JP2012050514A - 自己推進装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自己推進装置において、挿入部の湾曲部の湾曲動作を円滑に行わせる。
【解決手段】自己推進装置11は、固定部72により電子内視鏡10の挿入部13の一箇所に装着固定される。挿入部13の外面と自己推進装置11の軸支部材67の内孔面との間には、隙間46が設けられる。第2保持筒51は、回転体40よりも長さが短く、第2保持筒51から突出した回転体40と挿入部13の外面との間には、隙間46よりも大きな隙間45が設けられる。第1保持筒50は、円筒部52と、この一端部に従動ローラ57を介して回動自在に取り付けられた短冊状部材53とからなる。湾曲部20が湾曲されると、回転体40の突出部40aが湾曲部20に押され、短冊状部材53が外側の開位置へ回動されるため、湾曲部20の湾曲動作が自己推進装置11によって邪魔されることがない。
【選択図】図5

Description

本発明は、湾曲部を有する内視鏡の挿入部に装着されて使用される自己推進装置に関する。
体内管路に挿入される内視鏡の挿入部は、挿入部の先端に設けられた短い先端硬性部と、これを所望の方向に向けるため、先端硬性部の後端側に連設された湾曲自在の湾曲部と、この後端側に連設された長い(用途によって異なるが1m〜2m程度)軟性部とからなる。先端硬性部の前面には、被観察部位の像を取り込む観察窓等が配置されている。
体内管路、例えば大腸に内視鏡を挿入する手技は、大腸が体内で曲がりくねった構造であり、S状結腸や横行結腸のように体腔に固定されていない部分があるといった理由から困難を窮める。このため、大腸への内視鏡の挿入手技の習得には多くの経験を必要とし、挿入手技が未熟である場合には、患者に大きな苦痛を与えてしまう。このため、挿入部の導入性を向上させるための提案が各種なされている。
特許文献1記載の内視鏡用被検体内推進装置は、内視鏡の挿入部の先端部に装着され、螺旋状の突条が形成された外周部を回転することにより挿入部の先端部を体内管路で推進する装置である。
特許文献2に記載の自己推進装置は、外側に回転体(トロイド)を配設し、この回転体
は、この外表面で形成される中央キャビティの内側から外側へ連続的な動きで、挿入部に固定されるフレームの周囲を通って循環するように回転される。回転体の外表面を腸壁と接触させて、回転体の循環的な回転で発生する推進力により内視鏡を腸管深部へと誘導することができる。
特開2005−253892号公報 特表2009−513250号公報
特許文献1記載の装置は、螺旋状の突条がネジのように体内管路の内壁面に摺接しながら体内管路内を進むため、体内管路の内壁面に接触している必要がある。つまり、比較的細い体内管路には適しているが、例えば大腸のような太い体内管路に対しては、外周部の径を大きくする必要がある。外周部の径を大きくすると、装置を肛門から大腸内に差し込むことが困難になるという問題が生じる。
特許文献2に記載の自己推進装置は、外側に柔軟性が非常に高い回転体(トロイド)を配設しているため、サイズがある程度大きくても、装置を肛門から大腸内に挿入する際には、回転体が自在に変形して容易に挿入することができる。しかしながら、回転体の保持部(支持構造およびハウジング構造)が挿入部の長手方向と平行に長く形成されているため、自己推進装置の装着により、湾曲部の湾曲動作が邪魔されたり、内視鏡挿入部の可撓性が一部失われるといった問題がある。こうした問題があると、挿入手技がかえって困難となるおそれがある。
本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、内視鏡に装着され、挿入部の湾曲部の湾曲動作を円滑に行わせることができる自己推進装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の自己推進装置は、湾曲部を有する内視鏡の挿入部の先端側に着脱自在に取り付けられる保持部材と、この保持部材に保持されるとともに、外表面と内表面とを有する袋状を成し、前記保持部材に対して前記挿入部の長手方向に沿って循環するように回転することにより、前記外表面が体内管路の内壁に接触して推進力を得る回転体とからなる自己推進装置において、前記保持部材は、前記内視鏡の挿入部が挿入される内孔を有し、前記挿入部の長手方向の長さが前記回転体の長さよりも短い第1筒状部材と、前記回転体の内部に設けられ、前記第1筒状部材と協働して前記回転体を前記挿入部の長手方向に循環的に回転自在に保持する第2筒状部材と、前記回転体の内部に設けられ、前記第1筒状部材から前記挿入部の長手方向へ突出した前記回転体が前記挿入部側へ弛まないように前記挿入部の長手方向への引っ張り力を前記回転体に与えるとともに、前記第1筒状部材の長手方向に平行な閉位置とこの閉位置から外側へ開いた開位置との間で回動自在な短冊状部材とを備えたことを特徴とする。
前記短冊状部材は、前記第2筒状部材の端部に回動自在に取り付けられていることが好ましい。
前記第1筒状部材の内孔の壁面と内視鏡の挿入部の外面との間に隙間を設けつつ、前記第1筒状部材を内視鏡の挿入部の一箇所に固定する固定部材を備えたことが好ましい。
本発明によれば、循環的に回転することにより推進力を得る回転体を保持する保持部材が、挿入部の長手方向の長さが回転体の長さよりも短い第1筒状部材と、回転体の内部に設けられた第2筒状部材と、回転体が挿入部側へ弛まないように挿入部の長手方向への引っ張り力を回転体に与える短冊状部材とを備えたので、第1筒状部材から突出した回転体と挿入部との間に十分な隙間が形成され、挿入部の湾曲部の湾曲動作を円滑に行わせることができる。
内視鏡システムの概略図である。 自己推進装置を電子内視鏡に装着した状態を示す斜視図である。 自己推進装置の断面図である。 保持部の分解斜視図である。 湾曲部を湾曲させた際の様子を示す自己推進装置の断面図である。
図1において、内視鏡システム1は、電子内視鏡10および自己推進装置11を備える。電子内視鏡10は、手元操作部12と、この手元操作部12に連設され、体内管路(例えば大腸)に挿入される挿入部13とを備える。手元操作部12にはユニバーサルコード14が接続され、ユニバーサルコード14の先端には光源装置およびプロセッサ装置(いずれも図示せず)にそれぞれ着脱自在に接続されるコネクタ(図示せず)が設けられている。
手元操作部12には、アングルノブ15や、挿入部13の先端からエアー、水を噴出させるための送気・送水ボタン16、吸引ボタン17等が設けられている。また、手元操作部12の挿入部13側には、電気メス等の処置具が挿通される鉗子口18が設けられている。
挿入部13は、手元操作部12側から順に、可撓性を有する軟性部19と、湾曲自在な湾曲部20と、先端硬性部21とからなる。軟性部19は、先端硬性部21を体内管路の目的の位置に到達させるために例えば1〜2mの長さをもつ。湾曲部20は、手元操作部12のアングルノブ15の操作に連動して上下、左右方向に湾曲動作する。これにより、先端硬性部21を体内の所望の方向に向けることができる。
先端硬性部21には、体内の被観察部位の像を取り込むための観察窓30(図2参照)、対物光学系、および被観察部位の像を撮像するCCDやCMOSイメージセンサ等の固体撮像素子が設けられている。固体撮像素子は、挿入部13、手元操作部12、ユニバーサルコード14に挿通された信号ケーブルにてプロセッサ装置に接続される。被観察部位の像は、固体撮像素子の受光面に結像されて撮像信号に変換される。プロセッサ装置は、信号ケーブルを介して受けた固体撮像素子からの撮像信号に各種画像処理を行って映像信号に変換し、これをケーブル接続されたモニタ(図示せず)に観察画像として表示させる。
なお、先端硬性部21には、光源装置の照射光源からの照明光を被観察部位に照射するための照明窓31や、送気・送水ボタン16の操作に応じて、光源装置に内蔵の送気・送水装置から供給されるエアーや水を観察窓に向けて噴射するための送気・送水ノズル32、鉗子口18に挿通された処置具の先端が露呈される鉗子出口33(いずれも図2参照)が設けられている。
自己推進装置11は、電子内視鏡10の挿入部13に装着され、体内管路内における挿入部13の進退を補助するための装置である。自己推進装置11は、動力源22により駆動される。動力源22は、自己推進装置11を駆動させるための回転トルクを伝達させるトルクワイヤ65(図4参照)と連結されている。トルクワイヤ65は、全長に亘って保護シース23の内部に挿通されている。動力源22の駆動により、トルクワイヤ65は、保護シース23内で回動する。なお、トルクワイヤの代わりにトルクコイルを用いてもよい。
挿入部13には、挿入部13の軸(挿入軸A)の方向に伸縮自在なオーバーチューブ24が外嵌される。トルクワイヤ65の保護シース23は、オーバーチューブ24と挿入部13との間に挿通されている。
動力源22は制御装置(図示せず)により制御され、制御装置には操作ユニット(図示せず)が付属している。操作ユニットは、自己推進装置11の前進・後進・停止の指示を入力するためのボタンや、自己推進装置11の移動速度を変更するための速度変更ボタン等を備える。なお、観察対象等に応じたプログラムを予め組んでおき、操作ユニットの手動操作なしに、プログラムに従って動力源22を駆動し、自己推進装置11を自動操縦してもよい。
図2ないし図4(図3は自己推進装置11を120°間隔で縦割りにした断面図)において、自己推進装置11は、回転体(トロイド)40と保持部41とからなる。回転体40は、柔軟性を有する材料、具体的にはポリ塩化ビニル、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン等の生体適合プラスチックから形成され、外表面42および内表面43を有する袋状をしている。
回転体40には、外表面42によって中央キャビティ42aが形成されており、この中央キャビティ42aの内側に保持部41の後述する第2保持筒51が配置される。外側に面した外表面42は、一方向に移動されるとともに、中央キャビティ42aを構成する側の外表面42は、反対方向に移動する。その結果、矢印で示すように、回転体40は、中央キャビティ42aの内側から外側へ連続的な動きで、第2保持筒51の周囲を循環する。これにより、回転体40の外表面42の外側部分は、体内管路の内壁に接触して、挿入部13を挿入軸Aに沿う方向に進退させるための推進力を発生する。
図4は、保持部41の分解斜視図(回転体40の図示は省略)である。保持部41は、第1保持筒50(第2筒状部材)と第2保持筒51(第1筒状部材)とを備える。第1保持筒50は回転体40の内部44に、第2保持筒51は電子内視鏡10の挿入部13と回転体40の外表面42との間にそれぞれ配置される(図3参照)。回転体40の内部44は、生体適合性の流体(水、窒素ガス等)で満たすのが好ましい。
第2保持筒51は、円筒形状をしており、挿入軸A方向で回転体40よりも長さが短い。第1保持筒50は、第2保持筒51よりも更に長さが短い円筒部52と、後述する従動ローラ57を介して円筒部52の一端部側に回動自在に取り付けられた短冊状部材53とを備える。
短冊状部材53は、その内壁面が円筒部52の内壁面と面一になり、第1保持筒50から手元操作部12側へ突出した回転体40の突出部40a(図3参照)が挿入部13の湾曲部20側へ弛まないように支える閉位置と、湾曲部20の湾曲動作を妨げることがないとともに突出部40aが伸び過ぎて破損しないように、例えば、短冊状部材53が閉位置から外側へ約15°回動された開位置と、の間で従動ローラ57の回転軸を支点として回動される。短冊状部材53の閉位置と開位置とは、従動ローラ57と円筒部52,短冊状部材53との間に設けられたストッパ機構(図示せず)によって規定されている。
短冊状部材53の閉位置では、回転体40の突出部40aと湾曲部20との間に、隙間45(図3参照)が形成される。
第1保持筒50の周面には、挿入軸Aに沿って従動ローラ56、57が回転自在に取り付けられ、短冊状部材53の自由端側の端部には、従動ローラ56、57の延長線上に従動ローラ58が回動自在に取り付けられている。従動ローラ58は、回転体40の突出部40aの内側に配置されている。短冊状部材53及び各従動ローラ56〜58は、第1保持筒50の周方向に120°間隔で計三組設けられている。本実施形態では、図示のように、短冊状部材53の幅を狭くし、隣り合う短冊状部材53同士の間隔を余裕をもって広く空けてあるが、各短冊状部材53の回動動作に支障がない程度に間隔を狭めてもよい。
従動ローラ56は第1保持筒50の円筒部52の先端に、従動ローラ57は円筒部52の後端に、それぞれ配設され、従動ローラ57は、上述したように、円筒部52と短冊状部材53とを回動自在に連結するヒンジ機能を有する。各従動ローラ56〜58は回転体40の内表面43に当接し、回転体40の循環的な回転運動に合わせて回転する。
一方、第2保持筒51の周面には、駆動ローラ59が回転自在に取り付けられている。駆動ローラ59は、第2保持筒51の周方向に120°間隔で計三組設けられている。駆動ローラ59は、挿入軸A方向で第2保持筒51の中央に配設されている。
駆動ローラ59は、自己推進装置11を組み立てたとき、第1保持筒50の従動ローラ56、57の中間に位置し、各従動ローラ56、57との間で回転体40を挟持する。駆動ローラ59は回転体40の外表面42に当接する。駆動ローラ59はウォームギア61によって回転駆動され、回転体40を循環するように回転させる。
第2保持筒51内には、ウォームギア61が収納される。ウォームギア61の長さは第2保持筒51より若干短い。ウォームギア61は、挿入軸Aを回転対称軸とした円筒形状のギアである。ウォームギア61の外表面には、挿入軸Aを中心軸とした螺旋状のネジ山62が形成されている。このネジ山62と駆動ローラ59の歯63が歯合し、これによりウォームギア61の挿入軸A周り(周方向C)の回転が駆動ローラ59に伝達される。なお、ネジ山62にも潤滑剤を塗布することが好ましい。
ウォームギア61の後端部には、周方向Cに複数の歯が配列された周歯部64が形成されている。周歯部64には、トルクワイヤ65に接続されたピニオン(小歯車)66が噛合する。ピニオン66はトルクワイヤ65により回転され、この回転が周歯部64を介してウォームギア61に伝わり、ウォームギア61が周方向Cに回転される。
ウォームギア61は、円筒状の軸支部材67に外嵌されている。軸支部材67は第2保持筒51の先端に嵌着される。軸支部材67には、電子内視鏡10の挿入部13が挿通される。軸支部材67は、駆動ローラ59およびウォームギア61の配置スペースを確保するため、第2保持筒51の内径よりも小さい外径を有する。また、軸支部材67は、その内孔面と電子内視鏡10の挿入部13の外面との間に隙間46(図3参照)を空けるため、挿入部13の外径よりも大きい内径を有する。
後蓋部材68は軸支部材67の後端に嵌着し、ウォームギア61を軸支部材67に回動可能に保持するとともに、ウォームギア61および軸支部材67の第2保持筒51からの脱落を防止する。後蓋部材68は第2保持筒51の内径と同じ外径に形成されており、軸支部材67の外径と同じ径の開口69を有する。後蓋部材68にはピニオン66を回動自在に収容する凹部70が形成されている。トルクワイヤ65の先端は、後蓋部材68に形成された孔(図示せず)に挿通されてピニオン66に接続されている。
以上の構成により、ウォームギア61は、ピニオン66によって駆動されると、挿入軸Aを中心軸として回転する。駆動ローラ59は、ウォームギア61のネジ山62により回転駆動される。駆動ローラ59の回転駆動により、回転体40は、ウォームギア61、すなわちピニオン66の回転方向に応じて、挿入方向または反挿入方向に略沿って循環するように回転する。
第2保持筒51の先端には、開口71と固定部72とが設けられている。開口71は軸支部材67の外径よりも若干径が小さい。固定部72の長さは第2保持筒51に比べて十分に短い。固定部72は、開口71の縁から挿入軸Aに沿って前方に延設された複数のスリ割片73を有する。各スリ割片73は前方にいくに従い内側に窄まったテーパ状に形成され、挿入軸Aに直交する方向に弾性的に拡縮するいわゆるコレットチャックである。
スペーサ74は、円環の一箇所に切欠き75を有するC字状に形成され、切欠き75の隙間を拡げたり狭めるように弾性変形するCリングである。スペーサ74は、自己推進装置11が装着される電子内視鏡10の挿入部13の外径に合わせて大体の内径が決められている。スペーサ74は弾性変形により内径寸法が変わるCリングであるため、自己推進装置11が装着される電子内視鏡10が複数種類あり、種類によって挿入部13の外径が多少違っていても、一つのスペーサ74で多種の電子内視鏡10への装着を賄うことができる。
スペーサ74は、固定部72の内周に取り外し可能に嵌め込まれる。電子内視鏡10の挿入部13に自己推進装置11を装着する際には、軸支部材67、スペーサ74、固定部72の順に挿入部13を挿通したうえで、固定部72の外周に形成された凹部76にゴム輪77を嵌め込む。このゴム輪77で各スリ割片73およびスペーサ74を内側に締め付けることにより、電子内視鏡10の挿入部13の一箇所(本実施形態では先端硬性部21)に自己推進装置11が装着固定される。
なお、前記挿入部13の一箇所(例えば先端硬性部21)は、挿入部13の長軸方向に平行な長さが、安定した固定状態を確保し、且つ電子内視鏡10の挿入部13の可撓性を維持し、湾曲部20の湾曲動作を円滑に行わせることが可能な長さであり、例えば5mm以上、15mm以下である。
次に、以上のように構成された内視鏡システム1の作用について説明する。まず、電子内視鏡10の挿入部13にオーバーチューブ24を取り付けるとともに、先端硬性部21に固定部72を介して自己推進装置11を取り付ける。自己推進装置11の取り付けは、軸支部材67、スペーサ74、固定部72の順に先端硬性部21を挿通し、固定部72の凹部76にゴム輪77を嵌め込むことで完了する。
オーバーチューブ24および自己推進装置11の取り付け後、プロセッサ装置、光源装置、制御装置等の電源をオンして、次いで患者情報等を入力する。その後、電子内視鏡10の挿入部13を患者の体内管路に挿入する。
先端硬性部21が体内管路の所定位置、例えばS状結腸の手前まで進められた後、操作ユニットを操作して自己推進装置11の動力源22の電源をオンする。そして、操作ユニットのボタン操作により前進指示を入力する。動力源22によりトルクワイヤ65が所定方向に回転され、このトルクワイヤ65の回転に伴うピニオン66の回転により、ウォームギア61が回転される。
ウォームギア61の回転は駆動ローラ59に伝わり、これにより回転体40が循環するように回転する。外側の回転体40は体内管路の内壁に接触しており、挿入方向に前進力を生じさせる。自己推進装置11は、この回転体40による前進力で体内管路の内壁を前方から後方に手繰り寄せることにより、先端硬性部21を体内管路の内壁に沿って前進させる。
また、操作ユニットのボタン操作により速度変更指示が入力されると、動力源22によりトルクワイヤ65の回転速度が変更される。この結果、自己推進装置11の移動速度が変更される。また、操作ユニットのボタン操作により後進指示が入力されると、動力源22によりトルクワイヤ65が逆回転され、自己推進装置11、ひいては先端硬性部21が後進する。さらに、操作ユニットのボタン操作により停止指示が入力されると、動力源22の駆動が停止されて自己推進装置11も停止する。以上の操作を適宜行うことにより、先端硬性部21を体内管路の所望の位置まで推進させることができる。
術者は、適宜アングルノブ15を操作して電子内視鏡10の湾曲部20を湾曲させ、先端硬性部21を所望の方向に向ける。この際、図5に示すように(図3に示す二点鎖線も参照)、湾曲される湾曲部20の外周面が、オーバーチューブ24を介して回転体40を外側へ押す。これにより、回転体40を介して従動ローラ58が外側へ押され、第1保持筒50の短冊状部材53が、従動ローラ57の回転軸を中心に閉位置から開位置へ回動される。
短冊状部材53の閉位置から開位置への回動により隙間45が広がるとともに、軸支部材67とスペーサ74による隙間46が確保されているので、自己推進装置11が湾曲部20の湾曲動作の邪魔にならず、自己推進装置11を装着していないときと遜色なく湾曲動作を円滑に行うことができる。また、挿入部13がストレートの状態では、自己推進装置11と挿入部13とは固定部72以外は接触しないので、自己推進装置11を装着固定することによる挿入部13の可撓性低下を最小限に抑えることができる。
以上説明した実施形態では、第2保持筒の内孔面と電子内視鏡の挿入部の外面との間に隙間を空けるようにしたが、本発明はこれに限定されることなく、第2保持筒の内孔面と挿入部の外面とを密接させるようにしてもよい。また、短冊状部材を3個としたが、本発明はこれに限定されることなく、例えば4個でもよい。また、従動ローラや駆動ローラの配置、個数等は、上記実施形態で示した例に限定されない。
上記実施形態は、自己推進装置を医療診断用の電子内視鏡に適用したものであったが、本発明は医療診断用途に限らず、工業用等その他の内視鏡や超音波プローブといった管路観察用器具の装着具に適用することが可能である。
1 内視鏡システム
10 電子内視鏡
11 自己推進装置
13 挿入部
19 軟性部
20 湾曲部
21 先端硬性部
40 回転体
41 保持部
45,46 隙間
50 第1保持筒
51 第2保持筒
52 円筒部
53 短冊状部材
56〜58 従動ローラ
59 駆動ローラ

Claims (3)

  1. 湾曲部を有する内視鏡の挿入部の先端側に着脱自在に取り付けられる保持部材と、この保持部材に保持されるとともに、外表面と内表面とを有する袋状を成し、前記保持部材に対して前記挿入部の長手方向に沿って循環するように回転することにより、前記外表面が体内管路の内壁に接触して推進力を得る回転体とからなる自己推進装置において、
    前記保持部材は、
    前記内視鏡の挿入部が挿入される内孔を有し、前記挿入部の長手方向の長さが前記回転体の長さよりも短い第1筒状部材と、
    前記回転体の内部に設けられ、前記第1筒状部材と協働して前記回転体を前記挿入部の長手方向に循環的に回転自在に保持する第2筒状部材と、
    前記回転体の内部に設けられ、前記第1筒状部材から前記挿入部の長手方向へ突出した前記回転体が前記挿入部側へ弛まないように前記挿入部の長手方向への引っ張り力を前記回転体に与えるとともに、前記第1筒状部材の長手方向に平行な閉位置とこの閉位置から外側へ開いた開位置との間で回動自在な短冊状部材と
    を備えたことを特徴とする自己推進装置。
  2. 前記短冊状部材は、前記第2筒状部材の端部に回動自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の自己推進装置。
  3. 前記第1筒状部材の内孔の壁面と内視鏡の挿入部の外面との間に隙間を設けつつ、前記第1筒状部材を内視鏡の挿入部の一箇所に固定する固定部材を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の自己推進装置。
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