WO2005110197A1

WO2005110197A1 - 挿入装置

Info

Publication number: WO2005110197A1
Application number: PCT/JP2005/008918
Authority: WO
Inventors: Yasuhito Kura; Takahiro Kishi; Akira Suzuki; Akira Taniguchi; Katsutaka Adachi; Makoto Abe
Original assignee: Olympus Corporation
Priority date: 2004-05-14
Filing date: 2005-05-16
Publication date: 2005-11-24
Also published as: US20070080962A1; CN1950021A; US7862504B2; US20070059956A1; JPWO2005110195A1; WO2005110195A1; WO2005110196A1; CN100455251C; JPWO2005110196A1; JPWO2005110197A1; US7938772B2; US20070060790A1; JP4436833B2

Abstract

　挿入装置は、内視鏡を構成する操作部の先端側から延出する挿入部を被覆する挿入部カバー手段、及びこの挿入部カバー手段の外周側に配置され、前記挿入部カバーによって被覆された前記挿入部に体腔内の深部に向けて導入するための推進力を付与する推進力発生部を外周面に有する螺旋管を備えた導入管と、前記導入管に備えられた螺旋管を回転させる回転部を有する回転装置とを具備している。

Description

明細書

挿入装置

技術分野

[0001] 本発明は、推進力を発生させて揷入部を被検体内に導入する挿入装置に関する。

背景技術

[0002] 近年、細長で可撓性を有する揷入部を備えた内視鏡は、医療分野にぉレ、て、検查或いは処置等に利用されている。この内視鏡では、挿入部を体腔内に挿入させることによって、切開することなく体腔内臓器等の観察を行えるば力りでなぐ必要に応じて、挿入部に設けられている処置具挿通用チャンネルを介して処置具を体腔内に導入することによって各種治療や処置を行える。前記内視鏡においては、挿入部の先端側に湾曲部が設けられている。湾曲部は、この湾曲部を構成する湾曲駒に連結された操作ワイヤを進退移動させることによって、例えば上下方向或いは左右方向等に湾曲動作するようになっている。操作ワイヤは、操作部に設けられている例えば湾曲ノブを回動操作されることによって進退移動されるようになっている。

[0003] 内視鏡検查を行う場合、揷入部を、複雑に入り組んだ体腔内に挿入しなければならなレ、。揷入部を複雑に入り組んだ管腔である、例えば大腸などのように 360° のループを描く管腔に揷入する際、術者は、湾曲ノブを操作して湾曲部を湾曲動作させるとともに、揷入部を捻り操作するなどの手元操作を行って、揷入部の先端部を観察目的部位に向けて導入していく。

[0004] しかし、揷入部を、複雑に入り組んだ大腸の深部まで患者に苦痛を与えることなぐスムーズに短時間で導入できるようになるまでには熟練を要する。言い換えれば、経験の浅い術者においては、揷入部を深部まで揷入してレ、く際に、揷入方向を見失つて揷通に手間取ってしまうおそれや、揷入部を深部に向けて揷通させてレ、く際に腸の走行状態を変形させてしまうおそれがあった。このため、挿入部の挿入性を向上させるための各種提案がなされている。

[0005] 例えば、特開平 10— 113396号公報には、生体管の深部まで容易にかつ低侵襲で医療機器を誘導し得る、医療機器の推進装置が示されている。この推進装置では、回転部材に、この回転部材の軸方向に対して斜めのリブが設けてある。このため、回転部材を回転動作させることにより、回転部材の回転力がリブによって推進力に変換され、推進装置に連結されている医療機器が前記推進力によって深部方向に向力、つて移動される。

[0006] し力、しながら、前記特開平 10— 113396号公報の医療機器の推進装置においては、検査終了後、たとえ推進装置を使い捨てとした場合でも内視鏡の洗浄 ·消毒作業を行わなければならなかった。内視鏡の洗浄'消毒作業は、医療関係者にとって手間と時間の力かる煩わしい作業の 1つであった。

[0007] 本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、内視鏡の揷入部を体腔内に導入する際においてはその揷入部を導入するための推進力を得られ、かつ検查終了後においては内視鏡の洗浄 ·消毒作業を不要にする使い勝手に優れた挿入装置を提供することを目的にしている。

発明の開示

課題を解決するための手段

[0008] 本発明の揷入装置は、内視鏡を構成する操作部の先端側から延出する揷入部を被覆する揷入部カバー手段、及びこの揷入部カバー手段の外周側に配置され、前記揷入部カバーによって被覆された前記揷入部に体腔内の深部に向けて導入するための推進力を付与する推進力発生部を外周面に有する螺旋管を備えた導入管と、前記導入管に備えられた螺旋管を回転させる回転部を有する回転装置とを具備している。

図面の簡単な説明

[0009] [図 1]図 1は挿入装置の構成を説明する図

[図 2]図 2は導入管の構成を説明する一部断面図を含む図

[図 3]図 3は図 2の m_m線断面図

[図 4]図 4は導入管を構成する基端部本体が配設される操作部の先端側部の構成を説明する図

[図 5]図 5は導入管と、この導入管の揷入部カバー内に揷通された内視鏡との関係を説明する図 [図 6]図 6は回転機構部の構成を説明する図

園 7]図 7は内視鏡の挿入部が挿通配置された導入管を肛門から挿入した状態を示す図

園 8]図 8は内視鏡の揷入部が揷通配置された導入管の先端部本体が盲腸部近傍まで挿入された状態を示す図

園 9]図 9は操作部の先端側部の他の構成例を説明する斜視図

園 10]図 10は図 9に示す操作部の先端側部の側面図及びその一部断面図園 11]図 11は係止用凸部の配置位置を告知する目印を設けた基端部本体を説明する図

園 12]図 12は他の構成の導入管を説明する図

園 13]図 13は導入管の先端部近傍の構成を説明する拡大図

園 14]図 14は導入管を構成する先端部本体の他の構成例を説明する図

園 15]図 15は導入管を構成する先端部本体の別の構成例を説明する図

園 16]図 16は内視鏡の先端部、及び操作部の先端側部に形成した係止溝を説明する図

園 17]図 17は内視鏡の挿入部にカバー部材を密着させる導入管の構成を説明する図

園 18]図 18は導入管の別の構成を説明する斜視図

園 19]図 19は図 18の導入管の構成を説明する長手方向断面図

園 20]図 20は流体の供給制御を行う電磁弁を備えた導入管の構成を説明する図園 21]図 21は電磁弁の動作例を説明する図

[図 22]図 22は流体制御を行うスィッチの他の構成を説明する図

園 23]図 23は送気送水ノズルと吸引用チャンネルの開口との間に内視鏡の揷入部が配設される導入管を説明する斜視図

園 24]図 24は螺旋管の構成に特徴を有する導入管の一構成を説明する図園 25]図 25は螺旋管の構成に特徴を有する導入管の他の構成例を説明する図 [図 26]図 26は導入管のその他の構成を説明する図

園 27]図 27は図 26に示した導入管に配設される内視鏡の揷入部先端部の構成例を説明する図

[図 28]図 28は図 26に示した導入管に配設される内視鏡の挿入部先端部の他の構成例を説明する図

[図 29]図 29は図 26に示した導入管内に配置される吸引管路の開口を有する揷入部を示す図

発明を実施するための最良の形態

[0010] 以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。

図 1乃至図 11を参照して本発明の一実施形態を説明する。

図 1に示すように本実施形態の挿入装置 1は、内視鏡 2と、内視鏡挿入補助具 3とで主に構成されている。

[0011] 内視鏡 2は、挿入部（図 2の符号 11参照）、この挿入部 11の基端側に設けられた操作部 12、及び操作部 12の側部から延出するユニバーサルコード 13を備えて構成されている。内視鏡 2の操作部 12の先端側部には処置具入口 14等が設けられている。処置具入口 14は、挿入部 11内に挿通配置された、処置具を体腔内に導入させるための処置具挿通用チャンネル（不図示）に連通してレ、る。

[0012] 内視鏡 2には外部装置として光源装置 4、ビデオプロセッサ 5、及びモニタ 6が備えられている。光源装置 4は内視鏡 2に照明光を供給する。ビデオプロセッサ 5は各種制御を行う制御回路や信号処理回路等を有している。ビデオプロセッサ 5は、内視鏡 2に設けられている図示しない撮像素子を駆動させる駆動信号の供給とともに、撮像素子で光電変換されて伝送された電気信号を映像信号に生成してモニタ 6へ出力する。モニタ 6の画面上にはビデオプロセッサ 5から出力された映像信号を受けて内視鏡画像が表示される。

[0013] 内視鏡揷入補助具 3は、導入管 20と、回転装置 40とで主に構成されている。

図 2及び図 3に示すように導入管 20は、先端部本体 21、基端部本体 22、カバー部材 23及び、螺旋管 24とを備えて構成されている。先端部本体 21、基端部本体 22、及びカバー部材 23とで挿入部カバー手段である挿入部カバー 10を構成する。螺旋管 24は後述するように推進力を発生させるための部材である。

[0014] 螺旋管 24は例えばステンレス製で所定の径寸法の金属素線 24aを螺旋状に卷回して所定の可撓性を有するように管状に形成したものである。したがって、螺旋管 24 の外表面には、金属素線 24aの表面が形成する、推進力発生部である螺旋形状部 2 4bが設けられる。

[0015] 揷入部カバー 10を構成するカバー部材 23は細長なチューブ状で摩擦抵抗が小さく柔軟な、例えばテフロン (登録商標)樹脂で形成されている。揷入部カバー 10を構成する先端部本体 21は筒状である。また、先端部本体 21は光学特性を有する透明な樹脂部材である、例えばポリカーボネートによって形成されている。先端部本体 21 の先端面は観察窓部 21aとして構成されている。先端部本体 21には内視鏡 2の揷入部 11を構成する先端部 15に被覆配置される。先端部本体 21の内径は、該先端部本体 21の内周面と先端部 15の外周面との間で所定の間隙が形成されるように、該先端部 15の外径より大径である。

[0016] 先端部本体 21の開口端部側である基端部側外周面には、基端側より順に第 1段部 21bと第 2段部 21cとが形成されている。第 1段部 21bにはカバー部材 23の一端部が例えば接着によって水密に被覆配置される。第 2段部 21cには螺旋管 24の一端部が接着等によって一体的に固定される。つまり、先端部本体 21にはカバー部材 23の一端部、及び螺旋管 24の一端部がそれぞれの段部 21b、 21cに一体的に固定される。

[0017] 一方、挿入部カバー 10を構成する基端部本体 22は管状である。基端部本体 22は、摺動性の良好な樹脂部材である、例えばボリァセタールによって形成されている。基端部本体 22は回転固定部 25と連結固定部 26とを有してレ、る。回転固定部 25は、操作部 12の先端部側を構成する折れ止め（図 2、図 5の符号 12a参照）近傍に配置される。回転固定部 25の内周面の基端側には例えば傾斜面を形成した 4つの係止用凸部 25aが周方向に等間隔で設けられている。連結固定部 26は、カバー部材 23 の他端部、及び螺旋管 24の他端部が固定されるように構成されている。具体的には、連結固定部 26には連結用溝部 26aが形成されている。連結用溝部 26a内には力バー部材 23の他端部が被覆配置されるとともに、螺旋管 24の他端部が配置される。そして、この配置状態において、カバー部材 23及び螺旋管 24の他端部に接着剤を塗布する。このことによって、カバー部材 23の他端部が基端部本体 22に水密に一体的に固定されるとともに、螺旋管 24の他端部が基端部本体 22に一体的に固定される。

[0018] したがって、カバー部材 23が先端部本体 21及び基端部本体 22に水密に固定された、細長な内部空間を有する、揷入部カバー 10が構成される。そして、内視鏡 2の揷入部 11の先端部 15を、基端部本体 22の開口力前記内部空間内に挿入し、その後、先端部 15をカバー部材 23を通過させて先端部本体 21の内周面側に配置させる。このことによって、揷入部 11を構成する先端部 15、湾曲部 16及び可撓管部 17 が揷入部カバー 10によって被覆された状態になる。

[0019] なお、螺旋管 24は一条の構成に限定されるものではなぐ多条（例えば 2条、 4条等）に卷いて形成したものであってもよい。また、金属素線 24aを螺旋状に卷く際、金属素線 24a間の密着度を変化させたり、螺旋の角度を種々変化させることによって螺旋管 24の特性を種々設定することができる

図 4に示すように操作部 12の先端側部には挿入部 11側から順に、周方向溝部（以下、周溝と略記する） 31と、係止部となる係止溝 32とが設けられている。周溝 31には回転固定部 25の内周面に形成されている係止用凸部 25aが遊嵌配置される。係止溝 32には係止用凸部 25aが係入配置される。

[0020] 周溝 31の幅寸法 W1は、係止用凸部 25aが周溝 31に沿ってスムーズに回転移動されるように係止用凸部 25aの幅寸法より幅広に形成されている。これに対して、係止溝 32の幅寸法 W2は係止用凸部 25aの幅寸法と略同じに形成され、形成位置は所定位置に設定されてレ、る。

[0021] したがって、図 5の下半分の図で示すように導入管 20を構成する挿入部カバー 10 の内部空間内に内視鏡 2の揷入部 11を配置させた状態において、回転固定部 25に形成されている係止用凸部 25aを周溝 31に配置させる。すると、観察窓部 21aの裏面 21dと、先端部 15の先端面との間に間隙 33が形成される。一方、図 5の上半分の図で示すように揷入部カバー 10の内部空間内に内視鏡 2の揷入部 11を配置させた状態において、係止用凸部 25aを係止溝 32に係入配置させる。すると、先端部本体 21が先端部 15の先端面側に移動されて、観察窓部 21aの裏面が先端部 15の先端面に密着した所定状態になる。このことによって、内視鏡 2においては観察窓部 21a を通して内視鏡観察を良好に行える。

[0022] 一方、図 1に示すように内視鏡挿入補助具 3を構成する回転装置 40は例えば、ァーム部 41と回転機構部 42とで構成されている。アーム部 41は検査室の天井に一端部が取り付けられる。アーム部 41は、複数の例えば長さの異なるアーム部材 41aと、隣り合うアーム部材 41a同士を回動自在に連結する関節部 41bとで構成されている。回転機構部 42はアーム部 41の他端部に取り付けられている。このことによって、回転機構部 42は、僅かな力量で任意の位置に移動される。

[0023] 図 6に示すように回転機構部 42は、筐体である回転部本体 43と、モータ 44と、回転部である回転力伝達部材 45と、案内管保持部 46とを有している。モータ 44は、螺旋管 24を螺旋管長手軸廻り（以下、軸廻りと略記する）の所定方向に回転させるための駆動力を発生する。モータ 44は、回転部本体 43の例えば側壁に固設されている。

[0024] 回転力伝達部材 45はモータ 44のモータ軸 44aに一体的に固定される。回転力伝達部材 45は、弾性を有する樹脂部材、或いはゴム部材等で形成されている。案内管保持部 46は、モータ軸 44aに固定された回転力伝達部材 45に対向した位置に配置される。案内管保持部 46は、回転部本体 43の例えば底部に固設されている。案内管保持部 46の回転力伝達部材 45に対向する面部には、螺旋管 24又は基端部本体 22の外形形状に略一致するように曲面、或いは半円形状の凹部（不図示）が形成されている。回転力伝達部材 45と案内管保持部 46の凹部との間には、図に示すように導入管 20を構成する螺旋管 24が配置されるようになってレ、る。

[0025] 前記図 5に示すように係止用凸部 25aを周溝 31に配置させた状態において、内視鏡 2の挿入部 11が配置されている導入管 20を構成する螺旋管 24を回転力伝達部材 45と案内管保持部 46との間に配置させた状態にする。そして、モータ 44を駆動状態にする。すると、モータ軸 44aに一体に固定されている回転力伝達部材 45が回転されて、この回転力が螺旋管 24に伝達される。ここで、螺旋管 24の両端部がそれぞれ先端部本体 21及び基端部本体 22に一体に固定されていること、これら本体 21、 2 2に対してカバー部材 23がー体に設けられていること、及び観察窓部 21aの裏面 21 dと先端部 15の先端面との間に間隙 33が設けられることによって、導入管 20が内視鏡 2の揷入部 11に対して軸廻りに対してスムーズな回転状態になる。 [0026] 上述のように構成した挿入装置 1の作用を説明する。

まず、医療関係者 (スタッフと略記する）は、内視鏡 2と内視鏡挿入補助具 3を構成する導入管 20を用意する。また、内視鏡挿入補助具 3を構成する回転装置 40のァーム部 41を移動させて、回転機構部 42を所望の位置に配置する。

[0027] 次に、導入管 20を構成する螺旋管 24の所望の部位である例えば基端部側を、回転機構部 42を構成する案内管保持部 46と回転力伝達部材 45との間に配置する。このことによって、導入管 20の基端部側が、回転機構部 42によって保持された状態になる。そして、導入管 20の先端部側を例えばベッド 7の上に配置する。

[0028] 次いで、導入管 20を構成する基端部本体 22の開口から内視鏡 2の揷入部 11を導入管 20の内部に揷通させていく。そして、基端部本体 22に設けられている係止用凸部 25aを周溝 31に配置させる。このことによって、内視鏡 2の揷入部 11は、導入管 2 0に設けられている揷入部カバー 10に被覆されて、大腸内に内視鏡 2を導入するための準備が完了する。このとき、前記図 5の下半分の図で示したように先端部本体 21 の基端面と先端部 15の先端面との間に間隙 33が形成された状態である。なお、内視鏡 2、導入管 20及び回転装置 40の準備とともに、周辺装置である光源装置 4、ビデォプロセッサ 5及びモニタ 6の準備も行う。

[0029] 導入管 20によって被覆された内視鏡 2を大腸内に挿入する手順を説明する。

まず、術者 (不図示）は、導入管 20の先端側を保持する。そして、導入管 20の先端部をベッド 7上に横たわつている患者 8の肛門に挿入する。すると、導入管 20に設けられてレ、る螺旋管 24の外表面に形成されてレ、る螺旋形状部 24bが腸壁に接触する。このとき、螺旋形状部 24bと腸壁との接触状態が、雄ねじと雌ねじとの関係になる。また、モニタ 6の画面上には観察窓部 21aを通して内視鏡 2の撮像素子で撮像された内視鏡画像が表示される。

[0030] 螺旋形状部 24bと腸壁とが接触した状態において、回転機構部 42のモータ 44を回転駆動させる。すると、上述したように回転力伝達部材 45が回転されて、この回転力伝達部材 45と案内管保持部 46との間に配置されている螺旋管 24に回転力が伝達される。このことによって、図 7の矢印に示すように導入管 20が軸廻り方向に回転した状態になる。 [0031] この回転状態において、回転された導入管 20を構成する螺旋管 24の螺旋形状部 24bと腸壁との接触部分に雄ねじが雌ねじに対して移動するような力、導入管 20を前進させる推進力が発生する。つまり、導入管 20はこの推進力によって大腸内の深部に向かって進められていく。すると、導入管 20を構成する基端部本体 22に設けられている係止用凸部 25aが周溝 31の先端側壁 31aに当接して、導入管 20に発生した推進力が内視鏡 2に伝達される。

[0032] このことによって、術者が把持している導入管 20とともに内視鏡 2の揷入部 11を推進力によって深部に向けて導入することが可能になる。ここで、術者が、導入管 20を押し進める手元操作を行うことにより、揷入部 1 1が配置された導入管 20は僅かな力量で体腔内深部へ向けて導入されていく。

[0033] つまり、肛門 71から挿入された、内視鏡 2の揷入部 11が揷通配置されている導入管 20は、前記推進力及び術者の手元操作及び湾曲操作等によって、直腸 72から S 字状結腸部 73に向かって進んでいく。そして、回転状態の導入管 20は、 S字状結腸部 73を通過し、その後、 S字状結腸部 73と可動性に乏しい下行結腸部 74との境界である屈曲部、下行結腸部 74と可動性に富む横行結腸部 75との境界である脾湾曲 76、横行結腸 75と上行結腸 78との境界である肝湾曲 77を通過して、図 8に示すように、観察目的部位である例えば盲腸部 79近傍に到達する。

[0034] 術者が、モニタ 6の画面に表示されている内視鏡画像から導入管 20の先端部本体 21が盲腸部 79近傍まで到達したと判断したなら、例えばスタッフに指示を行ってモータ 44の駆動を停止させる。その後、基端部本体 22を移動させて係止用凸部 25aを周溝 31から係止溝 32に係入配置させる。このことによって、観察窓部 21aの裏面 21 dが先端部 15の先端面に密着した状態になって、モニタ 6の画面上には術者の所望する良好な内視鏡画像が表示される。ここで、術者は、大腸内の内視鏡検查を行うため、揷入部 11の引き戻しに移行して検查を行う。

[0035] そして、検查終了後、内視鏡 2の揷入部 11を導入管 20から抜去し、導入管 20を廃棄する一方、内視鏡 2の揷入部 11を使用前の新たな導入管 20に揷入配置させる。このことによって、内視鏡 2の洗浄'消毒を行うことなぐ次の検查を行うことが可能になる。 [0036] このように、螺旋管及びカバー部材の端部を先端部本体及び基端部本体に一体的に固定して導入管を構成し、この導入管の基端部本体に設けた係止凸部を内視鏡の操作部に設けられている周溝に遊嵌配置させた状態にする。そして、回転機構部に設けられているモータによって回転される回転力伝達部材の回転力を螺旋管に伝達させて、導入管を回転させる。すると、導入管を深部に向けて導入するための推進力を得ることができ、この推進力によって導入管が移動される。このとき、係止凸部カ调溝の先端側壁に当接することによって、導入管に発生した推進力が内視鏡に伝達されるので、内視鏡の揷入部を導入管を構成する螺旋管で発生された推進力によつて深部に向けて導入することができる。

[0037] また、導入管に設けられている螺旋管の内周面側に配置されているカバー部材の端部を、先端部本体及び基端部本体に水密に密着配置させて揷入部カバーを構成している。このことによって、導入管に設けられた揷入部カバー内に内視鏡の揷入部を揷通配置させることにより、検査中において、挿入部が体壁等に直接接触することを確実に防止することができる。

[0038] したがって、検査終了後、内視鏡の挿入部を導入管から抜去し、この導入管を廃棄する一方、抜去した内視鏡を洗浄 ·消毒することなぐ新たな導入管と組み合わせて再使用することによって、スタッフは、検査終了毎に内視鏡及び導入管を洗浄'消毒する煩わしさから解消される。

[0039] なお、本実施形態においては、導入管 20によって覆われた内視鏡 2の挿入部 11 が挿入される管腔を大腸として説明をしているが、挿入部 11が挿入される管腔は大腸に限定されるものではなぐ口腔から食道、胃及び小腸まで等の管腔等であってもよい。

[0040] また、本実施形態における導入管 20の回転方向は、前進させる方向である一方向のみとしてもよいし、回転方向を一定周期、若しくは、任意のタイミングで前進させる方向と後進させる方向とに切替えで行うようにしてもよい。このように、前進と後進とを行う回転を組み合わせることにより、前進時において、万一、導入管 20の先端が腸の壁の小さな凹み等に引つ力かった場合、後進時にはその引つ力、かりが解除される。そして、再び、前進するときには、腸の位置と導入管 20の位置とが微妙に位置ずれされることによって、再び引つ力かることなくスムーズに前進することができる。

[0041] さらに、係止溝 32を形成する代わりに、係止部を図 9に示すような係止凹部 34で形成するようにしてもよレ、。このことによって、先端部本体 21の基端面が先端部 15の先端面に当接している状態において導入管 20の基端部側が周方向に位置ずれすることを防止することができる。

[0042] 係止凹部 34を形成するに当たっては、図 9及び図 10に示すよう周溝 31と係止凹部 34との間に、周溝 31から係止凹部 34に行くにしたがって外径寸法が大径に変化する傾斜面 35を設ける。このことによって、係止用凸部 25aを周溝 31から係止溝 32へ僅かの力量でスムーズに移動させることができる。

[0043] 又、図 11に示すように導入管 20を構成する基端部本体 22の外周面に、係止用凸部 25aの位置を術者或いはスタッフに告知するための目印 27を設けるようにしてもよレ、。このことによって、目印 27と係止凹部 34とを位置合わせした状態にして基端部本体 22を基端側に移動させる移動作業を行うことによって、係止用凸部 25aを周溝 31 力係止凹部 34に、一度で、確実に配置させることができる。

[0044] 図 12乃至図 17を参照して挿入部カバーを有する他の構成の導入管の構成及び作用を説明する。

図 12に示すように本実施形態の導入管 20Aは、挿入部カバー手段である挿入部カバー 10Aと螺旋管 24とを備えて構成されている。挿入部カバー 10は、先端部本体 21、基端部本体 22、及びカバー部材 23とで構成され、螺旋管 24は先端部本体 2 1及び基端部本体 51に対して回動自在に配設されている。そして、先端部本体 21と螺旋管 24との間には環状部材 52が配設されている。

[0045] 基端部本体 51は管状で樹脂部材によって形成されている。基端部本体 51の基端側内周面には〇リング 53が配置される Oリング配設用周溝 51aが形成されている。〇リング 53は、基端部本体 51を折れ止め 12aの所定位置に一体的に固設させるための固定手段であり、折れ止め 12aの外周面に対して所定の付勢力で水密に密着して配置される。

[0046] 基端部本体 51の先端側外周面には先端側より順に、第 1段部 51bと第 2段部 51c とが形成されている。第 1段部 51bにはカバー部材 23の他端部が例えば接着によつて水密に固定される。このことによって、先端部本体 21及び基端部本体 51にカバー部材 23を水密に固定された、細長な内部空間を有する挿入部カバー 10Aが構成される。

[0047] 環状部材 52は硬質な部材である例えばステンレス製で、所定の厚み寸法に形成されている。この環状部材 52は、先端部本体 21の第 2段部 21cに形成されている壁面に密着するように例えば接着によって一体的に固設される。

[0048] 本実施形態の螺旋管 24のそれぞれの端部は、先端部本体 21の第 2段部 21c及び基端部本体 51の第 2段部 51cに回動自在に配置される。したがって、本実施形態においては、前記導入管 20が回転する代わりに、導入管 20Aを構成する螺旋管 24が先端部本体 21及び基端部本体 51に対して回動する構成になっている。

[0049] また、本実施形態の螺旋管 24においては、少なくともこの螺旋管 24の一端面と先端部本体 21の第 2段部 21cに固設された環状部材 52の端面との間、又は、螺旋管 2 4の他端面と基端部本体 51の第 2段部 51cに形成されている壁面との間に、例えば所定の寸法の間隙 tが形成されている。

その他の構成は前述した実施形態と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。

[0050] 上述のように構成した導入管 20Aを備えた挿入装置 1の作用を説明する。

まず、スタッフは、内視鏡 2と導入管 20Aを用意し、回転装置 40のアーム部 41を移動させて、回転機構部 42を所望の位置に配置する。

[0051] 次に、導入管 20Aを構成する螺旋管 24の所望の部位である例えば基端部側を、回転機構部 42を構成する案内管保持部 46と回転力伝達部材 45との間に配置する

。このことによって、導入管 20Aの基端部側が、回転機構部 42によって保持された状態になる。

[0052] 次いで、導入管 20Aを構成する基端部本体 51の開口から内視鏡 2の揷入部 11を導入管 20内に揷通させていく。そして、基端部本体 51に設けられている〇リング 53 を内視鏡 2に設けられている折れ止め 12aに密着して水密状態が保持される。

[0053] このことによって、基端部本体 51が Oリング 53の付勢力によって基端部本体 51に一体的に固設される。この固設状態において、内視鏡 2の揷入部 11は、導入管 20A に設けられている挿入部カバー 10Aに被覆されて、例えば大腸内に内視鏡 2を導入するための準備が完了する。このとき、本実施形態においては前記図 5の上半分の図で示したように先端部本体 21の基端面と先端部 15の先端面とが密着した状態になる。なお、内視鏡 2、導入管 20A及び回転装置 40の準備とともに、周辺装置である光源装置 4、ビデオプロセッサ 5及びモニタ 6の準備も行う。

[0054] ここで、導入管 20Aによって被覆された内視鏡 2を大腸内に挿入する手順を説明する。

まず、術者 (不図示）は、導入管 20Aの先端側を保持する。そして、導入管 20Aの先端部をベッド 7上に横たわつている患者 8の肛門に挿入する。すると、導入管 20A に設けられている螺旋管 24の外表面に形成されている螺旋形状部 24bが腸壁に接触する。このとき、螺旋形状部 24bと腸壁との接触状態が、雄ねじと雌ねじとの関係になる。また、モニタ 6の画面上には観察窓部 21aを通して内視鏡 2の撮像素子に結像した良好な内視鏡画像が表示される。

[0055] 螺旋形状部 24bと腸壁とが接触した状態において、回転機構部 42のモータ 44を回転駆動させる。すると、回転力伝達部材 45が回転されて、この回転力伝達部材 45 と案内管保持部 46との間に配置されている螺旋管 24に回転力が伝達される。このことによって、前記図 7の矢印に示すように導入管 20を構成する螺旋管 24だけが軸廻りに回転した状態になる。すると、回転された螺旋管 24の螺旋形状部 24bと腸壁との接触部分に、前記推進力が発生する。このことによって、螺旋管 24は、図 13の矢印に示すように環状部材 52方向に向かって移動されていく。

[0056] そして、螺旋管 24の先端が環状部材 52に当接することによって、螺旋管 24で発生した推進力が先端部本体 21を介して導入管 20Aに伝達されて、この導入管 20Aが推進力によって体腔内の深部に向かって移動されていく。この状態において、導入管 20Aが内視鏡 2の揷入部 11に対して一体的に配設されてレ、るため、推進力によつて体腔内の深部に向けて移動される導入管 20Aとともに揷入部 11も深部に向かって導入されていく。したがって、術者が、導入管 20Aを押し進める手元操作を行うことによって、内視鏡 2の揷入部 11がー体的に配設されている導入管 20Aの体腔内深部へ向けての導入を僅かな力量で行える。 [0057] このように、内視鏡の挿入部に対して一体的に配設される導入管を構成する螺旋管のそれぞれの端部を、先端部本体及び基端部本体に対して回動自在に配設する。そして、回転機構部に設けられているモータによって回転される回転力伝達部材の回転力を螺旋管に伝達する。すると、螺旋管が導入管を構成する先端部本体及び基端部本体に対して回転状態になって、導入管を深部に向けて導入するための推進力を得ることができる。続いて、推進力で移動する回転状態の螺旋管を、先端部本体に固設した環状部材に当接させる。このことによって、螺旋管で発生された推進力を、減衰されることなく先端部本体を介して導入管に伝達することができる。その他の作用及び効果は前述した実施形態と同様である。

[0058] なお、図 14に示す導入管 20Bのように先端部本体 55を、先端部材 56と、観察窓部材 57とで構成するようにしてもよい。先端部材 56は管状で、該先端部材 56の外周面基端部側には第 1段部 21b及び第 2段部 21cが設けられている。観察窓部材 57は観察窓を構成する例えば樹脂製の光学部材であり、先端部材 56の先端面に配設される。

[0059] このことによって、先端部材 56を光学特性を有する樹脂部材で形成することなく汎用の樹脂部材で形成することができる。この構成においては、挿入部カバー 10Bは、観察窓部材 57を備えた先端部本体 55及び基端部本体 51にカバー部材 23を水密に固定して、細長な内部空間が構成される。その他の構成及び作用'効果は上述した実施形態と同様である。

[0060] また、先端部本体 55において、先端部材 56の内周面に Oリング配設用周溝 56aを形成して、この Oリング配設用周溝 56aに前記〇リング 53と略同様な作用を有する、つまり、所定の付勢力を有する Oリング 58を設けるようにしてもよい。

[0061] このことによって、先端部本体 55の内部に配設される揷入部 11の先端部 15の外周面に対して〇リング 58が弾性力によって一体的に押圧配置される。したがって、基端部本体 51に加えて、先端部本体 55も揷入部 11に対して固定して、導入管 20Bをより確実に内視鏡 2の揷入部 11に一体的に固定することができる。その他の構成及び作用 ·効果は上述した実施形態と同様である。

[0062] さらに、図 15に示す導入管 20Cのように先端部本体 55を、先端部材 59と、観察窓部材 57とで構成するようにしてもよい。先端部材 59は固定手段を兼ね、弾性部材で管状に形成され、該部材 59の外周面基端部側には第 1段部 21b及び第 2段部 21c が設けられている。先端部材 59の貫通孔は先端側を形成するテーパ面 59aと、基端側を形成する案内面 59bとで構成されている。テーパ面 59aは、観察窓部材 57側から基端側に行くにしたがって内径寸法が徐々に先端部 15の外径寸法より所定量だけ細径になっている。案内面 59bは、基端側の内径寸法が先端部 15の外径寸法よりやや大径で先端側に向力にしたがってその内径寸法が徐々に細径になっている。

[0063] したがって、揷入部 11の先端部 15を先端部本体 55の弾性力に杭して所定位置に配置させることによって、先端部本体 55と揷入部 11の先端部 15とを弾性力によって一体的に固定することができる。その他の構成及び作用'効果は上述した実施形態と同様である。

[0064] 又、図 16に示すように内視鏡 2の先端部 15、及び操作部 12の先端側部 12bに、先端部本体 (不図示）、及び基端部本体 (不図示）が周方向に位置ずれ或いは回動することを防止するための係止溝 15a、 12cを固定手段或いは位置ずれ防止手段である位置ずれ防止溝として形成するようにしてもよい。この係止溝 15a、 12cを形成するに当たっては、図示しない先端部本体及び基端部本体に係止溝 15a、 12cに係入配置される凸部をそれぞれ設ける。

[0065] さらに、図 17に示す導入管 20Dにおいては、前記図 14に示した基端部本体 51に対して本体部外部と本体部内孔とを連通する連通孔 51dを設けている。この連通孔 5 Idには口金部 60力 S設けられ、口金部 60には吸引ポンプ 61から延出された吸引用チューブ 62が連結される。

[0066] そして、内視鏡 2の揷入部 11を導入管 20Dを構成する揷入部カバー 10B内に揷通配置させた状態において、吸引ポンプ 61によって揷入部 11とカバー部材 23との間の空気を吸引する。すると、カバー部材 23が内視鏡 2の揷入部 11に対して密着した状態になる。

[0067] このことによって、回転機構部 42のモータ 44によって回転される螺旋管 24がカバ一部材 23に接触することが防止されて、カバー部材 23に穴あきや破れ等の不具合が発生することを確実に防止することができる。その他の構成及び作用'効果は上述した実施形態と同様である。

[0068] 図 18乃至図 23を参照して挿入部カバーを有する別の構成の導入管の構成及び作用を説明する。

図 18及び図 19に示すように本実施形態の導入管 20Eにおいては、揷入部カバー手段である揷入部カバー 10Cを弾性カバーチューブ 81、及び基端部構成部材 82 で構成している。そして、弾性カバーチューブ 81の外周面側には螺旋管 24が回動自在に配設される。

[0069] 弾性カバーチューブ 81は例えば摩擦抵抗が小さく可撓性を有する細長なテフロン

(登録商標）樹脂によって形成されている。弾性カバーチューブ 81には第 1貫通孔 8 la、第 2貫通孔 81b及び第 3貫通孔 81cが設けられている。弾性カバーチューブ 81 の先端部にはフランジ部 81dが設けられている。

[0070] 第 1貫通孔 81aは内視鏡 2の揷入部 11を揷通するための貫通孔である。このため、弾性カバーチューブ 81のフランジ部 81dの先端面には、第 1貫通孔 81aの先端側開口を塞ぐ観察窓部材 57が水密を確保するように固定されている。

[0071] 第 2貫通孔 81bは送気送水用チャンネルである。このため、第 2貫通孔 81bの先端部には送気送水ノズノレ 83が固設される。送気送水ノズル 83の開口は、観察窓部材 5 7に対向している。このため、観察窓部材 57に例えば汚物等が付着した際、送気送水ノズノレ 83の開口から矢印に示すように例えば水を噴出させることによって、付着した汚物を洗い流せる。また、送気送水ノズノレ 83の開口から例えば空気を噴出させることによって、観察窓部材 57の表面に付着している水滴等の除去を行える。

そして、第 3貫通孔 81cは吸引用チャンネルである。

[0072] 弾性カバーチューブ 81の外周面には螺旋管 24が回動自在に配設される。弾性力バーチューブ 81の先端部にフランジ部 81dを設けたことによって螺旋管 24が脱落すること力 S防止される。なお、本実施形態においても、フランジ部 81dが形成する基端側の壁面に前記環状部材 52を配設するようにしてもよい。

[0073] 一方、基端部構成部材 82は管状な樹脂部材によって形成されており、基端部構成部材 82の先端面側に螺旋管 24の基端面が当接する構成になっている。基端部構成部材 82の先端側部には弾性カバーチューブ 81の基端部が係入配置される第 1凹部 82aが設けられている。これに対して、基端部構成部材 82の基端側部には内視鏡 2の操作部 12の先端側部が配設される第 2凹部 82bが設けられている。第 1凹部 82 aと第 2凹部 82bとは挿入部 11が通過可能な内径寸法の透孔 82cによって連通されている。

[0074] また、基端部構成部材 82の所定位置には、弾性カバーチューブ 81に設けられている第 2貫通孔 81bに連通する連通孔である送気送水用孔 82dと、第 3貫通孔 81c に連通する連通孔である吸引用孔（不図示）とが設けられている。送気送水用孔 82d 及び吸引用孔の端部には管路接続部材 84がそれぞれ配設される。

[0075] 送気送水用孔 82dに配設された管路接続部材 84には送気送水装置 85から延出される送気送水管路 85aが連結される。一方、吸引用孔に配設された管路接続部材（不図示）には吸引装置 (不図示)から延出される吸引管路 (不図示）が連結される。

[0076] 本実施形態において前記送気送水装置 85、及び吸引装置は、例えば前記ビデオプロセッサ 5に電気的に接続されている。そして、内視鏡 2の操作部 12には送気送水用押しボタンスィッチ（以下、第 1スィッチと略記する） 87及び吸引用押しボタンスイツチ（以下、第 2スィッチと略記する） 88が設けられている。

[0077] 第 1スィッチ 87は、検知部 87aを有するボタン部 87bと、検知部 87aを検出するセンサ 87c、 87dとで構成されている。これに対して、第 2スィッチ 88は、検知部 88aを有するボタン部 88bと、検知部 88aを検出するセンサ 88cとで構成されている。なお、符号 89aはボタン部 87c、 88bを図の位置に付勢するバネである。符号 89bは各センサ 87c、 87d、 88cから延出する信号線であり、ビデオプロセッサ 5に電気的に接続される。

[0078] このことによって、送気送水装置 85は、例えば第 1スィッチ 87のボタン部 87bが押し込み操作されて検知部 87aの位置がセンサ 87cによって検出されることによって、送気状態になる。そして、送気送水装置 85は、さらにボタン部 87bが押し込み操作されて検知部 87aの位置がセンサ 87dによって検出されることによって、送気状態から送水状態に切り替わるようになつている。一方、吸引装置は、例えば第 2スィッチ 88 のボタン部 88bを押し込み操作して検知部 88aがセンサ 88cによって検出されることによってが吸引状態になる。 [0079] このように、弾性カバーチューブに送気送水のための第 2貫通孔 81b、吸引のための第 3貫通孔 81cを設けたことによって、弾性カバーチューブ 81の第 1貫通孔 81aに挿通配置される本実施形態の内視鏡 2Aにおいては、挿入部 11の先端面に観察光学系を構成する観察窓 18、及び照明光学系を構成する照明窓 19だけを設けて、揷入部の細径化を図ることができる。

[0080] なお、図 20及び図 21に示すように例えば送気送水装置 85から延出される送気管路 85b、及び送水管路 85cと、吸引装置（不図示）から延出される吸引管路 85dとの中途部に電磁弁 90を設ける一方、例えば操作部 12に設けられるスィッチ部 91、 92 、 93に送気用のタツチセンサ 91a、送水用のタツチセンサ 92a、吸引用のタツチセンサ 93aを設けるようにしてもよい。このことによって、操作されたタツチセンサに対応した管路を開状態に変化させて、送気、送水、或いは吸引を行うことができる。図 21に示す状態は、送水用のタツチセンサ 92aが操作されて、送気用のピストン 9 lb、及び送水用のピストン 92bが移動されて送気管路 85bと送水管路 85cとが開かれて送水を行っている状態である。

スィッチ部 91、 92、 93に設けられるセンサは、前記タツチセンサ 91a、 92a、 93aに限定されるものではなぐフォトセンサ等であってもよレ、。また、スィッチ部 91、 92、 93 を、図 22の矢印で示すように回動自在なダイアルを備えたダイアルスィッチ 94としてもよレ、。このダイアルスィッチにおいては、ダイヤルの回動位置に応じて各ピストン 91 b、 92b、 93bの位置が変化する。このため、ダイヤルスィッチ 94の回動位置を変化させて、送気 '送水の際の噴出量の調整や、吸引量の調整を行える。

[0081] また、図 23に示す導入管 20Fのように内視鏡 2の挿入部 1 1が挿通配置される第 1 貫通孔 81aを挟んで、第 2貫通孔 81bと、第 3貫通孔 81cを配設する構成にしてもよレ、。このことによって、前記図 18に示したように揷入部 11の先端面の一方側に送気送水チャンネル、及び吸引チャンネルを配設させた導入管 20Eの構成に比べて、導入管 20Fの可撓性のバランスを上下方向で略同等に保つことができるとともに、左右方向で略同等に保つことができる。

[0082] 図 24を参照して螺旋管の構成に特徴を有する導入管の一構成、及びその作用を説明する。図 24に示すように本実施形態の導入管 20Gにおいては、カバー部材 23の外周面側に配置される螺旋管 100の構成が前述した実施形態と異なっている。螺旋管 100 は、可撓性に優れた単層部 101と、この単層部 101に比べて硬めであるが所定の可撓性を有する複層部 102とで構成されている。単層部 101は金属素線を螺旋状に一条で卷回して構成され、複層部 102は金属素線を螺旋状に二条で卷回して構成される。

[0083] そして、図に示すように単層部 101は、揷入部 11の湾曲部 16、及びその前後を覆うように配置される。したがって、湾曲部 16を湾曲動作させたとき、湾曲部 16が単層部 101に配設されていることによって、湾曲部 16の湾曲性が損なわれることなく所望の湾曲動作を行う。これに対して、複層部 102は湾曲部 16より基端側の可撓管部 17 を覆うように配置される。したがって、回転機構部 42に設けられているモータ 44によつて回転される回転力伝達部材 45を複層部 102に配置することによって、該回転力伝達部材 45の回転力が効率良く螺旋管 100に伝達される。

[0084] なお、本実施形態においては先端部本体 103を、管状で基端部側に第 1段部 104 a、第 2段部 104b、及び抜け止め部 104cを設けた先端管部材 104と、この先端管部材 104の先端面に配設される観察窓部材 57とで構成している。このことによって、単層部 101は、先端管部材 104に設けた抜け止め部 104cによって覆われた状態で第 2段部 104bに配置される。したがって、単層部 101が先端管部材 104から脱落することを確実に防止することができる。

[0085] 図 25を参照して螺旋管の構成に特徴を有する導入管の他の構成、及びその作用を説明する。

図 25に示すように本実施形態の導入管 20Hにおいて揷入部カバー 10Dは、第 1 カバー部 111と第 2カバー部 112とを設けて構成されている。第 1カバー部 111は揷入部 11の湾曲部 16及びその前後を被覆する。第 2カバー部 112は湾曲部 16より基端側の可撓管部 17を被覆する。

[0086] 第 1カバー部 111は、管状の先端管部材 113と、観察窓部材 57と、管状の中途部管部材 114と、第 1カバー部材 23aとで構成される。先端管部材 113と観察窓部材 5 7とで先端部本体が構成される。第 1カバー部材 23aの端部は、先端管部材 113及び中途部管部材 114に水密に固定される。そのため、先端管部材 113の基端部外周面、及び中途部管部材 114の先端部外周面にはそれぞれ第 1カバー部材 23aが水密に固定される段部 113a、 114aが設けられている。

[0087] 一方、第 2カバー部 112は、中途部管部材 114と、図示しない基端部本体 51と、第 2カバー部材 23bとで構成される。第 2カバー部材 23bの端部は、中途部管部材 114 及び基端部本体 51に水密に固定される。そして、第 2カバー部材 23bの外周側には螺旋管 24が配設されるようになつている。中途部管部材 114の基端部外周面には第 1段部 114b、及び第 2段部 114cが設けられている。第 1段部 114bには第 2カバー部材 23bが水密に固定される。第 2段部 1 14cには螺旋管 24が回動自在に配設される。

[0088] なお、中途部管部材 114は例えば弾性力によって可撓管部 17の先端側部に一体的に配設されるようになつている。このことによって、第 1カバー部 111によって被覆された湾曲部 16は、湾曲性を損なわれることなく湾曲動作する。

[0089] 図 26乃至図 29を参照して挿入部カバーを有するまた他の構成の導入管の構成及び作用を説明する。

[0090] 図 26に示すように本実施形態の導入管 20Kにおいては、挿入部カバー手段である挿入部カバー 10Eを先端部本体 121、基端部本体 51及びカバー部材 123とで構成している。螺旋管 24は、先端部本体 121及び基端部本体 51に対して回動自在に配設されている。そして、先端部本体 121の所定位置には環状部材 52が固設されている。

本実施形態においてカバー部材 123は細長で光透過性を有する薄肉な弾性部材であり、一端部が袋状部 123aとして構成され、他端部が開口として構成されている。

[0091] 先端部本体 121は管状で樹脂部材によって形成されている。カバー部材 123の基端部側外周面には螺旋管 24が回動自在に配置される段部 121 aが形成されている。先端部本体 121の内周面には、カバー部材 123の所定部位が例えば接着によつて一体的に密着固定されている。このことによって、カバー部材 123の袋状部 123a は、先端部本体 121の先端面から所定量だけ突出している。カバー部材 123の基端部開口は、基端部本体 51の第 1段部 51bに例えば接着によって水密に固定されている。

[0092] 螺旋管 24のそれぞれの端部は、先端部本体 21の段部 121a及び基端部本体 51 の第 2段部 51cに回動自在に配置される。環状部材 52は先端部本体 121の段部 12 laに形成されている壁面に対して例えば接着によって一体的に固設される。その他の構成は上述した実施形態と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。

[0093] したがって、本実施形態の導入管 20Kの揷入部カバー 10E内には、図 27に示すように先端面 131を平面で構成した内視鏡 132の揷入部 133や、図 28に示すように先端面 134を例えば曲面で構成した内視鏡 135の揷入部 136を揷通させたとき、袋状部 123aが先端面形状に一致するように変形して密着配置される。符号 137は観察用レンズ、符号 138は照明用レンズである。

[0094] このように、導入管に設けられる揷入部カバーを構成するカバー部材を弾性部材で形成し、一端部に袋状部を設ける。そして、この袋状部に挿入部の先端部を被覆配置させる。このことによって、挿入部カバー内に挿入配置される内視鏡の挿入部先端形状にかかわらず、薄肉の挿入部カバーを挿入部の先端部に密着配置させることができる。その他の作用及び効果は上述した実施形態と同様である。

[0095] なお、内視鏡 132の先端部（不図示）、及び操作部（不図示）の先端側部に、先端部本体 121、及び基端部本体 51が周方向に位置ずれすることを防止するための位置ずれ防止手段として位置ずれ防止溝として係止溝 (不図示)を形成するようにしてもよレ、。この係止溝を形成するに当たっては、先端部本体、及び基端部本体にこの係止溝に係入配置される凸部をそれぞれ設ける。

[0096] また図 29に示すように内視鏡 139の先端面 140に、吸引管路と処置具揷通用チヤンネルとを兼ねる開口 141を有する場合においては、揷入部カバー 10E内に揷入部 142を配置させた状態において、この開口 141を吸引管路として作用させる。このことによって、揷入部カバー 123の袋状部 123aをより確実に先端面 140に密着させた状態にして、揷入部カバー 123の検查中の位置ずれ等を確実に防止することができる。

[0097] なお、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなぐ発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。

Claims

請求の範囲

[1] 内視鏡を構成する操作部の先端側から延出する揷入部を被覆する揷入部カバー手段、及びこの揷入部カバー手段の外周側に配置され、前記揷入部カバーによって被覆された前記揷入部に体腔内の深部に向けて導入するための推進力を付与する推進力発生部を外周面に有する螺旋管を備えた導入管と、

前記導入管に備えられた螺旋管を回転させる回転部を有する回転装置と、を具備することを特徴とする挿入装置。

[2] 前記挿入部カバー手段は、

前記挿入部を構成する先端部に被覆配置される、観察窓部を有し筒状で開口端部側に前記螺旋管の一端部が配設される先端部本体と、

前記操作部の先端側部に配設される管状で、前記螺旋管の他端部が配設される基端部本体と、

前記先端部本体、及び前記基端部本体に対して端部が水密に配設される柔軟なカバー部材と、

を具備することを特徴とする請求項 1に記載の挿入装置。

[3] 前記螺旋管を、前記先端部本体、及び前記基端部本体に固設する構成において前記基端部本体の内周面に係止凸部を設け、前記操作部の先端側部の外周面に前記係止凸部が遊嵌配置される周方向溝部、及び前記係止凸部が係入配置される係止部を設けたことを特徴とする請求項 2に記載の挿入装置。

[4] 前記基端部本体を構成する部材、又は前記操作部の先端側部を構成する部材のうち、少なくとも一方は摺動性の良好な部材であることを特徴とする請求項 3に記載の挿入装置。

[5] 前記周方向溝部は、前記係止部よりも長手軸方向に対して所定距離だけ揷入部側に位置することを特徴とする請求項 3に記載の挿入装置。

[6] 前記係止部の形成位置を、前記係止凸部を該係止部内に配設させた状態において、前記観察窓部に前記内視鏡の先端面が当接配置される位置に設定したことを特徴とする請求項 3に記載の挿入装置。

[7] 長手軸方向に挿入部側から順に形成される前記周方向溝部と前記係止部との間に、前記係止凸部を該周方向溝部から該係止部に案内する傾斜面を設けたことを特徴とする請求項 5に記載の挿入装置。

[8] 前記螺旋管を、前記先端部本体、及び前記基端部本体に対して回動自在に配設する構成において、

前記先端部本体、又は前記基端部本体の少なくとも一方に、該先端部本体を前記揷入部を構成する先端部に一体的に配設する、又は該基端部本体を前記操作部の先端側部に一体的に配設する、固定手段を設けたことを特徴とする請求項 2に記載の挿入装置。

[9] 前記螺旋管を、前記先端部本体、及び前記基端部本体に対して回動自在に配設する構成において、

前記先端部本体に、前記螺旋管の端面が当接する硬質な部材で形成された環状部材を設けたことを特徴とする請求項 8に記載の挿入装置。

[10] 前記固定手段は、前記先端部本体、又は前記基端部本体に配設される Oリングであることを特徴とする請求項 8に記載の挿入装置。

[11] 前記固定手段は、前記先端部本体を形成する弾性部材であることを特徴とする請求項 8に記載の挿入装置。

[12] 前記固定手段は、前記先端部本体、又は基端部本体の内周面に設けられる凸部及びこの凸部に対応するように前記挿入部に設けられる凹部であることを特徴とする請求項 8に記載の挿入装置。

[13] 前記基端部本体に、前記基端部本体の内周面側と外周面側とを連通する連通孔を設けたことを特徴とする請求項 8に記載の挿入装置。

[14] 前記揷入部カバー手段は、

少なくとも前記揷入部が揷通される貫通孔を有し、外周面先端側に前記螺旋管が脱落することを防止する壁面を設けた、可撓性を有する弾性カバーチューブと、この弾性カバーチューブに形成された貫通孔の先端側開口を塞ぐように水密に配置される光学特性を有する観察窓部材と、

前記弾性カバーチューブの基端部に一体的に配設され、前記貫通孔に連通する透孔を設けた、前記螺旋管が脱落することを防止する基端部構成部材と、を具備することを特徴とする請求項 1に記載の挿入装置。

[15] 前記弾性カバーチューブ、及び前記基端部構成部材に、送気送水用チャンネルを構成する貫通孔、及び連通孔と、吸引用チャンネルを構成する貫通孔、及び連通孔とを設けたことを特徴とする請求項 14に記載の挿入装置。

[16] 前記送気送水用チャンネルと、前記吸引用チャンネルとの間に、前記揷入部が揷通配置される前記貫通孔、又は前記透孔を挟んで設けたことを特徴とする請求項 15 に記載の挿入装置。

[17] 前記送気送水用チャンネルを構成する連通孔に送気送水装置から延出する送気送水管路を連結する接続部を設け、前記吸引用チャンネルを構成する連通孔に吸引装置力、ら延出する吸引管路を連結する接続部を設ける構成において、

内視鏡の操作部に、前記送気送水装置、及び前記吸引装置の制御を行う制御スィツチを設けたことを特徴とする請求項 15に記載の挿入装置。

[18] 前記先端部本体を、管状の先端管部材と、この先端管部材の先端面に配設される光学特性を有する観察窓部材とで構成したことを特徴とする請求項 2に記載の挿入装置。

[19] 前記挿入部カバー手段は、

前記挿入部を被覆する光透過性を有する袋状のカバー部材と、

前記挿入部を構成する先端部に配設される、前記カバー部材が内周面に固設され外周面に前記螺旋管が脱落することを防止する壁面を設けた、先端部本体と、前記操作部の先端側部に配設される、管状で前記カバー部材の開口側の端部が水密に固設される一方、前記螺旋管の他端部が回動自在に配設される基端部本体と、

を具備することを特徴とする請求項 1に記載の挿入装置。

[20] 前記揷入部の先端部、又は前記操作部の先端側部に、前記先端部本体、又は前記基端部本体が周方向に位置ずれすることを防止する位置ずれ防止溝を設けたことを特徴とする請求項 8に記載の挿入装置。

[21] 前記揷入部の先端部、又は前記操作部の先端側部に、前記先端部本体、又は前記基端部本体が周方向に位置ずれすることを防止する位置ずれ防止溝を設けたことを特徴とする請求項 19に記載の挿入装置。