明 細 書
光学フィルタおよび光学フィルタの製造方法
技術分野
[0001] 本発明は、光学フィルタおよび光学フィルタの製造方法に関し、特に、基体の歪み を抑えた光学フィルタおよび光学フィルタの製造方法に関する。
背景技術
[0002] 現在、撮像機器などの電子機器には、水晶などの基体の主面にイオンアシストなど の蒸着法を用いて薄膜を形成し、所定の光学特性を得る透過型の光学フィルタが用 いられている。
[0003] この基体の主面に薄膜を形成する際、基体への薄膜の蒸着により応力が発生する
。そのため、基体は、蒸着方向に向けて歪みが生じる。この歪みにより、光学特性が 変化し、所定の光学特性を得ることは難しい。
[0004] そこで、従来の技術に、基体への薄膜の蒸着によって生じる歪みを補正する技術 力 Sある (例えば、特許文献 1参照。 )。
[0005] 下記する特許文献 1に記載のフィルタでは、表側面に多層膜を蒸着した基体の裏 側面に,この基体と略等しい屈折率を有する対称構造の等価屈折膜ユニットを,繰り 返し積層し,多層膜と略等しい厚さにした構成力もなる。
[0006] このフィルタによれば,フィルタの分光特性を損なうことなく歪みを除去できる。
特許文献 1:特許 3034668号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0007] ところで、上記した特許文献 1に記載のフィルタによれば、基体の歪みを補正するた めに、表面に形成した多層膜と同厚である等価屈折膜ユニットを形成している。しか しながら、この等価屈折膜ユニットを基体に積層すると、その厚みに比例して透過率 が下がる。
[0008] そこで、上記課題を解決するために、本発明は、透過率の低下を抑えるとともに、 基体への薄膜の形成の際に生じる基体の歪みを補正する光学フィルタおよび光学フ
ィルタの製造方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0009] 上記の目的を達成するため、本発明に力かる光学フィルタは、基体の両主面を貫 通する方向に光を透過させる光学フィルタにおいて、前記基体の前記他主面に、前 記一主面に第 1側膜が形成されることによって生じる前記基体への応力を補正する 応力補正膜が形成されて前記基体が湾曲され、前記基体の湾曲後に、前記応力補 正膜が除去されるとともに前記一主面に第 1側膜が形成されることを特徴とする。
[0010] 本発明によれば、前記基体の前記他主面に、前記一主面に第 1側膜が形成される ことによって生じる前記基体への応力を補正する応力補正膜が形成されて前記基体 が湾曲され、前記基体の湾曲後に、前記応力補正膜が除去されるとともに前記一主 面に第 1側膜が形成されるので、前記基体への前記第 1側膜の形成の際に生じる前 記基体の歪みを補正することが可能となる。例えば、イオンアシスト方式の蒸着法を 用いて応力が強い膜形成を行った場合であっても前記基体の歪みを補正することが 可能となり、膜の質を向上させることが可能となる。また、前記応力補正膜が除去され るので、前記応力補正膜の形成による透過率の低下を防止することが可能となる。
[0011] また、上記の目的を達成するため、本発明に力かる光学フィルタは、基体の両主面 を貫通する方向に光を透過させる光学フィルタにおいて、前記基体の前記一主面に 第 1側膜が形成され、前記第 1側膜の形成によって生じる前記基体への応力を補正 する、単層膜の厚さ相当に厚さ設定された応力補正膜が、前記他主面に形成された ことを特徴とする。
[0012] 本発明によれば、前記基体の前記一主面に第 1側膜が形成され、前記第 1側膜の 形成によって生じる前記基体への応力を補正する、単層膜の厚さ相当に厚さ設定さ れた応力補正膜が、前記他主面に形成されるので、前記基体への前記第 1側膜の 形成の際に生じる前記基体の歪みを補正することが可能となる。例えば、イオンァシ スト方式の蒸着法を用いて応力が強い膜形成を行った場合であっても前記基体の歪 みを補正することが可能となり、膜の質を向上させることが可能となる。
[0013] 前記構成において、前記応力補正膜は、単層膜であってもよい。
[0014] この場合、前記応力補正膜は、単層膜であるので、多層膜で形成した場合の応力
補正膜と比較して前記応力補正膜の形成による透過率の低下を抑えることが可能と なる。さらに、前記第 1側膜の形成によって前記基体に生じる歪みに基づいてこの歪 みを補正するために、単層の応力補正膜を形成するので、多層膜で形成した場合の 応力補正膜と比較して製造コストを抑えることが可能となる。さらに、応力補正膜が単 層であるので、応力補正膜を形成する際の厚み調整や製造工程の管理が容易とな る。
[0015] 前記構成にお!、て、前記応力補正膜は、同一材料であって、前記基体への応力が その厚さ方向に沿って可変する多層膜であってもよ 、。
[0016] この場合、前記応力補正膜は、同一材料であって、前記基体への応力がその厚さ 方向に沿って可変する多層膜であるので、単層膜で形成した場合の応力補正膜と比 較して、前記応力補正膜の形成によって反射防止の機能を有することが可能となる。 また、前記応力補正膜の厚さは、当該応力補正膜と前記同一材料からなる単層膜の 厚さ相当に設定されているので、上記した背景技術で述べたフィルタと比較して、膜 厚が薄ぐ前記応力補正膜の形成による透過率の低下を抑えることが可能となる。
[0017] 前記構成において、前記応力補正膜の屈折率は、前記基体の屈折率に近似して ちょい。
[0018] この場合、前記応力補正膜の屈折率は、前記基体の屈折率に近似して 、るので、 前記基体との境界面における光の反射を抑えることが可能となる。例えば、前記基体 に水晶を用いた場合、前記応力補正膜に SiO
2を用いることが好ましぐこの場合、前 記応力補正膜の応力が強ぐ前記応力補正膜の厚さを薄くすることが可能となる。そ のため、上記した背景技術で述べたフィルタと比較して、前記応力補正膜の形成に よる透過率の低下を抑えることが可能となる。
[0019] 前記構成において、前記応力補正膜の厚さは、波長 λの 2Ζ4の整数倍に設定さ れてもよい。
[0020] この場合、前記応力補正膜の厚さは、波長 λの 2Ζ4の整数倍に設定されるので、 前記応力補正膜の前記基体との境界面における光の反射を抑えることが可能となる
[0021] 前記構成において、前記応力補正膜上に第 2側膜が形成されてもよい。
[0022] この場合、前記応力補正膜上に第 2側膜が形成されるので、前記応力補正膜が前 記基体と前記第 2側膜とに挟まれた状態で形成され、前記応力補正膜によりそれぞ れの境界面における光の反射が抑えられる。そのため、透過型の光学フィルタにお いて前記応力補正膜上に第 2側膜が形成されることは好ましい。例えば、第 2側膜上 に応力補正膜を形成する場合と比較して、前記応力補正膜による光の反射を防止 することが可能となる。
[0023] 前記構成において、前記応力補正膜上に外部部品が貼り合わされてもよい。
[0024] この場合、前記応力補正膜上に前記外部部品が貼り合わされるので、上記した背 景技術で述べたフィルタの等価屈折膜ユニット上に外部部品が設けられた場合と比 較して、貼り合わせ面での前記基体の歪みを抑えることが可能となる。また、前記応 力補正膜は、境界面における光の反射を抑えることができるので、透過型の光学フィ ルタにおいて前記応力補正膜上に前記外部部品が貼り合わされることは好ましい。 例えば、第 1側膜上に外部部品が貼り合わされる場合と比較して、貼り合わせ面にお ける光の透過率の低下を抑えるのに好まし 、。
[0025] 前記構成にお!、て、前記外部部品は、前記応力補正膜の屈折率に近似して 、る 接着剤を介して前記応力補正膜上に貼り合わされてもよい。
[0026] この場合、前記外部部品は、前記応力補正膜の屈折率に近似している接着剤を介 して前記応力補正膜上に貼り合わされるので、前記外部部品との貼り合わせ面にお ける光の透過率の低下を抑えるのに好まし 、。
[0027] また、上記の目的を達成するため、本発明に力かる光学フィルタの製造方法は、基 体の両主面を研磨加工して前記両主面の少なくとも一方の上に膜を形成し、前記基 体の両主面を貫通する方向に光を透過させる光学フィルタの製造方法にぉ 、て、前 記基体の前記両主面を研磨加工した後に、前記一主面に第 1側膜を形成する第 1膜 形成工程と、前記第 1側膜の形成によって生じる前記基体への応力を補正する、単 層膜の厚さ相当に厚さ設定された応力補正膜を前記他主面に形成する第 2膜形成 工程と、を有することを特徴とする。
[0028] 本発明によれば、前記第 1膜形成工程と前記第 2膜形成工程とを有するので、前記 基体への前記第 1側膜の形成の際に生じる前記基体の歪みを補正することが可能と
なる。例えば、イオンアシスト方式の蒸着法を用いて応力が強い膜形成を行った場合 であっても前記基体の歪みを補正することが可能となり、膜の質を向上させることが 可能となる。さらに、第 1膜形成工程と第 2膜形成工程との膜形成工程順は限定され ずに、どちらの膜形成工程を先に起こってもよい。
[0029] また、上記の目的を達成するため、本発明に力かる光学フィルタの製造方法は、基 体の両主面を研磨加工して前記両主面の少なくとも一方の上に膜を形成し、前記基 体の両主面を貫通する方向に光を透過させる光学フィルタの製造方法にぉ 、て、前 記基体を前記他主面力も一主面にかけてその厚さ方向に湾曲させる湾曲工程と、前 記湾曲工程の後に、前記一主面に第 1側膜を形成する第 3膜形成工程と、を有し、 前記湾曲工程では、前記基体の両主面を研磨する際に各主面によって摩擦係数を 可変させることを特徴とする。
[0030] 本発明によれば、前記湾曲工程と前記第 3膜形成工程とを有し、前記湾曲工程で は、前記基体の両主面を研磨する際に各主面によって摩擦係数を可変させるので、 光の透過率を維持するとともに、前記基体への前記第 1側膜の形成の際に生じる前 記基体の歪みを補正することが可能となる。例えば、イオンアシスト方式の蒸着法を 用いて応力が強い膜形成を行った場合であっても前記基体の歪みを補正することが 可能となり、膜の質を向上させることが可能となる。また、前記湾曲工程では、前記基 体の両主面を研磨する際に各主面によって摩擦係数を可変させるので、前記基体の 両主面を研磨する構成における工数が増えるが、全体としての製造工程を増やすこ となく前記基体を湾曲させることが可能となり、製造コストを抑えることが可能となる。
[0031] また、上記の目的を達成するため、本発明にかかる光学フィルタの製造方法は、基 体の両主面を研磨加工して前記両主面の少なくとも一方の上に膜を形成し、前記基 体の両主面を貫通する方向に光を透過させる光学フィルタの製造方法にぉ 、て、前 記基体を前記他主面力も一主面にかけてその厚さ方向に湾曲させる湾曲工程と、前 記湾曲工程の後に、前記一主面に第 1側膜を形成する第 3膜形成工程と、を有し、 前記湾曲工程では、前記基体の前記両主面を研磨する際に曲面に形成された研磨 面を有する研磨機を用いて、前記両主面を湾曲させることを特徴とする。
[0032] 本発明によれば、前記湾曲工程と前記第 3膜形成工程とを有し、前記湾曲工程で
は、前記基体の前記両主面を研磨する際に曲面に形成された研磨面を有する研磨 機を用いて、前記両主面を湾曲させるので、光の透過率を維持するとともに、前記基 体への前記第 1側膜の形成の際に生じる前記基体の歪みを補正することが可能とな る。例えば、イオンアシスト方式の蒸着法を用いて応力が強い膜形成を行った場合で あっても前記基体の歪みを補正することが可能となり、膜の質を向上させることが可 能となる。また、前記湾曲工程では、前記基体の前記両主面を研磨する際に曲面に 形成された研磨面を有する研磨機を用いて、前記両主面を湾曲させるので、前記基 体の両主面を研磨する工程における工数を増やすことなく前記基体の両主面を湾曲 させることが可能となり、製造コストを抑えることが可能となる。
[0033] また、上記の目的を達成するため、本発明に力かる光学フィルタの製造方法は、基 体の両主面を研磨加工して前記両主面の少なくとも一方の上に膜を形成し、前記基 体の両主面を貫通する方向に光を透過させる光学フィルタの製造方法にぉ 、て、前 記基体を前記他主面力も一主面にかけてその厚さ方向に湾曲させる湾曲工程と、前 記一主面に第 1側膜を形成する第 3膜形成工程と、を有し、前記湾曲工程では、前 記第 1側膜の形成によって生じる前記基体への応力を補正する応力補正膜を前記 他主面に前記第 3膜形成工程前に形成し、形成した後に前記応力補正膜を除去す ることを特徴とする。
[0034] 本発明によれば、前記湾曲工程と前記第 3膜形成工程とを有し、前記湾曲工程で は、前記第 1側膜の形成によって生じる前記基体への応力を補正する応力補正膜を 前記他主面に前記第 3膜形成工程前に形成し、形成した後に前記応力補正膜を除 去するので、前記基体への前記第 1側膜の形成の際に生じる前記基体の歪みを補 正することが可能となる。例えば、イオンアシスト方式の蒸着法を用いて応力が強い 膜形成を行った場合であっても前記基体の歪みを補正することが可能となり、膜の質 を向上させることが可能となる。また、前記応力補正膜が除去されるので、前記応力 補正膜の形成による透過率の低下を防止することが可能となる。なお、前記応力補 正膜の除去は、第 3膜形成工程の前後のどちらであってもよい。
[0035] 前記方法にお!、て、前記応力補正膜は、単層で形成してもよ 、。
[0036] この場合、前記応力補正膜は、単層で形成するので、多層膜で形成した場合の応
力補正膜と比較して前記応力補正膜の形成による透過率の低下を抑えることが可能 となる。また、前記第 1側膜の形成によって生じる前記基体への応力を補正するため に、単層の前記応力補正膜を形成するので、多層膜で形成した場合の応力補正膜 と比較して製造コストを抑えることが可能となる。また、応力補正膜が単層であるので 、応力補正膜を形成する際の厚み調整や製造工程の管理が容易となる。
[0037] 前記方法にお!、て、前記応力補正膜は、同一材料であって、前記基体への応力が 弱 ヽ層と、前記基体への応力が強 、層とを積層して形成してもよ 、。
[0038] この場合、前記応力補正膜は、同一材料であって、前記基体への応力が弱い層と 、前記基体への応力が強い層とを積層して形成するので、単層膜で形成した場合の 応力補正膜と比較して、前記応力補正膜の形成によって反射防止の機能を有するこ とが可能となる。また、前記応力補正膜の厚さを、当該応力補正膜と前記同一材料 力 なる単層膜の厚さ相当に設定する場合、上記した背景技術で述べたフィルタと 比較して、膜厚が薄ぐ前記応力補正膜の形成による透過率の低下を抑えることが 可能となる。
発明の効果
[0039] 本発明に力かる光学フィルタおよび光学フィルタの製造方法によれば、透過率の低 下を抑えるとともに、基体への薄膜の形成の際に生じる基体の歪みを補正することが できる。
図面の簡単な説明
[0040] [図 1]図 1 (a)〜図 1 (c)は、本実施の形態 1にかかる光学フィルタの製造工程の工程 図である。
[図 2]図 2は、本実施の形態 1にかかる、応力補正膜上に外部部品を貼り付けた光学 フィルタの概略側面図である。
[図 3]図 3は、本実施の形態 1にかかる、応力補正膜上に第 2側膜を形成した光学フィ ルタの概略側面図である。
[図 4]図 4 (a)〜図 4 (c)は、本実施の形態 2にかかる光学フィルタの製造工程の工程 図である。
[図 5]図 5 (a)〜図 5 (d)は、本実施の形態 2の変形例に力かる光学フィルタの製造ェ
程の工程図である。
[図 6]図 6 (a)〜図 6 (c)は、本実施の形態 3にかかる光学フィルタの製造工程の工程 図である。
符号の説明
[0041] 1 光学フィルタ
2 基体
3 一主面
4 第 1側膜
5 他主面
6 応力補正膜
63 基体への応力が弱い層
64 基体への応力が強い層
7 外部部品
8 接着剤
9 第 2側膜
発明を実施するための最良の形態
[0042] 以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[0043] 〔実施の形態 1〕
本実施の形態 1にかかる光学フィルタ 1は、図 1 (c)に示すように、基体 2と、この基 体 2の一主面 3に形成された薄膜の第 1側膜 4と、この基体 2の他主面 5に形成された 単層の応力補正膜 6とから構成され、基体 2の両主面 3、 5を貫通する方向に光を透 過さ ·¾:るちのである。
[0044] 基体 2には、水晶複屈折板が用いられ、その厚さが 0. 3Tである。本実施の形態で 用いる基体 2の屈折率は、 1. 54である。
[0045] 第 1側膜 4には、赤外線カットコートが用いられている。この第 1側膜 4は、基体 2側 から TiOと SiOとが交互に順に積層してなる。
2 2
[0046] 応力補正膜 6は、第 1側膜 4の形成によって生じる基体 2への応力を補正するもの であり、材料に SiOが用いられている。本実施の形態で用いる SiOの屈折率は、 1.
46であり、基体 2の屈折率に近似している。また、応力補正膜の厚さは、波長えの 2 Z4の整数 n倍 (2/4 ·η λ )に設定される。
[0047] 上記した構成力もなる光学フィルタ 1の製造工程を、図 1を用いて以下に説明する。
なお、この製造工程における膜形成には、イオンアシスト方式の蒸着法が用いられる
[0048] まず、基体 2の両主面 3、 5が研磨機(図示省略)を用いて研磨加工される(図 1 (a) 参照)。
[0049] 基体 2の両主面 3、 5が研磨されると、基体 2の一主面 3に蒸着法を用いて第 1側膜 4が蒸着形成される (本発明でいう第 1膜形成工程)。なお、膜の蒸着形成時、イオン がー主面に射出されて蒸着形成される第 1側膜により一主面 3に応力が加わり、一主 面 3の対向する端辺 31が他主面側の方向へ歪む(図 1 (b)参照)。
[0050] 第 1膜形成工程の後に、一主面 3への第 1側膜 4の形成による歪み量に基づいて、 他主面 5への応力補正膜 6の蒸着量が設定される。そして、図 1 (c)に示すように、蒸 着法を用いて応力補正膜 6が他主面 5に蒸着形成され (本発明でいう第 2膜形成ェ 程)、一主面 3への第 1側膜 4の形成による歪みが補正されて、光学フィルタ 1が製造 される。
[0051] 上記したように、本実施の形態 1にかかる光学フィルタ 1によれば、基体 2の一主面 3に第 1側膜 4が形成され、第 1側膜 4の形成によって生じる基体 2への応力を補正す る単層の応力補正膜 6が、他主面 5に形成されるので、基体 2への第 1側膜 4の形成 の際に生じる基体 2の歪みを補正することができる。例えば、イオンアシスト方式の蒸 着法を用いて応力が強い膜形成を行った場合であっても基体 2の歪みを補正するこ とができ、膜の質を向上させることができる。また、上記した背景技術で述べたフィル タの等価屈折膜ユニットと比較して応力補正膜 6の形成による透過率の低下を抑える ことができる。
[0052] また、第 1側膜 4の形成によって基体 2に生じる歪みに基づいてこの歪みを補正す るために、単層の応力補正膜 6を形成するので、上記した背景技術で述べたフィルタ の等価屈折膜ユニットと比較して製造コストを抑えることができる。
[0053] また、応力補正膜 6の屈折率が基体 2の屈折率に近似して 、るので、基体 2との境
界面 61における光の反射を抑えることができる。例えば、本実施の形態 1に示すよう に、基体 2に水晶を用いた場合、応力補正膜 6に SiOを用いることが好ましぐこの場
2
合、応力補正膜 6の応力が強ぐ応力補正膜 6の厚さを薄くすることができる。そのた め、上記した背景技術で述べたフィルタの等価屈折膜ユニットと比較して応力補正膜 6の形成による透過率の低下を抑えることができる。
[0054] また、応力補正膜 6の厚さは、 2/4 λの整数倍に設定されるので、応力補正膜 6の 基体 2との境界面 61における光の反射を抑えることができる。
[0055] また、上記したように本実施の形態に力かる光学フィルタ 1の製造方法によれば、第 1膜形成工程と第 2膜形成工程とを有するので、基体 2への第 1側膜 4の形成の際に 生じる基体 2の歪みを補正することができる。また、上記した背景技術で述べたフィル タの等価屈折膜ユニットと比較して応力補正膜 6の形成による透過率の低下を抑える ことができる。さらに、第 1側膜 4の形成によって生じる基体 2への応力を補正するた めに、単層の応力補正膜 6を形成するので、上記した背景技術で述べたフィルタの 等価屈折膜ユニットと比較して製造コストを抑えることができる。さらに、応力補正膜 6 が単層であるので、応力補正膜 6を形成する際の厚み調整や製造工程の管理が容 易となる。
[0056] なお、本実施の形態 1では、基体として水晶を用いている力 これに限定されるもの ではなぐ透明の基体であれば他の材料を用いてもょ 、。
[0057] また、本実施の形態 1では、光学フィルタ 1としてローパスフィルタを用いているが、 これに限定されるものではなぐ他の光学特性を得るための光学フィルタであってもよ ぐ例えば、位相板であってもよい。光学フィルタを位相板として用いる場合、光学フ ィルタ 1に形成する第 1側膜 4には反射防止コートが用いられる。
[0058] また、本実施の形態 1では、第 1側膜 4に赤外線カットコートを用いている力 これに 限定されるものではなぐ紫外線カットコートなどの他の色補正コートを用いてもよい。 また、色補正コートだけでなく反射防止コートなどの他の用途のコートを用いてもよい
[0059] また、本実施の形態 1では、応力補正膜 6に SiOを用いているが、これに限定され
2
るものではなぐ応力が強い材料であればよぐ例えば Al Oなどを用いてもよい。
[0060] また、本実施の形態 1では、イオンアシストを用いた蒸着法を用いている力 これは 、好適な例であり、これに限定されるものでない。そのため、他の蒸着法、例えば、電 子ビームを用いた蒸着法や、スパッタリング法などであってもよ 、。
[0061] また、本実施の形態 1では、第 1膜形成工程の後に第 2膜形成工程を行っているが 、第 2膜形成工程の後に第 1膜形成工程を行ってもよい。この場合、一主面 3への第 1側膜 4の形成による歪み量を算出して設定しておき、この設定した歪み量に対する 他主面 5への応力補正膜 6の蒸着量を設定する。
[0062] また、本実施の形態 1では、図 1 (b)に示すような基体 1の歪みが生じる力 これは、 膜の材料によって可変するものであり、材料および条件によっては、基体 1の歪みが 図 1 (b)とは逆方向になる場合もある。
[0063] また、本実施の形態 1では、基体 2の両主面 3、 5にそれぞれ第 1側膜 4と応力補正 膜 6が形成されて光学フィルタ 1が構成されているが、これに限定されるものではなく 、例えば、図 2に示すように、応力補正膜 6上に外部部品 7が貼り合わされてもよい。
[0064] 図 2に示す外部部品 7として、光学フィルタ 1を備える電子機器 (例えば、撮像機器 など)〖こ備えられた電子部品や、他の特性の光学フィルタなどの光学素子などが用い られる。
[0065] また、外部部品 7は、接着剤 8を介して応力補正膜 6上に貼り合わされている。ここ で用いる接着剤 8の屈折率は、 1. 50であり、応力補正膜 6の屈折率に近似しており 、基体 2と応力補正膜 6の中間値に設定することが好ま 、。
[0066] 図 2に示す光学フィルタ 1によれば、単層の応力補正膜 6上に外部部品 7が貼り合 わされたので、上記した背景技術で述べたフィルタの等価屈折膜ユニット上に外部 部品 7が設けられた場合と比較して、貼り合わせ面 62での基体の歪みを抑えることが できる。また、応力補正膜 6は、貼り合わせ面 62における光の反射を抑えることができ るので、本実施の形態 1に示すような透過型の光学フィルタ 1にお 、て応力補正膜 6 上に外部部品 7が貼り合わされることは好ましい。
[0067] また、図 2に示す光学フィルタ 1によれば、外部部品 7は、応力補正膜 6の屈折率に 近似している接着剤 8を介して応力補正膜 6上に貼り合わされたので、外部部品 7と の貼り合わせ面 62における光の透過率の低下を抑えるのに好ましい。
[0068] また、上記した本実施の他の形態では、応力補正膜 6上に外部部品 7を貼り付けて いるが、これに限定されるものではなぐ図 3に示すように、応力補正膜 6上に他の特 性の薄膜 (以下、本発明でいう第 2側膜 9とする)が形成されてもよい。
[0069] 図 3に示す第 2側膜 9として、応力補正膜 6側力も例えば、 Al O、 ZrO、 MgFが順
2 3 2 2 に積層してなる反射防止膜が用いられる。
[0070] 図 3に示す光学フィルタ 1によれば、応力補正膜 6上に第 2側膜 9が形成されるので 、応力補正膜 6が基体 2と第 2側膜 9とに挟まれた状態で形成され、応力補正膜 6によ りそれぞれの膜境界面 61、 91における光の反射が抑えられる。そのため、本実施の 形態 1に示すように透過型の光学フィルタ 1において応力補正膜 6上に第 2側膜 9が 形成されることは好ましい。例えば、第 1側膜上に外部部品が貼り合わされる場合と 比較して、貼り合わせ面における光の透過率の低下を抑えるのに好ましい。
[0071] 〔実施の形態 2〕
本実施の形態 2にかかる光学フィルタは、上記した実施の形態 1にかかる光学フィ ルタ 1と、同一の構成力 なる。し力しながら、光学フィルタの製造方法が異なる。その ため、光学フィルタの各構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。 また、実施の形態 1とは異なる作用効果について説明し、同一の作用効果について はその説明を省略する。
[0072] 本実施の形態 2にかかる光学フィルタ 1は、図 4 (c)に示すように、基体 2と、この基 体 2の一主面 3に形成された薄膜の第 1側膜 4とから構成される。
[0073] 次に、この光学フィルタ 1の製造工程を、図 4を用いて以下に説明する。なお、この 製造工程における膜形成には、イオンアシスト方式の蒸着法が用いられる。
[0074] まず、図 4 (a)に示す基体 2の両主面 3、 5が研磨機(図示省略)を用いて研磨カロェ される。この研磨カ卩ェでは、基体 2の両主面 3、 5を研磨する際に各主面 3、 5によって 摩擦係数を可変させている。そのため、図 4 (b)に示すように、基体 2が他主面 5から 一主面 3にかけてその厚さ方向に湾曲される (本発明でいう湾曲工程)。また、この湾 曲工程における湾曲量は、下記する第 3膜形成工程における一主面 3に第 1側膜 4 が形成されることによる歪み量に基づ ヽて設定される。
[0075] 湾曲工程の後に、基体 2の一主面 3に蒸着法を用いて第 1側膜 4が蒸着形成されて
(本発明でいう第 3膜形成工程)、基体 2の歪みが補正されて両主面 3、 5が平坦に形 成され、図 4 (c)に示すような光学フィルタ 1が製造される。
[0076] 上記したように本実施の形態 2にかかる光学フィルタ 1および光学フィルタ 1の製造 方法によれば、基体 2への第 1側膜 4の形成の際に生じる基体 2の歪みを補正するこ とができる。例えば、イオンアシスト方式の蒸着法を用いて応力が強い膜形成を行つ た場合であっても基体 2の歪みを補正することができ、膜の質を向上させることができ る。また、上記した実施の形態 1のような応力補正膜 6を用いないので、応力補正膜 6 の形成による透過率の低下を防止することができる。
[0077] また、本実施の形態 2にかかる光学フィルタ 1の製造方法によれば、湾曲工程と第 3 膜形成工程とを有し、湾曲工程では、基体 2の両主面 3、 5を研磨する際に各主面 3、 5によって摩擦係数を可変させるので、基体 2の両主面 3、 5を研磨する工程における 工数が増える力 全体としての製造工程を増やすことなく基体 2を湾曲させることがで き、製造コストを抑えることができる。
[0078] なお、本実施の形態 2の湾曲工程では、基体 2の両主面 3、 5を研磨する際に各主 面 3、 5によって摩擦係数を可変させる力 これに限定されるものではなぐ下記する 他の形態であってもよい。
[0079] 本実施の他の形態の湾曲工程では、曲面に形成された研磨面を有する研磨機(図 示省略)を用いて基体 2の両主面 3、 5の研磨加工を行い、基体 2の両主面 3、 5を湾 曲させる形状に形成する。
[0080] この他の形態に力かる光学フィルタ 1の製造方法によれば、図 4を参照して、湾曲 工程と第 3膜形成工程とを有し、湾曲工程では、基体 2の両主面 3、 5を研磨する際 に曲面に形成された研磨面を有する研磨機を用いて、両主面 3、 5を湾曲させるので 、光の透過率を維持するとともに、基体への第 1側膜の形成の際に生じる基体の歪 みを補正することが可能となる。
[0081] また、湾曲工程では、基体 2の両主面 3、 5を研磨する際に曲面に形成された研磨 面を有する研磨機を用いて、両主面 3、 5を湾曲させるので、基体 2の両主面 3、 5を 研磨する工程における工数を増やすことなく基体 2の両主面 3、 5を湾曲させることが でき、製造コストを抑えることができる。
[0082] また、上記した他の形態と別の形態の湾曲工程では、図 5に示すように、第 1側膜 4 の形成によって生じる基体 2への応力を補正する単層の応力補正膜 6を他主面 5に 第 3膜形成工程前に形成し、形成した後に応力補正膜 6を除去する。なお、応力補 正膜 6の除去は、第 3膜形成工程の前後のどちらであってもよい。
[0083] この別の形態に力かる光学フィルタ 1の製造方法によれば、図 5 (a)〜(d)に示すよ うに、湾曲工程と第 3膜形成工程とを有し、湾曲工程では、第 1側膜 4の形成によって 生じる基体 2への応力を補正する単層の応力補正膜 6を他主面 5に第 3膜形成工程 前に形成し、形成した後に応力補正膜 6を除去するので、基体 2への第 1側膜 4の形 成の際に生じる基体 2の歪みを補正することができる。
[0084] また、応力補正膜 6が除去されるので、応力補正膜 6の形成による透過率の低下を 防止することができる。
[0085] また、除去する応力補正膜 6は単層膜であるので、上記した背景技術で述べたフィ ルタの等価屈折膜ユニットと比較して製造コストを抑えることができる。さらに、応力補 正膜 6を形成する際の厚み調整や製造工程の管理が容易となる。なお、本実施の形 態 2では、応力補正膜 6を単層膜としたが、これは製造コストを削減する好適な例であ る。し力しながら、これに限定されるものではなぐ応力補正膜が除去されるので、応 力補正膜が多層膜であってもよ 、。
[0086] 次に、応力補正膜 6が多層膜である実施の形態を以下に示す。
[0087] 〔実施の形態 3〕
本実施の形態 3にかかる光学フィルタは、上記した実施の形態 1にかかる光学フィ ルタ 1と、応力補正膜 6が異なるだけであり、他の構成は同一の構成力もなる。そのた め、本実施の形態 3では、光学フィルタの同一構成については、同一の符号を付し、 その説明を省略する。また、実施の形態 1とは異なる作用効果について説明し、同一 の作用効果及び変形例についてはその説明を省略する。
[0088] 本実施の形態 3にかかる光学フィルタ 1は、図 6 (c)に示すように、基体 2と、この基 体 2の一主面 3に形成された薄膜の第 1側膜 4と、この基体 2の他主面 5に形成された 応力補正膜 6とから構成され、基体 2の両主面 3、 5を貫通する方向に光を透過させる ものである。
[0089] 応力補正膜 6は、第 1側膜 4の形成によって生じる基体 2への応力を補正するもの であり、材料に SiOが用いられている。本実施の形態で用いる SiOの屈折率は、 1.
2 2
46であり、基体 2の屈折率に近似している。また、応力補正膜の厚さは、波長えの 2
Z4の整数 n倍 (2/4 ·η λ )に設定される。
[0090] さらに、この応力補正膜 6は、基体 2への応力がその厚さ方向に沿って可変する多 層膜である。すなわち、応力補正膜 6は、基体 2への応力が弱い層 63と、基体 2への 応力が強い層 64とが積層して形成される。また、応力補正膜 6の厚さは、本実施の 形態 1にかかる単層の応力補正膜 6の厚さ相当に設定されている。
[0091] 上記した構成力もなる光学フィルタ 1の製造工程を、図 6を用いて以下に説明する。
なお、この製造工程における膜形成には、イオンアシスト方式の蒸着法及び、熱蒸着 法が用いられる。
[0092] まず、基体 2の両主面 3、 5が研磨機(図示省略)を用いて研磨カ卩ェされる(図 6 (a) 参照)。
[0093] 基体 2の両主面 3、 5が研磨されると、基体 2の一主面 3に蒸着法を用いて第 1側膜 4が蒸着形成される (本発明でいう第 1膜形成工程)。なお、膜の蒸着形成時、イオン がー主面に射出されて蒸着形成される第 1側膜により一主面 3に応力が加わり、一主 面 3の対向する端辺 31が他主面側の方向へ歪む(図 6 (b)参照)。
[0094] 第 1膜形成工程の後に、一主面 3への第 1側膜 4の形成による歪み量に基づいて、 他主面 5への応力補正膜 6の蒸着量が設定される。本製造工程では、まず、ェネル ギ一が強いイオンアシスト方式の蒸着法と、エネルギーが弱い熱蒸着法とによって、 応力補正膜 6の蒸着量の目安となる応力補正膜 6の厚さを最小限の厚みとなるように 調整する。すなわち、応力補正膜 6の基体 2への応力を、基体 2にかかる蒸着に関す るエネルギーを可変させることで調整する。
[0095] 図 6 (c)に示すように、蒸着法を用いて応力補正膜 6のうち基体 2への応力が強い 層 64がイオンアシストにより他主面 5に形成され、その後に、熱蒸着のみにより基体 2 への応力が弱い層 63が、基体 2への応力が強い層 64上に蒸着形成され (本発明で いう第 2膜形成工程)、一主面 3への第 1側膜 4の形成による歪みが補正されて、光学 フィルタ 1が製造される。
[0096] 上記したように、本実施の形態 3にかかる光学フィルタ 1によれば、応力補正膜 6が 、同一材料の SiOであって、基体 2への応力が弱い層 64と、基体 2への応力が強い
2
層 63とを積層して形成し、応力補正膜 6の厚さは、本実施の形態 1にかかる単層の 応力補正膜 6の厚さ相当に設定されるので、単層膜で形成した場合の応力補正膜 6 と比較して、応力補正膜 6の形成によって反射防止の機能を有することができる。ま た、応力補正膜 6の厚さを、本実施の形態 1にかかる単層の応力補正膜 6の厚さ相当 に設定することができるので、上記した背景技術で述べたフィルタと比較して、膜厚 が薄ぐ応力補正膜 6の形成による透過率の低下を抑えることができる。さらに、上記 した本実施の形態 1にかかる光学フィルタ 1と同一の構成要件を有するので、例えば 、基体 2の一主面 3に第 1側膜 4が形成され、第 1側膜 4の形成によって生じる基体 2 への応力を補正する単層の応力補正膜 6が、他主面 5に形成されるので、基体 2へ の第 1側膜 4の形成の際に生じる基体 2の歪みを補正することができる。
[0097] なお、本実施の形態では、応力補正膜 6は、基体 2への応力が弱い層 63と、基体 2 への応力が強い層 64とが積層して形成されている力 これに限定されるものではなく 、基体 2への応力がその厚さ方向に沿って可変する多層膜であればよぐ 3層以上で あってもよい。また、多層膜の厚さを、同一材料力もなる単層の応力補正膜 6の厚さ 相当に設定すれば、多層膜の層数を任意に設定可能である。
[0098] また、本実施の形態では、製造工程における膜形成に、イオンアシスト方式の蒸着 法及び、熱蒸着法を用い、イオンアシストの有無によって、応力補正膜 6の基体 2へ の応力を、基体 2にかかる蒸着に関するエネルギーを可変させることで調整している 1S エネルギーを可変させる方法であれば、これに限定されるものではない。例えば 、製造工程における膜形成に、イオンアシスト方式の蒸着を用い、イオンの出力を調 整することで、応力補正膜 6の基体 2への応力を、基体 2にかかる蒸着に関するエネ ルギーを可変させることで調整してもよ 、。
[0099] なお、本発明は、その精神または主要な特徴力 逸脱することなぐ他のいろいろな 形で実施することができる。そのため、上述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示 にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって 示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲
の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
[0100] また、この出願は、 2004年 7月 9日に日本で出願された特願 2004— 203440号に 基づく優先権を請求する。これに言及することにより、その全ての内容は本出願に糸且 み込まれるものである。
産業上の利用可能性
[0101] 光学フィルタおよび光学フィルタの製造方法に適用できる。特に薄型の光学フィル タに有用である。