明 細 書
自動車の走行制御装置及び走行制御方法 ' 技術分野
本発明は、 自動車の走行制御装置及ぴ走行制御方法、 特にアクセルペダルをブレーキぺ ダルと間違って踏込みすぎ、 暴走をするのを防止するための走行制御装置及び走行制御方 法に関する。 背景技術
従来より、 自動車のアクセルペダルとブレーキペダルを踏み間違え暴走する事故が頻繁 に発生しており、特に無段変速機付自動車、いわゆるォートマティック車で頻発している。 この種の事故はほとんど人身事故となっており、 したがって車社会の大きな社会問題とし てクローズアップされており、 確実なる解決が強く望まれている。 この種の事故を防止す るための装置又は方法は以前より提案されている。
しかるに、 特開昭 6 1— 1 9 0 1 3 4号においては、 アクセルペダルの踏み力または踏 み込み速度が検出レベルを超えたとき強制的に走行不能の状態まですることが述べられて いる力 S、現実の走行においては、ある検出レベルを人間が理解しておくことは困難であり、 特にレンターカーの場合など運転者が変わるため、 検出レベルの管理は不可能であり、 又 最大の問題は、 運転者自身が自分のエンジン停止検出レベルがわからないため、 急に加速 をかけたときに、 強めに踏み込んだり、 早く踏み込んだりしてしまうと予想もせずェンジ ン停止状態に陥ってしまうことであった。
そうなると運転時突如としてエンジン停止状態となってしまうため、 後続車が接近して いる場合などは追突事故を起こしたり、 追越し時は緊張状態のため、 過度の踏み込みを行 うことが多く、前後の車と衝突事故を起こす原因となったり、また、通常の走行状態でも、 エンジン停止が予想に反して起きると事故になってしまう例えば、 坂道や雪道、 悪路等に おいては反って自動車が凶器と化す可能性があつた。
また、常時、圧力スィツチ等のセンサを使用しているが、もしセンサが故障したときは、 踏み込み過ぎても停止せず、 重要な運転制御がセンサという一部品の性能に頼ることにな り、 走行上生命線となる常時の制御系等に設けることは自動車の信頼性を著しく低下させ るものとなっていた。 この欠点のため現実に使用することは困難であり、 課題の解決策と なりうるものでなかった。 したがって実行されておらず相変わらず事故は絶えていなかつ た。
また、 特開平 5— 256170に示された構造においては、更にセンサゃァクチユエ一タを多 用しているため、 これらの一つでも故障すると前述の引用例と同様の欠点を有している。 また、 自動車の進行方向に障害物検出手段を設けて、 スロットルを閉じる条件とする構 成となっているが、 障害物検出手段は現実の使用においては必ずしも全ての障害物を検出 することが困難なため、 反って誤認識を起こし、 反対に事故原因を作りかねないこととな つていた。
すなわち、 極めて低い位置にある障害物や飛び出してくる障害物や斜め方向から接近し てくる障害物等をすベて検出することは困難であり、 実用上は障害物検出手段の信号を賴 りに重要な運転制御をコントロールすることは反って危険であつたのである。
しかも構造が複雑なため、 保守が大変でかつ、 製作コストが高い欠点を有していた。
発明の開示
上述した如く、 それらの従来技術は実用に供されていないため、 相変わらず、 アクセル とブレーキの踏み間違いによる重要事故は日本だけでも 2 0 0 2年には、 6, 8 4 4件も 発生しており、 世界的にみると非常に多く膨大な事故例の報告がなされているのである。 運転者は通常の走行時は、 アクセル装置を車速に応じ軽く踏込み運転しているが、 ァク セル装置をブレーキと間違った場合は、 思いつきり最大位置まで踏込んでしまい暴走状態 に陥り、 気が動転し、 誤認識しているため、 さらに踏み続ける操作を続けてしまい、 衝突 等の重大事故となってしまうのである。 したがって機械的手段をいく ら加えても、 運転者 が誤認識に気がつく段階を多段階に設けることが重要である。
課題を解決するための手段としては、
自動車の運転席の床面前方に設置したアクセル装置には、 踏込んでない原点位置 Aへ常 に復帰する復帰手段を有し、 前記アクセル装置は自動車のエンジンと連動しており、 原点 位置 Aから踏み込んで、 旋回角度が大きくなると、
運転者の足に前記弾性反発手段 Bにより、 弾性反発力を付加することにより、 過度の踏 込み位置に来たことを運転者の足に体感させることにより誤動作を認知させる第 1の警告 認知手段を設ける。
更にそれ以上に旋回角度が大きくなると警告信号位置 Cとなり、警告スィツチが感知す ることにより警告装置が作動し、 運転者に音、 光、 振動のいずれか一つ若しくはそれらの 組み合わせによる警告信号を運転者に認知させる第 2の警告認知手段を設ける。
更に旋回角度が大きくなり、 エンジン停止位置 Dまで旋回角度が達すると、 エンジン停 止スィッチが感知した信号により、 エンジン制御コンピュータ、 点火装置、 燃料インジェ クタ一、 または燃料ポンプの何れかひとつ、 あるいはそれらの組合せのいずれかの電源供 給を切断、又はそれらへの電源電圧、電流のいずれか、また両方を降下させることにより、 エンジンを停止させる第 3の警告認知 ·停止手段を設けた自動車の走行制御装置を提供す る。
自動車の運転席の床面前方に設置したアクセル装置には、 踏み込んでない原点位置 Aへ 常に復帰する復帰手段を有し、 前記アクセル装置はエンジンと連動しており、 原点位置 A から踏み込んで、 旋回角度が大きくなると運転者の足に前記弾性反発手段 Bにより弾性反 発力を付加することにより、誤動作を認知させる弾性反発位置 Bまでの範囲を通常運転範 囲とする第 1の工程を設ける。
旋回角度が弾性反発位置 B以上において、 運転者の足に前記弾性反発手段により、 弾性 反発力を付加することにより、 過度の踏込み位置に来たことを運転者の足に体感させるこ とにより誤動作を認知させる第 1の警告認知手段による第 2の工程を設ける。
更に旋回角度が弾性反発位置 B以上に旋回角度が大きくなると警告信号位置 Cとなり、 該警告信号位置 Cで簪告スィツチが感知した信号により警告装置が作動し、 運転者に音、 光、 振動のいずれか一つ若しくはそれらの組合わせによる警告信号を運転者に認知させる 第 2の警告認知手段による第 3の工程を設ける。
更に旋回角度が大きくなりエンジン停止位置 Dまで旋回角度が達すると、 エンジン停止 スィッチが感知した信号により、 エンジン制御コンピュータ、 点火装置、 燃料インジエタ タ、 または燃料ポンプの何れかひとつ、 あるいはそれらの組合せのいずれかの電源供給を 切断、 又はそれらへの電源電圧、 電流のいずれか、 また両方を降下させることによりェン ジンを停止させる第 3の警告認知 ·停止手段による第 4の工程を有することを特徴とする 自動車の走行制御方法を提供する。
アクセル装置の旋回角度の踏込んでな v . ^ ' uz_ il Aを 0度とし、弾性反発位置 Bを 1 0 〜3 0度とし、 警告信号位置 Cを弾性反発位置 B以上の 0〜 5度とし、 エンジン停止位置 を弾性反発位置 Bから加えて 0〜 1 5度とすると共に、復帰手段 6のモ一メントパネ定数 K 1 を 0 . 7〜6 . O kg · c mZ度とし、 弾性反発手段 2 0のモーメントバネ定数 K 2を 6 . 0〜6 0. O kg · c m/度としたことを特徴とする自動車の走行制御装置、 または自 動車の走行制御方法を提供する。
自動車の運転席の床面前方に設置したアクセル装置には、 踏込んでない原点位置 Aへ常 に復帰する復帰手段を有し、 前記アクセル装置は自動車のエンジンと連動しており、 原点 位置 Aから踏み込んで、旋回角度が大きくなるとアクセル装置の一部、若しくは連動部が、 弾性反発手段に接触する弾性反発位置 B以上においては、
運転者の足に前記弾性反発手段 Bにより、 弾性反発力を付加することにより、 過度の踏 込み位置に来たことを運転者の足に体感させることにより誤動作を認知させる第 1の警告 認知手段を設ける。
更に前記弾性反発手段 B以上に旋回角度が大きくなると警告信号位置 Cとなり、該警告 信号位置 Cで警告スィッチが感知することにより警告装置が作動し、 運転者に音、 光、 振 動のいずれか一つ若しくはそれらの組み合わせによる警告信号を運転者に認知させる第 2 の警告認知手段を設ける。
更に旋回角度が大きくなり、 車両減速位置 Eまで旋回角度が達すると、 多接点リミット スィツチ内の減速接点 5 4 aが作動し、 その信号によりスロッ トル装置内にあるアイ ドリ ングスィツチが作動しエンジンがアイドリング状態になると共に、 前記多接点リミットス ィツチ 5 4内の減速接点 5 4 aが作動すると、 その信号によりブレーキ装置の油圧回路に 設けられた流量制御弁を開き、 ブレーキを作動させ、 車両停止状態とすることを特徴とす る自動車の走行制御装置を提供する。
自動車の運転席の床面前方に設置したアクセル装置には、 踏み込んでない原点位置 Aへ 常に復帰する復帰手段を有し、 前記アクセル装置はエンジンと連動しており、
原点位置 Aから踏み込んで、 旋回角度が大きくなると運転者の足に前記弾性反発手段 Bにより弾性反発力を付加することにより、誤動作を認知させる弾性反発位置 Bまでの範 囲を通常運転範囲とする第 1の工程と、
旋回角度が弾性反発位置 B以上において、過度の踏込み位置に来たことを運転者の足に 体感させることにより誤動作を認知させる第 1の警告認知手段による第 2の工程と、 更に旋回角度が弾性反発位置 B以上に旋回角度が大きくなると警告信号位置 Cとなり、 該警告信号位置 Cで警告スィッチが感知した信号により警告装 gが作動し、 運転者に音、 光、 振動のいずれか一つ若しくはそれらの組合わせによる警告信号を運転者に認知させる 第 2の警告認知手段による第 3の工程を設ける。
更に旋回角度が大きくなり車両減速位置 Eまで旋回角度が達すると、 多接点リミツトス ィツチ 5 4内の減速接点 5 4 aが作動し、 その信号によりスロッ トル装置内にあるアイ ド リングスィッチが作動しエンジンがアイ ドリング状態になると共に、 前記減速接点 5 4 a が作動し、 その信号によりブレーキ装置の油圧回路に設けられた流量制御弁を開き、 ブレ ーキを作動させ車両停止状態とする車両停止工程とすることを特徴とする自動車の走行制 御方法を提供する。
アクセル装置の旋回角度の踏込んでない原点位置 Aを 0度とし、弾性反発位置 Bを 1 0 〜 3 0度とし、 警告信号位置 Cを弾性反発位置 B以上の 0〜 5度とし、 車両減速位置 Eを 弾性反発位置 Bから加えて 0〜1 5度とすると共に、復帰手段 6のモーメントバネ定数 K 1を 0 . 7〜6 . O kg ' c m/度とし、弾性反発手段 2 0のモーメントパネ定数 K 2を 6 .
0〜6 0, O kg - c mZ度としたことを特徴とする自動車の走行制御装置、 または自動車 の走行制御方法を提供する。
警告信号位置 Cを弾性反発位置 Bの前後土 5度のいずれかの位置としたことを特徴とす る請求項 1〜 6記載の自動車の走行制御装置あるいは自動車の走行制御方法を提供する。 エンジンのミッション装置等に取付けた速度計が所定の走行速度以上になったときにァ クセル装置の旋回角度が弾性反発位置 B以下または以上に係りなく、 回路切断リレーによ り警告停止回路系を不使用とする自動車の走行制御装置、 または自動車の走行制御方法を 提供する。
アクセル装置の旋回角度が弾性反発位置 B以下の旋回角度範囲において、 多接点リミツ トスィツチ等の音声接点の信号によりアクセルの踏込み状態であることを知らせるボイス アナンシェーク信号またはアクセル認識音信号を作動させることを特徴とする自動車の走 行制御装置、 または自動車の走行制御方法を提供する。
本発明は次の多くの効果を有するもので、
(1) 現代の高度に発達した.ハイテク機器の多用に惑わされることなく最も確実で、 応答 の速いマン ·マシンシステムという基本的構成により、 アクセルの踏み間違えという 最大の課題を、 他の弊害を生じることなく、 しかも安価に、 解決した画期的装置及ぴ 方法を提供するものである。
(2) アクセル装置の旋回角度に対する各状態を詳細に解析し、 数値的に有効範囲を明確 にすることと、 復帰手段 6と弾性反発手段 2 0の旋回角度に対するモーメントバネ定 数を詳細に特定することにより極めて性能的安定性のある装置及ぴ構造を提供するも のである。
(3) 本発明構造は、 構造が極めて単純であるため、 新車に対しては当然であるが、 中古 車に対しても容易に取付けることができる。 すなわちコンピュータ等の高度な電子回 路を交換、 改造することなく、 既設のアクセル装置を外し、 運転席の前方下部にァク セル装置を固定する支持ブラケット 3及び弾性反発手段 2 0をボルト等の固定具 3 a 等により容易に交換取付でき、 警告スィッチ 7、 警告装置 8、 エンジン停止スィッチ 9は小さいため、 運転席前方の空間内に容易に取付けができるためである。
(4) 電子部品が少ないことは湿気に強く、 寿命が長く、 故障の原因となりにくい。
(5) 部品点数が少ないので、 同様に故障し難く、 製作コス ト、 取付けコストを極めて安 価にすることができる。
(6) 第 1 の実施例では、 運転者は第 2の工程、 第 3の工程と事前に感知でき通常運転に 戻れ、 更に第 4の工程でエンジンが停止するので 3段階の認知をすることができる。
(6) 第 2 の実施例では、 運転者は使用墓準速度以上となった場合は警告停止回路系を不 使用とすることができるので高速時のエンジン停止を避けることができ、 それ未満の ときには、 第 2の工程、 第 3の工程と事前に感知でき通常運転に戻れ、 更にそれ以上 の第 4一 Aの工程で多接点リミットスィツチ 5 4内の減速接点 5 4 aが作動すること により、アイ ドリングスィツチ 5 6を作動させ、エンジンはアイ ドリング状態となり、 ブレーキ指令が働いて車両を安全に停止することができる。
(7) 操作が従来の運転操作通りで良いため、 お年寄り、 女性、 及ぴ初心者等のブレーキ の踏み間違いを起こしゃすい運転者が、 本発明の警報停止回路系 1 3に対する認識が ほとんどなくても、 戸惑うことなく運転できるため、 極めて目的にかなっており事故 防止に多大な貢献をすることができる。
(8) エンジン 1 5を起動せずに、 電気回路のみを導通した状態で、 アクセル装置 5を踏 込むことにより、 警告スィッチ 7、 警告装置 8及びエンジン停止スィッチ 9、 視覚指
示装置 30、 31等の作動をエンジン ¾ ® irずに、 停車状態で確認することができる ため、 学習しやすく、 安全にテストすることができる。
(9) 通常運転時に別個のコンピュータ等の設置による荷電が必要ないため本発明装置に よる消費電力がきわめて少ない。
(10) 警告スィッチ 7、 エンジン停止スィッチ 9の検出位置、 速度計 7 1の回転数、 流量 制御弁 6 2の開閉速度等を簡単に変更調整できる。
(11) アクセル装置 5とスロッ トル装置 15aとの連結をアクセルワイヤ 5 cで行う'、 いわ ゆるアクセルワイヤ仕様車でも、 アクセルワイヤ仕様以外のアクセル一スロットル装 置連動式の自動車にも適用できる。
(12)電気配線が簡単で、配線が少ないので、既存車に対しても簡単に配線取付ができる。 図面の簡単な説明
第 1図は、 発明の全体概略構成図である。
第 2図は、 本発明実施例の回路の結線図である。
第 3図は、 本発明実施例の別の回路の結線図である。
第 4図は、 本発明実施例の別の回路の結線図である。
第 5図は、 アクセル装置の原点位置の状態図である。
第 6図は、 ァクセル装置の弾性反発位置の状態図である。
第 7図は、 アクセル装置の警報位置の状態図である。
第 8図は、 アクセル装置のエンジン停止位置の状態図である。
第 9図は、 アクセル装置の機械的停止限界の状態図である。
第 1 0図は、 本発明の警告スィッチ、 エンジン停止スィッチの別の実施例を示す状態 図である。
第 1 1図は、 アクセル装置の旋回位置を重ねた説明図である。
第 1 2図は、 アクセル装置の旋回角度と旋回曲げモーメントの関係を示す説明図であ
, る。
第 1 3図は、 弾性反発手段の実施例の断面図である。
第 1 4図は、 弾性反発手段の別の実施例の断面図である。
第 1 5図は、 本発明の操作工程を示すブロック図である。
第 1 6図は、 本発明の実施例 2 , 3を合わせて設置した全体概略構成図である。 第 1 7図は、 第 1 6図中の A— A断面図である。
第 1 8図は、 第 1 6図中の B— B断面図である。
第 1 9図は、 本発明の実施例 2の操作工程を示すブロック図である。
符号の説明は、
早両
床
支持ブラケット
a 固定手段
支点軸
アクセル装置
a ストライカ手段
b 押付部
c アクセルワイヤ
d 端部
復帰手段 警告スィツチ a 音または振動の発生装置b 視覚指示装置
エンジン停止スィツチ ィグニッションスイツテ 回路選択スィッチ 警告停止回路系 エンジン制御コンピュータ エンジン
a スロッ トル装置
b 開閉軸
点火装置
燃料インジェクタ 燃料タンク
燃料ポンプ
弾性反発手段
へッ ド部
変形部
取付板
固定手段
ストライ力手段 警告スィツチ
エンジン停止スィツチ,31 視覚指示装置
抵抗体
アクセル位置発信器a、 52a 固定具
受信モータ
連結信号
多接点リ ミッ トスィッチa 減速接点
b 音声接点
伝達軸
アイ ドリングスィツチ ブレーキ装置
油圧回路
流量制御弁
、 73 伝達信号
ブレーキペダル 逆止弁
蓄圧装置
67 ブレーキ
70 ミツション装置
71 速度計
72 旋回軸
7 回路切断リ レー
80 ボイスアナンシェ一タ装置
81 アクセル認識音発生装置
である。 発明を実施するための最良の形態
本発明は、 発明の効果に前述した如く、 すなわち、 自動車は、 本来人間が五感により運 転しているものであり、 その感覚に訴えるのが一番確実で応答が早いという原点に帰り、 多用されるコンピュータ回路や計器、 センサ、 ァクチユエータ等の繊細な機器を頼って自 動車のコントロールをするのではなく、 むしろマン 'マシンシステムとして捉え直し、 人 間の操作時の感覚による判断を重要視し、 それを機器と組み合わせたところに、 実は盲点 ともいえる画期的な構成があることに気付いたものである。 なお、 本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照ら し合わせて読むと、 より完全に明らかになるであろう。
ただし、 図面はもっぱら解説のためのものであって、 本発明の技術的範囲を限定するも のではない。 以下図面に基づいて詳細を説明する。 実施例 1
第 1図から第 1 5図は、 本発明の実施例 1を示すもので、
第 1図は本発明の実施例 1の全体概略構成図を示すものである。
車両 1の運転席の床面 2の前方には、 支持ブラケット 3が、 例えばボルト等の着脱可能 な固定手段 3aで固定され、 該支持ブラケット 3には、 支点軸 4を介して、 アクセル装置 5が、 固定されており、 該支点軸 4を中心にしてアクセル装置 5が旋回可能に取付けられ ており、アクセル装置 5は復帰手段 6により常に原点位置 Aに復帰するようになっている。 該復帰手段 6は通常、パネ等の弾性体若しくは油圧装置等で構成されており、その構造は、 旋回復帰力を与えるものであればいずれでも良い。
前記アクセル装置 5の一部に設けられた少なくとも 1つ、 または複数で構成されるスト ライカ手段 5a は、 前記アクセル装置 5の旋回により移動し、 警告スィッチ 7、 及び Zま たはエンジン停止スィツチ 9に接触し、 夫々の作動を行うよう構成されている。
もちろん、 前記アクセル装置 5は旋回によらず、 スライ ド等の移動機構でストライカ手 段 5aを移動させても良い。 (図示せず。)
一方、 バッテリ 1 0のマイナス極 1 0 aは、 アース αに連結され,プラス極 1 0 bは、 イダ ニッシヨン 'スィッチ 1 1に連結され、 該ィグニッシヨン 'スィッチ 1 1により電気回路 の電源オン及びエンジンの起動停止が行われる。
前記イダニッシヨン · スィッチ 1 1は、 回路選択スィツチ 1 2を介して本図では、 一方 は直接エンジン制御コンピュータ 1 4に連結され、 他方は本発明の警告停止回路系 1 3内 に設けられた警告スィッチ 7に連結され、 該警告スィッチ 7は、 音、 光振動のいずれか一 つもしくはそれらの組合せによる警告信号を運転者に認知させる第 2の認知手段である警 告装置 8に連結される。
。
更に前記警告停止回路系 1 3内に分岐して設けられたエンジン停止スィッチ 9に連結 され、 該エンジン停止スィッチ 9は、 本実施例では自動車の作動をコントロールするェン ジン制御コンピュータ 1 4に連結されている。
もちろん該エンジン停止スィッチ 9は、 別の本発明の実施例では点火装置、 燃料インジ ェクタ、 燃料ポンプまたはエンジン制御コンピュータの何れかひとつ、 あるいはそれらの 組合せのいずれかの電源供給を切断するように連結しても良い。
また、 前記アクセル装置 5はエンジン 1 5のスロットル装置 15aに、 例えばアクセルヮ ィャ 5 c により連結されており、 エンジン制御コンピュータ 1 4よりは、 本図では、 ェン ジン 1 5に組み込まれている'点火装置 1 6及び燃料インジェクタ 1 7に連結され、 更に燃 料タンク 1 8に設けられた燃料ポンプ 1 9に信号が連結され、 エンジンの作動、 停止を制 御している。 したがって、 前記エンジン停止スィッチ 9により前記エンジン制御コンビュ ータ 1 4に供給する電源を切断することによりエンジン 1 5を停止することができる。 も ちろん前記エンジン停止スィツチ 9は、 本発明の別の実施例ではエンジン制御コンビユー タ 14、 点火装置 1 6、 燃料インジェクタ 1 7、 または燃料ポンプ 1 9の何れかひとつ、 あ るいはそれらの組合せの回路を切断することにより、 エンジン 1 5を停止させても良い。
[0050]
また、 車両 1あるいは、 運転席の床面 2のいずれかの部分には、 弾性反発手段 2 0が固 定されており、 前記アクセル装置 5が後述する一定の角度旋回または、 移動することによ り該アクセル装置 5の一部、 あるいは同様の機能を果たす該アクセル装置 5の連動部 (図 示せず) 力 該弹性反発手段 2 0に接触し、 前記アクセル装置 5に、 強い反発力を負荷す るように構成されている。
前記復帰手段 6はアクセル装置 5とアクセルワイヤ 5 cにより連結された前記スロット ル装置 15a部分に設けても良い。
さらに、 少なくとも 1つ、 または複数で構成されるストライ力手段 5a、警告スィツチ 7 及ぴエンジン停止スィッチ 9は、 必ずしもアクセル装置 5の部分でなく、 前記スロッ トル 装置 15a部分に設けても良い、 その場合は、 同一の機能を果たすものであれば、 別の形態 の装置で構成しても良い。
第 2図は、 本発明の結線の一つの実施例を示す結線図である。
バッテリ 1 0のプラス極 1 O b はィグニッションスィッチ 1 1に連結され、 次に回路選 択スィッチ 1 2に連結される。 該回路選択スィッチ 1 2は、 本図の状態では警告停止回路 系 1 3に導通しており、 警告スィツチ 7及びエンジン停止スィツチ 9に連結されている。 該回路選択スィッチ 1 2は、 警告停止回路系 1 3を使用せず通常の自動車として使いた い場合の選択が出来るために設けられているものであって、本発明に必須のものではない。 本図の状態では前記警告スィッチ 7は開放位置 7 a となっている。 前記アクセル装置 5 が旋回して、 前記警告スィッチ 7が接触位置 7 b に切替ると警告装置 8に導通される。 該 警告装置 8は、 音、 光、 振動のいずれか、 またはその組合せの警報を発信し、 第 2の認知 手段となっている。
次にエンジン停止スィツチ 9は本図の状態ではエンジン制御コンピュータ 1 4に導通 される接触位置 9 aとなっており運転状態となっている。 前記アクセル装置 5が更に旋回 して、 前記エンジン停止スィッチ 9が切断位置 9 b に切替ると本実施例では、 エンジン制 御コンピュータ 1 4への電源は切断され、 エンジン 1 5を停止し、 車両 1の暴走を防止す る。 したがってエンジン 15の停止による第 3の認知手段となっている。
この場合に、 警告装置 8は作動し続けても、 停止させてもそのどちらでも良い。
第 3図は本発明の結線の第 2の実施例を示す結線図である。
この回路においては、 回路選択スィッチ 1 2と連結する警告停止回路系 1 3の内部には 警告停止回路系 1 3の作動を示すランプ等の視覚指示装置 3 0が設けられている。 また警 告装置 8はブザー等の音または振動の発生装置 8 a とランプ等の視覚指示装置 8b が並列 に設けられている。 またエンジン停止スィツチ 9とエンジン制御コンピュータ 1 4の間に はランプ等のエンジン停止確認装置 31 が設けられ、 前記警告停止回路系 1 3の作動によ りエンジン 1 4が停止したことを知らせる第 3の認知手段の一つとなっている。
第 4図は本発明の結線の第 3の実施例を示す結線図である。
この回路においては、 エンジン停止スィツチ 9は本図の状態ではエンジン制御コンビュ ータ 1 4に導通される接触位置 9a となっており運転状態となっている。 前記アクセル装 置 5が更に旋回して、 前記エンジン停止スィツチ 9が切替位置 9bに切替るとエンジン制 御コンピュータ 1 4への電源は抵抗体 3 2を経由して供給される。 該抵抗体 3 2により、 電圧または電流のいずれかまたは両方がエンジン制御コンピュータ 1 4の維持電圧若しく は維持電流未満に低減されるよう構成されている。
その結果前記エンジン制御コンピュータ 1 4は停止状態となり、 同様の効果を発揮する ことが出来るのである。 例えば電圧の場合で例示すると通常、 3〜 7ボルト以下に電圧降 下させると前記エンジン制御コンピュータ 1 4は停止状態となり、エンジン 1 5を停止し、 車両 1の暴走を防止する。 したがってエンジン 1 5の停止による別の第 3の認知手段とな つている。 もちろん、 本発明の別の実施例として、 エンジン制御コンピュータ 1 4、 点火 装置 1 6、 燃料インジェクター 1 7、 あるいは燃料ポンプ 1 9のいずれか一つ、 あるいは それらの組合せのいずれかの電源電圧、 電流のいずれか、 あるいは両方を降下させて、 ェ ンジン 1 5を停止させても良い。
次に本発明を作動工程に沿って説明する。
第 5図はアクセル装置 5を踏んでいない原点位置 Aを示しており、アクセル装置 5は復 帰手段 6により常にこの位置に復帰するようになっている。 この原点位置 Aでは旋回角度 は 0度である。復帰手段 6は通常、パネ等の弾性体若しくは油圧装置等で構成されている。 第 5図〜第 6図の間の状態は第 1の工程である通常運転領域であり自動車は、 前記警告 停止回路系 1 3の作動とは関連なく通常の走行を行っている状態である。
次にアクセル装置 5が踏まれて第 6図の状態になると、 アクセル装置 5に設けられた押え 部 5 b が弾性反発手段 2 0に接触する。 その状態ではストライ力手段 5 a はいずれにも接 触していないが、 この状態になるとアクセル装置 5は弾性反発手段 2 0の反発力により急 激に踏込み力が大きくなるため、 運転者は足への反発力で過度の踏込み位置に来たことを 確実に、 感知することができ、 第 1の認知手段となっており、 第 2の工程を示している。 ' この位置は、 弾性反発位置 Bであり、 旋回角度は θ 1である。
したがって、 従来の特開昭 6 1— 1 9 0 1 3 4号と異なり、 運転者は自らの感触で過度 の踏み込みを知り、 暴走状態に入ることを事前に知り、 エンジン停止をすることなく、 低 速の通常運転状態に復帰できるのである。
この踏込み力の変化は、 本発明のすべての実施例において次の旋回曲げモーメントの状 態を構成することにより、 現実的に運転者がその異変を認知でき、 スムースに通常運転に 復帰できることを発見することが出来た。
第 7図の状態になると押え部 5 b は弾性反発手段 2 0を更に圧縮し反発力が大きくな ると共に、 前記ストライ力手段 5 aは警告スィッチ 7に接触する状態となる。
運転者は反発力の増加と共に警告スィッチ 7が接触位置 7 b に切替ることにより警告装 置 8が、 音、 光、 振動のいずれか、 またはその組合せの警報を発信し、 第 2の認知手段と なっており、 第 3の工程を示している。 この旋回位置は警告信号位置 Cであり、 弾性反発
1Q
位置 Bよりの旋回角度は 0 2である。
第 8図の状態になると押え部 5 b は弾性反発手段 2 0を更に圧縮し反発力が大きくなる と共に、前記ストライ力手段 5 aは警告スィツチ 7及びエンジン停止スィツチ 9に接触し、 回路が前記切断位置 9 b に切替るとエンジン制御コンピュータ 1 4への電源は切断され、 エンジン 1 5を停止し、 車両 1の暴走を防止する。 したがってエンジンの停止による第 3 の認知手段となっている第 4の工程を示している。この旋回位置はェンジン停止位置 Dで あり、 0 2よりの旋回角度は 0 3である。
なお、 前記エンジン停止位置 Dは、 自動車の最大速度を出すいわゆるフルスロットルと いわれるスロッ トル装置全開位置と等しくしても良いし、 若干低く設定して、 フルスロッ トルに対し、 余裕を持たせても早めにエンジン停止させても良い。 また、 エンジン出力を 重視して、 スロッ トル装置全開位置を超える旋回角度に、 前記エンジン停止位置 Dを設定 し、 フルスロッ トルの出力を出した角度を超えた位置で、 エンジン停止をさせても良い。 この場合は、 フルスロットル位置の旋回角度よりプラス 0〜 3度位に設定する。
第 9図の状態になると押え部 5 b は弾性反発手段 2 0を更に圧縮し、 例えばアクセル装 置 5の端部 5 dが車両 1または床 2に接触し機械的停止限界となった状態を示している。 この状態では反発力が最大となり、 既にエンジン 1 5は停止しており、 車両 1の暴走を防 止 Lている。 この旋回位置は Eであり、 0 3よりの旋回角度は 0 4である。
なお、 機械的停止限界は、 アクセル装置 5以外に設けても良い。
第 1 0図は本発明の別の実施例を示すもので、 ストライ力手段 2 7は近接スィツチ用の 例えば磁石等のストライカとなっており、 警告スィッチ 2 8及ぴ、 またはエンジン停止ス イッチ 2 9を近接スィツチとした別の実施例を示すものである。
近接スィツチでは、 警告スィツチ 2 8及ぴエンジン停止スィツチ 2 9の故障を少なくす ることが出来信頼性が更に高まり、 加えて感知能力が高いため位置調整も精密にでき、 更 にコスト的にも安価に構成できる利点を有している。
第 1 1図は第 5図から第 9図の状態を重ねて示した旋回状態の説明図であり、 旋回角度 に関して述べると原点位置 Aより弾性反発位置 Bまでの角度 0 1は、各自動車で操作のし やすい範囲が選ばれている。 但し余り小さすぎると通常運転領域が狭くなりすぐに弾性反 発手段に当ってしまうので本発明においては最小値は 1 0度とした。 それ以下の角度にす ると踏込み角度が厳密となり、 操作性が極端に悪くなつてしまうためである。
また、 Θ 1が、 余り大きすぎると通常運転領域が不必要に広くなり、 応答性が悪くなり 操作性が極端に悪くなってしまうため本発明においては最大値は 3 0度とした。 さらに望 ましい範囲は 1 5度から 2 5度の範囲である。
次に弾性反発位置 Bより警告信号位置 Cまでの角度 Θ 2は、踏込み過ぎを警告信号によ り知らせる役割であり、 したがって弾性反発位置 B以上の 0〜5度とすることにより弾性 反発位置 Bの旋回角度に踏込んだことを、すぐに音、光、振動等で知らせる効果があるが、 あまり早く警告信号を出すと、 いたずらに通常運転領域を狭くしてしまうため 0〜5度と した。 また、 0 2が、 余り大きすぎると警告信号の発信が遅れるため最大値は + 5度とし た。 望ましくは ± 1〜2度の範囲である。 また、 警告信号位置 Cを弾性反発位置 Bよりマ ィナス側に設定しても、 認知手段の順番が変わるだけで作動上は問題とはならない。 従つ て、 請求の範囲第 7項においては警告信号位置 Cを弾性反発位置 Bの前後 ± 5度のいずれ かの位置とした。
次に弾性反発位置 Bよりエンジン停止位置 Dまでの角度 Θ 3は、弾性反発位置 Bより強 制的なエンジン停止までの角度である。 したがって 0度以下とすると、 弾性反発位置 B以 下で作動してしまうため、 弾性反発位置 B以上の 0度とした。 また、 0 3が、 余り大きす
u
ぎると暴走の停止が遅れるため最大値は 1 5度とした。 さらに望ましくは 1〜7度の範囲 である。
なお、 エンジン停止位置 Dより、 機械的限界位置 Eまでの角度 0 4は、 余り小さすぎる とエンジン停止信号が出ずに機械的限界で止まってしまうため 1〜 5度の範囲とする。 こ れは構造上の遊ぴ角度であるため数値的重要性は厳密ではない。
第 1 2図はアクセル装置 5の旋回角度 θ·と旋回曲げモーメント Μの関係を図示した説 明図であり、
原点位置 Αから弾性反発位置 Βまでの旋回角度 Θに対する旋回曲げモーメント Mは、復 帰手段 6のモーメントパネ定数 K1 により略比例的に変化する。 今仮に K 1 = 2. Okg - cmZ度とすると、 旋回角度が 20度の場合は、 40kg . c mとなるのである。
足の掛かる旋回半径を仮に 1 6 c mとすると、 踏込み力 F = 40/1 6 = 2. 5 k gと なるのであり、
K 1の最小値は本発明では、 K1= 0. 7kg - cmZ度とした。
この値以下では、実際運転において軽すぎて、摩擦力に負け戻らなくなる危険性があり、 また他の自動車とのバランスが取れず暴走気味となってしまうのである。
K1の最大値は本発明では、 Kl= 6. Okg · c mZ度とした。 . この値以上では、 通常運転時の踏込み力が大きくなりすぎ、 硬くて操作性が極端に悪く なることとまた他の自動車とのバランスが取れず操作の互換性が悪くなるためである。 望ましくは 1. 2〜5. 0 kg - c m/度である。
それに対し弾性反発位置 Bを超えたときの弾性反発手段 20による旋回曲げモーメント Mは、 弾性反発手段 20のモーメントパネ定数 K 2による反発力が付加され、 踏込み力が 急激に大きくなり、 運転者は感覚的に異常状態になったことを確実に、 感知できる。
今仮に K 2 =12. 0 kg - cm/度とすると旋回角度が 1莩增加するごとに曲げモ一メ ントは 1 2kg · c m負荷されるので、 仮に θ 1を 20度、 0 2を 5度とすると復帰手段 6 による曲げモーメントは 25 X 2. 0 kg · cm/度 =50 kg · c mに加えて、 弾性反発手 段 20による反発力は 12. 0 kg · cm/度 X 5度 = 6 0 kg · c mが付加されるので 1 1 0 kg · cmとなり旋回角度 20度の時の旋回曲げモーメント 40kg . cmに対し、 3倍弱 の曲げモーメントを体感するため異常状態に来たことを容易に認知することができるので あ 。
K 2の最小値は本発明では、 K 2 = 7. Okg ' c m/度とした。
この値以下では.、 実際運転においては軽すぎて、 異常状態を感知することが困難となる からである。
K 2の最大値は本発明では、 K 2 = 60. 0 kg - cm/度とした。
この値以上では、 硬くて操作性が極端に悪くなり'、 運転者の足に負担をかけ健康上好ま しくないためである。 望ましくは 8. 0〜45. 0kg - c m/度である。
このようにモーメントバネ定数の大きな変化が運転者に、 誤操作を感知させる効果を発 揮し、 それに着目することで極めて簡単に、 しかも確実に、 また、 安価な構造と取付け改 造が容易な装置で、 異常運転状態を運転者に感知させ、 誤操作を防止することができるこ とを、 発明者は数多くの実験と実走行テストを繰返し最適なモーメントパネ定数を発見す ることができたのである。
仮に、 K2と K1の変化率 Rで表現すると、 2 1; 1の変化率1 = 1^2/1^ 1で表現 され、 最小値では R= 7ノ6 = 1. 17となり、 最大値では、 R= 60Z0. 7 = 8 5. 7となるので、 このモーメントバネ定数の変化率 Rで発明の範囲を限定することもできる のである。 また、 更に望ましい範囲に対しては最小値では 8/5 = 1. 6となり、 最
大値では、 R = 4 5ノ 1 . 2 = 3 7 . 5となる。
第 1 3図は弾性反発手段 2 0の一つの実施例を示すもので、 アクセル装置 5の一部と接 触するヘッド部 2 1は例えばゴム、 硬質ゴム、 スポンジ、 空気圧力具、 合成樹脂、 油圧圧 力具等の材料で構成された変形部 2 2に固着され、 該変形部 2 2の下部は取付板 2 3がボ ルト等の固定手段 2 4により着脱自在に床 2等に固定されている。
但し、 取外しができれば、 溶接、 リベット留め等の完全固定でも良い。
第 1 4図は弾性反発手段 2 0の別の実施例を示すもので、 アクセル装置 5の一部と接触 するへッド部 2 1は例えばコイルバネ、 孤パネ等の機械部品である変形部 2 2で構成され た実施例を示すものである。
第 1 5図は本発明の制御方法を示したプロック図である。
エンジンの停止状態である始動位置ではアクセル装置 5は原点位置にありィダニヅシ ヨンスィッチ 1 1で電源オン及ぴエンジンが始動し始め、 第 1の工程である通常運転領域 となる。
ブレーキと間違えて更に踏込んだ場合は、 第 2の工程となり、 弾性反発手段 2 0にァク セル装置 5が当ると反発力が急激に大きくなり、 感知することにより運転者が踏込み力を 減少すると、 通常運転領域若しくは原点位置に戻ることができ、 暴走を防止することがで さる。
更に踏込むと第 3の工程である警告スィツチ 7が作動すると警告装置 8が警報を発す るため、 運転者は異常を感知し、 通常運転領域若しくは原点位置に戻すことができ、 暴走 を防止することができる。 '
更に踏込むと第 4の工程であるェンジン停止スィッチ 9が作動するとェンジン制御コ ンピュータ 1 4、 点火装置 1 6、 燃料インジェクタ 1 7、 または燃料ポンプ 1 9への電源 が切断されるか、 若しくは、 電圧または電流のいずれかまたは両方がそれらの維持電圧若 しくは維持電流未満に低減され、 エンジンは停止し、 暴走を防止することができる。 更に踏込むとァクセル装置は機械的停止限界となり踏込み限界となる。
以上のベた構成により、 本発明は、 前述した多くの利点を有する画期的な装置及び方法 を実現することができた。 実施例 2
第 1 6図から第 1 9図は、 本発明の実施例 2を示すもので、 第 1 6図は本発明の実施例 2、 3を合わせて設置した全体概略構成図を示すものである。
実施例 2は主としてアクセルワイヤ仕様以外のアクセルースロッ トル装置連動式の自 動車に適したものである。
実施例 1に対し特に変更、 追加された部分のみを詳説すると、 アクセルワイヤ 5 cの代 わりにアクセル位置発信器 5 1と、スロットル装置 1 5 aには受信モータ 5 2が設けられ、 連結信号 5 3を介して連結されている。
第 1 7図は第 1 6図中の A— A断面図を示している。 支点軸 4の一方の端部にはァクセ ル位置発信器 5 1が固定具 5 l a を介して支持ブラケット 3に固定され、 アクセルの旋回 位置を連結信号 5 3によりスロッ トル装置 1 5 aの受信モータ 5 2に伝達している。
第 1 8図は第 1 6図中の B— B断面図を示している。 スロットル装置 1 5 a の開閉軸 1 5 b の一方の端部には受信モータ 5 2が設けられ、 その受信モータ 5 2の反対側には、 多 接点リミットスィツチ 5 4が伝達軸 5 5を介して設けられている。
該多接点リミットスィッチ 5 4内には、 各種の接点が設けられているが、 その内の減速 接点 54aが作動すると、 スロットル装置 1 5 aの内部に設けられたアイ ドリングスィツチ
5 6が作動し、 スロッ トル装置 1 5 a の弁をアイドリング状態である開度ゼロ位置に動作 させる。
それと共に前記多接点リミットスイッチ 5 4内の減速接点 54aが作動すると、 ブレーキ 装置 6 0の油圧回路 6 1に設けられた流量制御弁 6 2を伝達信号 6 3により開き、 ブレー キ装置 6 0を作動させ車両を停止状態とする。 この工程を車両停止工程とする。
油圧回路 6 1はブレーキペダル 6 4より逆止弁 6 5を介して蓄圧装置 6 6に連結され ており更に蓄圧装置 6 6は油圧回路 6 1に設けられた流量制御弁 6 2を介してブレーキ 6 7に連結されている。 このように構成することで、 蓄圧装置 6 6内の油は流量制御弁 6 2 が開くことでブレーキ 6 7に送られ車両を停止状態とすることができる。
前記流量調整弁 6 2は、 その開閉速度を調節できるので車両は急激に止まるのでなく無 理のない適度な停止を実行することができる。 このように構成することにより、 実施例 1 に対し、 エンジン停止をすることなく車両停止を行うことができるので、 更に友好な機能 を発揮するものである。
最近の自動車においては、 車種によりエンジン停止が起きると、 パワーステアリングや ブレーキ装置の油圧系が停止することによりブレーキが重くなる機構を有しているものも 多くなつてきている。 その場合には、 エンジン停止より、 アイドリング状態からブレーキ 作動状態となり、 車両停止を行ったほうが好ましい場合が多くあり、 請求の範囲第 1〜3 項の実施例に対し更なる安全性を付加したものである。
また、 アクセル一スロットル装置連動式の自動車においては、 実施例 1および実施例 2で、 アクセル装置に設けられた警告スィツチ 7およびエンジン停止スィツチ 9の代わり に前記多接点リミットスィッチ 5 4内に警告接点、 エンジン停止接点を設けても良い。 また、 請求の範囲第 8項に記載の走行制御装置、 および走行制御方法においては、 第 1 6図に示すようにエンジン 1 5のミツション装置 7 0の一端には速度計 7 1が旋回軸 7 2 を介して設けられており、 伝達信号 7 3が回路切断リレー 7 4に伝達可能に連結されてい る。
速度計 7 1の回転数が所定の走行速度に到達すると、 アクセル装置の旋回角度が弾性反 発位置 B以下または以上に係りなく、 伝達信号 7 3は回路切断リレー 7 4を作動し警告停 止系を不使用とすることができるよう構成されており、 所定の回転数に到達するとァクセ ル装置 5の旋回角度が弾性反発位置 B以上、 または未満に係りなく作動するよう構成され ている。 所定の走行速度は通常、 1 0 k mノ時以上に設定される。 更に望ましくは 3 O k m/時以上に設定される。
これは本発明の安全性を更に高めるもので、 現実の事故統計によると、 アクセルとブレ —キの踏み間違い事故は、 その 9 0 %が通常 1 0 k mZ時未満の発進直後に発生している。 このことよりアクセルとブレーキの踏み間違い事故は、 ほとんどこの低速時に警告停止系 を使用することで十分とも言える。 一方では、 高速時での走行時に、 自動車が緊急停止す ると、 急停止の衝搫が発生したり、 追突事故の発生も考えられなくはない。
従って本実施例は請求の範囲第 1〜 7項の実施例に対し更に実際的な適用範囲の縮減 を図ることにより更なる利点を付加したものである。
第 1 9図は本発明の実施例 2の制御方法を示したプロック図である。
エンジンの停止状態である始動位置では車両は停止しておりアクセル装置 5は原点位 置にありイダニッシヨンスィッチ 1 1で電源オン及びエンジンが始動し始め、 第 1の工程 である通常運転領域となる。
第 1一 Aの工程では、 所定の基準速度例えば 1 5 k mZ時以上になると回路切断リ レー 7 4を作動し警告停止系を不使用とし、車両は警告停止作動のない一般走行の状態となる。
所定の基準速度 1 5 k m/時未満の場合は、 通常運転領域が継続される。
ブレーキと間違えて更に踏込んだ場合は、 第 2の工程となり、 弾性反発手段 2 0にァク セル装置 5が当ると反発力が急激に大きくなり、 感知することにより運転者が踏込み力を 減少すると、 通常運転領域若しくは原点位置に戻ることができ、 暴走を防止することがで さる。 ' 更に踏込むと第 3の工程である警告スィツチ 7が作動すると警告装置 8が警報を発す るため、 運転者は異常を感知し、 通常運転領域若しくは原点位置に戻すことができ、 暴走 を防止することができる。
更に踏込むと第 4一 Aの工程である車両減速工程となり多接点リミットスィッチ 5 4内 の減速接点 5 4 a が作動するとアイ ドリング指令が発信されアクセル開度は原点位置とな る。 それと共にブレーキ指令が発信され油圧回路の流量制御弁 6 2を開き、 ブレーキ 6 7 が作動し、 車両停止となり事故を防止することができる。 更に踏込むとアクセル装置 5は 機械的停止限界となり踏込み限界となる。 実施例 3
本実施例は請求の範囲第 9項に記載するもので、 アクセル装置の旋回角度が弾性反発位 置 B以下の所定の作動旋回角度において、 多接点リミットスィッチ 5 4の音声接点 5 4 b の信号により作動するよう構成されている。 第 1 6図に示すように車両には、 ボイスアナ ンシエータ装置 8 0、 または耳に好ましい音楽等のアクセル認識音発生装置 8 1が設けら れており、 多接点リミットスィッチ 5 4内の音声接点 5 4 bが増加方向に作動した時は、 それより音声信号を発生することにより、 運転者にアクセルを踏んでいることを認知させ ることにより発信時等の超低速領域でも踏み間違い事故を防止することができるのである。 音声接点 5 4 bが減少方向の作動時は鳴らさないように設定する。 所定の前記作動旋回角 度は、 3度から 1 0度未満に設定する。 また、 多接点リミットスィッチ 5 4によらずァク セル装置近傍等に設けた位置検知スィツチを用いてもよい。
ボイスアナンシエータ装置 8 0の音声は、 例えば 「アクセルです」 と女性の声で知らせ ることが良い。 その信号は耳に心地よいものを用いるので、 音声接点 5 4 bの位置に増加 方向の作動時は何度でも発生するようにしても良く、 減少方向の作動時は鳴らさないよう に設定する。 この実施例は駐車場等での踏み間違い事故に大いに効果を発揮するもので人 間がアクセルであることを認知できれば間違いを防止できることに着目した更に安全性を 高めた画期的な走行制御装置、 または走行制御方法を提供するものである。
[変形実施例]
この発明は次のように変形して実施することを含むものである。
(1) 警告信号位置 Cを省略し、 弾性反発位置 Bより旋回角度が増大すると、 次のェ 程、 位置を、 エンジン停止位置 D、 または車両減速位置 Eとなるように構成する こともできる。
( 2 ) 警告スィッチ 7、 エンジン停止スィッチに代えてその機能を多接点リミツトス ィツチ 5 4内に設けても良い。
( 3 ) ストライ力手段 5a、 警告スィツチ 7、 およびエンジン停止スィツチ 9を前記ス 口ットル装置 15aの部分に設けて別の形態で構成する。
(4) 警告スィッチ 7、 エンジン停止スィッチ 9を近接スィッチ等以外の有接点、 また は無接点スィッチ等にして構成する。
(5) 弾性反発手段 2 0を床 2以外のいずれに固定しても良い。
(6) アクセル装置 5は旋回動作でなく、 スライ ド等の別の移動手段でも良い。
(7)アクセル装置 5とスロッ トル装置 15aとの連結をアクセルワイヤ 5 cで行うァク セルワイヤ仕様車でも、 またアクセルワイヤ仕様以外の前述のアクセルースロッ ト ル装置連動式の自動車に適用できる。
(8) 速度計はミッション装置以外の車両速度を検出できるいずれの部位に設けても 良い。
(9) 回路選択スィッチ 12は設けなくても良い。
( 1 0 )本発明は、 オートマティック仕様車のほか、 ギヤチェンジ仕様車に、 適用して も良い。 産業上の利用可能性
本発明の活用例としては、 以上説明したように、 自動車の走行制御装置、特にアクセル ペダルをブレーキペダルと間違って踏込みすぎ、 暴走をするのを防止するという安全上の 重要機能を新車、 既存車すべてに対しても簡単に、 安価に適用できる極めて産業上の利用 価値の高い自動車の走行制御装置及ぴ走行制御方法を提供することができる。