明 細 書
防振装置
技術分野
[0001] 本発明は、防振装置に関するものである。
背景技術
[0002] 自動車のエンジンやトランスミッションを支持固定しつつ、そのエンジン振動などを 車体フレームへ伝達させないようにする防振装置として、例えば、液封入式防振装置 が知られている。
[0003] 液封入式防振装置は、一般に、エンジン側に取り付けられる第 1取付け具と、車体 フレーム側に取り付けられる第 2取付け具とがゴム状弾性体から構成される防振基体 で連結され、第 2取付け具に取付けられたダイヤフラムと防振基体との間に液封入室 が形成されている。液封入室は、仕切り体によって防振基体側の第 1液室とダイヤフ ラム側の第 2液室に仕切られ、これら第 1液室と第 2液室とは、オリフィスによって互い に連通されている。また、第 1液室内の第 1取付け具の取付け端部に攪拌板を固定 配置したものがある。
[0004] この液封入式防振装置によれば、オリフィスによる第 1及び第 2液室間の流体流動 効果 (共振作用)や防振基体の制振効果によって、振動減衰機能と振動絶縁機能と を果すことができる。また、攪拌板の外周縁と第 1液室(防振基体)の内周面との間に 形成されるオリフィスを流通する液体を高周波数域で共振させ、高周波数域での低 動ばね化を果たすこともできる。
[0005] 攪拌板を第 1取付け具の取付け端部に固定する従来の手段としては、特開 2000— 346120号公報に開示されている。これによれば、第 1取付け具の取付け端部を攪 拌板の取付け孔に揷通させると共に、取付け端部に形成した段部で攪拌板の一方 の板面を受け止め、取付け孔カも突出した取付け端部の突出部分をリベット状に押 し潰し、突出部分を攪拌板の他方の板面に圧接させることで、攪拌板を取付け端部 に固定する。
[0006] 近年、液封入式防振装置の軽量化が要求され、第 1取付け具をアルミダイカスト等
の金属で形成するようになってきている。第 1取付け具をこのようなアルミダイカスト等 の金属で形成した場合、第 1取付け具が脆いために、上記した従来の固定手段では
、前記突出部分をリベット状に押圧具で押し潰したときに、攪拌板の前記他方の面に 圧接する突出部分の張り出し部(リベット頭部の張り出し部)が崩壊するという問題点 があった。
[0007] また、押し潰したときに崩壊しなくても、攪拌板が液封入式防振装置として他の部材 と共に組み付けられた後に、攪拌板の前記他方の面に圧接する前記突出部分の張 り出し部が強度不足で崩壊して、攪拌板が第 1取付け具から脱落してしまうという問 題点があった。
[0008] 特許文献 1 :特開 2000— 346120号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0009] 本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、第 1取付け具をァ ノレミダイカスト等の脆い金属で形成した場合であっても、攪拌板等の部材を第 1取付 け具の取付け端部に確実に固定することができて、第 1取付け具に対する攪拌板等 の部材の固定構造の耐久性を向上させることができる防振装置を提供することを目 的としている。
課題を解決するための手段
[0010] この目的を達成するために請求項 1記載の防振装置は、取付け端部を有する第 1 取付け具と、第 2取付け具と、その第 2取付け具と前記第 1取付け具とを連結すると共 にゴム状弾性体から構成される防振基体と、その防振基体から突出された前記第 1 取付け具の取付け端部に固定される固定板部材とを備えるものであり、前記取付け 端部は、前記固定板部材の一方の板面を受け止める受け面部と、その受け面部から 突出される突出部分とを備えると共に、前記固定板部材は、前記取付け端部の突出 部分が揷通される取付け孔を備え、前記取付け端部の突出部分を前記固定板部材 の取付け孔に揷通させ、前記取付け端部の受け面部で前記固定板部材の一方の板 面を受け止めると共に、前記取付け孔から突出した前記取付け端部の突出部分を拡 径して、その突出部分の周壁の縦断面形状が突出端面側ほど径方向外方側に位置
する円弧状になり、かつ、前記周壁側の突出端面部分が突出方向に凸の球面状とな るように形成することで、前記突出部分を前記固定板部材の他方の板面に圧接させ ることなぐ前記固定板部材を前記第 1取付け具の取付け端部に固定するように構成 されている。
[0011] この構成によれば、取付け孔から突出した取付け端部の突出部分の周壁の縦断面 形状が突出端面側ほど径方向外方側に位置する円弧状になり、かつ、前記周壁側 の突出端面部分が突出方向に凸の球面状になるように突出部分を拡径してあるから 、突出部分をリベット状に押し潰して拡径する従来の手段よりも、拡径する際に突出 部分に力かる力が小さくて済む。その結果、第 1取付け具をアルミダイカスト等の脆い 金属で形成しても、拡径する際に突出部分が崩壊することを抑制することができる。
[0012] また、突出部分をリベット状に押し潰した従来の構造では、固定板部材の他方の面 に圧接する突出部分の張り出し部が、突出部分の軸芯に対して直角に曲がっている こと力 、固定板部材に液圧等の荷重が加わったときに、張り出し部の付け根付近に 応力が集中しやすいが、本発明の上記の構成によれば、突出部分に加わる力を突 出部分の周壁の局面で受けることができて、突出部分全体に力を分散させやすくす ること力 Sできる。そして、周壁側の突出端面部分を突出方向に凸の球面状にしたこと で、突出部分の周壁と突出端面との境界部の角度、即ち、縦断面形状において周壁 と突出端面部分とが成す角度を大きくすることができ、前記境界部の耐久性を上げる こと力 Sできる。
[0013] これらにより、固定板部材が防振装置として他の部材と共に組み付けられた後に、 取付け端部の突出部分が崩壊することを防止することができ、第 1取付け具力 の固 定板部材の脱落を回避することができる。
[0014] 請求項 2記載の防振装置は、請求項 1記載の防振装置において、前記取付け端部 の突出部分は、その突出部分と同芯状に形成され前記突出端面側に開口する穴を 備えており、前記突出部分を拡径加工することで、前記固定板部材を前記第 1取付 け具の取付け端部に固定するように構成されている。
[0015] 請求項 3記載の防振装置は、請求項 1又は 2に記載の防振装置において、前記第 2取付け具に取付けられて前記防振基体との間に液体封入室を形成するダイヤフラ
ムと、前記液体封入室を前記防振基体側の第 1液室と前記ダイヤフラム側の第 2液 室とに仕切る仕切り体と、前記第 1液室と第 2液室とを連通させるオリフィスと、前記液 体封入室に封入される液体とを備え、前記第 1取付け具の取付け端部は、前記第 1 液室内に位置すると共に、前記固定板部材は、前記第 1液室内で前記第 1取付け具 の取付け端部に固定され、その外周縁と前記防振基体の内周面との間に第 1液室側 オリフィスを形成する攪拌板として構成されるものである。
[0016] 請求項 4記載の防振装置は、請求項 1又は 2に記載の防振装置において、前記防 振基体は、前記第 2取付け具側に凹設空間が形成されると共に、その凹設空間内に 前記第 1取付け具の取付け端部が位置し、前記固定板部材は、前記防振基体の凹 設空間内で前記第 1取付け具の取付け端部に固定され、その外周縁を前記防振基 体に当接させることで、大変位入力時のストッパ作用を得るストッパ部材として構成さ れるものである。
[0017] 請求項 5記載の防振装置は、請求項 1から 4のいずれかに記載の防振装置におい て、前記固定板部材の取付け孔は、前記取付け端部の突出部分が拡径された際に 生じる余肉を受け入れる受け入れ部を備え、その取付け孔の受け入れ部に受け入れ られた前記突出部分の余肉が前記取付け端部に対する前記固定板部材の回り止め とされてレ、る。
[0018] 請求項 6記載の防振装置によれば、請求項 5記載の防振装置において、前記固定 板部材の取付け孔は、正面視略円形の丸孔として構成され、その丸孔の内周側に は、前記余肉を受け入れる受け入れ部としての凹部が複数凹設されると共に、各凹 部の隣接間隔は、前記丸孔の円弧に沿う方向に略等間隔とされており、前記取付け 端部の突出部分は、前記固定板部材の取付け孔の内径よりも若干小径の円柱状体 として構成されている。
[0019] 請求項 7記載の防振装置は、請求項 5記載の防振装置において、前記固定板部材 の取付け孔は、正面視略円形の丸孔の一部を直線で接続した形状に構成されると 共に、前記取付け端部の突出部分は、前記固定板部材の取付け孔内で回転可能な 外径を有する円柱状体として構成され、前記突出部分を前記取付け孔内に揷通した 場合には、その取付け孔内の残部が前記余肉を受け入れる受け入れ部となるように
構成されている。
[0020] 請求項 8記載の防振装置は、請求項 5記載の防振装置において、前記固定板部材 の取付け孔は、正面視略楕円形の楕円孔として構成されると共に、前記取付け端部 の突出部分は、前記固定板部材の取付け孔内で回転可能な外径を有する円柱状体 として構成され、前記突出部分を前記取付け孔内に揷通した場合には、その取付け 孔内の残部が前記余肉を受け入れる受け入れ部となるように構成されている。
[0021] 請求項 9記載の防振装置の製造方法は、請求項 1から 8のいずれかに記載の防振 装置の製造方法であって、前記取付け端部を有する第 1取付け具と前記第 2取付け 具とを前記防振基体で連結する加硫接着工程と、その加硫接着工程により前記防振 基体を介して前記第 2取付け具に連結された前記第 1取付け具の取付け端部に前 記固定板部材を固定する固定工程とを備え、その固定工程は、前記防振基体から 突出させた前記第 1取付け具の取付け端部を前記固定板部材の取付け孔に揷通さ せると共に、前記取付け端部の受け面部で前記固定板部材の一方の板面を受け止 める位置決め工程と、その位置決め工程により前記取付け孔から突出した前記取付 け端部の突出部分の突出端面に、押圧具の部分球状に凹んだ押圧作用部を押し付 け、前記押圧具を前記突出部分の軸線周りに円錐軌跡を描くように回転させて前記 突出部分を拡径加工する拡径工程とを備えていることを特徴とする防振装置の製造 方法。
[0022] つまり、防振基体から突出させた第 1取付け具の取付け端部を固定板部材の取付 け孔に挿通させると共に、前記取付け端部の受け面部で固定板部材の一方の板面 を受け止める (位置決め工程)。そして、取付け孔から突出した取付け端部の突出部 分の突出端面に、押圧具の部分球状に凹んだ押圧作用部を押し付け、押圧具を突 出部分の軸線回りに円錐軌跡を描くように回転させて突出部分を拡径カ卩ェする(拡 径工程)。押圧具の部分球状に凹んだ押圧作用部を押し付けながら上記のように回 転させることで、取付け孔から突出した取付け端部の突出部分の周壁の縦断面形状 を突出端面側ほど径方向外方側に位置する円弧状にすることができ、かつ、周壁側 の突出端面部分を突出方向に凸の球面状にすることができる。
[0023] 請求項 10記載の防振装置の製造方法は、請求項 9記載の製造方法において、前
記取付け端部の突出部分に、前記突出端面側に開口する穴を前記突出部分と同芯 状に形成する開口工程を備え、前記拡径工程は、前記開口工程によって穴が開口 された前記取付け端部の突出部分を前記押圧具で拡径加工するものである。
[0024] この製造方法によれば、開口工程を有するので、突出部分を拡径する際に突出部 分に力かる力がより小さくされる。
発明の効果
[0025] 請求項 1記載の防振装置によれば、第 1取付け具をアルミダイカスト等の脆い金属 で形成した場合であっても、固定板部材を第 1取付け具の取付け端部に確実に固定 することができて、第 1取付け具に対する固定板部材の固定構造の耐久性を向上さ せることができるという効果がある。
[0026] 請求項 2記載の防振装置によれば、請求項 1記載の防振装置の奏する効果に加え 、取付け端部の突出部分は、その突出部分と同芯状に形成され突出端面側に開口 する穴を備えているので、突出部分を拡径する際に必要な力を小さくして、加工コス トの低減を図ることができると共に、突出部分を変形し易くして、その突出部分の拡径 を安定して行うことができるとレ、う効果がある。
[0027] 請求項 3記載の防振装置によれば、請求項 1又は 2に記載の防振装置の奏する効 果に加え、第 1取付け具の取付け端部に固定した固定板部材を攪拌板として構成し たので、攪拌板(固定板部材)に液圧等の荷重が加わっても、力かる攪拌板が取付 け端部から脱落することや、がたつきが発生することを抑制することができ、その結果 、第 1液室側オリフィスによる流体流動効果を安定して発揮させることができるという 効果がある。
[0028] 請求項 4記載の防振装置によれば、請求項 1又は 2に記載の防振装置の奏する効 果に加え、第 1取付け具の取付け端部に固定した固定板部材をストツパ部材として構 成したので、ストツバ部材(固定板部材)が防振基体に当接して荷重が加わっても、か 力るストッパ部材が取付け端部から脱落することや、がたつきが発生することを抑制 することができ、その結果、大変位入力時のストッパ作用を安定して発揮させることが できるという効果がある。
[0029] 請求項 5記載の防振装置によれば、請求項 1から 4のいずれかに記載の防振装置
の奏する効果に加え、取付け孔が受け入れ部を備え、その受け入れ部によって拡径 時に生じる突出部分の余肉を受け入れるように構成したので、固定板部材の回り止 めを確実に行うことができるという効果がある。
[0030] よって、固定板部材の回り止め手段を有さない従来の防振装置のように、固定板部 材の回転により固定部が摩耗するなどして、がたつきが発生するという不具合を抑制 すること力 sできる。その結果、固定板部材の脱落や、固定板部材のがたつきによる異 音の発生などを未然に回避することができるという効果がある。
[0031] また、拡径の際に生じる余肉が固定板部材の回り止めとなるように構成したので、 突出部分を拡径するという 1の作業で、固定板部材を取付け端部に固定する第 1の 作業と、固定板部材を取付け端部に対して回り止めする第 2の作業とを同時に行うこ とができる。その結果、作業を効率化して、作業コストの低減を図ることができるという 効果がある。
[0032] 請求項 6記載の防振装置によれば、請求項 5記載の防振装置の奏する効果に加え 、受け入れ部としての凹部を取付け孔(丸孔)の内周側に複数凹設して、それら複数 の凹部が拡径の際に生じる余肉をそれぞれ受け入れるように構成したので、各凹部 に受け入れられた余肉によって固定板部材の回り止めを確実に行うことができるとい う効果がある。
[0033] また、上記複数の凹部の隣接間隔を丸孔の円弧に沿う方向に略等間隔としたので 、突出部分を拡径した際に生じる余肉を各凹部に確実かつ円滑に導入して、固定板 部材の回り止めを確実に行うことができるという効果がある。同様に、等間隔とするこ とで、各凹部の余肉に加わる荷重を分散させて、 1の凹部の余肉に荷重が集中する ことを回避することができるので、耐久性の向上を図ることができるという効果がある。
[0034] 更に、取付け端部の突出部分を固定板部材の取付け孔の内径よりも若干小径の円 柱状体として構成したので、かかる突出部分を固定板部材の取付け孔に揷通する場 合には、両部材の相対的な回転方向位置の位置合わせを行う必要がなぐ揷通作 業を容易に行うことができる。よって、両部材の組み立て作業を簡素化して、組み立 てコストを低減することができるので、その分、防振装置全体としての製品コストの低 減を図ることができるという効果がある。
[0035] 請求項 7記載の防振装置によれば、請求項 5記載の防振装置の奏する効果に加え 、固定板部材の取付け孔を正面視略円形の丸孔の一部を直線で接続した形状に構 成し、取付け端部の突出部分が挿通された際の取付け孔内の残部が拡径の際に生 じる余肉を受け入れる受け入れ部となるように構成したので、受け入れ部に受け入れ られた余肉によって固定板部材の回り止めを確実に行うことができるという効果がある
[0036] 更に、取付け端部の突出部分を固定板部材の取付け孔内で回転可能な外径を有 する円柱状体として構成したので、力かる突出部分を固定板部材の取付け孔に揷通 する場合には、両部材の相対的な回転方向位置の位置合わせを行う必要がなぐ揷 通作業を容易に行うことができる。よって、両部材の組み立て作業を簡素化して、組 み立てコストを低減することができるので、その分、防振装置全体としての製品コスト の低減を図ることができるとレ、う効果がある。
[0037] 請求項 8記載の防振装置によれば、請求項 5記載の防振装置の奏する効果に加え 、固定板部材の取付け孔を正面視略楕円形の楕円孔として構成すると共に、取付け 端部の突出部分が挿通された際の取付け孔内の残部が拡径の際に生じる余肉を受 け入れる受け入れ部となるように構成したので、その受け入れ部に受け入れられた余 肉によって固定板部材の回り止めを確実に行うことができるという効果がある。
[0038] 更に、取付け端部の突出部分を固定板部材の取付け孔内で回転可能な外径を有 する円柱状体として構成したので、力かる突出部分を固定板部材の取付け孔に挿通 する場合には、両部材の相対的な回転方向位置の位置合わせを行う必要がなぐ挿 通作業を容易に行うことができる。よって、両部材の組み立て作業を簡素化して、組 み立てコストを低減することができるので、その分、防振装置全体としての製品コスト の低減を図ることができるとレ、う効果がある。
[0039] 請求項 9記載の防振装置の製造方法によれば、第 1取付け具をアルミダイカスト等 の脆い金属で形成した場合であっても、固定板部材を第 1取付け具の取付け端部に 確実に固定することができて、第 1取付け具に対する固定板部材の固定構造の耐久 性を向上させた防振装置を製造することができるという効果がある。
[0040] 請求項 10記載の防振装置の製造方法によれば、請求項 9記載の防振装置の製造
方法の奏する効果に加え、取付け端部の突出部分に、その突出部分と同芯状に形 成され突出端面側に開口する穴を形成しておき(開口工程)、その後に突出部分を 押圧具で拡径加工するので (拡径加工)、突出部分を拡径する際に必要な力を小さ くして、加工コストの低減を図ることができると共に、突出部分を変形し易くして、その 突出部分の拡径を安定して行うことができるという効果がある。
発明を実施するための最良の形態
[0041] 以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図 1 は、本発明の第 1実施の形態における液封入式防振装置 100の正面図であり、図 2 は、液封入式防振装置 100の縦断面図である。第 1実施の形態では、本発明の適用 対象として、 FR型自動車用の液封入式防振装置 100を用いて説明する。
[0042] この液封入式防振装置 100は、トランスミッションに取付けブラケット 114を介して取 り付けられる第 1取付け金具 1と、車体側のメンバーに取り付けられる筒状の第 2取付 け金具 2と、これらを連結するゴム状弾性材からなる防振基体 3とを備えている。
[0043] 第 1取付け金具 1は、アルミニウムダイカストから成り、フランジ状の被ストッパ部 132 を備えた段付きの円柱状に形成され、その上端部が取付けブラケット 114に連結して いる。
[0044] 第 2取付け金具 2は、防振基体 3が加硫成形される筒状金具 4と、筒状の底金具 5と 、防振基体 3や被ストッパ部 132を覆う筒状のストッパ金具 107とから成る。これら三 者は同芯状に位置し、それぞれの軸芯方向一端側のフランジ部同士が一体にかし め固定されている。
[0045] ストツバ金具 107は、第 1取付け金具 1と第 2取付け金具 2との変位量を所定の範囲 内に抑える。このストッパ金具 107に、車体側のメンバーに対する連結部としての取 付け面部 110を張り出し形成し、この取付け面部 110に複数 (本実施の形態では 2本 )の取付けボルト 6を圧入固定してある。
[0046] 防振基体 3は、底部側が中空の円錐台状に形成され、その上端面が第 1取付け金 具 1に、下端部が筒状金具 4に、それぞれ加硫接着されている。
[0047] 底金具 5の底部に、ゴム膜から成るダイヤフラム 9を加硫成形し、このダイヤフラム 9 と防振基体 3の下面との間に液体封入室 8が形成されている。液体封入室 8には、液
体を封入してある。そして、液体封入室 8を防振基体 3側の第 1液室 11Aとダイヤフラ ム 9側の第 2液室 11Bとに仕切る仕切り体 12を底金具 5の底部と筒状金具 4の底部と で挟持固定してある。
[0048] 仕切り体 12は、ゴム膜力も成る円板状の弾性仕切り膜 15と、この弾性仕切り膜 15 を収容して、内周面側に一体に設けた第 1変位規制部材 17で受け止める筒部材 16 と、この筒部材 16の一端面側の開口を覆う第 2変位規制部材 18とから成る。
[0049] 筒部材 16の外周面と、底金具 5の内周面とに加硫成形されたゴム膜 7との間には、 第 1液室 11Aと第 2液室 11B同士を連通させるオリフィス 25が形成されてレ、る。オリフ イス 25は、第 2変位規制部材 18の第 1連通孔(図示せず)と、筒部材 16の上側切欠 き(図示せず)とを介して、第 1液室 11Aに連通し、筒部材 16の下側切欠き(図示せ ず)を介して第 2液室 11Bに連通している。
[0050] 第 1液室 11A内には、円板状の攪拌板 60を設けて、その攪拌板 60の外周縁 61と 第 1液室 11A (防振基体 3)の内周面との間に第 1液室側オリフィス 63を形成してある
[0051] 即ち、第 1液室 11A内に突出した第 1取付け金具 1の取付け端部 65に攪拌板 60の 中央側の連結部 66を連結している。連結部 66は上側に円筒状に膨出している。
[0052] 次に、図 3から図 5を参照して、第 1取付け金具 1に対する攪拌板 60の取付け構造 について説明する。
[0053] 図 3から図 5は、第 1取付け金具 1の取付け端部 65に対する攪拌板 60の固定方法 を示す縦断面図である。なお、図 3は、押圧具 78による突出部分 73の拡径カ卩ェを説 明する図であり、図 4は、突出部分 73の拡径加工を行う前の状態を示す図であり、図 5は、突出部分 73の拡径加工を行った後の状態を示す図である。
[0054] 図 5に示すように、第 1取付け金具 1の丸棒状の取付け端部 65を、攪拌板 60の連 結部 66の中央に形成した丸い取付け孔 70に揷通させると共に、取付け端部 65に形 成した段状の受け面部 71 (段部)で攪拌板 60の一方の板面 72を受け止めてある。
[0055] そして、取付け孔 70から突出した取付け端部 65の突出部分 73の周壁 74の縦断 面形状が突出端面 75側ほど径方向外方側に位置する円弧状になり、かつ、周壁 74 側の突出端面部分 76が突出方向に凸の球面状になるように突出部分 73を拡径する
ことで、突出部分 73を攪拌板 60の他方の板面 77に圧接させることなく攪拌板 60を 取付け端部 65に固定してある。
[0056] 次に、第 1取付け金具 1の取付け端部 65に対する攪拌板 60の固定方法は次の通 りである。
[0057] [1]防振基体 3を第 1取付け金具 1と筒状金具 4とに加硫成形した後、第 1取付け金 具 1と筒状金具 4とを筒状の底金具 5にかしめ固定する前の状態で、図 3に示すよう に、第 1取付け金具 1を支持台 91に取り付ける。
[0058] そして、第 1取付け金具 1の取付け端部 65 (突出部分 73)を攪拌板 60の取付け孔
70に揷通させ、取付け端部 65に形成した受け面部 71に攪拌板 60の一方の板面 72 を受け止めさせる。
[0059] なお、第 1実施の形態では、取付け孔 70から突出した取付け端部 65の突出部分 7 3の軸方向の長さ(突出端面 75と攪拌板 60の他方の端面 77との間の長さ)は略 2m m、突出部分 73の直径は略 9. 85mmである。
[0060] [2]突出部分 73の突出端面 75に、押圧具 78の部分球状に浅く凹んだ押圧作用 部 79を押し付け、押圧駆動部(図示せず)を駆動させ、棒状の押圧具 78を突出部分 73の軸線 P回りに円錐軌跡(「ほぼ円錐軌跡」も含む意味である)を描くように回転さ せて突出部分 73を拡径加工する。
[0061] これにより、突出部分 73が、図 4に示す加工前のストレート状態から、図 5に示すよ うに、周壁 74の縦断面形状が突出端面 75側ほど径方向外方側に位置する円弧状 になり、かつ、周壁 74側の突出端面部分 76が突出方向に凸の球面状になるように 拡径される。
[0062] なお、周壁 74の最下端と突出端面部分 76との接続部 Aの径が突出部分 73の最大 径となり、第 1実施の形態では、この最大径が略 11. 5mmとされている。
[0063] 次に、図 6及び図 7を参照して、第 2実施の形態について説明する。第 1実施の形 態では、突出部分 73をその中心側が中空でない中実軸状に構成したが、第 2実施 の形態では、突出部分 73に穴 90が凹設され、その中心側が中空状に構成されてい る。なお、上記した第 1実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明 は省略する。
[0064] 図 6及び図 7は、第 2実施の形態における第 1取付け金具 1の取付け端部 65に対 する攪拌板 60の固定方法を示す縦断面図であり、突出部分 73の拡径カ卩ェ前の状 態を示す図である。
[0065] 図 6及び図 7に示すように、取付け端部 65の突出部分 73に、突出端面 75側に開 口する有底の穴 90を突出部分 73と同芯状に形成しておき、その後に取付け端部 65 の突出部分 73を押圧具 78で拡径カ卩ェしても良い。
[0066] なお、穴 90が突出端面 75から凹設される凹設深さは、図 6に示すように、その穴 9 0の底部が受け面部 71と略同等位置 (即ち、突出部分 73の付け根部分)となる深さ であっても良く、或いは、図 7に示すように、穴 90の底部が受け面部 71を越える深さ であっても良い。
[0067] 次に、図 8及び図 9を参照して、第 3実施の形態について説明する。第 3実施の形 態における攪拌板 160は、第 1取付け金具 1の取付け端部 65に対して、回り止めさ れた状態で固定されている。なお、上記した各実施の形態と同一の部分には同一の 符号を付して、その説明は省略する。
[0068] 図 8は、第 3実施の形態における第 1取付け金具 1の取付け端部 65に対する攪拌 板 160の固定方法を示す縦断面図であり、図 8 (a)は突出部分 73の拡径加工を行う 前の状態を示す図であり、図 8 (b)は突出部分 73の拡径加工を行った後の状態を示 す図である。
[0069] また、図 9 (a)は、図 8 (a)の A— A線における突出部分 73及び攪拌板 160の断面図 であり、図 9 (b)は、図 8 (b)の B-B線における突出部分 73及び攪拌板 160の断面図 である。なお、図 9 (a)では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、突出部分 73と取付け孔 170との対向間隔(隙間)の大きさを模式的に拡大して図示している。
[0070] 第 3実施の形態における攪拌板 160の取付け孔 170には、取付け端部 65の突出 部分 73が拡径された際に生じる余肉を受け入れる受け入れ部(凹部 170a)が形成さ れており(図 9 (a)参照)、その受け入れ部に受け入れられた突出部分 73の余肉が取 付け端部 65 (突出部分 73)に対する攪拌板 160の回り止めとなるように構成されてい る(図 9 (b)参照)。
[0071] 即ち、上述したように、突出端部 73が押圧具 78によって拡径されると(図 3及び図 5
参照)、その拡径カ卩ェによって生じた突出部分 73の余肉力 図 9 (b)に示すように、 受け入れ部としての各凹部 170aに受け入れられ、攪拌板 160が第 1取付け金具 1の 取付け端部 65 (突出部分 73)に対して回り止めされるのである。
[0072] 攪拌板の回り止め手段を有さない従来の液封入式防振装置では、車体への組み 付け後に、攪拌板が回転することで、固定部が摩耗して、がたつきが発生するという 不具合が発生していた。これに対し、第 3実施の形態における液封入式防振装置 10 0によれば、攪拌板 160を回り止めした状態で固定するので、がたつきの発生を防止 することができ、その結果、攪拌板 160の脱落や、攪拌板 160のがたつきによる異音 の発生などを未然に抑制することができる。
[0073] また、拡径の際に生じる余肉で攪拌板 160を回り止めする構成としたので、突出部 分 73を拡径するという 1の作業で、攪拌板 160を取付け端部 65に固定する第 1の作 業と、攪拌板 160を取付け端部 65に対して回り止めする第 2の作業とを同時行うこと ができる。その結果、作業を効率化して、作業コストの低減を図ることができる。
[0074] ここで、より具体的には、攪拌板 160の取付け孔 170は、図 9 (a)に示すように、正 面視略円形の丸孔として構成され、その丸孔としての取付け孔 170の内周側には、 前記余肉を受け入れる受け入れ部としての凹部 170aが複数箇所(第 3実施の形態 では 4箇所)に凹設されている。また、各凹部 170aの隣接間隔は、取付け孔 170の 円弧に沿う方向(即ち、周方向)に略等間隔 (第 3実施の形態では略 90° 間隔)とさ れている。
[0075] このように、第 3実施の形態では、拡径の際に生じる余肉を複数の凹部 170aで受 け入れるように構成したので、各凹部 170a内の余肉によって、攪拌板 160の回り止 めを確実に行うことができる。
[0076] また、上述のように、各凹部 170aの隣接間隔を取付け孔 170の円弧に沿う方向に 略等間隔としたので、突出部分 73を拡径した際に生じる余肉を 1の凹部 170aに片 寄らせることなく、各凹部 170aに確実かつ円滑に受け入れさせる(流動させる)ことが でき、攪拌板 160の回り止めを確実に行うことができる。
[0077] 同様に、略等間隔に配置することで、各凹部 170a内の余肉に加わる荷重を分散さ せて、 1の凹部 170a内の余肉に荷重が集中することを回避することができるので、耐
久性の向上を図ることができる。
[0078] 取付け端部 65の突出部分 73は、図 9 (a)に示すように、攪拌板 160の取付け孔 17 0の内径よりも若干小径の円柱状体(図 8参照)として構成されている。よって、突出部 分 73を攪拌板 160の取付け孔 170に揷通する場合には、両部材 73, 170の相対的 な回転方向位置の位置合わせを行う必要がなぐその揷通作業を容易に行うことが できる。従って、両部材 73, 170の組み立てコストを低減して、その分、液封入式防 振装置 100全体としての製品コストの低減を図ることができる。
[0079] なお、凹部 170aは、図 9に示すように、突出部分 73の径方向外方側へ凸の半円 状とされているので、突出部分 73の拡径代を不必要に大きくしなくても、突出部分 73 の余肉を凹部 170a内へスムーズに流動させて(受け入れさせて)、力、かる余肉で凹 部 170a内を確実に充填することができる。その結果、突出部分 73の破損等を防止し つつ、攪拌板 160の回り止めを確実に行うことができる。
[0080] 次に、図 10を参照して、第 4実施の形態について説明する。なお、上記した各実施 の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
[0081] 図 10は、第 4実施の形態における突出部分 73及び攪拌板 260の断面図である。
なお、図 10 (a)は、図 8 (a)の A— A線における断面図に、図 10 (b)は、図 8 (b)の B— B線における断面図に、それぞれ対応する。なお、図 10 (a)では、図面を簡素化して 、理解を容易とするために、突出部分 73と取付け孔 270との対向間隔(隙間)の大き さを模式的に拡大して図示している。
[0082] 第 4実施の形態における攪拌板 260の取付け孔 270は、図 10に示すように、正面 視略円形の丸孔 270aの一部を直線部 270bで接続した形状に構成されると共に、 突出部分 73を取付け孔 270内に揷通した場合には、その取付け孔 270内の残部( 即ち、突出部分 73と取付け孔 270との間の隙間)が前記余肉を受け入れる受け入れ 部となるように構成されてレ、る。
[0083] 即ち、図 10 (a)に示す状態から突出部分 73が拡径されると(図 3参照)、拡径により 生じた余肉が突出部分 73と取付け孔 270との間の隙間に受け入れられることで、図 10 (b)に示すように、取付け孔 270内が余肉により充填される。その結果、かかる余 肉によって攪拌板 260の回り止めを確実に行うことができる。
[0084] なお、取付け端部 65の突出部分 73は、攪拌板 260の取付け孔 270内で回転可能 な外径を有する円柱状体(図 8参照)として構成されている。よって、突出部分 73を攪 拌板 260の取付け孔 270に挿通する場合には、両部材 73, 270の相対的な回転方 向位置の位置合わせを行う必要がなぐその揷通作業を容易に行うことができる。従 つて、両部材 73, 270の組み立てコストを低減して、その分、液封入式防振装置 100 全体としての製品コストの低減を図ることができる。
[0085] 次に、図 11を参照して、第 5実施の形態について説明する。なお、上記した各実施 の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
[0086] 図 11は、第 5実施の形態における突出部分 73及び攪拌板 360の断面図である。
なお、図 11 (a)は、図 8 (a)の A— A線における断面図に、図 11 (b)は、図 8 (b)の B— B線における断面図に、それぞれ対応する。なお、図 11 (a)では、図面を簡素化して 、理解を容易とするために、突出部分 73と取付け孔 370との対向間隔(隙間)の大き さを模式的に拡大して図示している。
[0087] 第 5実施の形態における攪拌板 360の取付け孔 370は、図 11に示すように、正面 視略楕円形の楕円孔として構成されると共に、突出部分 73を取付け孔 370内に挿 通した場合には、その取付け孔 370内の残部(即ち、突出部分 73と取付け孔 370と の間の隙間)が前記余肉を受け入れる受け入れ部となるように構成されてレ、る。
[0088] 即ち、図 11 (a)に示す状態から突出部分 73が拡径されると(図 3参照)、拡径により 生じた余肉が突出部分 73と取付け孔 370との間の隙間に受け入れられることで、図 1Kb)に示すように、取付け孔 370内が余肉により充填される。その結果、かかる余 肉によって攪拌板 360の回り止めを確実に行うことができる。
[0089] なお、取付け端部 65の突出部分 73は、攪拌板 360の取付け孔 370内で回転可能 な外径を有する円柱状体(図 8参照)として構成されている。よって、突出部分 73を攪 拌板 360の取付け孔 370に揷通する場合には、両部材 73, 370の相対的な回転方 向位置の位置合わせを行う必要がなぐその揷通作業を容易に行うことができる。従 つて、両部材 73, 370の組み立てコストを低減して、その分、液封入式防振装置 100 全体としての製品コストの低減を図ることができる。
[0090] 次に、図 12を参照して、第 6実施の形態について説明する。第 1実施の形態では、
本発明の適用対象として、液封入式防振装置 100を用いて説明したが、第 6実施の 形態では、液封入式でないいわゆるコンペタイプの防振装置 400に本発明を適用す る場合を説明する。なお、上記した各実施の形態と同一の部分には同一の符号を付 して、その説明は省略する。
[0091] 図 12は、第 6実施の形態における防振装置 400の縦断面図である。この防振装置 400は、トランスミッションに取付けブラケット(図示せず)を介して取り付けられる第 1 取付け金具 401と、車体側のメンバーに取り付けられる第 2取付け金具 204と、これら を連結するゴム状弾性材からなる防振基体 403とを備えている。
[0092] 第 1取付け金具 4011は、アルミニウムダイカストから成り、その下端部の取付け端 部 65には、受け面部 71及び突出部分 73がそれぞれ形成されている。これら各部材 65, 71 , 73は、上述した第 1実施の形態の場合と同様に構成されている。
[0093] 防振基体 403は、第 1取付け金具 401及び第 2取付け金具 402に加硫接着され、 その底部側が中空の円錐台状に形成されている。即ち、防振基体 403は、第 2取付 け金具 204側の底部に凹設空間が形成されており、その凹設空間内には、ストッパ 部材 460が配設されてレ、る。
[0094] ストッパ部材 460は、その外周縁等を防振基体 403に当接させることで、大変位入 力時のストッパ作用を得るための部材であり、前記凹設空間内において第 1取付け 金具 401の取付け端部 65 (突出部分 73)に固定されている。なお、取付け端部 65に 対するストッパ部材 460の固定方法は、上述した第 1実施の形態の場合と同様である ので、その説明は省略する。
[0095] 第 6実施の形態における防振装置 400によれば、第 1実施の形態のように、第 1取 付け金具 1の被ストツバ部 132やストッパ金具 107 (ともに図 2参照)を設ける必要がな いので、部品コストを低減して、その分、防振装置 400全体としての製品コストの削減 を図ることができる。
[0096] また、ストツバ部材 460は、第 1実施の形態と同様に、突出部分 73を拡径することで 取付け端部 65に固定されているので、力、かるストツバ部材 460を強固に固定すること ができる。よって、大変位入力時にストッパ部材 460が防振基体 403に当接して荷重 が加わっても、取付け端部 65 (突出部分 73)の破損や、ストッパ部材 460の脱落、或
レ、は、がたつきの発生などを抑制することができ、その結果、大変位入力時のストッ パ作用を安定して発揮させることができる。
[0097] 以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら 限定される物ではなぐ本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能 であることは容易に推察できるものである。
[0098] 例えば、上記各実施の形態では、液封入式防振装置 100又は防振装置 400がトラ ンスミッションとメンバーとの間に設けられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られ るわけではなぐ例えば、エンジンとメンバーとの間に設けられるものであっても良レ、。
[0099] また、上記各実施の形態で上げた数値は一例であり、別の数値とすることは当然可 能である。
[0100] また、上記各実施の形態を組み合わせて構成することは当然可能である。例えば、 第 2実施の形態で説明した穴 90と、第 3から第 5実施の形態のいずれかで説明した 回り止め手段(受け入れ部)とを組み合わせて構成しても良い。
[0101] また、例えば、第 4実施の形態の取付け孔 270は、丸孔 270aを一本の直線部 270 bで接続する形状で構成した力 必ずしもこれに限られるものではなぐ丸孔 270aを 複数本の直線部 270bで接続した形状で取付け孔 270を構成することは当然可能で ある。
産業上の利用可能性
[0102] 第 1取付け具をアルミダイカスト等の脆い金属で形成した場合であっても、攪拌板 等の部材を第 1取付け具の取付け端部に確実に固定することができて、第 1取付け 具に対する攪拌板等の部材の固定構造の耐久性を向上させることができる防振装置 を提供する。
図面の簡単な説明
[0103] [図 1]本発明の第 1実施の形態における液封入式防振装置の正面図である。
[図 2]液封入式防振装置の縦断面図である。
[図 3]第 1取付け金具の取付け端部に対する攪拌板の固定方法を示す縦断面図であ り、押圧具による突出部分の拡径加工を説明する図である。
[図 4]第 1取付け金具の取付け端部に対する攪拌板の固定方法を示す縦断面図であ
り、突出部分の拡径カ卩ェを行う前の状態を示している。
園 5]第 1取付け金具の取付け端部に対する攪拌板の固定方法を示す縦断面図であ り、突出部分の拡径カ卩ェを行った後の状態を示している。
園 6]第 2実施の形態における第 1取付け金具の取付け端部に対する攪拌板の固定 方法を示す縦断面図であり、突出部分の拡径加工前の状態を示している。
園 7]第 2実施の形態における第 1取付け金具の取付け端部に対する攪拌板の固定 方法を示す縦断面図であり、突出部分の拡径加工前の状態を示している。
園 8]第 3実施の形態における第 1取付け金具の取付け端部に対する攪拌板の固定 方法を示す縦断面図であり、 (a)は突出部分の拡径カ卩ェを行う前の状態を示してお り、 (b)は突出部分の拡径カ卩ェを行った後の状態を示している。
[図 9] (a)は、図 8 (a)の A— A線における突出部分および攪拌板の断面図であり、 (b) は、図 8 (b)の B— B線における突出部分および攪拌板の断面図である。
園 10]第 4実施の形態における突出部分および攪拌板の断面図である。
園 11]第 5実施の形態における突出部分および攪拌板の断面図である。
園 12]第 6実施の形態における防振装置の縦断面図である。
符号の説明
100 液封入式防振装置 (防振装置)
400 防振装置
1 , 401 第 1取付け金具 (第 1取付け具)
65 取付け端部
71 受け面部
73 突出部分
74 周壁
75 突出端面
76 突出端面部分
90 穴
2, 402 第 2取付け金具 (第 2取付け具)
4 筒状金具 (第 2取付け具の一部)
底金具(第 2取付け具の一部)
07 ストッパ金具(第 2取付け具の一部) 、 403 防振基体
0, 160, 260, 360 攪拌板(固定板部材)
1 外周縁(固定板部材の外周縁)0, 170, 270, 370 取付け孑し
70a 凹部(受け入れ部)
70a 丸孔(取付け孔の一部)
70b 直線部(取付け孔の一部)
2 板面(固定板部材の一方の板面)7 板面(固定板部材の他方の板面)60 ストッパ部材(固定板部材)
液体封入室
1A 第 1液室
1B 第 2液室
ダイヤフラム
2 仕切り体
5 弾性仕切り膜 (仕切り体の一部)6 筒部材 (仕切り体の一部)
7 第 1変位規制部材 (筒部材の一部)8 第 2変位規制部材 (仕切り体の一部)5 オリフィス
3 第 1液室側オリフィス
8 押圧具
9 押圧作用部