明 細 書
マルチキヤ リ ァ通信システム及びその受信装置 技術分野
本発明はマルチキヤ リ ァ通信システム及びその受信装置に係わり、特に、着目サ ブチャネルと上下の 2 つ以上のサブチャネル間の干渉 ( ICI) を利用したマルチ キヤ リ ァ通信システム及びその受信装置に関する。
フィルタパンク変調、 DMT変調、 FMT変調などのマルチキヤリァ通信システム にお け る ビ ッ ト エ ラ ー率 ( BER ) は、 チ ャ ネル間干渉 ( Inter channel Interference: ICI) による歪みが含まれる受信信号を利用することによ り改善が 可能である。チャネル間干渉は通信システム、たとえば O F D M— C D M Aにおい てシステム誤動作によ り、あるいはサブチャネル間の直交性の喪失などの不可避 な環境によ り発生する。このチャネル間干渉はスぺク トルエネルギーの漏洩、時に はサブチャネル間のクロス トーク と呼ばれ漏洩に起因する。
本発明のターボレシーバの主な利点は、 ICIの振る舞いが、零平均ガウス分布確 率変数 (例えば下記文献 1で使用ざれたガウス近似) と して扱われることであり、 有限状態離散マルコフプロセスモデルを採用する。このよ う な ICI モデルでは、 ICI の性質から簡易ガウス近似がよ り現実的であるよ うに思われる。 本発明のタ ーポレシーバは最大事後確率推定アルゴリ ズムに基いている。このターボレシ一 パでは、非線形処理後に一方のサブチャネルから導出した情報が他方のサブチヤ ンネルの推定最大事後確率.を精練し、同様に、他方のサブチャネルから導出した情 報が一方のサブチヤンネルの推定最大確率を精練する。
文 献 1 : K.S athananthan and C.Tellambura, "Probability of error calculation of OFDM system with fre quency offset" , IEEE Trans. Commun . Vol.49, No.11 , Nov. 2001, pp l 884- 1888.
背景技術
(a)周波数オフセッ ト と ICI の関係
帯域を独立の狭帯域である複数のサブパン ドに分割し、かつ、サブパン ド毎の送 信データを周波数多重して送受信するマルチキヤ リァ通信システムにおいて、 た と えば、 フ ィ ルタノくンク変調、 DMT(Discrete Multitone)変調、 FMT(Filtere d
Multitone)変調などのマルチキャ リア通信システムにおいて、 フィルタセッ 卜の 選択はシンボル間干渉(ISI)とチャネル間干渉(ICI)を完全に除去する という拘束 の下で実行されてきた。
ドップラーシフ トがなく、且つ、送受信器間でオフセッ ト周波数がなく、 しかも 信号歪を起こさない理想的な伝送チャネルでは、この拘束は受信機において伝送 シンボルのエラーフ リーの復元を保証する。 しかし、発振器の不正確なチューニン グゃ ドップラーシフ トによ り各チャネルに発生する周波数オフセッ トは、スぺク トル漏涣あるいは ICIによる BER劣化を引き起こす。
そのよ うな BERの劣化を緩和する唯一の方法は、周波数オフセッ トをできるだ け小さ く 、具体的には、サブキヤ リァ周波数間隔の 1%以内に維持することである。 しかしながら、この方法は、精密な周波数オフセッ ト推定を必要と し、また、ノイズ が混合されたマルチキヤ リァ信号を受信する際、ノイズレベルが大きいと、周波数 オフセッ ト推定の精度を損なう とい う問題がある。更に、この方法は、高速フュー ジングチャネルにおいて、 すなわち、 ドップラーシフ トが伝送シンポルに して 一定でなく 、しかも、 時間によ り変化する高速フエージングチャネルにおいて、正 しく動作しない。
ここでは DMT ベースシステムと理想白色ガウス雑音(AWGN)チャネルを想定 する。又、シンボル間干渉 ISI のレベルはチャネル間干渉 ICIや他の雑音信号に比 ベて無視し得るものであると想定する。簡単化するために、着目サブチャネルと該 着目サブチャネルの下方に配置された第 1 の隣接サブチャネルと上方に配置され た第 2 の隣接サブチャネルのみを考える。図 1及び図 2 は周波数オフセッ 卜が零 の場合と(図 1)、周波数オフセッ 卜が零でない場合(図 2)における、 3つのサブチヤ ネルの周波数応答を示す。第 1、第 2、第 3のサブチャネルに対応する中心周波数 ί ι, f 2 , ί 3の信号は図 1、図 2において垂直矢印で示されている。図 1、図 2にお いて、 サブチャネル番号 O(cliO)は着目 チャネルを示し、サブチャネル番号一 Kcli - l)は周波数スケ一ルにおいて着目チャネルよ り下に笸かれるサブチャネル を示し、サブチャネル番号 + l (cli+ l)は周波数スケールにおいて着目チャネルよ り 上に置かれるサブチャネルを示す。 DMT シンポルの周期を T とすると、 周波数 スケールは 1/Tに等しいチャネル間隔で正規化される。すなわち、周波数スケール
の 1 単位はチャネル間隔である。図 1 に示されているよう に、周波数オフセッ ト (チャネル間隔で正規化されている) αが 0 の時、図中の実線 Αと断続線 B で示 される下方サブチャネルと上方サブチャネルの伝達関数は、着目サブチャネル(点 線 C)の中心周波数 f2 において無限の減衰を与える。又、同様に着目サブチャネル の伝達関数は、 下方及び上方のサブチャネルの中心周波数 3 おいて無限の減 衰を与える。すなわち、 周波数オフセッ ト α .が零であれば、 隣接サブチャネル間に I CI は発生しない。言い換える と、周波数オフセッ 卜が零であれば、それぞれのサ ブチャネルは直交し、 I CIは完全に存在しない。 '
しかし、 周波数オフセッ ト αが零でないと、'サブチャネルの直交性が崩れ、 I CI が発生する。図 2は DMTシステムにおいて周波数オフセッ ト αが零でないときの 各サブチャネルのスぺク トル特性を示す。隣接サブチャネルのスぺク トルは一 3dB でクロスし、最初のサイ ドローブはー 13dB と高い。システムモデルの複雑性 をさけるために以下では 1及ぴ 2チャネル間隔離れたサブチャネル同士が干渉す る場合を考える。 隣接サブチャネルのスペク トルは、図 2において α 0-1 , α α - 1; α ι ο , α — ι ο ; α。ι , α _ ιι と して示される非零の相互ゲインを有することは明ら かである。この表記において αの第 1ィンデックスは干渉源であるサブチャネル を示し、第 2イ ンデックスは干渉対象のサブチャネルを示す。すなわち、 α 。は番 号一 1 の下位サブチャネルからサブチャネル番号 0の着目チャネルへの漏れ伝達 係数(振幅)を示し、 α - Η は番号— 1 の下位サブチャネルからサブチャネル番号 .1 の上位チャネルへの漏れ伝達係数(振幅)を示し、 Q! Olはサブチャネル番号 0 の着 目サブチャネルから番号 1' の上位のサブチャネルへの漏れ伝達係数を示し、 α 0- 1 は番号 0の着目サブチャネルからサブチャネル番号— 1の下位サブチャネルへの 漏れ伝達係数を示し、 α 10 はサブチャネル番号 + 1 の上位サブチャネルから番号 0の着目サブチャネルへの漏れ伝達係数を示す。以上のよ うに、周波数オフセッ 卜 αが零でないと、 非零の相互ゲイン、 すなわち、 サブチャネル間に I CI (クロス トーク) を発生する。
(b)通信システムの一般的なモデル
図 3 は周波数オフセッ トを有する DMT システムにおける 4つのサブチャネル の相互 I CI を示すための一般的なモデル(4 サブチャネル一モデル)である。 本発
明のターボレシーバによれば、 3 つのサブチャネル一モデル(図 4 参照)と比べる と 4つのサブチャネル一モデルの方が DMT の低ロールオフスぺク トル特性のた めに大抵は ト一タルシステム BERを改善することが可能である。 li , 12 , 13はサ ブチャネル ch- 1, chO, ch+l、ch+2の送信装置、 2 i, 2 2 , 2 3 , 24は各サブチヤ ネルの受信装置、 3 , 3 2 , 3 3 , 3 4は各サブチャネルの伝送路、 4ijは番号 i の サブチャネルから番号 jのサブチャネルへの漏れ伝達係数(干渉係数) a i jをサブチ ャネル信号 D i にそれぞれ乗算する乗算器、 5 5 2 , 5 3 , 5 4は隣接のサブチ ャネルからのクロス トーク(ICI)を自分のサブチャネル信号に合成する第 1 の合 成部、 6 ι, 6 2 , 6 3 , 6 4は 2チャネル間隔離れたサブチャネルからのクロス ト ーク (ICI) を自分のサブチャネル信号に合成する第 2の合成部、 7 7 2 ) 7 3 , 7 4はノイズ合成部である。
図 3から明らかなよ うに下位サブチャネル ch- 1からの信号はクロス トーク係数 α - 10を介して着目サブチャネル chO に漏洩し、上位サブチャネル ch+1からの信 号はク ロス トーク係数 α 10を介して着目サブチャネルに漏洩し、 更に上位サブチ ャネル ch+2 からの信号はクロス トーク係数 α 20を介して着目サブチャネル chO に漏洩する。尚、更に下位のサプチャネル ch-2 からの信号がクロス トーク係数 α -20 を介して着自サブチャネルに漏洩するが、 ch+2 からの漏洩と同様に考えられ るので説明は省略する。図 3 のモデルは相互干渉のサブチャネルは上位及び下位 のサブチャネルである と限定しているけれど、通信システム全体のサブチャネル 数は限定しておらず 4 よ り大きな N 個のサブチャネルを有するマルチキャ リア 通信システムにも適用できる。しかしながら、かかる場合でも各サブチャネルへの 干渉は、下位の 2つのサブチヤネ レ及ぴ上位の 2つのサブチャネルからのみであ る。この場合、干渉係数は係数の違鎮を示す。サプチャネル間の周波数直交性の理 由で、図 3で m(t), n 2 (t) , n 3 (t) , H4(t)と表記されているノイズ成分は統計的に 独立(相関無し)である。
サブチャネルが周波数ドメインに配置されていると しているが、同様のモデル は、 DMT変調方式ゃフィルタパンク変調方式などのシステムに対してのみならず その他のシステムに適用され得る。 また、 ディメンジョ ンを他の領域、例えば空間 (空間分割多重アクセス)、極性その他の領域に拡張できる。 .
(c)技術的課題
図 3のモデルは ICIの原因になる物理プロセスを理解する上で有益である。 こ のモデルを用いていうならば、 課題は、 ICIが発生しても、' 各サブチャネルの受信 信号や送信情報シンポルの値(2 進数であれば符号)を正しく決定できるよう にす ることである。
受信装置における ICI を緩和する 1 つの可能性のある方法は、以下の文献 2で 提案されている ICI キャンセルのための判定帰還ィコライザ(DFE)を採用するこ とである。
文献 2:Viterbo and K.Fazel, " How to combat long echoe s in QFDM transmission schemes: Subchannel e qualization or more powerful channel coding/' Proc . IEEE Globecom '95, Singapore, Nov. 1995, pp . 2069 - 2074
と ころで、 個々の受信装置の出力がハー ドビッ トデシジョ ン(硬判定)の形式で あると、サブチャネル間で情報を共有しても、わずかな利点が存在するにすぎなレ、。 これは硬判定である DFE の動作範囲を制限する。
以上のアプローチが多く の実際のケースで有効であっても、 I CI の効果を最小 化するものであり次善の策である。なぜならば、 ICI には送信シンポルについての 情報が含まれているからであり、 この I CI に含まれる送信シンポル情報を用いて 受信信号を良好に復調できる可能性があるからである。
以上から、本発明の目的は、 ICIが存在する通信システムにおいて該 ICI を利用 して BERパフォーマンスを改善することである。
本発明の別の目的は、 ICI を利用した事後確率に基づいて BER を小さくするこ とである。
発明の開示
本発明は、 少なく とも 4つのサブチヤネルを介して信号を送受するマルチキヤ リァ通信システムであり、 ① 4つのサブチヤネルを介してそれぞれ独立にデータ を送信する送信装置、②対応するサブチャネルからデータを受信し、該受信データ の軟判定を行う各サブチャネル毎に設けられた受信部を含む受信装置、 ③着目サ ブチヤネル以外のサブチヤネル対応の受信部における軟判定対象値を着目サブチ ャネルの受信部に入力する手段、を備え、該着目サブチャネルの受信部は他のサブ
チャネルの受信部から入力された軟判定対象値を用いて、自身の軟判定対象値を 調整し、 該軟判定対象値に基づいて受信データを判定する。 - 上記着目サブチャネルの受信部は、①クロス トークパスの結合度を考慮して、着 目サブチャネルを介して受信したデータが 2値の一方である確率と他方である確 率との差を前記軟判定対象値と して演算する手段、 ②他 'のサブチャネルの受信部 から入力された前記軟判定対象値を用いて、自身の軟判定対象値を調整する手段、 ③該軟判定対象値に基づいて受信データを判^する判定部を備えている。
図面の簡単な説明
図 1 は、周波数オフセッ 卜が零である ときの周波数特性である。 ' 図 2は周波数オフセッ 卜が零でないときの周波数特性である。
図 3 は周波数オフセッ トを有する DMT システムにおける 4つのサブチャネル の相互 ICIを示すための一般的なモデルである。
図 4は下位の 1サブチヤネル及び上位の 1サブチャネル間の干渉を利用して受 信データを復調する通信システムの全体構成図であり、 サブチャネル数が 3つの 場合である。
図 5は 3サブチャネルモデルの受信装置の構成図である。
図 6は下位の 1サブチャネル及び上位の 2つのサブチャネル間の干渉を利用し て受信データを復調する通信システムの全体構成図であり、 サブチャネル数が 4 つの場合( 4サブチャネル一モデル)である。
図 7は上位 2つのサブチャネルと下位 1つのサブチャネルからのクロス トーク が存在する場合における受信装置の第 1 の構成図で、受信装置全体のの左側の構 成を示している。
図 8は上位 2つのサブチヤネルと下位 1つのサブチャネルからのクロス トーク が存在する場合における受信装置の第 2 の構成図で、受信装置全体の右側の構成 を示している。
図 9は本発明のターボレシーバによる繰り返し回数に応じた着目サブチャネル のコンステレ一ショ ン説明図である。
図 10 は本発明のターボレシ一パ及ぴ従来のマツチ トフィルタベース レシーバ の平均 BERパフォーマンスの特性図である。
図 11は本発明のターボレシーバを採用した DMTベース通信システムの構成図 である。
図 12は本発明のターボ処理機能を備えた DMT レシーバの BERパフオーマン スを示す特性図である。
発明を実施するための最良の形態
(A) 3つのサブチャネルの場合の通信システムの全体構成
図 4は下位及ぴ上位の トータル 2つのサブチャネル間の干渉を利用して受信デ ータを復調する通信システムの全体構成図であり、 サブチャネル数が 3つの場合 である。本発明は少なく とも 4 つのサブチャネルを有する通信システム(4サブチ ャネルーモデル)に提供するものである力 S、本発明を理解する上でサブチャネル数 が 3つの通信システム ( 3サブチャネル一モデル)を最初に説明する。
図 4 の通信システムには、 3つのサブチャネル ch- 1 , chO, ch+1 を介してそれ ぞれ独立にデータを送信する 3つの送信装置 21,22、23、第 iサブチャネルから第 j サブチャネルへの結合係数 a y を有する多数のク ロス トークパス 31 、 各サブ チャ ル毎に設けられ、対応するサブチヤネルからデータを受信し、該受信データ の軟判定を行う 3つの受信装置 40, 50,60、 各受信装置の軟判定対象値を他の受信 装置に入力する手段 71, 72を備えている。 なお、 32〜34、35〜37は ICI信号ゃノ ィズを合成する合成部である。
サブチャネル chOの受信装置 50は下位及ぴ上位サブチャネル ch- l,ah+l の受 信装置 40、60 から入力された軟判定対象値を用いて、自身の軟判定対象値を調整 し、 該軟判定対象値に基づいて受信データの" 0"、 " 1 "を判定する。 同様に他の受 信装置も下位及ぴ上位のサブチャネルの受信装置から入力された軟判定対象値を 用いて、自身の軟判定対象値を調整し、 該軟判定対象値に基づいて受信データ の" 0"、 " を判定する。
(B) 3つのサブチャネルにおける受信シンボル復調のァルゴリ ズム 図 4に示す通信システムにおいて着目サブチャネル c )の受信機が受信シンポ ルを復調するアルゴリ ズムについて説明する。
復調アルゴリ ズムの原理は、 着目サブチャネル O で受信する情報シンボル が "0" (=+1)で あ る 事後確率 P(Do=+l (t)) と 、 " 1" (=一 1)で あ る 事後確率
P(Do=-l/y(t))の差を示す値 InDoを導出することである。 というのは、 事後確率の 差 InDo を導出できれば、受信情報シンポルが" 0"であるカ '1 "であるか判定するこ とができるからである。すなわち、 着目サブチャネルの確率差 lnD0は、 受信情報 シンポルが" 0"(=+1)である事後確率 P(D。=+l/y(t))と "1"(=-1)である事後確率 P(Do=-l/y(t))の差であるから、 lnDo〉 0であれば着目サブチヤネルの受信情報 は" 0", lnDo< 0 であれば着目サブチャネルの受信情報は" であると判定できる からである。以上から、 まず事後確率の差を示す値 iDoを導出する。
バイナリ情報(2 値情報)が隣接する 2つのサブチャネルを介して信号 S*y(t)と して送信されるものとする。 なお、 S*ij(t)におけるインデックス i はサブチャネ ル番号を示し、インデックス j はサブチャネル i における情報シンポル Diの符号 i =ー 1 , 0又は 1 ) によ り決定される。すなわち、
(1)
である。以後、表記を簡単にするために、式において S (t)の時間依存性を省略す る。 すなわち、 S*ij (t)を S*ij と表記する。
送信情報シンボル Diは統計的に独立で(相関がなく)、且つ、等分布確率変数で あるとする。図 4から、下位及ぴ上位サブチャネルから ICIの影響を受けた着目サ ブチャネルの信号は、上位及び下位サブチャネルで送信された信号 S*-«, S*ij と 着目チャネル信号 S*ojとのクロス トーク係数 αによる線形結合と して表現される c なお、クロス トーク係数 aはクロス トークの漏れに応じた値である。着目チャネル の情報シンポル D。力 S +1 であれば、着目チャネルの受信信号 Sj ( j =0~3 )は、 下 位及び上位のサブチャネルの信号 D-i, Diが +1である力、一 1であるかによ り
: ^00 + - 10
—10 ' 10― 10 ' ■ 0, D0 = +1, —〖 = +1, Dt = -1
(2) = S, 00 ' 一 10 -SlQ + 10. , DQ = +1, D_x =—1, D = +1
S3 - ^oo 一 lo " io ~aw · D0 = +1, D_x =—1, Dx = -1
となる。 信号 Sjの 〗 は.信号番号を表わす。又、同様に着目チャネルの情報シンポ
ル D。が一 1であれば、着目チャネルの受信信号 S〗(j=4~7 )は、 下位及ぴ上位のサ ブチャネルの信号 D-i, Diが +1である力 一 1であるかによ り
s4=- ^oo + α-ιο ' ^-ιο + ιο ' ιο S3, D0 ---l,D_l =+l,Dl=+l
s5=- '■' '· + "—10■ 0― 10 '^10 : -- -1, D_! = +1, Dx = -1
(3) '°00一 <^-10 · - 10 + 10 ' 10 = - , 0 : -1, D_, = -1, D, =一 1
s7 = — SQO - "一 10 s_ aw "^io =~S0,D0 ::一 1, £>_! = -1, =一 1
となる。
ICI の導入後は、(2)及ぴ(3)式に従って、 各サブチャネルの受信機入力における 8つの信号と して S】( i =0,1,2'.... 7)を使用する。(2)及ぴ(3)式における Sjのィ ンデックス j は信号 号を示し、下位サブチャネル、上位サブチャネル、着目サブ チャネルにおけるシンボル D-i, Di及ぴ D。をペア (対)にすることによ り決定さ し 。
以下の①、②を考慮することによ り最適受信のァルゴリズムを更に発展するこ とができる。すなわち、 ①ある情報信号同士は符号が反対であり、 S*-io=— S*-ii、 S*oo=—S*oi、
であるという こと、及ぴ②情報シンポルの送信のために 下位、上位及び着目サブチャネルにおいて同一信号が使用され、 S^^c^S^c^S o 及び
であるという こと、を考慮することにより、 最適受信のアル ゴリズムを更に発展することができる。後者の②は、全サブチャネルが同じ値であ り、かつ、 全サブチャネルの情報信号間に、振幅、波形、エネルギーなどに関して差 が無いという事実を示している。この場合、各サブチャネルにおける(2)、(3)式の 信号は、次式で示すよ う にペアになり、且つ反対符号になる。
(2)、(3)、(4)式よ り、信号 を受信する事後確率、換言すれば、 受信信号が Sjで
ある事後確率 P(Sj/y(t)) は、次式
koは正規化因子、
j は信号番号(j=0,l,.... ,7)
y(t)は ICI を伴う信号系列 S〗 とスぺク トルパワー強度 Noを有する白色ガウス 雑音 ii(t)との合成信号 (y(t)= Sj +n(t))、
Papr(Sj)は受信信号 Sjの事前確率
P(y(t)/ ¾)は条件付き確率であり、受信語が y(t)であった時、送られた符号語が Sjであったという確率、
である。 着目チャネルの事前確率 : Papr(Sj) (]=0,1;.... ,7) は、 (2)〜(4)式よ り 着目サブチャネルの信号が S*OQである、 または S*oiである事前確率と 2つの隣 接サブチャネルにおける情報信号 S*y の事後確率の交差積と して表現される。す なわち、 Do=+lの場合には、
( ) = ^-ιο) · 。) · P( ;0)
(6) apr、"l,—丄、"一 11ノ J «¾;rV>"00ノ
) = PiSl, ( ) ' P( n )
となり、 Do=一 1の場合には ) = ω ) · (^o! ) · P(S0 )
) = P(Slw ) . ( ) · P(Su )
(S6) = P(Sln)■ (S0*1) . P(S0) ( 7)
Ρ^ { , ) = P(Sln ) . P (S^ ) . Pis;, ) となる
(6)〜(7)式において、: Papr(Sj)は、着目サブチャネルにおいて番号 j の情報信号 Sj が送信される事前確率(送信確率)である。 また、 事前確率 Papr(S*ij)はデータ癸生 元の統計に依存し、最も実際的には 1/2に等しいと仮定される。確率 P(S*ij)は受信 信号 S*ijの事後確率で、事前確率 Papr(S*ij)と異なリ、又、受信側で高い信頼度で推 定できるもので、 P(S*ij)« P(S*ij/y(t))である。 これは、 白色ガウス雑音チャネル において P(S*ij)の最も良い推定であろう。この仮定によ り、(6)及ぴ(7)式は以下の よう に書き替えることができる。
(S0) = 。 (り) · Papr( ;0)- P(S0 iy{t))
尸 ) = P(Sl10 /ヌ (り) · P(S / )
(§)
(&) = P(S:U ) · ( )· P(S0 ly{t))
) = P(S:n /y(t)) · P (S;0) · P(S:, ly{t))
(S ) = P(Sl10 ly{t)) . (Sl . P(S;0 の)
(S ) = P(S:W ly{y)) · (¾) . P(SU* I y{t))
(S6 ) = P(S:n I y(t)) . (Sm* ) . P(S;e I y(t)) (9)
Papr ( ) = P(S:n /; )■ (^l) · P(Su )) あるいは、情報信号 S*ijと送信情報信号 Di((l)式参照)との間に直接の関係が存 在する時は、(6)及び(7)式において P(S*ij) = P(Di =j/y(t))と置き換えることができ. (6)及'ぴ(7)式は次式で表現される。なお、 P(S*ij)は第 iサブチャネル信号 Diが; jで ある確率である。
Papr (^o ) = P{D_X =+ll y(t)) - P (^oo ) - (A =+1 ))
Papr(S1) = P(D_l =+\/y(t))-Papr{S;0)-P(D1 =-liy(t))
(10)
P
aPr(S
3) = P(D_
1=-l/y(t))-P
apr(S
∞)-P(D
1 =-l/y(t))
Papr(S1) = P(D_1—l/y(t))-Papr(S;i)-P{Dl =-Vy(t))
(10)及ぴ(11)式において、 着目サブチャネルにおける受信信号 Sj の事前確率 Papr(Sj) (; j=0,l,2,.... ,7)は、情報信号 S*ijの送信事前確率 Papr(S*ij)と下位及び上 位の隣接チャネルで受信した情報シンボル D iが +1又は _1である事後確率との 交差チャネル積で表現される。
本発明のターボレシーバ(最尤レシーバ)において、着目サブチャネルの受信情 報シンボル D。の符号は以下のよ う に決定する。 すなわち、 着目サブチャネル(番 号 0)の受信情報シンボル D。が +1 である確率 P(D。=+ l/y(t))と、 D。がー 1 であ る確率 P(D。=— l/y(t))をそれぞれ求め、それらの大小比較によ り、 あるいはそれ らの対数(logarithm)の差と閾値との比較によ り受信情報シンボル DQの符号を决 定する。
着目サブチャネルの受信情報シンポル D。が j となる事後確率 P(D。 =j/y(t))は、 Doが jである信号を受信する事後確率と して得ることができる。従って、事後確率 P(Do=+ 1/y (t))は着目サブチャネルの受信情報シンポル D。が " 0" (=+ 1)となる確率 であり 、以下のよ うに求めることができる。すなわち、 (1)、(2)式より、着目サブチ ャネルで" 0" (=+ 1)の情報シンポルを送信する信号は So〜 S 3であるから、着目サブ チャネルの受信情報シンポル DQが " 0" (=+1)となる事後確率 P(Do=+l/y(t))は、信号 So〜 S 3を受信する事後確率の和となり (12a)式で求めることができる。同様に、着 目サブチャネルの受信情報シンボル D。 力 " 0 "(=— 1)となる事後確率 P(Do=— l/y(t))は(12b)式で求めることができる。
「Ρ(£)0 = +1/γ( ) = k - [P(SQ ly(t)) + P{S, I y(t)) + P(S2 /ヌ (,)) + P(S31 y{t))} ひ2 し尸 (1)。 = -l/y(t)) = k , [P(S4 ly{t)) + P(S5 /ヌ ) + P(S6 (り) +尸 ( /ァ )] zh)
(12a)に(5)式を適用する と(ただし ko=l とする)、 (13)式
P(D0 =+l/y(t)) =
= k · r ( ) · P(y(t) /S0) + (S, ) - P(y(t) I Sx ) +
(13)
+ k■ [ (¾) · P(y(t)/ 2) + ( ) - P(y(t)/S3)} となり 、 更に、(12b)に(5)式を適用する と(ただし k。=lとする)、 (14)式
P(D0 = -
= k - · P( (t)/S4) + P^iS,) - P(y(t)/S5)] +
+ k-[Papr(S6)-P(y(i)/S6) + Papr(S1)-P(y(t)/S1)} (14) となる。(13)、(14)式に(10)、(11)式を代入し、簡単化のために、 P(Di=±l/y(t))の y(t) を省略する と (すなわち、 P(Di=±l/y(t)) = P(Di=±l)とすると) 、(15)、(16)式が得 られる。
更に、(15)式を変形すると、(17a), (17b)式が得られる
P(D0 =+Vy(t)) = た- ( *o)'
同様に、(16)式を変形する と(18a), (18b)式が得られる
P{D0 =-\ly{t)) =
—P D一 i =+l)-P(Dl =+l)-P(y(i)/S4) + P(D_1 =+l)-P(Dl = -ϊ)■ P(y(i) / S 5) + _+P(D_l =-l)-P(Dl =+l)-P(y(t)/S6) + P(D_l =-l)-P(Dl =-l)-P(y(t)/S1) ζ
P(D0 =-l/y(i)) =
-ι =+V)-{P(D1 =+l)-P(y(t)/S4) + P(D1 =-l)-P(y(t)/S5)}+
た- ( )' _+P(D_1 =-l)-{P(Dl =+Y)-P(y(t)/S6) + P(Dl =-l)-P(y(i)/S7)} (/2 b)
以上よ り 、着目サブチャネルの受信情報シンボル D。力 S"0"(=+1)、 "Γ(=— 1)とな る事後確率 P(Do=+l/y(t))、P(Do=— l/y(t))が求まれば、それらの大小比較によ り、 あるいはそれらの対数(logarithm)の差と閾値との比較によ り受信情報シンボル の符号(+1又は一1)を決定できる。
• 大小比較による判定
着目サブチャネルの情報シンポル D。が +1であるカ 一 1であるかは、 まず、 ~
D°
= +
1 を演算し、しかる後、(19a)、(19b)式により判定する。すなわち、 P(D
0=-l/v( )
であれば Do= + 1 と判定し、
< 1 (19b)
P( =-i/X )
であれば Do=— 1である と判定する。
• 対数の差による判定
着目サブチャネルの情報シンボル Doが + 1 である力 — 1であるかは、 まず、 In =+1/ (り)— In Ρ(Ζ)0 =— 1/ァ (t))を演算し(Inは eを底とする対数)、しかる後、 その Ιξ負によ り判定する。すなわち、
In P(P0 =+l/_y(t))— ln P(D0 = -l/j(t)) > 0 (19c)
であれば Do=+ 1 と判定し、
In P(D0 =+1/ (t))一 In P(DQ =一 1 / y(t))く 0 (l9d)
であれば D。=— 1 である と判定する。
さて、 送信シンボル Doが統計的に独立(相関がない)であり、且つ、等分散された 確率変数であることから、 次式が成立する。
11 apr ( 一 10 ) = ± apr (^00 ) = 1 apr (^+10 ) = .
1 (s:u)= ( )= (s+u)=x (
(20)式よ り 、(17b)式及び(18b)式における共通の乗数は判定ルールに影響を及 ぼさないから、(17b), (18b)式は(21), (22)式のようになる。
'P{D_X = +1) ' {P( = +1) · P(y(t) /S4) + P(A =—1) · P(y(t) I S5 )}+
Ρ(Ώΰ =-\/ν(ί)) = (22)
,+ φ-! =-1)·{Ρ(Α =+l)。P ( (f)/ +尸 (A =- 1)·尸 ( )/ )).」
ここで、 次式
In (ex +eY) = +ln 2 + ln cosh( ) (a)
ノ 2 、 2
の代数同一性を考慮して(21)、(22)式を変形すると以下の(23)、(24)
ln (D0 =+l/X ) =
となる で、以下の(25)、(26)式
In (D0 = +1 / ^( ) = ^-^ - + In 2 + In cosh Λ B
(25)
C + £> C - D、
lnJ% 0 =-l ): + In 2 + In cosh- (26)
2 ,
を採用する と、 A, B , C , Dは以下のよ うになる。
A B C
D
(25)、(26)式を(19c)、(19d)式の左辺の判定式に適用すると新判定式は次式
A + B C + D , , \ ~Β\ T_「C一 D,
lnD0 = + m cosn<! J- -In coshs
2 2 (27) となる。(
5)式よ り得られる P(y iS = exp{ S. fdt }の関係、並びに
)式を考慮するこ とによ り、(2 式の新判定式を構成する各項は以下のよ う に書 き替えるこ とができる。なお、
— lnP(Di=— l)である。
A+B C+D
2
(り ί + ■S2{t)dt + ■S,{t)dt +
2 Εΰ~Ελ
+ lncosli-]j¾ lnZ)1 +—— ■S0(t)dt- ■Sx(t)dt ί つ. En—E,
一 In cosh lnDj +—— ■s0(t)dt- 、- S^dt +——— Li-!> + (28)
. N„
以上において、
— lnP(Di=— l/y(t))は、第 i サブチャネルで 送信された信号 Diが +1である力 、一 1であるかの事後確率の対数差 (第 i サプチ τ ャネルの軟判定値)である。また、信号 Sj (t)のエネルギーを Ejと し、 E产 \S
2fi)
dt とする。また、 また、(27)式の (A-B) C一 D)は次式のよ うになる。 A-B =
2
■ S0(t)dt + jy(t) · S dt一 jy(t) · S2(t)di - ■S3{t)dt + -
Nn
A∑ _ E0 + El + E2 +E3
(31) である。 (27)〜(30)式は ICI を伴ったバイナリー信号の最適なレシーバ構造を定 義する。(27)〜(30)式から判るように、あるサブチャネルの送信情報シンボル D の 符号を判定する時、隣接チャネルの判定情報が使用される。(27)〜(30)式の判定ル ールにおいて、 In D _ i , In D + 1はそれぞれ、 下位サブチャネル(clr l)及ぴ上位サブ チャネル(ctL+1)における情報シンポルが +1である事後確率と、 一 1である事後確 率の対数差を表わしている。全ての計算は直列的であるので、着目サブサブチヤネ ルのデータ処理中、繰り返し計算によ り 隣接サブチャネルから最新の事後確率を 利用することができる。 ·
以上から、(27)〜(30)式よ り軟判定対象値である InD Qを演算し、しかる後、軟判 定対象値 InD。の正負によ り着目サブチヤネルの受信シンポルの" 0"、" 1"を判定す るよ う にアルゴリ ズムを作成する。
( C ) 受信装置の構成
図 5 は 3サブチャネルモデルの受信装置、 すなわち、 ICIを利用した最大事後 確率に基づいた受信装置(ターボレシーバという)の構成図であり 、着目サブチヤ ネルの受信部のみの構成を示しているが、 他のサブチャネルの受信部も同一の構 成を有している。また、この受信部は前述のァルゴリ ズムを実行する構成を備えて いる。
着—自サブチャネルの受信装置 50は、大き く分けると相関ュニッ ト (マッチ トフ ィルでも良い) 51、他チャネル判定結果作用部 52、第 1、第 2 の非線形ュニッ ト
53,54、シンボル判定部 55を備えている。
相関ュニッ ト 51の乗算器 51a及び積分器 51bは、判定式である(28)〜(30)式の は を演 る。
加算部 51 i は積分器 51b, 51d の積分出力を加算し、 減算器 51jは積分器 51b, 51d の積分出力を減算し、加算部 51kは積分器 51f,511i の積分出力を加算し、 減算器 51mは積分器 51f,51hの積分出力を減算する。また、加算部 51ηは加算部 51 i ,51k の出力を加算して(28)式の右辺第 1項 JV + y(t)S3 (t)dt
を出力する。 また、 減算部 51 pは加算部 51 i ,51kの出力を減算して dt
を出力する。 除算部 51q,51rは入力信号を 1/ 2にして出力する。
他チャネル判定結果作用部 52は加算器 52a 52cを備え、それぞれ lnD + 1 + (t)dt
lnD
+ 1 +— Jv(t)5
2 (t)dt -—{ /)¾ (t)dl lnD _
x + j- y{t)S,{t)dt-r
を演算する。
第 1の非線形ュニッ ト 53は(28)式の右辺第 2〜第 5項の In coshの演算を行う 部分であり、第 1、第 2 の非線形部 53a,53b を有している。第 1非線形部 53a の加 算部 71a, 71bはそれぞれ(28)式の右辺第 2、第 3項の { }内の演算をそれぞれ行う。
但し、(Eo— Ει)/Νο= ΔΕιと している。 In cosh演算部 71c,71dはそれぞれ(28)式の 右辺第 2、第 3項の演算を行い、減算器 71eは In cos 演算部 71cの演算結果から In cosh演算部 71dの演算結果を減算して出力する。
又、第 2非線形部 53bの加算部 71a',71b'はそれぞれ(28)式の右辺第 4、第 5項の { } 内の演算をそれぞれ行う。 伹し、(E2— Ε3)/Ν。= ΔΕ2 と している。 In cosh 演算部 71c',71d'はそれぞれ(28)式の右辺第 4、第 5 項の演算を行い、減算器 71e' は In cosh演算部 71c'の演算結果から In cos 演算部 71d'の演算結果を減算して 出力する。 .
又、加算部 53cは加算器 71e,71e'の出力を合成し、除算部 53dは合成信号を 1/2 して(28)式の右辺第 2〜第 5項の演算結果を出力する。
第 2の非線形ュニッ ト 54は(29)、 (30)式の右辺第 1〜第 3項の演算を行う部分 である。 加算部 54a,54bはそれぞれ(29)、 (30)式の右辺第 1項の演算を行い、 加算部 54c,54dはそれぞれ(29)、 (30)式の右辺第 2項、第 3項の演算を行い、 加算 部 54e,54f はそれぞれ(29)、 (30)式の右辺の演算を行い、 In cosh演算部 54g,541i はそれぞれ In cosh^— ^ , In cosh^— の演算を行い、減算部 54 i は In cosh
.2 2
>\ r _
演算部 54g,541iの出力の差を演算して In cosh^— - In cosh を出力する。
ム 2^
シンボル判定部 55の加算器 55aは、相関ュニッ ト 51の除算部 51rの出力信号 と非線形ュニッ 卜 53 の出力信号を加算して^^-^ "^を出力し、 加算部 55b
2 2
は(27)式の InDo (軟判定対象値)を発生する。判定部 55cは lnD。の正負を判定し、 正であれば受信シンポル,は" 0"と判定し、負であれば" 1 "である と判定する。又、シ ンボル判定部 55 は(27)式の演算結果(軟判定対象値) biD。を下位及び上位の隣接 するサブチャネルの受信部 40,60の他チャネル判定結果作用部へフィ一ドパック する。 '
(D) 4サプチャネルを有する本発明の通信システムの全体の構成例
図 6 は下位の 1つのサブチャネル及ぴ上位の 2つのサブチャネル間の干渉を利 用して受信データを復調する通信システムの全体構成図'であり 、 4つのサブチヤ
ネル ch- 1, chO, cli+l、cli+2 を介してそれぞれ独立にデータを送信する 4つの送 信装置 121, 122、 123, 124, 第 iサブチャネルから第 j サブチャネルへの結合係数 a ijを有する多数のク ロス トークパス 131 、 各サブチャネル毎に設けられ、 対応 するサブチャネルからデータを受信し、該受信データの軟判定を行う 4つの受信 装置 150, 160, 170, 180, 各受信装置の軟判定対象値を着目チャネル chO の受信装 置 160に入力する手段 191, 192を備えている。 なお、 他の受信装置に入力する手 段の図示は省略しているが、受信装置 160 と同様に考えるこ とができる。 132〜 139, 140- 143は ICI信号やノィズを合成する合成部である。
サブチャネル chOの受信装置 160は下位及び上位サブチヤネル cli- l,cli+l、cli+2 の受信装置 150, 170, 180 から入力された軟判定対象値を用いて、自身の軟判定対 象値を調整し、 該軟判定対象値に基づいて受信データの" 0"、 " 1 "を判定する。 同 様に他の受信装置も下位及ぴ上位のサブチャネルの受信装置から入力された軟判 定対象値を用いて、自身の軟判定対象値を調整し、該軟判定対象値に基づいて受信 データの" 0"、 " 1 "を判定する。
( E ) 4つのサブチャネルにおける受信シンポル復調のアルゴリズム 図 6 に示す通信システムにおいて着目サブチャネル chOの受信機が受信シンポ ルを復調するァルゴリズムについて説明する。 ·
復調アルゴリズムの原理は、 3 サブチャネル一モデルの場合と同様に着目サブ チャネル chO で受信する情報シンポルが" 0" (=+1)である事後確率 P(Do=+l/y(t)) と、 " Γ' (=— 1)である事後確率 P(Do=- l/y(t))の差を示す値 lnD0を導出することで ある。 着目サブチャネルの確率差 InD。は、 受信情報シンポルが" 0" (=+1)である事 後確率 P(Do=+l/y(t))と " 1" (=- 1)である事後確率 P(Do=- l/y(t))の差であるから、 lnDo > 0であれば着目サブチャネルの受信情報は" 0", lnD0く 0であれば着目サブ チャネルの受信情報は " 1 "である と判定できる。
バイナリ情報(2 値情報)が隣接する 2つのサブチャネルを介して信号 S*ij (t)と して送信されるものとする。 なお、 S (t)におけるインデックス i はサブチヤネ ル番号を示し、インデックス j はサブチャネル i における情報シンボル Diの符号 ( i =- 1 , 0又は 1 ) によ り決定される。すなわち、
である。 以後、表記を簡単にするために、式において S* (t)の時間依存性を省略す る。 すなわち、 S*y (t)を S*ij と表記する。
図 6から、下位及ぴ上位サブチャネルから ICI の影響を受けた着目サブチヤネ ルの信号は、上位及び下位サブチャネルで送信された信号 S*- , S*ij, S*2j と着目 チャネル信号 S*0j とのクロス トーク係数 αによる線形結合と して表現される。な お、ク ロス トーク係数 0:はクロス トークの漏れに応じた値である。着目チャネルの 情報シンボル D。が +1であれば、着目チャネルの受信信号 Si ( j =0~7)は、 下位及 ぴ上位のサブチャネルの信号 D-i, Di, D2が +1である力 >、一 1であるかによ り = 0 + 一 10 · i。 + i。 . 。 + c¾ - 。, Do = +1 -D-i = +1, = +l-D2 = +1 St = S0Q + α_10. 。 + aw · Sw― 20. S20 , D。 = +ls D_x = +1, Dx = +1, 2 =— 1 S2 = S J 0o0o + a_w . _l0 -a10 · (S0 + 20 - S20, D。 = +1, D_Y― +1, D1 =—\,D2― +1
4 = 00 ■a -10 ■S + 10. ^10 + «20 · S20^ D。 = + D-l =一1, A +l,D2 = +1
S5 = ^oo—"-io ^-10 + 10 *^io ~a 20 D0 =+!·,!)_, -\,DX = +l,D2
^6 - °00一 -W " ^-10一 ! 0 ' ^10 + a20 ' ^ 0' D。 = +1, D_ 一 1,A ¾=+i
=st 00 ■ 一 w ' S一 ー(32) となる。 信号 Sj の j は信号番号を表わす。又、同様に着目チャネルの情報シンポ ル D。が一 1であれば、着目チャネルの受信信号 Sj (]·=8~15)は、下位及ぴ上位のサ ブチヤ 信号 D-i, Di, D2が +1であるカ ー 1であるかによ り
=— oo + — 1。 ' 10 + «io · + 20 · 20, D。 = - 1, D一 = +1, Dx = +1, D2 = +1 =一 oo + α_ιο · ^-ιο + lo · Sl0一 α2ΰ . o20? D0 = -I, D_x = +1, Dx = +1,D2 = -1 = - 00 +a'_10.¾。 -alo-S1 e 0 + a20-S0, D0 = -1, D_x =+l,Dx =-l,D2 =+l
S、 = So'o + «-io ·. i。 ― ι。 · ― Λ'2ο . ^20= ) = -!= D~i = +1 = = -1
12 = - o一 - lo . S io + lo . Sw' + 20. ,^*0, D0 = -1, D_! = -X Dl = +1,D2 = +1
13 = -^oo― — 1。 . i。 + ,。 · 一 20 · S2*0, D0 =—1, D_x =—1, D1 = +1,D2 =一 1
= ~So― —lo · ^-ιο - «io . Sw + ¾) · *o , Do = -1, -D-i = -1, = ~1,D2 = +1 = - 。。― "一 10 · : i。 - !。 ' - "20 · , D0 = -I, Ό_ = -1, Ό = -1,D2 = - 1
(33)
となる。
ICI の導入後は、(32)及ぴ(33)式に従って、 各サブチャネルの受信機入力におけ る 16 個の信号と して Sj ( i =0,1,2,. · .. 15)を使用する。(32)及び(33)式における Sj のィンデックス j は信号番号を示し、下位サブチャネル、上位サブチャネル、着 目サブチャネルにおけるシンボル D-i, Di, D2及び D oをペア (対)にすることに よ り決定される。
以下の①、②を考慮することによ り最適受信のアルゴリ ズムを更に発展するこ とができる。すなわち、 ①ある情報信号同士は符号が反対であり、 S*-io=— S*-u、
S*-20=— S*21であるという こと、及ぴ②情報シンポル の送信のために下位、上位及ぴ着目サブチャネルにおいて同一信号が使用され、
S*21である という こと、を考慮するこ とによ り、 最適受信のァルゴリズムを更に発展することができる。後者の②は、全 サブチャネルが同じ値であり、かつ、 全サブチャネルの情報信号間に、振幅、波形、 エネルギーなどに関して差が無いという事実を示している。この場合、各サブチヤ ネルにおける(32)、(33)式の信号は、次式で示すよ う にペアになり 、且つ反対符号 になる。
¾0=— O 15, 01=— 14, 0 =— ) 13, 53 =— 12
以後、 3サブチャネルのモデルと同様に考えることができる。 すなわち、 3サブ チャネル一モデルの場合と 同様に、着目サブチャネルの受信情報シンボル Do が" 0"(=+1)、 "Γ(=— 1)となる事後確率 P(Do=+ l/y(t))、 P(Do=— l/y(t))を求める。 これが求まれば、 それらの大小比較によ り 、 あるいはそれらの対数(logaritlina) の差と閾値との比較によ り受信情報シンボルの符号(+1 又は一 1)を決定できる。 すなわち、着目サブチャネルの情報シンポル D。が +1であるカ 一 1であるかは、 まず P(D0 =+i/y(t))を演算して 1 と比較し、ι よ り大きければ D0= + 1 と判定 P(D0 =-l/y(t)) し 、 1 よ り 小 さ け れ ば 、 Do = — 1 で あ る と 判 定す る 。 あ る レヽ は 、 In P(D0 = +l/y(t))-]n P{D0 = -l/y(t))を演算し、しかる後、その正負によ り判定す る。すなわち、正であれば Do= + 1 と判定し、 負であれば Do==— 1である と判定
する。なお、 y(t)は IGI を伴う信号系列 Sj とスぺク トルパワー強度 N。を有する白 色ガウス雑音 n(t)との合成信号 (y(t)= S j +ii(t)) である。
4サブチャネルモデルでは、
In P( 。 =+1/ y(t)) = + In 2 + In cosh (^― ^-) (35)
Z 2
In P(D0 =-1/ y(t)) = + In 2 + In cosh{^^} (36) ここで、 a , b , c, dは次式に示す通り である
In P{D =+l)-ln (D1 =-l)+ 一
+ ln2 +ln cosh + HP(D2 =+l)-P(y(t)/S4) + P(D2 =-l)-P(y(t)/S5)}- -\n{P(D2 ^+l)-P(y(t)/S6) + P(D2 = -I)■ P(y(t)/ S7)} (38) n ( =+l) + ln( (D2 = +1)-P(y(t)/ St) + P(D2 = -\).P(y(t)/S9) +) c = nP{D_ =+l) + 0.5 ■ +
/Sl0) + P(D2 =-l).P(y(t)/Su)
· '
÷ In 2 + り/ S9)}一
.P{ (t)/S
u)}^
l j
+
最終的に、(35), (36)式を用いて IHDQは次式
, ^ a + b c + d . , ,α-Ζ> <c~d\
1ηΖ)η = + In cosh { V- m cosn{ } (41)
0 2 2 2 2
で与えられる。
(F) 本癸明の受信装置
図 7、図 8は上位 2つのサブチャネルと下位 1つのサブチャネルからのクロス ト ークが存在する場合における本発明の着目サブチャネルの受信装置構成図で、一 点鎮線よ り分割して示しており、(41)式の右辺の演算を実現する。図 7は受信装置 全体の左側の構成を、図 8は同右側の構成を示している。 図 7、図 8の受信装置を 着目チャネル chOの受信装置とすれば、チャネル cli+l、cli+2 よ り クロス トークを 受ける 3サブチャネル一モデルの受信装置と、チャネル ch-1 より クロス トークを 受ける 2サブチャネル—モデルの受信装置を結合した構成となり、 (41)式は図中、 ポイン ト P1,P2,P3における値の和となる。
着目サブチャネルの受信装置 160 は、大きく分けると相関ュニッ ト 161、第 1〜 第 3 演算部 162〜164、合成部 165、 判定部 1 66 を有している。図中、 j" Jtは 1) - lnP (Di= - l)
は、第 i サブチャネル ( i = -l, + l; + 2) で送信された信号 Diが +1であるカ 一
1 であるかの事後確率の対数差 (第 iサブチャネルの軟判定値) である。また、信 τ
号 (t)のエネルギーを Ejと し、 Ej= ]" 2(り *とする。また、
+ 一 2— 3 A∑^E±±E1-E1-E1
ΔΣ
∑1一 No , ∑2 N0
Δ∑ _E0+E, +E2 +E3 -E, ~E5 -E6 -E7
∑一 N0
Ε6-ΕΊ
No Νΰ Ν0
である。 相関ュニッ ト i は、 ( 。 (り^〜 j^w り を演算する演算部 (乗算
NO o 0 o 器及ぴ積分器)、 ]" (り (り^〜^"]*ァ(り^ *をそれぞれ30 / 〜S/ と表現す
N。 0 No o
るとき、 So.' + S , So' — S i, , S 2' +S s' , S 2' - S 3' , ……, ∑ Sj' (j=0~7)を演算する加減算回路で構成されている。
第 1演算部 162は図 5の一点鎖線で囲んだ構成と同一の構成を備え、信号 S o(t) 〜 S 7(t)のうち信号 S ο(1;)〜 S 3(t)について (28)式の右辺第 2項〜第 5項、(29)式、 (30)式の演¾を行う。なお、 合成部 165の加算部 165aで(28)式の右辺第 1項 (= So' +S ι' +S +S 3' ) が加算され、 (29)式の演算が完了する。
第 2演算部 163は図 5の一点鎮線で囲んだ構成と同一の構成を備え、信号 S o(t) 〜 S 7(t)のうち信号 S 4(1:)〜 S 7(t)について、 (28)式の右辺第 2項〜第 5項、(29)式、 (30)式の演算を行う。ただし、 (28)式、(29)式、(30)式において S 0(1;)〜 S 3 (t)を S 4(t)〜 S 7(t)と変更する。また、合成部 165の加算部 165aで(28)式の右辺第 1項(= S A' +S 5' +S 6 + S 7' ) が加算され、 (29)式の演算が完了する。
合成部 165は、 信号 S。(1;)〜 S 3(t)についての(27)式の右辺の演算結果
^ + ρ —B C— D
+ In coshf - In coshj } (42)
2 2 2 2
と、信号 S 4(t)〜 S 7(t)についての(27)式の右辺の演算結果
A' + B' C' + D' , (C'-D
+ , , (Α'-Β
In coshj ト , In cosni } (43)
2 2 2 2
を合成する と共に、合成結果(図中 P1のボイン 卜の値)に第 3演算部 164の演算結 杲を加えて(41)式の lnD。と して判定部 166に入力する。
第 3演算部 164は、下位サブチャネル chrlの軟判定データ lnD_iに基づいて演
算結果を補正し、補正結果に所定の演算処理を施して合成部 165に入力する。 信号 S o(t)〜 S3(t)のときの(28)式第 1項〜第 5項の値を①〜⑤と表現し、信号 S 4(1)〜 S 7(t)のと きの(28)式第 1項〜第 5項の値を①' 〜⑤ ' と表現し、 軟判定デ ータ In D— 1作用部 164aの出力を⑥と表現すれば、 ポイ ン ト P2の値は、
In cosh(l/2)- [{ (② +④ー②' ー④' ) /2+⑥ー Δ Σ Σ} +
In cosh{(A-B)/2}-ln coshiiA' -Β' )/2}] (44) となる。 また、 ポイン ト Ρ3の値は、
In cosh(l/2)- [{ (③' +⑤' 一③一⑤) /2+⑥ + Δ Σ Σ} +
ln coshKC -D' )/2}-ln cosh{(C- D )/2}] (45) となる。従ってシンボル判定部 166にはボイン ト P1.P2.P3の値を合成した InDo (軟判定対象値) 、 すなわち、 (41)式で与えられる InDo (軟判定対象値)が入力され る。なお、
InD 0 =(42) + (43)+(44)+(45)
である。
シンポル判定部 166は、この lnD。(軟判定対象値)の正負を判定し、 正であれば 受信シンボルは" 0"と判定し、負であれば" 1"である と判定する。又、シンボル判定 部 166は、 InDo (軟判定対象値)を下位及び上位のサブチャネルの受信部 150, 170, 180の判定結果作用部へフィ一ドバックする。
以上、要約すれば、少なく と も 4つのサブチャネルを介して信号を送受するマル チキヤ リァ通信システムにおいて、 着目'サブチャネル chO の受信装置は、着目サ ブチャネル以外のサブチャネルにおける軟判定対象値 InD+i, InD+s, InD-iを用い て、自身の軟判定対象値 1 n D Qを調整し、 該軟判定対象値に基づいて受信データを 判定する。
(G) ターボデコーダとの類似性
上記本発明の受信データの復調アルゴリ ズムは、下記文献に記述されているタ ーボ符号のターボデコーダに類似している。
文献 : .M.C. Valeniti and B.D. Woemer, "Variable latency turbo codes for wireless multimedia applications," Proc, Int. Symposium on Turbo codes and Related Topics., Brest, France, Sept. 1997, pp216-219.
• ターボデコーダとの類似性によ り 、本発明のアルゴリズムをターボレシーバと 呼ぶこ とにする。ターボデコーダにおいては、各デコーダは情報を他のデコーダに 渡し、そして、他のデコーダによ り導き出された情報を用いて順番に推定された事 後確率を精練する。同様に、本発明のアルゴリズムにおいても、一方のサブチヤネ ルから導き出された情報が、非線形処理後に、他方のチャネルの推定された事後確 率を精練するために使用され、又に前記他方のサブチャネルから導き出された情 報が、前記一方のチャネルの推定された事後確率を精練するために使用される。も し、ターボデコーダにおいて、 個々のデコーダ出力がハー ドビッ ト判定(硬判定) の形式であれば情報を共有することにはわずかな利点があるにすぎない。ハー ド ビッ ト判定は、 ICIキャンセルのために Viterbo and Fazelが既出の文献 2で提 案した判定帰還ィコライザに類似する。ここでは、ハー ドビッ 卜判定は繰り返しの 最後でのみ実施される。
これらの構造的類似性は以下の理由による。すなわち、 ターボレシーバでは、タ ーボ符号の場合と同様に、 ICI の存在によ り、 同じ情報が非相関ノイズを有する サブチャネル上を送信されるからである。この非相関ノイズの振る舞いによ り、事 後確率の推定(あるいは決定の信頼性)を、他サブチャネルから導出した推定事後 確率を使って改善することが可能となる。 .
繰り返しターボデコーダのように、本発明のアルゴリズムは、受信された情報に ついて最終判定を行う前に、 1回以上の繰り返し行う。また、最初のステップ、すな わち、他チャネルからの判定を利用できないとき、デ一タが等分布確率変数であれ ば、 最初のサブチャネルのために、
P(D+2=+ l) = l/2, P(D+2=- 1) = 1/2
と設定することができる。この設定はべス 卜の設定である。 それゆえ、第 1ステツ プにおいて、下位サブチャネル ch- 1 における事後確率の差 InD-iは零である とす る。上位サブチャネル cli+l,ch+2 も同様に考えることによ り、事後確率の差 liiD+i
0 と して(35)〜(36)式、(41)式を 計算することによ り、未知であった hiDo の最初の推定を得ることができる。同様
に、本発明のァルゴリズムによれば、 N サブチャネル通信システムにおいて、最初 の繰り返し中、下位サブチャネルは lnD-2
と して liiD-iを演算し、 上位サブチヤネルは lnD
3=lnD
2 = lnD
o=0と して lnDiを演算する。第 2ステップで は、着目サブチャネルの新たな事後確率の推定値を演算するために、前ステップで 得られている lnD-i、 lnDu lnD
2を判定式(35;)〜(36)、(41) に適用する。これによ り 、 1 つのサブチャネルレシーバの出力は他のレシーバで事前確率と して使用'さ れる。
図 9 は N=64 の通信システムにおける着目サブチャネルのコレステレーショ ン であり 、異なる繰り返し回数の後で S/N比 =20 d B の QPSK変調を行った場合で ある。尚、交差チャネル漏れ係数は α -10=0.25、 a; 10=0.15、 α 20 = 0.075 である とす る。 (Α〉 は QPSK変調した原データ、 (Β) は ICIによ り劣化した信号、(C)は S/N 比 20 d Bの受信信号、 (D) は本発明による 1回繰り返し後の受信データ、(E)は本 発明による 2回繰り返し後の受信データのコレステレーシヨ ンである。
これよ り 、本発明によれば、コレステレーショ ンのパラツキが小さく なり 、 BER が改善されて小さく なつているこ とが判る。また、く り返し回数を多くすればコ レ ステレーシヨ ンのパラツキが更に小さ く なり 、 BER が更に改善されるこ とが判 る。
(H) ノイズィ ミ ュニティ と シミ ューレーシヨ ン結果
本発明の非線形信号処理の有効性を証明するために、本発明レシーバと古典的 なマッチ トフ レタ レシーバに対してコンピュータシミ ユーレーショ ンを行った
c 図 10は α -io=0.25、 a io=0.15、 a
2o=0.075 の場合における本発明レシーバ及ぴマ ツチ トフィルタ レシーバにおける平均 BERパフォーマンスを、 2Eb/No の関数と して示している (シミ ューレーシヨ ン結果 A〜Dを参照)。 Eb/Noは、 1 ビッ ト当た り の背景雑音電力スぺク トル強度 N。に対する平均受信信号エネルギー Ebの比で ある。 また、 参考と して、 a -io= α
の ICI が存在しない場合における本 発明のレシーバ、 (マッチ トフ レタ レシーバに相当) のシミ ューレーシヨ ン結果 Ε を図 9 に表示する。更に参考と して、(46)式の公式を使って計算したマツチ トフ ィルタ レシーバの ICI が存在しない時の BER シミューレーショ ン結果 Fを表示 する。
P
err = - · 0.5 .駕 (46)
2 ∞r - ただし、 erfc(x、 = l -erf(x) = -i= ο~' dt である
- π ί
コンピュータシミ レーショ ンによ り得られた BER パフォーマンス と(46) 式で計算された BERパフォーマンスとはかなり良く一致している。又、図 10のプ ロッ トから明らかなよ うに I CI が存在しななければ、本発明レシーバの BER は、 従来のマッチ トフィルタベース レシーバの(46)式で得られた BER と差異がない。 尚、後者の BERは図 10で" Reference" ( E ) と して示している。又、 ICIが存在す る場合 ( a Oi=0.25 , α 0-1=0.15, a 2o=0.075 の場合) 、非線形処理をしない従来 のデバイス (繰り返し 1回、 特性 A ) は本発明のレシーバよ り性能が劣っており、 特に高い Eb/Noにおいて顕著であることがシミ レーション結果より判る。
( I ) DMTシステムへの適用
本発明のターボレシーバの応用と して DMT ベース通信システムを考える。図 11はかかるターボレシーバを採用した DMTベース通信システムの構成図であり、 周知の DMT通信システムにおける受信機の FFT部の後段に本発明のターボレシ ーバを配置した構成を有している。。
図 11 の通信システムにおいて、直列並列変換器(S/P)201 の後でデータレー ト R(bits/sec:bps)の入力ビッ トス ト リ 一ムは、新レー ト R/N(bps)で N個の並列サブ チャネル転送される。 Nポイ ン ト IFFT 202は、 N並列データを結合して 1揃え の リ アルタイム領域のサンプル信号に変換する。 並列直列変換器 (P/S)203におい て、 これら Nサンプルは直列フォーマッ トに変換された後、 連続してディジタル アナ口 グ変換器 (DAC) 204 に入力 される。 DAC 出力側のロ ーパス フィ ルタ (LPF)205の出力信号は連続時間 DMT信号である。 白色ガウス雑音チャネルにお いて、送信 DMT信号は、白色ガウス雑音 n(t)により劣化し、 DMT レシーバ 300に 送られる。受信機は送信機と逆の機能を実行する。 FFT 301 は、各サブチャネルで 送られた信号に対して Nマッチ トフィルタアレイ と して復調処理を行う。 ターボ 302I 302Nは本発明のターポアルゴリ ズムに基づいたサブチャネル処理を行い、 これによ り周波数オフセッ トが存在しても BERを改善する。尚、 303は ADコンパ
ータ、 304 はシリ アルパラレル変換器、 305 はパラ レルシリ アル変換器である。
図 12は従来の DMTベースレシーバの B ERパフォーマンスを示すと共に、 本 発明のターボ処理機能を備え, 3回及び 6回ターボ繰り返しを行う DMT レシーパ の BERノ フォーマンスを示す。但し、図 12 は N=64の場合で、 BERパフオーマン スは、 チャネル間周波数で正規化した周波数オフセッ トをパラメータ と して、 2Eb/No に対して示されており、 本発明の BER 特性 Β,Β ' ( ICI - 4 Model) に は' 'Propo se d"力 S付されている。
図 12 よ り、周波数オフセッ トが小さい程、 BER 特性は良好になり 、また、本発 明" I CI - 4 Mo delの方が従来装置よ り BER特性が良好なこ とが判る。また、 提案済 みの" ICI - 3 Model "の場合(特性 A, Α ' )よ り 2dB の改善が得られている。
以上、マルチキャ リ ア通信システムにおいて、 隣接サプチャネルにおける I CI の効果を検討した。従来のマッチ トフィルタ レシーバのパフォーマンスは隣接サ ブチャネルの結令が增大するに連れて、あるいは周波数オフセッ 卜が増加するに 連れて、急速に劣化する。これに対し、本発明は推定事後確率に基づいたレシーバ であり、 各サブチャネルのレシーバが隣接サブチャネルのレシーバに情報を渡す ターボレシーバであ り、繰り返し、隣接サブチャネルのレシーパによ り導かれた情. 報を使って推定された事後確率を精練する。 このため、 本発明のターボレシーバ は従来のマッチ 卜フィルタ レシーバに比べて BER パフォーマンスをかなり改善 するこ とができる。これは本発明のターポアルゴリ ズムの非線形信号処理が、事後 確率を最大にするために隣接サブチャネルで得られた情報を利用するからである。 最も大きな BERの改善は、 I CIがガウスノィズを支配する高 S/N比ェリァにおい て生じる。シミ ユーレーショ ン結果によれば、本発明のターボレシーバは I CI結合 係数のかなり広い範囲に渡って良好なパフォーマンスを達成できる。