JP2002179066A - 情報記録機能付きパレット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】積載物に関する正確な情報が確実に得られ、入
出荷時に於ける積載物の取扱い及び管理に便利な情報記
録機能付きパレットを提供する。 【解決手段】情報記録機能付きパレット１０を構成する
パレット本体１１に付設した記録媒体１３と、コンベア
１６の荷受部（入庫部）に配設した情報受渡し装置１４
とを非接触状態に対峙して、記録媒体１３と情報受渡し
装置１４との間で情報を受渡しする。記録媒体１３に記
憶した積載物Ａに関する情報と、パレット１０のキャリ
アナンバーとを情報受渡し装置１４で取得又は読取り、
その読取り情報とキャリアナンバーとを対応（関連付
け）させて情報処理装置１５に記憶する。情報処理装置
１５に記憶された情報に基づいて、積載物Ａを保管及び
管理し、所定の荷受処理や出庫処理を行い、パレット１
０単位で積載物Ａの入出荷と情報とを管理及び統括す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、例えば農作物
（果菜物を含む）、海産物、食品、容器、薬品、電気製
品、繊維製品、部品、原料等の積載物を運搬するときに
用いられる情報記録機能付きパレットに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、上述の積載物を運搬する方法とし
ては、例えばパレットに積載される特定の積載物又は全
積載物に、その積載物に関する情報が記録された伝票
（バーコード）を貼着し、入出荷時に於いて、伝票に記
録された情報を読取り装置で読取り、その読取り情報に
基づいて、積載物を入荷処理及び出荷処理する方法と、
また、シートパレット（特開平１−１３９４１９号公
報）に取付けた無線送受信器（タグ）の識別情報を識別
装置で読取り、その読取り情報に基づいて、積載物が積
載されたパレットを、仕分けラインに接続された複数の
サブラインに仕分け処理する方法とがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前者の方法
は、積載物に貼着される伝票に、積載物に関する情報を
個々に印刷しているので、例えば品種や生産者等の内容
に変更があった場合、情報を書き換えることができない
ため、伝票を張り替えなければならず、作業に手間及び
時間が掛かる。且つ、運搬時や搬送時に於いて、伝票が
破損したり、汚れたりすると、読取り時に於いて情報の
一部が欠落するため、正確な情報が得られないという問
題点を有している。

【０００４】後者の方法は、無線送受信器に、シートパ
レットを個々に識別するための識別情報のみを記録して
いるので、入出荷時に於いて、例えば品種や生産者、収
穫時期等の積載物に関する情報を作業者の手で入力しな
ければならず、入力作業に手間及び時間が掛かるだけで
なく、入力ミスが起きやすいため、情報の信頼性に問題
があり、正確な情報が得られない。且つ、無線送受信器
を、シートパレットの一側部に付設しているので、搬送
時に破損したり、損傷したりすることがあるだけでな
く、シートパレットの向きが反転したり、片側に寄って
搬送される等して、無線送受信器と識別装置との距離が
遠くなったとき、無線送受信器に記録された情報の読取
りミス及び書込みミスが起きるという問題点を有してい
る。

【０００５】この発明は上記問題に鑑み、情報受渡し手
段をパレットに付設した情報記録手段に対峙して、該各
手段の間で積載物に関する情報を受渡しすることによ
り、積載物に関する正確な情報が確実に得られ、積載物
の取扱い及び管理するに便利な情報記録機能付きパレッ
トの提供を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
積載物が積載されるパレットに、該積載物に関する情報
を読取り可能に記録した情報記録手段を付設し、上記パ
レットが供給される供給部に、上記情報記録手段に記録
された情報を非接触状態で取得する情報取得手段を設け
た情報記録機能付きパレットであることを特徴とする。

【０００７】請求項２記載の発明は、積載物を積載する
パレットに、該積載物に関する情報を読取り可能及び書
込み可能に記録する情報記録手段を付設し、上記パレッ
トを供給する供給部に、上記情報記録手段に記録された
情報を非接触状態で受渡しする情報受渡し手段を設けた
情報記録機能付きパレットであることを特徴とする。

【０００８】請求項３記載の発明は、上記請求項１又は
２記載の構成と併せて、上記情報記録手段を、上記パレ
ットの略中央部に付設した情報記録機能付きパレットで
あることを特徴とする。

【０００９】請求項４記載の発明は、上記請求項１，２
又は３記載の構成と併せて、上記情報記録手段を、上記
パレットの積載面に対して情報の受渡しが可能な状態に
埋設した情報記録機能付きパレットであることを特徴と
する。

【００１０】請求項５記載の発明は、上記請求項１，
２，３又は４記載の構成と併せて、上記情報記録手段
を、上記情報受渡し手段により情報を読取り可能及び書
込み可能な記録媒体で構成した情報記録機能付きパレッ
トであることを特徴とする。

【００１１】

【作用及び効果】この発明によれば、情報受渡し手段を
パレットに付設した情報記録手段に対峙して、各手段の
間で積載物に関する情報を取得又は受渡しするので、積
載物に関する正確な情報が確実に得られるだけでなく、
情報の受渡し処理及び積載物の入出荷作業が迅速に行え
る。且つ、所望する情報のみを読取り又は書込むことが
できるので、従来例のように伝票を貼着したり、張り替
えたりする手間及び作業が省けると共に、パレット単位
で積載物を取扱うので、入出荷時に於ける積載物の取扱
い及び管理が容易に行える。

【００１２】しかも、情報受渡し手段を、パレットの略
中央部に付設した情報記録手段に対峙して情報の受渡し
が許容される間隔に保つので、情報記録手段に記録され
た情報を読取ったり、新しい情報を書込んだりする作業
がミス無く安定して行え、信頼性の向上を図ることがで
きる。さらに、情報記録手段を、パレットの積載面に対
して情報の受渡しが可能な状態に埋設しているので、積
載時や運搬時に於いて、情報記録手段が破損したり、そ
の記録された情報が欠落したりするのを防止することが
でき、積載物に関する情報の受渡しが確実且つ正確に行
える。

【００１３】

【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。

【００１４】図面は積載物の一例である収容物が収容さ
れた箱体を積載又は運搬するときに用いられる情報記録
機能付きパレットを示し、図４に於いて、この情報記録
機能付きパレット１０（以下パレットと略記する）は、
パレット本体１１を、例えばプラスチック、木、金属等
の材質により平面から見て略矩形又は略正方形となる形
状で、略箱形状を有する複数又は一つの積載物Ａが積載
される大きさ及び形状に形成している。そのパレット本
体１１の積載面（デッキボード）には、複数の積載物Ａ
（例えば果菜物や原料、部品等の収容物が所定量収容さ
れた箱体）を所望する状態に整列して上下方向に複数段
積載している。また、積載物Ａの他の例として、例えば
液状や粉状の収容物が充填された袋体や容器等の積載物
Ａを積載してもよい。

【００１５】且つ、パレット本体１１の左右及び前後
に、運搬機（例えばフォークリフト）のフォークを挿入
するための差込み口１２を形成している。また、差込み
口１２を、パレット本体１１の左右又は前後の何れか一
方に形成したり、或いは、引上げ機（例えばクレーン）
のフックを係止するための吊下部を、パレット本体１１
に取付けてもよい。

【００１６】且つ、全パレット１０…（又は特定のパレ
ット１０）を構成するパレット本体１１の略中央積載部
（何れか一方又は上下の積載部）には、例えば収容物の
品種や箱体の数等の積載物Ａに関する下記の情報を読取
り可能及び書込み可能に記録するための記録媒体１３
（例えば非接触情報記録装置＝データキャリア、通称Ｉ
Ｄタグ又はＩＤカード）を、情報の読取り及び書込み等
の受渡しが可能な状態に付設（実施例では記録媒体１３
全体が積載面下に没入する状態に埋設）している。ま
た、記録媒体１３を、パレット本体１１の中央部載置面
下に没入且つ露出する状態に埋設してもよい。

【００１７】上述の記録媒体１３は、例えばアンテナ、
受信部、送信部、制御部、記憶部（通信装置側）等で構
成され、制御部に格納されたプログラムに沿って各部の
駆動及び停止が制御される。且つ、記録媒体１３には、
例えば収容物の品種、生産地、生産者、品質（等階級や
糖酸度）、収穫時期（収穫日や時間）、収穫時の気象、
園地（生産場所の状況）、賞味期限、ロット数、パレッ
ト数、キャリアナンバー、或いは、工場、製造日、出荷
日、生産者の紹介や生産物の特徴等の積載物Ａに関する
様々な情報が記録される。

【００１８】また、記録媒体１３の他の付設方法とし
て、例えば両面粘着テープやマグネット、面ファスナー
等の貼着体でパレット本体１１に貼着したり、パレット
本体１１に対してネジ止めしたり、巻付けたり、結止め
る等して取付けてもよい。

【００１９】上述の積載物Ａに関する情報をパレット１
０の記録媒体１３に対して受渡しする方法して、例えば
図１、図２、図３に示すように、情報処理装置１５に接
続された情報受渡し装置１４（非接触型通信装置＝ＩＤ
タグアンテナ）を、パレット本体１１に付設した記録媒
体１３と対向してコンベア１６の荷受部下部（又は入庫
部下部）に配設する。なお、上述のコンベア１６は、例
えばローラコンベア、ベルトコンベア、チェーンコンベ
ア等の搬送手段で構成される。

【００２０】出荷時や荷受時（入庫時）に於いて、所定
数の積載物Ａを積載したパレット１０が情報受渡し装置
１４上方に搬送されたとき、記録媒体１３と情報受渡し
装置１４とを非接触状態に対峙して、積載物Ａに関する
様々な情報と、パレット１０のキャリアナンバーとを、
情報処理装置１５（例えばパーソナルコンピュータ）に
接続された入力装置１５ａ（例えばキーボード、マウス
或いはスキャナー、入力ペン等）で入力して、記録媒体
１３に対して読取り可能に記録（例えば先に記録された
情報に上書きしたり、その情報を消去する等して更新）
する。なお、予め記録媒体１３（ＩＤタグ）に設定され
た個有のキャリアナンバーを、上述のキャリアナンバー
として用いてもよい。

【００２１】或いは、記録媒体１３と情報受渡し装置１
４とが対峙したことを検知センサー（図示省略）で検知
し、その検知に基づいて、情報処理装置１５に記憶され
た積載物Ａに関する情報を、記録媒体１３に対して自動
的に記録してもよい。また、記録媒体１３に対して通信
可能な距離（範囲）であれば、情報受渡し装置１４をコ
ンベア１６の側部又は上部に配設してもよい。

【００２２】図示実施例は上記の如く構成するものにし
て、以下、情報記録機能付きパレット１０の使用状態を
説明する。

【００２３】先ず、所定数の積載物Ａ（箱体）が積載さ
れたパレット１０を車両（例えばトラックや列車）で運
搬する場合、図１、図２に示すように、所定数の積載物
Ａが積載されたパレット１０を運搬機（フォークリフ
ト）で持上げて荷受用のコンベア１６に載置したり、車
両（図示省略）からコンベア１６に直接移載する等し
て、コンベア１６の荷受部（入庫部）に搬送する。ま
た、パレット１０を、製造部から荷受部に直接搬送して
もよい。

【００２４】次に、図３に示すように、荷受時（入庫
時）に於いて、パレット本体１１に付設した記録媒体１
３を、荷受部（入庫部）に配設した情報受渡し装置１４
に非接触状態に対峙して、記録媒体１３と情報受渡し装
置１４との間で情報を受渡し（例えば電波や信号を送受
信）する。

【００２５】同時に、荷受前（又は入庫前）に於いて、
予め記録媒体１３に記憶された積載物Ａに関する情報
と、パレット１０のキャリアナンバーとを情報受渡し装
置１４で取得又は読取ると共に、その読取り情報と、パ
レット１０のキャリアナンバーや入庫数とを対応（関連
付け）させて情報処理装置１５に記憶する。情報処理装
置１５に記憶された情報に基づいて、積載物Ａを保管及
び管理し、所定の荷受処理や出庫処理を行い、パレット
１０単位で、積載物Ａの入出荷と情報とを管理及び統括
する。

【００２６】また、荷受時に於いて、記録媒体１３と情
報受渡し装置１４とを対峙したとき、積載物Ａに関する
様々な情報を、情報処理装置１５に接続された入力装置
１５ａで入力して、記録媒体１３に対して読取り可能に
記録する。同時に、その入力情報とキャリアナンバーと
を対応させて情報処理装置１５に記憶してもよい。

【００２７】以上のように、情報処理装置１５に接続さ
れた情報受渡し装置１４をパレット１０に埋設した記録
媒体１３に対峙して、記録媒体１３と情報受渡し装置１
４との間で積載物Ａに関する情報のみを取得又は受渡し
するので、積載物Ａに関する正確な情報が確実に得られ
るだけでなく、情報の受渡し処理及び積載物Ａの入出荷
作業が迅速に行え、高い信頼性が得られる。且つ、所望
する情報のみを受渡しすることができるので、従来例の
ように伝票を貼着したり、張り替えたりする手間及び作
業が省けると共に、パレット１０単位で積載物Ａを取扱
うので、入出荷時に於ける積載物Ａの取扱い及び管理が
容易に行える。

【００２８】しかも、記録媒体１３を、パレット１０の
略中央部に対して情報の受渡しが可能な状態に埋設して
いるので、積載時や運搬時に於いて、記録媒体１３が破
損したり、その記録された情報が欠落したりするのを防
止することができ、積載物Ａに関する情報の受渡しが確
実且つ正確に行える。

【００２９】さらに、情報受渡し装置１４を、パレット
１０の略中央部に埋設した記録媒体１３に対峙して情報
の受渡しが許容される間隔を保つので、記録媒体１３に
記録された情報を読取ったり、新しい情報を書込んだり
する作業がミス無く安定して行え、信頼性の向上を図る
ことができる。

【００３０】この発明の構成と、上述の実施例との対応
において、この発明の情報記録手段は、実施例の記録媒
体１３に対応し、以下同様に、情報取得手段及び情報受
渡し手段は、情報受渡し装置１４に対応し、供給部は、
コンベア１６前段の出荷部と、コンベア１６の荷受部や
入庫部とに対応するも、この発明は、上述の実施例の構
成のみに限定されるものではない。

【００３１】上述の記録媒体１３に代わる他の情報記録
手段として、例えば積載物Ａに関する情報を書込み可能
又は読取り可能なバーコードやシート状の磁気記録体を
パレット本体１１に付設したり、或いは、記録媒体１３
やバーコード、磁気記録体が付設されたタグ（図示省
略）をパレット本体１１に取付けてもよい。

【００３２】また、実施例の構成は、例えばデッキボー
ド（載置面）が片面又は両面にあるパレット、フォーク
の差込み口が二方向又は四方向にあるパレット、ボック
ス型やサイロ型、タンク型、カゴ型を有するパレット、
折畳式のパレット等にも用いることができ、上述の実施
例のパレットのみに用途が限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 パレットの記録媒体と情報受渡し装置との対
峙状態を示す正面図。

【図２】 コンベアによるパレットの搬送状態を示す斜
視図。

【図３】 記録媒体と情報受渡し装置との対峙状態を示
す拡大正面図。

【図４】 積載物を積載する前のパレットを示す斜視
図。

【符号の説明】

Ａ…積載物 １０…情報記録機能付きパレット １１…パレット本体 １２…差込み口 １３…記録媒体 １４…情報受渡し装置 １５…情報処理装置 １６…コンベア

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】積載物が積載されるパレットに、該積載物
   に関する情報を読取り可能に記録した情報記録手段を付
   設し、上記パレットが供給される供給部に、上記情報記
   録手段に記録された情報を非接触状態で取得する情報取
   得手段を設けた情報記録機能付きパレット。
2. 【請求項２】積載物を積載するパレットに、該積載物に
   関する情報を読取り可能及び書込み可能に記録する情報
   記録手段を付設し、上記パレットを供給する供給部に、
   上記情報記録手段に記録された情報を非接触状態で受渡
   しする情報受渡し手段を設けた情報記録機能付きパレッ
   ト。
3. 【請求項３】上記情報記録手段を、上記パレットの略中
   央部に付設した請求項１又は２記載の情報記録機能付き
   パレット。
4. 【請求項４】上記情報記録手段を、上記パレットの積載
   面に対して情報の受渡しが可能な状態に埋設した請求項
   １，２又は３記載の情報記録機能付きパレット。
5. 【請求項５】上記情報記録手段を、上記情報受渡し手段
   により情報を読取り可能及び書込み可能な記録媒体で構
   成した請求項１，２，３又は４記載の情報記録機能付き
   パレット。