WO2005115683A1

WO2005115683A1 - 金属製筒状部材の製造方法

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Publication number: WO2005115683A1
Application number: PCT/JP2005/009670
Authority: WO
Inventors: Hidenori Nakano
Original assignee: Sango Co., Ltd.
Priority date: 2004-05-28
Filing date: 2005-05-26
Publication date: 2005-12-08
Also published as: EP1757402B1; EP1757402A4; US20070227001A1; EP1757402A1; JPWO2005115683A1; US7866044B2

Abstract

　２個以上の筒構成体からなり、かつ、少なくとも１箇所において筒構成体相互の重合部を有する金属製筒状部材であって、その重合部における内側に位置する一方の筒構成体の開口した一方の環状端部と、外側に位置する他方の筒構成体の開口した他方の環状端部を溶接により一体的に接合する金属製筒状部材の製造方法において、一方の環状端部を、その外径をダイスにより他方の環状端部の内径よりも小径になるように加圧した状態で他方の環状端部内へ挿入し、その後、内側の一方の環状端部への加圧力を解除して、内側の一方の環状端部を、そのスプリングバックにより外側の他方の環状端部の内面に密着させることを特徴とする。

Description

金属製筒状部材の製造方法

技術分野

[0001] 本発明は金属製筒状部材の製造方法に関する。

背景技術

[0002] 従来、薄い金属板から形成される金属製筒状部材の製造方法として、筒体の開口部に、その開口部を閉塞する端板 (蓋)を圧入嵌合して筒体と端板との重合部を形成し、その重合部を溶接により一体的に接合する方法が一般的である。

[0003] このような重合部を形成する際の重合部の密着方法として、例えば次のような方法が知られている。

[0004] 図 18Aに示すように、筒体 101の開口部 102の内径 D10を端板 103の外径 Di l り若干小さく設定し、図 18Bに示すように、前記端板 103を開口部 102に圧入嵌合して溶接 104で接合する方法 (特許文献 1参照)がある。これを第 1の従来の技術とする。

[0005] また図 19に示すように、車両の消音器において、薄板製の筒体 201の両端に薄板製の端板 202を圧入嵌合し、これらの重合部分の全周をレーザ溶接 203により固定する方法 (特許文献 2参照）がある。これを第 2の従来の技術とする。

[0006] さらに図 20Aに示すように、先ず、筒体 301の開口部 302の内径を一般部内径より大径にするとともに該開口部 302内に端板 (金属リング） 303を緩く挿入し、次に、図 20 (b)に示すように、筒体 301の開口部 302をダイスに加圧通過させて開口部 302 を縮径し、該開口部 302と端板 303とを密着させ、次に、前記密着部をレーザ溶接 3 04する方法 (特許文献 3参照)。これを第 3の従来の技術とする。

特許文献 1 :実開昭 59— 192661号公報

特許文献 2：特開平 10— 24381号公報

特許文献 3：特開平 3 - 84850号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題 [0007] ところで、前記のような金属板相互の溶接の種類としては、 MIG溶接や TIG溶接等によるアーク溶接、または、レーザ溶接に代表される高エネルギー溶接などがあるが、特に、レーザ溶接を採用した場合には、重合部の隙間が板厚の約 1Z3以上であると溶接の不具合が発生しやすくなる問題がある。そのため、レーザ溶接においては、重合部を全周にわたって密着、すなわち、隙間を板厚の約 1Z3以下にすることが要求される。

[0008] そのため、このような重合部の密着の要求に対応するための密着方法として前記の従来の技術が採用されているが、これらの従来の技術には次のような問題がある。

[0009] 図 18Aから図 18Bに示す第 1の従来の技術においては、圧入前の単品状態における筒体 101の開口部 102の内径 D10および端板 103の外径 D11がバラついていたり、どちらかの断面形状力バラついていると、すなわち、両者が相対的に異形断面になっていると、圧入できない問題や、断面全周にわたって均一に密着されない問題や、筒体 101に端板 103が傾いて圧入されてしまう問題があり、溶接品質の低下や作業性の悪ィ匕を招く問題がある。

[0010] また、図 19の第 2の従来の技術に示すように、消音器において、筒体 201の両端に端板 202を圧入嵌合する方法においては、一般に筒体 201が大径 (数十 cm)であるのに対して板厚が薄い（1. 0〜2. Omm程度)ことから、両者の断面形状差と径差による圧入の困難さが顕著であり、量産性を著しく悪化させているという問題がある。

[0011] また、図 20Aから図 20Cに示す第 3の従来の技術においては、ダイスの通過途中においては筒体 301の開口部 302と端板 303とが密着するものの、ダイスの通過後はスプリングバック作用により筒体 301の開口部 302の径が拡がってしまい、両者が密着しない問題がある。更に、この従来の技術においては、両者を嵌合した後に開口部 302を扱く追加加工が不可欠となり、加工時間や費用の増大を招き、これが量産においてネックとなる。

[0012] そこで、本発明は、これらの問題を解決する金属製筒状部材の製造方法を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

[0013] 前記の課題を解決するために本発明は、筒状部材を構成する一方の筒構成体の環状端部を他方の筒構成体の環状端部に嵌合してこの重合部を溶接する金属製筒状部材の製造方法において、その二つの筒構成体において内側に存在する筒構成体の環状端部 (内側の環状端部と称す)の外径を外側に存在する筒構成体の環状端部 (外側の環状端部と称す)の内径よりも小さくして挿入し、その後に内側の環状端部の外側をスプリングバックにより拡径させて内側の環状端部の外面を外側の環状端部の内面に密着させることを主な特徴とする。

[0014] この目的を達成するために、本発明の第 1のアスペクトによると、 2個以上の筒構成体からなり、かつ、少なくとも 1箇所において筒構成体相互の重合部を有する金属製筒状部材であって、その重合部における内側に位置する一方の筒構成体の開口した一方の環状端部と、外側に位置する他方の筒構成体の開口した他方の環状端部を溶接により一体的に接合する金属製筒状部材の製造方法において、

一方の環状端部を、その外径をダイスにより他方の環状端部の内径よりも小径になるように加圧した状態で他方の環状端部内へ挿入し、その後、内側の一方の環状端部への前記の加圧力を解除して、該内側の一方の環状端部を、そのスプリングバックにより外側の他方の環状端部の内面に密着させることを特徴とするものである。

[0015] 本発明においては、内側に嵌合される一方の筒構成体の一方の環状端部のスプリングバックにより、内側の一方の環状端部と外側の他方の環状端部とを密着させることができ、この密着した重合部の溶接が容易かつ、確実に行える。

[0016] この第 1のアスペクトにおいて、少なくとも 1つの筒構成体内に内蔵物を配置してもよい。

[0017] また本発明の第 2のアスペクトによると、 2個以上の筒構成体力なり、かつ、少なくとも 1箇所において筒構成体相互の重合部を有する金属製筒状部材であって、その重合部における内側に位置する一方の筒構成体の開口した一方の環状端部と、外側に位置する他方の筒構成体の開口した他方の環状端部を溶接により一体的に接合する金属製筒状部材の製造方法にお!、て、

外側に位置する他方の筒構成体を保持部において保持する第 1の工程と、さらに最小径が他方の環状端部よりも小さいテーパ部を形成されたダイスの、該テーパ部に一方の環状端部を通過させて該一方の環状端部を保持された他方の環状端部内へルーズに挿入する第 2の工程と、

前記ダイスを分割し、保持されていた外側に位置する他方の筒構成体から離隔させる第 3の工程とを含むことを特徴とするものである。

[0018] 第 2のアスペクトにおいては、一方の筒構成体の一方の環状端部がダイスのテーパ部により横断面形状と径が修正されるとともに他方の筒構成体の他方の環状端部の内径よりも小径にされて、他方の環状端部内へスムースに挿入される。その後、ダイスを分割開放することにより、内側の一方の環状端部力 Sスプリングバックにより拡径され、外側の他方の環状端部の内面に密着する。

[0019] この第 2のアスペクトにおいて、さらに内蔵物を少なくとも 1つの筒構成体内に配置する工程を含んでもよい。

[0020] 本発明において、筒構成体の少なくとも 1つを端板とし、少なくとも 1つを筒状体としてもよい。

[0021] また本発明において、筒構成体を 2個とし、この 2個の筒構成体が椀状に形成されていてもよい。

[0022] さらに本発明において、挿入時における外側の他方の環状端部の内径と内側の一方の環状端部の外径との径差が、内側の一方の環状端部がダイスの離隔により拡径するスプリングバック量以下であってもよい。

[0023] これらの構成においても前記と同様の作用、効果を発揮する。

また第 2のアスペクトにおいて、ダイスは、前記の保持部とテーパ部を筒構成体の挿通方向で隣接してかつ同軸で有し、また該軸に対して放射状に分割離反可能に形成されていてもよい。

[0024] 上記構成においては、更に、内側の一方の環状端部と外側の他方の環状端部の同軸性が確保され両者の重合作業が良好に行われ、かつ、部材の脱型も容易に行える。

[0025] さらに第 2のアスペクトにおいて、他方の環状端部は、その挿入側においてダイスに一体的に設けられたテーパ部を通過して縮径加工を経た後に保持部に至り、該保持部によって保持されてもよい。

[0026] 上記構成においては、更に、ダイスによって他方の環状端部が、その横断面形状と径とが修正され、かつ、保持される。

[0027] また本発明におヽて、前記溶接をレーザ光溶接で行うようにしてもょ、。

[0028] このように重合部をレーザ光で溶接する場合に本発明は特に有効である。

[0029] また本発明にお、て、前記金属製筒状部材は消音器の外殻としてもよ!、。

[0030] また本発明におヽて、前記金属製筒状部材は排気浄化装置の外殻としてもよ!ヽ。

[0031] さらに本発明において、前記金属製筒状部材は、自動車用のインパネ'リインフォースメントとしてもよい。

[0032] これらの適用にお、ても、各部材の製造にお!、て前記の作用、効果を発揮することができる。

発明の効果

[0033] 本発明によれば、内側の一方の環状端部自身のスプリングバックを積極的に利用することにより、単品状態における寸法や形状の精度のバラつきがあっても、内側の一方の環状端部と外側の他方の環状端部の重合部を容易かつ確実に密着させることができ、該部の溶接性が向上する。

発明を実施するための最良の形態

[0034] 本発明を実施するための最良の形態を図 1乃至 17に示す実施例に基づいて説明する。

実施例 1

[0035] 図 1A乃至図 6は実施例 1を示し、その図 1Aは使用するダイスの平面図、図 1Bは図 1Aにおける Y— Y線断面図、図 1Cはダイスの底面図、図 2乃至図 5は前記ダイスを使用して金属製筒状部材を製造する工程を示す図である。

[0036] 図 1A—図 1Cにおいて、ダイス 1の中央部には揷通穴 2が貫通形成されており、その周面には、図 1Bにおける上力も順に、上方が拡径した漏斗状の第 1テーパ部 3、ダイスの軸芯 Xと平行する第 1絞り部 4、ダイスの軸芯 Xと平行する保持部 5、ダイスの軸芯 Xと平行する第 2絞り部 6、下方が拡径した第 2テーパ部 7が連続して、かつ、軸芯 Xと同軸で形成されている。すなわち、前記各部は揷通方向に隣接し、かつ、同軸に設けられている。

[0037] なお、前記各第 1絞り部 4、保持部 5および第 2絞り部 6は、軸芯 X方向において連続、すなわち、一体的に形成されているが、ダイス 1をその軸芯 X方向において複数に分離して前記の各部 4〜6を分割的に形成してもよい。しかし、剛性上及び重合精度上から図 1に示すように一体的に形成することが望ま、。

[0038] 前記ダイス 1は、その軸芯 Xを含む平面において、すなわち、軸芯 Xを中心とする周方向に複数個に分割されている。図の実施例では 2個のダイス構成体 1A、 IBに分割されている。図 1において、 8はダイス 1の分割部を示す。更に、両ダイス構成体 1A 、 1Bは図示しない駆動手段により図示 A, B方向へ移動されるようになっており、ダイス構成体 1Aを図示 A方向へ移動し、ダイス構成体 1Bを B方向へ移動することにより相対的に離間して開き、ダイス構成体 1Aを B方向へ移動し、ダイス構成体 1Bを A方向へ移動することにより相対的に近接して閉じるようになって、る。

[0039] なお、前記のダイス 1は、放射状に 3個以上に分割して、これらを開閉移動させてもよぐまた、ダイスの駆動手段も任意なものを使用する。

[0040] 前記第 1テーパ部 3の最小径、すなわち、第 1絞り部 4の内径 D1と、第 2テーパ部 7 の最小径、すなわち、第 2の絞り部 6の内径 D2と保持部 5の内径 D3との関係は、 D1 < D2< D3に設定されて!、る。

なお以下の実施例では、加工される部材の板厚を lmmとした場合に、 D2と D1の差は 2mmから 1. 6mmの間でその両端を含んで設定されている。

[0041] 次に、製造される金属製筒状部材について説明する。

先ず、一方の筒構成体を用意する。この筒構成体として、実施例では図 3乃至図 5 に示すように両端が開口した筒状体 21を用いている。この筒状体 21の材質及び板厚は、例えば消音器においては、一般的な日本工業規格 (JIS)における SUS432T や SUS409等のステンレス材を使用し、またその板厚は 1. 0〜1. 2mmのものを使用するが、他の金属材ゃ板厚でもよぐまた、断面形状も任意である。本実施例 1では、この筒状体 21が内側に位置する一方の筒構成体に対応する。

[0042] 次に、他方の筒構成体を用意する。この筒構成体として、実施例では図 2乃至図 5 に示すような底部 11と環状フランジからなる開口した環状端部 12を有する椀状の端板 13を用いている。また、本実施例では段部 14を設けて一段の拡径を施して環状端部 12を形成してヽるが、この段部 14を形成することなく環状端部 12を形成してもよい。また、端板 13とは前記のような椀状のものに限られるものではなぐ更に板状のものに限るものではなぐ重合される相手側の筒構成体を閉塞する部材の意味である。この端板 13の材質及び板厚は、前記の筒状体 21と同じである力他の金属材ゃ板厚でもよい。

[0043] また、椀状の端板 13の成形方法としては、金属製の平板を公知のプレス加工ゃスピニング加工等により成形すればよぐまた、その横断面形状は、真円、楕円、長円や三角形、四角形等の多角形等任意である。また、径ゃ深さ (軸方向の長さ)も任意である。

本実施例ではこの端板 13が外側に位置する他方の筒構成体に対応する。

[0044] そして、端板 13の環状フランジカもなる開口した環状端部 12に筒状体 21の開口した環状端部 22を内嵌合し、この両者の重合部を、その外側からレーザ光を走査して貫通レーザ溶接し、筒状体 21と端板 13からなる金属製筒状部材を製造する。

[0045] 次に前記のような金属製の筒状部材を製造する工程を図 2乃至図 6により説明する図 2はダイス 1の両構成体 1A、 IBが閉じた状態において、前記のように椀状に形成された端板 13の環状端部 12を、ダイス 1の第 2テーパ部 7側から、その第 2テーパ部 7のテーパ面を圧入ガイドにして保持部 5まで挿入する過程の図であって、環状端部 12は、第 2テーパ部 7によって縮径されながら第 2絞り部 6に達し、第 2絞り部 6によつて縮径量が定められる。これにより、環状端部 12は若干量縮径され、かつ真円或いは略真円に口径修正される。この環状端部 12の縮径量は任意であるが、後述のように、縮径後の解放によって所定量のスプリングバックが生じるようにする。

[0046] 本実施例においては、例えば、真円であるべき環状端部 12の外径が、挿入前において、最小直径部で 100mm、最大直径部で 102mmのように非真円断面になっていても、この環状端部 12を第 2テーパ部 7及び第 2絞り部 6に通すことにより、その環状端部 12が真円断面或いは略真円断面に矯正（口径修正)されるとともに、外径で約 lmm縮径されるようにする。この約 lmmの縮径とは、圧入前における非真円な環状端部 12の実周長を真円直径に換算し、その換算値に対し直径で約 lmm縮径することである。すなわち、第 2テーパ部 7の最小内径 (第 2絞り部 6の内径）は、環状端部 12の真円直径換算値に対し、マイナス 1mmに設定しておく。

[0047] 前記のように端板 13の環状端部 12を縮径すると、該端板 13の環状端部 12が前記のような材質、板厚、直径の場合、前記のような lmmの縮径は塑性変形を生じるが、仮に、この縮径状態（図 2の状態)でダイス 1の両構成体 1A、 IBを開放すると、環状端部 12は拡径方向へ約 0. 4mmのスプリングバックが生じ、実際には約 0. 6mmの塑性変形により縮径する。

[0048] すなわち、環状端部 12は、図 6において、実線で示す縮径前の状態 12a (内径 D4 )力も第 2テーパ部 7によって dl量縮径して鎖線 12bの状態（内径 D6)になり、その後、環状端部 12がダイス 1の保持部 5に至ることにより、環状端部 12が前記縮径状態 1 2bからスプリングバックにより自ら d2量拡径して鎖線 12cの状態 (内径 D5)に戻る。この状態 12cにおける縮径前の状態 12aからの縮径量は d3である。そして、ダイス 1が開放されると、環状端部 12がスプリングバックにより鎖線 12cより僅かに拡径し、前記 d3より僅かに小さい量の塑性変形が生じる。

dlから d3および後述する d4と d5が図 6では半径分として記載されている力明細書ではスプリングバック量、縮径量、拡径量は直径分として記載されている。そのため、直径としてのスプリングバック量、縮径量、拡径量は図の 2倍として取り扱う。

[0049] なお、図 2において、環状端部 12の縮径量は端板 13の全体に比べて僅かであり、かつ、本来、端板 13の底部 11は縮径しないが、この変形状態を図で表すことは困難であり、また、本発明の環状端部の変形状態のみ明らかにするために、底部 11も図では縮径して表わした。また、以下に示す図 3乃至図 5における底部 11も環状端部 1 2の拡径に合せて拡径して表わした。

[0050] 図 3は、前記図 2の状態力も端板 13をダイス 1内へ更に圧入して、その環状端部 12 をダイス 1の保持部 5に拡径嵌合させて、端板 13をダイス 1に保持させた状態を示す

[0051] 前記ダイス 1の保持部 5の内径 D3は、前記約 0. 4mmのスプリングバック後の環状端部 12の外径と略一致するように、第 2テーパ部 7の最小径 (第 2絞り部 6の内径)プラス約 0. 4mmに設定されている。しかし、環状端部 12のスプリングバック時の外径と保持部 5の内径が同径であると環状端部 12が保持されないので、環状端部 12が、これと、保持部 5との摩擦力で把持されるように、保持部 5の内径はスプリングバック後の環状端部 12の外径よりも若干小径に設定されている。

[0052] 以上のようにして端板 13の環状端部 12は、本来の正しい断面形状および外径に修正されて、かつ、保持部 5によってダイス 1の軸芯 Xと同芯上に、すなわち、後述する筒状部材と同軸上にセットされて次工程を待つ。

[0053] 次に、筒状体 21を図 3に示すように、前記端板 13の挿入側と反対側力もダイス 1の第 1テーパ部 3へ挿入する。

本実施例において、縮径前の状態における筒状体 21の環状端部 22cの外径 D8 は、縮径前の状態における端板 13の環状端部 12aの内径 D4に対し同じ力、もしくは、縮径前の環状端部 22cの外径 D8が、縮径前の環状端部 12aの内径 D4に対して若干大きぐ好ましくは 0. 2mm大きく設定されている。

[0054] この筒状体 21の環状端部 22も図 4に示すように、第 1テーパ部 3および第 1絞り部 4 を通過することによって、断面形状と外径が正しく修正され、その後、前記のようにセットされた環状端部 12に重合したところで挿入を停止する。

[0055] このとき、前述の第 2テーパ部 7と同様に、第 1テーパ部 3 (第 1絞り部 4)にお、て筒状体 21の環状端部 22を lmmだけ縮径させる。

[0056] なお、筒状体 21の環状端部 22も前述の端板 13の環状端部 12と同様に真円換算して lmm縮径させ、また、 0. 4mmのスプリングバックが生じるようにする。なお、筒状体 21の変形状態も前述の環状端部と同様に図で表すことは困難で、また環状端部の変形状態のみ表すため縮径して表した。

[0057] この筒状体 21の環状端部 22の縮径前の状態は図 6の鎖線 22cの位置にあり、環状端部 22が第 1テーパ部 3の最小直径部 (第 1絞り部 4)に挿通された状態においては、第 1テーパ部 3の最小直径 (第 1絞り部 4の内径)と筒状体 21の環状端部 22の外径を D1とし、セットされている環状端部 12の内径を D5とすると、 DK D5の関係にある。すなわち、環状端部 22の外径 D1と環状端部 12の内径 D5の間には図 6に示すように直径方向の片側にぉ、て隙間 d4が存在する。この隙間 d4の 2倍 (直径での隙間）は、確実に Omm≤ (d4 X 2)≤0. 4mm、すなわち Omm≤ (D5— Dl)≤0. 4 mmとなるように各部を設定する。 [0058] このように、環状端部 22と環状端部 12との間には隙間 d4が存在するため、筒状体 21の環状端部 22は端板 13の環状端部 12内にルーズに挿入できる。また、この両者 12、 22とも断面形状および径が修正済みであるので、この挿入にあたって両者が相互に干渉せず、確実な挿入が行える。

なお図 6における環状端部 12と環状端部 22の板厚は縮径および拡径の変化量より大きいが、理解を容易にするため、模式的に描いている。

[0059] また、図示しないが、重合部 30の長さ（ラップ長）を重合部全周にわたり一定にするために、一方の筒構成体の環状端部の板厚端面力も所望のラップ長だけ離れた位置であって、筒構成体の円周上の少なくとも 1箇所に、径方向へ突出するビードを予め形成し、他方の筒構成体の環状端部の板厚端面をビードに当接するまで挿入してもよい。例えば、筒状体 21の環状端部 22の板厚端面力も所望のラップ長だけ離れた位置の円周上 4箇所に、放射方向（外側)へ突出する円弧断面のビードを予め形成しておき、端板 13の環状端部 12の板厚端面が前記のビードに当接するまで挿入してもよい。但し、挿入時にビードとの干渉を避けるための長手方向の凹溝をダイスに形成する必要があり、その凹溝位置における重合部の密着性が若干劣るおそれがあり、ビードの位置や形状に配慮しなければならな!/、。

[0060] 次に図 5に示すようにダイス 1の構成体 1Aを A方向へ移動し、構成体 1Bを B方向へ移動して相対的に離隔（開放)すると、筒状体 21の環状端部 22がスプリングバックにより図 6の鎖線 22aに示すように拡がり、その環状端部 22の外径が図 6に示すように、前記の外径 D1から D7までに拡径しょうとする。この拡径量 d5の 2倍（直径としての拡径量）は約 0. 4mmであり、 D5≤D7である。したがって、前記隙間 d4の 2倍（直径としての隙間）が 0. 4mm以下に設定 (d4≤d5)されているため、筒状体 21の環状端部 22の外面は環状端部 12の内面に強固に密着し、隙間がない重合部 30が形成される。

[0061] なお、ダイス 1の開放により厳密には環状端部 12もスプリングバックによって僅かだけ拡径するが、そのスプリングバック量を、筒状体 21の環状端部 22のスプリングバックによって、この環状端部 22が環状端部 12に密着するように、 0. 4mmに対して充分小さくなるように設定しておく。 [0062] 前記のダイス 1の両構成体 1A、 IBの相対的な離隔（開放）によって、一体的に連結された筒状体 21と端板 13は、図 5の下方に落下するが、予め一方を図示しない装置で把持しておくと良い。例えばロボットアームで把持しておき、次工程である溶接工程へ搬送すると効率が良い。

[0063] 次に、前記の一体ィ匕された筒状体 21と端板 13は溶接工程に搬送され、その完全密着されて隙間がない重合部は、レーザ溶接、アーク溶接等による隅肉溶接や重合溶接により確実に接合され、所望の金属製筒状部材が完成する。

実施例 2

[0064] 図 7は実施例 2を示す。

前記実施例 1においてはダイス 1に第 2絞り部 6を形成した力図 7に示すようにこの第 2絞り部 6を形成することなぐ保持部 5を第 2テーパ部 7まで延長して形成してもよい。

[0065] この図 7に示すダイス 1のその他の構造は前記実施例 1と同様であるため、前記実施例 1と同様の部分には前記と同一の符号を付してその説明を省略する。

[0066] 本実施例 2においては、端板 13の環状端部 12を前記実施例 1と同様に第 2テーパ部 7側から保持部 5へ直接圧入し、その後、前記実施例 1と同様の工程を行なうことにより、前記と同様の作用、効果を発揮することができる。

[0067] また、この実施例 2のダイス 1にお、ては、前記他方の筒構成体である端板 13を、前記実施例 1で説明したように、ダイス 1の保持部 5で保持したり或、はロボットで保持してもよいが、次の実施例 3で示すように、端板受け 40を設けて、この端板受け 40 で保持するようにするとよヽ。

実施例 3

[0068] 図 8及び図 9は実施例 3を示す。

ダイス 1は前記実施例 2と同様の構造であり、前記と同様の部分には前記と同一の符号を付してその説明を省略する。

[0069] また、ダイス 1の下側には、端板受け 40が配置されており、該端板受け 40は、図示しない昇降駆動手段により昇降するようになっている。該端板受け 40は、底板 41と、該底板 41の外周部において段状に隆起した受け面 42と、該受け面 42の外周に更に隆起した周壁 43とからなり、上側が開口した皿状に形成されている。

[0070] 更に、前記受け面 42は、前記端板 13の底面外周部を支承する径に形成され、前記周壁 43の内周面は前記端板 13の環状端部 12よりも下方の外周面を支承するように形成されている。更に、これらの受け面 42と周壁 43の内面は、端板 13及びダイス

1と同芯的に形成されている。

[0071] 更に、前記端板受け 40における底板 41の内面には、位置決めのピン 44が立設されている。

[0072] 該位置決めピン 44は、例えば、後述する図 14Aに示す消音器における端板 (筒構成体 13A)を端板受け 40にセットする場合に、そのパイプ 51の内空部内に位置決めピン 44が嵌合し、端板 13の周方向の位置決めがされるようになつている。また、この場合、ノイブ 51の外端部が端板 13より下方へ突出するため、この突出部が端板受け 40と干渉しないよう〖こ、端板受け 40の底板 41の上面に、凹部 45が形成されている。

[0073] 本実施例 3においては、端板 13を端板受け 40により図 9に示すように支承し、端板受け 40の昇降により端板 13のダイス 1内への挿入操作と、ダイス 1からの脱型操作を行うようになっている。

[0074] 本実施例 3においても、前記実施例 1と同様の工程により、前記と同様の作用、効果を発揮することができる。

[0075] なお、本実施例 3においては、図 8に示すように、一方のダイス構成体 1 Aと他方のダイス構成体 1Bとの相互の接合面の一方に係合ピン 46が突設され、他方に前記係合ピン 46が嵌入する係合穴 47が形成され、両ダイス構成体 1A、 IBを相互に接合した場合に係合ピン 46が係合穴 47に嵌合して、両ダイス構成体 1A、 IBが同芯になるようになっている。

[0076] この係合ピン 46と係合穴 47は、前記実施例 1及び 2のダイス 1にも設けられている。

実施例 4

[0077] 図 10は実施例 4を示す。

本実施例 4は、前記の一方の筒構成体である筒状体 21および他方の筒構成体である端板 13に前記の段部 14を形成しないで、端板 13の環状端部 12と筒状体 21の環状端部 22を重合したものである。

[0078] 本実施例 4においても前記実施例 1と同様のダイス構造及び工程により、前記と同様の密着した重合部を形成することができる。

実施例 5

[0079] 図 11は実施例 5を示す。

本実施例 5は、前記端板 13には前記の段部 14を形成せず、前記筒状体 21の環状端部 22に小径段部 22bを形成して、端板 13の環状端部 12と筒状体 21の環状端部 22を重合したものである。

[0080] 本実施例 5においても前記実施例 1と同様のダイス構造及び工程により、前記と同様の密着した重合部を形成することができる。

実施例 6

[0081] 図 12は実施例 6を示す。

本実施例 6は、段部を形成しない筒状体 21の両環状端部 22に、段部 14を形成した端板 13、 13の環状端部 12、 12を外嵌めして重合したものである。

[0082] 本実施例 6においても前記実施例 1と同様のダイス構造及び工程により、前記と同様の密着した重合部を形成することができる。

本実施例 6においては、図 12に示すように、前記と同様のダイス 1を 2個、筒状体 2 1および端板 13と同軸に、かつ、第 1テーパ部 3が対向するようにして配置する。そして、実施例 1と同様の工程により、先ず一方のダイス 1により一方の重合部を形成し、次に他方のダイス 1により他方の重合部を形成してもよいし、さらに、両重合部を同時に形成してもよい。

前者の場合は、先ず、一方 (例えば図 12の下側)のダイス 1により前記実施例 1と同様の工程によって筒状体 21と端板 13の一方の重合部を形成した後、他方 (例えば図 12の上側）のダイス 1に他方の端板 13をセットし、その後、前記一方のダイス 1で重合された半完成品を、一方のダイスで把持した状態のまま、他方のダイス 1へ向けて相対的に近接移動し、前記実施例 1の工程により、筒状体 21と端板 13の他方の重合部を形成するようにしてもょヽ。

また、後者の場合は、前記 2個のダイス 1に予め端板 13をそれぞれセットし、この端板 13がセットされた両ダイス 1を、筒状体 21の両環状端部 22へ向けて相対的に近接移動させて、両重合部を同時に形成してもよい。

両ダイス 1は、図示しない駆動手段により、筒状体 21および端板 13の軸方向へ相対的に近接させたり離反させたりするようにしてもょ、。

実施例 7

[0083] 図 13は実施例 7を示す。

本実施例 7は、前記実施例 1における筒状体 21を、板材から椀状に深絞り加工 (プレス加工)された有底状筒体とし、その開口した環状端部 22を端板 13の環状端部 1

2に重合したものである。

[0084] 本実施例 7においても前記実施例 1と同様のダイス構造及び工程により、前記と同様の密着した重合部を形成することができる。

実施例 8

[0085] 前記各実施例は、他方の筒構成体である端板 13の環状端部 12を一方の筒構成体である筒状体 21の環状端部 22に外嵌めした例である力前記各実施例において、筒状体 21の環状端部 22を端板 13の環状端部 12に外嵌めするようにしてもよい。すなわち、筒状体 21を外側に位置する他方の筒構成体とし、端板 13を内側に位置する一方の筒構成体としてもよい。なお、この実施例 8は図示されていない。

[0086] この場合には、前記筒状体 21の環状端部 22をダイス 1における第 2テーパ部 7側から挿入し、端板 13の環状端部 12をダイス 1における第 1テーパ部 3側力も挿入することにより行える。

実施例 9

[0087] 図 14Aから図 14Bは内燃機関の排気系に接続される消音器の外殻 (外筒）の製造方法に本発明を適用した実施例 9である。

[0088] すなわち、金属製の板材を椀状に深絞りプレス加工して形成された 2個の有底状の筒構成体 13A、 21Aを用い、かつ、他方の筒構成体 13Aに環状端部 12Aを形成する。この他方の筒構成体 13Aが前記実施例 1における端板 13に相当し、その環状端部 12Aが前記環状端部 12に相当し、また、一方の筒構成体 21 Aが前記実施例 1における筒状体 21に相当し、環状端部 22Aが前記環状端部 22に相当する。 [0089] そして、他方の筒構成体 13Aにインレットパイプ 51と有孔隔壁 52とアウトレットパイプ 53の内蔵物を備え、その他方の筒構成体 13Aにおける環状端部 12Aを前記のダイス 1における第 2テーパ部 7から前記のように挿入し、その後に、一方の筒構成体 2 2Aの環状端部 22Aを前記ダイス 1における第 1テーパ部 3から前記のように挿入して、この環状端部 12Aと環状端部 22Aを前記のように重合する。なお、有孔隔壁 52は筒構成体 13Aにスポット溶接で固定されている。

[0090] そして、この環状の重合部をレーザ光などによる溶接 Wにより接合する。

このような消音器の外筒 (筒構成体）は、その板厚が薄いため、本発明による嵌合方法、すなわち、製造方法が特に有効である。

実施例 10

[0091] 図 15は実施例 10を示す。

本実施例 10は、本発明を、自動車などに搭載される排気ガス浄ィ匕装置の外殻及び、該排気ガス浄化装置に連設された消音器の外殻の製造に適用する実施例を示す。

[0092] この図 15に示す構造は、前記の環状端部 12と同様の環状端部 61を形成するとともに排気吸入パイプ 62を設けた第 1の筒構成体である端板 60と、環状端部 64を前記端板 60の環状端部 61に内嵌めした第 2の筒構成体 63と、環状端部 69を前記第 2 の筒構成体 63の環状端部 65に内嵌めした第 3の筒構成体 68と、環状端部 75を前記第 3の筒構成体 68の環状端部 70に内嵌めし、他端に底板 74を形成した椀状の第 4の構成体 73とからなる。

[0093] また、前記第 2の筒構成体 63の内部には、内蔵物である触媒担体 66が保持部材 6 7を介して内設されている。更に、前記第 3の筒構成体 68の内部には、内蔵物である触媒担体 71が保持部材 72を介して内設されている。更に、前記第 4の筒状構成体 7 3の内部には、隔壁 76、 77とインレットパイプ 78とアウトレットパイプ 79からなる内蔵物が固設されている。前記隔壁 76、 77はスポット溶接で第 4の筒構成体 73に固設されている。

[0094] そして、この実施例 10における外殻である筒状部材の製造方法は、排気吸入パイプ 62を付設した端板 60の環状端部 61に、触媒担体 66等の内蔵物を、保持部材 67 を介して内設した第 2の筒構成体 63の環状端部 64を前記本発明の重合工程により重合し、次に、第 2の筒構成体 63の環状端部 65に、触媒担体 71等の内蔵物を、保持部材 72を介して内設した第 3の筒構成体 68の環状端部 69を前記本発明の重合工程により、重合し、次に、第 3の筒構成体 68の環状端部 70に、隔壁 76等の内蔵物を固設した第 4の筒構成体 73の環状端部 75を前記本発明の重合工程により重合し、その後、前記各重合部を前記のように溶接する。

実施例 11

[0095] 本実施例 11は図示しないが、前記実施例 10における第 2及び第 3の筒構成体 63 、 68内に、触媒担体の代わりにディーゼルパティキュレートフィルタ（DPE)を内蔵した排気浄ィ匕装置の外殻の製造に本発明を適用してもよぐ更に、 EGR (排気ガス再循環)システムの外殻 (外筒)や熱交換器等の外殻 (外筒)の製造に本発明を適用することがでさる。

実施例 12

[0096] 図 16は実施例 12を示す。

本実施例 12は、自動車の金属製インパネ ·リインフォースメントの製造に適用した実施例を示す。

[0097] この図 16に示すインパネ'リインフォースメント 91は、両端が開口した大径パイプの一方の開口側を偏心縮径して環状端部 92を形成した他方の筒構成体 93と、前記環状端部 92に嵌入する外径で、両端が開口したノイブ力もなる一方の筒構成体 94と力もなり、他方の筒構成体 93の環状端部 92内に一方の筒構成体 94の環状端部 95 を密着状体に重合し、この重合部をレーザ溶接などで溶接して構成されてヽる。

[0098] このインパネ'リインフォースメント 91の製造における両環状端部 92、 95の嵌合においても本発明の前記の工程で密着的に重合することができ、この重合部をレーザ溶接で良好に溶接することができる。

[0099] 本発明は、このような自動車の構造部材においても広く適用できる。

実施例 13

[0100] 図 17は実施例 13を示す。

本実施例 13は、通常の金属製の両端が開口したパイプ同士を嵌合し、その重合した重合部を溶接して構成される通常の筒状部材の製造に本発明を適用する実施例である。

[0101] このような筒状部材 96においても、前記本発明の工程により、その一方の筒構成体 99の環状端部 100を、他方の筒構成体 97の環状端部 98内に嵌合し、その重合部をレーザ溶接により接合することができる。

その他の実施例

[0102] 前記第 4乃至第 13の実施例においても、図 1に示すダイス 1を使用したり、図 7に示すダイス 1を使用したり、更には、図 8及び図 9に示す端板受け 40を使用してもよい。

[0103] 更に、本発明は、前記のような自動車部品に限らず、あらゆる嵌合品の製造に広く適用可能である。

[0104] 更に、前記各実施例、例えば図 2乃至図 6及び図 10乃至図 14に示す実施例では、筒状体 (筒構成体） 21、 21Aの環状端部 22、 22Aの塑性変形域におけるスプリングバックを利用して、筒状体 21、 21Aの環状端部 22、 22Aと端板 (筒構成体） 13、 1 3Aの環状端部 12、 12Aとを密着させた例であるが、筒状体 21、 21Aの環状端部 22 、 22Aを、元の形状に戻る弾性変形域で縮径変形させて端板 13、 13Aの環状端部 12、 12Aに嵌合した後に弾性復帰力を利用して元の形状に戻して端板 13、 13Aの環状端部 22、 22Aに密着的に重合させるようにしてもよい。

[0105] また、端板 13、 13Aの環状端部 12、 12Aの口径修正およびそのための装置は必ずしも具備してヽなくてもょヽ。

[0106] すなわち、前記実施例 1において、端板 13の保持が別手段にて行われ、かつ、環状端部 12の横断面形状と径が修正の必要のないほどの精度であるならば、ダイス 1 の第 2テーパ部 7と第 2絞り部 6はなくてもよ、。

[0107] また、この場合、端板 13がダイス 1に対する所定位置に保持した状態で、開放されていたダイス 1の両構成体 1A、 IBが相対的に近接してきて、その保持部 5、 5で環状端部 12を把持するようにしてもょ、。

[0108] し力しながら、実際の工程としては、薄板の塑性カ卩ェ品においては形状と径の修正をすることが望ましぐまた端板の把持はダイスで行った方がよいし、更に、端板の環状端部と筒状体の環状端部との同軸度を確保して挿入の確実ィ匕を図る面カゝらすると、前記実施例のように、ダイス 1に第 2テーパ部 7と第 2絞り部 6が具備されていた方が望ましい。

[0109] したがって、端板 13の環状端部が外嵌め式である場合には、前記実施例 1に示すようなダイス 1を使用して製造することが最良である。

図面の簡単な説明

[0110] [図 1A]本発明に使用するダイスの実施例の平面図。

[図 1B]図 1Aにおける Y— Y線断面図。

[図 1C]図 1 Aのダイスの実施例の底面図。

[図 2]本発明の実施例 1を示す工程を示すもので、ダイスに端板を挿入した図。

[図 3]図 2の状態から端板を更に挿入してダイスに保持させた図。

[図 4]図 3の状態力筒状体をダイスに挿入して端板に重合させた図。

[図 5]図 4の状態からダイスを開放した図。

[図 6]本発明の実施例 1におけるスプリングバックの状態を説明する模式図。

[図 7]本発明の実施例 2であるダイスの変形例を示す断面図。

[図 8]本発明の実施例 3であるダイスの斜視図。

[図 9]図 8の断面図。

[図 10]本発明の実施例 4を示す筒状部材の断面図。

[図 11]本発明の実施例 5を示す筒状部材の断面図。

[図 12]本発明の実施例 6を示す筒状部材の製造工程の一部を示す図。

[図 13]本発明の実施例 7を示す筒状部材の断面図。

[図 14A]本発明を消音器の製造に適用した実施例 9の消音器の断面図。

[図 14B]図 14Aの消音器の重合部の拡大断面図。

[図 15]本発明の実施例 10である排気浄ィ匕装置への適用例を示す断面図。

[図 16]本発明の実施例 12であるインパネ'リインフォースメントへの適用例を示す側面図。

[図 17]本発明の実施例 13であるパイプへの適用例を示す側面図。

[図 18A]第 1の従来の技術を示すもので、嵌合前の状態を示す図。

[図 18B]第 1の従来の技術を示すもので、嵌合状態を示す図。圆 19]第 2の従来の技術を示す断面図。

圆 20A]第 3の従来の技術の工程を示す断面図。圆 20B]第 3の従来の技術の工程を示す断面図。圆 20C]第 3の従来の技術の工程を示す断面図。

Claims

請求の範囲

[1] 2個以上の筒構成体力なり、かつ、少なくとも 1箇所において筒構成体相互の重合部を有する金属製筒状部材であって、その重合部における内側に位置する一方の筒構成体の開口した一方の環状端部と、外側に位置する他方の筒構成体の開口した他方の環状端部を溶接により一体的に接合する金属製筒状部材の製造方法において、

前記一方の環状端部を、その外径をダイスにより前記他方の環状端部の内径よりも小径になるように加圧した状態で前記他方の環状端部内へ挿入し、その後、内側の前記一方の環状端部への前記の加圧力を解除して、内側の前記一方の環状端部を、そのスプリングバックにより外側の前記他方の環状端部の内面に密着させることを特徴とする金属製筒状部材の製造方法。

[2] 前記筒構成体の少なくとも 1つの内に内蔵物を配置した請求項 1記載の金属製筒状部材の製造方法。

[3] 2個以上の筒構成体力なり、かつ、少なくとも 1箇所において筒構成体相互の重合部を有する金属製筒状部材であって、その重合部における内側に位置する一方の筒構成体の開口した一方の環状端部と、外側に位置する他方の筒構成体の開口した他方の環状端部を溶接により一体的に接合する金属製筒状部材の製造方法において、

前記他方の筒構成体を保持部において保持する第 1の工程と、

さらに最小径が前記他方の環状端部よりも小さいテーパ部を形成された前記ダイスの、該テーパ部に前記一方の環状端部を通過させて該一方の環状端部を前記他方の環状端部内へルーズに挿入する第 2の工程と、

前記ダイスを分割し前記外側に位置する他方の筒構成体力ゝら離隔させる第 3のェ程とを含むことを特徴とする金属製筒状部材の製造方法。

[4] さらに内蔵物を前記筒構成体の少なくとも 1つの内に配置する工程を含む請求項 3 記載の金属製筒状部材の製造方法。

[5] 前記筒構成体の少なくとも 1つを端板とし、少なくとも 1つを筒状体とした請求項 1乃至 4の、ずれかに記載の金属製筒状部材の製造方法。

[6] 前記筒構成体を 2個とし、この 2個の筒構成体が椀状に形成されている請求項 1乃至 4の、ずれかに記載の金属製筒状部材の製造方法。

[7] 挿入時における前記他方の環状端部の内径と前記一方の環状端部の外径との径差が、前記一方の環状端部が前記ダイスの離隔により拡径するスプリングバック量以下であることを特徴とする請求項 1乃至 6のいずれかに記載の金属製筒状部材の製造方法。

[8] 前記ダイスは、前記の保持部とテーパ部を部材の揷通方向に隣接しかつ同軸で有し、該軸に対して放射状に分割離反可能に形成されていることを特徴とする請求項 3 乃至 7の、ずれかに記載の金属製筒状部材の製造方法。

[9] 前記他方の環状端部は、その挿入側において前記ダイスに一体的に設けられたテ一パ部を通過して縮径加工を経た後に保持部に至り、該保持部によって保持されることを特徴とする請求項 3乃至 8のいずれかに記載の金属製筒状部材の製造方法。

[10] 前記溶接をレーザ光溶接で行うようにした請求項 1乃至 9のいずれかに記載の金属製筒状部材の製造方法。

[11] 前記金属製筒状部材が消音器の外殻である請求項 1乃至 10のいずれかに記載の金属製筒状部材の製造方法。

[12] 前記金属製筒状部材が、排気浄化装置の外殻である請求項 1乃至 10のいずれかに記載の金属製筒状部材の製造方法。

[13] 前記金属製筒状部材が、自動車用のインパネ'リインフォースメントである請求項 1 乃至 10のいずれかに記載の金属製筒状部材の製造方法。