明細 発明の名称
仕訳データ作成装置
技術分野
本発明は、 会計分野における取引の原始記録としての仕訳データを作成する、 仕訳データ作成装置および仕訳データ作成方法および仕訳デ一夕作成プログラム 、 並びに仕訳デ一夕作成プログラムが記憶された仕訳デ一夕作成プログラム記憶 媒体に関する。 背景技術
近年、 周辺技術の著しい進歩に対応できる多数の会計ソフトが開発され普及し てきているが、 この会計ソフトの中心的な機能は仕訳データを作成する機能であ る。
仕訳データの作成に当っては、 主に仕訳画面から各取引についての、 日付、 借 方、 貸方の勘定科目 ·補助科目 ·部門 ·金額 ·課税区分などの要素の入力と、 「 何を」 、 「どこから (へ) 」 、 「その他」 といった取引の内容を説明する摘要語 句の入力や、 その構成編集作業などを行うが (以下、 上述した仕訳の要素を 1つ 1つ入力する基本的な入力手段を 「通常入力」 と呼ぶことがある。 ) 、 従来の会 計ソフトには、 仕訳データ作成の作業工程を簡素化するために工夫された様々な 機能が組み込まれている。
この機能を大きく分類すると、 勘定科目などの特定の仕訳要素を固定して入力 作業を行う 「高速入力」 と、 摘要語句とこれに付随する勘定科目などを予め 「仕 訳パターン」 として登録しておき、 これを選択入力するものとがある。
また、 「高速入力」 には、 カーソル移動と共に直前の仕訳要素が出力され、 必 要に応じてその修正入力を行うものや、 元帳や補助簿 (補助元帳) の選択によつ て当該勘定科目 ·補助科目などを固定し、 これらの帳簿に仕訳データを直接入力
する 「帳簿入力」 や、 「借方 (貸方) 勘定科目」 といった 「仕訳要素」 の名称を 付した仕訳画面に替えて、 「売上」 、 「仕入」 といった 「取引区分」 などの名称 を付した業務別の入力画面から入力作業を行い、 業務の選択によって勘定科目や 補助科目などの仕訳要素をその業務に関連する少数に限定し、 その選択入力を容 易にする 「仕訳レス入力」 などもある。
また、 「仕訳パターン」 のほかにも、 勘定科目などの 「区分要素」 や、 「固定 摘要」 を予め登録し、 これらを選択入力するものや、 勘定科目の選択や、 勘定科 目や摘要語句の一部または全部などを入力して、 「固定摘要」 や 「仕訳パターン 」 を選択し、 または選択範囲を限定しその選択入力を容易にする 「連想入力」 や 、 「仕訳パターン」 の階層的選択入力や、 「仕訳パターン」 の一括した選択入力 などがあり、 さらに細部にわたり様々な工夫がこらされている。
しかしながら、 「通常入力」 に替えて上述したような機能を有する入力手段を 選択した場合でも、 これらの手段がその効果を発揮するための制約条件を満たす (一部の) 取引などに対しては、 その効果を発揮できるが、 通常、 取引量、 取引 のパターン (定型的 ·非定型的取引) 、 取引の種類 (口座振替、 定期支払など) 、 仕訳の種類 (単一 ·複合仕訳) 、 補助簿の組織 (部門別や本支店勘定による内 部管理) など、 処理の対象となる取引に与えられた条件と制約条件との間に乖離 が生じてくると、 その目的とする効果を十分に、 または殆ど、 または全く発揮で きなくなる。 これらについてそのすベてを説明するのは、 その条件が多次元-多 岐にわたるため極めて困難である。
ここでは、 上述した入力手段の有する主な機能を例示しながら、 従来の技術に 含まれる本質的な問題点を抽出して述べることとする。
まず、 「高速入力」 、 「帳簿入力」 、 「仕訳レス入力」 に関しては、 「通常入 力」 と比較して、 当該勘定科目など一部の区分要素は固定され、 「仕訳レス入力 」 に関しては、 業務の種類の選択によって仕訳要素の選択範囲は限定され、 その 選択入力は容易になるが、 いずれの入力手段を選択した場合でも、 毎月など定型 的に発生する取引においても、 1つ 1つの取引について、 固定されない区分要素 の (選択) 入力や、 摘要語句の (選択) 入力と摘要の構成編集作業などの反復作 業を繰り返さなければならない。 また、 これらの入力手段を選択した場合には、
通常、 仕訳パターンの選択入力ができないため、 財務諸表作成の基となる 「仕訳 データ作成」 自体を目的とすることとなり、 後述する、 登録した 「その他の要素 」 から必要な要素を取得して、 仕訳データを他の業務で利用する場合などには、 適切な手段ではないといった問題点がある。
また、 「固定摘要」 の選択入力に関しても、 後述するが、 1 「何を」 を表す摘 要語句についても無数に存在し、 摘要語句の登録を多数にすれば、 その選択入力 が困難となる。 また、 1つ 1つの取引について、 2 「どこから (へ) 」 や、 必要 に応じて、 3 「その他」 を表す摘要語句を (直接) 入力するなどして、 摘要を構 成編集しければならない。
さらに、 「仕訳パターン」 の選択入力に関しても、 例えば、 摘要の構成要素に 、 1 「〇月分」 、 2 「◎◎料」 (勘定科目の判定) 、 3 「△△番号」 (部門の判 定) 、 4 「相手先名」 を含む取引において、 固定摘要の選択入力や文字列の直接 入力による補足を考慮に入れても、 1〜4の構成要素の組み合わせの数を考える とき、 取引種類や取引量や部門数の増加に複合仕訳などが加わると、 その仕訳パ ターンの登録や選択入力が極めて困難となり、 または、 事実上不可能となる。 こ のため、 「連想入力」 や、 「仕訳パターン」 の階層的選択入力など、 その登録や 選択入力の手段について、 様々な研究、 改良が加えられてきた。 しかしながら、 従来の技術では、 現金取引のように非定型的に発生する取引においては、 実務上 、 発生頻度が高く、 例えば、 「何を」 と 「どこから (へ) 」 の組合せが固定して いるような取引以外では、 「通常入力」 が併用されており (その理由は後述する ) 、 毎月など定型的に発生する取引においても、 1つ 1つの取引について、 仕訳 パターンの選択入力や、 不十分な区分要素の (選択) 入力や、 摘要語句の補足や 修正入力と構成編集作業などの反復作業を繰り返さなければならないといつた問 題点がある。
また、 仕訳パターンの一括した選択入力に関しても、 摘要に含まれる変動要素 の修正入力や、 毎月の仕訳パターンの組み合わせの変更に対する新たな仕訳の作 成や、 相手先別の金額の集計などを手作業で行わなければならないなどといった 問題点がある。
また、 課税区分や資金繰区分などの個別の取引の区分を、 マスタで勘定科目や
補助科目によって管理するため、 取引の区分を確定できず、 個別の取引ごとのチ エックと、 その修正入力を必要とする場合があるといった問題点がある。
また、 摘要の入力作業や構成編集作業が煩雑なために、 その品質が低下しがち であるといった問題点もある。 発明の開示
本発明は、 上記問題点を解決し、 適切な内容の摘要を含む仕訳データを容易に 作成することができる仕訳データ作成装置および仕訳データ作成方法および仕訳 データ作成プログラム、 並びに仕訳データ作成プログラム記憶媒体を提供するこ とを目的とする。 ' なお、 本明細書では、 仕訳データ作成の対象となる取引を 2つのパターンに分 類し、 第 1パターンの取引は、 例えば電気料や電話料などの口座振替といったよ うに、 原則的に特定の取引対象について特定の取引相手と所定の日に行われる取 引であるため、 「仕訳パターン」 の自動選択入力が可能な取引であり、 「定型的 取引」 と称する。 第 2パターンの取引は、 不特定の取引対象について不特定の取 引相手と不特定の日に行われる取引であるため、 「仕訳パターン」 の人手による 選択入力が必要な取引であり、 「非定型的取引」 と称する。
また、 本明細書では、 仕訳データの作成に用いられる要素を 3種類に分類し、 第 1種類の要素は、 仕訳の作成に当たって固定している要素であり、 「固定要素 」 と称する。 第 2種類の要素は、 仕訳の作成に当たりその発生が不規則である売 上金額や、 「当月」 を表す数値などのように、 人手などを介してコンピュータへ の入力が不可避な要素であり、 「独立変動要素」 と称する。 第 3種類の要素は、 仕訳の作成に当たり 「固定要素」 や 「独立変動要素」 に基づいて自動作成され得 る要素であり、 「従属変動要素」 と称する。
また、 本明細書では、 図 7に示すような 「摘要雛形」 に予め用意されている取 引に関するデータのことを 「候補データ」 と称し、 発生した取引に関するデ一夕 のことを 「実データ」 と称する。
次に、 上記目的を達成する本発明の手段について述べる。
本発明の請求項 1記載の仕訳データ作成装置は、
仕訳番号、 区分要素、 補助要素、 摘要要素、 および結合摘要要素とからなる第
1仕訳記憶部と、
摘要番号、 摘要要素、 補助要素、 および区分要素とからなる第 1摘要雛形記憶 部と、
副摘要番号、 および仕訳要素とからなる第 1副摘要雛形記憶部と、
第 1摘要雛形記憶部の補助要素に入力されたデータに基づいて、 第 1摘要雛形 記憶部の摘要要素を編集する手段と、 区分要素を設定する手段と、
データ入手部に入力されたデータに基づいて、 第 1摘要雛形記憶部の摘要要素 を編集する手段と、 区分要素を設定する手段と、
第 1摘要雛形記憶部の候補データのうちから実デ一夕を抽出し、 第 1仕訳記憶 部に転送する手段と、
第 1仕訳記憶部に転送された実デ一夕の摘要要素を構成して、 結合摘要要素を 編集する手段とを備えたことを特徴とする。
上述した手段には、 摘要要素の自動編集機能と、 区分要素の自動設定機能と、 発生取引の自動抽出転送機能と、 結合摘要要素の自動構成編集機能が含まれてい る。
これらの機能によって、 後述する処理事例 1に示す、 電気 ·水道料、 電話料、 新聞購読料、 社会保険料、 源泉税*巿県民税の口座振替などといった定型的に発 生する取引において、 必要最少限度の独立変動要素の振替日や各取引の金額など を入力すると、 摘要要素が自動編集され、 区分要素が自動設定され、 「摘要雛形 」 の 「候補データ」 のうちから当月発生した 「実デ一夕」 が自動抽出転送され、 摘要要素が自動構成され、 形の整った適切な内容の摘要が編集されて、 仕訳デー 夕が人手を介さず一括して自動的に作成される。 後述する処理事例 2に示す、 未 払費用の計上のような取引でも同様に処理される。
さらに、 摘要要素の自動編集機能には、 検索機能や、 計算機能や、 数値を文字 列に変換する機能や、 入力されたデータに予め定義された文字列を結合して書式 を設定する機能などが含まれており、 区分要素の自動設定機能には、 検索機能や 階層的な計算機能などが含まれており、 広範囲の取引での利用が期待できる。 また、 本発明の請求項 2記載の仕訳データ作成装置は、
取引デ一タ受取部が取引データを受け取り、 取引データを摘要番号の指定する 第 1摘要雛形記憶部の仕訳要素に転送する手段を備えたことを特徴とする。 上述した手段には、 仕訳パターンの自動選択機能と、 独立変動要素の自動入力 機能が含まれている。
これらの機能が加わることによって、 後述する処理事例 3に示すように、 売上 計上、 売掛金回収、 仕入計上、 給与の支払、 決算などといった、 年間取引のうち の多数を占める定型的に大量に発生する取引において、 適用業務部で、 必要最少 限度の独立変動要素のデータを入力し適用データを作成すると、 その適用データ のうちから仕訳作成に必要な取引データが取り込まれ、 摘要番号の指定する 「摘 要雛形」 が自動選択され、 列対応の定義に基づいて取引データが該当する 「仕訳 要素」 に自動入力され、 以下、 上述したのと同様にして仕訳データが人手を全く 介さず一括して自動的に作成される。
また、 本発明の請求項 3記載の仕訳データ作成装置は、
第 1仕訳記憶部の仕訳要素のうちから識別データと金額データとを抽出し、 同 一識別データの金額を集計し摘要番号を付して仕訳加工部に転送する手段と、 仕訳加工部に転送された集計デ一タを、 摘要番号の指定する第 1摘要雛形記憶 部の区分要素に転送する手段とを備えたことを特徴とする。
上述した手段には、 識別データ別の金額の集計機能と、 指定データの自動設定 機能と、 仕訳パターンの自動選択機能と、 独立変動要素の自動入力機能が含まれ ている。
これらの機能が加わることによって、 毎月などの仕訳パターンの組合せの変更 に自動的に対応し、 識別データ別の金額を人手を介さず自動的に集計することも 可能となり、 未払費用や買掛金の定期支払といった取引において、 後述する処理 事例 2に示すように、 取引の計上のための各取引の金額や、 一部の取引の摘要語 句など必要最少限度の独立変動要素の借方データを入力すると、 借方 ·貸方の仕 訳データが自動的に作成され、 後述する処理事例 4に示すように、 適用業務部に おいて定期支払の銀行振込依頼書が、 支払日や控除金額などごく僅かの人手によ る入力を除き自動的に作成され、 定期支払の借方 ·貸方の仕訳データも人手を全 く介さず一括して自動的に作成される。
また、 本発明の請求項 4記載の仕訳データ作成装置は、
仕訳番号、 区分要素、 補助要素、 編集後摘要要素、 および結合摘要要素とから なる第 2仕訳記憶部と、
摘要番号、 摘要要素、 および区分要素とからなる第 2摘要雛形記憶部と、 副摘要番号、 および摘要要素とからなる第 2副摘要雛形記憶部と、
第 2仕訳記憶部の補助要素に入力された、 摘要番号の指定する編集前摘要要素 と区分要素とを取得し、 副摘要番号の指定する編集前摘要要素を取得し、 取得し た編集前摘要要素と補助要素に入力されたデータとに基づいて、 編集後摘要要素 を編集する手段と、
編集後摘要要素を構成して、 結合摘要要素を編集する手段とを備えたことを特 徵とする。
上述した手段には、 複数の指定デ一夕の同時選択入力機能と、 編集後摘要要素 の自動編集機能と、 結合摘要要素の自動構成編集機能が含まれている。
現金取引のような非定型的取引では、 「仕訳パターン」 の自動選択入力が不可 能なため、 「摘要雛形」 と 「副摘要雛形」 の複数の指定データを選択入力し、 「 何を」 、 「どこから (へ) 」 といった複数の摘要語句の選択と共に固定された区 分要素を設定し、 仕訳の基本的なパターンを整え、 補足の摘要語句や、 領収書の 取引日付や処理件数などを簡単な数値で入力すると、 数値が文字列に変換され、 予め定められた定義に基づいた書式で摘要要素が編集され、 さらに摘要要素が自 動構成されて形の整った適切な摘要が編集される。
また、 本発明の請求項 5記載の仕訳データ作成装置は、
仕訳データ作成部に入力されたデータに基づいて、 仕訳の摘要を分割した摘要 要素を予め定義されたアルゴリズムに従って編集する手段と、
摘要要素を構成して、 結合摘要要素を編集する手段とを備えたことを特徴とす る。
上述した摘要の構成編集手段は、 請求項 1 , 4に示す基本型のほか、 第 1仕訳 処理部で行う結合摘要要素の構成編集を、 第 1摘要雛形処理部で行うことや、 摘 要作成の基となるデータを、 適用業務部などを含む仕訳デ一夕作成部で入力する ことや、 2段階の編集手段を適用業務部で実施し、 編集された摘要を取引データ
受取部で受け取るなど多様な実施の形態が考えられる。
また、 この摘要の構成編集作業の自動化により、 年間のすべての取引において 「摘要雛形」 の選択入力が可能となり、 定型的取引では、 反復作業の自動化と、 仕訳デー夕の一括した自動作成が可能となる。
以上述べたように、 本発明の仕訳デ一夕作成装置では、 年間のすべての取引に おいて、 仕訳データ作成の作業工程のうち最も煩雑な摘要の構成編集作業が自動 化され、 取引の大半を占める定型的取引では、 毎月など定期的に繰り返される 「 仕訳パターン」 の選択入力などの反復作業のすべてが自動化され、 必要最少限度 の独立変動要素のデータを入力または取引データ受取部などで受け取ると、 仕訳 データが人手を介さず一括して自動的に作成される。
また、 仕訳データの作成に当たって、 すべての取引において 「摘要雛形」 を選 択できるため、 「その他の要素」 を予め登録することで、 課税区分のような区分 要素を取引ごとに管理することが可能となり、 さらに、 仕訳データを他の業務で 利用することも可能となる。
また、 本発明の請求項 6記載の仕訳データ作成方法は、
仕訳番号、 区分要素、 補助要素、 摘要要素、 および結合摘要要素とからなる第 1仕訳記憶部と、
摘要番号、 摘要要素、 補助要素、 および区分要素とからなる第 1摘要雛形記憶 部と、
副摘要番号、 および仕訳要素とからなる第 1副摘要雛形記憶部とを備えたこと を特徴とする仕訳データ作成装置において、
第 1摘要雛形記憶部の補助要素に入力されたデータに基づいて、 第 1摘要雛形 記憶部の摘要要素を編集するステップと、 区分要素を設定するステップと、 データ入手部に入力されたデータに基づいて、 第 1摘要雛形記憶部の摘要要素 を編集するステップと、 区分要素を設定するステップと、
第 1摘要雛形記憶部の候補データのうちから実デ一夕を抽出し、 第 1仕訳記憶 部に転送するステップと、
第 1仕訳記憶部に転送された実データの摘要要素を構成して、 結合摘要要素を 編集するステップとを含むことを特徴とする。
また、 本発明の請求項 7記載の仕訳データ作成方法は、
取引データ受取部が取引データを受け取り、 取引デ一夕を摘要番号の指定する 第 1摘要雛形記憶部の仕訳要素に転送するステツプを含むことを特徴とする。 また、 本発明の請求項 8記載の仕訳データ作成方法は、
第 1仕訳記憶部の仕訳要素のうちから識別データと金額データとを抽出し、 同 一識別データの金額を集計し摘要番号を付して仕訳加工部に転送するステップと 仕訳加工部に転送された集計データを、 摘要番号の指定する第 1摘要雛形記憶 部の区分要素に転送するステップとを含むことを特徴とする。
また、 本発明の請求項 9記載の仕訳データ作成方法は、
仕訳番号、 区分要素、 補助要素、 編集後摘要要素、 および結合摘要要素とから なる第 2仕訳記憶部と、
摘要番号、 摘要要素、 および区分要素とからなる第 2摘要雛形記憶部と、 副摘要番号、 および摘要要素とからなる第 2副摘要雛形記憶部とを備えたこと を特徴とする仕訳データ作成装置において、
第 2仕訳記憶部の補助要素に入力された、 摘要番号の指定する編集前摘要要素 と区分要素とを取得し、 副摘要番号の指定する編集前摘要要素を取得し、 取得し た編集前摘要要素と補助要素に入力されたデータとに基づいて、 編集後摘要要素 を編集するステップと、
編集後摘要要素を構成して、 結合摘要要素を編集するステップとを含むことを 徴とする。
また、 本発明の請求項 1 0記載の仕訳データ作成方法は、
仕訳データを作成する仕訳データ作成装置において、
仕訳データ作成部に入力されたデータに基づいて、 仕訳の摘要を分割した摘要 要素を予め定義されたアルゴリズムに従って編集するステップと、
摘要要素を構成して、 結合摘要要素を編集するステップとを含むことを特徴と する。
また、 本発明の請求項 1 1記載の仕訳データ作成プログラムは、
仕訳番号、 区分要素、 補助要素、 摘要要素、 および結合摘要要素とからなる第
1仕訳記憶部と、
摘要番号、 摘要要素、 補助要素、 および区分要素とからなる第 1摘要雛形記憶 部と、
副摘要番号、 および仕訳要素とからなる第 1副摘要雛形記憶部とを備えたこと を特徴とする仕訳データ作成装置において、
第 1摘要雛形記憶部の補助要素に入力されたデータに基づいて、 第 1摘要雛形 記憶部の摘要要素を編集する手段と、 区分要素を設定する手段と、
データ入手部に入力されたデータに基づいて、 第 1摘要雛形記憶部の摘要要素 を編集する手段と、 区分要素を設定する手段と、
第 1摘要雛形記憶部の候補データのうちから実データを抽出し、 第 1仕訳記憶 部に転送する手段と、
第 1仕訳記憶部に転送された実データの摘要要素を構成して、 結合摘要要素を 編集する手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
また、 本発明の請求項 1 2記載の仕訳データ作成プログラムは、
取引デ一夕受取部が取引データを受け取り、 取引データを摘要番号の指定する 第 1摘要雛形記憶部の仕訳要素に転送する手段としてコンピュータを機能させる ことを特徴とする。
また、 本発明の請求項 1 3記載の仕訳データ作成プログラムは、
第 1仕訳記憶部の仕訳要素のうちから識別データと金額データとを抽出し、 同 一識別データの金額を集計し摘要番号を付して仕訳加工部に転送する手段と、 仕訳加工部に転送された集計データを、 摘要番号の指定する第 1摘要雛形記憶 部の区分要素に転送する手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする また、 本発明の請求項 1 4記載の仕訳データ作成プログラムは、
仕訳番号、 区分要素、 補助要素、 編集後摘要要素、 および結合摘要要素とから なる第 2仕訳記憶部と、
摘要番号、 摘要要素、 および区分要素とからなる第 2摘要雛形記憶部と、 副摘要番号、 および摘要要素とからなる第 2副摘要雛形記憶部とを備えたこと を特徴とする仕訳データ作成装置において、
第 2仕訳記憶部の補助要素に入力された、 摘要番号の指定する編集前摘要要素 と区分要素とを取得し、 副摘要番号の指定する編集前摘要要素を取得し、 取得し た編集前摘要要素と補助要素に入力されたデータとに基づいて、 編集後摘要要素 を編集する手段と、
編集後摘要要素を構成して、 結合摘要要素を編集する手段としてコンピュータ を機能させることを特徴とする。
また、 本発明の請求項 1 5記載の仕訳データ作成プログラムは、
仕訳データを作成する仕訳データ作成装置において、
仕訳データ作成部に入力されたデータに基づいて、 仕訳の摘要を分割した摘要 要素を予め定義されたアルゴリズムに従って編集する手段と、
摘要要素を構成して、 結合摘要要素を編集する手段としてコンピュータを機能 させることを特徴とする。
また、 本発明の請求項 1 6記載の仕訳データ作成プログラムを記憶したコンビ ユー夕読み取り可能な記憶媒体は、
仕訳番号、 区分要素、 補助要素、 摘要要素、 および結合摘要要素とからなる第 1仕訳記憶部と、
摘要番号、 摘要要素、 補助要素、 および区分要素とからなる第 1摘要雛形記憶 部と、
副摘要番号、 および仕訳要素とからなる第 1副摘要雛形記憶部とを備えたこと を特徴とする仕訳データ作成装置において、
第 1摘要雛形記憶部の補助要素に入力されたデータに基づいて、 第 1摘要雛形 記憶部の摘要要素を編集する手段と、 区分要素を設定する手段と、
データ入手部に入力されたデータに基づいて、 第 1摘要雛形記憶部の摘要要素 を編集する手段と、 区分要素を設定する手段と、
第 1摘要雛形記憶部の候補データのうちから実データを抽出し、 第 1仕訳記憶 部に転送する手段と、
第 1仕訳記憶部に転送された実データの摘要要素を構成して、 結合摘要要素を 編集する手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
また、 本発明の請求項 1 7記載の仕訳データ作成プログラムを記憶したコンビ
ユー夕読み取り可能な記憶媒体は、
取引データ受取部が取引データを受け取り、 取引データを摘要番号の指定する 第 1摘要雛形記憶部の仕訳要素に転送する手段としてコンピュータを機能させる ことを特徴とする。
また、 本発明の請求項 1 8記載の仕訳データ作成プログラムを記憶したコンビ ュ一タ読み取り可能な記憶媒体は、
第 1仕訳記憶部の仕訳要素のうちから識別データと金額データとを抽出し、 同 一識別データの金額を集計し摘要番号を付して仕訳加工部に転送する手段と、 仕訳加工部に転送された集計データを、 摘要番号の指定する第 1摘要雛形記憶 部の区分要素に転送する手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする また、 本発明の請求項 1 9記載の仕訳データ作成プログラムを記憶したコンビ ュ一タ読み取り可能な記憶媒体は、
仕訳番号、 区分要素、 補助要素、 編集後摘要要素、 および結合摘要要素とから なる第 2仕訳記憶部と、
摘要番号、 摘要要素、 および区分要素とからなる第 2摘要雛形記憶部と、 副摘要番号、 および摘要要素とからなる第 2副摘要雛形記憶部とを備えたこと を特徴とする仕訳データ作成装置において、
第 2仕訳記憶部の補助要素に入力された、 摘要番号の指定する編集前摘要要素 と区分要素とを取得し、 副摘要番号の指定する編集前摘要要素を取得し、 取得し た編集前摘要要素と補助要素に入力されたデータとに基づいて、 編集後摘要要素 を編集する手段と、
編集後摘要要素を構成して、 結合摘要要素を編集する手段としてコンピュータ を機能させることを特徴とする。
また、 本発明の請求項 2 0記載の仕訳データ作成プログラムを記憶したコンビ ユー夕読み取り可能な記憶媒体は、
仕訳データを作成する仕訳データ作成装置において、
仕訳データ作成部に入力されたデータに基づいて、 仕訳の摘要を分割した摘要 要素を予め定義されたアルゴリズムに従って編集する手段と、
摘要要素を構成して、 結合摘要要素を編集する手段としてコンピュータを機能 させることを特徴とする。
図面の簡単な説明
図 1は、 本発明の仕訳デー夕作成装置として動作するコンピュータシステムを 示す外観図である。
図 2は、 図 1に示す外観を有するコンピュータシステムのハードウェア構成図 である。
図 3は、 表計算ソフトによって液晶ディスプレイ上に表示される表示画面を示 す図である。
図 4は、 表計算ソフトの機能ブロックを示す図である。
図 5は、 取引や操作援助を選択するメニューの構造図である。
図 6は、 定型的取引に用いられる第 1仕訳記憶部の 「仕訳作成」 を行う列範囲 の一例を示す図である。
図 7は、 定型的取引に用いられる第 1摘要雛形記憶部の 「摘要雛形」 の列範囲 の一例を示す図である。
図 8は、 定型的取引に用いられる第 1副摘要雛形記憶部の 「副摘要雛形」 の列 範囲の一例を示す図である。
図 9は、 非定型的取引に用いられる第 2仕訳記憶部の 「仕訳作成」 を行う列範 囲の一例を示す図である。
図 1 0は、 非定型的取引に用いられる第 2摘要雛形記憶部の 「摘要雛形」 の列 範囲の一例を示す図である。
図 1 1は、 非定型的取引に用いられる第 2副摘要雛形記憶部の 「副摘要雛形」 の列範囲の一例を示す図である。
図 1 2は、 定型的取引についての機能構成を示す機能ブロック図である。 図 1 3は、 非定型的取引についての機能構成を示す機能ブロック図である。 図 1 4は、 原則として毎月発生する口座振替の処理事例を示す図である。 図 1 5は、 当月の 「環境設定」 の一例を示す図である。
図 1 6は、 「摘要要素 1」 の従属変動要素の自動更新を説明する図である。 図 1 7は、 振替日入力操作を説明する図である。
図 1 8は、 第 1摘要雛形記憶部 7 2一 1の 「摘要雛形」 から、 第 1仕訳記憶部 7 1—1の仕訳作成用の列範囲に転送された要素を示す図である。
図 1 9は、 摘要要素の自動構成編集を説明する図である。
図 2 0は、 仕訳データが転用されて作成される伝票を示す図である。
図 2 1は、 原則として毎月発生する未払費用計上の処理事例を示す図である。 図 2 2は、 「未払費用」 の取引でデータ入手部 7 4が入手した当月の 「環境設 定」 の内容を示す図である。
図 2 3は、 補助要素入力操作を説明する図である。
図 2 4は、 「未払費用」 計上の処理のために用意された第 1副摘要雛形記憶部
7 3の 「副摘要雛形」 の一例を示す図である。
図 2 5は、 「未払費用」 計上の取引で作成された第 1仕訳記憶部 7 1— 1の仕 訳デ—夕を示す図である。 図 2 6は、 要素の集計処理を示す図である。
図 2 7は、 第 1摘要雛形記憶部 7 2_ 1の 「摘要雛形」 の列範囲に転送された 要素を示す図である。
図 2 8は、 第 1仕訳記憶部 7 1一 1の仕訳作成用の列範囲に転送された貸方デ 一夕の要素を示す図である。
図 2 9は、 借方データと貸方データの会計処理への転用例を示す図である。 図 3 0は、 給与支払の処理事例を示す図である。
図 3 1は、 給与支払の処理で取引データ受取部 7 6が受け取った取引データを 示す図である。
図 3 2は、 転送元と転送先との例対応の定義を示す図である。
図 3 3は、 給料の処理で作成された仕訳データを示す図である。
図 3 4は、 給料の処理で作成された仕訳データの会計処理への転用例を示す図 である。
図 3 5は、 総合振込依頼書を作成する適用業務で入手される取引デ一夕を示す 図である。
図 3 6は、 支払一覧表を示す図である。
図 3 7は、 総合振込依頼書を示す図である。
図 3 8は、 定期支払の処理で取引データ受取部 7 6が受け取った取引データを 示す図である。
図 3 9は、 「定期支払 1」 の処理用に用意された第 1摘要雛形記憶部 7 2—1 の 「摘要雛形」 を示す図である。
図 4 0は、 第 2摘要雛形記憶部 8 2の 「摘要雛形」 の一例を示す図である。 図 4 1は、 第 2副摘要雛形記憶部 8 3の 「副摘要雛形」 の一例を示す図である 図 4 2は、 第 2仕訳記憶部 8 1—1の仕訳作成用の列範囲の一例を示す図であ る。
図 4 3は、 文字列の追加と編集を説明する図である。
図 4 4は、 非定形的取引の処理で作成された仕訳データの会計処理への転用例 を示す図である。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明の実施形態について説明する。
図 1は、 本発明の仕訳デー夕作成装置として動作するコンピュータシステムを 示す外観図である。
このコンピュータシステム 1 0は、 いわゆるノート型のパーソナルコンピュー 夕であり、 C P U、 RAMメモリ、 ハードディスク、 モデムなどを内蔵した本体 部 1 1を備えている。 本体部 1 1の上面には、 本体部 1 1からの指示により液晶 面 1 2 aに画面表示を行う液晶ディスプレイ 1 2が開閉自在に取り付けられてい る。 また、 この本体部 1 1の上面には、 コンピュータシステム 1 0にオペレータ の指示や文字情報を入力するためのキーボード 1 3や、 液晶面 1 2 a上の任意の 位置を指定することによりその位置に表示されていたアイコンなどに応じた指示 を入力する卜ラックポール 1 4が設けられている。 本体部 1 1は、 さらに、 外観 上、 C D R OM 2 0が装填される C D R OM装填口 1 1 aを有しており、 その内 部には、 装填された C D R OM 2 0をドライブする C D R OMドライブ 1 1 5
(図 2参照) も内蔵されている。
また、 このコンピュータシステム 10は、 フレキシブルディスク (FD) 22 が装填されフレキシブルディスク 22をドライブする F Dドライブ 15を備えて いる。
図 2は、 図 1に示す外観を有するコンピュータシステムのハードウェア構成図 である。
ここには、 中央演算処理装置 (CPU) 11— 1、 RAMI 1— 2、 ハ一ドデ イスクコントローラ 11— 3、 FDドライブ 15、 CDROMドライブ 11—5 、 トラックポ一ルコント口一ラ 11— 6、 キーボードコントローラ 11— 7、 デ イスプレイコントローラ 1 1— 8、 およびプリン夕コントローラ 11—9が示さ れており、 それらはバス 1 1—10で相互に接続されている。
FDドライブ 15、 CDROMドライブ 11—5は、 図 1を参照して説明した ように、 フレキシブルディスク 22、 CDROM20が装填され、 装填されたフ レキシブルディスク 22、 CDROM 20にアクセスするものである。
プリンタコントローラ 11__9は、 CPU11—1からの指示に従ってプリン 夕 30に印刷などを行わせるものである。
また、 ここには、 ハードディスクコントローラ 11—3によりアクセスされる ハードディスク 21、 トラックポールコントローラ 11—6により制御されるト ラックポール 14、 キーボードコントローラ 11—7により制御されるキーポー ド 13、 およびディスプレイコントローラ 11—8により制御される液晶ディス プレイ 12も示されている。
ここでは、 CDROM20に、 本発明にいう仕訳データ作成プログラムの一例 が記憶されており、 この CDROM20は CDROM装填口 11 aから本体部 1 1内に装填され、 CDROMドライブ 11— 5によりその CDROM20に記憶 された仕訳データ作成プログラムが読み込まれる。 CDROMドライブ 11__5 によって読み込まれた仕訳データ作成プログラムは、 バス 11—10を経由し、 ハードディスクコントローラ 11—3によってハードディスク 21内にインスト —ルされる。 この Λ—ドディスク 21内にィンストールされた仕訳データ作成プ ログラムが起動されると、 その仕訳データ作成プログラムは RAMI 1 2上に
ロードされ、 C P U 1 1— 1により実行される。 C P U 1 1— 1によって仕訳デ 一夕作成プログラムが実行されると、 このコンピュータシステム 1 0は、 本発明 の仕訳デー夕作成装置の一実施形態として動作して仕訳デー夕の作成を行う。 本発明にいう仕訳データ作成プログラムの一例が記憶された C D R〇M 2 0は 、 本発明の仕訳データ作成プログラム記憶媒体の一実施形態に相当する。
また、 その仕訳デ一夕作成プログラムがィンストールされた状態のハードディ スク 2 1も、 本発明の仕訳データ作成プログラム記憶媒体の一実施形態に相当す る。
さらに、 その仕訳デ一夕作成プログラムがフレキシブルディスク 2 2などにダ ゥンロードされるときは、 そのダウン口一ドされた仕訳デ一夕作成プログラムを 記憶した状態にあるフレキシブルディスク 2 2なども、 本発明の仕訳データ作成 プログラム記憶媒体の一実施形態に相当する。
本発明にいう仕訳データ作成プログラムの後述する一例は、 以下説明するいわ ゆる表計算ソフトの機能を利用するものである。
図 3は、 表計算ソフトによって液晶ディスプレイ上に表示される表示画面を示 す図であり、 図 4は、 表計算ソフトの機能ブロックを示す図である。 以下、 図 3 と図 4とをあわせて説明する。
表計算ソフトは、 上述したコンピュータシステムの液晶ディスプレイ 1 2上に 、 上下左右に整列した多数のセル 4 1を有する表 4 0を表示する。 液晶ディスプ レイ 1 2上には、 表 4 0が有する多数のセルの一部が表示されており、 表 4 0に 設けられたスクロ一ルバ一 4 2、 4 3によって表示部分を移動させることができ る。
図 3の左右方向へのセル 4 1の並びは一般に 「行 (R o w) 」 と称され、 図 3 の上下方向へのセル 4 1の並びは一般に 「列 (C o 1 u mn ) 」 と称される。 以 下の説明でもこの称呼を用いる。 また、 ここでは、 各行、 各列に連番の行番号、 列番号が付与されており、 行番号と列番号との組によって 1つのセルが特定され る。 このようにセルを特定する行番号と列番号との組のことを以下では 「セルの 番地」 と称する。
表計算ソフト 5 0では、 各セル 4 1に対応した記憶領域 5 1が用意され、 その
記憶領域 5 1には、 式 5 2と値 5 3が記憶される。 各セル 4 1に対応して設けら れている記憶領域 5 1に記憶されている式 5 2や値 5 3のことを以下では単に 「 セルの式」 や 「セルの値」 と称する。 セルの値 5 3としては数値や文字列が記憶 され、 セルの式 5 2としては、 単なる数値であることも許容された算術式や、 単 なる文字列であることも許容された文字列操作式が記憶される。 また、 式 5 2で は、 他のセルの値が参照される場合もある。 さらに、 表計算ソフト 5 0には、 論 理関数や検索関数などが用意されており、 これらの関数が用いられて式 5 2が構 成される場合もある。 各セルの値 5 3は、 各セルの式 5 2に従って演算部 5 4で 演算されて求められる。
各セルの値 5 3は、 表示部 5 5によって表 4 0の各セル 4 1に表示される。 ま た、 表 4 0の上方には式表示欄 4 4が設けられており、 マウスやカーソルキーの 操作によって 1つのセル 4 1が選択されるとそのセル 4 1の式が表示される。 選択されたセル 4 1上や式表示欄 4 4上では式の入力を行うことができ、 入力 された式は入力部 5 6によって受け付けられて記憶領域 5 1に記憶される。 新た な式 5 2が入力されて記憶領域 5 1に記憶されると演算部 5 4は値 5 3を更新す る。 このとき、 新たな式 5 2が入力されたセルの値のみならず、 そのセルの値を 参照した他のセルの値なども更新される。
また、 表計算ソフト 5 0には、 予め作成された処理手順を表す記述 (マクロ) に従って、 セルの値 5 3の検索、 抽出、 演算、 編集やセルの式 5 2の入力などを 実行するマクロ部 5 7も備えられている。
このような表計算ソフトの機能が用いられて構成された本実施形態の仕訳デ一 夕作成装置には、 仕訳データ作成装置として不可欠な機能を実現するマクロや仕 訳データの作成に便利な基本機能を実現するマクロが用意されている。 これらの マクロの集合は、 本発明にいう仕訳データ作成プログラムの一例に相当し、 本実 施形態では、 表計算ソフトの本体部分とともに C D R OMに納められている。 本実施形態の仕訳データ作成装置では、 表計算ソフトの表の上で仕訳が作成さ れ、 仕訳や摘要の作成に用いられる数値や文字列がセルの値として表に記載され る。 仕訳や摘要の作成に用いられるセルの値のことを以下では要素と称する。 次に、 本実施形態のメニューについて説明する。
図 5は、 取引や操作援助を選択するメニューの構造図である。
メニュー構造の最上位には、 仕訳データ作成装置のメインメニュー 6 1が存在 し、 ここでは、 「定型的取引 1」 、 「定型的取引 2」 、 「非定型的取引」 、 「決 算取引」 といった取引の大まかな分類が選択される。
メインメニュー 6 1で取引の大まかな分類が選択されると、 次に、 取引選択メ ニューに移り、 取引の細分類が選択される。 メインメニュー 6 1で 「定型的取引 1」 、 「定型的取引 2」 、 「非定型的取引」 などが選択されたことを受けて、 そ れぞれ、 「定型的取引 1」 の取引選択メニュー 6 2、 「定型的取引 2」 の取引選 択メニュー 6 3、 「非定型的取引」 の取引選択メニュー 6 4などに移り、 「口座 振替 1」 や 「給料」 といった細分類が選択される。
さらに、 各取引の処理操作を援助するマクロなどを起動するための操作援助メ ニュー 6 5, …, 6 9が存在するが、 これらの操作援助メニュー 6 5, …, 6 9 については後で説明する。
次に、 定型的取引と非定型的取引とに分類されて、 仕訳作成に用いられる 6つ の記憶部の列構成や機能について説明する。
図 6は、 定型的取引に用いられる第 1仕訳記憶部の 「仕訳作成」 を行う列範囲 の一例を示す図である。 図 7は、 定型的取引に用いられる第 1摘要雛形記憶部の 「摘要雛形」 の列範囲の一例を示す図である。 図 8は、 定型的取引に用いられる 第 1副摘要雛形記憶部の 「副摘要雛形」 の列範囲の一例を示す図である。
これらの図には、 C n n (n nは整数) という形式で列番号が示されており、 図 6には、 「C 1 1」 番から 「C 4 2」 番までの列範囲が示されている。 また、 図 7には、 「C 5 1」 番から 「C 8 2」 番までの列範囲が示されており、 図 8に は、 「C 9 1」 番から 「C 9 6」 番までの列範囲が示されている。
図 6に示されている列の範囲では仕訳が作成され、 2行分の要素で 1仕訳が構 成される。 このため、 この図 6に示されている列のうちの特定の列には、 偶数行 と奇数行とで異なる種類の要素が対応している。
「C 1 1」 番には仕訳番号、
「C 1 2」 番には伝票日付、 「C 1 3」 番には借方科目、 「C 1 4」 番には借 方部門、 「C 1 5」 番には貸方科目、 「C 1 6」 番には貸方部門、 「C 3 7」 番
には金額、 「C 3 8」 番には取引が発生したか否かを表す発生標識、 「C 3 9」 番には借方課税区分、 「C 4 0」 番には貸方課税区分の各要素が格納される。 「 C 4 3」 番以降の列を省略して示しているが、 「C 3 8」 番から 「C 4 2」 番ま でには、 発生標識、 課税区分のほか、 資金繰区分、 借入金や手形の期日、 支払利 息の期間 ·利率など仕訳を他の業務で利用する際に用いられる要素を各取引ごと に自在に設定でき、 これらの要素を 「その他の要素」 と称する。 仕訳作成に通常 必須の 「C 1 2」 番から 「C 1 6」 番までと 「C 3 7」 番の区分項目と、 「その 他の要素」 とをあわせて 「区分要素」 と称する。
「C 1 7」 番から 「C 3 3」 番までには、 仕訳を作成する上で補助的な役割を 果す要素が格納されるが、 「C 1 7」 番から 「C 2 8」 番までは定型的取引では 通常ほとんど使用されないので図示していないが、 取引の種類によっては相手先 番号などを格納する場合もある。 ここでは、 結合摘要要素を構成編集するために 必要な要素、 「C 2 9」 番と 「C 3 0」 番には調整前バイト数、 「C 3 1」 番に は前後調整値、 「C 3 2」 番と 「C 3 3」 番には調整後バイト数が格納される。 これらの要素を 「補助要素」 と称する。
「C 3 4」 番と 「C 3 5」 番には、 分割された摘要が格納される。 これらの要 素を 「摘要要素」 と称する。
「C 3 6」 番の上段、 下段には、 「C 3 4」 番と 「C 3 5」 番のそれぞれ上段 、 下段の摘要要素が構成編集された要素が格納される。 これらの要素を 「結合摘 要要素」 と称する。
また、 「区分要素」 と、 「補助要素」 と、 「摘要要素」 と、 「結合摘要要素」 とをあわせて 「仕訳要素」 と総称する。
定型的取引のこの列範囲では、 「区分要素」 と 「摘要要素」 には、 後述する第 1摘要雛形記憶部から対応する要素が転送されて格納され、 転送された 「摘要要 素」 が自動構成編集されて 「結合摘要要素」 が格納される。
従来の技術との相違点は、 「仕訳要素」 に、 摘要の構成編集作業に必要な要素 などが格納される 「補助要素」 と、 仕訳を他の業務で利用するための 「その他の 要素」 とが新たに備えられ、 摘要についても、 分割された摘要が 「摘要要素」 に 、 構成編集後の摘要が 「結合摘要要素」 に格納されることなどである。
図 7に示されている列の範囲には、 仕訳を作成するための雛形が、 「候補デー 夕」 として一覧形式で仕訳の作成に先立って用意される。 1行分の要素が 1雛形 を構成し、 このような雛形を 「摘要雛形」 と称する。
「C 5 1」 番には摘要番号、
「C 5 2」 番から 「C 5 5」 番までには、 分割された摘要の雛形がセルの式と して配置され、 それらのセルの値が図 6に示す 「C 3 4」 番と 「C 3 5」 番に転 送される。 これらの要素を 「摘要要素」 と称する。
「C 5 6」 番から 「C 6 5」 番までには、 摘要要素の編集や区分要素の設定に 必要な、 固定要素や階層的にも用いられる従属変動要素の予めの登録や、 独立変 動要素の受け入れが行われる。 従属変動要素の更新に補助的に用いられるこれら の要素を 「補助要素」 と称する。
「C 6 6」 番から 「C 7 1」 番までには、 仕訳作成に通常必須の区分項目、 「 C 7 2」 番から 「C 8 2」 番までには、 図 6において説明した 「その他の要素」 が格納され、 これらの要素を 「区分要素」 と称する。
また、 「摘要要素」 と、 「補助要素」 と、 「区分要素」 とをあわせて 「仕訳要 素」 と総称する。
従来の技術との相違点は、 この 「摘要雛形」 に該当する従来の 「仕訳パターン 」 では、 「仕訳要素」 として、 原則的に 「何を」 に該当する摘要要素と、 「C 6 7」 番から 「C 7 0」 番までの区分項目とが備えられているが、 本発明の仕訳デ 一夕作成装置では、 定型的取引においては、 この第 1摘要雛形記憶部で実質的に 仕訳データが作成されるので、 摘要要素の自動編集機能、 区分要素の自動設定機 能を始めとする、 従来の技術とは相違する機能を実現するための、 複数の 「摘要 要素」 と、 「補助要素」 と、 伝票日付,金額の区分項目と、 仕訳を他の業務で利 用することを主な目的とする 「その他の要素」 とが新たに備えられている。
図 8に示されている列の範囲には、 上述した 「摘要雛形」 として、 他の要素と 固定しておくと不都合を生じるような要素の雛形が一覧形式で用意される。 この ような雛形を 「副摘要雛形」 と称する。
「C 9 1」 番には副摘要番号、
「C 9 2」 番から 「C 9 6」 番までには、 例えば、 「車両番号」 と 「所属部門
」 との組合せのように、 図 7の説明で述べた、 「摘要要素」 の編集や 「区分要素 」 の設定に必要な任意の 「仕訳要素」 が格納される。 ここには通常固定要素が用 意されるが、 取引の種類によっては、 従属変動要素を用意し幅広く利用すること もできる。
従来の技術には、 この 「副摘要雛形」 に該当するものは備えられていない。 図 9は、 非定型的取引に用いられる第 2仕訳記憶部の 「仕訳作成」 を行う列範 囲の一例を示す図である。 図 1 0は、 非定型的取引に用いられる第 2摘要雛形記 憶部の 「摘要雛形」 の列範囲の一例を示す図である。 図 1 1は、 非定型的取引に 用いられる第 2副摘要雛形記憶部の 「副摘要雛形」 の列範囲の一例を示す図であ る。
図 6と同様に、 図 9に示す列範囲では仕訳が作成され、 2行分の要素で 1仕訳 が構成される。
「C 1 1」 番から 「C 1 6」 番までと、 「C 2 9」 番から 「C 3 3」 番までと 、 「C 3 6」 番から 「C 4 2」 番までの要素については、 図 6と同様であるので 詳細な説明は省略する。
「C 1 7」 番から 「C 2 1」 番までには、 摘要に記載される取引の発生日付や 領収書の処理件数、 「C 2 2」 番と 「C 2 3」 番には、 これらの要素を編集した 文字列、 「C 2 4」 番には、 「摘要雛形」 を指定する摘要番号、 「C 2 5」 番に は、 「副摘要雛形」 を指定する副摘要番号、 「C 2 6」 番と 「C 2 7」 番には、 取得した編集前摘要要素、 「C 2 8」 番には補足のための追加文字、 「C 2 9」 番から 「C 3 3」 番までには、 図 6と同様に結合摘要要素を構成編集するために 必要な要素がそれぞれ格納される。 これらの要素を 「補助要素」 と称する。
「C 3 4」 番の上段、 下段には、 「C 2 6」 番と 「C 2 3」 番と 「C 2 8」 番 のそれぞれ上段、 下段の文字列が編集された要素が格納される。 「C 3 5」 番の 上段、 下段には、 「C 2 7」 番のそれぞれ上段、 下段の要素が格納される。 これ らの要素を 「編集後摘要要素」 と称する。
また、 「区分要素」 と、 「補助要素」 と、 「編集後摘要要素」 と、 「結合摘要 要素」 とをあわせて 「仕訳要素」 と総称する。
従来の技術との相違点は、 「仕訳要素」 に、 2つの雛形指定データ、 取引の発
生日付や処理件数、 追加文字などの詳細な内容の摘要を構成する要素や、 摘要の 構成編集作業に必要な要素などが格納される 「補助要素」 と、 仕訳を他の業務で 利用するための 「その他の要素」 とが新たに備えられ、 摘要についても、 入力デ 一夕に基づいて編集された摘要が 「編集後摘要要素」 に、 構成編集後の摘要が 「 結合摘要要素」 に格納されることなどである。
図 1 0に示す非定型的取引についての 「摘要雛形」 では、
「C 5 1」 番には摘要番号、
厂 C 5 2」 番と 「C 5 3」 番には、 図 7に示す定型的取引についての 「摘要雛 型」 とは異なり、 4つの摘要の構成要素のうち、 「何を」 や 「何のための」 に該 当する第 1および第 3の 「摘要要素」 が格納される。
「C 5 4」 番から 「C 5 7」 番までには、 借方、 貸方の区分項目、 「C 5 8」 番から 「C 6 8」 番までには、 図 7と同様に 「その他の要素」 が格納され、 これ らの要素を 「区分要素」 と称する。
また、 「摘要要素」 と、 「区分要素」 とをあわせて 「仕訳要素」 と総称する。 従来の技術との相違点は、 この 「摘要雛形」 に該当する従来の 「仕訳パターン 」 では、 「仕訳要素」 として、 原則的に 「何を」 に該当する摘要要素と、 「C 5 4」 番から 「C 5 7」 番までの区分項目とが備えられているが、 新たに、 「何の ための」 の要素も格納できる摘要要素と、 課税区分などの取引ごとの区分を格納 し、 また、 仕訳を他の業務で利用するための、 「その他の要素」 とが備えられて いる。
図 1 1に示す非定型的取引についての 「副摘要雛形」 では、
「C 9 1」 番には副摘要番号、
「C 9 2」 番と 「C 9 3」 番には、 図 7に示す定型的取引についての 「摘要雛 型」 の 4つの摘要の構成要素のうち、 「どこから (へ) 」 に該当する第 2および 第 4の 「摘要要素」 が格納される。
従来の技術との相違点は、 「何を」 と 「どこから (へ) 」 の要素の組合せのす ベてが不規則に発生する非定型的取引では、 「どこから (へ) 」 の要素を登録す る 「副摘要雛形」 を新たに備え、 不規則な組合せに対応するための複数の指定デ 一夕の選択入力を可能にする環境を整えたことである。
以上、 6つの記憶部の列構成や機能について述べたが、 本明細書では、 仕訳に 関する要素について、 上述したような 「称呼」 を用いることとする。
次に、 本実施形態の仕訳データ作成装置の機能構成について説明する。
図 1 2は、 定形的取引についての機能構成を示す機能ブロック図である。 図 6において説明した第 1仕訳記憶部 7 1—1と、 図 7において説明した第 1 摘要雛形記憶部 7 2—1と、 図 8において説明した第 1副摘要雛形記憶部 7 3と 、 当月の環境設定のデータの入手や振替日などのデ一夕の入力を受け付けるデー 夕入手部 7 4が備えられている。
また、 データ入手部 7 4に入力されたデータや、 第 1摘要雛形記憶部 7 2—1 の 「摘要雛形」 の補助要素に入力されたデータに基づいて、 必要な取引には第 1 副摘要雛形記憶部 7 3の対応表を用い、 第 1摘要雛形記憶部 7 2一 1の 「摘要雛 形」 の摘要要素の編集や区分要素の設定を行い、 さらに第 1摘要雛形記憶部 7 2 _ 1の候補デー夕のうちから当月発生した実デー夕を抽出し、 第 1仕訳記憶部 7 1—1に転送する機能を有する摘要処理部 7 2と、 転送された実データの摘要要 素を自動構成して結合摘要要素を編集する機能を有する第 1仕訳処理部 7 1と、 第 1仕訳記憶部 7 1— 1で得られた仕訳データから識別データと金額デ一夕とを 抽出し、 同一識別データの金額を集計し摘要番号を付して格納し、 集計データを 摘要番号の指定する第 1摘要雛形記憶部 7 2一 1に転送して、 新たな仕訳の作成 に転用する機能を有する仕訳加工部 7 5と、 取引データを受け取り、 受け取った 取引データを第 1摘要雛形記憶部 7 2—1に転送する機能を有する取引データ受 取部 7 6が備えられている。
適用業務部 7 7では、 仕訳加工部 7 5から取引データを受け取るなどして、 補 助簿の作成や、 給与計算や経費の支払いなどを始めとして様々な適用業務の処理 が行われる。 適用業務の処理によって得られた適用データが、 取引データとして 取引データ受取部 7 6に入力される。
会計データ作成部 7 8では、 第 1仕訳記憶部 7 1— 1に記憶された仕訳データ が転用されて、 伝票出力用のデータ、 財務会計用のデータ、 決算および税務申告 書用のデータ、 連結会計用のデータ、 などといった各種の会計データが作成され る。 マス夕記憶部 7 9には、 会計データ作成部 7 8などで利用されるマスタデー
夕が記憶されている。
なお、 従来から、 例えば、 現金出納帳は特殊仕訳帳と補助簿 (補助元帳) の 2 つの機能を備えていたが、 コンピュータの普及に伴って、 このような応用分化が さらに進み、 多様な形態で仕訳帳や元帳の機能が補助簿 (適用業務部 7 7 ) など に移されており、 本明細書では、 このようなことから適用業務部 7 7なども含め 仕訳データ作成部 7 0と総称する。
図 1 3は、 非定形的取引についての機能構成を示す機能ブロック図である。 図 9において説明した第 2仕訳記憶部 8 1—1と、 図 1 0において説明した第 2摘要雛形記憶部 8 2と、 図 1 1において説明した第 2副摘要雛形記' I意部 8 3が 備えられている。
また、 第 2仕訳記憶部 8 1—1の補助要素の、 「摘要番号」 に入力された指定 デ一夕の指定する第 2摘要雛形記憶部 8 2の摘要要素と区分要素とを取得し、 副摘要番号」 に入力された指定データの指定する第 2副摘要雛形記憶部 8 3の摘 要要素を取得し、 取得した編集前摘要要素と、 第 2仕訳記憶部 8 1一 1の補助要 素に入力されたその他のデータとに基づいて、 編集後摘要要素を編集し、 さらに これらの編集後摘要要素を自動構成して結合摘要要素を編集する機能を有する第 2仕訳処理部 8 1が備えられている。
会計データ作成部 8 4と、 マスタ記憶部 8 5と、 仕訳データ作成部 7 0につい ては、 上述したのと同様であり説明を省略する。
次に、 本実施形態の仕訳データ作成装置で実行される仕訳データ作成の詳細な 手順について、 具体的な取引の種類を例示しながら説明する。
但し、 本発明の仕訳データ作成装置は、 業種の相違、 規模の大小などにより、 適用業務を含めその実施の形態が多様であり、 そのすベてを説明することは困難 であるため、 これらに共通する主な機能を説明するための処理事例を例示し、 ま た、 様々な取引の細部の機能などについてもその多くを省略しており、 これら実 施の形態の相違する部分や、 省略した細かな機能などについては、 必要に応じて 補足の説明をする。
なお、 図 1 2、 図 1 3の機能プロック図を参照しながら処理事例 1〜 5の説明 を行うが、 説明を簡潔にするため図面を引用する語句の記述を以下省略すること
がある。
(処理事例 1 )
図 1 4は、 原則として毎月発生する口座振替の処理事例を示す図である。 この図 1 4には、 第 1摘要雛形記憶部 7 2—1の、 図 7に示す 「摘要雛形」 の 一例が示されている。 摘要雛形の左端の列 9 0に示されている摘要番号は、 本来 は連番であるが、 ここでは説明の便宜上、 代表的な行が抜粋されて示されている 。 このため、 摘要番号が飛び飛びの値となっている。 また、 列構成についても適 宜に列が省略されており、 省略箇所には破断線が示されている。 以下では、 特に 断ることなくこのような行の抜粋や列の省略が行われているものとして説明する この図 1 4に示す事例は、 図 5に示すメニューで、 メインメニュー 6 1の 「定 型的取引 1」 と、 取引選択メニュー 6 2の 「口座振替 1」 が選択された場合の処 理事例である。 「口座振替 1」 では、 電話料や電気料などのように、 その月に支 払うべき使用料などが、 原則として指定された振替日に口座から引き落とされる 取引に関する仕訳処理が実行される。
「定型的取引 1」 に属する各取引では、 第 1摘要雛形記憶部 7 2_ 1の 「摘要 雛形」 と、 データ入手部 7 4で取引デ一夕の入力操作が行われ、 その取引データ に基づいて仕訳データが自動作成される。 この 「定型的取引 1」 に属する各取引 で用意される 「摘要雛形」 は、 主に固定要素で構成されており、 部分的に独立変 動要素と従属変動要素を含んでいる。
この図 1 4に例示された 「摘要雛形」 では、 「金額」 の列 9 1に示された数値 は、 ユーザの入力操作によって入力される独立変動要素であり、 「摘要要素 1」 の列 9 2に示されている文字列と、 「伝票日付」 の列 9 3に示されている数値と 、 「発生標識」 の列 9 4に示されている数値は、 後述するように自動更新される 従属変動要素であり、 残りの、 「摘要要素 2」 〜 「摘要要素 4」 、 「借方科目」 〜 「貸方部門」 、 「借方課税区分」 、 「貸方課税区分」 の各列に示されている要 素は、 予め登録された固定要素である。
図 5に示すメニュ一を介して 「口座振替 1」 の取引が選択されると、 以下説明 する当月の 「環境設定」 の内容がデータ入手部 7 4に転記される。
図 1 5は、 当月の 「環境設定」 の一例を示す図である。
この図 1 5の上段にはセルの番地の列番号が示されており、 下段にはセルの値 が示されている。 上述したように、 表計算ソフトでは、 各セルに番地と式と値が 多重に対応づけられているので、 図示の都合上、 番地や式などを複数段に分割し て図示する場合がある。
この図 1 5には、 「環境設定」 の 「C 1 1 1」 番以降の列範囲に存在するセル が示されており、 各取引のデータ入手部 7 4にこれらのセルと同等なセルが設け られている。 この図 1 5に示す各セルには 「当年 J や 「当月」 などといった名前 が定義づけられており、 その名前が関数名として用いられると、 各セルの値が関 数値として引用される。
この図に示されている各セルのうち、 「当年」 のセル 1 0 1、 「当月」 のセル 1 0 2それぞれに示されている数値は独立変動要素であり、 図 5に示すメニュー 画面の選択に先立って、 「環境設定」 の選択により起動されたマクロは、 「当年 」 、 「当月」 の各セル 1 0 1, 1 0 2を順次に自動選択し、 ユーザによる入力操 作を待つ。 この図 1 5には、 「当年」 、 「当月」 の各セル 1 0 1, 1 0 2にそれ ぞれ 「1 2」 、 「9」 が入力された状態が示されている。
「C 1 1 3」 番の 「当月末日」 セルから 「C 1 2 3」 番の 「翌月分」 セルまで の各セルの値は従属変動要素であり、 「当年」 、 「当月」 の各セル 1 0 1, 1 0 2の値から自動算出されるものである。
「当月末日」 のセル 1 0 3には、 「当月」 のセル 1 0 2の値から周知の技術で 導かれる数値が.格納される。
「C 1 1 4」 番から 「C 1 1 6」 番までのセル範囲 1 0 4の各セルには、 「当 月」 のセル 1 0 2の値から求められた数値が格納される。 また、 「C 1 1 7」 番 から 「C 1 1 9」 番までのセル範囲 1 0 5の各セルには、 「当年」 、 「当月」 の セル 1 0 1, 1 0 2の値から求められた 「翌月が属する年の年数」 などを表す数 値が格納される。 さらに、 「C 1 2 0」 番から 「C 1 2 3」 番までのセル範囲 1 0 6の各セルには、 「当月」 のセル 1 0 2や 「前月」 のセルなどの数値を表す文 字列と、 文字列 「月分」 とが結合された文字列が自動作成されて格納される。 こ れらの文字列は、 摘要の文字列を編集するための素材として用意されている。
このような 「環境設定」 により、 「当月分」 などといった名前で表される関数 の関数値が設定されることとなる。 そして 「環境設定」 の内容を各取引のデータ 入手部 7 4で入手すると、 これらの関数が引用されて定義されている従属変動要 素が自動更新される。 例えば、 図 1 4に示す 「摘要要素 1」 の列 9 2に格納され た従属変動要素は、 以下説明するように自動更新される。
図 1 6は、 「摘要要素 1」 の従属変動要素の自動更新を説明する図である。 この図 1 6には、 図 1 4に示す 「摘要要素 1」 の列 9 2を構成するセルのうち 、 代表的な 1つのセルが例示されている。 この図 1 6の上段にはセルの番地 (列 番号のみ) が示されており、 中段にはセルの式が示されており、 下段にはセルの 値が示されている。
この図 1 6に示すセルの式は、 「前月分」 という名前の関数と固定の文字列 「 電気料」 で構成されている。 そして、 上述した 「環境設定」 によって設定され た関数値が引用されて、 文字列 「8月分 電気料」 が自動編集される。 図 1 4に 示す 「7月分」 や 「9月分」 の文字列は、 関数 「前々月分」 や関数 「当月分」 の 値が引用されて編集されたものである。 このように、 従属変動要素の式が関数な どで定義されていることにより、 少数の入力操作に応じて多数の従属変動要素が 一括して更新され、 仕訳の作成に要する手間が大幅に省かれることとなる。
「口座振替 1」 の取引でデータ入手部 7 4が 「環境設定」 の内容を入手すると 、 ユーザによる所定操作によって、 図 5に示す 「口座振替 1」 の操作援助メニュ 一 6 5が表示されて 「入力」 が選択される。 本実施形態の仕訳データ作成装置は 、 この 「入力」 の選択に応答して、 以下説明する振替日入力操作と金額入力操作 を援助する所定のマクロを起動する。
図 1 7は、 振替日入力操作を説明する図である。
この図 1 7には、 データ入手部 7 4に予め用意されている振替日入力操作用の セル範囲が示されており、 このセル範囲に含まれている 2 0個のセルそれぞれに は、 「振替日 1」 から 「振替日 2 0」 までの名前 (即ち関数名) が定義づけられ ている。 この図 1 7には、 上述した 2 0個のセルのなかから抜粋された 3つのセ ル 1 1 1, 1 1 2, 1 1 3が例示されている。 また、 各セル 1 1 1 , 1 1 2, 1 1 3の右側には、 各振替日に口座振替が行われるものを表した、 ユーザがわかり
やすい名称が示されている。 これらの名称は、 図 1 4に示す 「摘要雛形」 が用意 された際に一緒に記載されるものである。
マクロが起動されると、 「振替日 1」 のセル 1 1 1から 「振替日 2 0」 のセル 1 1 3までの各セルが順次に入力先として自動選択され、 ュ一ザによって各セル に数値が入力されることにより振替日入力操作が行われる。 この図 1 7では、 一 例として、 3つのセル 1 1 1, 1 1 2, 1 1 3にそれぞれ値 「9」 、 「1 0」 、 「3 0」 が入力された状態が示されている。
「振替日 2 0」 のセル 1 1 3に対して数値が入力されると、 関数 「振替日 1」 〜関数 「振替日 2 0」 の関数値を引用したセルの値が自動更新される。 例えば図 1 4に示す 「伝票日付」 の列 9 3の各セルには、 関数 「振替日 1」 〜関数 「振替 日 2 0」 のなかから選択された関数が式として格納されており、 それらの関数の 関数値が引用されて各セルの値が自動更新される。
振替日入力操作とセルの値の自動更新が終了すると、 マクロによって、 図 1 4 に示す 「金額」 の列 9 1の最上段が入力先として選択されて金額入力操作が開始 される。 金額入力操作では、 この 「金額」 の列 9 1の各セルが上から順に入力先 として自動選択され、 ユーザの入力操作によって数値が入力される。 また、 例え ば、 リース料のように毎月定額である取引については、 その数値がデフォルトと して格納されており、 このデフォルトの数値をそのまま確定させることができる
「発生標識」 の列 9 4の各セルには、 そのセルに隣接する、 「金額」 の列 9 1 のセルの値が 「0」 であれば 「0」 を示し、 「0」 以外の値であれば 「1」 を示 す関数が格納されており、 「金額」 の列 9 1の各セルに数値が入力され、 あるい はデフォルトの数値が確定されるたびに、 そのセルに隣接する 「発生標識」 の列 9 4のセルの値が自動更新される。 「金額」 の列 9 1の最下段まで数値の入力が 済むと金額入力操作が終了する。
以上説明した操作手順による独立変動要素の入力が終了すると、 ユーザによる 所定操作によって、 図 5に示す 「口座振替 1」 の操作援助メニュー 6 5が表示さ れて 「データ処理」 が選択される。 当該取引では、 この 「データ処理」 の選択を 発端として、 以下説明するように仕訳データが人手を介さず一括して自動的に作
成される。
仕訳データの自動作成の第 1段階では、 独立変動要素の入力と従属変動要素の 更新が終わった 「摘要雛形」 の 「候補データ」 のなかから、 取引が発生した 「摘 要雛形」 の 「実データ」 が抽出されて、 その 「摘要雛形」 を構成する要素が、 第
1仕訳記憶部 71一 1の、 図 6に示す仕訳作成用の列範囲に転送される。
図 18は、 第 1摘要雛形記憶部 72—1の 「摘要雛形」 から、 第 1仕訳記憶部 71一 1の仕訳作成用の列範囲に転送された要素を示す図である。
この図 18の上段にはセルの番地や列番号が示されており、 下段にはセルの値 が示されている。 また、 上述したように仕訳は奇数行と偶数行との 2行 1組で構 成されており、 この図 18には、 1仕訳を構成する奇数行と偶数行の一例として 「R83」 番および 「R84」 番の行が例示されている。
この図 18に示されている各セルに格納される要素は、 「仕訳番号」 の列 12 0のセルを除いて、 「摘要 ϋ形」 から転送される要素である。
図 18に示されている各セルのうち、 「C 12」 番から 「C 16」 番までの列 範囲 121の各セルに格納される要素は、 図 14に示す 「伝票日付」 〜 「貸方部 門」 の列範囲 95に含まれるセルから転送されてくる要素である。 また、 図 18 に示す番地 「R84C 34」 、 「R84C35」 、 「R83C34」 、 「R83 C 35」 のセル範囲 122の各セルに格納される要素は、 図 14に示す 「摘要要 素 1」 〜 「摘要要素 4」 の列範囲 96に含まれるセルから転送されてくる要素で ある。 さらに、 図 18に示す 「C 37」 番から 「C40」 番までの列範囲 123 の各セルに格納される要素は、 図 14に示す 「金額」 〜 「貸方課税区分」 の列範 囲 97に含まれるセルから転送されてくる要素である。 このような転送の転送元 と転送先との対応関係は、 要素の転送を行ぅマク口のなかで定義されている。 このマクロによる転送手順について以下説明する。
要素の転送は、 図 14に示す 「摘要雛形」 のうちの最上段 (行) の 「摘要雛形 J から順次に実行される。 転送対象の行の 「摘要雛形」 を構成する要素のうち、 発生標識の列 94に格納されている要素の値が 「1」 である場合には転送が実行 されて、 上述した転送元と転送先との対応関係に応じて要素の転送が行われる。 転送が実行されると、 次の行の 「摘要雛形」 が転送対象となる。 また、 発生標識
の列 94に格納されている要素の値が 「0」 である場合には転送が行われずに、 次の行の 「摘要雛形」 が転送対象となる。
転送が実行された 「摘要雛形」 の行数はカウン夕でカウントされており、 1行 分の 「摘要雛形」 の要素が転送される度に、 図 18に示す 「仕訳番号」 の列 12 0の該当セルにカウント値と同じ番号が格納される。 これにより 「仕訳番号」 の 列 120に連番が格納されることとなる。
上記手順が繰り返されて 「摘要雛形」 の全行が転送対象として処理されると要 素の転送は終了する。
仕訳データの自動作成の第 2段階では、 番地 「R 84 C 34」 、 「R 84 C 3 5」 、 「R83C34」 、 「R83C35」 のセル範囲 122に格納されている 4つの摘要要素 (摘要要素 1〜摘要要素 4) が自動構成されて摘要の文字列が編 集される。
図 19は、 摘要要素の自動構成編集を説明する図である。
この図 19でも、 上段にはセルの番地が示されており、 下段にはセルの値が示 されている。
この図 19に示すセルのうち、 番地 「R 84C 34」 、 「R84C35」 、 「 R83C34」 、 「R83C35」 のセル範囲 130は、 図 18の中央に示すセ ル範囲 122と同じセル範囲が再度示されたものである。 このセル範囲の各セル に格納されている文字列については、 この図 19では、 スペースの関係上、 文字 列がー部省略されて示されているが、 これらのセルに格納されている文字列デー 夕は、 図 18の中央に示すセル範囲 122の各セルに格納されている文字列と同 じ文字列を表している。
4つの摘要要素が構成編集される手順としては、 まず、 4つの摘要要素 (摘要 要素 1〜摘要要素 4) それぞれの文字列を表す文字データのバイト数が求められ て、 番地 「R 84C 29J 、 「R84C30」 、 「R83C29」 、 「R83C 30」 のセル範囲 131に格納される。 この文字データのバイト数は、 一般に、 文字列の長さに相当している。 この図 19に示す例では、 摘要要素 1〜摘要要素 4それぞれに対応するバイト数として 「16」 、 「12」 、 「8」 、 「14」 が 求められている。
次に、 各摘要要素の文字列の長さが、 摘要の文字列を構成するための基準の長 さと比較され、 比較結果に基づいて文字列の長さが調整される。 ここでは、 摘要 の文字列が上下 2行それぞれが 29パイ卜の長さを持つように、 摘要の文字列の 前半に対応する摘要要素 1および摘要要素 3については基準の長さが 14バイト 、 摘要の文字列の後半に対応する摘要要素 2および摘要要素 4については基準の 長さが 15パイトに設定されている。
このような基準の長さに基づいて、 以下説明する調整値が算出されて番地 「; R 84C31」 、 「R83C31」 のセル範囲 132に格納される。
調整前の前半の文字列のパイト数を a、 後半の文字列のパイト数を bとすると 、 調整値 Xは、
(1) a≥29ならば、 X= 15、
(2) 28≥a≥14ならば、 X=a+ 1— 14、
(3) a≤ 13かつ b≤ 15ならば、 X=0、
(4) a≤l 3かつ b≥l 6かつ b≥29— aならば、 X=a+1— 14、
(5) a≤l 3かつ b≥l 6かつ b≤28— aならば、 X=15— b、 というように場合分けされた式によって算出される。 この場合分けは、 前半の文 字列を優先した場合分けである。
このように場合分けされた式に、 図 19に例示されたバイト数を当てはめると 、 下段は a=16、 b= 12であるので (2) の場合に該当して X== 3と算出さ れる。 また、 上段は a = 8、 b= 14であるので (3) の場合に該当して X=0 と算出される。
こにように調整値 Xが求められると、 調整後の前半の文字列のバイト数 Yと、 調整後の後半の文字列のバイト数 Zが、 それぞれ
Y=l 4 (前半の文字列の基準バイト数) +Χ
Ζ = 29 -Υ
という式で求められる。 図 19に例示されたバイト数を当てはめると、 下段は、 Υ=17、 Ζ= 12となり、 上段は、 Y=l 4、 Ζ=15となる。 これらの値は 、 番地 「R84C 32」 、 「R84C33」 、 「R83C32」 、 「R83 C3 3 J のセル範囲 133に格納される。
これらの調整後のバイ卜数が求められると、 前半の文字列の末尾に半角スぺー ス 1 4バイト、 後半の文字列の末尾に半角スペース 1 5バイトが追加され、 それ ぞれの先頭から、 Yバイト、 Zバイトの文字列が切り出されて、 その切り出され た文字列が結合される。 これにより合計 2 9バイ卜の結合摘要要素 (即ち摘要の 文字列) が編集されて、 番地 「R 8 4 C 3 6」 、 「R 8 3 C 3 6」 のセル範囲 1 3 4に格納される。
このような自動構成編集の結果、 詳細な取引内容を適切な文字列で表した摘要 が得られる。
以上説明した要素の転送と摘要の自動構成編集により、 仕訳データが人手を介 さず一括して自動的に作成される。
図 2 0は、 仕訳データが転用されて作成される伝票を示す図である。
この図 2 0に示す伝票は、 仕訳データと、 マス夕とに基づいて作成されるもの である。 ここで用いられるマス夕は、 仕訳データに含まれている 「借方科目」 や 「貸方部門」 などを表す数値と、 科目名や部門名とが対応づけられた対応表を表 すマスタである。
「伝票日付」 棚 1 4 0に記載されている年月日は、 図 1 5に示す当月の 「環境 設定」 で設定された年月と、 仕訳データに含まれている 「伝票日付」 の要素に基 づいて編集されたものである。
借方科目欄 1 4 1、 借方部門欄 1 4 2、 貸方科目攔 1 4 3、 貸方部門欄 1 4 4 の各欄には、 仕訳データに含まれている 「借方科目」 、 「借方部門」 、 「貸方科 目」 、 「貸方部門」 の数値に対応する科目名などがマスタから検索されて記載さ れている。
摘要欄 1 4 5と金額欄 1 4 6には、 仕訳データに含まれている 「結合摘要要素 J と 「金額」 の要素がそのまま記載されている。
このように借方、 貸方のそれぞれが 1つずつの 「金額」 を有する仕訳は単一仕 訳と称される。
以上述べた処理事例 1では、 データ入手部に入力されたデータに基づいた摘要 要素の自動編集機能と区分要素の自動設定機能、 発生取引の自動抽出転送機能、 結合摘要要素の自動構成編集機能といつた従来の技術とは相違する新たな機能に
ついて説明した。
処理事例 1に示す 「口座振替」 の取引では、 「振替日」 の一括入力と各取引の 金額の入力など、 必要最少限度の独立変動要素のデータを入力すると、 データ入 手部 7 4で入手した当月の 「環境設定」 のデータに基づいて摘要要素が自動編集 され、 データ入手部 7 4で入力された 「振替日」 のデ一夕に基づいて区分要素の 「伝票日付」 が自動設定され、 第 1摘要雛形記憶部 7 2—1の 「候補データ」 の うちから、 当月発生した 「実データ」 が抽出され、 第 1仕訳記憶部 7 1—1に転 送され、 摘要要素が自動構成されて結合摘要要素が編集され、 仕訳データが人手 を介さず一括して自動的に作成される。
次に、 処理事例 1に関して補足の説明をする。
まず、 「摘要雛形」 の 「候補データ」 の予めの登録について、 処理事例 1に示 した口座振替のような取引では、 例えば、 振替予定日の 「月末日」 が金融機関の 休日に当たる場合には、 振替日が翌月に繰り延べられるが、 このような場合に備 えた、 月 2回の 「候補データ」 も予め登録することができる。
また、 例えば、 電話料について、 1本の 「電話料」 のうちに課税区分の異なる 「国際電話料 _! が含まれ、 同時に 2つの仕訳を作成しなければならないような取 引においては、 電話の本数が少なければ、 すべての電話番号の国内電話料と国際 電話料の 「摘要雛形」 を予め登録し、 電話の本数が多ければ 「電話番号」 と 「部 門」 と 「課税区分」 などを対応させた 「副摘要雛形」 を配置し、 発生が予定され る電話番号の国際電話料については予め登録し、 例外的に発生した電話番号の国 際電話料については、 「副適用雛形」 から選択して 「摘要雛形」 を用意すること もできる。
また、 金融機関に振替日を指定して、 相手先の預金口座からの自動振替を依頼 する、 毎月の貸付金の元利均等返済などの取引においては、 預金残高の不足によ り振替不能が発生し、 相手先ごとの 「〇月分」 に毎月変動が生じその管理が煩雑 となる。 このような取引においては、 列方向に 「1」 (1月) 〜 「1 2」 (1 2 月) 、 行方向に各月の 「一 1 2」 (1 2ヶ月前分) 〜 「0」 (当月分) などを対 応させた 「副摘要雛形」 を配置し、 「摘要雛形」 の補助要素に 「0」 〜 「一 1 2 」 を登録し、 「0」 (当月分) が登録された相手先の振替があれば 「9月分 貸
付金返済」 、 「_ 2」 (2ヶ月前分) が登録された相手先の振替があれば 「7月 分 貸付金返済」 のように摘要要素が自動編集され、 当月振替不能の相手先に対 しては、 「摘要雛形」 の補助要素に登録された数値から 1を差し引いた数値を改 めて登録し、 「〇月分」 などの従属変動要素を上述した当月の 「環境設定」 とは 別に管理する。 本発明の仕訳デ一夕作成装置は、 各取引ごとに上述した事例に示 すように、 取引の内容の細部にわたり様々な機能が組み込まれている。
以上で処理事例 1の説明を終了し、 以下、 処理事例 2について説明する。 (処理事例 2 )
図 2 1は、 原則として毎月発生する未払費用計上の処理事例を示す図である。 この図 2 1に示す事例は、 図 5に示すメニューで、 メインメニュー 6 1の 「定 型的取引 1」 と、 取引選択メニュー 6 2の 「未払費用」 が選択された場合の処理 事例である。 「未払費用」 計上では、 原則的に特定の取引相手に対する毎月の未 払費用が月末に一括計上される取引に関する仕訳処理が実行される。
この図 2 1には、 未払費用計上の処理用に用意された第 1摘要雛形記憶部 7 2 — 1の 「摘要雛形」 が示されている。
この図 2 1に例示された 「摘要雛形」 では、 「金額」 の例 1 5 1に並ぶセルの うち、 番地が示されているセル 1 5 1—1には、 ユーザの入力操作によって入力 される独立変動要素の数値が格納され、 数値が示されているセル 1 5 1—2には 、 固定要素が格納済みである。 このデフォルトの数値は、 毎月定額の取引が行わ れることを表している。 「摘要要素 1」 の列 1 5 2に格納される文字列と、 「伝 票日付」 の列 1 5 3に格納される数値は、 自動更新される従属変動要素であり、
「摘要要素 1」 のセルのうち、 摘要番号 「9 1」 番と 「1 2 0」 番の 「摘要雛形 」 のセル 1 5 2—1には、 セルの式が示されている。 「発生標識」 の列 1 5 4に 並ぶセルのうち、 番地が示されているセル 1 5 4一 1には従属変動要素が格納さ れ、 数値が示されているセル 1 5 4— 2では、 セルの値が自動更新されている。 摘要番号 「1 2 0」 番の 「摘要雛形」 では 「摘要要素 4」 のセル 1 5 5と 「借方 部門」 のセル 1 5 6に式が示されており、 これらのセルには従属変動要素が格納 される。 この図 2 1に示されているセルのうち、 残りの各セルには、 固定要素が 予め登録されている。
図 5に示すメニューを介して 「未払費用」 の取引が選択されると、 上述した処 理事例 1と同様に当月の 「環境設定」 が自動的に行われる。
図 2 2は、 「未払費用」 の取引でデータ入手部 7 4が入手した当月の 「環境設 定」 の内容を示す図である。
この 「未払費用」 の取引で入手した当月の 「環境設定」 の内容は、 図 1 5と同 様な内容であるが、 ここでは説明の便宜上、 2つのセル 1 5 8, 1 5 9が抜粋さ れて示されている。 「当月」 のセル 1 5 8には、 一例として 9月を表す数値 「9 」 が格納されており、 「当月末日」 のセル 1 5 9には、 9月の末日を表す数値 「 3 0」 が格納されている。
図 2 1に示す 「伝票日付」 の列 1 5 3に並んだ各セルには、 式として関数 「当 月末日」 が登録されており、 データ入手部 7 4で上述した 「環境設定」 の内容を 入手すると、 各セルの値は 9月の末日を表す数値 「3 0」 となる。 また、 「摘要 要素 1」 の列 1 5 2に格納されている文字列のうちの 「9月分」 という文字列に ついては、 処理事例 1での説明と同様に自動更新されたものである。
このような当月の環境設定と従属変動要素の自動更新が終わると、 ユーザによ る所定操作によって、 図 5に示す 「未払費用」 の操作援助メニュー 6 6が表示さ れて 「入力」 が選択される。 本実施形態の仕訳データ作成装置は、 この 「入力」 の選択に応答して、 上記同様の金額入力操作と、 以下説明する補助要素入力操作 とを援助する所定のマクロを起動する。
金額入力操作では、 「金額」 の列 1 5 1に並ぶセルのうち番地が示されている セル 1 5 1—1が順次に入力先として自動選択されて取引金額が入力され、 取引 金額が 「0」 か否かに応じて 「発生標識」 の値が更新される。 番地が示されてい るセル 1 5 1—1についての入力操作が終わると、 補助要素入力操作が開始され る。
図 2 3は、 補助要素入力操作を説明する図である。
この図 2 3には、 図 2 1に示す 「摘要雛形」 が再度示されている。 この図 2 3 に示されている列には、 図 2 1では省略されている列と図 2 1にも示されている 列が含まれており、 図 2 1にも示されている列については同一の要素名が付され ている。
また、 この図 2 3では上段にセルの番地や列番号が示されており、 下段にセル の値が示されている。
「未払費用」 計上の処理では、 消耗品などの取引に関する処理も行われる。 こ のような取引では摘要の 「何を」 で表される取引対象が不特定であることが多く 、 「摘要雛形」 に固定要素として登録しておくことができない。 このため、 取引 対象が不特定な取引については、 補助要素入力操作で、 摘要の 「何を」 を表すデ 一夕が入力される。
この補助要素入力操作が開始されると、 要素の入力が必要なセルがマクロによ つて順次に自動選択される。 このような自動選択を実現する方法としては、 「摘 要雛形」 の登録時に、 入力が必要なセルの番地も登録しておくという方法や、 登 録されている 「摘要雛形」 の各セルの内容から、 入力が必要なセルを導き出すと いう方法などが採用され得るが、 ユーザが任意にカーソルを移動して入力するこ ともできる。
番地 「R 9 3 C 5 6」 のセル 1 6 1と番地 「R 1 2 2 C 5 6」 のセル 1 6 2は 、 「補助要素 1」 の文字列を入力するセルであり、 ここでは、 「タオルペーパー 」 と 「バッテリー交換」 という文字列が入力されている。 このような文字列が 「 補助要素 1」 として入力されると、 「摘要要素 1」 のセル 1 6 3, 1 6 4に格納 される従属変動要素が、 以下説明するように自動更新される。
これらのセル 1 6 3, 1 6 4の式は、 図 2 1のセル 1 5 2—1に示すように、 更新された従属変動要素の文字列 「9月分 」 と、 関数 「補助要素 1」 とで構成 されている。 摘要番号 「9 1」 番の 「摘要雛形」 における 「補助要素 1」 の文字 列は 「タオルべ一パー」 であるので、 「摘要要素 1」 の文字列は、 図 2 3のセル 1 6 3に示すように 「9月分 タオルペーパー」 と自動編集される。 また、 摘要 番号 「1 2 0」 番の 「摘要雛形」 における 「補助要素 1」 の文字列は 「バッテリ —交換」 であるので、 「摘要要素 1」 の文字列は、 図 2 3のセル 1 6 4に示すよ うに 「9月分 バッテリー交換」 と自動編集される。
摘要番号 「1 2 0」 番の 「摘要雛形」 については、 「補助要素 1」 の文字列の みならず、 「補助要素 2」 の数値 1 6 5の入力も必要とされる。 この 「補助要素 2」 の数値は、 「副摘要雛形」 を指定する数値である。
図 2 4は、 「未払費用」 計上の処理のために用意された第 1副摘要雛形記憶部 7 3の 「副摘要雛形」 の一例を示す図である。
図 2 4には、 「車両番号」 の文字列 1 7 1と、 「借方部門」 を表す数値 1 7 2 との対応を定義する対応表を構成する 「副摘要雛形」 の、 2行分の 「副摘要雛形 」 が抜粋されて示されている。 これら複数の 「副摘要雛形」 のなかから、 ユーザ が選択した 「副摘要雛形」 の副摘要番号が、 上述した 「補助要素 2」 の数値とし て入力される。 このように入力された数値は、 指定デ一夕であって、 数値自身に よって 「副摘要雛形」 を指定しているとともに、 その数値が入力されたセルの番 地によって 「摘要雛形」 も指定している。
図 2 1に示すように、 セル 1 5 5とセル 1 5 6の式は検索関数として定義され ており、 この検索関数は、 図 2 4に示すような対応表から、 「補助要素 2」 に入 力された副摘要番号をキーとして、 「車両番号」 の文字列と 「借方部門」 を表す 数値とを検索する関数であり、 「車両番号」 の文字列は、 図 2 3に示す 「摘要要 素 4」 のセル 1 6 6の値として格納され、 「借方部門」 を表す数値は、 「借方部 門」 のセル 1 6 7の値として格納される。
図 2 3では、 「補助要素 2」 のセル 1 6 5の数値として副摘要番号 「1 0」 番 が入力されており、 この副摘要番号 「1 0」 番に基づいて検索された文字列 「▽ ▽ 5 7セ 7 0 9 7」 と数値 「5」 が、 それぞれ 「摘要要素 4」 のセル 1 6 6と 「 借方部門」 のセル 1 6 7に格納されている。
このように、 「副摘要雛形」 として用意された対応表から検索されて引用され る仕組みが備えられていることにより、 車両の配属部門などを 「副摘要雛形」 と して一括管理することができ、 部門が変更された場合などであっても、 「副摘要 雛形」 だけを修正して対応することができる。
以上説明した補助要素入力操作が終わって、 必要な摘要要素が揃うと、 ユーザ の操作によって、 図 5に示す 「未払費用」 の操作援助メニュー 6 6の 「データ処 理 1」 が選択される。 この選択により、 上述した処理事例 1と全く同様に、 第 1 摘要雛形記憶部 7 2—1の 「摘要雛形」 から第 1仕訳記憶部 7 1一 1の仕訳作成 用の列範囲に要素が転送され、 摘要要素が自動構成されて結合摘要要素が編集さ れ、 借方仕訳データが作成される。
図 2 5は、 「未払費用」 計上の取引で作成された第 1仕訳記憶部 7 1— 1の仕 訳データを示す図である。
この図 2 5には、 上述した 「データ処理 1」 と後述する 「データ処理 2」 とが 選択されて作成された仕訳データ 1 8 0が示されているが、 この 「未払費用」 の 取引のように借方、 貸方の一方または双方が 2つ以上の 「金額」 で表される仕訳 を複合仕訳と称する。
仕訳データ 1 8 0には、 その一組の仕訳データのうちの一部の、 「借方データ 」 1 8 1と、 「貸方データ」 1 8 2とが示されている。
図 2 1に示す 「摘要雛形」 には、 「相手先番号」 という固定要素 1 5 7が用意 されており、 この 「相手先番号」 の要素は仕訳データの作成時に転送されて、 図 2 5に示す借方データ 1 8 1中に組み込まれている。 本実施形態の仕訳データ作 成装置には、 この 「相手先番号」 の要素を参照して借方データ 1 8 1から貸方デ 一夕 1 8 2を作成する処理機能が備えられており、 この処理機能は、 図 5に示す 「未払費用」 の操作援助メニュー 6 6の 「データ処理 2」 が選択されると起動さ れる。 以下、 この処理機能について説明する。
この処理機能が起動されると、 仕訳加工部 7 5によって、 貸方データ 1 8 1— 2の要素が、 「相手先番号」 の要素 1 8 1—1に基づいて集計される。
図 2 6は、 要素の集計処理を示す図である。
この図 2 6でも、 上段にはセルの番地が示されており、 下段にはセルの値が示 されている。 また、 この図 2 6に示されている借方データ 1 9 1は、 図 2 5に示 す借方データ 1 8 1の列範囲と同じ列範囲に作成されているデータであり、 この 図 2 6では偶数行だけが抜粋され図示されている。
図 2 6の右側に示されている列範囲は、 「C 1 5 1」 番以降の列範囲であり、 貸方データの基となる集計データの作成用として、 仕訳加工部 7 5に設定された 列範囲である。 この図 2 6の説明では、 便宜上、 貸方データの基となる集計デ一 夕のことも 「貸方データ」 と称する。
仕訳加工部 7 5による集計処理では、 図 2 6に示す 「相手先番号」 の要素 1 9 1—1が共通している借方データ 1 9 1における 「金願」 の数値 1 9 1—2が合 計され、 その共通の 「相手先番号」 の要素 1 9 1 „1の値が、 貸方データの 「相
手先番号」 の要素 1 9 2として転送される、 また、 要素 1 9 1—1が共通してい る借方データ 1 9 1の数が計数されており、 その計数値が、 貸方データの 「件数 累計」 の要素 1 9 3として格納される。 さらに、 「金額」 の数値 1 9 1—2の合 計値が、 貸方データの 「金額累計」 の要素 1 9 4として格納される。 例えば、 「 相手先番号」 の要素 1 9 1—1の値が 「1」 である借方データ 1 9 1は 2件存在 しており、 各 「金額」 の数値 1 9 1— 2は 「2 5 7 , 7 7 5」 と 「4 8 , 5 1 0 」 であるので、 「相手先番号」 の要素 1 9 2が 「1」 である貸方データは、 「件 数累計」 の要素 1 9 3が 「2」 、 「金額累計」 の要素 1 9 4が 「3 0 6 , 2 8 5 」 となっている。
このような 「相手先番号」 別の集計が順次に繰り返される。
「未払費用」 の 「摘要雛形」 には、 貸方側の視点で分類された取引に対応する 「摘要雛形」 も用意されており、 この 「摘要雛形」 に付与されている摘要番号は 、 「相手先番号」 の要素 1 9 2の数値に 3 0 0を加えることで求められる。 貸方 データの 「貸方摘要番号」 の数値 1 9 5は、 このようにして求められた摘要番号 である。
また、 借方データ 1 9 1の要素が集計されたデータが貸方データの列範囲に転 送されると、 デ一夕の転送を受けたセルを含む行における 「発生標識」 の要素 1 9 6として 「1」 が格納される。
このように、 仕訳加工部 7 5による集計処理によって作成された貸方データの 要素のうち、 「金額累計」 の要素 1 9 4は、 新たな取引データとして上記第 1摘 要雛形記憶部 7 2一 1の 「摘要雛形」 の列範囲に転送される。
図 2 7は、 第 1摘要雛形記憶部 7 2 _ 1の 「摘要雛形」 の列範囲に転送された 要素を示す図である。
この図 2 7では、 上段にはセルの番地の列番号が示されており、 下段にはセル の値が示されている。
図 2 6に示されている 「金額累計」 の要素 1 9 4は、 「貸方摘要番号」 の数値 1 9 5と同じ数値の摘要番号を有する 「摘要雛形」 に転送される。
図 2 7には、 摘要番号 「3 0 1」 番の 「摘要雛形」 が例示されている。 図 2 6 に示す 「貸方摘要番号」 の数値 1 9 5のうち、 「3 0 1」 という数値に対応する
「金額累計」 の要素 1 9 4は 「3 0 6 , 2 8 5」 であり、 この数値 「3 0 6 , 2 8 5」 が、 図 2 7に示す 「摘要霜僮形」 の 「金額」 の要素 2 0 1として転送されて いる。 このような 「金額」 の要素 2 0 1の転送を受けた 「摘要雛形」 については 、 「発生標識」 の要素 2 0 2として値 「 1」 が格納される。
なお、 この図 2 7に示す 「摘要雛形」 の要素のうち、 「摘要要素 1」 の文字列 2 0 3や、 「伝票日付」 の数値 2 0 4は従属変動要素であり、 上記同様に自動更 新されている。
このように 「摘要雛形」 に取引金額が転送され、 従属変動要素が更新されるこ とにより、 貸方データ (仕訳データ〉 の基となる 「摘要雛形」 の要素が揃う。 そ して、 これらの要素が第 1仕訳記憶部 7 1„1の仕訳作成用の列範囲に転送され て仕訳データが作成される。
図 2 8は、 第 1仕訳記憶部 7 1— 1の仕訳作成用の列範囲に転送された貸方デ 一夕の要素を示す図である。
この図 2 8の上段にはセルの番地や列番号が示されており、 下段にはセルの値 が示されている。
要素の転送方法は上記と同様であるので説明を省略する。 貸方データ (仕訳デ 一夕) には、 「1 0 1」 番以降の仕訳番号が付されて、 上述した借方データと区 別されている。 要素が転送されると、 上述したように摘要要素が自動構成されて 結合摘要要素 (図 2 9の 2 2 2— 3に示す) が編集され、 貸方データ 2 1 0が作 成される。
この図 2 8に示す貸方データ 2 1 0は、 図 2 5の下段に示す貸方デ一夕 1 8 2 と全く同様のデータとなっており、 以上説明したように、 借方データから貸方デ —夕が人手を介さず一括して自動的に作成される。
図 2 9は、 借方データと貸方データの会計処理への転用例を示す図である。 ここでは、 会計処理の単純な一例として伝票形式の仕訳帳 〈複合仕訳) を作成 する処理が採用されている。
借方データに基づく仕訳伝票 2 2 1と貸方データに基づく仕訳伝票 2 2 2とを 比較すると、 「借方科目」 の文字列 2 2 1— 1 , 2 2 2—1、 「借方部門 j の文 字列 2 2 1— 2 , 2 2 2 2、 「摘要」 の文字列 2 2 1— 3, 2 2 2 3、 「金
額」 の数値 221—4, 222— 4のように互いに大きく相違している。 このよ うに互いに大きく相違するデータが、 人手による金額の集計作業や仕訳の入力作 業を必要とせず、 一括して自動的に作成される。
以上述べた処理事例 2では、 処理事例 1において説明した機能に加えて、 補助 要素に入力されたデ一タに基づいた摘要要素の自動編集機能と区分要素の自動設 定機能、 識別デ一夕別の金額の集計機能、 指定データの自動設定機能、 仕訳パ夕 一ンの自動選択機能、 独立変動要素の自動入力機能といつた従来の技術とは相違 する新たな機能について説明した。
処理事例 2に示す 「未払費用」 計上の取引では、 各取引の金額や一部の取引の 摘要語句など、 必要最少限度の独立変動要素の借方デ一夕を入力すると、 処理事 例 1と同様にして借方仕訳データが自動作成され、 さらに、 借方仕訳データから 相手先番号別の金額が集計され、 貸方摘要番号が付されて仕訳加工部 75に転送 され、 この貸方摘要番号をキ一に貸方の 「摘要雛形」 が自動選択され、 集計され た金額が該当する 「区分要素」 に自動入力され、 以下、 処理事例 1で説明したの と同様にして、 貸方仕訳データが人手を全く介さず一括して自動的に作成される 次に、 処理事例 1, 2に関して補足の説明をする。
摘要要素の自動編集機能と区分要素の自動設定機能について、 例えば、 短期借 入金利息の支払取引において、 借入金の利払期間 「12」 、 「9」 、 「26」 、 「12」 、 「12」 、 「25」 、 利率 「2. 3」 、 元本の金額 「100, 000 , 000」 、 利払日数の 「検索関数や計算式」 を 「摘要雛形」 の補助要素に、 支 払利息の 「計算式」 を区分要素に、 予め固定要素や従属変動要素として登録して おくと、 利払期間の開始日および終了日の、 基準日からの通算日数が、 「副摘要 雛形」 の対応表を用いて算出され、 利払日数 「91」 が計算され、 元本 「100 , 000, 000」 *利率 「2. 3」 Z 「100」 Z 「365」 *利払日数 「9 1」 が計算されて、 支払利息 「573, 424」 が自動設定される。 また、 数値 が文字列に変換され、 予め定められた定義に従った書式で、 「12. 9. 26- 12. 12. 25 91日 2. 3%」 (上段) 、 「短期借入金利息 〇〇銀◎ ◎支店」 (下段) のような詳細な内容の摘要が摘要要素を自動構成して編集され
る。
また、 自動継続の定期預金利息の受取取引においても、 定期預金の利払期間 「 12」 、 「4」 、 「1」 、 「12」 、 「9」 、 「30」 、 利率 「0. 15」 、 元 本の金額 「1, 000, 000」 などを、 上記と同様にして登録しておくと、 利 払日数 「183」 、 税引後受取利息 「6, 016」 、 源泉控除所得税国税 「1, 128」 、 源泉控除所得税地方税 「376」 、 税引前受取利息 「7, 520」 が 計算され、 税引後受取利息の仕訳は、 「 期日 12. 9. 30」 (上段)
、 「定期預金利息 〇銀□△」 (下段) の摘要と、 金額 「6, 016」 、 源泉控 除所得税国税の仕訳は、 「定期預金利息 国 税 〇銀□△」 (下段) の摘要と 、 金額 「1, 128」 、 源泉控除所得税地方税の仕訳は、 「定期預金利息 地方 税 〇銀□△」 (下段) の摘要と、 金額 「376」 、 税引前受取利息の仕訳は、
「12. 4. 1— 12. 9. 30 183日 0. 15%」 (上段) 、 「定期預 金利息 〇銀□△」 (下段) の摘要と、 金額 「7, 520」 のように、 摘要が自 動構成編集され、 「区分要素」 の金額が自動設定される。 金融機関の発行する利 息計算書や利払計算書などでその内容を確認することにより、 信頼できる極めて 正確で詳細な内容の仕訳データが自動作成される。
また、 小切手での支払を要する 「〇◎くじ」 の仕入取引などにおいても、 例え ば、 列方向に、 売上単価 「100」 、 「200」 、 「300」 、 「500」 、 行 方向に、 仕入単価 「93. 7」 、 仕入単価を文字列に変換し、 その前後に 「@j 、 「*」 の文字列を結合した摘要語句 「@93. 7 *」 などを対応させた 「副摘 要雛形 (1) 」 と、 列方向に、 回数 「368」 、 「 」 、 「1413」 、 行方向 に、 回数を文字列に変換し、 その前後に文字列を結合した摘要語句 「全国 ©©3 68回」 、 厂…」 、 「◊日本 1413回」 などを対応させた 「副摘要雛形 (2) 」 を配置し、 デ一夕入手部 74で、 仕入日付 「11」 、 回数 「1413」 、 単価 「100」 、 数量 「7000」 などの独立変動要素のデータを入力すると、 単価 「100」 をキーに、 上述した 「副摘要雛形 (1) 」 から、 仕入単価 「93. 7 」 、 摘要語句 「@93. 7 *」 が選択され、 仕入単価 「93. 7」 と数量 「70 00」 の数値に基づいて、 区分要素の金額 「655, 900」 が自動計算されて 設定され、 数量 「7000」 が文字列に変換され 「@ 93. 7 * 7000」 (上
段) 、 また、 回数 「1 4 1 3」 をキーに、 上述した 「副摘要雛形 (2 ) 」 から摘 要語句が選択され、 「◊日本 1 4 1 3回仕入 △銀▽▽支店」 (下段) のように 摘要が自動編集され、 仕訳デー夕が人手を介さず瞬時に自動作成される。
上述したように、 摘要要素の自動編集機能には、 検索機能や、 計算機能や、 数 値を文字列に変換する機能や、 入力されたデータに予め定義された文字列を結合 して書式を設定する機能などが含まれており、 区分要素の自動設定機能には、 検 索機能や階層的な計算機能などが含まれており、 「副適用雛形」 は同一種類の取 引に複数さらには階層的に設定することも可能であり、 また、 これらの機能は、 上述したような少量多種の取引や、 旅費の精算業務、 本支店勘定の処理などにも 幅広く利用することができる。
なお、 上述した処理事例 1, 2のような取引であっても、 同一種類の取引量が 多量となった場合などには、 適用業務部 7 7で入力作業などを行い、 取引データ 受取部 7 6で適用業務部 7 7から取引データを受け取って、 後述する処理事例 3 と同様に処理することもできる。 .
以上で処理事例 2の説明を終了し、 以下、 処理事例 3について説明する。
(処理事例 3 )
図 3 0は、 給与支払の処理事例を示す図である。
この図 3 0の上段にはセルの番地の列番号が示されており、 下段にはセルの値 が示されている。
図 3 0に示す事例は、 図 5に示すメニューで、 メインメニュー 6 1の 「定形的 取引 2」 と、 取引選択メニュー 6 3の 「給料」 が選択された場合の処理事例であ る。 「定形的取引 2」 に属する各取引では、 仕訳作成に先立って適用業務部 7 7 で適用データが作成されていることを前提としており、 その適用デ一夕のうちか ら仕訳作成に必要な取引データを取引データ受取部 7 6で受け取って仕訳データ が作成される。
図 3 0には、 給与支払の処理用に用意された第 1摘要雛形記憶部 7 2一 1の 「 摘要雛形」 が例示されている。
ここに例示された 「摘要雛形」 では、 「金額」 の列 2 3 1に示された数値と、 「補助要素 1」 の列 2 3 2に示された文字列と、 「補助要素 2」 の列 2 3 3に示
された数値は、 適用業務部 7 7から取り込まれる独立変動要素である。
「伝票.日付」 の列 2 3 4に示されている数値は、 後述する関数 「支給日」 の値 を引用した従属変動要素である。 「摘要要素 2」 の列 2 3 5に示されている文字 列は従属変動要素であり、 「補助要素 1」 の列 2 3 2に示された文字列と 「補助 要素 2」 の列 2 3 3に示された数値に基づいて後述するように自動更新される。 「摘要要素 1」 の列 2 3 6に示されている文字列と 「発生標識」 の列 2 3 7に示 されている数値は、 上述した処理事例 1と同様に自動更新される従属変動要素で ある。
図 3 0に示された残りの、 「借方科目」 〜 「貸方部門」 、 「借方課税区分」 、 「貸方課税区分」 の各列に示されている要素は、 予め登録された固定要素である 図 5に示すメニューを介して 「給料」 の取引が選択されると、 上述した処理事 例 1と同様に当月の 「環境設定」 が自動的に行われる。
次に、 ユーザの操作によって、 図 5に示す 「給料」 の操作援助メニュー 6 7の 「データ処理」 が選択される。 この 「データ処理」 の選択により所定のマクロが 起動されて、 取引データ受取部 7 6に取引データが取り込まれ、 その取引データ に基づいて仕訳デー夕が自動作成される。
図 3 1は、 給与支払の処理で取引データ受取部 7 6が受け取った取引データを 示す図である。
図 3 1に示す列のうちの 「摘要番号」 の列 2 4 1には、 連番の摘要番号が予め 格納されており、 この図 3 1では、 6行分が抜粋されて示されている。
ここで取り込まれる取引データは、 「取引要素 1」 〜 「取引要素 1 0」 という 要素と、 給料の支給日を表す数値とを含むものであり、 「C 1 3 2」 番から 「C 1 4 1」 番までの列範囲 2 4 2には、 「取引要素 1」 〜 「取引要素 1 0」 が取り 込まれて、 摘要番号 「1」 番の行から順次に下方へと格納される。 「取引要素 1 」 は金額を表す数値であり、 金額が 「0」 である場合もある。 「取引要素 2」 は 氏名を表す文字列であり、 「取引要素 3」 は人数を表す数値である。 また、 「C 1 4 6」 番に示されているセル 2 4 3には、 支給日を表す数値が取り込まれる。 このセル 2 4 3には名前 「支給日」 が定義されており、 このセルの値は関数 「支
給日」 の値として引用される。
「発生標識」 の列 2 4 4には、 「取引要素 1」 の金額が 「0」 であれば値 「0 」 が格納され、 「取引要素 1」 の金額が 「0」 以外であれば値 「1」 が格納され る。 図 3 1には、 金額が 「0」 以外であるデータ部分が抜粋されて示されている 上述したように取引デ一夕が取り込まれると、 次に、 取引データの要素が、 摘 要番号の指定する第 1摘要雛形記憶部 7 2—1の 「摘要雛形」 に転送される。 取 引データに含まれている 「取引要素 1」 〜 「取引要素 1 0」 の要素の並びは、 本 実施形態の仕訳データ作成装置における 「摘要雛形」 の共通列構成とは相違して いる。 このため、 「摘要雛形」 が用意される際に、 転送元と転送先との列の対応 も定義され、 その定義に従って要素の転送がマク口で実行される。
図 3 2は、 転送元と転送先との列対応の定義を示す図である。
この図 3 2に示す対応表 2 4 5の左欄 2 4 5— 1には、 図 3 1に示す列の列番 号が格納されており、 この対応表 2 4 5の右欄 2 4 5— 2には、 図 3 0に示す列 の列番号が格納されている。
このような対応表に従つて要素の転送が行われることにより、 「取引要素 1」 の要素は、 図 3 1に示す 「C 1 3 2」 番の 「金額」 の列から、 図 3 0に示す 「C 7 1」 番の 「金額」 の列 2 3 1に転送される。 同様に、 「取引要素 2」 の要素は 、 図 3 1に示す 「C 1 3 3」 番の 「氏名」 の列から、 図 3 0に示す 「C 5 6」 番 の 「補助要素 1」 の列 2 3 2に転送され、 「取引要素 3」 の要素は、 図 3 1に示 す 「C 1 3 4」 番の 「人数」 の列から、 図 3 0に示す 「C 5 7」 番の 「補助要素 2」 の列 2 3 3に転送される。
但し、 要素の転送は、 図 3 1に示す 「発生標識」 の列 2 4 4に値 「1」 が格納 されている場合に限られている。
上述したように第 1摘要雛形記憶部 7 2—1の 「摘要雛形」 に要素が転送され ると、 図 3 0に示す従属変動要素が自動更新される。
図 3 0に示す 「摘要要素 1」 の列 2 3 6に示されている文字列と 「発生標識」 の列 2 3 7に示されている数値の自動更新については重複説明を省略する。 上述したように、 「伝票日付」 の列 2 3 4に示されている数値は、 関数 「支給
日」 の値を引用した従属変動要素であり、 図 3 1に示すセル 2 4 3に取り込まれ た値 「2 0」 と同じ値 「2 0」 に更新される。
「摘要要素 2」 の列 2 3 5に示されている文字列の編集は、 セルの式によって 、 次のように場合分けされて定義されている。
( 1 ) 補助要素 2の値が 「1」 である場合は、 「摘要要素 2」 の文字列は、 「補 助要素 1」 の文字列と、 「補助要素 2」 の数値を変換した文字列と、 文字列 「名 」 とを編集した文字列であり、
( 2 ) 補助要素 2の値が 「1」 より大である場合は、 「摘要要素 2」 の文字列は 、 「補助要素 1」 の文字列と、 文字列 「外」 と、 「補助要素 2」 の値から 「1」 を引いた数値を変換した文字列と、 文字列 「名」 とを編集した文字列である。
「摘要要素 2」 の列 2 3 5に示されている文字列は、 このような定義に従って 編集される。
このように従属変動要素が自動更新されると、 仕訳デー夕を作成するために必 要な要素が揃うので、 上述した処理事例 1と同様に要素が第 1仕訳記憶部 7 1— 1の仕訳作成用の列範囲に転送されて仕訳デー夕が作成される。
図 3 3は、 給料の処理で作成された仕訳データを示す図である。
図 3 3に示すような借方データ 2 5 1と貸方データ 2 5 2が、 図 3 1に示すよ うに取り込まれた取引データから人手を介さずに作成される。
このように作成された仕訳データも、 上述した処理事例 1と同様に会計処理に 転用される。
図 3 4は、 給料の処理で作成された仕訳データの会計処理への転用例を示す図 である。
ここでも、 会計処理の単純な一例として伝票形式の仕訳帳 (複合仕訳) を作成 する処理が採用されており、 この図 3 4の上段には、 借方データが転用されて作 成された仕訳伝票 2 6 1が示されており、 下段には、 貸方データが転用されて作 成された仕訳伝票 2 6 2が示されている。
本実施形態の仕訳データ作成装置では、 仕訳伝票 2 6 1の摘要 2 6 1—1のよ うな、 十分に詳細な文字列からなる摘要が、 上述した取引データから自動構成編 集される。
なお、 処理事例 3では、 前述したように、 仕訳作成に先立って適用業務部 7 7 で適用データが作成される。 給与計算の適用業務では、 「支給日」 や残業時間な どの必要最少限度の独立変動要素のデータを入力すると、 源泉税 ·雇用保険料の 計算など周知の技術による機能に加え、 「年」 、 「月」 の値をキーに対応表から 貸付金の返済額や利息などの従属変動要素を自動計算 ·抽出する機能や、 後述す る処理事例 4において示すように振込依頼書の自動作成機能なども有しており、 給与明細表、 部門別の社会保険料会社負担分明細表、 給与振込依頼書、 その他の 控除などの振込依頼書といったものが自動作成される。
以上述べた処理事例 3では、 処理事例 1で説明した機能に加えて、 仕訳パター ンの自動選択機能、 独立変動要素の自動入力機能といつた従来の技術とは相違す る新たな機能について説明した。
処理事例 3に示す 「給与支払」 の取引では、 取引データ受取部 7 6で、 適用業 務部 7 7で作成された給与計算の適用データのうちから仕訳作成に必要な取引デ —夕を受け取って、 摘要番号の指定する 「摘要雛形」 を自動選択し、 転送元と転 送先との列対応の定義に基づいて、 これらの取引デ一夕を該当する仕訳要素に自 動入力し、 以下処理事例 1で説明したのと同様にして、 借方、 貸方の仕訳データ が人手を全く介さず一括して自動的に作成される。
次に、 処理事例 3と同様にして処理される取引に関して補足の説明をする。 まず、 売上計上の取引に関しては、 適用業務部 7 7で、 「〇〇売上」 、 「〜」 、 「貸方未達」 、 「貸方合計」 、 「売掛金」 、 「口口預金」 、 「現金」 、 「受取 手形」 、 「借方未達」 、 「借方合計」 といった貸借の取引 '決済区分について、 売上業務の種類に応じて日付 ·区分別の金額、 または、 相手先別の金額などが記 載された、 一覧形式の売上高明細表 (補助簿) が作成されており、 これらの適用 データのうちから仕訳作成に必要な取引データを取引データ受取部 Ί 6で受け取 ると、 上述したのと同様にして仕訳デー夕が人手を全く介さず一括して自動的に 作成される。
この売上計上の取引に関しては、 業種の相違により、 明細表の形態は多様であ るが、 そのいくつかを例示すると、 まず、 外食 (小売 ·レジャー) 業などでは、 「日付」 、 「レストラン売上」 、 「テイクアウト売上」 、 「売店売上」 、 「自販
機売上」 、 卩…」 などの売上区分をもつ明細表が、 券売機やボスレジなどで集計 されたデータに基づいて作成され、 また、 不動産業などでは、 「入居者名」 、 「 家賃収入」 、 「共益費収入」 、 「電気料」 、 「水道料」 、 「···」 などの売上区分 をもつ明細表が、 電気 ·水道メータ一の当月の数値の入力などに基づいて作成さ れ、 また、 建設業などでは、 「工事名」 、 「相手先名」 、 「工事番号」 、 「日付 」 、 「売上金額」 などの売上区分をもつ明細表が、 人手によるデータの入力に基 づいて作成される。
また、 仕入 ·買掛金の計上取引に関しても、 上述した売上計上取引と概ね同様 であるが、 例えば、 相手先別に、 1日〜 1 0日、 1 1日〜 2 0日、 2 1日〜月末 日といった期間別に集計された金額などが記載された、 一覧形式の仕入髙明細表 (補助簿) が作成されており、 適用データのうち相手先番号、 期間別の金額など 仕訳作成に必要な取引データを受け取ると、 上述したのと同様にしてに仕訳デー 夕が人手を全く介さず一括して自動的に作成される。 なお、 原価計算についての 説明は、 ここでは省略する。
また、 売掛金の回収取引に関しても、 適用業務部 7 7で、 「相手先名」 、 「前 月繰越」 、 「当月発生」 、 「入金日付」 、 「入金金額」 、 「手数料」 、 …」 、
「当月回収」 、 「翌月繰越」 などの区分別の金額が記載された、 売上業種別の一 覧形式の売掛金明細表 (補助簿) が作成されており、 この明細表作成の基となる 適用データから、 仕訳作成に必要な預金口座別の、 相手先番号、 入金日付、 入金 金額、 手数料などの取引データを取引データ受取部 7 6で受け取ると、 同様にし て仕訳デ一夕が人手を全く介さず一括して自動的に作成される。
また、 決算取引に関しても、 適用業務部 7 7で、 決算用の各種の明細表 (補助 簿) が作成されており、 これらの適用データのうちから仕訳作成に必要な取引デ —夕を取引デ一夕受取部 7 6で受け取ると、 同様にして仕訳データが人手を全く 介さず一括して自動的に作成される。
決算関係の取引の処理の概要について、 まず、 「減価償却費」 に関しては、 適 用業務部 7 7で、 各資産の取得時から償却終了時までの減価償却費に関する一覧 形式の明細が用意されており、 これに当期取得や当期除却の (修正) 入力作業を 行うと、 「当期」 の数値をキーに当期分のデータが抽出され、 当期分の減価償却
費明細表や各種の集計データが自動作成される。 これらの適用データのうちから 、 仕訳作成に必要な、 建物、 建物附属設備、 ···、 器具及び備品といった勘定科目
•部門別に集計された減価償却費の金額などを取引データとして受け取ると、 「 第〇〇期 減価償却費 建物 〇□部」 といった摘要を含む仕訳デ一夕が自動作 成され、 「貸倒引当金」 、 「未払賞与」 、 「退職給付引当金」 などについても同 様にして仕訳デー夕が自動作成される。
また、 「前払費用」 に関しても、 適用業務部 7 7で、 例えば、 勘定科目 「保険 料」 、 保険種類 「店舗総合保険料」 、 保険目的 「管理棟 ·格納庫」 、 部門 「□〇 部」 、 保険会社 「〇◎火災海上」 、 保険期間 「1 2」 「5」 「7」 「一」 「1.3 」 「5」 「7」 、 保険日数 「3 6 5」 、 保険料 「4 3 2, 3 2 0」 、 前払期間 「
1 3」 「4」 「1」 「一」 「1 3」 「5」 「7」 、 前払日数 「3 7」 、 前払金額 「4 3, 8 2 4 } などが記載された前払費用明細表が作成されており、 この明細 表作成の基となる適用データのうち、 必要に応じて保険期間や保険料などの 「独 立変動要素」 の (修正) 入力作業を行うと明細表が自動作成される。 これらの適 用データのうちから仕訳作成に必要な取引データを受け取ると、 「4. 1 - 5 .
7 3 7日 管理棟 ·格納庫」 (上段) 、 「第〇〇期 前払店舗総合保険料」 ( 下段) の摘要と、 金額 「4 3, 8 2 4」 を含む仕訳デ一夕が自動作成され、 また 、 上記した仕訳の摘要の作成には使用されていない保険会社なども、 「摘要雛形 J の 「その他の要素」 に格納することによって、 決算書類として必要な勘定科目 の明細などを詳細な内容で瞬時に作成することも可能となる。 上述した損害保険 料のほか、 自動車保険料、 生命保険料、 支払利息などの 「前払費用」 、 受取利息 などの 「未収金」 、 「未払金」 、 経費、 支払利息などの 「未払費用」 などについ ても同様にして仕訳デー夕が自動作成される。
以上で処理事例 3の説明を終了し、 以下、 処理事例 4について説明する。
(処理事例 4 )
この処理事例 4も、 仕訳作成に先立って適用業務部 7 7で適用データが作成さ れることを前提としている。 この適用業務は、 指定する 「支払日」 に自己の口座 から複数の支払先それぞれの口座に各支払金額を振り込むことを金融機関に依頼 するために総合振込依頼書を作成する適用業務である。
図 3 5は、 総合振込依頼書を作成する適用業務で入手される取引データを示す 図である。
この適用業務では、 上述した処理事例 2で、 「未払費用」 計上の貸方データの 基として仕訳加工部 7 5で作成された、 図 2 6に示す 「貸方データ」 から、 「相 手先番号」 の要素 1 9 2と、 「金額累計」 の要素 1 9 4と、 「発生標識」 の要素 1 9 6が取引データとして転用されて取り込まれる。 取り込まれた要素は、 図 3 5に示す 「取引要素 1」 の数値 2 7 1、 「取引要素 2」 の数値 2 7 2、 「発生標 識」 の数値 2 7 3として格納される。 「取引要素 1」 の数値 2 7 1は相手先番号 を表す数値であり、 「取引要素 2」 の数値 2 7 2は金額を表す数値である。 このように、 仕訳加工部 7 5から要素が取引データとして取り込まれると、 ュ 一ザの操作によって 「支払日」 の数値 2 7 4が入力される。
そして、 この図 3 5に示されている 「金額」 の数値 2 7 2と 「発生標識」 の数 値 2 7 3は、 振込先や支払金額などが一覧表示される支払一覧表に転送される。 図 3 6は、 支払一覧表を示す図である。
この支払一覧表 2 8 0には、 予め 「相手先番号」 の数値 2 8 1が連番で格納さ れており、 各相手先番号には、 「受取人」 〜 「口座番号」 の各要素からなる振込 先 2 8 2が対応づけられている。
このような支払一覧表 2 8 0に、 図 3 5に示す 「金額」 の数値 2 7 2と 「発生 標識」 の数値 2 7 3が、 「相手先番号」 の数値をキーとして転送される。 転送さ れた数値は、 支払一覧表 2 8 0の 「支払金額」 の数値 2 8 3と、 「発生標識」 の 数値 2 8 4として格納される。
また、 支払一覧表 2 8 0の 「手数料」 の数値 2 8 5が、 「支払金額」 の数値 2 8 3と、 振込元の銀行名、 支店名、 振込先の銀行名、 支店名に基づいて計算され 、 手数料が自己負担であるか相手負担であるかの判定の基準に基づいて 「振込金 額」 の数値 2 8 6が計算される。 なお、 本適用業務では、 データ加工部において 支払金額の相殺や源泉税の預りなどの控除金額の処理などを行うこともできるが 内容の説明は省略する。 さらに、 「手数料計」 〜 「出金合計」 の金額がデータ加 ェ部で集計されており、 集計されたデータがデータ加工部より転送され各数値 2 8 7が格納される。
このように作成された支払一覧表 2 8 0から、 「発生標識」 の数値 2 8 4が 「 1」 である行の要素が抽出されて総合振込依頼書が作成される。
図 3 7は、 総合振込依頼書を示す図である。
この総合振込依頼書 2 9 0は、 図 3 6に示す支払一覧表 2 8 0から抽出された 要素が所定の配置に転送されて印刷されたものである。 転送などの詳細について は説明を省略する。
以上説明した適用業務で作成された依頼書作成用の適用データのうち、 仕訳作 成に必要なデータが、 以下説明する処理事例 4で、 取引データとして取り込まれ て仕訳デ一タが作成される。
この処理事例 4は、 図 5に示すメニューで、 メインメニュー 6 1の 「定形的取 引 2」 と、 取引選択メニュー 6 3の 「定期支払 1」 が選択された場合の処理事例 である。 「定期支払 1」 では、 未払費用の定期支払の取引に関する仕訳処理が実 行される。 取引の選択時に当月の 「環境設定」 が自動的に行われる。
図 3 8は、 定期支払の処理で取引データ受取部 7 6が受け取った取引データを 示す図である。
ユーザの操作によって、 図 5に示す 「定期支払 1」 の操作援助メニュー 6 8の 「データ処理」 が選択されると、 図 3 8に示すように適用データが取引データと して取り込まれ、 以下述べるように、 仕訳データが人手を全く介さず一括して自 動的に作成される。
図 3 8に示すように、 図 3 5に示す総合振込依頼書を作成する適用業務の取引 データ 2 7 0から、 「相手先番号」 の数値 2 7 1と、 「金額」 の数値 2 7 2と、 「発生標識」 の数値 2 7 3が取り込まれ、 「取引要素 1」 の相手先番号の数値 3 0 1—1と、 「取引要素 2」 の金額の数値 3 0 2—1と、 「発生標識」 の数値 3 0 3— 1として格納され、 図 3 5に示すセル 2 7 4に入力された 「支払日」 の数 値も取り込まれ、 「支払日」 という名前が定義されたセル 3 0 4に格納される。 また、 「取引要素 1」 の相手先番号の数値 3 0 1—2は固定しており、 図 3 6 に示す支払一覧表の 「手数料計」 などの数値 2 8 8と、 「発生標識」 の数値 2 8 9が取り込まれて、 「取引要素 2」 の金額の数値 3 0 2— 2と、 「発生標識」 の 数値 3 0 3— 2として格納される。
このように取引データとして取り込まれた適用データの要素は、 「定期支払 1 」 の処理用に用意された第 1摘要雛形記憶部 7 2—1の 「摘要雛形」 に転送され る。 この転送は、 「相手先番号」 の数値 3 0 1と摘要番号とが互いに一致するよ うに実行される。 転送の詳細は、 上述した処理事例 3と同様であるので重複説明 は省略する。
図 3 9は、 「定期支払 1」 の処理用に用意された第 1摘要雛形記憶部 7 2—1 の 「摘要雛形」 を示す図である。
この図 3 9に示す 「摘要雛形」 に格納されている要素のうち、 「金額」 の列 3 1 1に格納されている数値は、 取引データの要素が転送されてきた独立変動要素 である。 また、 「伝票日付」 の列 3 1 2に格納された数値は、 関数 「支払日」 の 値が引用されて更新された従属変動要素である。 また、 「摘要要素 1」 の列 3 1 3および 「摘要要素 3」 の列 3 1 4に格納されている文字列は、 関数 「前月分」 などの値が引用されて自動更新された従属変動要素である。 また、 「発生標識」 の列 3 1 5に格納されている数値は、 上記同様に更新された従属変動要素である 。 その他の、 「摘要要素 2」 、 「摘要要素 4」 、 「借方科目」 〜 「貸方部門」 、
「借方課税区分」 、 「貸方課税区分」 の各列に格納された文字列や数値は、 予め 登録された固定要素である。
このように取引データの要素が転送された 「摘要雛形」 から仕訳データが作成 される手順についても、 上述した処理事例 1と同様であるので以下の説明は省略 する。
以上処理事例 4について述べたが、 処理事例 2において、 未払費用の計上のた めに、 各取引の金額や一部の取引の摘要語句など、 必要最少限度の独立変動要素 の借方データを入力すると、 借方、 貸方の仕訳データが人手を介さず一括して自 動的に作成されることを説明したが、 この処理事例 4では、 図 2 6に示すような 未払費用計上の貸方データを適用業務部 7 7が受け取って、 ユーザが 「支払日」 や控除金額など、 必要最少限度の独立変動要素のデータを入力すると、 図 3 7に 示すような総合振込依頼書が自動作成され、 上述したように 「定期支払」 の借方 、 貸方の仕訳データが人手を全く介さず自動的に作成される。
また、 買掛金の支払についても、 処理事例 4と全く同様にして処理することが
できる。 さらに、 本実施形態では、 説明を簡潔にするため本支店勘定についての 処理の説明などを省略しているが、 仕訳加工部 7 5は、 本支店勘定の支店におけ る相手先別の金額の集計機能や、 本店における全社でまとめた相手先別の金額の 集計機能や、 支店別の合計金額の集計機能なども有し、 取引先や支店の数が多数 になるほどこれらの機能の発揮する効果は大きなものとなる。
以上、 処理事例 1〜処理事例 4で、 取引の大半を占める定型的取引に関する本 発明の実施形態について述べたが、 これらの取引において、 従来の技術には、 前 述したように、 「高速入力」 や 「仕訳バタ一ン」 の選択入力などに、 様々な改良 を加えた入力手段があるが、 いずれの入力手段を選択した場合でも、 1つ 1つの 取引について、 「仕訳パターン」 や固定されない区分要素の (選択) 入力、 摘要 についても 「どこから (へ) 」 や 「その他」 の摘要語句を含む (補足,修正) 入 力や構成編集作業などの反復作業を毎月など定期的に繰り返さなくてはならない 。 また、 「通常入力」 を併用しなくてはならない取引も多数発生する。
これに対して、 本発明の仕訳データ作成装置は、 上述したように、 摘要要素の 自動編集機能、 区分要素の自動設定機能、 発生取引の自動抽出転送機能、 結合摘 要要素の自動構成編集機能、 仕訳パターンの自動選択機能、 独立変動要素の自動 入力機能、 識別データ別の金額の集計機能、 指定データの自動設定機能など、 従 来の技術とは相違する新たな機能を有し、 処理事例 1に示した 「口座振替」 の取 引では、 「振替日」 の一括入力と各取引の金額の入力、 処理事例 2に示した 「未 払費用」 計上の取引では、 借方データの各取引の金額や一部の取引の摘要語句な どの入力、 処理事例 3で示した 「給与支払」 の取引では、 適用業務における 「支 給日」 や残業時間などの入力、 処理事例 4で示した 「定期支払」 の取引では、 適 用業務における 「支払日」 や控除金額などの入力に示すように、 適用業務におけ る入力を含めて、 必要最少限度の独立変動要素のデータを入力すると、 毎月など 定期的に繰り返される反復作業のすべてが自動化され、 形の整った正確で詳細な 内容の摘要を含んだ仕訳データが人手を全く介さず一括して自動的に作成される 上述したような新たな機能を実現する手段を備えた、 本発明の仕訳データ作成 装置の一実施例として、 決算業務において、 従来の技術では概ね 3週間以上に及
ぶ作業を要する、 最終の月次処理 '年次処理、 各種会計帳簿の作成、 商法に基づ く決算報告書 ·附属明細書、 税法に基づく法人税等申告書 ·消費税等申告書、 各 勘定科目の明細などの作成を、 極めて正確な内容で、 決算日の最終データ締後 3 時間以内 (コンピュータの操作および処理時間) に終了している。
これは、 従来の手作業による簿記においても、 実践的な帳簿の応用発展から、 売上帳や仕入帳などは、 特殊仕訳帳や補助簿としての機能を併せ備えていたが、 コンピュー夕の普及により、 このような発展がさらに多方面にわたり加速され、 適用業務において、 給与明細の作成などのほか、 月次 ·決算業務のための、 明瞭 性や正確性を備えた様々な補助簿 (明細表) が作成され、 原始データの入力また は受け入れから補助簿の作成まで、 その作業工程の簡素化が進められてきた。 ま た、 種々の会計データに基づいて作成される上記決算書類なども、 固定要素と事 前に (修正) 入力の可能な一部の独立変動要素を除き、 原則的に従属変動要素で 構成されており、 従来の技術では、 各取引の仕訳データを人手を介して 1つ 1つ 作成するため、 この仕訳作成作業が決算における一連の作業工程の流れを堰き止 めていた。 この堰となるものを取り除き自動化することによって、 原始データが 入力されてから上記決算書類などを作成するまでの作業工程の自動化 (メニュー の選択操作などを除く) が可能となる。
以上で処理事例 4の説明を終了し、 以下、 処理事例 5について説明する。 (処理事例 5 )
この処理事例は、 非定形的取引に関する処理事例であり、 図 5に示すメニュー で、 メインメニュー 6 1の 「非定形的取引」 と、 取引選択メニュー 6 4の 「現金 営業 2」 が選択された場合の処理事例である。 取引の選択時に当月の 「環境設定 J が自動的に行われる。
「非定形的取引」 に属する各取引では、 第 2摘要雛形記憶部 8 2の、 図 1 0に 示す 「摘要雛形」 と、 第 2副摘要雛形記憶部 8 3の、 図 1 1に示す 「副摘要雛形 」 が用意され、 第 2仕訳記憶部 8 1—1の、 図 9に示す仕訳作成用の列範囲内で ユーザの入力操作が行われる。
上述したように、 非定形的取引は、 不特定の取引対象について不特定の取引相 手と不特定の日に行われる取引であり、 「仕訳パターン」 の自動選択が不可能な
ため、 ユーザによる入力操作を最も必要とする処理事例である。 そこで、 本実施 形態では、 ユーザによる入力操作を必要最少限度に抑える工夫が施されている。 図 4 0は、 第 2摘要雛形記憶部 8 2の 「摘要雛形」 の一例を示す図である。 上述した定型的取引に関する処理事例 1〜処理事例 4で用意される 「摘要翁信形 」 には 4つの摘要要素が含まれているのに対して、 この図 4 0に示す 「摘要雛形 」 は、 「摘要要素 1」 の要素 3 2 1と 「摘要要素 3」 の要素 3 2 2の 2つだけが 含まれている。 これらの要素 3 2 1, 3 2 2には、 原則的に取引の対象を表す 「 何を」 に相当する文字列が格納されるが、 例えば、 この 「何を」 が 「清酒代」 で あるとき、 「何のための」 の摘要語句が 「新築祝」 であれば 「交際費」 、 「営業 部神社奉納」 であれば 「会議費」 、 「御用納め」 であれば 「福利厚生費」 などと なるため、 摘要要素 3には 「何のための」 の摘要語句を登録することもできる。 このように、 「何を」 が 「〇〇 (代) 」 であるとき、 「何のための」 の摘要語句 が 「口口委員会」 であれば 「会議費」 、 「△△研修会」 であれば 「教育研究費」 、 「▽▽見舞」 であれば 「交際費」 、 「◊◊展示会用」 であれば 「広告宣伝費」 など、 業種によってはこのような取引も数多く発生する。 なお、 これらの要素 3 2 1 , 3 2 2は単なる空白であることも許容されており、 「摘要雛形」 の選択を 容易にするため、 登録する取引の数を発生頻度の高いごく少数に限定している。 また、 この図 4 0に示す 「摘要雛形」 には、 「摘要要素 1」 の要素 3 2 1と 「 摘要要素 3」 の要素 3 2 2が表す摘要語句に対応づけて 「借方科目」 〜 「貸方課 税区分」 の要素 3 2 3が格納されているが、 説明を簡潔にするため課税区分以外 の 「その他の要素」 の記載は省略している。
図 4 1は、 第 2副摘要雛形記憶部 8 3の 「副摘要雛形」 の一例を示す図である この図 4 1に示す 「副摘要雛形」 には、 「摘要要素 2」 の要素 3 3 1と 「摘要 要素 4」 の要素 3 3 2が備えられており、 これらの要素 3 3 1, 3 3 2には、 取 引相手を表す 「どこから (へ) 」 に相当する文字列が格納される。
「現金営業 2」 の取引では、 このように用意された 「摘要雛形」 と 「副摘要雛 形」 のなかから、 各 1つずつの 「摘要雛形」 と 「副摘要雛形」 がユーザの操作に よって選択され、 取引における 「何を」 と、 「どこから (へ) 」 と、 「何のため
の」 などの摘要語句と、 固定された区分要素との組み合わせが設定される。 ユー ザは、 簡単な選択操作で基本的な仕訳のパターンを整えることができる。
図 4 2は、 第 2仕訳記憶部 8 1—1の仕訳作成用の列範囲の一例を示す図であ る。
この図 4 2でも、 上段にセルの番号や列番号が示され、 下段にセルの値が示さ れている。
ユーザの操作によって、 図 5に示す 「現金営業 2」 の操作援助メニュー 6 9が 表示されて 「入力 1」 が選択されると、 所定のマクロが起動されて、 「伝票日付 J のセル 3 4 2が入力先として自動選択され、 ユーザによって日付が入力される 次に、 「摘要番号」 のセル 3 4 3が入力先として自動選択され、 ユーザによつ て選択された 「摘要雛形」 を指定する摘要番号 (ここでは 「3」 番) が入力され る。 この入力を受けて、 摘要番号の指定する 「摘要雛形」 の要素が、 「借方科目 」 〜 「貸方部門」 のセル範囲 3 4 4と 「編集前摘要要素 1, 3」 のセル 3 4 5と 「借方課税区分」 および 「貸方課税区分」 のセル範囲 3 4 6に転送される。
次に、 「副摘要番号」 のセル 3 4 7が入力先として自動選択され、 ユーザによ つて選択された 「副摘要雛形」 を指定する副摘要番号 (ここでは 「2」 番) が入 力される。 この入力を受けて、 副摘要番号の指定する 「副摘要雛形」 の要素が、 「編集前摘要要素 2, 4」 のセル 3 4 8に転送される。
次に、 単なる空白の要素が転送されたセル (ここでは、 「借方部門」 のセル 3 4 4— 1と、 「編集前摘要要素 3」 のセル 3 4 5— 1 ) が入力先として自動選択 され、 必要に応じてュ一ザによって要素が入力される。
次に、 「追加文字」 のセル 3 4 9が入力先として自動選択され、 ユーザによつ て、 摘要に追加されるべき文字列が必要に応じて入力される。
次に、 「金額」 のセル 3 5 0が入力先として自動選択され、 ユーザによって、 取引の金額が入力され、 金額の入力を受けて 「発生標識」 のセル 3 5 1の値が 「 1 J に更新される。
次に、 「C 1 7」 番から 「C 2 1」 番までのセル範囲 3 5 2が'入力先として自 動選択され、 ユーザによって、 現金取引の領収書などに記載されている月日の数
値と、 領収書などの処理件数が入力される。 ここでは、 9月 2日と 9月 3日の 2 件分の領収書に基づいた入力が行われている。 なお、 「補助要素」 のセル範囲 3 52の上段にも同様に月日を入力することができ、 領収書などの月日が 2ヶ月に またがつている場合などに利用される。 月日の数値と件数が入力されると、 以下 説明する文字列の編集が行われる。
この文字列の編集では、 「R5C 17」 番から 「R 5 C 20」 番までの 4つの セルに格納された数値が文字列に変換され所定の書式で編集され、 その文字列が 「R 5 C 22」 番のセル 353に格納される。 同様に、 「R 6 C 17」 番から 「 R 6 C 20」 番までの 4つのセルに格納された数値が文字列に変換され所定の書 式で編集され、 その文字列が 「R6C22」 番のセル 354に格納される。 ここ では、 月の数値 「9」 と、 日付の数値 「2」 、 「3」 に基づいて文字列 「9/2 . 3」 が編集されている。 また、 これらのセル 353, 354に格納された文字 列がさらに編集された文字列が 「R 5 C 23」 番のセル 355に格納される。 例 えば、 これらのセル 353, 354に文字列 「8ノ 31」 と文字列 「9/2. 3 」 が格納されているとすると、 これらの文字列に基づいて文字列 「8/31. 9 /2. 3」 が編集される。 さらに、 「件数」 のセル 352—1の数値と文字列 「 件」 とで構成された文字列が 「R6C23」 番のセル 356に格納される。 ここ では文字列に変換された数値 「2」 と文字列 「件」 とで構成された文字列 「2件 」 が格納されている。
次に、 「結合日付件数」 のセル 355, 356と、 「追加文字」 のセル 349 とのそれぞれに格納されている文字列が、 「編集前摘要要素 1, 3」 のセル 34 5の文字列に追加編集される。 但し、 上段どうしおよび下段どうしが編集される 図 43は、 文字列の追加と編集を説明する図である。
この図 43には、 図 42で省略されていた列範囲が示されている。
この図 43に示す 「編集後摘要要素前半」 の上段のセル 361には文字列 「9 /2. 3 ◎◎氏送迎」 が格納されている。 この文字列は、 空白の文字列に対し て文字列 「9Z2. 3」 と文字列 「◎◎氏送迎」 とが追加編集された文字列であ る。 また、 この図 43に示す 「編集後摘要要素前半」 の下段のセル 362には、
文字列 「通行料 2件」 が格納されている。 この文字列は、 文字列 「通行料」 に 文字列 「2件」 と空白の文字列とが追加編集された文字列である。
また、 ここでは、 「編集後摘要要素後半」 のセル 3 6 3には、 図 4 2に示す 「 編集前摘要要素 2, 4」 のセル 3 4 8に格納されている文字列 「◊◊南九州」 と 文字列 「高速道路公社」 がそのまま転送されて格納されている。
さらに、 これらの文字列が、 上述した処理事例 1と同様に文字列のバイト数や 調整値が計算され、 編集後摘要要素が自動構成されて、 「結合摘要要素」 の文字 列 3 6 4が編集される。
なお、 説明を簡潔にするため、 上記のような実施形態を例示しているが、 他例 として、 編集前摘要要素 1〜4に対してそれぞれ追加文字と編集標識を入力する ための補助要素が設けられ、 例えば、 編集前摘要要素 2 「駐車場」 に対して、 追 加文字 「〇△◎」 と編集標識の値を入力すると、 編集標識が 「1」 であれば編集 前摘要要素 2の文字列が上書きされて 「〇△◎」 として編集後摘要要素が編集さ れ、 編集標識が 「2」 であれば 「〇△◎駐車場」 、 編集標識が 「3」 であれば 「 駐車場〇△◎」 のように編集前摘要要素 2の前後に追加文字が結合されて編集後 摘要要素が編集される実施形態もある。 この機能によって 「駐車場」 のほか、 「 パーキング」 、 「石油店」 、 「市役所」 、 「区役所」 、 「郵便局」 、 「ストア」 などについて、 1つの摘要語句の選択から多数の摘要語句を簡単に作成すること ができる。 また、 後述するが、 編集前摘要要素 1についても、 例えば、 編集前摘 要要素 1 「洗剤」 に対して、 「. ごみ袋」 や 「他」 といった文字列の追加や上書 きなどを簡単に行うことができる。
また、 上述した現金取引のような取引では、 取引の原始記録として、 本来、 摘 要には、 「何を」 や、 「どこから (へ) 」 の要素のほか、 必要に応じて 「何のた めの」 や、 取引の発生した日付 「いつ」 や、 台紙に貼り付けた領収書の枚数 (処 理件数) 「どれだけ」 などの要素も記載すべきであるが、 上述したように、 ユー ザが領収書などを参照して最低限必要な簡単な入力作業を行うと、 摘要の文字列 が自動的に構成編集されて、 詳細な内容を整った書式で表す摘要が作成される。 従って、 ユーザは、 詳細な取引内容を含んだ適切な仕訳を、 摘要の書式などを意 識することなく容易に作成することができる。
なお、 上記処理は、 ユーザの操作によって、 図 5に示す 「現金営業 2」 の操作 援助メニュー 6 9が表示されて 「入力 1」 が選択された場合の処理であるが、 こ れに対して、 操作援助メニュー 6 9の 「入力 2」 が選択された場合には、 複数の 仕訳に対する、 「伝票日付」 、 「金額」 、 「摘要番号」 、 「副摘要番号」 、 およ び 「部門」 の要素についての連続的な入力をユーザに促すマクロが実行される。 このような連続的な入力により、 仕訳作成に必須の要素が極めて迅速かつ正確に 入力される。 「追加文字」 などといった要素の入力は、 必須の要素の入力の後で 随意に実行される。 また、 ユーザが任意にカーソルを移動して入力することもで きる。
図 4 4は、 非定形的取引の処理で作成された仕訳データの会計処理への転用例 を示す図である。
ここでも、 会計処理の単純な一例として伝票形式の仕訳帳 (単一仕訳) を作成 する処理が採用されている。
図 4 3で説明したように、 詳細な内容を含むとともに整った書式で表された 「 摘要」 の文字列 3 7 1を含んだ仕訳伝票 3 7 0が容易に作成される。
以上述べた処理事例 5では、 「摘要雛形」 と 「副摘要雛形」 の複数の指定デー 夕を同時に選択入力する機能、 編集後摘要要素の自動編集機能、 結合摘要要素の 自動構成編集機能といった従来の技術とは相違する新たな機能について説明した 上述した現金取引のような非定型的取引では、 「帳簿入力」 、 「固定摘要」 の 選択入力、 「仕訳パターン」 の選択入力などと 「通常入力」 との併用によって仕 訳を作成することができるが、 例えば、 領収書に記載されている品名が、 「ティ ッシュ」 、 「ティッシュぺ一バー」 、 「ティッシュ B〇X」 、 「B〇Xティッシ ュ」 、 「ちり紙」 、 「ごみ袋」 、 「ゴミ袋」 、 「ポリ袋」 、 「ポリ袋他」 、 「洗 剤、 ゴミ袋」 、 「ごみ袋、 水切袋他」 などのように、 品名の 「称呼」 や 「表記」 の相違、 品名に附随する 「他」 という語句の有無、 複数の品名の組合せが様々で あるといったような取引が多数発生し、 また、 その摘要語句の数は無数に存在す るため、 「固定摘要」 や 「仕訳パターン」 の数が増加しその選択が困難になる。 このため従来の技術には、 その選択範囲を限定して選択入力を容易にする 「連想
入力」 や、 「仕訳パターン」 の階層的選択入力などがあるが、 これらの入力手段 を用いて 「固定摘要」 や 「仕訳パターン」 を取得した場合でも、 「何を」 の摘要 語句の補足や修正、 「どこから (へ) 」 や 「その他」 の摘要語句の (選択) 入力 、 その構成編集作業などを必要とするため、 このような取引では、 これらの入力 手段はあまり実用的ではなく、 現金取引のような非定型的取引では、 実務上、 発 生頻度が高く、 「何を」 と 「どこから (へ) 」 の組合せが固定しているような取 引では 「仕訳パターン」 を選択入力し、 その他の取引では 「通常入力」 を中心に 入力作業が行われている。
これに対して本発明の仕訳データ作成装置では、 摘要語句に空白も許容された 「摘要雛形」 と、 「副摘要雛形」 の複数の指定データを選択入力する機能によつ て、 「何を」 と 「どこから (へ) 」 などの摘要語句と、 固定された区分要素を設 定し、 基本的な仕訳のパターンを整え、 空白の摘要語句を文字列の直接入力で補 足し、 さらに、 取引の発生した日付や領収書の精算枚数などの簡単な数値や、 「 その他」 の摘要語句などの入力に基づいて、 数値を文字列に変換する機能や入力 されたデータに予め定義された文字列を結合して書式を設定する機能などを含む 、 編集後摘要要素を編集する機能や、 編集後摘要要素を自動構成して結合摘要要 素を編集する機能によって、 煩雑な摘要の構成編集作業のすべてが自動化され、 また、 「何を」 を表す摘要語句と、 「何のための」 を表す摘要語句などを含め て当該勘定科目を判断しなければならない取引でも、 図 4 0において説明したよ うに、 「摘要要素 1」 と 「摘要要素 3」 に予めこれらの摘要語句を登録するなど して対応でき、
また、 1枚の領収書のなかに課税区分の異なる取引が含まれる取引でも、 課税 区分が取引ごとに登録されているため、 例えば、 図 4 0に示す摘要番号 「1 0 3 」 番の 「ゴルフプレイ費」 と、 「1 0 4」 番の 「ゴルフ場利用税」 とを登録 '選 択するなどして容易に対応できる。 「軽油取引税」 、 「ギフト券」 、 「印紙税- 登録免許税」 、 「自賠責保険料 ·自動車重量税 ·印紙代」 などが含まれる取引で も同様にして簡単に対応できる。 ,
さらに、 「摘要雛形」 に登録する取引の数をごく少数に限定し、 その選択入力 を容易にし、 空白の摘要語句の選択を、 文字列の直接入力で補足すると、 摘要が
自動構成編集されるため、 年間のすべての取引において、 「摘要雛形」 の選択入 力が可能となり、 上述したように、 取引ごとの課税区分を始めとする 「その他の 要素」 を取得することができる。
以上で処理事例 5の説明を終了するが、 処理事例 1〜処理事例 5で、 「営業収 支」 に関しては、 売上計上、 売掛金回収、 仕入計上、 買掛金支払、 「経費」 に関 しては、 給与支払、 口座振替、 未払費用計上、 未払費用支払、 現金による経費の 支払、 「営業外収支」 に関しては、 受取利息、 支払利息、 さらに 「決算」 といつ た年間の主な取引の実施形態について、 一部概要ではあるが説明した。
本発明の仕訳データ作成装置では、 業種や規模の相違などを含む広範囲の取引 、 適用業務、 補助簿、 決算書類などの内容や各データ間の関連性に関する長期に わたる実践的且つ詳細な分析結果に基づき、 仕訳データ作成に関しては、 取引の パターンを、 「仕訳パターン」 の自動選択入力が可能な 「定型的取引」 と、 人手 による 「仕訳パターン」 の選択入力を必要とする 「非定型的取引」 の 2つに分類 し、 入力要素の種類を、 固定した 「固定要素」 と、 人手などを介してコンピュー 夕への入力が不可避な 「独立変動要素」 と、 「固定要素」 や 「独立変動要素」 に 基づいて自動作成され得る 「従属変動要素」 の 3つに分類し、 図 6〜図 1 1に示 す 6種類の記憶部を備えることによって、 上述した新たな機能を実現できる環境 を整え、 年間のすべての取引において、 煩雑な摘要の構成編集作業を自動化し、 定型的取引では、 毎月など定期的に繰り返される反復作業のすべてを自動化し、 処理事例 1〜処理事例 4で示したように、 適用業務における入力を含めて、 必要 最少限度の独立変動要素のデータを入力すると、 適切な内容の摘要を含む仕訳デ 一夕が人手を介さず一括して自動的に作成される。 また、 年間のすべての取引に おいて 「摘要雛形」 の選択入力が可能となり、 これによつて、 「その他の要素」 から必要なデータを取得し、 仕訳データを他の業務で利用することも可能となる 以上で本発明の実施形態の説明を終了するが、 本発明の仕訳データ作成方法は 、 適用業務作成装置などでの実施も可能であるが、 このような装置での実施は、 本発明の仕訳データ作成方法の一実施形態に相当する。 本発明の仕訳データ作成 装置、 プログラム、 およびプログラム記憶媒体に関しても同様である。
また、 上述した実施形態では、 最良の形態として、 従属変動要素の番地に関数 が定義されることにより、 従属変動要素が更新され仕訳データの一部が作成され るが、 本発明にいう仕訳データ作成装置は、 マクロなどによって該当する従属変 動要素が更新されるものであってもよい。