エステル化合物、香料組成物及びエステル化合物の製造方法 技術分野
[0001] 本発明は、香料成分等として有用なエステル化合物及びエステル化合物の混合物
、エステル化合物を含有してなる香料組成物、並びにエステル化合物の製造方法に 関する。
背景技術
[0002] 一般に、香りを与えるために利用される物質を香料という。香料はその原料によって 、天然香料と合成香料に大別される。天然香料は 1, 500種以上存在するといわれる 力 このうち市場性を有するものは 100— 150種である。合成香料は 6, 000種以上 存在すると 、われ、このうちよく用いられる香料は 500— 600種である。
[0003] 合成香料は、豊富に存在する安価な天然物や石油系化学製品等を原料とするた め、天然香料に比して安価に製造することができる。また、製品の使用目的、消費者 の嗜好、ニーズ等に合わせて、香りの基調、深み、広がり、ボリューム感等を微妙に 変化させることができる。そのため、近年、合成香料の開発研究が盛んに行われてい る。
[0004] 香料は生理活性物質の一種であり、その化学構造を修飾することにより、その香り が母ィ匕合物と微妙に異なったり、時として大きく異なるものになる場合がある。新しい 香料を得るためには、既知の香料化合物の類縁体や誘導体を合成して、その香気を 評価することが重要である。
[0005] 本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、新規エステル 化合物及びエステルイ匕合物の混合物、エステルイ匕合物を含有するムスク調の香気を 有する香料組成物、並びにエステルイ匕合物の製造方法を提供することを課題とする
発明の開示
[0006] 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、分子内に、シクロ ペンチルォキシ基を有する特定構造のエステル化合物を合成したところ、該化合物
がムスク調の香気を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。 力べして本発明の第 1によれば、式(1)
[0007] [化 1]
[0008] (式中、 r1一 r9は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数 1一 3のアルキル基を 表し、 rlc>は炭素数 1一 3のアルキル基を表す。)で示される化合物が提供される。
[0009] 本発明の第 2によれば、式(2)
[0010] [化 2]
(式中、 r1一 r7は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数 1一 3のアルキル基を 表し、 rlc>は炭素数 1一 3のアルキル基を表す。)で示される化合物と、式 (3)
[0012] [化 3]
[0013] (式中、 r1一 r7は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数 1一 3のアルキル基を 表し、 rlc>は炭素数 1一 3のアルキル基を表す。)で示される化合物との混合物が提供 される。
[0014] 本発明の第 3によれば、式 (4)
[0015] [化 4]
[0016] (式中、 R1は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数 1一 8のアルキル基、また は置換基を有して 、てもよ 、炭素数 5— 8のシクロアルキル基を表し、
R2— R8は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数 1 一 8のアルキル基を表し、
R9は置換基を有して 、てもよ 、炭素数 1一 5のアルキル基を表し、
Aは単結合または置換基を有して 、てもよ 、メチレン基を表す。 )
で示されるエステルイ匕合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする香料組成物
が提供される。
本発明の第 4によれば、式(5)
[0017] [化 5]
[0018] (式中、 R1は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数 1一 8のアルキル基、また は置換基を有していてもよい炭素数 5— 8のシクロアルキル基を表し、 R2— R8は、そ れぞれ独立して、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数 1一 8のアルキル 基を表し、 Aは単結合または置換基を有していてもよいメチレン基を表す。)で示され る化合物と、エステル化剤とを反応させることを特徴とする式 (4)
[0019] [化 6]
[0020] (式中、 R'-R9,及び Aは前記と同じ意味を表す。 )で示されるエステル化合物の製 造方法が提供される。
[0021] 本発明の製造方法においては、前記エステル化剤として、式: R9— C ( = 0)— X(式 中、 R9は前記と同じ意味を表し、 Xはハロゲン原子を表す。)、式: R9-C ( = 0)-OH (式中、 R9は前記と同じ意味を表す。)、または式:〔R9-C ( = 0)〕 0 (式中、 R9は前
2
記と同じ意味を表す。 )で示される化合物を用いることが好まし 、。
発明を実施するための最良の形態
[0022] 以下、本発明を詳細に説明する。
1)式( 1)で表されるエステルイ匕合物
本発明の第 1は、前記式(1)で表されるエステルイ匕合物(以下、「ィ匕合物(1)」という
。)である。なお、化合物(1)が不斉炭素原子を有する場合には光学異性体が存在し 得るが、全て本発明化合物に含まれる。
[0023] 前記式(1)中、 r1一 r9は、それぞれ独立して、水素原子;メチル基、ヱチル基、イソ プロピル基及び n プロピル基等の炭素数 1一 3のアルキル基;を表す。
[0024] これらの中でも、入手及び製造が容易なことから、 r1一 r7は、それぞれ独立して水素 原子またはメチル基であることが好ましぐ r1一 r7の全てが水素原子であることが特に 好ましい。また、 r8と r9は、それぞれ独立して水素原子またはメチル基であることが好 ましぐ r8と!:9の少なくとも一方が水素原子であることがより好ましぐ r8及び r9が水素原 子であることが特に好ま 、。
[0025] r1C)は、メチル基、ェチル基、イソプロピル基、 n プロピル基を表す。これらの中でも
、入手及び製造が容易なことから、 rlc>はメチル基またはェチル基が好ましぐェチル 基が特に好ましい。
[0026] 化合物(1)の具体例としては、 2—(2—シクロペンチルシクロペンチルォキシ)ェチル プロピオネート(下記式(7)で表される化合物)、 2— (2—シクロペンチルシクロペンチ ルォキシ)ェチルアセテート、 2—(2—シクロペンチルシクロペンチルォキシ)ェチルブ タノエート、 2—(2—シクロペンチルー 4ーメチルーシクロペンチルォキシ)ェチルプロピ ォネート、 2— (2—シクロペンチルー 5 プロピルーシクロペンチルォキシ)ェチルプロピ ォネート、 2—(2—シクロペンチルー 3—メチルー 5—ェチルーシクロペンチルォキシ)ェチ ルプロピオネート等の、 r8及び r9がともに水素原子のエステルイ匕合物(以下、「化合物 類 a」と!ヽぅ。);
[0027] 2—(2—シクロペンチルシクロペンチルォキシ)ー2—メチルーェチルプロピオネート( 下記式(8)で表される化合物)、 2—(2—シクロペンチルシクロペンチルォキシ) 2—メ チルーェチルアセテート、 2—(2—シクロペンチルシクロペンチルォキシ)ー2—メチルー ェチルブタノエート、
2— (2—シクロペンチルー 4ーメチルーシクロペンチルォキシ)—2—メチルーェチルプロ ピオネート、 2—(2—シクロペンチルー 5 プロピルーシクロペンチルォキシ) 2 メチル ーェチノレプロピオネート、 2—(2—シクロペンチルー 3—メチルー 5—ェチルーシクロペンチ ルォキシ)ー2—メチルーェチルプロピオネート等の、 r8がメチル基かつ r9が水素原子の エステルイ匕合物(以下、「ィ匕合物類 b」という。 );
[0028] 2—(2—シクロペンチルシクロペンチルォキシ)ー1ーメチルーェチルプロピオネート( 下記式(9)で表される化合物)、 2—(2—シクロペンチルシクロペンチルォキシ) 1ーメ チルーェチルアセテート、 2—(2—シクロペンチルシクロペンチルォキシ)ー1ーメチルー ェチルブタノエート、 2— (2—シクロペンチルー 5—メチルーシクロペンチルォキシ)— 1— メチルーェチルプロピオネート、 2— (2—シクロペンチルー 5—ェチルーシクロペンチルォ キシ)—1ーメチルーェチルプロピオネート、 2— (2—シクロペンチルー 4 プロピルーシク 口ペンチルォキシ)ー1ーメチルーェチルプロピオネート、 2—(2—シクロペンチルー 3—メ チルー 4 プロピルーシクロペンチルォキシ)ー1ーメチルーェチルプロピオネート等の、 r 8が水素原子かつ r9カ チル基のエステルイ匕合物(以下、「ィ匕合物類 c」という。 );等が 挙げられる。
[0029] これらの中でも、製造の容易さの観点から、 2— (2—シクロペンチルシクロペンチル ォキシ)ェチルプロピオネート、 2— (2—シクロペンチルシクロペンチルォキシ)— 2—メ チルーェチルプロピオネート、または 2—(2—シクロペンチルシクロペンチルォキシ)ー1 ーメチルーェチルプロピオネートがより好ましぐ 2—(2—シクロペンチルシクロペンチル ォキシ)ェチルプロピオネートが特に好まし 、。
[0030] [ィ匕 7]
[0031] 2)式(2)で示されるエステルイ匕合物と式(3)で表されるエステルイ匕合物との混合物 本発明の第 2は、前記式 (2)で表されるエステルイ匕合物(以下、「ィ匕合物(2)」という 。)、及び前記式(3)で表されるエステルイ匕合物(以下、「化合物(3)」と 、う。)の混合 物である。
[0032] 前記式(2)、 (3)中、 r1一 r7及び rlc>は前記と同じ意味を表す。
なお、化合物 (2)及び Zまたは化合物 (3)に光学異性体が存在する場合、本発明 の混合物に含まれる化合物(2)及び (3)は、それぞれ光学活性体であってもよ!/ヽし、 光学異性体の混合物であってもよ 、。
[0033] 前記混合物中の化合物(2)と化合物(3)の混合割合は、特に限定されないが、化
合物(2):化合物(3)の重量比力 1 : 10— 10 : 1であるのが好ましぐ 1 : 3— 3 : 1であ るのがより好ましぐ 1 : 2— 2 : 1であるのが特に好ましい。
[0034] 本発明の混合物は、例えば、 2—シクロペンチルシクロペンタノン、プロピレングリコ ール及び無水プロピオン酸を原料とした場合に、異性体混合物として得られるが、各 エステルイ匕合物に分離することなくそのまま香料組成物等に使用できることから、製 造プロセスを簡略ィ匕でき有用である。
[0035] 化合物(2)及び化合物(3)の具体例としては、前記化合物類 bとィ匕合物類 cと同様 のものが挙げられる。これらの中でも、 2—(2—シクロペンチルシクロペンチルォキシ) ー2—メチルーェチルプロピオネートと 2—(2—シクロペンチルシクロペンチルォキシ)ー1 ーメチルーェチルプロピオネートとの混合物が特に好ましい。
[0036] 3)式 (4)で表されるエステルイ匕合物を含有する香料組成物
本発明の第 3は、前記式 (4)で表されるエステルイ匕合物(以下、「ィ匕合物 (4)」という ことがある。 )を含有することを特徴とする香料組成物である。
[0037] 本発明の香料組成物は、化合物 (4)の一種を含有するものであっても、化合物 (4) の二種以上を含有するものであってもよ!/、。
また、化合物 (4)に光学異性体が存在する場合、本発明の香料組成物は、化合物
(4)の光学活性体を用いるものであっても、化合物 (4)の光学異性体混合物を用い るものであってもよい。
[0038] 前記式 (4)中、 R1は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数 1一 8のアルキ ル基、または置換基を有して 、てもよ 、炭素数 5— 8のシクロアルキル基を表す。
R1の炭素数 1一 8のアルキル基としては、メチル基、ェチル基、 n—プロピル基、イソ プロピル基、 n—ブチル基、 sec—ブチル基、イソブチル基、 n—ペンチル基、 n—へキシ ル基及び n—ォクチル基等が挙げられる。
炭素数 5— 8のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シ クロへプチル基及びシクロォクチル基が挙げられる。
[0039] また、炭素数 1一 8のアルキル基及び炭素数 5— 8のシクロアルキル基の置換基とし ては、例えば、ヒドロキシル基;メトキシ基及びエトキシ基等のアルコキシ基;メチルチ ォ基及びェチルチオ基等のアルキルチオ基;フッ素原子及び塩素原子等のハロゲン
原子;フエ-ル基、 2 クロ口フエ-ル基、 3—メトキシフエ-ル基及び 4 メチルフエ-ル 基等の置換基を有して 、てもよ 、フエニル基;等が挙げられる。
[0040] これらの中でも、 R1としては、置換基を有していてもよい炭素数 5— 8のシクロアルキ ル基が好ましぐ置換基を有していてもよいシクロペンチル基がより好ましぐシクロべ ンチル基が特に好ましい。
[0041] R2— R8は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を有して 、てもよ 、炭素数 1 一 8のアルキル基を表す。
炭素数 1一 8のアルキル基及びその置換基としては、前記 R1として列挙したものと 同様のものが挙げられる。
[0042] これらの中でも、 R2— R8としては、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基で あるのが好ましぐ(i)R2— R8のうち R5— R8のいずれか 1つカ^チル基であり、残りが 全て水素原子である場合、または (ii)R2— R8の全てが水素原子である場合が特に好 ましい。
[0043] R9は、置換基を有していてもよい炭素数 1一 5のアルキル基を表す。炭素数 1一 5の アルキル基としては、メチル基、ェチル基、 n プロピル基、イソプロピル基、 n—ブチ ル基、 sec ブチル基、イソブチル基及び n ペンチル基等が挙げられる。その置換基 としては、前記 R1の炭素数 1一 8のアルキル基の置換基として列挙したものと同様の ものが挙げられる。これらの中でも、 R9としては、置換基を有していてもよい炭素数 1 一 3のアルキル基が好ましぐ置換基を有していてもよいェチル基がより好ましぐェ チル基が特に好ましい。
[0044] Aは、単結合または置換基を有して 、てもよ 、メチレン基を表し、単結合であるのが 好ましい。メチレン基の置換基としては、前記 R1の炭素数 1一 8のアルキル基の置換 基として列挙したものと同様のものが挙げられる。
化合物 (4)の好ま 、具体例としては、下記式 (6)で表されるエステルイ匕合物が挙 げられる。
[0045] [化 8]
[0046] 式(6)中、 Rlaは、水素原子、炭素数 1一 8のアルキル基または炭素数 5— 8のシクロ アルキル基を表す。炭素数 1一 8のアルキル基、及び炭素数 5— 8のシクロアルキル 基としては、前記 R1の炭素数 1一 8のアルキル基、炭素数 5— 8のシクロアルキル基と して列挙したものと同様のものが挙げられる。
R5a及び R7aは、それぞれ独立して水素原子またはメチル基を表す。
R9aは、炭素数 1一 5のアルキル基を表し、炭素数 1一 5のアルキル基としては、前記 R9の炭素数 1一 5のアルキル基として列挙したものと同様のものが挙げられる。
[0047] 式 (6)で表されるエステル化合物の好ま ヽ具体例としては、前記化合物類 a、化 合物類 b、及びィ匕合物類 cが挙げられる。これらの中でも、本発明の効果がより一層 顕著になることから、 2— (2—シクロペンチルシクロペンチルォキシ)ェチルプロビオネ ート、 2—(2—シクロペンチルシクロペンチルォキシ)ー2—メチルーェチルプロピオネー ト、または 2—(2—シクロペンチルシクロペンチルォキシ)ー1ーメチルーェチルプロピオ ネートがより好ましぐ 2—(2—シクロペンチルシクロペンチルォキシ)ェチルプロビオネ ートが特に好ましい。
[0048] 本発明の香料組成物における化合物 (4)の配合量は、調合する香料の種類、 目的 とする香気の種類及び強さによっても異なる力 香料組成物全体に対して 0. 1— 90 重量%が好ましぐ 0. 5— 50重量%が特に好ましい。
[0049] 本発明の香料組成物は、化合物 (4)の一種または二種以上を含有することを特徴 とするが、他の香料成分や溶剤成分を含有していてもよい。
[0050] 前記他の香料成分としては、例えば、ァセチルジイソアミレン、ァセチルセドレン、ァ セトアルデヒドジェチルァセタール、ァネトール、ァリルアミルグリコレート、ァリルヘプ
タノエート、ァリルカプロエート、アルグァブソリュート、アンブリノール、アンブロキサン 、ィオノンアルファ、ィオノンベータ、イソボル-ルアセテート、イソカンフィルシクロへ キサノール、インドール、ェチルリナロール、エチレンブラッシレート、エディオン、オイ ゲノール、 11 ォキサ—16—へキサデカノライド、オルトターシャリーブチルシクロへキ シルアセテート、オルトターシャリーブチルシクロへキサノン、ォレインジオイル、力モミ ルオイル、 1一力ルボン、力ローン、カンファー、ガンマデカラクトン、カリオフィレン、ク マリン、メチルジヒドロジヤスモネート、クローブバッドオイル、ガラキソリド、ゲラ -ォー ル、ゲラニノレアセテート、グレープフルーツオイル、ゲラ -ル-トリル、コパイバパルサ ム、コープスパンプル 10%、ジェチルフタレート、シトラール、 1, 8—シネオール、シク ラメンアルデヒド、システアブソリュート、シトロネラオイル、シトロネロール、シトロネリル ホルメート、ジヒドロミルセノール、ジフエ-ルオキサイド、シべトン、ジメチルアンスラ- レート、ジメチルハイドロキノン、ジメチルベンジルカルビノールアセテート、ジャスミン オイル、ジャスモピラン、スチラリルアセテート、スペアミントオイル、セージクラリルオイ ル、セドロール、センテナール、シトロネリルアセテート、ジメチルベンジルカルビ-ル アセテート、ダマセノン、チモール、テトラハイドロムゴール、テルピネオール、テルビ -ルアセテート、トナリド、トリェチルシトレート、トリシクロデセ-ルアセテート、トリプラ 一ルテルピネオール、トリメチルゥンデセナール、ネロリオイル、ネリルアセテート、ノピ ノレアセテート、パインオイル、バクダノール、バジルオイル、バジレックス、パールライ ド、ハツ力オイル、パッチヨウリオイル、 α—ピネン、フエ-ルエチルアルコール、フエノ キサノール、ブルゲオナール、プレ-ルアセテート、ヘイアブソリユート、シスー3—へキ セノーノレ、へキシノレアセテート、ベータナフトーノレェチノレエーテノレ、へキシノレシンナミ ックアルデヒド、へキシルサリシレート、シス 3—へキセ -ルアセテート、シス 3—へキ セニノレサリシレート、ペパーミントオイル、ヘリオナール、ヘリオト口ピン、ベルガモット オイル、ベルトネックス、ベンジルアセテート、ベンジルサリシレート、ボルネオール、 マイヨール、メチルォクチンカーボネート、メチルアントラ-レート、メチルサリシレート 、メチルジヒドロジヤスモネート、メチルョノン、メントン、 1 メントール、ユーカリプトスォ ィル、ライムオイル、ラバンディングロッソ、ラブタナムアブソリュート、ラベンダーオイル 、リモネン、リナロール、リナリノレアセテート、リラ一ノレ、リリア一ノレ、レモンオイル、ロー
ズオイル、ローズマリーオイル、ローズオットブルガリアン及びローズターキッシュ等か ら選ばれる一種または二種以上が挙げられる。
[0051] これら他の香料成分の配合量は、化合物 (4) 1重量部に対して、通常 0. 1— 500 重量部、好ましくは 1一 200重量部の範囲である。
[0052] 溶剤成分としては、エタノール、多価アルコール系溶剤、パラフィン系溶剤、グリコ ールエーテル系溶剤、フタル酸エステル系溶剤等が挙げられる。溶剤成分は、担持 体に含浸させて用いる場合の浸透性を向上させる場合に用いることができる。
[0053] また、本発明の香料組成物にお!ヽては、水を媒体として担持体に香料組成物を浸 透させたい場合には、香料組成物中に界面活性剤を配合することもできる。さらに、 本発明の香料組成物を芳香剤として用いる場合には、香りの持続期間を調整するた めに、香料組成物中に保留剤を配合することもできる。
[0054] 本発明の香料組成物はムスク調の香気を有するため、優雅で温かい香調を付与し
、香水、石鹼、シャンプー、リンス、ボディーシャンプー、洗剤、化粧品、ヘアスプレー
、芳香剤等の賦香成分として使用することができる。
[0055] 4)式 (4)で表されるエステル化合物の製造方法
本発明の第 4は、前記式 (5)で表される化合物(以下、「ィ匕合物(5)」という。)と、ェ ステル化剤とを反応させることを特徴とする化合物 (4)の製造方法である。本発明の 製造方法によれば、目的とする化合物 (4)を簡便にかつ収率よく得ることができる。
[0056] 用いるエステル化剤としては、化合物(5)の水酸基 (OH基)と反応して、 -0-C ( =
O) R9で表されるエステル結合を生成する化合物であれば、特に制約されな!、。
[0057] エステル化剤としては、例えば、式: R9-C ( = 0)-Xで示される酸ハライド、式: R9-
C ( = O)—OHで示されるカルボン酸、及び式:〔R9— C ( = O)〕 Oで示される酸無水
2
物が好ましい。ここで、 R9は前記と同じ意味を表し、 Xはフッ素原子、塩素原子、臭素 原子及びヨウ素原子等のハロゲン原子を表す。
[0058] 前記エステル化剤のうち、式: R9-C ( = 0)-Xで示される酸ハライド、または式: [R9 c ( = o)〕 Oで示される酸無水物を用いる場合には、無溶媒あるいは適当な溶媒
2
中、所望により塩基の存在下に、化合物(5)とエステル化剤との反応を行うことができ る。
[0059] 用いる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に制限されな 、。例えば、 n 一へキサン、 n—ヘプタン、 n—オクタン、シクロペンタン及びシクロへキサン等の脂肪族 炭化水素類;ベンゼン、トルエン、ェチルベンゼン及びキシレン等の芳香族炭化水素 類;ジェチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン及びジォキサン等のェ 一テル類; N—メチルピロリドン、 N、 N—ジメチルホルムアミド及び N、 N—ジメチルァセ トアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド及びスルホラン等の含硫黄ィ匕合物;等が挙 げられる。これらの溶媒は単独で、あるいは二種以上を混合して用いることができる。
[0060] 用いる塩基としては、特に制限されないが、例えば、トリェチルァミン、 N, N—ジイソ プロピルェチルァミン、ピリジン及びルチジン等が挙げられる。
[0061] 前記エステル化剤のうち、式: R9— C ( = 0)— OHで示されるカルボン酸を用いる場 合には、無溶媒あるいは適当な有機溶媒中、 1, 3-ジシクロへキシルカルポジイミド(
DCC)等の脱水剤の存在下に、化合物(5)とエステル化剤との反応を行うことができ る。
[0062] エステル化剤の使用量は、化合物(5) 1モルに対し、通常 0. 1モルー 5モル、好ま しくは 0. 5モルー 3モル、より好ましくは 0. 8モルー 2. 5モルの範囲である。
[0063] 反応温度は、通常 20°C— 180°C、好ましくは 40°C— 160°C、より好ましくは 80°C— 140°Cである。
[0064] 反応終了後は、通常の後処理を行い、カラムクロマトグラフィー、蒸留、再結晶等の 精製方法により、 目的とする化合物 (4)を単離することができる。
[0065] 製造原料である化合物(5)は、例えば、下記式(10)で表されるシクロペンタノン誘 導体と式(11)で表されるジオールィ匕合物を反応させて、式( 12)で表されるケタール 化合物を得 (ケタールイ匕工程)、次いで、得られたケタール化合物を還元して (還元 工程)、得ることが好ましい。
[0066] [化 9]
[0067] (式中、 R1— R8及び Aは前記と同じ意味を表す。 )
ケタールイ匕工程は、式(10)で表されるシクロペンタノンィ匕合物と式(11)で表される ジオール化合物とを、溶媒中、酸触媒の存在下で撹拌することにより行われる。この 場合、反応を促進させるために、生成する水を反応系外に除去しながら反応を行うこ とがでさる。
[0068] 前記式(11)で表されるジオール化合物としては、エチレングリコール、プロピレング リコール及び 1, 3—プロパンジオールが好まし!/、。
式( 11)で表されるジオールィ匕合物の使用量は、式( 10)で表されるシクロペンタノ ン化合物 1モルに対し、通常 0. 1モルー 5モル、好ましくは 0. 5モルー 3モル、より好 ましくは 1モルー 2. 5モルの範囲である。
[0069] ケタールイ匕工程で用いる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定さ れず、例えば、 n キサン、 n—ヘプタン、 n—オクタン、シクロペンタン及びシクロへキ
サン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、ェチルベンゼン及びキシレン等の 芳香族炭化水素類;ジェチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン及びジ ォキサン等のエーテル類;等が挙げられる。これらの溶媒は一種単独で、あるいは二 種以上を混合して用いることができる。
[0070] 用いる酸触媒としては、例えば、塩酸及び硫酸等の鉱酸類;パラトルエンスルホン 酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、酢酸及びシユウ酸等の有機酸類;等が 挙げられる。
酸触媒の使用量は、式(10)で表されるシクロペンタノン誘導体 1モルに対して、通 常 0. 0001モルー 5モル、より好まし <は 0. 001モルー 1モル、特に好まし <は 0. 00 1モルー 0. 1モルの範囲である。
[0071] ケタール化工程の反応温度は、通常 60°C— 200°C、好ましくは 80°C— 180°C、よ り好ましくは 100°C— 140°Cである。
[0072] ケタールイ匕反応終了後は、通常の後処理を行い、カラムクロマトグラフィー、蒸留、 再結晶等の精製方法により、式(12)で表されるケタールイ匕合物を単離することがで きる。なお、単離せずに反応溶液をそのまま次の還元工程に用いることもできる。
[0073] 続く還元工程は、式(12)で表されるケタールイ匕合物を還元して、化合物(5)を得る 工程である。
還元方法は特に限定されないが、例えば、還元剤を用いる方法や、触媒を用いる 接触水素還元方法が採用できる。
[0074] 用いる還元剤としては特に制限されず、例えば、水素化リチウムアルミニウム (L1A1 H )、及び水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL— H)等のアルミニウムの水素化
4
物;水素化ホウ素ナトリウム (NaBH )、ジボラン (B H )、ボラン 'アンモニア錯体 (B
4 2 6
H ·ΝΗ )、ボラン ·ΐ ブチルアミン錯体(BH · (CH ) NH )、ボラン 'テトラヒドロフラ
3 3 3 3 3 2
ン錯体(BH 'THF)、及びボラン ·ジメチルスルフイド錯体(BH - (CH ) S)等のホウ
3 3 3 2 素の水素化物;等が挙げられる。
[0075] 接触水素還元方法に用いる触媒としては、特に制限されず、パラジウム、ルテユウ ム、ロジウム、白金及びラネーニッケル等の公知の水素化触媒が挙げられる。
[0076] 還元工程で用いる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、
例えば、メタノール及びエタノール等のアルコール類; n—へキサン、 n—ヘプタン、 n— オクタン、シクロペンタン及びシクロへキサン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トル ェン、ェチルベンゼン及びキシレン等芳香族炭化水素類;ジェチルエーテル、ジブ チルエーテル、テトラヒドロフラン及びジォキサン等のエーテル類;等が挙げられる。 これらの溶媒は単独で、あるいは二種以上を混合して用いることもできる。
[0077] 還元工程の反応温度は、通常— 50°C— + 180°C、好ましくは— 20°C— + 120°C、 より好ましくは—10°C— + 80°Cである。
[0078] 還元反応終了後は、ろ過できる触媒はろ別し、 NaBHや LiAlH等の還元剤を用
4 4
いた場合は、塩酸等で中和した後、有機層を水層から分離し、カラムクロマトグラフィ 一、蒸留及び再結晶等の通常の精製方法により、化合物(5)を単離することができる 実施例
[0079] 次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する力 本発明はこれにより何ら限 定さ
れるものではない。なお、以下の実施例において、特に断りのない限り、「部」及び「 %」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」を表す。
生成物の純度は、ガスクロマトグラフィーを用いて分析した。
分析条件を以下に示す。
[0080] 分析機器 : Hewlett Packard HP— 6890 Series GC System
カラム : HP— 1 (30m X L D. 0. 25mm)
キャリアーガス: He
カラム温度 :100でで5分保持→10° CZ分で昇温→250° Cで 5分保持 検出器 : FID
サンプノレ量 :0. lml
[0081] 実施例 1 2—(2—シクロペンチルシクロペンチルォキシ)ェチルプロピオネートの製诰
攪拌装置、水分離器、冷却器、温度計及び導入漏斗を備えた 4つ口反応器中へ、 2—シクロペンチルシクロペンタノン 76部、エチレングリコール 62部、トルエン 130部 及び p—トルエンスルホン酸一水和物 0. 5部を入れた。この混合物を攪拌しながら 8
時間還流下に加熱した。その間、水及び過剰のジオール分をトルエンとともに共沸蒸 留した。放冷後、反応混合物に Na CO 10部、水 200部及びトルエン 87部をカ卩えて
2 3
攪拌し、静置した後トルエン層を分離した。トルエン層を水及び飽和食塩水で洗浄し た後、 Na COで乾燥し、ろ過した。
2 3
[0082] ろ液を濃縮し、得られた濃縮物を減圧蒸留したところ、純度 98. 3%のケタール体( 式(12)において、 R1がシクロペンチル基、 R2— R8が全て水素原子、かつ Aが単結 合である化合物)を 48. 0部得た。 2—シクロペンチルシクロペンタノンからの収率 48. 9%。
[0083] 次 ヽで、得られたケタール体 48. 0部を、攪拌機、冷却器及び温度計を備えた 3つ 口フラスコに入れ、これを氷浴で 0°C— 5°Cに冷却した。ここに、攪拌下、 1. 0Mのボ ラン'テトラヒドロフラン錯体のテトラヒドロフラン溶液 267部を加えた。その後、反応溶 液を 0°C— 5°Cに 10分間維持し、さらに室温にて 24時間攪拌した。反応溶液に水 20 部、エタノール 39部及び 4N—塩酸 30部をこの順に加えて 30分間攪拌した。次に Na CO水溶液で中和し、ジェチルエーテル 428部で抽出した。ジェチルエーテル層を
2 3
水、飽和食塩水で順次洗浄した後、 Na COで乾燥し、ろ過した。
2 3
[0084] ろ液を濃縮し、得られた濃縮物を減圧乾燥したところ、ヒドロキシエーテル体 (前記 式(5)において、 R1がシクロペンチル基、 R2— R8が全て水素原子、かつ Aが単結合 である化合物)を主成分とする粗生成物 38. 7部を得た。
[0085] 得られたヒドロキシエーテル体粗生成物 38. 7部を、攪拌機、冷却管及び温度計を 備えた 3つ口フラスコに添カ卩し、無水プロピオン酸 51. 7部、及びトルエン 108部をカロ えた。次いで、 130°Cに加熱し、還流下 1時間攪拌した。放冷後、 Na CO水溶液で
2 3 中和し、トルエン 433部で抽出した。トルエン層を水、飽和食塩水で順次洗浄した後 、 Na COで乾燥し、ろ過した。
2 3
[0086] ろ液を濃縮し、得られた濃縮物を減圧蒸留し、純度 99. 2%の 2— (2—シクロペンチ ルシクロペンチルォキシ)ェチルプロピオネートを 42. 3部得た(ケタール体からの収 率: 66. 8%) o
この化合物は、木様のさわやかなニュアンスを有する、温かいムスク香調を示した。
[0087] 以下に、得られた 2—(2—シクロペンチルシクロペンチルォキシ)ェチルプロビオネ
ートの分析データを示す。
'H-NMR (400MHz, CDC1 , TMS, δ ppm) :4. 19 (m, 4H)、 3. 72—3. 55 (
3
m, 4H)、 3. 44 (m, 2H)、 2. 33 (m, 4H)、 1. 85—1. 41 (m, 28H)、 1. 12 (m, 1 OH)
[0088] 13C-NMR(100MHz, CDC1 , TMS, δ ppm): 174. 3、 86. 3、 82. 7、 66. 9、 6
3
6. 5、 63. 7、 52. 1、 50. 9、 44. 2、 40. 2、 32. 2、 31. 8、 31. 7、 31. 2、 31. 1、 30. 8、 29. 7、 28. 9、 27. 6、 27. 5、 25. 4、 25. 3、 25. 2、 25. 1、 23. 1、 22. 2 、 9. 1 ;
[0089] MS (EI, 70mV): 254, 153、 137、 119、 108、 101、 95、 81、 67、 57、 41
[0090] 実施例 2 2—(2—シクロペンチルシクロペンチルォキシ)ー2—メチルーェチルプロピオ ネート 、 2—(2—シクロペンチルシクロペンチルォキシ) 1ーメチルーェチルプロピオ ネートの ·の ¾告
攪拌装置、水分離器、冷却器、温度計及び導入漏斗を備えた 4つ口反応器中へ、 2—シクロペンチルシクロペンタノン 152部、プロピレングリコール 152部、トルエン 26 0部及び p トルエンスルホン酸一水和物 1部を入れた。この混合物を攪拌しながら 1 6時間還流下に加熱した。その間、水及び過剰のジオール分をトルエンとともに共沸 蒸留した。放冷後、反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 300部及びトルェ ン 87部を加えて攪拌し、静置した後トルエン層を分離した。トルエン層を水及び飽和 食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。
[0091] ろ液を濃縮し、得られた濃縮物を減圧蒸留したところ、ケタール体の異性体混合物
(前記式(12)において、 R1がシクロペンチル基、 R2— R4が全て水素原子、 Aが単結 合、かつ、 R5— R8のいずれか 1つカ^チル基で、残りは全て水素原子である化合物) を 127. 7部得た。
[0092] なお、このケタール体の異性体混合物中の異性体合計純度は 98. 3%であり、 2- シクロペンチルシクロペンタノン力 異性体混合物への合計収率は 60. 7%であった
[0093] 次 、で、得られたケタール体の異性体混合物 52. 0部を、攪拌機、冷却器及び温 度計を備えた 3つ口フラスコへ入れ、 0°C— 5°Cに冷却した。ここに、攪拌下、 1. 0M
のボラン'テトラヒドロフラン錯体のテトラヒドロフラン溶液 267部を加えた。その後、反 応溶液を 0°C— 5°Cに 10分間維持し、さらに室温にて 24時間攪拌した。反応溶液に 、水 20部、エタノール 39部及び 4N—塩酸 60部をこの順にカ卩えて 30分間攪拌した。 次に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、ジェチルエーテル 570部で抽出した。 ジェチルエーテル層を水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで 乾燥し、ろ過した。
[0094] ろ液を濃縮し、得られた濃縮物を減圧乾燥したところ、ヒドロキシエーテル体の異性 体混合物(前記式(5)において、 R1がシクロペンチル基、 R2— R4が全て水素原子、 Aが単結合、かつ、 R5— R8のいずれ力 1つのみカ^チル基で、残りは全て水素原子 である化合物)を主成分とする粗生成物 57. 0部を得た。
[0095] 次に上記ヒドロキシエーテル体の異性体混合物の粗生成物 47. 0部を、攪拌機、 冷却管及び温度計を備えた 3つ口フラスコに入れ、無水プロピオン酸 59部、ピリジン 197部を加えた。
次いで、反応溶液を 90°Cに加熱し、 30時間攪拌した。放冷後、炭酸水素ナトリウム 水溶液で中和し、トルエン 433部で抽出した。トルエン層を 4N—塩酸 300部、水及び 飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。
[0096] ろ液を濃縮して得られる濃縮物を減圧蒸留したところ、 2— (2—シクロペンチルシクロ ペンチルォキシ) 2—メチルーェチルプロピオネート、及び 2—(2—シクロペンチルシク 口ペンチルォキシ) 1ーメチルーェチルプロピオネートの異性体混合物を 41. 3部得 た。
[0097] 異性体混合物中の、 2—(2—シクロペンチルシクロペンチルォキシ) 2—メチルーェ チルプロピオネート、及び 2—(2—シクロペンチルシクロペンチルォキシ)ー1ーメチルー ェチルプロピオネートの合計純度は 99. 8 %であった。
また、ケタール体からの 2—( 2—シクロペンチルシクロペンチルォキシ)ー2—メチルー ェチルプロピオネート、及び 2—(2—シクロペンチルシクロペンチルォキシ)ー1 メチル ェチルプロピオネートの合計収率は 60. 0%であった。
[0098] この異性体混合物はアンバーノートの強 、、淡 、ムスク香調を示した。
なお、 2—(2—シクロペンチルシクロペンチルォキシ)ー2—メチルーェチルプロビオネ
ート、及び 2—(2—シクロペンチルシクロペンチルォキシ) 1ーメチルーェチルプロピオ ネートの存在割合は、重量比で 54Z46であった。
[0099] 得られた異性体混合物の分析データを以下に示す。
'H-NMR (400MHz, CDCl , TMS, S ppm) : 5. 05 (m, 2H)、 4. 02 (m, 6H)
3
、 3. 85 (s, 2H)、 3. 68 (m, 6H)、 3. 44 (m, 2H)、 3. 26 (m, 2H)、 2. 32 (m, 8 H)、 1. 46-1. 79 (m, 52H)、 1. 23—1. 09 (m, 32H)
[0100] 13C-NMR(100MHz, CDCl , TMS, δ ppm): 174. 3、 86. 4、 84. 7、 82. 7、 8
3
1, 3、 71. 6、 71. 2、 71. 1、 69. 7、 69. 5、 67. 5、 67. 4、 52. 3、 52. 2、 51. 2、 50. 9、 44. 3、 43. 9、 40. 1、 39. 8、 32. 9、 32. 3、 32. 2、 31. 9、 31. 8、 31. 7 、 31. 3、 31. 2、 31. 0、 30. 6、 29. 7、 29. 3、 28. 9、 28. 8、 27. 9、 27. 6、 25. 5、 25. 3、 25. 2、 25. 1、 23. 0、 22. 9、 22. 2、 22. 1、 18. 8、 18. 4、 17. 0、 16 . 9、 9. 2
[0101] MS (EI, 70mV) : 269, 181、 158、 137、 115、 95、 81、 67、 57、 41
[0102] m,M3 呑料鉬.成物 mの調製
実施例 1で得られた 2—(2—シクロペンチルシクロペンチルォキシ)ェチルプロピオ ネートと他の香料成分を混合して、香料組成物 (I)を調製した。
香料組成物中の各香料成分の配合割合を下記に示す (合計 1000部)。
[0103] 2—( 2—シクロペンチルシクロペンチルォキシ)ェチルプロピオネート
: 30部
ゼッピン(日本ゼオン社製) : 3部
γ ゥンデカラクトン : 4部
cis— 3—へキセ -ルアセテート(日本ゼオン社製): 5部
酢酸リナリル : 10部
酢酸スチラリル : 10部
ヘリオナール : 15部
ジヒドロミルセノール : 14部
フエノキサナール : 10部
シンナミックアルコール : 10部
酢酸ジメチルベンジルカルビ-ル : 10部
ロジノーノレ : 20
フロロ一ザ(Quest) : 30部
ローズアブソリュート : 15部
スーパーセピオネート(日本ゼオン社製) : 90部
フエノキシエチルアルコール :175部
α—ョノン : 10咅
エバノール(Givaudan社製) : 10部
イソ Eスーパー : 200部
イソメチノレョノン : 220
アンブロキサン (Henkel社製) : 5部
ェチルバ二リン : 5部
ヘリオト口ピン : 15部
シクロペンタデカノリツド : 80部
[0104] 得られた香料組成物 (I)につ 、て、 5名のパネラーによる評価を行 、、その評価結 果を第 1表に示した。
[0105] t m 1 番料 成物 (π)の調製
実施例 3の香料組成物(I)の成分のうち、 2—(2—シクロペンチルシクロペンチルォ キシ)ェチルプロピオネートをエチレンブラシレートに変えた以外は、実施例 3と同様 にして香料組成物 (II)を調製した。
得られた香料組成物 (Π)について、 5名のパネラーによる評価を行い、その評価結 果を第 1表に示した。
[0106] [表 1]
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パネラ一 香料組成物 (1) 香料組成物 (Π)
1 上品なトップノートが際立つ 全体的に弱い
2 フローラルさがある やや硬さが感じられる
3 まとまりがある 深みがない
4 高級感がよい 特徴が感じられない
5 温かさを持っている すっぱさが浮き出る
[0107] 第 1表に見られるように、すべてのパネラー力 2—(2—シクロペンチルシクロペンチ ルォキシ)ェチルプロピオネートを用いた香料組成物(I)の方が、エチレンブラシレー トを用いた香料組成物 (Π)より良好であると評価した。
産業上の利用可能性
[0108] 本発明のエステルイ匕合物及びエステルイ匕合物の混合物は、ムスク調の香気を示し 、木様、ときには花様のタイプの香料と一緒に発現しうる香料組成物として有用であ る。
本発明の香料組成物は、ムスク調の香気を有し、優雅で温かい香調を付与するた め、香水、石鹼、シャンプー、リンス、ボディーシャンプー、洗剤、化粧品、ヘアスプレ 一、芳香剤等の賦香成分として使用することができる。
本発明のエステルイ匕合物の製造方法によれば、本発明のエステル化合物を簡便 かつ収率よく製造することができる。