JP2000203277A - フュ―エルインレット及びその製法 - Google Patents

フュ―エルインレット及びその製法

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JP2000203277A JP11008205A JP820599A JP2000203277A JP 2000203277 A JP2000203277 A JP 2000203277A JP 11008205 A JP11008205 A JP 11008205A JP 820599 A JP820599 A JP 820599A JP 2000203277 A JP2000203277 A JP 2000203277A
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  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造時に部品点数が少なく、しかも少数工程
で簡易に製造できるフューエルインレットを提供する。 【解決手段】 フューエルインレット1は、外径が等し
く厚みが異なる2つの円管をその各々の端面で突き合わ
せて溶接した素管を、プレス成形して製造される。すな
わち、素管を構成する円管の厚みの大きい方をバルジ加
工等により拡管して口金部10を形成し、厚みの小さい
円管部分をプレス加工等により縮管して一般部20を形
成する。この縮管時に生じる余肉部は、複数の突条25
として成形される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の燃料タ
ンクに燃料を注入するためのフューエルインレット及び
その製法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、自動車等の燃料タンクにガソリン
等の燃料を注入する際には、図10に示すようなフュー
エルインレット101が用いられる。フューエルインレ
ット101の燃料タンク側の端部には接続管Jが取り付
けられており、また、フューエルインレット101の燃
料入り口101aの近傍には燃料タンクTに連通するブ
リーザチューブ103が設けられている。そして、給油
時には、フューエルインレット101の燃料入り口10
1aから図示しない燃料供給ノズルを挿入し、フューエ
ルインレット101及び接続管Jを介して燃料タンクT
に燃料が供給される。燃料タンクTに燃料が供給され始
めると、燃料タンクTの空気がブリーザチューブ103
を介してフューエルインレット101の燃料入り口側に
押し出される。そして、燃料が供給され続けると、燃料
タンクTに貯留した燃料が一定量に達したとき、そのタ
ンク内圧の増加により燃料供給ノズルにオートストップ
がかかり、それ以降自動では注入不可能となる。給油者
はこれを確認して給油を手動に切換え、少量のガソリン
を2〜3回注入した後作業を終了する。
【0003】ところで、給油時に燃料入り口側に押し出
されてきた空気は燃料蒸気を高濃度で含んでいるため、
そのまま無防備に大気中へ放出されると周囲の燃料濃度
が高くなり、環境面で好ましくないという問題があっ
た。この問題の解決手段として、図9に示すフューエル
インレット201を用いることが提案されている。この
フューエルインレット201は、ブリーザチューブ20
3が接続される口金部202と、燃料通路となる一般部
204とから構成され、この一般部204には、口金部
202よりも管径が小さく構成された小径部206が設
けられている。この小径部206を設けることにより、
一定流量で供給される燃料が一般部204を通過する際
の通路断面における空隙部分207は従来より小さくな
る。この構成は、ベンチュリ負圧を発生させてこの空隙
部分207の負圧化の程度を大きくし、それによってブ
リーザチューブ203を介して燃料タンク側から燃料入
り口側に戻ってきた空気が大気中に放出されるのを有効
に防止するのである。この考え方はリキッドシールと呼
ばれるものであり、ORVRS(オン・ロード・リフュ
ーエリング・ベイパー・リカバリー・システム)の一手
段である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、口金部
202の管径と一般部204(小径部206)の管径と
が互いに異なるフューエルインレット201を形成する
方法としては、小径部206と同径の一本の素管を用
意し、その一部を拡管して口金部202を形成すること
により製造する方法と、別体からなる素管により口金
部202及び一般部204をそれぞれ形成し、これらを
互いに接合して製造する方法とが考えられる。
【0005】しかしながら、前者においては、例えばφ
25.4mmの小径部206を有するフューエルインレ
ット201につき、一本の素管を加工して一体型として
製造するとすれば、φ25.4mmの素管を用意し、そ
の先端部つまり口金部202の燃料入り口側をφ50〜
60mmまで拡管しなければならない。このように拡管
率が大きい場合に一工程で拡管を行おうとすると、素管
の材料組織の変化が内部に生ずる引っ張り応力に耐える
ことができず、フューエルインレットに割れ等を生じさ
せる可能性がある。このため、この割れを防止するため
には、拡管工程の工程数を増やして徐々に拡管していく
等の方法をとる必要がある。このことは工程を煩雑にす
る。
【0006】また、一般に、フューエルインレットにお
ける口金部と一般部とは、各々要求される素管の厚みが
異なる。すなわち、口金部には燃料供給ノズルの抜き差
しがあるため、この燃料供給ノズルとの間の耐摩耗性と
所定の強度が要求される。このため、要求される管の厚
みは一般に厚いものとなる。これに対し、一般部は通常
全長が長いものとなるため、要求される管の厚みは軽量
化の観点から一般に薄いものとなる。ところが、上記前
者においては、口金部側を拡管加工により形成するた
め、口金部側が一般部側よりも薄肉化してしまい、上記
要請に反する現象を生じさせることになる。
【0007】したがって、この相反した要求を満たすた
めには、口金部と一般部とに用いられる素管にはそれぞ
れ厚みの異なるものを使用する必要があり、そのために
は、口金部と一般部とを厚みの異なる素管からそれぞれ
形成し、その後これらを接合する方法をとる後者の方が
適当だとも考えられる。
【0008】しかながら、後者の場合には、口金部と一
般部とをぞれぞれ別々に製造するため前者に比べ工程が
煩雑となり、製造コストが嵩むといった問題が生じる。
本発明は上記問題に鑑みなされたものであり、製造時に
部品点数が少なく、しかも少数工程で簡易に製造できる
フューエルインレットを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記課題
を解決するため、本願請求項1記載のフューエルインレ
ットは、燃料供給ノズルを受け入れる口金部と、該口金
部に連設され、供給された燃料を燃料タンクへ導く一般
部と、を備えたフューエルインレットであって、前記口
金部は、厚みが異なる円管をその各々の端部で接合して
形成された素管の、上記厚みが大きい円管部分を成形す
ることにより形成され、前記一般部は、上記素管の上記
厚みの小さい円管部分を成形することにより形成された
ことを特徴とする。
【0010】本願発明のフューエルインレットは、その
製造工程を簡易化するために、上述のように厚さの異な
る2つの円管が接合された素管が用意され、この素管を
加工して形成される。したがって、当該フューエルイン
レットの加工工程においては、口金部と一般部とを各々
別体で加工してこれらを接合して形成されたものよりも
少ない加工工程で製造できる。この結果、製造効率を高
めることができ、単価の減少にもつながる。また、大き
い厚みが要求される口金部には、素管における厚みが大
きい円管部分が適用され、逆に小さい厚みが要求される
一般部には、素管における厚みの小さい円管部分が適用
される。このため、素管を無駄なく有効に使用すること
ができる。
【0011】具体的には、本願請求項2に記載のよう
に、上記厚みが大きい円管部分の一部を拡管することに
より、上記口金部のキャップ取付部が形成され、上記厚
みの小さい円管部分の一部を縮管することにより、上記
一般部の小径部が形成されたものが考えられる。
【0012】この場合、当該フューエルインレットの形
成に使用される素管としては、その管径が、フューエル
インレットにおいて最も径が大きくなる口金部のキャッ
プ取付部よりも小さく、最も径が小さくなる一般部の小
径部よりも大きいものが使用される。
【0013】このため、製造段階において、上記従来の
同体からなる一体型のフューエルインレットに比して拡
管率が小さくなるため、薄肉化あるいは偏肉化により製
品強度に偏りが生じる等の問題が生じにくい。また、上
記小径部は、例えば本願請求項3に記載のように、上記
厚みの小さい円管部分の一部が外側から押しつぶされて
複数の突条が形成されることにより、該一部が縮管され
て形成されたものでもよい。
【0014】上記構成は、円管を縮管するときに必然的
に生じる余肉部を、小径部の外周面から突出した突条と
して形成する。この突条は製品の外観における模様とし
ても成立するため、あえて取り除く必要がない。さら
に、本願請求項4記載のように、上記厚みの大きい円管
部分は、外側からステンレス層、アルミニウム層、ステ
ンレス層の三層構造からなることが好ましい。
【0015】ステンレス層を設けるのは、防錆及び耐摩
耗性の観点からであり、アルミニウム層を設けるのは軽
量化の観点からである。特にステンレス層を設けること
により、防錆のための塗装工程を省略することができ、
製造コストの削減につながる。
【0016】また、本発明のフューエルインレットは以
下の方法により製造される。すなわち、当該製造方法
は、本願請求項5記載のように、厚みが異なる円管をそ
の各々の端部で接合して素管を形成する工程と、上記素
管の上記厚みが大きい円管部分を成形することにより上
記口金部を形成する工程と、上記素管の上記厚みの小さ
い円管部分を成形することにより上記一般部を形成する
工程と、を有する。
【0017】上記のフューエルインレットの製造方法に
よれば、素管の段階で厚さの異なる2つの円管が接合さ
れたものが予め用意される。したがって、当該フューエ
ルインレットの加工工程においては、口金部と一般部と
を同時に加工することができ、加工工程の減少による製
造コストの削減を図ることができる。
【0018】具体的には、本願請求項6に記載のよう
に、上記厚みが大きい円管部分の一部を拡管することに
より、上記口金部のキャップ取付部を形成する工程と、
上記厚みの小さい円管部分の一部を縮管することによ
り、上記一般部の小径部を形成する工程と、を有する。
【0019】すなわち、上記フューエルインレットの製
造方法においては、上記素管として、その管径がフュー
エルインレットにおいて最も径が大きくなる口金部のキ
ャップ取付部よりも小さく、最も径が小さくなる一般部
の小径部よりも大きく形成される。そして、素管を構成
する円管の厚みの大きい方を拡管し、厚みの小さい方を
縮管する態様をとる。このため、素管の拡管率は上記従
来の構成よりも小さくなる。この結果、フューエルイン
レットの製造段階で割れ等が生じるといった問題が生じ
ない。また、拡管用の型と縮管用の型とを適宜選択して
やれば、拡管と縮管を同一工程内で行うことができる。
【0020】またさらに具体的には、本願請求項7に記
載のように、上記厚みの小さい円管部分にプレス加工を
施して該円管部分を外側から押しつぶすと同時に、この
とき生じる該円管部分の余肉部を複数の突条に形成する
ことにより、上記厚みの小さい円管部分を縮管するよう
にしてもよい。
【0021】すなわち、当該方法においては、円管を縮
管するときに生じる余肉部を、小径部の外周面から突出
した突条として形成する。円管を縮管する加工方法とし
ては種々考えられるが、上記のようにつぶし加工により
縮管する形態をとれば、例えば、スエージング等のよう
に円管の外周から徐々に押圧力をかけて縮管する場合よ
りも加工時間が短くなる。
【0022】なお、上記厚みの異なる円管として、本願
請求項8に記載のように、各々円管の外径が互いに等し
いものを使用すると、フューエルインレットの外観が損
なわれることがない。また、上記素管の形成工程におい
ては、本願請求項9に記載のように、厚みの異なる複数
の板材をそれぞれ丸め突き合わせ接合して円管を形成す
る工程と、該円管を各々の板材の突き合わせ部が直線を
なすように配置しつつ、該円管の各々の端面を当接させ
る工程と、上記突き合わせ部と上記当接部とに同一工程
内で溶接を施す工程と、を有するものが考えられる。
【0023】一般に、上記素管を構成する円管は、押し
出し成形により形成されるか、あるいは、板材を丸め加
工後、その突き合わせ部を溶接して形成される。本願の
ように素管段階で複数の円管を溶接する場合には、後者
の方法で円管をそれぞれ製造した後、これらの端面を互
いに溶接することが考えられる。
【0024】しかし、このような方法とは異なり、上記
のように、各々の円管を丸め加工した段階でその突き合
わせ部を直線上に配列し、この直線に沿って連続的に溶
接を行うとともに、各々の円管の接合部を同一工程内で
溶接する態様をとれば、各々の円管を形成すると同時に
素管が形成される。このため、加工効率が極めて良くな
る。
【0025】また、フューエルインレットにブリーザチ
ューブの一端を接合するために、口金部に平坦部を加工
する必要がある場合には、本願請求項10に記載のよう
に、上記厚みの大きい円管部の一部をプレスして平坦部
の形成する工程と、上記複数の突条を形成する工程とを
同一のプレス工程で行うこともできる。
【0026】例えば、上記平坦部を上面に形成し、か
つ、水平に延出する2つの突条を形成する場合には、平
坦部形成部と突条押圧部とを設けた外型を用いて素管を
プレス成形することにより、上記平坦部と突条を同時に
形成することが可能となる。この結果、さらに製造効率
を高めることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施形態
を図面に基づいて説明する。図1は本実施形態のフュー
エルインレットの斜視図、図2は同フューエルインレッ
トの断面図であり、図2(a)は図1のA−A断面図、
図2(b)は図1のB−B断面図をそれぞれ示す。な
お、以下においては便宜上、フューエルインレットの給
油口側(図2(a)において左側)を「上流側」、タン
ク側(図2(a)において右側)を「下流側」と称して
説明する。
【0028】フューエルインレット1は、外径が等しく
厚みが異なる2つの円管をその各々の端面で突き合わせ
て溶接したパイプ(以下「素管」という)を、プレス加
工して製造される。すなわち、フューエルインレット1
は、素管において外径42.7mm,厚さ1.2mmの
円管部分を成形した口金部10と、外径42.7mm,
厚さ0.5mmの円管部分を成形した一般部20とから
構成される。
【0029】口金部10は、キャップ取付部11と、大
径部12とから構成される。キャップ取付部11は、素
管の一端をバルジ加工によりφ50mmに拡管して形成
され、ねじ込み式のキャップを取り付けるための螺旋溝
11aが設けられている。この螺旋溝11aは、特開平
9−249036号の段落0013〜0018に記載さ
れている方法を用いて直接キャップ取付部11に形成さ
れたものであるが、ここではその説明を省略する。
【0030】大径部12は、素管をそのまま用いた箇所
であり、その上面にはブリーザチューブ30の一端を接
合させるための平坦部13が設けられている。この平坦
部13は、後述するリングプロジェクションにより、ブ
リーザチューブ30を接合するために設けられるもので
ある。なお、ブリーザチューブ30の他端は燃料タンク
Tに連通されている。また、大径部12には必要に応じ
てインタフィアランス17を装着してもよい。ここで、
インタフィアランス17は、無鉛ガソリン専用の自動車
に燃料を供給する際に誤って有鉛ガソリンが供給されな
いようにするための部材であり、無鉛ガソリン用の燃料
供給ノズルの挿入は許容するが有鉛ガソリン用の燃料供
給ノズルの挿入は禁止する部材である。このインタフィ
アランス17を装着する必要がある場合に、キャップ取
付部11の径を大径部12と同じにしたとすれば、キャ
ップ取付部11の内側に螺旋溝11aが盛り上がった形
状として表れる。このため、インタフィアランス17が
この部分を通過できず、装着不能となる。このような状
態を回避するために、大径部12に比べてキャップ取付
部11が拡径されているのである。
【0031】なお、口金部10を形成する管は、図3に
示すように、外側からステンレス層(SUS)、アルミ
ニウム層(Al)、ステンレス層(SUS)の三層構造
からなるものが好ましい。ステンレス層を設けるのは、
防錆及び耐摩耗性の観点からであり、アルミニウム層を
設けたのは軽量化の観点からである。
【0032】一般部20は、第1テーパ部21と、小径
部22(外径25.4mm)と、第2テーパ部23と、
連結部24(外径42.7mm)とから構成されてい
る。小径部22は、図2(b)に示すように、素管を上
下に押しつぶすことにより縮径されて形成されたもので
あり、その縮径時に素管の残部(余肉部)が重なって水
平に突出する一対の突条25を形成している。この突条
25は、軸方向に沿って形成されている。
【0033】第1テーパ部21は、大径部12と小径部
22との境界をなす箇所であり、突条25の高さが大径
部12から小径部22に至る過程で徐々に高くなるよう
に形成され、したがって内径はその逆つまり徐々に小さ
くなるように形成されている。
【0034】第2テーパ部23は、小径部22と連結部
24との境界をなす箇所であり、突条25の高さが小径
部22から連結部24に至る過程で徐々に低くなるよう
に形成され、したがって内径はその逆つまり徐々に大き
くなるように形成されている。
【0035】連結部24は、素管をそのまま用いた箇所
であり、ここには、燃料タンクTに接続された接続管J
(例えばフレキシブルチューブなど)の端部が連結され
る。なお、この連結部24には、図示しない円周突起を
設けてもよい。この円周突起は、フレキシブルチューブ
などの接続管をはめ込んだ際にその接続管の抜け落ちを
防止する役割を果たす。
【0036】次に、本実施形態のフューエルインレット
1の使用例について説明する。このフューエルインレッ
ト1のキャップ取付部11には図示しないねじ込み式の
キャップが螺合される。そして、燃料供給の必要が生じ
たとき、キャップが外され、キャップ取付部11から図
示しない燃料供給ノズルが差し込まれ、一定流量で燃料
が供給される。すると、供給された燃料は、フューエル
インレット1の内部を流通し、その後接続管Jを通って
燃料タンクTへと送られる。このとき、燃料タンクT内
の空気がブリーザチューブ30を通ってフューエルイン
レット1の入り口側に抜け出てくる。
【0037】ここで、本実施形態のフューエルインレッ
ト1は第1テーパ部21、小径部22、第2テーパ部2
3を有するため、一定流量で供給される燃料がここを通
過する際の通路断面における空隙部分に大きなベンチュ
リ負圧が生じる。この結果、ブリーザチューブ30を介
して燃料タンクTから入り口に抜け出てきた空気が大気
中に放出されることが有効に防止される。つまりリキッ
ドシールが実現される。
【0038】次に、本実施形態のフューエルインレット
1を製造する方法について、図4〜図8に基づいて説明
する。図4はフューエルインレット1を形成するための
素管の製造方法を示す説明図であり、図5は当該素管を
用いたフューエルインレット1の製造工程を示した説明
図である。
【0039】図4に示すように、本実施形態における素
管1’は、以下のように形成される。まず、口金部10
を形成するための板厚1.2mmの板材10’と、一般
部20を形成するための板厚0.5mmの板材20’と
が用意される(図4(a))。そして、これらの板材1
0’及び20’がそれぞれ丸め加工され、各々の端面1
0’aと10’bとが、端面20’aと20’bとが、
それぞれ突き合わされた状態の円管10”及び20”が
それぞれ形成される(図4(b))。その後、この円管
10”と20”とが上記各々の突き合わせ部が直線をな
すように整列されつつ、各々の軸方向の端面10’c,
と20’cとが当接される。そして、各々の突き合わせ
部に上記直線に沿って溶接W1が一工程で施されるとと
もに、上記当接部に周方向の溶接W2が施され、素管が
完成する(図4(c))。
【0040】上記素管1’の製造方法によれば、素管
1’の段階で厚さの異なる2つの円管10”及び20”
が接合されたものが得られる。したがって、以下に示す
フューエルインレット1の加工工程においては、各々異
なる厚みが要求される口金部と一般部とを同時に加工す
ることができ、加工工程の減少による製造コストの削減
を図ることができる。
【0041】なお、上記素管1’の製造方法において、
溶接W1,W2は、同一工程内で行われるように、溶接
制御プログラムに設定しておくのが好ましい。このよう
にすれば、素管1’の製造段階において工程に要する時
間を短くすることができ、製造効率をさらに高めること
ができるからである。また、溶接の形態としては、レー
ザ溶接、あるいはシーム溶接等種々考えられる。
【0042】続いて、上記素管1’を用いたフューエル
インレット1の製造工程について説明する。上記におい
て製造された素管1’を用意し(図5(a))、この素
管1’をプレス装置内に配置する(図5(b))。当該
プレス装置は、フューエルインレット1の外形を成形す
るための外型50と、この外型50との間で素管1’を
プレス成形するための内型60とを備えている。
【0043】外型50は上下に分割された2つの型から
なり、その上型と下型の各々には、口金部形成部51と
一般部形成部52とが備えられている。一方、内型60
は、図5及び図6に示すように、フューエルインレット
1のキャップ取付部11を形成するためのキャップ取付
部保持部61及びキャップ取り付け部形成部62、平坦
部13を形成するための平坦部形成部63、及び、小径
部22を形成するための小径部形成部64から一体的に
構成されている。
【0044】キャップ取付部形成部62は、素管1’の
一端部をバルジ加工により拡管するためにその外径が素
管1’の内径より大きくなっている。また、キャップ取
付部形成部62の下流側端部はテーパ形状となってお
り、素管1’への押し込みがスムーズに行えるようにな
っている。キャップ取付部保持部61は、キャップ取付
部形成部62より大きな外径を有する円盤形状に形成さ
れ、この下流側の端面61aが素管1’の端部を押圧す
ることにより、当該端部を所定量反りかえらせて燃料入
り口を形成する。平坦部形成部63は直方体形状を有
し、平坦部13を形成するためにその上面が平面をなし
ている。小径部形成部64は円筒形状を有し、その外径
は小径部22の内径に一致する。
【0045】製造工程においては、まず、素管1’が図
示しない支持機構によりプレス装置内に支持された状態
で、内型60が図示しない駆動手段により図5(b)の
G方向(プレス方向)に移動され、その小径部形成部6
4から素管1’の内部に挿入される(図5(b))。や
がて、内型60のキャップ取付部形成部62が素管1’
の上流側端部に到達すると、そのテーパ部62aが当該
端部を押し広げながらさらに素管1’の内部に押し込ま
れる。この間に、素管1’の上流側端部が拡管され、キ
ャップ取付部11が形成される。やがて、キャップ取付
部保持部61の端面61aが素管1’の端部を押圧し、
当該端部を所定量反りかえらせた状態で、内型60の挿
入が停止される。
【0046】そして、この状態から外型50を図示しな
い駆動手段により図5(b)におけるE方向(プレス方
向)に移動し、内型60との間で素管1’をプレス成形
する(図5(c))。このときの詳細を図5(b)及び
(c)におけるD−D断面の様子として、図7及び図8
にそれぞれ示す。
【0047】図7に示すように、内型60の小径部形成
部64と同軸に配置された素管1’に対し、外型50の
一般部形成部52,52が図中E方向(プレス方向)に
移動する。一般部形成部52,52は、素管1’を上下
方向にプレスするとともに、その過程で形成される素管
1’の余肉部を突条形成部52aに内包しつつ押圧す
る。そして、図8に示すように、外型50の一般部形成
部52,52が当接した時点で突条25を有する小径部
22の形成が終了する。
【0048】また、このとき同時に外型50の口金部形
成部51,51が内型の平坦部形成部63との間で素管
1’を上下方向にプレスし、ブリーザチューブの一端を
接合させるための平坦部13が形成される。このように
して、フューエルインレット1の半製品1”が形成され
た後、プレス装置の外型50,50を退去方向(図5
(b)の矢印F方向)へ移動するとともに、内型60を
退去方向(図5の矢印H方向)へ移動して退去させる
(図5(d))。
【0049】なお、図3〜図8では、説明をわかりやす
くするために第1テーパ部21や第2テーパ部23を形
成する過程を省略したが、実際には外型50,50の上
記テーパに対応する部分がテーパ状に形成されているた
め、上記プレス成型時に突条25等の成形と同時にテー
パ形状が成形される。
【0050】そして、半製品1”にブリーザチューブ3
0が取り付けられ、フューエルインレット1が完成す
る。なお、ブリーザチューブ30の半製品1”への取り
付けは、リングプロジェクションによる方法(特開平9
−150637号公報の段落0014〜0016に記載
されている方法)を用いて行われるが、ここではその説
明を省略する。
【0051】尚、本発明の実施の形態は、上記実施形態
に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に
属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもな
い。例えば、第1テーパ部21、小径部22、第2テー
パ部23の軸線がキャップ取付部11や大径部12の軸
線とずれていてもよい。また、上記実施形態では突条2
5を2つ設けたが、例えば突条25を所定間隔で4つ設
ける態様をとってもよく、いくつ設けるかは適宜設定す
ればよい。更に、2つの突条25は図2(b)において
対称な位置に並んでいるが、ランダムに並んでいてもよ
い。また、上記実施形態では、小径部の形成に際する縮
管工程にプレス装置を用いたつぶし加工を採用したが、
スエージング加工等の据え込み加工により縮管する態様
をとってもよい。なお、上記実施形態において述べた形
状、寸法等は上記のものに限られず、適宜選択可能であ
ることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態のフューエルインレットの斜視図
である。
【図2】 本実施形態のフューエルインレットの断面図
であり、(a)は図1のA−A断面図、(b)は図1の
B−B断面図である。
【図3】 本実施形態のフューエルインレットの口金部
の断面の詳細説明図である。
【図4】 本実施形態のフューエルインレットの製造に
使用される素管の製造方法の概略説明図である。
【図5】 本実施形態のフューエルインレットの製造工
程を表す説明図である。
【図6】 本実施形態のフューエルインレットの製造に
使用される内型の斜視図である。
【図7】 本実施形態のフューエルインレットの製造途
中を表す説明図である。
【図8】 本実施形態のフューエルインレットの製造途
中を表す説明図である。
【図9】 従来のフューエルインレットの説明図であ
る。
【図10】 フューエルインレットの取付構造を表す説
明図である。
【符号の説明】
1・・・フューエルインレット、 1’・・・素管、1
0・・・口金部、 11・・・キャップ取付部、12・
・・大径部、 13・・・平坦部、 14・・・小径
部、17・・・インタフィアランス、 20・・・一般
部、21・・・第1テーパ部、 22・・・小径部、
23・・・第2テーパ部、24・・・連結部、 25・
・・突条、 30・・・ブリーザチューブ、50・・・
外型、 51・・・口金部形成部、 52・・・一般部
形成部、52a・・・突条形成部、60・・・内型、
61・・・キャップ取付部保持部、62・・・キャップ
取付部形成部、63・・・平坦部形成部、 64・・・
小径部形成部、J・・・接続管、 T・・・燃料タン
ク、W1,W2・・・溶接

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料供給ノズルを受け入れる口金部と、 該口金部に連設され、供給された燃料を燃料タンクへ導
    く一般部と、 を備えたフューエルインレットであって、 前記口金部は、厚みが異なる円管をその各々の端部で接
    合して形成された素管の、前記厚みが大きい円管部分を
    成形することにより形成され、 前記一般部は、前記素管の前記厚みの小さい円管部分を
    成形することにより形成されたことを特徴とするフュー
    エルインレット。
  2. 【請求項2】 前記厚みが大きい円管部分の一部を拡管
    することにより、前記口金部のキャップ取付部が形成さ
    れ、 前記厚みの小さい円管部分の一部を縮管することによ
    り、前記一般部の小径部が形成されたことを特徴とする
    請求項1記載のフューエルインレット。
  3. 【請求項3】 前記小径部は、前記厚みの小さい円管部
    分の一部が外側から押しつぶされて複数の突条が形成さ
    れることにより、該一部が縮管されて形成されたことを
    特徴とする請求項2記載のフューエルインレット。
  4. 【請求項4】 前記厚みの大きい円管部分は、外側から
    ステンレス層、アルミニウム層、ステンレス層の三層構
    造からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載のフューエルインレット。
  5. 【請求項5】 燃料供給ノズルを受け入れる口金部と、 該口金部に連設され、供給された燃料を燃料タンクへ導
    く一般部と、 を備えたフューエルインレットの製造方法であって、 厚みが異なる円管をその各々の端部で接合して素管を形
    成する工程と、 前記素管の前記厚みが大きい円管部分を成形することに
    より前記口金部を形成する工程と、 前記素管の前記厚みの小さい円管部分を成形することに
    より前記一般部を形成する工程と、 を有することを特徴とするフューエルインレットの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 前記厚みが大きい円管部分の一部を拡管
    することにより、前記口金部のキャップ取付部を形成す
    る工程と、 前記厚みの小さい円管部分の一部を縮管することによ
    り、前記一般部の小径部を形成する工程と、 を有することを特徴とする請求項5記載のフューエルイ
    ンレットの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記厚みの小さい円管部分にプレス加工
    を施して該円管部分を外側から押しつぶすと同時に、こ
    のとき生じる該円管部分の余肉部を複数の突条に形成す
    ることにより、前記厚みの小さい円管部分を縮管するこ
    とを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のフューエ
    ルインレットの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記厚みの異なる円管として、各々の外
    径が互いに等しいものが使用されることを特徴とする請
    求項5〜7のいずれかに記載のフューエルインレットの
    製造方法。
  9. 【請求項9】 前記素管の形成工程において、 厚みの異なる複数の板材をそれぞれ丸め突き合わせ接合
    して円管を形成する工程と、 該円管を各々の板材の突き合わせ部が直線をなすように
    配置しつつ、該円管の各々の端面を当接させる工程と、 前記突き合わせ部と前記当接部とに同一工程内で溶接を
    施す工程と、 を有することを特徴とする請求項5〜8に記載のフュー
    エルインレットの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記厚みの大きい円管部の一部をプレ
    スして、ブリーザチューブの一端を接合させるための平
    坦部を形成する工程を有し、 該平坦部の形成と、前記複数の突条の形成とを同一のプ
    レス工程で行うことを特徴とする請求項7〜9のいずれ
    かに記載のフューエルインレットの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002242779A (ja) * 2000-12-04 2002-08-28 Futaba Industrial Co Ltd フューエルインレットの製造方法
JP2007218211A (ja) * 2006-02-17 2007-08-30 Kanae Kogyo Kk 管の溶接構造
JP2010013006A (ja) * 2008-07-04 2010-01-21 Futaba Industrial Co Ltd フューエルインレット

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