JP3126373U - 自動車の走行制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動車のアクセル装置とブレーキの踏み間違いが多発しており、それを他の弊害を生じることなく、確実にかつ安価に達成できる自動車の制御装置を提供する。
【解決手段】アクセル装置の踏込み角度に応じ、弾性反発手段による踏込み力の急激な増加を体感させることによる第1の警告認知手段と、音、光、振動等による警告装置による第2の警告認知手段と、エンジン停止スィッチによる第3の警告認知・停止手段とを設けた自動車の制御装置。
【選択図】図1

Description

本考案は、自動車の走行制御装置、特にアクセルペダルをブレーキペダルと間違って踏込みすぎ、暴走をするのを防止するための走行制御装置に関する。
従来より、自動車のアクセルペダルとブレーキペダルを踏み間違え暴走する事故が頻繁に発生しており、特に無段変速機付自動車、いわゆるオートマティック車で頻発している。この種の事故はほとんど人身事故となっており、したがって車社会の大きな社会問題としてクローズアップされており、確実なる解決が強く望まれている。この種の事故を防止するための装置は以前より提案されている。
しかるに、特開昭61−190134号においては、アクセルペダルの踏み力または踏み込み速度が検出レベルを超えたとき強制的に走行不能の状態まですることが述べられているが、現実の走行においては、ある検出レベルを人間が理解しておくことは困難であり、特にレンターカーの場合など運転者が変わるため、検出レベルの管理は不可能であり、又最大の問題は、運転者自身が自分のエンジン停止検出レベルがわからないため、急に加速をかけたときに、強めに踏み込んだり、早く踏み込んだりしてしまうと、予想もせずエンジン停止状態に陥ってしまうことであった。
そうなると運転時突如としてエンジン停止状態となってしまうため、後続車が接近している場合などは追突事故を起こしたり、追越し時は緊張状態のため、過度の踏込みを行うことが多く、前後の車と衝突事故を起こす原因となったり、また、通常の走行状態でも、エンジン停止が予想に反して起きると事故になってしまう、例えば坂道や雪道、悪路等においては反って自動車が凶器と化す可能性があった。
また、常時、圧力スィッチ等のセンサを使用しているが、もしセンサが故障したときは、踏み込み過ぎても停止せず、重要な運転制御がセンサという一部品の性能に頼ることになり、走行上生命線となる常時の制御系等に設けることは自動車の信頼性を著しく低下させるものとなっていた。この欠点のため現実に使用することは困難であり、課題の解決策となりうるものでなかった。したがって実行されておらず相変わらず事故は絶えていなかった。
また、特開閉−256170に示された構造においては、更にセンサやアクチュエータを多用しているため、これらの一つでも故障すると前述の引用例と同様の欠点を有している。
また、自動車の進行方向に障害物検出手段を設けて、スロットルを閉じる条件とする構成となっているが、障害物検出手段は現実の使用においては必ずしも全ての障害物を検出することが困難なため、反って誤認識を起こし、反対に事故原因を作りかねないこととなっていた。
すなわち、極めて低い位置にある障害物や飛び出してくる障害物や斜め方向から接近してくる障害物等をすべて検出することは困難であり、実用上は障害物検出手段の信号を頼りに重要な運転制御をコントロールすることは反って危険であったのである。
しかも構造が複雑なため、保守が大変でかつ、製作コストが高い欠点を有していた。
特開昭61−190134号 特開平5−256170号
そのため上述した如く、それらの従来技術は実用に供されていないため、相変わらず、アクセルとブレーキの踏み間違いによる重要事故は日本だけでも2002年には、6,844件も発生しており、世界的にみると非常に多く膨大な事故例の報告が、ほぼ毎日、なされてきているのである。
運転者は通常の走行時は、アクセル装置を車速に応じ軽く踏込み運転しているが、アクセル装置をブレーキと間違った場合は、思いっきり最大位置まで踏込んでしまい暴走状態に陥り、気が動転し、誤認識しているため、さらに踏み続ける操作を続けてしまい、衝突等の重大事故となってしまうのである。したがって機械的手段をいくら加えても、運転者が誤認識に気がつく段階を多段階に設けることが重要で、強制的停止は別の事故を引き起こすこととなるのである。
(1)自動車の運転席の床面前方に設置したアクセル装置には、踏込んでない原点位置Aへ常に復帰する復帰手段を有し、前記アクセル装置は自動車のエンジンと連動しており、原点位置Aから踏込んで、旋回角度が大きくなると、運転者の足に弾性反発手段により、弾性反発力を付加することにより、過度の踏込み位置に来たことを運転者の足に体感させることにより誤動作を認知させる第1の警告認知手段を設ける。
と共に、更に弾性反発位置B以上に旋回角度が大きくなると警告信号位置Cとなり、該警告信号位置Cで警告スイッチが感知することにより警告装置が作動し、運転者に音、光、振動のいずれか一つ若しくはそれらの組合せによる警告信号を運転者に認知させる第2の警告認知手段を設ける。
と共に、更に旋回角度が大きくなり、エンジン停止位置Dまで旋回角度が達すると、エンジン停止スイッチが感知した信号により、エンジン制御コンピュータ、点火装置、燃料インジェクタ、または燃料ポンプのいずれか一つ、若しくはそれらの組合せのいずれかの電源供給を切断、又はそれらへの電源電圧、電流のいずれか、又は両方を降下させることにより、エンジンを停止させる第3の警告認知停止手段を設ける。
と共に、 アクセル装置の旋回角度の踏込んでない原点位置Aを0度とし、弾性反発位置Bを10度以上〜30度以下とし、警告信号位置Cを弾性反発位置Bの−3度以上〜+5度以下とし、エンジン停止位置Dを弾性反発位置Bから加えて0度以上〜5度以下で、かつ弾性反発手段20のモーメントバネ定数K2を6.0kg・cm/度以上〜60.0kg・cm/度以下としたことを特徴とする自動車の走行制御装置を提供する。
(2)エンジン停止位置Dをスロットル装置全開位置の−3度以上から+3度以下の角度にすることを特徴とする請求項1記載の自動車の走行制御装置を提供する。
(3)自動車の運転席の床面前方に設置したアクセル装置には、踏込んでいない原点位置Aへ常に復帰する復帰手段を有し、前記アクセル装置は自動車のエンジンと連動しており、原点位置Aから踏込んで、旋回角度が大きくなると、運転者の足に前記弾性反発手段により、弾性反発力を付加することにより、過度の踏込み位置に来たことを運転者の足に体感させることにより誤動作を認知させる第1の警告認知手段を設ける。
と共に、更に前記弾性反発位置B以上に旋回角度が大きくなると警告信号位置Cとなり、該警告信号位置Cで警告スイッチが感知することにより警告装置が作動し、運転者に音、光、振動のいずれか一つ若しくはそれらの組合せによる警告信号を運転者に認知させえる第2の警告認知手段を設ける。
と共に、更に旋回角度が大きくなり、車両減速位置Eまで旋回角度が達すると、リミットスィッチが感知した信号により、スロットル装置内等にあるアイドリング装置が作動しエンジンがアイドリング状態になると共に、前記リミットスィッチが感知した信号によりブレーキ装置の油圧回路に設けられた流量制御弁を開き、ブレーキを作動させ、車両停止状態とする。
と共に、アクセル装置の旋回角度の踏込んでない原点位置Aを0度とし、弾性反発位置Bを10度以上〜30度以下とし、警告信号位置Cを弾性反発位置Bの−3度以上〜+5度以下とし、車両減速位置Eを弾性反発位置Bから加えて0度以上〜5度以下とし、かつ弾性反発手段20のモーメントバネ定数K2を6.0kg・cm/度以上〜60.0kg・cm/度以下としたことを特徴とする自動車の走行制御装置を提供する。
(4)車両減速位置Eをスロットル装置全開位置の−3度以上から+3度以下の角度にすることを特徴とする請求項3記載の自動車の走行制御装置を提供する。
(5)アクセル装置の旋回角度が弾性反発位置B以下の所定の作動旋回角度範囲において、リミットスイッチ等の認識接点の信号により、アクセルの踏込み状態であることを知らせるボイスアナンシエータ信号、又は音、光、あるいは振動等の認識信号を作動させるように構成する。
と共に、前記認識接点が、自動車の加速側に作動したときは、ボイスアナンシエータ信号、又は音、光、あるいは振動等の認識信号をその都度発生し、逆に前記認識接点が、自動車の減速側に作動したときは、ボイスアナンシエータ信号、又は音、光、あるいは振動等の認識信号を作動しないことにより無駄な信号を排除し運転者にアクセルによる加速中であることをその都度知らせ、ブレーキとの踏み間違いを認識させ、暴走を予防させることを特徴とする請求項1,2,3、又は4記載の自動車の走行制御装置を提供する。
本考案は次の多くの効果を有するもので、
(1)現代の高度に発達したハイテク機器の多用に惑わされることなく最も確実で、応答の速いマン・マシンシステムという基本的構成により、アクセルの踏み間違えという最大の課題を、他の弊害を生じることなく、しかも安価に、解決した画期的装置を提供するものである。
(2)アクセル装置の旋回角度に対する各状態を詳細に解析し、数値的に有効範囲を明確にすることと、復帰手段6と弾性反発手段20の旋回角度に対するモーメントバネ定数を詳細に特定することにより極めて性能的安定性のある装置及び構造を提供するものである。
(3)本考案構造は、構造が極めて単純であるため、新車に対しては当然であるが、中古車に対しても容易に取付けることができる。すなわちコンピュータ等の高度な電子回路を交換、改造することなく、既設のアクセル装置を外し、運転席の前方下部にアクセル装置を固定する支持ブラケット3及び弾性反発手段20をボルト等の固定具3a等により容易に交換取付でき、その後アクセル装置を再取付する。
警告スィッチ7、警告装置8、エンジン停止スィッチ9は小さいため、運転席前方の空間内に容易に取付ができるためである。
(4)電子部品がないことは湿気に強く、寿命が長く、故障の原因となりにくい。
(5)部品点数が少ないので、同様に故障し難く、製作コスト、取付けコストを極めて安価にすることができる。
(6)実施例1では、運転者は第2の工程、第3の工程と事前に感知でき通常運転に戻れ、更に第4の工程でエンジンが停止するので3段階の認知をすることができる。
(7)実施例2では、[図16]及び[図19]に示すように、運転者は使用基準速度以上となった場合は、警告停止回路系を不使用とすることができるので、高速時のエンジン停止を避けることができ、それ未満のときには、第2の工程、第3の工程と事前に感知でき通常運転に戻れる。
さらにそれ以上の第4−Aの工程でリミットスィッチ54内の54aが作動することにより、アイドリングスイッチ56を作動させ、エンジンはアイドリング状態となり、ブレーキ指令が働いて車両を安全に停止することができる。
(8)操作が従来の運転操作通りで良いため、お年寄り、女性、及び初心者等のブレーキの踏み間違いを起こしやすい運転者が、本考案の警報停止回路系13に対する認識がほとんどなくても、戸惑うことなく運転できるため、極めて目的にかなっており事故防止に多大な貢献をすることができる。
(9)エンジン15を起動せずに、電気回路のみを導通した状態で、アクセル装置5を踏込むことにより、警告スィッチ7、警告装置8及びエンジン停止スィッチ9、エンジン停止確認装置31の作動をエンジンを起動せずに、停車状態で確認することができるため、学習しやすく、安全にテストすることができる。
(10)通常運転時にコンピュータ等の特別の装置の荷電が必要ないため本考案装置による消費電力がきわめて少ない。
(11)警告スィッチ7、エンジン停止スィッチ9の検出位置を簡単に変更調整できる。
(12)アクセル装置5とスロットル装置15aとの連結をアクセルワイヤ5cで行う、いわゆるアクセルワイヤ仕様車でも、アクセルワイヤ仕様、以外の自動車にも適用できる。
(13)電気配線が簡単で、配線が少ないので、既存車に対しても簡単に配線取付ができる。
本考案は、考案の効果に前述した如く、すなわち、自動車は、本来人間が五感により運転しているものであり、その感覚に訴えるのが一番確実で応答が早いという原点に帰り、多用されるコンピュータ回路や計器、センサ、アクチュエータ等の繊細な機器を頼って自動車のコントロールをするのではなく、むしろマン・マシンシステムとして捉え直し、人間の操作時の感覚による判断を重要視し、それを機器と組み合わせたところに、実は盲点ともいえる画期的な構成があることに気付いたものである。
なお、本考案の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本考案の技術的範囲を限定するものではない。以下図面に基づいて詳細を説明する。
図1から図15は、本考案の実施例を示すもので、
図1は本考案の実施例1の全体概略構成図を示すものである。
車体1の運転席の床面2の前方には、支持ブラケット3が、例えばボルト等の着脱可能な固定手段3aで固定され、該支持ブラケット3には、支点軸4を介して、アクセル装置5が、固定されており、該支点軸4を中心にしてアクセル装置5が旋回可能に取付けられており、アクセル装置5は復帰手段6により常に原点位置Aに復帰するようになっている。該復帰手段6は通常、バネ等の弾性体若しくは油圧装置等で構成されており、その構造は、旋回復帰力を与えるものであればいずれでも良い。
前記アクセル装置5の一部に設けられた少なくとも1つ、または複数で構成されるストライカ手段5aは、前記アクセル装置5の旋回により移動し、警告スィッチ7、及び/またはエンジン停止スィッチ9に接触し、夫々の作動を行うよう構成されている。
もちろん、前記アクセル装置5は旋回によらず、スライド等の移動機構でストライカ手段5aを移動させても良い。(図示せず。)
一方、バッテリ10のマイナス極10aは、アースαに連結され,プラス極10bは、イグニッションスィッチ11に連結され、該イグニッション・スィッチ11により電気回路の電源オン及びエンジンの起動停止が行われる。
前記イグニッションスィッチ11は、回路選択スィッチ12を介して本図では、一方は直接エンジン制御コンピュータ14に連結され、他方は本考案の警告停止回路系13内に設けられた警告スィッチ7に連結され、該警告スィッチ7は、音、光振動のいずれか一つもしくはそれらの組合せによる警告信号を運転者に認知させる第2の認知手段である警告装置8に連結される。
更に前記警告停止回路系13内に分岐して設けられたエンジン停止スィッチ9に連結され、該エンジン停止スィッチ9は、本実施例では自動車の作動をコントロールするエンジン制御コンピュータ14に連結されている。
もちろん該エンジン停止スィッチ9は、別の本考案の実施例では点火装置、燃料インジェクタ、燃料ポンプまたはエンジン制御コンピュータの何れかひとつ、あるいはそれらの組合せのいずれかの電源供給を切断するように連結しても良い。
また、前記アクセル装置5はエンジン15のスロットル装置15aに、例えばアクセルワイヤ5cにより連結されており、エンジン制御コンピュータ14よりは、本図では、エンジン15に組み込まれている点火装置16及び燃料インジェクタ17に連結され、更に燃料タンク18に設けられた燃料ポンプ19に信号が連結され、エンジンの作動、停止を制御している。したがって、前記エンジン停止スィッチ9により前記エンジン制御コンピュータ14に供給する電源を切断することによりエンジン15を停止することができる。もちろん前記エンジン停止スィッチ9は、本考案の別の実施例ではエンジン制御コンピュータ14、点火装置16、燃料インジェクタ17、または燃料ポンプ19の何れかひとつ、あるいはそれらの組合せの回路を切断することにより、エンジン15を停止させても良い。
また、車体1あるいは、運転席の床面2のいずれかの部分には、弾性反発手段20が固定されており、前記アクセル装置5が後述する一定の角度旋回または、移動することにより該アクセル装置5の一部、あるいは同様の機能を果たす該アクセル装置5の連動部(図示せず)が、該弾性反発手段20に接触し、前記アクセル装置5に、強い反発力を負荷するように構成されている。
前記復帰手段6はアクセル装置5とアクセルワイヤ5cにより連結された前記スロットル装置15a部分に設けても良い。
さらに、少なくとも1つ、または複数で構成されるストライカ手段5a、警告スィッチ7及びエンジン停止スィッチ9は、必ずしもアクセル装置5の部分でなく、前記スロットル装置15a部分に設けても良い、その場合は、同一の機能を果たすものであれば、別の形態の装置で構成しても良い。
図2は、本考案の結線の一つの実施例を示す結線図である。
バッテリー10のプラス極10bはイグニッションスィッチ11に連結され、次に回路選択スィッチ12に連結される。該回路選択スィッチ12は、本図の状態では警告停止回路系13に導通しており、警告スィッチ7及びエンジン停止スィッチ9に連結されている。
該回路選択スィッチ12は、警告停止回路系13を使用せず通常の自動車として使いたい場合の選択が出来るために設けられているものであって、本考案に必須のものではない。
本図の状態では前記警告スィッチ7は開放位置7aとなっている。前記アクセル装置5が旋回して、前記警告スィッチ7が接触位置7bに切替ると警告装置8に導通される。該警告装置8は、音、光、振動のいずれか、またはその組合せの警報を発信し、第2の認知手段となっている。
次にエンジン停止スィッチ9は本図の状態ではエンジン制御コンピュータ14に導通される接触位置9aとなっており運転状態となっている。前記アクセル装置5が更に旋回して、前記エンジン停止スィッチ9が切断位置9bに切替ると本実施例では、エンジン制御コンピュータ14への電源は切断され、エンジン15を停止し、車体1の暴走を防止する。したがってエンジン15の停止による第3の認知手段となっている。
この場合に、警告装置8は作動し続けても、停止させてもそのどちらでも良い。
図3は本考案の結線の第2の実施例を示す結線図である。
この回路においては、回路選択スィッチ12と連結する警告停止回路系13の内部には警告停止回路系13の作動を示すランプ等の視覚指示装置30が設けられている。また警告装置8はブザー等の音または振動の発生装置8aとランプ等の視覚指示装置8bが並列に設けられている。またエンジン停止スィッチ9とエンジン制御コンピュータ14の間にはランプ等のエンジン停止確認装置31が設けられ、前記警告停止回路系13の作動によりエンジン14が停止したことを知らせる第3の認知手段の一つとなっている。
図4は本考案の結線の第3の実施例を示す結線図である。
この回路においては、エンジン停止スィッチ9は本図の状態ではエンジン制御コンピュータ14に導通される接触位置9aとなっており運転状態となっている。前記アクセル装置5が更に旋回して、前記エンジン停止スィッチ9が切替位置9bに切替るとエンジン制御コンピュータ14への電源は抵抗体32を経由して供給される。該抵抗体32により、電圧または電流のいずれかまたは両方がエンジン制御コンピュータ14の維持電圧若しくは維持電流未満に低減されるよう構成されている。
その結果前記エンジン制御コンピュータ14は停止状態となり、同様の効果を発揮することが出来るのである。例えば電圧の場合で例示すると通常、3〜7ボルト以下に電圧降下させると前記エンジン制御コンピュータ14は停止状態となり、エンジン15を停止し、車体1の暴走を防止する。したがってエンジン15の停止による別の第3の認知手段となっている。もちろん、本考案の別の実施例として、エンジン制御コンピュータ14、点火装置16、燃料インジェクタ17、あるいは燃料ポンプ19のいずれか一つ、あるいはそれらの組合せのいずれかの電源電圧、電流のいずれか、あるいは両方を降下させて、エンジン15を停止させても良い。
次に本考案を作動工程に沿って説明する。
図5はアクセル装置5を踏んでいない原点位置Aを示しており、アクセル装置5は復帰手段6により常にこの位置に復帰するようになっている。この原点位置Aでは旋回角度は0度である。復帰手段6は通常、バネ等の弾性体若しくは油圧装置等で構成されている。
図5〜図6の間の状態は第1の工程である通常運転領域であり自動車は、前記警告停止回路系13の作動とは関連なく通常の走行を行っている状態である。
次にアクセル装置5が踏まれて図6の状態になると、アクセル装置5に設けられた押え部5bが弾性反発手段20に接触する。その状態ではストライカ手段5aはいずれにも接触していないが、この状態になるとアクセル装置5は弾性反発手段20の反発力により急激に踏込み力が大きくなるため、運転者は足への反発力で過度の踏込み位置に来たことを確実に、感知することができ、第1の認知手段となっており、第2の工程を示している。この位置は、弾性反発位置Bであり、旋回角度はθ1である。
したがって、従来の特開昭61−190134号と異なり、運転者は自らの感触で過度の踏み込みを知り、暴走状態に入ることを事前に知り、エンジン停止をすることなく、低速の通常運転状態に復帰できるのである。
この踏込み力の変化は、本考案のすべての実施例において次の旋回曲げモーメントの状態を構成することにより、現実的に運転者がその異変を認知でき、スムースに通常運転に復帰できることを発見することが出来た。
図7の状態になると押え部5bは弾性反発手段20を更に圧縮し反発力が大きくなると共に、前記ストライカ手段5aは警告スィッチ7に接触する状態となる。
運転者は反発力の増加と共に警告スィッチ7が接触位置7bに切替ることにより警告装置8が、音、光、振動のいずれか、またはその組合せの警報を発信し、第2の認知手段となっており、第3の工程を示している。この旋回位置は警告信号位置Cであり、弾性反発位置Bよりの旋回角度はθ2である。
図8の状態になると押え部5bは弾性反発手段20を更に圧縮し反発力が大きくなると共に、前記ストライカ手段5aは警告スィッチ7及びエンジン停止スィッチ9に接触し、回路が前記切断位置9bに切替るとエンジン制御コンピュータ14への電源は切断され、エンジン15を停止し、車体1の暴走を防止する。したがってエンジンの停止による第3の認知手段となっている第4の工程を示している。この旋回位置はエンジン停止位置Dであり、θ2よりの旋回角度はθ3である。
なお、前記エンジン停止位置Dは、自動車の最大速度を出すいわゆるフルスロットルといわれるスロットル弁全開位置と等しくしても良いし、若干低く設定して、具体的にはフルスロットルに対し、同一〜マイナス3度以内の角度とし最大出力で暴走する前に余裕を持たせても早めにエンジン停止させる。通常はこの設定が標準の設定となることが多い。
また、エンジン出力を重視して、スロットル弁全開位置を超える旋回角度に、前記エンジン停止位置Dを設定し、フルスロットルの出力を出した角度を超えた位置で、エンジン停止をさせても良い。この場合は、フルスロットル位置の旋回角度よりプラス0〜3度位に設定する。
図9の状態になると押え部5bは弾性反発手段20を更に圧縮し、例えばアクセル装置5の端部5dが車体1または床2に接触し機械的停止限界となった状態を示している。
この状態では反発力が最大となり、既にエンジン15は停止しており、車体1の暴走を防止している。この旋回位置はEであり、θ3よりの旋回角度はθ4である。
なお、機械的停止限界は、アクセル装置5以外に設けても良い。
図10は本考案の別の実施例を示すもので、ストライカ手段27は近接スィッチ用の例えば磁石等のストライカとなっており、警告スィッチ28及び、またはエンジン停止スィッチ29を近接スィッチとした別の実施例を示すものである。
近接スィッチでは、警告スィッチ28及びエンジン停止スィッチ29の故障を少なくすることが出来信頼性が更に高まり、加えて感知能力が高いため位置調整も精密にでき、更にコスト的にも安価に構成できる利点を有している。
図11は図5から図9の状態を重ねて示した旋回状態の説明図であり、旋回角度に関して述べると原点位置Aより弾性反発位置Bまでの角度θ1は、各自動車で操作のしやすい範囲が選ばれている。
考案者は通常の人間の足の最も動かしやすい角度を人間工学的に探求し、それに適合する最適角度とすることとした。通常人間の下肢の脛に対し、足底面は、脛を鉛直とした場合、直角の位置より、上方には、約15度が、運動可能角度である。
また、直角の位置より下方には、約20度が運動可能角度であることを見出した。
従って、その合計運動可能角度は、約35度であり、それほど大きな角度ではないことに着目した。
従って、角度θ1の最小値は、前記合計運動可能角度の約1/3である10度とした。
これは、これ以下の角度とすると通常運転範囲が極めて狭くなり実際の車では速度の可変操作が難しくなることを発見した。
次に、日本で使用されている実用自動車の41車種について調査したデータでも、原点位置Aよりスロットル弁が全開になるまでの角度は、最小値は角度8度の車が1車種だけあり、更に41車種中10車種が10度であった。
上述の10度以下の車は、合計11車種で、これは調査した41車種の全体の26.8%を占め、10度を超え15度以下の車は、22車種であり全体の53.7%を占め、15度を超える車は8車種であり全体の19.5%であった。
そしてθ1の最大値は23度であった。
なお念のために記述すると、上記の自動車の機能を示す角度のデータである人間工学的なデータ及び実用自動車の解析データは、カタログや一般公知の文献、インターネット情報には、一切発表されていない。したがって具体的に効果のある角度は想起できるものでなく、机上の想像では、発見されない重要な要素である。
しかしこれほどまでに発達、成熟した自動車技術においては、極めて重要な機能的変化を示す情報であって、日本、世界の産業上の発達が望まれる分野における進歩的な開発の着眼点となりうるのである。
従来例はこうした探求がなく、弾性反発位置Bの角度が明記されてなかったり、全く自動車の実態に合ってない角度となっていたりする。
従って、前述の運動可能角度と実用車のデータより、顕著な効果のある角度として、角度θ1の最小値は10度とした。
また角度θ1の最大値は、前記合計運動可能角度35度より若干小さい30度とした。これは更にθ2とθ3を考慮し、操作範囲を約35度程度とすることにより操作性の優れた装置を提供するためである。
θ1が、余り大きすぎると通常運転領域が不必要に広くなり、応答性が悪くなり操作性が極端に悪くなって、足に力が入りにくくなってしまうため、本考案では、角度θ1の最大値は30度とした。これは、前記合計運動可能角度を考慮した極めて合理的な角度である。更に望ましい範囲は、10度〜25度である。
次に弾性反発位置Bより警告信号位置Cまでの角度θ2は、踏込み過ぎを警告信号により知らせる役割であり、したがって弾性反発位置Bに対し、マイナス3度〜+5度とすることにより弾性反発位置Bの旋回角度に踏込んだ事をすぐに音、光、振動等で知らせる効果がある。あまり早く警告信号を出すと、いたずらに通常運転領域を狭くしてしまいスロットル全開にしにくくなるためである。
また、θ2が、余り大きすぎると警告信号の発信が遅れ効果が減少する。従って、最大値は+5度までが最適でありこれ以上の範囲は効果が極端に減少する。
更に望ましくはマイナス2度〜+4度の範囲である。角度θ2をマイナスとしても認知手段の順番が変わるだけで作動上は問題とならない。
次に弾性反発位置Bよりエンジン停止位置Dまでの角度θ3は、弾性反発位置Bより強制的なエンジン停止までの角度である。したがって0度以下とすると弾性反発位置B以下で停止してしまうため、角度θ3の最小値は、弾性反発位置Bと同一とした。
また、θ3が、余り大きすぎると暴走の停止が遅れるため最大値は5度とした。さらに望ましくは1〜5度の範囲である。
また前述のごとく前記エンジン停止位置Dを、スロットル装置全開位置より若干低く設定する。具体的には同一〜マイナス3度以内の角度とし最大出力で暴走する前に余裕を持たせて早めにエンジンを停止させる。通常は、この設定が標準の設定となることが多い。
これは、フルスロットルに対して、最大出力に到ることなく余裕を持たせて早めにエンジンを停止させても良い。しかしマイナス3度以下に低くすると、余りにもエンジン出力を制限しすぎるため実用的でないのである。
またエンジン出力を重視して、スロットル装置全開位置を超える旋回角度に、前記エンジン停止位置Dを設定し、フルスロットルの出力を出した角度を超えた位置で、エンジン停止をさせても良い。この場合は、前記エンジン停止位置Dは、フルスロットル位置の旋回角度に対し、同一〜3度以下の範囲に設定する。
但し、この場合プラス3度を超えて設定すると、エンジン停止がいたずらに遅れ、本考案の自動車の暴走を防止するという機能が発揮できないためである。
なお、エンジン停止位置Dより、機械的限界位置Eまでの角度θ4は、余り小さすぎるとエンジン停止信号が出ずに機械的限界で止まってしまうため1〜5度の範囲とする。これは構造上の遊び角度であるため数値的重要性は厳密ではない。
図12はアクセル装置5の旋回角度θと旋回曲げモーメントMの関係を図示した説明図であり、原点位置Aから弾性反発位置Bまでの旋回角度θに対する旋回曲げモーメントMは、復帰手段6のモーメントバネ定数K1により比例的に変化する。
考案者は、通常の人間の足の踏込み荷重を人間工学的に測定し、それに適合する踏込み力を最適値とすることとした。
測定によると、踏込まずにただ足を置いただけでも、多くの実測値において、足の重量により自然に踏込み力が0.75〜0.85kg発生することが確認された。
次に、踏込み力の最大値は、体重近くまでなるがこれは、自動車の運転操作には重要な要素とはならずむしろ健康上の理由による最大値が問題になるのである。医学上では、自動車での踏込み力の繰返し動作では、約12〜15kgが最大値で、それ以上では、筋肉痛等の原因となりうることが分かった。
今仮にK1=2.0kg・cm/度とすると、旋回角度が15度の場合は、K1=2×15=30kg・cmとなるのである。
足の掛かる旋回半径を仮に16cmとすると、踏込み力F=30/16=1.88kgとなるのである。
K1の最小値は本考案では、K1=1.0kg・cm/度とした。
その場合の踏込み力F=1×15/16=0.94kgとなるのである。
従って、この値以下では、実際運転において軽すぎて、元に戻すためには、足の荷重を0にするまで足を上げたり、また復帰手段6が摩擦力に負け、戻らなくなる危険性がある。またあまりにも軽く弾性反発位置Bまで行ってしまうため、通常運転範囲までの力の変化があまりにも小さく敏感すぎて運転が不安定になるためである。
摩擦力に負け戻らなくなる危険性があり、また他の自動車とのバランスが取れず暴走気味となってしまうのである。
K1の最大値は本考案では、K1=6.0kg・cm/度とした。
これは、踏込み力F=90/16=5.6kgとなる。
この値以上では、通常運転時の踏込み力が大きくなりすぎ、硬くて操作性が極端に悪くなることと、また他の自動車に乗換えた場合踏込み力のレベルが合わず操作の互換性が悪くなるためである。
次に、日本で使用されている実用自動車41車種について調査したデータでも、例えば通常運転範囲の角度θ1を15度とすると、その踏込み力Fの実測データの最小値は、3.0kgであった。これをK1に換算すると3.2kg・cm/度であった。
また、踏込み力Fの実測データの最大値は、4.2kgであった。これをK1に換算すると4.5kg・cm/度であった。
従って、これらのデータよりも、本考案のK1=1.0〜6.0kg・cm/度が最適範囲であることを証明できた。
それに対し弾性反発位置Bを超えたときの弾性反発手段20による旋回曲げモーメントMは、弾性反発手段20のモーメントバネ定数K2による反発力が付加され、踏込み力が急激に大きくなり、運転者は感覚的に異常状態になったことを確実に、感知できる。
今仮にK1を4.5kg・cm/度、θ1を15度、θ2を3度とすると、K1による18度での踏込み力は、4.5×18/16=5.1kgであり、K2を30kg・cm/度とすると、30×3/16=5.6kgとなり、その合計踏込み力は5.1+5.6=10.7kg、約2倍以上の踏込み力を体感するため異常状態にきたことを容易に感知することができる。
K2の最小値は本考案では、K2=6.0kg・cm/度とした。
この値以下では、実際運転においては差が感じられず正確に、異常状態を感知することが困難となるからである。これは、踏込み力で言うと、K1による踏込み力を前述の5.1kgとするとK2による踏込み力6×3/16=1.13kgとなり、合計踏込み力は、5.1+1.13=6.23kgであり、5.1kgに対し、僅かに増加しただけであるため効果がないためである。
K2の最大値は本考案では、K2=60.0kg・cm/度とした。
これは、踏込み力で言うと、K1による踏込み力を前述の5.1kgとするとK2による踏込み力60×3/16=11.25kgとなり、合計踏込み力は、5.1+11.25=16.35kgであり、非常に大きな荷重変化で、感知はしやすいものの、だんだん硬くて旋回の操作がしにくくなるためであり、硬くて操作性が悪くなり運転者の足の負担を掛けさせ健康上これ以上は、好ましくないためである。
望ましくはK2=10〜60kg・cm/度である。
このように踏込み力の大きな変化が運転者に、誤操作を感知させる効果を発揮し、それに着目することで極めて簡単に、しかも確実に、また、安価な構造と取付、改造が容易な装置で、異常運転状態を運転者に感知させ、誤操作を防止することができることを、考案者は数多くの実験と実走行テストを繰返し最適なモーメントバネ定数を発見することができたのである。
なお前述と同様に、念のために記述すると、上記の自動車の機能を示す踏込み力のデータである人間工学的なデータ及び実用自動車の解析データは、カタログや一般公知の文献、インターネット情報には、一切発表されていない。したがって具体的に効果のある踏込み力は想起できるものでなく、机上の想像では、発見されない重要な要素である。
しかしこれほどまでに発達、成熟した自動車技術においては、極めて重要な機能的変化を示す情報であって、日本、世界の産業上の発達が望まれる分野における進歩的な開発の着眼点となりうるのである。
従って、従来例では、これらの探求がなく、モーメントバネ定数K2または踏込み力も記入されてなかったり、もしくは全く自動車の実態にあってない異常に小さい値、または足を痛めるくらいの大きな値となっており、それは自動車の実態とかけ離れた観念論であり、産業上の発展に繋がらない。
本考案は、前述のごとく自動車の実際の操作に数値的な最適値を求め、現実に画期的な、自動車の走行制御装置及び方法を提供するものであって、その技術分野における通常の知識を有する位の一般的常識では、想起できない具体性のある考案なのである。
仮に、K2とK1の変化率Rで表現すると、K2/K1の変化率R=K2/K1で表現され、最小値ではR=6/6=1.0となり、最大値では、R=60/1.0=60となり、このモーメントバネ定数の変化率Rで考案の範囲を限定することもできるのである。
図13は弾性反発手段20の一つの実施例を示すもので、アクセル装置5の一部と接触するヘッド部21は例えばゴム、硬質ゴム、スポンジ、空気圧力具、合成樹脂、油圧圧力具等の材料で構成された変形部22に固着され、該変形部22の下部は取付板23がボルト等の固定手段24により着脱自在に床2等に固定されている。
但し、取外しができれば、溶接、リベット留め等の完全固定でも良い。
図14は弾性反発手段20の別の実施例を示すもので、アクセル装置5の一部と接触するヘッド部21は例えばコイルバネ、皿バネ等の機械部品である変形部22で構成された実施例を示すものである。
図15は本考案の制御方法を示したブロック図である。
エンジンの停止状態である始動位置ではアクセル装置5は原点位置にありイグニッションスィッチ11で電源オン及びエンジンが始動し始め、第1の工程である通常運転領域となる。
ブレーキと間違えて更に踏込んだ場合は、第2の工程となり、弾性反発手段20にアクセル装置5が当ると反発力が急激に大きくなり、感知することにより運転者が踏込み力を減少すると、通常運転領域若しくは原点位置に戻ることができ、暴走を防止することができる。
更に踏込むと第3の工程である警告スィッチ7が作動すると警告装置8が警報を発するため、運転者は異常を感知し、通常運転領域若しくは原点位置に戻すことができ、暴走を防止することができる。
更に踏込むと第4の工程であるエンジン停止スィッチ9が作動するとエンジン制御コンピュータ14、点火装置16、燃料インジェクタ17、または燃料ポンプ19への電源が切断されるか、若しくは、電圧または電流のいずれかまたは両方がそれらの維持電圧若しくは維持電流未満に低減され、エンジンは停止し、暴走を防止することができる。
更に踏込むとアクセル装置は機械的停止限界となり踏込み限界となる。
以上のべた構成により、本考案は、前述した多くの利点を有する画期的な装置を実現することができた。
図16から図19は、本考案実施例2を示すもので、図16は本考案の実施例2、3をあわせて設置した全体概略構成図を示すものである。
実施例2は主としてアクセルワイヤ仕様以外のアクセル−スロットル装置連動式の自動車に適したものである。
実施例1に対し特に変更、追加された部分のみを詳説すると、アクセルワイヤ5cの代りにアクセル位置発信器51と、スロットル装置15aには、受信モータ52が設けられ連結信号53を介して連結されている。
図17は図16中のA−A断面図を示している。支点軸4の一方の端部には、アクセル位置発信器51が固定具51aを介して支持ブラケット3に固定され、アクセルの旋回位置を、連結信号53によりスロットル装置15aの受信モータ52に伝達している。
図18は図16中のB−B断面図を示している。スロットル装置15aの開閉軸15bの一方の端部には、受信モータ52が設けられ、その受信モータ52の反対側には、リミットスィッチ54が伝達軸55を介して設けられている。
該リミットスィッチ54内には、各種の接点が設けられているが、そのうちの減速接点54aが作動すると、スロットル装置15aの内部に設けられたアイドリングスイッチ56が作動し、スロットル装置15aの弁をアイドリング状態である開度0位置に動作させる。
それと共に前記リミットスィッチ54内の減速接点54aが作動すると、ブレーキ装置60の油圧回路61に設けられた流量制御弁62を伝達信号63により開き、ブレーキ装置60を作動させ車両を停止状態とする。この工程を車両停止工程とする。
油圧回路61はブレーキペダル64より逆止弁65を介して蓄圧装置66に連結されており更に蓄圧装置66は、油圧回路61に設けられた流量制御弁62を介してブレーキ装置60に連結されている。このように構成することで、蓄圧装置66内の油は流量制御弁62が開くことでブレーキ67に送られ車両を停止状態とすることができる。
前記流量制御弁62は、その開閉速度を調節できるので車両は急激に止まるのではなく無理のない適度な停止を実行することができる。
このように構成することにより、実施例1に対し、エンジン停止をすることなく車両停止を行うことができるので、更に有効な機能を発揮するものである。
最近の自動車においては、車種によりエンジン停止が起きると、パワーステアリングやブレーキ装置の油圧系が、停止することによりブレーキが重くなる機構を有しているものも多くなってきている。その場合は、エンジン停止より、アイドリング状態からブレーキ作動状態となり、車両停止を行った方が好ましい場合が多くある。
また、アクセル−スロットル連動式の自動車においては、実施例1、実施例2で、アクセル装置に設けられた警告スイッチ7及びエンジン停止スイッチ9の変わりに前記リミットスィッチ54内に警告接点、エンジン停止接点を設けてもよい。
また、実施例2、実施例3においては、図16に示すようにエンジン15のミッション装置70の一端には、速度計71が旋回軸72を介して設けられており、伝達信号73が、回路切断リレー74に伝達可能に連結されている。
速度計71の回転数が所定の走行速度に達すると、アクセル装置の旋回角度が弾性反発位置B以下または以上に係わりなく、伝達信号73は、回路切断リレー74を作動し警告停止系を不使用とすることができるよう構成されている。所定の走行速度は、通常、10Km/時以上に設定される。更に望ましくは10〜30Km/時以上に設定される。
これは本考案の安全性を更に高めるもので、現実の事故統計によると、アクセルとブレーキの踏み間違い事故は、その90%が通常10Km/時未満の発信直後に発生している。
このことによりアクセルとブレーキの踏み間違い事故は殆んどこの低速時に警告停止系を使用することで十分とも言える。一方では高速時での走行時に、自動車が緊急停止すると、急停止の衝撃が起きたり、追突事故の発生も考えられなくはない。
従って本実施例は、実施例1に対し更に実際的な適用範囲の縮減を図ることにより更なる利点を付加したものである。
図19は、本考案実施例2の制御方法を示したブロック図である。
エンジンの停止状態である始動位置では車両は停止しておりアクセル装置5は、原点位置にありイグニッションスイッチ11で電源オン及びエンジンが始動し始めたら第1の工程である通常運転領域となる。
第1−Aの工程では、所定の基準速度例えば10Km/時以上になると回路切断リレー74を作動し警告停止系を不使用とし、車両は警告停止作動のない一般走行の状態となる。
所定の基準速度10Km/時未満の場合は通常運転領域が継続される。
ブレーキと間違えて更に踏込んだ場合は、第2の工程となり、弾性反発手段20にアクセル装置5が当ると反発力が急激に大きくなり、感知することにより運転者が踏込み力を減少すると通常運転領域もしくは原点位置に戻すことができ、暴走を防止することができる。
更に踏込むと第3の工程である警告スイッチ7が作動すると警告装置8が警報を発するため運転者は異常を感知し、通常運転領域または原点位置に戻ることができる。
更に踏込むと第4−Aの工程である車両減速工程となり、リミットスィッチ54内の減速接点54aが作動するとアイドリング指令が発信されアクセル開度は原点位置となる。それと共にブレーキ指令が発信され油圧回路の流量制御弁62を開き、ブレーキ67が作動し、車両停止となり事故を防止することができる。更に踏込むとアクセル装置5は機械的停止限界となり、踏込み限界となる。
本実施例は請求項5に記載するもので、アクセル装置の旋回角度が弾性反発位置B以下の所定の作動旋回角度において、例えば、リミットスィッチ54の認識接点54bの信号により作動するよう構成さえている。
図16に示すように車両には、ボイスアナンシエータ装置80、または耳に好ましい音楽等のアクセル認識発生装置81が設けられており、リミットスィッチ54の認識接点54bが増加方向に作動したときは、それより音声信号を発生することにより、運転者にアクセルを踏んでいることを認知させることにより発信時等の超低速領域でも踏み間違い事故を防止するのである。
認識接点54bが、車両の減速方向の作動した時は作動しないように設定する。
所定の前記作動旋回角度は、3度〜10度未満に設定する。3度未満では、足をアクセルに置いた初期状態であるため、スピードも全く出ていない領域であるため、何度もの警報発生は耳にうるさく不必要だからである。
また10度未満とすることは、弾性反発位置B近くのスピードとなるため繰返しの警報は耳にうるさいためである。
またリミットスィッチ54によらずアクセル装置近傍等に設けた位置検出スイッチ(図示せず)を用いても良い。
ボイスアナンシエータ装置80の音声は、例えば「アクセルです」と女性、男性の心地よい声で知らせることが良い。またその信号は耳に心地よい音楽等を用いるもので、認識接点54bの位置に増加方向の作動時は何度でも発生するようにしても良く、減少方向の作動時は、作動しないように設定する。
この実施例3は極めて重要な効果を発揮するもので、アクセルの踏み間違い事故の90%以上は、駐車場等での低速領域で発生していることに着目したものである。
人間はそれまでの歩行状態から自動車に乗込んだ発信時に間違いを犯すことが多く、特に別のことに気を取られていたときや、ミスを犯して気が動転したときに起こすことが多いことが知られている。
また駐車場でバックするときに、体を右方向に向けて発信したときに、無意識に足がブレーキからアクセルに移動していることに気づかず発信し、動転して更に踏込むこともある。
特に運転に自信のない高齢者や女性の事故が多発している。従ってアクセルの踏み間違いは極めて人間のメンタル要素が高いのであって、低速領域で、音声で何度も知らせることが極めて重要なのである。何度も鳴ることはうるさいことであるが、それによって「うるさい」と感じれば間違いに気づくのである。
また、うるさく感じたときは、認識したのであるから、回路選択スイッチ12で解除したり、別途に設けた解除スイッチ等で音声信号を解除してもよい。
人間が間違いを認識することにより事故を防止することは、運転操作の原点であり、人間の心理的側面まで踏込んだ考案は従来になくこの実施例3は、実用的、画期的な踏み間違い防止装置を提供するものである。
[変形実施例]
この考案は次のように変形して実施することを含むものである。
(1)警告信号位置Cを省略し、弾性反発位置Bより旋回角度が増大すると、次の工程、位置を、エンジン停止位置D、または車両減速位置Eとなるように構成することもできる。
(2)警告スイッチ7、エンジン停止スイッチに代えてその機能を、リミットスィッチ54内に設けてもよい。
(3)ストライカ手段5a、警告スィッチ7、およびエンジン停止スィッチ9を前記スロットル装置15aの部分に設けて別の形態で構成する。
(4)警告スィッチ7、エンジン停止スィッチ9を前記近接スィッチ等以外の有接点、または無接点スィッチ等にして構成する。
(5)弾性反発手段20を床2以外のいずれに固定しても良い。
(6)アクセル装置5は旋回動作でなく、スライド等の別の移動手段でも良い。
(7)アクセル装置5とスロットル装置15aとの連結をアクセルワイヤ5cで行うアクセルワイヤ仕様車でも、アクセルワイヤ仕様以外の前述のアクセル−スロットル装置連動式の自動車にも適用できる。
(8)速度計はミッション装置以外の車両速度を検出できるいずれの部位に設けてもよい。
(9)回路選択スィッチ12は設けなくても良い。
(10)本考案は、オートマティック仕様車のほか、ギヤチェンジ仕様車に、適用しても良い。
本考案の活用例としては、以上説明したように、自動車の走行制御装置、特にアクセルペダルをブレーキペダルと間違って踏込みすぎ、暴走をするのを防止するという安全上の重要機能を新車、既存車すべてに対しても簡単に、安価に適用できる極めて産業上の利用価値の高い自動車の走行制御装置を提供することができる。
本考案の全体概略構成図である。 本考案実施例の回路の結線図である。 本考案実施例の別の回路の結線図である。 本考案実施例の別の回路の結線図である。 アクセル装置の原点位置の状態図である。 アクセル装置の弾性反発位置の状態図である。 アクセル装置の警報位置の状態図である。 アクセル装置のエンジン停止位置の状態図である。 アクセル装置の機械的停止限界の状態図である。 本考案の警告スィッチ、エンジン停止スィッチの別の実施例を示す状態図である。 アクセル装置の旋回位置を重ねた説明図である。 アクセル装置の旋回角度と旋回曲げモーメントの関係を示す説明図である。 弾性反発手段の実施例の断面図である。 弾性反発手段の別の実施例の断面図である。 本考案の操作工程を示すブロック図である。 本考案の実施例2、3をあわせて設置した全体概略構成図である。 図16中のA−A断面図である。 図16中のB−B断面図である。 本考案の実施例2の操作工程を示すブロック図である。
符号の説明
1 車体
2 床
3 支持ブラケット
3a 固定手段
4 支点軸
5 アクセル装置
5a ストライカ手段
5b 押付部
5c アクセルワイヤ
5d 端部
6 復帰手段
7 警告スィッチ
8 警告装置
8a 音または振動の発生装置
8b 視覚指示装置
9 エンジン停止スィッチ
10 バッテリ
11 イグニッションスィッチ
12 回路選択スィッチ
13 警告停止回路系
14 エンジン制御コンピュータ
15 エンジン
15a スロットル装置
16 点火装置
17 燃料インジェクタ
18 燃料タンク
19 燃料ポンプ
20 弾性反発手段
21 ヘッド部
22 変形部
23 取付板
24 固定手段
27 ストライカ手段
28 警告スィッチ
29 エンジン停止スィッチ
30,31 視覚指示装置
32 抵抗体
51 アクセル位置発信器
51a、52a 固定具
52 受信モータ
53 連結信号
54 リミットスィッチ
54a 減速接点
54b 認識接点
55 伝達軸
56 アイドリングスイッチ
60 ブレーキ装置
61 油圧回路
62 流量制御弁
63、73 伝達信号
64 ブレーキペダル
65 逆止弁
66 蓄圧装置
67 ブレーキ
70 ミッション装置
71 速度計
72 旋回軸
74 回路切断リレー
80 ボイスアナンシエータ装置
81 アクセル認識発生装置

Claims (5)

  1. 自動車の運転席の床面前方に設置したアクセル装置には、踏込んでない原点位置Aへ常に復帰する復帰手段を有し、前記アクセル装置は自動車のエンジンと連動しており、原点位置Aから踏込んで、旋回角度が大きくなると、運転者の足に弾性反発手段により、弾性反発力を付加することにより、過度の踏込み位置に来たことを運転者の足に体感させることにより誤動作を認知させる第1の警告認知手段と、
    更に弾性反発位置B以上に旋回角度が大きくなると警告信号位置Cとなり、該警告信号位置Cで警告スイッチが感知することにより警告装置が作動し、運転者に音、光、振動のいずれか一つ若しくはそれらの組合せによる警告信号を運転者に認知させる第2の警告認知手段と、
    更に旋回角度が大きくなり、エンジン停止位置Dまで旋回角度が達すると、エンジン停止スイッチが感知した信号により、エンジン制御コンピュータ、点火装置、燃料インジェクタ、または燃料ポンプのいずれか一つ、若しくはそれらの組合せのいずれかの電源供給を切断、又はそれらへの電源電圧、電流のいずれか、又は両方を降下させることにより、エンジンを停止させる第3の警告認知停止手段を設けると共に、
    アクセル装置の旋回角度の踏込んでない原点位置Aを0度とし、弾性反発位置Bを10度以上〜30度以下とし、警告信号位置Cを弾性反発位置Bの−3度以上〜+5度以下とし、エンジン停止位置Dを弾性反発位置Bから加えて0度以上〜5度以下で、かつ弾性反発手段20のモーメントバネ定数K2を6.0kg・cm/度以上〜60.0kg・cm/度以下としたことを特徴とする自動車の走行制御装置。
  2. エンジン停止位置Dをスロットル装置全開位置の−3度以上から+3度以下の角度にすることを特徴とする請求項1記載の自動車の走行制御装置。
  3. 自動車の運転席の床面前方に設置したアクセル装置には、踏込んでいない原点位置Aへ常に復帰する復帰手段を有し、前記アクセル装置は自動車のエンジンと連動しており、原点位置Aから踏込んで、旋回角度が大きくなると、運転者の足に前記弾性反発手段により、弾性反発力を付加することにより、過度の踏込み位置に来たことを運転者の足に体感させることにより誤動作を認知させる第1の警告認知手段と、
    更に前記弾性反発位置B以上に旋回角度が大きくなると警告信号位置Cとなり、該警告信号位置Cで警告スイッチが感知することにより警告装置が作動し、運転者に音、光、振動のいずれか一つ若しくはそれらの組合せによる警告信号を運転者に認知させえる第2の警告認知手段と、
    更に旋回角度が大きくなり、車両減速位置Eまで旋回角度が達すると、リミットスイッチ等が感知した信号により、スロットル装置内等にあるアイドリング装置が作動しエンジンがアイドリング状態になると共に、前記リミットスイッチが感知した信号によりブレーキ装置の油圧回路に設けられた流量制御弁を開き、ブレーキを作動させ、車両停止状態とすると共に、
    アクセル装置の旋回角度の踏込んでない原点位置Aを0度とし、弾性反発位置Bを10度以上〜30度以下とし、警告信号位置Cを弾性反発位置Bの−3度以上〜+5度以下とし、車両減速位置Eを弾性反発位置Bから加えて0度以上〜5度以下とし、かつ弾性反発手段20のモーメントバネ定数K2を6.0kg・cm/度以上〜60.0kg・cm/度以下としたことを特徴とする自動車の走行制御装置。
  4. 車両減速位置Eをスロットル装置全開位置の−3度以上から+3度以下の角度にすることを特徴とする請求項3記載の自動車の走行制御装置。
  5. アクセル装置の旋回角度が弾性反発位置B以下の所定の作動旋回角度範囲において、リミットスイッチ等の認識接点の信号により、アクセルの踏込み状態であることを知らせるボイスアナンシエータ信号、又は音のアクセル認識信号を作動させるように構成すると共に、前記認識接点が、自動車の加速側に作動したときは、ボイスアナンシエータ信号、又は音のアクセル認識信号をその都度発生し、逆に前記認識接点が、自動車の減速側に作動したときは、ボイスアナンシエータ信号、又は音のアクセル認識信号を鳴らさないことにより無駄な信号を排除し運転者にアクセルによる加速中であることをその都度知らせ、ブレーキとの踏み間違いを認識させ、暴走を予防させることを特徴とする請求項1、2、3、又は請求項4記載の自動車の走行制御装置。
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JP2021130422A (ja) * 2020-02-20 2021-09-09 一郎 河野 加速制限及び停止支援装置、並びに加速制限解除装置

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