WO2006030713A1 - 物品搬送資材 - Google Patents

Abstract

積載面に物品を積載して搬送に使用する物品搬送資材として、前記物品に取り付けられた非接触ＩＣタグと非接触で通信する非接触通信手段と、前記非接触通信手段に電力を供給する可搬型電源手段とを備え、前記非接触通信手段の通信方向を、前記積載面上方領域に向けて構成した。

Description

明 細 書

物品搬送資材

技術分野

[0001] この発明は、例えば物品の搬送に使用するパレットやコンテナのような物品搬送資材 に関する。

背景技術

[0002] 物流の自動化を進めるためには，個々の物品等に貼付される伝票等の内容を、機械 にて読み取り可能とすることが重要となる。

[0003] 従来、この目的のためには、個々の伝票にその内容に対応したバーコードラベルを 貼付することが行われて 、る。

[0004] しかしながら，いわゆるバーコードリーダを用いてバーコードラベルを読みとるために は、両者間に一定の距離的並びに方向的な関係付けを高精度に行わなければなら ないために手間がかかり、物流の円滑ィ匕の障害となっていた。さらに、バーコードに 入力できる情報量が少ないため、物流の管理範囲も狭い区域に限られていた。

[0005] 近年では、電磁波等を用いて非接触で読み取りが可能な非接触 ICタグが使用され てきている。この非接触 ICタグは、読み取り媒体として電磁波を用いていることから、 読みとりに際して距離的並びに方向的な制約をさほど受けることがなぐその内容を 確実に読みとることが容易である。

[0006] また、この非接触 ICタグ内の ICには、管理対象物品の個体情報を大容量で記憶す ることができる。従って、この個体情報の記憶機能を個体を特定するためのセキユリテ ィ情報として用いることも可能となる。

[0007] 通常、このような非接触 ICタグを物流管理システムで用いる場合、該非接触 ICタグ内 の情報は、図 17に示すようなコンベア型リーダ装置、あるいは図 18に示すようなゲー ト型リーダ装置等を用いて読み取られる。

[0008] 詳述すると、非接触 ICタグ 101、 201を貼付した物品 100, 200等は、コンベア 120

、あるいはフォークリフト 220等により運び、リーダ装置 110, 111 (図 17)や、リーダ装 置 210, 211 (図 18)の間を通過させる。 [0009] このとき、非接触 ICタグ 101、 201内のデータが上記リーダ装置 210, 211によって 読み込まれ、該データが接続線 112、 212を通して、コンピュータ 130、 230に伝送 される。

[0010] コンピュータ 130、 230は、図 19のシステム構成図に示すような形態でネットワークに 接続されて物流管理システムを構成しているため、リーダ装置 210, 211で読み取ら れてコンピュータに伝送されたデータは、物流工程全体の管理に用いられる。

[0011] し力し、前記コンベア型リーダ 110, 111、あるいはゲート型リーダ 210, 211は、該リ ーダ装置の交信領域を通過した時点での物品の状況を確認するものであり、リーダ 装置通過後、次のリーダ装置を通過するまでの間の物品の状態を管理することはで きない。

[0012] すなわち、物品の出入りは把握できても、在庫時の物品の所在、保管状況の管理や 、輸送時の搬送ルート追跡、物品の取り違え、誤配送等の防止には効果がないという 問題がある。

[0013] この課題を対策するための方法として、物品に取り付けた非接触 ICタグ内のデータ を、該物品を積んだパレット等の荷物台に搭載された無線通信装置にゲート型リーダ 装置等を通過する際に貨物情報として記憶させる物流管理システムが提案されてい る（特開 2002— 154618号公報参照)。

[0014] この物流管理システムは、無線通信装置内のパレット毎の貨物情報を物流管理に用 いることで、複数の異なる物品がパレットという単位で管理している。無線通信装置に BlueToothを用いることで数 mの交信距離を可能とし、物品の所在管理と搬送ルー ト追跡を行うように構成されて 、る。

[0015] しかし、ゲート型リーダ装置等の通過後に物品を固体単位で抜き取る、あるいは他の 物品を加える等、パレット上の貨物の保管状況に関する管理情報は把握できない問 題があった。

[0016] また、輸送に際して物品を混載する、あるいは輸送途上で一時保管する場合等の保 管管理や、屋外、広大な倉庫内での所在管理等も困難であった。

[0017] さらには、搬入、搬出に際して物品をコンベア型リーダ、あるいはゲート型リーダを通 過させる必要があるため、搬入、搬出の経路が制限され、各リーダ装置前で貨物が 停滞するといつた問題があった。

[0018] 一方、一般的な非接触 ICタグの利用方法として、各物流拠点で非接触 ICタグ内のメ モリにデータを書き込み、このデータを物品の物流経過管理に用いることが可能であ る。

[0019] しかし、コンベア型リーダ、あるいはゲート型リーダを用いる従来の方法では、各拠点 で入力するデータを自由に変更することが可能であり、管理データとしての信頼性に 乏しい問題がある。

[0020] さらに、前記したような従来の物流管理システムにおいては、各工程に関係する全て の業者力 Sリーダ装置を投資し、全ての業者のデータが図 19に示すようなネートワーク で結び付かな 、と、完全な物流管理システムの構築ができな 、と 、う問題がある。

[0021] 従って、非接触 ICタグを用いた物流システムの導入による大きな効果を期待できな ければ、業者のコスト負担が過大となるため、非接触 ICタグよる物流システムの導入 を遅らせるという問題があった。

[0022] その結果、非接触 ICタグと通信できるリーダライタの普及が進まず、非接触 ICタグの 利用が進まな ヽと ヽぅ現状があった。

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0023] この発明は、上述の問題に鑑み、物流工程の各拠点等に非接触 ICタグと通信するリ 一ダライタを設置しなくとも、積載面の上方に積載した物品の非接触 ICタグと通信で きる物品搬送資材を提供し、利用者の満足度を向上させることを目的とする。

課題を解決するための手段

[0024] この発明は、積載面に物品を積載して搬送に使用する物品搬送資材であって、前記 物品に取り付けられた非接触 ICタグと非接触で通信する非接触通信手段と、前記非 接触通信手段に電力を供給する可搬型電源手段とを備え、前記非接触通信手段の 通信方向を、前記積載面上方領域に向けて構成した物品搬送資材であることを特徴 とする。

[0025] 前記通信方向は、例えば物品搬送資材がパレットであれば、非接触通信手段を左右 両側部あるいは前後左右の 4側部に備えて中心側斜め上方へ通信方向を設定する 、又は、非接触通信手段を中心に備えて上方へ通信方向を設定する等、載置する 物品が通信領域に収まるように構成することを含む。また、例えば物品搬送資材が箱 型のコンテナであれば、上面部、底面部、前面部、背面部、右側面部、左側面部、辺 部、又は角部の 1箇所又は複数箇所に非接触通信手段を備えて内側へ通信方向を 設定する等、載置する物品が通信領域に収まるように構成することを含む。

[0026] 前記可搬型電源手段は、バッテリ又は乾電池等、可搬型の電源で構成することを含 み、物流搬送資材に着脱可能に取り付ける、あるいは着脱不可能に取り付けることを 含む。なお、ノ ッテリや充電式乾電池など充電可能な電源であることが望ましいが、 充電不可能な乾電池等の電源で使い捨てにすることも可能である。

[0027] 前記構成により、非接触通信手段にて物品に取り付けられた非接触 ICタグと通信す ることができる。通信方向を積載面上方領域に向けているため、物品搬送資材を複 数個並べて置いた状態であっても、隣の物品搬送資材に積載されている物品の非 接触 ICタグと通信することが防止できる。

[0028] また、非接触通信手段による通信領域が積載面上方領域の外側にでないようにでき るため、物品搬送資材は自己の積載面に積載されている物品の非接触 ICタグのみと 確実に通信することが可能となる。

[0029] また、この物品搬送資材は可搬型電源手段で可動するため、場所を選ばずに上記 通信を実行できる。

[0030] また、非接触 ICタグを貼り付けた物品と共に物品搬送資材を流通させることが可能と なって、この物品搬送資材で非接触 ICタグと通信できるため、物品をゲート型リーダ 装置に通過させるといったことが不要となる。従って、手間をかけずに非接触 ICタグ 内のデータを読み取ることが可能となる。

[0031] なお、外部装置から実行指示信号を受信して受け付ける通信手段と制御手段、外部 装置と接続して実行指示信号を受け付ける USBインタフェース等の接続手段と制御 手段、又は、押下ボタンゃタツチパネル等で形成して操作入力を受け付ける操作入 力手段で構成する受付手段を備えても良 ヽ。

[0032] また、外部装置に情報を送信する通信手段と制御手段、外部装置と接続して情報を 送信する USBインタフェース等の接続手段と制御手段、又は、液晶表示装置等で形 成して文字表示や画像表示を行なう表示手段で構成する出力手段を備えても良い。

[0033] この発明の態様として、前記非接触通信手段の通信距離を、前記積載面の上方で 物品を積載できる積載範囲内の非接触 ICタグであれば通信できる程度に制限するこ とがでさる。

[0034] 前記通信距離は、積載範囲の境界部分とほぼ同一に設定する、あるいは積載範囲 の境界部分より少し外側に設定することを含む。前記構成により、物品搬送資材が物 品を積載した状態で倉庫の 1階と 2階に置かれる等上下方向に複数置かれた場合に 、上下方向に存在する他の物品搬送資材に積載されている物品の非接触 ICタグと 通信することを防止できる。また、物品搬送資材が例えばコンテナであった場合に、 上下方向へ積載した各コンテナで他のコンテナに積載された物品の非接触 ICタグと 通信することを防止できる。

[0035] またこの発明の態様として、前記非接触通信手段を前記積載面の周部に複数配設し 、各非接触通信手段の通信方向を上方内側へ向けて構成することができる。これに より、積載面の上方に積載された物品の非接触 ICタグと確実に通信できると共に、並 ベて置かれた他の物品搬送資材に積載された物品の非接触 ICタグと通信することを 確実に防止できる。

[0036] この発明の態様として、フォークリフトのフォークを側面力も挿入許容するフォーク挿 入部を備え、前記各手段を前記フォーク挿入部を避けて配設することができる。

[0037] これにより、物品搬送資材を利用して物品に取り付けられた非接触 ICタグと通信する ことができ、物流管理への非接触 ICタグの利用の促進を図ることができる。

[0038] 各手段はフォーク挿入部を避けて配設しているため、物流過程でフォークリフトによる パレットの積み込みや積み降ろし、場所の移動が行われても、非接触 ICタグとの通 信機能を損なわず、故障を防止して耐用年数を長期化することができる。

[0039] この発明の態様として、前記各手段を、前記フォーク挿入部の上下位置を避けて配 設することができる。これにより、フォークリフトによる物品搬送資材の持上げ時に、各 手段に荷重が集中して力かることが防止でき、各手段の破損を防止することができる

[0040] またこの発明の態様として、前記積載面上方領域の外にある非接触 ICタグと通信し な 、ように電波を遮断する電磁シールドを備えることができる。前記電磁シールドは、 アルミホイル又は金属繊維で形成した網等の電波遮断素材で形成することを含み、 シート状に形成して載置した物品を被覆する、あるいは、物品搬送資材がコンテナで ある場合に外装に電波遮断素材を使用することを含む。

[0041] 前記構成により、物品搬送資材に積載していない物品の非接触 ICタグと通信するこ とを確実に防止することができる。従って、他の物品搬送資材を近くに並べて置いて も、該他の物品搬送資材に積載された物品の非接触 ICタグと通信することを防止で きる。

[0042] またこの発明の態様として、前記非接触通信手段とは別に通信回線を通じて外部装 置と通信する外部装置通信手段と、上記外部装置から受信した実行指示の信号に 従って非接触 ICタグとの通信を実行し、取得した情報を上記外部装置へ送信する制 御を行う制御手段とを備えることができる。

[0043] 前記通信回線は、携帯電話や PDA等の移動体の通信に用いられる移動体通信網、 インターネット、又はイントラネット等、通信可能な回線で構成することを含む。なお、 移動体通信網やインターネットのように広域の通信回線で構成することが望まし 、。

[0044] 前記外部装置は、携帯電話機、 PDA,ノート型パソコン等の携帯情報端末、あるい は、デスクトップ型パソコン等の据置型情報端末で構成することを含む。

[0045] 前記構成により、外部装置力 物品搬送資材にアクセスすることができ、例えば遠隔 地力も物品搬送資材にアクセスするといつたことが可能となる。また、利用者が非接 触 ICタグと通信できるリーダライタ装置を保持していなくても、必要に応じて外部装置 力 物品搬送資材にアクセスし、非接触 ICタグと通信することができる。

[0046] なお、非接触 ICタグと通信する非接触通信タイミング等、制御手段が所定の処理を 実行するタイミングは、外部装置通信手段にて外部装置から実行指示を受けたとき、 時刻認識手段で所定の時刻若しくは時間経過を認識したとき、環境情報取得手段で 所定の環境情報を取得したとき、位置情報取得手段で所定距離の移動を検知したと き、押しボタンゃタツチパネル等の入力手段により実行指示を受けたとき等、適宜の タイミングで実行することを含む。

[0047] またこの発明の態様として、前記外部装置通信手段を、全体形状の側面部位に配設 することができる。前記側面部位は、物品搬送資材の正面、背面、右側面、又は左側 面とすることを含む。

[0048] これにより、物品搬送資材を上下方向に複数積載した場合であっても、各物流搬送 資材の外部通信手段による外部装置と無線での通信が、上下に存在する他の物流 搬送資材に妨げられることを防止でき、各物品搬送資材が個別に安定して外部装置 と通信できる。

[0049] またこの発明の態様として、全体形状を、物品を載置するパレット形状に形成すること ができる。これにより、物品の搬送によく使われるパレットにて物品に取り付けた非接 触 ICタグと通信することができる。

[0050] またこの発明の態様として、全体形状を、物品を収納する箱型のコンテナ形状に形 成することができる。これにより、物品の搬送によく使われるコンテナにて物品に取り 付けた非接触 ICタグと通信することができる。

[0051] またこの発明の態様として、置かれている状況に関する情報を取得する情報取得手 段を備えることができる。前記情報取得手段は、現在の位置情報を取得する位置情 報取得手段、又は Z及び現在の環境情報を取得する環境情報取得手段とすること を含む。

[0052] 前記位置情報取得手段は、 GPS (GlobalPositioningSystem：全地球測位システム）を 利用して緯度及び経度といった位置情報を取得する GPS装置で構成することを含む 。また、区画毎に配設されてその区画の位置情報を格納している非接触 ICタグから、 非接触で位置情報を取得する非接触 ICタグリーダで構成することを含む。

[0053] 前記環境情報取得手段は、自己が存在している存在場所の温度情報を取得する温 度情報取得手段、自己が存在している存在場所の湿度情報を取得する湿度情報取 得手段、又は、自己が存在している存在場所で受けた衝撃情報を取得する衝撃情 報取得手段の 1以上で構成することを含む。

[0054] 前記構成により、置かれている状況に関する情報、例えば位置情報や環境情報 (温 度、湿度、衝撃)等の情報を取得することができ、物流管理を行うことができる。

[0055] 従って、非接触 ICタグが置かれていた状況、若しくは該非接触 ICタグに対応付けら れて 、る物品が置かれて 、た状況を取得する、ある 、はこれらの状況を非接触 ICタ グゃ別途の記憶手段に書き込み後にトレースする又は証明するといつたことが可能と なる。

物品搬送資材の所在位置を特定する場合には、上記位置情報を読み取れば、非接 触 ICタグ若しくは該非接触 ICタグに対応付けられている物品がどこに所在するか、 あるいはどこに所在して 、たかを判別することができる。

発明の効果

[0056] この発明により、物品搬送資材を利用して積載面の上方に積載した物品の非接触 IC タグと通信できる。

図面の簡単な説明

[0057] [図 1]物流管理システムのシステム構成図。

[図 2]管理用パレットの斜視図。

[図 3]管理用パレットの斜視断面図。

[図 4]管理用パレットの非接触通信領域を説明する正面図。

[図 5]管理用パレットのブロック図。

[図 6]管理用パレットのコントローラが実行する全体処理の処理フロー図。

[図 7]コントローラが実行する衝撃記録処理の処理フロー図。

[図 8]コントローラが実行する定期記録処理の処理フロー図。

[図 9]コントローラが実行する携帯応答処理の処理フロー図。

[図 10]コントローラが実行する記録蓄積処理の処理フロー図。

[図 11]非接触 ICタグのメモリ内のデータ説明図。

[図 12]コントローラのメモリ内のデータ説明図。

[図 13]物流工程の説明図。

[図 14]他の実施形態の管理用パレットの非接触通信領域を説明する正面図。

[図 15]他の実施形態の管理用パレットの形状を示す斜視図。

[図 16]他の実施形態の管理用天板及び管理用コンテナを説明する説明図。

[図 17]従来のコンベア型リーダ装置の斜視図。

[図 18]従来のゲート型リーダ装置の斜視図。

[図 19]従来の物流管理システムのシステム構成図。 符号の説明

30, 30a, 30b…管理用ノルツ卜

31 · "フォーク孔

32· "コントローラ

33· ··移動体用アンテナ

34· ••GPS装置

36, 36a, 36b…センシング装置

37, 37a, 37b- "ICタグリーダライタ

38· · ·ノ ッテリ

51 · ··物品

55· ··非接触 ICタグ

60· ··移動体通信網

70· ··携帯電話

発明を実施するための最良の形態

[0059] この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。まず、図 1に示すシステム構成 図と共に、物流管理システム 1のシステム構成について説明する。

[0060] 物流管理システム 1は、 GPS衛星 10、蓄積サーバ 20、複数の管理用パレット 30 (30 a, 30b,…；)、移動体通信網 60、携帯電話 70、及び課金サーバ 75により構成する。

[0061] GPS衛星 10は、管理用パレット 30に内蔵する GPS装置と通信し、該 GPS装置の位 置を計測して緯度及び経度等の位置情報を GPS装置に送信する。

[0062] 蓄積サーバ 20は、データを蓄積するサーバであり、一連の物流工程を終えた管理用 パレット 30から物流に関するデータを取得して記録する。また、蓄積サーバ 20は移 動体通信網 60に接続しており、携帯電話 70その他の外部端末力もアクセス可能に 構成している。

[0063] なお、蓄積サーバ 20は移動体通信網 60ではなく別途のインターネット等の通信網に 接続し、ノソコン等の他の外部端末力ものアクセスを許容してもよい。また蓄積サー バ 20を通信網に一切接続しな 、構成としても良!、。

[0064] また、蓄積サーバ 20は、用途に応じて、物品の製造業者、販売業者等の物流に関 与した業者、又は、物流状況を監視する第三者のいずれに設置しても良い。

[0065] 管理用パレット 30は、複数の物品を積載してフォークリフト 2等によって運搬するため のパレットである。内部には、非接触 ICタグ (RF-IDタグ）と非接触で通信するタグリ 一ダライタを備えている。また、温度や湿度や衝撃等の環境データを取得するセンシ ング装置、移動体通信網 60を介して携帯電話 70等とパケット通信等の通信を可能 にする移動体用アンテナ、及び GPS衛星 10から位置情報を取得する GPS装置を備 えている。

[0066] また、図示する状態では、管理用パレット 30は倉庫内に安置されており、その安置場 所には倉庫内位置送信タグ 5を区画毎に備えている。この倉庫内位置送信タグ 5は、 非接触 ICタグであり、区画を示すデータを記憶しており、管理用パレット 30に備えて V、る ICタグリーダライタにてそのデータを読み取れるよう構成して！/、る。

[0067] 移動体通信網 60は、移動体である携帯電話 70のキャリアが提供する通信網であり、 携帯電話 70による WEBページの閲覧や電子メールの送受信を許容する通信網で ある。

[0068] 該移動体通信網 60は、図示省略するインターネット (公衆回線）にも接続しており、 携帯電話 70と同じ移動体用アンテナを有する装置 (携帯電話 70、データ通信カード 等)だけでなぐインターネットに接続されたパソコン等の情報処理装置との通信も許 容する。

[0069] 携帯電話 70は、移動体通信網 60を介して WEBページの閲覧ができるデータ通信 機能を備えた携帯情報端末であり、移動体通信網 60を介して管理用パレット 30にァ クセスすることがでさる。

[0070] 課金サーバ 75は、携帯電話 70が移動体通信網 60を介して管理用パレット 30にァク セスするに際して課金を行うサーバであり、携帯電話 70によって利用できる WEBコ ンテンッへのアクセスに対して課金を行う。

[0071] 管理用パレット 30へのアクセスは、この課金サーバ 75によって携帯電話用有料ホー ムページへのアクセスと同様に課金され、月額一定の定額制、又はアクセス回数に 応じた従量制のいずれかの課金方式を利用者が選択可能にしている。

[0072] 以上のシステム構成により、管理用パレット 30は各種データを取得することができ、 携帯電話 70によってこのデータにアクセス等することができる。

[0073] 次に、図 2に示す斜視図、図 3に示す斜視断面図、及び図 4に示す非接触通信領域 説明図と共に、管理用パレット 30の構成について説明する。

[0074] 管理用パレット 30は、搬送する物品 51を多数積載してフォークリフト 2 (図 1)で搬送 できるパレットであり、荷台として機能し、平面視約 lm四方の正方形で所定の厚み（ 例えば 10cm程度）を有した形状に形成して!/ヽる。

[0075] ここで、 1つの物品 51には 1つの非接触 ICタグ 55を貼り付けており、物品 51と非接 触 ICタグ 55が一対一の関係となるようにしている。従って、物品 51の数だけ非接触 I

Cタグ 55が存在することとなる。

[0076] なお、例えば複数個の商品をダース等の所定単位で梱包し、この 1梱包を 1物品とし て 1つの非接触 ICタグ 55を貼り付けて利用しても良い。この場合は、非接触 ICタグ 5

5内に商品個数のデータも格納するようにすればよ！、。

[0077] 管理用パレット 30の前後左右の各側面には、フォークリフト 2 (図 1)のフォーク 2a (図

1)を挿入できるように、内部を反対側の側面まで貫通するフォーク孔 31を各 2つず つ備えている。これにより、四方のどの面からでもフォークリフト 2のフォーク 2aを挿入 して管理用パレット 30を持上げて運搬できるようにして 、る。

[0078] この管理用パレット 30は、硬質の榭脂部材にて形成している。なお、木材で形成する 等、載置する物品 51を支えることができる他の材料で形成しても良い。

[0079] 管理用パレット 30の 1つの角部には、ノ ッテリ 38を着脱可能に装着している。このよう に管理用パレット 30の周囲部にノ ッテリ 38を着脱可能に備えることで、物品 51を多 数積載して総重量が重い管理用パレット 30からその状態のままバッテリ 38を脱着し、 ノ ッテリ 38の充電を容易に行えるようにして ヽる。

[0080] また、該バッテリ 38を備えている管理用パレット 30の正面の中央部には溝を設けて おり、その溝内に無線で移動体通信網 60 (図 1)の基地局（図示省略)と長距離通信 する移動体用アンテナ 33を備えている。

[0081] このように、移動体用アンテナ 33の配置を、積載した物品 51の影響を受け難い管理 用パレット 30の周囲部で、さらに機械的応力負荷を受けやすい四隅を避けた位置に 設定していることで、通信を安定させ故障も防止している。 [0082] 管理用パレット 30の底面は、全面をアルミホイル又は金属繊維で形成した網等の電 波遮断素材で構成した電磁シールド材 45により被覆している。これにより、物品 51を 積載した管理用パレット 30を多段に積み上げても、上下の管理用パレット 30での電 波干渉を防止することができる。

[0083] 従って、管理用パレット 30は、自己に積載された物品 51の非接触 ICタグ 55と通信し 、他の管理用パレット 30に積載された物品 51の非接触 ICタグ 55とは通信しないこと が可能となる。

[0084] 管理用パレット 30の内部には、図 3に示すように、コントローラ 32、 GPS装置 34、標 準電波受信装置 35、センシング装置 36 (第 1センシング装置 36a,第 2センシング装 置 36b)、及び非接触 ICタグ 55と非接触で通信する ICタグリーダライタ 37 (第 1ICタ グリーダライタ 37a,第 2ICタグリーダライタ 37b)を内装している。

[0085] コントローラ 32は、制御回路を有しているため強い衝撃を避けるべく管理用パレット 3 0の中央部に埋設して備えている。なお、該コントローラ 32は管理用パレット 30から 容易に着脱可能なように、管理用パレット 30の平面又は底面に開閉する蓋を備えて 収納する構成としても良い。この場合は、コントローラ 32を容易に取り出せるため、コ ントローラ 32内のデータの取り出しが容易となる。

[0086] GPS装置 34は、管理用パレット 30の背面側部分の中央に備えている。標準電波受 信装置 35は、管理用パレット 30の正面側部分の中央に備えて 、る。

[0087] これら GPS装置 34及び標準電波受信装置 35と前記移動体用アンテナ 33は、管理 用パレット 30の周面部分 (この実施形態では正面部分と背面部分）に備えることで、 積載した物品 51が無線通信の妨げとならないようにすると共に、フォークリフト 2での 運搬時の応力等による故障を防止している。

[0088] センシング装置 36 (36a, 36b)は、管理用パレット 30の左右両側部の中央にそれぞ れ 1つずっ配設している。この配置により、フォークリフト 2での運搬時の応力等による 故障を防止している。

[0089] ICタグリーダライタ 37 (37a, 37b)は、管理用パレット 30の左右両側部の中央にそれ ぞれ 1つずっ配設している。この配置により、フォークリフト 2での運搬時の応力等に よる故障を防止している。 [0090] ここで、 ICタグリーダライタ 37は、図 4の正面図に示すように、発信方向を内側上方 へ向けて発信角度を約 30° に設定し、交信可能距離が管理用パレット 30の上方へ 向けて高さ約 2m程度となるようアンテナ出力を調整して、左右対称に設けている。こ れにより、 1. lm四方の管理用パレット 30の上方で、高さ約 2m程度で幅約 1. 15m 四方の範囲で非接触 ICタグ 55と通信を行うようにしている。

[0091] 以上の構成により、管理用パレット 30内に、コントローラ 32、移動体用アンテナ 33、 GPS装置 34、標準電波受信装置 35、センシング装置 36、及び ICタグリーダライタ 3 7を内装することができる。

[0092] 内装した各要素は、管理用パレット 30のフォーク孔 31の上下位置 (特に上方）を避け て配設しているため、フォークリフト 2のフォーク 2aがフォーク孔 31に挿入されて、管 理用パレット 30が載置した物品 51と共に持上げられても、各要素が破損することが ない。

[0093] また、管理用パレット 30の上方を所定範囲（具体的には上方 2m、前後左右は 1. 15 m)で、載置された物品 51に貼り付けられた非接触 ICタグ 55と確実に通信することが できる。

[0094] 通信領域 40は、管理用パレット 30の側方へは広がらないように設定しているため、 複数の管理用パレット 30を並置した状態であっても、自己の管理用パレット 30上の 物品 51に貼り付けられた非接触 ICタグ 55とのみ確実に通信することができる。

[0095] また、通信領域 40の上方を約 2mに設定しているため、管理用パレット 30に積載可 能な範囲をカバーでき、荷崩れしない程度に積載した全物品 51の非接触 ICタグ 55 と通信することができる。また、管理用パレット 30近傍の交信ができない領域を小さく 抑えることができる。

[0096] 次に、図 5に示すブロック図と共に、管理用パレット 30の構成について説明する。

[0097] 管理用パレット 30には、コントローラ 32に接続して、移動体用アンテナ 33、 GPS装 置 34、標準電波受信装置 35、第 1センシング装置 36a、第 2センシング装置 36b、第 1ICタグリーダライタ 37a、及び第 2ICタグリーダライタ 37bを備えており、駆動電源と してバッテリ 38を備えて 、る。

[0098] コントローラ 32は、内部に不揮発性メモリを備えており、各構成要素を制御すると共 に、不揮発性メモリへのデータの保存を実行する。この不揮発性メモリには、管理用 ノルット 30のシリアルナンパ、所有者、使用者、使用開始日、使用終了予定日などの データを初期データとして書き込んでいる。使用者に管理用パレット 30を渡す際に は、これ以外の不要なデータは消去しておく。

[0099] また、 LAN又は USB等の接続インタフェースも備えており、該接続インタフェースを 介して蓄積サーバ 20と通信できるように構成して 、る。

[0100] なお、この接続インタフェースは有線で構成しても無線で構成しても良い。無線で構 成する場合は、移動体用アンテナ 33の通信周波数や ICタグリーダライタ 37の交信 周波数と異なる周波数に設定することが望まし 、。

[0101] また、コントローラ 32は WEBサーバ機能を備えており、携帯電話 70にてホームべ一 ジを閲覧するのと同様に、携帯電話 70から移動体用アンテナ 33を通じてコントロー ラ 32にアクセスできるように構成して 、る。

[0102] 携帯電話 70からのアクセスは、管理用パレット 30のコントローラ 32に設定した携帯電 話番号によって行うが、 IDとパスワードでアクセスできるようにしても良い。

[0103] 移動体用アンテナ 33は、コントローラ 32の制御に従って、通信周波数として 800MH z〜2GHz帯を用いて基地局（図示省略)と通信し、移動体通信網 60 (図 1)を介して 携帯電話 70と通信する。なお、後述する ICタグリーダライタ 37との混信を防止するた め、通信周波数を 1GHz以上に設定することが望ましい。

[0104] GPS装置 34は、 GPS用アンテナを備えており、コントローラ 32の制御に従って GPS 衛星 10と通信し、位置情報を取得する。標準電波受信装置 35は、コントローラ 32の 制御に従って標準電波を受信し、時刻情報を取得する。

[0105] 第 1センシング装置 36a及び第 2センシング装置 36bは、いずれも温度センサ、湿度 センサ、及び衝撃センサにて構成している。コントローラ 32からの制御信号に従って

、温度センサにより測定した温度、及び湿度センサにより測定した湿度をコントローラ

32へ送信する。また、管理用パレット 30が振動や衝突といった衝撃を受けた場合に

、衝撃センサがこの衝撃を検知してコントローラ 32に送信する。

[0106] 第 1ICタグリーダライタ 37a及び第 2ICタグリーダライタ 37bは、図示省略する IC及び アンテナコイルを備えている。 IC内の不揮発性メモリには、最初力もタグ ID (非接触 I Cタグ 55毎にユニークな ID)を記録しており、さらに物流工程へ出す前に物品の種 類、製造年月日、製造者等のデータを記録している。

[0107] なお、これらのデータと共に、 GPS装置 34で取得する位置データと、標準電波受信 装置 35で取得する時刻データのいずれか一方又は両方を物流工程へ出す前に記 録しても良い。この場合は、物流工程へ出す直前の時刻や位置を記録として残すこ とがでさる。

[0108] コントローラ 32からの制御信号に従って、 850MHz〜960MHzの UHF帯の交信周 波数で非接触 ICタグ 55に対してデータの書き込み及び読み取りを実行し、読み取つ たデータをコントローラ 32に送信する。また同様に、倉庫内位置送信タグ 5に対して 区画を示すデータの読取りを実行し、読み取ったデータをコントローラ 32に送信する

[0109] ここで、交信周波数には、一般的な 13. 56MHzを使用することも可能である。しかし 、物品は通常 2m程度の高さまで積載されることが多いため、 ICタグリーダライタ 37か らこの 2mの高さの範囲にある非接触 ICタグと通信するためには、 UHF帯の交信周 波数を使用することが好まし 、。

[0110] なお、非接触 ICタグ 55は、アンテナコイル、該アンテナコイルと共振用のコンデンサ で構成する並列の共振回路、整流回路、電圧検知回路、制御回路、定電圧回路を 備えている。

[0111] このように構成した非接触 ICタグ 55は、アンテナコイルを介して ICタグリーダライタ 3 7からコマンドを受信し、制御回路で該コマンドに基づいた処理を行い、再度アンテ ナコイルを介して ICタグリーダライタ 37に応答する。

[0112] ノ ッテリ 38は、充電可能な電源装置であり、使用者に管理用パレット 30を渡す際に は、使用日数間の管理用パレット 30の動作に十分な電気量を充電しておく。

[0113] 以上の構成により、コントローラ 32の制御に従って、携帯電話 70との通信、 GPS衛 星 10との通信、標準電波の受信、非接触 ICタグ 55との通信、センシング装置 36によ る温度、湿度、衝撃の取得を実行することができ、コントローラ 32のメモリへのデータ の保存が実行できる。

[0114] なお、 ICタグリーダライタ 37により管理用パレット 30上の複数の非接触 ICタグ 55に 対してアクセスするためには、一般にアンチコリジョンと呼ばれている複数タグァクセ ス処理を行うと良い。

[0115] 次に、図 6に示す処理フロー図と共に、管理用パレット 30のコントローラ 32が実行す る全体の処理にっ 、て説明する。

[0116] 管理用パレット 30が振動、衝突、落下といった衝撃を受けた場合 (ステップ nl)、コン トローラ 32は後述する衝撃記録処理を実行する (ステップ n2)。

[0117] 標準電波受信装置 35で受信している標準時刻が、予め定めた定期記録時刻になつ た場合は (ステップ ）、後述する定期記録処理を実行する (ステップ n4)。

[0118] 移動体用アンテナ 33にて携帯電話 70からのアクセスを受けた場合は (ステップ n5)、 後述する携帯応答処理を実行する (ステップ n6)。

[0119] コントローラ 32の接続インタフェースに蓄積サーバ 20が接続され、記録を蓄積する 蓄積指示を受けた場合は (ステップ n7)、後述する記録蓄積処理を実行し (ステップ n

8)、処理を終了する。

[0120] なお、上記蓄積指示は、接続した蓄積サーバ 20からコマンド信号を受けて実行する 、適宜備えたスィッチの押下によって実行する、あるいは移動体用アンテナ 33を介し て携帯電話 70からコマンド信号を受けて実行する等、適宜の構成とすることができる

[0121] 以上の動作により、衝撃、定期記録時刻、携帯電話 70からのアクセス、及び蓄積サ ーバ 20からの蓄積指示の受信といった予め定めた動作条件に達したときに、必要な 処理を実行することができる。

[0122] 次に、図 7に示す処理フロー図と共に、コントローラ 32が実行する衝撃記録処理につ いて説明する。

[0123] コントローラ 32は、センシング装置 36の衝撃センサで衝撃を検知した場合に、この衝 撃を計測させる (ステップ pi)。

[0124] GPS装置 34が GPS衛星 10と通信可能であれば (ステップ p2 : YES)、位置情報とし て緯度及び経度を取得する (ステップ p3)。

[0125] GPS装置 34が GPS衛星 10と通信不可能であれば (ステップ p2 : NO)、 ICタグリー ダライタ 37にて倉庫内位置送信タグ 5との通信を試み、通信領域内に倉庫内ァドレ ス、すなわち区画データが存在する力判定する（ステップ p4)。

[0126] 倉庫内アドレスが存在した場合は (ステップ p4 : YES)、位置情報として倉庫内ァドレ スを取得し (ステップ ρ5)、ステップ p6へ処理を進める。倉庫内アドレスが存在しなか つた場合は (ステップ p4： NO)、位置情報が取得できな!/、状態でステップ p6へ処理 を進める。

[0127] コントローラ 32は、測定を実行して、標準電波受信装置 35による現在の時刻（日、時 、分)の取得、センシング装置 36の温度センサによる現在温度の取得と湿度センサ による現在湿度の取得を実行する (ステップ p6)。

[0128] コントローラ 32は、自己の管理用パレット 30上に積載されている全ての非接触 ICタ グ 55力 、タグ ID (非接触 ICタグ 55のシリアルナンノ ）を取得する（ステップ p7)。コ ントローラ 32は、取得した全てのタグ IDと、位置、衝撃、及び時刻を、コントローラ 32 内のメモリに記録する (ステップ p8)。

[0129] コントローラ 32は、位置、衝撃、時刻、温度、湿度、及びパレットナンパを、非接触 IC タグ 55に記録し (ステップ p9)、処理を終了する。なお、上記パレットナンパは、コント ローラ 32内のメモリに記憶して 、る。

[0130] 以上の動作により、管理用パレット 30のセンシング装置 36の衝撃センサが衝撃を検 知した場合に、この衝撃を非接触 ICタグ 55及びコントローラ 32のメモリに記録するこ とができる。従って、物品 51の受取人が非接触 ICタグ 55からデータを読み取って衝 撃の有無を検査することや、衝撃に関するデータの改竄がないかをコントローラ 32の メモリ内のデータと照合することができる。

[0131] 次に、図 8に示す処理フロー図と共に、コントローラ 32が実行する定期記録処理につ いて説明する。

[0132] 定期記録処理では、ステップ r7, r8を除いて、前述した衝撃記録処理のステップ p 2

〜p9と同一の処理をステップ rl〜r8として実行する。

[0133] ステップ r7では、コントローラ 32のメモリに記憶するデータとして、衝撃記録処理の場 合に記録したデータのうち衝撃以外のデータ、すなわち位置、時刻、温度、湿度、及 びタグ IDを記録する。

[0134] ステップ r8では、非接触 ICタグ 55に記憶するデータとして、衝撃記録処理の場合に 記録したデータのうち衝撃以外のデータ、すなわち位置、時刻、温度、湿度、及びパ レットナンパを記録する。

[0135] 以上の動作により、非接触 ICタグ 55及びコントローラ 32に、定期的に位置、温度、湿 度を時刻付きで記録することができる。従って、管理用パレット 30に積載した物品 51 の搬送状況の経過を記録することができ、正規の物流ルートを通過してきた力、必要 な温度管理や湿度管理が適切に行われていたかを、後に確認することができる。

[0136] 非接触 ICタグ 55に書き込まれたデータを読み取れば、荷受人は物流の管理状況や 物流ルートを確認でき、改竄防止のために、コントローラ 32と照合することができる。

[0137] なお、定期記録の間隔は、 10分単位、 30分単位、 1時間単位等、搬送する物品 51 に必要な管理条件に対応した時間間隔に設定すると良い。

[0138] 次に、図 9に示す処理フロー図と共に、コントローラ 32が実行する携帯応答処理につ いて説明する。

[0139] 携帯電話 70からのアクセス内容力 現時点での現状を要求して!/、な 、場合は (ステ ップ si :NO)、コントローラ 32は、メモリ内から必要なデータ (携帯電話 70に参照要 求されたタグ ID、商品名、個数、位置、衝撃有無、温度状況、湿度状況等)を取得し (ステップ s2)、ステップ s9に処理を進める。

[0140] 現時点での現状が要求されて 、る場合は (ステップ si： YES)、前述した衝撃記録処 理のステップ p2〜p6と同一の処理として、ステップ s3〜s7を実行する（ステップ s3〜 s7)。

[0141] コントローラ 32は、非接触 ICタグ 55から必要なデータ（参照要求されたタグ ID、商品 名、個数等）を読み取る (ステップ s8)。

[0142] 必要なデータが取得できると、アクセスしてきた携帯電話 70へ取得データを送信し（ ステップ ）、課金サーバ 75へ課金に必要なデータとして携帯電話 70の携帯電話 番号を送信し (ステップ s 10)処理を終了する。

[0143] 以上の動作により、利用者は携帯電話 70を用いて管理用パレット 30にアクセスし、 積載している物品 51に関する情報や、現在位置等の情報を取得することができる。

[0144] 一般に、物品を積載して運搬するパレットは、紛失しやすい傾向があり、一度紛失す ると物流過程にてどこへ流通してしまっているか全く不明となる力 携帯電話 70から 管理用パレット 30にアクセスして位置情報を取得すれば、現在位置を特定して探し 出すことが可能となる。

[0145] また、利用者は遠隔地力 必要なデータを取得することができるため、現在運送中の 物品 51が、どの地点まで運送されているかや、正しく温度管理されているかといつた ことを、いつでもどこでも即座に確認することができる。

[0146] アクセスすると課金サーバ 75にて課金が行われるため、管理用パレット 30を提供す ることでの代金回収を行うことができる。

[0147] 次に、図 10に示す処理フロー図と共に、コントローラ 32が実行する記録蓄積処理に ついて説明する。

[0148] コントローラ 32は、蓄積サーバ 20からデータ転送信号による転送指示を受けるまで 待機し、転送指示を受ければ (ステップ ul)、内部のメモリから全てのデータを読み取 る（ステップ u2)。

[0149] コントローラ 32は、読み取った全データ (位置、時刻、温度、湿度、衝撃、及びタグ ID

)を蓄積サーバ ²〇へ送信する (ステップ u³)。

[0150] 以上の動作により、全てのデータを蓄積サーバ 20に転送することができる。複数の管 理用パレット 30のデータを蓄積サーバ 20に転送すれば、物流管理に使用することが できる。

[0151] このデータは、過去の記録を一括管理することができるため、物流管理以外にも、物 流状況の保証、物流工程の改善、廃棄物の排出監視、トレーサビリティ等、物流管理 以外の目的に有効活用することもできる。

[0152] なお、蓄積サーバ 20に転送したデータは、管理用パレット 30にそのまま残しておい ても良いが、転送時に削除することが好ましい。これにより、複数回の転送によるデー タの重複を防止することができる。

[0153] 以上に説明した全ての動作により、非接触 ICタグ 55には、図 11のデータ説明図に 示すように、位置、時刻、温度、湿度、振動、及びパレットナンパの各項目（フィールド

)を有するデータを、物流履歴として時系列で追加記録していき、これを保持すること ができる。

[0154] 従って、物品 51の荷受人は、その物品 51に貼付られた非接触 ICタグ 55 (若しくは内 装や取り付けによって物品 51に対応付けられた非接触 ICタグ 55)のデータを読み取 るだけで、現実の流通過程を知ることができる。

[0155] 非接触 ICタグ 55のデータ力も解ることを具体的に説明すると、図示の例では、レコー ド No. 1〜8に示す緯度及び経度の情報から生産者や輸送業者が特定できる。

[0156] レコード No. 1に示すように最初は常温（ + 25°C)に置かれていたもの力 レコード N o. 4〜6の一定期間- 10°Cの温度で保管されながら輸送されていたことが解る。

[0157] レコード No. 4〜6の倉庫内アドレスにより、一定時間倉庫内に保管されたことがわか る。このとき、レコード No. 4でパレットナンパが変わっているため、ある管理用パレット

30から他の管理用パレット 30へ積み替えられたことが解る。

[0158] レコード No. 6では衝撃を受けたことが解り、このとき温度が + 10°Cまで上昇してい たことも解る。最後にレコード No. 8で元の管理用パレット 30に積み替えられ、常温 状態（ + 30°C)に置かれて 、たことが解る。

[0159] また、コントローラ 32内のメモリには、図 12のデータ説明図に示すように、位置、時刻

、温度、湿度、衝撃、及びタグ IDの各項目（フィールド）を有するデータを、物流履歴 として時系列で追加記録して ヽき、これを保持することができる。

[0160] 従って、非接触 ICタグ 55に記録しているデータが改竄された場合であっても、コント ローラ 32内のデータと照合することで改竄を検出することができる。

[0161] コントローラ 32内のデータからわ力ることを具体的に説明すると、図示の例では、レコ ード No. 1〜9の緯度及び経度の情報から生産者や輸送業者が特定できる。レコー ド No. 1にて最初は常温（ + 25°C)に置かれていたもの力 レコード No. 2〜8の一 定期間- 10°Cの温度で保管されながら輸送されていたことが解る。

[0162] レコード No. 3により、携帯電話カゝらアクセスがあったこと、及びそのアクセス時の位 置 (緯度及び経度）と時刻が証拠として残っているため、携帯電話力もアクセスがあつ たことが解る。

[0163] レコード No. 5〜8に示すように、 GPSの電波が届き難いところでは、倉庫内アドレス が記録されるため、倉庫内に保管されていたことが解る。このとき、レコード No. 5でタ グ IDの数が減少して 、るため、なくなったタグ IDの非接触 ICタグ 55が貼り付けられ た物品 51が、この管理用パレット 30から抜き取り（積み降ろし)されたことが解る。 [0164] レコード No. 7でタグ IDが増加しており、このタグ IDはそれまでなかったタグ IDであ ることから、新たな物品 51が積載されたことが解る。これにより混載があっても適切に 管理できる。

[0165] レコード No. 9で再度緯度及び経度が記録されていることから、倉庫を出て常温状態 に置かれたことが解る。このとき、記録しているタグ IDのうちの 1つが「AB- CDE」に 変っていることから、積載品である物品 51がこの時点で再積み替えされたことが解る

[0166] このようにデータを各時点で記録することで、図 13に示す物流工程の説明図の A〜 Hに示すように、管理用パレット 30上への物品 51の積み上げ、積み降ろしを監視で き、最後に Hに示すように蓄積サーバ 20へデータを送信することができる。

[0167] このようなコントローラ 32内のデータは、携帯電話 70によって移動体通信網 60を介 して管理用パレット 30にアクセスすれば取得できる。このため、管理用パレット 30内 にデータが残って 、る限り、物品 51が積み降ろされて既に管理用パレット 30が他の 場所へ移動していても、非接触 ICタグ 55に記録しているデータの改竄を検出するた めの照合が可能となる。

[0168] 仮に蓄積サーバ 20へデータ転送が行われて管理用パレット 30にデータが残って ヽ ない場合には、インターネット網等の通信回線を介して適宜の端末力も蓄積サーバ 2 0にアクセスすれば、非接触 ICタグ 55に記録しているデータの改竄を検出するため の照合が可能となる。

[0169] このようにして、管理用パレット 30上の全ての物品 51について、該物品 51に貼り付 けた非接触 ICタグ 55と通信できるため、物流工程内での管理用パレット 30上の物品 51の抜き取りや混載といった保管状態を詳細に把握できる。

[0170] 各物流拠点や搬送業者といった利用者は、非接触 ICタグ 55と通信できるリーダライ タを有していなくとも、管理用パレット 30により非接触 ICタグ 55と通信できるため、低 コストで利用でき非接触 ICタグ 55による物流管理が促進される。

[0171] 管理用パレット 30には、電子機器がフォーク孔 31を避けて配設してあるため、使用 による故障を防止し、長期間利用することができる。

[0172] また、管理用パレット 30上の物品 51の抜き取りや追加がコントローラ 32内のメモリに 自動で記録されるため、人手による作業ミス等を防止することができ、管理の確実性 を高めることができる。

[0173] 管理用パレット 30を複数用いて、物品 51の運搬は全て管理用パレット 30で行うよう に運用すれば、物品 51の積載をどのように組替えて仕分け、混載等しても、全物品 5 1の現在情報と物流履歴を確実に取得できる。

[0174] 管理用パレット 30が倉庫等の屋内にあるか屋外にあるかに係わらず、広範囲での物 品 51の所在管理や、物品 51の詳細な保管状態管理が可能である。

[0175] GPSによって広範囲での位置移動の経過を記録することができ、また運送中や保管 中の温度、湿度の経過を記録することができる。このため、倉庫への入出庫時しか管 理しないような従来に比較して、はるかに詳細な管理と、物流工程の証明を行うこと ができる。

[0176] ICタグリーダライタ 37を備えた管理用パレット 30が流通するため、各物流拠点にて I Cタグリーダライタ装置を備える必要がなぐ ICタグリーダライタ装置の投資が不要と なる。

[0177] 管理用パレット 30へのアクセス、及び管理用パレット 30を制御しての非接触 ICタグ 5 5へのアクセスは携帯電話 70で行えるため、各物流拠点をネットワークで接続せずと も利用することができる。従って、ネットワーク接続の設備投資、及びそのセキュリティ 確保に関する設備投資をすることなく利用できる。

[0178] 従来のように物品 51をコンベア型リーダ装置ゃゲート型リーダ装置に通貨させる必 要がないため、物品 51の搬入、搬出経路の制限がなぐ貨物の停滞を防止すること ができる。

[0179] 携帯電話 70によっていつでも管理用パレット 30にアクセスでき、該管理用パレット 30 をリモートコントロールして現在位置、温度、湿度、衝撃といったデータが取得できる ため、物品 51の現状を 、つでも容易に把握することができる。

[0180] 荷受人は、管理用パレット 30上に注文した全物品 51が積載されているか否かを、管 理用パレット 30に物品 51を積載したままの状態で、管理用パレット 30の ICタグリーダ ライタ 37にて非接触 ICタグ 55と通信し、容易に確認することができる。

[0181] コントローラ 32のメモリ内のデータを変更することは困難であるため、該コントローラ 3 2の制御により ICタグリーダライタ 37で非接触 ICタグ 55に書き込まれたデータは信 頼性が高いものとなる。

[0182] また、コントローラ 32のメモリ内のデータと ICタグリーダライタ 37内のデータは完全に 一致するため、 ICタグリーダライタ 37のデータが改竄された場合に、コントローラ 32 のメモリのデータとの照合により改竄を発見することができる。

[0183] 物流工程の最後の時点で蓄積サーバ 20にデータを複写して蓄積することで、この蓄 積したデータから物流工程の管理、搬送ルート物流状況の保証、物流工程の改善、 廃棄物の排出監視を行うことができる。

[0184] 廃棄物としては梱包資材等が存在する力 これをコントローラ 32のメモリに自動的に 記録することで、発送者の資産管理データとして用いる、あるいは廃棄業者が廃棄物 の種類、量の記録データとして用いると 、つたことができる。

[0185] 管理用パレット 30の位置を追跡できるため、管理用パレット 30が行方不明になったよ うな場合でも、携帯電話 70により管理用パレット 30にアクセスし、 GPS装置 34により 位置データを取得させてこれを返信させることで、管理用パレット 30の行方を把握す ることがでさる。

[0186] 管理用パレット 30の使用期間が残っていればそのまま使用できるため、荷受人が物 品 51の返品や梱包資材の返送をするような場合に返品、返送の物流工程に使用す る等、複数の物流工程で別個に使用することもできる。

[0187] なお、以上の実施形態において、 ICタグリーダライタ 37は、管理用パレット 30の周囲 部分に、例えば各面に 1つずつ計 4つ備える等、 2以上の複数備えても良い。これに より、通信可能領域をより詳細に設定することができる。この場合、 GPS装置 34ゃセ ンシング装置 36は余ったスペースに配置すると良い。

[0188] また、図 14の非接触通信領域を説明する正面図に示すように、管理用パレット 30の 平面視中央部分に 1つの ICタグリーダライタ 37を備えても良い。

[0189] この場合は、 ICタグリーダライタ 37の発信方向を鉛直上方へ向けて発信角度を 60° に設定し、交信可能距離が管理用パレット 30の上方へ向けて高さ約 2m程度となるよ うアンテナ出力を調整すると良い。

[0190] これにより交信可能領域幅は 2. 3mとなり、管理用パレット 30の寸法である 1. lm四 方より、管理用パレット 30の側方へ 0. 6m分大きい交信可能領域となる。

[0191] この場合、管理用パレット 30を隣接すると隣の管理用パレット 30上の非接触 ICタグ 5

5を読み取ってしまう問題も生じるが、管理用パレット 30を隣接しないような運用や、 物品 51を積載した状態で周囲全面を適宜の電磁シールド材 45で被覆する運用をす れば、問題なく使用することができる。

[0192] このときの電磁シールド材 45には、アルミホイル又は金属繊維で形成した網等の電 波遮断素材で構成したフィルムを使用すると良 、。

[0193] また、移動体用アンテナ 33は、 5GHz帯で長距離通信可能な無線 LANと通信する ように構成しても良い。この場合は、移動体通信網 60の代わりにインターネット網を 使用すると良い。これにより通信費用を削減することができる。

[0194] また、外部からコントローラ 32へのアクセスは、携帯電話 70ではなくパーソナルコン ピュータ等力 アクセス可能にする等、他の外部端末力 アクセス可能に構成しても 良い。

[0195] また、管理用パレット 30に備えた各要素には防水処理を施しても良い。これにより、 ノルットが物品を載置していない状態で雨ざらしにされた場合等に、故障を防止する ことができる。

[0196] また、管理用パレット 30は、図 2に示した形状力も底面部分を取り除いて、図 15の斜 視図に示すように形成しても良 、。

[0197] この場合は、前述したフォーク孔 31 (図 2)に対応して、フォーク 2aを挿入できるフォ ーク溝 31aを備えることとなる。各要素の配置は、前述した図 2の管理用パレット 30と 同一に構成すると良い。

[0198] このように形成した場合であっても、物品を搬送するパレットとしての機能と、非接触 I

Cタグ 55との通信機能、携帯電話 70と通信する機能、及びその他の機能を有し、便 禾 IJ〖こ使用することができる。

[0199] また、管理用パレット 30は、図 16の (A)の斜視図に示すように、パレット上に積載し た物品の上に載置する管理用天板 91として構成しても良い。

[0200] この場合は、管理用天板 91に、コントローラ 32、移動体用アンテナ 33、 GPS装置 34

、標準電波受信装置 35、センシング装置 36、 ICタグリーダライタ 37、及びバッテリ 38 を適宜の位置に備えればよい。一例として、前述した管理用パレット 30と同じ位置に 配設すると良い。

[0201] この場合は、 ICタグリーダライタ 37は通信領域を下方へ向けて、管理用パレット 30の 場合と上下対象に配置すると良い。また、必要に応じて物品 51の側面に電磁シール ド材 45を巻きつけ、隣接して置かれている物品 51の非接触 ICタグ 55と通信しないよ うにすると良い。なお、この電磁シールド材 45の巻きつけは、上述した管理用パレット 30の場合でも同様に利用することが可能である。

[0202] また、管理用パレット 30は、図 16の（B)の斜視図に示すように、ボックス状に形成し た管理用コンテナ 95として構成しても良い。

[0203] 該管理用コンテナ 95の底面には、 4つ角、及び長手方向中央部に足 95bを備え、各 足 95bの間にフォーク 2a (図 1)が挿入可能なフォーク挿入空間 95aを備えると良い。

[0204] この場合は、センシング装置 36及び ICタグリーダライタ 37をコンテナ内側に備え、移 動体用アンテナ 33、 GPS装置 34、及び標準電波受信装置 35をコンテナ外側に備 えると良い。

[0205] また、必要に応じてコンテナ外装を電磁シールド材で被覆し、隣接して置かれた他の コンテナ内部の非接触 ICタグ 55と通信してしまわな 、ようにすると良 、。

[0206] これにより、コンテナ内にある物品 51が置かれている温度、湿度、衝撃を取得でき、 非接触 ICタグ 55と適切に通信できる。また、 GPS衛星 10及び移動体通信網 60と適 切に通信でき、標準電波を適切に受信できる。

[0207] このように構成することで、パレットに限らず、物流工程で物品を搬送等する形態に応 じて使用することができ、様々な搬送方法で利用できる物流管理システム 1を提供す ることがでさる。

[0208] 物流に使用する資材でなくとも、前述した管理用パレット 30の各要素を備えた装置を

、 ICタグリ一ダライタ 37の通信領域内の複数の物品 51と共に搬送して利用すれば、 同様の効果を得ることができる。

[0209] また、標準電波受信装置 35を備えず、代わりにタイマをコントローラ 32に備える構成 としても良い。この場合は、タイマにて時刻をカウントし、定期的な記録や測定時刻の 記録を行うことができる。 [0210] また、定期的な記録は、標準電波受信装置 35にて取得する時刻が定めた時刻とな つたときに行う構成ではなぐ移動体用アンテナ 33から指示信号を受信して実行する 構成としても良い。

[0211] この場合は、手動で携帯電話 70から記録指示する、あるいは、携帯電話 70又はそ の他の外部端末から定期的に記録指示信号を送信すると良い。これにより、標準電 波受信装置 35を構成から削減してコストダウンを図ることができる。

[0212] また、倉庫内には倉庫内位置送信タグ 5を備えず、 ICタグリーダライタ 37で倉庫内位 置送信タグ 5から位置を読み取る処理は実行しない（ステップ p4〜p5, r3〜r4, s5

〜s6を省略する)構成としても良 、。

[0213] これにより、倉庫内での位置の把握までは必要ない場合や、倉庫内でも GPS衛星 1

0と通信できるような場合に、コストダウンを図って利用することができる。

[0214] 仮に倉庫内で GPS通信ができな力つた場合であっても、その前後で GPS通信がで きた際の位置から、どの位置に存在する倉庫で保管されていたかを想定することがで きる。

[0215] また、ある倉庫内だけで管理用パレット 30を使用するような場合には、管理用パレット

30に GPS装置 34を備えず、 ICタグリーダライタ 37で倉庫内位置送信タグ 5と通信し て倉庫内の位置を特定する構成としても良い。

[0216] この場合は、 GPS装置 34を省略してコストダウンを図ることができ、広い倉庫内で物 品の保管位置を管理したいような場合に、有効に活用することができる。

[0217] また、管理用パレット 30にセンシング装置 36を備えない構成としても良い。この場合 でも、搬送経路の記録や現在位置の把握はできるため、温度管理等の不要な物品 5

1に対して、適切な物流工程の管理を低コストに実現できる。

[0218] また、管理用パレット 30に GPS装置 34を備えない構成としても良い。この場合でも、 温度、湿度、衝撃の記録と把握ができ、物流工程での環境管理を低コストに実現でき る。

[0219] また、管理用パレット 30に GPS装置 34を備えないと共に、移動体用アンテナ 33も備 えない構成としても良い。この場合でも、温度、湿度、衝撃を記録することができ、物 流工程での環境証明を低コストに実現できる。 [0220] また、荷受人名称や荷受人 IDを記録した荷受人用非接触 ICタグを荷受人にを渡し ておき、荷受時に ICタグリーダライタ 37で荷受人名称や荷受人 IDを読み取り、これ をコントローラ 32内のメモリに時刻と位置を含めて記録して荷受保証を行う構成として も良い。これにより、荷受の有無に関するトラブルを回避することができる。

[0221] また、非接触 ICタグ 55には、取扱い指定データとして衝撃厳禁、指定温度、指定湿 度、天地無用、その他のデータ、又はこれらの複数のデータを記録しても良い。この 場合、該取扱い指定に違反した場合に、警告を発する処理をコントローラ 32が実行 する構成としても良い。

[0222] 警告は、管理用パレット 30にスピーカ等の音声出力装置を備えてブザー音や警告 音声を出力する、あるいは、所定のアドレスへメール送信を行うといった方法で行うと 良い。このときの警告の送信先は、非接触 ICタグ 55に記録しておくと良い。

[0223] これにより、例えば所定範囲内の温度で保管が必要な生鮮食品等の物品 51につい て、該物品 51を輸送する際に輸送依頼側や荷受側等で輸送状況をリアルタイムに 監視することができる。

[0224] 従って、物品 51の到着後に物流工程での品質劣化に気付いて次工程の計画が崩 れるといったことを、事前に防止することが可能となる。また、警告を受けてすぐに携 帯電話 70から管理用パレット 30にアクセスし、現在の位置等から倉庫や物流業者を 特定して連絡し、取扱い指定を満足する環境へ即座に移動を要請して、商品の劣化 を抑えることも可能となる。

[0225] また、物品 51を積載した状態の管理用パレット 30を複数段積み重ねることを想定し な ヽ場合であれば、電磁シールド材 45を省略してコストダウンを図ることができる。

[0226] この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、この発明の物品搬送資材は 、実施形態の管理用パレット 30 (30a, 30b,…；)、管理用天板 91、及び管理用コン テナ 95に対応し、以下同様に、フォーク挿入部は、フォーク孔 31、フォーク溝 31a、 フォーク挿入空間 95aに対応し、制御手段は、コントローラ 32に対応し、外部装置通 信手段は、移動体用アンテナ 33に対応し、情報取得手段は、 GPS装置 34及びセン シング装置 36 (36a, 36b)に対応し、非接触通信手段は、 ICタグリーダライタ 37 (37 a, 37b)に対応し、可搬型電源手段は、バッテリ 38に対応し、通信回線は、移動体 通信網 60に対応し、外部装置は、携帯電話 70に対応し、通信方向は、内側上方又 は鉛直上方に対応し、置かれている状況に関する情報は、位置、温度、湿度、及び 衝撃に対応するも、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものでは なぐ多くの実施の形態を得ることができる。

本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を 逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らか である。本出願は、 2004年 9月 13日出願の日本特許出願 (特願 2004— 265341)に基 づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

Claims

請求の範囲

[I] 積載面に物品を積載して搬送に使用する物品搬送資材であって、前記物品に取り 付けられた非接触 ICタグと非接触で通信する非接触通信手段と、前記非接触通信 手段に電力を供給する可搬型電源手段とを備え、前記非接触通信手段の通信方向 を、前記積載面上方領域に向けて構成した物品搬送資材。

[2] 前記非接触通信手段の通信距離を、前記積載面の上方で物品を積載できる積載範 囲内の非接触 ICタグであれば通信できる程度に制限した請求項 1記載の物品搬送 資材。

[3] 前記非接触通信手段を前記積載面の周部に複数配設し、各非接触通信手段の通 信方向を上方内側へ向けて構成した請求項 1又は 2記載の物品搬送資材。

[4] フォークリフトのフォークを側面力も挿入許容するフォーク挿入部を備え、前記各手段 を前記フォーク挿入部を避けて配設した請求項 1、 2又は 3記載の物品搬送資材。

[5] 前記各手段を、前記フォーク挿入部の上下位置を避けて配設した請求項 4記載の物 品搬送資材。

[6] 前記積載面上方領域の外にある非接触 ICタグと通信しな 、ように電波を遮断する電 磁シールドを備えた請求項 1から 5のいずれか 1つに記載の物品搬送資材。

[7] 前記非接触通信手段とは別に通信回線を通じて外部装置と通信する外部装置通信 手段と、上記外部装置力 受信した実行指示の信号に従って非接触 ICタグとの通信 を実行し、取得した情報を上記外部装置へ送信する制御を行う制御手段とを備えた 請求項 1から 6のいずれか 1つに記載の物品搬送資材。

[8] 前記外部装置通信手段を、全体形状の側面部位に配設した請求項 7記載の物品搬 送資材。

[9] 全体形状を、物品を載置するパレット形状に形成した請求項 1から 8のいずれか 1つ に記載の物品搬送資材。

[10] 全体形状を、物品を収納する箱型のコンテナ形状に形成した請求項 1から 8のいず れか 1つに記載の物品搬送資材。

[II] 置かれている状況に関する情報を取得する情報取得手段を備えた請求項 1から 10 のいずれか 1つに記載の物品搬送資材。 その上に物品を載置するパレットと、前記パレット上に積載した物品の上に載置する 天板とを備え、前記各手段を前記天板に配設した請求項 1から 8のいずれか 1つに記 載の物品搬送資材。