JP2012245051A - 内視鏡挿入補助装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内視鏡による観察や処置を容易に行う。
【解決手段】内視鏡挿入補助装置20は、回転体30と、支持筒32と、内視鏡2の先端部3aが装着される装着筒51とを備える。支持筒32には、回転体30を循環可能となるように支持するローラユニット35が3個取り付けられている。回転体30は、支持筒32に巻き付けられ、装着筒51の軸方向に循環する。先端部3aが挿入される挿入孔51bは装着筒51の中心軸と同軸となるように形成され、装着筒51は支持筒32の中心軸と異なる軸位置となるように配されている。装着筒51に形成された位置決めリブ51aは、先端部3aの観察窓用位置決め凹部3dに挿入されている。収納筒53には、伝達ギア52のウォームギア61に噛合するとともに、ローラユニット35の第1〜第3ローラ41〜43との間で回転体30を挟持して、回転体30を駆動する駆動ギア66が回転可能に取り付けられている。
【選択図】図5

Description

本発明は、大腸等の消化管の管内に挿入された内視鏡の挿入部を、挿入方向に自己推進させる内視鏡挿入補助装置に関するものである。
医療分野において内視鏡を利用した診断が行われている。内視鏡は、CCD等の撮像素子を内蔵した挿入部が被検体内に挿入される。この撮像素子により得られた画像はモニタに表示され、このモニタに表示された画像により被検体内を観察する。
近年では、内視鏡の挿入を補助する内視鏡挿入補助装置が提案されている。特許文献1記載の内視鏡用被検体内推進装置は、内視鏡の挿入部に装着される筒状の支持体に、無端ベルトを循環可能に取り付け、この無端ベルトの外側を消化管の内壁に接触させた状態で循環させることで、両者の間に生じる摩擦により内視鏡の先端を自走させて消化管内へ誘導している。これにより、例えば、大腸のように、体内で曲がりくねった構造である消化管への内視鏡の挿入を、挿入手技が未熟である者にも容易に行うことができる。
特開2005−253892号公報
特許文献1では、内視鏡の先端部を装着したときに、径方向において内視鏡用被検体内推進装置の中心と内視鏡の先端部の中心とが同軸となる。内視鏡の先端部には、被検体内を観察する観察窓が設けられており、一般的な内視鏡では、観察窓は、先端部の中心から偏心された位置に設けられている。このため、内視鏡用被検体内推進装置の中心と内視鏡の先端部の中心とが同軸である場合には、観察窓が、内視鏡用被検体内推進装置の中心軸とは異なる軸位置に配された状態となり、被検体内を観察し難いという問題があった。
本発明は上記問題を解決するためのものであり、内視鏡による観察を容易に行うことができる内視鏡挿入補助装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の内視鏡挿入補助装置は、内視鏡の先端部が挿入される挿入孔が形成された装着筒と、前記装着筒と同じ軸方向で前記装着筒と異なる軸位置となるように前記装着筒の外側に配される外筒と、前記外筒に巻き付けられ、前記装着筒の軸方向に沿って循環するように前記外筒に支持される循環体と、前記循環体を循環駆動する循環駆動部と、を備えることを特徴とする。
また、前記挿入孔は、前記装着筒の中心軸とほぼ同軸となるように形成されていることが好ましい。
さらに、前記装着筒に装着するときの前記先端部の周方向の位置を変えたときに、前記先端部の中心から偏心された位置に設けられた観察窓と前記外筒とがほぼ同軸となる位置があることが好ましい。
また、前記循環体は、前記外筒を全周に亘って覆うように袋状に形成された回転体から構成されていることが好ましい。
さらに、前記循環体は、前記外筒の周方向の一部を覆う複数の無端ベルトから構成されていることが好ましい。
また、前記内視鏡の先端部の周方向を位置決めする位置決め部が設けられていることが好ましい。
さらに、前記位置決め部は、前記内視鏡の先端部を複数の周方向位置で位置決めすることが好ましい。
また、前記位置決め部は、前記装着筒の内周面に形成され、前記内視鏡の先端部に形成された位置決め凹部に挿入される位置決めリブから構成されていることが好ましい。
さらに、前記外筒に回転可能に取り付けられ、前記循環体の内周面に接触して前記循環体を循環可能に支持する複数の支持ローラを備え、前記循環体の前記支持ローラと接触する部分は他の部分よりも剛性が高くされていることが好ましい。なお、前記循環体の前記各支持ローラと接触する部分を他の部分よりも剛性を高くする方法としては、他の部分よりも厚くする、支持ローラと接触する部分のみ積層する、他の部分より剛性の高い材料を用いる、または、高剛性の材料でできたメッシュ材などを循環体内に包含して循環体が曲がり易くかつ軸方向に伸びにくく(剛性を高くする)する等が挙げられる。
また、前記循環駆動部は、前記装着筒の外側で、且つ前記外筒の内側に回転可能に取り付けられた円筒状のウォームギアと、前記ウォームギアに噛合するとともに、前記複数の支持ローラとの間で前記循環体を挟持して前記循環体を駆動する複数の駆動ギアと、を備えることが好ましい。
本発明によれば、内視鏡の先端部が装着される装着筒を、外筒とは異なる軸位置としたから、先端部の中心から偏心された位置に観察窓や鉗子出口等が設けられている場合には、これらの観察窓や鉗子出口等を外筒の中心に近づけることができる。これにより、観察窓や鉗子出口等が内視鏡挿入補助装置の中心から離れているときに比べて、被検体内の観察や鉗子による処置がしやすくなる。
内視鏡挿入補助装置を装着した内視鏡を示す模式図である。 内視鏡の先端部と内視鏡挿入補助装置とを示す斜視図である。 内視鏡挿入補助装置の主要部の分解構造を示す斜視図である。 B1−B2線に沿う断面構造を示す断面図である。 支持ローラの部分の断面図である。 駆動ギアの部分の断面図である。 観察窓を中心に位置させるように装着した内視鏡の先端部と内視鏡挿入補助装置とを示す正面図である。 鉗子出口を中心に位置させるように装着した内視鏡の先端部と内視鏡挿入補助装置とを示す正面図である。 装着筒を支持筒と同軸にし、挿入孔を装着筒に対して偏心させた実施形態の駆動ギアの部分の断面図である。 大支持ローラにより装着筒を支持筒に対して偏心させた実施形態の駆動ギアの部分の断面図である。
図1及び図2に示すように、内視鏡2は、超小型固体撮像素子(例えば、CCDセンサ)が内蔵され、大腸等の消化管内に挿入される挿入部3と、内視鏡2の把持及び挿入部3の操作に用いられる操作部4と、内視鏡2をプロセッサ装置、光源装置及び送気・送水装置(いずれも図示せず)に接続するためのユニバーサルコード5とから構成されている。
挿入部3は、CCDセンサが内蔵された硬質な先端部3aと、先端部3aの後端に連設された上下及び左右方向に湾曲自在な湾曲部3bと、湾曲部3bの後端に連設された可撓性を有する可撓部3cとからなる。
挿入部3の先端部3aには、観察窓7、照明窓8a,8b、鉗子の先端が突出する鉗子出口9が設けられている。また、先端部3aには、観察窓7に向けて空気や洗浄水を噴射する噴射ノズル10が設けられている。
観察窓7は、CCDセンサの前方に形成され、CCDセンサに入射する撮影光を通す。照明窓8a,8bは、観察窓7を基準に対称な位置に2つ配されている。照明窓8a,8bは、光源装置から照射された照明光を、被検体内の観察している部分に向けて照射する。
鉗子出口9は、操作部4に設けられた鉗子入口13に連通している。この鉗子入口13には、注射針や高周波メスなどが先端に配された各種処置具(鉗子)が挿入される。
操作部4は、湾曲部3bを上下及び左右方向に湾曲させるアングルノブ14と、送気・送水や吸引等の各種操作の際に用いられる操作ボタン15とが設けられている。
操作部4には、ユニバーサルコード5が接続されている。このユニバーサルコード5には、送気・送水チューブ16と、撮像信号出力用ケーブル17と、ライトガイド18とが組み込まれている。送気・送水チューブ16は、一端が送気・送水装置に接続され、他端が噴射ノズル10に接続されており、送気・送水装置から供給された空気や洗浄水を噴射ノズル10に送る。撮像信号出力用ケーブル17は、一端がプロセッサ装置に接続され、他端がCCDセンサに接続されている。ライトガイド18は、一端が照明窓8a,8bに接続され、他端が光源装置に接続されており、光源装置から照射された照明光を照明窓8a,8bに導光する。
挿入部3の先端部3aには、消化管内で挿入部3を前進または後進させる内視鏡挿入補助装置20が着脱可能に取り付けられている。この内視鏡挿入補助装置20は、モータ21によって駆動される。このモータ21は、内視鏡挿入補助装置20を推進させるための回転トルクを伝達させるトルクワイヤ63(図3参照)と連結されており、このトルクワイヤ63は、全長に亘って保護シース22の内部に挿通されている。モータ21の駆動により、トルクワイヤ63は、保護シース22内で回動する。
モータ21は制御装置25により制御される。この制御装置25は操作ユニット26に接続されている。操作ユニット26は、内視鏡挿入補助装置20の前進・後進・停止の指示を入力するための駆動制御ボタン27と、内視鏡挿入補助装置20の移動速度を変更するための速度変更ボタン28とを備える。
挿入部3には、オーバーチューブ23が外嵌されており、保護シース22は、オーバーチューブ23と挿入部3との間に挿通されている。
図2に示すように、内視鏡挿入補助装置20は、消化管の内壁に接触して、内視鏡2の挿入部3の挿入方向とは反対の反挿入方向に前進力を生じさせる回転体(トロイド)30を備えている。回転体30は、軸方向ADに沿う方向に循環を行うように支持筒(外筒)32に支持され、支持筒32を全周に亘って覆っている。図2における矢印は、循環の方向を示している。この回転体30は、柔軟性を有する材料(可撓性部材)により形成されており、具体的には、ポリ塩化ビニル、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、ウレタンやポリウレタンなどの生体適合プラスチックで形成されていることが好ましい。
図3〜図6に示すように、支持筒32は、軸方向ADに直交する方向の断面形状が、外周面では円形で内周面では略三角形(正三角形の各角が湾曲されて丸まった形状)の管状体であって、回転体30が巻き付けられている。
回転体30は、両端のある状態で支持筒32の形状に沿って180°折り曲げられて支持筒32に巻付けられた後、両端が熱溶着等により接着されて、無端状態となる。
支持筒32の前端及び後端それぞれには、回転体30の180°折り曲げられた部分に接触するリング状の接触体34が取り付けられている。接触体34は、回転体30が滑らかに循環するような素材(例えば、ナイロン)から構成されている。なお、接触体34は、ナイロンに限らず、PEEK、テフロン(登録商標)などの摺動性の高い材料であればよい。
支持筒32の内周面が直線部分である3箇所には、それぞれ開口32aが形成されている。これらの各開口32aには、それぞれ回転体30を循環可能となるように支持するローラユニット35が取り付けられている。ローラユニット35は、2枚の支持プレート40の間に、軸方向ADに沿って順に第1〜第3支持ローラ41〜43が回転可能に取り付けられている。なお、各ローラ41〜43を、支持筒32自体に回転可能に取り付けてもよい。また、ローラユニット35を取り付ける箇所は3箇所に限らず、その数は適宜変更可能である。
回転体30は、内表面30aが各支持ローラ41〜43に接触する。回転体30は、各支持ローラ41〜43に接触する部分が、他の部分よりも厚くされ、他の部分よりも剛性が高くなっている。
各支持ローラ41〜43には、それぞれ中央部に溝部41a〜43aが形成されている。回転体30の内表面30aには、線状突起30cが3個形成されている。この線状突起30cは、全周に亘って形成されている。線状突起30cは、溝部41a〜43aに摺動自在に係合しており、回転体30が周方向CDに回転することを防止している。同様に、支持筒32には、線状突起30cが摺動自在に係合する溝部32bが形成され、接触体34には、線状突起30cが摺動自在に係合する溝部34aが形成されている。なお、溝部32b,34a及び溝部41a〜43aと、線状突起30cとの間には、両者間の摺動性を高めるために、潤滑剤が塗布されている。
支持筒32の内部には、内視鏡2の先端部3aが装着される円筒状の装着筒51と、装着筒51の外側に回動可能に支持された伝達ギア52と、装着筒51及び伝達ギア52と同軸となるようにこれらを収納する収納筒53とが配されている。
装着筒51の内周面には、内視鏡2の先端部3aの周方向を位置決めする位置決めリブ51aが2本形成されている。内視鏡2の先端部3a及び湾曲部3bの外周面には、観察窓7を内視鏡挿入補助装置20の径方向の中心に配するための観察窓用位置決め凹部3dと、鉗子出口9を中心に配するための鉗子出口用位置決め凹部3eとが形成されている。2本の位置決めリブ51aは、観察窓用位置決め凹部3dまたは鉗子出口用位置決め凹部3eに挿入されている。
装着筒51は、先端部3aが挿入される挿入孔51bが、支持筒32と同じ軸方向で支持筒32と異なる軸位置となるように、支持筒32の内側に配されている。
収納筒53の後端には、蓋部材56が取り付けられている。収納筒53の先端には、消化管の内壁の侵入を防止する前ストッパ57が取り付けられ、同様に、蓋部材56には、後ストッパ58が取り付けられている。
伝達ギア52は、円筒状に形成され、装着筒51に外嵌されて軸方向ADを中心に回転する。伝達ギア52には、軸方向ADを中心軸とした螺旋状のウォームギア61と、周方向に複数のギアが配列された周歯ギア62とが形成されている。この周歯ギア62は、伝達ギア52の後端部に形成され、トルクワイヤ63に接続されたピニオン(小歯車)64が噛合している。ピニオン64は、トルクワイヤ63により回転され、この回転により周歯ギア62を回転して、伝達ギア52を回転させる。
収納筒53は、略三角形(正三角形の各角が湾曲されて丸まった形状)の筒状に形成され、支持筒32と異なる軸位置となるように配されている。収納筒53の3個の直線部分には、それぞれ開口53aが形成されている。これら3個の開口53aのうち、支持筒32の内周面との距離が近い2個の開口53a内には、それぞれ小駆動ギア66が2個ずつ配され、支持筒32の内周面との距離が遠い1個の開口53a内には、大駆動ギア67が2個配されている。小駆動ギア66及び大駆動ギア67は、収納筒53に形成された取付リブ53bに回転可能に取り付けられている。各駆動ギア66,67は、第1支持ローラ41と第2支持ローラ42との間と、第2支持ローラ42と第3支持ローラ43との間とに配されている。
各駆動ギア66,67は、伝達ギア52のウォームギア61に噛合するとともに、回転体30の外表面30bに接触し、第1〜第3支持ローラ41〜43との間で回転体30を挟持する。各駆動ギア66,67は、支持筒32の径方向において、各支持ローラ41〜43とオーバーラップしており、各支持ローラ41〜43と各駆動ギア66,67との間では、回転体30は波状に湾曲されている。
収納筒53の前面には、開口53cが形成され、この開口53cには、装着筒51の先端部が挿入されている。
前ストッパ57は、開口53cに挿入されるリング状の挿入部57aと、消化管の内壁が内視鏡挿入補助装置20の内部に侵入するのを防止するストッパ部57bとからなる。ストッパ部57bは、挿入部57aからの距離に従って径が増加するすり鉢形状となっており、その断面形状は、支持筒32の内周面と同様な形状(略三角形)で、支持筒32よりも一回り小さい。挿入部57aとストッパ部57bとは、異なる軸位置となるように形成されている。
蓋部材56は、収納筒53と同一の形状(略三角形)で形成され、装着筒51の挿入孔51bと連通する開口56aが形成されている。また、蓋部材56には、ピニオン64を回動自在に収容する凹部56bが形成されている。この凹部56bに収容されたピニオン64は、伝達ギア52の周歯ギア62に噛合している。トルクワイヤ63は、蓋部材56に形成された孔(図示せず)を介してピニオン64に接続されている。
後ストッパ58は、前ストッパ57と同様な構成であり、蓋部材56の開口56aに挿入されるリング状の挿入部58aと、ストッパ部58bとからなり、挿入部58aとストッパ部58bとは、異なる軸位置となるように形成されている。
次に、内視鏡挿入補助装置20の作用について説明する。先ず、図7に示すように、内視鏡2の先端部3aを、装着筒51の挿入孔51bに嵌入させて、先端部3aに内視鏡挿入補助装置20を装着する。このとき、先端部3aの観察窓用位置決め凹部3dに位置決めリブ51aを挿入し、観察窓7を内視鏡挿入補助装置20の中心に配する。次に、プロセッサ装置、光源装置、操作ユニット26等の電源をオンして、検査準備を行い、この検査準備が完了した後、内視鏡2の先端部3aを患者の消化管内に挿入する。
先端部3aが消化管内の所定位置、例えばS状結腸の手前まで進められた後、操作ユニット26の駆動制御ボタン27が操作されて前進指示が入力されると、モータ21が駆動され、トルクワイヤ63が所定方向に回転される。このトルクワイヤ63の回転に伴うピニオン64の回転により、ピニオン64に噛合している周歯ギア62が回転し、伝達ギア52が回転する。
伝達ギア52が回転すると、伝達ギア52のウォームギア61に噛合している小駆動ギア66及び大駆動ギア67が回転する。この各駆動ギア66,67の回転により、各駆動ギア66,67と第1〜第3支持ローラ41〜43との間で挟持されている回転体30が、図4の矢印で示す方向に駆動(回転)する。この駆動により、支持筒32の外側に位置し、消化管の内壁と接触する回転体30の各外表面30bは、反挿入方向に移動する。このとき、支持筒32の内部に位置する回転体30の各外表面30bは、挿入方向に移動し、回転体30は循環する。
回転体30は、消化管の内壁に接触しており、循環により、先端部3aの挿入方向とは反対の反挿入方向に前進力を生じさせる。内視鏡挿入補助装置20は、この前進力で消化管の内壁を前方から後方に手繰り寄せることにより、内視鏡2の先端部3aを消化管の内壁に沿って前進させる。一方、内視鏡挿入補助装置20を反挿入方向に推進(後進)させる場合には、回転体30は、上記とは逆向きに循環する。
操作ユニット26の速度変更ボタン28が操作されて速度変更指示が入力されると、モータ21の回転速度が変更されて、トルクワイヤ63の回転速度が変更され、内視鏡挿入補助装置20の移動速度が変更される。また、操作ユニット26の駆動制御ボタン27が操作されて後進指示が入力されると、モータ21が逆回転されてトルクワイヤ63が逆回転され、内視鏡挿入補助装置20が後進する。さらに、駆動制御ボタン27の操作により停止指示が入力されると、モータ21の回転が停止されてトルクワイヤ63の回転が停止され、内視鏡挿入補助装置20が停止する。以上の操作を適宜行うことにより、内視鏡2の先端部3aを消化管の所望の位置まで推進させることができる。
光源装置からの光は、ライトガイド18、照明窓8a,8bを通って、消化管内に照射される。先端部3aに内蔵されたCCDは、消化管内を撮影して撮像信号を出力する。この撮像信号は、撮像信号出力用ケーブル17、ユニバーサルコード5を介してプロセッサ装置に入力され、モニタ(図示せず)に表示される。術者は、モニタを通じて消化管内を観察する。
観察中に患部を発見した場合には、この患部の処置に適した処置具を、鉗子入口13に挿入して鉗子出口9から突出させ、患部を処置する。
観察窓7を洗浄する場合には、操作ボタン15を操作して、送気・送水装置から供給された空気や洗浄水を、送気・送水チューブ16を介して噴射ノズル10へ送る。この供給された空気や洗浄水は、噴射ノズル10から観察窓7に向けて噴射され、観察窓7に付着した汚れが払拭される。
装着筒51が支持筒32と異なる軸位置に配され、図7に示すように、観察窓7が内視鏡挿入補助装置20の中心DCに配されているから、観察窓7が内視鏡挿入補助装置20の中心DCから偏心されているときに比べて、観察窓7から患部を観察しやすくなる。
また、図8に示すように、先端部3aの鉗子出口用位置決め凹部3eに位置決めリブ51aを挿入することで、観察窓7が内視鏡挿入補助装置20の中心DCから偏心された位置に配されるとともに、鉗子出口9が内視鏡挿入補助装置20の中心DCに配される。これにより、中心DCに対して偏心された位置から患部を観察したいときや、中心DCから鉗子を突出させて処置を行いたいときにも対応可能となる。
なお、上記実施形態では、装着筒51及び収納筒53を支持筒32と異なる軸位置となるように配しているが、図9に示すように、装着筒71及び収納筒73を支持筒32と同軸にし、装着筒71の挿入孔71aを、装着筒71の中心軸と異なる軸位置となるように形成してもよい。
また、上記実施形態では、3箇所全てに同じ支持ローラ41〜43を配するとともに、2箇所に小駆動ギア66を配し、1箇所に大駆動ギア67を配することで、装着筒51を支持筒32と異なる軸位置に配しているが、図10に示すように、3箇所全てに同じ小駆動ギア66を配するとともに、2箇所に支持ローラ41〜43を配し、1箇所に大支持ローラ81〜83を配することで、装着筒51を支持筒32と異なる軸位置に配してもよい。
さらに、上記実施形態では、支持筒を円形としているが、これに限定されることなく、三角形、四角形等のいかなる多角形としてもよい。
また、上記実施形態では、支持筒を全周に亘って覆う回転体により内視鏡を前進・後進させているが、支持筒の周方向の一部を覆う複数の無端ベルトにより内視鏡を前進・後進させてもよい。
さらに、上記実施形態では、装着筒に形成した位置決めリブを、内視鏡の先端部に形成した位置決め凹部に挿入することで、内視鏡の先端部の周方向を位置決めしているが、この位置決め方法は適宜変更可能であり、例えば、前ストッパや後ストッパに位置決めリブを形成してもよく、さらには、装着筒に位置決め凹部を形成し、内視鏡の先端部に位置決め凹部に挿入される位置決め凸部を形成してもよい。また、内視鏡の先端部を装着筒内で回転可能とし、任意の回転位置で位置決めする位置決めリング等を設けてもよい。
また、上記実施形態では、観察窓を中心に配する位置と、鉗子出口を中心に配する位置との2箇所で位置決めしているが、位置決めする箇所の数は適宜変更可能であり、3箇所や4箇所で位置決めできるようにしてもよい。さらに、モータやギア等の回転機構により、内視鏡の先端部を回転させて、周方向の位置を自動で変えるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、伝達ギアのウォームギアによって駆動ギアを回転し、この駆動ギアにより回転体を駆動しているが、ウォームギアにより回転体を直接駆動してもよい。なお、駆動ギアを設ける場合と設けない場合とで、前進・後進させるためのウォームギアの回転方向が逆となるため、操作ユニットによりなされる前進・後進指示とモータによるトルクワイヤの回転方向の関係を変更する必要がある。
さらに、上記実施形態は、本発明を医療診断用の内視鏡に適用したものであるが、本発明は医療診断用途に限られず、工業用等のその他の内視鏡やプローブ等に適用することも可能である。
2 内視鏡
20 内視鏡挿入補助装置
30 回転体
32 支持筒(外筒)
41〜43 第1〜第3支持ローラ
51 装着筒
51a 位置決めリブ
51b 挿入孔
52 伝達ギア
61 ウォームギア
66 小駆動ギア
67 大駆動ギア

Claims (10)

  1. 内視鏡の先端部が挿入される挿入孔が形成された装着筒と、
    前記装着筒と同じ軸方向で前記装着筒と異なる軸位置となるように前記装着筒の外側に配される外筒と、
    前記外筒に巻き付けられ、前記装着筒の軸方向に沿って循環するように前記外筒に支持される循環体と、
    前記循環体を循環駆動する循環駆動部と、
    を備えることを特徴とする内視鏡挿入補助装置。
  2. 前記挿入孔は、前記装着筒の中心軸とほぼ同軸となるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の内視鏡挿入補助装置。
  3. 前記装着筒に装着するときの前記先端部の周方向の位置を変えたときに、前記先端部の中心から偏心された位置に設けられた観察窓と前記外筒とがほぼ同軸となる位置があることを特徴とする請求項1または2記載の内視鏡挿入補助装置。
  4. 前記循環体は、前記外筒を全周に亘って覆うように袋状に形成された回転体から構成されていることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1つ記載の内視鏡挿入補助装置。
  5. 前記循環体は、前記外筒の周方向の一部を覆う複数の無端ベルトから構成されていることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1つ記載の内視鏡挿入補助装置。
  6. 前記内視鏡の先端部の周方向を位置決めする位置決め部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし5いずれか1つ記載の内視鏡挿入補助装置。
  7. 前記位置決め部は、前記内視鏡の先端部を複数の周方向位置で位置決めすることを特徴とする請求項6記載の内視鏡挿入補助装置。
  8. 前記位置決め部は、前記装着筒の内周面に形成され、前記内視鏡の先端部に形成された位置決め凹部に挿入される位置決めリブから構成されていることを特徴とする請求項6または7記載の内視鏡挿入補助装置。
  9. 前記外筒に回転可能に取り付けられ、前記循環体の内周面に接触して前記循環体を循環可能に支持する複数の支持ローラを備え、
    前記循環体の前記支持ローラと接触する部分は他の部分よりも剛性が高くされていることを特徴とする請求項1ないし8いずれか1つ記載の内視鏡挿入補助装置。
  10. 前記循環駆動部は、
    前記装着筒の外側で、且つ前記外筒の内側に回転可能に取り付けられた円筒状のウォームギアと、
    前記ウォームギアに噛合するとともに、前記複数の支持ローラとの間で前記循環体を挟持して前記循環体を駆動する複数の駆動ギアと、
    を備えることを特徴とする請求項9記載の内視鏡挿入補助装置。
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