JPH06180401A - エッジフィルター - Google Patents

エッジフィルター

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JPH06180401A
JPH06180401A JP35295392A JP35295392A JPH06180401A JP H06180401 A JPH06180401 A JP H06180401A JP 35295392 A JP35295392 A JP 35295392A JP 35295392 A JP35295392 A JP 35295392A JP H06180401 A JPH06180401 A JP H06180401A
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JP
Japan
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film
substrate
refractive index
tio
stress
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP35295392A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Ikeda
浩 池田
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH06180401A publication Critical patent/JPH06180401A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 内部応力による基板変形を抑え、しかも良好
な分光特性を持つ、リップルの少ない光学特性とする。 【構成】 基板上にTiO2 からなる高屈折率層と、S
iO2 からなる低屈折率層とを交互に積層して多層膜の
エッジフィルターを形成する。ここで、TiO2および
SiO2 の光学的膜厚nmをそれぞれAおよびBとした
ときに、設計波長をλとして、少なくとも1組以上、A
=2λ/6,B=λ/6となるような周期構造を持つよ
うにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、TiO2 とSiO2
を交互に積層した多層膜のエッジフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、波長と透過率との関係におい
て、ある波長のところで、急に立ち上がるか、あるいは
急に下がる特性を有する、いわゆるエッジフィルターが
知られている。
【0003】ガラス基板上にTiO2 高屈折率層とSi
2 低屈折率層を真空蒸着などの方法で積層したフィル
ターでは、一般に特公昭61−296305号公報やあ
るいは特公平3−197901号公報に開示されるよう
に、設計波長をλとして、それぞれの光学的膜厚がλ/
4の層を基本として構成され、λ/4の周期構造の前後
にλ/4以外の膜厚を持つ層を光学性能の調整層とし
て、つまり分光特性上のリップルを減らすための層とし
て1層以上持つような構造になっている。ここに、リッ
プルとは、分光特性の線図において、特性線が凹凸の波
状になっている状態をいう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来より真空
蒸着法,スパッタリング法などによって成膜された薄膜
には、一定の内部応力をもち、基板を変形させるような
力を与えることが知られている。この膜の応力として
は、膜面を基準として、基板を凸に変形させるような圧
縮応力と、基板を凹に変形させるような引っ張り応力の
2種がある。
【0005】ところが、膜の応力が大きい場合やあるい
は特に基板の厚さが小さい場合などには、この膜の応力
によって光学性能に影響するような基板の変形をも引き
起こすことがある。特に1mm厚以下の極薄い基板では、
λ/100(λは波長)というオーダーの高精度な研磨
を行って表面に変形が全くないように作成しても、多層
膜の成膜後には光学性能に影響を及ぼすような、すなわ
ちλ/10から場合によってはλ程度にまで基板が変形
してしまうこともある。
【0006】ここで、通常、エッジフィルターの材料と
して用いられるTiO2 およびSiO2 の真空蒸着によ
り形成される膜の内部応力は、一般にそれぞれ引っ張り
応力および圧縮応力であり、しかもSiO2 の応力の絶
対値がTiO2 のそれに比べて約2倍もの大きさがある
ことが判明した。
【0007】ところが、通常の多層膜では、光学特性の
みに注目して膜設計を行っている。この場合、TiO2
とSiO2 の膜厚の比は約1:1となり、SiO2 の応
力が勝ってしまう。したがって、多層膜全体としては大
きな圧縮応力が存在することになり、基板の変形を引き
起こすことになる。
【0008】本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので、上記内部応力による基板変形を抑えなが
ら、しかも良好な分光特性を持つ、すなわちリップルの
少ない光学特性をもつようなエッジフィルターを提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用】上記課題を解
決するために、本発明では、通常のTiO2 λ/4:S
iO2 λ/4の周期構造ではなく、TiO2 2λ/3:
SiO2 λ/3の周期構造とすることによって多層膜全
体でのTiO2 とSiO2 の膜厚比を約2:1とし、し
かもTiO2 λ/4:SiO2 λ/4の場合と同等の光
学性能が得られるように調整層の膜厚を新たに設計し
た。
【0010】すなわち、本発明は、基板上にTiO2
らなる高屈折率層と、SiO2 からなる低屈折率層とを
交互に積層した多層膜のエッジフィルターにおいて、T
iO2 およびSiO2 の光学的膜厚ndをそれぞれAお
よびBとしたときに、設計波長をλとして、少なくとも
1組以上、A=2λ/6,B=λ/6となるような周期
構造を持つこととした。
【0011】これによって光学性能を損なうことなく多
層膜全体での応力を小さくし、したがって基板変形の少
ないエッジフィルターを得ることができる。
【0012】
【実施例1】本実施例では、500nmから570nm
の波長域の透過光をカットし、600nmから800n
mの波長域を透過するようなハイパスフィルターを示
す。真空槽の中をオイルディフュージョンポンプを用い
て5×10-5Torrまで排気し、真空槽内に固定した直径
10mm、厚さ1mmのガラス基板を300℃まで加熱し
た。ハイパスフィルターの材料としては、高屈折率層に
TiO2 、低屈折率層にSiO2 を使用し、それぞれ電
子ビーム蒸着法にて成膜し、31層の多層膜を形成し
た。反射膜の構成を表1に示す。また、本実施例のハイ
パスフィルターの分光透過率特性を図1に示す。なお、
表1において、下層(1〜5層)と上層(28〜31
層)とはリップルのない分光特性を良好にするために設
計されるものである。
【0013】
【表1】
【0014】本実施例の反射膜の膜応力を測定したとこ
ろ、8.5×107 dyn/cm2 であり、成膜前後の基
板変形を調べたところ、ソリ量は38nmであった。
【0015】(比較例1)本発明の比較例1として、5
00nmから570nmの波長域の透過光をカットし、
600nmから800nmの波長域を透過するようなハ
イパスフィルターを示す。真空槽の中をオイルディフュ
ージョンポンプを用いて5×10-5Torrまで排気し、真
空槽内に固定した直径10mm,厚さ1mmのガラス基
板を300℃まで加熱した。ハイパスフィルターの材料
とししては、高屈折率層にTiO2、低屈折率層にSi
2 を使用し、それぞれ電子ビーム蒸着法にて成膜し、
32層の多層膜を形成した。反射膜の構成を表2に示
す。また、本比較例のハイパスフィルターの分光透過率
特性を図2に示す。
【0016】
【表2】
【0017】本比較例の反射膜の膜応力を測定したとこ
ろ、8.0×108 dyn/cm2 であり、成膜前後の基
板変形を調べたところ、ソリ量は248nmであった。
【0018】実施例1は、この比較例1と同様の分光透
過特性をもつにもかかわらず、比較例1に比較して基板
の変形量は1/6以下と非常に小さいことが判る。
【0019】
【実施例2】本実施例では、625nmから750nm
の波長域の透過光をカットし、450nmから600n
mの波長域を透過するようなローパスフィルターを示
す。真空槽の中をオイルディフュージョンポンプを用い
て5×10-5Torrまで排気し、真空槽内に固定した直径
10mm,厚さ1mmのガラス基板を300℃まで加熱
した。ローパスフィルターの材料としては、高屈折率層
にTiO2 、低屈折率層にSiO2 を使用し、それぞれ
電子ビーム蒸着法にて成膜し、31層の多層膜を形成し
た。反射膜の構成を表3に示す。また、本実施例のロー
パスフィルターの分光透過率特性を図3に示す。
【0020】
【表3】
【0021】本実施例の反射膜の膜応力を測定したとこ
ろ、1.1×108 dyn/cm2 であり、成膜前後の基
板変形を調べたところ、ソリ量は43nmであった。
【0022】(比較例2)本発明の比較例2として、6
25nmから750nmの波長域の透過光をカットし、
450nmから600nmの波長域を透過するようなロ
ーパスフィルターを示す。真空槽の中をオイルディフュ
ージョンポンプを用いて5×10-5Torrまで排気し、真
空槽内に固定した直径10mm,厚さ1mmのガラス基
板を300℃まで加熱した。ローパスフィルターの材料
としては、高屈折率層にTiO2 、低屈折率層にSiO
2 を使用し、それぞれ電子ビーム蒸着法にて成膜し、3
2層の多層膜を形成した。反射膜の構成を表4に示す。
また、本実施例のローパスフィルターの分光透過率特性
を図4に示す。
【0023】
【表4】
【0024】本比較例の反射膜の膜応力を測定したとこ
ろ、7.5×108 dyn/cm2 であり、成膜前後の基
板変形を調べたところ、ソリ量は230nmであった。
【0025】実施例2は、この比較例2と同様の分光透
過特性をもつにもかかわらず、比較例2に対して基板の
変形量は1/5以下と非常に小さいことが判る。
【0026】それぞれの上記実施例1,2と比較例1,
2の多層膜の膜応力と基板の変形量、およびそれぞれの
膜を構成する膜材料単層の場合の膜応力の値を整理する
と、以下の表5のようになる。
【0027】
【表5】
【0028】
【発明の効果】以上のように、本発明のエッジフィルタ
ーによれば、TiO2 およびSiO2のもつ応力による
基板の変形量のバランスを一つの多層膜の中で取ること
ができるため、基板の変形の少ない膜を得ることがで
き、光学性能に優れた多層膜を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のハイパスフィルターの分光
透過率特性を示すグラフである。
【図2】本発明の比較例1のハイパスフィルターの分光
透過率特性を示すグラフである。
【図3】本発明の実施例2のローパスフィルターの分光
透過率特性を示すグラフである。
【図4】本発明の比較例2のローパスフィルターの分光
透過率特性を示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上にTiO2 からなる高屈折率層
    と、SiO2 からなる低屈折率層とを交互に積層した多
    層膜のエッジフィルターにおいて、TiO2 およびSi
    2 の光学的膜厚ndをそれぞれAおよびBとしたとき
    に、設計波長をλとして、少なくとも1組以上、A=2
    λ/6,B=λ/6となるような周期構造をもつことを
    特徴とするエッジフィルター。
JP35295392A 1992-12-11 1992-12-11 エッジフィルター Withdrawn JPH06180401A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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