スクリ一ユング方法
技術分野
本発明は、 TGR5ァゴニストまたはアンタゴニストのスクリーユング方 法およびモルモット由来の新規な T G R 5に関する。 背景技術
明
G蛋白質共役型レセプター蛋白質であるヒ ト由来 TGR 5が報告されている
(WO 01/77325号) 。 田
また、 TGR 5のリガンドがコレステロール代謝関連物質であり、 TGR5 とコレステロール代謝関連物質を用いる TGR5ァゴニストまたはアンタゴニ ストのスクリーニング方法が報告されている (WO 02Z84286号) 。 胆 汁酸が TGR5 (BG37) に結合することが報告されている (WO02/4 0669号) 。
さらに、 TGR5 (BG 37) が G l u c a g o n— 1 i k e p e p t i d e - 1 (GLP—l) の分泌に関与していることが示唆されている ( Biochemical and Biophysical Research Communications 298 (2002) 714 - 719 ) 。
さらに効率の良い TGR 5ァゴニストまたはアンタゴニストのスクリーニン グ方法の開発が望まれていた。 発明の開示
本発明者らは、 鋭意研究を重ねた結果、 T G R 5の天然リガンドではなく、
TGR5に結合する低分子合成化合物をサログート (surrogate) リガンドとし て用いることにより、 簡便に、 かつ効率良く TGR 5ァゴニストまたは TGR 5アンタゴニストをスクリーニングできることを見出した。 さらに、 本発明者 らは、 モルモット由来の新規 TGR 5 c DNAをクローニングすることに成功
した。 さらに、 本発明者らは、 胆汁酸が TGR 5を介して G 1 u c a g o n— l i k e p e p t i d e— 1 (GLP— 1) の分泌を促進することを見出し た。 本発明者らは、 これらの知見に基づいて、 さらに研究を重ねた結果、 本発 明を完成するに至った。
すなわち、 本発明は、 , 〔1〕 (1) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同 一のアミノ酸配列を含有する G蛋白質共役型レセプター蛋白質、 その部分ぺプ チドまたはその塩および (2) コレステロール代謝関連物質またはその塩と該 レセプター蛋白質またはその塩との結合性を変化させる低分子合成化合物また はその塩とを用いることを特徴とする該レセプター蛋白質またはその塩に対す るァゴニストまたはアンタゴニストのスクリーニング方法、
〔2〕 (1) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同 一のアミノ酸配列を含有する G蛋白質共役型レセプター蛋白質、 その部分ぺプ チドまたはその塩おょぴ (2) コレステロール代謝関連物質またはその塩と該 レセプター蛋白質またはその塩との結合性を変化させる低分子合成化合物また はその塩とを用いることを特徴とする G l u c a g o n— l i k e p e p t i d e-1 (GLP- 1) 分泌促進薬または G L P _ 1分泌抑制薬のスタリー ニング方法、
〔3〕 該レセプター蛋白質が配列番号: 1、 配列番号: 5、 配列番号: 7、 配 列番号: 14、 配列番号: 16または配列番号: 36で表されるアミノ酸配列 からなる G蛋白質共役型レセプター蛋白質である上記 〔1〕 または 〔2〕 記載 のスクリー-ング方法、
〔4〕 (1) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同 —のアミノ酸配列を含有する G蛋白質共役型レセプター蛋白質、 その部分ぺプ チドまたはその塩おょぴ (2) コレステロール代謝関連物質またはその塩と該 レセプター蛋白質またはその塩との結合性を変化させる低分子合成化合物また はその塩とを含有することを特徴とする該レセプター蛋白質またはその塩に対 するァゴニストまたはアンタゴニストのスクリーユング用キット、
〔5〕 (1) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同
一のアミノ酸配列を含有する G蛋白質共役型レセプター蛋白質、 その部分ぺプ チドまたはその塩おょぴ (2) コレステロール代謝関連物質またはその塩と該 レセプター蛋白質またはその塩との結合性を変化させる低分子合成化合物また はその塩とを含有することを特徴とする G l u c a g o n- 1 i k e p e p t i d e - 1 (GLP— l) 分泌促進薬または G L P— 1分泌抑制薬のスクリ 一ユング用キット、
〔6〕 配列番号: 36で表されるアミノ酸配列からなる G蛋白質共役型レセプ ター蛋白質またはその塩、
〔7〕 上記 〔6〕 記載の G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするポリヌ クレオチドを含有するポリヌクレオチド、
〔8〕 配列番号: 3 7で表される塩基配列からなる DNA、
〔9〕 上記 〔7〕 記載のポリヌクレオチドを含有する組換えベクター、 〔1 0〕 上記 〔9〕 記載の組換えベクターで形質転換させた形質転換体、 〔1 1〕 上記 〔1 0〕 記載の形質転換体を培養し、 上記 〔6〕 記載の G蛋白質 共役型レセプター蛋白質またはその塩を生成せしめることを特徴とする上記 〔
6〕 記載の G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩の製造法、 〔1 2〕 (1) 配列番号: 3 6で表わされるアミノ酸配列からなる G蛋白質共 役型レセプター蛋白質、 その部分ペプチドまたはその塩および (2) コレステ 口ール代謝関連物質またはその塩を用いることを特徴とする該レセプター蛋白 質またはその塩とコレステロール代謝関連物質またはその塩との結合性を変化 させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
〔1 3〕 (1) 配列番号: 3 6で表わされるアミノ酸配列からなる G蛋白質共 役型レセプター蛋白質、 その部分ペプチドまたはその塩および (2) コレステ 口ール代謝関連物質またはその塩を含有することを特徴とする該レセプター蛋 白質またはその塩とコレステロール代謝関連物質またはその塩との結合性を変 化させる化合物またはその塩のスクリーニング用キット、
〔14〕 (1) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に 同一のアミノ酸配列を含有する G蛋白質共役型レセプター蛋白質、 その部分ぺ プチドまたはその塩および (2) コレステロール代謝関連物質またはその塩と
を用いることを特徴とする G l u c a g o n— l i k e p e p t i d e— 1 (GLP-1) 分泌促進薬または G LP-1分泌抑制薬のスクリ一ユング方法、 〔15〕 該レセプター蛋白質が配列番号: 1、 配列番号: 5、 配列番号: 7、 配列番号: 14、 配列番号: 16または配列番号: 36で表されるアミノ酸配 列からなる G蛋白質共役型レセプター蛋白質である上記 〔14〕 記載のスクリ 一二ング方法、
〔16〕 (1) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に 同一のァミノ酸配列を含有する G蛋白質共役型レセプター蛋白質、 その部分べ プチドまたはその塩および (2) コレステロール代謝関連物質またはその塩と を含有することを特徴とする G 1 u c a g o n— 1 i k e p e p t i d e- 1 (GLP-1) 分泌促進薬または G L P _ 1分泌抑制薬のスクリーニング用 キット、
〔17〕 試験化合物を配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実 質的に同一のアミノ酸配列を含有する G蛋白質共役型レセプター蛋白質、 その 部分ペプチドまたはその塩を含有する細胞または組織 (例、 CHO細胞、 NC I -H716、 マクロファージ、 単球、 腸管) に接触させた場合における G 1 u c a g o n- 1 i k e p e p t i d e-1 (GLP- 1) 分泌促進活性を 測定することを特徴とする該 G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩に 対するァゴニストの決定方法、
〔18〕 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の アミノ酸配列を含有する G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩に対す るァゴニストを含有してなる G l u c a g o n— l i k e p e p t i d e- 1 (GLP- 1) 分泌促進剤、
〔19〕 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の アミノ酸配列を含有する G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩に対す るァゴニストを含有してなる糖尿病、 インスリン分泌不全、 膝疲弊または肥満 の予防 ·治療剤、 食欲抑制剤、 または膝臓の再生剤、
〔20〕 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の ァミノ酸配列を含有する G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩に対す
るアンタゴニストを含有してなる G l u c a g o n- 1 i k e p e p t i d e-1 (GLP-1) 分泌抑制剤、
〔21〕 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の アミノ酸配列を含有する G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩に対す るアンタゴニストを含有してなる低血糖の予防'治療剤、
〔22〕 哺乳動物に対して、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もし くは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する G蛋白質共役型レセプター蛋白質 またはその塩に対するァゴニストの有効量を投与することを特徴とする G 1 u c a g o n— l i k e p e p t i d e— 1 (GLP—l) 分泌促進方法、 〔23〕 哺乳動物に対して、 配列番号: 1で表されるァミノ酸配列と同一もし くは実質的に同一のァミノ酸配列を含有する G蛋白質共役型レセプター蛋白質 またはその塩に対するァゴニストの有効量を投与することを特徴とする糖尿病、 インスリン分泌不全、 藤疲弊または肥満の予防 ·治療方法、 食欲抑制方法、 ま たは膝臓の再生方法、 '
〔24〕 哺乳動物に対して、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もし くは実質的に同一のァミノ酸配列を含有する G蛋白質共役型レセプター蛋白質 またはその塩に対するアンタゴニストの有効量を投与することを特徴とする G l u c a g o n- 1 i k e p e p t i d e— 1 (G LP— 1)分泌抑制方法、 〔25〕 哺乳動物に対して、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もし くは実質的に同一のァミノ酸配列を含有する G蛋白質共役型レセプター蛋白質 またはその塩に対するアンタゴニストの有効量を投与することを特徴とする低 血糖の予防 ·治療方法、
〔26〕 G l u c a g o n- 1 i k e p e p t i d e— 1 (GLP— l) 分 泌促進剤を製造するための、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もし くは実質的に同一のァミノ酸配列を含有する G蛋白質共役型レセプター蛋白質 またはその塩に対するァゴニストの使用、
〔27〕 糖尿病、 インスリン分泌不全、 瞎疲弊または肥満の予防 ·治療剤、 食 欲抑制剤、 または薛臓の再生剤を製造するための、 配列番号: 1で表されるァ ミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する G蛋白質共
役型レセプター蛋白質またはその塩に対するァゴニストの使用、
〔28〕 G l u c a g o n— 1 i k e p e p t i d e— 1 (GL P- 1 ) 分 泌抑制剤を製造するための、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もし くは実質的に同一のァミノ酸配列を含有する G蛋白質共役型レセプター蛋白質 またはその塩に対するアンタゴニストの使用、
〔29〕 低血糖の予防 ·治療剤を製造するための、 配列番号: 1で表されるァ ミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する G蛋白質共 役型レセプター蛋白質またはその塩に対するアンタゴニストの使用、
〔30〕 式
〔式中、 I 1、 R2および R3はそれぞれ水素原子またはハロゲン化されていて もよい。 6アルキル基を、 Xは結合手、 一 O—、 一 NR— (Rは水素原子ま たは低級アルキル基を示す) または一 S—を、 Yは置換されていてもよい _5アルキレン基を、 A r 1および A r 2はそれぞれ置換されていてもよい単環 性芳香族基を示す。 〕 で表される化合物またはその塩あるいはそのプロドラ ッグを含有してなる TGR5受容体作動剤、
〔31〕 A r 1が置換されていてもよいフエニル基または置換されていてもよ いチェニル基である上記 〔30〕 記載の剤、
〔32〕 A r 2が置換されていてもよいフエ-ル基である上記 〔30〕 記載の 剤、
〔33〕 R2および R3はハロゲン化されていてもよい 一 3アルキル基であ る上記 〔30〕 記載の剤、
〔34〕 Xがー O—である上記 〔30〕 記載の剤、
〔35〕 Yが Ci-gアルキレン基である上記 〔30〕 記載の剤、
〔36〕 Xがー O—であり、 Yがメチレン基である上記 〔30〕 記載の剤、
〔3 7〕化合物が 1,3, 6-トリメチル- 2-ォキソ -4 -フエニル- 1, 2, 3, 4 -テトラヒ ドロピリ ミジン- 5-カルボン酸べンジルエステル、 4- (5 -プロモチォフェン- 2- ィル) -1, 6 -ジメチル- 2 -ォキソ -1, 2, 3, 4 -テトラヒ ドロピリ ミジン- 5 -カルボ ン酸べンジルエステル、 1, 6-ジメチル- 2-ォキソ- 4- (チォフエン- 3 -ィ ル) -1, 2, 3, 4 -テトラヒ ドロピリ ミジン- 5-カルボン酸べンジルエステルまた はその塩である上記 〔3 0〕 記載の剤、
〔38〕 TGR 5が関与する生理機能の調節剤または TGR 5が関与する病態 または疾患の予防 ·治療剤である上記 〔30〕 記載の剤、
〔3 9〕 サイト力イン産生抑制剤である上記 〔30〕 記載の剤、
〔40〕 心不全、 心筋梗塞、 急性腎不全、 狭心症、 不整脈、 気管支喘息、 慢性 閉塞性^ Ϊ疾患、 動脈硬化症、 慢性関節リウマチ、 糖尿病、 胃潰瘍、 潰瘍性大腸 炎、 アレルギー、 変形性関節症、 エリテマトーデス、 移植医療後の過剰免疫反 応または感染症の予防 ·治療剤または免疫抑制剤である上記〔30〕記載の剤、
〔4 1〕 G l u c a g o n— l i k e p e p t i d e— 1 (GLP— l!^ 泌促進剤、 食欲抑制剤、 脾臓の再生剤、 膝 細胞分化促進剤または膝 細胞増' 殖促進剤である上記 〔30〕 記載の剤、
〔42〕 糖尿病、 インスリン分泌不全、 膝疲弊または肥満の予防 ·治療剤であ る上記 〔30〕 記載の剤、
〔4 3〕 哺孚 L動物に対して、 式
〔式中、 R R2および R3はそれぞれ水素原子またはハロゲン化されていてもよ い 6アルキル基を、 Xは結合手、 一 O—、 一 NR— (Rは水素原子または低 級アルキル基を示す) または一 S—を、 Yは置換されていてもよい C^ 5アルキ レン基を、 A r 1および A r 2はそれぞれ置換されていてもよい単環性芳香族基 を示す。 〕 で表される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグの有効量
を投与することを特徴とする、 T G R 5受容体の作動方法、 および
〔4 4〕 T G R 5受容体作動剤の製造のための式
〔式中、 R R 2および R 3はそれぞれ水素原子またはハロゲン化されていてもよ い アルキル基を、 Xは結合手、 — O—、 一 N R— (Rは水素原子または低 級アルキル基を示す) または一 S—を、 Yは置換されていてもよい — 5アルキ レン基を、 A r 1および A r 2はそれぞれ置換されていてもよい単環性芳香族基 を示す。 〕 で表される化合物またはその塩あるいはそのプロドラッグの使用を 提供する。
さらに、 本発明は、
〔4 5〕 上記 〔1〕 記載のスクリーニング方法または上記 〔4〕 記載のスクリ 一二ング用キットを用いて得られる配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列と 同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する G蛋白質共役型レセプタ 一蛋白質またはその塩に対するァゴニストまたはアンタゴニスト、
〔4 6〕 上記 〔1〕 記載のスクリーニング方法または上記 〔4〕 記載のスクリ 一二ング用キットを用いて得られる配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列と 同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する G蛋白質共役型レセプタ 一蛋白質またはその塩に対するァゴニストまたはアンタゴニストを含有してな る医薬、
〔4 7〕 上記 〔1〕 記載のスクリーニング方法または上記 〔4〕 記載のスクリ 一二ング用キットを用いて得られる配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列と 同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する G蛋白質共役型レセプタ 一蛋白質またはその塩に対するァゴニストを含有してなる炎症性疾患または移 植医療後の過剰免疫反応の予防 ·治療剤、
〔4 8〕 上記 〔1〕 記載のスクリーニング方法または上記 〔4〕 記載のスクリ 一二ング用キットを用いて得られる配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列と
同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する G蛋白質共役型レセプタ 一蛋白質またはその塩に対するァゴニス トを含有してなる G 1 u c a g o n- l i k e p e p t i d e— 1 (G LP— 1) 分泌促進剤、
〔49〕 上記 〔1〕 記載のスクリーニング方法または上記 〔4〕 記載のスクリ —ニング用キットを用いて得られる配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列と 同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有する G蛋白質共役型レセプタ 一蛋白質またはその塩に対するァゴエストを含有してなる糖尿病、 インスリン 分泌不全、 勝疲弊または肥満の予防 ·治療剤、 食欲抑制剤、 または勝臓の再生 剤、
〔50〕 上記 〔1〕 記載のスクリーニング方法または上記 〔4〕 記載のスクリ 一ユング用キットを用いて得られる配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列と 同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する G蛋白質共役型レセプタ 一蛋白質またはその塩に対するアンタゴニストを含有してなる免疫不全または 感染症の予防 ·治療剤、
〔5 1〕 上記 〔1〕 記載のスクリーニング方法または上記 〔4〕 記載のスクリ 一二ング用キットを用いて得られる配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列と 同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する G蛋白質共役型レセプタ 一蛋白質またはその塩に対するアンタゴニストを含有してなる G 1 u c a g o n- 1 i k e p e p t i d e - 1 (GLP— 1) 分泌抑制剤、
〔52〕 上記 〔1〕 記載のスクリーニング方法または上記 〔4〕 記載のスクリ 一-ング用キットを用いて得られる配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列と 同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する G蛋白質共役型レセプタ 一蛋白質またはその塩に対するアンタゴニストを含有してなる低血糖の予防 · 治療剤、
〔5 3〕 哺乳動物に対して、 上記 〔1〕 記載のスクリーユング方法または上記 〔4〕 記載のスクリーニング用キットを用いて得られる配列番号: 1で表わさ れるァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有する G蛋 白質共役型レセプター蛋白質またはその塩に対するァゴニストの有効量を投与 することを特徴とする炎症性疾患または移植医療後の過剰免疫反応の予防 ·治
療方法、
〔54〕 哺乳動物に対して、 上記 〔1〕 記載のスクリーニング方法または上記 〔4〕 記載のスクリーニング用キットを用いて得られる配列番号: 1で表わさ れるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する G蛋 白質共役型レセプター蛋白質またはその塩に対するァゴニストの有効量を投与 することを特徴とする G 1 u c a g o n— i i k e p e p t i d e— 1 (G
LP- 1) 分泌促進方法、
〔55〕 哺乳動物に対して、 上記 〔1〕 記載のスクリーニング方法または上記 〔4〕 記載のスクリーニング用キットを用いて得られる配列番号: 1で表わさ れるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する G蛋 白質共役型レセプター蛋白質またはその塩に対するァゴニストの有効量を投与 することを特徴とする糖尿病、 インスリン分泌不全、 隊疲弊または肥満の予防 •治療方法、 食欲抑制方法、 または睦臓の再生方法、
〔56〕 哺乳動物に対して、 上記 〔1〕 記載のスクリーニング方法または上記 〔4〕 記載のスクリーニング用キットを用いて得られる配列番号: 1で表わさ れるァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有する G蛋 白質共役型レセプター蛋白質またはその塩に対するアンタゴニストの有効量を 投与することを特徴とする免疫不全または感染症の予防 ·治療方法、
〔57〕 哺乳動物に対して、 上記 〔1〕 記載のスクリーニング方法または上記 〔4〕 記載のスクリーニング用キットを用いて得られる配列番号: 1で表わさ れるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する G蛋 白質共役型レセプター蛋白質またはその塩に対するアンタゴニストの有効量を 投与することを特徴とする G l u c a g o n— l i k e p e p t i d e— 1
(GLP-1) 分泌抑制方法、
〔58〕 哺乳動物に対して、 上記 〔1〕 記載のスクリーニング方法または上記
〔4〕 記載のスクリーニング用キットを用いて得られる配列番号: 1で表わさ れるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有する G蛋 白質共役型レセプター蛋白質またはその塩に対するアンタゴニストの有効量を 投与することを特徴とする低血糖の予防 ·治療方法、
03014292
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〔5 9〕 炎症性疾患または移植医療後の過剰免疫反応の予防および/または治 療剤を製造するための、 上記 〔1〕 記載のスクリーニング方法または上記 〔4 〕 記載のスクリーニング用キットを用いて得られる配列番号: 1で表わされる ァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有する G蛋白質 共役型レセプター蛋白質またはその塩に対するァゴニストの使用、
〔60〕 G l u c a g o n— l i k e p e p t i d e - 1 (GLP— l ^ 泌促進剤を製造するための、 上記 〔1〕 記載のスクリーニング方法または上記
〔4〕 記載のスクリーニング用キットを用いて得られる配列番号: 1で表わさ れるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する G蛋 白質共役型レセプター蛋白質またはその塩に対するァゴニストの使用、
〔6 1〕 糖尿病、 インスリン分泌不全、 膝疲弊または肥満の予防'治療剤、 食 欲抑制剤、 または睦臓の再生剤を製造するための、 上記 〔1〕 記載のスクリー ユング方法または上記 〔4〕 記載のスクリーニング用キットを用いて得られる 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ 酸配列を含有する G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩に対するァゴ ニストの使用、
〔6 2] 免疫不全または感染症の予防および Zまたは治療剤を製造するための、 上記 〔1〕 記載のスクリーニング方法または上記 〔4〕 記載のスクリーニング 用キットを用いて得られる配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列と同一もし くは実質的に同一のァミノ酸配列を含有する G蛋白質共役型レセプター蛋白質 またはその塩に対するアンタゴニストの使用、
〔63〕 G l u c a g o n— 1 i k e p e p t i d e- 1 (GLP- 1) 分 泌抑制剤を製造するための、 上記 〔1〕 記載のスクリーニング方法または上記
〔4〕 記載のスクリーニング用キットを用いて得られる配列番号: 1で表わさ れるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する G蛋 白質共役型レセプター蛋白質またはその塩に対するアンタゴニストの使用、
〔64〕 低血糖の予防 ·治療剤を製造するための、 上記 〔1〕 記載のスクリー ユング方法または上記 〔4〕 記載のスクリーニング用キットを用いて得られる 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ
酸配列を含有する G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩に対するアン タゴニストの使用、
〔65〕 (1) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に 同一のアミノ酸配列を含有する G蛋白質共役型レセプター蛋白質(TGR5)、 その部分ペプチドまたはその塩および (2) ①コレステロール代謝関連物質も しくはその塩または②コレステロール代謝関連物質またはその塩と該レセプタ 一蛋白質またはその塩との結合性を変化させる低分子合成化合物またはその塩 とを用いることを特徴とする G l u c a g o n- 1 i k e p e p t i d e— 1 (GLP- 1) 分泌促進薬 (TGR5ァゴ-スト) または G LP— 1分泌抑 制薬 (TGR 5アンタゴ-スト) のスクリーニング方法、
〔66〕 該レセプター蛋白質が配列番号: 1、 配列番号: 5、 配列番号: 7、 配列番号: 14、 配列番号: 16または配列番号: 36で表されるアミノ酸配 列からなる G蛋白質共役型レセプター蛋白質である上記 〔65〕 記載のスクリ 一ユング方法、
〔67〕 (1) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に 同一のァミノ酸配列を含有する G蛋白質共役型レセプター蛋白質、 その部分べ プチドまたはその塩おょぴ (2) ①コレステロール代謝関連物質もしくはその 塩または②コレステロール代謝関連物質またはその塩と該レセプター蛋白質ま たはその塩との結合性を変化させる低分子合成化合物またはその塩とを含有す ることを特徴とする G 1 u c a g ο n— I i k e p e p t i d e— 1 (GL P— 1 ) 分泌促進薬または G L P— 1分泌抑制薬のスクリーニング用キット、 〔 68〕 .上記 〔65〕 記載のスクリ一二ング方法または上記 〔67〕 記載のス クリーニング用キットを用いて得られる G 1 u c a g o n— 1 i k e p e p t i d e— l (GLP— 1) 分泌促進薬または G L P— 1分泌抑制薬、 〔69〕 上記 〔65〕 記載のスクリーニング方法または上記 〔67〕 記載のス クリーニング用キットを用いて得られる G l u c a g o n- 1 i k e p e p t i d e-1 (GLP- 1) 分泌促進薬 (TGR5ァゴニス ト) を含有してな る GLP - 1分泌促進剤、
〔70〕 上記 〔65〕 記載のスクリーニング方法または上記 〔67〕 記載のス
クリーニング用キットを用いて得られる G l u c a g o n- 1 i k e p e p t i d e - 1 (GLP—l) 分泌促進薬 (TGR5ァゴニス ト) を含有してな る糖尿病、 インスリン分泌不全、 膝疲弊または肥満の予防'治療剤、 食欲抑制 剤、 または滕臓の再生剤、
〔71〕 上記 〔65〕 記載のスクリーニング方法または上記 〔67〕 記載のス クリーニング用キットを用いて得られる G l u c a g o n- 1 i k e p e p t i d e - 1 (GLP—l) 分泌抑制薬 (TGR 5アンタゴニスト) を含有し てなる G l u c a g o n— l i k e p e p t i d e— 1 (GLP—l) 分泌、 抑制剤、
〔72〕 上記 〔65〕 記載のスクリーニング方法または上記 〔67〕 記載のス クリーニング用キットを用いて得られる G l u c a g o n- 1 i k e p e p t i d e - 1 (GLP—l) 分泌抑制薬 (T GR 5アンタゴ-スト) を含有し てなる低血糖の予防 ·治療剤、
〔73〕 哺乳動物に^して、 上記 〔65〕 記載のスクリーニング方法または上 記 〔67〕 記載のスクリーニング用キットを用いて得られる G 1 u c a g o n - l i k e p e p t i d e— 1 (GLP—l) 分泌促進薬 (T G R 5ァゴ- スト) の有効量を投与することを特徴とする G l u c a g o n- 1 i k e p e p t i d e— 1 (GLP—l) 分泌促進方法、
〔74〕 哺乳動物に対して、 上記 〔65〕 記載のスクリーニング方法または上 記 〔67〕 記載のスクリーニング用キットを用いて得られる G 1 u c a g o n - l i k e p e p t i d e— 1 (GLP—l) 分泌促進薬 (T G R 5ァゴニ スト) の有効量を投与することを特徴とする糖尿病、 インスリン分泌不全、 滕 疲弊または肥満の予防 ·治療方法、 食欲抑制方法、 または脖臓の再生方法、 〔75〕 哺乳動物に対して、 上記 〔65〕 記載のスクリーニング方法または上 記 〔67〕 記載のスクリーニング用キットを用いて得られうる G 1 u c a g 0 n— l i k e p e p t i d e— 1 (G L P— 1 ) 分泌抑制薬 (TGR 5アン タゴニスト) の有効量を投与することを特徴とする G l u c a g o n- 1 i k e p e p t i d e— 1 (G LP— 1) 分泌抑制方法、
〔76〕 哺乳動物に対して、 上記 〔65〕 記載のスクリーニング方法または上
記 〔6 7〕 記載のスクリー-ング用キットを用いて得られる G 1 u c a g 0 n - l i k e p e p t i d e— 1 (G LP— 1) 分泌抑制薬 (TGR 5アンタ ゴニスト) の有効量を投与することを特徴とする低血糖の予防 ·治療方法、 〔7 7〕 G l u c a g o n— 1 i k e p e p t i d e— 1 (GL P- 1 ) 分 泌促進剤を製造するための、 上記 〔6 5〕 記載のスクリーニング方法または上 記 〔6 7〕 記載のスクリーニング用キットを用いて得られる G 1 u c a g o n - l i k e p e p t i d e— 1 (GLP— 1) 分泌促進薬 (TGR 5ァゴ- スト) の使用、
〔78〕 糖尿病、 インスリン分泌不全、 藤疲弊または肥満の予防 ·治療剤、 食 欲抑制剤、 または膝臓の再生剤を製造するための、 上記 〔65〕 記載のスクリ 一二ング方法または上記 〔6 7〕 記載のスクリーニング用キットを用いて得ら れる G l u c a g o n— l i k e p e p t i d e— 1 (GLP— 1) 分泌促 進薬 (TGR 5ァゴニスト) の使用、
[79] G l u c a g o n- 1 i k e p e p t i d e— 1 (GLP— l) 分 泌抑制剤を製造するための、 上記 〔6 5〕 記載のスクリーニング方法または上 記 〔6 7〕 記載のスクリーニング用キットを用いて得られる G 1 u c a g o n - l i k e p e p t i d e— 1 (GLP— l) 分泌抑制薬 (TGR 5アンタ ゴ-ス ト) の使用、
〔80〕 低血糖の予防.治療剤を製造するための、 上記 〔6 5〕 記載のスクリ —ユング方法または上記 〔6 7〕 記載のスクリーニング用キットを用いて得ら れる G l u c a g o n— l i k e p e p t i d e— 1 (GLP— 1) 分泌、抑 制薬 (TGR 5アンタゴ-スト) の使用、
〔8 1〕 Yが置換基 A群から選ばれる置換基で置換されていてもよい アル キレン基で、
A r 1および A r 2がそれぞれ置換基 B群 (ハロゲン原子、 ニトロ基、 シァ ノ基、 置換されていてもよい炭化水素基、 置換されていてもよい複素環基、 置換されていてもよいヒドロキシ基、 置換されていてもよいチオール基、 置 換スルフィニル基、 置換スルホニル基、 置換されていてもよいアミノ基、 ァ シル基、 置換されていてもよい力ルバモイル基、 エステル化されていてもよ
いカルボキシル基おょぴ アルキレンジォキシ基)から選ばれる置換基で 置換されていてもよい ( i ) 単環性 C 6 _ 8ァリール基または (ii) 環系を構成 する原子 (環原子) として、 酸素原子、 硫黄原子および窒素原子から選ばれ たへテロ原子 1ないし 3種を少なくとも 1個含む 5ないし 8員の単環性芳香 族複素環基である単環性芳香族基で、
置換基 A群が(i) -トロ基、 (ii)ヒ ドロキシ基もしくはォキソ基、 (iii)シァ ノ基、 (iv)力ルバモイル基、 (V)モノ一またはジ一じト6アルキル一力ルバモイ ル基(該アルキル基はハロゲン原子、 ヒ ドロキシ基または 6アルコキシ基で 置換されていてもよレ、) 、 モノ一またはジー C 2— 4ァルケ-ルー力ルバモイル基 (該ァルケ二ル基はハロゲン原子、ヒドロキシ基または アルコキシ基で置 換されていてもよい) 、 モノーまたはジ一フエ二ルーカルパモイル基 (該フエ ニル基はハ口ゲン原子、ハ口ゲン原子で置換されていてもよい c i— 6アルキルま たは C 6アルコキシ基で置換されていてもよレ、) 、 モノ一またはジ一ベンジル 一力ルバモイル基 (該ベンジル基はハロゲン原子、 ハロゲン原子で置換されて いてもよい C — eアルキルまたは — 6アルコキシ基で置換されていてもよい) 、 アルコキシ一カルボ二ルー力ルバモイル基、 0卜6アルキルスルホニル 一力ルバモイル基、 — 6アルコキシ一力ルバモイル基、 アミノ一カノレバモイノレ 基、 モノーまたはジ一 — 6アルキルアミノー力ルバモイル基、 モノーまたはジ
—フエ-ルァミノーカルパモイル基、 (vi)カルボキシル基、 (vi C i— 6アルコ キシ一力ノレボニル基、 (viii)ハロゲン原子、 (ix)ハロゲン化されていてもよい アルコキシ基、 ヒドロキシ基で置換されていてもよい アルコキシ基
、 カルボキシル基で置換されていてもよい C i— eアルコキシ基、 6アルコキ シ一力ルポ-ル基で置換されていてもよい 6アルコキシ基、 — 6アルコキ シ — 6アルコキシ基、 C i— 6アルコキシ一 6アルコキシ一 — 6アルコ キシ基、 (X)フエノキシ一 一 6アルキル基、フエノキシ一じ 6アルコキシ基、 C ^eアルキルカルボニル一ォキシ基、 力ルバモイルォキシ基、 モノーまたはジ 一 アルキル一力ルバモイルォキシ基、(xi)ハロゲン化されていてもよいフ ェニル基、ハロゲン化されていてもよいフエ二ルー — 6アルキル基、 ハロゲン ィ匕されていてもよいフエ二ルー C 2 アルケニル基、ハロゲン化されていてもよ
PC蘭 003/014292
16 いフエノキシ基、 ピリジルォキシ基、 c 3— 1 0シクロアルキル基、 c 3— 1 0シクロ アルキル一 C 6アルコキシ基、 C 3 ^。シクロアルキル一 — 6アルキル基、
(xii)ハロゲン化されていてもよい 一 6アルキル基、 ハロゲン化されていても よい C 2— 6アルケニル基、 ハロゲン化されていてもよい — 6アルキルチオ基、 ヒ ドロキシ基で置換されていてもよい アルキル基、ヒ ドロキシ基で置換さ れていてもよい C i— 6アルキルチオ基、 (xiii)メルカプト基、チォキソ基、 (xiv) ハ口ゲン原子、力ルポキシル基および C i— 6アルコキシ一力ルポニル基から選ば れる置換基でそれぞれ置換されていてもよいベンジルォキシ基またはべンジル チォ基、 (XV)ハロゲン化されていてもよいフエ二ルチオ基、 ピリジルチオ基、 フエ-ルチオ一 C ^ 6アルキル基、 ピリジルチオ— C i— 6アルキル基、 (xvi)ハ 口ゲン化されていてもよい C i— 6アルキルスルフィニル基、フェニルスルフィ二 ノレ基、 フエ-ルスルフィ-ルー 6アルキル基、 (xvii)ハロゲン化されていて もよい C ,— 6アルキルスルホニル基、 フエ-ルスルホニル基、 フエニルスルホ- ルー 0 6アルキル基、 (xviii)アミノ基、 アミノスルホニル基、 モノーまたは ジー — 6アルキルアミノスルホ -ル基(該アルキル基はハロゲン原子、 ヒドロ キシ基または — 6アルコキシ基で置換されていてもよい) 、 ( 丄 ) 。 ^ 6アル カノィルァミノ、ベンゾィルァミノ、 C — 6アルキルスルホニルァミノおよび C 6 _ i。ァリールスルホ -ルァミノから選ばれる C — i Qァシルーアミノ (該
0ァシルはハロゲン原子、 6アルキル基、 6アルコキシ基、 ヒドロキシ 基またはカルボキシル基で置換されていてもよい) 、 ベンジルォキシカルボ- ルァミノ、 ハロゲン化されていてもよい〇卜 6アルコキシカルボ-ルァミノ、 力 ルパモイルァミノ基、 モノーまたはジ アルキル力ルバモイルァミノ基、 (XX)モノーまたはジ一 アルキルアミノ基 (該アルキル基はハロゲン原子、 ヒドロキシ基または アルコキシ基で置換されていてもよい) 、 モノーまた はジーじ アルカノィルァミノ基(該アルカノィル基はハロゲン原子、 ヒドロ キシ基または〇卜6アルコキシ基で置換されていてもよい) 、 フエニルァミノ、 ベンジルァミノ、 C — 6アルキル (ベンジル) ァミノ、 じ アルカノィル (ベ ンジル) ァミノ、 (xxi) 4ないし 8員環状アミノ基、 4ないし 8員環状ァミノ一 カルボ二ル基、 4ないし 8員環状アミノーカルボ二ルーォキシ基、 4ないし 8
員環状アミノーカルボ二ルーアミノ基、 4ないし 8員環状アミノースルホニル 基、 4ないし 8員環状アミノー C i— 6アルキル基、 (xxii)ハロゲン原子、 アルキル基、 6アルコキシ基、 カルボキシル基および アルコキシ一力 ルポニル基から選ばれる置換基でそれぞれ置換されていてもよい C — 6ァシル 基 (例、 C 2— 6アルカノィル) またはベンゾィル基、 (xxiii)酸素原子、 硫黄原 子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子 1ないし 3種を少なくとも 1個含 む 4ないし 1 0員複素環基(該複素環基は C ,― 6アルキル基で置換されていても よい) 、 (xxiv)酸素原子、 硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子 1ないし 3種を少なくとも 1個含む 4ないし 1 0員複素環一カルボ-ル基 (該 複素環基は C i— 6アルキル基で置換されていてもよい) 、 (XXV)ヒ ドロキシイミ ノ基、 — 6アルコキシィミノ基、 C 6— 1 4ァリール基および (xxvi)ハロゲン化 されていてもよい直鎖状または分枝状の アルキレンジォキシ基からなり、 置換基 B群の 「置換されていてもよい炭化水素基」 1 置換基 C群から選ば れる置換基でそれぞれ置換されていてもよい (i ) 直鎖状または分枝状の 1 5アルキル基、 (ii) C 3— 8シクロアルキル基、 (iii) C 2— 1 8アルケニル基、 (iv) C 3_ 1 0シクロアルケ-ル基、 (V ) C 2— 8アルキニル基、 (vi) フエ二 ル— C — 6アルキル基、 (vii) ナフチル— C — 6アルキル基、 (viii) C 6— 1 4 ァリール基または (ix) ビフエニル基で、
置換基 B群の 「置換されていてもよい複素環基」 、 置換基 C群から選ばれ る置換基でそれぞれ置換されていてもよい環系を構成する原子 (環原子) とし て、 酸素原子、 硫黄原子および窒素原子から選ばれたヘテロ原子 1ないし 3種 を少なくとも 1個含む 4〜1 6員の 1ないし 3環性の芳香族複素環基または飽 和もしくは不飽和の非芳香族複素環基 (脂肪族複素環基) で、
置換基 B群の置換されていてもよいヒドロキシ基が、 前記 「置換されていて もよい炭化水素基」 、 後記 「ァシル基」 、 後記 「エステル化されていてもよい カルボキシル基」 、 後記 「置換されていてもよいカルパモイル基」 または前記 「置換されていてもよい複素環基」 で置換されていてもよいヒドロキシ基で、 置換基 B群の置換されていてもよいチオール基が、 前記 「置換されていても よい炭化水素基」 、 後記 「ァシル基」 、 後記 「エステル化されていてもよい力
ルポキシル基」 、 後記 「置換されていてもよい力ルバモイル基」 または前記 「 置換されていてもょレ、複素環基」 で置換されていてもよぃチオール基で、 置換基 B群の置換スルフィニル基が、 前記 「置換されていてもよいヒドロキ シ基」 、 後記 「置換されていてもよいアミノ基」 、 前記 「置換されていてもよ い炭化水素基」 または前記 「置換されていてもよい複素環基」 で置換されたス ノレフィニル基で、
置換基 B群の置換スルホニル基が、 前記 「置換されていてもよいヒドロキシ 基」 、 後記 「置換されていてもよいアミノ基」 、 前記 「置換されていてもよい 炭化水素基」 または前記 「置換されていてもよい複素環基」 で置換されたスル ホニル基で、
置換基 B群の置換されていてもよいアミノ基が、 前記 「置換されていてもよ い炭化水素基」 、 後記 「ァシル基」 、 後記 「エステル化されていてもよいカル ボキシル基」 、 後記 「置換されていてもよい力ルバモイル基」 または前記 「置 換されていてもよい複素環基」 で置換されていてもよいアミノ基で、
置換基 B群のァシル基が、式 RA C O—、 RA S O 2—、 RA S O _または RA O P O (O R B) - (RAは水素原子、 前記 「置換されていてもよい炭化水素基 」 または前記 「置換されていてもよい複素環基」 を示し、 R Bは水素原子または 前記 「置換されていてもよい炭化水素基」 を示す) で表される基で、
置換基 B群の置換されていてもよい力ルバモイル基が、 前記 「置換されてい てもよい炭化水素基」 、 前記 「ァシル基」 、 後記 「エステル化されていてもよ いカルボキシル基」 、 前記 「置換されていてもよい複素環基」 、 「低級 (〇卜 6) アルキル基およびフヱニル基から選ばれる置換基:!〜 2個で置換されていて もよい力ルバモイル基」 、 「前記置換されていてもよい炭化水素基、 前記ァシ ル基、 後記エステル化されていてもょレ、カルボキシル基または前記置換されて いてもよい複素環基で置換されていてもよいアミノ基」 、 「前記置換されてい てもよい炭化水素基、 前記ァシル基、 後記エステルイ匕されていてもよいカルボ キシル基または前記置換されていてもょレ、複素環基で置換されていてもよいヒ ドロキシ基」 で置換されていてもよい力ルバモイル基で、 N,N—ジ置換力ルバ モイルにおける 2個の置換基が窒素原子と一緒になつて 3〜8員環状アミノを
形成してもよく、 この様な場合の 3〜 8員環状ァミノカルボニルが 1一ァゼチ ジニルカルボニル、 1 一ピロリジニルカルポニル、 ピペリジノカルボ-ル、 モ ルホリノカルボニル、 チオモルホリノカルボ-ル (硫黄原子は酸化されていて もよい) 、 1ーピペラジニルカルポニル、 1一ホモピペラジニルカルボニル、 または 4位に 6アルキル、 C 7— 1 0ァラルキル、 C 6— 。ァリール、 C ^ ァシル基を有していてもよい 1—ピペラジニルカルボニルであり、
置換基 B群のエステルイ匕されていてもよいカルボキシル基が、 式 一 C O O R c (R Gは水素原子、 前記 「置換されていてもよい炭化水素基」 または前記 「 置換されていてもよい複素環基」 を示す) で表される基で、
置換基 C群が(i)ヒ ドロキシ基、 (ii)ォキソ基、 (iii)シァノ基、 (iv)力ルバ モイル基、 (V)モノーまたはジー C — 6アルキル一力ルバモイル基 (該アルキル 基はハロゲン原子、 ヒ ドロキシ基または — 6アルコキシ基で置換されていても よレ、) 、 モノーまたはジー c 2_4アルケニル一力ルバモイル基 (該ァルケニル基 はハロゲン原子、ヒドロキシ基または C i— eアルコキシ基で置換されていてもよ い) 、 モノーまたはジーフエ二ルー力ルバモイル基 (該フエ二ル基はハロゲン 原子、 ハロゲン原子で置換されていてもよい 0卜6アルキルまたは C i— eアルコ キシ基で置換されていてもよい) 、 モノーまたはジ一べンジル一力ルバモイル · 基 (該ベンジル基はハロゲン原子、 ハロゲン原子で置換されていてもよい C卜
6アルキルまたは C i— 6アルコキシ基で置換されていてもよい) 、 アルコ キシ一力ノレボニルー力ルバモイノレ基、 C i— 6ァノレキノレスルホ-ルーカノレバモイノレ 基、 C i— 6アルコキシ一力ルパモイル基、 アミノー力ルバモイル基、 モノーまた はジ— C i _ 6アルキルァミノー力ルバモイル基、モノーまたはジ一フエニルァミ ノー力ルバモイル基、 (vi)カルボキシル基、 (vii) アルコキシ一カルボ- ル基、 (viii)ハロゲン原子、 (ix)ハロゲン化されていてもよい アルコキシ 基、 ヒドロキシ基で置換されていてもよい 6アルコキシ基、 カルボキシル基 で置換されていてもよい 6アルコキシ基、 6アルコキシ一カルボ-ル基 で置換されていてもよい — 6アルコキシ基、 6アルコキシ — 6アルコ キシ基、 〇 6アルコキシ一C — 6アルコキシ一 アルコキシ基、 (X)フエノ キシ— C — 6アルキル基、 フエノキシ—C — 6アルコキシ基、 アルキル力
ルボニル—ォキシ基、 力ルバモイルォキシ基、 モノ一またはジー 6アルキル 一力ルバモイルォキシ基、 (xi)ハロゲン化されていてもよいフエニル基、 ノヽロ ゲン化されていてもよいフエ二ルー C i— 6アルキル基、ハロゲン化されていても よいフエ二ルー C 2 _4アルケニル基、ハロゲン化されていてもよいフエノキシ基 、 ピリジルォキシ基、 C 3— 1 0シクロアルキル基、 C 3— i。シクロアルキル一〇ェ —6アルコキシ基、 C 3— i。シクロアルキル一 アルキル基、 (xi i)ハロゲン化 されていてもよい アルキル基、 ハロゲン化されていてもよい C 2_ 6アルケ ニル基、 ハロゲン化されていてもよい C i— eアルキルチオ基、 ヒ ドロキシ基で置 換されていてもよい — 6アルキル基、ヒドロキシ基で置換されていてもよい C
6アルキルチオ基、 (xi i i)メルカプト基、 (xiv) チォキソ基、 (XV)ハロゲン 原子、カルボキシル基および〇 6アルコキシ一カルボニル基から選ばれる置換 基でそれぞれ置換されていてもよレ、ベンジルォキシ基またはべンジルチオ基、
(xvi)ハロゲン化されていてもよいフエ二ルチオ基、 ピリジルチオ基、 フエニル チォ— アルキル基、 ピリジルチオ一C ^ eアルキル基、 (XVi i)ハロゲン化 されていてもよい アルキルスルフィニル基、 フエニルスルフィニル基、 フ ェニルスルフィ二ルー C 6アルキル基、 (xvi i i)ハロゲン化されていてもょレ、 〇 6アルキルスルホニル基、 フヱニルスルホニル基、 フエニルスルホニル—C ェ- 6アルキル基、 (xix)アミノ基、 アミノスルホニル基、 モノーまたはジ一 C 6アルキルアミノスルホ -ル基 (該アルキル基はハロゲン原子、 ヒドロキシ基ま たは。 6アルコキシ基で置換されていてもよい) 、 (XX) 。ァシルーアミ ノ基 (例、 C — 6アルカノィルァミノ、 ベンゾィルァミノ、 — 6アルキルスル ホニルァミノまたは C 6— i 0ァリールスルホニルァミノ;じ ァシルはハロゲ ン原子、 C i— 6アルキル基、 アルコキシ基、 ヒ ドロキシ基またはカルボキ シル基で置換されていてもよい) 、 ベンジルォキシカルボニルァミノ、 ノヽロゲ ン化されていてもよい — 6アルコキシカルボニルァミノ、カルパモイルァミノ 基、 モノーまたはジ一 C 6アルキル力ルバモイルァミノ基、 (xxi)モノーまた はジ一〇 6アルキルアミノ基 (該アルキル基はハロゲン原子、 ヒ ドロキシ基ま たは C - 6アルコキシ基で置換されていてもよい) 、 モノーまたはジー — 6ァ ルカノィルァミノ基 (該アルカノィル基はハロゲン原子、 ヒ ドロキシ基または
C — 6アルコキシ基で置換されていてもよレ、) 、 フエニルァミノ、 ベンジルアミ ノ、 アルキル (ベンジル) ァミノ、 〇卜6アルカノィル (ベンジル) アミ ノ、 (xxii) 4ないし 8員環状アミノ基、 4ないし 8員環状アミノーカルボニル 基、 4ないし 8員環状アミノーカルボ二ルーォキシ基、 4ないし 8員環状アミ ノーカルボ二ルーアミノ基、 4ないし 8員環状アミノースルホ-ル基、 4ない し 8員環状アミノー アルキル基、 (xxiii)ハロゲン原子、 C — 6アルキル 基、 C ^ 6アルコキシ基、 カルボキシル基および C i— eアルコキシ一力ルポニル 基から選ばれる置換基でそれぞれ置換されていてもよい ァシル基(例、 C
2— 6アルカノィルなど) またはベンゾィル基、 (xxiv)酸素原子、 硫黄原子およ ぴ窒素原子から選ばれたヘテロ原子 1ないし 3種を少なくとも 1個含む 4ない し 1 0員複素環基(該複素環基は Cェ— 6アルキル基などで置換されていてもよい ) 、 (XXV)酸素原子、 硫黄原子おょぴ窒素原子から選ばれたヘテロ原子 1ないし 3種を少なくとも 1個含む 4ないし 1 0員複素環一カルボニル基 (該複素環基 は — 6アルキル基で置換されていてもよレ、) 、 (xxvi)ヒドロキシィミノ基、 C i _ 6アルコキシィミノ基、 C 6 _ 1 4ァリール基および(xxvii)ノヽロゲン化されてい てもよい直鎖状または分枝状の C卜 6アルキレンジォキシ基からなる上記〔3 0 〕 記載の剤などを提供する。 図面の簡単な説明
図 1は参考例 1で得られた T G R 5をコードする c D N Aの塩基配列およびそ れから推定されるアミノ酸配列 (一文字表記) を示す。
図 2は参考例 1で得られた T G R 5をコードする c D N Aの塩基配列およぴそ れから推定されるアミノ酸配列 (一文字表記) を示す (図 1に続く) 。
図 3は参考例 1で得られた T G R 5をコードする c D N Aの塩基配列およびそ れから推定されるアミノ酸配列 (一文字表記) を示す (図 2に続く) 。
図 4は参考例 1で得られた T G R 5をコードする c D N Aの塩基配列およぴそ れから推定されるアミノ酸配列 (一文字表記) を示す (図 3に続く) 。
図 5は T G R 5の疎水性プロット図である。
図 6は T G R 5発現ベクターを導入した H E K 2 9 3細胞 (A) およびもとの
ベクターのみを導入した HEK2 9 3細胞 (B) における、 コレステロール代 謝関連物質による活性の検出 (n = 2) の結果を示す。
図 7は HEK 2 9 3細胞におけるリガンド刺激に対するレポーター遺伝子の発 現誘導の結果を示す。
図 8は G iを用いた TGR 5のリ トコール酸に対する反応の結果を示す。
図 9はヒト (B) 、 ゥサギ (C) 、 ゥシ (D) 、 マウス (E) およびラット ( F) 型 TGR 5の胆汁酸刺激によるレポーター遺伝子の発現量上昇を示す。 胆 汁酸はすべて 1 0 となるように培地に添カ卩した。 Aはコントロール (プラ スミ ドのみ) を示す。
図 1 0はゥサギ肺胞マクロファージの食食活性に対する T LCA (Ι Ο Ο μΜ ) の抑制効果を示す。 η = 3の平均値。 * *, ρ < 0. 0 1で有意。
図 1 1はゥサギ肺胞マクロファージにおける、 リポ多糖 (LP S) で誘導され た腫瘍壌死因子 (T N F) aの分泌に対する TLCA (50 Μ) の抑制効果 を示す。 η = 3の平均値。 * * , ρ < 0. 0 1で有意。
図 1 2はゥサギ肺胞マクロファージに対する TLC Αによる各種のサイトカイ ンの mRN A発現抑制作用を示す。 A: TNFひ ; B : I L- 1 α ; C : I L — 1 β ; D : I L-6 ; Ε : I L一 8のサイトカインの場合を表す。
図 1 3は THP— TGR5における、 リポ多糖 (LP S) で誘導された腫瘍壊 死因子 (TNF) αの分泌おょぴ mRN A発現量に対する TLCA (1 00 μ Μ) の抑制効果を示す。 分泌量: η = 3の平均値。 * *, ρく 0. 0 1で有意。 mRN Α発現量: n = 2の平均値。
図 14は TLCAによる CHO— TGR 5での MAPキナーゼ活性化の検出を 示す。
図 1 5は CHO— TGR5における TLCA、 LCA, DCA、 CDCA、 C Aの cAM P産生上昇活性を示す。 n = 3の平均値。 グラフ中の構造式は胆汁 酸を示す。
図 1 6は各種胆汁酸関連化合物 (2 μΜ) による CHO— TGR 5における c AMP産生上昇活性の比較を示す。 n= 3の平均値。 TTNPBは (E) — [ (テトラヒ ドロテトラメチルナフタレニル) プロピル] ベンゾイツクアシッド
の略称を表す。
図 17はヒト各組織での TGR5 mRNA発現分布を示す。
図 18はヒト血球での TGR5 mRNA発現分布を示す。
図 19はゥサギ TGR5 mRNAの発現分布を示す。
図 20は TLC Aによるゥサギ肺胞マクロファージの c AMP産生上昇を示す。 n = 3の平均値。 * * , p < 0. 01で有意。
図 21はゥサギ肺胞マクロファージの貪食活性におよぼす各種胆汁酸の抑制効 果を示す。 n = 3の平均値。 * *, p < 0 · 01で有意。
図 22はゥサギ肺胞マクロファージからの TNFひ分泌に対する胆汁酸の抑制 効果を示す。 n = 3の平均値。 * *, p < 0. 01で有意。
図 23は胆汁酸添加による THP— TGR5細胞での c AM P産生上昇を示す。 n = 3の平均値。 * *, p < 0. 01で有意。
図 24は LP Sで刺激された THP— TGR 5からの腫瘍壊死因子 (TNF) α分泌に対する各種胆汁酸の抑制効果を示す。 η=3の平均値。 **, ρ<0. 01で有意。 ·
図 25は LP Sで刺激された ΤΗΡ— 1からの腫瘍壊死因子 (TNF) α分泌 に対する各種胆汁酸の影響を示す。 η = 3の平均値。
図 26は胆汁酸による NC I— Η716における c AMP産生上昇活性を示す。 平均 +標準誤差 (n = 4)。
図 27は胆汁酸による NC I— H716における GLP— 1分泌上昇活性を示 す。 平均 +標準誤差 (n = 4) 。
図 28はラット各組織での TGR 5 mRNA発現分布を示す。
図 29は胆汁酸によるモルモット腸管初代培養細胞からの G L P— 1分泌作用 を調べた結果を示す。 B a s a 1は胆汁酸無添加を、 TLCAはタウロリ トコ ール酸を、 LCAはリ トコール酸を、 DC Aはデォキシコール酸を、 CAはコ 一ノレ酸を示す。 * *、 p < 0. 01で有意。 Co n c e n t r a t i o n (μ Μ) は胆汁酸の濃度 (μΜ) を示す。 GLP—l (ρΜ) は分泌した GLP— 1濃度 (pM) を示す。
図 30は胆汁酸によるラット腸管初代培養細胞からの G L P— 1分泌作用を調
ベた結果を示す。 B a s eは胆汁酸無添加を、 TLCAはタウロリ トコール酸 を、 GLCAはグリコリ トコール酸を、 LCAはリ トコール酸を、 TDCAは タウロデオキシコール酸を、 GDC Aはグリコデォキシコール酸を、 DC Aは デォキシコール酸を、 UDC Aはウルソデォキシコール酸を、 C Aはコール酸 を、 TCDC Aはタウロケノデォキシコール酸を、 CDCAはケノデォキシコ 一ル酸を示す。 横軸の数字は胆汁酸の濃度 (μΜ) を示す。 **, ρ<0. 0
1で有意。 *, ρ < 0. 05で有意。 GLP—1 (pM) は分泌した GLP—
1濃度 (PM) を示す。
図 31は胆汁酸を無麻酔下のラットに経口投与した際の血中 G LP— 1濃度 の変動を調べた結果を示す。 —〇—は対象群、 一秦一はタウロデオキシコ一 ル酸投与群、 _▲ _はコール酸投与群およぴー酾一はウルソデォキシコール 酸投与群を示す。 縦軸は血中 GLP— 1濃度 (pM) を表す。 値は平均値土 標準偏差 (me a niSE) (n = 6) を示す。 *は対象群に比べて P値が 0. 05以下、 * *は対象群に比べて、 P値が 0. 01以下であることを示 す。 発明を実施するための最良の形態
本発明で用いられる G蛋白質共役型レセプター蛋白質 (以下、 TGR5.と略 記する場合がある) は、 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列と同一もしく は実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質である。
TGR5は、 例えば、 ヒ トやその他の哺乳動物 (例えば、 モルモット、 ラッ ト、 マウス、 ゥサギ、 ブタ、 ヒッジ、 ゥシ、 サル、 ィヌなど) のあらゆる細胞 (例えば、 脾細胞、 神経細胞、 グリア細胞、 薛臓 細胞、 骨髄細胞、 メサンギ ゥム細胞、 ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、 内皮細胞、繊維芽細胞、 繊維細胞、 筋細胞、 脂肪細胞、 免疫細胞 (例、 マクロファージ、 T細胞、 B細 胞、 ナチュラルキラー細胞、 肥満細胞、 好中球、 好塩基球、 好酸球、 単球) 、 巨核球、 滑膜細胞、 軟骨細胞、 骨細胞、 骨芽細胞、 破骨細胞、 乳腺細胞、 肝細 胞もしくは間質細胞、 またはこれら細胞の前駆細胞、 幹細胞もしくはガン細胞 など)や血球系の細胞、またはそれらの細胞が存在するあらゆる組織、例えば、
脳、 脳の各部位 (例、 嗅球、 扁頭核、 大脳基底球、 海馬、 視床、 視床下部、 視 床下核、 大脳皮質、 延髄、 小脳、 後頭葉、 前頭葉、 側頭葉、 被殻、 尾状核、 脳 染、 黒質) 脊髄、 下垂体、 胃、 膝臓、 腎臓、 肝臓、 生殖腺、 甲状腺、 胆のう、 骨髄、 副腎、 皮膚、 筋肉、 肺、 消化管 (例、 大腸、 小腸) 、 血管、 心臓、 胸腺、 脾臓、 顎下腺、 末梢血、 末梢血球、 前立腺、 睾丸、 精巣、 卵巣、 胎盤、 子宮、 骨、 関節、 骨格筋などに由来する蛋白質であってもよく、 また合成蛋白質であ つてもよい。
配列番号: 1で表わされるァミノ酸配列と実質的に同一のァミノ酸配列とし ては、 例えば、 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列と約 50%以上、 好ま しくは約 60%以上、 より好ましくは約 70%以上、 さらに好ましくは約 80
%以上、 なかでも好ましくは約 90 %以上、 最も好ましくは約 95 %以上の相 同性を有するアミノ酸配列などが挙げられる。
本発明の配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸 配列を含有する蛋白質としては、 例えば、 配列番号: 1で表わされるアミノ酸 配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有し、 配列番号: 1で表わされるァミノ 酸配列からなるレセプター蛋白質と実質的に同質の活性を有する蛋白質などが 好ましい。
ァミノ酸配列の相同性は、 相同性計算アルゴリズム N C B I BLAST ( Na t i o n a l C e n t e r i o r B i o t e c hn o l o g y I n f o rma t i o n B a s i c L o c a l A l i g nme n t S e a r c h To o l) を用い、 以下の条件 (期待値 = 10 ;ギヤップを許す; マトリクス B LOSUM62 ;フィルタリング =OF F) にて計算すること ができる。
実質的に同質の活性としては、 例えば、 リガンド結合活性、 シグナル情報伝 達作用などが挙げられる。 実質的に同質とは、 それらの活性が性質的に同質で あることを示す。 したがって、 リガンド結合活性やシグナル情報伝達作用など の活性が同等 (例、 約 0. 01 100倍、 好ましくは約 0. 5 20倍、 よ り好ましくは約 0. 5 2倍) であることが好ましいが、 これらの活性の程度 や蛋白質の分子量などの量的要素は異なっていてもよい。
リガンド結合活性やシグナル情報伝達作用などの活性の測定は、 公知の方法 に準じて行なうことができるが、 例えば、 後に記載するリガンドの決定方法や スクリ一二ング方法に従って測定することができる。
また、 TGR 5としては、 ①配列番号: 1、 配列番号: 5、 配列番号: 7、 配列番号: 14、 配列番号: 16または配列番号: 36で表わされるアミノ酸 配列中の 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜30個程度、 より好ましくは 1 〜 10個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミノ酸が欠失したァ ミノ酸配列、 ②配列番号: 1、 配列番号: 5、 配列番号: 7、 配列番号: 14、 配列番号: 16または配列番号: 36で表わされるアミノ酸配列に 1または 2 個以上 (好ましくは、 1〜30個程度、 より好ましくは 1〜10個程度、 さら に好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミノ酸が付カ卩したアミノ酸配列、 ③配列 番号: 1、 配列番号: 5、 配列番号: 7、 配列番号: 14、 配列番号: 16ま たは配列番号: 36で表わされるァミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好まし くは、 1〜30個程度、 より好ましくは 1〜10個程度、 さらに好ましくは数 個 (1〜5個) ) のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、 また は④それらを組み合わせたァミノ酸配列を含有する蛋白質なども用いられる。 本明細書におけるレセプター蛋白質は、 ペプチド表記の慣例に従って、 左端 が N末端 (ァミノ末端) 、 右端が C末端 (カルボキシル末端) である。 配列番 号: 1で表わされるアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質をはじめとする、 TGR 5は、 C末端が力ルボキシル基 (-COOH) 、 カルボキシレート(一 C OO_)、 アミド (一CONH2) またはエステル (一 COOR) の何れであって あよい。
ここでエステルにおける Rとしては、 例えば、 メチル、 ェチル、 n—プロピ ノレ、 イソプロピルもしくは n—ブチルなどの アルキル基、例えば、 シクロ ペンチル、 シクロへキシルなどの C3— 8シクロアルキル基、 例えば、 フエニル、 α—ナフチルなどの C6_12ァリール基、 例えば、 ベンジル、 フエネチルなどの フエ二ルー アルキル基もしくは α—ナフチルメチルなどの α—ナフチル — アルキル基などの C7— 14ァラルキル基のほ力、 経口用エステルとして 汎用されるピパロィルォキシメチル基などが用いられる。
T G R 5が C末端以外にカルボキシル基 (またはカルボキシレート) を有し ている場合、 カルボキシル基がアミド化またはエステル化されているものも T G R 5に含まれる。 この場合のエステルとしては、 例えば上記した C末端のェ ステルなどが用いられる。
さらに、 T G R 5には、 上記した蛋白質において、 N末端のメチォニン残基 のァミノ基が保護基 (例えば、 ホルミル基、 ァセチルなどの C 2— 6アルカノィル 基などの ァシル基など) で保護されているもの、 N端側が生体内で切断さ れ生成したダルタミル基がピログルタミン酸ィ匕したもの、 分子内のアミノ酸の 側鎖上の置換基 (例えば、 _ O H、 一 S H、 アミノ基、 イミダゾール基、 イン ドール基、 グァニジノ基など) が適当な保護基 (例えば、 ホルミル基、 ァセチ ルなどの C 2一 6アル力ノィル基などの C i _ 6ァシル基など) で保護されているも の、 あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖蛋白質などの複合蛋白質なども含まれ る。
T G R 5の具体例としては、 例えば、 配列番号: 1 (ヒ ト型) 、 配列番号: 5 (マウス型) 、 配列番号: 7 (ラット型) 、 配列番号: 1 4 (ゥシ型) 、 配 列番号: 1 6 (ゥサギ型) または配列番号: 3 6 (モルモット型) で表わされ るアミノ酸配列からなるレセプター蛋白質などが用いられる。 配列番号: 3 6 (モルモット型) で表わされるアミノ酸配列からなるレセプター蛋白質は新規 な蛋白質である。
T G R 5の部分ペプチド (以下、 部分ペプチドと略記する場合がある) とし ては、 上記した T G R 5の部分べプチドであれば何れのものであってもよいが、 例えば、 T G R 5分子のうち、 細胞膜の外に露出している部位であって、 実質 的に同質のレセプター結合活性を有するものなどが用いられる。
具体的には、 配列番号: 1、 配列番号: 5、 配列番号: 7、 配列番号: 1 4、 配列番号: 1 6または配列番号: 3 6で表わされるァミノ酸配列からなるレセ プター蛋白質の部分ペプチドとしては、 疎水性プロット解析において細胞外領 域 (親水性 (Hydrophilic) 部位) であると分析された部分を含むペプチドであ る。 また、 疎水性 (Hydrophobic) 部位を一部に含むペプチドも同様に用いるこ とができる。 個々のドメインを個別に含むペプチドも用い得るが、 複数のドメ
ィンを同時に含む部分のぺプチドでも良い。
本発明の部分べプチドのァミノ酸の数は、 上記した T G R 5の構成ァミノ酸 配列のうち少なくとも 2 0個以上、 好ましくは 5 0個以上、 より好ましくは 1 0 0個以上のアミノ酸配列を有するぺプチドなどが好ましい。
実質的に同一のァミノ酸配列とは、 これらァミノ酸配列と約 5 0 %以上、 好 ましくは約 6 0 %以上、 より好ましくは約 7 0 %以上、 さらに好ましくは約 8 0 %以上、 なかでも好ましくは約 9 0 %以上、 最も好ましくは約 9 5 %以上の 相同性を有するアミノ酸配列を示す。
ここで、 「実質的に同質のレセプター活性」 とは、 上記と同意義を示す。 「 実質的に同質のレセプター活性」 の測定は上記と同様に行なうことができる。 また、 本発明の部分ペプチドは、 上記アミノ酸配列中の 1または 2個以上 ( 好ましくは、 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のァミノ 酸が欠失し、 または、 そのアミノ酸配列に 1または 2個以上 (好ましくは、 1 〜 2 0個程度、 より好ましくは 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜 5個) ) のアミノ酸が付カ卩し、 または、 そのアミノ酸配列中の 1または 2個以 上 (好ましくは、 1〜1 0個程度、 より好ましくは数個、 さらに好ましくは 1 〜5個程度) のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されていてもよい。
また、 本発明の部分ペプチドは C末端が通常カルボキシル基 (- C O O H) またはカルボキシレート (_ C O O— ) であるが、 上記した本発明の蛋白質のご とく、 C末端がアミド (一 C O N H2) またはエステル (一C O O R ) であって もよい。 本発明の部分ペプチドが C末端以外にカルボキシル基 (またはカルボ キシレート) を有している場合、 カルボキシル基がアミド化またはエステル化 されているものも本発明の部分ペプチドに含まれる。 この場合のエステルとし ては、 例えば上記した C末端のエステルなどが用いられる。
さらに、 本 明の部分ペプチドには、 上記した T G R 5と同様に、 N末端の メチォニン残基のァミノ基が保護基で保護されているもの、 N端側が生体内で 切断され生成したグルタミル基がピログルタミン酸ィ匕したもの、 分子内のアミ ノ酸の側鎖上の置換基が適当な保護基で保護されているもの、 あるいは糖鎖が 結合したいわゆる糖ぺプチドなどの複合べプチドなども含まれる。
TGR 5またはその部分ペプチドの塩としては、 薬理学的に許容される塩が 好ましく、 例えば無機塩基との塩、 有機塩基との塩、 無機酸との塩、 有機酸と の塩、 塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。
無機塩基との塩の好適な例としては、 例えばナトリウム塩、 カリウム塩、 リ チウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、 マグネシウム塩などのアル力 リ土類金属塩;アルミェゥム塩、 アンモユウム塩などが挙げられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、 例えばトリメチルァミン、 トリエチル ァミン、 ピリジン、 ピコリン、 エタノールァミン、 ジエタノールァミン、 トリ エタノーノレアミン、 ジシクロへキシノレアミン、 N, N—ジペンジノレエチレンジ ァミンなどとの塩が挙げられる。
無機酸との塩の好適な例としては、 例えば塩酸、 臭化水素酸、 硝酸、 硫酸、 リン酸などとの塩が挙げられる。
有機酸との塩の好適な例としては、 例えばギ酸、 酢酸、 トリフルォロ酢酸、 フマル酸、 シユウ酸、 酒石酸、 マレイン酸、 クェン酸、 コハク酸、 リンゴ酸、 メタンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸、 p—トルエンスルホン酸などとの塩 が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、 例えばアルギニン、 リジン、 ォ ルニチンなどとの塩が挙げられる。
酸性ァミノ酸との塩の好適な例としては、 例えばァスパラギン酸、 グルタミ ン酸などとの塩が挙げられる。
TGR 5、 その部分ペプチドまたはその塩は、 WO0 1Z7 7 3 25号、 W 002/8428 6号に記載の方法に準じて製造し、 精製単離することもでき る。
TGR 5をコードするポリヌクレオチドとしては、 上記した TGR 5をコー ドする塩基配列 (DNAまたはRNA、 好ましくは DNA) を含有するもので あればいかなるものであってもよい。 該ポリヌクレオチドとしては、 TGR5 をコードする DNA、 mRNA等の RNAであり、 二本鎖であっても、 一本鎖 であってもよい。 二本鎖の場合は、 二本鎖 DNA、 二本鎖 RNAまたは DNA : RNAのハイブリッドでもよい。 一本鎖の場合は、 センス鎖 (すなわち、 コ
ード鎖) であっても、 アンチセンス鎖 (すなわち、 非コード鎖) であってもよ い。
TGR 5をコードするポリヌクレオチドを用いて、 例えば、 公知の実験医学 増刊 「新 PCRとその応用」 15(7)、 1997記載の方法またはそれに準じた方法に より、 TGR 5の mRNAを定量することができる。
TGR 5をコードする DNAとしては、 ゲノム DNA、 ゲノム DNAライブ ラリー、 上記した細胞または組織由来の c DNA、 上記した細胞 ·組織由来の c DNAライブラリー、 合成 DNAのいずれでもよい。 ライブラリーに使用す るベクターは、 パクテリオファージ、 プラスミド、 コスミド、 ファージミドな どいずれであってもよい。 また、 上記した細胞または組織より全 RNAまたは mRNA画分を調製したものを用いて直接 Reverse Transcriptase Polymerase Chain Reaction (以下、 RT— P CR法と略称する) によって増幅することも できる。
具体的には、 TGR5をコードする DNAとしては、例えば、配列番号: 2、 配列番号: 6、 配列番号: 8、 配列番号: 1 3、 配列番号: 1 5または配列番, 号: 3 7.で表わされる塩基配列を含有する DNA、 または配列番号: 2、 配列 番号: 6、 配列番号: 8、 配列番号: 1 3、 配列番号: 1 5または配列番号: 3 6で表わされる塩基配列とハイストリンジヱントな条件下でハイブリダイズ する塩基配列を有し、 配列番号: 1、 配列番号: 5、 配列番号: 7、 配列番号 : 14、 配列番号: 1 6または配列番号: 36で表わされるアミノ酸配列から なる T G R 5と実質的に同質の活性 (例、 リガンド結合活性、 シグナル情報伝 達作用など) を有するレセプター蛋白質をコードする DNAであれば何れのも のでもよレ、。
配列番号: 2、 配列番号: 6、 配列番号: 8、 配列番号: 1 3、 配列番号: 1 5または配列番号: 36で表わされる塩基配列とハイブリダイズできる D N Aとしては、 例えば、 配列番号: 2、 配列番号: 6、 配列番号: 8、 配列番号 : 1 3、 配列番号: 1 5または配列番号: 36で表わされる塩基配列と約 70 %以上、 好ましくは約 80 %以上、 より好ましくは約 90 %以上、 最も好まし くは約 9 5%以上の相同性を有する塩基配列を含有する DNAなどが用いられ
る。
塩基配列の相同性は、 相同性計算アルゴリズム NCB I BLAST (N a t i o n a l C e n t e r f o r B i o t e c h n o l o g y I n f o rma t i o n B a s i c L o c a l A l i g nme n t S e a r c h T o o l ) を用い、 以下の条件 (期待値 = 1 0 ;ギヤップを許す; フィ ルタリング =ON ;マッチスコア = 1 ; ミスマッチスコア =ー 3) にて計算す ることができる。
ハイブリダィゼーシヨンは、公知の方法あるいはそれに準じる方法、例えば、 モレキュラー ·クロー-ング (Molecular Cloning) 2nd (J. Sambrook et al. , Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989) に記載の方法などに従って行なうことがで きる。 また、 市販のライブラリーを使用する場合、 添付の使用説明書に記載の 方法に従って行なうことができる。 より好ましくは、 ハイストリンジェントな 条件に従って行なうことができる。
該ハイストリンジヱントな条件とは、 例えば、 ナトリウム濃度が約 1 9〜 4 0 mM、 好ましくは約 1 9〜 20 mMで、 温度が約 50〜 70 °C、 好ましくは 約 60〜6 5 °Cの条件を示す。 特に、 ナトリゥム濃度が約 1 9 mMで温度が約 6 5 °Cの場合が最も好ましい。
より具体的には、 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列からなるヒト TG R 5をコードする DN Aとしては、 配列番号: 2で表わされる塩基配列からな る DNAなどが用いられる。
また配列番号: 5で表わされるアミノ酸配列からなるマウス TGR 5をコー ドする DNAとしては、 配列番号: 6で表わされる塩基配列からなる DNAな どが用いられる。
配列番号: 7で表わされるアミノ酸配列からなるラット TGR 5をコードす る DNAとしては、 配列番号: 8で表わされる塩基配列からなる DNAなどが 用いられる。
配列番号: 14で表わされるアミノ酸配列からなるゥシ TGR 5をコードす る DNAとしては、 配列番号: 1 3で表わされる塩基配列からなる DNAなど が用いられる。
配列番号: 1 6で表わされるアミノ酸配列からなるゥサギ TGR 5をコード する DNAとしては、 配列番号: 1 5で表わされる塩基配列からなる DNAな どが用いられる。
配列番号: 36で表わされるァミノ酸配列からなるモルモット TGR 5をコ 一ドする DNAとしては、 配列番号: 3 7で表わされる塩基配列からなる DN Aなどが用いられる。
本発明の部分べプチドをコ一ドする DN Aとしては、 上記した本発明の部分 ペプチドをコードする塩基配列を含有するものであればいかなるものであって もよい。 また、 ゲノム DNA、 ゲノム DNAライブラリー、 上記した細胞 .組 織由来の c DNA、 上記した細胞 '組織由来の c DNAライプラリー、 合成 D N Aのいずれでもよい。 ライブラリーに使用するベクターは、 パクテリオファ ージ、 プラスミド、 コスミド、 ファージミドなどいずれであってもよレ、。 また、 上記した細胞 ·組織より mRNA画分を調製したものを用いて直接 RT— PC R法によつて増幅することもできる。
具体的には、 本発明の部分ペプチドをコードする DNAとしては、 例えば、 ( 1 ) 配列番号: 2、 配列番号: 6、 配列番号: 8、 配列番号: 1 3、 配列番 号: 1 5または配列番号: 3 7で表わされる塩基配列を有する DN Aの部分塩 基配列を有する DNA、 または (2) 配列番号: 2、 配列番号: 6、 配列番号 : 8、 配列番号: 1 3、 配列番号: 1 5または配列番号: 3 7で表わされる塩 基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し 配列番号: 1、 配列番号: 5、 配列番号: 7、 配列番号: 1 4、 配列番号: 1 6または配列番号: 3 6で表されるアミノ酸配列からなる TGR 5ペプチドと 実質的に同質の活性 (例、 リガンド結合活性、 シグナル情報伝達作用など) を 有するレセプター蛋白質をコードする DN Aの部分塩基配列を有する DN Aな どが用いられる。
配列番号: 2、 配列番号: 6、 配列番号: 8、 配列番号: 1 3、 配列番号: 1 5または配列番号: 3 7で表わされる塩基配列ハイブリダイズできる D N A としては、 例えば、 配列番号: 2、 配列番号: 6、 配列番号: 8、 配列番号: 1 3、 配列番号: 1 5または配列番号: 3 7で表わされる塩基配列と約 70 %
以上、 好ましくは約 80 %以上、 より好ましくは約 90 %以上、 最も好ましく は約 95%以上の相同性を有する塩基配列を含有する DN Aなどが用いられる。 塩基配列の相同性は、 相同性計算アルゴリズム NCB I BLAST (N a t l o n a 1 C e n t e r f o r B i o t e c hn o l o g y I n f o rma t i o n B a s i c Lo c a l Al i g nme n t S e a r c h To o l) を用い、 以下の条件 (期待値 = 10 ;ギヤップを許す;フィ ^/タリング =ON;マッチスコア = 1 ; ミスマッチスコア ==—3) にて計算す ることができる。
ハイブリダィゼーションは、公知の方法あるいはそれに準じる方法、例えば、 モレキュラー ·クロー-ング (Molecular Cloning) 2nd (J. Sambrook et al. , Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989) に記載の方法などに従って行なうことがで きる。 また、 市販のライブラリーを使用する場合、 添付の使用説明書に記載の 方法に従って行なうことができる。 より好ましくは、 ハイストリンジェントな 条件に従つて行なうことができる。
該ハイストリンジヱントな条件とは、 例えば、 ナトリウム濃度が約 19〜 4 0 mM、 好ましくは約 19〜 20 mMで、 温度が約 50〜 70 °C、 好ましくは 約 60〜 65。(:の条件を示す。 特に、 ナトリゥム濃度が約 19 mMで温度が約 65 °Cの場合が最も好ましい。
上記した TGR 5またはその部分ペプチドをコードする DNAは、 、 WO0 1/77325号、 WOO 2/84286号に記載の方法を用いてクローニン グすることができる。
DNAの塩基配列の置換は、 PCRや公知のキット、 例えば、 Mu t a n™ - s u p e r Ex p r e s s Km (宝酒造) 、 Mu t a n™— K (宝酒造) な どを用いて、 ODA— LA P CR法、 Ga p p e d du p l e x法、 Ku n k e 1法などの公知の方法あるいはそれらに準じる方法に従って行なうことが できる。
クローン化されたレセプター蛋白質をコードする DNAは目的によりそのま ま、 または所望により制限酵素で消化したり、 リンカ一を付加したりして使用 することができる。 該 DNAはその 5' 末端側に翻訳開始コドンとしての AT
Gを有し、 また 3' 末端側には翻訳終止コドンとしての TAA、 TGAまたは TAGを有していてもよい。 これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、 適 当な合成 DNAアダプターを用いて付加することもできる。
TGR 5の発現ベクターは、 例えば、 (ィ) TGR5をコードする DNAを 含有する DNA (例えば、 cDNA) から目的とする DNA断片を切り出し、 (口) 該 DNA断片を適当な発現ベクター中のプロモーターの下流に連結する ことにより製造することができる。
ベクターとしては、 大腸菌由来のプラスミド (例、 pBR 322、 p BR 3 25、 pUC 12、 pUC 13) 、 枯草菌由来のプラスミ ド (例、 PUB 1 1 0、 pTP 5、 pC 194) 、 酵母由来プラスミ ド (例、 p SH 1 9、 p SH 1 5) 、 えファージなどのバタテリオファージ、 レトロウイ ス、 ワクシニア ウィルス、 パキュロウィルスなどの動物ウィルスなどの他、 pAl— 1 1、 p XT1、 pRc/CMV、 pR c/RSV, p c D N A I /N e oなどが用い られる。
本発明で用いられるプロモーターとしては、 遺伝子の発現に用いる宿主に対 応して適切なプロモーターであればいかなるものでもよい。 例えば、 動物細胞 を宿主として用いる場合は、 SRaプロモーター、 SV40プロモーター、 L TRプロモーター、 CMVプロモーター、 HSV-TKプロモーターなどが挙げ られる。
これらのうち、 CMVプロモーター、 S R QJプロモーターなどを用いるのが 好ましい。 宿主がェシエリヒア属菌である場合は、 t r pプロモーター、 l a cプロモーター、 r e cAプロモーター、 ; L PLプロモーター、 l p pプロモー ターなどが、 宿主がバチルス属菌である場合は、 SPO lプロモーター、 SP 02プロモーター、 p e n Pプロモーターなど、 宿主が酵母である場合は、 P H05プロモーター、 PGKプロモーター、 GAPプロモーター、 ADHプロ モーターなどが好ましい。 宿主が昆虫細胞である場合は、 ポリヘドリンプロモ 一ター、 P 10プロモーターなどが好ましい。
発現ベクターには、 以上の他に、 所望によりェンハンサー、 スプライシング シグナル、 ポリ A付加シグナル、選択マーカー、 SV40複製オリジン (以下-
S V40 o r iと略称する場合がある) などを含有しているものを用いること ができる。 選択マーカ一としては、 例えば、 ジヒドロ葉酸還元酵素 (以下、 d h f rと略称する場合がある) 遺伝子 〔メソトレキセート (MTX) 耐性〕 、 アンピシリン耐性遺伝子 (以下、 Amprと略称する場合がある) 、 ネオマイシ ン耐性遺伝子 (以下、 Ne 01"と略称する場合がある、 G4 1 8耐性) 等が挙げ られる。 特に、 CHO ( d h f r -) 細胞を用いて d h f r遺伝子を選択マーカ 一として使用する場合、 目的遺伝子をチミジンを含まない培地によっても選択 できる。
また、 必要に応じて、 宿主に合ったシグナル配列を、 TGR5の N端末側に 付加する。 宿主がェシヱリヒア属菌である場合は、 Ph oA . シグナル配列、 Omp A - シグナル配列などが、 宿主がバチルス属菌である場合は、 α—アミ ラーゼ ·シグナル配列、 サブチリシン · シグナル配列などが、 宿主が酵母であ る場合は、 MF a ·シグナル配列、 SUC 2 ·シグナル配列など、 宿主が動物 細胞である場合には、 インシュリン 'シグナル配列、 a—インターフェロン . シグナル配列、 抗体分子'シグナル配列などがそれぞれ利用できる。
このようにして構築された TGR 5をコードする DNAを含有するベクター を用いて、 形質転換体を製造することができる。
宿主としては、例えば、 ェシエリヒア属菌、 バチルス属菌、 酵母、 昆虫細胞、 昆虫、 動物細胞などが用いられる。
ェシェリヒァ属菌の具体例としては、 ェシェリヒア 'コリ (Escherichia coli ) K 1 2 · DH 1 〔プロシージングズ ·ォプ ·ザ ·ナショナル ·アカデミー . ォブ ·サイェンシィズ ·ォブ ·ザ ·ユーエスエー (proc. Natl. Acad. Sci. USA ) , 6 0巻, 1 6 0 (1 96 8)〕 、 JM1 03 〔ヌクイレック .ァシッズ . リ サーチ, (Nucleic Acids Research) , 9卷, 309 (1 98 1)〕 、 J A22 1 〔ジャーナル ·ォブ ·モレキュラー ·バイオロジー (Journal of Molecular Biology) , 1 20卷, 5 1 7 (1 9 78)〕 、 ΗΒ 1 0 1 〔ジャーナル。ォブ' モレキュラー ·バイオロジー, 4 1卷, 45 9 (1 96 9)〕 、 C 600 〔ジェ ネテイツタス (Genetics) , 39卷, 440 (1 954)〕 などが用いられる。 バチルス属菌としては、 例えば、 バチルス ·ズブチルス (Bacillus subtil is
) MI 1 14 〔ジーン, 24巻, 255 (1983)〕 , 207-21 〔ジャー ナル .ォブ ·バイオケミストリー (Journal of Biochemistry) , 95卷, 87 (1984)] などが用いられる。
酵母としては、 例えば、 サッカロマイセス 'セレピシェ (Saccharomyces cerevisiae) AH 22、 AH 22 R\ NA87— 1 1 A、 DKD—5D、 20 B— 12、 シゾサッカロマイセス ·ボンべ (Schizosaccharomyces pombe) NC YC 1913、 NCYC2036、 ピキア 'パストリス (Pichia pastoris) な どが用いられる。
昆虫細胞としては、 例えば、 ウィルスが Ac NPVの場合は、 ョ トウガの幼 虫由来株化細胞 (Spodoptera frugiperda cell; S f 細月包) 、 Trichoplusia ni の中腸由来の MG 1細胞、 Trichoplusia niの卵由来の H i g h F i v e™細胞 、 Mamestra brassicae由来の糸田月包また ίま Estigmena acrea由来の糸田月包など力 S用レヽ られる。 ウィルスが BmNP Vの場合は、 カイコ由来株化細胞 (Bombyx mori N ; BmN細胞) などが用いられる。 該 S f 細胞としては、 例えば、 S f 9細胞 (ATCC CRL1711)、 S f 21細胞(以上、 Vaughn, J. L.ら、イン'ヴィボ(In Vivo ) ,13, 213-217, (1977)) などが用いられる。
昆虫としては、 例えば、 カイコの幼虫などが用いられる 〔前田ら、 ネィチヤ 一 (Nature) , 315卷, 592 (1985)〕 。
動物細胞としては、 例えば、 サル細胞 COS— 7、 Ve r o、 チャイニーズ ハムスター細胞 CHO (以下、 CHO細胞と略記) 、 d h f r遺伝子欠損チヤ ィニーズハムスター細胞 CHO (以下、 CHO (d h f r— ) 細胞と略記) 、 マ ウス L細胞, マウス At T— 20、 マウスミエローマ細胞、 ラット GH3、 ヒ ト FL細胞、 ヒ ト HEK 293細胞などが用いられる。
ェシヱリヒァ属菌を形質転換するには、 例えば、 プロシージングズ ·ォブ · ザ ·ナショナル ·アカデミー ·ォブ ·サイェンジィズ ·ォブ ·ザ ·ユーエスェ 一 (Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 69巻, 21 10 (1 972)やジーン ( Gene) , 1 7卷, 107 (1982)などに記載の方法に従つて行なうことがで ぎる。
バチルス属菌を形質転換するには、 例えば、 モレキュラー 'アンド 'ジエネ
ラノレ ·ジエネティックス (Molecular & General Genetics) , 1 6 8卷, 1 1 1 (1 9 79)などに記載の方法に従って行なうことができる。
酵母を形質転換するには、例えば、メッソズ ·イン ·ェンザィモ口ジー(Methods in Enzymology) , 1 94卷, 1 8 2— 1 8 7 (1 9 9 1) 、 プロシージングズ 'ォブ ·ザ ·ナショナル ·アカデミー ·ォブ ·サイェンシィズ ·ォプ .ザ ·ュ 一エスエー (proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 75卷, 1 92 9 (1 9 78) などに記載の方法に従って行なうことができる。
昆虫細胞または昆虫を形質転換するには、 例えば、 バイオ/テクノロジー ( Bio/Technology) ,6, 47 - 55 (1988)) などに記載の方法に従って行なうことがで きる。
動物細胞を形質転換するには、 例えば、 細胞工学別冊 8新細胞工学実験プ口 トコール。 263— 26 7 (1 9 9 5) (秀潤社発行)、ヴィロロジー (Virology ) , 52巻, 456 (1 9 73)に記載の方法に従つて行なうことができる。 このようにして、 G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードする DNAを含 有する発現べクタ一で形質転換された形質転換体が得られる。
宿主がェシエリヒア属菌、 バチルス属菌である形質転換体を培養する際、 培 養に使用される培地としては液体培地が適当であり、 その中には該形質転換体 の生育に必要な炭素源、 窒素源、 無機物その他が含有せしめられる。 炭素源と しては、 例えば、 グルコース、 デキストリン、 可溶性澱粉、 ショ糖など、 窒素 源としては、例えば、 アンモニゥム塩類、硝酸塩類、 コーンスチープ'リカー、 ペプトン、 カゼイン、 肉エキス、 大豆粕、 バレイショ抽出液などの無機または 有機物質、 無機物としては、 例えば、 塩化カルシウム、 リン酸二水素ナトリウ ム、 塩化マグネシウムなどが挙げられる。 また、 酵母エキス、 ビタミン類、 生 長促進因子などを添加してもよレ、。 培地の p Hは約 5〜 8が望ましい。
ェシエリヒア属菌を培養する際の培地としては、 例えば、 グルコース、 カザ ミノ酸を含む M9培地 〔ミラー (Miller) , ジャーナル.ォブ ·エタスぺリメ ンッ 'イン 'モレキュラー · シエ ティックス (Journal of Experiments in Molecular Genetics) , 43 1—43 3, Cold Spring Harbor Laboratory, New York 1 9 72] が好ましい。 ここに必要によりプロモーターを効率よく働力せ
るために、 例えば、 3 j3—インドリルアクリル酸のような薬剤を加えることが できる。
宿主がェシェリヒァ属菌の場合、 培養は通常約 1 5〜 4 3 °Cで約 3〜 24時 間行ない、 必要により、 通気や撹拌を加えることもできる。
宿主がバチルス属菌の場合、 培養は通常約 3 0〜 4 0 °Cで約 6〜 24時間行 ない、 必要により通気や撹拌を加えることもできる。
宿主が酵母である形質転換体を培養する際、 培地としては、 例えば、 バーク ホールダー (Burkholder) 最小培地 〔Bostian, K. L. ら、 「プロシージングズ •ォブ' ·ザ ·ナショナル 'アカデミー 'ォブ ·サイェンシィズ ·ォブ ·ザ ·ュ 一エスエー (Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 7 7卷, 4 5 0 5 (1 9 8 0)」 や 0. 5%カザミノ酸を含有する SD培地 〔Bitter, G. A. ら、 「プロシージン グズ ·ォブ ·ザ ·ナショナル 'アカデミー .ォブ ·サイェンシィズ .ォブ ·ザ -ユーエスエー (Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 8 1卷, 5 3 30 (1 9 8 4) 」 が挙げられる。 培地の p Hは約 5〜8に調整するのが好ましい。 培養は 通常約 2 0〜 3 5 °Cで約 24〜 7 2時間行ない、 必要に応じて通気や撹拌を加 える。
宿主が昆虫細胞または昆虫である形質転換体を培養する際、 培地としては、 Grace' s Insect Medium (Grace, T. C. ,ネイチヤー (Nature) , 195, 788(1962) ) に非動化した 1 0%ゥシ血清等の添加物を適宜加えたものなどが用いられる。 培地の p Hは約 6. 2〜 6. 4に調整するのが好ましい。 培養は通常約 2 7°C で約 3〜5日間行ない、 必要に応じて通気や撹拌を加える。
宿主が動物細胞である形質転換体を培養する際、 培地としては、 例えば、 約 5〜2 0%の胎児牛血清を含む MEM培地 〔サイエンス (Science) , 1 2 2卷 , 5 0 1 (1 9 5 2)〕 , DMEM培地 〔ヴイロロジー (Virology) , 8卷, 3 9 6 (1 9 5 9)} , RPM I 1 6 4 0培地 〔ジャーナル.ォブ.ザ.アメリカ ン ·メディカル ·ァソシエーション (The Journal of the American Medical Association) 1 9 9卷, 5 1 9 (1 9 6 7)〕 , 1 9 9培地 〔プロシージング · ォブ 'ザ*ソサイエティ ·フォー *ザ*バイオロジカル ·メディスン(Proceeding of the Society for the Biological Medicine) , 7 3巻, 1 (1 9 5 0)〕 な
どが用いられる。 p Hは約 6〜8であるのが好ましい。 培養は通常約 3 0〜4 0 °Cで約 1 5〜 6 0時間行ない、 必要に応じて通気や撹拌を加える。
以上のようにして、 形質転換体の細胞内、 細胞膜または細胞外に本発明の G 蛋白質共役型レセプター蛋白質を生成せしめることができる。
上記培養物から T G R 5を分離精製するには、 例えば、 下記の方法により行 なうことができる。
T G R 5を培養菌体あるいは細胞から抽出するに際しては、 培養後、 公知の 方法で菌体あるいは細胞を集め、 これを適当な緩衝液に懸濁し、 超音波、 リゾ チームおよび または凍結融解などによって菌体あるいは細胞を破壊したのち 遠心分離やろ過によりレセプター蛋白質の粗抽出液を得る方法などが適宜用い られる。 緩衝液の中に尿素や塩酸グァ-ジンなどの蛋白質変性剤や、 トリ トン
X— 1 0 0™などの界面活性剤が含まれていてもよい。培養液中にレセプター蛋 白質が分泌される場合には、 培養終了後、 公知の方法で菌体あるいは細胞と上 清とを分離し、 上清を集める。
このようにして得られた培養上清、 あるいは抽出液中に含まれるレセプター 蛋白質の精製は、 公知の分離 ·精製法を適切に組み合わせて行なうことができ る。 これらの公知の分離、 精製法としては、 塩析ゃ溶媒沈澱法などの溶解度を 利用する方法、 透析法、 限外ろ過法、 ゲルろ過法、 および S D S—ポリアクリ ルアミドゲル電気泳動法などの主として分子量の差を利用する方法、 イオン交 換クロマトグラフィーなどの荷電の差を利用する方法、 ァフィ二ティークロマ トグラフィーなどの特異的親和性を利用する方法、 逆相高速液体クロマトダラ フィ一などの疎水性の差を利用する方法、 等電点電気泳動法などの等電点の差 を利用する方法などが用いられる。
このようにして得られるレセプター蛋白質が遊離体で得られた場合には、 公 知の方法あるいはそれに準じる方法によって塩に変換することができ、 逆に塩 で得られた場合には公知の方法あるいはそれに準じる方法により、 遊離体また は他の塩に変換することができる。
なお、 組換え体が産生するレセプター蛋白質を、 精製前または精製後に適当 な蛋白質修飾酵素を作用させることにより、 任意に修飾を加えたり、 ポリぺプ
チドを部分的に除去することもでき 。 蛋白質修^ ί酵素としては、 例えば、 ト リプシン、 キモトリプシン、 アルギニルェンドぺプチダーゼ、 プロティンキナ ーゼ、 グリコシダーゼなどが用いられる。
このようにして生成する T GR 5またはその塩の活性は、 標識したリガンド との結合実験および特異抗体を用いたェンザィムィムノアッセィなどにより測 定することができる。
以下に、 本発明の TGR 5とコレステロール代謝関連物質またはその塩との 結合性を変化させる化合物またはその塩 (TGR 5に対するァゴニストまたは TGR 5に対するアンタゴニストなど) のスクリーユング方法について詳述す る。
TGR5、 その部分ペプチドまたはその塩 (以下、 TGR 5と略記する場合 がある) 、 特に組換え型 TGR 5を発現した細胞と、 該 TGR5とリガンドで あるコレステロール代謝関連物質またはその塩との結合性を変化させる低分子 合成化合物 (以下、 合成リガンドと略記する) をサロゲート (surrogate) リガ ンドとして用いた結合アツセィ系を用いることによって、 試験化合物の中から TGR 5ァゴニストまたは TGR 5アンタゴニストを効率よくスクリーユング することができる。
T G R 5ァゴニストは、 T G R 5に結合して細胞刺激活性を有する化合物で ある。 細胞刺激活性としては、 例えば、 ( 1 ) 細胞内 c AM P産生、 ( 2 ) 細 胞内蛋白質 (例、 MAPキナーゼなど) のリン酸化または活性化、 (3) 細胞 外 pHの低下、 (4) Rh o、 R a c、 R a sなどの低分子量 G蛋白質の活性 ィ匕、 (5) 転写因子 CRE (c AMP r e s p o n s i v e e l eme n t) 、 AP l、 NFAT、 SRE (s e r um r e s p o n s i v e e l erne n t) などの下流につないだレポーター遺伝子 (例、 ルシフェラーゼな ど) の活性化、 (6) 細胞内カルシウムイオン変動、 (7) 細胞内 c GMP生 成、 (8) イノシトールリン酸産生、 (9) G l u c a g o n— l i k e p e p t i d e— 1 (GLP— 1) 分泌などを上昇する活性、 または ( 1 0) サ イトカイン産生抑制活性などが挙げられ、 特に細胞内 c AMP産生上昇活性、 MA Pキナーゼのリン酸化または活性化、 GLP- 1分泌促進活性、 サイト力
ィン産生抑制活性が好ましく用いられる。
T G R 5アンタゴニストは、 T G R 5に結合する力 該細胞刺激活性を有し ない化合物である。
また、 本発明のスクリーニング方法を用いることにより、 コレステロール代 謝関連物質またはその塩と TGR 5との結合力を増強する化合物、 またはコレ ステロール代謝関連物質またはその塩と TGR 5との結合力を減少させる化合 物などもスクリーニングすることができる。
すなわち、 本発明は、 (i ) TGR 5と合成リガンドとを接触させた場合と (ii) TGR 5と合成リガンドおよび試験ィ匕合物とを接触させた場合との比較 を行なうことを特^ [とする TGR 5ァゴニストまたは TGR 5アンタゴニスト のスクリ一二ング方法を提供する。
本発明のスクリーニング方法においては、 (i ) と (ii) の場合における、 例えば、 TGR 5に対する合成リガンドの結合量、 細胞刺激活性などを測定し て、 比較することを特徴とする。
より具体的には、 本発明は、
(1) 標識した合成リガンドを TGR 5に接触させた場合と、 標識した合成リ ガンドおよび試験化合物を TGR 5に接触させた場合における、 標識した合成 リガンドの TGR 5に対する結合量を測定し、 比較することを特徴とする TG R 5ァゴニストまたは TGR 5アンタゴニストのスクリーニング方法、 (2) 標識した合成リガンドを TGR 5を含有する細胞または該細胞の膜画分 に接触させた場合と、 標識した合成リガンドおよび試験化合物を TGR 5を含 有する細胞または該細胞の膜画分に接触させた場合における、 標識した合成リ ガンドの該細胞または該膜画分に対する結合量を測定し、 比較することを特徴 とする TGR 5ァゴニストまたは TGR 5アンタゴニストのスクリーニング方 法、
(3) 標識した合成リガンドを TGR 5D N Aを含有する形質転換体を培養す ることによつて細胞膜上に発現した T G R 5に接触させた場合と、 標識した合 成リガンドおよび試験化合物を TGR 5 DNAを含有する形質転換体を培養す ることによつて細胞膜上に発現した T G R 5に接触させた場合における、 標識
した合成リガンドの該 TGR 5に対する結合量を測定し、 比較することを特徴 とする TGR 5ァゴニストまたは TGR 5アンタゴニストのスクリーニング方 法、
(4) 試験化合物を TGR 5を含有する細胞または組織 (例、 CHO細胞、 N C I—H716、 マクロファージ、 単球、 腸管) に接触させた場合における、
T G R 5を介した細胞刺激活性を測定し、 比較することを特徴とする T G R 5 ァゴニストまたは TGR 5アンタゴニストのスクリーニング方法、 および
( 5 ) 試験化合物を TGR5DNAを含有する形質転換体を培養することによ つて細胞膜上に発現した TGR 5に接触させた場合における、 TGR 5を介す る細胞刺激活性を測定し、 比較することを特徴とする TGR5ァゴニストまた は TGR 5アンタゴニストのスクリーニング方法、
(6)合成ァゴニストを TGR 5を含有する細胞または組織(例、 CHO細胞、 NC I—H716、 マクロファージ、 単球、 腸管) に接触させた場合と、 合成 ァゴニストおよび試験化合物を TGR 5を含有する細胞に接触させた場合にお ける、 TGR 5を介した細胞刺激活性を測定し、 比較することを特徴とする T GR 5アンタゴニストのスクリーニング方法、 および
(7) 合成ァゴニストを TGR 5 DN Aを含有する形質転換体を培養すること によって細胞膜上に発現した TGR 5に接触させた場合と、 合成ァゴニストぉ よび試験化合物を TGR5DNAを含有する形質転換体を培養することによつ て細胞膜上に発現した TGR 5に接触させた場合における、 TGR5を介する 細胞刺激活性を測定し、 比較することを特徴とする TGR5アンタゴニストの スクリーニング方法を提供する。
TGR5または TGR5を発現する細胞は上記の方法を用レ、て製造すること ができる。
細胞刺激活性としては、 例えば、 (1) 細胞内 cAM P産生、 (2) 細胞内 蛋白質 (例、 MAPキナーゼなど) のリン酸化または活性化、 (3) 細胞外 p Hの低下、 (4) Rh o、 Ra c、 R a sなどの低分子量 G蛋白質の活性化、
( 5)転写因子 CRE ( c AMP r e s p o n s i v e e l eme n t) 、 AP 1、 NFAT、 SRE (s e r um r e s p o n s i v e e l eme
n t) などの下流につないだレポーター遺伝子 (例、 ルシフェラーゼなど) の 活性化、 (6) 細胞内カルシウムイオン変動、 (7) 細胞内 cGMP生成、 ( 8) イノシトールリン酸産生、 (9) G l u c a g o n— l i k e p e p t i d e- 1 (GLP— l) 分泌などを上昇する活性、 または (10) サイト力 イン産生抑制活性などが挙げられ、 なかでも細胞内 c AMP産生上昇活性、 M A Pキナーゼのリン酸化または活性化、 GLP— 1分泌促進活性、 サイトカイ ン産生抑制活性が好ましい。
該 TGR5とリガンドであるコレステロール代謝関連物質またはその塩との 結合性を変化させる低分子合成化合物またはその塩(合成リガンド) としては、 低分子合成ァゴニスト (以下、 合成ァゴニストと略記する) が好ましく用いら れる。
合成リガンドは、 上記したスクリーニング方法において、 合成リガンド (合 成ァゴニスト) に代えて、 後述する天然リガンドであるコレステロール代謝関 連物質またはその塩などを用いることによって、 入手することができる。 具体 的には、 後述する本発明化合物などが用いられる。
試験ィ匕合物としては、 例えば、 ペプチド、 蛋白質、 非ペプチド性化合物、 合 成化合物、 発酵生産物、 細胞抽出液、 植物抽出液、 動物組織抽出液、 血漿など が用いられ、 これら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公知の化合物で あってもよい。
試験ィヒ合物は塩を形成していてもよく、 試験化合物の塩としては、 薬理学的 に許容される塩が好ましく、 例えば無機塩基との塩、 有機塩基との塩、 無機酸 との塩、 有機酸との塩、 塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。 無機塩基との塩の好適な例としては、 例えばナトリゥム塩、 力リゥム塩、 リ チウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、 マグネシウム塩などのアル力 リ土類金属塩;アルミニウム塩、 アンモユウム塩などが挙げられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、 例えばトリメチルァミン、 トリェチル ァミン、 ピリジン、 ピコリン、 エタノーノレアミン、 ジエタノールァミン、 トリ エタノールァミン、 ジシクロへキシルァミン、 N, N—ジベンジルエチレンジ ァミンなどとの塩が挙げられる。
無機酸との塩の好適な例としては、 例えば塩酸、 臭化水素酸、 硝酸、 硫酸、 リン酸などとの塩が挙げられる。
有機酸との塩の好適な例としては、 例えばギ酸、 酢酸、 トリフルォロ酢酸、 フマル酸、 シユウ酸、 酒石酸、 マレイン酸、 クェン酸、 コハク酸、 リンゴ酸、 メタンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸、 P—トルエンスルホン酸などとの塩 が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、 例えばアルギニン、 リジン、 ォ ルニチンなどとの塩が挙げられる。
酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、 例えばァスパラギン酸、 ダルタミ ,ン酸などとの塩が挙げられる。
また、 試験化合物としては、 T G R 5の活性部位の原子座標およびリガンド 結合ポケットの位置に基づいて、 リガンド結合ポケットに結合するように設計 された化合物が好ましく用いられる。 T G R 5の活性部位の原子座標およびリ ガンド結合ポケットの位置の測定は、 公知の方法あるいはそれに準じる方法を 用いて行うことができる。
本発明のスクリーニング方法において、 T G R 5を含有する細胞を用いる場 合、 該細胞をダルタルアルデヒド、 ホルマリンなどで固定化してもよい。 固定 化方法は公知の方法に従って行なうことができる。
T G R 5を含有する細胞としては、 T G R 5を発現した宿主細胞をいうが、 該宿主細胞としては、 大腸菌、 枯草菌、 酵母、 昆虫細胞、 動物細胞などが好ま しい。
細胞膜画分としては、 細胞を破碎した後、 公知の方法で得られる細胞膜が多 く含まれる画分のことをいう。 細胞の破碎方法としては、 Pot ter—EIvehj em型 ホモジナイザーで細胞を押し潰す方法、 ワーリンダブレンダーゃポリトロン ( Kinemat ica社製) による破砕、 超音波による破砕、 フレンチプレスなどで加圧 しながら細胞を細いノズルから噴出させることによる破碎などが挙げられる。 細胞膜の分画には、 分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの遠心力による 分画法が主として用いられる。 例えば、 細胞破碎液を低速 (5 0 0〜 3 0 0 0 r m) で短時間 (通常、 約 1〜1 0分) 遠心し、 上清をさらに高速 (1 5 0
00〜30000 r pm) で通常 30分〜 2時間遠心し、 得られる沈澱を膜画 分とする。 該膜画分中には、 発現した TGR 5と細胞由来のリン脂質や膜蛋白 質などの膜成分が多く含まれる。
TGR5を含有する細胞や膜画分中のレセプター蛋白質の量は、 1細胞当た り 103〜108分子であるのが好ましく、 105〜107分子であるのが好適であ る。 なお、 発現量が多いほど膜画分当たりのリガンド結合活性 (比活性) が高 くなり、 高感度なスクリーニング系の構築が可能になるばかりでなく、 同一口 ットで大量の試料を測定できるようになる。
上記のスクリーニング方法 (1) 〜 (3) を実施するためには、 例えば、 適 当な T G R 5画分と標識した合成リガンドが必要である。
TGR5画分としては、 天然型の TGR5画分か、 またはそれと同等の活性 を有する組換え型 TGR 5画分などが望ましい。 ここで、 同等の活性とは、 同 等のリガンド結合活性、 シグナル情報伝達作用などを示す。
標識した合成リガンドとしては、 例えば、 〔3H〕 、 C1251] 、 〔14C〕 、 〔35 S〕 などで標識された合成リガンドなどが用いられる。
具体的には、 TGR 5ァゴニストまたは TGR 5アンタゴニストのスタリー ユングを行なうには、 まず TGR 5を含有する細胞または細胞の膜画分を、 ス クリ一ニングに適したバッファ一に懸濁することにより T G R 5標品を調製す る。 バッファーには、 pH4〜10 (望ましくは pH6〜8) のリン酸バッフ ァー、 トリス一塩酸バッファーなどのリガンドとレセプター蛋白質との結合を 阻害しないバッファーであればいずれでもよい。 また、 非特異的結合を低減さ せる目的で、 CHAPS、 Twe e n-80™ (花王一アトラス社) 、 ジギトニ ン、 デォキシコレートなどの界面活性剤をパッファーに加えることもできる。 さらに、 プロテアーゼによるレセプター蛋白質やリガンドの分解を抑える目的 で PMSF、 ロイぺプチン、 E—64 (ペプチド研究所製) 、 ぺプスタチンな どのプロテアーゼ阻害剤を添加することもできる。 0.01〜10m 1の該レセ プター蛋白質溶液に、 一定量 (5000〜500000 c pm) の標識した合 成リガンドを添加し、 同時に 10— 4M〜10— の試験化合物を共存させる。 非 特異的結合量 (NSB) を知るために大過剰の未標識の合成リガンドを加えた
反応チューブも用意する。 反応は約 0〜50°C、 望ましくは約 4〜3 7°Cで、 約 20分〜 24時間、 望ましくは約 30分〜 3時間行う。 反応後、 ガラス繊維 濾紙等で濾過し、 適量の同バッファーで洗浄した後、 ガラス繊維濾紙に残存す る放射活性を液体シンチレーシヨンカウンターまたは γ—カウンターで計測す る。 拮抗する物質がない場合のカウント (Β。) から非特異的結合量 (NSB) を引いたカウント (B。一 NSB) を 1 00%とした時、 特異的結合量 (B— N S B) 力 例えば、 50%以下になる試験化合物を拮抗阻害能力のある候補物 質 (ァゴ二ストまたはアンタゴニスト) として選択することができる。
TGR 5ァゴニストまたはアンタゴニストのスクリーニング方法 (4) 〜 ( 7) を実施するためには、 例えば、 TGR 5を介する細胞刺激活性を公知の方 法または市販の測定用キットを用いて測定することができる。
具体的には、 まず、 TGR 5を含有する細胞をマルチウヱルプレート等に培 養する。 スクリーニングを行なうにあたっては前もって新鮮な培地あるいは細 胞に毒性を示さない適当なバッファ一に交換し、 試験化合物などを添加して一 定時間インキュベートした後、 細胞を抽出あるいは上清液を回収して、 生成し た産物をそれぞれの方法に従って定量する。 細胞刺激活性の指標とする物質 ( 例えば、 c AMPなど) の生成が、 細胞が含有する分解酵素によって検定困難 な場合は、 該分解酵素に対する阻害剤を添加してアツセィを行なってもよい。 また、 c AMP産生抑制などの活性については、 フォルスコリンなどで細胞の 基礎的産生量を増大させておいた細胞に対する産生抑制作用として検出するこ とができる。
例えば、 上記のスクリーニング方法 (1) 〜 (3) で選択された試験化合物 の中で、 上記スクリーニング方法 (4) 〜 (5) において、 上記した細胞刺激 活性(特に細胞内 c AMP産生活性、 MA Pキナーゼのリン酸化または活性化、 GLP- 1分泌活性、 サイトカイン産生抑制活性) を約 1 0 %、 好ましくは約 20%以上、 より好ましくは約 50%以上上昇させる試験化合物を TGR 5ァ ゴニストとして選択することができる。
一方、 上記のスクリーニング方法 (1) 〜 (3) で選択された試験化合物の 中で、 上記スクリーニング方法 (4) 〜 (5) において上記した細胞刺激活性
(特に細胞内 cAM P産生活性、 MAPキナーゼのリン酸化または活性化、 G LP— 1分泌活性、 サイト力イン産生抑制活性) を上昇させない試験化合物を TGR 5アンタゴニストとして選択することができる。
また、 上記のスクリーニング方法 (1) 〜 (3) で選択された試験化合物の 中で、 上記スクリーニング方法 (4) 〜 (5) において上記した細胞刺激活性 (特に細胞内 c AMP産生活性、 MA Pキナーゼのリン酸化または活性化、 G LP— 1分泌活性、 サイト力イン産生抑制活性) を示さない試験化合物または 上記スクリーニング方法 (6) 〜 (7) において、 上記した細胞刺激活性 (特 に細胞内 c AMP産生活性、 MA Pキナーゼのリン酸化または活性化、 GLP _ 1分泌活性、 サイトカイン産生抑制活性) を約 1 0 %、 好ましくは約 20 % 以上、 より好ましくは約 50%以上減少させる試験化合物を TGR 5アンタゴ 二ストとして選択することができる。
本発明の TGR 5ァゴニストまたはアンタゴニストのスクリーユング用キッ トは、 TGR 5、 TGR 5を含有する細胞または TGR 5を含有する細胞膜画 分を含有するものなどである。
本発明のスクリーニング用キットの例としては、 次のものが挙げられる。 1. スクリーニング用試薬 (1) 測定用緩衝液および洗浄用緩衝液 Hanks' Balanced Salt Solution (ギブコネ土製) に、 0. 05%のゥシ血、清ァ ルブミン (シグマ社製) を加えたもの。
孔径 0. 45 mのフィルターで濾過滅菌し、 4°Cで保存するか、 あるいは用 時調製しても良い。
(2) TGR 5標品
丁01 5を発現させた〇110細胞を、 1 2穴プレートに 5 X 1 05個 穴で継 代し、 3 7° (:、 5%CO2、 9 5%a i rで 2日間培養したもの。
(3) 標識合成リガンド
市販の 〔¾〕 、 〔1251〕 、 〔14C〕 、 〔35S〕 などで標識した合成リガンド 水溶液の状態のものを 4°Cあるいは一 20°Cにて保存し、 用時に測定用緩衝 液にて 1 μΜに希釈する。
(4) 合成リガンド標準液
合成リガンドを 0. 1%ゥシ血清アルブミン (シグマ社製) を含む PB Sで 1 mMとなるように溶解し、 一 20°Cで保存する。
2. 測定法
(1) 1 2穴組織培養用プレートにて培養した TGR 5発現 CHO細胞を、 測定用緩衝液 1 m 1で 2回洗浄した後、 490 μ 1の測定用緩衝液を各穴に加 える。
(2) 1 0— 3〜: L 0 -10Μの試験ィヒ合物溶液を 5 μ 1カロえた後、 標識合成リガン ドを 5 μ 1カロえ、 室温にて 1時間反応させる。 非特異的結合量を知るためには 試験化合物の代わりに 1 0— 3Μの合成リガンドを 5 μ 1加えておく。
(3) 反応液を除去し、 1 m 1の洗浄用緩衝液で 3回洗浄する。 細胞に結合 した標識リガンドを 0. 2 N Na OH- l%SD Sで溶解し、 4 m 1の液体シ ンチレーター A (和光純薬製) と混合する。
(4) 液体シンチレーシヨンカウンター (ベックマン社製) を用いて放射活 性を測定し、 Percent Maximum Binding (PMB) を次の式で求める。
PMB= [ (B-NS B) / (B0— NSB) ] X 1 00
PMB : Percent Maximum Binding
B :検体を加えた時の値
NSB : Non-specific Binding (非特異的結合量)
B。 :最大結合量
本発明のスクリーニング方法の特徴は、 天然リガンドと TGR 5を用いてス クリーニングされた合成リガンドを用いて、 TGR 5ァゴニストまたは TGR 5アンタゴニストをスクリーニングすることにある。 合成リガンドを用いるこ とによって、 リガンドへの標識が容易であり、 効率良くスクリーニングを行う ことができるという点で、 天然物である内因性リガンドを用いたスタリーニン グと比較して有利である。
なお、 T G R 5として、 配列番号: 3 6で表わされるァミノ酸配列からなる TGR 5 (モルモット TGR5) を使用する場合は、 合成リガンドに代えて、 天然リガンドであるコレステロール代謝関連物質またはその塩を用いて、 TG R 5ァゴニストまたは TGR 5アンタゴニストをスクリーニングしてもよい。
また、 G L P— l分泌促進薬 (T G R 5ァゴニスト) または G L P—1分泌 抑制薬 (T G R 5アンタゴニスト) をスクリーニングする場合も、 合成リガン ドに代えて、 天然リガンドであるコレステロール代謝関連物質またはその塩を 用いてもよい。
コレステロール代謝関連物質としては、 例えば、 胆汁酸 (例、 タウロリ トコ ール酸、 グリコリ トコール酸、 タウロデオキシコール酸、 グリコデォキシコー ル酸、 ノルデォキシコール酸、 7—ケトリ トコール酸、 5 j3—プレダナン一 3, 2 0—オン、 コール酸、 リ トコール酸、 デォキシコール酸、 タウロコール酸、 グリココール酸、 ケノデォキシコール酸、 ウルソデォキシコール酸、 タウロケ ノデキシコール酸、 グリコケノデォキシコール酸) 、 ェピアンドロステロン、 (+ ) 一 4—アンドロステン一 3, 1 7—ジオン、 シス一アンドロステロン、 1 1 ]3—ヒドロキシプロゲステロン、 1 7 CK—ヒドロキシプロゲステロン、 1 1ーデォキシコルチコステロン、 1 1—デォキシコルチゾール、 デヒ ドロイソ アンドロステロン、 3 α—ヒドロキシ _ 5 α—プレダナン一 2 0—オン、 4― プレダネン一 2 0 オール一 3—オン、 5 α—デヒ ドロテストステロン、 テ ストステロン、 プロゲステロンなどが用いられる。 胆汁酸はグリシン包合体や タウリン包合体などの包合体の形態であってもよく、 また胆汁酸はエステル ( - C O O R) またはアミド誘導体 (一 C O N R (R) ) であってもよい。
コレステロール代謝関連物質の塩としては、 薬理学的に許容される塩が好ま しく、例えば無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、 塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。 とりわけ、 無機塩基との 塩、 有機塩基との塩、 塩基性アミノ酸との塩が用いられる。
無機塩基との塩の好適な例としては、 例えばナトリゥム塩、 力リゥム塩、 リ チウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、 マグネシウム塩などのアル力 リ土類金属塩;アルミニウム塩、 アンモニゥム塩などが挙げられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、 例えばトリメチルァミン、 トリェチル ァミン、 ピリジン、 ピコリン、 エタノールァミン、 ジエタノールァミン、 トリ エタノー^/アミン、 ジシクロへキシノレアミン、 Ν, Ν—ジペンジノレエチレンジ ァミンなどとの塩が挙げられる。
無機酸との塩の好適な例としては、 例えば塩酸、 臭化水素酸、 硝酸、 硫酸、 リン酸などとの塩が挙げられる。
有機酸との塩の好適な例としては、 例えばギ酸、 酢酸、 トリフルォロ酢酸、 フマル酸、 シユウ酸、 酒石酸、 マレイン酸、 クェン酸、 コハク酸、 リンゴ酸、 メタンスノレホン酸、 ベンゼンスノレホン酸、 p—トノレエンスノレホン酸などとの塩 が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、 例えばアルギニン、 リジン、 ォ ルニチンなどとの塩が挙げられる。
酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、 例えばァスパラギン酸、 ダルタミ ン酸などとの塩が挙げられる。
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られ る化合物またはその塩は、 T G R 5ァゴニストまたは T G R 5アンタゴニスト である。
T G R 5ァゴニストまたは T G R 5アンタゴニストは塩を形成していてもよ く、 そのような塩としては、 薬理学的に許容される塩が好ましく、 例えば無機 塩基との塩、 有機塩基との塩、 無機酸との塩、 有機酸との塩、 塩基性または酸 性アミノ酸との塩などが挙げられる。
無機塩基との塩の好適な例としては、 例えばナトリゥム塩、 力リゥム塩、 リ チウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、 マグネシウム塩などのアル力 リ土類金属塩;アルミニウム塩、 アンモニゥム塩などが挙げられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、 例えばトリメチルァミン、 トリェチル ァミン、 ピリジン、 ピコリン、 エタノールァミン、 ジエタノールァミン、 トリ エタノールァミン、 ジシクロへキシルァミン、 N, N—ジベンジルエチレンジ ァミンなどとの塩が挙げられる。
無機酸との塩の好適な例としては、 例えば塩酸、 臭化水素酸、 硝酸、 硫酸、 リン酸などとの塩が挙げられる。
有機酸との塩の好適な例としては、 例えばギ酸、 酢酸、 トリフルォロ酢酸、 フマル酸、 シユウ酸、 酒石酸、 マレイン酸、 クェン酸、 コハク酸、 リンゴ酸、 メタンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸、 p—トルエンスルホン酸などとの塩
が挙げられる。
塩基 I"生アミノ酸との塩の好適な例としては、 例えばアルギニン、 リジン、 ォ ル-チンなどとの塩が挙げられる。
酸性ァミノ酸との塩の好適な例としては'、 例えばァスパラギン酸、 グルタミ ン酸などとの塩が挙げられる。
T G R 5ァゴニストは、 T G R 5に対するコレステロール代謝関連物質また はその塩が有する生理活性と同様の作用を有しているので、 該コレステロール 代謝関連物質活性に応じて安全で低毒性な医薬として有用である。
T G R 5アンタゴニストは、 T G R 5に対するコレステロール代謝関連物質 またはその塩が有する生理活性を抑制することができるので、 該コレステロ一 ル代謝関連物質活性を抑制する安全で低毒性な医薬として有用である。
コレステロール代謝関連物質またはその塩と T G R 5との結合力を増強する 化合物またはその塩は、 T G R 5に対するコレステロール代謝関連物質または その塩が有する生理活性を増強するための安全で低毒性な医薬として有用であ る。
コレステロール代謝関連物質またはその塩と T G R 5との結合力を減少させ る化合物またはその塩は、 T G R 5に対するコレステロール代謝関連物質また はその塩が有する生理活性を減少させるための安全で低毒性な医薬として有用 である。
T G R 5ァゴニストまたは T G R 5アンタゴ-ス トは、 例えば、 中枢疾患 ( 例えば、 ァ ッハイマー病、 痴呆、 摂金障害など) 、 炎症 1~生疾患 (例えば、 ァ レルギ一、 リュウマチ、 変形性関節症、 エリテマトーデスなど) 、 循環器疾患 (例えば、 高血圧症、 心肥大、 狭心症、 動脈硬化症等) 、 癌 (例えば、 非小細 胞肺癌、 卵巣癌、 前立腺癌、 胃癌、 膀胱癌、 乳癌、 子宮頸部癌、 結腸癌、 直腸 癌等) 、 呼吸器疾患 (例えば、 肺炎、 気管支炎、 喘息、 肺繊維症など) 、 糖尿 病、 免疫系疾患 (例えば、 クローン病、 アトピー性皮膚炎、 自己免疫疾患、 免 疫不全、 白血病等) 、 肝臓 *胆のう疾患 (例えば、 肝硬変、 肝炎、 肝不全、 胆 汁うっ滞症、 結石等) 、 消化管疾患 (例えば、 潰瘍、 腸炎、 吸収不良、 炎症性 腸疾患等) 、感染症、肥満、移植医療後の過剰免疫反応、インスリン分泌不全、
膝疲弊、 低血糖などの疾患の予防 ·治療剤として有用である。
これらの疾患のうち、 免疫機能、 マクロファージ機能などが亢進すること に起因する疾患 (例えば、 炎症性疾患、 移植医療後の過剰免疫反応など) の 予防 '治療には、 特に TGR 5ァゴ-ス トが有効である。 さらに、 TGR 5 ァゴニストは、 G l u c a g o n— l i k e p e p t i d e— 1 (GLP 一 1) 分泌促進剤、 食欲抑制剤、 膝臓の再生剤、 滕 /3細胞分化促進剤、 膝 細胞増殖促進剤などとしても有効であり、 例えば、 糖尿病、 インスリン分泌 不全、 膝疲弊、 肥満の予防 '治療剤として使用することができる。
—方、 免疫機能、 マクロファージ機能などが抑制されることに起因する疾患 (例えば、 免疫不全、 感染症など) の予防 '治療に'は、 特に TGR5アンタゴ 二ストが有効である。 さらに、 TGR 5アンタゴニストは、 G l u c a g o n - l i k e p e p t i d e— 1 (GLP— 1) 分泌抑制剤、 陴 ]3細胞分化抑 制剤、 膝) 3細胞増殖抑制剤として有効であり、 例えば、 低血糖の予防 ·治療剤 として使用することができる。
また、 TGR5ァゴ-スト、 TGR5アンタゴニスト、 コレステロール代謝 関連物質またはその塩と TGR 5との結合力を増強する化合物またはその塩、 またはコレステロール代謝関連物質またはその塩と T G R 5との結合力を減少 させる化合物またはその塩は、 例えば、 ソマトスタチン、 コレシストキニン、 G l u c a g o n— 1 i k e p e p t i d e— 2 (GLP-2) 、 G a s t o r i c i nh i b i t o r y p o l y p e p t i d e (=G 1 u c o s e d e p e n d e n t i n s u l i n o t r o p i c p e p t i d e) 、 ' Ga s t r i n、 Ga s t r i n r e l e a s i n g p e p t i d e、 グ レリン、 ダリセンチンなどの分泌調節剤として使用することができる。
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られ る TGR 5ァゴニストまたは TGR 5アンタゴニストを上記の医薬 (組成物) として使用する場合、 常套手段に従って実施することができる。
例えば、 該化合物またはその塩を、 必要に応じて糖衣を施した錠剤、 カプセ ル剤、 エリキシル剤、 マイクロカプセノレ剤などとして経口的に、 あるいは水も しくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、 または懸濁液剤など
の注射剤の形で非経口的に使用できる。 例えば、 該化合物またはその塩を、 生 理学的に認められる公知の担体、香味剤、賦形剤、べヒクル、 防腐剤、安定剤、 結合剤などとともに一般に認められた製剤実施に要求される単位用量形態で混 和することによつて製造することができる。 これら製剤における有効成分量は 指示された範囲の適当な容量が得られるようにするものである。
錠剤、 力プセル剤などに混和することができる添加剤としては、 例えば、 ゼ ラチン、 コーンスターチ、 トラガント、 アラビアゴムのような結合剤、 結晶性 セルロースのような賦形剤、 コーンスターチ、 ゼラチン、 アルギン酸などのよ うな膨化剤、 ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、 ショ糖、 乳糖または サッカリンのような甘味剤、 ペ^ーミント、 ァカモノ油またはチェリーのよう な香味剤などが用いられる。 調剤単位形態がカプセルである場合には、 上記タ ィプの材料にさらに油脂のような液状担体を含有することができる。 注射のた めの無菌組成物は注射用水のようなべヒクル中の活性物質、 胡麻油、 椰子油な どのような天然産出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施 に従って処方することができる。 注射用の水性液としては、 例えば、 生理食塩 水、 ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液 (例えば、 D—ソルビトール、 D 一マンニトール、 塩ィ匕ナトリウムなど) などが用いられ、 適当な溶解補助剤、 例えば、 アルコール (例、 エタノール) 、 ポリアルコール (例、 プロピレング リコール、 ポリエチレングリコール) 、 非イオン性界面活性剤 (例、 ポリソル ペート 8 0™、 H C O - 5 0 ) などと併用してもよい。 油性液としては、 例えば 、 ゴマ油、 大豆油などが用いられ、 溶解補助剤である安息香酸ベンジ^/、 ベン ジルアルコールなどと併用してもよい。
' また、 該化合物またはその塩は、例えば、緩衝剤 (例えば、 リン酸塩緩衝液、 酢酸ナトリウム緩衝液) 、 無痛化剤 (例えば、 塩ィヒベンザルコニゥム、 塩酸プ ロカインなど) 、 安定剤 (例えば、 ヒ ト血清アルブミン、 ポリエチレングリコ ールなど) 、 保存剤 (例えば、 ベンジルアルコール、 フエノールなど) 、 酸ィ匕 防止剤などと配合してもよい。 調製された注射液は通常、 適当なアンプルに充 填される。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒ トやそ
の他の哺乳動物 (例えば、 ラット、 マウス、 モルモッ ト、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ タ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して投与することができる。
TGR 5ァゴニストの投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法など により差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に例えば、 炎症性疾患患者 (体 重 60 k gとして) においては、 一日につき約 0. 1〜: I 00mg、 好ましくは 約 1. 0〜50mg、 より好ましくは約 1. 0〜2 Omgである。 非経口的に 投与する場合は、 その 1回投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法など によっても異なるが、 例えば、 注射剤の形では通常例えば、 炎症性疾患患者 ( 体重 6 O k gとして) においては、 一日につき約 0. 0 1〜30mg程度、 好 ましくは約 0. :!〜 2 Omg程度、 より好ましくは約 0. 1〜: 1 0mg程度を 静脈注射により投与するのが好都合である。 他の動物の場合も、 体重 6 O k g 当たりに換算した量を投与することができる。
一方、 TGR 5アンタゴニストの投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投 与方法などにより差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に例えば、 免疫不全 患者 (体重 6 O k gとして) においては、 一日につき約 0. 1〜: 00mg、 好 ましくは約 1. 0〜 5 0 m g、 より好ましくは約 1. 0〜 20 m gである。 非 経口的に投与する場合は、 その 1回投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与 方法などによっても異なるが、 例えば、 注射剤の形では通常例えば、 免疫不全 患者 (体重 6 O k gとして) においては、 一日につき約 0. 0 1〜30mg程 度、 好ましくは約 0. 1〜2 Omg程度、 より好ましくは約 0. l〜1 0mg 程度を静脈注射により投与するのが好都合である。 他の動物の場合も、 体重 6 0 k g当たりに換算した量を投与することができる。
TGR 5もしくはその部分べプチドまたはその塩に対する抗体は、 TGR 5 もしくはその部分べプチドまたはその塩を認識し得る抗体であれば、 ポリクロ ーナル抗体、 モノクローナル抗体の ί可れであってもよい。
TGR 5もしくはその部分ペプチドまたはその塩 (以下、 TGR 5と略記す る場合がある) に対する抗体は、 TGR 5を抗原として用い、 公知の抗体また は抗血清の製造法に従って製造することができる。
〔モノクローナル抗体の作製〕
(a) モノクローナル抗体産生細胞の作製
TGR 5は、 哺乳動物に対して投与により抗体産生が可能な部位にそれ自体 あるいは担体、 希釈剤とともに投与される。 投与に際して抗体産生能を高める ため、 完全フロイントアジュバントゃ不完全フロイントアジュバントを投与し てもよい。 投与は通常 2〜 6週毎に 1回ずつ、 計 2〜1 0回程度行なわれる。 用いられる哺乳動物としては、 例えば、 サル、 ゥサギ、 ィヌ、 モルモット、 マ ウス、 ラット、 ヒッジ、 ャギが挙げられるが、 マウスおよびラットが好ましく 用いられる。
モノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、 抗原を免疫された温血動物、 例えば、 マウスから抗体価の認められた個体を選択し最終免疫の 2〜 5日後に 脾臓またはリンパ節を採取し、 それらに含まれる抗体産生細胞を骨髄腫細胞と 融合させることにより、 モノクローナル抗体産生ハイプリ ドーマを調製するこ とができる。 抗血清中の抗体価の測定は、 例えば、 後記の標識化レセプター蛋 白質等と抗血清とを反応させたのち、 抗体に結合した標識剤の活性を測定する ことにより行なうことができる。 融合操作は既知の方法、 例えば、 ケーラーと ミルスタインの方法 〔ネイチヤー (Nature) 、 256巻、 49 5頁 (1 9 7 5 年) 〕 に従い実施することができる。 融合促進剤としては、 例えば、 ポリェチ レンダリコール (PEG) やセンダイウィルスなどが挙げられるが、 好ましく は PEGが用いられる。
骨髄重細胞としては、 例えば、 NS— 1、 P 3U 1、 S P 2Z0などが挙げ られるが、 P 3U1が好ましく用いられる。 用いられる抗体産生細胞 (脾臓細 胞) 数と骨髄腫細胞数との好ましい比率は 1 : 1〜20 : 1程度であり、 PE G (好ましくは、 PEG 1 000〜PEG6000) が 1 0〜 80 %程度の濃 度で添加され、 約 20〜 40 ° (、 好ましくは約 30〜 3 7 °Cで約 1〜 1 0分間 ィンキュベートすることにより効率よく細胞融合を実施できる。
モノクローナル抗体産生ハイプリ ドーマのスクリーニングには種々の方法が 使用できるが、 例えば、 レセプター蛋白質等の抗原を直接あるいは担体ととも に吸着させた固相 (例、 マイクロプレート) にハイプリ ドーマ培養上清を添カロ し、 次に放射性物質や酵素などで標識した抗免疫グロブリン抗体 (細胞融合に
用いられる細胞がマウスの場合、 抗マウス免疫グロプリン抗体が用いられる) またはプロティン Aを加え、 固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方 法、 抗免疫グロブリン抗体またはプロテイン Aを吸着させた固相にハイプリ ド 一マ培養上清を添加し、 放射性物質や酵素などで標識したレセプタ一蛋白質等 を加え、 固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方法などが挙げられる。 モノクローナル抗体の選別は、 公知あるいはそれに準じる方法に従って行な うことができるが、 通常は HA T (ヒポキサンチン、 アミノプテリン、 チミジ ン) を添加した動物細胞用培地などで行なうことができる。 選別および育種用 培地としては、 ハイプリ ドーマが生育できるものならばどのような培地を用い ても良い。 例えば、 1〜 2 0 %、 好ましくは 1 0〜 2 0 %の牛胎児血清を含む R P M I 1 6 4 0培地、 1〜 1 0 %の牛胎児血清を含む G I T培地 (和光純薬 工業 (株) ) またはハイプリ ドーマ培養用無血清培地 (S F M— 1 0 1、 日水 製薬 (株) ) などを用いることができる。 培養温度は、 通常 2 0〜4 0 °C、 好 ましくは約 3 7 °Cである。 培養時間は、 通常 5日〜 3週間、 好ましくは 1週間 〜 2週間である。 培養は、 通常 5 %炭酸ガス下で行なうことができる。 ハイブ リ ドーマ培養上清の抗体価は、 上記の抗血清中の抗体価の測定と同様にして測 定できる。
• ( b ) モノクローナル抗体の精製
モノクローナル抗体の分離精製は、 通常のポリクローナル抗体の分離精製と 同様に免疫グロブリンの分離精製法 〔例、 塩祈法、 アルコール沈殿法、 等電点 沈殿法、 電気泳動法、 イオン交換体 (例、 D E A E ) による吸脱着法、 超遠心 法、 ゲルろ過法、 抗原結合固相またはプロテイン Aあるいはプロテイン Gなど の活性吸着剤により抗体のみを採取し、 結合を解離させて抗体を得る特異的精 製法〕 に従って行なうことができる。
〔ポリクローナル抗体の作製〕
本発明のポリクローナル抗体は、 公知あるいはそれに準じる方法にしたがつ て製造することができる。 例えば、 免疫抗原 (レセプター蛋白質等の抗原) と キャリアー蛋白質との複合体をつくり、 上記のモノクローナル抗体の製造法と 同様に哺乳動物に免疫を行ない、 該免疫動物から T G R 5に対する抗体含有物
を採取して、 抗体の分離精製を行なうことにより製造できる。
哺乳動物を免疫するために用いられる免疫抗原とキャリアー蛋白質との複合 体に関し、 キヤリァー蛋白質の種類おょぴキヤリァ一とハプテンとの混合比は、 キヤリァ一に架橋させて免疫したノ、'プテンに対して抗体が効率良くできれば、 どの様なものをどの様な比率で架橋させてもよいが、 例えば、 ゥシ血清アルブ ミン、 ゥシサイログロブリン、 キーホール · リンぺッ ト ·へモシァニン等を重 量比でハプテン 1に対し、 約 0 .;!〜 2 0、 好ましくは約 1〜 5の割合で力プル させる方法が用いられる。
また、 ハプテンとキャリアーの力プリングには、 種々の縮合剤を用いること ができるが、グルタルアルデヒドゃカルボジィミド、マレイミド活性エステル、 チオール基、 ジチオビリジル基を含有する活性エステル試薬等が用いられる。 縮合生成物は、 温血動物に対して、 抗体産生が可能な部位にそれ自体あるい は担体、 希釈剤とともに投与される。 投与に際して抗体産生能を高めるため、 完全フロイントアジュバントゃ不完全フロイントアジュバントを投与してもよ い。 投与は、 通常約 2〜 6週毎に 1回ずつ、 計約 3〜 1 0回程度行なうこと力 S できる。
ポリクローナル抗体は、上記の方法で免疫された哺乳動物の血液、腹水など、 好ましくは血液から採取することができる。
抗血清中のポリクローナル抗体価の測定は、 上記の血清中の抗体価の測定と 同様にして測定できる。 ポリクローナル抗体の分離精製は、 上記のモノクロ一 ナル抗体の分離精製と同様の免疫グロプリンの分離精製法に従って行なうこと ができる。
本発明に従えば、 T G R 5遺伝子の複製または発現を阻害することのできる アンチセンス ·ポリヌクレオチド (核酸) を、 クローン化した、 あるいは決定 された T G R 5をコードする D NAの塩基配列情報に基づき設計し、 合成しう る。 そうしたポリヌクレオチド (核酸) は、 T G R 5遺伝子の R NAとハイブ リダイズすることができ、 該 R N Aの合成または機能を阻害することができる か、 あるいは T G R 5関連 R NAとの相互作用を介して T G R 5遺伝子の発現 を調節 ·制御することができる。 T G R 5関連 R N Aの選択された配列に相補
的なポリヌクレオチド、 および T G R 5関連 R N Aと特異的にハイブリダイズ することができるポリヌクレオチドは、 生体内および生体外で T G R 5遺伝子 の発現を調節 ·制御するのに有用であり、 また病気などの治療または診断に有 用である。 用語 「対応する」 とは、 遺伝子を含めたヌクレオチド、 塩基配列ま たは核酸の特定の配列に相同性を有するあるいは相補的であることを意味する。 ヌクレオチド、 塩基配列または核酸とペプチド (蛋白質) との間で 「対応する 」 とは、 ヌクレオチド (核酸) の配列またはその相補体から誘導される指令に あるペプチド (蛋白質) のアミノ酸を通常指している。 T G R 5遺伝子の 5 ' 端ヘアピンループ、 5, 端 6—ベースペア ' リピート、 5 ' 端非翻訳領域、 ポ リペプチド翻訳開始コドン、 蛋白質コード領域、 O R F翻訳開始コドン、 3, 端非翻訳領域、 3, 端パリンドローム領域、 および 3, 端ヘアピンループは好 ましい対象領域として選択しうるが、 T G R 5遺伝子内の如何なる領域も対象 として選択しうる。
目的核酸と、 対象領域の少なくとも一部に相補的でハイブリダイズすること ができるポリヌクレオチドとの関係は、 対象物と 「アンチセンス」 であるとい うことができる。 アンチセンス 'ポリヌクレオチドは、 2—デォキシ一 D—リ ボースを含有しているポリデォキシリボヌクレオチド、 D—リボースを含有し ているポリリボヌクレオチド、 プリンまたはピリミジン塩基の N—グリコシド であるその他のタイプのポリヌクレオチド、 あるいは非ヌクレオチド骨格を有 するその他のポリマー (例えば、 市販の蛋白質核酸おょぴ合成配列特異的な核 酸ポリマー) または特殊な結合を含有するその他のポリマー (但し、 該ポリマ 一は D NAや R NA中に見出されるような塩基のペアリングや塩基の付着を許 容する配置をもつヌクレオチドを含有する) などが挙げられる。 それらは、 2 本鎖 D N A、 1本鎖 D NA、 2本鎖 R NA、 1本鎖 R NA、 さらに D NA : R NAハイブリッドであることができ、 さらに非修 tJポリヌクレオチド (または 非修飾オリゴヌクレオチド) 、 さらには公知の修飾の付加されたもの、 例えば 当該分野で知られた標識のあるもの、 キャップの付いたもの、 メチル化された もの、 1個以上の天然のヌクレオチドを類縁物で置換したもの、 分子内ヌクレ ォチド修飾のされたもの、 例えば非荷電結合 (例えば、 メチルホスホネート、
ホスホトリエステル、 ホスホルアミデート、 力ルバメートなど) を持つもの、 電荷を有する結合または硫黄含有結合 (例えば、 ホスホロチォエート、 ホスホ 口ジチォエートなど) を持つもの、 例えば蛋白質 (ヌクレアーゼ、 ヌクレア一 ゼ -インヒビター、 トキシン、 抗体、 シグナルぺプチド、 ポリ _ Lーリジンな ど) や糖 (例えば、 モノサッカライドなど) などの側鎖基を有しているもの、 インターカレント化合物 (例えば、 アタリジン、 プソラレンなど) を持つもの、 キレート化合物 (例えば、 金属、 放射活性をもつ金属、 ホウ素、 酸化性の金属 など) を含有するもの、 アルキルィヒ剤を含有するもの、 修飾された結合を持つ もの (例えば、 ひァノマー型の核酸など) であってもよい。 ここで 「ヌクレオ シド」 、 「ヌクレオチド」 および 「核酸」 とは、 プリンおよびピリミジン塩基 を含有するのみでなく、 修飾されたその他の複素環型塩基をもつようなものを 含んでいて良い。こうした修飾物は、メチル化されたプリンおよびピリミジン、 ァシルイ匕されたプリンおよびピリミジン、 あるいはその他の複素環を含むもの であってよい。 修飾されたヌクレオチドぉよぴ修飾されたヌクレオチドはまた 糖部分が修飾されていてよく、 例えば、 1個以上の水酸基がハロゲンと力、 脂 肪族基などで置換されていたり、 あるいはエーテル、 ァミンなどの官能基に変 換されていてよい。
本発明のアンチセンス ·ポリヌクレオチド (核酸) は、 R NA、 D NA、 あ るいは修飾された核酸 (R NA、 D NA) である。 修飾された核酸の具体例と しては核酸の硫黄誘導体ゃチォホスフェート誘導体、 そしてポリヌクレオシド アミドゃオリゴヌクレオシドアミドの分解に抵抗性のものが挙げられるが、 そ れに限定されるものではない。 本発明のアンチセンス核酸は次のような方針で 好ましく設計されうる。 すなわち、 細胞内でのアンチセンス核酸をより安定な ものにする、 アンチセンス核酸の細胞透過性をより高める、 目標とするセンス 鎖に対する親和性をより大きなものにする、 そしてもし毒性があるならアンチ センス核酸の毒性をより小さなものにする。
こうした修飾は当該分野で数多く知られており、 例えば J. Kawakami et al. , Pharm Tech Japan, Vol. 8, pp. 247, 1992; Vol. 8, pp. 395, 1992; S. T. Crooke et al. ed. , Ant i sense Research and Applications, CRC Press, 1993 などに
開示がある。
本発明のアンチセンス核酸は、 変化せしめられたり、 修飾された糖、 塩基、 結合を含有していて良く、 リボゾーム、 ミクロスフエアのような特殊な形態で 供与されたり、 遺伝子治療により適用されたり、 付加された形態で与えられる ことができうる。 こうして付加形態で用いられるものとしては、 リン酸基骨格 の電荷を中和するように働くポリリジンのようなポリカチオン体、 細胞膜との 相互作用を高めたり、 核酸の取込みを増大せしめるような脂質 (例えば、 ホス ホリピド、 コレステロールなど) といつた疎水性のものが挙げられる。 付加す るに好ましい脂質としては、 コレステロールやその誘導体 (例えば, コレステ リノレクロロホルメート、 コール酸など) が挙げられる。 こうしたものは、 核酸 の 3 ' 端あるいは 5, 端に付着させることができ、 塩基、 糖、 分子内ヌクレオ シド結合を介して付着させることができうる。 その他の基としては、 核酸の 3 ' 端あるいは 5 ' 端に特異的に配置されたキャップ用の基で、 ェキソヌクレア ーゼ、 R N a s eなどのヌクレアーゼによる分解を阻止するためのものが挙げ られる。 こうしたキャップ用の基としては、 ポリエチレングリコール、 テトラ エチレンダリコールなどのダリコールをはじめとした当該分野で知られた水酸 基の保護基が挙げられるが、 それに限定されるものではない。
アンチセンス核酸の阻害活性は、 本発明の形質転換体、 本発明の生体内や生 体外の遺伝子発現系、 あるいは G蛋白質共役型レセプター蛋白質の生体内や生 体外の翻訳系を用いて調べることができる。 該核酸それ自体公知の各種の方法 で細胞に適用できる。
本発明のポリヌクレオチドに対する s i R N Aは、 T G R 5をコードする R N Aの一部とそれに相補的な R N Aを含有する二重鎖 R N Aである。
s i R N Aは、 公知の方法 (例、 Nature, 411巻, 494頁, 2001年) に準じて、 本発明のポリヌクレオチドの配列を基に設計して製造することができる。
T G R 5をコードする R N Aの一部を含有するリポザィムは、 公知の方法 ( 例、 TRENDS in Molecular Medicine, 7巻, 221頁, 2001年) に準じて、 本発明 のポリヌクレオチドの配列を基に設計して製造することができる。 例えば、 公 知のリボザィムの配列の一部を T G R 5をコードする R N Aの一部に置換する
ことによって製造することができる。 TGR5をコードする RNAの一部とし ては、公知のリボザィムによって切断され得るコンセンサス配列 NUX (式中、 Nはすべての塩基を、 Xは G以外の塩基を示す) の近傍の配列などが挙げられ る。
モルモット TGR5、 その部分ペプチドまたはその塩、 およびモルモッ ト T GR 5またはその部分べプチドをコ一ドする DN Aは新規物質である。
モルモット TGR 5をはじめとする TGR 5もしくはその部分べプチドまた はその塩 (以下、 TGR 5と略記する場合がある) 、 TGR5をコードする D NA (以下、 本発明の DN Aと略記する場合がある) 、 TGR5に対する抗体 (以下、 本発明の抗体と略記する場合がある) 、 TGR5をコードする DNA に対するアンチセンス DN Aの用途について、 以下に具体的に説明する。
( 1 ) TGR5の機能不全に関連する疾患の予防 ·治療剤
TGR 5に対するリガンドが有する作用に応じて、 ① T G R 5または② T G R5をコードする DNAを、 TGR5の機能不全に関連する疾患の予防おょぴ /または治療剤などの医薬として使用することができる。
例えば、 生体内において TGR 5が減少しているためにリガンドの生理作用 が期待できない (TGR5の欠乏症) 患者がいる場合に、 ① TGR5を該患者 に投与し TGR 5の量を補充したり、 ② (ィ) TGR 5をコードする DNAを 該患者に投与し発現させることによって、 あるいは (口) 対象となる細胞に T GR 5をコードする DNAを揷入し発現させた後に、 該細胞を該患者に移植す ることなどによって、 患者の体内におけるレセプター蛋白質の量を増加させ、' リガンドの作用を充分に発揮させることができる。 すなわち、 TGR5をコー ドする DNAは、 安全で低毒性な TGR 5の機能不全に関連する疾患の予防 · 治療剤として有用である。
TGR5は、 例えば、 中枢疾患 (例えば、 アルツハイマー病、 痴呆、 摂食障 害など) 、 炎症性疾患 (例えば、 アレルギー、 リュウマチ、 変形性関節症、 ェ リテマトーデスなど) 、 循環器疾患 (例えば、 高血圧症、 心肥大、 狭心症、 動 脈硬化症等) 、 癌 (例えば、 非小細胞肺癌、 卵巣癌、 前立腺癌、 胃癌、 膀胱癌、 乳癌、 子宮頸部癌、 結腸癌、 直腸癌等) 、 呼吸器疾患 (例えば、 肺炎、 気管支
炎、 喘息、 月市繊維症など) 、 糖尿病、 免疫系疾患 (例えば、 クローン病、 アト ピー性皮膚炎、 自己免疫疾患、 免疫不全、 白血病等) 、 肝臓 *胆のう疾患 (例 えば、 肝硬変、 肝炎、 肝不全、 胆汁うっ滞症、 結石等) 、 消化管疾患 (例えば、 潰瘍、 腸炎、 吸収不良、 炎症性腸疾患等) 、 感染症、 肥満、 移植医療後の過剰 免疫反応、 インスリン分泌不全、 膝疲弊、 低血糖などの疾患、 特に免疫機能、 マクロファージ機能などが亢進することに起因する疾患(例えば、炎症性疾患、 移植医療後の過剰免疫反応など) の予防 ·治療剤として有用である。
さらに、 TGR5は、 G l u c a g o n— l i k e p e p t i d e— 1 ( GLP- 1) 分泌促進剤、 食欲抑制剤、 膝臓の再生剤、 膝 細胞分化促進剤、 膝 ]3細胞増殖促進剤などとしても有効であり、 例えば、 糖尿病、 インスリン分 泌不全、 睦疲弊、 肥満の予防 ·治療剤として使用することができる。
また、 TGR5は、 例えば、 ソマトスタチン、 コレシストキニン、 G l u e a g o n— l i k e p e p t i d e— 2 (GLP— 2) ^ Ga s t o r i c i nh i b i t o r y p o l y p e p t i d e (=G l u c o s e d e p e n d e n t i n s u l i n o t r o p i c p e p t i d e) 、 Ga s t r i n、 Ga s t r i n r e l e a s i n g p e p t i d e、 グレリン、 グリセンチンなどの分泌調節剤として使用することができる。
TG 5を上記予防および/または治療剤として使用する場合は、 常套手段 に従つて製剤化することができる。
一方、 TGR5をコードする DNA (以下、 本発明の D N Aと略記する場合 がある) を上記予防および/または治療剤として使用する場合は、 本発明の D NAを単独あるいはレトロウイルスベクター、 アデノウイルスベクター、 アデ ノウィルスァソシエーテツドウィルスベクターなどの適当なベクターに挿入し た後、 常套手段に従って実施することができる。 本発明の DNAは、 そのまま で、 あるいは摂取促進のための補助剤とともに、 遺伝子銃やハイド口ゲルカテ 一テルのようなカテーテルによって投与できる。
例えば、 ① TGR5または② TGR5をコードする DNAは、 必要に応じて 糖衣を施した錠剤、 力プセル剤、 エリキシル剤、 マイクロ力プセル剤などとし て経口的に、 あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性
溶液、 または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に使用できる。 例えば、 ①
T G R 5または② T G R 5をコードする D N Aを生理学的に認められる公知の 担体、 香味剤、 賦形剤、 べヒクル、 防腐剤、 安定剤、 結合剤などとともに一般 に認められた製剤実施に要求される単位用量形態で混和することによって製造 することができる。 これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な 容量が得られるようにするものである。 ,
錠剤、 カプセノレ剤などに混和することができる添加剤としては、 例えば、 ゼ ラチン、 コーンスターチ、 トラガント、 アラビアゴムのような結合剤、 結晶性 セルロースのような賦形剤、 コーンスターチ、 ゼラチン、 アルギン酸などのよ うな膨化剤、 ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、 ショ糖、 乳糖または サッカリンのような甘味剤、 ペパーミント、 ァカモノ油またはチェリーのよう な香味剤などが用いられる。 調剤単位形態がカプセルである場合には、 上記タ イブの材料にさらに油脂のような液状担体を含有することができる。 注射のた めの無菌組成物は注射用水のようなべヒクル中の活性物質、 胡麻油、 椰子油な どのような天然産出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施 に従って処方することができる。 注射用の水性液としては、 例えば、 生理食塩 水、 ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液 (例えば、 D—ソルビトール、 D 一マンニトール、 塩化ナトリウムなど) などが用いられ、 適当な溶解補助剤、 例えば、 アルコール (例、 エタノール) 、 ポリアルコール (例、 プロピレング リコール、 ポリエチレングリコール) 、 非イオン性界面活性剤 (例、 ポリソル ペート 8 0™、 H C O - 5 0 ) などと併用してもよい。 油性液.としては、 例えば 、 ゴマ油、 大豆油などが用いられ、 溶解補助剤である安息香酸ベンジル、 ベン ジルアルコールなどと併用してもよレ、。
また、 上記予防および Zまたは治療剤は、 例えば、 緩衝剤 (例えば、 リン酸 塩緩衝液、 酢酸ナトリウム緩衝液) 、 無痛化剤 (例えば、 塩化べンザルコニゥ ム、 塩酸プロ力インなど) 、 安定剤 (例えば、 ヒト血清アルブミン、 ポリェチ レングリコールなど) 、 保存剤 (例えば、 ベンジルアルコール、 フエノールな ど) 、 酸ィ匕防止剤などと配合してもよい。 調製された注射液は通常、 適当なァ ンプルに充填される。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒ トやそ の他の哺乳動物 (例えば、 ラット、 マウス、 モルモット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ タ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して投与することができる。
TGR5の投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などにより差異 はあるが、 経口投与の場合、 一般的に例えば、 炎症性疾患患者 (体重 6 O k g として) においては、 一日につき約 0. 1〜: 100mg、 好ましくは約 1. 0〜 50mg、 より好ましくは約 1. 0〜20mgである。 非経口的に投与する場 合は、 その 1回投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても 異なるが、 例えば、 注射剤の形では通常例えば、 炎症性疾患患者 (体重 6 O k gとして) においては、 一日につき約 0. 01〜 30 m g程度、 好ましくは約 0. 1〜2 Omg程度、 より好ましくは約 0. 1〜1 Omg程度を静脈注射に より投与するのが好都合である。 他の動物の場合も、 体重 60 k g当たりに換 算した量を投与することができる。
本発明の DNAの投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによ り差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に例えば、 炎症性疾患患者 (体重 6 0 k gとして) においては、 一日につき約 0. 1〜10 Omg、 好ましくは約 1 . 0〜50mg、 より好ましくは約 1. 0〜 2 Omgである。 非経口的に投与 する場合は、 その 1回投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによ つても異なる力 例えば、 注射剤の形では通常例えば、 炎症性疾患患者 (体重 60 k gとして) においては、 一日につき約 0. 01〜3 Omg程度、 好まし くは約 0. 1〜2 Omg程度、 より好ましくは約 0. :!〜 1 Omg程度を静脈 注射により投与するのが好都合である。 他の動物の場合も、 体重 60 k g当た りに換算した量を投与することができる。
(2) 遺伝子診断剤
本発明の DNAは、 プローブとして使用することにより、 ヒトまたはその他 の哺乳動物 (例えば、 ラット、 マウス、 モルモット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) における TGR 5またはその部分ペプチドをコ ードする DNAまたは mRNAの異常 (遺伝子異常) を検出することができる ので、例えば、該 DNAまたは mRNAの損傷、突然変異あるいは発現低下や、
該 D N Aまたは m R N Aの増加あるいは発現過多などの遺伝子診断剤として有 用である。 より具体的には、 中枢疾患 (例えば、 アルツハイマー病、 痴呆、 摂 食障害など) 、 炎症性疾患 (例えば、 アレルギー、 喘息、 リュウマチなど)、 循 環器疾患 (例えば、 高血圧症、 心肥大、 狭心症、 動脈硬化症等)、 癌 (例えば、 非小細胞肺癌、 卵巣癌、 前立腺癌、 胃癌、膀胱癌、 乳癌、 子宮頸部癌、 結腸癌、 直腸癌等) 、 糖尿病、 免疫系疾患 (例えば、 自己免疫疾患、 免疫不全、 白血病 等) 、 肝臓 '胆のう疾患 (例えば、 肝硬変、 肝炎、 肝不全、 胆汁うっ滞症、 結 石等) 、 消化管疾患 (例えば、 潰瘍、 腸炎、 吸収不良、 炎症性腸疾患等) 、 月巴 満、 移植医療後の過剰免疫反応、 インスリン分泌不全、 膝疲弊、 低血糖などの 疾患の遺伝子診断診断剤として有用である。
さらに具体的には、 本発明の DNAをプローブとして用いて、 該 DNAまた は mRNAの損傷、 突然変異あるいは発現低下が検出された場合、 例えば、 免 疫不全、 感染症、 糖尿病、 インスリン分泌不全、 膝疲弊、 肥満などに罹患して いる可能性が高い、 または将来罹患する可能性が高いと診断することができる。 一方、 本発明の DNAをプローブとして用いて、 該 DNAまたは mRNAの 増加あるいは発現過多が検出された場合、 例えば、 TGR 5の機能不全に関連 する疾患、 例えば、 炎症性疾患、 移植医療後の過剰免疫反応、 低血糖などに罹 患している可能性が高い、 または将来罹患する可能性が高いと診断することが できる。
本発明の DNAを用いる上記の遺伝子診断は、 例えば、 公知のノーザンハイ ブリダィゼーシヨンや PC R—S S CP法 (ゲノミックス (Genomics) , 第 5 卷, 874〜 879頁 (1 989年) 、 プロシージングズ ·ォブ ·ザ ·ナショ ナノレ ·アカデミー ·ォプ 'サイェンシィズ ·ォブ ·ュ一エスエー (Proceedings or theNational Academy of Sciences of the United States of America) , 第 86卷, 2766〜2770頁 (1989年) ) などにより実施すること力 S できる。
(3) TGR 5またはその部分ぺプチドの発現量を変化させる化合物またはそ の塩を含有する医薬
本発明の DNAは、 プローブとして用いることにより、 TGR5の発現量を
変化させる化合物またはその塩のスクリーユングに用いることができる。
すなわち、 本発明は、 例えば、 (i) 非ヒト哺乳動物の a) 血液、 b) 特定 の臓器、 c) 臓器から単離した組織もしくは細胞、 または (ii) 形質転換体等 に含まれる TGR 5の: mRNA量を測定することによる、 TGR 5の発現量を 変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
TGR 5の mRNA量の測定は具体的には以下のようにして行なう。
(i) 正常あるいは疾患モデル非ヒ ト哺乳動物 (例えば、 マウス、 ラット、 モルモッ ト、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど、 より具体 的には痴呆ラット、肥満マウス、動脈硬化ゥサギ、担癌マウスなど) に対して、 薬剤 (例えば、 抗痴呆薬、 血圧低下薬、 抗癌剤、 抗肥満薬など) あるいは物理 的ストレス (例えば、 浸水ストレス、 電気ショック、 明暗、 低温など) などを ¥え、 一定時間経過した後に、 血液、 あるいは特定の臓器 (例えば、脳、肝臓、 腎臓など) 、 または臓器から単離した組織、 あるいは細胞を得る。
得られた細胞に含まれる TGR 5の mRNAは、 例えば、 通常の方法により 細胞等から mRNAを抽出し、 例えば、 T a qMa n PCRなどの手法を用 いることにより定量することができ、 自体公知の手段によりノーザンブロット を行うことにより解析することもできる。
(ii) TGR 5を発現する形質転換体を上記の方法に従い作製し、 該形質転 換体に含まれる T GR5の mRN Aを同様にして定量、解析することができる。
TGR 5の発現量を変化させる化合物またはその塩のスクリーニングは、
( i ) 正常あるいは疾患モデル非ヒ ト哺乳動物に対して、 薬剤あるいは物理 的ストレスなどを与える一定時間前 (30分前〜 24時間前、 好ましくは 30 分前〜 12時間前、 より好ましくは 1時間前〜 6時間前) もしくは一定時間後 (30分後〜 3日後、 好ましくは 1時間後〜 2日後、 より好ましくは 1時間後 〜 24時間後) 、 または薬剤あるいは物理的ストレスと同時に試験化合物を投 与し、 投与後一定時間経過後 (30分後〜 3日後、 好ましくは 1時間後〜 2日 後、 より好ましくは 1時間後〜 24時間後) 、 細胞に含まれる TGR 5の mR N A量を定量、 解析することにより行なうことができ、
(ii)形質転換体を常法に従い培養する際に試験化合物を培地中に混合させ、
一定時間培養後 (1日後〜 7日後、 好ましくは 1日後〜 3日後、 より好ましく は 2日後〜 3 日後) 、 該形質転換体に含まれる T G R 5の m R N A量を定量、 角军析することにより行なうことができる。
試験化合物としては、 例えば、 ペプチド、 蛋白質、 非ペプチド性化合物、 合 成化合物、 発酵生産物、 細胞抽出液、 植物抽出液、 動物組織抽出液などが用い られ、 これら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公知の化合物であって あよい。
試験化合物は塩を形成していてもよく、 試験化合物の塩としては、 薬理学的 に許容される塩が好ましく、 例えば無機塩基との塩、 有機塩基との塩、 無機酸 との塩、 有機酸との塩、 塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。 無機塩基との塩め好適な例としては、 例えばナトリウム塩、 カリウム塩、 リ チウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、 マグネシウム塩などのアル力 リ土類金属塩;アルミニウム塩、 アンモニゥム塩などが挙げられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、 例えばトリメチルァミン、 トリェチル ァミン、 ピリジン、 ピコリン、 エタノールァミン、 ジエタノールァミン、 トリ エタノーノレアミン、 ジシク口へキシルァミン、 N, N―ジべンジルェチレンジ ァミンなどとの塩が挙げられる。
無機酸との塩の好適な例としては、 例えば塩酸、 臭化水素酸、 硝酸、 硫酸、 リン酸などとの塩が挙げられる。
有機酸との塩の好適な例としては、 例えばギ酸、 酢酸、 トリフルォロ酢酸、 フマル酸、 シユウ酸、 酒石酸、 マレイン酸、 クェン酸、 コハク酸、 リンゴ酸、 メタンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸、 p—トルエンスルホン酸などとの塩 が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、 例えばアルギニン、 リジン、 ォ ルニチンなどとの塩が挙げられる。
酸性ァミノ.酸との塩の好適な例としては、 例えばァスパラギン酸、 グルタミ ン酸などとの塩が挙げられる。
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩は、 T G R 5の発現量を変化させる作用を有する化合物またはその塩であり、 具体的に
は、 (ィ) T G R 5の発現量を増加させることにより、 T G R 5を介する細胞 刺激活性を増強させる化合物またはその塩、 (口) T G R 5の発現量を減少さ せることにより、 該細胞刺激活性を減弱させる化合物またはその塩である。 本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物としては、 ペプチド、 蛋白質、 非ペプチド性化合物、 合成化合物、 発酵生産物などが挙げられ、 これ ら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公知の化合物であってもよい。 本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物の塩としては、 薬理学 的に許容される塩が好ましく、 例えば無機塩基との塩、 有機塩基との塩、 無機 酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。 無機塩基との塩の好適な例としては、 例えばナトリゥム塩、 力リゥム塩、 リ チウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、 マグネシウム塩などのアル力 リ土類金属塩;アルミニウム塩、 アンモニゥム塩などが挙げられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、 例えばトリメチルァミン、 トリェチル ァミン、 ピリジン、 ピコリン、 エタノーノレアミン、 ジエタノー ァミン、 トリ エタノールァミン、 ジシクロへキシルァミン、 N, N -ジべンジルェチレンジ ァミンなどとの塩が挙げられる。
無機酸との塩の好適な例としては、 例えば塩酸、 臭化水素酸、 硝酸、 硫酸、 リン酸などとの塩が挙げられる。
有機酸との塩の好適な例としては、 例えばギ酸、 酢酸、 トリフルォロ酢酸、 フマル酸、 シユウ酸、 酒石酸、 マレイン酸、 クェン酸、 コハク酸、 リンゴ酸、 メタンスノレホン酸、 ベンゼンスルホン酸、 p—トノレエンスノレホン酸などとの塩 が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、 例えばアルギニン、 リジン、 ォ ルニチンなどとの塩が挙げられる。
酸性ァミノ酸との塩の好適な例としては、 例えばァスパラギン酸、 グルタミ ン酸などとの塩が挙げられる。
T G R 5は上記のとおり、 例えば、 中枢機能など生体内で何らかの重要な役 割を果たしていると考えられる。 したがって、 T G R 5またはその部分べプチ ドの発現量を変化させる化合物またはその塩は、 T G R 5の機能不全などに関
連する疾患、 例えば、 中枢疾患 (例えば、 アルツハイマー病、 痴呆、 摂食障害 など) 、 炎症性疾患 (例えば、 アレルギー、 リュウマチ、 変形性関節症、 エリ テマトーデスなど) 、 循環器疾患 (例えば、 高血圧症、 心肥大、 狭心症、 動脈 硬化症等) 、 癌 (例えば、 非小細胞肺癌、 卵巣癌、 前立腺癌、 胃癌、 膀胱瘙、 乳癌、 子宮頸部癌、 結腸癌、 直腸癌等) 、 呼吸器疾患 (例えば、 肺炎、 気管支 炎、 喘息、 肺繊維症など) 、 糖尿病、 免疫系疾患 (例えば、 クローン病、 アト ピー性皮膚炎、 自己免疫疾患、 免疫不全、 白血病等) 、 肝臓,胆のう疾患 (例 えば、 肝硬変、 肝炎、 肝不全、 胆汁うっ滞症、 結石等) 、 消化管疾患 (例えば、 潰瘍、 腸炎、 吸収不良、 炎症性腸疾患等) 、 感染症、 肥満、 移植医療後の過剰 免疫反応、 インスリン分泌不全、 瞎疲弊、 低血糖などの疾患の予防 ·治療剤と して有用である。
これらの疾患のうち、 免疫機能、 マクロファージ機能などが亢進することに 起因する疾患 (例えば、 炎症性疾患、 移植医療後の過剰免疫反応など) には、 特に TGR 5の発現を促進する化合物またはその塩が有効である。 さらに、 T GR 5の発現を促進する化合物またはその塩は、 G l u c a g o n— 1 i k e p e p t i d e— 1 (GLP- 1) 分泌促進剤、 食欲抑制剤、 膝臓の再生剤、 睦 細胞分化促進剤、 腠 細胞増殖促進剤などとしても有効であり、 例えば、 糖尿病、 インスリン分泌不全、 膝疲弊、 肥満の予防 ·治療剤として使用するこ とができる。
一方、 免疫機能、 マクロファージ機能などが抑制されることに起因する疾患 (例えば、 免疫不全、 感染症など) には、 特に TGR 5の発現を阻害する化合 物またはその塩が有効である。 さらに、 TGR 5の発現を阻害する化合物また はその塩は、 G l u c a g o n— l i k e p e p t i d e— 1 (GLP— 1 ) 分泌抑制剤、 滕; 8細胞分化抑制剤、 滕 iS細胞増殖抑制剤として有効であり、 例えば、 低血糖の予防。治療剤として使用することができる。
また、 TGR 5の発現を促進または阻害する化合物またはその塩は、例えば、 ソマトスタチン、 コレシストキニン、 G l u c a g o n— l i k e p e p t i d e— 2 (GLP— 2) 、 Ga s t o r i c i nh i b i t o r y p o 1 y p e p t i d e (=G l u c o s e d e p e n d e n t i n s u 1 i
n o t r o p i c p e p t i d e) 、 Ga s t r i n、 Ga s t r i n r e l e a s i n g p e p t i d e、 グレリン、 グリセンチンなどの分泌調節 剤として使用することができる。
該化合物またはその塩を TGR 5の機能不全などに関連する疾患の予防 ·治 療剤として使用する場合は、 常套手段に従って製剤化することができる。
例えば、 該化合物またはその塩は、 必要に応じて糖衣を施した錠剤、 カプセ ル剤、 エリキシル剤、 マイクロカプセル剤などとして経口的に、 あるいは水も しくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、 または懸濁液剤など の注射剤の形で非経口的に使用できる。 例えば、 該化合物またはその塩を生理 学的に認められる公知の担体、 香味剤、 賦形剤、 べヒクノレ、 防腐剤、 安定剤、 結合剤などとともに一般に認められた製剤実施に要求される単位用量形態で混 和することによつて製造することができる。 これら製剤における有効成分量は 指示された範囲の適当な容量が得られるようにするものである。
錠剤、 カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、 例えば、 ゼ ラチン、 コーンスターチ、 トラガント、 アラビアゴムのような結合剤、 結晶性 セルロースのような賦形剤、 コーンスターチ、 ゼラチン、 アルギン酸などのよ うな膨化剤、 ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、 ショ糖、 乳糖または サッカリンのような甘味剤、 ペパーミント、 ァカモノ油またはチェリーのよう な香味剤などが用いられる。 調剤単位形態がカプセルである場合には、 上記タ イブの材料にさらに油脂のような液状担体を含有することができる。 注射のた めの無菌組成物は注射用水のようなべヒクル中の活性物質、 胡麻油、 椰子油な どのような天然産出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施 に従って処方することができる。 注射用の水性液としては、 例えば、 生理食塩 水、 ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液 (例えば、 D—ソルビトール、 D 一マンニトール、 塩ィ匕ナトリウムなど) などが用いられ、 適当な溶解補助剤、 例えば、 アルコール (例、 エタノール) 、 ポリアルコール (例、 プロピレング リコール、 ポリエチレングリコール) 、 非イオン性界面活性剤 (例、 ポリソル ペート 80™、 HCO-50) などと併用してもよい。 油性液としては、 例えば 、 ゴマ油、 大豆油などが用いられ、 溶解補助剤である安息香酸ベンジル、 ベン
ジルアルコールなどと併用してもよレ、。
また、 上記予防。治療剤は、 例えば、 緩衝剤 (例えば、 リン酸塩緩衝液、 酢 酸ナトリウム緩衝液) 、 無痛化剤 (例えば、 塩ィ匕ベンザルコニゥム、 塩酸プロ 力インなど) 、 安定剤 (例えば、 ヒ ト血清アルブミン、 ポリエチレングリコー ルなど) 、 保存剤 (例えば、 ベンジルアルコール、 フエノールなど) 、 酸ィ匕防 止剤などと配合してもよい。 調製された注射液は通常、 適当なアンプルに充填 される。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒ トやそ の他の哺乳動物 (例えば、 ラット、 マウス、 モルモット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ タ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して投与することができる。
該ィ匕合物またはその塩の投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法な どにより差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に例えば、 炎症性疾患患者 ( 体重 6 O k gとして) においては、 一日につき TGR 5の発現を促進する化合 物またはその塩を約 0. 1〜1 00mg、 好ましくは約 1. 0〜50mg、 より 好ましくは約 1. 0〜2 Omgである。 非経口的に投与する場合は、 その 1回 投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても異なるが、 例え ば、 注射剤の形では通常例えば、 炎症性疾患患者 (体重 6 O k gとして) にお いては、 一日につき TGR 5の発現を促進する化合物またはその塩を約 0. 0 1〜3 Omg程度、好ましくは約 0. l〜20mg程度、 より好ましくは約 0. 1〜1 Omg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。 他の動物の場 合も、 体重 60 k g当たりに換算した量を投与することができる。
(4) TGR 5もしくはその部分べプチドまたはその塩の定量法および診断方 法
本発明の抗体は、 TGR 5を特異的に認識することができるので、 被検液中 の TGR 5の定量、 特にサンドイッチ免疫測定法による定量などに使用するこ とができる。
すなわち、 本発明は、
( i ) 本発明の抗体と、 被検液および標識ィヒされた TGR 5とを競合的に反応 させ、 該抗体に結合した標識化された TGR 5の割合を測定することを特徴と
する被検液中の TGR 5の定量法、 および
(ii) 被検液と担体上に不溶化した本発明の抗体および標識化された本発明の 別の抗体とを同時あるいは連続的に反応させたのち、 不溶化担体上の標識剤の 活性を測定することを特徴とする被検液中の T GR 5の定量法を提供する。
上記 (ii) の定量法においては、 一方の抗体が TGR 5の N端部を認識する 抗体で、 他方の抗体が TGR 5の C端部に反応する抗体であることが望ましレ、。 また、 T G R 5に対するモノク口ーナル抗体を用いて T G R 5の定量を行う ことができるほか、 組織染色等による検出を行なうこともできる。 これらの目 的には、 抗体分子そのものを用いてもよく、 また、 抗体分子の F (a b')2、 F a b'、 あるいは F a b画分を用いてもよい。
本発明の抗体を用いる TGR 5の定量法は、 特に制限されるべきものではな く、 被測定液中の抗原量 (例えば、 TGR 5量) に対応した抗体、 抗原もしく は抗体一抗原複合体の量を化学的または物理的手段により検出し、 これを既知 量の抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線より算出する測定法であれば、 いずれの測定法を用いてもよい。 例えば、 ネフロメトリー、 競合法、 ィムノメ トリック法およびサンドィツチ法が好適に用いられる力 感度、特異性の点で、 後述するサンドィツチ法を用いるのが特に好ましい。
標識物質を用いる測定法に用いられる標識剤としては、 例えば、 放射性同位 元素、酵素、蛍光物質、発光物質などが用いられる。放射性同位元素としては、 例えば、 〔125 I〕 、 〔131 I〕 、 〔3H〕 、 〔14C〕 などが用いられる。 上記 酵素としては、 安定で比活性の大きなものが好ましく、 例えば、 ]3—ガラタト シダーゼ、 β一ダルコシダーゼ、 アルカリフォスファターゼ、 バーオキシダ一 ゼ、 リンゴ酸脱水素酵素などが用いられる。 蛍光物質としては、 例えば、 フル ォレスカミン、 フルォレツセンイソチォシァネートなどが用いられる。 発光物 質としては、 例えば、 ルミノール、 ルミノール誘導体、 ルシフェリン、 ルシゲ ニンなどが用いられる。 さらに、 抗体あるいは抗原と標識剤との結合にビォチ ンーアビジン系を用いることもできる。
抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、 物理吸着を用いてもよく、 また通常 TGR 5あるいは酵素等を不溶化、 固定ィヒするのに用いられる化学結合を用い
る方法でもよい。 担体としては、 ァガロース、 デキストラン、 セルロースなど の不溶性多糖類、ポリスチレン、ポリアクリルアミ ド、 シリコン等の合成樹脂、 あるいはガラス等があげられる。
サンドィツチ法においては不溶化した本発明のモノクローナノレ抗体に被検液 を反応させ (1次反応) 、 さらに標識化した別の本発明のモノクローナル抗体 を反応させ (2次反応) たのち、 不溶化担体上の標識剤の活性を測定すること により被検液中の T G R 5量を定量することができる。 1次反応と 2次反応は 逆の順序に行っても、 また、 同時に行なってもよいし時間をずらして行なって もよい。 標識化剤および不溶化の方法は前記のそれらに準じることができる。 また、 サンドイッチ法による免疫測定法において、 固相用抗体あるいは標識用 抗体に用いられる抗体は必ずしも 1種類である必要はなく、 測定感度を向上さ せる等の目的で 2種類以上の抗体の混合物を用いてもよい。
本発明のサンドイッチ法による T G R 5の測定法においては、 1次反応と 2 次反応に用いられる本発明のモノクローナル抗体は、 T G R 5の結合する部位 が相異なる抗体が好ましく用いられる。 すなわち、 1次反応および 2次反応に 用いられる抗体は、 例えば、 2次反応で用いられる抗体が、 T G R 5の C端部 を認識する場合、 1次反応で用いられる抗体は、 好ましくは C端部以外、 例え ば N端部を認識する抗体が用レヽられる。
本発明のモノクローナル抗体をサンドィツチ法以外の測定システム、 例えば、 競合法、 ィムノメ トリック法あるいはネフロメ トリーなどに用いることができ る。
競合法では、 被検液中の抗原と標識抗原とを抗体に対して競合的に反応させ たのち、 未反応の標識抗原(F ) と、 抗体と結合した標識抗原 (B ) とを分離し
(B / F分離) 、 B, Fいずれかの標識量を測定し、 被検液中の抗原量を定量 する。 本反応法には、 抗体として可溶性抗体を用い、 B / F分離をポリエチレ ングリコール、 前記抗体に対する第 2抗体などを用いる液相法、 および、 第 1 抗体として固相化抗体を用いるか、 あるいは、 第 1抗体は可溶性のものを用い 第 2抗体として固相化抗体を用レ、る固相化法とが用いられる。
ィムノメトリック法では、 被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識化
抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分離するか、 あるいは、 被検液中 の抗原と過剰量の標識化抗体とを反応させ、 次に固相化抗原を加え未反応の標 識化抗体を固相に結合させたのち、 固相と液相を分離する。 次に、 いずれかの 相の標識量を測定し被検液中の抗原量を定量する。
また、 ネフロメトリーでは、 ゲル内あるいは溶液中で抗原抗体反応の結果生 じた不溶性の沈降物の量を測定する。 被検液中の抗原量が僅かであり、 少量の 沈降物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用するレーザーネフロメト リ一などが好適に用いられる。
これら個々の免疫学的測定法を本発明の定量方法に適用するにあたっては、 特別の条件、 操作等の設定は必要とされない。 それぞれの方法における通常の 条件、 操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて T G R 5の測定系を構築す ればよい。 これらの一般的な技術手段の詳細については、 総説、 成書などを参 照することができる。
例えば、入江 寛編「ラジオィムノアツセィ」 (講談社、 昭和 4 9年発行) 、 入江 寛編 「続ラジオィムノアツセィ」 (講談社、 昭和 5 4年発行) 、 石川栄 治ら編 「酵素免疫測定法」 (医学書院、 昭和 5 3年発行) 、 石川栄治ら編 「酵 素免疫測定法」 (第 2版) (医学書院、 昭和 5 7年発行) 、 石川栄治ら編 「酵 素免疫測定法」 (第 3版) (医学書院、 昭和 6 2年発行) 、 「Methods in ENZYM0L0GY」 Vol. 70 (Immunochemical Techniques (Part A) )、 同書 Vol.
73 (Immunochemical Techniques (Part B) )、 同書 Vol. 74 (Immunochemical Techniques (Part C) )、 同書 Vol. 84 (Immunochemical Techniques (Part D : Selected Immunoassays) )、 同書 Vol. 92 (Immunochemical Techniques (Part E :' Monoclonal Antibodies and General Immunoassay Methods) ) Λ 同書 Vol. 121 (Immunochemical Techniques (Part I: Hybridoma Technology and Monoclonal Antibodies) ) (以上、 アカデミックプレス社発行)などを参照することができる。 以上のように'して、 本発明の抗体を用いることによって、 T G R 5を感度良 く定量することができる。
さらには、 本発明の抗体を用いて T G R 5の濃度を定量することによって、 T G R 5の濃度の増加または減少が検出された場合、 例えば、 中枢疾患 (例え
ば、 アルツハイマー病、 痴呆、 摂食障害など) 、 炎症性疾患 (例えば、 アレル ギー、 リュウマチ、 変形性関節症、 エリテマトーデスなど) 、 循環器疾患 (例 えば、 高血圧症、 心肥大、 狭心症、 動脈硬化症等) 、 癌 (例えば、 非小細胞肺 癌、 卵巣癌、 前立腺癌、 胃癌、 膀胱癌、 乳癌、 子宮頸部癌、 結腸癌、 直腸癌等 ) 、 呼吸器疾患 (例えば、 肺炎、 気管支炎、 喘息、 肺繊維症など) 、 糖尿病、 免疫系疾患 (例えば、 クローン病、 アトピー性皮膚炎、 自己免疫疾患、 免疫不 全、 白血病等) 、 肝臓 ·胆のう疾患 (例えば、 肝硬変、 肝炎、 肝不全、 胆汁う つ滞症、 結石等) 、 消化管疾患 (例えば、 潰瘍、 炎、 吸収不良、 炎症性腸疾 患等) 、 感染症、 肥満、 移植医療後の過剰免疫反応、 インスリン分泌不全、 膝 疲弊、 低血糖などに罹患している可能性が高い、 または将来罹患する可能性が 高いと診断することができる。
特に、 T G R 5の濃度の増加が検出された場合には、 例えば、 T G R 5の過 剰発現に起因する疾患、 例えば、 例えば、 免疫不全、 感染症、 糖尿病、 インス リン分泌不全、 瞎疲弊、 肥満などに罹患している可能性が高い、 または将来罹 患する可能性が高いと診断することができる。
また、 本発明の抗体を用いて T G R 5の濃度を定量することによって、 T G R 5の濃度の減少が検出された場合、 例えば、 T G R 5の機能不全に関連する 疾患、 例えば、 炎症性疾患、 移植医療後の過剰免疫反応、 低血糖などに罹患し ている可能性が高い、 または将来罹患する可能性が高いと診断することができ る。
( 5 ) 細胞膜における T G R 5またはその部分ペプチドの量を変化させる化合 物またはその塩を含有する医薬
本発明の抗体は、 T G R 5を特異的に認識することができるので、 細胞膜に おける T G R 5の量を変化させる化合物またはその塩のスクリーニングに用い ることができる。
すなわち本発明は、 例えば、
( i ) 非ヒト哺乳動物の a ) 血液、 b ) 特定の臓器、 c ) ϋ器から単離した 組織もしくは細胞等を破壊した後、 細胞膜画分を単離し、 細胞膜画分に含まれ る T G R 5を定量することによる、 細胞膜における T G R 5の量を変化させる
化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(ii) T G R 5を発現する形質転換体等を破壊した後、細胞膜画分を単離し、 細胞膜画分に含まれる T G R 5を定量することによる、 細胞膜における T G R 5の量を変化させる化合物またはその塩のスクリ一二ング方法、
(iii) 非ヒト哺乳動物の a ) 血液、 b ) 特定の臓器、 c ) 臓器から単離した 組織もしくは細胞等を切片とした後、 免疫染色法を用いることにより、 細胞表 層での該受容体蛋白質の染色度合いを定量化することにより、 細胞膜上の該蛋 白質を確認することによる、 細胞膜における T G R 5の量を変化させる化合物 またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
(iv) T G R 5を発現する形質転換体等を切片とした後、 免疫染色法を用い ることにより、 細胞表層での該受容体蛋白質の染色度合いを定量化することに より、 細胞膜上の該蛋白質を確認することによる、 細胞膜における T G R 5の 量を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
細胞膜画分に含まれる T G R 5の定量は具体的には以下のようにして行なう。
( i ) 正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物 (例えば、 マウス、 ラット、 モルモット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど、 より具体 的には痴呆ラット、肥満マウス、動脈硬化ゥサギ、担癌マウスなど) に対して、 薬剤.(例えば、 抗痴呆薬、 血圧低下薬、 抗癌剤、 抗肥満薬など) あるいは物理 的ストレス (例えば、 浸水ストレス、 電気ショック、 明暗、 低温など) などを 与え、 一定時間経過した後に、 血液、 あるいは特定の臓器 (例えば、脳、肝臓、 腎臓など) 、 または臓器から単離した組織、 あるいは細胞を得る。 得られた臓 器、組織または細胞等を、例えば、適当な緩衝液 (例えば、 トリス塩酸緩衝液、 リン酸緩衝液、 へぺス緩衝液など) 等に懸濁し、 臓器、 組織あるいは細胞を破 壊し、 界面活性剤 (例えば、 トリ トン X 1 0 0 TM、 ツイーン 2 0™など) など を用い、 さらに遠心分離や濾過、 カラム分画などの手法を用いて細胞膜画分を 得る。
細胞膜画分としては、 細胞を破枠した後、 それ自体公知の方法で得られる細 胞膜が多く含まれる画分のことをいう。 細胞の破碎方法としては、 Potter— Elvehjem型ホモジナイザ一で細胞を押し潰す方法、 ヮーリングブレンダーゃポ
リトロン (Kinematica社製) による破碎、 超音波による破砕、 フレンチプレス などで加圧しながら細胞を細いノズルから噴出させることによる破砕などが挙 げられる。 細胞膜の分画には、 分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの遠 心力による分画法が主として用いられる。 例えば、 細胞破砕液を低速 (500 〜3000'r pm) で短時間 (通常、 約 1〜10分) 遠心し、 上清をさらに高 速 (15000〜30000 r pm) で通常 30分〜 2時間遠心し、 得られる 沈澱を膜画分とする。 該膜画分中には、 発現した TGR 5と細胞由来のリン脂 質や膜蛋白質などの膜成分が多く含まれる。
細胞膜画分に含まれる TGR 5は、 例えば、 本発明の抗体を用いたサンドィ ツチ免疫測定法、 ウエスタンプロット解析などにより定量することができる。 力、かるサンドイツチ免疫測定法は上記の方法と同様にして行なうことができ、 ウェスタンプロットは自体公知の手段により行なうことができる。
(ii) TGR 5を発現する形質転換体を上記の方法に従い作製し、 細胞膜画 分に含まれる TGR 5を定量することができる。 .
細胞膜における TGR 5の量を変化させる化合物またはその塩のスクリー二 ングは、
(i) 正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物に対して、 薬剤あるいは物理 的ストレスなどを与える一定時間前 (30分前〜 24時間前、 好ましくは 30 分前〜 12時間前、 より好ましくは 1時間前〜 6時間前) もしくほ一定時間後 (30分後〜 3日後、 好ましくは 1時間後〜 2日後、 より好ましくは 1時間後 〜24時間後) 、 または薬剤あるいは物理的ストレスと同時に試験化合物を投 与し、 投与後一定時間経過後 ( 30分後〜 3日後、 好ましくは 1時間後〜 2日 後、 より好ましくは 1時間後〜 24時間後) 、 細胞膜における TGR 5の量を 定量することにより行なうことができ、
(ii)形質転換体を常法に従い培養する際に試験化合物を培地中に混合させ、 一定時間培養後 (1日後〜 7日後、 好ましくは 1日後〜 3日後、 より好ましく は 2日後〜 3日後) 、 細胞膜における TGR 5の量を定量することにより行な うことができる。
細胞膜画分に含まれる T G R 5の確認は具体的には以下のようにして行なう。
(ii i) 正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物 (例えば、 マウス、 ラット. モルモッ ト、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど、 より具体 的には痴呆ラット、肥満マウス、動脈硬化ゥサギ、担癌マウスなど) に対して、 薬剤 (例えば、 抗痴呆薬、 血圧低下薬、 抗癌剤、 抗肥満薬など) あるいは物理 的ストレス (例えば、 浸水ストレス、 電気ショック、 明暗、 低温など) などを 与え、 一定時間経過した後に、 血液、 あるいは特定の臓器 (例えば、脳、肝臓、 腎臓など) 、 または臓器から単離した組織、 あるいは細胞を得る。 得られた臓 器、 組織または細胞等を、 常法に従い組織切片とし、 本発明の抗体を用いて免 疫染色を行う。 細胞表層での該受容体蛋白質の染色度合いを定量化することに より、 細胞膜上の該蛋白質を確認することにより、 定量的または定性的に、 細 胞膜における T G R 5の量を確認することができる。
(iv) T G R 5を発現する形質転換体等を用いて同様の手段をとることによ り確認することもできる。
試験化合物としては、 例えば、 ペプチド、 蛋白質、 非ペプチド性化合物、 合 成化合物、 発酵生産物、 細胞抽出液、 植物抽出液、 動物組織抽出液などが用い られ、 これら化合物は新規な化合物であってもよ'いし、 公知の化合物であって もよい。
試験化合物は塩を形成していて よく、 試験化合物の塩としては、 薬理学的 に許容される塩が好ましく、 例えば無機塩基との塩、' 有機塩基との塩、 無機酸 との塩、 有機酸との塩、 塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。 無機塩基との塩の好適な例としては、 例えばナトリゥム塩、 力リゥム塩、 リ チウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、 マグネシウム塩などのアル力 リ土類金属塩;アルミニウム塩、 アンモニゥム塩などが挙げられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、 例えばトリメチルァミン、 トリェチル ァミン、 ピリジン、 ピコリン、 エタノールァミン、 ジエタノールァミン、 トリ エタノールァミン、 ジシクロへキシルァミン、 N, N—ジベンジルエチレンジ ァミンなどとの塩が挙げられる。
無機酸との塩の好適な例としては、 例えば塩酸、 臭化水素酸、 硝酸、 硫酸、 リン酸などとの塩が挙げられる。
有機酸との塩の好適な例としては、 例えばギ酸、 酢酸、 トリフルォロ酢酸、 フマル酸、 シユウ酸、 酒石酸、 マレイン酸、 クェン酸、 コハク酸、 リンゴ酸、 メタンスノレホン酸、 ベンゼンスルホン酸、 p—トノレエンスルホン酸などとの塩 が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、 例えばアルギニン、 リジン、 ォ ルニチンなどとの塩が挙げられる。
酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、 例えばァスパラギン酸、 ダルタミ ン酸などとの塩が挙げられる。
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩は、 細胞 膜における T G R 5の量を変化させる作用を有する化合物またはその塩であり、 具体的には、 (ィ) 細胞膜における T G R 5の量を増加させることにより、 T G R 5を介する細胞刺激活性を増強させる化合物またはその塩、 (口) 細胞膜 における T G R 5の量を減少させることにより、 該細胞刺激活性を減弱させる 化合物またはその塩である。
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物としては、 ぺプチド、 蛋白質、 非ペプチド性化合物、 合成化合物、 発酵生産物などが挙げられ、 これ ら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公知の化合物であってもよい。
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物の塩としては、 薬理学 的に許容される塩が好ましく、 例えば無機塩基との塩、 有機塩基との塩、 無機 酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性ァミノ酸との塩などが挙げられる。 無機塩基との塩の好適な例としては、 例えばナトリゥム塩、 力リゥム塩、 リ チウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、 マグネシウム塩などのアル力 リ土類金属塩;アルミニウム塩、 アンモニゥム塩などが挙げられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、 例えばトリメチルァミン、 トリェチル ァミン、 ピリジン、 ピコリン、 エタノールァミン、 ジエタノールァミン、 トリ エタノールァミン、 ジシクロへキシルァミン、 N, N—ジベンジルエチレンジ ァミンなどとの塩が挙げられる。
無機酸との塩の好適な例としては、 例えば塩酸、 臭化水素酸、 硝酸、 硫酸、 リン酸などとの塩が挙げられる。
有機酸との塩の好適な例としては、 例えばギ酸、 酢酸、 トリフルォロ酢酸、 フマル酸、 シユウ酸、 酒石酸、 マレイン酸、 クェン酸、 コハク酸、 リンゴ酸、 メタンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸、 p—トルエンスルホン酸などとの塩 が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、 例えばアルギニン、 リジン、 ォ ルニチンなどとの塩が挙げられる。
酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、 例えばァスパラギン酸、 グルタミ ン酸などとの塩が挙げられる。
TGR5は上記のとおり、 例えば、 中枢機能など生体内で何らかの重要な役 割を果たしていると考えられる。 したがって、 細胞膜における TGR 5または その部分べプチドの量を変化させる化合物またはその塩は、 TGR 5の機能不 全などに関連する疾患、例えば、 中枢疾患 (例えば、 アルツハイマー病、痴呆、 摂食障害など) 、 炎症性疾患 (例えば、 アレルギー、 リュウマチ、 変形性関節 症、 エリテマトーデスなど) 、 循環器疾患 (例えば、 高血圧症、 心肥大、 狭心 症、 動脈硬化症等) 、 癌 (例えば、 非小細胞肺癌、 卵巣癌、 前立腺癌、 胃癌、 膀胱癌、 乳癌、 子宮頸部癌、 結腸癌、 直腸癌等) 、 呼吸器疾患 (例えば、 肺炎、 気管支炎、 喘息、 月市繊維症など) 、 糖尿病、免疫系疾患 (例えば、 クローン病、 アトピー性皮膚炎、 自己免疫疾患、 免疫不全、 白血病等) 、 肝臓 ·胆のう疾患
(例えば、 肝硬変、 S干炎、 肝不全、 胆汁うっ滞症、 結石等) 、 消化管疾患 (例 えば、 潰瘍、 腸炎、 吸収不良、 炎症性腸疾患等) 、 感染症、 肥満、 移植医療後 の過剰免疫反応、 インスリン分泌不全、 膝疲弊、 低血糖などの疾患の予防 台 療剤として有用である。
これらの疾患のうち、 免疫機能、 マクロファージ機能などが亢進することに 起因する疾患 (例えば、 炎症性疾患、 移植医療後の過剰免疫反応など) には、 特に細胞膜における TGR 5の量を増加させる化合物またはその塩が有効であ る。 さらに、細胞膜における T G R 5の量を増加させる化合物またはその塩は、 G l u c a g o n— l i k e p e p t i d e— 1 (G LP— 1)分泌促進剤、 食欲抑制剤、 勝臓の再生剤、 膝 細胞分化促進剤、 塍 ;8細胞増殖促進剤などと しても有効であり、 例えば、 糖尿病、 インスリン分泌不全、 膝疲弊、 肥満の予
防 ·治療剤として使用することができる。
一方、 免疫機能、 マクロファージ機能などが抑制されることに起因する疾患 (例えば、 免疫不全、 感染症など) には、 特に細胞膜における TGR 5の量を 減少させる化合物またはその塩が有効である。 さらに、 細胞膜における TGR 5の量を減少させる化合物またはその塩は、 G l u c a g o n— l i k e p e p t i d e - 1 (GLP— 1) 分泌抑制剤、 膝 ]3細胞分化抑制剤、 膝; 8細胞 増殖抑制剤として有効であり、 例えば、 低血糖の予防 ·治療剤として使用する ことができる。
また、 細胞膜における TGR 5またはその部分べプチドの量を変化させる化 合物またはその塩は、 例えば、 ソマトスタチン、 コレシストキニン、 G l u e a g o n— 1 i k e p e p t i d e— 2 (GLP— 2) 、 Ga s t o r ι c i n h i b i t o r y p o l y p e p t i d e ( = G 1 u c o s e d e p e n d e n t i n s u l i n o t r o p i c p e p t i d e) 、 Ga s t r i n、 G a s t r i n r e l e a s i n g p e p t i d e、 グレリン、 グリセンチンなどの分泌調節剤として使用することができる。
細胞膜における TGR 5またはその部分べプチドの量を変化させる化合物ま たはその塩を TGR 5の機能不全に関連する疾患の予防おょぴ Zまたは治療剤 として使用する場合は、 常套手段に従って製剤化することができる。
例えば、 該化合物は、 必要に応じて糖衣を施した錠剤、 カプセル剤、 エリキ シル剤、 マイクロカプセル剤などとして経口的に、 あるいは水もしくはそれ以 外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、 または懸濁液剤などの注射剤の形 で非経口的に使用できる。 例えば、 該化合物を生理学的に認められる公知の担 体、 香味剤、 賦形剤、 べヒクル、 防腐剤、 安定剤、 結合剤などとともに一般に 認められた製剤実施に要求される単位用量形態で混和することによつて製造す ることができる。 これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な容 量が得られるようにするものである。
錠剤、 カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、 例えば、 ゼ ラチン、 コーンスターチ、 トラガント、 アラビアゴムのような結合剤、 結晶性 セルロースのような賦形剤、 コーンスターチ、 ゼラチン、 アルギン酸などのよ
うな膨化剤、 ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、 ショ糠、 乳糖または サッカリンのような甘味剤、 ペパーミント、 ァカモノ油またはチェリーのよう な香味剤などが用いられる。 調剤単位形態がカプセルである場合には、 上記タ ィプの材料にさらに油脂のような液状担体を含有することができる。 注射のた めの無菌組成物は注射用水のようなべヒクル中の活性物質、 胡麻油、 椰子油な どのような天然産出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施 に従って処方することができる。 注射用の水性液としては、 例えば、 生理食塩 水、 ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液 (例えば、 D—ソルビトール、 D 一マン-トール、 塩化ナトリウムなど) などが用いられ、 適当な溶解補助剤、 例えば、 アルコール (例、 エタノール) 、 ポリアルコール (例、 プロピレング リコール、 ポリエチレングリコール) 、 非イオン†生界面活性剤 (例、 ポリソル ペート 8 0™、 H C O - 5 0 ) などと併用してもよい。 油性液としては、 例えば 、 ゴマ油、 大豆油などが用いられ、 溶解補助剤である安息香酸ベンジル、 ベン ジルアルコールなどと併用してもよい。
また、 上記予防 ·治療剤は、 例えば、 緩衝剤 (例えば、 リン酸塩緩衝液、 酢 酸ナトリウム緩衝液) 、 無痛化剤 (例えば、 塩ィ匕ベンザルコニゥム、 塩酸プロ 力インなど) 、 安定剤 (例えば、 ヒト血清アルブミン、 ポリエチレングリコー ルなど) 、 保存剤 (例えば、 ベンジルアルコール、 フエノールなど) 、 酸化防 止剤などと配合してもよい。 調製された注射液は通常、 適当なアンプルに充填 される。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒトやそ の他の哺乳動物 (例えば、 ラット、 マウス、 モルモッ ト、 ゥサギ、 ヒッジ、 プ タ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法な どにより差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に例えば、 炎症性疾患患者 ( 体重 6 O k gとして) においては、 一日につき細胞膜における T G R 5または その部分ペプチドの量を増加させる化合物またはその塩を約 0 . 1〜1 0 O m g、 好ましくは約 1 . 0〜5 0 m g、 より好ましくは約 1 . 0〜2 0 m gであ る。非経口的に投与する場合は、 その 1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、
投与方法などによっても異なるが、 例えば、 注射剤の形では通常例えば、 炎症 性疾患患者 (体重 60 k gとして) においては、 一日につき細胞膜における T GR5またはその部分べプチドの量を増加させる化合物またはその塩を約 0.' 01〜3 Omg程度、 好ましくは約 0. 1〜2 Omg程度、 より好ましくは約 0. :!〜 1 Omg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。 他の動物 の場合も、 体重 6.0 k g当たりに換算した量を投与することができる。
(6) 本発明の抗体を含有してなる医薬
TGR 5もしくはその部分ペプチドまたはその塩に対する抗体の、 それらレ セプター蛋白質などに対する中和活性とは、 すなわち、 TGR5の関与するシ グナル伝達機能を不活性ィヒする活性を意味する。 従って、 該抗体が中和活性を 有する場合は、 TGR 5の関与するシグナル伝達、 例えば、 TGR5を介する 細胞刺激活性 (例えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 Ca2+ 遊離、 細胞内 c AMP産生、 細胞内 c GMP生成、 イノシトールリン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内蛋白質 (例、 MAPキナーゼ) のリン酸ィヒまたは活性 ィ匕、 c— f ο sの活性化、 p Hの低下、 G L P— 1分泌活性、 サイトカイン産 生活性などを促進する活性または抑制する活性など、 特に細胞内 c AMP産生 上昇活性、 MA Pキナーゼのリン酸化または活性化、 GLP-1分泌促進活性、 サイトカイン産生抑制活性) を不活性化することができる。
したがって、 TGR 5もしくはその部分べプチドまたはその塩に対する抗体 (例、 中和抗体) は、 TGR 5の過剰発現などに起因する疾患 (例えば、 免疫 不全、感染症、 低血糖など) の予防 ·治療剤、 G l u c a g o n— l i k e p e p t i d e - 1 (GLP— 1) 分泌抑制剤、 朦 細胞分化抑制剤、 膝 ^細胞 増殖抑制剤として用いることができる。
また、 TGR 5もしくはその部分ペプチドまたはその塩に対する抗体 (例、 中和抗体) は、 例えば、 ソマトスタチン、 コレシ トキニン、 G 1 u c a g 0 n— l i k e p e p t i d e— 2 (GLP— 2) ^ Ga s t o r i c i n h i b i t o r y p o l y p e p t i d e (=G l u c o s e d e p e n d e n t i n s u 1 i n o t r o p i c p e p t i d e) 、 G a s t r i n、 Ga s t r i n r e l e a s i n g p e p t i d e、 グレリン、 グリ
センチンなどの分泌調節剤として使用することができる。
(7) 本発明のアンチセンス DNAまたは s i RNAを含有してなる医薬 本発明のアンチセンス DNAまたは s i RNAは、 TGR5の過剰発現など に起因する疾患 (例えば、 免疫不全、 感染症、 低血糖など) の疾患の予防-治 5 療剤、 G l u c a g o n— l i k e p e p t i d e— 1 (GLP— 1) 分泌 抑制剤、塍 j3細胞分化抑制剤、膝 ;3細胞増殖抑制剤として用いることができる。 また、 本発明のアンチセンス DNAまたは s i RNAは、 例えば、 ソマトス タチン、 コレシストキユン、 G l u c a g o n— l i k e p e p t i d e— 2 (GLP— 2) 、 Ga s t o r i c i nh i b i t o r y p o l y e 10 p t i d e ( = G 1 u c o s e d e p e n d e n t i n s u l i n o t r o p i c p e p t i d e) 、 Ga s t r i n、 Ga s t r i n r e 1 e a s i n g p e p t i d e, ダレリン、 ダリセンチンなどの分泌調節剤として 使用することができる。
例えば、 該アンチセンス DNAまたは s i RNAを用いる場合、 該アンチセ 15 ンス DNAを単独あるいはレトロウイルスベクター、 アデノウイルスベクター、
ツツドドウウィィルルススベベククタターーななどどのの適適当当ななベベククタターーにに揷揷 入入ししたた後後、、 常常套套手手段段にに従従っってて実実施施すするるここととががででききるる。。 該該アアンンチチセセンンスス DDNN AAまま たたはは ss ii RRNNAAはは、、 そそののままままでで、、 ああるるいいはは摂摂取取促促進進ののたためめにに補補助助剤剤ななどどのの生生理理 学学的的にに認認めめらられれるる担担体体ととととももにに製製剤剤化化しし、、 遺遺伝伝子子銃銃ややハハイイドドロロゲゲルルカカテテーーテテルル 2200 ののよよううななカカテテーーテテルルにによよっってて投投与与ででききるる。。
ささららにに''、、 該該アアンンチチセセンンスス DDNNAAままたたはは ss ii RRNNAAはは、、 組組織織やや細細胞胞ににおおけけるる本本 発発明明のの DDNN AAのの存存在在ややそそのの発発現現状状況況をを調調べべるるたためめのの診診断断用用オオリリゴゴヌヌククレレオオチチドド ププロローーブブととししてて使使用用すするるここととももででききるる。。
((88)) TTGGRR 55にに対対すするるァァゴゴニニスストトののススククリリーーニニンンググ方方法法
2255 ココレレスステテロローールル代代謝謝関関連連物物質質ままたたははそそのの塩塩がが TT GG RR 55にに結結合合すするるここととにによよつつ てて、、 細細胞胞内内 cc AAMMPP産産生生のの上上昇昇がが見見らられれるるここととかからら、、 TTGGRR55ははここのの細細胞胞内内シシ ググナナルルをを指指標標ととししてて TTGGRR 55にに対対すするるココレレスステテロローールル代代謝謝関関連連物物質質ままたたははそそのの 塩塩以以外外ののァァゴゴニニスストト ((天天然然リリガガンンドドをを含含むむ)) をを探探索索しし、、 ままたたはは決決定定すするるたためめのの 試試薬薬ととししてて有有用用ででああるる。。
すなわち、 本発明は、 試験化合物を TGR 5を含有する細胞に接触させた場 合における、 TGR 5を介した細胞内 c AMP産生上昇活性、 MAPキナーゼ のリン酸化または活性化、 GLP- 1分泌促進活性などの活性を測定すること を特徴とする TGR 5に対するァゴェストの決定方法を提供する。
試験化合物としては、 公知のリガンド (例えば、 アンギオテンシン、 ボンべ シン、 カナピノイド、 コレシストキュン、 グルタミン、 セロト-ン、 メラトニ ン、 ェユーロペプチド Y、 ォピオイド、 プリン、 ノ ソプレツシン、 ォキシトシ ン、 PACAP (例、 PACAP 27, PACAP 38) 、 セクレチン、 グル 力ゴン、 カルシトニン、 アドレノメジユリン、 ソマトスタチン、 GHRH、 C RF、 ACTH、 GRP、 PTH、 V I P (バソアクティブ インテスティナ /レ アンド リレイテッド ポリペプチド) 、 ソマトスタチン、 ドーパミン、 モチリン、 アミリン、 ブラジキニン、 CGRP (カルシトニンジーンリレーテ ィッドぺプチド) 、 ロイコトリェン、 パンクレアスタチン、 プロスタグランジ ン、 トロンボキサン、 アデノシン、 アドレナリン、 ケモカインスーパーフアミ リー (例、 I L一 8, GROct, GRO β , GROy, NAP— 2, ENA— 78, GCP- 2, PF 4, I P— 1 0, Mi g, PB SF/SDF— 1など の CXCケモカインサブファミリー; MCAF/MCP— 1 , MCP— 2, M CP— 3, MCP-4, e o t a x i n, R ANTE S, MI P— 1 ひ、 MI P- l β, HCC- 1 , M I P- 3 a/LARC MI P— 3 /3/ELC, I — 309, TARC, MI PF— 1, MI PF- 2/e o t a x i n- 2, M DC, DC-CK 1/PARC, S L Cなどの C Cケモカインサブファミリー ; l ymp h o t a c t i nなどの Cケモカインサブファミリ一; f r a c t a 1 k i n eなどの CX3 Cケモカインサブフアミリー等) 、 エンドセリン、 ェンテロガストリン、 ヒスタミン、 ニューロテンシン、 TRH、 パンクレアテ イツクポリぺプタイド、 ガラニン、 リゾホスファチジン酸 (LPA) 、 スフィ ンゴシン 1一リン酸など) の他に、 例えば、 ヒ トまたは哺乳動物 (例えば、 マ ウス、 ラット、 ブタ、 ゥシ、 ヒッジ、 サルなど) の組織抽出物、 細胞培養上清、 低分子合成化合物などが用いられる。 例えば、 該組織抽出物、 細胞培養上清な どを TGR 5に添加し、 細胞刺激活性などを測定しながら分画し、 最終的に単
一のリガンドを得ることができる。
具体的には、 本発明のァゴニスト決定方法は、 本発明の糸且換え型 TGR 5の 発現系を構築し、 該発現系を用いたレセプター結合アツセィ系を用いることに よって、 TGR 5を介する細胞内 c AMP産生上昇活性、 MAPキ "一ゼのリ ン酸化または活性化、 G LP— 1分泌促進活性、 サイト力イン産生抑制活性な ど.の活性を有する化合物またはその塩を決定する方法である。
より具体的には、 本発明は、 次のような決定方法を提供する。
(1) 試験化合物を TGR 5を含有する細胞または,組織 (例、 CHO細胞、 N C I—H716、 マクロファージ、 単球、 腸管) に接触させた場合における細 胞内 c AMP産生上昇活性、 MAPキナーゼのリン酸化もしくは活性化、 G L P— 1分泌促進活性またはサイトカイン産生抑制活性を測定することを特徴と する TGR 5に対するァゴニストの決定方法、 および
( 2 ) 試験化合物を TGR5DNAを含有する形質転換体を培養することによ つて細胞膜上に発現した T G R 5に接触させた場合における T G R 5を介する 細胞内 c AMP産生上昇活性、 MA Pキナーゼのリン酸化もしくは活性化、 G LP-1分泌促進活性またはサイトカイン産生抑制活性を測定することを特徴 とする TGR 5に対するァゴニストの決定方法を提供する。
特に、 試験化合物が T G R 5に結合することを確認した後に、 上記の試験を 行なうことが好ましい。
本発明のァゴ-スト決定方法において、 TGR 5を含有する細胞を用いる場 合、 該細胞をグルタルアルデヒド、 ホルマリンなどで固定ィヒしてもよい。 固定 化方法は公知の方法に従って行なうことができる。
TGR 5を含有する細胞の膜画分としては、 細胞を破碎した後、 公知の方法 で得られる細胞膜が多く含まれる画分のことをいう。 細胞の破碎方法としては、 Potter— Elvehjem型ホモジナイザーで細胞を押し潰す方法、 ワーリングプレン ダーゃポリ トロン (Kinematica社製) による破碎、 超音波による破砕、 フレン チプレスなどで加圧しながら細胞を細いノズルから噴出させることによる破砕 などが挙げられる。 細胞膜の分画には、 分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法 などの遠心力による分面法が主として用いられる。 例えば、 細胞破砕液を低速
(500〜3000 r pm) で短時間 (通常、 約 1〜 10分) 遠心し、 上清を さらに高速 (15000〜30000 r pm) で通常 30分〜 2時間遠心し、 得られる沈澱を膜画分とする。 該膜画分中には、 発現した TGR5と細胞由来 のリン脂質や膜蛋白質などの膜成分が多く含まれる。
TGR 5を含有する細胞やその細胞膜画分中の TGR 5の量は、 1細胞当た り 103〜108分子であるのが好ましく、 105〜107分子であるのが好適で ある。 なお、 発現量が多いほど膜画分当たりのリガンド結合活性 (比活性) が 高くなり、 高感度なスクリーニング系の構築が可能になるばかりでなく、 同一 口ットで大量の試料を測定できるようになる。
本発明のァゴ-ス ト決定方法を実施するためには、 TGR5を介する細胞内 c AMP産生上昇活性を公知の方法または市販の測定用キットを用いて測定す ることができる。 具体的には、 まず、 TGR 5を含有する細胞をマルチウエル プレート等に培養する。 ァゴニスト決定を行なうにあたっては前もって新鮮な 培地あるいは細胞に毒性を示さない適当なバッファ一に交換し、 試験化合物な どを添加して一定時間インキュベートした後、 細胞を抽出あるいは上清液を回 収して、 生成した産物をそれぞれの方法に従って定量する。 細胞刺激活性の指 標とする物質 (例えば、 c AMPなど) の生成が、 細胞が含有する分解酵素に よって検定困難な場合は、 該分解酵素に対する阻害剤を添加してアツセィを行 なってもよい。
本発明のァゴニスト決定用キットは、 TGR 5を含有する細胞またはその細 胞膜画分を含有するものである。
このようにして決定される TGR 5に対するァゴニストは、 例えば、 中枢疾 患 (例えば、 アルツハイマー病、痴呆、 摂食障害など) 、 炎症性疾患 (例えば、 アレルギー、 リュウマチ、 変形性関節症、 エリテマトーデスなど) 、 循環器疾 患 (例えば、 高血圧症、 心肥大、 狭心症、 動脈硬化症等) 、 癌 (例えば、 非小 細胞肺癌、 卵巣癌、 前立腺癌、 胃癌、 膀胱癌、 乳癌、 子宮頸部癌、 結腸癌、 直 腸癌等) 、 呼吸器疾患 (例えば、 肺炎、 気管支炎、 喘息、 肺繊維症など) 、 糖 尿病、 免 系疾患 (例えば、 クローン病、 アトピー性皮膚炎、 自己免疫疾患、 免疫不全、 白血病等) 、 肝臓 '胆のう疾患 (例えば、 肝硬変、 肝炎、 肝不全、
胆汁うっ滞症、 結石等) 、 消化管疾患 (例えば、 潰瘍、 腸炎、 吸収不良、 炎症 性腸疾患等) 、 感染症、 肥満、 移植医療後の過剰免疫反応などの疾患、 特に免 疫機能、 マクロファージ機能などが亢進することに起因する疾患 (¼えば、 炎 症性疾患、 移植医療後の過剰免疫反応など) の予防および Zまたは治療剤とし て有用である。 さらに、 TGR 5に対するァゴ-ストは、 G l u c a g o n— l i k e p e p t i d e— 1 (GLP— 1) 分泌促進剤、 食欲抑制剤、 膝臓 の再生剤、瞵 β細胞分化促進剤、瞵 β細胞増殖促進剤などとしても有効であり、 例えば、 糖尿病、 インスリン分泌不全、 瞎疲弊、 肥満の予防 ·治療剤として使 用することができる。
また、 TGR 5に対するァゴ-ストは、 例えば、 ソマトスタチン、 コレシス トキ-ン、 G l u c a g o n— 1 i k e p e p t i d e - 2 (GL P— 2〉 、 Ga s t o r i c i n h i b i t o r y p o l y p e p t i d e (=G 1 u c o s e d e p e n d e n t i n s u l i n o t r o p i c p e p t i d e) 、 Ga s t r i n、 Ga s t r i n r e l e a s i n g p e p t i d e、 ダレリン、 ダリセンチンなどの分泌調節剤として使用することができ る。
(9) 各種薬物の作用メカニズムの解明方法
TGR5を用いることによって、 各種薬物が TGR 5を介して薬理効果を発 揮しているか否かを確認することができる。
すなわち、 本発明は、
(1) TGR 5を用いることを特徴とする、 中枢疾患 (例えば、 ァルツハイ マー病、 痴呆、 摂食障害など) 、 炎症性疾患 (例えば、 アレルギ一、 リュウマ チ、 変形性関節症、 エリテマトーデスなど) 、循環器疾患 (例えば、 高血圧症、 心肥大、 狭心症、 動脈硬化症等) 、 癌 (例えば、 非小細胞肺癌、 卵巣癌、 前立 腺癌、 胃癌、 膀胱癌、 乳癌、 子宮頸部癌、 結腸癌、 直腸癌等) 、 呼吸器疾患 ( 例えば、 肺炎、 気管支炎、 喘息、 肺繊維症など) 、 糖尿病、 免疫系疾患 (例え ば、 クローン病、 アトピー性皮膚炎、 自己免疫疾患、 免疫不全、 白血病等) 、 肝臓 ·胆のう疾患 (例えば、 肝硬変、 肝炎、 肝不全、 胆汁うっ滞症、 結石等) 、 消化管疾患 (例えば、 潰瘍、 腸炎、 吸収不良、 炎症性腸疾患等) 、 感染症、 肥
満、 移植医療後の過剰免疫反応、 インスリン分泌不全、 膝疲弊、 低血糖などの 疾患の予防 ·治療薬、 G l u c a g o n— l i k e p e p t i d e— 1 (G LP-1) 分泌調節薬 (促進薬、 抑制薬) 、 食欲抑制薬、 膝臓の再生薬、 膝 細胞分化促進薬、 膝 β細胞増殖促進薬、 またはソマトスタチン、 コレシストキ ニン、 G l u c a g o n— l i k e p e p t i d e— 2 (G LP— 2) 、 G a s t o r i c i nh i b i t o r y p o l y p e p t i d e 、= · 1 u c o s e d e p e n d e n t i n s u l i no t r o p i c p e p t i d e) 、 Ga s t r i n、 Ga s t r i n r e l e a s i n g p e p t i d e、 ダレリン、 ダリセンチンなどの分泌調節薬が該レセプター蛋白質または その塩に結合することを確認する方法、
(2) TGR5を用いることを特徴とする、 免疫機能、 マクロファージ機能 などが亢進することに起因する疾患 (例えば、 炎症性疾患、 移植医療後の過剰 免疫反応など)、 糖尿病、 インスリン分泌不全、 膝疲弊、 肥満の予防 '治療薬、 G l u c a g on— 1 i k e p e p t i d e— 1 (GLP- 1)分泌促進薬、 食欲抑制薬、 膝臓の再生薬、 塍 /3細胞分化促進薬、 膝 細胞増殖促進薬、 また はソマトスタチン、 コレシストキニン、 G l u c a g o n— l i k e p e p t i d e--2 (GLP— 2), Ga s t o r i c i nh i b i t o r y p o 1 y p e p t i d e (=G l u c o s e d e p e n d e n t i n s u l i n o t r o p i c p e p t i d e)^ Ga s t r i n^ Ga s t r i n r e l e a s i n g p e p t i d e、 グレリン、 グリセンチンなどの分泌調節薬 が該レセプター蛋白質またはその塩に対するァゴニストであることを確認する 方法、
(3) TGR5を用いることを特徴とする、 免疫機能、 マクロファージ機能 などが抑制されることに起因する疾患 (例えば、 免疫不全、 感染症など) 、 低 血糖の予防 ·治療薬、 G l u c a g o n— l i k e p e p t i d e— 1 (G LP-.1) 分泌抑制薬、 膝 13細胞分ィヒ抑制薬、 滕^8細胞増殖抑制薬、 またはソ マトスタチン、 コレシストキ-ン、 G l u c a g o n— l i k e p e p t i d e-2 (GLP-2) s Ga s t o r i c i nh i b i t o r y p o 1 y p e p t i d e (=G l u c o s e d e p e n d e n t i n s u l i n
o t r o p i c p e p t i d e) 、 G a s t r i n、 Ga s t r i n r e l e a s i n g p e p t i d e、 グレリン、 グリセンチンなどの分泌調節薬 が該レセプタ一蛋白質またはその塩に対するアンタゴニストであることを確認 する方法、
(4) 各薬を TGR 5に接触させた場合における、 各薬と TGR 5との結合 量を測定することを特徴とする上記 (1) 〜 (3) 記載のスクリーニング方法 を提供する。
この確認方法は、 前記した合成リガンドと TGR 5との結合性を変化させる ' 化合物のスクリーニング方法において、 試験化合物に代えて、 上記の薬物を使 用することによって実施することができる。
また、 本発明の確認方法用キットは、 前記したリガンドと TGR5との結合 性を変化させる化合物のスクリーニング用キットにおいて、 試験化合物に代え て、 上記の薬物を含有するものである。
このように、 本発明の確認、方法を用いることによって、 市販または開発途中 の各種薬物が TGR 5を介して薬理効果を発揮していることを確認することが できる。
(1 0) 本発明の DNA導入動物の作製
本発明は、 外来性の本発明の DNA (以下、 本発明の外来性 DN Aと略記す る) またはその変異 DNA (本発明の外来性変異 DN Aと略記する場合がある ) を有する非ヒト哺乳動物を提供する。
すなわち、 本発明は、
〔1〕 本発明の外来性 DNAまたはその変異 DN Aを有する非ヒト哺乳動物、 [2] 非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第 〔1〕 記載の動物、
〔3〕 ゲッ歯動物がマウスまたはラットである第 〔2〕 記載の動物、 および 〔4〕 本発明の外来性 DNAまたはその変異 DNAを含有し、 哺乳動物におい て発現しうる組換えベクターを提供するものである。
本発明の外来 f生 DN Aまたはその変異 DN Aを有する非ヒト哺乳動物 (以下、 本発明の DNA転移動物と略記する) は、 未受精卵、 受精卵、 精子およびその 始原細胞を含む胚芽細胞などに対して、 好ましくは、 非ヒト哺乳動物の発生に
おける胚発生の段階 (さらに好ましくは、 単細胞または受精卵細胞の段階でか つ一般に 8細胞期以前) に、 リン酸カルシウム法、 電気パルス法、 リボフヱク シヨン法、 凝集法、 マイクロインジェクション法、 パーティクルガン法、 DE' AE—デキストラン法などにより目的とする DN Aを転移することによって作 出することができる。 また、 該 DN A転移方法により、 体細胞、 生体の臓器、 組織細胞などに目的とする本発明の外来性 DNAを転移し、 細胞培養、 組織培 養などに利用することもでき、 さらに、 これら細胞を上述の胚芽細胞と自体公 知の細胞融合法により融合させることにより本発明の D N A転移動物を作出す ることもできる。
非ヒト哺乳動物としては、 例えば、 ゥシ、 プタ、 ヒッジ、 ャギ、 ゥサギ、 ィ ヌ、 ネコ、 モルモット、 ハムスター、 マウス、 ラットなどが用いられる。 なか でも、 病体動物モデル系の作成の面から個体発生および生物サイクルが比較的 短く、 また、繁殖が容易なゲッ歯動物、 とりわけマウス (例えば、純系として、 C57BLZ6系統, DBA 2系統など、 交雑系として、 B 6C3F 系統, B DFi系統, B eDSFi系統, BALBZc系統, I CR系統など) またはラ ット (例えば、 Wi s t a r, SDなど) などが好ましい。
哺乳動物において発現しうる組換えベクターにおける「哺乳動物」 としては、 上記の非ヒト哺乳動物の他にヒトなどがあげられる。
本発明の外来性 DNAとは、 非ヒト哺乳動物が本来有している本発明の DN Aではなく、 いったん哺乳動物から単離 ·抽出された本発明の DNAをいう。 本努明の変異 DNAとしては、 元の本発明の DNAの塩基配列に変異 (例え ば、 突然変異など) が生じたもの、 具体的には、 塩基の付加、 欠損、 他の塩基 への置換などが生じた DN Aなどが用いられ、 また、 異常 DN Aも含まれる。 該異常 DNAとしては、 異常な TGR5を発現させる DNAを意味し、 例え ば、 正常な TGR5の機能を抑制する TGR5を発現させる DNAなどが用い られる。
本発明の外来性 DN Aは、 対象とする動物と同種あるいは異種のどちらの哺 乳動物由来のものであってもよい。 本発明め DN Aを対象動物に転移させるに あたっては、 該 DNAを動物細胞で発現させうるプロモーターの下流に結合し
た D NAコンストラク トとして用いるのが一般に有利である。 例えば、 本発明 のヒ ト D N Aを転移させる場合、 これと相同性が高い本発明の D NAを有する 各種哺乳動物 (例えば、 ゥサギ、 ィヌ、 ネコ、 モルモッ ト、 ハムスター、 ラッ ト、 マウスなど) 由来の D NAを発現させうる各種プロモーターの下流に、 本 発明のヒト D NAを結合した D NAコンストラク ト (例、 ベクターなど) を対 象哺乳動物の受精卵、 例えば、 マウス受精卵へマイクロインジヱクシヨンする ことによって本発明の D NAを高発現する D NA転移哺乳動物を作出すること ができる。
T G R 5の発現ベクターとしては、 大腸菌由来のプラスミ ド、 枯草菌由来の プラスミ ド、 酵母由来のプラスミ ド、 えファージなどのバタテリオファージ、 モロニ一白血病ウィルスなどのレトロウイルス、 ワクシニアウイ スまたはバ キュロウィルスなどの動物ウィルスなどが用いられる。 なかでも、 大腸菌由来 のプラスミ ド、 枯草菌由来のプラスミ ドまたは酵母由来のプラスミ ドなどが好 ましく用いられる。
上記の D NA発現調節を行なうプロモーターとしては、 例えば、 ①ウィルス (例、 シミアンウィルス、 サイ トメガロウィルス、 モロニ一白血病ゥイノレス、 J Cウィルス、 乳癌ウィルス、 ポリオウイルスなど) に由来する D NAのプロ モーター、 ②各種哺乳動物 (ヒ ト、 ゥサギ、 ィヌ、 ネコ、 モルモット、 ハムス ター、 ラット、 マウスなど) 由来のプロモーター、 例えば、 アルブミン、 イン スリン I I、 ゥロプラキン I I、 エラスターゼ、 エリスロポエチン、 エンドセ リン、 筋クレアチンキナーゼ、 グリア線維性酸性蛋白質、 ダルタチオン S—ト ランスフェラーゼ、 血小板由来成長因子 ]3、 ケラチン K l, 1:1 0ぉょび1:1 4、 コラーゲン I型および I I型、 サイクリック AMP依存蛋白質キナーゼ /3 Iサブュニッ ト、 ジストロフィン、 酒石酸抵抗性アル力リフォスファターゼ、 心房ナトリウム利尿性因子、 内皮レセプターチ口シンキナーゼ (一般に T i e 2と略される) 、 ナトリウムカリウムアデノシン 3リン酸ィ匕酵素 (N a , K— A T P a s e ) 、 ニューロフィラメント軽鎖、 メタ口チォネイン Iおよび I I A、 メタ口プロティナーゼ 1組織インヒビター、 MH Cクラス I抗原 (H- 2 L) 、 H— r a s、 レニン、 ドーパミン _水酸ィヒ酵素、 甲状腺ペルォキシダ
ーゼ (TPO) 、 ペプチド鎖延長因子 1ひ (EF- 1 ) 、 βァクチン、 ひおよ び 3ミオシン重鎖、 ミオシン軽鎖 1および 2、 ミエリン基礎蛋白質、 チログロ プリン、 Th y— 1、 免疫グロブリン、 H鎖可変部 (VNP) 、 血清アミロイ ド Pコンポーネント、 ミオグロビン、 トロポ ン C、 平滑筋ひァクチン、 プレ プロエンケフアリン A、 バソプレシンなどのプロモーターなどが用いられる。 なかでも、 全身で高発現することが可能なサイトメガロウィルスプロモーター、 ヒ トペプチド鎖延長因子 1 a (EF- 1 a) のプロモーター、 ヒ トおよびニヮ トリ 3ァクチンプロモーターなどが好適である。
上記ベクターは、 DN A転移哺乳動物において目的とするメッセンジャー R NAの転写を終結する配列 (一般にターミネータ一と呼ばれる) を有している ことが好ましく、 例えば、 ウィルス由来おょぴ各種哺乳動物由来の各 DNAの 配列を用いることができ、 好ましくは、 シミアンウィルスの SV40タ一ミネ 一ターなどが用いられる。
その他、 目的とする外来性 D N Aをさらに高発現させる目的で各 D N Aのス プライシングシグナル、 ェンハンサー領域、 真核 DNAのイントロンの一部な どをプロモーター領域の 5, 上流、 プロモーター領域と翻訳領域間あるいは翻 訳領域の 3' 下流 に連結することも目的により可能である。
正常な TGR 5の翻訳領域は、 ヒトまたは各種哺乳動物 (例えば、 ゥサギ、 ィヌ、 ネコ、 モルモット、 ハムスター、 ラット、 マウス、 サノレなど) 由来の肝 臓、 腎臓、 甲状腺細胞、 線維芽細胞由来 DNAおよび市販の各種ゲノム DNA ライブラリーよりゲノム DNAの全てあるいは一部として、または肝臓、腎臓、 甲状腺細胞、 線維芽細胞由来 RNAより公知の方法により調製された相補 DN Aを原料として取得することが出来る。 また、 外来性の異常 DNAは、 上記の 細胞または組織より得られた正常な T G R 5の翻訳領域を点突然変異誘発法に より変異した翻訳領域を作製することができる。
該翻訳領域は転移動物において発現しうる DNAコンストラタトとして、 前 記のプロモーターの下流およぴ所望により転写終結部位の上流に連結させる通 常の DN A工学的手法により作製することができる。
受精卵細胞段階における本発明の外来性 D N Aの転移は、 対象哺乳動物の胚
芽細胞および体細胞のすべてに存在するように確保される。 DNA転移後の作 出動物の胚芽細胞において、 本発明の外来性 DN Aが存在することは、 作出動 物の後代がすべて、 その胚芽細胞および体細胞のすべてに本発明の外来性 DN Aを保持することを意味する。 本発明の外来性 DNAを受け継いだこの種の動 物の子孫はその胚芽細胞および体細胞のすべてに本発明の外来性 D N Aを有す る。
本努明の外来性正常 DN Aを転移させた非ヒト哺乳動物は、 交配により外来 性 DNAを安定に保持することを確認して、 該 DNA保有動物として通常の飼 育環境で継代飼育することが出来る。
受精卵細胞段階における本発明の外来性 DN Aの転移は、 対象哺乳動物の胚 芽細胞および体細胞の全てに過剰に存在するように確保される。 D N A転移後 の作出動物の胚芽細胞において本発明の外来性 DN Aが過剰に存在することは、 作出動物の子孫が全てその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の外来性 DN Aを過.剰に有することを意味する。 本発明の外来性 DNAを受け継いだこの種 の動物の子孫はその胚芽細胞おょぴ体細胞の全てに本発明の外来性 D N Aを過 剰に有する。
導入 DNAを相同染色体の両方に持つホモザィゴート動物を取得し、 この雌 雄の動物を交配することによりすべての子孫が該 DN Aを過剰に有するように 繁殖継代することができる。
本発明の正常 DNAを有する非ヒト哺乳動物は、 本発明の正常 DNAが高発 現させられており、 内在性の正常 DNAの機能を促進することにより最終的に TGR5の機能亢進症を発症することがあり、 その病態モデル動物として利用 することができる。 例えば、 本発明の正常 DN A転移動物を用いて、 TGR5 の機能亢進症や、 TGR 5が関連する疾患の病態機序の解明およびこれらの疾 患の治療方法の検討を行なうことが可能である。
また、 本発明の外来性正常 DNAを転移させた哺乳動物は、 遊離した TGR 5の増加症状を有することから、 TGR 5に関連する疾患に対する治療薬のス クリーニング試験にも利用可能である。
—方、 本発明の外来性異常 DNAを有する非ヒト哺乳動物は、 交配により外
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95 来性 D N Aを安定に保持することを確認して該 D N A保有動物として通常の飼 育環境で継代飼育することが出来る。 さらに、 目的とする外来 DN Aを前述の プラスミドに組み込んで原料として用いることができる。 プロモーターとの D NAコンストラク卜は、 通常の DNA工学的手法によって作製することができ る。 受精卵細胞段階における本発明の異常 DNAの転移は、 対象哺乳動物の胚 芽細胞および体細胞の全てに存在するように確保される。 D N A転移後の作出 動物の胚芽細胞において本 明の異常 DN Aが存在することは、 作出動物の子 孫が全てその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の異常 DNAを有すること を意味する。 本発明の外来性 DNAを受け継いだこの種の動物の子孫は、 その 芽細胞および体細胞の全てに本発明の異常 DN Aを有する。 導入 DNAを相 同染色体の両方に持つホモザィゴート動物を取得し、 この雌雄の動物を交配す ることによりすべての子孫が該 DN Aを有するように繁殖継代することができ る。
本発明の異常 DNAを有する非ヒト哺乳動物は、 本発明の異常 DNAが高発 現させられており、 内在性の正常 DN Aの機能を阻害することにより最終的に TGR5の機能不活性型不応症となることがあり、 その病態モデル動物として 利用することができる。 例えば、 本発明の異常 DN A転移動物を用いて、 TG R 5の機能不活性型不応症の病態機序の解明およびこの疾患を治療方法の検討 を行なうことが可能である。
また、 具体的な利用可能性としては、 本発明の異常 DNA高発現動物は、 T GR5の機能不活性型不応症における本発明の異常 T G R 5による正常 T G R 5の機能阻害 (dominant negative作用) を解明するモデルとなる。
また、 本発明の外来異常 DN Aを転移させた哺乳動物は、 遊離した TGR5 の増加症状を有することから、 TGR 5の機能不活性型不応症に対する治療薬 スクリーニング試験にも利用可能である。
また、 上記 2種類の本発明の D N A転移動物のその他の利用可能性として、 例えば、
①組織培養のための細胞源としての使用、
②本発明の D N A転移動物の組織中の DNAもしくは RN Aを直接分析する力、
または DN Aにより発現された TGR 5を分析することによる、 TGR5によ り特異的に発現あるいは活性ィ匕する TGR 5との関連性についての解析、 ③ DNAを有する組織の細胞を標準組織培養技術により培養し、 これらを使用 して、 一般に培養困難な組織からの細胞の機能の研究、
④上記③記載の細胞を用いることによる細胞の機能を高めるような薬剤のスク リーニング、 および
⑤本発明の変異 TGR 5を単離精製およびその抗体作製などが考えられる。 さらに、 本発明の D N A転移動物を用いて、 T G R 5の機能不活性型不応症 などを含む、 TGR 5に関連する疾患の臨床症状を調べることができ、 また、 TGR5に関連する疾患モデルの各臓器におけるより詳細な病理学的所見が得 られ、 新しい治療方法の開発、 さらには、 該疾患による二次的疾患の研究およ び治療に貢献することができる。
また、 本発明の DNA転移動物から各臓器を取り出し、 細切後、 トリプシン などの蛋白質分解酵素により、 遊離した DN A転移細胞の取得、 その培養また はその培養細胞の系統化を行なうことが可能である。 さらに、 TGR5産生細 胞の特定化、 アポトーシス、 分化あるいは増殖との関連性、 またはそれらにお けるシグナル伝達機構を調べ、 それらの異常を調べることなどができ、 TGR 5およびその作用解明のための有効な研究材料となる。
さらに、 本発明の DN A転移動物を用いて、 T G R 5の機能不活性型不応症 を含む、 TGR 5に関連する疾患の治療薬の開発を行なうために、 上述の検查 法おょぴ定量法などを用いて、 有効で迅速な該疾患治療薬のスクリーニング法 を提供することが可能となる。 また、 本発明の DNA転移動物または本発明の 外来性 DNA発現ベクターを用いて、 TGR 5が関連する疾患の DNA治療法 を検討、 開発することが可能である。
(11) ノックァゥト動物
本発明は、 本発明の DNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞および 本発明の DNA発現不全非ヒト哺乳動物を提供する。
すなわち、 本発明は、
〔1〕 本発明の DNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞、
〔2〕 該 DNAがレポーター遺伝子 (例、 大腸菌由来の 一ガラクトシダーゼ 遺伝子) を導入することにより不活性化された第 〔1〕 項記載の胚幹細胞、 〔3〕 ネオマイシン耐性である第 〔1〕 項記載の胚幹細胞、
〔4〕 非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第 〔1〕 項記載の胚幹細胞、 〔5〕 ゲッ歯動物がマウスである第 〔4〕 項記載の胚幹細胞、
〔6〕 本発明の DNAが不活性化された該 DNA発現不全非ヒト哺乳動物、 〔7〕 該 DNAがレポーター遺伝子 (例、 大腸菌由来の 3—ガラクトシダーゼ 遺伝子) を導入することにより不活性化され、 該レポーター遺伝子が本発明の DNAに対するプロモーターの制御下で発現しうる第 〔6〕 項記載の非ヒト哺 乳動物、
〔8〕 非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第 〔6〕 項記載の非ヒト哺乳動物、 〔9〕 ゲッ歯動物がマウスである第 〔8〕 項記載の非ヒト哺乳動物、 および 〔10〕 第 〔7〕 項記載の動物に、 試験化合物を投与し、 レポーター遺伝子の 発現を検出することを特徴とする本発明の DN Aに対するプロモーター活性を 促進または阻害する化合物またはその塩のスクリ一二ング方法を提供する。 本発明の DNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞とは、 該非ヒト哺 乳動物が有する本発明の DNAに人為的に変異を加えることにより、 DNAの 発現能を抑制するか、 もしくは該 DN Aがコードしている TGR 5の活性を実 質的に喪失させることにより、 DNAが実質的に T G R 5の発現能を有さない (以下、 本発明のノックアウト DNAと称することがある) 非ヒト哺乳動物の 胚幹細胞 (以下、 ES細胞と略記する) をいう。
非ヒト哺乳動物としては、 前記と同様のものが用いられる。
本発明の DNAに人為的に変異を加える方法としては、 例えば、 遺伝子工学 的手法により該 DNA配列の一部又は全部の削除、 他 DNAを挿入または置換 させることによって行なうことができる。 これらの変異により、 例えば、 コド ンの読み取り枠をずらしたり、 プロモーターあるいはェキソンの機能を破壌す ることにより本発明のノックァゥト DNAを作製すればよい。
本発明の DN Aが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞 (以下、 本発明の DNA不活性化 E S細胞または本発明のノックァゥト ES細胞と略記する) の
具体例としては、 例えば、 目的とする非ヒト哺乳動物が有する本発明の DNA を単離し、 そのェキソン部分にネオマイシン耐性遺伝子、 ハイグロマイシン耐 性遺伝子を代表とする薬剤耐性遺伝子、 あるいは 1 a c Z (0—ガラクトシダ ーゼ遺伝子) 、 c a t (クロラムフエエコーノレァセチノレトランスフェラーゼ遺 伝子) を代表とするレポーター遺伝子等を挿入することによりェキソンの機能 を破壊するか、 あるいはェキソン間のィントロン部分に遺伝子の転写を終結さ せる D N A配列 (例えば、 po ly A付加シグナルなど) を揷入し、 完全なメッセ ンジャー RNAを合成できなくすることによって、 結果的に遺伝子を破壊する ように構築した DNA配列を有する DNA鎖 (以下、 ターゲッティングベクタ 一と略記する) を、 例えば相同組換え法により該動物の染色体に導入し、 得ら れた E S細胞について本発明の DN A上あるいはその近傍の DN A配列をプロ —ブとしたサザンハイブリダィゼーシヨン解析あるいはタ一ゲッティングべク タ一上の D N A配列とターゲッティングべクタ一作製に使用した本発明の D N A以外の近傍領域の DNA配列をプライマーとした PCR法により解析し、 本 発明のノックアウト E S細胞を選別することにより得ることができる。
また、 相同組換え法等により本発明の DNAを不活ィ匕させる元の E S細胞と しては、 例えば、 前述のような既に樹立されたものを用いてもよく、 また公知 Evansと Kaufmaの方法に準じて新しく樹立したものでもよい。 例えば、 マウスの ES細胞の場合、 現在、 一般的には 129系の E S細胞が使用されているが、 免疫学的背景がはっきりしていないので、 これに代わる純系で免疫学的に遺 的背景が明らかな E S細胞を取得するなどの目的で、 例えば、 C 57 B LZ 6 マウスや C57BL/6の採卵数の少なさを D B A/ 2との交雑により改善し た BDF マウス (C 57 B LZ6と DBA/2との を用いて樹立したも のなども良好に用いうる。 BDFiマウスは、 採卵数が多く、 かつ、 卵が丈夫で あるという利点に加えて、 C 57 BLZ 6マウスを背景に持つので、 これを用 いて得られた E S細胞は病態モデルマウスを作出したとき、 C 57 B LZ6マ ウスとバッククロスすることでその遺伝的背景を C57BLZ6マウスに代え ることが可能である点で有利に用い得る。
また、 ES細胞を樹立する場合、 一般には受精後 3. 5日目の胚盤胞を使用す
る力 これ以外に 8細胞期胚を採卵し胚盤胞まで培養して用いることにより効 率よく多数の初期胚を取得することができる。
また、 雌雄いずれの E S細胞を用いてもよいが、 通常雄の E S細胞の方が生 殖系列キメラを作出するのに都合が良い。 また、 煩雑な培養の手間を削減する ためにもできるだけ早く雌雄の判別を行なうことが望ましい。
E S細胞の雌雄の判定方法としては、 例えば、 P C R法により Y染色体上の 性決定領域の遺伝子を増幅、 検出する方法が、 その 1例としてあげることがで きる。 この方法を使用すれば、 従来、 核型分析をするのに約 1 0 6個の細胞数を 要していたのに対して、 1コロニー程度の E S細胞数(約 5 0個)で済むので、 培養初期における E S細胞の第一次セレクションを雌雄の判別で行なうことが 可能であり、 早期に雄細胞の選定を可能にしたことにより培養初期の手間は大 幅に削減できる。
また、 第二次セレクションとしては、 例えば、 G—バンデイング法による染 色体数の確認等により行うことができる。 得られる E S細胞の染色体数は正常 数の 1 0 0 %が望ましいが、 樹立の際の物理的操作等の関係上困難な場合は、 E S細胞の遺伝子をノックアウトした後、 正常細胞 (例えば、 マウスでは染色 体数が 2 n = 4 0である細胞) に再ぴクローニングすることが望ましい。
このようにして得られた胚幹細胞株は、 通常その増殖性は大変良いが、 個体 発生できる能力を失いやすいので、 注意深く継代培養することが必要である。 例えば、 S T O繊維芽細胞のような適当なフィーダー細胞上で L I F ( 1〜 1 0 0 0 0ひ/ ml) 存在下に炭酸ガス培養器内 (好ましくは、 5 %炭酸ガス、 9 5 %空気または 5 %酸素、 5 %炭酸ガス、 9 0 %空気) で約 3 7 °Cで培養するな どの方法で培養し、 継代時には、 例えば、 トリプシン Z E D T A溶液 (通常 0. 0 0 1〜0. 5 %トリプシン/ 0. 1〜 5 mM E D T A、 好ましくは約 0. 1 % トリプシン/ I mM E D TA) 処理により単細胞化し、 新たに用意したフィー ダー細胞上に播種する方法などがとられる。 このような継代は、 通常 1〜 3日 毎に行なうが、 この際に細胞の観察を行い、 形態的に異常な細胞が見受けられ た場合はその培養細胞は放棄することが望まれる。
E S細胞は、 適当な条件により、 高密度に至るまで単層培養するか、 または
細胞集塊を形成するまで浮遊培養することにより、 頭頂筋、 内臓筋、 心筋など の種々のタイプの細胞に分ィヒさせることが可能であり 〔M. J. Evans及び M. H. Kaufman, ネイチヤー (Nature) 第 292卷、 154頁、 1981年; G. R. Martin プロ シーディングス ·ォブ♦ナショナル ·アカデミー ·ォブ ·サイエンス ·ユーェ スエー (Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.) 第 78巻、 7634頁、 1981年; T. C.
Doetschman ら、 ジャーナノレ .ォブ ·ェンブリオロジー ·アンド ·ェクスペリメ ンタル ·モルフォロジ一、 第 87卷、 27頁、 1985年〕 、 本発明の ES細胞を分化 させて得られる本発明の DNA発現不全細胞は、 インビト口における TGR 5 または T G R 5の細胞生物学的検討にぉレ、て有用である。
本発明の DN A発現不全非ヒト哺乳動物は、 該動物の mRN A量を公知方法 を用いて測定して間接的にその発現量を比較することにより、 正常動物と区別 することが可能である。
該非ヒト哺乳動物としては、 前記と同様のものが用いられる。
本発明の DNA発現不全非ヒト哺乳動物は、 例えば、 前述のようにして作製 したタ一ゲッティングベクターをマウス胚幹細胞またはマウス卵細胞に導入し 導入によりターゲッティングベクタ一の本発明の D N Aが不活性化された D N A配列が遺伝子相同組換えにより、 マウス胚幹細胞またはマウス卵細胞の染色 体上の本発明の DNAと入れ換わる相同組換えをさせることにより、 本発明の DNAをノックァゥトさせることができる。
本発明の DNAがノックアウトされた細胞は、 本発明の DNA上またはその 近傍の DNA配列をプローブとしたサザンハイブリダィゼーション解析または ターゲッティングベクター上の DNA配列と、 ターゲッティングベクターに使 用したマウス由来の本発明の DN A以外の近傍領域の DN A配列とをプライマ 一とした PCR法による解析で判定することができる。 非ヒト哺乳動物胚幹細 胞を用いた場合は、 遺伝子相同組換えにより、 本発明の DNAが不活性化され た細胞株をクローエングし、 その細胞を適当な時期、 例えば、 8細胞期の非ヒ ト哺乳動物胚または胚盤胞に注入し、 作製したキメラ胚を偽飪娠させた該非ヒ ト哺乳動物の子宮に移植する。 作出された動物は正常な本発明の DN A座をも つ細胞と人為的に変異した本発明の D N A座をもつ細胞との両者から構成され
るキメラ動物である。
該キメラ動物の生殖細胞の一部が変異した本発明の DN A座をもつ場合、 こ のようなキメラ個体と正常個体を交配することにより得られた個体群より、 全 ての組織が人為的に変異を加えた本発明の DN A座をもつ細胞で構成された個 体を、 例えば、 コートカラーの判定等により選別することにより得られる。 こ のようにして得られた個体は、 通常、 TGR 5のへテロ発現不全個体であり、 TGR 5のへテロ発現不全個体同志を交配し、 それらの産仔から TGR 5のホ モ発現不全個体を得ることができる。
卵細胞を使用する場合は、 例えば、 卵細胞核内にマイクロインジェクシヨン 法で D N A溶液を注入することによりターゲッティングベクターを染色体内に 導入したトランスジエニック非ヒト哺乳動物を得ることができ、 これらのトラ ンスジエニック非ヒト哺乳動物に比べて、 遺伝子相同組換えにより本発明の D N A座に変異のあるものを選択することにより得られる。
このようにして本発明の DNAがノックァゥトされている個体は、 交配によ り得られた動物個体も該 DNAがノックァゥトされていることを確認して通常 の飼育環境で飼育継代を行なうことができる。
さらに、生殖系列の取得および保持についても常法に従えばよレ、。すなわち、 該不活化 DN Aの保有する雌雄の動物を交配することにより、 該不活化 DNA を相同染色体の両方に持つホモザィゴート動物を取得しうる。 得られたホモザ ィゴート動物は、 母親動物に対して、 正常個体 1, ホモザィゴート複数になる ような状態で飼育することにより効率的に得ることができる。 ヘテロザィゴー ト動物の雌雄を交配することにより、 該不活化 DN Aを有するホモザィゴート およびへテロザィゴート動物を繁殖継代する。
本発明の DNAが不活 f生化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞は、 本発明の DN A発現不全非ヒト哺乳動物を作出する上で、 非常に有用である。
また、 本発明の DNA発現不全非ヒト哺乳動物は、 TGR5により誘導され 得る種々の生物活性を欠失するため、 TGR 5の生物活性の不活性ィヒを原因と する疾病のモデルとなり得るので、 これらの疾病の原因究明及ぴ治療法の検討 に有用である。
( 1 1 a ) 本発明の D N Aの欠損や損傷などに起因する疾病に対して治療 ·予 防効果を有する化合物のスクリーニング方法
本発明の D N A発現不全非ヒト哺乳動物は、 本発明の D N Aの欠損や損傷な どに起因する疾病に対して治療 ·予防効果を有する化合物のスクリ一二ングに 用いることができる。
すなわち、 本発明は、 本発明の D N A発現不全非ヒト哺乳動物に試験化合物 を投与し、 該動物の変化を観察 ·測定することを特徴とする、 本発明の D N A の欠損や損傷などに起因する疾病に対して治療 ·予防効果を有する化合物また はその塩のスクリーニング方法を提供する。
該スクリーニング方法において用いられる本努明の D N A発現不全非ヒト哺 乳動物としては、 前記と同様のものがあげられる。
試験化合物としては、 例えば、 ペプチド、 蛋白質、 非ペプチド性化合物、 合 成化合物、 発酵生産物、 細胞抽出液、 植物抽出液、 動物組織抽出液、 血漿など があげられ、 これら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公知の化合物で あってもよレヽ。
試験化合物は塩を形成してい: もよく、 試験ィ匕合物の塩としては、 薬理学的 に許容される塩が好ましく、 例えば無機塩基との塩、 有機塩基との塩、 無機酸 との塩、 有機酸との塩、 塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。 無機塩基との塩の好適な例としては、 例えばナトリウム塩、 カリウム塩、 リ チウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、 マグネシウム塩などのアル力 リ土類金属塩;アルミ-ゥム塩、 アンモニゥム塩などが挙げられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、 例えばトリメチルァミン、 トリェチル ァミン、 ピリジン、 ピコリン、 エタノールァミン、 ジエタノールァミン、 トリ エタノールァミン、 ジシクロへキシルァミン、 N , N—ジベンジルエチレンジ ァミンなどとの塩が挙げられる。
無機酸との塩の好適な例としては、 例えば塩酸、 臭化水素酸、 硝酸、 硫酸、 リン酸などとの塩が挙げられる。
有機酸との塩の好適な例としては、 例えばギ酸、 酢酸、 トリフルォロ酢酸、 フマル酸、 シユウ酸、 酒石酸、 マレイン酸、 クェン酸、 コハク酸、 リンゴ酸、
メタンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸、 p—トルエンスルホン酸などとの塩 が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、 例えばアルギニン、 リジン、 ォ ルニチンなどとの塩が挙げられる。
酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、 例えばァスパラギン酸、 ダルタミ ン酸などとの塩が挙げられる。
具体的には、 本発明の DNA発現不全非ヒト哺乳動物を、 試験化合物で処理 し、 無処理の対照動物と比較し、 該動物の各器官、 組織、 疾病の症状などの変 化を指標として試験化合物の治療 ·予防効果を試験することができる。
試験動物を試験化合物で処理する方法としては、 例えば、 経口投与、 静脈注 射などが用いられ、 試験動物の症状、 試験化合物の性質などにあわせて適宜選 択することができる。 また、 試験化合物の投与量は、 投与方法、 試験化合物の 性質などにあわせて適宜選択することができる。
該スクリーニング方法において、 試験動物に試験ィ匕合物を投与した場合、 該 試験動物の血糖値や上記疾患症状が約 1 0 %以上、 好ましくは約 30 %以上、 より好ましくは約 50 %以上低下した場合、 該試験化合物を上記の疾患に対し て治療 ·予防効果を有する化合物として選択することができる。
該スクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩は、 上記した試 験ィ匕合物から選ばれた化合物であり、 T G R 5の欠損や損傷などによって引き 起こされる疾患、 例えば、 免疫機能、 マクロファージ機能などが亢進すること に起因する疾患 (例えば、 炎症性疾患、 移植医療後の過剰免疫反応など) に対 する安全で低毒性な治療 ·予防剤などの医薬として使用することができる。 さらに、 該スクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩は、 G l u c a g o n- 1 i k e p e p t i d e— 1 (GLP- 1) 分泌促進剤、 食欲抑制剤、 膝臓の再生剤、 腌 /3細胞分化剤、 膝) 3細胞增殖促進剤などとして も有効であり、 例えば、 糖尿病、 インスリン分泌不全、 膝疲弊、 肥満の予防 ' 治療剤として使用することができる。
また、 該スクリーユング方法を用いて得られる化合物またはその塩は、 例え ば、 ソマトスタチン、 コレシストキニン、 G l u c a g o n— l i k e Ό e
p t i d e— 2 (GLP— 2) , Ga s t o r i c i n h i b i t o r y p o l y p e p t i d e (= G l u c o s e d e p e n d e n t i n s u 1 i n o t r o p i c p e p t i d e) 、 G a s t r i n、 G a s t r i n r e l e a s i n g p e p t i d e、 グレリン、 グリセンチンなどの分泌調節 剤として使用することができる。
また、 上記スクリーニングで得られた化合物から誘導される化合物も同様に 用いることができる。
該スクリーニング方法で得られた化合物の塩としては、 薬理学的に許容され る塩が好ましく、 例えば無機塩基との塩、 有機塩基との塩、 無機酸との塩、 有 機酸との塩、 塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。
無機塩基との塩の好適な例としては、 例えばナトリゥム塩、 力リゥム塩、 リ チウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、 マグネシウム塩などのアル力 リ土類金属塩;アルミニウム塩、 アンモニゥム塩などが挙げられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、 例えばトリ チルァミン、 トリェチル ァミン、 ピリジン、 ピコリン、 エタノールァミン、 ジエタノールァミン、 トリ エタノールアミン、 ジシクロへキシ^/アミン、 N, N—ジベンジルエチレンジ ァミンなどとの塩が挙げられる。
無機酸との塩の好適な例としては、 例えば塩酸、 臭化水素酸、 硝酸、 硫酸、 リン酸などとの塩が挙げられる。
有機酸との塩の好適な例としては、 例えばギ酸、 酢酸、 トリフルォロ酢酸、 フマル酸、 シユウ酸、 酒石酸、 マレイン酸、 クェン酸、 コハク酸、 リンゴ酸、 メタンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸、 p—トルエンスルホン酸などとの塩 が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、 例えばアルギニン、 リジン、 ォ ルニチンなどとの塩が挙げられる。
酸性ァミノ酸との塩の好適な例としては、 例えばァスパラギン酸、 グルタミ ン酸などとの塩が挙げられる。
該スクリーエング方法で得られた化合物またはその塩を含有する医薬は、 前 記した T G R 5とリガンドとの結合性を変化させる化合物を含有する医薬と同
様にして製造することができる。
このようにして得られる製剤は、 安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒ トま たは哺乳動物 (例えば、 ラット、 マウス、 モルモット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ゥマ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して投与することができる。
'該化合物またはその塩の投与量は、 対象疾患、 投与対象、 投与ルートなどに より差異はあるが、 例えば、 該化合物またはその塩を経口投与する場合、 一般 的に例えば、 炎症性疾患患者 (体重 6 0 k gとして) においては、 一日につき 約 0 ·:!〜 1 00 m g、 好ましくは約 1. 0〜 5 0 m g、 より好ましくは約 1.
0〜2 Omgである。非経口的に投与する場合は、その 1回投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても異なるが、 例えば、 注射剤の形では 通常例えば、 炎症性疾患患者 (体重 6 O k gとして) においては、 一日につき 約 0. .0 1〜3 Omg程度、 好ましくは約 0. l〜20mg程度、 より好まし くは約 0. 1〜 1 0 m g程度を静脈注射により投与するのが好都合である。 他 の動物の場合も、 体重 60 k g当たりに換算した量を投与することができる。
(l i b) 本発明の DNAに対するプロモーターの活性を促進または阻害する 化合物またはその塩をスクリ一二ング方法
本発明は、本発明の DNA発現不全非ヒト哺乳動物に、試験化合物を投与し、 レポーター遺伝子の発現を検出することを特徴とする本発明の DNAに対する プロモーターの活性を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニン グ方法を提供する。
上記スクリーニング方法において、 本発明の DNA発現不全非ヒト哺乳動物 としては、 前記した本発明の DNA発現不全非ヒト哺乳動物の中でも、 本発明 の DNAがレポータ一遺伝子を導入することにより不活性化され、 該レポータ 一遺伝子が本発明の D N Aに対するプロモータ一の制御下で発現しうるものが 用いられる。
試験化合物としては、 前記と同様のものがあげられる。
レポーター遺伝子としては、 前記と同様のものが用いられ、 β—ガラク トシ ダーゼ遺伝子 (1 a c Z) 、 可溶性アルカリフォスファターゼ遺伝子またはル シフェラーゼ遺伝子などが好適である。
本発明の D N Aをレポータ一遺伝子で置換された本発明の D N A発現不全非 ヒト哺乳動物では、 レポーター遺伝子が本発明の DN Aに対するプロモーター の支配下に存在するので、 レポーター遺伝子がコードする物質の発現をトレー スすることにより、 プロモーターの活 14を検出することができる。
例えば、 TGR 5をコードする DN A領域の一部を大腸菌由来の 3—ガラク トシダーゼ遺伝子 ( 1 a c Z) で置換している場合、 本来、 TGR 5の発現す る組織で、 TGR 5の代わりに 0—ガラクトシダーゼが発現する。 従って、 例 えば、 5—ブロモー 4一クロ口一 3—インドリル一 ]3—ガラクトピラノシド ( X-g a 1 ) のような 一ガラクトシダーゼの基質となる試薬を用いて染色す ることにより、 簡便に TGR 5の動物生体内における発現状態を観察すること ができる。 具体的には、 TGR 5欠損マウスまたはその組織切片をダルタルァ ルデヒドなどで固定し、 リン酸緩衝生理食塩液 (PB S) で洗浄後、 X— g a 1を含む染色液で、 室温または 3 7 °C付近で、 約 30分ないし 1時間反応させ た後、 組織標本を ImM EDTA/PB S溶液で洗浄することによって、 β— ガラクトシダーゼ反応を停止させ、呈色を観察すればよい。 また、常法に従い、 1 a c Ζをコードする mRN Aを検出してもよい。
上記スクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩は、 上記した 試験ィヒ合物から選ばれた化合物またはその塩であり、 本発明の DNAに対する プロモーター活性を促進または阻害する化合物またはその塩である。
該スクリ一エング方法で得られた化合物の塩としては、 薬理学的に許容され る塩が好ましく、 例えば無機塩基との塩、 有機塩基との塩、 無機酸との塩、 有 機酸との塩、 塩基性または酸性ァミノ酸との塩などが挙げられる。
無機塩基との塩の好適な例としては、 例えばナトリゥム塩、 力リゥム塩、 リ チウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、 マグネシウム塩などのアル力 リ土類金属塩;アルミニウム塩、 アンモニゥム塩などが挙げられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、 例えばトリメチルァミン、 トリェチル ァミン、 ピリジン、 ピコリン、 エタノー^^ァミン、 ジエタノールァミン、 トリ エタノーノレアミン、 ジシクロへキシノレアミン、 N, N—ジベンジノレエチレンジ ァミンなどとの塩が挙げられる。
無機酸との塩の好適な例としては、 例えば塩酸、 臭化水素酸、 硝酸、 硫酸、 リン酸などとの塩が挙げられる。
有機酸との塩の好適な例としては、 例えばギ酸、 酢酸、 トリフルォロ酢酸、 フマル酸、 シユウ酸、 酒石酸、 マレイン酸、 クェン酸、 コハク酸、 リンゴ酸、 メタンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸、 p—トルエンスルホン酸などとの塩 が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、 例えばアルギニン、 リジン、 ォ ルニチンなどとの塩が挙げられる。
酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、 例えばァスパラギン酸、 ダルタミ ン酸などとの塩が挙げられる。
本発明の DN Aに対するプロモーター活性を促進する化合物またはその塩は、 中枢または末梢神経機能調節薬として有用である。
本発明の D N Aに対するプロモーター活性を促進する化合物またはその塩は、 TGR5の発現を促進し、 TGR 5の機能を促進することができるので、 例え ば、 TGR 5の機能不全に関連する疾患などの予防。治療薬などの医薬として 有用である。
本発明の DN Aに対するプロモーター活性を阻害する化合物またはその塩は、 TGR 5の発現を阻害し、 TGR 5の機能を阻害することができるので、 例え ば、 TGR 5の発現過多に関連する疾患などの予防 ·治療薬などの医薬として 有用である。
TGR 5の機能不全に関連する疾患としては、 例えば、 免疫機能、 マクロフ ァージ機能などが亢進することに起因する疾患 (例えば、 炎症性疾患、 移植医 療後の過剰免疫反応など) などが挙げられる。
TGR 5の過剰発現に起因する疾患としては、 例えば、 免疫機能、 マクロフ ァージ機能などが抑制されることに起因する疾患 (例えば、 免疫不全、 感染症 など) などが挙げられる。
また、 本発明の DNAに対するプロモーター活性を促進する化合物またはそ の塩は、 G l u c a g o n— l i k e p e p t i d e— 1 (GLP— 1) 分 泌促進剤、 食欲抑制剤、 膝臓の再生剤、 膝 0細胞分化剤、 瞵 ]3細胞増殖促進剤
などとしても有効であり、 例えば、 糖尿病、 インスリン分泌不全、 瞎疲弊、 肥 満の予防 ·治療剤として使用することができる。
本発明の DN Aに対するプロモーター活性を阻害する化合物またはその塩は、 G l u c a g o n— l i k e p e p t i d e- 1 (GL.P- 1)分泌抑制剤、 瞵 0細胞分化抑制剤、 滕 ]3細胞増殖抑制剤として有効であり、 例えば、 低血糖 の予防 ·治療剤として使用することができる。
また、 本発明の D N Aに対するプロモータ一活性を促進または阻害する化合 物またはその塩は、 例えば、 ソマトスタチン、 コレシストキニン、 G 1 u c a g o n— l i k e p e p t i d e— 2 (GLP— 2)、 Ga s t o r i c i nh i b i t o r y p o l y p e p t i d e (=G 1 u c o s e d e p e n d e n t i n s u l i n o t r o p i c p e p t i d e) 、 Ga s t r i n、 Ga s t r i n r e l e a s i n g p e p t i d e、 グレリン、 グ リセンチンなどの分泌調節剤として使用することができる。
さらに、 上記スクリーニングで得られた化合物から誘導される化合物も同様 に用いることができる。
該スクリーニング方法で得られた化合物またはその塩を含有する医薬は、 前 記した T G R 5またはその塩とリガンドとの結合性を変化させる化合物または その塩を含有する医薬と同様にして製造することができる。
このようにして得られる製剤は、 安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒトま たは哺乳動物 (例えば、 ラット、 マウス、 モルモット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ゥマ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、 対象疾患、 投与対象、 投与ルートなどに より差異はあるが、 例えば、 本発明の DNAに対するプロモーター活性を促進 する化合物またはその塩を経口投与する場合、 一般的に例えば、 炎症性疾患患 者 (体重 60 k gとして) においては、 一日につき約 0.1〜: I 00mg、 好ま しくは約 1. 0〜50mg、 より好ましくは約 1. 0〜20mgである。 非経 口的に投与する場合は、 その 1回投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方 法などによっても異なるが、 例えば、 注射剤の形では通常例えば、 炎症性疾患 患者 (体重 60 k gとして) においては、 一日につき約 0. 01〜30mg程
度、 好ましくは約 0. 1〜2 Omg程度、 より好ましくは約 0. 1〜: L Omg 程度を静脈注射により投与するのが好都合である。 他の動物の場合も、 体重 6 0 k g当たりに換算した量を投与することができる。
このように、 本発明の DNA発現不全非ヒト哺乳動物は、 本発明の DNAに 対するプロモーターの活性を促進または阻害する化合物またはその塩をスクリ 一二ングする上で極めて有用であり、 本発明の DNA発現不全に起因する各種 疾患の原因究明または予防 ·治療薬の開発に大きく貢献することができる。 また、 TGR 5のプロモーター領域を含有する DNAを使って、 その下流に 種々の蛋白質をコードする遺伝子を連結し、 これを動物の卵細胞に注入してい わゆるトランスジエニック動物 (遺伝子移入動物) を作成すれば、 特異的にそ の TGR 5を合成させ、 その生体での作用を検討することも可能となる。 さら に上記プロモーター部分に適当なレポーター遺伝子を結合させ、 これが発現す るような細胞株を樹立すれば、 TGR 5そのものの体内での産生能力を特異的 に促進もしくは抑制する作用を持つ低分子化合物の探索系として使用できる。 本発明化合物は、 式
〔式中、 R R2および R3はそれぞれ水素原子またはハロゲン化されていて もよい C^eアルキル基を、 Xは結合手、 一 O—、 一 NR— (Rは水素原子ま たは低級アルキル基を示す) または一 S—を、 Yは置換されていてもよいじ丄 —5アルキレン基を、 A r 1および A r 2はそれぞれ置換されていてもよい単環 性芳香族基を示す。 〕 で表される化合物またはその塩あるいはそのプロドラ ッグ (以下、 本発明化合物と略称する) である。
R R2および R3で示される 「ハロゲン化されていてもよい 6アルキ ル基」 の「じ — 6アルキル基」 としては、例えば、メチル、ェチル、 プロピル、 ィソプロピノレ、プチル、ィソプチル、 sec—プチル、 tert—ブチル、ペンチル、
へキシルなどの直鎖状または分枝状の C _ 6アルキル基などが用いられ、なか でもメチル、 ェチル、 プロピル、 イソプロピルなどの 3アルキル基が好ま しく、 特にメチル基が好ましい。
該 C i _ 6アルキル基に置換していてもよいハロゲン原子としては、 例えば、 フッ素原子、 塩素原子、 臭素原子、 ヨウ素原子などが用いられ、 特にフッ素 原子が好ましい。
R R 2および R 3としては、水素原子または アルキル基が好ましく、 特に、 水素原子またはメチル基が好ましい。
Rで示される低級アルキル基としては、 例えば、 メチル、 ェチル、 プロピ ル、 イソプロピノレ、 ブチノレ、 イソブチノレ、 sec—ブチノレ、 tert—ブチノレ、 ペン チル、へキシルなどの直鎖状または分枝状の C x― 6アルキル基などが用!、られ、 なかでもメチル、 ェチル、 プロピルなど 3アルキル基が好ましい。
Yで示される 「置換されていてもよい アルキレン基」 の r C i— 5アル キレン基」 としては、 例えば、 メチレン、 エチレン、 プロピレン、 プチレン、 ペンチレンが用いられ、 なかでもメチレン、 エチレン、 プロピレンなどの C 1
—3アルキレン基が好ましい。
該 rc ^ sアルキレン基」が有していてもよい置換基としては、例えば、 (i) ニトロ基、 (ii)ヒ ドロキシ基、 ォキソ基、 (iii)シァノ基、 (iv)力ルバモイル 基、 (V)モノ一またはジーじ - 6アルキル一力ルバモイル基 (例えば、 N—メ チルカルバモイル、 N—ェチルカルバモイル、 N, N—ジメチルカルバモイ ル、 N, N—ジェチルカルバモイルなど;該アルキル基はハロゲン原子、 ヒ ドロキシ基、 アルコキシ基などで置換されていてもよい) 、モノ一また はジ一 C 2— 4アルケニルー力ルバモイル基 (例えば、 N—ァリルカルバモイル など;該ァルケ-ル基はハロゲン原子、 ヒ ドロキシ基、 Cト 6アルコキシ基な どで置換されていてもよい) 、 モノーまたはジーフエ二ルー力ルバモイル基 (該フ工ニル基はハ口ゲン原子、 ハ口ゲン原子で置換されていてもよい 6アルキル、 アルコキシ基などで置換されていてもよい) 、 モノーまた はジ一べンジノレ一力ルバモイノレ基 (該ベンジル基はハロゲン原子、 ノヽロゲン
原子で置換されていてもよい — 6アルキル、 C — 6アルコキシ基などで置換 されていてもよい) 、 C !— 6アルコキシ一カルボ-ルー力ルバモイル基、 C J —6アルキルスルホ二ルー力ルバモイル基、 Cト 6アルコキシ一力ルバモイル 基、ァミノ一力ルバモイル基、モノ一またはジ一 C 6アルキルァミノーカル バモイル基、 モノーまたはジ一フエニルアミノー力ルバモイル基、 (vi)カル ボキシル基、 (vii)〇 6アルコキシ一カルボニル基 (例えば、 メ トキシカル ボニル、 ェトキシカルボ二ノレ、 プロポキシカルボニル、 ィソプロポキシ力ノレ ボニルなど) 、 (vi ii)ハロゲン原子 (例えば、 フッ素、 塩素、 臭素、 ヨウ素 など) 、 (ix)ハロゲン化されていてもよい アルコキシ基 (例えば、 メ ト キシ、 エトキシ、 プロボキシ、 イソプロポキシなど) 、 ヒ ドロキシ基で置換 されていてもよい 6アルコキシ基、カルボキシル基で置換されていてもよ い C i— 6アルコキシ基、 C — 6アルコキシ一カルボニル基で置換されていても よい C卜 6アルコキシ基、 C — 6アルコキシ一 — 6アルコキシ基、 0 6ァ ルコキシ一C i— 6アルコキシ一 C i— 6アルコキシ基、 (X)フエノキシ一 C 6 アルキル基、 フエノキシ一 C 6アルコキシ基、 C アルキルカルボ二ルー ォキシ基、力ルバモイルォキシ基、モノ一またはジ一 C i— 6アルキル一力ルバ モイルォキシ基、 (xi)ハロゲン化されていてもよいフエニル基、 ハロゲンィ匕 されていてもよいフエ二ルー 一 6アルキル基、ハロゲン化されていてもよい フエニル一 c 2_4ァルケ-ル基、 ハロゲン化されていてもよいフエノキシ基 (例えば、 o—, m—または p—クロロフエノキシ、 o—, m—または p— プロモフエノキシなど) 、 ピリジルォキシ基、 。シクロアルキル基、 C 3一 1 0シクロアルキル一 — 6アルコキシ基、 C 3— 。シクロアルキル一じ 6 アルキル基、 (xi i)ハロゲン化されていてもよい — 6アルキル基 (例えば、 メチル、 ェチル、 プロピル、 イソプロピル、 プチルなど) 、 ハロゲン化され ていてもよい C 2 _ 6アルケニル基 (例えば、 ビュル、 ァリル、 2—ブテニル、 3—ブテュルなど) 、 ハロゲン化されていてもよい アルキルチオ基 (例 えば、 メチルチオ、 ェチルチオ、 n—プロピルチオ、 イソプロピルチオ、 n 一ブチルチオなど)、ヒ ドロキシ基で置換されていてもよい C i _ 6アルキル基、
ヒ ドロキシ基で置換されていてもよい アルキルチオ基、(Xi i i)メルカプ ト基、 チォキソ基、 (xiv)ハロゲン原子、 カルボキシル基および アルコ キシ一力ルポニル基から選ばれる置換基でそれぞれ置換されていてもよいべ ンジルォキシ基またはべンジルチオ基、 (XV)ハ口ゲン化されていてもよいフ ェニルチオ基、 ピリジルチオ基、 フエ二ルチオ一 — 6アルキル基、 ピリジル チォ一 C 6アルキル基、 (xvi)ハロゲン化されていてもよい C 6アルキル スルフィニル基 (例えば、 メチルスルフィエル、 ェチルスルフィニルなど) 、 フエニノレスノレフィエル基、フエ-ルスルフィエル一 C卜6アルキノレ基、 (xvii) ノヽロゲン化されていてもよい d— eアルキルスルホ -ル基(例えば、メチルス ルホニル、 ェチルスルホニルなど) 、 フエニルスルホニル基、 フエニルスル ホニルー d— eアルキル基、 (xviii)アミノ基、 アミノスルホニル基、 モノー またはジー 6アルキルアミノスルホニル基(例えば、 メチルアミノスルホ ニル、 ェチノレアミノスルホニノレ、 N , N—ジメチルアミノスノレホニノレ、 N , N—ジェチルァミノスルホニルなど;該アルキル基はハロゲン原子、 ヒ ドロ キシ基、 — 6アルコキシ基などで置換されていてもよい) 、 ( 丄ズ じ 。 ァシルーアミノ基(例えば、 C x _ 6アル力ノィルァミノ(例、ホルミルァミノ、 ァセチルアミノ、 トリフルォロアセチルァミノ、 プロピオニルァミノ、 ピパ ロイルァミノ等)、ベンゾィルァミノ、 C j _ 6アルキルスルホニルァミノ (例、 メタンスルホ -ルァミノ、 トリフルォロメタンスルホ -ルァミノ等) 、 C 6— 0ァリールスルホ -ルァミノ (例、 ベンゼンスルホニルァミノ、 トルエンス ルホニルァミノ等) ; C i。ァシルはハロゲン原子、 アルキル基、
—6アルコキシ基、 ヒ ドロキシ基、 カルボキシル基などで置換されていてもよ い) 、 ベンジルォキシカルボエルァミノ、 ノヽロゲン化されていてもよい C — 6アルコキシカルボニルァミノ、 カルパモイルァミノ基、 モノーまたはジー C i _ 6アルキル力ルバモイルァミノ基、 (XX)モノーまたはジー — 6アルキルァ ミノ基 (例えば、 メチルァミノ、 ェチルァミノ、 ジメチルァミノ、 ジェチル ァミノなど;該アルキル基はハロゲン原子、 ヒ ドロキシ基、 アルコキシ 基などで置換されていてもよい)、モノーまたはジ一 C ^ eアルカノィルアミ
ノ基 (例えば、 ホルミルァミノ、 ァセチルァミノなど;該アルカノィル基は ハロゲン原子、 ヒ ドロキシ基、 アルコキシ基などで置換されていてもよ い)、 フエニルアミノ、ベンジルァミノ、 一 6アルキル(ベンジル) ァミノ、
— 6アルカノィル (ベンジル)ァミノ、 (xxi) 4ないし 8員環状アミノ基(例 えば、 1—ァゼチジニル、 1一ピロリジニル、 ピペリジノ、 モルホリノ、 チ オモルホリノ、 1ーピペラジニルなど) 、 4ないし 8員環状アミノーカルボ 二ノレ基 (例えば、 1一ァゼチジニルカルボニル、 1一ピロリジ-ルカルポ二 ル、 ピペリジノカルボニル、 モノレホリノカルボニル、 チオモルホリノカルボ ニル、 1—ピペラジ-ルカルボニルなど) 、 4ないし 8員環状アミノーカル ボニルーォキシ基 (例えば、 1一ピロリジニルカルポ-ルォキシ、 ピベリジ ノカノレポニノレオキシ、 モノレホリノカノレポニノレオキシ、 チ才モルホリノカノレポ ニルォキシ、 1ーピペラジニルカルボ-ルォキシなど) 、 4ないし 8員環状 アミノーカルボ二ルーアミノ基 (例えば、 1一ピロリジ -ルカルボニルアミ ノ、 ピペリジノカルボ-ルァミノ、 モルホリノ力ルポニルァミノ、 チオモル ホリノカルボニルァミノ、 1ーピペラジニルカルポニルァミノなど) 、 4な いし 8員環状アミノースルホ -ル基(例えば、 1一ピロリジニルスルホニル、 ピペリジノスルホ二ノレ、モルホリノス /レホニル、チオモルホリノスルホ二ル、 1—ピペラジニルスルホニルなど)、 4ないし 6員環状アミノー C卜 6アルキ ル基、 (xxi i)ハロゲン原子、 〇卜6アルキル基、 ぃ6アルコキシ基、 カルボ キシル基および C i— 6アルコキシ一力ルポ二ル基から選ばれる置換基でそれ ぞれ置換されていてもよい C i - 6ァシル基 (例えば、 ホルミル、 ァセチルなど のハロゲン化されていてもよい C 2— 6アル力ノィルなど)またはべンゾィル基、 Oociii)酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子 1ない し 3種 (好ましくは 1ないし 2種) を少なくとも 1個 (好ましくは 1ないし 4個、 さらに好ましくは 1ないし 2個) 含む 4ないし 1 0員複素環基 (例え ば、' 2—または 3—チェニル、 2—または 3—フリル、 3—, 4一または 5 一ピラゾリル、 2—, 4一または 5—チアゾリル、 3—, 4—または 5—ィ ソチアゾリル、 2—, 4一または 5—ォキサゾリル、 1 , 2, 3—または 1 ,
2, 4一トリァゾリル、 1 H—または 2 H—テトラゾリル、 2—, 3—また は 4一ピリジル、 2—, 4一または 5—ピリミジル、 3—または 4—ピリダ ジ -ル、 キノリル、 イソキノリル、 インドリルなど;該複素環基は C 一 6アル キル基などで置換されていてもよい) 、 (xxiv)酸素原子、 硫黄原子および窒 素原子等から選ばれたヘテロ原子 1ないし 3種 (好ましくは 1ないし 2種) を少なくとも 1個 (好ましくは 1ないし 4個、 さらに好ましくは 1ないし 2 個) 含む 5ないし 1 0員複素環一カルボエル基 (例えば、 2 _または 3—チ ェニルカルボニル、 2—または 3—フリル力ルポエル、 3—, 4一または 5 —ビラゾリルカルポ-ル、 2—, 4—または 5—チアゾリルカルボ -ル、 3 ―, 4—または 5 _イソチアゾリルカルポ-ル、 2—, 4一または 5—ォキ サゾリルカルボニル、 1, 2, 3—または 1 , 2 , 4一トリァゾリルカルボ -ル、 1 H—または 2 H—テトラゾリルカルポニル、 2—, 3—または 4 _ ピリジルカルボニル、 2—, 4一または 5—ピリミジルカルボュル、 3—ま たは 4—ピリダジニノレカルボ二ノレ、 キノリルカルボニル、 イソキノリノレ力ノレ ボニル、インドリルカルボニルなど;該複素環基は C i— 6アルキル基などで置 換されていてもよい) 、 (XXV)ヒ ドロキシィミノ基、 6アルコキシィミノ 基、 C 4ァリール基(例えば、 1—または 2—ナフチルなど)および(xxvi) ハロゲン化されていてもよい直鎖状または分枝状の C ^ 6アルキレンジォキ シ基(例えば、 メチレンジォキシ、 エチレンジォキシ、 プロピレンジォキシ、 テトラフルォロエチレンジォキシなど) (以上、 置換基 A群) などが用いら れる。
A r 1または A r 2で示される 「置換されていてもよい単環性芳香族基」 の 「単環性芳香族基」 としては、 例えば、 単環性芳香族炭化水素基または単環 性芳香族複素環基が用いられる。
単環性芳香族炭化水素基としては、フエニル基などの単環性 C 6— 8ァリール 基などが用いられ、 特にフエ-ル基が好ましい。
' 単環性芳香族複素環基としては、 例えば、 環系を構成する原子 (環原子) として、 酸素原子、 硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子 1な
いし 3種 (好ましくは 1ないし 2種) を少なくとも 1個 (好ましくは 1ない し 4個、 さらに好ましくは 1ないし 2個) 含む 5ないし 8員の単環性芳香族 複素環基などが用いられ、 具体的には、 フリル、 チェニル、 ピロリル、 ォキ サゾリル、 ィソォキサゾリル、 チアゾリル、 ィソチアゾリノレ、 イミダゾリル、 ピラゾリル、 1, 2, 3—ォキサジァゾリル、 1, 2 , 4—ォキサジァゾリル、 1, 3, 4一ォキサジァゾリル、 フラザ-ル、 1 , 2, 3—チアジアゾリル、 1, 2, 4ーチアジアゾリル、 1, 3 , 4—チアジアゾリル、 1 , 2, 3—ドリアゾリ ル、 1 , 2, 4一トリァゾリル、 テトラゾリル、 ピリジル、 ピリダジニル、 ピ リ ミジニル、 ピラジニル、 トリアジ-ルなどの 5または 6員の単環性芳香族 複素環基が好ましく用いられる。 特に、 チェニル基が好ましい。
A r 1または A r 2で示される 「単環性芳香族基」 が有していてもよい置換 基としては、 例えば、 ハロゲン原子 (例えば、 フッ素、 塩素、 臭素、 ヨウ素 など) 、 ニトロ基、 シァノ基、 置換されていてもよい炭化水素基、 置換され ていてもよい複素環基、 置換されていてもよいヒ ドロキシ基、 置換されてい てもよぃチオール基、 置換スルフィエル基、 置換スルホニル基、 置換されて いてもよいアミノ基、 ァシル基、 置換されていてもよい力ルバモイル基、 ェ ステル化されていてもよいカルボキシル基または C _ 3アルキレンジォキシ 基 (以上、 置換基 B群) などが挙げられる。
「単環性芳香族基」 が有していてもよい置換基としての 「置換されていて もよい炭化水素基」 の 「炭化水素基」 としては、 例えばアルキル基、 シクロ アルキル基、 アルケニル基、 シクロアルケニル基、 アルキニル基、 ァラルキ ル基、 ァリール基などが挙げられる。
該 「アルキル基」 としては、 例えばメチル、 ェチル、 プロピル、 イソプロ ピル、 ブチル、 イソプチル、 sec—プチル、 tert—プチノレ、 ペンチル、 へキシ ル、 ヘプチル、 ォクチル、 ノエル、 デシル、 ゥンデシル、 トリデシル、 テト ラデシル、 ペンタデシルなどの 「直鎖状または分枝状の アルキル基」 など、 好ましくは アルキル基が用いられ、 より好ましくは アルキ ル基が用いられ、 さらに好ましくは C ^ 4アルキル基が用いられる。
該「シクロアルキル基」 としては、例えばシクロプロピル、 シクロブチル、 シクロペンチル、 シクロへキシ/レ、 シクロへプチノレ、 シクロォクチノレ、 ァダ マンチルなどの 「c3— 10シクロアルキル基」 などが用いられ、 より好ましく は C3_8シクロアルキル基が用いられ、 さらに好ましくは C5— 7シクロァルキ ル基が用いられる。
該 「アルケニル基」 としては、 例えばビニル、 ァリル、 イソプロぺニル、 3—ブテニル、 3—ォクテニル、 9ーォクタデセニルなどの 「C2— 18ァルケ ニル基」 などが用いられ、 より好ましくは C2_6アルケニル基が用いられ、 さ らに好ましくは c2_4アルケ-ル基が用いられる。
該 「シクロアルケニル基」 としては、 例えばシクロプロぺニル、 シクロブ テュル、 シク口ペンテ二ノレ、 シク口へキセニル、 シク口へプテニノレ、 シクロ オタテュルなどの 「c3— 10シクロアルケニル基」 などが用いられ、 より好ま しくは C3-8シクロアルケニル基が用いられ、 さらに好ましくは c5_7シク口 アルケニル基が用いられる。
該 「アルキニル基」 としては、 例えば、 ェチュル、 1一プロピニル、 プロ ノ ノレギル、 1一プチニル、 2—プチニル、 1一ペンチ-ノレ、 2—ペンチュル、 3—ペンチニルなどの 「C2_8アルキ-ル基」 などが用いられ、 より好ましく は C2— 6アルキ-ル基が用いられ、 さらに好ましくは C2_4アルキニル基が用 いられる。
該 「ァラルキル基」 としては、 C7— 16ァラルキル基などが用いられ、 具体 的には、 例えばベンジル、 フエネチル、 3—フエュルプロピル、 4一フエ二 ルブチルなどのフエ二ルー C — 6アルキル基おょぴ、 例えば (1一ナフチル) メチル、 2— (1一ナフチル) ェチル、 2— (2—ナフチル) ェチルなどの ナフチルー アルキル基などが用いられる。
該 「ァリール基」 としては、 例えばフエニル、 1一ナフチル、 2—ナフチ ル、 フエナントリル、 アントリル (anthryl)などの芳香族単環式、 2環式また は 3環式の C6— 14ァリール基、 ビフヱニル基、 トリル基などが用いられ、 好 ましくは、 フエニル、 ナフチルなどの C e— 10ァリール基、 より好ましくはフ
ェニルが用いられる。
「単環性芳香族基」 が有していてもよい置換基としての 「置換されていて もよい炭化水素基」 における 「炭化水素基」 が有していてもよい置換基とし ては、 例えば、 (i)ヒ ドロキシ基、 (ii)ォキソ基、 (iii)シァノ基、 (iv)カル バモイル基、(V)モノーまたはジー C i _ 6アルキル一力ルバモイル基(例えば、 N—メチルカルパモイノレ、 N—ェチノレカノレバモイノレ、 N , N—ジメチルカル パモイル、 N , N—ジェチルカルバモイルなど;該アルキル基はハロゲン原 子、 ヒ ドロキシ基、 C ^ 6アルコキシ基などで置換されていてもよい) 、 モノ 一またはジー C 2— 4アルケニル—力ルバモイル基 (例えば、 N—ァリル力ルバ モイルなど;該ァルケ二ル基はハロゲン原子、 ヒ ドロキシ基、 — 6アルコキ シ基などで置換されていてもよい) 、 モノ一またはジーフエ-ルーカルバモ ィル基 (該フエ-ル基はハロゲン原子、 ハロゲン原子で置換されていてもよ い C i— 6アルキル、 C i— 6アルコキシ基などで置換されていてもよレ、) 、 モノ 一またはジーベンジルーカルパモイル基 (該ベンジル基はハロゲン原子、 ノヽ ロゲン原子で置換されていてもよい アルキル、 アルコキシ基など で置換されていてもよい)、 C i _ 6アルコキシ一カルボ-ルー力ルバモイル基、 C ^ 6アルキルスルホ二ルー力ルバモイル基、 C i— 6アルコキシ一力ルバモイ ル基、アミノー力ルバモイル基、モノーまたはジ一 — 6アルキルアミノー力 ルバモイル基、 モノ一またはジーフエ-ルァミノー力ルバモイル基、 (vi)力 ルポキシル基、 (vi i) C 6アルコキシ一カルボニル基 (例えば、 メ トキシカ ルポニル、 エトキシカルボニル、 プロポキシカルボニル、 イソプロポキシ力 ルポニルなど) 、 (vii i)ハロゲン原子 (例えば、 フッ素、 塩素、 臭素、 ヨウ 素など) 、 (ix)ハロゲン化されていてもよい C - 6アルコキシ基 (例えば、 メ トキシ、 エトキシ、 プロボキシ、 イソプロポキシなど) 、 ヒ ドロキシ基で置 換されていてもよい C ^ eアルコキシ基、カルボキシル基で置換されていても よい C アルコキシ基、 C 6アルコキシ—カルボニル基で置換されていて もよい C — 6アルコキシ基、 C 6アルコキシ一 C 6アルコキシ基、 C — 6 アルコキシ一 d— eアルコキシ一 — 6アルコキシ基、 (X)フエノキシ一〇ェ一
6アルキル基、 フエノキシ一 C i— eアルコキシ基、 C 6アルキルカルボニル 一ォキシ基、力ルバモイルォキシ基、モノーまたはジー C レ^アルキル一カル バモイルォキシ基、 (xi)ハロゲン化されていてもよいフヱニル基、 ハロゲン 化されていてもよいフエ二ルー アルキル基、ハロゲン化されていてもよ いフエ二ルー C 2— 4アルケニル基、ノヽロゲン化されていてもよいフエノキシ基 (例えば、 o—, m—または p—クロロブエノキシ、 o—, m—または p— ブロモフエノキシなど) 、 ピリジルォキシ基、 C 3— 1 0シクロアルキル基、 C 3— i。シクロアルキル一 C 6アルコキシ基、 C 3— 1 0シクロアルキル一 C 6 アルキル基、 (xii)ハロゲン化されていてもよい C i _ 6アルキル基 (例えば、 メチル、 ェチル、 プロピル、 イソプロピル、 ブチルなど) 、 ハロゲン化され ていてもよい C 2 _ 6アルケニル基 (例えば、 ビュル、 ァリル、 2—プテュル、 3—プテュルなど) 、ハロゲン化されていてもよい — 6アルキルチオ基 (例 えば、 メチルチオ、 ェチルチオ、 n—プロピルチオ、 イソプロピルチオ、 n 一ブチルチオなど)、ヒ ドロキシ基で置換されていてもよい アルキル基、 ヒ ドロキシ基で置換されていてもよい C 6アルキルチオ基、(xiii)メルカプ ト基、 (xiv) チォキソ基、 (XV)ハロゲン原子、 カルボキシル基および アルコキシ一カルボエル基から選ばれる'置換基でそれぞれ置換されていても よいベンジルォキシ基またはべンジルチオ基、 (xvi)ハロゲン化されていても よいフエ二ルチオ基、 ピリジルチオ基、 フエ二ルチオ一 C i— 6アルキル基、 ピ リジルチオ一 C — 6アルキル基、 (xvi.i)ハロゲン化されていてもよい C 6ァ ノレキルスルフィニル基 (例えば、 メチルスルフィエル、 ェチルスルフィニル など)、フエニルスルブイニル基、フェニルス/レフィエル一 C 1― 6アルキル基、
(xvii i)ハロゲン化されていてもよい 6アルキルスルホニル基 (例えば、 メチルスノレホニル、 ェチルスノレホニルなど) 、 フエニノレスノレホニル基、 フエ ニルスルホニルー C 6アルキル基、 (xix)ア ミノ基、 ア ミノスルホニル基、 モノ一またはジー C i _ 6アルキルアミノスルホニル基(例えば、メチルァミノ スルホニル、ェチルアミノスルホ -ル、 N, N—ジメチルアミノスルホ -ル、 N , N—ジェチルアミノスルホニルなど;該アルキル基はハロゲン原子、 ヒ
ドロキシ基、 6アルコキシ基などで置換されていてもよい) 、 Oo d— i
。ァシルーアミノ基 (例えば、 C i— 6アルカノィルァミノ (例、 ホルミルアミ ノ、 ァセチルァミノ、 トリフルォロアセチルアミノ、 プロピオニルァミノ、 ビバロイルァミノ等) 、ベンゾィルァミノ、 C 6アルキルスルホニルァミノ (例、 メタンスルホニルァミノ、 トリフルォロメタンスルホニルアミノ等) 、 C 6— 1 0ァリ一ルスルホ -ルァミノ (例、 ベンゼンスルホニルァミノ、 トルェ ンスルホニルァミノ等) ; C i。ァシルはハロゲン原子、じ 6アルキル基、 d— 6アルコキシ基、 ヒ ドロキシ基、カルボキシル基などで置換されていても よい) 、 ペンジノレオキシカルボニノレアミノ、 ハロゲン化されていてもよい c —6アルコキシカルボ-ルァミノ、 カルパモイルァミノ基、 モノーまたはジー C 丄— 6アルキル力ルバモイルァミノ基、 (xxi)モノ一またはジ一 C卜 6アルキ ルァミノ基 (例えば、 メチルァミノ、 ェチルァミノ、 ジメチルァミノ、 ジェ チルァミノなど;該アルキル基はハロゲン原子、 ヒ ドロキシ基、 C — 6アルコ キシ基などで置換されていてもよい)、モノ一またはジ一 アルカノィル アミノ基 (例えば、 ホルミルァミノ、 ァセチルァミノなど;該アルカノィル 基はハロゲン原子、 ヒ ドロキシ基、 — 6アルコキシ基などで置換されていて もよレ、) 、 フエニルァミノ、 ベンジルァミノ、 — 6アルキル (ベンジル) ァ ミノ、 C — 6アルカノィル (ベンジル) ァミノ、 (xxii) 4ないし 8員環状アミ ノ基 (例えば、 1ーァゼチジニル、 1一ピロリジニル、 ピペリジノ、 モルホ リノ、 チオモルホリノ、 1ーピペラジニルなど) 、 4ないし 8員環状アミノ 一カルボニル基 (例えば、 1—ァゼチジニルカルボニル、 1—ピロリジニル カルボニル、 ピペリジノカルボニル、 モルホリノカルボニル、 チオモルホリ ノカルボニル、 1ーピペラジニルカルボエルなど) 、 4ないし 8員環状アミ ノーカルボニル一ォキシ基 (例えば、 1一ピロリジニルカルボニルォキシ、 ピペリジノカルボニルォキシ、 モルホリノカルボニルォキシ、 チオモルホリ ノカルボニルォキシ、 1—ピペラジニルカルボニルォキシなど) 、 4ないし 8員環状ァミノ一カルボニル—アミノ基 (例えば、 1一ピロリジニルカルボ ニルァミノ、 ピペリジノカルボニルァミノ、 モルホリノカルボニルァミノ、
チオモルホリノカルボニルァミノ、 1ーピペラジニルカルボニルァミノなど) 4ないし 8員環状アミノースルホニル基 (例えば、 1一ピロリジニルスルホ ニル、 ピペリジノスルホニル、 モルホリノスルホニル、 チ才モノレホリノスノレ ホニル、 1ーピペラジニルスルホニルなど) 、 4ないし 8員環状アミノー —6アルキル基、 (xxiii)ハロゲン原子、 じ卜 6アルキル基、 じ 6アルコキシ 基、力ルポキシル基および C _ 6アルコキシ一力ルポニル基から選ばれる置換 基でそれぞれ置換されていてもよい ァシル基 (例えば、 ホルミル、 ァセ チルなどのハロゲン化されていてもよい C 2 _ 6アルカノィルなど)またはベン ゾィル基、 (xxiv)酸素原子、 硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ 原子 1ないし 3種 (好ましくは 1ないし 2種) を少なくとも 1個 (好ましく は 1ないし 4個、 さらに好ましくは 1ないし 2個) 含む 4ないし 1 0員複素 環基 (例えば、 2—または 3—チェ-ル、 2一または 3—フリル、 3—, 4 一または 5—ピラゾリル、 2—, 4—または 5—チアゾリル、 3—, 4一ま たは 5—^ f ソチアゾリル、 2—, 4一または 5—ォキサゾリル、 1 , 2, 3 一または 1, 2, 4一トリァゾリル、 1 H—または 2 H—テトラゾリル、 2 一, 3—または 4一ピリジル、 2—, 4一または 5—ピリミジル、 3—また は 4一ピリダジニル、 キノリル、 イソキノリル、 インドリルなど;該複素環 基は C ^ eアルキル基などで置換されていてもよい) 、 (XXV)酸素原子、 硫黄 原子およぴ窒素原子等から選ばれたヘテロ原子 1ないし 3種 (好ましくは 1 ないし 2種) を少なくとも 1個 (好ましくは 1ないし 4個、 さらに好ましく は 1ないし 2個) 含む 4ないし 1 0員複素環一カルボ-ル基 (例えば、 2— または 3—チェ-ノレカノレポ二ノレ、 2—または 3—フリルカルボニル、 3—, 4一または 5—ピラゾリルカルボニル、 2—, 4一または 5—チアゾリルカ ルポニル、 3—, 4一または 5—イソチアゾリルカルポ-ル、 2—, 4一ま たは 5—ォキサゾリルカルボニル、 1, 2 , 3—または 1, 2 , 4—トリア ゾリルカルボニル、 1 H—または 2 H—テトラゾリルカルボエル、 2—, 3 —または 4—ピリジルカルポニル、 2—, 4一または 5—ピリミジルカルボ -ル、 3—または 4一ピリダジニルカルポニル、 キノリルカルポニル、 ィソ
キノリルカルボ-ル、インドリルカルポニルなど;該複素環基は c 6アルキ ル基などで置換されていてもよレ、) 、 (xxvi)ヒ ドロキシィミノ基、 アル コキシィミノ基、 C 6一 1 4ァリール基(例えば、 1—または 2—ナフチルなど) およぴ(xxvi i)ハロゲン化されていてもよい直鎖状または分枝状の C i _ 6アル キレンジォキシ基 (例えば、 メチレンジォキシ、 エチレンジォキシ、 プロピ レンジォキシ、 テトラフルォロエチレンジォキシなど) (以上、 置換基 C群) などが用いられる。 該 「炭化水素基」 は、 置換可能な位置に、 これらの置換 基を 1ないし 5個有していてもよく、 2以上を有する場合、 置換基は同一で も異なっていてもよい。
「単環性芳香族基」 が有していてもよい置換基としての 「置換されていて もよい複素環基」 の 「複素環基」 としては、 例えば、 環系を構成する原子 (環 原子) として、 酸素原子、 硫黄原子おょぴ窒素原子等から選ばれたヘテロ原 子 1ないし 3種 (好ましくは 1ないし 2種) を少なくとも 1個 (好ましくは 1ないし 4個、 さらに好ましくは 1ないし 2個) 含む 4〜 1 6員の 1ないし 3環性の芳香族複素環基、 飽和あるいは不飽和の非芳香族複素環基 (脂肪族 複素環基) 等が挙げられる。
該 「芳香族複素環基」 としては、 例えばフリル、 チェ-ル、 ピロリル、 ォ キサゾリル、 ィソォキサゾリル、 チアゾリル、 イソチアゾリル、 イミダゾリ ノレ、 ピラゾリル、 1 , 2, 3—ォキサジァゾリル、 1 , 2, 4ーォキサジァゾリ ノレ、 1, 3, 4 _ォキサジァゾリル、 フラザ二ル、 1 , 2 , 3—チアジアゾリル、 1 , 2 , 4ーチアジアゾリル、 1, 3, 4—チアジアゾリル、 1 , 2, 3—トリア ゾリル、 1 , 2, 4一トリァゾリル、 テトラゾリル、 ピリジル、 ピリダジニル、 ピリミジニル、 ピラジニル、 トリアジニル等の 5または 6員の芳香族単環式 複素環基、 および例えばベンゾフラニル、 イソベンゾフラニル、 ベンゾ 〔b〕 チェニル、 インドリル、 イソインドリル、 1 H—インダゾリル、 ベンズイミ ダゾリル、 ベンゾォキサゾリル、 1, 2—べンゾイソォキサゾリル、 ベンゾチ ァゾリル、 ベンゾピラニル、 1 , 2—ベンゾイソチアゾリル、 1 H—ベンゾト リアゾリル、 キノリル、 イソキノリル、 シンノリニル、 キナゾリニル、 キノ
キサリニル、 フタラジニル、 ナフチリジニル、 プリニル、 ブテリジュル、 力 ノレノ ゾリノレ、 CK一力ノレボリ二ノレ、 ]3—力ノレボリニル、 γ—力ノレボリ二ノレ、 ァ クリジニル、 フエノキサジニノレ、 フエノチアジニル、 フエナジ-ノレ、 フエノ キサチイニル、 チアントレニル、 フエナト リジニル、 フヱナトロ リ ニノレ、 ィ ンドリジニル、 ピロ口 〔1, 2— b〕 ピリダジニル、 ピラゾ口 〔 1, 5— a〕 ピリジル、 イミダゾ 〔 1, 2— a〕 ピリジル、 イミダゾ 〔 1, 5— a〕 ピリジ ノレ、 イミダゾ 〔 1 , 2— b〕 ピリダジニル、 イミダゾ 〔 1, 2— a〕 ピリミジ 二ノレ、 1, 2, 4一トリァゾロ 〔4, 3— a〕 ピリジル、 1, 2, 4一トリァゾロ
[ 4 , 3— b〕 ピリダジニル、ベンゾ〔 1, 2, 5〕チアジァゾリル、ベンゾ〔 1 , 2 , 5〕 ォキサジァゾリル等の 8〜1 6員 (好ましくは、 8〜1 2員) の芳香 族縮合複素環基 (好ましくは、 前記した 5または 6員の芳香族単環式複素環 基 1〜2個 (好ましくは、 1個) がベンゼン環 1〜 2個 (好ましくは、 1個) と縮合した複素環または前記した 5または 6員の芳香族単環式複素環基の同 一または異なった複素環 2〜3個 (好ましくは、 2個) が縮合した複素環、 より好ましくは前記した 5または 6員の芳香族単環式複素環基がベンゼン環 と縮合した複素環) 等が挙げられる。
該 「非芳香族複素環基」 としては、 例えばォキシラエル、 ァゼチジニル、 ォキセタニル、チェタニル、 ピロリジニル(好ましくは、 1—ピロリジニル) 、 テトラヒ ドロフリル、 チオラニル、 ピペリジニル (好ましくは、 1ーピペリ ジニルまたは 4ーピペリジニル) 、 テトラヒ ドロビラニル、 モルホリエル、 チオモルホリニル、 ピペラジニル等の 3〜 8員 (好ましくは 5〜6員) の飽 和あるいは不飽和 (好ましくは飽和) の非芳香族単環式複素環基 (脂肪族単 環式複素環基) 、 2, 3—ジヒ ドロインドリル、 1, 3—ジヒ ドロイソインド リル等のように前記した非芳香族単環式複素環基 1〜 2個(好ましくは 1個) がベンゼン環 1〜2個 (好ましくは 1個) と縮合した複素環基、 前記した非 芳香族単環式複素環基 1〜 2個 (好ましくは 1個) が前記した 5ないし 6員 の芳香族単環式複素環基の複素環 1〜 2個 (好ましくは 1個) と縮合した複 素環基、 あるいは 1, 2, 3, 4—テトラヒドロキノリル、 1, 2 , 3, 4—テト
ラヒドロイソキノリルなどのように前記した芳香族単環式複素環基または芳 香族縮合複素環基の一部または全部の二重結合が飽和した非芳香族複素環基 等が拳げられる。
該 「置換されていてもよい複素環基」 における 「複素環基」 としては、 5 または 6員の芳香族単環式複素環基などが好ましい。
該 「複素環基」 が有していてもよい置換基としては、 「単環性芳香族基」 が有していてもよい置換基としての 「置換されていてもよい炭化水素基」 に おける 「炭化水素基」 が有していてもよい置換基と同様の数の同様の基など が用いられる。
「単環性芳香族基」 が有していてもよい置換基としての 「置換されていて もよぃァミノ基」 、 「置換されていてもよいヒドロキシ基」 および 「置換さ れていてもよいチオール基」 としては、 それぞれ、 置換されていてもよい炭 化水素基、 ァシル基、 エステル化されていてもよいカルボキシル基、 置換さ れていてもよい力ルバモイル基または置換されていてもよい複素環基などの 置換基を有していてもよいアミノ基、 ヒドロキシ基およびチオール基などが 挙げられる。 該 「置換されていてもよい炭化水素基」 における 「炭化水素基」 および 「置換されていてもよい複素環基」 における 「複素環基」 としては、 それぞれ、 「単環性芳香族基」 が有していてもよい置換基としての 「置換さ れていてもよい炭化水素基」 における 「炭化水素基」 および 「置換されてい てもよい複素環基」 における 「複素環基」 と同様の基などが用いられる。 また、 置換基としての 「ァシル基」 および 「エステル化されていてもよい カルボキシル基」 としては、 それぞれ、 後述の 「単環性芳香族基」 が有して いてもよい置換基としての 「エステル化されていてもよいカルボキシル基」 および 「ァシル基」 と同様の基などが用いられる。
該 「置換されていてもよい力ルバモイル基」 としては、 後述の 「単環性芳 香族基」 が有していてもよい置換基としての 「置換されていても.よい力ルバ モイル基」 と同様の基などが用いられる。
また、 該 「置換されていてもよい炭化水素基」 および該 「置換されていて
もよい複素環基」 における置換基としては、 それぞれ、 「単環性芳香族基」 が有していてもよい置換基としての 「置換されていてもよい炭化水素基」 お よび 「置換されていてもよい複素環基」 における置換基と同様の数の同様な 基などが用いられる。 なかでも、 ハロゲン原子 (例えばフッ素、 塩素、 臭素、 ヨウ素等)ノ、ロゲン化されていてもよい C — 6アルコキシ(例えばメ トキシ、 エトキシ、 トリフルォロメ トキシ、 2, 2 , 2—トリフルォロエトキシ、 ト リク口ロメ トキシ、 2 , 2 , 2—トリクロロェトキシ等) 、 置換されていて もよいフエ-ル(好ましくはノヽロゲン化されていてもよい C i— 6アルキル基、 ハ口ゲン化されていてもよい C i _ 6アルコキシ基、力ルボキシル基およぴハ口 ゲン原子から選ばれる置換基で置換されていてもよいフエ-ルなど) および 酸素原子、 硫黄原子およぴ窒素原子等から選ばれたへテ口原子 1ないし 3種
(好まレくは 1ないし 2種) を少なくとも 1個 (好ましくは 1ないし 4個、 さらに好ましくは 1ないし 2個) 含む 5ないし 1 0員複素環基 (例、 2—ま たは 3—チェニル、 2—または 3—フリル、 3—, 4一または 5—ビラゾリ ル、 2—, 4—または 5—チアゾリル、 3—, 4—または 5—イソチアゾリ ル、 2—, 4—または 5—ォキサゾリル、 1, 2, 3—または 1 , 2, 4— トリァゾリル、 1 H—または 2 H—テトラゾリル、 2—, 3—または 4ーピ リジル、 2—, 4一または 5—ピリミジル、 3—または 4一ピリダジニル、 キノリル、 イソキノリル、 インドリルなど;該複素環基は — 4アルキル基な どで置換されていてもよい) から選ばれた置換基で置換されていてもよい低 級アルキル (例、 メチル、 ェチル、 プロピル、 イソプロピル、 プチル、 イソ ブチル、 tert—ブチル、 ペンチル、 へキシル等の C ^ 6アルキル等) 、 ァシル (じ 6アルカノィル (例、 ホルミル、 ァセチル、 プロピオニル、 ビバロイル 等) 、 ベンゾィル、 C 6アルキルスルホニル (例、 メタンスルホニル等) 、 ベンゼンスルホニル等)、ハロゲン化されていてもよい — 6アルコキシカル ボニル (例、 メ トキシカルボニル、 エトキシカルボニル、 トリフルォロメ ト キシカルボニル、 2 , 2 , 2—トリフルォロエトキシカルボニル、 トリクロ ロメ トキシカルボニル、 2 , 2, 2—トリクロロェトキシカルボニル等) 、
フエニルで置換されていてもよい C i— 6アルコキシカルボニル(例、ベンジル ォキシカルボニル等) 、 置換されていてもよい力ルバモイル基 (例えば、 力 ノレバモイル、 N—メチルカルバモイル、 N, N一ジメチルカノレパモイル、 フエ 二ルカルバモイル等の低級(〇卜 6 ) アルキル基、 フヱニル基などの置換基 1 〜2個で置換されていてもよい力ルバモイル基など) 、 複素環基 ( 「単環性 劳香族基」 が有していてもよい置換基としての 「置換されていてもよい複素 環基」 における 「複素環基」 と同様の基など) 等の置換基を有していてもよ い 「ァミノ基 J 、 「ヒ ドロキシ基」 および 「チオール基」 などが好ましい例 として挙げられる。 また、 N,N—ジ置換ァミノにおける 2個の置換基が窒素 原子と一緒になつて 「環状アミノ基」 を形成してもよく、 該 「環状アミノ基」 としては、 例えば 1ーァゼチジニル、 1一ピロリジニル、 ピペリジノ、 モル ホリノ、 チオモルホリノ (硫黄原子は酸化されていてもよい) 、 1ーピペラ ジニルおよび 4位に低級アルキル (例、 メチル、 ェチル、 プロピル、 イソプ 口ピル、ブチル、 tert—プチル、ペンチル、へキシル等の C卜 6アルキル等)、 ァラルキル (例、 ベンジル、 フエネチル等の 。ァラルキル等) 、 ァリー ル (例、 フエニル、 1一ナフチル、 2—ナフチル等の C 6— 1 0ァリール等) 等 を有していてもよい 1—ピペラジ-ル等の 3〜 8員 (好ましくは 5〜6員) の環状アミノ基などが用いられる。
「単環性芳香族基」 が有していてもよい置換基としての 「置換スルフィニ ル基」 および 「置換スルホニル基」 は、 それぞれ 「置換されていてもよいヒ ドロキシ基」 、 「置換されていてもよいアミノ基」 、 「置換されていてもよ い炭化水素基」 または 「置換されていてもよい複素環基」 などの置換基で置 換されたスルフィエル基またはスルホ -ル基を表す。
該「置換されていてもよい炭化水素基」 における 「炭化水素基」 としては、 「単環性芳香族基」 が有していてもよい置換基としての 「置換されていても よい炭化水素基」 における 「炭化水素基」 と同様な基などが用いられる。 該 「置換されていてもよい複素環基」 における 「複素環基」 としては、 「単環 性芳香族基」 が有していてもよい置換基としての 「置換されていてもよい複
素環基」 における 「複素環基」 と同様な基などが用いられる。 また 「置換ス ルフィニル基」 および 「置換スルホニル基」 の置換基であるヒ ドロキシ基お ょぴァミノ基に置換していてもよい置換基としては、 それぞれ、 「単環性芳 香族基」 が有していてもよい置換基としての 「置換されていてもよいヒドロ キシ基」 における 「ヒドロキシ基」 および 「置換されていてもよいアミノ基」 における「ァミノ基 Jが有していてもよい置換基と同様の基などが用いられ、 好ましくは、 例えば、 じ卜 6アルキル基、 C3 8シクロアルキル基、 c2 4ァ ルケニル基、 c6 i。ァリール基、 ァシル基、 アミノ基、 複素環基 ( 「単環性 芳香族基」 が有していてもよい置換基としての 「置換されていてもよい複素 環基」 における 「複素環基」 と同様の基など) などが挙げられる。
また、 「置換スルフィニル基」 および 「置換スルホニル基」 の置換基であ る 「置換されていてもよい炭化水素基」 および 「置換されていてもよい複素 環基」 における置換基としては、 「単環性芳香族基」 が有していてもよい置 換基としての 「置換されていてもよい炭化水素基」 および 「置換されていて ' もよい複素環基」 における置換基と同様の基などが同様の数用いられる。
「単環性芳香族基」 が有していてもよい置換基としての 「ァシル基」 とし ては、例えば RACOOHなどのカルボン酸、例えば RAS 03Hなどのスルホ ン酸、例えば RA SO 2Hなどのスルフィン酸、 または、 例えば RAOPO (O RB) OHなどのリン酸 (RAは水素原子、 置換されていてもよい炭化水素基 または置換されていてもよい複素環基を示し、 RBは水素原子または置換され ていてもよい炭化水素基を示す) などから OH基を除いて得られるァシル基 が用いられ、 具体的には RACO、 RAS〇2、 RASO、 RAOPO (ORB) (式中の記号は前記と同意義を示す) などが用いられる。
RA (および RB) で示される 「置換されていてもよい炭化水素基」 におけ る 「炭化水素基」 ならびに 「置換されていてもよい複素環基」 における 「複 素環基」 としては、 それぞれ、 環 Aが有していてもよい置換基としての 「置 換されていてもよい炭化水素基」 における 「炭化水素基」 および 「置換され ていてもよい複素環基」における 「複素環基」 と同様の基などが用いられる。
また、 該 「置換されていてもよい炭化水素基」 および 「置換されていてもよ い複素環基」 における置換基としては、 それぞれ、 A r 1または A r 2が有し ていてもよい置換基としての「置換されていてもよい炭化水素基」および「置 換されていてもよい複素環基」 における置換基と同様の基などが同様の数用 レ、られる。
R A C Oとしては、 例えばホルミル、 ァセチル、 プロピオ-ル、 ブチリル、 イソブチリノレ、 パレリノレ、 イソパレリノレ、 ビバ口ィノレ、 へキサノィノレ、 シク ロブタンカノレポ-ル、 シクロペンタンカルボニル、 シクロへキサンカノレポ'二 ノレ、 クロ トニノレ、 ベンゾィノレ、 ニコチノィノレ、 イ ソニコチノィノレ、 ト リ フノレ ォロアセチルなどが挙げられ、 なかでも、 ァセチル、 プロピオ-ル、 プチリ ル、 バレリルなどの RAが低級 (C n) アルキル基である RA C Oなどがよ り好ましい。
「単環性芳香族基」 が有していてもよい置換基としての 「置換されていて もよいカルパモイル基」 としては、 無置換の力ルバモイルのほか、 N—モノ 置換力ルバモイルおよび N, N—ジ置換力ルバモイルが挙げられる。
' 該 「置換されていてもよい力ルバモイル基」 における 「力ルバモイル基」 が有していてもよい置換基としては、 「単環性芳香族基」 が有していてもよ い置換基としての 「置換されていてもよいアミノ基」 の 「ァミノ基」 の置換 基として例示した 「置換されていてもよい炭化水素基」 、 「ァシル基」 、 「ェ ステル化されていてもよいカルボキシル基」 、 「置換されていてもよい複素 環基」 の他、 「低級 (C ^) アルキル基、 フエ-ル基などの置換基 1〜 2個 で置換されていてもよい力ルバモイル基 (例えば、 カルパモイル、 N—メチ ルカルバモイル、 N, N—ジメチルカルバモイル、 フエ-ルカルバモイルな ど) j などが挙げられるが、 前記 「 (置換されていてもよい炭化水素基、 ァ シル基、 エステル化されていてもよいカルボキシル基または置換されていて もよい複素環基で) 置換されていてもよいアミノ基」 を有する 「力ルバモイ ル基」 (すなわち、 「置換されていてもよい力ルバゾィル基」 ) 、 前記 「 (置 換されていてもよい炭化水素基、 ァシル基、 エステル化されていてもよい力
ルポキシル基または置換されていてもよい複素環基で) 置換されていてもよ ぃヒ ドロキシ基」 を有する 「力ルバモイル基」 (すなわち、 「置換されてい てもよい N—ヒ ドロキシカルバモイル基」 ) などであってもよい。 また、 N, N―ジ置換力ルバモイルにおける 2個の置換基が窒素原子と一緒になつて環 状ァミノを形成してもよく、 この様な場合の環状アミノカルボニルとしては、 例えば 1一ァゼチジニルカルボニル、 1一ピロリジニルカルボニル、 ピぺリ ジノカルボニル、 モルホリノカルボニル、 チオモルホリノカルボニル (硫黄 原子は酸化されていてもよい) 、 1—ピペラジニルカルボニル、 1—ホモピ ペラジニルカルボニル、 および 4位に低級アルキル (例、 メチル、 ェチル、 プロピノレ、 イソプロピル、 プチル、 tert—ブチル、 ペンチル、 へキシル等の アルキル等) 、 ァラルキル (例、 ベンジル、 フエネチル等の 。ァ ラルキル等) 、 ァリール (例、 フエニル、 1一ナフチル、 2一ナフチル等の C 6— i。ァリール等) 、 じ 。ァシル基 (例、 ホルミル、 ァセチル、 ベンゾィ ル、 メ トキシカルボ-ル、 ベンジルォキシカルボニル、 メチルスルホニル等) 等を有していてもよい 1ーピペラジニルカルボニル等の 3〜 8員 (好ましく は 5〜6員) の環状アミノカルボニルなどが用いられる。 ' 具体的には、 置換されていてもよい力ルバモイル基としては、 例えば、 低 級 (〇 6 ) アルキル基、 フエニル基などの置換基 1〜 2個で置換されていて もよい力ルバモイル基などが用いられ、 具体的には力ルバモイル、 N—メチ ルカルバモイル、 N, N—ジメチルカルバモイル、 フヱニルカルバモイルなど が好ましく用いられる。
「単環性芳香族基」 が有していてもよい置換基としての 「エステル化され ていてもよいカルボキシル基」 としては、 式一 C O O R C ( R cは水素原子ま たは置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基 を示す) で表される基などが挙げられるが、 なかでも、遊離のカルボキシル、 低級アルコキシカルボニル、 ァリールォキシカルボニル、 ァラルキルォキシ カルボニル、 複素環ォキシカルボニル、 複素環メチルォキシカルボニル等が 好ましく用いられる。
R cで示される「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」 ならびに 「置換されていてもよい複素環基」 における 「複素環基」 としては、 それぞれ、 「単環性芳香族基」 が有していてもよい置換基としての 「置換さ れていてもよい炭化水素基」 における 「炭化水素基」 および 「置換されてい てもよい複素環基」 における 「複素環基」 と同様の基などが用いられる。 ま た、 該 「炭化水素基」 、 「複素環基」 が置換していてもよい置換基としては、 それぞれ、 「単環性芳香族基」 が有していてもよい置換基としての 「置換さ れていてもよい炭化水素基」 における 「炭化水素基」 および 「置換されてい てもよい複素環基」 における 「複素環基」 が有していてもよい置換基と同様 の基などが同様の数用いられる。
「低級アルコキシカルボニル」 としては、 例えばメ トキシカルボ-ル、 ェ トキシカノレボニノレ、 プロポキシ力/レポ二/レ、 イソプロポキシ力/レポュノレ、 ブ トキシカルボ二ノレ、ィソブトキシカルボニル、 sec—ブトキシカルボニル、 tert ーブトキシカノレポュノレ、 ペンチノレォキシカノレポ-ノレ、 イソペンチノレオキシカ ルボニノレ、ネオペンチルォキシカルボ二/レ等の C — 6アルコキシ力ノレボュル等 が挙げられ、 中でもメ トキシカルポニル、 エトキシカルボニル、 プロポキシ カノレポニル等の C卜3アルコキシカルボ-ノレ等が好ましい。
該 「低級アルコキシカルボニル」 は 「低級アルコキシ」 の 「低級アルキル」 部分に置換基を有していてもよく、 その置換基としては、 「単環性芳香族基」 が有していてもよい置換基としての 「置換されていてもよい炭化水素基」 に おける 「炭化水素基」 が有していてもよい置換基として挙げた基と同様の基 などが同様な数用いられる。
「ァリールォキシカルボ-ル」 としては、 例えばフエノキシカルボ-ル、 1 一ナフトキシカルボニル、 2—ナフトキシカルボニル等の C 7— 1 2ァリール ォキシカルボニル等が好ましい。
「ァラルキルォキシカルボニル」 としては、 例えばべンジルォキシカルボ エル、 フエネチルォキシカルボニル等の C 7 ^ 5ァラルキルォキシカルボ-ル 等 (好ましくは、 C e 。ァリール一 6アルコキシ一カルボニルなど) が
好ましい。
「複素環ォキシカルボニル」 および 「複秦環メチルォキシカルボ-ル」 に おける複素環としては、 「単環性芳香族基」 が有していてもよい置換基とし ての 「置換されていてもよい複素環基」 における 「複素環」 と同様のものな どが用いられ、 例えば、 ピリジル、 キノリル、 インドリル、 ピベリジ-ル、 テトラヒ ドロビラ-ル等が好ましく用いられる。
該 「ァリールォキシカルボニル」 、 「ァラルキノレオキシ力/レポニル」 およ び 「複素環ォキシカルボ-ル」 はそれぞれ置換基を有していてもよく、 それ らの置換基としては、 「単環性芳香族基」 が有していてもよい置換基として の 「置換されていてもよい炭化水素基」 における 「炭化水素基」 が有してい てもよい置換基として挙げた基と同様の基などが同様な数用いられる。
「単環性芳香族基」 が有していてもよい置換基として 「じ 3アルキレンジ ォキシ基」 としては、 メチレンジォキシ、 エチレンジォキシなどが用いられ る。
上記した中でも、 A r 1としては、置換されていてもよいフエニル基または 置換されていてもよいチェニル基が好ましく、 特に (1 ) 無置換のフエ-ル 基または (2 ) アルキル (例、 メチル、 ェチル、 プロピルなど、 特にメ チルなどの アルキル) あるいはハロゲン原子 (例、 フッ素原子、塩素原 子、 臭素原子、 ヨウ素原子など) で置換されていてもよいチェニル基 (例、 2 —チェ二ノレ基、 3 —チェニル基) が好ましい。
A r 2としては、置換されていてもよいフエニル基が好ましく、特に無置換 のフエ二ノレ基が好ましい。
R 1としては、 水素原子またはハロゲン化されていてもよい 3アルキル 基 (例、 メチル、 ェチル、 プロピル、 イソプロピル) が好ましく、 なかでも 水素原子または 3アルキル基が好ましい。 具体的には、 R 1としては、 水 素原子またはメチル基が好ましく、 特にメチル基が好ましい。
R 2としては、 水素原子またはハロゲン化されていてもよい C i— 3アルキル 基 (例、 メチル、 ェチル、 プロピル、 イソプロピル) が好ましく、 なかでも
ハロゲン化されていてもよい アルキル基が好ましい。 具体的には、 R 2 としては、 水素原子またはメチル基が好ましく、 特にメチル基が好ましい。
R 3としては、 水素原子またはハロゲン化されていてもよい — 3アルキル 基 (例、 メチル、 ェチル、 プロピル、 イソプロピル) が好ましく、 なかでも ハロゲン化されていてもよい — 3アルキル基が好ましく、特にメチル基が好 ましい。
Xとしては、 一 o—が好ましい。
Yとしては、 C i— 3アルキレン基 (例、 メチレン、 エチレン、 プロピレン) が好ましく、 メチレン基が好ましい。
Xと Yの組み合わせとしては、 Xがー O—であり、 Yがメチレン基の場合 が好ましい。
本発明化合物としては、 例えば、
( i ) 1, 3, 6 -トリメチル- 2 -ォキソ -4 -フエ二ル- 1, 2, 3, 4 -テトラヒ ドロピリミ ジン- 5-カルボン酸べンジルエステル (化合物 1 ) 、
(ii) 4- (5-ブロモチォフェン -2 -ィル) -1, 6-ジメチル- 2 -ォキソ -1, 2, 3, 4 -テ トラヒ ドロピリ ミジン- 5-カルボン酸べンジルエステル (化合物 2 ) 、
(i ii) 6-メチル- 2-ォキソ -4 -(チォフェン- 2-ィル) - 1, 2, 3, 4 -テトラヒ ドロピ リミジン- 5-カルボン酸べンジルエステル (化合物 3 ) 、
(iv) 1,6-ジメチル - 2_ォキソ - 4- (チォフェン- 3-ィル) - 1,2,3,4-テトラヒ ド 口ピリミジン- 5-カルボン酸べンジルエステル (化合物 4 ) 、
( V ) 1,6-ジメチル- 2-ォキソ - 4- (チォフェン- 2 -ィル) -1, 2, 3, 4 -テトラヒ ド 口ピリミジン- 5-力ノレボン酸 2-フエネチルエステル (ィ匕合物 5 ) 、
(vi) 1, 6-ジメチル -2-ォキソ -4- (チォフェン - 2-ィル) -1, 2, 3, 4-テトラヒ ド 口ピリミジン- 5-カルボン酸 3-フエ-ルプロピルエステル (化合物 6 ) 、 (vii) 1, 6-ジメチル- 4 -(5-メチルチオフェン - 2 -ィル) - 2 -ォキソ - 1, 2, 3, 4-テ トラヒ ドロピリミジン- 5-カルボン酸 2-フエネチルエステル (化合物 7 ) ま たはその塩などが好ましく、 特に、
( i ) 1, 3, 6-トリメチル -2-ォキソ -4-フエニル- 1, 2, 3, 4-テトラヒ ドロピリミ
ジン- 5-カルボン酸べンジルエステル (化合物 1) 、
(ii) 4 -(5-プロモチォフェン- 2-ィル) -1, 6-ジメチル- 2-ォキソ -1, 2, 3, 4-テ トラヒ ドロピリミジン- 5-カルボン酸べンジルエステル (化合物 2) 、
(iii) 1,6-ジメチル-2-ォキソ-4-(チォフェン-3-ィル)_1,2,3,4-テトラヒ ド 口ピリミジン- 5-カルボン酸べンジルエステル (化合物 4) またはその塩など が好ましい。
本発明化合物 (I ) はジヒドロピリミジノン誘導体であり、 例えば Biginelli 反応として知られている古典的な縮合反応を用いることにより製造することが できる。 すなわち、 芳香族アルデヒド (I I ) 、 ゥレア誘導体 (I I I ) およ び ]3-ジカルボニル化合物 (I V) の 3成分を酸触媒存在下に縮合させることで 容易に R1が水素原子であるジヒドロピリミジノン誘導体 (l a) を製造するこ とができる (1 8 93年発行 G a z z . Ch i m. I t a 1. 2 3卷 6 9 3 7 頁、 1 9 9 2年発行 T e t r a h e d r o n 2 6卷 54 73頁、 2000年発 行】. O r g. Ch em. 6 5卷 3 8 64頁、 2000年発行 J . O r g. C h em. 6 5巻 6 27 0頁など) 。 本縮合反応は、 通常無溶媒または溶媒中で 行う。 溶媒としては例えば、 エーテル系溶媒 (例えば、 ジェチルエーテル、 テ トラヒドロフラン、 ジォキサン等) 、 ハロゲン系溶媒 (例えば、 ジクロロメタ ン、 ジクロロェタン、 クロ口ホルム、 四塩化炭素等) 、 炭化水素系溶媒 (例え ば、 ベンゼン、 トルエン、 へキサン、 ヘプタン等) 、 ジメチルホルムアミド、 ジメチルァセトアミ ド、 ァセトニトリル、 アルコール系溶媒 (メタノール、 ェ タノール等) 、 エステル系溶媒 (酢酸メチル、 酢酸ェチル等) 、 水等の単一ま たは混合溶媒が用いられる。酸触媒としては例えば、有機カルボン酸(例えば、 酢酸、 トリフルォロ酢酸、 酒石酸等) 、 有機スルホン酸 (例えば、 メタンスル ホン酸、 p—トルエンスルホン酸、 トリフルォロメタンスルホン酸等) 、 鉱酸 (例えば、 塩酸、 硫酸、 硝酸等) 、ルイス酸 (例えば、 ボロントリフルオリ ド、 イッテルビウムトリフラート、 スカンジウムトリフラート、 塩化イツテルビゥ ム (III) 、 塩化インジウム (III) 等) を用いることができる。 このとき、 芳 香族アルデヒド( I I )および ]3-ジカルボニル化合物( I V) 1モルに対して、 ゥレア誘導体 (I I I ) は 1〜2モル当量、 好ましくは 1. 5モル当量程度、 酸
触媒は 0 . 0 1〜1 . 5当量程度用いられる。 このときの反応温度は、 室温〜 1 5 0 °C、 好ましくは 5 0〜 1 0 0 °Cであり、 反応時間は 0 . 1〜 4 8時間、 好 ましくは 2〜 2 0時間程度である。
(I D (I I I) (IV) ( l a)
〔式中の記号は前記と同意義を示す。 〕
R 2がハロゲン化されていてもよい d— 6アルキル基で置換されたジヒドロピ リミジノン誘導体 (I b ) である場合、 アルキル化反応により化合物 (I c ) を製造することができる。 本アルキル化反応は、 通常溶媒中塩基存在下アルキ ル化剤を用いて行う。 溶媒としては例えば、 エーテル系溶媒 (例えば、 ジェチ ルエーテル、 テトラヒドロフラン、 ジォキサン等) 、炭化水素系溶媒 (例えば、 ベンゼン、 トルエン、 へキサン、 ヘプタン等) 、 アルコール系溶媒 (メタノー ル、 エタノール、 tert—ブタノール等) 、 エステル系溶媒 (酢酸メチル、 酢酸 ェチル等) 、 ジメチルホルムアミ ド、 ジメチルァセトアミド、 アセトン、 ジメ チルスルホキシド、 水等の単一または混合溶媒が用いられる。 塩基としては例 えば、水素化アル力リ金属類(例えば、水素化ナトリウム、水素化力リゥム等)、 無機塩基類(例えば、炭酸力リウム、炭酸ナトリゥム、炭酸水素ナトリゥム等)、 水酸化アルカリ金属類 (例えば、 水酸化ナトリウム、 水酸化リチウム、 水酸化 力リゥム等) 、 アルカリ金属アルコキシド類(例えば、ナトリゥムメ トキシド、 ナトリウムエトキシド、 tert—ブトキシカリウム等) を用いることができる。 アルキル化剤としては、例えば、 アルキルノヽライド類(例えば、 ヨウ化メチル、 臭化メチル、 よう化工チル、 臭化工チル、 ヨウ化トリフルォロェチル、 臭化ト リフルォロェチル等) 、 スルホン酸エステル類 (例えば、 p—トルエンスルホ ン酸メチル、 p—トルエンスルホン酸ェチル、 メタンスルホン酸ェチル、 ジメ チル硫酸、 ジェチル硫酸等) が用いられる。 このとき、 化合物 (l b ) および その塩 1モルに対して、 アルキル化剤は 1〜 2モル当量、 好ましくは 1 . 5モル 当量程度、 塩基は 1〜: 1 . 5当量程度用いられる。 このときの反応温度は、 ー7
8〜 1 0 0 °C、 好ましくは 0〜 6 0 °Cであり、 反応時間は 0 .
好ましくは 1〜 2 0時間程度である。
(lb) (lc)
〔式中、 R 1 aおよび R 2 aはハロゲン化されていてもよい C ^ 6アルキル基、 そ の他の記号は前記と同意義を示す。 〕
本発明化合物が、 光学異性体、 立体異性体、 位置異性体、 回転異性体を含有 する場合には、 これらも本発明化合物として含有されるとともに、 自体公知の 合成手法、 分離手法によりそれぞれを単品として得ることができる。 例えば、 本発明化合物に光学異性体が存在する場合には、 該化合物から分割された光学 異性体も本発明化合物に包含される。
光学異性体は自体公知の方法により製造することができる。 具体的には、 光 学活性な合成中間体を用いる、 または、 最終物のラセミ体を常法に従って光学 分割することにより光学異性体を得る。
光学分割法としては、 自体公知の方法、 例えば、 分別再結晶法、 キラルカラ ム法、 ジァステレオマー法等が用いられる。
1 ) 分別再結晶法
ラセミ体と光学活性な化合物 (例えば、 (+) —マンデル酸、 (一) 一マン デル酸、 (+ ) —酒石酸、 (一) 一酒石酸、 (+ ) — 1—フ ネチルァミン、 (一) 一 1ーフエネチルァミン、 シンコニン、 (一) 一シンコニジン、 プノレシ ンなど) と塩を形成させ、 これを分別再結晶法によって分離し、 所望により、 中和工程を経てフリ一の光学異性体を得る方法。
2 ) キラルカラム法
ラセミ体またはその塩を光学異 1"生体分離用カラム (キラルカラム) にかけて 分離する方法。 例えば液体ク口マトグラフィ一の場合、 E NAN T I O— O V M (トーソ一社製) あるいは、 ダイセル社製 C H I R A Lシリーズなどのキ ラルカラムに光学異性体の混合物を添カ卩し、 水、 種々の緩衝液 (例、 リン酸緩
衝液) 、 有機溶媒 (例、 エタノール、 メタノール、 イソプロパノール、 ァセト 二トリル、 トリフルォロ酢酸、 ジェチルァミンなど) を単独あるいは混合した 溶液として展開させることにより、 光学異性体を分離する。 また、 例えばガス クロマトグラフィ一の場合、 C P— C h i r a s i 1— D e X C B (ジーェ ルサイエンス社製) などのキラルカラムを使用して分離する。
3 ) ジァステレオマー法
ラセミ体の混合物を光学活性な試薬と化学反応によってジァステレオマーの 混合物とし、 これを通常の分離手段 (例えば、 分別再結晶、 クロマトグラフィ 一法等) などを経て単一物質とした後、 加水分解反応などの化学的な処理によ り光学活性な試薬部位を切り離すことにより光学異性体を得る方法。 例えば、 本発明化合物が分子内にヒドロキシまたは 1, 2級ァミノを有する場合、 該化 合物と光学活性な有機酸 (例えば、 MT P A 〔《—メ トキシーひ一 (トリフル ォロメチル) フヱニル酢酸〕 、 (一) ーメントキシ酢酸等) などとを縮合反応 に付すことにより、 それぞれエステル体またはァミド体のジァステレオマーが 得られる。 一方、 本発明化合物がカルボン酸基を有する場合、 該化合物と光学 活性ァミンまたはアルコール試薬とを縮合反応に付すことにより、 それぞれァ ミド体またはエステル体のジァステレオマーが得られる。 分離されたジァステ レオマーは、 酸加水分解あるいは塩基性加水分解反応に付すことにより、 元の 化合物の光学異性体に変換される。
化合物 (I ) の塩としては、 薬理学的に許容される塩が好ましく、 例えば無 機塩基との塩、 有機塩基との塩、 無機酸との塩、 有機酸との塩、 塩基性または 酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。
無機塩基との塩の好適な例としては、 例えばナトリウム塩、 カリウム塩、 リ チウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、 マグネシウム塩などのアル力 リ土類金属塩;アルミニウム塩、 アンモニゥム塩などが挙げられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、 例えばトリメチルァミン、 トリェチル ァミン、 ピリジン、 ピコリン、 エタノールァミン、 ジエタノールァミン、 トリ エタノールァミン、 ジシクロへキシルァミン、 N, N—ジベンジルエチレンジ ァミンなどとの塩が挙げられる。
無機酸との塩の好適な例としては、 例えば塩酸、 臭化水素酸、 硝酸、 硫酸、 リン酸などとの塩が挙げられる。
有機酸との塩の好適な例としては、 例えばギ酸、 酢酸、 トリフノレオ口酢酸、 フマル酸、 シユウ酸、 酒石酸、 マレイン酸、 クェン酸、 コハク酸、 リンゴ酸、 メタンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸、 p—トルエンスルホン酸などとの塩 が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、 例えばアルギニン、 リジン、 ォ ル-チンなどとの塩が挙げられる。
酸性ァミノ酸との塩の好適な例としては、 例えばァスパラギン酸、 グルタミ ン酸などとの塩が挙げられる。
化合物 (I ) のプロドラッグは、 生体内における生理条件下で酵素や胃酸等 による反応により化合物 (I ) に変換する化合物、 すなわち酵素的に酸化、 還 元、 加水分解等を起こして化合物 (I ) に変化する化合物、 胃酸等により加水 分解などを起こして化合物 (I ) に変化する化合物をいう。 化合物 (I ) のプ ロドラッグとしては、 化合物 (I ) のァミノ基がァシル化、 アルキル化、 りん 酸化された化合物 (例、 化合物 (I ) のァミノ基がエイコサノィル化、 ァラニ ノレ化、 ペンチルァミノカルボニル化、 (5—メチルー 2—ォキソ一 1 , 3—ジ ォキソレン一 4一ィル) メ トキシカルボニル化、 テトラヒ ドロフラニル化、 テ トラヒドロビラニル化、 ピロリジルメチル化、 ビバ口ィルォキシメチル化、 t e r t—ブチル化された化合物など) ;化合物 (I ) の水酸基がァシル化、 ァ ルキル化、 りん酸化、 ほう酸化された化合物 (例、 化合物 (I ) の水酸基がァ セチル化、 パルミ トイル化、 プロパノィル化、 ビバロイル化、 サクシ二ル化、 フマリル化、 ァラニル化、 ジメチルァミノメチルカルボニル化、 テトラヒ ドロ ビラニル化された化合物など) ;化合物 (I ) の力ルポキシル基がエステル化、 アミ ド化された化合物 (例、 化合物 (I ) のカルボキシル基がェチルエステル ィ匕、 フエニルエステル化、 カルボキシメチルエステル化、 ジメチルアミノメチ ルエステル化、 ビバロイルォキシメチルエステル化、 エトキシカルボ二ルォキ シェチルエステル化、フタリジルエステル化、 (5—メチルー 2—ォキソ一 1, 3—ジォキソレン一 4—ィル) メチルエステル化、 シクロへキシルォキシカル
ボニルェチルエステル化、 メチルアミド化された化合物など) ;等が挙げられ る。 これらの化合物は自体公知の方法によって化合物 (I ) から製造すること ができる。
また、 化合物 (I ) のプロドラッグは、 広川書店 1 9 9 0年刊 「医薬品の開 発」 第 7巻分子設計 1 6 3頁から 1 9 8頁に記載されているような、 生理的条 件で化合物 (I ) に変化するものであってもよい。
また、 化合物 (I ) は、 同位元素 (例、 3 H, 1 4 C, 3 5 S,1 2 5 Iなど) などで標識 されていてもよい。
さらに、 化合物 (I ) は、 無水物であっても、 水和物であってもよい。
本発明化合物は、 毒性が低く、 そのまま、 または薬理学的に許容し得る担体 などと混合して医薬組成物とした後に、 T G R 5受容体作動剤として安全に用 いることができる。
ここにおいて、 薬理学的に許容される担体としては、 製剤素材として慣用の 各種有機あるいは無機担体物質が用いられ、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、 結合剤、 崩壊剤;液状製剤における溶剤、 溶解補助剤、 懸濁化剤、 等張化剤、 緩衝剤、 無痛化剤などとして配合される。 また必要に応じて、 防腐剤、 抗酸化 剤、 着色剤、 甘味剤などの製剤添加物を用いることもできる。
賦形剤の好適な例としては、 例えば乳糖、 白糖、 D—マンニトール、 D—ソ ルビトール、 デンプン、 α化デンプン、 デキストリン、 結晶セルロース、 低置 換度ヒドロキシプロピルセルロース、 カルボキシメチルセルロースナトリゥム、 アラビアゴム、 デキストリン、 プルラン、 軽質無水ケィ酸、 合成ケィ酸アルミ ユウム、 メタケイ酸アルミン酸マグネシゥムなどが挙げられる。
滑沢剤の好適な例としては、 例えばステアリン酸マグネシウム、 ステアリン 酸カルシウム、 タノレク、 コロイドシリカなどが挙げられる。
結合剤の好適な例としては、 例えば α化デンプン、 ショ糖、 ゼラチン、 ァラ ビアゴム、 メチルセルロース、 カルボキシメチルセルロース、 カルボキシメチ ルセルロースナトリゥム'、 結晶セルロース、 白糖、 D—マンニトール、 トレハ ロース、 デキストリン、 プルラン、 ヒ ドロキシプロピルセルロース、 ヒ ドロキ シプロピルメチルセルロース、 ポリビエルピロリ ドンなどが挙げられる。
崩壊剤の好適な例としては、 例えば乳糠、 白糖、 デンプン、 カルボキシメチ ルセノレロース、 カノレボキシメチノレセノレロースカノレシゥム、 クロスカノレメロース ナトリウム、 カルボキシメチルスターチナトリウム、 軽質無水ケィ酸、 低置換 度ヒ ドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。
溶剤の好適な例としては、 例えば注射用水、 生理的食塩水、 リンゲル液、 ァ ノレコール、 プロピレングリコール、 ポリエチレングリコーノレ、 ゴマ油、 トウモ ロコシ油、 ォリーブ油、 綿実油などが挙げられる。
溶解補助剤の好適な例としては、 例えばポリエチレングリコール、 プロピレ ングリコール、 D—マン-トール、 トレハロース、 安息香酸ベンジノレ、 ェタノ ール、 トリスァミノメタン、 コレステロール、 トリエタノールァミン、 炭酸ナ トリウム、 クェン酸ナトリウム、 サリチル酸ナトリウム、 酢酸ナトリウムなど が挙げられる。
懸濁化剤の好適な例としては、 例えばステアリルトリエタノールァミン、 ラ ゥリル硫酸ナトリウム、 ラウリルアミノプロピオン酸、 レシチン、 塩化ベンザ ルコニゥム、 塩化ベンゼトェゥム、 モノステアリン酸グリセリンなどの界面活 性剤;例えばポリビニルアルコール、 ポリビュルピロリ ドン、 カルボキシメチ ルセ/レロースナトリウム、 メチノレセノレロース、 ヒ ドロキシメチノレセノレロース、 ヒ ドロキシェチルセルロース、 ヒ ドロキシプロピルセルロースなどの親水性高 分子;ポリソルベート類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが挙げられる。 等張化剤の好適な例としては、 例えば塩化ナトリウム、 グリセリン、 D—マ ンニトール、 D—ソルビトール、 プドウ糖などが挙げられる。
緩衝剤の好適な例としては、 例えばリン酸塩、 酢酸塩、 炭酸塩、 クェン酸塩 などの緩衝液などが挙げられる。
無痛化剤の好適な例としては、 例えばべンジルアルコールなどが挙げられる。 防腐剤の好適な例としては、 例えばパラォキシ安息香酸エステル類、 クロロブ タノール、 ベンジルアルコール、 フエネチルアルコール、 デヒ ドロ酢酸、 ソル ビン酸などが挙げられる。
抗酸化剤の好適な例としては、 例えば亜硫酸塩、 ァスコルビン酸塩などが挙 げられる。
着色剤の好適な例としては、 例えば水溶性食用タール色素 (例、 食用赤色 2 号おょぴ 3号、 食用黄色 4号および 5号、 食用青色 1号おょぴ 2号などの食用 色素、 水不溶性レーキ色素 (例、 前記水溶性食用タール色素のアルミニウム塩 など) 、 天然色素 (例、 ]3—カロチン、 クロロフィル、 ベンガラなど) などが 挙げられる。
甘味剤の好適な例としては、 例えばサッカリンナトリゥム、 グリチルリチン 酸二カリウム、 アスパルテーム、 ステビアなどが挙げられる。
上記医薬組成物は、製剤技術分野において慣用の方法、例えば日本薬局方(例 えば第 1 3改正) に記載の方法にしたがって製造することができる。 該医薬組 成物中の本発明化合物の含量は、 例えば組成物全体の 0 . 1〜 1 0 0重量%で める。
医薬組成物の剤型としては、 例えば錠剤 (舌下錠、 口腔内崩壊錠を含む) 、 カプセル剤 (ソフトカプセル、 マイクロカプセルを含む) 、 散剤、 顆粒剤、 ト ローチ剤、 シロップ剤等の経口剤;および注射剤 (例、 皮下注射剤, 静脈内注 射剤, 筋肉内注射剤, 腹腔内注射剤、 点滴剤等) 、 外用剤 (例、 経皮製剤, 軟 膏剤等) 、 坐剤 (例、 直腸坐剤, 膣坐剤等) 、 ペレット、 経鼻剤、 経肺剤 (吸 入剤) 、 点眼剤等の非経口剤が挙げられる。 これらの製剤は、 速放性製剤また は徐放性製剤などの放出制御製剤 (例、 徐放性マイクロカプセルなど) であつ てもよい。
本発明の T G R 5受容体作動剤は、 T G R 5が関与する生理機能の調節剤、 T G R 5が関与する病態または疾患の予防 ·治療剤などとして有用である。 ここで、 「T G R 5が関与する生理機能の調節剤」 における生理機能として は、 サイトカイン産生、 免疫反応などが挙げられ、 該生理機能の調節剤 (亢進 または抑制剤) としては、 例えばサイト力イン産生抑制剤、 免疫抑制剤などが 挙げられる。
また、 「T G R 5が関与する病態または疾患」 としては、 例えば心不全、 心. 筋梗塞、 急性腎不全、 狭心症、 不整脈、 気管支喘息、 慢性閉塞性肺疾患、 動脈 硬化症、 慢性関節リウマチ、 糖尿病、 胃潰瘍、 潰瘍性大腸炎、 アレルギー、 変 形性関節症、 エリテマトーデス、 移植医療後の過剰免疫反応、 感染症などが挙
げられる。
さらに、 「TGR 5が関与する病態または疾患」 としては、 例えばアルッハ イマ一病、 痴呆、 摂食障害、 高血圧症、 心肥大、 非小細胞肺癌、 卵巣癌、 前立 腺癌、 胃癌、 膀胱癌、 乳癌、 子宮頸部癌、 結腸癌、 直腸癌、 肺炎、 気管支炎、 肺線維症、 クローン病、 アトピー性皮膚炎、免疫不全、 白血病、肝硬変、肝炎、 肝不全、 胆汁うっ滞症、 結石、 消化管潰瘍、 腸炎、 肥満なども挙げられる。 さらに、 本発明の TGR 5受容体作動剤は、 例えば、 G l u c a g o n— 1 i k e p e p t i d e— 1 (GL P— 1) 分泌促進剤、 食欲抑制剤、 勝臓の 再生剤、 腌 |3細胞分化剤、 薛 細胞増殖促進剤などとしても有効であり、 例え ば、 糖尿病、 インスリン分泌不全、 勝疲弊、 肥満などの予防'治療剤として使 用することができる。
糖尿病の判定基準については、 1 9 9 9年に日本糖尿病学会から新たな判定 基準が報告されている。
この報告によれば、 糖尿病とは、 空腹時血糖値 (静脈血漿におけるダルコ一 ス濃度) が 1 2 emgZd 1以上、 7 5 g経ロブドウ糖負荷試験 (7 5 g OG
I
TT) 2時間値(静脈血漿におけるグルコース濃度)が 20 0mg_ d 1以上、 随時血糖値 (静脈血漿におけるグルコース濃度) が 2 0 0mg d 1以上のい ずれかを示す状態である。 また、 上記糖尿病に該当せず、 つ、 「空腹時血糖 値 (静脈血漿におけるグルコース濃度) が 1 1 OmgZd 1未満または 7 5 g 経ロブドウ糖負荷試験 (7 5 g OGTT) 2時間値 (静脈血漿におけるダルコ ース濃度) が 1 4 0mg/d 1未満を示す状態」 (正常型) でない状態を、 「 境界型」 と呼ぶ。
また、 糖尿病の判定基準については、 1 9 9 7年に ADA (米国糖尿病学会 ) から、 1 9 9 8年に WHOから、 新たな判定基準が報告されている。
これらの報告によれば、 糖尿病とは、 空腹時血糖値 (静脈血漿におけるダル コース濃度) が 1 2 6 mg/d 1以上であり、 かつ、 7 5 g経ロブドウ糖負荷 試験 2時間値 (静脈血漿におけるグルコース濃度) が 200mgZd l以上を 示す状態である。
また、 上記報告によれば、 耐糠能不全とは、 空腹時血糖値 (静脈血漿におけ
るグルコース濃度) が 126mgZd 1未満であり、 かつ、 75 g経ロブドウ 糖負荷試験 2時間値 (静脈血漿におけるグルコース濃度) が 140 m g Z d 1 以上 20 Omg/d 1未満を示す状態である。 さらに、 ADAの報告によれば、 空腹時血糖値 (静脈血漿におけるグルコース濃度) が 1 10 m g / d 1以上 1 26mg/d 1未満の状態を I FG (I mp a i r e d F a s t i n g G 1 u c o s e) と呼ぶ。 一方、 WHOの報告によれば、 該 I FG ( I m p a i r e d F a s t i n g G l u c o s e) のうち、 75 g経口プドウ糖負荷 試験 2時間値 (静脈血漿におけるグルコース濃度) が 140mgZd l未満で ¾)る状態を I F G (I mp a i r e d F a s t i n g G 1 y c e m i a と呼ぶ。
本発明化合物は、上記した新たな判定基準により決定される糖尿病、境界型、 而ォ糖能異常、 I FG (Imp a i r e d F a s t i n g G l u c o s e) および I FG 、 Imp a i r e d F a s t i n g G l y c em i a) の予 防 ·治療剤としても用いられる。 さらに、 本発明化合物は、 境界型、 耐糖能異 常、 I FG (Imp a i r e d F a s t i n g G l u c o s e) または I FG (I mp a i r e d F a s t i n g G l y c em i a) 力 ら糖尿;丙へ の進展を防止することもできる。
本発明の TGR 5受容体作動剤は、 哺乳動物 (例、 ヒト、 マウス、 ラット、 ゥサギ、 モルモッ ト、 ィヌ、 ネコ、 ゥシ、 ゥマ、 ブタ、 サル等) に対し、 安全 に投与することができる。
本発明の TGR 5受容体作動剤の投与量は、 投与対象、 投与ルート、 対象疾 患などにより異なるが、 例えば、 該作動剤を糖尿病治療剤として成人 (約 60 k g) に経口投与する場合の投与量は、 有効成分である本発明化合物として、 一日あたり、 約 0. 1〜: 100 m g、 好ましくは約 1. 0〜 50 m g、 より好ま しくは約 1. 0〜20mgである。 これらの量は 1〜数回に分けて投与するこ とができる。 また、 本発明の TGR 5受容体作動剤を糖尿病治療剤として成人 (約 60 k g) に非経口投与 (例えば静脈注射) する場合の投与量は、 有効成 分である本発明化合物として、 一日あたり、 約 0. 01〜30mg、 好ましく は約 0. l〜20mg、 より好ましくは約 0. 1〜: L Omgである。 これらの
量は 1〜数回に分けて投与することができる。
さらに、 本発明化合物は、 本発明化合物以外の薬物と併用して使用するこ とができる。
本発明化合物と併用し得る薬物 (以下、 併用薬物と略記する場合がある) としては、 例えば、 上記疾患に対する他の薬剤 (他の糖尿病治療剤、 糖尿病 性合併症治療剤、 高脂血症治療剤、 抗肥満剤) 、 化学療法剤、 免疫療法剤、 免疫調節薬、 抗炎症薬、 抗菌薬、 抗真菌薬、 抗原虫薬、 抗生物質、 鎮咳 ·去 たん薬、 鎮静薬、 麻酔薬、 抗潰瘍薬、不整脈治療薬、 降圧利尿薬、 抗凝血薬、 精神安定薬、 抗精神病薬、 抗腫瘍薬、 筋弛緩薬、 抗てんかん薬、 抗うつ薬、 抗ァレルギ一薬、 強心薬、 不整脈治療薬、血管拡張薬、血管収縮薬、 降圧剤、 利尿薬、 麻薬拮抗薬、 ビタミン薬、 ビタミン誘導体、 抗喘息薬、 頻尿 ·尿失 禁治療薬、 ァトピー性皮膚炎治療薬、 ァレルギ一性鼻炎治療薬、 昇圧薬、 ェ ンドトキシン拮抗薬あるいは抗体、 シグナル伝達阻害薬、 炎症性メディエー ター作用抑制薬、 炎症性メディエーター作用抑制抗体、 抗炎症性メディエー ター作用抑制薬、 抗炎症性メディエーター作用抑制抗体などが挙げられる。 具体的には、 以下のものが拳げられる。
具体的には、 他の糖尿病治療剤としては、 インスリン製剤 (例、 ゥシ、 ブタ の瞎臓から抽出された動物インスリン製剤;大腸菌、 イーストを用い、 遺伝子, 工学的に合成したヒトインスリン製剤;インスリン亜鉛;プロタミンインスリ ン亜鉛;インスリンのフラグメントまたは誘導体 (例、 I N S— 1等) など) 、 インスリン感受性増強剤 (例、 塩酸ピオグリタゾン、 トログリタゾン、 口ジグ リタゾンまたはそのマレイン酸塩、 J TT— 50 1、 MCC— 55 5、 YM— 440、 G I— 26 2 5 70、 KRP— 2 9 7、 FK— 6 14、 CS— 0 1 1、 ( γ E) - Ύ - [ [ [4- [ (5 -メチル- 2-フェ -ル- 4 -ォキサゾリル)メ トキシ]フエニル] メトキシ]ィミノ]ベンゼンブタン酸等) 、 ひ一ダルコシダーゼ阻害剤 (例、 ボ ダリポース、 ァカルボース、 ミグリ トール、 エミグリテート等) 、 ビグアナィ ド剤 (例、 フェンホルミン、 メ トホルミン、 プホルミン等) 、 スルホニルウレ ァ剤 (例、 トルプタミ ド、 グリペンクラミ ド、 グリクラジド、 クロルプロノ ミ
ド、 トラザミ ド、 ァセトへキサミ ド、 グリクロビラミ ド、 グリメピリ ド等) や その他のインスリン分泌促進剤 (例、 レパグリニド、 セナグリニド、 ミチダリ ニドまたはそのカルシウム塩水和物、 GLP—1、 ナテグリニド等) 、 ジぺプ チジルぺプチダーゼ I V阻害剤(例、 NVP—DPP— 278、 PT— 100、 P 32/98等) 、 3ァゴニス ト (例、 CL— 316243、 SR— 586 1 1_A、 UL-TG- 307, AJ— 9677、 AZ 40140等) 、 アミ リンァゴニスト (例、 プラムリンチド等) 、 ホスホチロシンホスファターゼ阻 害剤 (例、 パナジン酸等) 、 糖新生阻害剤 (例、 グリコーゲンホスホリラーゼ 阻害剤、 グルコース一 6—ホスファターゼ阻害剤、 グルカゴン拮抗剤等) 、 S GLT (sodium-glucose cotransporter) 阻害剤 (例、 T一 1095等) 等が 挙げられる。
糖尿病性合併症治療剤としては、 アルドース還元酵素阻害剤 (例、 トルレス タツ卜、 ェパノレレスタツト、 ゼナレスタツト、 ゾポノレレスタツト、 フィダレス タツト (SNK— 860) 、 ミナルレスタツト (AR I—509) 、 CT—1 12等) 、 神経栄養因子 (例、 NGF、 NT— 3等) 、 プロテインキナーゼ C (PKC) 阻害薬 (例、 LY—333531等) 、 AGE阻害剤 (例、 ALT 一 945、 ピマゲジン、 ピラトキサチン、 N—フエナシルチアゾリゥムブロミ ド (ALT— 766) 、 £ 0—226等) 、 活性酸素消去薬 (例、 チォクト 酸等) 、 脳血管拡張剤 (例、 チォプリ ド等) 等が挙げられる。
抗高脂血剤としては、コレステロール合成阻害剤であるスタチン系化合物(例、 プラバスタチン、 シンパスタチン、 口パスタチン、 アトノレパスタチン、 フノレノ スタチン、 セリバスタチンまたはそれらの塩 (例、 ナトリウム塩等) 等) 、 ス クァレン合成酵素阻害剤あるいはトリグリセリ ド低下作用を有するフィブラー ト系化合物 (例、 ベザフイブラート、 クロフイブラート、 シムフイブラート、 クリノフイブラート等) 等が挙げられる。
降圧剤としては、 アンジォテンシン変換酵素阻害剤 (例、 カプトプリル、 ェ ナラプリル、 デラプリル等) 、 アンジォテンシン II拮抗剤 (例、 口サルタン、 カンデサルタン、 シレキセチル等) 、 カルシウム拮抗剤 (例、 マニジピン、 二
フエジピン、 アムロジピン、 エホニジピン、 二カルジピン等) 、 クロ-ジン等 が挙げられる。
抗肥満剤としては、 例えば中枢性抗肥満薬 (例、 デキスフェンフルァミン、 フェンフ/レラミン、 フェンテルミン、 シブトラミン、 アンフエプラモン、 デキ サンフエタミン、 マジンドーノレ、 フエ-ノレプロパノ一/レアミン、 クロべンゾレ ックス等) 、 膝リパーゼ阻害薬 (例、 オルリスタツト、 A T L— 9 6 2等) 、 β 3ァゴニス ト (例、 C L一 3 1 6 2 4 3、 S R— 5 8 6 1 1— A、 U L— T G— 3 0 7、A J— 9 6 7 7、Α Ζ 4 0 1 4 0等)、ぺプチド性食欲抑制薬(例、 レブチン、 C N T F (毛様体神経栄養因子) 等) 、 コレシストキニンァゴニス ト (例、 リンチトリプト、 F P L— 1 5 8 4 9等) 等が挙げられる。
利尿剤としては、 例えばキサンチン誘導体 (例、 サリチル酸ナトリウムテオ プロミン、 サリチル酸カルシウムテオプロミン等) 、 チアジド系製剤 (例、 ェ チアジド、 シクロペンチアジド、 トリクロルメチアジド、 ヒ ドロクロロチアジ ド、 ヒ ドロフルメチアジド、 ベンジルヒ ドロクロ口チアジド、 ペンフルチジド、 ポリチアジド、 メチクロチアジド等) 、 抗アルドステロン製剤 (例、 スピロノ ラクトン、 トリアムテレン等)、炭酸脱水酵素阻害剤(例、ァセタゾラミド等)、 クロルベンゼンスルホンアミ ド系製剤 (例、 クロルタリ ドン、 メフルシド、 ィ ンダパミド等) 、 ァゾセミド、 イソソルビド、 エタクリン酸、 ピレタ -ド、 プ メタニド、 フロセミ ド等が挙げられる。
化学療法剤としては、 例えばアルキル化剤 (例、 サイクロフォスフアミド、 ィフォスフアミド等) 、 代謝拮抗剤 (例、 メソトレキセ一ト、 5—フルォロゥ ラシル等) 、 抗癌†生抗生物質 (例、 マイトマイシン、 アドリアマイシン等) 、 植物由来抗癌剤 (例、 ビンクリスチン、 ビンデシン、 タキソール等) 、 シスプ ラチン、 カルボブラチン、 エトポキシドなどが挙げられる。 なかでも 5—フル ォロウラシル誘導体であるフルッロンあるいはネオフルッロンなどが好ましい 免疫療法剤としては、 例えば微生物または細菌成分 (例、 ムラミルジぺプチ ド誘導体、 ピシパニール等) 、 免疫増強活性のある多糖類 (例、 レンチナン、 シゾフィラン、クレスチン等)、遺伝子工学的手法で得られるサイトカイン(例、
インターフェロン、 インターロイキン (I L) 等) 、 コロニー刺激因子 (例、 顆粒球コロニー刺激因子、 エリスロポエチン等) などが挙げられ、 なかでも I L— 1、 I L一 2、 I L一 1 2などが好ましい。
さらに、 動物モデルや臨床で悪液質改善作用が認められている薬剤、 すなわ ち、 シクロォキシゲナーゼ阻害剤 (例、 インドメタシン等) 〔キャンサー . リ サーチ (Cancer Research) 、第 49巻、 5 9 35〜 5 93 9頁、 1 9 8 9年〕 、 プロゲステロン誘導体 (例、 メゲステロールァセテ一ト) 〔ジャーナル ·ォブ · タリ-力ノレ'オンコロジ一 (Journal of Clinical Oncology) 、 第 1 2卷、 2 1 3〜 225頁、 1 994年〕 、 糖質ステロイド (例、 デキサメサゾン等) 、 メトクロプラミ ド系薬剤、 テトラヒドロカンナビノール系薬剤 (文献はいずれ も上記と同様) 、 脂肪代謝改善剤 (例、 エイコサペンタエン酸等) 〔プリティ シュ ·ジャーナノレ ·ォプ ·キャンサー (British Journal of Cancer) 、 第 6 8 卷、 3 14〜 3 1 8頁、 1 9 93年〕 、 成長ホルモン、 I GF— 1、 あるいは 悪液質を誘導する因子である TNF—ひ、 L I F、 I L—6、 オンコスタチン Mに対する抗体なども本発明製剤と併用することができる。
さらに、 糖化阻害剤 (例、 ALT-711等)、 神経再生促進薬 (例、 Y - 128、 VX853, prosaptide等)、 抗うつ薬 (例、 デシブラミン、 アミ トリプチリン、 イミプラミ ン)、 抗てんかん薬 (例、 ラモトリジン) 、 抗不整脈薬 (例、 メキシレチン) 、 ァセチルコリン受容体リガンド (例、 ABT- 594)、ェンドセリン受容体拮抗薬(例、 ABT-627) 、 モノアミン取り込み阻害薬 (例、 トラマドル)、 麻薬性鎮痛薬 (例、 モルヒネ)、 GABA受容体作動薬(例、 ギヤバペンチン) 、 α 2受容体作動薬(例、 クロ二ジン) 、 局所鎮痛薬 (例、 カブサイシン) 、 抗不安薬 (例、 ベンゾチア ゼピン) 、 ホスホジエステラーゼ阻害薬 (例、 シルデナフィル) 、 ドーパミン 受容体作動薬 (例、 アポモルフイン) なども本発明製剤と併用することができ る。
本発明化合物と併用薬物とを組み合わせることにより、
( 1) 本発明化合物または併用薬物を単独で投与する場合に比べて、 その投 与量を軽減することができる、
( 2 ) 患者の症状 (軽症、 重症など) に応じて、 本発明化合物と併用する薬 物を選択することができる、
( 3 ) 本発明化合物と作用機序が異なる併用薬物を選択することにより、 治 療期間を長く設定することができる、
( 4 ) 本発明化合物と作用機序が異なる併用薬物を選択することにより、 治 療効果の持続を図ることができる、
( 5 ) 本発明化合物と併用薬物とを併用することにより、 相乗効果が得られ る、 などの優れた効果を得ることができる。
以下、 本発明化合物 (I ) と併用薬物を併用して使用することを 「本発明 の併用剤」 と称する。
本発明の併用剤の使用に際しては、 本発明化合物と併用薬物の投与時期は 限定されず、 本発明化合物またはその医薬組成物と併用薬物またはその医薬 組成物とを、 投与対象に対し、 同時に投与してもよいし、 時間差をおいて投 与してもよい。 併用薬物の投与量は、 臨床上用いられている投与量に準ずれ ばよく、 投与対象、 投与ルート、 疾患、 組み合わせ等により適宜選択するこ とができる。 ,
本発明の併用剤の投与形態は、 特に限定されず、 投与時に、 本発明化合物 と併用薬物とが組み合わされていればよい。 このような投与形態としては、 例えば、 (1 ) 本発明化合物と併用薬物とを同時に製剤化して得られる単一 の製剤の投与、 (2 ) 本発明化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られ る 2種の製剤の同一投与経路での同時投与、 (3 ) 本発明化合物と併用薬物 とを別々に製剤化して得られる 2種の製剤の同一投与経路での時間差をおい ての投与、 (4 ) 本発明化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる 2 種の製剤の異なる投与経路での同時投与、 (5 ) 本発明化合物と併用薬物と を別々に製剤化して得られる 2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおい ての投与 (例えば、 本発明化合物;併用薬物の順序での投与、 あるいは逆の 順序での投与) などが挙げられる。
本発明の併用剤は、 毒性が低く、 例えば、 本発明化合物または (および)
上記併用薬物を自体公知の方法に従って、 薬理学的に許容される担体と混合 して医薬組成物、 例えば錠剤 (糖衣錠、 フィルムコーティング錠を含む) 、 散剤、 顆粒剤、 カプセル剤、 (ソフトカプセルを含む) 、 液剤、 注射剤、 坐 剤、 徐放剤等として、 経口的又は非経口的 (例、 局所、 直腸、 静脈投与等) に安全に投与することができる。 注射剤は、 静脈内、 筋肉内、 皮下または臓 器内投与あるいは直接病巣に投与することができる。
本発明の併用剤の製造に用いられてもよい薬理学的に許容される担体とし ては、 製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質があげられ、 例 えば固形製剤における賦形剤、 滑沢剤、 結合剤及び崩壊剤、 あるいは液状製 剤における溶剤、 溶解補助剤、 懸濁化剤、 等張化剤、 緩種 ί剤及び無痛化剤等 があげられる。 更に必要に応じ、通常の防腐剤、抗酸化剤、着色剤、 甘味剤、 吸着剤、 湿潤剤等の添加物を適宜、 適量用いることもできる。
賦形剤としては、 例えば乳糖、 白糖、 D—マンニトール、 デンプン、 コー ンスターチ、 結晶セルロース、 軽質無水ケィ酸等が挙げられる。
滑沢剤としては、 例えばステアリン酸マグネシゥム、 ステアリン酸カルシ ゥム、 タルク、 コロイ ドシリカ等が挙げられる。
結合剤としては、 例えば結晶セルロース、 白糖、 D—マンニトール、 デキ ス トリン、 ヒ ドロキシプロピルセルロース、 ヒ ドロキシプロピルメチノレセノレ ロース、 ポリ ビュルピロリ ドン、 デンプン、 ショ糖、 ゼラチン、 メチルセル ロース、 カルボキシメチルセルロースナトリウム等が挙げられる。
崩壊剤としては、 例えばデンプン、 カルボキシメチルセルロース、 カルボ キシメチノレセノレロースカノレシゥム、 カノレポキシメチルスターチナトリ ゥム、 L—ヒ ドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
溶剤としては、 例えば注射用水、 アルコール、 プロピレングリコール、 マ クロゴール、 ゴマ油、 トウモロコシ油、 オリープ油等が挙げられる。
溶解補助剤としては、 例えばポリエチレングリコール、 プロピレングリコ ール、 D—マンニトール、 安息香酸ベンジル、 エタノール、 トリスアミノメ タン、 コレステロール、 トリエタノールァミン、 炭酸ナトリウム、 クェン酸
ナトリゥム等が挙げられる。
懸濁化剤としては、 例えばステアリルトリエタノールァミン、 ラウリル硫 酸ナトリウム、 ラウリルアミノプロピオン酸、 レシチン、 塩化ベンザルコニ ゥム、 塩化べンゼトニゥム、 モノステアリン酸グリセリン等の界面活性剤; 例えばポリ ビエルアルコール、 ポリ ビュルピロリ ドン、 カルボキシメチルセ ノレロースナトリウム、 メチノレセノレロース、 ヒ ドロキシメチノレセノレロース、 ヒ ドロキシェチルセルロース、 ヒ ドロキシプロピルセルロース等の親水性高分 子等が挙げられる。
等張化剤としては、例えばブドウ糖、 D—ソルビトール、塩化ナトリゥム、 グリセリン、 D—マンニトール等が挙げられる。
緩衝剤としては、 例えばリン酸塩、 酢酸塩、 炭酸塩、 クェン酸塩等の緩衝 液等が挙げられる。
無痛化剤としては、 例えばべンジルアルコール等が挙げられる。
防腐剤としては、 例えばパラォキシ安息香酸エステル類、 クロロブタノ一 ル、 ベンジルァノレコーノレ、 フエネチルァノレコール、 デヒ ドロ酢酸、 ソノレビン 酸等が挙げられる。
抗酸化剤としては、 例えば亜硫酸塩、 ァスコルビン酸、 ひ一トコフェロー ル等が挙げられる。
本発明の併用剤における本発明化合物と併用薬物との配合比は、投与対象、 投与ルート、 疾患等により適宜選択することができる。
例えば、 本発明の併用剤における本発明化合物の含有量は、 製剤の形態に よって相違するが、 通常製剤全体に対して約 0 . 0 1ないし 1 0 0重量。 /。、 好ましくは約 0 . 1ないし 5 0重量%、 さらに好ましくは約 0 . 5ないし 2 0重量%程度である。
本発明の併用剤における併用薬物の含有量は、 製剤の形態によって相違す るが、 通常製剤全体に対して約 0 . 0 1ないし 1 0 0重量。 /0、 好ましくは約 0 . 1ないし 5 0重量%、 さらに好ましくは約 0 . 5ないし 2 0重量%程度 である。
本発明の併用剤における担体等の添加剤の含有量は、 製剤の形態によって 相違するが、 通常製剤全体に対して約 1ないし 9 9 . 9 9重量%、 好ましく は約 1 0ないし 9 0重量%程度である。
また、 本発明化合物および併用薬物をそれぞれ別々に製剤化する場合も同 様の含有量でよい。
これらの製剤は、 製剤工程において通常一般に用いられる自体公知の方法 により製造することができる。
例えば、 本発明化合物または併用薬物は、 分散剤 (例、 ツイーン (Tween) 8 0 (アトラスパウダー社製、 米国) 、 HC0 60 (日光ケミカルズ製) 、 ポリ エチレングリコーノレ、力/レポキシメチノレセノレロース、ァノレギン酸ナトリ ゥム、 ヒ ドロキシプロピルメチルセルロース、デキストリンなど) 、安定化剤(例、 ァスコルビン酸、 ピロ亜硫酸ナトリウム等) 、 界面活性剤 (例、 ポリソルべ ート 8 0、 マクロゴール等) 、 可溶剤 (例、 グリセリン、 ェタノール等) 、 緩衝剤 (例、 リン酸及ぴそのアルカリ金属塩、 クェン酸及ぴそのアルカリ金 属塩等) 、 等張化剤 (例、 塩化ナトリウム、 塩化カリウム、 マンニトール、 ソルビトール、ブドウ糖等)、 p H調節剤(例、塩酸、水酸化ナトリゥム等)、 保存剤 (例、 パラォキシ安息香酸ェチル、 安息香酸、 メチルパラベン、 プロ ピルパラベン、 ベンジルアルコール等) 、 溶解剤 (例、 濃グリセリン、 メグ ルミン等) 、 溶解補助剤 (例、 プロピレングリコール、 白糖等) 、 無痛化剤 (例、 ブドウ糖、 ベンジルアルコール等) などと共に水性注射剤に、 あるい はォリーブ油、 ゴマ油、 綿実油、 コーン油などの植物油、 プロピレングリコ ールなどの溶解補助剤に溶解、 懸濁あるいは乳化して油性注射剤に成形し、 注射剤とすることができる。
経口投与用製剤とするには、 自体公知の方法に従い、 本発明化合物または 併用薬物を例えば、 賦形剤 (例、 乳糖、 白糖、 デンプンなど) 、 崩壊剤 (例、 デンプン、 炭酸カルシウムなど) 、 結合剤 (例、 デンプン、 アラビアゴム、 カ^^ボキシメチノレセノレロース、 ポリ ビニーノレピロリ ドン、 ヒ ドロキシプロピ ルセルロースなど) 又は滑沢剤 (例、 タルク、 ステアリン酸マグネシウム、
ポリエチレングリコール 6 0 0 0など) などを添加して圧縮成形し、 次い で必要により、 味のマスキング、 腸溶性あるいは持続性の目的のため自体公 知の方法でコーティングすることにより経口投与製剤とすることができる。 そのコーティング剤としては、 例えば、 ヒドロキシプロピルメチルセル口一 ス、 ェチノレセノレロース、 ヒ ドロキシメチルセルロース、 ヒ ドロキシプロピノレ セノレロース、 ポリオキシエチレングリコーノレ、 ツイーン 8 0、 プノレロニッ ク F 6 8、 セルロースアセテートフタレート、 ヒ ドロキシプロピルメチル セノレロースフタレート、 ヒ ドロキシメチノレセノレロースアセテートサクシネー ト、 オイドラギット (ローム社製、 ドイツ, メタアクリル酸 ·アクリル酸共 重合) および色素 (例、 ベンガラ, 二酸化チタン等) などが用いられる。 経 口投与用製剤は速放性製剤、 徐放性製剤のいずれであってもよい。
例えば、 坐剤とするには、 自体公知の方法に従い、 本発明化合物または併 用薬物を油性又は水性の固状、 半固状あるいは液状の坐剤とすることができ る。 上記組成物に用いる油性基剤としては、 例えば、 高級脂肪酸のグリセリ ド 〔例、 カカオ脂、 ウイテプゾル類 (ダイナマイトノーベル社製, ドイツ) など〕 、 中級脂肪酸 〔例、 ミグリオール類 (ダイナマイ トノ一ベル社製, ド イツ) など〕 、 あるいは植物油 (例、 ゴマ油、 大豆油、 綿実油'など) などが 挙げられる。 また、 水性基剤としては、 例えばポリエチレングリコール類、 プロピレングリコール、 水性ゲル基剤としては、 例えば天然ガム類、 セル口 —ス誘導体、 ビニール重合体、 アクリル酸重合体などが挙げられる。
上記徐放性製剤としては、 徐放性マイクロカプセル剤などが挙げられる。 徐放型マイクロカプセルとするには、 自体公知の方法を採用できるが、 例 えば、 下記 〔2〕 に示す徐放性製剤に成型して投与するのが好ましい。
本発明化合物は、 固形製剤 (例、 散剤、 顆粒剤、 錠剤、 カプセル剤) など の経口投与用製剤に成型するか、 坐剤などの直腸投与用製剤に成型するのが 好ましい。 特に経口投与用製剤が好ましい。
併用薬物は、 薬物の種類に応じて上記した剤形とすることができる。
以下に、 〔1〕本発明化合物または併用薬物の注射剤およびその調製、 〔2〕
本発明化合物または併用薬物の徐放性製剤又は速放性製剤およびその調製、
〔3〕 本発明化合物または併用薬物の舌下錠、 バッカル又は口腔内速崩壊剤 およびその調製について具体的に示す。
〔1〕 注射剤およびその調製
本発明化合物または併用薬物を水に溶解してなる注射剤が好ましい。 該注 射剤には安息香酸塩又は/およびサリチル酸塩を含有させてもよい。
該注射剤は、 本発明化合物または併用薬物と所望により安息香酸塩又はノ およぴサリチル酸塩の双方を水に溶解することにより得られる。
^ 上記安息香酸、 サリチル酸の塩としては、 例えばナトリゥム, 力リゥムな どのアルカリ金属塩、カルシウム,マグネシウムなどのアル力リ土類金属塩、 アンモ-ゥム塩、 メダルミン塩、 その他トロメタモールなどの有機酸塩など が挙げられる。
注射剤中の本発明化合物または併用薬物の濃度は 0 . 5〜5 0 w/ v % ,好 ましくは 3〜2 0 wZ v %程度である。 また安息香酸塩又は/およびサリチ ル酸塩の濃度は 0 . 5〜 5 0 w/ V %、好ましくは 3〜 2 0 w/ v %が好まし い。
また、 本剤には一般に注射剤に使用される添加剤、 例えば安定化剤 (ァス コルビン酸、 ピロ亜硫酸ナトリウム等) 、界面活性剤(ポリソルベート 8 0、 マクロゴール等) 、 可溶剤 (グリセリン、 ェタノール等) 、 緩衝剤 (リン酸 及びそのアルカリ金属塩、 クェン酸及ぴそのアルカリ金属塩等) 、 等張化剤 (塩化ナトリウム、 塩化カリウム等) 、 分散剤 (ヒ ドロキシプロピルメチル セルロース、 デキストリン) 、 p H調節剤 (塩酸、 水酸化ナトリウム等) 、 保存剤 (パラォキシ安息香酸ェチル、安息香酸等) 、溶解剤 (濃グリセリン、 メグルミン等) 、 溶解補助剤 (プロピレングリコール、 白糖等) 、 無痛化剤 (ブドウ糖、 ベンジルアルコール等) などを適宜配合することができる。 こ れらの添加剤は一般に注射剤に通常用いられる割合で配合される。
注射剤は p H調節剤の添加により 2〜 1 2好ましくは 2 . 5〜 8 . 0に調整 するのがよい。
注射剤は本発明化合物または併用薬物と所望により安息香酸塩又は zおよ ぴサリチル酸塩の双方を、 また必要により上記添加剤を水に溶解することに より得られる。 これらの溶解はどのような順序で行ってもよく、 従来の注射 剤の製法と同様に適宜行うことができる。
注射用水溶液は加温するのがよく、 また通常の注射剤と同様にたとえば濾 過滅菌, 高圧加熱滅菌などを行うことにより注射剤として供することができ る。
注射用水溶液は、 例えば 100〜 121 °Cの条件で 5〜 30分高圧加熱滅 菌するのがよい。
さらに多回分割投与製剤として使用できるように、 溶液の抗菌性を付与し た製剤としてもよい。
〔2〕 徐放性製剤又は速放性製剤およびその調製
本発明化合物または併用薬物を含んでなる核を所望により水不溶性物質や 膨潤性ポリマーなどの被膜剤で被覆してなる徐放性製剤が好ましい。例えば、 1日 1回投与型の経口投与用徐放性製剤が好ましい。
被膜剤に用いられる水不溶性物質としては、 例えばェチルセルロース、 プ チノレセノレロースなどのセノレロースエーテル類、 セルロースアセテート、 セル ロースプロピオネートなどのセノレロースエステノレ類、ポリ ビ-ノレアセテート、 ポリビュルブチレートなどのポリビエルエステル類、 アタリル酸 Zメタクリ ル酸共重合体、 メチルメタクリ レート共重合体、 ェトキシェチルメタクリ レ 一トノシンナモェチルメタクリレート アミノアルキルメタクリレート共重 合体、 ポリアタリル酸、 ポリメタタリル酸、 メタタリル酸アルキルァミ ド共 重合体、 ポリ (メタタリル酸メチル) 、 ポリメタタリレート、 ポリメタタリ ルアミ ド、 アミノアルキルメタタリレート共重合体、 ポリ (メタクリル酸ァ ンヒドリ ド) 、 グリシジルメタクリレート共重合体、 とりわけオイドラギッ ト RS— 100, RL- 100, R S - 30 D, RL- 30 D, RL-PO, RS-PO (ァクリル酸ェチル ·メタァクリル酸メチル .メタァクリル酸塩 ィ匕トリメチル ·アンモニゥムェチル共重合体) 、 オイドラギット NE— 30
D (メタアクリル酸メチル ·アクリル酸ェチル共重合体) などのオイ ドラギ ッ ト類 (ローム ·ファーマ社) などのァクリル酸系ポリマー、 硬化ヒマシ油 (例、 ラブリーワックス (フロイント産業) など) などの硬化油、 カルナバ ワックス、 脂肪酸グリセリンエステル、 パラフィンなどのワックス類、 ポリ グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
膨潤性ポリマーとしては、 酸性の解離基を有し、 p H依存性の膨潤を示す ポリマーが好ましく、 胃内のような酸性領域では膨潤が少なく、 小腸や大腸 などの中性領域で膨潤が大きくなる酸性の解離基を有するポリマーが好まし レ、。
このような酸性の解離基を有し, p H依存性の膨潤を示すポリマーとして は、 例えばカーポマー (Carbomer) 9 3 4 P、 9 4 0、 9 4 1、 9 7 4 P、 9 8 0、 1 3 4 2等、 ポリカーボフィル (polycarbophil) 、 カルシウムポリ カボーフィノレ (carcium polycarbophi l) (前記はいずれも B Fグッドリッチ 社製) 、 ハイビスヮコー 1 0 3、 1 0 4、 1 0 5、 3 0 4 (いずれも和光純 薬 (株) 製) などの架橋型ポリアクリル酸重合体が挙げられる。
徐放性製剤に用いられる被膜剤は親水性物質をさらに含んでいてもよい。 該親水性物質としては、 例えばプルラン、 デキストリン、 アルギン酸アル カリ金属塩などの硫酸基を有していてもよい多糖類、 ヒ ドロキシプロピルセ ルロース、 ヒ ドロキシプロピルメチルセルロース、 カルボキシメチルセル口 ースナトリゥムなどのヒ ドロキシアルキル基又はカルボキシアルキル基を有 する多糖類、 メチルセルロース、 ポリビエルピロリ ドン、 ポリビニルアルコ ール、 ポリエチレンダリコールなどが挙げられる。
徐放性製剤の被膜剤における水不溶性物質の含有率は約 3 0ないし約 9 0 % (w/w) 、 好ましくは約 3 5ないし約 8 0 % (w/w) 、 さらに好ましくは 約 4 0ないし 7 5 % (w/w) 、 膨潤性ポリマーの含有率は約 3ないし約 3 0 % (w/w) 、 好ましくは約 3ないし約 1 5 % (W/w)である。 被膜剤は親水性物質 をさらに含んでいてもよく、 その場合被膜剤における親水性物質の含有率は 約 5 0 % (w/w)以下、 好ましくは約 5〜約 4 0 % (w/w) 、 さらに好ましくは
約 5〜約 3 5 % (w/w)である。ここで上記。/o (w/w)は被膜剤液から溶媒(例、 水、 メタノール、 エタノール等の低級アルコール等) を除いた被膜剤組成物 に対する重量%を示す。
徐放性製剤は、 以下に例示するように薬物を含む核を調製し、 次いで得ら れた核を、 水不溶性物質や膨潤性ポリマーなどを加熱溶解あるいは溶媒に溶 解又は分散させた被膜剤液で被覆することにより製造される。
1 . 薬剤を含む核の調製。
被膜剤で被覆される薬物を含む核 (以下、 単に核と称することがある) の 形態は特に制限されないが、 好ましくは顆粒あるいは細粒などの粒子状に形 成される。
核が顆粒又は細粒の場合、 その平均粒子径は、 好ましくは約 1 5 0ないし
2 , 0 0 0 さらに好ましくは約 5 0 0ないし約 1 , 4 0 0 μ mである。 核の調製は通常の製造方法で実施することができる。 例えば、 薬物に適当 な賦形剤、 結合剤、 崩壊剤、 滑沢剤、 安定化剤等を混合し、 湿式押し出し造 粒法、 流動層造粒法などにより調製する。
核の薬物含量は、 約 0 . 5ないし約 9 5 % (w/w) 、 好ましくは約 5 . 0ない し約 8 0 % (w/w) 、 さらに好ましくは約 3 0ないし約 7 0 % (w/w) である。 核に含まれる賦形剤としては、 例えば白糖、 乳糖、 マンニトール、 ダルコ ースなどの糖類、 澱粉、 結晶セルロース、 リン酸カルシウム、 コーンスター チなどが用いられる。 中でも、結晶セルロース、 コーンスターチが好ましい。 結合剤としては、 例えばポリビニルアルコール、 ヒ ドロキシプロピルセル ロース、 ポリエチレングリコーノレ、 ポリ ビニノレピロリ ドン、 プノレロニック F 6 8、 アラビアゴム、 ゼラチン、 澱粉などが用いられる。 崩壌剤としては、 例えばカルボキシメチルセルロースカルシウム(ECG505)、 クロスカルメロー スナトリウム(Ac- Di- Sol)、架橋型ポリビュルピロリ ドン(クロスポビドン)、 低脣換度ヒ ドロキシプロピルセルロース(L- HPC)などが用いられる。中でも、 ヒ ドロキシプロピルセルロース、 ポリ ビュルピロリ ドン、 低置換度ヒ ドロキ シプロピルセルロースが好ましい。 滑沢剤、 凝集防止剤としては例えばタル
ク、 ステアリン酸マグネシウムおよびその無機塩、 また潤滑剤としてポリェ チレングリコールなどが用いられる。 安定化剤としては酒石酸、 クェン酸、 コハク酸、 フマル酸、 マレイン酸などの酸が用いられる。
核は上記製造法以外にも、 例えば核の中心となる不活性担体粒子上に水、 低級アルコール (例、 メタノール、 エタノールなど) 等の適当な溶媒に溶解 した結合剤をスプレーしながら、 薬物あるいはこれと賦形剤、 滑沢剤などと の混合物を少量づっ添加して行なう転動造粒法、 パンコーティング法、 流動 層コーティング法ゃ溶融造粒法によっても調製することができる。 不活性担 体粒子としては、 例えば白糠、 乳糖、 澱粉、 結晶セルロース、 ワックス類で 製造されたものが使用でき、その平均粒子径は約 1 0 0 μ mないし約 1 , 5 0 0 μ mであるものが好ましい。
核に含まれる薬物と被膜剤とを分離するために、 防護剤で核の表面を被覆 してもよい。 防護剤としては、 例えば前記親水性物質や、 水不溶性物質等が 用いられる。 防護剤は、 好ましくはポリエチレングリコールゃヒドロキシァ ルキル基又はカルボキシアルキル基を有する多糖類、 より好ましくはヒドロ キシプロピルメチルセルロース、 ヒ ドロキシプロピルセルロースが用いられ る。 該防護剤には安定化剤として酒石酸、 クェン酸、 コハク酸、 フマル酸、 マレイン酸等の酸や、 タルクなどの滑沢剤を含んでいてもよい。 防護剤を用 いる場合、 その被覆量は核に対して約 1ないし約 1 5 % (w/w) 、 好ましくは 約 1ないし約 1 0 % (w/w) 、 さらに好ましくは約 2ないし約 8 % (w/w) で ある。
防護剤は通常のコーティング法により被覆することができ、 具体的には、 防護剤を例えば流動層コーティング法、 パンコーティング法等により核にス プレーコーティングすることで被覆することができる。
II. 核の被膜剤による被覆
前記 Iで得られた核を、 前記水不溶性物質及び pH依存性の膨潤性ポリマ 一、 および親水性物質を加熱溶解あるいは溶媒に溶解又は分散させた被膜剤 液により被覆することにより徐放性製剤が製造される。
核の被膜剤液による被覆方法として、 例えば噴霧コーティングする方法な どが挙げられる。
被膜剤液中の水不溶性物質、 膨潤性ポリマー又は親水性物質の組成比は、 被膜中の各成分の含有率がそれぞれ前記含有率となるように適宜選ばれる。 被膜剤の被覆量は、 核 (防護剤の被覆量を含まない) に対して約 1ないし 約 9 0 % (w/w) 、 好ましくは約 5ないし約 5 0 % (w/w) 、 さらに好ましく は約 5ないし 3 5 % (w/w) である。
被膜剤液の溶媒としては水又は有機溶媒を単独であるいは両者の混液を用 いることができる。 混液を用いる際の水と有機溶媒との混合比 (水ノ有機溶 媒:重量比) は、 1ないし 1 0 0 %の範囲で変化させることができ、 好まし くは 1ないし約 3 0 %である。 該有機溶媒としては、 水不溶性物質を溶解す るものであれば特に限定されないが、 例えばメチルアルコール、 ェチルアル コール、イソプロピルアルコール、 n-ブチルアルコール等の低級アルコール、 アセトンなどの低級アルカノン、 ァセトニトリル、 クロ口ホルム、 メチレン クロライドなどが用いられる。 このうち低級アルコールが好ましく、 ェチル アルコール、 イソプロピルアルコールが特に好ましい。 水及び水と有機溶媒 との混液が被膜剤の溶媒として好ましく用いられる。 この時、 必要であれば 被膜剤液中に被膜剤液安定化のために酒石酸、 クェン酸、 コハク酸、 フマル 酸、 マレイン酸などの酸を加えてもよい。
嘖霧コ一ティングにより被覆する場合の操作は通常のコーティング法によ り実施することができ、 具体的には、 被膜剤液を例えば流動層コーティング 法、 パンコーティング法等により核にスプレーコーティングすることで実施 することができる。 この時必要であれば、 タルク、 酸化チタン、 ステアリン 酸マグネシウム、 ステアリン酸カルシウム、 軽質無水ケィ酸などを滑沢剤と して、 グリセリン脂肪酸エステル、 硬化ヒマシ油、 タエン酸トリエチル、 セ チルアルコール、ステアリルアルコールなどを可塑剤として添加してもよい。 被膜剤による被膜後、 必要に応じてタルクなどの帯電防止剤を混合しても よい。
速放性製剤は、 液状 (溶液、 懸濁液、 乳化物など)であっても固形状 (粒子 状、 丸剤、 錠剤など) であってもよい。 経口投与剤、 注射剤など非経口投与 剤が用いられるが、 経口投与剤が好ましい。
速放性製剤は、 通常、 活性成分である薬物に加えて、 製剤分野で慣用され る担体、 添加剤や賦形剤 (以下、 賦形剤と略称することがある) を含んでい てもよレ、。 用いられる製剤賦形剤は、 製剤賦形剤として常用される賦形剤で あれば特に限定されない。 例えば経口固形製剤用の賦形剤としては、 乳糖、 デンプン、 コーンスターチ、 結晶セルロース (旭化成 (株) 製、 アビセル P H I 0 1など) 、 粉糖、 ダラ-ユウ糖、 マンニトール、 軽質無水ケィ酸、 炭 酸マグネシウム、 炭酸カルシウム、 L一システィンなどが挙げられ、 好まし くはコーンスターチおよびマンニトールなどが挙げられる。 これらの賦形剤 は一種又は二種以上を組み合わせて使用できる。 賦形剤の含有量は速放性製 剤全量に対して、 例えば約 4 . 5〜約 9 9 . 4 w/w % , 好ましくは約 2 0〜 約 9 8 . 5 w/w%、 さらに好ましくは約 3 0〜約 9 7 w/w %である。
速放性製剤における薬物の含量は、 速放性製剤全量に対して、 約 0 . 5〜 約 9 5 %、好ましくは約 1〜約 6 0 %の範囲から適宜選択することができる。 速放性製剤が経口固型製剤の場合、 通常上記成分に加えて、 崩壊剤を含有 する。 このような崩壊剤としては、 例えばカルボキシメチルセルロースカル シゥム (五徳薬品製、 E C G— 5 0 5 )、 クロスカルメロースナトリウム (例 えば、 旭化成 (株) 製、 ァクジゾル)、 クロスポビドン (例えば、 B A S F社 製、コリ ドン C L )、低置換度ヒ ドロキシプロピルセルロース(信越化学 (株))、 カルボキシメチルスターチ (松谷化学 (株) 、 カルボキシメチルスターチナ トリウム (木村産業製、 エキスプロタブ)、 部分 a化デンプン (旭化成 (株) 製、 P C S ) などが用いられ、 例えば水と接触して吸水、 膨潤、 あるいは核 を構成している有効成分と賦形剤との間にチヤネルを作るなどにより顆粒を 崩壊させるものを用いることができる。 これらの崩壊剤は、 一種又は二種以 上を組み合わせて使用できる。 崩壊剤の配合量は、 用いる薬物の種類や配合 量、 放出性の製剤設計などにより適宜選択されるが、 速放性製剤全量に対し
て、例えば約 0 . 0 5〜約 3 0 w/w %、好ましくは約 0 . 5〜約 1 5 w/w % である。
速放性製剤が経口固型製剤である場合、 経口固型製剤の場合には上記の組 成に加えて、 所望により固型製剤において慣用の添加剤をさらに含んでいて もよい。 このような添加剤としては、 例えば結合剤 (例えば、 ショ糖、 ゼラ チン、 ァラビアゴム末、メチルセルロース、 ヒ ドロキシプロピルセルロース、 ヒ ドロキシプロピノレメチノレセノレロース、 力/レポキシメチノレセノレロース、 ポリ ビュルピロリ ドン、 プルラン、 デキストリンなど)、 滑沢剤 (例えば、 ポリエ チレングリコール、 ステアリン酸マグネシウム、 タノレク、軽質無水ケィ酸(例 えば、 ァエロジル (日本ァエロジル) )、 界面活性剤 (例えば、 アルキル硫酸 ナトリゥムなどのァ-オン系界面活性剤、 ポリオキシエチレン脂肪酸エステ ルおよびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、 ポリオキシェチレ ンヒマシ油誘導体等の非イオン系界面活性剤など)、 着色剤 (例えば、 タール 系色素、 カラメル、 ベンガラ、 酸化チタン、 リボフラビン類)、 必要ならば、 橋味剤 (例えば、 甘味剤、 香料など)、 吸着剤、 防腐剤、 湿潤剤、 帯電防止剤 などが用いられる。 また、 安定化剤として酒石酸、 クェン酸、 コハク酸、 フ マル酸などの有機酸を加えてもよい。
上記結合剤としては、 ヒドロキシプロピルセルロース、 ポリエチレングリ コールぉよびポリビニルピロリ ドンなどが好ましく用いられる。
速放性製剤は、 通常の製剤の製造技術に基づき、 前記各成分を混合し、 必 要により、 さらに練合し、 成型することにより調製することができる。 上記 混合は、 一般に用いられる方法、 例えば、 混合、 練合などにより行われる。 具体的には、 例えば速放性製剤を粒子状に形成する場合、 前記徐放性製剤の 核の調製法と同様の手法により、 バーチカルグラニュレーター、 万能練合機 (畑鉄工所製)、 流動層造粒機 F D— 5 S (パゥレック社製) 等を用いて混合 しその後、 湿式押し出し造粒法、 流動層造粒法などにより造粒することによ り調製することができる。
このようにして得られた速放性製剤と徐放性製剤とは、 そのままあるいは
適宜、 製剤賦形剤等と共に常法により別々に製剤化後、 同時あるいは任意の 投与間隔を挟んで組み合わせて投与する製剤としてもよく、 また両者をその ままあるいは適宜、 製剤賦形剤等と共に一つの経口投与製剤 (例、 顆粒剤、 細粒剤、 錠剤、 カプセル等)に製剤化してもよい。 両製剤を顆粒あるいは細粒 に製して、 同一のカプセル等に充填して経口投与用製剤としてもよい。 〔3〕 舌下錠、 パッカル又は口腔内速崩壊剤おょぴその調製
舌下錠、 パッカル製剤、 口腔内速崩壊剤は錠剤などの固形製剤であっても よいし、 口腔粘膜貼付錠 (フィルム) であってもよい。
舌下錠、 パッカル又は口腔内速崩壊剤としては、 本発明化合物または併用 薬物と賦形剤とを含有する製剤が好ましい。 また、 滑沢剤、 等張化剤、 親水 性担体、 水分散性ポリマー、 安定化剤などの補助剤を含有していてもよい。 また、 吸収を容易にし、 生体内利用率を高めるために ーシクロデキストリ ン又は 13—シクロデキストリン誘導体 (例、 ヒ ドロキシプロピル一 一シク ロデキストリンなど) などを含有していてもよい。
上記賦形剤としては、 乳糖、 白糖、 D—マンニトール、 デンプン、 結晶セ ルロース、 軽質無水ケィ酸などが挙げられる。 滑沢剤としてはステアリン酸 マグネシウム、 ステアリン酸カルシウム、 タルク、 コロイドシリカなどが挙 げられ、 特に、 ステアリン酸マグネシウムやコロイ ドシリカが好ましい。 等 張化剤としては塩化ナトリウム、 グルコース、フルクトース、 マンニトール、 ソルビトール、 ラタ トース、 サッカロース、 グリセリン、 尿素などが挙げら れ、 特にマンニトールが好ましい。 親水性担体としては結晶セルロース、 ェ チルセルロース、 架橋性ポリビニルピロリ ドン、 軽質無水珪酸、 珪酸、 リン 酸二カルシウム、 炭酸カルシウムなどの膨潤性親水性担体が挙げられ、 特に 結晶セルロース (例、 微結晶セルロースなど) が好ましい。 水分散性ポリマ 一としてはガム (例、 トラガカントガム、 アカシアガム、 グァーガム) 、 ァ ルギン酸塩 (例、 アルギン酸ナトリ ウム) 、 セルロース誘導体 (例、 メチル セノレロース、 カノレポキシメチノレセノレロース、 ヒ ドロキシメチノレセノレロース、 ヒ ドロキシプロピルセルロース、 ヒ ドロキシプロピルメチルセルロース) 、
ゼラチン、 水溶性デンプン、 ポリアクリル酸 (例、 カーボマー) 、 ポリメタ クリル酸、 ポリ ビュルアルコール、 ポリエチレングリコール、 ポリ ビニルピ ロリ ドン、 ポリカーボフィル、 ァスコルビン酸パルミチン酸塩などが挙げら れ、 ヒ ドロキシプロピルメチルセルロース、 ポリアクリノレ酸、 アルギン酸塩、 ゼラチン、 カルボキシメチルセルロース、 ポリ ビュルピロリ ドン、 ポリェチ レングリコールなどが好ましい。 特にヒ ドロキシプロピルメチルセルロース が好ましい。 安定化剤としては、 システィン、 チォソルビトール、 酒石酸、 クェン酸、 炭酸ナトリウム、 ァスコルビン酸、 グリシン、 亜硫酸ナトリウム などが挙げられ、 特に、 クェン酸ゃァスコルビン酸が好ましい。
舌下錠、 パッカル又は口腔内速崩壊剤は、 本発明化合物または併用薬物と 賦形剤とを自体公知の方法により混合することにより製造することができる。 さらに、 所望により上記した滑沢剤、 等張化剤、 親水性担体、 水分散性ポリ マー、 安定化剤、 着色剤、 甘味剤、 防腐剤などの補助剤を混合してもよい。 上記成分を同時に若しくは時間差をおいて混合した後、 加圧打錠成形するこ 'とにより舌下錠、 バッカル錠又は口腔内速崩壌錠が得られる。 適度な硬度を 得るため、 打錠成形の過程の前後において必要に応じ水やアルコールなどの 溶媒を用いて加湿 ·湿潤させ、 成形後、 乾燥させて製造してもよい。
粘膜貼付錠 (フィルム) に成型する場合は、 本発明化合物または併用薬物 および上記した水分散性ポリマー (好ましくは、 ヒドロキシプロピルセル口 ース、 ヒ ドロキシプロピルメチルセルロース) 、 賦形剤などを水などの溶媒 に溶解させ、 得られる溶液を流延させて(cast)フィルムとする。 さらに、 可 塑剤、 安定剤、 酸化防止剤、 保存剤、 着色剤、 緩衝剤、 甘味剤などの添加物 を加えてもよい。 フィルムに適度の弾性を与えるためポリエチレンダリコー ルゃプロピレングリコールなどのグリコ一ル類を含有させたり、 口腔の粘膜 ライニングへのフィルムの接着を高めるため生物接着性ポリマー (例、 ポリ カルボフィル、 カルボポール) を含有させてもよい。 流延は、 非接着性表面 に溶液を注ぎ、 ドクターブレードなどの塗布用具で均一な厚さ (好ましくは 1 0〜1 0 0 0ミクロン程度) にそれを広げ、 次いで溶液を乾燥してフィル
ムを形成することにより達成される。 このように形成されたフィルムは室温 若しくは加温下乾燥させ、 所望の表面積に切断すればよい。
好ましい口腔内速崩壌剤としては、 本発明化合物または併用薬物と、 本発 明化合物または併用薬物とは不活性である水溶性若しくは水拡散性キヤリャ 一との網状体からなる固体状の急速拡散投与剤が挙げられる。 該網状体は、 本発明化合物または併用薬物を適当な溶媒に溶解した溶液とから構成されて いる固体状の該組成物から溶媒を昇華することによって得られる。
該口腔内速崩壊剤の組成物中には、本発明化合物または併用薬物に加えて、 マトリックス形成剤と二次成分とを含んでいるのが好ましい。
該マトリックス形成剤としてはゼラチン類、デキストリン類ならぴに大豆、 小麦ならびにォォバコ(psyllium)種子蛋白などの動物性蛋白類若しくは植物 性タンパク類;アラビアゴム、 ガーガム、 寒天ならびにキサンタンなどのゴ ム質物質;多糖類;アルギン酸類;カルボキシメチルセルロース類;カラゲ ナン類;デキストラン類;ぺクチン類;ポリビニルピロリ ドンなどの合成ポ リマー類;ゼラチン一アラビアゴムコンプレックスなどから誘導される物質 が含まれる。 さらに、 マンニトール、 デキストロース、 ラタトース、 ガラク トースならびにトレハロースなどの糖類; シクロデキストリンなどの環状糖 類; リン酸ナトリゥム、 塩化ナトリゥムならびにケィ酸アルミニウムなどの 無機塩類;グリシン、 L—ァラニン、 L—ァスパラギン酸、 L一グルタミン 酸、 Lーヒ ドロシキプロリン、 L一イソロイシン、 L一口イシンならびに L —フエ二ルァラニンなどの炭素原子数が 2から 1 2までのアミノ酸などが含 まれる。
マトリックス形成剤は、 その 1種若しくはそれ以上を、 固形化の前に、 溶 液又は懸濁液中に導入することができる。 かかるマトリックス形成剤は、 界 面活性剤に加えて存在していてもよく、 また界面活性剤が排除されて存在し ていてもよい。 マトリックス形成剤はそのマトリックスを形成することに加 えて、 本発明化合物または併用薬物の拡散状態をその溶液又は懸濁液中に維 持する助けをすることができる。
保存剤、酸化防止剤、 界面活性剤、 増粘剤、 着色剤、 p H調整剤、 香味料、 甘味料若しくは食味マスキング剤などの二次成分を組成物中に含有していて よい。 適当な着色剤としては、 赤色、 黒色ならびに黄色酸化鉄類およびエリ ス 'アンド.エベラールド社の F D & Cブルー 2号ならびに F D & Cレッド 4 0号などの F D & C染料が挙げられる。 適当な香味料には、 ミント、 ラスべ リー、 甘草、 オレンジ、 レモン、 グレープフノレーッ、 カラメ/レ、 バニラ、 テ ヱリーならぴにグレープフレーバーおよびその組合せたものが含まれる。 適 当な p H調整剤は、 クェン酸、 酒石酸、 リン酸、 塩酸およびマレイン酸が含 まれる。 適当な甘味料としてはアスパルテーム、 アセスルフエーム Kならび にタウマチンなどが含まれる。 適当な食味マスキング剤としては、 重炭酸ナ トリウム、 イオン交換樹脂、 シクロデキストリン包接化合物、 吸着質物質な らびにマイクロカプセル化アポモルフインが含まれる。
製剤には通常約 0 . 1〜約 5 0重量%、好ましくは約 0 . 1〜約 3 0重量% の本発明化合物または併用薬物を含み、 約 1分〜約 6 0分の間、 好ましくは 約 1分〜約 1 5分の間、 より好ましくは約 2分〜約 5分の間に (水に) 本発 明化合物または併用薬物の 9 0 %以上を溶解させることが可能な製剤(上記、 舌下錠、 パッカルなど) や、 口腔内に入れられて 1ないし 6 0秒以内に、 好 ましくは 1ないし 3 0秒以内に、 さらに好ましくは 1ないし 1 0秒以内に崩 壊する口腔内速崩壊剤が好ましい。
上記賦形剤の製剤全体に対する含有量は、 約 1 0〜約 9 9重量%、 好まし くは約 3 0〜約 9 0重量0 /0である。 β —シクロデキストリン又は 一シクロ デキストリン誘導体の製剤全体に対する含有量は 0〜約 3 0重量%である。 滑沢剤の製剤全体に対する含有量は、 約 0 . 0 1〜約1 0重量%、 好ましく は約 1〜約 5重量%である。 等張化剤の製剤全体に対する含有量は、 約 0 . 1〜約 9 0重量%、 好ましくは、 約 1 0〜約 7 0重量%である。 親水性担体 の製剤全体に対する含有量は約 0 . 1〜約 5 0重量%、 好ましくは約 1 0〜 約 3 0重量%である。水分散性ポリマーの製剤全体に対する含有量は、約 0 . 1〜約 3 0重量。 /0、 好ましくは約 1 0〜約 2 5重量%である。 安定化剤の製
剤全体に対する含有量は約 0 . 1〜約 1 0重量%、 好ましくは約 1〜約 5重 量%である。 上記製剤はさらに、 着色剤、 甘味剤、 防腐剤などの添加剤を必 要に応じ含有していてもよい。
本発明の併用剤の投与量は、 本発明化合物の種類、 年齢、 体重、 症状、 剤 形、 投与方法、 投与期間などにより異なるが、 例えば、 糖尿病患者 (成人、 体重約 6 O k g ) —人あたり、 通常、 本発明化合物および併用薬物として、 それぞれ 1日約 0 . 0 1〜約 1 0 0 0 mgZkg 好ましくは約 0 . 0 1〜約 1 0 0 mg/kg より好ましくは約 0 . 1〜約 1 0 0 m g Z k g、 とりわけ約 0 . 1〜約 5 O m g Z k gを、 なかでも約 1 . 5〜約 3 O mg/kgを 1日 1回から 数回に分けて静脈投与される。 もちろん、 前記したように投与量は種々の条 件で変動するので、 前記投与量より少ない量で十分な場合もあり、 また範囲 を超えて投与する必要のある場合もある。 ' 併用薬物は、 副作用が問題とならない範囲でどのような量を設定すること も可能である。 併用薬物としての一日投与量は、 症状の程度、 投与対象の年 齢、 性別、 体重、 感受性差、 投与の時期、 間隔、 医薬製剤の性質、 調剤、 種 類、 有効成分の種類などによって異なり、 特に限定されないが、 薬物の量と して通常、たとえば経口投与で哺乳動物 1 k g体重あたり約 0 . 0 0 1〜2 0 0 0 m g、 好ましくは約 0 . 0:!〜 5 0 0 m g、 さらに好ましくは、 約 0 . 1 〜1 0 O m g程度であり、 これを通常 1日 1〜4回に分けて投与する。
本発明の医薬を投与するに際しては、 同時期に投与してもよいが、 併用薬 物を先に投与した後、 本発明化合物を投与してもよいし、 本発明化合物を先 に投与し、 その後で併用薬物を投与してもよい。 時間差をおいて投与する場 合、 時間差は投与する有効成分、 剤形、 投与方法により異なるが、 例えば、 併用薬物を先に投与する場合、 併用薬物を投与した後 1分〜 3日以内、 好ま しくは 1 0分〜 1日以内、 より好ましくは 1 5分〜 1時間以内に本発明化合 物を投与する方法が挙げられる。.本発明化合物を先に投与する場合、 本発明 化合物を投与した後、 1分〜 1日以内、 好ましくは 1 0分〜 6時間以内、 よ り好ましくは 1 5分から 1時間以内に併用薬物を投与する方法が挙げられる,
好ましい投与方法としては、 例えば、 経口投与製剤に製形された併用薬物 約 0. 00 1〜20 Om g/k gを経口投与し、約 1 5分後に経口投与製剤に 製形された本発明化合物 約 0.005〜1 0 0111 § 1^ §を1 日量として経 口投与する。
本明細書および図面において、 塩基やアミノ酸などを略号で表示する場合、 IUPAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclature による略号あるレヽは当該 分野における慣用略号に基づくものであり、 その例を下記する。 またアミノ酸 に関し光学異性体があり得る場合は、 特に明示しなければ L体を示すものとす る。
DNA :デォキシリボ核酸
c DNA :相捕的デォキシリボ核酸
A :アデニン
T :チミン
G :グァニン
C :シトシン
RNA : リボ核酸
. mR A : メッセンジャーリボ核酸
d ATP :デォキシアデノシン三リン酸
dTTP :デォキシチミジン三リン酸
dGTP :デォキシグアノシン三リン酸
d CTP :デォキシシチジン三リン酸
ATP :アデノシン三リン酸
EDTA :エチレンジァミン四酢酸
SD S : ドデシル硫酸ナトリゥム
G 1 y :グリシン
A 1 a :ァラニン
V a 1 :バリン
L e u :ロイシン
I 1 e :イソロイシン
S e r :セリン
Th r : スレ才ニン
C y s : システィン
Me t :メチォニン
G 1 u : グノレタミン酸
As p :ァスパラギン酸
L y s • リジン
A r g : アルギニン
H i s : ヒスチジン
P h e : フエ二ルァラニン
T y r :チロシン
T r p : トリブトファン
P r o :プロリン
A s n :ァスパラギン
G 1 n : グノレタミン
p G 1 u : ピログルタミン酸
また、 本明細 中で繁用される置換基
記する。
Me メチル基
E t ェチル基
B u ブチル基
P h フエニル基
TC チアゾリジン一 4 (R) 一カルボキサ
T o s p一トルエンスノレフォニノレ
CHO ホルミル
B z 1 ベンジノレ
C 12B z 1 2 , 6—ジクロロべンジノレ
B om :ベンジルォキシメチノレ
Z :ベンジノレ才キシカノレポ二ノレ
C 1 -Z : 2—クロ口べンジルォキシカルボニル
B r— Z : 2—ブロモベンジルォキシカルボニル
B o c : t一ブトキシカノレボェノレ
DNP :ジュトロフエノ一ノレ
T r t : トリチル
Bum : tーブトキシメチノレ
Fmo c : N— 9ーフノレオレニノレメ トキシカノレボニノレ
HOB t : 1—ヒ ドロキシベンズトリァゾーノレ
HOOB t : 3, 4—ジヒ ドロ一 3—ヒ ドロキシー 4 _ォキソ一
1, 2, 3—ベンゾトリァジン
HONB : 1-ヒ ドロキシ- 5-ノルボルネン- 2, 3 -ジカルボキシィミ ド
DCC : N, N' —ジシクロへキシルカルポジイミ ド
本明細書の配列表の配列番号は、 以下の配列を示す。
配列番号: 1
本発明で用いられるヒ ト由来の新規 G蛋白質共役型レセプター蛋白質 TGR 5のアミノ酸配列を示す。
配列番号: 2
本発明で用いられるヒト由来の新規 G蛋白質共役型レセプター蛋白質 TGR 5をコードする c DN Aの塩基配列を示す。
配列番号: 3
以下の参考例 1における P CR反応で使用したプライマー 1の塩基配列を示 す。
配列番号: 4
以下の参考例 1における P C R反応で使用したプライマー 2の塩基配列を示 す。
配列番号: 5
本発明のマウス心臓由来の新規 G蛋白質共役型レセプター蛋白質 mTGR 5 のアミノ酸配列を示す。
配列番号: 6
本発明のマウス心臓由来の新規 G蛋白質共役型レセプター蛋白質 mTGR 5 をコードする c DN Aの塩基配列を示す。
配列番号: 7
本発明のラット心臓由来の新規 G蛋白質共役型レセプター蛋白質 r TGR 5 アミノ酸配列を示す。
配列番号: 8
本発明のラット心臓由来の新規 G蛋白質共役型レセプター蛋白質 r TGR 5 をコードする c DNAの塩基配列を示す。
配列番号: 9
以下の実施例 5における P C R反応で使用したプライマー 1の塩基配列を示 す。
配列番号: 1 0
以下の実施例 5における P CR反応で使用したプライマー 2の塩基配列を示 す。
配列番号: 1 1
以下の実施例 5における P CR反応で使用したプライマー 3の塩基配列を示 す。
配列番号: 1 2
以下の実施例 5における P CR反応で使用したプライマー 4の塩基配列を示 す。
配列番号: 1 3
ゥシ型 TGR 5の DNA配列を示す。
配列番号: 14
ゥシ型 T G R 5のァミノ酸配列を示す。
配列番号: 1 5
ゥサギ型 TGR 5の DNA配列を示す。
配列番号: 1 6
ゥサギ型 TGR 5のアミノ酸配列を示す。
配列番号: 1 7
以下の実施例 6における P CR反応で使用した b Fプライマーの塩基配列を 示す。
配列番号: 1 8
以下の実施例 6における P CR反応で使用した b Rプライマーの塩基配列を 示す。
配列番号: 1 9
以下の実施例 7における PC R反応で使用した r a b b i t Fプライマーの 塩基配列 ½r示す。
配列番号: 20
以下の実施例 7における PC R反応で使用した r a b b i t Rプライマーの 塩基配列を示す。
配列番号: 2 1
以下の実施例 1 1における I L一 1 α mRN Α発現量の定量に使用したプ ライマーの塩基配列を示す。
配列番号: 22
以下の実施例 1 1における I L一 1 ひ mRN A発現量の定量に使用したプ ライマーの塩基配列を示す。
配列番号: 23
以下の実施例 1 1における I L— 1 ひ mRN A発現量の定量に使用したプ ローブの塩基配列を示す。
配列番号: 24
以下の実施例 1 1における I L一 1 mRN A発現量の定量に使用したプ ラィマーの塩基配列を示す。
配列番号: 25
以下の実施例 1 1における I L一 1 mRN A発現量の定量に使用したプ ライマーの塩基配列を示す。
配列番号: 26
以下の実施例 1 1における I L— 1 mRN A発現量の定量に使用したプ 口ーブの塩基配列を示す。
配列番号: 27
以下の実施例 11における I L一 6 mRNA発現量の定量に使用したプラ イマ一の塩基配列を示す。
配列番号: 28
以下の実施例 11における I L一 6 mRNA発現量の定量に使用したプラ イマ一の塩基配列を示す。
配列番号: 29
以下の実施例 11における I L_ 6 mRNA発現量の定量に使用したプロ ーブの塩基配列を示す。
配列番号: 30
以下の実施例 11における I L— 8 mRNA発現量の定量に使用したプラ ィマーの塩基配列を示す。
配列番号: 31
以下の実施例 11における I L— 8 mRNA発現量の定量に使用したプラ イマ一の塩基配列を示す。
配列番号: 32
以下の実施例 11における I L一 8 mRNA発現量の定量に使用したプロ ーブの塩基配列を示す。
配列番号: 33
以下の実施例 11における TNFひ mRNA発現量の定量に使用したプラ イマ一の塩基配列を示す。
配列番号: 34
以下の実施例 11における TNF Q; mRNA発現量の定量に使用したプラ イマ一の塩基配列を示す。
配列番号: 3 5
以下の実施例 11における TNFa mRNA発現量の定量に使用したプロ ーブの塩基配列を示す。
配列番号: 36
モルモット型 TGR 5のアミノ酸配列を示す。
配列番号: 3 7
モルモット型 TGR 5の DNA配列を示す。
配列番号: 38
以下の実施例 25における P C R反応で使用したプライマー 1の塩基配列を 示す。
配列番号: 3 9
以下の実施例 25における P C R反応で使用したプライマー 2の塩基配列を 示す。
以下の参考例 1で得られた形質転換体ェシヱリヒア.コリ (Escherichia coli ) JM1 09Zp CR4— hTGR 5は、 平成 1 2 ( 2000 ) 年 4月 3日力、 ら茨城県つくば市東 1丁目 1番地 1 中央第 6 (郵便番号 305— 8 5 6 6) の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター (旧 通商産業省 工業技術院生命工学工業技術研究所 (N I BH) ) に寄託番号 FERM B P 一 7 1 1 4として、 平成 1 2 (2000) 年 3月 2 3日から大阪府大阪市淀川 区十三本町 2丁目 1 7番 8 5号 (郵便番号 5 3 2-86 86) の財団法人 ·発' 酵研究所 (I FO) に寄託番号 I FO 1 64 1 0として寄託されている。 以下の実施例 5で得られた形質転換体ェシェリヒア ·コリ (Escherichia coli ) DH5 α/ρ AKKO 1. 1 1 ^[ー 丁01 5は、 平成 1 4 (2002) 年 2月 7日から茨城県つくば市東 1丁目 1番地 1 中央第 6 (郵便番号 30 5— 8 56 6) の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託 番号 F E RM BP— 78 77として、 平成 1 4 (2002) 年 1月 1 0日力、 ら大阪府大阪市淀川区+三本町 2丁目 1 7番 8 5号 (郵便番号 5 3 2-8 6 8 6 ) の財団法人 ·発酵研究所 ( I F O) に寄託番号 I FO 1 6 745として 寄託されている。
以下の実施例 5で得られた形質転換体ェシェリヒア 'コリ (Escherichia coli ) DH5 a/p CR 2. l _mTGR 5は、 平成 14 (2002) 年 2月 7日 から茨城県つくば巿東 1丁目 1番地 1 中央第 6 (郵便番号 305— 8 5 6 6 ) の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託番号 FE RM B P— 78 78として、 平成 1 4 ( 2002 ) 年 1月 1 0日から大阪府
大阪市淀川区十三本町 2丁目 17番 85号 (郵便番号 532-8686) の財 団法人 ·発酵研究所 ( I F O) に寄託番号 I F O 16746として寄託され ている。
以下の実施例 6で得られた形質転換体ェシェリヒア 'コリ (Escherichia coli ) JM109/pTAbTGR5— lは、 平成 14 (2002) 年 2月 7日力 ら茨城県つくば市東 1丁目 1番地 1 中央第 6 (郵便番号 305— 8566) の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託番号 F ER M B P— 7879として、 平成 14 ( 2002 ) 年 1月 17日から大阪府大 阪市淀川区十三本町 2丁目 1 7番 85号 (郵便番号 532-8686) の財団 法人 ·発酵研究所 ( I F O) に寄託番号 I FO 16747として寄託されて いる。
以下の実施例 7で得られた形質転換体ェシェリヒア'コリ (Escherichia coli ) JM109Zp TA r a b b i t TGR 5— 1は、 平成 14 (2002) 年 2月 7日から茨城県つくば市東 1丁目 1番地 1 中央第 6 (郵便番号 305— 8566) の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託 番号 FERM B P— 7880として、 平成 14 (2002) 年 1月 1 7日力、 ら大阪府大阪市淀川区十三本町 2丁目 1 7番 85号 (郵便番号 5'32— 868 6 ) の財団法人 ·発酵研究所 ( I F O) に寄託番号 I FO 16748として 寄託されている。
以下の実施例 25で得られた形質転換体ェシェリヒア 'コリ (Escherichia coli) DH 5 a 1 p h a/p AKKO g u i n e a p i gTGR5は、 平成 15 (2003) 年 3月 28日から茨城県つくば市東 1丁目 1番地 1 中央第 6 (郵便番号 305-8566) の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生 物寄託センターに寄託番号 FERM BP— 8348として寄託されている。 実施例
以下に参考例、 実施例、 製剤例および試験例を示して、 本発明をより詳細に 説明するが、 これらは本発明の範囲を限定するものではない。 なお、 大腸菌を 用いての遺伝子操作は、 モレキュラー 'クローニング (Molecular cloning) に 記載されている方法に従った。
以下において、 収率は mo 1 /mo 1 %を示し、 その他の%は特記しない限 り重量パーセントを示す。 また、 室温とは、 1〜30°Cの温度を示す。
参考例 1 ヒ ト脾臓の G蛋白質共役型レセプター蛋白質 (TGR5) をコード する c DNAのクローニングと塩基配列の決定
ヒ ト脾臓 cDNA (Clontech) を铸型とし、 2個のプライマー、 プライマー 1 (配列番号: 3) およびプライマー 2 (配列番号: 4) を用いて PCR反応 を行った。 該反応における反応液の組成は上記 cDNAを 1710量鍚型とし て使用し、 Ad v a n t a g e.— GC2 P o l yme r a s e Mi x ( Clontech) 1ノ50量、 プライマー 1 (配列番号: 3) およびプライマー 2 ( 配列番号: 4) を各 0.5 / M、 dNTP s 200 μΜ、 および酵素に添付のバ ッファーを 1/5量、 GC Me 1 tを 1/5量加え、 20 μ 1の液量とした。 PCR反応は、 94 °C ' 5分の後、 94°C ' 30秒、 60°C · 30秒、 68°C .2分のサイクルを 30回繰り返し、最後に 68°C- 5分の伸長反応を行った。 該 PCR反応産物を TAクローユングキット (Invitrogen) の処方に従いプラ スミ ドベクター p CR4 (Invitrogen) へサブクローニングした。 これを大腸 菌 JM109に導入し、 c DNAを持つクローンをアンピシリンを含む LB寒 天培地中で選択した。 個々のクローンの配列を解析した結果、 新規 G蛋白質共 役型レセプター蛋白質をコードする cDNA配列 (配列番号: 2) を得た。 こ の cDNAにより導き出されるアミノ酸配列 (配列番号: 1) を有する新規 G 蛋白質共役型レセプター蛋白質を TGR 5と命名した。 また配列番号: 2で表 わされる DN Aを含有する形質転換体を大腸菌 (Escherichia col i) JM10 9/p CR4-hTGR5と命名した。
実施例 1 TGR 5を一過性に発現させた HEK 293細胞における、 コレス テ口ール代謝関連物質による活性の検出
コレステロール代謝関連物質による TGR 5特異的な刺激活性の検出は、 C R Eプロモーターの発現誘導によつて産生されるレポータ一遺伝子産物 (ルシ フェラーゼ) の発現量を指標に行った。
HEK 293細胞を増殖培地 (DMEM (Dulbecco' s Modified Eagle Medium ) (GibcoBRL) に 10%ゥシ胎児血清 (GibcoBRL) を添加したもの) に懸濁し、
1 X 105c e 1 1 s/w e 1 1の濃度にてコラーゲンでコートされた B 1 a c k we l l 96ゥエルプレート (べクトンディッキンソン社) にまいた。 3 7°C、 5%C〇2条件下で一晚培養した後、 レポーター遺伝子を含むプラスミド である p CRE— Lu c (Clontech) と同時に、 公知の方法により動物細胞で の発現用ベクター p AKKO— 1 1 1 H (Biochem. Biophys. Acta, Hinuma, S. et al. , 1219, 251-259, 1994記載の p AKKO— 1. 1 1 1Hと同一のプラス ミ ドベクター) に TGR 5遺伝子を挿入して作製した発現ベクタープラスミド、 または、 TGR 5遺伝子を含まないもとの p AKKO— 1 1 1Hを用いて細胞 のトランスフエクションを以下のとおりに行つた。
OPT I -MEM- I (GibcoBRL) と L i p o f e c t am i n e™ 200
0 Re a g e n t (GibcoBRL) を 24 : 1にて混合することにより、 リポフエ クトァミン希釈液を調製した。 また、 OPT I— MEM— I、 TGR5発現べ クタ一プラスミドまたはもとのベクタープラスミド (240 η g/μ 1 ) およ ぴ pCRE— Lu c (240 η §Ζ^ 1) を 24 : 0. 9 : 0. 1にて混合す ることにより DN Α希釈液を調製した。 リポフエクトァミン希釈液と DN A希 釈液を等量混合し、 20分間室温で静置することにより DNAとリボフヱクト ァミンの複合体を形成させた後、 上記の HE K 293細胞を培養したプレート に 25 μ 1添加し、 さらに 37 °C、 5 % C 02条件下でー晚培養した。
トランスフエタトした HE K 293細胞をアツセィ用培地 (DMEMに 0. 1 %ゥシ血清アルブミンを添加したもの) にて洗浄した後、 アツセィ用培地に て希釈したリ トコール酸 (和光純薬) およびプロゲステロン (和光純薬) を 2 X 10 _5Mとなるよう添加し、 37 °C、 5%C 02条件下で 4時間培養した。培養 上清を捨てて、 ルシフェラーゼ活性測定用の基質であるピツカジーン L T 2. 0 (東洋インキ製造株式会社) を 50 μ ΐ添加し、 プレートリーダー (ARV O s Xマルチラベルカウンター、 Wallac社) を用いてルシフェラーゼの発光量 を測定した。
その結果、 配列番号: 2で表される塩基配列を有する T G R 5遺伝子を導入 した HEK 293細胞特異的に、 リ トコール酸、 プロゲステロンによるルシフ エラーゼ活性の上昇が認められた (図 6) 。
実施例 2 G蛋白質共役型レセプター蛋白質発現プラスミ ドおよびレポーター プラスミ ドの宿主細胞への導入
公知の方法によって作製した各種 G蛋白質共役型レセプター蛋白質 c DNA、 すなわち甲状腺ホルモン刺激因子レセプター (TRHR) 、 ニューロメジン U レセプター (FM— 3および TGR— 1) 、 プロラクチン放出因子レセプター (hGR3) 、 ァペリンレセプター (AP J) などを揷入した動物細胞用発現 プラスミドを用いて、 大腸菌 J Ml 09を形質転換し、 得られたコロエーを単 離'培養後、 QIAGEN Plasmid Maxi Kit (キアゲン) を用いてプラスミ ドの調製 を行なった。 また、 c AMPレスポンスエレメント (CRE) の下流にレポ一 ターとしてルシフェラーゼ遺伝子が連結された p CRE— L u c (Clontech) のレポータープラスミ ドを同様にして調製した。
G蛋白質共役型レセプター蛋白質発現プラスミドおよびレポータープラスミ ドを導入する宿主細胞としては、 HEK293細胞をコラーゲンタイプ Iでコ ートした 96—we 1 1黒色プレート (べクトンディッキンソン社)に 100, O O O c e l l s/we l l , 培養液量 100 μ 1で播種し、 ー晚培養した。 同じく CHO ( d h f r -) 細胞を p AKKO— 1 1 1Hで形質転換した CHO -mo c k細胞をコスター社の 96—, we 1 1黒色プレートに 40, 000 c e 1 1 s/we 1 1、 培養液量 100 /_t 1で播種し、 一晚培養した。 いずれ の細胞についても、 プレートで培養するための培地は DMEM (GibcoBRL社) に 10%のゥシ胎児血清のみを添加したものを用いた。
各プラスミ ドを 240 n g 1の濃度に希釈し、 G蛋白質共役型レセプタ 一蛋白質の発現プラスミ ド 9 μ 1 とレポータープラスミ ド 1 μ 1の割合で 24 0 μ 1の Opti- MEM- 1 (GibcoBRL社) に添カ卩した。 これを、 同じく 240 1の Opti- MEM - 1に 10 μ 1のリボフエタトァミン 2000 (GibcoBRL社) を添加したも のと等量混合して、 リポフエクトァミン 2000に添付のマ-ユアル記載の方法に 従ってリボソームとプラスミ ドの複合体を形成させた。 また、 効率的なスクリ 一ユングの実施のためには、 240 η g μ 1の濃度で 3種類のレセプター発 現プラスミ ドを 5 μ 1ずつ添加し、 他の試薬の比率は前出と同じものを調製し た。 これらを 25 μ 1 /w e 1 1ずつ HEK293あるいは CHO— mo c k
細胞の培養液に添加し、 37 °Cでー晚培養してプラスミ ドの導入を行った。 C HO-mo c k細胞については、 プラスミ ド添加後 4時間以降に培養液をアツ セィバッファー (0. 1%のゥシ血清アルブミンを添カ卩した DMEM) に交換 し、 無血清化をおこなった。
実施例 3 レポーターァッセィによるリガンド活性の検出
HEK293細胞についてはァッセィの 1時間前に培養液を実施例 2に記載 のアツセィバッファーに交換し、 プレインキュベーションを行なった。 アツセ ィバッファーにリガンドあるいはリガンド候補化合物を溶解したものを用意し、 実施例 2で準備した HEK 293細胞または CHO— mo c k細胞に添カ卩した。 また、 アツセィバッファーに終濃度 2 μΜのフオルスコリンを添加した条件で のァッセィも同様にして実施した。 サンプルを添加後に 4時間のィンキュベー シヨンを行ない、 レセプターを介したリガンドのァゴニスト活性によって惹起 される細胞内シグナル伝達に由来するレポーター遺伝子の転写 ·翻訳の促進あ る ヽは抑制を誘導した。 インキュベーシヨン終了後に各ゥエルのアツセィパッ ファーを除去し、 ピツカジーン LT2. 0 (東洋インキ社) 発光基質を 50 μ 1ずつ加えた。 細胞が溶解し、 基質と充分に混合した後、 各ゥヱルのレポータ 一遺伝子の発現誘導量に由来する発光量を実施例 1記載のプレートリーダ一に て測定した。
実施例 2および 3に記載の方法に従って各種の G蛋白質共役型レセプター蛋 白質 c DNAを揷入した発現プラスミドを用い、 ΗΕΚ293細胞においてリ ガンド刺激によるレポーター遺伝子の発現誘導を測定した。 レセプターを介し て細胞内へシグナルを伝達する G蛋白質 αサブュニットの種類として G sに共 役する CRFRについては、 フオルスコリン非添加、 添力 πのいずれの条件にお いてもリガンド添カ卩によるレポーター遺伝子の活性ィ匕が検出された。 また、 抑 制性である G a iに共役する AP Jについては、 フオルスコリン添加条件にお いて、 リガンド添加によるレポーター遺伝子発現の抑制が検出された。 また、 Gqに共役するレセプター TRHR、 FM— 3、 TGR—1については、 フォ ルスコリン添加条件においてレポーター遺伝子の発現の促進が検出された。 G qおよび G iの両方に共役するレセプター hGR 3についても、 同様にフオル
スコリン添加条件においてレポーター遺伝子の発現の促進が検出された (図 7 ) 。
実施例 4 抑制性 G蛋白質ひサブュニッ ト G i発現プラスミ ドを用いたレポ一 ター了ッセィ
実施例 2に示した G蛋白質レセプター発現プラスミドと同様の方法によって 抑制性 G蛋白質 αサブユニット(G i)プラスミドを作製、 調製した (ここで、 G iついては、 動物種を問わない) 。 これを 3 μ 1、 レセプター発現プラスミ ドを 7 1、 レポータープラスミドを 1 μ 1の割合で 240 μ 1の Opti- MEM - 1 に添カ卩し、 その他の条件は実施例 2と同様の方法で HE K 2 9 3あるいは CH O-mo c k細胞に DNAを導入した。 これら 3種のプラスミドの混合比は全 体の量を 1 1 1とした場合、 G iが 1から 6、 好ましくは 1から 3が適当で ある。 これらを実施例 3の方法に従ってァッセィを行いリガンド活性を検出し た。
すなわち、 G iを用いた TGR 5のリ トコール酸に対する反応を検出した結 果、 CHO— mo c k細胞を用いた TGR 5のアツセィにおいて、 G iを TG R 5と同時に発現させることにより、 リガンド非添加時 (リガンド (一) ) の ルシフェラーゼ活性を大幅に低下させることができ、 その結果リガンド (リ ト コール酸、 2 X 1 CT5M、 リガンド (+ ) ) による活性の上昇を検出することが 可能となった (図 8) 。
実施例 5 マウスおよびラット型 TGR 5をコードする c DNAのクローニン グと塩基配列の決定
配列番号: 9で表されるオリゴ DN Aをセンス鎖プライマー 1として、 配列 番号: 1 0で表されるオリゴ DNAをアンチセンス鎖プライマー 2として、 各 々 0. 4 μ M、 GC2 DNA Polymerase (CL0NTECH社製) 0. 3 1、 5x Buffer 6 μ 1 , GC-Melt 6 μ 1、 dNTP (TaKaRa社製) 0. 2 mM、 铸型 DNAとして
Marathon-Ready Mouse cDNA library (CL0NTECH社製)の心臓 c D N A溶液 3 μ 1、 滅菌水 9. 9 μ 1からなる混合液 30 μ 1を調製し、 サーマルサイクラ一 (GeneAmp PCR system model 9700 (Applied Biosystems社製)) を用いて、 最 初に 94 で 20秒間置いた後、 94 で 30秒、 64 °Cで 30秒、 6 8 °Cで
2分を 1サイクルとして 5サイクル、続いて 94°Cで 30秒、 62°Cで 30秒、 68°Cで 2分を 1サイクルとして 5サイクル、 続いて 94°Cで 30秒、 60°C で 30秒、 68°Cで 2分を 1サイクルとして 35サイクル、 最後に 68°Cで 7 分伸長反応させるタツチダウン PCRのプログラムで PCR反応を行った。 次 に、 反応終了液の一部をェチジゥムブロマイドを含む 1. 5%ァガロースゲル を用いて電気泳動後、 UV照射のもと分子量マーカー換算で 1 k b付近の位置 に P CR反応で増幅された DNAに対応するバンドを確認した。 次に塩基配列 を決定する為に pCR2. 1 -TOPO (Invitrogen社製) 'を用いて TAクロ 一二ングし、 該プラスミドを大腸菌 DH 5 α株のコンビテントセルに導入した。 アンピシリン含有 L Β寒天培地上で出現するアンピシリン耐性形質転換株のコ ロニーの中から外来 DNA断片が挿入されていたプラスミドを保持していたク ローンをコロニー PC Rにより選択し、 揷入 DN Aの塩基配列を決定するため に ABI PRISM BigDye Terminator Cycle Sequencing FS Ready Reaction Kit 、 Applied Biosystems社製) を用いたシーケンス反応を製品添付資料の条件にし たがって、 サーマルサイクラ一 (GeneAmp PCR system model 9700 (Applied
Biosystems社製))で行った後、該反応試料を D N Aシーケンサー ABI PRISM 3100 Genetic Analyzer (Applied Biosystems社製)で分析した。
その結果、 P CR産物から配列番号: 6で表される 990塩基の塩基配列か らなり、 配列番号: 5で表される新規の 329個のアミノ酸、 すなわち TGR 5に相同性のある構造遺伝子配列を決定できた。 配列番号: 5を含有する新規 G蛋白質共役型レセプター蛋白質を mTGR 5と命名した。 さらに、 この形質 転換体をェシエリヒア ' コリ (Escherichia coli) DH 5 α/ρ CR 2. 1 - mTGR 5と命名した。
配列番号: 1 1で表されるオリゴ DNAをセンス鎖プライマー 3として、 配 列番号: 12で表されるオリゴ DNAをアンチセンス鎖プライマー 4として、 各々 0.4 μΜ、 Advantage2 DNA Polymerase (CL0NTECH社製) 0.3 μ 1、 10χ Buffer 3μ 1、 dNTP (TaKaRa社製) 0.2 mM、 鎵型 D N Aとして Marathon- Ready Rat cDNA library (CL0NTECH社製)の心臓 c D N A溶液 3 1、 滅菌水 18.9/ 1からなる混 合液 30μ 1を調製し、 サーマルサイクラ一 (GeneAmp PCR system model 9700
(Applied Biosystems社製)) を用いて、 最初に 94 °Cで 20秒間置いた後、 9 4°Cで 30秒、 64°Cで 30秒、 68 °Cで 2分を 1サイクルとして 5サイクル、 続いて 94°Cで 30秒、 62°Cで 30秒、 68 °Cで 2分を 1サイクルとして 5 サイクル、 続いて 94°Cで 30秒、 60°Cで 30秒、 68°Cで 2分を 1サイク ルとして 35サイクル、 最後に 68 °Cで 7分伸長反応させるタツチダウン PC Rのプログラムで PC R反応を行った。 次に、 反応終了液の一部をェチジゥム ブロマイドを含む 1. 5%ァガロースゲルを用いて電気泳動後、 UV照射のも と分子量マーカー換算で 1 k b付近の位置に PC R反応で増幅された DN Aに 対応するバンドを確認した。 次に塩基配列を決定する為に p CR 2. 1 -TO PO (Invitrogen社製) を用いて T Aクローニングし、 該プラスミドを大腸菌 DH5 α株のコンビテントセルに導入した。 アンピシリン含有 LB寒天培地上 で出現するァンピシリン耐性形質転換株のコ口ニーの中から外来 D Ν Α断片が 挿入されていたプラスミドを保持していたクローンをコロニー PCRにより選 択し、 挿入 DN Aの塩基配列を決定するために ABI PRISM BigDye Terminator Cycle Sequencing FS Ready Reaction Kit (Applied Biosystems社 ) 用い たシーケンス反応を製品添付資料の条件にしたがって、 サーマルサイクラ一 ( GeneAmp PCR system model 9700 (Applied Biosystems社製)) で行った後、 該 反応試料を DNAシーケンサー ABI PRISM 3100 Genetic Analyzer (Applied Biosystems社製)で分析した。
その結果、 P CR産物から配列番号: 8で表される 990塩基の塩基配列か らなり、 配列番号: 7で表される新規の 329個のアミノ酸、 すなわち TGR 5に相同性のある構造遺伝子配列を決定できた。 配列番号: 7を含有する新規 G蛋白質共役型レセプター蛋白質を rTGR 5と命名した。
次に、 p CR2. 1— TOPOに挿入した DNA断片を、 プライマー 3、 プ ライマー 4に付カ卩された制限酵素 S a 1 I、 S p e Iサイトで酵素消化し、 切 り出された r TGR5の配列を持つ DNA断片を、 発現プラスミド pAKKO 1. 1 1 H (Hmuma, ί>. , Hosoya, Μ. , Ogi., Tanaka, H., Nagai, Y. , and Onda, H. (1994) Biochim. Biophys. Acta 1129, 251-259) の S a 1 I、 S p e Iサ ィトに揷入し、 該プラスミドを大腸菌 DH 5 α株のコンビテントセルに導入し
た。 アンピシリン含有 L B寒天培地上で出現するアンピシリン耐性形質転換株 のコロニーの中から r TGR 5断片が揷入されていたプラスミドを保持してい たクローンをコロニー P C Rにより選択した。 さらに、 この形質転換体をェシ エリヒア . コリ (Escherichia coli) DH 5 α/ρ AKKO 1. 1 1 Η— r Τ GR 5と命名した。
実施例 6 ゥシ脾臓 c DNAからの P CR法による TGR 5をコードする c D N Aのクローニングと塩基配列の決定の取得
ゥシ脾臓 c DN Aを铸型として、 配列番号: 1 7で表されるプライマー b F および配列番号: 1 8で表されるプライマー b Rを用いて、 P CRによる増幅 を行った。
P CRの反応液は c D N A溶液 1 μ 1、 0. 5 μ 1 b F ( 1 0 μ M) 0. 5 μ 1 b R ( 1 0 ^ M) 、 2. 5 μ 1添付の 1 0 X反応液、 2. 5 μ 1 d Ν TP (1 OmM) 、 0. 5 μ I Advantage2 DNA polymerase (クローンテック 社)、 1 7. 5 μ 1蒸留水を加えて合計 2 5 μ 1にした。反応液を、 Thermal Cycler 9600 (AB I社) を用いて P C R反応にかけた。 P C Rの条件は 9 5 °C 2分の 変性の後、 9 8°C · 1 0秒、 6 3°C · 20秒、 7 2 °C · 6 0秒のサイクルを 3 0回繰り返した。 P CR産物の一部を用いて電気泳動で約 1 O O O b pの P C R産物の増幅を確認した後、 P C R産物を Qiagen PCR purification Kit (キア ゲン社) を用いて精製し、 直接配列決定を行ったところ配列番号: 1 3の配列 が得られた。 配列番号: 1 3の D N A配列から予測されるァミノ酸配列を配列 番号: 1 4に示す。 次に、 ゲルから回収した P CR産物を TAクローニングキ ット (Invitrogen社) を用いて大腸菌 J M 1 0 9にサブクローユングし、 大腸 菌 JM109/pTAbTGR5 - 1を取得した。 サブクローユングで得られた大腸菌からプラ スミド PTAbTGR5- 1をプラスミド抽出機 (クラボウ社) を用いて抽出し、 挿入断 片の塩基配列を決定し、 その配列がゥシ型 T G R 5遺伝子であることを確認し た。
実施例 7 ゥサギ脾臓 c DNAからの P CR法による TGR 5をコードする c DNAのクローユングと塩基配列の決定の取得
ゥサギ脾臓 c DNAを鎳型として、 配列番号: 1 9で表されるプライマー r
a b b i t Fおよび配列番号: 20で表されるプライマー r a b b i t Rを用 いて、 PCRによる増幅を行った。
P C Rの反応液は c D N A溶液 1 /^ 1、 0. 5 μ 1 r a b b i t F (10 M) 、 0. 5 μ 1 r a b b i tR (l O ^M) , 2. 5 μ 1添付の 10 X反応 液、 2. 5/i l dNTP (10 mM) 、 0. 5 μ 1 Advantage2 DNA polymerase (クローンテック社) 、 1 7. 5 μ 1蒸留水を加えて合計 25 1にした。 反 応液を、 ThermalCycler9600 (AB I社) を用いて P C R反応にかけた。 PCR の条件は 95°C · 2分の変性の後、 98°C。 10秒、 63 °C · 20秒、 72°C • 60秒のサイクルを 30回繰り返した。 PCR産物の一部を用いて電気泳動 で約 l O O O b pの PC R産物の増幅を確認した後、 P C R産物を Qiagen PCR purification Kit (キアゲン社) を用いて精製し、 直接配列決定を行ったとこ ろ配列番号: 15で表される塩基配列がえられた。 配列番号: 15で表される DNA配列から予測されるアミノ酸配列を配列番号: 16で示す。 次に、 ゲル から回収した PCR産物を TAクローニングキット (Invitrogen社) を用いて 大腸菌 J M 109にサブク口一-ングし、 大腸菌 JM109/PTArabbitTGR5- 1を取得 した。 サブクローニングで得られた大腸菌からプラスミド pTArabbitTGR5- 1をプ ラスミド抽出機(クラボウ社) を用いて抽出し、挿入断片の塩基配列を決定し、 その配列がゥサギ型 T GR 5遺伝子であることを確認した。
実施例 8 ヒト、 ゥサギ、 ゥシ、 マウスおよびラット型 TGR 5の胆汁酸刺激 によるレポーター遺伝子の発現量上昇の検出
実施例 1に示したのと同様の方法により、 動物細胞での発現用ベクター pAKKO- 111Hに、 実施例 5に示したマウスおよびラット型 TGR 5遺伝子、 実施 例 6に示したゥシ型 T G R 5遺伝子、 および実施例 7に示したゥサギ型 T G R 5遺伝子を揷入してそれぞれの遺伝子の発現ベクターを作製した。 これらとィ ンサートが挿入されていない元の発現ベクターおよび実施例 1に示したヒト型 TGR 5発現ベクターを実施例 4に示した方法に従い、 抑制性 G蛋白質 αサブ ユエット (G i) 、 レポータープラスミドとともに CHO— Mo c k細胞に一 過性に発現させた。 これを実施例 3の方法に従い胆汁酸の刺激によるレポータ 一遺伝子の発現量を検出した。 胆汁酸としてはタウロリ トコール酸 (TCLA
) 、 リ トコール酸 (LCA) 、 デォキシコール酸 (DCA) 、 ケノデォキシコ ール酸 (CDCA) をそれぞれ 1 0 で使用した。 またレポーター遺伝子発 現のポジティブコントロールとしてはフオルスコリン (F S K、 2 μΜ) を用 いた。 その結果いずれの動物種由来の TGR 5を発現させても、 胆汁酸添加区 で胆汁酸を添カ卩しない区 (B a s e) より高いルシフェラーゼ活性が検出され た (図 9) 。 このことからヒト型 TGR 5と同様にゥサギ、 ゥシ、 マウスおよ ぴラット型 TGR 5も胆汁酸のレセプターとして作用することが示された。 実施例 9 ゥサギ肺胞マクロファージの貪食活性に対するタウロリ トコール酸 (TLCA) の抑制作用
ゥサギ (NZW、 メス、 体重 2. 5— 3. 0 k g前後) から麻酔下にて血清 およぴ肺を採取した。 P B S (phosphate-buffered saline) を気管より注入し て洗浄することにより、 肺内の肺胞マクロファージ細胞を含む懸濁液を回収し た。得られた細胞をさらに P B Sで洗浄後、培地(DMEMに 2 % F B S、 0. I mM非必須アミノ酸、 5 0 μ g/m 1ストレプトマイシン、 5 0 UZm 1ぺ ニシリン、 5 0 μ g/m 1ゲンタマイシンを添加したもの。 いずれも GibcoBRL 社) に懸濁し、 単核細胞分離液である F i c o l l — P a q u e P l u s (ァ マシャムフアルマシア社) 上に重層 ·遠心処理し、 赤血球を除いた。 単核細胞 を培地にて洗浄後、 0. 2 5 X 1 06/ e 1 1の濃度で 24ゥエルプレートに 播種し 3 7°C、 5%C〇2条件下でー晚培養した。 培地を除き、 TLCA 1 0 0 を加えた培地、 あるいはコントロールの培地を 0. 5m l添加して、 さら に 1 6時間培養した。 同じゥサギより採取した血清 5 0 μ 1、 加熱により殺菌 処理した酵母懸濁液 0. 8 X 1 0 m 1を 3 0 z 1添カ卩し 3 7 °C、 5 % C 02 条件下で 4 0分間培養した。 0. 1 %フクシン液 (和光純薬社) を 6 O /z 1添 加した後、 細胞をはがして遠心し、 懸濁液を顕微鏡にて観察した。 フクシンに より酵母は染色されるが肺胞マクロファージにより貪食された酵母は染色され ないことを利用して、 食食活性を示したマクロファージの算定を行った。 その 結果、 図 1 0に示すとおり、 TL CAを添加した場合において、 マクロファー ジの免疫機能のひとつである貪食活性の著明な低下が認められた。
実施例 1 0 ゥサギ肺胞マクロファージにおける、 リポ多糖 (LP S) で誘導
された腫瘍壌死因子 (TNF) αの分泌に対する TLC Aの抑制効果
実施例 9の方法で採取したゥサギ肺胞マクロファージを 0. 25 X 1 06/w e 1 1の濃度に希釈し 24ゥヱルプレートで一晚培養後、 LP S刺激で誘導さ れる TNF α分泌に対する影響を検討した。 TLCA50 μΜを含む培地ある いはコント口ール培地 0. 5m lに交換して 1時間培養後、 同濃度の T L C A '含有培地あるいはコントロール培地に LP S (E. c o 1 i O 1 1 1 : B 4 和 光純薬) を加えたもの (添力 Π時の濃度 1 n g/m 1 ) 0. 5m lを添加し、 3 7°C、 5 %C02条件下でさらに 1 2時間培養した。 培養後、 上淸を回収し、 T NF感受性細胞株 L 9 29 (理化学研究所) に対する増殖抑制作用を指標に T N F a量を測定した。 9 2 9細胞を1. 2 X 1 04Zw e 1 1にて 96ゥエル プレートに播種し 3 7 °C、 5 % C 02条件下でー晚培養後、 肺胞マクロファ一ジ 培養上清を適当に希釈し、 2 μ gZm 1ァクチノマイシン D (和光純薬社) 存 在下で一晚培養した。 標準サンプルとしてはヒト組み換え型 TNFひ (G e n z y m e社)を使用した。 L 929細胞の増殖は C e l l C o u n t i n g K i t -8 (和光純薬社) によって測定した。 その結果、 図 1 1に示すように、 TLCAを添加することにより、 顕著な TNF a分泌量の低下が認められた。 実施例 1 1 ゥサギ肺胞マクロファージの各種サイトカイン mRN A発現量に 対するタウロリ トコール酸 (TLCA) の抑制作用
実施例 9の方法で採取したゥサギ肺胞マクロファージを 0. 25 X 1 0 w e l lの濃度に希釈し 6ゥエルプレートでー晚培養後、 TLCA l O O ^u Mを 含む培地あるいはコント口ール培地 1. 5m lに交換して 1時間培養後、 同濃 度の TLCA含有培地あるいはコントロール培地に L P S (E. c o l i O 1 1 1 : B 4、 和光純薬社) を加えたもの (添加時の濃度 1 n g 1 ) 1. 5 m 1を添加し、 3 7 °C、 5 % C 02条件下でさらに 2時間培養した。 培地を除去 後、 I s o g e n (二ツボンジーン社) 3 m 1を加え、 マニュアルにしたがレヽ 垒 RN Aを調製した。 1 μ gの全 RNAを、 SuperScriptll逆転写酵素(GibcoBRL 社) を用いてマニュアルに従い c DNAを合成し、 25 n g 全 RNAZ 1に 相当する c DNA溶液を調製した。 各種サイトカインの mRN A発現量定量は ABI prism 7700 Sequence Detector (ABI社) を用いて行った。 各反応には配列
番号: 2 1から 3 5で表されるそれぞれのサイトカインに特異的なプライマー、 プローブを設計し使用した。 PCR反応液は Universal PCR master mix (ABI社 ) 1 2. 5 1、 それぞれのプライマーを各々 1 00 μΜのものを 0. 2 2 5 1ずつ、 のプローブを 1. 2 5 μ 1、 上記で調製した c DNA溶液 1 μ 1を加え、 全量を蒸留水で 25 1とした。 それぞれのサンプルは 50°Cで 2分間、 9 5 °Cで 1 0分間置!/、た後、 9 5でで 1 5秒、 60。Cで 1分のサイク ノレを 40回繰り返し定量のための反応を行った。 その結果、 TNF a、 I L— 1 ひ、 I L— l j3、 I L一 6、 I L— 8のいずれのサイト力インにおいても T L C Aの添加により明らかに発現量が低下し、 ゥサギ肺胞マク口ファージに対 する TLC Aによる各種のサイトカインの mRNA発現抑制作用が見出された (図 1 2) 。
実施例 1 2 TGR 5遺伝子導入 T H P- 1細胞の作製
ヒトマクロファージ細胞株 THP— 1に TGR 5遺伝子を導入することによ り TGR 5高発現細胞を樹立した。 まず、 定法に従いヒ ト TGR 5の c DNA を p c DNA3. 1 (Invitrogen社) に組み込んだ p c DNA— TGR 5を作 製した。 THP— 1を培地 (RPMI 1 640 1 0 % F B S ) にて培養し、 定 法に従い、 リポフエクトァミン (GibcoBRL社) を用いて p c D N A— T G R 5 を導入した。 その後、 G4 1 8 (GibcoBRL社) を培地に添加して耐性株を選択 し、 安定的に TGR 5を高発現する細胞株、 THP— TGR 5を樹立した。 実施例 1 3 THP— TGR 5における、 リポ多糖 (L P S) で誘導された腫 瘍壊死因子 (TNF) ο;の分泌おょぴ mRNA発現量に対する TLC Aの抑制 効果
実施例 1 2で得た THP— TGR5あるいはもとの THP— 1細胞を 0. 5 X 1 OVwe 1 1の濃度に希釈して 1 0-8Mのホルポールエステル (和光純薬) 存在下で 24ゥエルプレートで一晩培養後、 LP S刺激で誘導される T N F 分泌に対する影響を検討した。 TLCA1 00 を加えた培地あるいはコン ト口ール培地 0. 5 m 1にて 1時間培養後、 同濃度の T L C A含有培地あるレヽ はコントロール培地に LP Sを加えたもの(添加時の濃度 50 n g/m 1 ) 0. 5m lを添加し、 3 7 °C、 5 % C〇2条件下で 24時間培養した。 培養後、 上清
を回収し、 実施例 10と同じように TNFa含量を L 929の増殖抑制活性に より定量した。 また THP— 1と THP— TGR 5の全 RNAは LP S添加の 2時間後に細胞から実施例 1 1と同様の方法で調製した。 ヒト型 TNFa mR N Aの発現量は TaqMan Cytokine Gene Expression plate I (AB I社) を使用 して求めた。 定量値は THP— 1細胞の L P S、 TLCAをともに添加しなか つた区値を 1とした時の相対値で示した。 その結果、 図 13に示すように、 T HP— TGR 5では TLCA添加により顕著な TNF α分泌量の低下が認めら れた、 一方、 もとの THP— 1では顕著な TNF α分泌抑制作用は見られなか つた。 また mRN Αも同様に TLCA添加による顕著な発現量の低下が認めら れた。 これらのことから、 ゥサギ肺胞マクロファージで認められた TNF α分 泌抑制効果は明らかに T G R 5を介したものであることが確認され、 生体内に おいて TGR5がこうした免疫機能の制御に関わることが示された。
実施例 14 CHO細胞に発現させた TGR5— GFP融合蛋白質のタウロリ トコ一ル酸添力 Πによる細胞内移行
TGR 5の C末端に翻訳のフレーム合わせてォワンクラゲより単離された
Green Fluorescent Protein (GFP) c DN Aをつないだ融合蛋白質を発現さ せるための発現プラスミドを構築した。 その際 GFP cDNAには GFPの発 現ベクター PQB I 25 (宝酒造) 力 ら切り出した断片を用いた。 TGR5は P C R法によりその終止コドンを制限酵素 N h e Iの認識配列に修正し、 ここ に GFP断片を連結して、 実施例 1に記載の発現ベクター p AKKO— 1 1 1 Hに挿入した。 このようにして得た TGR5と GFPの融合蛋白質 (以下、 T GR5- GFP融合蛋白質) 発現ベクターのプラスミドを以下の方法で CHO- mo c k細胞にトランスフエクシヨンした。 CHO- mo c k細胞は増殖培地 [ DMEM (Du 1 b e c c o' s Mo d i f i e d E a g l e Me d i um ) (G I B CO BRL社) に 10%ゥシ胎児血清 (G I B CO BRL社) を 添カ卩したもの] に懸濁し、 ◦. 6 X 105c e 1 1 s チャンバ一の濃度にてチ ェンバー数 4つの L a b— T e k II力パーグラスチェンパー (N a 1 g e n N u n c社) にまき、 37 °C、 5%C 02条件下でー晚培養した後にトランスフエ クシヨンした。 トランスフエクションには L i p o f e c t am i n e™200
0 R e a g e n t (GIBCO BRL社) を用いた。 まず i p o f e c t am i n e™ 2 0 0 0 R e a g e n t 2 μ 1と OPT I —MEM— I (GIBCO BRL社) 50 μ 1を混合し、 2 0分間室温で静置することにより DNAとリボフェクト ァミンの複合体を形成させた後、 上記の CHO細胞を培養したチェンバーに 1 0 0 μ 1添加し、 さらに 3 7 °C、 5 % C 02条件下で一晚培養した。 培地を共焦 点顕微鏡観察用培地 [H a n k s ' B a l a n c e d S a l t S o 1 u t i o n (G I B CO B R L社) に 0. 1 %ゥシ アルブミン (E s s e n t i a 1 1 y F a t t y A c i d F r e e , G I B CO BRL社) を懸濁したも の] に置き換え、 共焦点顕微鏡 (ライカ社) で GF Pの蛍光像を観察した。 そ の際、 GF Pの励起は 4 8 8 nmで行った。
その結果、 TGR 5— GF P融合蛋白質は細胞膜に観察された。 この細胞に タウロリ トコール酸を 1 0—5Mとなるように培地に添加 3 0分後には、 GF Pの 蛍光が細胞膜ではなく、 細胞質に移動していることが見出された。 このことは TGR 5が細胞膜に発現する G蛋白質共役型のレセプターであるとともに、 T GR 5がタウロリ トコール酸に反応して細胞質へ移行、 すなわちインタナリゼ ーシヨンしたことを示していた。
実施例 1 5 タウロリ トコール酸添加に'よる T G R 5発現 C H O細胞での MA Pキナーゼ活性化
実施例 1で作製した T G R 5発現べクタ一を用いて公知の方法で作製した安 定的な TGR 5発現 CHO (CHO-TGR 5) または CHO— m o c k細胞 を 3 X 1 O e 1 1の濃度で 6ゥエルプレートに撒いて、 血清低濃度培地 ( 核酸不含 MEMひ培地に 0. 5%の透析ゥシ胎児血清を添加したもの) にて一 晚培養し、 さらに無血清培地 (核酸不含 MEM α培地に 0. 1 %ゥシ血清アル プミンを添加したもの) に交換して一晩培養した。 新しい無血清培地に交換し て 3時間培養後、 2 のタウロリ トコール酸 (TL CA) を添加した。 0〜 2 0分インキュベーションしたのち、 サンプルバッファー (TEFC0社) で細胞を 溶解 '抽出し SD S— PAGEによつて分離を行った。 その後 PhosphoPlus p44/42 MAP kinase (Thr202/Tyr204) Antibody Kit (Cell Signaling Technology, Inc) を用いたウェスタンブロッテイングを行った。 その結果、 図 1 4に示す通
り、 TGR 5発現 CHO細胞でのみ、 TLCA添加後 5分をピークに MAPキ ナーゼのリン酸化によって示される当該蛋白質の活性化が起こることが分かつ た。
実施例 1 6 TGR 5発現 CHO細胞における各種胆汁酸の c AMP産生上昇 活性
CHO-TGR 5を 2 X 1 04/we 1 1の濃度で 96ゥエルプレートに撒い て一晚培養後、 c AMP産生量の測定に用いた。 アツセィ用バッファー (DM EMに 0. 1 %ゥシ血清アルプミン、 0.2mM 3- Isobutyl- l_methylxanthine, IBMX を添カ卩したもの) で細胞を 2回洗浄し、 30分プレインキュベーションした。 細胞を 2回洗浄した後、 アツセィ用バッファーに希釈したサンプルを細胞に添 加して 20分間インキュベーションした。 培養上清を捨てて、 cAMP Screen System (AB I ) によって c AMP産生量を測定した。 ポジティブコントロー ルとして、 リ トコール酸 (LCA) Ι Ο μΜを用いた。 cAMP産生量はポジ ティブコントロールを 1 00 %とした場合の%値で表した。 その結果、 図 1 5 に示す通りタウロリ トコール酸 (TLCA) 、 リ トコール酸 (LCA) 、 デォ キシコール酸 (DCA) 、 ケノデォキシコール酸 (CDCA) 、 コール酸 (C A) の順で濃度依存的な cAM P産生の上昇が観察された。 また、 2 μΜの'濃 度でその他の胆汁酸やコレステロール代簡す化合物などによる CHO— TGR5 における c AMP産生上昇活性を比較し、その結果を図 1 6に示した。 LCA、 DCA、 CDCA, CAのそれぞれにおいて、 タウリン抱合体 (T) 、 グリシ ン抱合体 (G) 、 非抱合体 (F) のいずれも c AMP産生上昇活性を有するこ とが分かった。
実施例 1 7 ヒ ト TGR 5 mRNA発現分布解析
mRNAの発現量の定量には AB I PR I SM 7 700 S e q u e n c e D e t e c t o r (アプライドバイオシステムズ社) を用いた。 発現量の定 量に用いるプライマーとプローブは、 ヒ ト型 TGR 5の塩基配列 (配列番号: 2) をもとに AB I PR I SM 7700 S e q u e n c e D e t e c t o r 専用のソフトウェア P r i me r E x p r e s s (アプライドバイオシステム ズ社) を利用してデザインした。 鑲型となる cDNAは、 ヒト各種組織由来の
p o 1 y A + RNA (クロンテック社) 1 gからランダムプライマーを用い て 42 °Cで合成した。 逆転写反応には S u p e r S c r i p t l l逆転写酵素 (G I BCO BRL社) を用い、 添付のマエュアルに従って反応を行い、 反応 終了後エタノール沈殿して 100 1に溶解した。 また分画したヒト血球由来 の c DNAとしては Mu 1 t i p 1 e T i s s u e cDNA (MYTC™) p a n e 1 s Huma n B l o o d F r a c t i o n s (クロンテック社)を 使用した。 AB I PR I SM 7700 S e q u e n c e De t e c t o r の反応液は T a qMa n Un i v e r s a l PCR Ma s t e r Mi x ( アプライドバイオシステムズ社) のマニュアルにしたがい、 マスターミックス を 12. 5 1、 プライマーを 0. 9 / M、 プローブを 0, 25 μΜ、 各サン プルの c D Ν Α溶液を 1 μ 1で混ぜ合わせ、 蒸留水で 25 μ 1として調製した。 AB I PR I SM 7700 S e q u e n c e D e t e c t o rでの反応は、 50°Cで 2分、 95 °Cで 10分の後、 95°C 1 5秒、 60°C 1分のサイクル を 40回繰り返して行った。
ヒト各種組織での TGR5 mRNAの発現分布を図l 7に示す。 胎盤、 脾臓 、 肺など免疫に関与する組織や腸管での高発現が見出された。 またヒト血球で の TGR5 mRNAの発現量を図 18に示す。 C D 14を発現している血球、 すなわち単球.マクロファージでの高発現が見出された。
実施例 18 ゥサギ TGR 5 mRNA発現分布解析
実施例 17と同様の方法でゥサギ型 TGR 5 mRNAの発現量を求めた。 用 いたプライマーとプローブはゥサギ TGR 5 (配列番号: 15) をもとにデザ インした。 ゥサギの各種組織由来の全 RNAは、 北山ラベス社より購入した N ZW雌性体重 2. 5〜3. 0 k g前後の個体より各組織を取得し、 I s o g e n (二ツボンジーン社) を用い、 付属のマニュアルにしたがって調製した。 cDNAは調製した全RNA 1 μ gから実施例 1 7と同様の方法で合成した。 ただし逆転写反応後は 40 μ 1に溶解した。
ゥサギ型 TGR5 mRNAの発現は図 1 9に示したように、 免疫に関与する 脾臓、 肺胞マクロファージゃ胸腺、 腸管で高発現していた。
実施例 19 TLCAによるゥサギ肺胞マクロファージの c AMP産生上昇
実施例 9の方法で調製したゥサギ肺胞マクロファージを培地 ( D M E Mに 2 %FB S、 0. ImM非必須アミノ酸、 50 μ g /m 1ストレプトマイシン、 5 OU/m 1ぺニシリン、 50 μ g/ 1ゲンタマイシンを添加したもの) に 懸濁し 2 X 1 05/we 1 1の濃度で 9 6ゥエルプレートに撒きー晚培養した。 細胞を DMEMに 0. 1% B SA、 ImM I BMXを加えた培地で 2回洗浄 した後、 同じ培地に希釈した TLCA 200 /iMあるいは培地を添カ卩して 4分 間インキュベーションした。 cAMP Screen System (AB I) によって c AMP 産生量を測定した結果、 図 20に示す通り T L C A添加により c AMP産生量 の上昇が認められた。
実施例 20 ゥサギ肺胞マクロファージの貪食活性におよぼす各種胆汁酸の抑 制効果
実施例 9の方法に従い、 ゥサギ肺胞マクロファージを調製し、 各種胆汁酸に よる貪食能抑制効果を検討した。 その結果、 図 2 1に示すとおり、 TLCAの 他、 GLCA、 LCAを 1 00 /zMにて添カ卩した場合において、 マクロファー ジの免疫機能のひとつである貪食活性の著明な低下が認められた。
実施例 2 1 ゥサギ肺胞マクロファージからの T N F a分泌に対する胆汁酸の 抑制効果
実施例 9の方法で調製したゥサギ肺胞マクロファージを培地 ( D M E Mに 2 %FB S、 0. ImM非必須アミノ酸、 50 μ g Zm 1ストレプトマイシン、 50UZm lペニシリン、 5◦ μ gZm 1ゲンタマイシンを添加したもの) に 懸濁し 0. S S X l O ^we l 1の濃度で 24ゥエルプレートに撒きー晚培養 した。 同じ培地を用いて胆汁酸を希釈してグラフに表示した濃度にて肺胞マク 口ファージに添カ卩して 1時間培養した。 さらに、 同じ濃度の胆汁酸サンプルに リポ多糖 (LP S、 E. c o l i O 1 1 1 : B 4 和光純薬) を添加したもの を追加して加え、 1 2時間培養した。 L P Sの濃度は 1 n g Zm 1にて加えた。 培養後、培養上清を回収し、実施例 1 0と同様に上清中の TNF aを定量した。 その結果、 図 22に示す逋り、 TGR 5にァゴニスト活性を示す胆汁酸の添カロ により濃度依存的に T N F ct分泌量の抑制活性が認められた。
実施例 22 TGR 5遺伝子を導入した THP— 1細胞における c AMP産生
上昇 '
THP— 1あるいは実施例 1 2で得た TGR 5高発現細胞株 THP— TGR 5をアツセィ用培地 (DMEMに 0. 1% 3 と 1111^1 I BMXを添カロし たもの) で洗浄後、 l X 1 05/we l 1にて 9 6ゥエルプレートに撒いた。 上 記アツセィ用培地にて希釈した胆汁酸を添加して 20分間インキュベーション した。 その後 cAMP Screen System (AB I ) によって c AMP産生量を測定し た結果、 図 23に示す通り THP— TGR 5において TLCA、 LCA、 DC A添加による c AMP産生量の上昇が認められた。 一方 TH P— 1では T L C Aによる c AMP産生上昇は認められないことから、 これらの胆汁酸による c AMP上昇は TGR 5を介した反応であることが確かめられた。
実施例 23 LP Sで刺激された THP— TGR 5からの腫瘍壊死因子 (TN F) α分泌に対する 種胆汁酸の抑制効果 '
実施例 1 3と同様に ΤΗΡ— TGR 5あるいは TH Ρ— 1細胞を処理し、 L P Sで刺激された TNF α分泌に対する各種胆汁酸の抑制効果を検討した。 L P S刺激は 1 2時間とし、 培養上清を回収後、 実施例 1 3と同じく、 バイオア ッセィによる TNF α含有量の測定を行った。 その結果、 図 24に示す通り、 ΤΗΡ— TGR 5では胆汁酸の濃度依存性に TNFひ分泌量の低下が認められ た。 一方、 THP— 1では顕著な TNFひ分泌抑制作用は見られなかった (図 2 5) 。 これらのことから、 ゥサギ肺胞マクロファージで認められた TNF a; 分泌抑制効果は明らかに TGR5を介したものであることが確認され、 生体内 において TGR 5がこうした免疫機能の制御に関わることが示された。
実施例 24 TGR 5発現 CHO細胞を用いたァゴニストスクリーニング方法 ヒト TGR 5発現 CHO細胞 (ゥサギ、 ゥシ、 ラット、 マウス TGR 5発現 CHO細胞も使用可能) を 1〜2 X 1 0 Vwe 1 1の濃度で 96〜384ゥェ ルプレートにまいて培養後に c AMP産生アツセィに用いる。 アツセィバッフ ァー ίこ ί H a n k s b a l a n c e d s a l t s o l u t i o n (H B S S) または DMEMに 0. 1%ゥシ血清アルブミン (B SA)および 0. 2〜 0. 5 mM 3— 1 s o b u t y l— 丄 一 me t h y l x a n t h i n e ( I BMX) を添加したものを用いる。 培地をアツセィバッファーに置換し、
37°Cで 10〜30分間プレインキュベーションを行う。 アツセィバッファー で細胞を 1回洗浄した後アツセィ.バッファーで調製した胆汁酸 (ポジティブコ ントロール) または低分子合成化合物サンプルを添カ卩し、 37でで 20〜 30 分間インキュベーションする。 アンタゴニス トのスタリーエングにおいては胆 汁酸 (ポジティブコント、ロール) または低分子合成ァゴニスト化合物を同時に 添加することによりアツセィする。 その後、 市販の cAMP定量キット (cA MP S c r e e n Sy s t em (AB I社) または H i t Hun t e r
(AB I社) ) を用いて細胞の c AMP産生量を測定する。
実施例 25 モ^/モッ ト由来の TGR 5をコードする c DNAのクローニング とその塩基配列の決定
モルモット脾臓 c DNAを錶型として、 プライマー (配列番号: 38) およ ぴプライマー 2 (配列番号: 39) を用いて PCRを行なった。 PCRには G C me l t DNA P o l yme r a s e (クローンテック) を用い、 ① 95°C · 2分、 ② 98°C · 10秒、 63°C · 20秒、 72°C · 1分を 35回の 後、 2°C · 7分の伸長反応を行なった。 反応後、 増幅産物を制限酵素 S a 1 I、 S p e Iで切断し p AKKO 1 1 1 Hにクローニングした。 これを大腸菌 DH5 a l p h a (東洋紡) に導入して、 プラスミドを持つクローンをアンピ シリンを含む L B寒天培地中で選択した。 個々のクローンの塩基配列を解析し た結果、 新規 G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードする cDNA配列 (配 列番号: 37) を得た。 この cDNAより導き出されるアミノ酸配列 (配列番 号: 36) を含有する新規蛋白質をモルモッ ト TGR5と命名した。 また形質 転换体を大腸菌 (E s c h e r i c h i a c o l i ) DH5 a 1 p h a / p AKKO g u i n e a p i g T G R 5と命名した。
実施例 26 NC I— H716における TGR 5の発現
TGR 5の発現解析は、 WO 02/084286号の実施例 1 7の方法に準 じて行った。
ヒト大腸がん由来細胞株 NC I— H 716 (ATCC) を培地 (D u 1 b e c c o ' s Mo d i f i e d E a g l e Me d i um (DMEM、 ィ ンビトロゲン社) に 10%ゥシ胎児血清 (I n V i t r o g e n社) 、 100
U/m 1ベニシリン、 1 0 0 μ g/m 1ストレプトマイシンを添加したもの) にて培養後、 細胞を回収し、 I s o g e n (二ツボンジーン) にて t o t a 1 RNAを抽出した。 mRNAの発現量の定量には AB I PR I SM 7 70 0 S e q u e n c e D e t e c t o r (アプライドバイオシステムズ社) を 用いた。 発現量の定量に用いるプライマーとプローブは、 ヒ ト型 TGR 5 (配 列番号: 1) の塩基配列をもとに AB I PR I SM 7 70 0 S e q u e n c e D e t e c t o r専用のソフトウェア P r i m e r E x p r e s s (ァ プライドバイオシステムズ社) を利用してデザインした。 錡型となる c DNA は、 ヒ ト各種組織由来の p o 1 y A + RNA (クロンテック社) l /^ g力、らラ ンダムプライマーを用いて 4 2°Cで合成した。 逆転写反応には S u p e r S c r i p t I I逆転写酵素 (G I B CO BRL社) を用い、 添付のマエユアル に従って反応をった。 AB I PR I SM 7 7 0 0 S e q u e n c e D e t e c t o rの反応液は T a qMa n Un i v e r s a l P GR Ma s t e r M i x (アプライドバイオシステムズ社) のマニュアルにしたがい、 マスターミックスを 1 2. 5 μ 1、 プライマーを 0. 9 ;uM、 プローブを 0. 2 5 μΜ, 各サンプルの c DNA溶液を 1 μ 1で混ぜ合わせ、 蒸留水で 2 5 μ 1 として調製した。 AB I PR I SM 7 7 00 S e q u e n c e D e t e c t o rでの反応は、 5 0°Cで 2分、 9 5°Cで 1 0分の後、 9 5°C * 1 5秒、 6 0°C · 1分のサイクルを 4 0回繰り返して行った。 その結果、 NC I —H 7 1 6細胞の t o t a l RNA2 5 n gあたり 6 5 0 8コピーの発現が認めら れた。
実施例 2 7 NC I -H 7 1 6における胆汁酸による細胞内 c AMP産生上昇 NC I— H 7 1 6を培地 (Du 1 b e c c o, s Mo d i f i e d E a g 1 e Me d i um (DMEM、 インビトロゲン社) に 1 0%ゥシ胎児血 清 ( I n V i t r o g e n社) 、 1 0 0 U/m 1ぺニシリン、 1 0 0 g /m 1ストレプトマイシンを添加したもの) に懸濁して 9 6ゥエルプレートに撒い て 2日培養した後、 c AMP産生アツセィに用いた。 c AMPアツセィ用パッ ファー ίこ ίま、 改変した K r e b s— R i n g e r b i c a r b o n a t e b u f f e r (KRBH、 1 1 6 mM N a C 1、 4. 7 mM KC 1、 1.
2mM KH2P04、 1. 2 mM Mg S04、 2. 5 mM C a C 12、 25 mM N a HCO 3、 24 mM HE P E S p H 7. 3) にグルコースを 5. 5mM、 ゥシ血清ァノレブミン (BSA) を 0. 1 %、 および 3— 1 s o b u t y 1 - 1 -me t hy l x a n t h i n e ( I BMX, S i g m a社) を 1 mMになるよう添; ¾したものを用いた。 c AMPアツセィ用バッファーで 1回 細胞を洗浄した後、 c AMPアツセィバッファ一にて希釈したサンプル 50 μ Μを細胞に添加して 2時間インキュベーションした。 培養上清を捨てて、 cA MP S c r e e n S y s t e m (AB I ) によって c AMP産生量を測定 した。 その結果、 図 26に示す通り、 TGR 5に強いァゴニスト活性を示す胆 汁酸である TLCA (タウロリ トコール酸) 、 LCA. (リ トコール酸) で cA MP産生上昇が見られた。 このことから、 NC I _H716細胞において TG 1 5を介して丁01 5ァゴ-スト、 胆汁酸が c AMP産生を上昇させることが 示された。
実施例 28 胆汁酸による NC I— H716からの GLP— 1分泌上昇作用 NC I— H 716細胞は G 1 u c a g o n— 1 i k e p e p t i d e— 1
(GLP— 1) を分泌する細胞である。 GLP— 1は膝臓に作用してインスリ ンを分泌させるなど血糖値コント口ールに有用なぺプチドである。 実施例 27 と同様に NC I—H716を 96ゥエルプレートに撒いて 2日培養後以下の分 泌実験に使用した。 分泌実験バッファーには改変した Kr e b s -R i n g e r b i c a r b o n a t e b u f f e r (KRBH、 1 16 mM N a C
1、 4. 7mM KC 1、 1. 2 mM KH2P04、 1. 2mM Mg S04、
2. 5mM Ca C l 2、 25mM N a HCO 3、 24mM HEP E S p H7. 3) にグルコースを 5. 5mM、 :63 を0. 1%になるよう添加した ものを用いた。 分泌実験バッファ一にて細胞を 1回洗浄した後、 37°C5%C 02条件下でプレインキュベーションしたのち分泌実験バッファ一にて希釈し た胆汁酸を添加し、 37 5%〇02条件下で2時間培養した。 細胞の培養上清 を回収し、 凍結保存したのち、 GLP— 1測定用 E I Aキット (L i n c o社 ) にて上清中の GLP— 1含量を測定した。 その結果、 図 27に示す通り、 T GR 5に強いァゴェスト活性を示す胆汁酸である TLCA (タウロリ トコール
酸) 、 LCA (リ トコール酸) で G LP— 1分泌上昇が見られた。 このことか ら, NC I— H716細胞において TGR5を介して TGR5ァゴニスト、 胆 汁酸が G LP— 1を上昇させることが示された。
実施例 29 ラット TGR5 mR N A発現分布解析
mRNAの発現量の定量には AB I PR I SM 7700 S e qu e n c eDe t e c t o r (アプライドバイオシステムズ社) を用いた。 発現量の 定量に用いるプライマーとプローブは、 ラット型 TGR5の塩基配列 (配列番 号: 8) をもとに AB I PR I SM 7700 S e qu e n c eDe t e c t o r専用のソフトウェア P r ime r Ex p r e s s (アプライドバイオ システムズ社)を利用してデザインした。ラットの各種組織由来の全 RNAは、 チャールズリバ一社より購入した Wi s t a r雄性 8週齢の個体より各組織を 取得し、 I s o g e n (二ツボンジーン社) を用い、 付属のマニュアルにした がって調製した。 鎳型となる cDNAは、 ラット各種組織由来の全 RN A 1 μ gからランダムプライマーを用いて 42°Cで合成した。 逆転写反応には Sup e r S c r i p t l I逆転写酵素 (G I BCO BRL社) を用い、 添付のマ ニュアルに従って反応を行い、 反応終了後エタノール沈殿して 40 μ 1に溶解 した。 AB I PR I SM 7700 S e qu e n c eDe t e c t o rの 反応液は Ta qMa n Un i v e r s a l PGR Ma s t e r Mi x (アプライドパイオシステムズ社) のマ-ユアルにしたがい、 マスターミック スを 12. 5 μ 1、 各プライマーを 0. 、 プローブを 0. 25 /z M、 各 サンプルの c DNA溶液を 1 μ 1で混ぜ合わせ、 蒸留水で 25 μ 1として調製 した。 AB I PR I SM 7700 S e qu e n c eDe t e c t o rで の反応は、 50°Cで 2分、 95 °Cで 10分の後、 95°C ' 15秒、 60°C · 1 分のサイクルを 40回繰り返して行った。
ラット各種組織での TGR 5 mRNAの発現分布を図 28に示す。 中枢神 経系、 脾臓、 肺、 腸などの組織で高発現が見出された。
実施例 30 ラット腸管初代培養細胞における TGR5mRNA発現
腸管より初代培養細胞を調製し、 I s o g e n (二ツボンジーン社) を用い、 付属のマニュアルにしたがって全 RNAを取得した。 実施例 29と同一の方法
により m R N Aの発現量の定量を行ったところ、 ラット腸管より調製した初代 培養細胞においても約 440◦コピー Z25 n g全 RNAの TGR 5 mRNA 発現が確認された。
実施例 3 1 ラット型 TGR 5の胆汁酸刺激による c AM P産生活性
1 50 cm2フラスコ一本にラット型 TGR 5発現 CHO細胞を 1 x 1 07 c e 1 1 s撒いて、 ー晚 37 °C、 5 % C O 2で培養した。 培養後、 0. 5 mM E DTAZPB Sにて細胞をはがし、 PB Sで細胞を洗浄後、 l x l 07 c e 1 1 s Zm 1の密度で B u f f e r 1 (HB S S + 0. 1%B SA、 25 mM HEPE S pH7. 3、 0. 5 mM I BMX) に懸濁した。 この細胞懸濁 液 460 1 とアルファスクリーン c AMP a s s a y k i t (P a r k i n E l me r) の a n t i— c AM P a c c e p t o r b e a d s 23 ^ 1 , B u f f e r l 66 7 μ 1を混合し、 白色 96 we 1 1プレート (C o s t a r) に 1 0 /i 1ずつ分注した。 次に、 各ゥエルに各種胆汁酸を B u f f e r 1で希釈したものを 1 0 1ずつ加えた。 この時、 プレートの一列 は細胞懸濁液を入れず a n t i— c AMP a c c e p t o r b e a d s
9 μ 1、 Bu f f e r l 441 μ 1のみを混ぜた液とし、 胆汁酸の代わりに c AMPの希釈系列を加え、 スタンダードとした。 細胞懸濁液と胆汁酸を混ぜ たプレートは室温で 30分間反応させた。 30分後、 Bu f f e r 2 (HB S S + 0. 1%B SA、 25mM HEPES pH7. 3、 1. 5% T w e e n 20) 1 3. 2m lに、 ァノレフアスクリーン c AMP a s s a y k i tの B i o t i n y l c AMP 22 ^ 1 , S t r e p t a v i n d o n o r b e a d s 90. 2 μ 1を加えた液をプレートの全ゥエルに 30 μ 1ずつ加えた。 室温でプレートを 2. 5時間振とうし、 Fu s i ο η α (Ρ a r k i n E l me r) にて蛍光強度を測定し、 各プレート上の c AMPス タンダードを用いて各ゥエル内の c AMP濃度を算出した。 それぞれの胆汁酸 による c AMPの産生量は、 リ トコール酸 (LCA) 1 0 μΜとなるように添 加した場合の c AMP産生量を 1 00 %とした相対値 (コントロール%) で示 した。 結果を表 1に示す。 表中の TLC Aはタウロリ トコール酸を、 GLCA はグリコリ トコール酸を、 DC Aはデォキシコール酸を、 TDCAはタウロデ
ォキシコール酸を、 GDCAはダリコデォキシコール酸を、 UDCAはウルソ デォキシコール酸を、 CD C Aはケノデォキシコール酸を、 HDCAはヒォデ ォキシコール酸を、 C Aはコール酸を、 GC Aはダルココール酸をそれぞれ示 す。
[表 1] 胆汁酸 c AMP産生活性
(コントロール%)
LCA 1 00. 0
TLCA 1 3 7. 5
GLCA 1 22. 6
DCA 8 3. 1
TDC A 1 3 9. 6
GDCA 1 3 1. 3
UDCA 9. 8
CDCA 45. 5
HDCA 5. 6
CA 80. 9
GCA 1 1 2. 6
実施例 32 胆汁酸によるモルモット腸管初代培養細胞からの G L P— 1分泌 モルモット (Ha r t l e y, ォス、 日本チャールズリバ一) の結腸粘膜を 採取し以下の方法で酵素処理により細胞に分散した。 酵素液は SmgZm 1 C o i 丄 a g e n a s e (S i gma) 、 5 m g /m 1 Hy a l u r o n i d a s e (S i gma) 、 0. 5 m g / m 1 DNa s e l (S i gma) を 培地に溶かしたものを用いた。 培地は Du l b e c c o ' s Mo d i f i e d E a g l e Me d i um (DMEM、 I n v i t r o g e n) に 4. 5 g/ 1 G l u c o s e, 5 % F B S ( I n v i t r o g e n) 、 1 00 u n i t s/m l P e n i c i 1 1 i n ( I n v i t r o g e n) 、 50 μ g 1 S t r e p t omy c i n (I n v i t r o g e n) 、 50 yU gZm l G
e n t am i c i n ( I n v i t r o g e n) 、 20 mM H e p e s ( p H 7. 3) を添加したものを用いた。 3 7°Cで酵素液による消化反応を行った後 にピぺットに通過させて組織片を細胞に分散する操作を 4回行って細胞を集め た。 集めた細胞を、 改変した K r e b s -R i n g e r b i c a r b o n a t e b u f f e r (KRBH、 1 1 6 mM Na C l、 4. 7 mM KC 1、 1. 2mM KH2P04、 1. 2 mM Mg SO4、 2. 5 mM C a C 1 2、 25mM NaHC03、 24mM HEPE S pH7.. 3) に 5. 5 mM G l u c o s e, 0. 1 %B S Aを添加した緩衝液 (ィンキュベーショ ンバッファー) で洗浄した後、 3 7°C5%C02条件下で 30分間プレインキュ べーシヨンした。 上記インキュベーションバッファーに、 0. 1 μΜ ホノレボ ールエステル (Wa k o) および 1 %DPPIV阻害剤 (L i n c o) を添加し た緩衝液に胆汁酸を希釈して細胞に添加し、 90分間ィンキュベートした後培 養上清を回収し、 凍結保存した。 培養上清中に放出された GLP— 1濃度は E L I S Aキット (L i n c o) にて測定した。 その結果、 図 29に示す通り、 胆汁酸で刺激することによりモルモッ 1、腸管初代培養細胞からの GLP— 1分 泌上昇が観察された。
実施例 3 3 胆汁酸によるラット腸管初代培養細胞からの G L P— 1分泌 ラット (Wi s t a r、 ォス、 日本チャールズリバ一) の回腸末端部と結腸 の粘膜を採取し以下の方法で酵素処理により細胞に分散した。 酵素液は 5m g /m l C o i i a g e n a s e (S i gma) 、 omg//ni l Hy a 1 u r o n i d a s e (S i gma) 、 0. 5 m g /m 1 DNa s e l (b i g ma) を培地に溶かしたものを用いた。 培地は Du l b e c c o' s Mo d i f i e d E a g l e Me d i um (DMEM、 I n v i t r o g e n) に 4. 5 g/ l G l u c o s e、 5 % F B S ( I n v i t r o g e n) 、 1 O O u n i t s/m l P e n i c i 1 1 i n (I n v i t r o g e n) 、 50 μ g /m 1 S t r e p t omy c i n (I n v i t r o g e n) 、 50 μ g /m l G e n t am i c i n ( I n v i t r o g e n) 、 20 mM He p e s (pH7. 3) を添加したものを用いた。 3 7 °Cで酵素液による消化反応 を行った後にピぺットに通過させて糸且織片を細胞に分散する操作を 7回行って
細胞を集めた。 集めた細胞を、 改変した K r e b s -R i n g e r b i c a r b o n a t e b u f f e r (KRBH、 1 1 6 mM Na C l、 . 7 mM KC 1、 1. 2mM KH2P04、 1. 2 mM Mg S04、 2. 5 m M C a C l 2、 25mM NaHC〇3、 24mM HEPE S pH7. 3) に 5. 5mM G l u c o s e, 0. 1 %B S Aを添カ卩した緩衝液 (インキュ ベーションバッファー) で洗浄した後、 3 7 °C 5 % C O 2条件下で 30分間プレ インキュベーションした。 上記のインキュベーションバッファーに、 0. 1 μ Μ ホルボールエステル (Wa k o) および 1 %D P PIV阻害剤 (L i n c o) を添加した緩衝液に胆汁酸を希釈して細胞に添加し、 1 50分間ィンキュベー トした後培養上清を回収し、 凍結保存した。 培養上清中に放出された G LP— 1濃度は EL I SAキット (L i n c o) にて測定した。 その結果、 図 30に 示す通り、 胆汁酸で刺激することによりラット腸管初代培養細胞からの G L P — 1分泌上昇が観察された。
実験例 34 胆汁酸によるラット血中 GL P— 1濃度の上昇作用
胆汁酸経口投与による血中 G L P— 1濃度に及ぼす影響を検討するため、 自由行動下採血用の手術を行った。成熟雄性 F 344/D u C r jラット(日 本チャールズリバ一社、 手術時体重 2 3 0〜2 5 0 g) をペントバルビター ル 5 0mg/k gの腹腔内投与にて麻酔した。 解剖用パッドの上に背位に固 定し、左側の頸静脈を露出させた。ポリエチレンチューブ S P 3 5 (内径 0. 5 mm, 外径 0. 9 mm、 夏目製作所) を約 3 0 c mの長さに切り、 2 0 0 単位 Zm 1のへパリン含有生理食塩水で満たした後、 類静脈に約 3. 2 cm 挿入し固定した。 チューブのもう一端は背側の皮下を通して頸部 (背側) よ り露出させた。
術後 1 8— 24時間絶食、 胆汁酸投与前に用量 1 m 1のッベルクリン用注 射筒と 2 5ゲージ注射針 (いずれもテルモ社) を用いて 3 0 0 ^ 1の血液を 採取した。血液凝固を防止するため、回収用チューブに予め 3 m gZm 1 E DTAを含む 3 0 0 K I U/m 1 a p r o t i n i n溶液を 3 μ 1入れて おいた。 実験に使用した胆汁酸は、 タウロデオキシコール酸 (シグマ社) 、 コール酸 (和光純薬 (株) ) 、 ウルソデォキシコール酸 (和光純薬 (株) )
を 6 OmgZmLの濃度で 0. 5%メ トローズ (信越化学工業) 水溶液に溶 解し、 5mLZk g (30 Omg/k g) で経口投与を行った。 コントロー ルとしての対象群は、 0. 5%メ トローズ水溶液を胆汁酸と同用量経口投与 した。 経口投与の開始時点から 0、 10、 30、 60、 180、 300分後 に頸静脈より 300 μ 1ずつ採血した。 採血した血液は微量高速冷却遠心機 (MR - 150、 トミ一精ェ) を用いて遠心 (13, O O O r pm、 5分間) し、 上清 (血漿) を回収した。 血中 GLP— 1濃度は、 アクティブ G LP— 1測定 E I Aキット (L I NCO社) を用いて測定した。 図 31に示すごと くタウロデオキシコール酸投与群は対象群に比し、 静脈投与 10分後から 3 00分後まで有意 (pく 0. 01, n = 6) な血中 GLP— 1濃度の上昇を 不した。
実施例 35 胆汁酸によるラット腸管初代培養細胞からのコレシストキニン (CCK) およぴガス トリック インヒビトリー ペプチド (G I P) の分 泌
実施例 33と同様の方法によりラット腸管初代培養細胞を調製し、 胆汁酸 による胆汁酸によるコレシストキニン (CCK) およぴガス トリック イン ヒビトリ一 ぺプチド (G I P、 G l u c o s e d e p e n d e n t i n s u l i n o t r o p i c p e p t i d e) の分泌に対する影響を検討 した。 CCKの検出には CCK Oc t a p e p t i d e En z yme I mmun o a s s a y s P e n i n s u l a La b o r a t o r i e s, I NC. ) を、 G I Pの検出には G I P E I A K i t (Ph o e n i x Ph a rma c e u t i c a l s, I NC. ) を用いた。 その結果、 月旦汁酸 TDCA (タウロデオキシコール酸) 50 で 150分刺激することによ り、胆汁酸無添加に比較して C C Κ分泌量が 2. 27倍、 G I Ρ分泌量が 1. 2倍上昇することが判明した。.
参考例 2
化合物 1〜 7を以下に記載の試薬会社より購入した。
ィ匕合物 1 : Maybridge pic
ィ匕合物 2 : Specs (the Netherlands)
ィ匕合物 4 : Intelbioscan, Ltd. (Russia)
ィ匕合物 5 : Olivia Scientifics (USA)
ィ匕合物 6 : Vitas-M Laboratory, Ltd. (Russia)
化合物 7 : Intelbioscan, Ltd. (Russia)
製剤例 1
1 ) 化合物 1 30 rag
2) 微粉末セルロース 10 mg
3) 乳糖 19 mg
4) ステアリン酸マグネシウム 1 mg
計 60 mg 上記 1) 、 2) 、 3) および 4) を混合して、 ゼラチンカプセルに充填する。 製剤例 2
1 ) 化合物 1 30 g
2 ) 乳糖 50 g
3) トウモロコシデンプン 15 g
4) カノレポキシメチルセノレロースカノレシゥム 44 g
5) ステアリン酸マグネシウム 1 _g
1000錠 計 140 g
上記 1) 、 2) 、 3) の全量おょぴ 30 gの 4) を水で練合し、 真空乾燥後、 整粒を行う。 この整粒末に 14 gの 4) および l gの 5) を混合し、 打錠機に より打錠する。 このようにして、 1錠あたり化合物 1 30 mgを含有する錠剤 100◦錠を得る。
試験例 1 ヒ ト TGR 5発現 CHO細胞における本発明化合物の c AMP産生 上昇活性
WO 02/84286に記載の方法にて作製したヒト TGR5発現 CHO細胞 を 4 X 104細胞 _ we 1 1の濃度で 96ゥエルプレートに撒いて 37°Cでー晚 培養後、 c AMP産生量の測定に用いた。 アツセィバッファーには Hank's balanced salt solution (HBSS, Invitrogen社)に 0.1%ゥシ血清アルブミン(BSA, Sigma社)および 0.5mM 3 - Isobutyl- 1-methylxanthine (IBMX, Sigma社)を添カロ したものを用いた。アツセィバッファーで希釈した試験化合物サンプル(ΙμΜ) を細胞に添加した。 37°Cで 30分間ィンキュベーションした後、上清を吸引した。 試験化合物の刺激により上昇した細胞内 cAMP量を HitHunterTM EFC Cyclic AMP Chemi luminescence Assay Kit (ABI社)キットを用いて定量した。
TGR5ァゴニストであるリ トコール酸 (LCA) を ΙμΜとなるように添加したゥ
エルの cAMP量を 100%とし、 無添加のゥエルの cAMP量を 0%とした場合の、 試験 化合物添加ゥエルの cAMP量を相対値 (コントロール0 /0) として求めた。 結果を 表 2に示す。 表中のデータは 3群の平均値を示す。
[表 2] ヒ ト TGR 5発現 CHO細胞における試験化合物の c AMP産生上昇 活性 試験化合物 c AMP産生上昇活性
(コントロール%)
化合物 1 121
化合物 2 128
化合物 3 47
化合物 4 123
化合物 5 57
化合物 6 45
化合物 7 42
リ トコール酸 100
これより、 本発明化合物が cAM P産生上昇活性を有し、 ヒ ト TGR 5に対 する優れたァゴニストであることが分かる。
試験例 2 NC I -H7 1 6における本発明化合物の G L P - 1分泌上昇作用 実施例 28と同様の条件で N C I -H7 1 6を培養し、 分泌実験バッファー にて希釈した試験化合物 (化合物 1) を添加、 3 7°C5%C02条件下で 2時間 培養し、 細胞の培養上清を G LP- 1測定用 E I Aキット (L i n c o) にて 測定した。 試験化合物を培地に添加しなかったときの培養上清中の GLP— 1 濃度を 1 00 %とした場合、 試験化合物 1 00 μ Μを添加すると 1 9 1 % (ρ < 0. 0 1 :スチューデント tテスト) の GLP— 1濃度を示し、 本発明化合 物による GLP— 1の分泌上昇が認められた。 産業上の利用可能性
TGR 5に対する合成リガンドと TGR 5を用いることにより、 TGR 5ァ ゴニストまたは TGR 5アンタゴニストを効率良くスクリーニングすることが
できる。
また、 本発明の TGR 5受容体作動剤は、 優れた TGR 5受容体作動作用 を有するため、 各種疾患の治療に有用である。