δ:
3
3.09-3.22 (m, 2H), 4.23 (t, J=7.5Hz, 1H), 6.13 (s, 1H), 6.93— 6.96 (m, 2H), 7.22 -7.33 (m, 13H)
実施例 3
N- a -Fmoc-N- ω - Boc- Lys- Phe- CONHCHPhの製造
[化 10]
実施例 1と同様な操作により、 L—フエ二ルァラニン—N—ベンズヒドリルアミド塩酸 塩 88mg(0. 24mmol)と N_ひ - (9—フルォレニルメトキシカルボニル) _Ν_ ω — t—ブトキシカルボ二ルー L—リジン 157mg(0. 34mmol)から、標題化合物 170 mg (収率 91%)を白色結晶性粉末として得た。
— NMR(CDC1 + CD OD) δ:
3 3
1.16-1.27 (m, 2H), 1.35-1.44 (m, 2H), 1.44 (s, 9H), 1.50—1.70 (m, 2H), 3.00(br, 2H), 3.00-3.17 (m, 2H), 4.03 (br, 1H), 4.12 (br, 2H), 4.31 (br, 1H), 4.67(br, 1H), 6.15 (d, J=7.5Hz, 1H), 7.02 (d, J=4.6Hz, 2H), 7.07-7.27(m, 15H), 7.28— 7.36 (m, 2H), 7.41 (t, J=7.5Hz, 2H), 7.49 (br, 1H), 7.52 (d, J=7.5Hz, 1H), 7.57 (d, J=7.5Hz, 1H), 7.77 (d, J=7.5Hz, 2H)
実施例 4
N- ω -Boc-Lys-Phe-CONHCHPhの製造
2
N— a - (9—フルォレニルメトキシカルボニル)— N— ω—t—ブトキシカルボニル — L—リジン一 L—フエ二ルァラニン一 N—ベンズヒドリルアミド 166mg (0. 21mmol) のテトラヒドロフラン(6mL)溶液に、ジェチルァミン 2mL (19mmol)を加えた。このも のを室温にて 16時間攪拌した後、減圧濃縮し、得られた残渣をクロ口ホルム一メタノ ール—エーテルにて再結晶し、標題化合物 116mg (収率 98%)を白色結晶性粉末 として得た。
一 NMR (CDC1 ) δ :
3
1.10 - 1.25 (m, 2H), 1.30— 1.55 (m, 2H), 1.44 (s, 9H), 1.55— 1.70 (m, 2H), 3.04 (d d, J=7.5, 13.9Hz, 2H), 3.01— 3.07 (m, lH), 3.16 (dd, J=7.3, 13.9 Hz, 1H), 3.27(dd, J =4.6, 7.5Hz, 1H), 4.51 (br, 1H), 4.68 (dd, J=7.5, 15.3Hz, 1H), 6.14 (d, J=8.2Hz, 1H ), 6.93 (d, J=8.0Hz, 1H), 7.03 (d, J=6.1Hz, 2H), 7.16- 7.30 (m, 11H), 7.14 (d, J=6. 8Hz, 2H), 7.83 (d, J=8.2Hz, 1H)
実施例 5
N- a -Fmoc-Gly-N- ω - Boc- Lys- Phe- CONHCHPhの製造
[化 12]
実施例 1と同様な操作により、 N- α - (9 _フルォレニルメトキシカルボニル)ダリ シン 80mg (0. 27mmol)と Ν _ ω _t—ブトキシカノレボニノレ _L—リジン _L—フエ二 ルァラニン—N—ベンズヒドリルアミド 108mg (0. 19mmol)から、標題化合物 162m g (収率 100%)を白色固体として得た。
一 NMR (CDC1 ) δ :
1.11 (br, 2H), 1.32— 1.37 (m, 2H), 1.43 (s, 9H), 1.50- 1.75 (m, 2H), 2.98 (br, 2H), 3.02 (dd, J=8.0, 13.6Hz, 1H), 3.21 (br, 1H), 3.53— 3.65 (m, 2H), 4.13-4.17 (m, 1 H), 4.32 (br, 2H), 4.70 (q, J=7.8Hz, 1H), 4.90 (br, 1H), 5.78 (br, 1H), 6.18 (d, J=7. 8Hz, 1H),7.06 (d, J=6.5Hz, 2H), 7.13-7.26 (m, 15H), 7.31 (dd, J=1.0, 7.5Hz, 2H), 7.35 (br, 1H), 7.40 (t, J=7.5Hz, 2H), 7.56 (t, J=8.0Hz, 2H), 7.62 (br, 1H), 7.77 (d, J =7.5Hz, 2H)
実施例 6
[0045] Gly-N- co -Boc- Lys- Phe- CONHCHPhの製造
[化 13]
実施例 4と同様な操作により、 N- α - (9 _フルォレニルメトキシカルボニル)ダリ シン _Ν_ ω _t—ブトキシカルボニル _L—リジン _L—フエ二ルァラニン _Ν—ベ ンズヒドリノレアミド 85mg (0. lOmmol)とジェチルァミン lmL (9. 57mmol)から、標 題化合物 50mg (収率 80%)を白色固体として得た。
1H_NMR (DMSO_d ,120°C) δ:
6
1.16- 1.30 (m, 2H), 1.30— 1.43 (m, 2H), 1.39(s, 9H), 1.43— 1.68 (m, 2H), 2.80-2. 19 (m, 2H), 3.08 (dd, J=5.6, 13.6Hz, IH), 3.16 (s, 2H), 4.21 (dd, J=5.8, 8.0Hz, 1H), 4.67 (dt, J=5.8, 8.0Hz, IH), 6.07 (d, J=8.5Hz, 2H), 7.13-7.32 (m, 16H), 7.62(d, J =8.0Hz, 1H), 8.22(d, J=8.0Hz, IH)
実施例 7
[0046] 5—フエニルォキシカルボニルァミノ一 N—[l— (2, 6—ジクロロフエ二ル)一メチル ]一 1H—インドールの製造
5 ァミノ一 N— [1— (2, 6 ジクロロフエニル)メチル]— 1H—インド一ル 2· 0g (6 . 87mmol)と N, N ジメチルァニリン 916mg (7. 56mmol)の無水ジクロロメタン溶 液(25mL)に氷冷下、フエニルクロ口ホルメイト 1 · 18g (7. 56mmol)の無水ジクロロ メタン溶液(5mL)を滴下した。ついで、室温にて 2時間攪拌した後、反応液に水を加 えて希釈し、クロ口ホルムにて抽出した。有機層を 1N塩酸、飽和重曹水、飽和食塩 水にて順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒留去して粗結晶を得、得られ た粗結晶を、クロ口ホルム—へキサンにて再結晶し、標題化合物 2. 55g (収率 90%) を淡灰色針状晶として得た。
一 NMR (CDC1 ) δ
3 :
5.52 (s, 2Η), 6.43 (d, J=3.2Hz, 1H), 6.92 (bs, 1H), 6.95 (d, J=3.2Hz, 1H), 7.19— 7. 31 (m, 5H), 7.35-7.42 (m, 4H), 7.47 (d, J=8.9Hz, 1H), 7.72 (bs, 1H)
実施例 8
5—フエニルォキシカルボニルァミノ一 3— ( 1—ピロリジニルメチル) N— [ 1— (2 , 6—ジクロロフエニル)メチル]— 1H—インドールの製造
[化 15]
ピロリジン 2. 07g (29. 2mmol)と醉酸 2. 80g (46. 7mmol)及び、 37%ホノレムァ ルデヒド水溶液 1 · 73g (21. 3mmol)の 1, 4 ジォキサン溶液(5mL)に室温下、 5 —フエニルォキシカルボニルァミノ一 N—[l— (2, 6 ジクロロフエ二ノレ)メチル ]—1 H—インドール 1 · 20g (2. 92mmol) )のメタノール(15mL)溶液を加えた。ついで、 室温にて 6時間攪拌した後、反応液に水をカ卩えて希釈し、クロ口ホルムにて抽出した
。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒留去し、粗結 晶を得た。得られた粗結晶をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホノレム一メタノーノレ = 30 : 1)で精製した後、クロ口ホルム一メタノ一ル一へキサンにて再結晶し、標題化 合物 940mg (収率 65%)を微黄色粉末として得た。
一 NMR (CDC1 ) δ
3 :
1.93 (br, 2H), 2.13 (br, 2H), 2.84 (br, 2H), 3.72 (br, 2H), 4.29 (d, J=4.8Hz, 2H), 5. 55 (s, 2H), 7.15-7.43 (m, 9H), 7.44 (d, J=7.7Hz, IH), 7.55 (s, 1H), 7.99 (bs, IH), 12.29 (br, IH)
実施例 9
[ [N— [1— (2, 6—ジクロロフエニル)メチル ]—3— (1—ピロリジニルメチル)一 IH —インド—ル— 5—ィル]ァミノカルボニル]—グリシン— N— ω—t ブトキシカルボ ニル _ L _リジン一 L _フエ二ルァラニン一 N—ベンズヒドリルアミドの製造
[化 16]
5 -フエニルォキシカルボニルァミノ 3— (1—ピロリジニルメチル)一 N— [1— (2,
6 ジクロロフエ二ノレ)メチル]— 1H—インドール 150mg (0. 3mmol)のジクロ口エタ ン(20mL)溶液に、グリシン一 N— ω—t ブトキシカルボ二ルー L リジン一 L フ ェニルァラニン一 N ベンズヒドリルアミド 203mg (0. 33mmol)及び、トリェチルアミ ン 91mg (0. 9mmol)を加えた。このものを 80°Cにて 3時間加熱攪拌した後、減圧濃 縮し、得られた残渣をクロ口ホルム メタノール エーテルにて再結晶し、標題化合 物 287mg (収率 94%)を淡黄色固体として得た。
1H— NMR (DMSO— d ,120°C) δ:
1.15- 1.30 (m, 2H), 1.30_ 1.40(m, 2H), 1.37 (s, 9H), 1.40—1.55 (m, IH), 1.55— 1. 65 (m, IH), 1.87 (br, 4H), 2.50— 2.65 (m, 2H), 2.89 (overlapped with H O, 2H), 3.0
4 (dd, J= 5.8, 13.9Hz, 1H), 3.10 (br, 4H), 3.76 (d, J=5.3Hz, 2H), 4.22 (dt, J=5.3, 8. 0Hz, 1H), 4.26 (s, 2H), 4.65 (dt, J=5.3, 8.0Hz, IH), 5.35 (s, 2H), 6.07 (d, J=8.2Hz, 2H), 6.26 (br, IH), 7.10— 7.30 (m, 15H), 7.40-7.46 (m, 2H), 7.53 (d, J=7.5Hz, 2H ), 7.61 (d, J=7.5Hz, 1H), 7.69 (d, J=8.0Hz, IH), 7.77 (d, J=1.9Hz, IH), 8.32 (d, J=8 • OHz, IH)
実施例 10
[〔N— [1— (2, 6 ジクロロフエニル)メチル ]—3— (1—ピロリジニルメチル)一 IH —インド一ル一 5—ィル〕ァミノカルボニル]—グリシン一 L リジン一 L—フエニルァラ ニン N べンズヒドリルアミドの製造
[化 17]
[〔N_ [1 _ (2, 6—ジクロ口フエニル)メチル ] _ 3 _ (1—ピロリジニルメチル)一 1H —インド一ル一 5—ィル〕ァミノカルボニル]—グリシン一 N— ω—t ブトキシカルボ 二ルー L リジン一 L—フエ二ルァラニン一 N ベンズヒドリルアミド 34mg (0. 033m mol)のジクロロメタン(2mL)溶液に氷冷下、トリフノレオ口酢酸 lmL (13. 15mmol) をゆっくり加え、 0. 5時間攪拌した。反応液に氷冷下、 2N水酸化ナトリウム溶液をカロ えて中和、アルカリ性 (pH= 12)とし、クロ口ホルムにて抽出した。有機層を飽和重曹 水、飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒留去し、粗結晶を得 た。得られた粗結晶をシリカゲルクロマトグラフィーで精製した後、クロロホノレム メタ ノール エーテルにて再結晶し、標題化合物 23mg (収率 75%)を淡黄色固体として 得た。
融点: 207— 215°C (分解)
1H_NMR (DMSO_d ,120°C) δ:
6
1.17- 1.37 (m, 4H), 1.43— 1.54 (m, 1H), 1.54— 1.68 (m, 1H), 1.63 (br, 4H), 2.43 (b
r, 4H), 2.46 - 2.53 (m, 2H), 2.80— 2.92 (m, IH), 3.05 (dd, J=5.6, 13.9 Hz, IH), 3.6 1 (s, 2H), 3.73 (d, J=4.8Hz, 2H), 4.22 (br, IH), 4.65 (br, IH), 5.46 (s, 2H), 6.10 (br , IH) 6.80 (s, IH), 7.08 - 7.30 (m, 19H), 7.30 (d, J=8.7Hz, IH), 7.40 (dd, J=7.3, 8.8 Hz, 1H), 7.51 (d, J=7.5Hz, 2H), 7.59 (d, J=1.9Hz, IH), 8.20 (br, 2H)IR(KBr)cm— 1: 3281 , 1639, 1542, 1493, 1437, 699
Mass(FAB): 915, 917
実施例 11
[0050] 次式で表される [〔N—[ 1— (2, 6 ジクロ口フエニル)メチル ]ー3—(1 ピロリジニ ルメチル)— 1H—インドール— 5—ィル〕ァミノカルボニル]—グリシン— L— ct、 y - ジァミノ酪酸一 L -フエ二ルァラニン一 Ν—ベンズヒドリルアミドの製造
[化 18]
実施例 1〜: 10と同様な方法に従って、アミノ酸部分の L リジンの替わりに、 L a 、 γ—ジァミノ酪酸を用いて標題化合物を合成した。
1H _ NMR (DMSO _ d , 120°C) δ:
6
1.50 - 1.75 (m, 2H), 1.64 (s, 4H), 2.44 (s, 4H), 2.45 - 2.70 (m, 2H), 3.06 (dd, J=5.8 , 13.9Hz, IH), 3.62 (s, 2H), 3.72 (d, J=5.3Hz, 2H), 4.33(dd, J=5.6, 7.5Hz, 1H), 4.6 5 (dd, J=5.6, 8.5Hz, IH), 6.08 (d, J=8.0Hz, 1H), 6.13 (br, 1H), 6.81 (s, 2H), 7.07 - 7.35 (m, 20H), 7.31 (d, J=9.0Hz, 1H), 7.40 (dd, J=7.3, 8.7Hz, 1H), 7.50 (d, J=7.3H z, 2H), 8.40 (bs, IH)
Mass(FAB): 887, 889
実施例 12
[0051] 次式で表される [〔N—[ 1— (2, 6 ジクロ口フエニル)メチル ]ー3—[ 1 (4ーメチ ルビペラジニル)メチル]— 1H—インド一ル一 5—ィル〕ァミノカルボニル]―グリシン — L リジン一 L—フエ二ルァラニン一 N -ベンズヒドリルアミドの製造
[化 19]
実施列 8と同様に、 1—メチノレビペラジン 36mg(0.36mmol)と酢酸 35mg(0.58 mmol)及び、 37%ホルムアルデヒド水溶液 22mg (0.27mmol)の 1, 4—ジォキサ ン溶液(0.5mL)に室温下、 5—フエニルォキシカルボニルァミノ— N—[l— (2, 6— ジクロロフエニル)メチル]— 1H—インドール 15mg(0.036mmol)のメタノール(1.0 mU溶液を加えた。ついで、室温にて 16時間攪拌し、更に 50°Cにて 2時間加熱攪 拌した後に、反応液に水をカ卩えて希釈し、クロ口ホルムにて抽出した。有機層を飽和 食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し粗油状物を得た。得 られた粗油状物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロ口ホルム一メタノール(アンモニア ) =40: 1)で精製し、 5—フエニルォキシカルボニルァミノ— 3— (4—メチルビペラジ ニル)メチル— N— [1— (2, 6—ジクロロフエニル)メチル]— 1H—インドール 19mgを 無色無定形粉末 (収率 100%)として得た。
'H-NMRlCDCl ) δ:
3
2.24 (s, 3H), 2.30-2.65(br, 8H), 3.61 (s, 2H), 5.47 (s, 2H), 6.88 (s, 1H), 7.05-7.3 5 (m, 6H), 7.35-7.45 (m, 5H), 7.75 (bs, 1H)
引き続き、このものを用いて実施例 9〜: 10と同様な方法に従って、標題化合物を合 成した。
— NMR(CDC1 +CD OD) δ:
3 3
1.12-1.29 (m, 2H), 1.30-1.42 (m, 2H), 1.46-1.58 (m, 1H), 1.60-1.72 (m, 1H), 2.23 (s, 3H), 2.41 (bs, 4H), 2.49 (bs, 4H), 2.53— 2.58 (m, 2H), 2.91— 2.97 (m, 1H), 3.09-3.21 (m, 1H), 3.58 (s, 2H), 3.75 (d, J=2.1Hz, 1H), 4.20— 4.31 (m, 1H), 4.64 -4.73 (m, 1H), 5.47 (s, 2H), 6.13 (s, 1H), 6.88 (s, 1H), 7.02-7.30 (m, 16H), 7.30 -7.40 (m, 4H), 7.53 (d, J=1.7Hz, 1H)
実施例 13
[0052] Boc-Phe-CONHCH Phの製造
2
N— a—t ブトキシカルボ二ルー L フエ二ルァラニン 2. 65g(10mmol)とベン ジノレアミン 1. 6g(15mmol)及び、 N, N—ジイソプロピルェチルァミン 1. 8g(14mm ol)の無水テトラヒドロフラン溶液(20mL)に氷冷下、ジェチルリン酸シアニド 2. 28g( 14mmol)をカ卩えた。ついで、室温にて 16時間攪拌した後、反応液に水を加えて希 釈し、クロ口ホルムにて抽出した。有機層を 1N塩酸水、飽和重曹水、飽和食塩水に て洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒留去し、粗油状物を得た。得られた粗 油状物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製することにより、標題化合物 3. 37g (収 率 95%)を白色針状晶として得た。
一 NMR(CDC1 ) δ:
3
1.39 (s, 9Η), 3.05 (dd, J=7.5, 13.6Hz, 1H), 3.11 (dd, J=6.5, 13.6Hz, 1H), 4.28-4.4 1 (m, 3H), 5.02 (bs, 1H), 6.02 (bs, 1H), 7.07— 7.33 (m, 10H)
実施例 14
[0053] Phe-CONHCH Ph'HClの製造
2
N- a _t—ブトキシカルボニル _L—フエ二ルァラニン _N—ベンジルアミド 2. 84 g(8mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液に氷冷下、 4N塩化水素—酢酸ェチル溶 液 10mL(40mmol)を加えた。ついで、室温にて 3時間攪拌した後、減圧濃縮し、残 渣をクロ口ホルム メタノール エーテルにて再結晶し、標題化合物 2. 3g (収率 98
%)を白色結晶性粉末として得た。
一 NMR(CD OD) δ:
3.08 (dd, J=7.3, 13.9Hz, 1H), 3.17 (dd, J=7.3, 13.9Hz, 1H), 4.05 (t, J=7.3Hz, IH), 4.27 (d, J=14.8, IH), 4.39 (d, J=14.8, 1H), 7.11— 7.16 (m, 2H), 7.21 - 7.35 (m, 8H) 実施例 15
[0054] N- a -Fmoc-N- γ—Boc— Dab— Phe— CONHCH Phの製造
[化 22]
実施例 13と同様な操作により、 L—フエ二ルァラニン— N—ペンジノレアミド塩酸塩 1 . 07g (3. 7mmol)と N_ a - (9 _フルォレニルメトキシカルボ二ル), Ν_ γ _t—ブ トキシカルボニル _L—ひ、 γ—ジァミノ酪酸 1. 17g (2. 65mmol)から、標題化合 物 1. 9g (収率 100%)を白色結晶性粉末として得た。
'H -NMR iDMSO - d ) δ:
6
1.37 (s, 9Η), 1.60- 1.71 (m, IH), 1.73— 1.84 (m, IH), 2.90- 2.95 (m, 3H), 3.01 (d d, J=6.0, 13.9Hz, IH), 3.04 (dd, J=5.5, 13.9Hz, IH), 3.95— 4.06 (m, IH), 4.12 -4.3 2 (m, 5H), 4.58 (tt, J=6.0, 6.0Hz, IH), 6.11 (bs, 1H), 6.09 (bs, IH), 7.09— 7.41 (m, 8H), 7.61 (bs, 1H), 7.64 (d, J=7.5Hz, 2H), 7.82 (d, J=7.5Hz, 2H), 7.93 (br, IH) 実施例 16
[0055] N- y -Boc-Dab-Phe-CONHCH Phの製造
[化 23]
[N— a - (9—フルォレニルメトキシカルボ二ル)]—N— y—t—ブトキシカルボ二 ル一 L— α、 γ —ジァミノ酪酸一 L—フエ二ルァラニン一 Ν—ベンジルアミド 1 · 79g ( 2. 65mmol)のテトラヒドロフラン(30mL)溶液に、ジェチルァミン 10mL (511mmol )を加えた。このものを室温にて 16時間攪拌した後、減圧濃縮し、得られた粗油状物
をシリカゲルクロマトグラフィーで精製することにより、標題化合物 1. 19g (収率 98%) を白色固体として得た。
一 NMR (CDC1 ) δ:
3
1.41 (s, 9Η), 1.46 - 1.84 (m, 2H), 3.07 (dd, J=7.5, 13.6Hz, 2H), 3.09 - 3.20 (m, 2H) , 3.24- 3.34 (m, IH), 4.32 (dd, J=5.3, 14.8Hz, IH), 4.39 (dd, J=6.0, 14.8Hz, IH), 4 .62 (tt,』=7.5, 7.5Hz, 1H), 4.71 (bs, IH), 6.43 (bs, 1H), 7.09— 7.30 (m, 10H), 7.87 - 7.96 (m, IH)
実施例 17
[0056] N- a -Fmoc-Gly-N- y - Boc- Dab- Phe- CONHCH Phの製造
[化 24]
実施例 13と同様な操作により、 N - α - (9—フルォレニルメトキシカルボニル)ダリ シン 1. 24g (4. 18mmol)と N— y—t—ブトキシカルボニル一 L—ひ、 y—ジァミノ 酪酸一 L—フエ二ルァラニン一 N—ベンジルアミド 1 · 19g (2. 16mmol)力ら、標題 化合物 3. Og (収率 100%)を白色固体として得た。
一 NMR (CD OD) δ:
3
1.40 (s, 9Η), 1.55 - 1.69 (m, IH), 1.77— 1.89 (m, IH), 2.94—3.02 (m, 3H), 3.17— 3 .24 (m, 1H), 3.75 (ABq, J=16.3Hz, 2H), 4.17— 4.38 (m, 6H), 4.55— 4.64 (m, IH), 7. 14 - 7.27 (m, 10H), 7.29 (t, J=6.8Hz, 2H), 7.38 (t, J=7.5Hz, 2H), 7.64 (dd, J=3.4, 7. 5Hz, 2H), 7.79 (d, J=7.5Hz, 2H)
実施例 18
[0057] Gly-N- y -Boc- Dab- Phe- CONHCH Phの製造
2
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、減圧濃縮し、得られた残渣をクロ口ホルム—メタノール—エーテルにて再結晶し、標 題化合物 88mg (収率 96%)を白色結晶性粉末として得た。
1H_NMR (DMSO_d ,120°C) δ :
6
1.37 (s, 9H), 1.59- 1.67 (m, 4H), 1.67— 1.84 (m, 2H), 2.46 (bs, 4H), 2.86— 2.99 (m , 2H), 3.02-3.10 (m, 1H), 3.16— 3.22 (m, 1H), 3.65 (s, 2H), 3.74 (s, 2H), 4.23— 4. 32 (m, 3H), 4.50-4.58 (m, 1H), 5.46 (s, 2H), 6.81 (s, 1H), 7.10— 7.26 (m, 12H), 7. 38-7.52 (m, 4H)
実施例 20
次式で表される [〔N—[1— (2, 6 ジクロ口フエニル)メチル ]ー3—(1 ピロリジニ ルメチル)— 1H—インドール— 5—ィル〕ァミノカルボニル]—グリシン— L— ct、 y - ジァミノ酪酸一 L -フエ二ルァラニン一 Ν—ベンジルアミドの製造
[化 27]
[〔Ν— [1— (2, 6—ジクロロフエニル)メチル ]—3 (1—ピロリジニルメチル)一 1H —インド—ル— 5—ィル〕ァミノカルボニル]—グリシン— N— y—t ブトキシカルボ 二ノレ一 L— α、 γ—ジァミノ酪酸一 L フエ二ルァラニン一 Ν ベンジルアミド 160m g (0. 17mmol)のジクロロメタン(4mL)溶液に氷冷下、トリフノレオ口酢酸 2mL (26. 3 mmol)をゆっくり加え、 0. 5時間攪拌した。反応液に氷冷下、 5N水酸化ナトリウム溶 液をカ卩えて中和、アルカリ性 (pH= 12)とし、クロ口ホルムにて抽出した。有機層を飽 和重曹水、飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒留去し、粗結 晶を得た。得られた粗結晶をシリカゲルクロマトグラフィーで精製した後、クロロホノレム —メタノール—エーテルにて再結晶し、標題化合物 91mg (収率 64%)を白色結晶 性粉末として得た。
融点: 181 _ 188°C (分解)
1H_NMR (DMSO_d ,120°C) δ :
1.58- 1.68 (m, 5H), 1.68— 1.78 (m, 1H), 2.44 (bs, 4H), 2.50— 2.80 (m, 2H), 2.80- 3.12 (m, 2H), 3.62 (s, 2H), 3.74 (d, J=5.3Hz, 2H), 4.23-4.28 (m, 2H), 4.29-4.36 ( m, 1H), 4.50-4.58 (m, IH), 5.46(s, 2H), 6.80 (s, 1H), 7.10-7.34 (m, 12H), 7.38— 7.61(m, 4H)
IR(KBr)cm-l :3288, 1640, 1545, 1437, 1242, 699
Mass(FAB): 811, 813
実施例 21
次式で表される [〔N—[1— (2, 6 ジクロロフヱニル)メチル ]ー3—(1 ピロリジニ ルメチル) 1H—インドール一 5—ィル〕ァミノカルボニル]—グリシン一 L リジン一 L -フエ二ルァラニン一 N—ベンジルアミドの製造
[化 28]
実施例 13〜20と同様な方法に従って、アミノ酸部分の L— α、 γ—ジァミノ酪酸の 替わりに、 L リジンを用いて標題化合物を合成した。
融点: 188— 192°C (分解)
1H— NMR (DMSO— d ,120°C) δ :
1.20- 1.38 (m, 4H), 1.44- 1.55 (m, IH), 1.56- 1.67 (m, IH), 1.63 (br, 4H), 2.43 (b r, 4H), 2.52 (t, J=6.5Hz, 2H), 2.88 (dd, J=8.5, 13.9Hz, IH), 3.06 (dd, J=5.8, 13.9Hz , 1H), 3.62 (s, 2H), 3.75 (d, J=5.3Hz, 2H), 4.21(br, IH), 4.25 (t, J=5.8Hz, 2H), 4.54 (br, 1H), 5.46 (s, 2H), 6.11 (br, IH), 6.80 (s, IH), 7.83 (br, IH), 7.10 (m, 12H), 7. 31 (d, J=8.7Hz, 1H), 7.40 (dd, J=7.3, 8.7Hz, 1H), 7.49-7.60 (m, 2H), 7.59 (d, J=l. 7Hz, 1H), 7.83 (br, 1H), 8.21 (bs, IH)
IR(KBr)cm-l :3288, 1639, 1546, 1487, 1454, 1437, 699
Mass(FAB): 839, 841
実施例 22
次式で表される [〔N— [1— (2, 6 ジクロロフエニル)メチル ] 3— (1—ピロリジニ ルメチル)— 1H—インドール— 5—ィル〕ァミノカルボニル]—グリシン— L— ct、 y - ジァミノ酪酸—Lーバリン—Ν べンジルアミドの製造
[化 29]
実施例 13〜20と同様な方法に従って、アミノ酸部分の L フエ二ルァラニンの替わ りに、 L パリンを用いて標題化合物を合成した。
一 NMR (DMSO— d ,120°C) δ :
6
0.85 (d, J=6.8Hz, 3H), 0.86 (d, J=6.8Hz, 3H), 1.64 (brs, 4H), 1.64—1.85 (m, 2H), 2 .03 (qq, J=6.8, 6.8Hz, 1H), 2.44 (bs, 4H), 2.60— 2.66 (m, 2H), 3.62 (s, 2H), 3.75 (s , 2H), 4.13-4.18 (m, 1H), 4.23-4.30 (m, 2H), 4.39-4.45 (m, 1H), 5.46 (s, 2H), 6 .80 (s, 1H), 7.10-7.60 (m, 11H)
実施例 23
次式で表される [〔N_ [1 _ (2, 6—ジクロロフヱニル)メチル]— 1H—インド一ノレ一 5—ィル〕ァミノカルボニル]—グリシン一 L—ひ、 Ί—ジァミノ酪酸一 L フエ二ルァラ ニン—Ν—ベンジルアミドの製造
[化 30]
実施例 13〜20と同様な方法に従って、インドール環部分の 5—フエニルォキシカ ルボニルァミノ一 3_ (1—ピロリジニルメチル) _Ν_ [1 _ (2, 6—ジクロ口フエニル) メチル] _ 1 Η _インド一ルの替わりに、 5—フエニルォキシカルボニルァミノ一 Ν _ [ 1
_ (2, 6—ジクロロフヱニル)メチル]— IH—インドールを用いて標題化合物を合成し た。
'H -NMR iDMSO - d ) δ :
6
1.55 - 1.66 (m, 1H), 1.67— 1.77 (m, 1H), 2.48— 2.46 (m, 2H), 2,85— 3, 14 (m, 2H), 3.73 (d, J=5.3Hz, 2H), 4.20-4.28 (m, 2H), 4.29 -4.35 (m, IH), 4.53— 4.59 (m, IH ), 5.49 (s, 2H), 6.16 (br, 1H), 6.29 (d, J=3.1Hz, IH), 6.90 (d, J=3.1Hz, IH), 7.10 - 7.28 (m, 11H), 7.32— 7.58 (m, 5H), 7.86 (bs, IH)
実施例 24
[0063] 次式で表される [〔N イソプロピル IH インドールー 5 ィル〕ァミノカルボニル ]一グリシン L a、 γージァミノ酪酸 L フエニノレアラニン Ν べンジノレアミド の製造
[化 31]
実施例 13〜20と同様な方法に従って、インドール環部分の 5—フエニルォキシカ ルボニルァミノ一 3 _ (1—ピロリジニルメチル) _Ν_ [1 _ (2, 6—ジクロ口フエニル) メチル]— 1H—インドールの替わりに、 5 _フエニルォキシカルボニルァミノ— Ν—ィ ソプロピル _ 1Η_インドールを用いて標題化合物を合成した。
一 NMR (DMSO— d , 120°C) δ :
6
1.44 (d, J=6.3Hz, 6H), 1.50— 1.63 (m, IH), 1.63— 1.75 (m, IH), 2,45— 2.60 (m, 2H ), 2,90- 3,25 (m, 2H), 3.72 (bs, 2H), 4.25 (bs, 2H), 4.25 -4.45 (m, IH), 4.50— 4.6 0 (m, IH), 4.60-4.75 (m, IH), 6.13 (bs, IH), 6.30 (bs, IH), 7.02— 7.35 (m, 13H), 7.55 (bs, IH), 7.85 (br, IH)
実施例 25
[0064] 次式で表される [〔N—イソプロピノレ一 1 H—インドール _ 5 _ィル〕ァミノカルボニル ]—L—ァラニン一 L—ひ、 —ジァミノ酪酸一L—フエニノレアラニン一 N—ベンジノレ
アミドの製造
[化 32]
実施例 24と同様な方法に従って、アミノ酸部分のグリシンの替わりに、 Lーァラニン を用いて標題化合物を合成した。
— NMR(CDC1 +CD OD) δ :
3 3
1.29 (d, J=7.3Hz, 3H), 1.46 (d, J=6.5Hz, 3H), 1.49 (d, J=6.5Hz, 3H), 1.59— 1.67 (m
, 2H), 1.87-1.99 (m, 1H), 2.40-2.50 (m, 1H), 2.87 (dd, J=10.9, 14.1Hz, 1H), 3.35 (dd, J=4.6, 14.1Hz, IH), 3.94 (q, J=7.3Hz, 1H), 4.22-4.29 (m, 1H), 4.44 (ABq, J= 15.1Hz, 2H), 4.61 (qq,』=6.5, 6.5Hz, 1H), 4.77 (dd, J=4.6, 10.9Hz, 1H), 6.44 (d, J
=3.1Hz, 1H), 6.88-7.07 (m, 5H), 7.16 (dd, J=1.9, 8.7Hz, 1H), 7.23 (d, J=3.1Hz, 1
H), 7.23-7.37 (m, 6H), 7.54 (d, J=1.9Hz, IH)
実施例 26
次式で表される [〔N イソプロピル IH インドールー 5 ィル〕ァミノカルボニル ]— ( 一シクロへキシル L ァラニン) L— aゝ y—ジァミノ酪酸一 L フエ二ノレ ァラニン N ベンジノレアミドの製造
[化 33]
実施例 24と同様な方法に従って、アミノ酸部分のグリシンの替わりに、 β—シクロへ キシノレ _ L _ァラニンを用レ、て標題化合物を合成した。
'H-NMRiCDCl +CD OD) δ :
3 3
0.80-1.00 (m, 2H), 1.12— 1.38 (m, 7H), 1.46 (d, J=6.8Hz, 3H), 1.49 (d, J=6.8Hz, 3 H), 1.60-1.78 (m, 6H), 2.00-2.12 (m, 1H), 2.40-2.50 (m, 1H), 2.86 (dd, J=10.9,
14.1Hz, 1H), 3.33 (dd, J=4.6, 14.1Hz, 1H), 3.98 (tt, J=4.3, 4.6Hz, 1H), 4.22-4.28 (m, IH), 4.46 (ABq, J=15.1Hz, 2H), 4.61 (qq, J=6.8, 6.8Hz, 1H), 4.75 (dd, J=4.6, 1 0.9Hz, 1H), 6.44 (d, J=3.1Hz, IH), 6.87— 7.08 (m, 5H), 7.18 (dd, J=1.9, 8.7Hz, IH) , 7.23 (d, J=3.1Hz, IH), 7.26— 7.34 (m, 6H), 7.54 (d, J=1.9Hz, IH)
実施例 27
[0066] 次式で表される [〔N—[1— (2, 6 ジクロロフヱニル)メチル ]ー3—(1 ピロリジニ ルメチル)— 1H—インドール— 5—ィル〕ァミノカルボニル]—グリシン— L— a、 y - ジァミノ酪酸 [3—(2 ナフチル)—Lーァラニン]—Ν べンジルアミドの製造
[化 34]
実施例 13〜20と同様な方法に従って、アミノ酸部分の L フエ二ルァラニンの替わ りに、 3—(2 ナフチル) Lーァラニンを用いて標題化合物を合成した。
1H— NMR (DMSO— d ,120°C) δ:
1.55- 1.57 (m, 2H), 1.63 (bs, 4H), 2.43 (bs, 4H), 2.40-2.46 (m, 2H), 3.07 (dd, J=8 .2, 13.8Hz, IH), 3.25 (dd, J=8.2, 13.8Hz, IH), 3.26 (s, 2H), 3.70 (d, J=5.3Hz, 2H), 4.26 (dd, J=5.8, 8.2Hz, 2H), 4.33 (dd, J=5.8, 7.4Hz, 1H), 4.66 (dd, J=5.8, 8.2Hz, 2 H), 5.45 (s, 2H), 6.15 (br, 1H), 6.80 (s, IH), 7.10— 7.25 (m, 6H), 7.27— 7.35 (m, 2 H), 7.35-7.45 (m, 3H), 7.49 (d, J=8.2Hz, 2H), 7.62 (d, J=8.4Hz, 2H), 7.72 (d, J=8. 4Hz, 2H), 7.75-7.82 (m, 1H), 7.91 (br, 1H), 8.23(bs, IH)
[0067] 試験例 1 細胞内 Ca2+濃度アツセィ
本試験では、 PAR— 2アンタゴニストとして上述の実施例 10の化合物を、刺激剤と しての PAR—2ァゴニストペプチドは SLIGKV (アミノ酸の 1文字表記による。以下同 じ。)又は SLIGRL (レ、ずれもペプチド研究所(大阪)にて受託合成されたもの。なお 全てのペプチドは HPLCにて確認した純度 95%以上のものを用いた。)を、ケラチノ サイト用基礎培地(以下、 KBMと表記する。 )にて希釈して用いた。使用したヒト皮膚
角化細胞(ケラチノサイト)は、 BioWhicker社から入手し、ケラチノサイト培養培地(以 下、 KGM— 2と表記する)を用いて培養を行った。 Trypsin/EDTAを用いて継代を行 レ、、継代数 3から 5の細胞を実験に用いた。
[0068] Calciumアツセィ用蛍光試薬キット Flex Station Calcium assay kit 2は Molecular Dev ices社から購入し、付属のプロトコールに準じて試薬調整を行った。 Probenecid, Calc ium ionophore (A23187)はシグマから購入した。ヒト皮膚角化細胞を 40, 000細胞/ well の密度で 96-wellの black- well clear-bottom plate (Coming)に播き、サブコンフノレェン トになるまで 24時間培養した。 KBMで 1回洗浄後、 80 μ 1の KBMをカ卩えた。引き続 き、等量の最終濃度 2mMのプロベネシドを含有する蛍光色素溶液 (HBSS溶液 pH 7. 4)をカ卩え、 37度で 1時間インキュベートした。その後 1 5分間プレートを室温に放 置し、室温(25°C)でアツセィを行った。被験薬ならびに刺激剤はそれぞれ最終濃度 の 10倍濃度溶液を KBMを用いて調製し、アツセィの際に順次 20 μ Lずつ添加した 。測定はインジェクター付きの 96-well plate対応の 96-well plate対応の蛍光プレートリ ーダ FlexStaion (Molecular Devices)を用いて行った。励起波長 475nm,測定波長 5 25nmを用い、底面測定により 2秒間隔で 180秒間の測定を行った。薬物は測定開 始後 17秒後に添加した。
[0069] 結果を図 1に示す。培養ヒト皮膚角化細胞を?八尺ー2ァゴニスト(3し 1^,終濃度 1 Ο μ Μ)にて刺激した場合には一過性の細胞内 Ca2+濃度の上昇が観察された(contr ol)。これに対し、実施例 10の化合物(終濃度 10 x gZmL)を添加した場合には阻 害が認められた。
図 1より、ァゴニスト単独添カ卩時 (control)の細胞内 Ca2+濃度変動の時間一蛍光強 度曲線下面積 (AUC )に対する実施例 10の化合物存在下における時間-蛍光
control
強度曲線下面積 (AUC )の割合から、アンタゴニストによる阻害率 (1— (AUC
antagonist ant
I AUC 》 X 100 (%)を算出した結果、本実験計における実施例 10の化合 agonist control
物の阻害率は、 58. 4 ± 1 3. 0 (平均値土標準誤差)0 /0であった (n = 3)。
同様に、実施例 1 1、 12、 20、 21、 24 (いずれも終濃度 10 x g/mL)についても阻 害率を算出した。実施例 10の結果と共に、各化合物の阻害率を表 1に示す。
[0070] [表 1]
実施例番号 阻害率 (%) (平均値 ±標準誤差、 n=3)
10 58. 4 ± 1 3. 0
1 1 32. 0土 2. 3
12 52. 2土 1. 8
20 33. 6 ± 1 6. 8
21 14. 2± 1 0. 0
24 15. 1 ± 1 0. 5 いずれの実施例化合物も、明らかな PAR— 2阻害作用を有することが判明した。 産業上の利用可能性
本発明によれば、 PAR— 2の活性化を受容体レベルで的確に阻害する、受容体の リガンド結合部位に競合的に作用する PAR— 2アンタゴニストを提供することができる 。また、 PAR— 2が関与する疾患、例えば喘息等の呼吸器疾患、アレルギー性鼻炎 等のアレルギー性疾患、心筋梗塞等の心血管系疾患、神経痛等の神経系疾患、アト ピー性皮膚炎、慢性関節炎等の炎症性疾患や癌等に対し、その発症 '進展の予防、 病態改善、治療等に有用な医薬を提供することができる。