JP2998918B2 - 自動二輪車等の燃料タンクの製造方法 - Google Patents

自動二輪車等の燃料タンクの製造方法

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JP2998918B2
JP2998918B2 JP7193844A JP19384495A JP2998918B2 JP 2998918 B2 JP2998918 B2 JP 2998918B2 JP 7193844 A JP7193844 A JP 7193844A JP 19384495 A JP19384495 A JP 19384495A JP 2998918 B2 JP2998918 B2 JP 2998918B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、自動二輪車や自動
三輪車、自動四輪車等の鞍乗り型の車両に搭載される鞍
型の燃料タンク、所謂自動二輪車等の燃料タンクの製造
方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動二輪車等の燃料タンクは、平面視で
は、前部が幅広で、後部が幅狭であり、全体の外形が涙
滴状である。側面視では、前部が上下方向に大きく、後
部が小さい。断面形状は逆U字型である。自動二輪車等
の燃料タンクの製造方法の従来例の概略を図18〜図2
1で示す。図18は鋼板素材で得られたブランク材8
1,82,83を示し、左右の上素材81,82、底板
83の3枚の素材からなる。図19で示すように、これ
等素材81,82,83を、燃料タンクの上部の左右の
成形品81a,82aにプレス成形する。又底板83を
燃料タンクの底板成形品83aにプレス成形する。
【0003】上記した上部の左右の成形品81a,82
aを更に成形し、成形品81b,82bの対向する端部
を、図示しなかったが溶接接合し、裏、及び表側の溶接
ビードを研削する等の表面加工を施し、接合部に給油キ
ャップ84を嵌合、接合し、給油口を形成する。これを
図20の上半で示した。図20の下半部で示す如く、上
記で得られた逆凹状の燃料タンク上部材84の下方か
ら、更に成形された底板成形品83bを嵌装し、一体の
上部材84、別体の底板成形品83bの突き合せフラン
ジ部84c,83cを外側からローラ電極85,86で
挟み込んでシーム溶接等で溶接し、接合、一体化する。
これを図21で示した。以上で燃料タンクを得、シーム
溶接部を整形し、燃料タンクの表面を必要に応じて研磨
等し、塗装工程を経て塗装し、燃料タンク完成品を得
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上の従来の燃料タン
クの製造は、先ず、ブランク材が複数必要で、燃料タ
ンクの上部材は左右に分割して成形する必要がある。且
つ底板を別途ブランク材として用意し、これを底板形状
に成形する必要がある。又成形工程も、予備成形から深
絞り成形を行なう必要があり、成形工程が多く、加工工
数が多い。上記の結果、成形型が複数となり、設備上
も不利であり、設備費も高くなる。2枚の上部材の溶
接工程、上部材と底板部材との全周溶接工程を必要とす
る。又溶接工程も多く、且つ溶接も、曲面箇所等を溶接
するので、溶接が複雑であり、溶接費も高くなる。上
記した溶接箇所は、燃料タンクが自動二輪車等では、外
観部品なので、多くの溶接箇所を整形する必要があり、
面倒、煩雑で、慎重な整形工程を必要とする。以上、
要すれば、ブランク材の切断、成形工数が多く、しかも
溶接個数も多く、溶接も複雑で、トータルとして燃料タ
ンクのコストアップの要因となる。
【0005】本発明者は、従来技術の以上の課題に鑑
み、本発明をなしたものである。本発明者は、ブランク
材が必要最少であれば成形工程が簡素化すること、複数
のプレス成形工程を省略したいこと、プレス成形工程に
代る成形でこの種燃料タンクの成形が可能であるか、否
か、溶接工程を簡素化し得るにはどのようにしたら良い
か、トータルとして燃料タンクの外観形状を確保しつ
つ、成形を簡易化し得るか、等の課題に取り組み、先ず
筒状部材のバルジ成形に着目し、この場合、自動二輪車
等の燃料タンクの特殊の形状から、中空円錐体を溶接で
得て、これをバルジ成形すれば、燃料タンク各部の周長
に適合した成形品が得られること等に着目し、本発明を
なしたものである。
【0006】従って、本発明の目的とする処は、1枚の
ブランク材から、最少の、簡素な溶接手法で、複雑なプ
レス成形を廃し、外観性に優れた、精度上も優れた自動
二輪車等の燃料タンクを、各種の工数を大幅に削減し
て、コストダウンを図りつつ得ることができるようにし
た自動二輪車等の燃料タンクの製造方法を提供すること
にある。又本発明の他の目的とする処は、素材の切断形
状が簡易であり、しかも材料の伸び等を利用するので、
素材の切断形状と併せて材料経済上も有利である自動二
輪車等の燃料タンクの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めの手段は、請求項1においては、平面視において前部
が幅広で、後部が幅狭で、側面視において前部が上下方
向に大きく、後部が小さく、断面形状が逆U字型であ
り、自動二輪車等のフレームに跨がるように跨設し、左
右の側部の前部が深く、後方へ深さが順次浅くなるよう
にした自動二輪車等の燃料タンクの製造方法であって、
金属板素材を略々台形類似形状に切断し、素材の伸びを
考慮し、中空円錐体の周長方向長さを成形品の周長より
も小さくしたブランク材を得る工程と、前記ブランク材
を中空円錐形に成形し、中空円錐形素材の直線状接合部
を溶接し、中空円錐体を得る工程と、前記中空円錐体を
上下の金型間にセットし、金型を型閉めし、中空円錐体
の両端部を圧潰し、中空円錐体を金型成形キャビティ内
で所定形状の袋状体に成形し、且つこれと併せて中空円
錐体の一端部に圧力注入用のパイプを嵌合し、該端部を
該金型で圧潰して該袋状体に取り付ける工程と、前記圧
力注入用パイプから、金型内の袋状体内に圧力媒体を注
入し、金型キャビティの内面に沿って袋状体を膨らま
せ、燃料タンクの1次形状に成形する工程と、燃料タン
クの1次形状成形品を金型から取り出して、不要部の切
断、燃料注入口の取り付け、燃料供給口の取り付け等の
工程等とからなることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好適する実施の形
態を添付した図面に従って詳述する。図1は燃料タンク
の中央縦断側面図、図2は図1各部の指示線に従った断
面図で、図2Aは図1のA−A線断面図、同Bは図1の
B−B線断面図、同Cは図1のC−C線断面図、同Dは
図1のD−D線断面図、同Eは図1のE−E線断面図、
同Fは図1のF−F線断面図、同Gは図1のG−G線断
面図、図3は本発明にかかる燃料タンクのブランク材の
展開説明図、図4はブランク材を丸めて曲げ成形し、円
錐状部材を成形した状態を示す説明的斜視図、図5は円
錐状部材を溶接して、円錐体を成形する説明的斜視図、
図6は円錐体の縦断側面図、図7は円錐体をバルジ成形
する型の型開き状態の縦断正面図で、円錐体を型間に臨
ませた状態の説明図、図8は型閉め状態の縦断正面図、
図9は型閉め状態の縦断側面図、図10は型内の袋状体
に加圧媒体を注入して燃料タンクの1次成形品を成形し
た状態を示す縦断正面図、図11は燃料タンクのバルジ
成形後の注入パイプ部分の拡大縦断側面図、図12は注
入パイプ部を切断除去する実施例の説明的断面図、図1
3は燃料タンク側の端部を除去して燃料供給口として注
入パイプを用いた実施例の説明的断面図、図14は得ら
れた燃料タンクの孔加工の縦断正面図、図15は燃料タ
ンク上部に給油口を、下方に燃料供給口を取り付けた状
態の縦断正面図、図16は燃料タンクの内部洗浄の状態
を示す縦断正面図、図17は得られた燃料タンクの外観
斜視図である。
【0009】図1は燃料タンクの中央縦断側面図で、そ
の外観は、図14に示す如くであ。図に示す如く、燃料
タンク1は、平面視では、前部が幅広で、後部が幅狭で
あり、全体の外形が涙滴状である。側面視では、前部が
上下方向に大きく、後部が小さい。断面形状は逆U字型
である。図2のA〜Gは燃料タンク1の各部の正断面図
で、図1の断面指示線A−A線〜G−G線各部の断面図
である。燃料タンク1は図示しない自動二輪車等のフレ
ームに跨がるように跨設され、左右の側部2,3の前部
2a,3aは深く、後方へ深さが順次浅くなるように形
成されている。
【0010】燃料タンク1の高さ方向中間部に設けられ
た中間底部4は、前部4aが高位で、後方へなだらかに
後下傾し、後部4bでは、側部2,3の後部2b,3b
と図2のGのように、同レベルとなる。燃料タンク2の
前部の上部には、金型成形時に圧潰されたフランジ部4
cが前方に突設され、又後部の下部には、金型成形時に
圧潰されたフランジ部4dが後方へ突設されている。
【0011】図2のAは図1のA−A線断面図なので、
溶接箇所が表れていないが、図2のB〜Gでは、底部4
の左右方向中間部に溶接部5が表され、燃料タンク1の
前後方向に直線状に一本の溶接部5が形成されている。
図2のA〜Gで示すごとく、燃料タンク1の図2のBに
相当する前部1bは容量が大きく、逆U字状をなし、こ
の後の図2のCに相当する1cは左右が絞った形状をな
し、図2のDに相当する燃料タンク1の1dの部分は、
容量が大きく、左右、上下に膨出する。
【0012】燃料タンク1の図2のEに相当する1eの
部分は、左右の側部2,3が若干下方に垂下されてい
る。燃料タンク1の図2のFに相当する1fの部分は、
左右の部分2,3が底部4と連続し、図2のGに相当す
る1gの部分は、同様に左右の部分2,3が底部4と連
続する。上記何れの場合においても、底部4の中間部
に、前後方向に高低差はあるものの、直線状に溶接部5
が形成されている。
【0013】以上において、燃料タンク1の各部の周長
は、図2のA〜Gで明らかなように夫々で異なる。実施
例では、図1の前記燃料タンクの断面指示線A〜Gの夫
々を、100mm間隔で断面としたもので、A,B,
C,D,E,F、Gの断面各部で周長が異なる。図3は
ブランク材を含む展開図で、破線cは成形に伴う素材の
伸びを考慮したブランク材の展開図、太線bは燃料タン
ク1の完成品の各部の周長を設定して得られた完成品展
開図、細線aで本発明で用いるブランク材の展開形状を
示している。図3において、A〜Gは、前記した図1の
A−A線〜G−G線の各部に相当する。
【0014】太線bは、前記したように、燃料タンク1
の完成品の各部の周長を設定して得られた完成品展開図
である。一方、破線cは、成形に伴う素材の伸びを考慮
したブランク材の展開図であり、燃料タンクの完成品展
開図に形状は類似するも、寸法が小さい。
【0015】ところで、ブランク材をバルジ成形した場
合に、素材にもよるが、概ね30%程度素材は伸びる。
そこで、素材の伸び率を、例えば、30%程度と想定し
た場合、必要なブランク材は破線cの如くである。とこ
ろが、燃料タンク1を展開した形状のブランク材cで
は、形状が、両端部の斜線で示した切断除去する部分を
含み提灯に類似する展開材となり、展開材cを筒状に成
形し、両側の切断外郭線c1,c2を溶接することに
は、成形、溶接の双方に困難性を伴う。
【0016】そこで、ブランク材の伸び、筒状成形の容
易化、溶接の容易化等の必要性から、略々台形状に類似
のブランク材aを切断で得る。ブランク材aは、切断さ
れた両側a1,a2が直線で、図の右側が細く、図の左
側が図の上下に広く、これの端部に三角形の余部a3が
連続して形成されており、余部a3は金型での把持エリ
アであり、Tは余部a3の頂部である。図の左右方向中
間部〜右側の部分が、破線展開ブランク材cの幅と略々
同等である。又実際の燃料タンクの展開ブランク材bよ
りも幅は伸び率を考慮して小さい。
【0017】ところで、上記したブランク材aを用い
て、円錐状部材を形成し、溶接し、円錐体を形成するも
のであるが、前記したように、素材の伸び率を、概ね3
0%程度見込んでいる。そこで、素材としてはJIS
G3141 SPCCを用い、板厚は0.8mmのもの
を用いた。又同SPDD(ハイテンション材)で板厚は
0.8mmのものを用いても良い。
【0018】以上で得られたブランク材aをローラ等で
丸める曲げ成形を施し、円錐状の部材6を得る。これを
図4で示した。得られた円錐状部材6の、前記した直線
状の両側a1,a2は、直線状に突き合され、突き合せ
部6aを、図5に示すようにYAGレーザ溶接機7で溶
接8し、突き合せ部6aは直線状なので、溶接機7のト
ーチは直線状に突き合せ部6aを操作すれば良いことと
なる。以上の溶接で円錐体9を得る。得られた円錐体9
を図5で溶接中の斜視図を、又縦断側面図として図6で
示した。レーザ溶接は、前記したようにブランク材aを
丸めた状態に曲げ成形し、ブランク材aの両側a1,a
2が直線状なので、溶接は直線状となる。レーザ溶接と
しては、YAGレーザ溶接が好ましい。
【0019】得られた円錐体9は、図6に示す如く、前
後に貫通し、円形の前端部開口部9aが大径で、円形の
後端部開口部9bが小径であり、前記溶接で一体化され
た円錐体を構成する。
【0020】以上の円錐体を金型10にセットする。金
型10は型開き状態を図7で示し、上部の左右の分割ダ
イ11,12、及び下型13とからなる。分割ダイ1
1,12は、対向する上部、及び下部に型合せ面11
a,12aを備え、中間部から左右方向に凹入するよう
に形成された造型部11b,12bを備える。下型13
は、下半部の左右に型合せ面13a,13aを備え、上
部には造型部13bを備える。
【0021】型開き状態の各型11,12,13の造型
部11a,12a,13a間に前記した円錐体9をセッ
トし、図7は、円錐体9を小径部方向から見た図であ
る。前記した円錐体9の小径の後端部開口部9bには、
加圧媒体、例えば油圧を注入する圧力注入用パイプ14
を圧入等の手段で嵌合し、円錐体9内と該パイプ14の
外側とを連通させる。図7は圧力注入用パイプ14を、
円錐体9の小径部開口部9bに嵌合、セットした状態を
示す。
【0022】次に、分割ダイ11,12、及び下型13
を型閉めする。各型11,12,13の型閉め状態を図
8で示した。型閉め状態で、型11,12,13間にセ
ットされた円錐体9は、型閉めで型の造型部11b,1
2b,13b間で加圧変形する。図8のように各型1
1,12,13の各造型部11b,12b,13bで構
成されるキャビティ15の内面に円錐体9の変形形状は
沿うことはなく、各型11,12,13の型閉め時に、
キャビティ15よりも大きい部分が加圧されてひしゃげ
た形状で変形する。
【0023】尚、図8中の袋体dの成形に際し、各型1
1,12,13の型閉め時の、半製品である袋状体dの
一部が型間に噛み込む虞が無しとは必ずしもいえない。
そこで、袋状体dの成形に際し、型11,12,13に
よる図8の成形前工程として、予備成形の工程を付加す
ることも考慮される。
【0024】キャビティ15は、図8のように燃料タン
ク1の最終断面形状に内面15aが設定されており、変
形した円錐体9の中央部に注入パイプ14が臨んでい
る。又図9のように、前記した注入パイプ14は、上下
の型11,12,13の一端部11c(12cは図示し
ない)、13cにおいて、円錐体9の小径端部9bを圧
潰することなく、注入パイプ14周に対し、小径部9b
がバルジ成形時の圧力下においても、液密に保持し、抜
脱しないように加圧、変形させ、パイプ14を強固に保
持させる。
【0025】一方、円錐体9の前記した大径部9aは、
ブランク材aの段階で余部a3を含み、型11,12,
13の他端部11d(12dは図示しない)が、外方に
逆L型にオーバーハングし、下型13の同方向の端部1
3dが内側に臨み、対向する加圧面11e,11f,1
3e,13fを逆L型に折曲するとともに、水平部分9
cを重ねて潰し、圧潰する。これを図9で示した。以上
により、袋状体dを成形し、袋状体dは、図8の状態で
成形され、図9は液圧注入後を示しているが、袋状体d
の前後端部は、図9の状態で、本体部がひしゃげた形状
をなす。
【0026】次に注入パイプ14を介して加圧媒体、例
えば油圧を袋状体d内に注入する。これにより所謂バル
ジ成形を行なう。油圧の注入で、袋状体dは、型11,
12,13の造型部11b,12b,13bで形成され
るキャビティ15の内面に押し付けられ、膨らんでキャ
ビティ15内面に密着し、燃料タンクの1次成形品eを
得る。この状態を図9、図10で示した。
【0027】ところで、注入パイプ14であるが、例え
ば図11の如く設定する。注入パイプ14の中間部に環
状の突起14aを予め形成しておき、これを円錐体9の
小径部9bに嵌合し、上記した型閉めにより、小径部9
bを図11のように得られた袋状体dの圧潰部d1を一
部が環状に突起d2が突出するように成形する。これに
より、圧潰と同時に注入パイプ14の突起14aが袋状
体dの後端圧潰部d1の突起d2と係合し、バルジ成形
時に注入パイプ14と袋状体dの後端圧潰部d1との結
合が強固となり、バルジ成形圧に耐え得る注入パイプ1
4と袋状体dの後端圧潰部d1との結合が得られる。
【0028】以後の工程であるが、図12のように、図
11のイの部分でレーザ等により切断し、図12のよう
に袋状部dの圧潰不要部を含んで図11のロで示す注入
パイプ14を除去し、除去した部分を14bの符号で示
した。この結果、バルジ成形した1次成形品eの後端部
に開口e1が生じるが、開口e1を圧潰し、爾後シーム
溶接しても良い。
【0029】他の手段としては、燃料タンクとして成形
した場合には、図17の燃料タンク1の後端フランジ部
1hを構成し、この部分では、自動二輪車等のフレーム
にネジ止めされる。このネジ止め部で、燃料を含む燃料
タンクの重量を負担するので、強度が必要である。この
ため、注入パイプ14を図11の状態のままとし、注入
パイプ14を強度メンバーとして用い、注入パイプ14
の余部を除去し、後端部を所定寸法に仕上、パイプ孔は
溶接等で塞ぐ。このように処理しても良い。
【0030】又図13のように、注入パイプ14の環状
突起14a以降を切断除去し、突起14a以前の1次成
形品上流側を除去してパイプ14の後半部を露出する。
この露出部14cを燃料タンクの燃料供給管として用
い、燃料ホース14d等を介して燃料コックに接続して
もよい。以上の各種処理の内、任意のものを採用しても
良い。又注入パイプの円錐体9の後端部への固定は、圧
潰前に溶接等で固定しても良い。
【0031】さて、成形工程の説明を元に戻すと、1次
成形品eを得た後、型10を型開きし、成形品eを取り
出し、例えば前記のような処理を選択し、例えば、注入
パイプ14を抜脱等して1次成形品のこの部分を圧潰
し、不要部、即ち、前記の圧潰した前後の圧潰フランジ
部等の不要部をレーザにより切断除去する。これにより
2次成形品を得る。尚、得られた2次成形品は、切断除
去した部分が、フランジ状の圧潰部なので、この部分を
シーム溶接等で溶接し、2次成形品fを得る。
【0032】得られた2次成形品fに対し、図14に示
すように、上面の一部に燃料注入口16を、又一方の側
部f1の一部の底部に燃料供給口17を孔明け加工す
る。図15に示すように、燃料供給口16には燃料注入
口金18を嵌装し、口金18周を溶接して固着し、一
方、側部f1底部の燃料供給口17には燃料コック取付
用口金19を溶接で固着する。
【0033】以上で燃料タンク1の完成品を得、得られ
た燃料タンク1は、内部に洗浄液Wを注入し、燃料タン
ク1の内部を洗浄し、洗浄液Wは上部の燃料注入口をな
す口金18から燃料タンク1内に注入し、下部の口金1
9から排出する。この洗浄工程を図16で示した。得ら
れた燃料タンク1の外観の概略を図17で示した。
【0034】得られた燃料タンク1の前記した後端フラ
ンジ部は、図示ではフラットなフランジ状であるが、爾
後の工程で、フランジ部1hに、自動二輪車等の車体フ
レームへ燃料タンク1を取り付けるための図示しないブ
ラケット等を、溶接等で固着する。又燃料タンクの前部
下面には、図示しない車体フレーム等の係止部と係合さ
せる係合部や、ヒンジブラケット等を溶接等で固着す
る。
【0035】
【発明の効果】以上で明らかなように本発明によれば、
請求項1においては、平面視において前部が幅広で、後
部が幅狭で、側面視において前部が上下方向に大きく、
後部が小さく、断面形状が逆U字型であり、自動二輪車
等のフレームに跨がるように跨設し、左右の側部の前部
が深く、後方へ深さが順次浅くなるようにした自動二輪
車等の燃料タンクの製造方法であって、金属板素材を略
々台形類似形状に切断し、素材の伸びを考慮し、中空円
錐体の周長方向長さを成形品の周長よりも小さくした
ランク材を得る工程と、ブランク材を中空円錐形に成形
し、中空円錐形素材の直線状接合部を溶接し、中空円錐
体を得る工程と、中空円錐体を上下の金型間にセット
し、金型を型閉めし、中空円錐体の両端部を圧潰し、
空円錐体を金型成形キャビティ内で所定形状の袋状体に
成形し、且つこれと併せて中空円錐体の一端部に圧力注
入用のパイプを嵌合し、該端部を該金型で圧潰して該袋
状体に取り付ける工程と、圧力注入用パイプから、金型
内の袋状体内に圧力媒体を注入し、金型キャビティの内
面に沿って袋状体を膨らませ、燃料タンクの1次形状に
成形する工程と、燃料タンクの1次形状成形品を金型か
ら取り出して、不要部の切断、燃料注入口の取り付け、
燃料供給口の取り付け等の工程等と自動二輪車等の燃料
タンクを得るようにしたので、燃料タンクの製造に際
し、略々台形のブランク材を円錐状に曲げ加工し、直線
状の接合部を直線状に溶接し、円錐体を得、円錐体を金
型間にセットしてバルジ成形し、燃料タンクの1次成形
品を得るので、従来のように3枚のブランク材の成形、
3個の成形部材の複雑な溶接が不要となり、ブランク素
材成形工程の簡素化、プレス工程の削減、簡易化、溶接
工程の大幅な簡易化が図れ、燃料タンクの製造が、大幅
に簡易化する。
【0036】特に本発明は、上記により、素材の切断、
プレス、溶接等の工程が大幅に削減され、工数が大幅に
少なくなり、燃料タンクの製造コストの低減に資する
処、極めて大である。又本発明は、燃料タンク形状に設
定されたキャビティ内で、液圧により燃料タンクを成形
するので、溶接箇所も少なく、形状的にも優れた、精度
良好な、外観性に優れた燃料タンクを得ることができ
る。
【0037】又ブランク材を、素材の伸びを考慮し、中
空円錐体の周長方向長さを成形品の周長よりも小さくし
たので、材料を無駄なく、有効に利用して所望の燃料タ
ンクを製造することができ、材料経済上も極めて有利に
燃料タンクを製造することができ、上記と併せコストダ
ウンに資する処極めて大である。
【0038】又中空円錐体の一端部に圧力注入用パイプ
を嵌合し、該端部を金型で圧潰して圧力注入用パイプを
袋状体に取り付けるようにしたので、バルジ成形するに
際し、圧力注入部を簡易に、又加圧媒体の注入上も合理
的にパイプの配置が行なえ、成形上有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料タンクの中央縦断側面図
【図2】図2は図1各部の指示線に従った断面図で、図
2Aは図1のA−A線断面図、同Bは図1のB−B線断
面図、同Cは図1のC−C線断面図、同Dは図1のD−
D線断面図、同Eは図1のE−E線断面図、同Fは図1
のF−F線断面図、同Gは図1のG−G線断面図
【図3】本発明にかかる燃料タンクのブランク材の展開
説明図
【図4】ブランク材を丸めて曲げ成形し、円錐状部材を
成形した状態を示す説明的斜視図
【図5】円錐状部材を溶接して、円錐体を成形する説明
的斜視図
【図6】円錐体の縦断側面図
【図7】円錐体をバルジ成形する型の型開き状態の縦断
正面図で、円錐体を型間に臨ませた状態の説明図
【図8】型閉め状態の縦断正面図
【図9】型閉め状態の縦断側面図
【図10】型内の袋状体に加圧媒体を注入して燃料タン
クの1次成形品を成形した状態を示す縦断正面図
【図11】図11は燃料タンクのバルジ成形後の注入パ
イプ部分の拡大縦断側面図
【図12】注入パイプ部を切断除去する実施例の説明的
断面図
【図13】燃料タンク側の端部を除去して燃料供給口と
して注入パイプを用いた実施例の説明的断面図
【図14】得られた燃料タンクの孔加工の縦断正面図
【図15】燃料タンク上部に給油口を、下方に燃料供給
口を取り付けた状態の縦断正面図
【図16】燃料タンクの内部洗浄の状態を示す縦断正面
【図17】得られた燃料タンクの外観斜視図
【図18】従来の燃料タンクのブランク材の説明図
【図19】ブランク材の1次成形の図
【図20】2次成形、且つ給油口を取り付けた状態の説
明図
【図21】上下の部材の溶接工程の説明図
【符号の説明】
1…燃料タンク、 a…ブランク材、 6…中空円錐形
素材、 6a…直線状接合部、 7…溶接機、 8…直
線状溶接部、 9…中空円錐体、 10,11,12,
13…金型、 d…袋状体、 e…1次成形品、 14
…圧力注入パイプ、 18…燃料注入口、 19…燃料
供給口。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62J 35/00 B21D 26/02,51/18

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平面視において前部が幅広で、後部が幅
    狭で、側面視において前部が上下方向に大きく、後部が
    小さく、断面形状が逆U字型であり、自動二輪車等のフ
    レームに跨がるように跨設し、左右の側部の前部が深
    く、後方へ深さが順次浅くなるようにした自動二輪車等
    の燃料タンクの製造方法であって、 金属板素材を略々台形類似形状に切断し、素材の伸びを
    考慮し、中空円錐体の周長方向長さを成形品の周長より
    も小さくしたブランク材を得る工程と、 前記ブランク材を中空円錐形に成形し、中空円錐形素材
    の直線状接合部を溶接し、中空円錐体を得る工程と、 前記中空円錐体を上下の金型間にセットし、金型を型閉
    めし、中空円錐体の両端部を圧潰し、中空円錐体を金型
    成形キャビティ内で所定形状の袋状体に成形し、且つこ
    れと併せて中空円錐体の一端部に圧力注入用のパイプを
    嵌合し、該端部を該金型で圧潰して該袋状体に取り付け
    工程と、 前記圧力注入用パイプから、金型内の袋状体内に圧力媒
    体を注入し、金型キャビティの内面に沿って袋状体を膨
    らませ、燃料タンクの1次形状に成形する工程と、 燃料タンクの1次形状成形品を金型から取り出して、不
    要部の切断、燃料注入口の取り付け、燃料供給口の取り
    付け等の工程、 等とからなることを特徴とする自動二輪車等の燃料タン
    クの製造方法。
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