光学活性シタロプラムの製造方法、 その中間体およびその製造方法
技術分野
本発明は、 光学活性シタロプラムの製造方法及び合成中間体とその製造方法に関す る。
明
背景技術 細
一般式
で表されるシ夕ロプラムは、 抗うつ剤として有用な化合物であり、 その製造方法とし ては、 USP4136193に記載の方法をはじめとして様々な方法が知られている。
US6291689 (W09819511) には、 式 (0-A,)
(式中、 G ' はシァノ基に変換可能な基を示す。 )
で表される化合物を環化させ、 イソべンゾフラン環にした後、 G ' をシァノ基に変え、 さらに 3—ジメチルァミノプロピルマグネシウムハライドを反応させる方法が記載さ れているが、 収率や選択率などの面で改善の余地があった。 また、 同じく抗うつ剤と して有用な式 (V)
(式中、 *は最寄りの炭素原子が光学活性な不斉炭素原子であることを示す。 ) で表される光学活性化合物、 すなわち光学活性体シタロプラムについては、
US4943590 (EP0347066— A) に記載の方法をはじめとして様々な製法が知られてい る。 しかし、 光学活性体のシタロプラムを得るための不斉合成による方法は知られて おらず、 これまで光学分割法によって得る方法が知られているのみであり、 2種の光 学異性体のうちの半分を捨てることになるため、 ァトムエコノミーの観点やコストの 観点から、 問題であった。
発明の開示
本発明の目的は、 工業的にも適用可能で効率的な光学活性シタロプラムの製造方法 を提供することにある。
本発明者らは、 上記課題を解決するため鋭意研究した結果、 本発明に至った。
すなわち、 本発明は以下の通りであり。
< 1 > 式 (Π) ,
(式中、 ェぉょび!^は、 それぞれ独立して低級アルキル基、 低級アルコキシ基、 置換されていてもよいァリール基、 置換されていてもよいへテロアリール基、 置 換されていてもよいァラルキル基、 置換されていてもよいへテロアリールアルキ ル基または水素原子を示し、 Xは保護基を有していてもよいヒドロキシル基を示
し、 Yはジメチルァミノ基またはジメチルァミノ基に変換可能な基を示すか、 X と Υとが結合し、 X及び Υのそれぞれに隣接する炭素原子と共にォキシラン環基 を形成し、 Ζは水素原子、 ヒドロキシル基または酸素原子を示し、
■I
11は、 Ζが水素原子またはヒドロキシル基である場合には単結合を、 Ζが酸素原 子である場合には二重結合を示す。 *は、 最寄りの炭素原子が光学活性な不斉炭 素原子であることを示す。 )
で表される化合物 (以下、 化合物 (H ) と記すことがある。 ) またはその塩。
< 2 > Ζが水素原子であり、 Xが保護基を有していてもよいヒドロキシル基であり、
Υがジメチルァミノ基またはジメチルァミノ基に変換可能な基である < 1 >に記載の 化合物またはその塩。
< 3 > 式 (I )
(式中、 R 1および R 2は、 それぞれ独立して低級アルキル基、 低級アルコキシ基、 置換されていてもよいァリ一ル基、 置換されていてもよいへテロアリール基、 置 換されていてもよいァラルキル基、 置換されていてもよいへテロアリールアルキ ル基または水素原子を示す。 )
で表される化合物 (以下、 化合物 (I ) と記すことがある。 ) を式 (VI)
〔式中、 X ' は保護基を有していてもよいヒドロキシル基を示し、 Y ' はジメチ ルァミノ基またはジメチルァミノ基に変換可能な基を示すか、 X ' と Y ' とが結
合し、 X ' 及び Y ' のそれぞれに隣接する炭素原子と共にォキシラン環基を形成 し、
(式中、 Aは水素原子または酸素原子を示し、
'Iは、 Aが水素原子である場合には単結合を、 Aが酸素原子である場合には二 重結合を示し、 Jは水素原子または L Gを示すが、 A及び Jの両方が同時に水素 原子ではなく、
L Gはハロゲン原子または R 3 S〇20-基を示し、
R 3は低級アルキル基または置換されていてもよいフエ二ル基を示すか、 Aが
X ' と結合し、 X ' 及び Aのそれぞれに隣接する炭素原子と共にォキシラン環基 を形成する。 但し、 Aが X ' と結合し、 X ' 及び Aのそれぞれに隣接する炭素原 子と共にォキシラン環基を形成する場合には、 《Iは単結合であり、 Jは水素原 子であり、 ォキシラン環基と反応する基は前記 Y ' の定義から除かれる。 ) で表される基を示し、 *は、 最寄りの炭素原子が光学活性な不斉炭素原子である ことを示す。 〕
で表される化合物 (以下、 化合物 (VI) と記すことがある。 ) と反応させることを包 含する化合物 (Π ) またはその塩の製造方法。
< 4 > 式 (II) 中の Zが水素原子であり、 Xがヒドロキシル基であり、 Yがジメチ ルァミノ基に変換可能な基であってォキシラン環基とは反応しない基であり、 化合物 (VI) が、 式 (IX)
(式中、 *は前記と同義であり、 Y' ' は、 ジメチルァミノ基に変換可能な基で あってォキシラン環とは反応しない基を示す。 )
で表される化合物 (以下、 化合物 (K) と記すことがある。 ) である < 3 >に記載の 方法。
< 5 > 式 (III)
(式中、 R 1および R 2は、 同一または異なって低級アルキル基、 低級アルコキシ 基、 置換されていてもよいァリール基、 置換されていてもよいへテロアリール基、 置換されていてもよいァラルキル基、 置換されていてもよいへテロアリールアル キル基または水素原子を示す。 *は、 最寄りの炭素原子が光学活性な不斉炭素原 子であることを示す。 )
で表される化合物 (以下、 化合物 (ΠΙ) と記すことがある。 ) またはその塩。
< 6 > ( 1 ) 化合物 (Π) またはその塩における、 Xと Yが一緒になつてそれぞれ 結合する炭素原子と共にォキシラン環基を形成している場合に、 該ォキシラン環基を ァミン化合物により開環させることを含む工程、
( ii ) 化合物 (Π) またはその塩における、 Yがジメチルァミノ基でない場合に、 該 Yをジメチルァミノ基に変換することを含む工程、
(iii) 化合物 (Π) またはその塩における、 Xを水素原子に変換することを含む工程、 及び
(iv) ( i ) 〜 (iii) のいずれかの工程の前または後で、 Zが水素原子でない場合に、 該 Zを水素原子に変換することを含む工程
を包含する化合物 (ΠΙ) またはその塩の製造方法。
< 7 > 化合物 (Π) が、 化合物 (I ) を化合物 (VI) と反応させることを含む方法 により得られる < 6 >に記載の方法。
<8> 式 (Π) において、 Ζが水素原子であり、 Xがヒドロキシル基であり、 Υが ジメチルァミノ基に変換可能な基であってォキシラン環とは反応しない基である場合 において、 化合物 (VI) が、 化合物 (IX) である < 7 >に記載の方法。
<9> 化合物 (ΙΠ) またはその塩を、 酸により開環し、 次いで開環により得られる 化合物を環化することを含む式 (V)
(式中、 *は前記と同義を示す。 )
で表される光学活性化合物 (以下、 化合物 (V) と記すことがある。 ) またはその酸 付加塩の製造方法。
<10> 化合物 (Π) が、 (i) 化合物 (Π) またはその塩における、 Xと Yがー 緒になってそれぞれ結合する炭素原子と共にォキシラン環基を形成している場合に、 該ォキシラン環基をァミン化合物により開環させる工程、
(ii) 化合物 (Π) またはその塩における、 Yがジメチルァミノ基でない場合に、 該 Yをジメチルァミノ基に変換する工程、
(iii) 化合物 (Π) またはその塩における、 Xを水素原子に変換する工程、 及び (i) 〜 (ffi) のいずれかの工程の前または後で、 Zが水素原子でない場合に、 該 Z を水素原子に変換する工程
を含む方法により得られる < 9 >に記載の方法。
<1 1> 化合物 (Π) が、 化合物 (I) を化合物 (VI) と反応させることを含む方 法により得られる <10>に記載の方法。
<12> 式 (Π) において、 Zが水素原子であり、 Xがヒドロキシル基であり、 Y がジメチルァミノ基に変換可能な基であってォキシラン環とは反応しない基である場 合において、 化合物 (VI) が、 化合物 (K) であるぐ 1 1>に記載の方法。
<13> 化合物 (Π) またはその塩を、 酸により開環し、 次いで開環により得られ る化合物を環化することにより式 (IV)
(式中、 *、 X、 Υ、 Ζおよび11は前記と同義である。 ) で表される化合物 (以下、 化合物 (IV) と記すことがある。 ) に変換し、 さらに (i ' ) 化合物 ( ) における、 Xと Yが一緒になつてそれぞれ結合する炭素原子と 共にォキシラン環を形成している場合に、 該ォキシラン環をァミン化合物により開環 させる工程、
(η' ) 化合物 (IV) またはその塩における、 Υがジメチルァミノ基でない場合に、 該 Υをジメチルァミノ基に変換する工程、
(iii' ) 化合物 (IV) またはその塩における、 Xを水素原子に変換する工程、 及び
( ) 〜 (m' ) のいずれかの工程の前または後で、 zが水素原子でない場合に、 該 zを水素原子に変換する工程
を包含する
化合物 (V) またはその酸付加塩の製造方法。
く 14〉 化合物 (Π) が、 化合物 (I) を化合物 (VI) と反応させることを含む方 法により得られるぐ 13〉に記載の方法。
15. 式 (Π) において、 Zが水素原子であり、 Xがヒドロキシル基であり、 Yが ジメチルァミノ基に変換可能な基であってォキシラン環とは反応しない基である場合 において、 化合物 (VI) が、 化合物 (IX) であるく 14>に記載の方法。
<16> 化合物 (I) を化合物 (VI) と反応させることにより化合物 (Π) を得る ことを包含する化合物 (V) またはその酸付加塩の製造方法。
発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明について詳細に説明する。
まず、 本発明で用いられている記号および用語の定義を説明する。
R R2、 R3、 R3'、 R33及び R3' 'で示される 「低級アルキル基: J としては、 通常は炭素数 1〜6の直鎖または分枝状のアルキル基、 例えばメチル基、 ェチル基、 プロピル基、 イソプロピル基、 ブチル基、 イソブチル基、 s e c—ブチル基、 t e r t _ブチル基、 ペンチル基、 イソペンチル基、 ネオペンチル基、 へキシル基等が挙げ られ、 好ましくはメチル基、 ェチル基である。
R1および R 2で示される 「低級アルコキシ基」 としては、 炭素数 1〜6の直鎖状 . または分枝状のアルコキシ基、 例えばメトキシ基、 エトキシ基、 プロポキシ基、 イソ プロポキシ基、 ブトキシ基、 イソブトキシ基、 s e c—ブトキシ基、 t e r t—ブト キシ基、 ペンチルォキシ基、 イソペンチルォキシ基、 ネオペンチルォキシ基、 へキシ ルォキシ基等が挙げられ、 好ましくはメトキシ基、 エトキシ基である。
R1および R 2で示される 「置換されていてもよいァリール基」 における 「ァリー ル基」 としては、 炭素数 6〜 1 0のァリ一ル基、 例えばフエニル基、 ナフチル基等が 挙げられ、 好ましくはフエニル基である。 ,
R1および R2で示される 「置換されていてもよいへテロァリ一ル基」 における 「ヘテロァリール基」 としては、 環を構成する原子として炭素原子以外に、 窒素原子、 酸素原子および硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を 1〜 3個含有する 5〜 6員の芳香 族複素環基およびそのへテロ環と芳香族炭化水素環との縮合基、 例えばピリジル基、 フラニル基、 チェニル基、 キノリニル基、 イソキノリニル基、 ベンゾフラニル基、 ィ ソベンゾフラニル基等が挙げられ、 好ましくはピリジル基である。
R1および R 2で示される 「置換されていてもよいァラルキル基」 における 「ァラ ルキル基」 としては、 ァリール部が Γ置換されていてもよいァリール基」 における 「ァリール基」 と同じであり、 アルキル部が炭素数 1〜4、 好ましくは炭素数 1〜2 の直鎖状または分枝状の 2価の飽和脂肪族炭化水素基 (一 CH2—、 一 CH2CH2—、 -CH (CH3) 一、 —CH2CH2CH2—、 — CH2CH (CH3) CH2—等) で
あるァラルキル基が挙げられる。 例としては、 ベンジル基、 2—フエニルェチル基、 1一フエニルェチル基等が挙げられ、 好ましくはべンジル基である。
R 1および R 2で示される 「置換されていてもよいへテロァリ一ルアルキル基」 に おける 「ヘテロァリールアルキル基」 としては、 ヘテロァリール部が上記 「置換され ていてもよいへテロアリール基」 の 「ヘテロァリ一ル基」 と同じであり、 アルキル部 が炭素数 Ϊ〜 4、 好ましくは炭素数 1〜 2の直鎖状または分枝状の 2価の飽和脂肪族 炭化水素基であるへテロアリールアルキル基が挙げられる。 例としては、 ピリジルメ チル基、 チェニルメチル基等が挙げられ、 好ましくはピリジルメチル基である。
R 1および R 2で示される 「置換されていてもよいァリール基」 、 「置換されてい てもよいへテロァリール基」 、 「置換されていてもよいァラルキル基」 および 「置換 されていてもよいへテロアリールアルキル基」 における置換基としては、 アルキル基 (例、 メチル基、 ェチル基、 プロピル基、 イソプロピル基、 ブチル基、 イソブチル基、 s e c一ブチル基、 t e r t—プチル基等) 等が挙げられ、 好ましくはメチル基、 t e r t一ブチル基である。 置換位置は化学的に許容される位置であれば限定はない。 置換基の数は 1〜2が好ましく、 2以上の場合は、 同一でも異なっていてもよい。
Xおよび X ' で示される 「保護基を有していてもよいヒドロキシル基」 の 「保護 基」 としては、 ヒドロキシル基が反応に不活性な官能基に一次変換でき、 必要に応じ てもとのヒドロキシル基に再変換できるものであれば特に限定はなく、 例えば、 2— テトラヒドロピラニル基、 2—テトラヒドロフラニル基、 1—エトキシェチル基、 ベ ンジル基、 メトキシメチル基、 ベンジルォキシメチル基、 t e r t—プチルジメチル シリル基等が挙げられ、 これらのうち、 2—テトラヒドロビラニル基、 ベンジル基、 t e r t—プチルジメチルシリル基が好ましい。
Yおよび Y ' で示される 「ジメチルァミノ基に変換可能な基」 としては、 ジメチル ァミノ基に変換できるものであれば特に限定はなく、 また、 当該基は直接的にジメチ ルァミノ基に変換されうるものであっても、 間接的にジメチルァミノ基に変換されう るものであってもよい。 具体的な例としては、 保護基を有していてもよいヒドロキシ ル基 (例えば、 ヒドロキシル基、 2—テトラヒドロピラニルォキシ基、 2—テトラヒ ドロフラニルォキシ基、 1一エトキシエトキシ基、 ベンジルォキシ基、 メトキシメト
キシ基、 ベンジルォキシメトキシ基、 t e r t—プチルジメチルシリルォキシ基等) 、 保護基を有していてもよいアミノ基 (例えば、 アミノ基、 ベンジルォキシカルポニル アミノ基、 t e r t—ブトキシカルボニルァミノ基等) 、 ハロゲン原子 (例えば、 塩 素原子、 臭素原子、 ヨウ素原子等) 、 メタンスルホニルォキシ基、 p—トルエンスル ホニルォキシ基等が挙げられ、 これらのうち、 ヒドロキシル基、 2—テトラヒドロピ ラニルォキシ基、 1—エトキシエトキシ基、 ハロゲン原子が好ましい。
Aが X ' と結合し、 X, 及び Aのそれぞれに隣接する炭素原子と共にォキシラン環 基を形成する場合に、 Y ' より除かれる 「ォキシラン環と反応する基」 としては、 ァ ミノ基、 ジメチルァミノ基等が挙げられる。
Y ' ' で示される 「ジメチルァミノ基に変換可能な基であってォキシラン環とは反 応しない基」 としては、 Yおよび Y ' で示される 「ジメチルァミノ基に変換可能な 基」 として挙げられた基から、 アミノ基等のォキシラン環と反応する基を除いたもの が挙げられる。
L G、 L G ' 及び L G ' ' で示されるハロゲン原子の例としては、 塩素原子、 臭素 原子、 ヨウ素原子等が挙げられ、 これらのうち、 塩素原子、 臭素原子が好ましい。
R 3、 R 3 '、 R 3 3及び R 3 ' 'で示される 「置換されていてもよいフエニル基」 の置 換基の例としては、 アルキル基 (例、 メチル基、 ェチル基、 プロピル基、 イソプロピ ル基、 ブチル基、 イソブチル基、 s e c一ブチル基、 t e r t—ブチル基等) 等を挙 げることができる。 置換位置は化学的に許容される位置であれば限定はない。 置換基 の数は 1〜 2が好ましく、 2以上の場合は、 同一でも異なっていてもよい。
化合物 (Π ) 及び (]V) における Zは水素原子、 ヒドロキシル基または酸素原子で ある。 なお、 当業者にとっては常識であり、 構造式中には記載されていないけれども、
Zが水素原子またはヒドロキシル基の場合は、 Zに結合する炭素原子はさらに 1個の 水素原子と結合している。 式 (W) において Aが水素原子の場合にも同様に、 Aと結 合する炭素原子はさらに 1個の水素原子と結合している。
化合物 (II) および化合物 (IV) 、 ならびに化合物 (III) が、 その式中に塩基性の ジメチルァミノ基を有する場合は塩を形成してもよい。 そのような塩としては、 例え ば、 無機酸塩 (例えば塩酸塩、 硫酸塩、 硝酸塩、 リン酸塩、 臭化水素酸塩等) または
有機酸塩 (例えば酢酸塩、 プロピオン酸塩、 メタンスルホン酸塩、 4—トルエンスル ホン酸塩、 シユウ酸塩、 マレイン酸塩等) 等が挙げられる。
化合物 (V) すなわち光学活性シ夕ロプラムは酸付加塩として得られてもよく、 酸 付加塩としては薬理的に許容される非毒性酸付加塩が好ましく、 例えば、 マレイン酸 塩、 フマル酸塩、 安息香酸塩、 ァスコルビン酸塩、 パモイン酸塩、 コハク酸塩、 シュ ゥ酸塩、 サリチル酸塩、 メタンスルホン酸塩、 ェタンジスルホン酸塩、 酢酸塩、 プロ ピオン酸塩、 酒石酸塩、 クェン酸塩、 ダルコン酸塩、 乳酸塩、 リンゴ酸塩、 マンデル 酸塩、 ケィ皮酸塩、 シトラコン酸塩、 ァスパラギン酸塩、 ステアリン酸塩、 パルミチ ン酸塩、 ィタコン酸塩、 グリコ一ル酸塩、 P—アミノ安息香酸塩、 グルタミン酸塩、 ベンゼンスルホン酸塩、 テオフィリン酢酸塩、 8—ハロテオフィリン (例えば 8—ブ ロモテオフィリン等) 等の有機酸との塩または塩酸、 臭化水素酸、 スルフィン酸、 ス ルファミン酸、 リン酸、 硝酸等の無機酸との塩が挙げられる。
構造式中に示される *は、 近接する炭素原子 (*印の付された炭素原子) が光学活 性な不斉炭素であることを示し、 *が二つ以上存在する化合物 (II) および化合物 (IV)については、 存在し得るあらゆるジァステレオマ一またはその混合物をも包含す る。 - 本発明において光学活性とは、 ある不斉炭素原子に起因する絶対配置が R配置であ る異性体と S配置である異性体から構成される化合物が、 それらの異性体の等量混合 物 (例えば、 ラセミ体) ではないことを意味し、 該 2つの異性体 (R-異性体と S-異 性体) のうちの一方が他の異性体に対し過剰に存在する場合 (例えば、 6 : 4の混合 物) であれば、 光学活性と定義される。 本発明の製造方法は下記反応スキームに示される。
(式中、 1及び 2はそれぞれ 1及び1^2と同義を示し、 X、 Υ、 Ζ及び *は前記 と同義を示す。 )
化合物 (I) は以下の反応スキームに従い、 合成することができる。
(式中、 および R2は前記と同義である。 )
式 (0-A) で表される化合物 (以下、 化合物 (0-A) と記すことがある。 ) は、 W 098/19511号公報等に記載の方法に準じて合成することができる。
工程 (0-x)
工程 (0-x) は化合物 (0-A) をァセタール化する工程である。 当該工程は公知の方 法により実施することができ、 例えば、 化合物 (0-A) を、 テトラヒドロフラン (T HF) 等の溶媒中、 p—トルエンスルホン酸ピリジニゥム (PPTS) 等の酸の存在 下、 2—メトキシプロペン等の化合物と反応させることにより R1及び R 2がメチル 基の化合物 (I) を製造することができる。
工程 (0-x) において目的化合物は常法により、 単離、 精製することができる。 反 応混合物をそのまま次工程に用いても良い。
工程 (a)
工程 (a) は、 化合物 (I) を化合物 (Π) に変換する工程であり、 当該化合物 (I) を塩基の存在下、 化合物 (VI) と反応させることにより実施される。
塩基としては、 水素化ナトリウム、 リチウムジイソプロピルアミド (LDA) 、 リ チウムジシクロへキシルアミド、 ナトリウムアミド等が挙げられ、 これらのうち、 水 素化ナトリウム、 LDAが好ましい。
当該工程は反応を円滑に行うために通常、 溶媒が用いられる。 溶媒は、 反応を阻害 しないものである限り特に限定はされず、 用いられる溶媒の例としては、 THF、 メ チル t _ブチルエーテル (MTBE) 、 1, 2—ジメトキシェタン、 ジグリム、 1, 3ージォキソラン、 1, 4—ジォキサン、 トルエン、 キシレン等が挙げられ、 これら は単独で、 または混合して用いることができ、 これらのうち、 THF、 トルエンが好 ましい。 溶媒量としては化合物 (I) 1 kgに対して通常 1〜50L、 好ましくは 2 〜20 Lである。
反応操作の好ましい態様としては、 化合物 (VI) と塩基との間の副反応を防ぐ観 点から、 まず、 化合物 (I) と塩基とを反応させる。 例えば、 窒素等の反応に不活性 な気体の雰囲気下で、 溶媒中での化合物 (I) の溶液に、 前記塩基を添加し、 化合物 (I) と塩基とを反応させる。 LD Aを使用する場合には、 公知の方法、 例えば、 前 記溶媒中で N, N—ジイソプロピルアミンをブチルリチウム等のアルキルリチウムと 反応させる方法によってまずリチウムジイソプロピルアミドを生成させ、 その後その 溶液に化合物 (I) を添加してもよい。
塩基の量は、 副反応の進行による収率低下や品質低下の防止、 化合物 (I) 残存に よる収率低下の防止の観点から、 化合物 (I) 1モルに対し、 通常 1〜1. 5モルで あり、 好ましくは:!〜 1. 3モルである。
塩基として LDA等を用いる場合、 反応温度は通常一 70〜0°C、 好ましくは一 6 0〜一 20°Cであり、 反応時間は通常 0. 5〜12時間、 好ましくは 1〜6時間であ る。
塩基として水素化ナトリウム等を用いる場合、 反応温度は通常 40〜90°C、 好ま しくは 50〜 80 °Cであり、 反応時間は通常 1〜 24時間、 好ましくは 3〜 12時間 である。
次いで、 この反応混合物に化合物 (VI) を添加する。 添加する際、 化合物 (VI) を上記溶媒に溶解させて、 溶液として添加しても良い。 化合物 (VI) の具体的な例 としては以下の式で表される化合物が挙げられる。
(式中、 *、 X' 、 Y' 、 Y' ' および LGは前記と同義であり、 LGOSハロゲン 原子または R3' ' S02〇-基を示し、 R3' 'は低級アルキル基または置換されていて もよいフエ二ル基を示す。 )
光学活性シ夕ロプラムの中でもエスシタロプラムの薬理効果が高いという観点から、 これらの化合物のうち、 エスシタロプラムを合成することができる絶対配置を有して いるものが好ましく、 そのような化合物としては、 (S) —ェピクロロヒドリン、 (S) ― [2— (t e r t—プチルジメチルシリルォキシ) _3_クロ口—プロピ ル] —ジメチルァミン等が挙げられる。
化合物 (VI) は、 市販されているものについてはそのまま使用することができ、 公知の方法により合成して入手することもできる。
式 (Π) において Zが水素原子である場合には、 式 (VIII) で表される化合物 (以 下、 化合物 (VIII) と記すことがある。 ) または化合物 (IX) が用いられる (化合物 (VIII) が用いられる場合の工程を以下工程 (aa) とし、 化合物 (K) が用いられ る場合の工程を以下工程 (a ) とする) 。
式 (Π) において Ζがヒドロキシル基である場合には、 式 (X) で表される化合物 (以下、 化合物 (X) と記すことがある。 ) または式 (XI) で表される化合物 (以 下、 化合物 (XI) と記すことがある。 ) が用いられる (この場合の工程を以下工程 (aQ) とする) 。
式 (II) において Zが酸素原子である場合には、 式 (XII) で表される化合物 (以 下、 化合物 (XII) と記すことがある。 ) または式 (ΧΙΠ) で表される化合物 (以下、 化合物 (XIII) と記すことがある。 ) が用いられる (この場合の工程を以下工程 (a口 4) とする) 。 工程 (a )
使用される化合物 (VIII) の量は、 化合物 (I) 1モルに対し、 通常 1〜2モルで あり、 好ましくは 1〜1. 5モルである。
反応温度は通常— 60〜+ 100°C、 好ましくは— 40〜十 80°Cであり、 反応時 間は通常 1〜 24時間、 好ましくは 3〜 12時間である。
反応を円滑に進行させるために、 4級アンモニゥム塩等の相間移動触媒を添加して も良い。 相間移動触媒の量は、 化合物 (I) 1モルに対して、 通常 0. 01〜 1モル である。 工程 (aa)
使用される化合物 (IX) の量は、 化合物 (I) 1モルに対し、 通常 1〜1. 6モ ルであり、 好ましくは:!〜 1. 4モルである。
反応温度は通常一 60〜十 100°C、 好ましくは一 40〜十 80°Cであり、 反応時 間は通常 1〜24時間、 好ましくは 3〜12時間である。
反応を円滑に進行させるために、 4級アンモニゥム塩等の相間移動触媒を添加して も良い。 相間移動触媒の量は通常、 化合物 (I) 1モルに対して、 0. 01〜1モル である。 工程 (aQ)
使用される化合物 (X) または (XI) の量は、 化合物 (I) 1モルに対し、 通常 1〜1. 5モルであり、 好ましくは 1〜1. 3モルである。
反応温度は通常一 78〜十 30 ° (:、 好ましくは— 60〜 0 °Cであり、 反応時間は通 常 0. 5〜 12時間、 好ましくは 1〜 6時間である。 工程 (a )
使用される化合物 (XII) または (ΧΠΙ) の量は、 化合物 (I) 1モルに対し、 通 常 1〜1. 5モルであり、 好ましくは 1〜1. 3モルである。
反応温度は通常一 78〜+ 30 °C、 好ましくは一 60〜 0 °Cであり、 反応時間は通 常 0. 5〜12時間、 好ましくは 1〜6時間である。 工程 (a) により得られる化合物 (II) は、 常法により単離、 精製することができ る。 例えば、 反応混合物に水およびトルエン等の有機溶媒を加えて分液し、 有機層を 水洗、 乾燥後、 濃縮することにより化合物 (II) を単離することができ、 さらにシリ 力ゲルカラムクロマトグラフィーによって精製することができる。
なお、 シタロプラムのラセミ体が所望されるときは、 本発明の方法において、 化合 -物 (VI) のラセミ体または、 X' が水素原子である化合物 (VI) を用いて工程
(a) を行えば良い。 工程 (b)
工程 (b) は、 化合物 (II) を化合物 (III) に変換する工程であり、 以下の (i) 〜 (iv) の工程を含む。
(i) 化合物 (Π) またはその塩における、 Xと Yが一緒になつてそれぞれ結合する 炭素原子と共にォキシラン環基を形成している場合に、 該ォキシラン環基をァミン化 合物により開環させる工程、
(ii) 化合物 (Π) またはその塩における、 Yがジメチルァミノ基でない場合に、 該 Yをジメチルァミノ基に変換する工程、
(iii) 化合物 (π) またはその塩における、 Xを水素原子に変換する工程、 及び
(iv) (i) から (m)のいずれかの工程の前または後で、 Zが水素原子でない場合 に、 該 Zを水素原子に変換する工程
(i) 化合物 (Π) またはその塩における、 Xと Yが一緒になつてそれぞれ結合する 炭素原子と共にォキシラン環基を形成している場合に、 該ォキシラン環基をァミン化 合物により開環させる工程
( i) の工程は、 例えば溶媒中、 化合物 (Π) をァミン化合物と反応させることに より行うことができる。 Xと Yが一緒になつてそれぞれ結合する炭素原子と共にォキ シラン環基を形成している場合、 この反応により化合物 (II) 中のォキシラン環が開 裂し、 ヒドロキシル基が生成すると共に、 (ジアルキル) アミノ基等が導入される。 溶媒としては、 THF、 MTBE、 トルエン、 キシレン、 メタノール、 エタノール 等を挙げることができ、 これらは単独で、 または混合して用いることができる。 これ らのうちメタノール、 THFが好ましく、 溶媒の量は、 化合物 (Π) 1 kgに対して 通常 1〜50L、 好ましくは 2〜30 Lである。
ァミン化合物としては、 アンモニア、 ジメチルァミン、 メチルァミン等、 ォキシラ ン環との反応により、 ジメチルァミノ基またはジメチルァミノ基に変換可能な基が導 入されるァミン化合物を挙げることができる。 これらのうち、 直接ジメチルァミノ基 が導入できるジメチルァミンが好ましい。 ァミン化合物の量は、 化合物 (II) 1モル に対して通常 1〜500モル、 好ましくは 3〜 100モルである。
反応温度は通常 0〜100° (:、 好ましくは 20〜 80 °Cであり、 反応時間は通常 1 〜 72時間、 好ましくは 3〜 24時間である。
(π) 化合物 (Π) またはその塩における、 Yがジメチルァミノ基でない場合に、 該 Yをジメチルァミノ基に変換する工程
(ii) の工程は、 公知の方法により行うことができ、 Yで示される 「ジメチルアミ ノ基に変換可能な基」 の態様により、 ジメチルァミノ基に変換する方法が異なる。 例 えば、 Yが保護基を有していてもよいヒドロキシル基である場合は、 必要により脱保 護した後、 当該ヒドロキシル基を脱離性エステルに変換し、 ジメチルァミンと反応さ せることにより行うことができる。
ヒドロキシル基を脱離性エステルに変換する方法としては、 溶媒 (例、 トルエン、 キシレン、 THF、 MTBE等) 中において、 化合物 (Π) 1モルに対し 0. 9〜1. 5モルの酸ハライド (例、 メタンスルホニルクロリド、 p—トルエンスルホニルクロ リド、 10—ショウノウスルホニルクロリド、 トリフルォロアセチルクロリド、 トリ フルォロメ夕ンスルホニルクロリド等) と、 一 20〜+80°Cで、 1〜24時間反応 させることにより行うことができる。
ジメチルァミンとの反応においては、 溶媒 (例、 トルエン、 キシレン、 THF、 M TBE、 メタノール、 エタノール、 イソプロパノ一ル等) 中において、 化合物 (II) 1モルに対して 0. 9〜 5モルのジメチルァミン (好ましくは水溶液) と、 0〜8 0°Cで、 1〜24時間反応させることにより行うことができる。
(ii) の工程の他の態様として、 Yが保護基を有していてもよいアミノ基である場 合は、 例えば、 必要により脱保護した後、 溶媒 (例、 トルエン、 キシレン、 THF、 MTBE等) 中において、 化合物 (II) 1モルに対し 2〜4モルのメチル化剤 (例、 ヨウ化メチル、 硫酸ジメチル等) と、 — 20〜十 80°Cで、 0. 5〜12時間反応さ せることにより行うことができる。
(ii) の工程のさらに他の態様として、 Yがハロゲン原子である場合は、 溶媒 (例、 THF、 MTBE, トルエン、 キシレン、 メタノール、 エタノール、 水等) 中におい て、 化合物 (Π) 1モルに対して 1〜500モルのジメチルァミン (好ましくは水溶 液) と、 0〜100°Cで、 1〜72時間反応させることにより行うことができる。
(iii) 化合物 (Π) またはその塩における、 Xを水素原子に変換する工程
(iii) の工程は、 公知の方法により行うことができる。 以下に (ffi)の工程の例を説 明する。
(iii) の工程の一つの態様は、 以下の (m-i) 〜 (iii-4) の工程からなる。
(iii-i) Xが保護基を有するヒドロキシル基である場合に、 脱保護する工程
(ffi -2) ヒドロキシル基を LG' (LG' はハロゲン原子または R3' S02〇-基を示 し、 R3'は低級アルキル基または置換されていてもよいフエ二ル基を示す。 ) に変 換する工程
(iii-3) (iii-2) の工程で得られる化合物を塩基で処理して該 L G' を脱離させて不 飽和結合を形成させる工程
(iii-4) (iii-3) で得られる化合物を水素添加する工程 (iii-l) Xが保護基を有するヒドロキシル基である場合に、 脱保護する工程 当該工程は、 常法に従い脱保護反応することによって実施することができる。 . (iii-2) ヒドロキシル基を LG' に変換する工程
当該工程として、 例えば、 LG' が R3' S020-基である場合には、 塩基の存在 下、 化合物 (Π) のヒドロキシル基を R3' S〇2-Halで表される化合物 (-Halは塩素 原子、 臭素原子等のハロゲン原子を示す。 ) と反応させることにより実施することが できる。 LG' がハロゲン原子である場合には、 上記方法により化合物 (II) のヒド 口キシル基を R3' S〇2〇-基に変換した後、 さらに当該基をアルカリ金属ハロゲン 化物と反応させることにより実施することができる。 あるいは、 化合物 (II) のヒド 口キシル基を直接ハロゲン化水素ゃハロゲン化リンと反応させることにより実施する ことができる。
LG' が R3' S02〇-基である場合の具体的な反応条件の一例を示すと以下の通 りである。
化合物 (Π) を溶媒に溶解させ、 該溶液に塩基を添加し、 さらに R3' S02-Halで 表される化合物を添加して反応させる。
溶媒としては、 THF、 MTBE、 1, 2—ジメトキシェタン、 ジグリム、 1, 3 —ジォキソラン、 1, 4一ジォキサン、 トルエン、 キシレン等を挙げることができ、 これらは単独で、 または混合して用いることができる。 これらのうち、 THF、 MT BE、 トルエンが好ましい。 溶媒の量は、 化合物 (II) 1 kgに対して通常 1〜50 L、 好ましくは 2〜20 Lである。
塩基としては、 トリェチルァミン、 ピリジン、 N, N_ジメチルァニリン、 N—メ チルモルホリン等を挙げることができ、 これらのうちトリェチルァミン、 ピリジンが 好ましい。 塩基の量としては、 化合物 (Π) 1モルに対して通常 1〜2モル、 好まし くは 1〜1. 5モルである。
R3' S〇2-Halで表される化合物の好ましい例としては、 メダンスルホニルクロリ ド、 ベンゼンスルホニルクロリド、 p -トルエンスルホエルク口リド等を挙げること ができ、 R3' S〇2-Halで表される化合物の量としては化合物 (II) 1モルに対して 通常 1〜2モル、 好ましくは 1〜1. 5モルである。
反応温度は通常一 30〜+ 70°C、 好ましくは一 20〜十 50°Cであり、 反応時間 は通常 0. 5〜12時間、 好ましくは 1〜8時間である。
(iii-3) (iii-2) の工程で得られる化合物を塩基で処理して該 L G' を脱離させて不 飽和結合を形成させる工程
当該工程は、 例えば、 (iii-2) の工程で得られる、 化合物 (Π) に LG' が導入さ れた化合物 (以下、 化合物 (II' ) と記すことがある。 ) を、 カリウム t一ブトキシ ド、 1, 8—ジァザビシクロ 〔5, 4, 0〕 ゥンデセ一 7—ェン (DBU)等の塩基と 作用させる等により実施することができる。
化合物 (II' ) を塩基と作用させる場合の具体的な反応条件の一例を示すと以下の 通りである。
化合物 (II' ) を溶媒に溶解させ、 塩基を添加する。
溶媒の例としてはキシレン、 メシチレン、 トルエン、 THF、 1, 4一ジォキサン、 ジグリム、 エタノール、 n—ブ夕ノール、 n一へキサノール、 メチルセルソルブ、 X チルセルソルブ等を挙げることができ、 これらは単独で、 または混合して用いること ができ、 これらのうちキシレン、 メシチレン、 トルエン、 ジグリムが好ましく、 溶媒 の量としては化合物 (II' ) 1 kgに対して通常 1〜50L、 好ましくは 2〜20L である。
塩基の例としては、 DBU、 1, 5—ジァザビシクロ 〔4, 3, 0〕 ノン一5—ェ ン (DBN) 、 カリウム tーブトキシド、 ナトリウムメチラー卜、 ナトリウムェチラ —ト、 水酸化カリウム、 水素化ナトリウム等を挙げることができ、 これらのうち、 D BU、 カリウム t—ブトキシドが好ましく、 塩基量は、 化合物 (II' ) 1モルに対し て通常 1〜 2モル、 好ましくは 1〜1. 5モルである。
反応温度は通常 40〜200°C、 好ましくは 60〜 150 であり、 反応時間は通 常 1〜24時間、 好ましくは 2~12時間である。
(iii-4) (iii-3) で得られる化合物を水素添加する工程
当該工程は、 例えば、 溶媒中、 水素化触媒の存在下、 (iii-3) で得られる、 不飽和 結合が導入された化合物 (以下、 化合物 (π' ' ) と記すことがある。 ) を水素と反 応させる等により行うことができる。
溶媒としては、 酢酸ェチル、 ェ夕ノ一ル、 酢酸等を挙げることができ、 これらは単 独で、 または混合して用いることができる。 これらのうち酢酸ェチル、 エタノールが 好ましく、 溶媒量は、 化合物 (II' ' ) 1 kgに対して、 通常 1〜30L、 好ましく は 2〜15Lである。
水素化触媒としては、 パラジウム炭素、 7K酸化パラジウム、 白金炭素、 酸化白金、 ロジウム炭素等を挙げることができ、 これらのうちパラジウム炭素が好ましい。 また、 化合物 (II' ' ) の二トリル基の還元を回避するために、 水素化触媒は、 硫黄等で被 毒して触媒活性を調節しておくことが好ましい。
水素化触媒の量は、 化合物 (Π' ' ) 1 kgに対して通常 0. l〜100 g、 好ま しくは 0. 5〜50 gである。
水素との反応は通常、 水素雰囲気、 加圧条件下で行われる。 水素の圧力は、 通常 1 00 kP a〜lMPaであり、 好ましくは 100 kPa〜500 kP aである。
反応温度は通常 0〜 100 ° (、 好ましくは 10〜 70 °Cであり、 反応時間は通常 1 〜 24時間、 好ましくは 2〜 12時間である。
(iii-3) および (iii-4) の工程の代わりに、 化合物 (II' ) を N, N—ジメチルホル ムアミド (DMF) 、 N, N—ジメチルァセトアミド (DMAc) 、 アセトン等の溶 媒中、 (II' ) に対し 1〜10当量のヨウ化ナトリウム、 ヨウ化カリウム等と反応さ せて、 対応するヨウ化物に変換した後、 トルエン、 キシレン等の溶媒中、 対応するョ ゥ化物 1モルに対し 0. 001〜0. 5モルのァゾビスイソブチロニトリル等のラジ カル発生剤および 1〜 5モルのトリプチルスズヒドリド等と 30〜 150 °Cで 1〜 4 8時間反応させることにより行うこともできる。 該対応するヨウ化物は、 Synthesis, 835-849 (2002)記載の方法により還元してもよい。
(iv) (i) 〜 (m)のいずれかの工程の前または後で、 Zが水素原子でない場合に、 該 Zを水素原子に変換する工程
(iv) の工程は、 公知の方法により行うことができる。 また、 (iv) の工程は、 前 記した (i) 〜 (iii) の工程いずれかの工程の前に、 あるいは後に行うことができる。 以下に (iv) の工程の例を説明する。
(iv) の工程のとして、 以下の (iv-l) 〜 (iv-4) の工程からなる態様を挙げるこ とができる。
(iv-l) Zが酸素原子である場合に、 ヒドロキシル基に還元する工程
(iv-2) 該ヒドロキシル基を LG'' (LG' は LGと同義である) に変換する工程 (iv-3) 塩基で処理して該 LG' を脱離させて不飽和結合を形成させる工程
(iv-4) 該不飽和結合に水素を添加する工程
(iv-l) Zが酸素原子である場合に、 ヒドロキシル基に還元する工程
当該工程は、 例えば、 溶媒中、 化合物 (II) 、 (Π' ) または (Π' ' ) を還元剤 と反応させる等により行うことができる。
溶媒の例としてはメタノール、 エタノール、 イソプロパノール、 THF、 MTBE、 トルエン等を挙げることができ、 これらは単独で、 または混合して用いることができ、 これらのうち、 メタノール、 THFが好ましく、 溶媒の使用量としては化合物 (II) 、 (Π' ) または (Π' ' ) 1 k gに対して通常 1〜50 L、 好ましくは 2〜30Lで ある。
還元剤の例としては、 水素化ホウ素リチウム、 水素化ホウ素ナトリウム、 水素化リ チウムアルミニウム等を挙げることができ、 これらのうち、 水素化ホウ素ナトリウム が好ましい。 触媒の使用量としては化合物 (II) 、 (Π' ) または (Π' ' ) 1モル に対して通常 1モル〜 2モル、 好ましくは 1モル〜 1. 5モルである。
反応温度は通常一 20〜+70で、 好ましくは 0〜 50°Cであり、 反応時間は通常 0. 5〜 12時間、 好ましくは 1〜 6時間である。
(iv-2) 、 (iv-3) および (iv-4) の工程は、 (iii -2) 、 (iii -3) および (iii -4) の 工程と同様にして行うことができる。 Xと Zが共にヒドロキシル基である場合には
(iii-2) と (iv-2) の工程は、 同時に行っても良い。 この場合、 塩基および R3' SO 2 -Halで表される化合物の添加量は、 化合物 (II) 、 (Π' ) または (Π' ' ) 1モ ルに対する量ではなく、 化合物 (Π) 、 (1' ) または (Π' ' ) のヒドロキシル基 1 g当量に対する量となる。
Xおよび Zが共に LG' に変換されている場合には、 LG' が 1化合物中に 2っ存 在するのに対し、 (m-3) または (iv-3) の工程で脱離する LG' は普通 1化合物に つき 1つであるため、 通常、 (iii-3) および (m-4) ( (iv-3) および (iv-4) ) の 工程を実施した後、 (iv-3) および (iv-4) ( (iii-3) および (iii-4) ) の工程を再 度実施する。
工程 (b) に含まれる各工程において、 目的生成物は、 常法により単離、 精製する ことができる。 例えば、 濃縮、 減圧濃縮、 溶媒抽出、 濾過、 晶析、 再結晶、 クロマト グラフィ一などの公知の方法から一またはそれ以上の方法を適宜選択して単離、 精製 することができる。 また、 反応混合物をそのまま次工程に使用しても良い。 工程 (C)
工程 (C) は化合物 (III) を、 酸により開環することにより、 式 (III' )
(式中、 *は前記と同義を示す。 )
で表される化合物 (以下、 化合物 (III' ) と記すことがある。 ) を得、 次いで環化す る工程であり、 これにより化合物 (V) が得られる。 当該工程は公知の方法により行 うことができる。 以下に工程 (C) の例を説明する。
酸による開環は、 溶媒中、 化合物 (III) に酸を作用させることにより行うことがで さる。
溶媒としては、 メタノール、 エタノール、 イソプロパノ一ル、 THF、 アセトン、 水等を挙げることができ、 これらは単独で、 または混合して用いることができる。 こ
れらのうち、 メタノール、 エタノール、 THF等が好ましく、 溶媒の量は、 化合物 (III) 1 kgに対して通常 1〜50L、 好ましくは 3〜30Lである。
酸としては、 PPTS等を挙げることができる。 酸の量は、 化合物 (III) 1モルに 対して通常 1〜50L、 好ましくは 3〜30 Lである。
反応温度は通常— 20〜+8 ΟΤλ 好ましくは 0〜60°Cであり、 反応時間は通常 1〜24時間、 好ましくは 2〜8時間である。
目的物である化合物 (ΠΓ ) は、 常法により単離、 精製することができる。 例えば、 濃縮、 減圧濃縮、 溶媒抽出、 濾過、 晶析、 再結晶、 クロマトグラフィーなどの公知の 方法から一またはそれ以上の方法を適宜選択して単離、 精製することができる。 また、 反応混合物をそのまま次の反応に使用しても良い。
化合物 (m' ) の閉環は、 溶媒中、 塩基の存在下、 化合物 (ιπ' ) を R33SO2-
Hal (R33は低級アルキル基または置換されていてもよいフエ二ル基を示し、 -Halは 前記と同義である。 ) で表される化合物と反応させることにより行うことができる。 溶媒としては、 THF、 MTBE、 1, 4—ジォキサン、 1, 3—ジォキソラン、 トルエン、 キシレン、 ジクロロメタン等を挙げることができ、 これらは単独で、 また は混合して用いることができ、 これらのうち、 THF、 トルエン等が好ましい。 溶媒 の量は、 化合物 (III' ) 1 kgに対して通常 1〜50L、 好ましくは 3〜30Lであ る。
塩基としては、 トリェチルァミン、 ピリジン、 N—メチルモルホリン、 N, N—ジ メチルァニリン、 N, N_ジェチルァニリン等を挙げることができ、 これらのうち、 トリェチルァミン、 ピリジンが好ましい。 塩基の量は、 化合物 (III' ) 1モルに対し て通常 0. 9〜2モル、 好ましくは 1〜1. 5モルである。
R 33 S 02 -Halで表される化合物の好ましい例としては、 メ夕ンスルホニルク口リ ド、 ベンゼンスルホニルクロリド、 p—トルエンスルホニルクロリド等を挙げること ができ、 R33S〇2-Halで表される化合物の量は、 化合物 (III' ) 1モルに対して通 常 0. 9〜2モル、 好ましくは 1〜1. 5モルである。
反応温度は通常一 20〜十 100 、 好ましくは 0〜 50 °Cであり、 反応時間は通 常 1〜24時間、 好ましくは 2〜 8時間である。
なお、 シタロプラムのラセミ体を所望する場合には、 酸により開環し、 次いで環化 する工程は、 例えば硫酸、 p—トルエンスルホン酸、 カンファースルホン酸等の強酸 により処理して実施すればよい。 当該強酸による処理は、 開環と環化を同時に行うこ とができるので簡便である。 しかし、 当該強酸による処理はラセミ化を引き起こし得 るため、 所望するシ夕ロプラムが光学活性体である場合には、 光学活性純度 (e e ) が低下するおそれがある。 工程 ( d )
工程 (d ) は、 化合物 (H ) を化合物 (IV) に変換する工程であり、 工程
( c ) と同様にして行うことができる。 工程 (e )
工程 (e ) は、 化合物 (IV) を化合物 (V) に変換する工程であり、 工程 (b ) と同様にして行うことができる。 上記の方法により得られる化合物 (V) は、 常法により単離、 精製することができ る。 例えば、 濃縮、 減圧濃縮、 溶媒抽出、 濾過、 晶析、 再結晶、 クロマトグラフィー などの公知の方法から一またはそれ以上の方法を適宜選択して単離、 精製することが できる。
化合物 (V) はフリー塩基として得られるが、 必要により酸付加塩にすることがで きる。 当該酸付加塩は、 従来公知の方法により製造することができ、 例えば、 水と混 和しうる溶媒中 (例、 アセトン、 エタノール、 メタノール、 イソプロパノール等) 、 化合物 (V) のフリー塩基を有機酸 (例、 マレイン酸、 フマル酸、 安息香酸、 ァスコ ルビン酸、 パモ酸、 コハク酸、 シユウ酸、 サリチル酸、 メタンスルホン酸、 エタンジ スルホン酸、 酢酸、 プロピオン酸、 酒石酸、 クェン酸、 ダルコン酸、 乳酸、 リンゴ酸、 マンデル酸、 ゲイ皮酸、 シトラコン酸、 ァスパラギン酸、 ステアリン酸、 パルミチン 酸、 ィタコン酸、 グリコール酸、 P—ァミノ安息香酸、 グルタミン酸、 ベンゼンスル ホン酸、 テオフィリン酢酸、 8—八口テオフィリン等) または無機酸 (例、 塩酸、 臭
化水素酸、 スルフィン酸、 スルファミン酸、 リン酸、 硝酸等) 、 好ましくはシユウ酸 と反応させ、 濃縮または冷却によって析出した酸付加塩を濾過等により単離するか、 あるいはジェチルェ一テル、 酢酸ェチルまたはジクロロメタン等の貧溶媒中で反応さ せ、 析出した酸付加塩を単離することにより行うことができる。 得られた該酸付加塩 は、 必要により再結晶に付することにより、 光学純度を上げることができる。 以下、 本発明を参考例および実施例により詳細に説明するが、 本発明はこれらに限 定されるものではない。
参考例 1 5— ( 4—フルオロフェニル) — 7, 7—ジメチルー 5, 9ージヒドロ— 6, 8 —ジォキサベンゾシクロヘプテン— 2—力ルポ二トリルの合成
4 - [ ( 4—フルオロフェニル) —ヒドロキシメチル] — 3—ヒドロキシメチルー ベンゾニトリル (13.43g,52.2mmol) および 2—メトキシプロペン
(ll.29g,156.6mmol) を T H F (50ml) に溶解させ、 0〜5 °C口に冷却した。 その後、 ピリジニゥム p—トルエンスルホン酸 (0.65g,2.6mmol) を添加し、 3時間反応させ た。 反応液に炭酸水素ナトリウム (3.0g) を添加し、 3 0分攪拌した後、 ろ過し、 溶 媒を濃縮した。 得られた残渣を T H F (50ml) に溶解し、 p—トルエンスルホン酸 (0.3g) を添加して 3時間反応させた。 反応終了後、 トルエン (100ml) および 5 % 炭酸水素ナトリゥム水溶液 (50ml) を加えて抽出し、 5 %炭酸水素ナトリゥム水溶 液 (50ml) で洗浄した後、 硫酸マグネシウムで乾燥した。
硫酸マグネシウムをろ過後、 溶媒を濃縮して得られる残渣をジイソプロピルエーテル (25ml) で再結晶を行い、 標題化合物 (13.66g,収率 88.0% ) を得た。
1H-NMR(CDC13, 400MHz) d ppm 1.53 (3H, s), 1.56 (3H, s), 4.62 (1H, d, J=15Hz), 5.32 (1H, d, J=15Hz), 6.03 (1H, s), 6.60 (1H, d, J=8Hz), 7.10 (2H, t, J=9Hz), 7.26-7.33 (3H, m), 7.34 (1H, s). 実施例 1 光学活性 5— ( 4—フルオロフェニル) —7 , 7—ジメチルー 5—ォキシ ラニルメチル _ 5, 9—ジヒドロー 6 , 8—ジォキサベンゾシクロヘプテン一 2—力 ルポ二トリルの合成
2 mol/Lリチウムジィソプロピルアミド (1.94ml, 3.88mmol) を T H F (6ml) に希 釈して一 5 5〜― 5 0 °Cに冷却し、 5— (4—フルオロフェニル) —7 , 7—ジメチ ルー 5 ,
9ージヒドロ— 6, 8—ジォキサベンゾシクロヘプテン一 2—力ルポ二トリル (l.Og, 3.36mmol) の TH F (6ml) 溶液を一 5 5〜― 5 0 °Cで滴下し、 1時間で室温まで昇 温した。 ついで、 (S ) —ェピクロロヒドリン (0.36g, 3.89mmol) の TH F (5ml) 溶液を滴下し、 室温で 5時間反応させた。 反応終了後、 水 (10ml)およびトルエン (10ml)を加えて抽出し、 水層を再度トルエン (10ml)で抽出した液と合わせて水 (10ml) で 2回洗浄して硫酸マグネシウムで乾燥した。 硫酸マグネシウムを濾過後、 溶液を濃 縮し橙色のオイルとして標題化合物 (l.llg、 収率 84.9%) を得た。
1H-NMR(CDCl3,400MHz) dppm 0.69(1.8H,s) 0.69(1.2H,s) 1.41(1.2H,s) 1.44(1.8H,s) 2.05(0.6H,dd,J=6.8,14.2Hz) 2.10(0.6H,dd,J=2.4,4.9Hz) 2.32(0.4H,dd,J=5.9,14.2Hz)
2.42(0.6H,dd,J=4.4,4.4Hz) 2.50(0.4H,dd,J=2.4,4.9Hz) 2.66(0.4H,dd,J=4.4,4.4Hz)
2.76(0.4H,dd,J=4.9,14.2Hz) 2.83-2.87(0.4H,m) 2.94-2.99(0.6H,m) 3.06(0.6H,dd,J=3.9,14.2Hz) 4.48(0.6H,d,J=14.2Hz) 4.50(0.4H,d,J=14.2Hz) 5.25(0.4H,d,J=14.6Hz) 5.29(0.6H,d,J=14.6Hz) 6.96-7.01(2H,m) 7.13-7.32(3H,m) 7.50-7.56(2H,m). 実施例 2 光学活性 5 _ ( 3—ジメチルァミノ— 2—ヒドロキシプロピル) 一 5— ( 4—フルオロフェニル) 一 7 , 7—ジメチルー 5 , 9—ジヒドロー 6, 8—ジォキ サベンゾシクロヘプテン _ 2 _力ルポ二トリル
光学活性 5— ( 4—フルオロフェニル) —7 , 7―ジメチルー 5—才キシラニルメ チル— 5, 9—ジヒドロー 6 , 8—ジォキサベンゾシクロヘプテン— 2―カルポニト リル (l.llg,2.8mmol) を TH F (10ml) に溶解させた溶液に、 5 0 セ%ジメチル ァミン (2.52g,28.0mmol)を室温で加え、 終夜攪拌した。 反応液にトルエン (10ml) お よび水 (15ml) を加え、 有機層を分離後、 水層をさらにトルエン (10ml) で抽出し た。 有機層を合わせて水 (10ml) で 2回洗浄し、 無水硫酸ナトリウムを加え脱水後、 濾過し、 溶媒を留去することにより得られる油状物を、 シリカゲルクロマトグラフィ 一により精製し、 標題化合物 (0.72g、 収率 63%) を得た。
1H-NMR(CDCl3,400MHz) dppm 0.64(1.8H,s) 0.66(1.2H,s) 1.39(1.2H,s) 1.46(1.8H,s) 2.04(3.6H,s) 2.07-2.72(4H,m) 2.17(2.4H,s) 3.36-3.43(0.6H,m) 3.46-3.55(0.4H,m)
4.48(0.6H,d,J=14.2Hz) 4.50(0.4H,d,J=15.1Hz) 5.20(0.6H,d,J=14.2Hz) 5.35(0.4H,d,J=15.1Hz) 6.93-7.02(2H,m) 7.11-7.32(3H,m) 7.46-7.56(2H,m). 実施例 3 光学活性 5— [ 2 - (tert—プチルジメチルシリルォキシ)一 3—ジメチル ァミノプロピル] — 5— ( 4—フルオロフェニル) 一 7, 7—ジメチル一 5, 9—ジ ヒドロ— 6 , 8—ジォキサベンゾシクロヘプテン— 2—力ルポ二トリルの合成
5— (4—フルオロフェニル) — 7 , 7—ジメチルー 5 , 9—ジヒドロ— 6, 8— ジォキサベンゾシクロヘプテン一 2—力ルポ二トリル (l.Og, 3.4mmol) 、 ( S ) - [ 2 - (tert-プチルジメチルシリルォキシ) 一 3 _クロ口一プロピル] ージメチル ァミン (1.10g,4.4mmol) およびヨウ化テトラブチルアンモニゥム (2.73g, 7.4mmol) を D M I (Ν,Ν-ジメチルイミダゾリジノン) (10ml) に溶解させた溶液を脱気した 後、 窒素雰囲気下 6 O w t %水素化ナトリウム (161mg, 4.0mmol) を添加し、 8 0〜 8 5 °Cに加熱して 5時間反応させた。 反応終了後、 5 %炭酸水素ナトリウム水溶液 (20ml) およびトルエン (20ml) を加えて抽出し、 水層をトルエン (20ml) で再度 抽出した有機層を合わせて 5 %炭酸水素ナトリウム水溶液 (20ml) で 2回洗浄し、 無水硫酸ナトリウムを加え脱水後、 濾過し、 溶媒を留去することにより得られる油状 物を、 シリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、 標題化合物 (0.48g、 収率 28%) を得た。 実施例 4 光学活性 5— (3—ジメチルァミノプロピル) 一 5— (4—フルオロフェ ニル) — 7 , 7—ジメチルー 5, 9ージヒドロー 6 , 8—ジォキサベンゾシクロヘプ テン一 2—力ルポ二トリルの合成
光学活性 5— (3—ジメチルァミノ— 2—ヒドロキシプロピル) 一 5— (4一フル オロフェニル) — 7 , 7—ジメチルー 5 , 9—ジヒドロ— 6 , 8—ジォキサベンゾシ クロヘプテン— 2—力ルポ二トリル (300mg, 0.77mmol)を、 T H F (3ml)中、 トリェチ ルァミン (400mg, 3.95mmol)存在下、 メ夕ンスルホニルク口リド (130mg, 1.13mmoDを作
用させ対応するメタンスルホニルエステルとした後、 キシレン (3ml)中で、 1, 8— ジァザビシクロ [5. 4. 0] ゥンデセ一 7—ェン (DBU) (230mg,1.51mmol)を作 用させ、 さらに硫黄で被毒した酢酸ェチル (5ml)中、 パラジウム炭素触媒下、 水素添 加してカラム精製することにより、 表題化合物を得る。
1H-NMR(CDCl3,400MHz) dppm 0.66(3H,s) 0.81-0.98(lH,m) 1.38(3H,m) 1.60- 1.72(lH,m) 2.00-2.08(lH,m) 2.11(6H,s) 2.13-2.25(2H,m) 2.52-2.60(lH,m)
4.43(lH,d,J=14.6Hz) 5.20(lH,d,J=14.2Hz) 6.93-6.97(2H,m) 7.16-7.33(3H,m) 7.45-7.52(2H,m). 実施例 5 光学活性 5— (3—ジメチルァミノプロピル) 一 5— (4—フルオロフェ ニル) —7, 7—ジメチル— 5, 9—ジヒドロー 6, 8—ジォキサベンゾシクロヘプ テン一 2—力ルポ二トリルの合成
光学活性 5— (3—ジメチルアミノー 2—ヒドロキシプロピル) 一 5— (4—フル オロフェニル) 一7, 7—ジメチル— 5, 9—ジヒドロ _ 6, 8—ジォキサベンゾシ クロヘプテン _ 2—力ルポ二トリルを、 THF中、 トリェチルァミン存在下、 メタン スルホニルクロリドを作用させ、 対応するメタンスルホニルエステルとした後、 DM
Fを溶媒としてヨウ化ナトリウムを作用させ、 対応するヨウ素化物に変換した後、 ト ルェン中、 トリプチルスズヒドリドとァゾビスイソプチロニトリル (AI BN) を作 用させることにより、 表題化合物を得る。 実施例 6 光学活性一 1一 (4一フルオロフェニル) _ 1一 (3—ジメチルアミノブ 口ピル) 一 5_フタラン力ルポ二トリル (光学活性シタロプラム)
光学活性 5— (3—ジメチルァミノプロピル) — 5— (4一フルオロフェニル) ― 7, 7—ジメチルー 5, 9—ジヒドロ— 6, 8—ジォキサベンゾシクロヘプテン一 2 一力ルポ二トリルをメタノール中、 p—トルエンスルホン酸ピリジニゥムを触媒量加 えることにより開環させ、 THF中、 トリェチルァミン存在下、 メタンスルホエルク 口リドを作用させることにより、 表題化合物を得る。
本発明の光学活性シタロプラムの製造方法によれば、 工業的にも適用可能な方法で 効率的に光学活性シ夕ロプラムを製造することができる。 また、 本発明の製造方法に おけるキー中間体である化合物 (Π ) は光学活性シタロプラムの製造に有用である。