WO2005098416A1

WO2005098416A1 - 固相抽出カートリッジ

Info

Publication number: WO2005098416A1
Application number: PCT/JP2005/005324
Authority: WO
Inventors: Ryoichi Sasano; Kazuaki Kiji; Yutaka Nakanishi
Original assignee: Saika Technological Institute Foundation
Priority date: 2004-03-31
Filing date: 2005-03-24
Publication date: 2005-10-20
Also published as: AU2005230504A1; EP1734363A1; JP4285387B2; WO2005098416A8; KR20070032639A; US20070240777A1; JP2005315834A

Abstract

　試料や溶液が溜まることを可及的に抑制することができるだけでなく、夾雑物を取り除くためや複数の目的成分を迅速に得るために複数の固相抽出カートリッジを嵌合することができる構成の固相抽出カートリッジを提供する。　筒状のカートリッジ本体１Ａ内に、上側から流入側フリット３、固相充填剤４、流出側フリット５を備えさせ、カートリッジ本体１Ａの下端の内面に、流出側フリットを受け止めるストッパー部１ｆを備えさせ、カートリッジ本体１Ａにそれの上端から他のカートリッジ本体１Ａの下端を所定位置まで挿入して該挿入状態を保持可能な嵌合部を備えさせ、嵌合部が、被挿入側のカートリッジ本体１Ａの内面に形成した上側ほど大径となる内側テーパー面１ｇと、挿入側のカートリッジ本体の外面に形成した上側ほど大径となる外側テーパー面とからなる。

Description

明細書

固相抽出カートリッジ

技術分野

[0001] 本発明は、液体クロマトグラフやガスクロマトグラフなどにより分析する試料を調製するために用いられる固相抽出カートリッジに関する。

背景技術

[0002] 上記固相抽出カートリッジは、上端及び下端が開放された筒状のカートリッジ本体内に、上側から流入側フリット、固相充填剤、流出側フリットを備えさせて構成されている。このように構成された固相抽出カートリッジに、例えばシリンジ (注入器)から試料を注入することによって、注入された試料の中から目的成分を固相充填剤にて保持させ、その目的成分が保持された固相充填剤へ溶出液を流し込むことにより、濃縮された目的成分を回収することができるようにしている。そして、前記固相抽出カートリッジが前記流入側フリット、固相充填剤、流出側フリットを収容する円筒状のカートリッジ本体と、このカートリッジ本体の排出側端に該カートリッジ本体の直径よりも小さな直径を有する円筒状の排出用の先端部とから構成されたものが既に提案されている (例えば、特許文献 1参照。 ) o

特許文献 1 :特開 2002-316002号公報（図 1参照）

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0003] 上記特許文献 1によれば、カートリッジ本体の排出側端とこれに対応する側の排出用先端部の一端とを連結するためのすり鉢状（中心側ほど下方に位置するテーパー状)の段部にデッドスペースが存在するため、そのデッドスペースに試料や溶液が溜まってしまい、目的成分の濃度が低下する不都合や、溜まった試料や溶液が原因で次回の目的成分の抽出時に不具合が発生することがあった。

又、試料の中から保持したい目的成分が複数種類 (例えば 2種類)ある場合や、試料中の夾雑物を取り除くために、異なる固相充填剤を備えた複数種類 (2種類)の固相抽出カートリッジを設け、例えば第 1番目の固相抽出カートリッジに注入器力もの試料を注入し、該固相抽出カートリッジ力排出される排出物（固相充填剤にて保持されなカゝつたもの）を別の注入器などの容器にて受け止め、その受け止めた排出物を第 2番目の固相抽出カートリッジへ注入することになり、非常に手間のかかる作業でめつに。

[0004] 本発明が前述の状況に鑑み、解決しょうとするところは、試料や溶液が溜まることを可及的に抑制することができるだけでなぐ夾雑物を取り除くためや複数の目的成分を迅速に得るために複数の固相抽出カートリッジを嵌合する（重ね合わせる）ことができる構成の固相抽出カートリッジを提供する点にある。

課題を解決するための手段

[0005] 本発明は、前述の課題解決のために、上端及び下端が開放された筒状のカートリッジ本体内に、上側から流入側フリット、固相充填剤、流出側フリットを備えさせた固相抽出カートリッジにおいて、前記カートリッジ本体の下側の内面に、内方側へ突出して前記流出側フリットの外周縁を連続的に又は断続的に受け止めるストッパー部を備えさせる、又は、前記カートリッジ本体の下側の内面に、下側ほど小径となる先細り部に構成して前記流出側フリットを保持するための保持部を構成し、前記カートリッジ本体にそれの上端力他の前記カートリッジ本体の下端を所定位置まで挿入してその挿入状態を保持可能な嵌合部を備えさせ、前記嵌合部が、前記被挿入側のカートリッジ本体の内面のうちの少なくとも特定範囲に形成した上側ほど大径となる内側テ一パー面と、前記挿入側のカートリッジ本体の外面のうちの少なくとも特定範囲に形成した上側ほど大径となる外側テーパー面とからなり、前記内側テーパー面と外側テ一パー面とをそれら両者がほぼ同一の傾斜角度を有するように形成して、固相抽出カートリッジを構成している。

上記のようにカートリッジ本体の下端に流出側フリットの外周縁を連続的に又は断続的に受け止めるストッパー部を備えさせる、又はカートリッジ本体の下側の内面に、下側ほど小径となる先細り部に構成して流出側フリットを保持するための保持部を構成して、るだけなので、ストッパー部や保持部が大きなデッドスペースを形成することがないから、そのストッパー部や保持部に試料や溶液が溜まることを可及的に抑制することがでさる。又、夾雑物を取り除くためや複数種類の目的成分を保持したい場合には、夾雑物や目的成分を保持可能な固相充填剤を備えた複数の固相抽出カートリッジを内外のほぼ同一の傾斜角度を有するテーパー面を利用することで嵌合させることができる。そして、それら嵌合状態の固相抽出カートリッジに対してシリンジ (注入器)などを介して試料を注入することによって、取り除きたい夾雑物や保持したい複数種類の目的成分を一回の注入作業で保持させることができる。

[0006] 前記 2つのカートリッジ本体の嵌合状態において下方に位置するカートリッジ本体の内面と上方に位置するカートリッジ本体の内面とがほぼ面一状に連続するように構成してちょい。

試料の注入時において上下方向で嵌合しているカートリッジ本体の内面に段部が発生し、その段部に試料の一部などが滞留することがなぐ試料全量がカートリッジ本体内をスムーズに移動することができる。

[0007] 前記カートリッジ本体を、他の前記カートリッジ本体に挿入して嵌合可能な下側部分と、この下側部分よりも外方側へ突出した外径寸法を有する上側部分とから構成し、前記 2つのカートリッジ本体の嵌合状態において、該上方に位置するカートリッジ本体の下側部分と上側部分との境界部分に形成されて、る段部と、該下方に位置するカートリッジ本体の上端との間に隙間が形成されるように、該上方に位置するカートリッジ本体の挿入位置を規制するための接当用段部を該下方に位置するカートリッジ本体の内面に形成してもよい。

[0008] 前記カートリッジ本体の上端開口を該カートリッジ本体の下端の外径寸法よりも大きく設定し、前記カートリッジ本体の上端開口力下方に位置する前記接当用段部までの内面を、該接当用段部に近い側ほど内径寸法が小さくなるテーパー面に構成し

、前記カートリッジ本体の下側部分の外面を、下端から前記段部側ほど外径寸法が大きくなるテーパー面に構成してもよ、。

[0009] 前記ストッパー部を、前記カートリッジ本体の下端内面の周方向所定間隔を置いて内方側へ突出させた複数の突出部力構成してもよい。

[0010] 前記カートリッジ本体の下端に、前記ストッパー部を備えた短筒状の下端部分を着脱自在に取り付けてもよい。 [0011] 前記カートリッジ本体の上端にフランジ部を備えさせてもよい。

発明の効果

[0012] カートリッジ本体の下端に流出側フリットの外周縁を連続的に又は断続的に受け止めるストッパー部を備えさせる、又はカートリッジ本体の下側の内面に、下側ほど小径となる先細り部に構成して流出側フリットを保持するための保持部を構成しているだけなので、ストッパー部や保持部が大きなデッドスペースを形成することがな、から、そのストッパー部や保持部に試料や溶液が溜まることを可及的に抑制することができ、目的成分の抽出を予定通りに行うことができる。

又、夾雑物を取り除いたり、複数種類の目的成分を保持したい場合には、夾雑物や目的成分を保持可能な固相充填剤を備えた複数の固相抽出カートリッジを嵌合させて試料を注入するだけで済ませることができ、取り除きた、夾雑物や保持したヽ複数種類の目的成分を一回の注入作業で迅速に保持させて作業を終了させることができる。尚、カートリッジ本体を、合成樹脂で構成する場合には、どのような形への成形も容易になり、製造面において有利になる。

[0013] 2つのカートリッジ本体の嵌合状態において下方に位置するカートリッジ本体の内面と上方に位置するカートリッジ本体の内面とがほぼ面一状に連続するように構成することによって、試料の注入時において上下方向で嵌合しているカートリッジ本体の内面に段部が発生し、その段部に試料の一部などが滞留することがなぐ試料全量がカートリッジ本体内をスムーズに移動することができる。

[0014] カートリッジ本体を、他のカートリッジ本体に挿入して嵌合可能な下側部分と、この下側部分よりも外方側へ突出した外径寸法を有する上側部分とから構成し、前記 2 つのカートリッジ本体の嵌合状態において、該上方に位置するカートリッジ本体の下側部分と上側部分との境界部分に形成されて、る段部と、下方に位置するカートリツジ本体の上端との間に隙間が形成されるように、上方に位置するカートリッジ本体の挿入位置を規制するための接当用段部を下方に位置するカートリッジ本体の内面に形成することによって、隙間に指をかけて上下に位置する 2つのカートリッジ本体の嵌合状態を容易に解除することができる。しかも、前記隙間の形成を、接当用段部を力ートリッジ本体の内面に形成するだけで実現することができ、別体形成された接当部をカートリッジ本体内に固定するものに比べて製造面において有利になる。

[0015] カートリッジ本体の上端開口をカートリッジ本体の下端の外径寸法よりも大きく設定し、カートリッジ本体の上端開口力下方に位置する接当用段部までの内面を、接当用段部に近い側ほど内径寸法が小さくなるテーパー面に構成し、カートリッジ本体の下側部分の外面を、下端力段部側ほど外径寸法が大きくなるテーパー面に構成することによって、下側のカートリッジ本体に対する上側のカートリッジ本体の位置が多少位置ずれしても、両者を迅速に嵌合させることができ、挿入作業を容易迅速に行つて目的成分の抽出作業の迅速ィ匕を図ることができる。

[0016] ストッパー部を、カートリッジ本体の下端内面の周方向所定間隔を置いて内方側へ突出させた複数の突出部力構成することによって、周方向全域に渡ってストッパー部を形成する場合に比べて、ストッパー部に試料や溶液が溜まることをより一層抑えることがでさる。

[0017] カートリッジ本体の下端に、ストッパー部を備えた短筒状の下端部分を上下方向で着脱自在に取り付けることによって、下端部分を取り外してカートリッジ本体の排出側端部から、流入側フリット、固相充填剤、流出側フリットを内装して力カートリッジ本体に下端部分を取り付けることができ、流入側フリット、固相充填剤、流出側フリットのそれぞれを、長尺なカートリッジ本体の上端開口力挿入して下端開口側へ移動させる場合に比べて、装着作業を容易迅速に行うことができる。

[0018] カートリッジ本体の上端にフランジ部を備えさせている場合には、カートリッジ本体を手に持った状態、又は挟持部材などの器具にて挟持して、る状態でカートリッジ本体に試料を注入する場合に、カートリッジ本体に対する挟持力が小さくても、カートリッジ本体が下方へ不測に移動してカートリッジ本体が手や器具力離脱することがな

V、ようにフランジ部を接当阻止部材として利用することができ、使用面にお!、て有利になる。

図面の簡単な説明

[0019] [図 1]固相抽出カートリッジの縦断面図である。

[図 2]固相抽出カートリッジの斜視図である。

[図 3]固相抽出カートリッジの平面図である。 [図 4]2つの固相抽出カートリッジを上下方向で重ねた状態を示す縦断面図である。

[図 5]第 2の固相抽出カートリッジの平面図である。

[図 6]フランジ部の無い第 3の固相抽出カートリッジを示す縦断面図である。

[図 7]図 6の固相抽出カートリッジの 2つを上下方向で重ねた状態を示す縦断面図である。

圆 8]下端部を螺子構造にて取り外し可能に構成した第 4の固相抽出カートリッジを示す縦断面図である。

圆 9]下端部を係止構造にて取り外し可能に構成した第 5の固相抽出カートリッジを示す縦断面図である。

[図 10]第 6の固相抽出カートリッジを示し、 (a)は 2つの固相抽出カートリッジを上下方向で重ねた状態を示す縦断面図、（b)はそれを下力も見たときの底面図である。

[図 11]第 7の固相抽出カートリッジを示し、 (a)は 2つの固相抽出カートリッジを上下方向で重ねた状態を示す縦断面図、（b)はそれを下力も見たときの底面図である。

[図 12]第 8の固相抽出カートリッジを示し、 (a)は 2つの固相抽出カートリッジを上下方向で重ねた状態を示す縦断面図、（b)はそれを下力も見たときの底面図である。

[図 13]第 9の固相抽出カートリッジを示し、 (a)は 2つの固相抽出カートリッジを上下方向で重ねた状態を示す縦断面図、（b)はそれを下力も見たときの底面図である。

[図 14]第 10の固相抽出カートリッジを示し、 (a)は 2つの固相抽出カートリッジを上下方向で重ねた状態を示す縦断面図、（b)はそれを下力も見たときの底面図である。

[図 15]第 11の固相抽出カートリッジを示し、 (a)は 2つの固相抽出カートリッジを上下方向で重ねた状態を示す縦断面図、（b)はそれを下力も見たときの底面図である。

[図 16]第 12の固相抽出カートリッジを示し、 (a)は 2つの固相抽出カートリッジを上下方向で重ねた状態を示す縦断面図、（b)はそれを下力も見たときの底面図である。符号の説明

1A カートリッジ本体

If ストッパー部

1F フランジ §

lb 上側部分 IK 上端開口

la 下側部分

IB 内面

1 固相抽出カートリッジ

1G 外径寸法

lg 丁 ~~ハ' ~~ ¾

le 接当用段部

Id 接当用段部

le 接当用段部

lc 段部

2 シリンジ

2A 先端

3 流入側フリット

4 固相充填剤

5A 外周縁

5 流出側フリット

6 試料

7A ストッパー部

7 下端部分

7B 突起部 (螺子部）

8 上側本体部

8B 凹部 (螺子部）

S 隙間

発明を実施するための最良の形態

図 1一図 3に、液体クロマトグラフやガスクロマトグラフなどにより分析する試料を調製するために用いられる固相抽出カートリッジ 1を示して、る。

この固相抽出カートリッジ 1は、透明（半透明又は透明でないものでもよい）な合成榭脂材料で構成することが使用面及びコスト面にぉヽて有利であるが、他の材料で構成してもよい。図 1では、シリンジ (注入器） 2の先端 2Aを固相抽出カートリッジ 1の上端に挿入する直前の状態を示しており、この状態力図 4に示すようにシリンジ 2の先端 2Aを固相抽出カートリッジ 1の上端に挿入した後、シリンジ 2内の試料 6を注入することによって、後述する固相充填剤 4にて所望の目的成分を保持することができるようになっている。前記固相抽出カートリッジ 1は、手で保持したり、挟持部材などの器具にて保持して使用することになる。

[0022] 前記固相抽出カートリッジ 1は、上端及び下端が開放された円筒状 (楕円状又は角筒状などでもよい）のカートリッジ本体 1 Aからなり、このカートリッジ本体 1 A内に、上側から順に試料を受け止めると共に固相充填剤を上方力押し付けるための円形で板状の流入側フリット 3、多数の粒状体が充填された固相充填剤 4を受け止めるための円形で板状の流出側フリット 5を備えさせている力フリット（フィルターとも言う） 3, 5は、場合によっては、いずれか一方のみ備えさせて実施することもできる。

[0023] 前記カートリッジ本体 1Aは、他のカートリッジ本体 1Aに挿入して嵌合可能な下側部分 laと、この下側部分 laよりも外方側へ突出した外径寸法を有する上側部分 lbと力構成し、図 4に示す 2つのカートリッジ本体 1A, 1Aの嵌合状態において、該上方に位置するカートリッジ本体 1Aの下側部分 laと上側部分 lbとの境界部分に形成されているほぼ水平の段部 lcと、該下方に位置するカートリッジ本体 1Aの上端との間に隙間 Sが形成されるように、挿入されるカートリッジ本体 1 Aの挿入位置を規制するための接当用段部 leを該カートリッジ本体 1Aの内面に形成している。

[0024] 又、前記カートリッジ本体 1Aの下端の内面に、内方側へ突出して前記流出側フリツト 5の外周縁 5Aを連続的に受け止める円環状で板状のストッパー部 Ifを備えさせ、前記カートリッジ本体 1Aにそれの上端力他の前記カートリッジ本体 1Aの下端を所定位置まで挿入してその挿入状態を保持可能な凹部である嵌合部を備えさせ、前記 2つのカートリッジ本体 1A, 1Aの嵌合状態において下方に位置するカートリッジ本体 1Aの内面 1Bと上方に位置するカートリッジ本体 1Aの内面 1Bとがほぼ面一状に連続するように前記嵌合部を備えさせている（図 4参照)。前記嵌合部は、前記下側部分 laの外面であるテーパー面と上側部分 lbの内面であるテーパー面 lgと力なり、下側部分 laのテーパー面の傾斜角度と前記上側部分 lbのテーパー面 lgの傾斜角度とを同一に構成することによって、挿入されたカートリッジ本体 1Aの外面のテ一パー面 laと被挿入側のカートリッジ本体 1Aの内面のテーパー面 lgとを全域に渡つて隙間の無い面接触状態にすることができる利点がある力例えば一部でのみ接触する線接触するように内外のテーパー面の傾斜角度を設定することもできる。前記ストッパー部 Ifを図 5に示すように、前記流出側フリット 5の外周縁 5Aを断続的に受け止める多数の突起部から構成することによって、試料、目的成分、溶出液などの排出をより一層良好に行うことができる利点がある。又、前記ストッパー部 Ifは、力ートリッジ本体 1Aの下端に備えさせることが好ましいが、下側であれば、どの箇所に備えさせてもよ、。前記下側とはカートリッジ本体 1Aの上下寸法の中央部の下側を指すことにする。

[0025] 前記固相充填剤 4としては、シリカゲル、アルミナ、ォクタデシルシリカ、硫酸ナトリウム、ポリマー系交換榭脂などが挙げられるが、他の材料であってもよぐ取り除きたい夾雑物や保持したい目的成分の種類などに応じて適宜選定することができる。

[0026] 前記カートリッジ本体 1Aの上端開口 1Kを該カートリッジ本体 1Aの下端の外径寸法 1Gよりも大きく設定し、前記カートリッジ本体 1Aの上端開口 1Kから下方に位置する前記接当用段部 Idまでの内面 1Bを、該接当用段部 leに近、側ほど内径寸法が小さくなるテーパー面に構成することによって、一方（上側）のカートリッジ本体 1Aの下端を他方のカートリッジ本体 1Aの上端開口 1Kに挿入し易いようにしている力ストレート面にしてもよい。前記カートリッジ本体 1Aの下側部分 laの外面をそれの下端力も前記段部 lc側ほど外径寸法が大きくなるテーパー面に構成している。この下側部分 laのテーパー面の傾斜角度は、前記上端開口 1Kから下方に位置する前記接当用段部 Idまでの内面 1Bのテーパー面の傾斜角度と同一（ほぼ同一でもよい）に設定してあり、これら 2つのテーパー面同士が隙間の無い状態で嵌合することができるようになっている。ここでは、上下方向で重ね合わせる複数のカートリッジ本体 1A, 1 A同士を嵌合のみで固定することによって、固定解除を迅速に行える利点がある場合を示している力係止などを用いてより一層強固に両者の固定ができるようにしてもよい。

[0027] 図 1一図 4では、カートリッジ本体 1Aの上端にフランジ部 1Fを備えさせることによつて、カートリッジ本体 1Aを手で持って、る場合や器具を用いて保持させて、る場合に、下方側への移動を接当阻止するストッパーとして機能させることができる利点があるが、図 6及び図 7に示すように、フランジ部 1Fの無いもので構成してもよい。図 6 及び図 7で示す他の部分は、図 1及び図 4と同一であるため、同一符号を付している

[0028] 図 8及び図 9に示すように、カートリッジ本体 8の下端に、前記ストッパー部 7Aを備えた短筒状の下端部分 7を上下方向で着脱自在に取り付けて、固相抽出カートリッジ 1を構成してもよい。このように構成することによって、下端部分 7を取り外して、カートリッジ本体 8の排出側の開口（下端開口）を通して流入側フリット 3、固相充填剤 4、流出側フリット 5を挿入して備えさせることができる。前記着脱構造としては、図 8に示すように、カートリッジ本体 8の下端外面に形成した螺子部 8Bと、この螺子部 8Bに螺合するように下端部分 7の内面に形成した螺子部 7Bとからなる螺子構造のものや、図 9 に示すように、下端部分 7の内面に形成した突起部 7Bと、この突起部 7Bに係止及び係止解除可能にカートリッジ本体 8の下端外面に形成した凹部 8Bとからなる係止構造のものなどが挙げられる力他の構造のものであってもよい。前記突起部 7B及び凹部 8Bは円周方向全域に備えさせるものであってもよいし、円周方向一箇所又は複数箇所備えさせたものであってもよい。図 8及び図 9の接当用段部 leは、図 1一図 7 で示した中心側ほど下方に位置するテーパー状の接当用段部 leとは異なり、ほぼ水平面となる形状にしている。これは、下端部分 7の下端面がほぼ水平となっているため、 2つのカートリッジ本体 8を嵌合したときに嵌合部分において隙間が発生しないようになつている。尚、図 8及び図 9で示した他の部分は、図 1一図 7のものと同一であるため、同一の符号を付している。

[0029] 図 4に示すように、シリンジ 2内の試料 6を上下方向で嵌合した 2つのカートリッジ本体 1A, 1Aへ注入させてそれぞれの固相充填剤 4, 4に目的成分を保持させた後は、カートリッジ本体 1A, 1Aの嵌合を解除してから、それらカートリッジ本体 1A, 1Aそれぞれに溶出液を流し込んで保持された目的成分を抽出するのである。

[0030] 図 10 (a) , (b)に、図 1で示したストッパー部 If及び接当用段部 leを省略した固相抽出カートリッジ 1の 2個を上下に重ね合わせた状態を示している。この固相抽出力ートリッジ 1は、外面 1G及び内面 IB共に下側ほど小径 (上側ほど大径）となる同一傾斜のテーパー面を有する円筒状のカートリッジ本体 1 Aと、このカートリッジ本体 1 Aの上端に一体形成されたフランジ部 1Fとから構成している。従って、内外面をテーパー面とすることによって、下側の固相抽出カートリッジ 1に上側の固相抽出カートリッジ 1 を上カゝら挿入することによって、両者が嵌合して挿入位置が所定位置にて規制され、その挿入状態を保持することができる嵌合部を構成して、る。前記一方のカートリツジ本体 1Aの内面 1Bの上側のテーパー面 lgとこのテーパー面 lgと同一傾斜角度を有するように他方のカートリッジ本体 1Aの下側に形成された外面 1Gとで前記嵌合部を構成している。この場合も、内外のテーパー面の傾斜角度を多少異ならせて実施することも可能である。図 10 (b)は、図 10 (a)の固相抽出カートリッジ 1の 1個を下から見た底面図である。

[0031] 図 11 (a) , (b)では、図 1で示した固相抽出カートリッジ 1のストッパー部 Ifを省略したものを示している。つまり、カートリッジ本体 1Aの内面 1Bを、前記嵌合部を構成するテーパー面 lgと、このテーパー面 lgの下端の段部 leから下方に延びるストレート面 lhと、このストレート面 lhの下端から下方に延びる下側ほど小径なテーパー面 liと力も構成している。従って、下端の開口よりも大きな外径寸法を有する流出側フリット 5を下端まで移動させることにより、テーパー面 liにて流出側フリット 5が中心側へ押圧される力が発生することになるため、流出側フリット 5をその位置で保持することができるようになつている。尚、流出側フリット 5が下端開口部から下方へ抜け出すことがないように下端開口に対する流出側フリット 5の外径寸法を設定することになる。又、前記流出側フリット 5の材質にも影響をうけるため、材質なども考慮の上、流出側フリット 5の外径寸法を設定することが好ま U、。

図 12 (a) , (b)では、図 11 (a) , (b)で示した固相抽出カートリッジ 1のカートリッジ本体 1Aの外面を、下側ほど小径となる 2段のテーパー面 lb, laに形成した以外は、同一である。つまり、上側の第 1テーパー面 lbを下側の第 2テーパー面 laよりも上下方向に対して角度の大きなテーパー面にして、る。

[0032] 図 13 (a) , (b)に、図 1一図 4で示した固相抽出カートリッジ 1のカートリッジ本体 1A の外面 1Gを、上側ほど大径となるテーパー面に形成し、ストッパー部 Ifの形状を上側ほど内側に位置するテーパー面に形成したものを示し、他の部分は、同一である。

[0033] 前記固相抽出カートリッジ 1を、図 14 (a) , (b)及び図 15 (a) , (b)に示すように、ピペット型に構成してもよい。図 14では、カートリッジ本体 1Aの外面を、上力も順に下側ほど小径な第 1テーパー面 la4と、この第 1テーパー面 la4の下端の段部 lcから下方に延びる第 1ストレート面 la3と、この第 1ストレート面 la3の下端から下方に延びる下側ほど小径な第 2テーパー面 la2の下端の段部 lmから下方に延びる下側ほど小径な第 3テーパー面 lalとからなっている力他の構成であってもよい。又、カートリッジ本体 1Aの内面を、嵌合部を形成する第 1テーパー面 lgと、第 1テーパー面 lg の下端の段部 leから下方に延びる第 1ストレート面 lhと、第 1ストレート面 lhの下端力下方に延びる下側ほど小径な第 2テーパー面 liと、この第 2テーパー面 liの下端から下方に延びる第 2ストレート面 ljと、この第 2ストレート面 ljの下端力下方に延びる下側ほど小径な第 3テーパー面 lkとからなっている力他の構成であってもよい。この場合には、第 3テーパー面 lkにより流出側フリット 5を保持することができるようになっている。

図 15 (a) , (b)では、図 14 (a) , (b)の形状よりもシンプルにしたものである。つまり、カートリッジ本体 1Aの外面を、上力も順に下側ほど小径な第 1テーパー面 la2と、この第 1テーパー面 la2の下端の段部 lmから下方に延びる第 2テーパー面 lalとからなっているが、他の構成であってもよい。又、カートリッジ本体 1Aの内面 1Bを、嵌合部を形成する第 1テーパー面 lgと、第 1テーパー面 lgの下端の段部 leから下方に延びる第 1ストレート面 lhと、第 1ストレート面 lhの下端から下方に延びる下側ほど小径な第 2テーパー面 liと、この第 2テーパー面 liの下端から下方に延びる第 2ストレート面 ljと、この第 2ストレート面 ljの下端力下方に延びる下側ほど小径な第 3テーパー面 lkと力もなつている力他の構成であってもよい。この場合には、第 3テーパ一面 lkにより流出側フリット 5及び流入側フリット 3の両方を保持することができるようになっている。

[0034] 前記固相抽出カートリッジ 1を、図 16 (a) , (b)に示すように、大量の試料を注入することができる注射筒型に構成してもよい。これは、カートリッジ本体 1Aの外面を、上力も順に下側ほど小径な第 1テーパー面 la4と、この第 1テーパー面 la4の下端から下側ほど小径な (前記第 1テーパー面 la4よりも角度の大きい）第 2テーパー面 la3と、この第 2テーパー面 la3の下端から下方に延びるほぼ垂直方向に近い下側ほど小径な第 3テーパー面 la2と、この第 3テーパー面 la2の下端のテーパー面に形成された段部 lmから下方に延びる下側ほど小径な第 4テーパー面 lalとからなっているが、他の構成であってもよい。又、カートリッジ本体 1Aの内面を、上力も順に下側ほど小径な第 1テーパー面 liと、この第 1テーパー面 liの下端から下側ほど小径な (前記第 1テーパー面 liよりも角度の大きい）第 2テーパー面 ljと、この第 2テーパー面 lj の下端力嵌合部を形成する第 3テーパー面 lgと、第 3テーパー面 lgの下端の段部 leから下方に延びる第 1ストレート面 lkと力もなつて!/、るが、他の構成であってもよ!/ヽ。この場合には、内方側へ突出するように下端に形成されたストッパー部 Ifにより流出側フリット 5を保持することができるようになって、る。

Claims

請求の範囲

[1] 上端及び下端が開放された筒状のカートリッジ本体内に、上側力も流入側フリット、固相充填剤、流出側フリットを備えさせた固相抽出カートリッジにおいて、前記カートリッジ本体の下側の内面に、内方側へ突出して前記流出側フリットの外周縁を連続的に又は断続的に受け止めるストッパー部を備えさせる、又は、前記カートリッジ本体の下側の内面に、下側ほど小径となる先細り部に構成して前記流出側フリットを保持するための保持部を構成し、前記カートリッジ本体にそれの上端力他の前記カートリッジ本体の下端を所定位置まで挿入してその挿入状態を保持可能な嵌合部を備えさせ、前記嵌合部が、前記被挿入側のカートリッジ本体の内面のうちの少なくとも特定範囲に形成した上側ほど大径となる内側テーパー面と、前記挿入側のカートリッジ本体の外面のうちの少なくとも特定範囲に形成した上側ほど大径となる外側テーパ一面とからなり、前記内側テーパー面と外側テーパー面とをそれら両者がほぼ同一の傾斜角度を有するように形成したことを特徴とする固相抽出カートリッジ。

[2] 前記 2つのカートリッジ本体の嵌合状態において下方に位置するカートリッジ本体の内面と上方に位置するカートリッジ本体の内面とがほぼ面一状に連続するように構成してなる請求項 1に記載の固相抽出カートリッジ。

[3] 前記カートリッジ本体を、他の前記カートリッジ本体に挿入して嵌合可能な下側部分と、この下側部分よりも外方側へ突出した外径寸法を有する上側部分とから構成し、前記 2つのカートリッジ本体の嵌合状態において、該上方に位置するカートリッジ本体の下側部分と上側部分との境界部分に形成されて、る段部と、該下方に位置するカートリッジ本体の上端との間に隙間が形成されるように、該上方に位置するカートリッジ本体の挿入位置を規制するための接当用段部を該下方に位置するカートリッジ本体の内面に形成してなる請求項 1又は 2に記載の固相抽出カートリッジ。

[4] 前記カートリッジ本体の上端開口を該カートリッジ本体の下端の外径寸法よりも大きく設定し、前記カートリッジ本体の上端開口力下方に位置する前記接当用段部までの内面を、該接当用段部に近い側ほど内径寸法が小さくなるテーパー面に構成し、前記カートリッジ本体の下側部分の外面を、下端から前記段部側ほど外径寸法が大きくなるテーパー面に構成してなる請求項 3に記載の固相抽出カートリッジ。

[5] 前記ストッパー部が、前記カートリッジ本体の下端内面の周方向所定間隔を置いて内方側へ突出させた複数の突出部力もなる請求項 1に記載の固相抽出カートリッジ。

[6] 前記カートリッジ本体の下端に、前記ストッパー部を備えた短筒状の下端部分を着脱自在に取り付けてなる請求項 5に記載の固相抽出カートリッジ。

[7] 前記カートリッジ本体の上端にフランジ部を備えさせてなる請求項 1一 6のいずれかに記載の固相抽出カートリッジ。