明細書
セメント系押出成形用組成物
発明の属する技術分野
本発明は、 特定のポリオキシアルキレン誘導体を含有するセメント系 押出成形用組成物および該押出成形物を硬化させてなるセメント製品に 関するものである。 .
背景技術
従来、 押出成形セメント製品用添加剤として、 メチルセルロース、 ヒ ドロキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体や、 ポリエチレンォ キシド、 ポリアクリルアミ ド、 ポリビニルアルコールなどの合成高分子 化合物などが知られている。 しかしながら、 これらのうちセルロース誘 導体は保水性に優れ、 押出時の脱水現象は抑えられるものの、 粘着性が 強すぎるため、 原料ミキサーに多大な負荷がかかり原料温度が上昇する ことで、 セルロース誘導体の熱ゲル化温度を超え、 セルロース誘導体の 性能を充分発現しきれない。 あるいはセルロース誘導体自身の滑り性、 離型性が十分とはいえず、 スクリュートルクを増大させたり、 成形品の 外観が低下する。 また、 保水性が強いことでダイス吐出後に離水した水 分を再吸水し、 幅方向、 厚み方向に膨れやすく、 表面の平滑な製品を製 造することが非常に困難であった。 一方、 ポリエチレンォキシドなどの 合成高分子化合物は滑り性に優れるものの、 保水性が十分ではなく、 こ のためセメント質の水混練物を押し出す場合、 ダイスにかかる押出圧力 により水が分離し、 その結果押出成形が不能となったり、 成形後クラッ クが発生し外観不良となるなどの問題点を有していた。
これらの問題を解決するため、 合成高分子をセルロース誘導体と併用 すること (例えば特開平 6— 1 0 0 3 4 7号公報、 特開平 8— 2 2 5 3 5 5号公報)、あるいは合成高分子としてポリウレタン系の樹脂を使用す
ること (例えば特開平 6— 1 9 1 9 1 4号公報、 特開平 7— 3 0 9 6 5 3号公報) が試みられている。 これらの添加剤を使うことにより、 保水 性、 滑り性および成形品の外観も向上している。 しかしながら、 近年、 押出成形セメント製品には、 高強度化が要求されており、 全体に占める 水の量を減らしてこれに対応しているが、 水の量を減らした場合、 これ らの添加剤を使用しても、 混練時の負荷が大きく作業性を低下させる、 混練後の材料粒径が大きいことによる成形不良、 および成形品に膨れが 生じるといった問題が指摘されていた。
特開平 7— 3 1 4 4 1 8号公報では、 セメント、 骨材、 押出助剤、 水 を配合して押出成形用組成物を製造している。 この組成物中には、 ポリ アルキレングリコール誘導体を、 組成物 1 0 0重量部に対して外割りで 0 . 0 5〜0 . 3重量%添加している。 発明の開示
しかし、 特開平 7— 3 1 4 4 1 8号公報記載の技術では、 いまだ混練 後の材料粒径が大きいことによる成形不良、 および成形品の膨れが必ず しも十分に改善されないことを見いだした。
本発明は、 押出成形用材料の混練時の負荷を低減し、 押出成形用材料 を混練後の材料粒径を小さくすることにより成形を容易にさせたセメン ト系押出成形用組成物、 および成形品に膨れが生じず寸法安定性に優れ たセメント製品を提供することを目的としてなされたものである。
すなわち本発明は、 水硬性物質、 骨材、 押出助剤および繊維からなる 配合物 1 0 0重量%に水を外割で 1 5〜4 5重量%、 および下記一般式 〔 1〕 で表されるポリオキシアルキレン誘導体であり、 かつ 1 %水溶液 曇点が 4 0 °C以上であるポリオキシアルキレン誘導体を外割で 0 . 0 1 〜 2 . 0重量%添加することを特徴とするセメント系押出成形用組成物
である
/ CO (A 10) a ( A 20 ) b R 1〕 i
Z 〔 1 〕
\ 〔〇 (A 1 〇) c (A 2〇) d R 2〕 m
(ただし、 Zは 2〜8個の水酸基含有化合物の残基、 I 1、 R2は水素原 子、 炭素数 1〜 1 8·の炭化水素基であり、 A 10は炭素数 2のォキシァ ルキレン基であり、 A 2〇は炭素数 3〜 8のォキシアルキレン基であり、 A 1〇、A20のォキシアルキレン基はランダム状でもブロック状でもよ く、 a+ b + c + dは 1〜3 0 0であり、 a+ c : b + d= 9 9 : l〜 2 : 8であり、 l +m= 2〜8である。)
好適な実施形態においては、 一般式 〔 1〕 で表されるポリオキシァ ルキレン誘導体において、 Zが 2個の水酸基含有化合物の残基であり、 R R 2の炭素数の和が 1〜 8であり、 A20が炭素数 3〜4のォキシ アルキレン基であり、 1 = 1、 m= lである。
また好適な実施形態においては、 前記配合物 1 0 0重量%に加える水 の量が外割で 1 5〜2 5重量%である。
また好適な実施形態においては、 水硬性物質、 骨材、 繊維および押出 助剤を最初に混合させ、 つづいて水の一部を添加し混合させ、 混練状態 になってから、 ポリオキシアルキレン誘導体および水の一部を添加して 混練することによって、 セメント系押出成形用組成物を得る。
また、 本発明は、 前記組成物の押出成形物を硬化させてなるセメント 製品である。 図面の簡単な説明
図 1は、 ミキサー電流値の例を示すチャートである。 発明を実施するための最良の形態
本発明のセメント系押出成形用組成物は一般式 〔 1〕 で表されるポリ ォキシアルキレン誘導体を必須成分とする。
式 〔 1〕 の Zで示される 2〜 8個の水酸基含有化合物は、 エチレング リコ一ル、 プロピレングリコ一ル、 ブチレングリコール、 へキシレング リコール、 スチレングリコール、 炭素数 8〜 1 8のアルキレングリコ一 ル、 ネオペンチルグリコール等のグリコール類、 グリセリン、 ジグリセ リン、 ポリグリセリン ( 3量体〜 6量体)、 ト リメチロ一ルエタン、 トリ メチロールプロパン、 1, 3 , 5 —ペンタントリオール、 エリスリ ト一 ル、 ペン夕エリスリ トール、 ジペン夕エリスリ トール、 ソルビトール、 ソルビタン、 ソルバイ ド、 ソルビトールとグリセリンの縮合物、 アド二 トール、 ァラビトール、 キシリ トール、 マンニトール等の多価アルコー ル類、 あるいはそれらの部分エーテル化物またはエステル化物、 キシロ —ス、 ァラビノース、 リボース、 ラムノース、 グリコ一ス、 フルク トー ス、 ガラク ト一ス、 マント一ス、 ソルボース、 セ Πビオース、 マルト - ス、 イソマルト一ス、 トレハロース、 シュ一クロ一ス、 ラフイノース、 ゲンチアノ—ス、 メレジト一ス等の糖類あるいはそれらの部分エーテル 化物またはエステル化物がある。 好ましくは炭素数 2〜4のグリコール 類および多価アルコール類であり、 より好ましくは炭素数 2〜 4でかつ 2個の水酸基含有化合物の残基である。
式〔 1〕 の R : R 2で示される炭素数 1〜 1 8の炭化水素基としては、 メチル基、 ェチル基、 プロピル基、 イソプロピル基、 プチル基、 イソブ チル基、 第二プチル基、 第三ブチル基、 ペンチル基、 イソペンチル基、 ネオペンチル基、 へキシル基、 ヘプチル基、 ォクチル基、 ノニル基、 デ
シル基、 ゥンデシル基、 ドデシル基、 イソ ト リデシル基、 テトラデシル 基、 へキサデシル基、 イソセチル基、 ォク夕デシル基、 ステアリル基、 イソステアリル基等の脂肪族飽和炭化水素基; ァリル基、 ォレイル基等 の脂肪族不飽和炭化水素基; シクロへキシル基、 メチ.ルシクロへキシル 基等の脂環式飽和炭化水素基; シクロペンテニル基、 シクロへキセニル 基等の脂環式不飽和炭化水素基; フエニル基、 ベンジル基、 クレジル基、 ブチルフエニル基、 ジプチルフエニル基、 ォクチルフエ二ル基、 ノニル フエニル基、 ドデシルフェニル基、 ジォクチルフエ二ル基、 ジノニルフ ェニル基、 ひーメチルペンジルフエニル基等の芳香族炭化水素基または 置換芳香族炭化水素基があり、 これらは 1種類または 2種類以上を混合 して用いてもよい。 好ましくは、 水素原子、 炭素数 1〜8の炭化水素基 であり、 より好ましくは R R 2の炭素数の和が 1〜8である。 R R 2で示される炭化水素基の炭素数が 1 8を超えると親水性が十分でな くなるので好ましくない。
式 〔 1〕 の A i〇で示される炭素数 2のォキシアルキレン基としては、 ォキシエチレン基がある。 また、 式 〔 1〕 の A 2 0で示される炭素数 3 〜 8のォキシアルキレン基としては、 ォキシプロピレン基、 ォキシト リ メチレン基、 1, 2—ォキシプチレン基、 1 , 3—ォキシプチレン基、 2 , 3—ォキシブチレン基、 ォキシテトラメチレン基、 ォキシスチレン 基等があるが、 とくに炭素数 3〜 4のォキシアルキレン基が好ましい。 A 1 0と A 2 0で示されるォキシアルキレン基のうち 2種類以上がプロ ック状またはランダム状のどのように結合していてもよい。
式 〔 1〕 の a、 cおよび b、 dはそれそれ A i C A 2 0で示されるォ キシアルキレン基の平均付加モル数であり、 a + b + c + dは 1〜 3 0 0である。 a + b + c + dが 3 0 0を超えると、 得られる化合物が高粘 度になるため製造が困難になるので好ましくない。 また、 a + c : b +
d = 9 9 : 1〜2 : 8であり、 好ましくは a + c : b + d = 9 9 : 1〜
3 : 7である。 a + c : b + dが 9 9 : 1より a + cが多いと本発明の 効果が得られず、 a + c : b + dが 2 : 8より a + (額が少ないと、 得ら れる化合物が水に溶解しにく くなるため好ましくない。 また、 l + m = 2〜8である。 また、 式 〔 1〕 で示されるポリオキシアルキレン誘導体 の重量平均分子量としては、 1 0 0〜5 0, 0 0 0が好ましく、 さらに 好ましくは、 5 0 0〜 2 0 , 0 0 0である。
本発明の必須成分である一般式 〔 1〕 で表されるポリオキシアルキレ ン誘導体の 1 %水溶液曇点は 4 0 °C以上である。 4 0 °C以上と規定され るのは、 1 %水溶液曇点の値が 4 0 °Cより低い場合、 ポリオキシアルキ レン誘導体が消泡剤として作用し、 あるいは水に溶解しなくなり、 本発 明の効果が得られないためである。
本発明のセメント系押出成形用組成物は水硬性物質を必須成分とする。 水硬性.物質としては、 普通、 早強、 中庸熟、 ビーライ ト等のポルトラン ドセメントや、 これらポルトランドセメントに、 高炉スラグ、 フライア ッシュ、 シリカフューム、 石灰石等の鉱物系粉体を配合した混合セメン ト、 アルミナセメント、 石膏等が挙げられる。
本発明のセメント系押出成形用組成物は骨材を必須成分とする。 骨材 としては、 川砂、 硅砂、 硅石粉末、 軽量骨材、 ワラス トナイ ト、 マイ力 類、 ポゾラン等が挙げられる。
本発明のセメント系押出成形用組成物は繊維を必須成分とする。 繊維 としては、' ガラス繊維、 炭素繊維等の無機繊維およびパルプ、 故紙、 ポ リアミ ド繊維、 ポリエステル繊維、 ポリプロピレン繊維、 ビニロン繊維 等の有機繊維などが挙げられる。
本発明のセメント系押出成形用組成物は押出助剤を必須成分とする。 押出助剤としては、 メチルセルロース、 ェチルセルロース、 ヒドロキシ
プロピルセル口一ス、 ヒ ドロキシェチルセルロース、 ヒ ドロキシェチル メチルセルロースおよびヒ ドロキシプロピルメチルセルロース等のセル ロース誘導体、 ポリエーテルウレタン樹脂、 ポリビニルアルコール、 ポ リエチレンォキシド、 ポリアクリルアミ ド等の水溶性高分子化合物など が挙げられる。 これらのうち好ましいものはセルロース誘導体とポリエ —テルウレタン樹脂であり、 特に好ましいものは、 メチルセルロース、 ヒ ドロキシプロピルセルロース、 ヒ ドロキシェチルメチルセルロースお よびヒ ドロキシプロピルメチルセルロースである。
押出助剤は水硬性物質、 骨材、 押出助剤および繊維からなる配合物 1 0 0重量%中に 0 . 0 1〜 2 . 0重量%添加することが好ましく、 0 . 0 5〜 0 . 2重量%添加することがより好ましい。
前記配合物 1 0 0重量%に対する前記ポリオキシアルキレン誘導体の 量は、 外割で 0 . 0 1〜 2 . 0重量%であり、 好ましくは 0 . 0 1〜 0 . 5重量%であり、 より好ましくは 0 . 0 5〜 0 . 2重量%である。 ポリ ォキシアルキレン誘導体の量がこの範囲より少ないと本発明の効果が得 られず、 この範囲より多いとメチルセルロース等の押出助剤の粘性が失 われ、押出し成形後の製品に引き割れが発生しやすくなり好ましくない。 前記配合物 1 0 0重量%に対する水の量は、 外割で 1 5〜4 5重量% である。 セメント系押出成形用組成物において前記ポリオキシアルキレ ン誘導体を使用した場合に、 水の量を外割で 4 5重量%以下に低減する と、 原料が顕著に小粒化し、 成形体の膨れ量が低減され、 成形体の曲げ 強度が向上することを見いだした。この観点からは、水の量が 4 3重量% 以下であることが好ましく、 4 0重量%以下であることがさらに好まし く、 3 0重量%以下、 さらには 2 5重量%以下であることが最も好まし い。 水の量が 1 5重量%より少ないと、 押出成形組成物の混練時の負荷 が大きくなつてしまうので好ましくない。
好適な実施形態においては、 水硬性物質、 骨材、 繊維および押出助剤 を最初に混合させ、 つづいて水の一部を添加し混合させ、 混練状態にな つてから、 ポリオキシアルキレン誘導体および水の残部を添加する。 水 硬性物質、 骨材、 繊維および押出助剤を最初に混合させ、 続いて水の一 部を添加し混合させ、 混練状態になつてから、 ポリオキシアルキレン誘 導体および水の残部を添加すると、 水硬性物質、 骨材、 繊維、 押出助剤 が均一に混合されたところに水が添加され、 材料が均一に混ざっている ところにポリオキシアルキレン誘導体が添加されることになる。 この結 果、 材料の粒径が均一になり、 混ざりやすぐなるため好ましい。 なお、 水の一部を添加し混合させたあとの 「混練状態」 とは、 水硬性物質、 骨 材、 繊維および押出助剤を乾式混合させた材料表面に水がほぼ行き渡る 状態を示す。 水硬性物質、 骨材、 繊維、 押出助剤、 水およびポリオキシ アルキレン誘導体を同時に添加すると材料、 特に繊維の分散不良が発生 しゃすくなり、 不均一に混合してしまう傾向がある。
この実施形態においては、 水硬性物質、 骨材、 繊維、 押出助剤と最初 に混合させる水の一部は、 使用する水のうちの 0 . 1〜 9 9 . 9重量% を使用するのが好ましく、 5 0〜 9 9 . 9重量%使用するのがより好ま しく、 さらに好ましくは 9 0〜 9 9 . 9重量%使用するのが好ましい。 またポリオキシアルキレン誘導体と共に後添加する水の一部は、 使用す る水のうちの 0 . 1〜 9 9 . 9重量%を使用するのが好ましく、 0 . 1 〜 5 0重量%使用するのがより好ましく、 さらに好ましくは 0 . 1〜 1 0重量%使用するのが好ましい。 実施例
以下に、 実施例を挙げて本発明を説明する
(各製品の製造)
使用した配合組成 1、 2は表 1に示す通りである。具体的な材料名は、 水硬性原料として普通ポルトランドセメント (三菱マテリアル社製)、骨 材として珪石粉末 (ブレーン 3 8 0 0 ±40 0 c m2/g、 藤坂砕石工 業社製)および川砂(粗粒率 1. 2、 茨城県鹿島産) または軽量骨材 (平 均粒径 0. 6ιηπι以下、 宇部パーライ ト社製)、 パルプとして新聞残紙粉 砕パルプ( 1 5メッシュ全通、 王子製紙社製)、 メチルセルロースとして ヒドロキシェチルメチルセルロース (SNB— 6 0 T、 信越化学社製) である。 表
各配合 1 0 0重量%に対して、 表 2、 表 3、 表 4に示す各ポリオキシ アルキレン誘導体及び水を、 表 2〜 4に示す割合で外割添加したものを 材料とする。
ポリオキシアルキレン誘導体及び水を除いた上記材料を、 アイリッヒ ミキサーにより 2分間均一に混合後、 必要な水量の 9 0重量%を外割で 添加して 5分間均一に混合する。 その後、 連続してポリオキシアルキレ ン誘導体及び残りの水 (必要水量の 1 0重量%) を外割で添加して 2分 間混合し、 セメント組成物を得る。 各組成物を、 厚さ 6 0mm, 幅 6 0 0mmのダイスを取り付けた押出成形機により押出成形し、 6 0°Cx 8
時間の条件で湿潤養生を行い、 その後 1 0kg/ c m2 X 6時間の条件で オートクレーブ養生を行った後、 長さ 3 0 0 0mmに切断したものを製 とした。
各製品について、 アイリツヒミキサー混合時の電流値、 混合後の材料 粒径、 押出し速度、 押出成型時のダイス吐出時の幅膨れ量、 押出成型時 の表面状態、 製品の直線性、 曲げ強度及びかさ比重を測定した。 測定結 果を表 2〜表 4に示す。
(材料小粒化の評価基準)
「◎」 粒径最大値 < 2 0 mm:
「〇」 材料粒径の大部分は 5 0 mm以下だが、 一部 5 0 mm以上もあ る :
厂△」 材料粒径 5 0 mm以上、 1 0 0 mm以下程度:
「X」 粒径最大値 > 1 0 0mm
(外観の評価基準)
厚みの誤差 = 1 tとした場合、
「©」 t < 0. 5 MI : 「〇」 0. 5 mm≤ l t < 1 mm:
「△」 1 mm≤ l t <2 mm: ' 「X」 l t > 2 mm
(直線性の評価基準)
直線性の誤差 = 1 Lとした場合、
「◎」 L< l nini : 「〇」 1 mm≤ l L< 2 mm:
「Δ」 2 mm≤ l L<3 mm: 「X」 l L > 3 mm
表 2
実施例 比較例
1 2 3 4 5 6 7 8 1 , ポリオ ニシアルキレン誘導 ポリオキ 、/寸キヽヽ /プロピレン ポリ(ォキシェチレン,プロピレン) なし 体の種類 モノブチルエーテル A グリコール B
( 1 %水溶液曇点 : 50°C) (1%水溶液曇点: Ί 5°C)
(A^, A20は a= 8 b = 8. 5 c = 8 a= 105 b = =35
ランダム状結合である) d = 8. 5 c= 105 d= 35
A2ニイゾプロピリレ基 A2 =ィソプロピル基、
1 =プチル基 水素原子
R2=水素原子 R2=水素原子
Z :ェチ -レングリコールの残基 Z=エチレング 1 コールの残基
ポリオキシアルキレン 0.05 0.1 0.5 0.05 0.1 0.5 ― 誘導体の添加量
(重量%)
水 (重 刖添カロ 18 20 18 19 19 18 18 19 20 量%) 後添加 2 2 2 2 2 2 2
原料の小粒化 〇 ◎ ◎ ◎ ◎ 〇 ◎ ◎ X 押出し速度 (m/分) 5. 5 6 6 6 6 6 6 6 5 幅膨れ量 (mm) +2 +2 +0.5 +0.5 +0.5 +2 +0.5 +0.5 +6 成形後の外観 〇 〇 ◎ ◎ ◎ 〇 ◎ ◎ 〇 直線性 〇 〇 ◎ ◎ ◎ 〇 ◎ ◎ △ 曲げ強度 20.5 20.7 21.3 21.2 21.5 20.2 20.8 21.0 20.8
(N/mm2)
かさ比重 1.83 1.83 1.82 1.81 1.84 1.83 1.83 1.83 1.83
表 3 配合 2
実施例 比較例
9 10 11 12 13 14 15 2 ポリオキシアルキレン
誘導体の種類 ( 1 %水溶液曇点: 5 0 °C)
ポリォキシアルキレン誘導体 0.2 0.5 1 0.5 の添加量 (重量%)
水 前添カロ 36 40 36 38 39 40 36 45 重量%
後添加 . 4 4 4 4 5 4 5 原料の小粒化 △ ◎ ◎ ◎ ◎ 〇 ◎ △ 押出し速度 (m/ 分) 4.5 6 6 6 6 6 6 5 幅膨れ量 (mm) 2.5 4 2.5 2.5 3 4 2.5 6 成形後の外観 Δ 〇 ◎ ◎ ◎ 〇 ◎ △ 直線性 〇 〇 ◎ ◎ . ◎ ◎ ◎ △ 曲げ強度 (N/mm 2 ) 14.5 15.1 15.7 15.1 14.2 13.8 15.1 13.1 かさ比重 1.13 1.15 1.14 1.13 1.11 1.10 1.14 1.08
表 4
表 2、 表 3、 表 4からわかるように、 本発明のポリオキシアルキレン 誘導体を所定量添加し、 さらに水の量を外割りで 4 5重量%以下とする ことによって、 原料の小粒化が図られ、 押出し機へのスムーズな原料供 給が可能になった。 この結果、 押出し速度が向上し、 かつ押出し機スク リュ一及びダイスへの圧力増大が低減され、 ダイス吐出時の膨れ量及び 製品直線性が向上する事が分かった。 さらに、 上記性能を満足させるた めに必要な適切な量のポリォキシアルキレン誘導体を添加する事による 曲げ強度の低下は見られなかった。
'例えば、 表 2に示すように、 特定ポリオキシアルキレン誘導体の添加 によって、 原料が小粒化し、 幅膨れ量が低下し、 成形体の直線性が向上 している。 また、 実施例 2、 3、 4を比較すると、 水を 2回に分けて添
加することによって、 幅膨れ量は小さくなり、 成形体の直線性が向上し ている。 .
例えば、 表 3、 表 4に示すように、 特定ポリオキシアルキレン誘導体 の添加によって、 原料が小粒化し、 幅膨れ量が低下し、 成形体の直線性 が向上している。 また、 実施例 1 0〜 1 4を比較すると、 水を 2回に分 けて添加することによって、 幅膨れ量は小さくなり、 成形体の直線性が 向上している。 実施例 1 0〜 1 4と比較例 2とを対比すると、 水の添加 量を 4 5重量%以下とすることによって、 原料が小粒化し、 成形後の外 観、 直線性が向上する。 実施例 1 6、 1 7、 1 8と比較例 3とを比較す ると、 特定ポリアルキレン誘導体の添加によって、 原料が小粒化し、 幅 膨れ量が小さくなり、 成形後の外観、 直線性が向上している。 さらに、 実施例 1〜 8と実施例 9〜 1 8とを比較すると、 水の添加量を低くする ことによって、 原料がいっそう小粒化し、 幅膨れ量が小さくなり、 成形 体の曲げ強度が向上している。
図 1に実施例 4のミキサー電流値を示す。 粉体原料に水を加えると、 保水したセルロース誘導体が粘性を増すことで原料の増粒がはじ.まり、 繊維は原料中に均一に分散し練り込まれる。 この時、 セルロース誘導体 の量が多いほど、 加える水の量が多いほど、 原料粒子径は大きくなる。 そのため、 図 1に示すように、 繊維が充分練り込まれる程度の水を予め 加え混合することで (A ) 、 ミキサー電流値の上昇及び、 振幅幅の減少 を図り、 その後設計水量の残りの水をポリオキシアルキレン誘導体と同 時に加えることで (B ) 、 繊維が均一に練り込まれた粒子径の小さい原 料を得ることが出来る。
以上述べたように、 本発明によれば、 押出し成形用材料の混練時の負 荷を低減し、 押出成形用材料の混練後の材料粒径を小さくでき、 成形品 の膨れを低減できる。