明細書
Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質の新規リガンドとその用途 技術分野
本発明は、 Gタンパク寳共役型レセプタータンパク質の新規リガンドとその用 途に関する。' 背景技術
多くのホルモンや神経伝達物質などの生理活性物質は、 細胞膜に存在する特異 的なレセプタータンパク質を通じて生体の機能を調節している。 これらのレセプ 夕一タンパク質のうち多くは共役している guanine nucleot ide-binding protein (以下、 Gタンパク質と略称する場合がある) の活性化を通じて細胞内のシグナ ル伝達を行ない、 また、 7個の膜貫通領域を有する共通した構造をもっているこ とから、 Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質 (GPCR) または 7回膜貫通型レ セプ夕一タンパク質 (7TMR) と総称される。
G夕ンパク質共役型レセプタ一タンパク質は生体の細胞や臓器の各機能細胞表 面に存在し、 それら細胞や臓器の機能を調節する分子、 例えば、 ホルモン、 神経 伝達物質および生理活性物質等の標的として生理的に重要な役割を担っている。 レセプターは生理活性物質との結合を介してシグナルを細胞内に伝達し、 このシ グナルにより細胞の賦活ゃ抑制といった種々の反応が惹起される。
各種生体の細胞や臓器の内の複雑な機能を調節する物質と、 その特異的レセプ 夕一タンパク質、 特には Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質との関係を明 らかにすることは、 各種生体の細胞や臓器の機能を解明し、 それら機能と密接に 関連した医薬品開発に非常に重要な手段を提供することとなる。
例えば、 生体の種々の器官では、 多くのホルモン、 ホルモン様物質、 神経伝達 物質あるいは生理活性物質による調節のもとで生理的な機能の調節が行なわれて いる。 特に、 生理活性物質は生体内の様々な部位に存在し、 それぞれに対応する レセプタータンパク質を通してその生理機能の調節を行っている。 生体内には未 知のホルモンゃ神経伝達物質その他の生理活性物質も多く、 それらのレセプ夕一
タンパク質の構造に関しても、 これまで報告されていないものが多い。 さらに、 既知のレセプタータンパク質においてもサブタイプが存在するかどうかについて も分かっていないものが多い。
生体における複雑な機能を調節する物質と、 その特異的レセプ夕一タンパク質 との関係を明らかにするととは、 医薬品開発に非常に重要な手段である。 また、 レセプ夕—夕ンパク質に対するァゴニスト、 アン夕ゴニストを効率よくスクリー ニングし、 医薬品を開発するためには、 生体内で発現しているレセプタータンパ ク質の遺伝子の機能を解明し、 それらを適当な発現系で発現させることが必要で あった。
レセプ夕一タンパク質のうち、 ァゴニストおよびアン夕ゴニストを含むリガン ドが不明なレセプ夕一タンパク質をォ一ファンレセプター夕ンパク質と称する。 このォーファン Gタンパク質共役型レセプタータンパク質の一つとして、 TGR25が 知られている (W0 02/46394号公報) 。 このタンパク質はまた、 GPR97とも呼ばれ (FEBS Let ters 531 , 407-414 (2002) ) 、 そのマウスホモログとして Pb99が知ら れている (Mo l . Cel l . Bi ol . 20, 4405-4410 (2000) ) 。 Pb99は B前駆細胞と胸腺 細胞において発現するが、 成熟 B細胞および T細胞では発現せず、 リンパの発達に 関与していると報告されている。 また TGR25が骨髄で発現しているレセプ夕一で あるという報告もある (特開 2003-24070) 。
AM251. U_ (2, 4-ジクロロフエ二ル)- 5- (4-ョ一ドフエ二ル)- 4-メチル -N-ピペリ ジン-卜ィル -m-ピラゾ一ル- 3-カルポキサミド〕 は、 カンナビノィドレセプ夕一 のアン夕ゴニス卜で、 食欲抑制、 体重減少作用を有することが 〔Eur J
Pharmaco l 462 (1-3) : 125-132 (2003) 〕 、 Gタンパク質共役型レセプタータンパ ク質の一つである GPR55にァゴニスト作用を有することが報告されている (W0 01/86305号公報) に開示されている。 AM251、 AM281 〔1- (2, 4-ジクロロフエ二 ル) - 5- (4-ョードフエ二ル)- 4-メチル -N-モルホリン -4-ィル- 1H-ピラゾール- 3 -力 ルポキサミド〕 などは、 カンナピノイド受容体 CB1特異的なアン夕ゴニストであ ると報告されている (Li fe Sc i . 76 (12): 1307-1324 (2005) ) 。 N-ペンタノィル 2-ベンジルトリプタミン 〔N_pentanoyl 2-benzyl tryptamine (DH97) 〕 は、 メラ トニン受容体 MT2アン夕ゴニス卜であると報告されている 〔Naunyn
Sc mi edebergs Arch Pharmaco l . 358 (5): 522 - 528 (1998)〕 。 発明の開示
従来、 Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質と生理活性物質 (すなわち、 リガンド) との結合を阻 する物質や、 結合して生理活性物質 (すなわち、 リガ ンド) と同様なシグナル伝達を引き起こす物質は、 これらレセプターの特異的な アン夕ゴニストまたはァゴニストとして、 生体機能を調節する医薬品として活用 されてきた。 従って、 このように生体内での生理現象において重要であるばかり でなく、 医薬品開発の標的ともなりうる Gタンパク質共役型レセプタータンパク 質を新規に見出し、 その遺伝子 (例えば cDNA) をクローニングすることは、 新規 Gタンパク質共役型レセプタータンパク質の特異的リガンドゃ、 ァゴニスト、 ァ ンタゴ二ストを見出す際に、 非常に重要な手段となる。
しかし、 Gタンパク質共役型レセプ夕一はその全てが見出されているわけでは なく、 現時点でもなお、 未知の Gタンパク質共役型レセプター、 また上記の
TGR25のようなォ一ファンレセプ夕一が多数存在しており、 新たな Gタンパク質 共役型レセプターの探索および機能解明が切望されている。
Gタンパク質共役型レセプ夕一は、 そのシグナル伝達作用を指標とする、 新た な生理活性物質 (すなわち、 リガンド) の探索、 また、 該レセプターに対するァ ゴニストまたはアンタゴニストの探索に有用である。 一方、 生理的なリガンドが 見出されなくても、 該レセプ夕一の不活化実験 (ノックアウト動物) から該レセ プ夕一の生理作用を解析することにより、 該レセプターに対するァゴニストまた はアンタゴニストを作製することも可能である。 これら該レセプ夕一に対するリ ガンド、 ァゴニストまたはアンタゴニストなどは、 Gタンパク質共役型レセプ夕 一の機能不全に関連する疾患の予防および Zまたは治療薬や診断薬として活用す ることが期待できる。
さらにまた、 Gタンパク質共役型レセプ夕一の遺伝子変異に基づく生体での該 レセプターの機能の低下または昂進が、 何らかの疾患の原因となっている場合も 多い。 この場合には、 該レセプターに対するアン夕ゴニストやァゴニストの投与 だけでなく、 該レセプター遺伝子の生体内 (またはある特定の臓器) への導入や、
該レセプター遺伝子に対するアンチセンス核酸の導入による、 遺伝子治療に応用 することもできる。 この場合には該レセプターの塩基配列は遺伝子上の欠失や変 異の有無を調べるために必要不可欠な情報であり、 該レセプターの遺伝子は、 該 レセプ夕一の機能不全に関与する疾患の予防および/または治療薬や診断薬に応 用することもできる。
具体的には、 本発明は TGR25に対するリガンドを決定し、 さらに TGR25とそのリ ガンドの用途を提供することを目的とする。 すなわち本発明は、 リガンドと TGR25との結合性を変化させる化合物 (アン夕ゴニスト、 ァゴニスト) またはそ の塩のスクリーニング方法、 該スクリーニング用キット、 該スクリーニング方法 もしくはスクリ一二ング用キットを用いて得られるリガンドと TGR25との結合性 を変化させる化合物 (アンタゴニスト、 ァゴニスト) またはその塩、 およびリガ ンドと TGR25との結合性を変化させる化合物 (アン夕ゴニスト、 ァゴニスト) を 含有してなる医薬、 例えば白血球 少症、 白血病、.リンパ腫、 悪性腫瘍、 潰瘍性 大腸炎、 慢性関節リウマチ、 炎症性腸疾患、 扁桃腺疾患、 膠原病、 炎症性疾患、 白血球増多症、 心不全、 遺伝性筋疾患、 筋ジストロフィー、 筋変性疾患、 心筋梗 塞、 肥満、 糖尿病、 高脂血症、 動脈硬化症、 メ夕ポリックシンドローム、 血小板 減少症、 血小板増加症、 癌、 肺水腫または多臓器不全の予防 ·治療剤などを提供 することを目的とする。
本発明者らは、 上記の課題を解決するために、 鋭意研究を重ねた結果、 特願 2003-393056 (PCT-JP04-017519) に開示される、 特別な細胞株を必要としない、 リガンドのスクリーニング方法を用いて、 AM251が TGR25のサロゲ一トリガンドで あることを見出した。 さらに、 AM281、 DH97も TGR25のサロゲートリガンドである ことを見出した。 本発明者らは、 これらの知見に基づいて、 さらに研究を重ねた 結果、 本発明を完成するに至った。
すなわち、 本発明は、
〔1〕 ( 1 ) 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同 一のアミノ酸配列を含有する Gタンパク質共役型レセプタータンパク質、 その部 分ペプチドまたはその塩、 および (2 ) リガンドまたはその塩を用いることを特 徴とする、 該レセプタータンパク質またはその塩と該リガンドまたはその塩との
結合性またはシグナル伝達を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方 法、
〔l a〕 シグナル伝達が、 (1) 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列と同一 もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する Gタンパク質共役型レセプター タンパク質、 その部分べ: チドまたはその塩、 および (2) リガンドまたはその 塩との結合による生じるシグナル伝達である上記 〔1〕 記載のスクリーニング方 法、
〔2〕 リガンドが、 式
〔式中、 A r
1および A r
2は、 それぞれ置換基を有していてもよいァリール、 R
1は、 置換基を有していてもよい炭化水素基、
R2および R3は、 それぞれ水素原子、 または置換基を有していてもよい同素も しくは複素環基を示す〕 で表される化合物またはその塩 〔以下、 化合物 (I) と 略記することもある〕 である上記 〔1〕 記載のスクリーニング方法、
〔3〕 リガンドが、 AM251 〔卜(2, 4-ジクロロフエ二ル)- 5- (4-ョ一ドフエ二 ル)- 4-メチル ピぺリジン-卜ィル- 1H-ピラゾール- 3 -カルボキサミド;卜(2,4 - dichlorophenyl)-5-(4-iodophenyl)-4-methyl-N-piperidin-l-yl-lH-pyrazole- 3-carboxamide) または AM281 〔卜(2, 4-ジクロロフエ二ル)- 5- (4-ョードフ ェニル )-4-メチル -N-モルホリン- 4-ィル- 1H-ピラゾ一ル- 3-力ルポキサミド;卜 (2, 4-dichlorophenyl)-5-(4-iodophenyl)-4-methyl-N-morpholin-4-yl-lH- pyrazole-3-carboxamide) である上記 〔1〕 記載のスクリーニング方法、
〔4〕 リガンドが、 AM251である上記 〔1〕 記載のスクリーニング方法、 〔5〕 リガンドが、 式
〔式中、 環 Aは、 置換基を有していてもよいベンゼン環、
R4および R5は、 それぞれ水素原子、 置換基を有していてもよい炭化水素基、 置換基を有していてもよい複素環基またはァシル、
R6は、 置換基を有していてもよい炭化水素基、
Xは、 一 NR7— (R7は、 水素原子、 置換基を有していてもよい炭化水素基ま たは置換基を有していてもよい複素環基を示す) 、 —O— または — S— を示 す〕 で表される化合物またはその塩 〔以下、 化合物 (II) と略記することもあ る〕 である上記 〔1〕 記載のスクリーニング方法、
〔6〕 リガンドが、 DH97 〔N- [2- (2-ベンジル- 1H -インドール- 3-ィル)ェチ ル]ペンタンアミド; -[2-(2-benzyl-lH-indol-3-yl)ethyl]pentanamide] であ る上記 〔1〕 記載のスクリーニング方法、
〔7〕 (1) 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同 一のアミノ酸配列を含有する Gタンパク質共役型レセプタータンパク質、 その部 分ペプチドまたはその塩、 および (2) リガンドまたはその塩と該レセプ夕一夕 ンパク質またはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩を用いること を特徴とする該レセプ夕一タンパク質またはその塩に対するァゴニストまたはァ ン夕ゴ二ストのスクリーニング方法、
〔8〕 リガンドが、 AM251、 AM281または DH97である上記 〔7〕 記 載のスクリーニング方法、
[93 (1) 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同 一のァミノ酸配列を含有する G夕ンパク質共役型レセプタータンパク質、 その部 分ペプチドまたはその塩、 および (2) リガンドまたはその塩を含有することを 特徴とする該レセプ夕一タンパク質またはその塩と該リガンドまたはその塩との
結合性またはシグナル伝達を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング用 キッ卜、
〔9 a〕 シグナル伝達が、 (1 ) 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列と同一 もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有する Gタンパク質共役型レセプター タンパク質、 その部分ペプチドまたはその塩、 および (2 ) リガンドまたはその 塩との結合【こよる生じるシグナル伝達である上記 〔9〕 記載のスクリーニング用 十ット、
〔1 0〕 リガンドが、 AM 2 5 1、 AM 2 8 1または DH 9 7である上記 〔9〕 記載のスクリーニング用キット、
〔1 1〕 ( 1 ) 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に 同一のアミノ酸配列を含有する Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質、 その 部分ペプチドまたはその塩、 および (2 ) リガンドまたはその塩と該レセプタ一 タンパク質またはその塩との結合:性を変化させる化合物またはその塩を含有する ことを特徴とする該レセプ夕一夕ンパク質またはその塩に対するァゴニストまた はアン夕ゴニストのスクリーニング用キット、
〔1 2〕 リガンドが AM 2 5 1、 AM 2 8 1または D H 9 7である上記 〔1 1〕 記載のスクリーニング用キット、
〔1 3〕 リガンドまたはその塩と配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列と同一 もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有する G夕ンパク質共役型レセプ夕一 タンパク質またはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩を含有して なる医薬、 -
〔1 4〕 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の ァミノ酸配列を含有する Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質またはその塩 に対するリガンドを含有してなる白血球減少症、 白血病、 リンパ腫、 悪性腫瘍、 潰瘍性大腸炎、 慢性関節リウマチ、 炎症性腸疾患、 扁桃腺疾患、 膠原病、 炎症性 疾患、 白血球増多症、 心不全、 遺伝性筋疾患、 筋ジストロフィー、 筋変性疾患、 心筋梗塞、 肥満、 糖尿病、 高脂血症、 動脈硬化症、 メ夕ポリックシンドローム、 血小板減少症、 血小板増加症、 癌、 肺水腫または多臓器不全の予防 ·治療剤、 〔1 5〕 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の
ァミノ酸配列を含有する Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質またはその塩 に対するァゴニストを含有してなる白血球減少症、 白血病、 リンパ腫、 悪性腫瘍、 潰瘍性大腸炎、 慢性関節リウマチ、 炎症性腸疾患、 扁桃腺疾患、 膠原病または炎 症性疾患の予防 ·治療剤、
〔1 6〕 ァゴニストが、 ^合物 (I) または化合物 (I I) である上記 〔1 5〕 記 載の予防 ·治療剤、
〔1 7〕 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の アミノ酸配列を含有する Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質またはその塩 に対するアンタゴニストを含有してなる白血球増多症の予防 ·治療剤または白血 球賦活剤、
〔1 8〕 リガンドまたはその塩を配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一も しくは実質的に同一の Tミノ酸配列を含有する Gタンパク質共役型レセプター夕 ンパク質を含有する細胞に接触させた場合と、 試験化合物を配列番号: 1で表さ れるァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有する Gタン パク質共役型レセプ夕一タンパク質を含有する細胞に接触させた場合における結 合性またはシグナル伝達の変化を比較することを特徴とする該レセプ夕一タンパ ク質またはその塩に対するァゴニストのスクリーニング方法、
〔1 9〕 リガンドまたはその塩の存在下、 試験化合物を配列番号: 1で表される ァミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有する Gタンパク 質共役型レセプタータンパク質を含有する細胞に接触させた場合における結合性 またはシグナル伝達の変化を測定することを特徴とする、 該レセプ夕ータンパク 質またはその塩に対するアン夕ゴニストのスクリーニング方法、
〔2 0〕 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァ ミノ酸配列を含有する Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質もしくはその部 分ペプチドまたはその塩を含有してなる白血球減少症、 白血病、 リンパ腫、 悪性 腫瘍、 潰瘍性大腸炎、 慢性関節リウマチ、 炎症性腸疾患、 扁桃腺疾患、 膠原病ま たは炎症性疾患の予防 ·治療剤、
〔2 1〕 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァ ミノ酸配列を含有する Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質またはその部分
ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドを含有して なる白血球減少症、 白血病、 リンパ腫、 悪性腫瘍、 潰瘍性大腸炎、 慢性関節リウ マチ、 炎症性腸疾患、 扁桃腺疾患、 膠原病または炎症性疾患の予防 ·治療剤、 〔2 2〕 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァ ミノ酸配列を含有する G夕ンパク質共役型レセプタータンパク質またはその部分 ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドを含有して なる白血球減少症、 白血病、 リンパ腫、 悪性腫瘍、 潰瘍性大腸炎、 慢性関節リウ マチ、 炎症性腸疾患、 扁桃腺疾患、 膠原病、 炎症性疾患、 白血球増多症、 心不全、 遺伝性筋疾患、 筋ジストロフィー、 筋変性疾患、 心筋梗塞、 肥満、 糖尿病、 高脂 血症、 動脈硬化症、 メタボリックシンドローム、 血小板減少症、 血小板増加症、 癌、 肺水腫または多臓器不全の診断剤、
〔2 3〕 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァ ミノ酸配列を含有する Gタンパク S共役型レセプ夕一タンパク質もしくはその部 分ペプチドまたはその塩に対する抗体を含有してなる白血球増多症の予防 ·治療 剤または白血球賦活剤、
〔2 4〕 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァ ミノ酸配列を含有する Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質もしくはその部 分ペプチドまたはその塩に対する抗体を含有してなる白血球減少症、 白血病、 リ ンパ腫、.悪性腫瘍、 潰瘍性大腸炎、 慢性関節リウマチ、 炎症性腸疾患、 扁桃腺疾 患、 膠原病、 炎症性疾患、 白血球増多症、 心不全、 遺伝性筋疾患、 筋ジストロフ ィー、 筋変性疾患、 心筋梗塞、 肥満、 糖尿病、 高脂血症、 動脈硬化症、 メタボリ ックシンドローム、 血小板減少症、 血小板増加症、 癌、 肺水腫または多臓器不全 の診断剤、 '
〔2 5〕 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァ ミノ酸配列を含有する Gタンパク質共役型レセプタータンパク質またはその部分 ぺプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドと相補的な 塩基配列またはその一部を含有してなるポリヌクレオチドを含有してなる白血球 増多症の予防 ·治療剤または白血球賦活剤、
〔2 6〕 哺乳動物に対して、 (i) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一
もしくは実質的に同一のァミノ酸配列を含有する Gタンパク質共役型レセプター タンパク質、 その部分ペプチドまたはその塩、 (i i) 上記レセプ夕一タンパク質 またはその部分べプチドをコ一ドするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオ チド、 (i i i) 上記レセプタータンパク質またはその塩に対するァゴニスト、 ま たは (iv) レセプ夕一夕'ンパク質またはその塩に対するリガンドの有効量を投与 することを特徴とする白血球減少症、 白血病、 リンパ腫、 悪性腫瘍、 潰瘍性大腸 炎、 慢性関節リウマチ、 炎症性腸疾患、 扁桃腺疾患、 膠原病または炎症性疾患の 予防 ·治療方法、
〔2 7〕 哺乳動物に対して、 (i) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一 もしくは実質的 (こ同一のァミノ酸配列を含有する Gタンパク質共役型レセプ夕一 タンパク質、 その部分ペプチドまたはその塩に対する抗体、 (i i) 上記レセプ夕 —夕ンパク質またはその部分べプチドをコ一ドするポリヌクレオチドを含有する ポリヌクレオチドと相補的な塩 配列またはその一部を含有してなるポリヌクレ ォチド、 または (i i i) 上記レセプタータンパク質またはその塩に対するアン夕 ゴニストの有効量を投与することを特徴とする白血球増多症の予防 ·治療方法ま たは白血球賦活方法、 - 〔2 8〕 白血球減少症、 白血病、 リンパ腫、 悪性腫瘍、 潰瘍性大腸炎、 慢性関節 リウマチ、 炎症性腸疾患、 扁桃腺疾患、 膠原病または炎症性疾患の予防,治療剤 を製造するための (i) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実 質的に同一のァミノ酸配列を含有する Gタンパク質共役型レセプ夕一タンパク質、 その部分ペプチドまたはその塩、 (i i) 上記レセプタータンパク質またはその部 分ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(i i i) 上記レセプ夕一タンパク質またはその塩に対するァゴニスト、 または
(iv) レセプ夕一タンパク質またはその塩に対するリガンドの使用、
〔2 9〕 白血球増多症の予防 ·治療剤または白血球賦活剤を製造するための
(i) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミ ノ酸配列を含有する G夕ンパク質共役型レセプター夕ンパク質、 その部分べプチ ドまたはその塩に対する抗体、 (i i) 上記レセプ夕一タンパク質またはその部分 ぺプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドと相補的な
塩基配列またはその一部を含有してなるポリヌクレオチド、 または (i i i) 上記 レセプ夕一タンパク質またはその塩に対するアン夕ゴニストの使用、
〔3 0〕 骨髄に存在する幹細胞、 間葉系未分化細胞もしくは幼若造血系細胞の機 能、 または骨髄内造血支持組織中に存在する脂肪細胞もしくは脂肪前駆細胞の機 能を制御することを特徴 する上記 〔1 4〕 記載の医薬、
〔3 1〕 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァ ミノ酸配列を含有する Gタンパク質共役型レセプタータンパク質、 その部分ぺプ チドまたはその塩の活性、 または上記レセプ夕一タンパク質に対するリガンドの 活性を促進することを特徴とする白血球減少症、 白血病、 リンパ腫、 悪性腫瘍、 潰瘍性大腸炎、 慢性関節リウマチ、 炎症性腸疾患、 扁桃腺疾患、 膠原病または炎 症性疾患の予防 ·治療方法、
〔3 2〕 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のァ ミノ酸配列を含有する Gタンパク質共役型レセプタータンパク質、 その部分ぺプ チドまたはその塩の活性、 または上記レセプタータンパク質に対するリガンドの 活性を阻害することを特徴とする白血球増多症の予防 ·治療方法または白血球賦 活方法などを提供する。
以下、 「配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の アミノ酸配列を含有する蛋白質またはその部分ペプチドもしくはその塩」 を 「本 発明の受容体」 または 「本発明の蛋白質」 と略記する場合がある。
さらに、 本発明は、
(i) 標識した G T P r Sの存在下、 本発明のリガンドを本発明の受容体細胞膜 画分に接触させた場合と、 本発明のリガンドおよび試験化合物を本発明の受容体 細胞膜画分に接触させた場合における、 本発明の受容体細胞膜画分への G T Pァ S結合促進活性を測定し、 比較することを特徴とする、 本発明のリガンドと本発 明の受容体との結合性を変化させる化合物のスクリ一ニング方法、
(i i) 本発明のリガンドを本発明の受容体発現細胞に接触させた場合と、 本発明 のリガンドおよび試験化合物を本発明の受容体発現細胞に接触させた場合におけ る、 該細胞の細胞内 c AM Pの濃度を測定し、 比較することを特徴とする、 本発 明のリガンドと本発明の受容体との結合性を変化させる化合物のスクリーニング
方法、
(i i i) 本発明のリガンドを、 C R E—レポ一夕一遺伝子べクタ一を導入した本 発明の受容体発現細胞に接触させた場合と、 本発明のリガンドおよび試験化合物 を、 C R E—レポ一夕一遺伝子ベクターを導入した本発明の受容体発現細胞に接 触させた場合における、 レポーター遺伝子蛋白質の酵素活性を測定し、 比較する ことを特徴とする、 本発明のリガンドと本発明の受容体との結合性を変化させる 化合物のスクリーニング方法、
(iv) 本発明のリガンドを、 S R E—レポーター遺伝子ベクターを導入した本発 明の受容体発現細胞に接触させた場合と、 本発明のリガンドおよび試験化合物を、 S R E—レポ一ター遺伝子ベクターを導入した本発明の受容体発現細胞に接触さ せた場合における、 レポ一夕一遺伝子蛋白質の酵素活性を測定し、 比較すること を特徴とする、 本発明のリガンドと本発明の受容体との結合性を変化させる化合 物のスクリーニング方法、
(V) 本発明のリガンドを、 標識したァラキドン酸を含有する本発明の受容体発 現細胞に接触させた場合と、 本発明のリガンドおよび試験化合物を、 標識したァ ラキドン酸を含有する本発明の受容体発現細胞に接触させた場合における、 ァラ キドン酸代謝物の放出活性を測定し、 比較することを特徴とする、 本発明のリガ ンドと本発明の受容体との結合性を変化させる化合物のスクリーニング方法、
(vi) 本発明のリガンドを、 本発明の受容体発現細胞に接触させた場合と、 本発 明のリガンドおよび試験化合物を、 本発明の受容体発現細胞に接触させた場合に おける、 細胞内カルシウム濃度上昇活性を測定し、 比較することを特徴とする、 本発明のリガンドと本発明の受容体との結合性を変化させる化合物のスクリ一二 ング方法、
(vi i) 標識したイノシトールの存在下、 本発明のリガンドを、 本発明の受容体 発現細胞に接触させた場合と、 本発明のリガンドおよび試験化合物を、 本発明の 受容体発現細胞に接触させた場合における、 イノシトール三リン酸産生活性を測 定し、 比較することを特徴とする、 本発明のリガンドと本発明の受容体との結合 性を変化させる化合物のスクリーニング方法、
(vi i i) 本発明のリガンドを、 T R E—レポーター遺伝子べクタ一を導入した本
発明の受容体発現細胞に接触させた場合と、 本発明のリガンドおよび試験化合物 を、 T R E—レポーター遺伝子ベクターを導入した本発明の受容体発現細胞に接 触させた場合における、 レポーター遺伝子蛋白質の酵素活性を測定し、 比較する ことを特徴とする、 本発明のリガンドと本発明の受容体との結合性を変化させる 化合物のスクリーニング 法、
(ix) 本発明のリガンドを、 本発明の受容体発現細胞に接触させた場合と、 本発 明のリガンドおよび試験化合物を、 本発明の受容体発現細胞に接触させた場合に おける、 細胞増殖を測定し、 比較することを特徴とする、 本発明のリガンドと本 発明の受容体との結合性を変化させる化合物のスクリーニング方法、 .
(X) 標識したルビジウムの存在下、 本発明のリガンドを、 本発明の受容体発現 細胞に接触させた場合と、 本発明のリガンドおよび試験化合物を、 本発明の受容 体発現細胞に接触させた場合における、 標識したルビジウムの流出活性を測定し、 比較することを特徴とする、 本発日月のリガンドと本発明の受容体との結合性を変 化させる化合物のスクリーニング方法、
(xi) 本発明のリガンドを、 本発明の受容体発現細胞に接触させた場合と、 本発 明のリガンドおよび試験化合物を、 本発明の受容体発現細胞に接触させた場合に おける、 細胞外の P H変化を測定し、 比較することを特徴とする、 本発明のリガ ンドと本発明の受容体との結合性を変化させる化合物のスクリーニング方法、
(xi i) -ヒスチジン合成遺伝子を導入した本発明の受容体発現酵母を、 ヒスチジ ン欠乏培地で培養し、 本発明のリガンドまたは本発明のリガンドおよび試験化合 物を接触させ、 該酵母の生育を測定し、 比較することを特徴とする、 本発明のリ ガンドと本発明の受容体との結合性を変化させる化合物のスクリーニング方法、
(xi i i) 本発明のリガンドを、 本発明の受容体遺伝子 R N A導入アフリカッメガ エル卵母細胞に接触させた場合と、 本発明のリガンドおよび試験化合物を、 本発 明の受容体遺伝子 R N A導入ァフリカッメガエル卵母細胞に接触させた場合にお ける、 細胞膜電位の変化を測定し、 比較することを特徴とする、 本発明のリガン ドと本発明の受容体との結合性を変化させる化合物のスクリーニング方法なども 提供する。
図面の簡単な説明
図 1は、 ヒト各種組織での TGR25 mRNAの発現分布を示す。
図 2は、 ヒト末梢血多形核白血球における TGR25の mRNAの特異的な高発現を示す 図を示す。
図 3は、 ヒト末梢血多形 白血球に対する AM251の MAPキナーゼ活性化抑制作用を 示す図を示す。
図 4は、 AM251のヒト白血病細胞株である HL- 60に対する好中球様細胞への分化誘 導促進活性を示す図を示す。 破線は無処理細胞、 細い実線は DMS0のみを投与した 細胞、 太い実線は DMS0および AM251を投与した細胞のそれぞれにおける好中球分 化マーカ一である細胞表面抗原 CDl lb/Mac- 1の発現量を示す。 発明を実施するための最良の形態
本発明で使用される T G R 2 5は、 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列と 同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプ夕一タンパク質であ る。
T G R 2 5は、 例えばヒトゃ哺乳動物 (モルモット、 ラッド、 マウス、 ゥサギ、 ブ夕、 ヒッジ、 ゥシ、 サルなど) のあらゆる細胞 (脾細胞、 神経細胞、 グリア細 胞、 滕臓 β細胞、 骨髄細胞、 メサンギゥム細胞、 ランゲル八ンス細胞、 表皮細胞、 上皮細胞、 内皮細胞、 繊維芽細胞、 繊維細胞、 筋細胞、 脂肪細胞、 免疫細胞 (例、 マクロファージ、 Τ細胞、 Β細胞、 ナチュラルキラー細胞、 肥満細胞、 好中球、 好塩基球、 好酸球、 単球) 、 巨核球、 滑膜細胞、 軟骨細胞、 骨細胞、 骨芽細胞、 破骨細胞、 乳腺細胞、 肝細胞もしくは間質細胞、 またはこれら細胞の前駆細胞、 幹細胞もしくはガン細胞など) や血球系の細胞、 またはそれらの細胞が存在する あらゆる組織、 例えば、 脳、 脳の各部位 (例、 嗅球、 扁頭核、 大脳基底球、 海馬、 視床、 視床下部、 視床下核、 大脳皮質、 延髄、 小脳、 後頭葉、 前頭葉、 側頭葉、 被殻、 尾状核、 脳染、 黒質) 、 脊髄、 下垂体、 胃、 塍臓、 腎臓、 肝臓、 生殖腺、 甲状腺、 胆のう、 骨髄、 副腎、 皮膚、 筋肉、 肺、 消化管 (例、 大腸、 小腸) 、 腸 管、 血管、 心臓、 胸腺、 脾臓、 顎下腺、 末梢血、 末梢血球、 前立腺、 睾丸、 精巣、 卵巣、 胎盤、 子宮、 骨、 関節、 骨格筋など、 特に、 脾臓、 骨髄、 腸管、 単球、 マ
クロファージなどの免疫担当臓器と免疫担当細胞に由来するタンパク質であって もよく、 また合成タンパク質であってもよい。
配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のァミノ酸配列として, は、 例えば、 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列と約 8 5 %以上、 好ましく は 9 0 %以上、 より好ま くは約 9 5 %以上の相同性を有するアミノ酸配列など が挙げられる。 アミノ酸配列の相同性は、 相同性計算アルゴリズム NCBI
BLAST (Nat ional Center for Biotechnology Informat ion Bas ic Local
Al ignment Search Tool)を用い、 以下の条件 (期待値 =10;ギャップを許す;マ トリクス =BLOSUM62;フィルタリング = O F F) にて計算することができる。. 本発明の配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配 列を含有するタンパク質としては、 例えば、 配列番号: 1で表わされるアミノ酸 配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有し、 配列番号: 1で表わされるアミノ酸 配列からなる T G R 2 5と実質的.に同質の活性を有するタンパク質などが好まし い。
実質的に同質の活性としては、 例えば、 リガンド結合活性、 シグナル情報伝達 作用などが挙げられる。 実質的に同質とは、 それらの活性が性質的に同質である ことを示す。 したがって、 リガンド結合活性やシグナル情報伝達作用などの活性 が同等 (例、 約 0 . 0 1〜1 0 0倍、 好ましくは約 0 . 5〜2 0倍、 より好まし くは約 0 . 5〜2倍) であることが好ましいが、 これらの活性の程度やタンパク 質の分子量などの量的要素は異なっていてもよい。 リガンド結合活性やシグナル 情報伝達作用などの活性の測定は、 公知の方法に準じて行なうことができるが、 例えば、 後に記載するスクリーニング方法に従って測定することができる。
また、 T G R 2 5としては、 a ) 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜3 0個程度、 より好ましくは 1〜1 0個程 度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、 b ) 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列に 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜3 0個程度、 より好ましくは 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜 5個) ) のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、 c ) 配列番号: 1で表わされるァ ミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜3 0個程度、 より好ましく
は 1〜10個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミノ酸が他のアミ ノ酸で置換されたアミノ酸配列、 または d)それらを組み合わせたアミノ酸配列 を含有するタンパク質なども用いられる。
本明細書における TGR25は、 ペプチド標記の慣例に従って、 左端が N末端 (ァミノ末端) 、 右端が 0末端 (力ルポキシル末端) である。 配列番号: 1で表 わされるアミノ酸配列を含有する TGR 25をはじめとする TGR 25は、 C末 端がカルボキシル基 (一 COOH) 、 カルポキシレート(― C〇〇-)、 アミド
(-CONH2) またはエステル (一 COOR) の何れであってもよい。
ここでエステルにおける Rとしては、 例えば、 メチル、 ェチル、 n—プロピル、 イソプロピルもしくは n—ブチルなどの〇卜6アルキル基、 例えば、 シクロペンチ ル、 シクロへキシルなどの C3_8シクロアルキル基、 例えば、 フエニル、 α—ナフ チルなどの (36_12ァリール基、 例えば、 ベンジル、 フエネチルなどのフエ二ルー CMアルキル基もしくは α—ナフチルメチルなどの a一ナフチルー CMアルキル 基などの C 7— 14ァラルキル基のほか、 経口用エステルとして汎用されるビバ口ィ ルォキシメチル基などが用いられる。
TGR 25が C末端以外にカルボキシル基 (またはカルポキシレート) を有し ている場合、 力ルポキシル基がアミド化またはエステル化されているものも本発 明の TGR25に含まれる。 この場合のエステルとしては、 例えば上記した C末 端のエステルなどが用いられる。
さらに、 TGR25には、 上記したタンパク質において、 N末端のメチォニン 残基のァミノ基が保護基 (例えば、 ホルミル基、 ァセチルなどの C2_6アルカノィ ル基などの Ct_6ァシル基など) で保護されているもの、 N端側が生体内で切断さ れ生成したダル夕ミル基がピログルタミン酸化したもの、 分子内のアミノ酸の側 鎖上の置換基 (例えば、 一 OH、 一 SH、 アミノ基、 イミダゾ一ル基、 インドー ル基、 グァニジノ基など) が適当な保護基 (例 ば、 ホルミル基、 ァセチルなど の C2_6アルカノィル基などの ァシル基など) で保護されているもの、 あるい は糖鎖が結合した.いわゆる糖タンパク質などの複合タンパク質なども含まれる。 本発明の TGR25の具体例としては、 例えば、 配列番号: 1で表わされるァ ミノ酸配列からなるヒト由来 TGR 25 (WO 200246394) が用いら
れる。
TGR 25の部分ペプチド (以下、 部分ペプチドと略記する場合がある) とし ては、 上記した TGR 25の部分ペプチドであれば何れのものであってもよいが、 例えば、 TGR25のタンパク質分子のうち、 細胞膜の外に露出している部位で あって、 実質的に同質のレセプター結合活性を有するものなどが用いられる。 具体的にほ、 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列を有する TGR 25の部 分ペプチドとしては、 疎水性プロット解析において細胞外領域 (親水性
(Hydrophilic) 部位) であると分析された部分を含むペプチドである。 また、 疎水性 (Hydrophobic) 部位を一部に含むペプチドも同様に用いることができる。 個々のドメインを個別に含むペプチドも用い得るが、 複数のドメインを同時に含 む部分のペプチドでも良い。
本発明の部分べプチドのァミノ酸の数は、 上記した本発明のレセプタ一夕ンパ ク質の構成アミノ酸配列のうち少なくとも 20個以上、 好ましくは 50個以上、 より好ましくは 100個以上のアミノ酸配列を有するぺプチドなどが好ましい。 実質的に同一のアミノ酸配列とは、 これらアミノ酸配列と約 85%以上、 好ま しくは約 90%以上、 より好ましくは約 95%以上の相同性を有するアミノ酸配 列を示す。 アミノ酸配列の相同性は、 前記と同様の相同性計算アルゴリズム NC B I BLASTを用い、 同様の条件にて計算することができる。
ここで、 「実質的に同質のレセプ夕一活性」 とは、 上記と同意義を示す。 「実 質的に同質のレセプ夕一活性」 の測定は上記と同様に行なうことができる。
また、 本発明の部分ペプチドは、 上記アミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好 ましくは、 1〜10個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミノ酸が 欠失し、 または、 そのアミノ酸配列に 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜20 個程度、 より好ましくは 1〜10個程度、 さらに好ましくは数個 (1〜5個) ) のアミノ酸が付加し、 または、 そのアミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好まし くは、 1〜10個程度、 より好ましくは数個、 さらに好ましくは 1〜5個程度) のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されていてもよい。
また、 本発明の部分ペプチドは C末端が力ルポキシル基 (-COOH) 、 カル ボキシレート (― COO— ) 、 アミド (― C〇NH2) またはエステル (一 COO
R) の何れであってもよい。 本発明の部分ペプチドが C末端以外に力ルポキシル 基 (またはカルポキシレート) を有している場合、 力ルポキシル基がアミド化ま たはエステル化されているものも本発明の部分ペプチドに含まれる。 この場合の エステルとしては、 例えば上記したじ末端のエステルなどが用いられる。
さらに、 本発明の部分 プチドには、 上記した T G R 2 5と同様に、 Ν末端の メチォニン残基のァミノ基が保護基で保護されているもの、 Ν端側が生体内で切 断され生成したダルタミル基がピログルタミン酸化したもの、 分子内のアミノ酸 の側鎖上の置換基が適当な保護基で保護されているもの、 あるいは糖鎖が結合し たいわゆる糖べプチドなどの複合べプチドなども含まれる。
本発明の T GR 2 5またはその部分ペプチドの塩としては、 酸または塩基との 生理学的に許容される塩が挙げられ、 とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が 好ましい。 このような塩としては、 例えば、 無機酸 (例えば、 塩酸、 リン酸、 臭 化水素酸、 硫酸) との塩、 あるいは有機酸 (例えば、 酢酸、 ギ酸、 プロピオン酸、 フマル酸、 マレイン酸、 コハク酸、 酒石酸、 クェン酸、 リンゴ酸、 蓚酸、 安息香 酸、 メタンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸) との塩などが用いられる。
本発明のリガンドとしては、 T G R 2 5と特異的に結合する能力を有するもの であれば、 何れの物であってもよい。 例えば、 T GR 2 5との結合の解離定数が 1 0 ζ Μ以下、 好ましくは 2 M以下、 さらに好ましくは 1 M以下、 特に好ま しくは 2 0 0 nM以下、 最も好ましくは 1 0 0 n M以下である物などが挙げられ る。
本発明のリガンドとしては、 例えば、 化合物 (I) 、 化合物 (I I) などが用い られる。
化合物 (I) における A r 1または A r 2で示される 「置換基を有していてもよ ぃァリール」 の 「ァリ一ル」 としては、 例えば C6_ 1 4ァリール (例、 フエニル、 1一ナフチル、 2—ナフチル、 2—ピフエ二リル、 3—ビフエ二リル、 4—ビフ ェニリル、 2—アンスリル、 3—インデニルなど) などが挙げられる。 好ましく はフエニルである。
上記 「置換基を有していてもよいァリール」 の 「置換基」 としては、 例えば、 ハロゲン原子 (例、 フッ素、 塩素、 臭素、 ヨウ素など) 、 ( 3アルキレンジォ
キシ (例、 メチレンジォキシ、 エチレンジォキシなど) 、 ニトロ、 シァノ、 ハロ ゲン化されていてもよい アルキル、 ハロゲン化されていてもよい C2_ 6アル ケニル、 カルポキシ C2_ 6アルケニル (例、 2—力ルポキシェテニル、 2—カル ポキシ—2—メチルェテニルなど) 、 ハロゲン化されていてもよい C2 _ 6アルキ ニル、 ハロゲン化されて てもよく、 縮合していてもよい C3 _8シクロアルキル、 C6_ 1 4ァリール (例、 フエニル、 1—ナフチル、 2—ナフチル、 2—ビフエ二リ ル、 3—ビフエ二リル、 4—ビフエ二リル、 2 —アンスリルなど) 、 ハロゲン化 されていてもよい C^— sアルコキシ、 Cい 6アルコキシ一力ルポ二ルー C卜 6アル コキシ (例、 エトキシカルポニルメチルォキシなど) 、 C3 _ 8 シクロアルキル一 ォキシ (例、 シクロプロピルォキシ、 シクロペンチルォキシ、 シクロへキシルォ キシなど) 、 ヒドロキシ、 C6— 1 4ァリールォキシ (例、 フエニルォキシ、 1ーナ フチルォキシ、 2—ナフチルォキシなど) 、 C?^ 6ァラルキルォキシ (例、 ベン ジルォキシ、 フエネチルォキシなど) 、 メルカプト、 ハロゲン化されていてもよ い アルキルチオ、 C6— 1 4ァリールチオ (例、 フエ二ルチオ、 1 一ナフチル チォ、 2—ナフチルチオなど) 、 C7_ 1 6ァラルキルチオ (例、 ベンジルチオ、 フ エネチルチオなど) 、 ァミノ、 ヒドロキシァミノ、 モノー (^ _ 6アルキルアミノ (例、 メチルァミノ、 ェチルァミノなど) 、 モノ一 C6— 1 4ァリールァミノ (例、 フエニルァミノ、 1 一ナフチルァミノ、 2—ナフチルァミノなど) 、 ジー アルキルアミノ (例、 ジメチルァミノ、 ジェチルァミノ、 ェチルメチルァミノな ど) 、 ジ— C6_ 1 4ァリールァミノ (例、 ジフエ二ルァミノなど) 、 ニトロ、 ニト リル、 ホルミル、 カルボキシ、 アルキル一力ルポニル (例、 ァセチル、 プ 口ピオニルなど) 、 C3— 8 シクロアルキル一カルポニル (例、 シクロプロピル力 ルポニル、 シクロペンチルカルポニル、 シクロへキシルカルポニルなど) 、 6アルコキシ—カルポニル (例、 メトキシカルポニル、 エトキシカルポニル、 プ 口ポキシカルボニル、 tert-ブトキシカルボニルなど) 、 C6— 1 4ァリール一カル ポニル (例、 ベンゾィル、 1 一ナフトイル、 2—ナフトイルなど) 、 C7— 1 6ァラ ルキル一力ルポニル (例、 フエ二ルァセチル、 3—フエニルプロピオニルなど) 、 C6 _ 1 4ァリールォキシ一力ルポニル (例、 フエノキシカルポニルなど) 、 C7_ 1 6 ァラルキルォキシ—カルポニル (例、 ベンジルォキシカルポニル、 フエネチルォ
キシカルボニルなど) 、 5または 6員複素環カルポニル (例、 ニコチノィル、 ィ ソニコチノィル、 テノィル、 フロイル、 モルホリノ力ルポニル、 チオモルホリノ 力ルポニル、 ピペラジン— 1一^ fルカルポニル、 ピロリジン— 1ーィルカルポ二 ルなど) 、 力ルバモイル、 モノー アルキル一力ルバモイル (例、 メチルカ ルバモイル、 ェチルカルパモイルなど) 、 ジ— アルキル一力ルバモイル
(例、 ジメチルカルバモイル、 ジェチルカルバモイル、 ェチルメチルカルバモイ ルなど) 、 C6— 14ァリール一力ルバモイル (例、 フエ二ルカルバモイル、 1ーナ フヂルカルバモイル、 2—ナフチルカルバモイルなど) 、 C^-eアルコキシ一力 ルバモイル (例、 メトキシカルバモイル、 エトキシカルバモイルなど) 、 5また は 6員複素環力ルバモイル (例、 2—ピリジルカルバモイル、 3—ピリジルカル バモイル、 4一ピリジルカルバモイル、 2—チェ二ルカルバモイル、 3—チェ二 ルカルバモイルなど) 、 スルホ、 C卜 6アルキルスルホニル (例、 メチルスルホ ニル、 ェチルスルホニルなど) 、 ( 6_14ァリールスルホニル (例、 フエニルスル ホニル、 1一ナフチルスルホニル、 2一ナフチルスルホニルなど) 、 ホルミルァ ミノ、 Ci-eアルキル一力ルポニルァミノ (例、 ァセチルァミノなど) 、 C6_14 ァリ一ルーカルボニルァミノ (例、 ベンゾィルァミノ、 ナフトイルァミノなど) 、 アルコキシ—力ルポニルァミノ (例、 メトキシカルボニルァミノ、 ェトキ シカルポニルァミノ、 プロポキシ力ルポニルァミノ、 ブトキシカルボニルァミノ など) 、 (^-6アルキルスルホニルァミノ (例、 メチルスルホニルァミノ、 ェチ ルスルホニルァミノなど) 、 C 14ァリ一ルスルホニルァミノ (例、 フエニルス ルホニルァミノ、 2—ナフチルスルホニルァミノ、 1一ナフチルスルホニルアミ ノなど) 、 CHアルキル—カルポニルォキシ (例、 ァセトキシ、 プロピオニル ォキシなど) 、 C6_14ァリ一ルーカルボニルォキシ (例、 ベンゾィルォキシ、 ナ フチルカルポニルォキシなど) 、 C,_6アルコキシ一力ルポニルォキシ (例、 メ トキシカルポニルォキシ、 エトキシカルポニルォキシ、 プロポキシカルボニルォ キシ、 ブトキシカルポニルォキシなど) 、 モノー Cい 6アルキル一力ルバモイル ォキシ (例、 メチルカルバモイルォキシ、 ェチルカルバモイルォキシなど) 、 ジ 一〇卜6アルキル一力ルバモイルォキシ (例、 ジメチルカルバモイルォキシ、 ジ ェチルカルバモイルォキシなど) 、 C6_1(1ァリ一ルー力ルバモイルォキシ (例、
フエ二ルカルバモイルォキシ、 ナフチルカルバモイルォキシなど) 、 5または 6 員複素環カルボニルォキシ (例、 ニコチノィルォキシ、 イソニコチノィルォキシ など) 、 5ないし 7員飽和環状アミノ (例、 ピロリジン一 1—ィル、 ピペリジノ、 ピぺラジン一 1一ィル、 モルホリノ、 チオモルホリノ、 テトラヒドロアゼピン一 1—ィル、 ホモピペラジシ— 1ーィルなど) 、 5ないし 1 0員芳香族複素環基 (例、 2—チェニル、 3—チェニル、 2—フリル、 3—フリル、 2—ピリジル、 3—ピリジル、 4一ピリジル、 2—キノリル、 3—キノリル、 4一キノリル、 5 一キノリル、 8—キノリル、 1一イソキノリル、 3—イソキノリル、 4—イソキ ノリル、 5 _イソキノリル、 1—インドリル、 2—インドリル、 3—インドリル、 2—べンゾチアゾリル、 2—べンゾ 〔b〕 チェニル、 3—べンゾ 〔b〕 チェニル、 2—ベンゾ 〔b〕 フラエル、 3—ベンゾ 〔b〕 フラニルなど) 、 3ないし 1 0員 非芳香族複素環基 (例、 1ーァゼチジニル、 2—ァゼチジニル、 3—ァゼチジニ ル、 1—ピロリジニル、 2—ピロリジニル、 3—ピロリジニル、 2—イミダゾリ ニル、 4一イミダゾリニル、 2—ピラゾリジニル、 3—ピラゾリジニル、 4ーピ ラゾリジニル、 2―ピぺリジル、 3―ピぺリジル、 4ーピペリジル、 1ーピペラ ジニル、 2—ピペラジニル、 モルホリノ、 チオモルホリノ、 2—才キシラニル、 2—ォキセタニル、 3—才キセタニル、 2—テトラヒドロフラニル、 4ーテトラ ヒドロビラニルなど) 、 ォキソなどが挙げられる。
前記 .「ハロゲン化されていてもよい (^— 6アルキル」 としては、 例えば 1ない し 5個、 好ましくは 1ないし 3個のハロゲン原子 (例、 フッ素、 塩素、 臭素、 ョ ゥ素など) を有していてもよいアルキル (例、 メチル、 ェチル、 プロピル、 イソ プロピル、 ブチル、 イソブチル、 sec-ブチル、 tert-ブチル、 ペンチル、 へキシ ルなどの _ 6アルキルなど) などが挙げられる。 具体例としては、 メチル、 ク 口ロメチル、 ジフルォロメチル、 トリクロロメチル、 トリフルォロメチル、 ェチ ル、 2—ブロモェチル、 2, 2, 2—トリフルォロェチル、 ペン夕フルォロェチ ル、 プロピル、 3 , 3 , 3—トリフルォロプロピル、 イソプロピル、 ブチル、 4, 4 , 4一トリフルォロブチル、 イソブチル、 sec-プチル、 tert-ブチル、 ペンチ ル、 イソペンチル、 ネオペンチル、 5, 5, 5—トリフルォロペンチル、 へキシ ル、 6, 6 , 6—トリフルォ口へキシルなどが挙げられる。
前記 「ハロゲン化されていてもよい C2 _6アルケニル」 としては、 例えば 1な いし 5個、 好ましくは 1ないし 3個のハロゲン原子 (例、 フッ素、 塩素、 臭素、 ヨウ素など) を有していてもよい C2— 6アルケニル (例、 ビニル、 プロべニル、 イソプロぺニル、 2—ブテン— 1 fル、 4—ペンテン一 1一^ Γル、 5—へキセ ンー 1ーィルなど) などが挙げられる。
前記 「ハ ΰゲン化されていてもよい c2_ 6アルキニフレ」 としては、 例えば 1な いし 5個、 好ましくは 1ないし 3個のハロゲン原子 (例、 フッ素、 塩素、 臭素、 ヨウ素など) を有していてもよい C2 _ 6アルキニル (例、 プロパルギル、 2—ブ チン一 1一ィル、 4一ペンチン— 1一^ Γル、 5—へキシン一 1ーィルなど) など が挙げられる。
前記 「ハロゲン化されていてもよく、 縮合していてもよい c3_8シクロアルキ ル」 の 「ハロゲン化されていてもよい c3_8シクロアルキル」 としては、 例えば
1ないし 5個、 好ましくは 1ないし 3個のハロゲン原子 (例、 フッ素、 塩素、 臭 素、 ヨウ素など) を有していてもよい C3_6シクロアルキル (例、 シクロプロピ ル、 シクロブチル、 シクロペンチル、 シクロへキシルなど) などが挙げられる。 具体例としては、 シクロプロピル、 シクロブチル、 シクロペンチル、 シクロへキ シル、 4 , 4ージクロロシクロへキシル、 2, 2, 3, 3—テトラフルォロシク 口ペンチル、 4一クロロシクロへキシルなどが挙げられる。
前記 .「ハロゲン化されていてもよく、 縮合していてもよい C3 _8シクロアルキ ル」 の 「縮合した C3_ 8シクロアルキル」 としては、 例えば、 8ないし 1 4員の 二環または三環性 C3_ 8シクロアルキル (例、 1ーァダマンチル、 2—了ダマン チル、 デカリン— 1一ィル、 テトラリン— 1一ィル、 9—フルォレニル、 1—ィ ンダニル、 1, 2, 3, 4ーテトラヒドロー 1一ナフチルなど) などが挙げられ る。 また、 該 「縮合した〇3 -8シクロアルキル」 は、 ハロゲン化されていてもよ い。
前記 「ハロゲン化されていてもよい アルコキシ」 としては、 例えば 1な いし 5個、 好ましくは 1ないし 3個のハロゲン原子 (例、 フッ素、 塩素、 臭素、 ヨウ素など) を有していてもよい ^ -sアルコキシ (例、 メトキシ、 エトキシ、 プロポキシ、 イソプロポキシ、 ブトキシ、 イソブトキシ、 sec-ブトキシ、 ペンチ
ルォキシ、 へキシルォキシなど) などが挙げられる。 具体例としては、 例えばメ トキシ、 ジフルォロメトキシ、 トリフルォロメトキシ、 エトキシ、 2, 2 , 2— トリフルォロエトキシ、 プロボキシ、 イソプロボキシ、 ブトキシ、 4 , 4, 4一 トリフルォロブトキシ、 イソブトキシ、 sec-ブトキシ、 ペンチルォキシ、 へキシ ルォキシなどが挙げられ 。
前記 「ハロゲン化されていてもよい アルキルチオ」 としては、 例えば 1 ないし 5個、 好ましくは 1ないし 3個のハロゲン原子 (例、 フッ素、 塩素、 臭素、 ヨウ素など) を有していてもよい — 6アルキルチオ (例、 メチルチオ、 ェチル チォ、 プロピルチオ、 イソプロピルチオ、 ブチルチオ、 sec -プチルチオ、 ter.t - プチルチオなど) などが挙げられる。 具体例としては、 メチルチオ、 ジフルォロ メチルチオ、 卜リフルォロメチルチオ、 ェチルチオ、 プロピルチオ、 イソプロピ ルチオ、 ブチルチオ、 4, 4, 4—トリフルォロブチルチオ、 ペンチルチオ、 へ キシルチオなどが挙げられる。
上記 「ァリール」 は、 例えば上記置換基を、 置換可能な位置に 1ないし 5個、 好ましくは 1ないし 3個有していてもよく、 置換基数が 2個以上の場合、 各置換 基は同一または異なっていてもよい。 - 化合物 (I) における R 1で示される 「置換基を有していてもよい炭化水素 基」 の 「炭化水素基」 としては、 例えば、 鎖状または環状炭化水素基 (例、 アル キル、 アルケニル、 アルキニル、 シクロアルキル、 シクロアルケニル、 ァリール、 ァラルキル、 多環式炭化水素基など) などが挙げられる。 このうち、 炭素数 1な いし 1 9個の鎖状または環状炭化水素基などが好ましい。
上記 「アルキル」 としては、 例えば アルキル (例、 メチル、 ェチル、 プ 口ピル、 イソプロピル、 ブチル、 イソブチル、 sec-ブチル、 tert-ブチル、 ペン チル、 ネオペンチル、 へキシルなど) などが挙げられる。
上記 「ァルケニル」 としては、 例えば C 2 _ 6アルケニル (例、 ビニル、 ァリル、 イソプロぺニル、 1—ブテニル、 2—ブテニル、 3—プテニル、 2—メチル—2 —プロべニル、 1ーメチルー 2—プロぺニル、 2 _メチル— 1—プロぺニルな ど) などが挙げられる。
上記 「アルキニル」 としては、 例えば C2 _ 6アルキニル (例、 ェチニル、 プ
口パルギル、 1ーブチニル、 2—ブチニル、 3—ブチニル、 1一へキシニルな ど) などが挙げられる。
上記 「シクロアルキル」 としては、 例えば C3 _ 6シクロアルキル (例、 シクロ プロピル、 シクロブチル、 シクロペンチル、 シクロへキシルなど) などが挙げら れる。
上記 「シクロアルケニル」 としては、 例えば C5 _ 6シクロアルケニル (例、 1 —シクロペンテニル、 3—シクロペンテニル、 4—シクロペンテニル、 1—シク 口へキセニル、 3—シクロへキセニル、 4—シクロへキセニルなど) などが挙げ られる。 . - 上記 「ァリ一ル」 としては、 例えば < 6_ 1 4ァリール (例、 フエニル、 1—ナフ チル、 2—ナフチル、 2—ビフエ二リル、 3—ビフエ二リル、 4ービフエ二リル、 2—アンスリル、 3—インデニルなど) などが挙げられる。
上記 「ァラルキル」 としては、 例えば C7_ 1 9ァラルキル (例、 ベンジル、 フエ ネチル、 ジフエニルメチル、 トリチル、 1一ナフチルメチル、 2—ナフチルメチ ル、 2 , 2—ジフエニルェチル、 3—フエニルプロピル、 4一フエニルブチル、 5—フエ二ルペンチル、 9一フルォレニルなど) などが挙げられる。 .
上記 「多環式炭化水素基」 としては、 例えば 2ないし 4環性非芳香族炭化水素 基 (例、 1—ァダマンチル、 2—ァダマンチル、 デカリン一 1一ィル、 テトラリ ンー 1一ィル、 インダン一 1 _ィル、 アンドロスタン一 3—ィル、 5—アンド口 ステン一 3—ィルなど) などが挙げられる。
上記 「置換基を有していてもよい炭化水素基」 の 「置換基」 としては、 例えば、 上記 A r 1で示される 「置換基を有していてもよいァリール」 の 「置換基」 が挙 げられる。 上記 「炭化水素基」 は、 例えば上記置換基を、 置換可能な位置に 1な いし 5個、 好ましくは 1ないし 3個有していてもよく、 置換基数が 2個以上の場 合、 各置換基は同一または異なっていてもよい。
化合物 (I) における R 2または R 3で示される 「置換基を有していてもよい同 素または複素環基」 の 「同素または複素環基」 としては、 例えば、 3ないし 1 4 員 (好ましくは 5ないし 7員) 同素または複素環基などが挙げられる。
「3ないし 1 4員同素環基」 としては、 例えば C3_ シクロアルキル (例、 シ
クロプロピル、 シクロブチル、 シクロペンチル、 シクロへキシルなど) 、 C3_14 シクロアルケニル (例、 例、 1ーシクロペンテニル、 3—シクロペンテニル、 4 ーシクロペンテニル、 1ーシクロへキセニル、 3—シクロへキセニル、 4ーシク 口へキセニルなど) 、 C6_ ァリ一ル (例、 フエニル、 1一ナフチル、 2—ナフ チル、 2—ビフエ二リル、' 3—ビフエ二リル、 4ービフエ二リル、 2—アンスリ ル、 3—インデニルなど) などが挙げられる。
「3ないし 1 4員複素環基」 としては、 例えば、 炭素原子以外に窒素原子、 硫 黄原子および酸素原子から選ばれる 1または 2種、 1ないし 4個のへテロ原子を 含む 5ないし 1 4員 (単環、 2環または 3環式) 複素環、 好ましくは (i) 5な いし 1 4員 (好ましくは 5ないし 1 0員) 芳香族複素環、 (i i) 3ないし 1 4員 非芳香族複素環または (i i i) 7ないし 1 0員複素架橋環から任意の 1個の水素 原子を除いてできる 1価基などが挙げられる。
上記 「5ないし 1 4員 (好ましくは 5ないし 1 Q員) の芳香族複素環」 として は、 例えば、 チォフェン、 ベンゾ 〔b〕 チォフェン、 ベンゾ 〔b〕 フラン、 ベン ズイミダゾ一ル、 ベンズォキサゾール、 ベンゾチアゾ一ル、 ベンズイソチアゾ一 ル、 1 H—べンゾトリァゾ一ル、 ナフト 〔2 , 3 _ b〕 チォフェン、 フラン、 ピ ロール、 イミダゾール、 ピラゾール、 ォキサゾール、 1 , 2, 3—トリァゾール、 1 , 2 , 4—トリァゾール、 テトラゾール、 1, 3 , 4—チアジアゾ一ル、 1, 3 , 4一ォキサジァゾ一ル、 ピリジン、 ピラジン、 ピリミジン、 ピリダジン、 ィ ンドール、 イソインドール、 1 H—インダゾ一ル、 プリン、 4 H—キノリジン、 イソキノリン、 キノリン、 フタラジン、 ナフチリジン、 キノキサリン、 キナゾリ ン、 シンノリン、 カルバゾール、 ]3—力ルポリン、 フエナントリジン、 ァクリジ ン、 フエナジン、 チアゾール、 イソチアゾ一ル、 フエノチアジン、 イソォキサゾ ール、 フラザン、 フエノキサジンなどの芳香族複素環、 またはこれらの環 (好ま しくは単環) が 1ないし複数個 (好ましくは 1または 2個) の芳香環 (例、 ベン ゼン環、 ピリジン環、 イミダゾール環等) と縮合して形成された環などが挙げら れる。
上記 「3ないし 1 4員非芳香族複素環」 としては、 例えば、 ォキシラン、 ォキ セタン、 テトラヒドロフラン、 ジヒドロフラン、 ピラン、 ジォキゾラン、 ジォキ
サン、 ァゼチジン、 ピロリジン、 イミダゾリン、 ピラゾリジン、 ピラゾリン、 ピ ペリジン、 ピぺラジン、 モルホリン、 チオモルホリン、 チアゾリジン、 ォキサゾ リジン、 ォキサジァゾリン、.チアジアゾリン、 トリァゾリン、 1 , 4—ジァゼパ ン、 1 , 4—ォキサゼパン、 1 , 4一チアゼパン、 および上記芳香族複素環の還 元体または部分還元体 (¼、 1, 2 , 3, 4—テトラヒドロキノリン、 1, 2, 3, 4—テトラヒドロイソキノリン、 インドリンなど) などが挙げられる。
上記 「 7ないし 1 0員複素架橋環」 としては、 例えば、 キヌクリジン、 7—ァ ザビシクロ 〔2 . 2 . 1〕 ヘプタンなどが挙げられる。
該 「複素環基」 として好ましくは、 炭素原子以^ こ窒素原子、 硫黄原子および 酸素原子から選ばれる 1または 2種、 好ましくは、 1ないし 4個のへテロ原子を 含む 5ないし 1 4員 (好ましくは 5ないし 1 0員) の (単環または 2環式) 複素 環基である。 具体的には、 例えば 2—チェニル、 3—チェニル、 2—フリル、 3 一フリル、 2 _ピリジル、 3—ピリジル、 4—ピリジル、 2—キノリル、 3—キ ノリル、 4—キノリル、 5—キノリル、 8—キノリル、 1一イソキノリル、 3— イソキノリル、 4一イソキノリル、 5 _イソキノリル、 ピラジニル、 2—ピリミ ジニル、 4—ピリミジニル、 1一ピロリル、 3 _ピロリル、 1一イミダゾリル、 2—イミダゾリル、 3—ピリダジニル、 2—チアゾリル、 2—ォキサゾリル、 3 —イソチアゾリル、 3—イソォキサゾリル、 1—インドリル、 2—インドリル、 3一^ Γンドリル、 2—べンゾチアゾリル、 2—べンゾ 〔b〕 チェニル、 3—ベン ゾ 〔b〕 チェニル、 2—ベンゾ 〔b〕 フラニル、 3—ベンゾ 〔b〕 フラニルなど の芳香族複素環基、 例えば 1—ピロリジニル、 2—ピロリジニル、 3—ピロリジ ニル、 2—イミダゾリニル、 4一イミダゾリニル、 2—ピラゾリジニル、 3—ピ ラゾリジニル、 4—ビラゾリジニル、 ピペリジノ、 2—ピペリジル、 3—ピペリ ジル、 4—ピペリジル、 1—ピペラジニル、 2—ピペラジニル、 モルホリノ、 チ オモルホリノなどの非芳香族複素環基などである。
上記 「置換基を有していてもよい同素または複素環基」 の 「置換基」 としては、 例えば、 上記 A r 1で示される 「置換基を有していてもよいァリール」 の 「置換 基」 が挙げられる。 上記 「同素もしくは複素環基」 は、 例えば上記置換基を、 置 換可能な位置に 1ないし 5個、 好ましくは 1ないし 3個有していてもよく、 置換
基数が 2個以上の場合、 各置換基は同一または異なっていてもよい。
A r 1として好ましくは、 置換基を有していてもよいフエニル、 さらに好まし くはハ口ゲン原子 1ないし 3個を有するフエニルなどである。
A r 2として好ましくは、 置換基を有していてもよいフエニル、 さらに好まし くはハロゲン原子 1ないじ 3個を有するフエニルなどである。
R 1として好ましくは、 置換基を有していてもよいアルキル、 さらに好ましく は アルキルなどである。
R 2および R 3として好ましくは、 一方が水素原子、 他方が置換基を有してい てもよい 5ないし 7員複素環基である。 さらに好ましくは、 一方が水素原子、.他 方が置換基を有していてもよい 5ないし 7員非芳香族複素環基 (例、 1一ピロリ ジニル、 2—ピロリジニル、 3—ピロリジニル、 2—イミダゾリニル、 4一イミ ダゾリニル、 2—ビラゾリジニル、 3—ピラゾリジニル、 4ーピラゾリジニル、 ピぺリジノ、 2—ピぺリジル、 3—ピペリジル、 4 -ピぺリジル、 1—ピペラジ ニル、 2—ピペラジニル、 モルホリノ、 チオモルホリノなど) である。
化合物 (I) の具体例としては、
A r 1が、 ハロゲン原子 1ないし 3個を有するフエニル、
A r 2がハロゲン原子 1ないし 3個を有するフエニル、
!^がじ^ァルキル、
R 2およ-び R 3として好ましくは、 一方が水素原子、 他方が 6員非芳香族複素環 基である化合物などが挙げられる。
なかでも好ましくは、 AM 2 5 1 〔卜(2, 4-ジクロロフエ二ル) - 5- (4-ョードフ ェニル ) -4-メチル -N-ピぺリジン- 1-ィル- 1H-ピラゾール -3-力ルポキサミド〕 、 AM 2 8 1 〔1- (2, 4 -ジクロ口フエ二ル) -5- (4-ョードフエニル) -4-メチル -N -モ ルホリン- 4-ィル- 1H-ピラゾール- 3-力ルポキサミド〕 などが挙げられる。
化合物 (Π) における環 Aで示される 「置換基を有していてもよいベンゼン 環」 の 「置換基」 としては、 例えば、 上記 A r 1で示される 「置換基を有してい てもよぃァリール」 の 「置換基」 が挙げられる。 上記 「炭化水素基」 は、 例えば 上記置換基を、 置換可能な位置に 1ないし 4個、 好ましくは 1ないし 3個有して いてもよく、 置換基数が 2個以上の場合、 各置換基は同一または異なっていても
よい。
化合物 (I I) における R 4または R 5で示される 「置換基を有していてもよい 炭化水素基」 としては、 例えば、 上記 R 1で示される 「置換基を有していてもよ い炭化水素基」 と同様のものが挙げられる。
化合物 (Π) における R 4または R 5で示される 「置換基を有していてもよい 複素環基」 め 「複素環基」 としては、 例えば、 例えば、 炭素原子以外に窒素原子、 硫黄原子および酸素原子から選ばれる 1または 2種、 1ないし 4個のへテロ原子 を含む 5ないし 1 4員 (単環、 2環または 3環式) 複素環、 好ましくは (i) 5 ないし 1 4員 (好ましくは 5ないし 1 0員) 芳香族複素環、 (i i) 3ないし 1 4 員非芳香族複素環または (i i i) 7ないし 1 0員複素架橋環から任意の 1個の水 素原子を除いてできる 1価基などが挙げられる。
上記 「5ないし 1 4員 (好ましくは 5ないし 1 0員) の芳香族複素環」 として は、 例えば、 チォフェン、 ベンゾ.〔b〕 チォフェン、 ベンゾ 〔b〕 フラン、 ベン ズイミダゾール、 ベンズォキサゾール、 ベンゾチアゾール、 ベンズイソチアゾー ル、 1 H—べンゾトリァゾ一ル、 ナフト 〔2, 3— b〕 チォフェン、 フラン、 ピ ロール、 イミダゾ一ル、 ピラゾール、 ォキサゾ一ル、 1 , 2, 3—トリァゾ一ル、 1, 2 , 4一トリァゾ一ル、 テトラゾール、 1, 3, 4—チアジアゾール、 1 , 3 , 4—ォキサジァゾール、 ピリジン、 ピラジン、 ピリミジン、 ピリダジン、 ィ ンドール、 イソインド一ル、 1 H—インダゾール、 プリン、 4 H—キノリジン、 イソキノリン、 キノリン、 フタラジン、 ナフチリジン、 キノキサリン、 キナゾリ ン、 シンノリン、 カルバゾール、 ]8—力ルポリン、 フエナントリジン、 ァクリジ ン、 フエナジン、 チア、 ール、 イソチアゾール、 フエノチアジン、 イソォキサゾ ール、 フラザン、 フエノキサジンなどの芳香族複素環、 またはこれらの環 (好ま しくは単環) が 1ないし複数個 (好ましくは 1または 2個) の芳香環 (例、 ベン ゼン環、 ピリジン環、 イミダゾ一ル環等) と縮合して形成された環などが挙げら れる。
上記 「3ないし 1 4員非芳香族複素環」 としては、 例えば、 ォキシラン、 ォキ セタン、 テトラヒドロフラン、 ジヒドロフラン、 ピラン、 ジォキソラン、 ジォキ サン、 ァゼチジン、 ピロリジン、 イミダゾリン、 ピラゾリジン、 ピラゾリン、 ピ
ペリジン、 ピぺラジン、 モルホリン、 チオモルホリン、 チアゾリジン、 ォキサゾ リジン、 ォキサジァゾリン、 チアジアゾリン、 トリァゾリン、 1 , 4—ジァゼパ ン、 1 , 4一才キサゼパン、 1, 4一チアゼパン、 および上記芳香族複素環の還 元体または部分還元体 (例、 1 , 2 , 3 , 4—テトラヒドロキノリン、 1, 2, 3, 4—テトラヒドロイシキノリン、 インドリンなど) などが挙げられる。
上記 「7ないし 1 0員複素架橋環」 としては、 例えば、 キヌクリジン、 7—ァ ザビシクロ 〔2 . 2 . 1〕 ヘプタンなどが挙げられる。
該 「複素環基」 として好ましくは、 炭素原子以外に窒素原子、 硫黄原子および 酸素原子から選ばれる 1または 2種、 好ましくは、 1ないし 4個のへテロ原子を 含む 5ないし 1 4員 (好ましくは 5ないし 1 0員) の (単環または 2環式) 複素 環基である。 具体的には、 例えば 2—チェニル、 3—チェニル、 2—フリル、 3 —フリル、 2—ピリジル、 3—ピリジル、 4一ピリジル、 2—キノリル、 3—キ ノリル、 4一キノリル、 5—キノリル、 8—キノリル、 1一イソキノリル、 3— イソキノリル、 4—イソキノリル、 5—イソキノリル、 ピラジニル、 2—ピリミ ジニル、 4一ピリミジニル、 1一ピロリル、 3—ピロリル、 1一イミダゾリル、
2—イミダゾリル、 3—ピリダジニル、 2—チアゾリル、 2—ォキサゾリル、 3 —イソチアゾリル、 3—イソォキサゾリル、 1一インドリル、 2—インドリル、
3—インドリル、 2—べンゾチアゾリル、 2 _ベンゾ 〔b〕 チェニル、 3—ベン ゾ 〔b〕.チェニル、 2—ベンゾ 〔b〕 フラニル、 3—べンゾ 〔b〕 フラニルなど の芳香族複素環基、 例えば 1一ピロリジニル、 2—ピロリジニル、 3—ピロリジ ニル、 2—イミダゾリニル、 4一^ Γミダゾリニル、 2—ビラゾリジニル、 3—ピ ラゾリジニル、 4一ビラゾリジニル、 ピペリジノ、 2—ピペリジル、 3—ピペリ ジル、 4ーピペリジル、 1ーピペラジニル、 2—ピペラジニル、 モルホリノ、 チ オモルホリノなどの非芳香族複素環基などである。
上記 「置換基を有していてもよい複素環基」 の 「置換基」 としては、 例えば、 上記 A r 1で示される 「置換基を有していてもよいァリ一ル」 の 「置換基」 が挙 げられる。 上記 「複素環基」 は、 例えば上記置換基を、 置換可能な位置に 1ない し 5個、 好ましくは 1ないし 3個有していてもよく、 置換基数が 2個以上の場合、 各置換基は同一または異なっていてもよい。
化合物 (Π) における R4または R5で示される 「ァシル」 としては、 例えば、 式 —(C =〇)一OR7、 一(C =〇)一 R8、 一(C =〇)— NR8 R9、 一(C = S)-NR8 R9 、 -SO-R7 、 一S〇2— R7 または — S〇2— NR8 R9 〔式中、 R7は置換基を有していてもよい炭化水素基、 または置換基を有してい てもよい複素環基; R8ほ水素原子、 置換基を有していてもよい炭化水素基、 ま たは置換基を有していてもよい複素環基; R9 は水素原子、 置換基を有していて もよい炭化水素基または置換基を有していてもよい複素環基を示し、 NR8 R9 は環状ァミノであってもよい〕 で表される基などが挙げられる。
R7 、 R8 または R9で示される 「置換基を有していてもよい炭化水素基」 .と しては、 上記 R1で示される 「置換基を有していてもよい炭化水素基」 などが挙 げられる。
R7 、 R8 または R9で示される 「置換基を有していてもよい複素環基」 とし ては、 上記 R4または R5で示される 「置換基を有していてもよい複素環基」 な どが挙げられる。
NR8 R9で示される 「環状ァミノ」 としては、 例えば、 1個の窒素原子と炭 素原子以外に、 窒素原子、 硫黄原子および酸素原子から選ばれる 1または 2種、 1ないし 4個のへテロ原子を含んでいてもよい 5ないし 7員飽和環状ァミノが挙 げられ、 具体例としては、 ピロリジン一 1一ィル、 ピベリジノ'、 ピぺラジン一 1 ーィル、.モルホリノ、 チオモルホリノ、 テトラヒドロアゼピン一 1一ィル、 ホモ ピぺラジン— 1ーィルなどが挙げられる。
化合物 (II) における R6で示される 「置換基を有していてもよい炭化水素 基」 としては、 上記 R1で示される 「置換基を有していてもよい炭化水素基」 な どが挙げられる。
化合物 (Π) における R7で示される 「置換基を有していてもよい炭化水素 基」 としては、 上記 R1で示される 「置換基を有していてもよい炭化水素基」 な どが挙げられる。
化合物 (II) における R7で示される 「置換基を有していてもよい複素環基」 としては、 上記 R4または R5で示される 「置換基を有していてもよい複素環 基」 などが挙げられる。
環 Aとして好ましくは、 無置換のベンゼン環などである。
R 4および R 5として好ましくは、 一方が水素原子で、 他方がァシルなどであ る。 さらに好ましくは、 一方が水素原子で、 他方が C 8アルキル—力ルポニルな どである。
R 6として好ましくは、 '置換基を有していてもよい C7_ 1 9ァラルキルなどであ る。 さらに好ましくはべンジルなどである。
Xとして好ましくは、 一 N R 7—である。 R 7として好ましくは、 水素原子で ある。
化合物 (I I) の具体例としては、
環 Aが、 無置換のベンゼン環、
R 4および R 5の一方が水素原子で、 他方が < 卜8アルキル一力ルポニル、
R 6が置換基を有していてもよいベンジル、
Xがー N R 7 -、
R 7が水素原子である化合物などが挙げられる。
なかでも好ましくは、 D H 9 7 〔N- [2- (2-ベンジル- 1H-インド一ル- 3-ィゾレ)ェ チル]ペンタンアミド〕 などである。
式 (I) または (I I) で表される化合物の塩としては、 例えば金属塩、 アンモ ニゥム塩、 有機塩基との塩、 無機酸との塩、 有機酸との塩、 塩基性または酸性ァ ミノ酸との塩などが挙げられる。 金属塩の好適な例としては、 例えばナトリウム 塩、 カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、 マグネシウム塩、 バリウ ム塩などのアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩などが挙げられる。 有機塩基と の塩の好適な例としては、 例えばトリメチルァミン、 トリェチルァミン、 ピリジ ン、 ピコリン、 2 , 6—ルチジン、 エタノールァミン、 ジエタノールァミン、 ト リエタノールアミン、 シクロへキシルァミン、 ジシクロへキシルァミン、 N, N 'ージベンジルエチレンジァミンなどとの塩が挙げられる。 無機酸との塩の好適 な例としては、 例えば塩酸、 臭化水素酸、 硝酸、 硫酸、 リン酸などとの塩が挙げ られる。 有機酸との塩の好適な例としては、 例えばギ酸、 酢酸、 トリフルォロ酢 酸、 フタル酸、 フマル酸、 シユウ酸、 酒石酸、 マレイン酸、 クェン酸、 コハク酸、 リンゴ酸、 メタンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸、 p—トルエンスルホン酸な
どとの塩が挙げられる。 塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、 例えばアル ギニン、 リジン、 オル二チンなどとの塩が挙げられ、 酸性アミノ酸との塩の好適 な例としては、 例えばァスパラギン酸、 グルタミン酸などとの塩が挙げられる。 このうち、 薬学的に許容し得る塩が好ましい。 例えば、 化合物内に酸性官能基 を有する場合にはアル力 ΰ金属塩 (例、 ナトリウム塩, カリウム塩など) 、 アル カリ土類金属塩 (例、 カルシウム塩, マグネシウム塩, バリウム塩など) などの 無機塩、 アンモニゥム塩など、 また、 化合物内に塩基性官能基を有する場合には、 例えば臭化水素酸、 硝酸、 硫酸、 リン酸など無機酸との塩、 または酢酸、 フ夕ル 酸、 フマル酸、 シユウ酸、 酒石酸、 マレイン酸、 クェン酸、 コハク酸、 メタンス ルホン酸、 ρ _トルエンスルホン酸などの有機酸との塩が挙げられる。
標識された化合物 (I) および (Π) も、 本発明のリガンドとして、 スクリ一 ニングに用いることができる。
標識物質としては、 放射性同 ί立元素 (例、 〔1251〕 、 〔1311〕 、 〔¾〕 、 〔"c〕 、 C32P] 、 〔33P〕 、 〔3 〕 など) 、 蛍光物質 〔例、 シァニン蛍光色素 (例、 Cy2、 Cy3、 Cy5、 Cy5. 5、 Cy7 (アマシャムバイオサイエンス社製) など) 、 フルォレス カミン、 フルォレツセンイソチオシァネート、 NBD (7-ni trobenz-2-oxa-l, 3- diazol)など〕 、 酵素 (例、 β—ガラクトシダーゼ、 )3—ダルコシダ一ゼ、 アル カリフォスファターゼ、 パーォキシダ一ゼ、 リンゴ酸脱水素酵素など) 、 発光物 質 (例、.ルミノール、 ルミノール誘導体、 ルシフェリン、 ルシゲニンなど) 、 ビ ォチン、 ランタニド元素などがあげられる。 中でも、 放射性同位元素 〔¾〕 、 〔14C〕 、 〔l25I〕 が好ましい。
本発明のリガンド、 例えば化合物 (I) 、 化合物 (I I) などは、 市販されてい る場合には市販品をそのまま用いることもでき、 自体公知の方法またはこれらに 準じた方法に従って製造または抽出することもできる。
本発明の T G R 2 5またはその塩は、 上記したヒトゃ哺乳動物の細胞または組 織から公知のレセプタータンパク質の精製方法によって製造することもできるし、 後に記載する本発明の T G R 2 5をコードする D NAを含有する形質転換体を培 養することによつても製造することができる。 また、 後に記載するタンパク質合 成法またはこれに準じて製造することもできる。 ヒトゃ哺乳動物の組織または細
胞から製造する場合、 ヒトゃ哺乳動物の組織または細胞をホモジナイズした後、 酸などで抽出を行ない、 該抽出液を逆相クロマトグラフィー、 イオン交換クロマ トグラフィ一などのクロマトグラフィーを組み合わせることにより精製単離する ことができる。
本発明の T G R 2 5も tくはその部分ペプチドまたはその塩またはそのアミド 体の合成には、 通常市販のタンパク質合成用樹脂を用いることができる。 そのよ うな樹脂としては、 例えば、 クロロメチル樹脂、 ヒドロキシメチル樹脂、 ベンズ ヒドリルァミン樹脂、 アミノメチル樹脂、 4—ベンジルォキシベンジルアルコー ル樹脂、 4—メチルベンズヒドリルァミン樹脂、 P AM樹脂、 4ーヒドロキシメ チルメチルフエニルァセトアミドメチル樹脂、 ポリアクリルアミド樹脂、 4一 ( 2, , 4 ' ージメトキシフエ二ルーヒドロキシメチル) フエノキシ樹脂、 4一 ( 2 ' , 4 ' ージメトキシフエニル— F m o cアミノエチル) フエノキシ樹脂な どを挙げることができる。 このような樹脂を用い、 ひーァミノ基と側鎖官能基を 適当に保護したアミノ酸を、 目的とするタンパク質の配列通りに、 公知の各種縮 合方法に従い、 樹脂上で縮合させる。 反応の最後に樹脂からタンパク質を切り出 すと同時に各種保護基を除去し、 さらに高希釈溶液中で分子内ジスルフィド結合 形成反応を実施し、 目的のタンパク質またはそのアミド体を取得する。
上記した保護アミノ酸の縮合に関しては、 タンパク質合成に使用できる各種活 性化試薬を用いることができるが、 特に、 カルポジイミド類がよい。 カルポジィ ミド類としては、 D C C、 N, N, ージイソプロピルカルポジイミド、 N—ェチ ルー N ' ― ( 3—ジメチルァミノプロリル) カルポジイミドなどが用いられる。 これらによる活性化にはラセミ化抑制添加剤 (例えば、 H O B t、 HO O B t ) とともに保護アミノ酸を直接樹脂に添加するか、 または、 対称酸無水物または H O B tエステルあるいは HO O B tエステルとしてあらかじめ保護アミノ酸の活 性化を行なつた後に樹脂に添加することができる。
保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用いられる溶媒としては、 タンパク質 縮合反応に使用しうることが知られている溶媒から適宜選択されうる 例えば、 N, N—ジメチルホルムアミド、 N, N—ジメチルァセトアミド、 N—メチルビ 口リドンなどの酸アミド類、 塩化メチレン、 クロ口ホルムなどのハロゲン化炭化
水素類、 トリフルォロエタノールなどのアルコール類、 ジメチルスルホキシドな どのスルホキシド類、 ピリジン、 ジォキサン、 テトラヒドロフランなどのエーテ ル類、 ァセトニトリル、 プロピオ二トリルなどの二トリル類、 酢酸メチル、 酢酸 ェチルなどのエステル類あるいはこれらの適宜の混合物などが用いられる。 反応 温度はタンパク質結合形'成反応に使用され得ることが知られている範囲から適宜 選択され、 通常約一 2 0〜 5 0 の範囲から適宜選択される。 活性化されたアミ ノ酸誘導体は通常 1 . 5〜4倍過剰で用いられる。 ニンヒドリン反応を用いたテ ス卜の結果、 縮合が不十分な場合には保護基の脱離を行うことなく縮合反応を繰 り返すことにより十分な縮合を行なうことができる。 反応を繰り返しても十分な 縮合が得られないときには、 無水酢酸またはァセチルイミダゾールを用いて未反 応アミノ酸をァセチル化することができる。
原料のァミノ基の保護基としては、 例えば、 Z、 B o c、 ターシャリーペンチ ルォキシカルポニル、 ィソポルニルォキシカルボニル、 4ーメトキシベンジルォ キシカルポニル、 C 1— Z、 B r— Z、 ァダマンチルォキシカルボニル、 トリフ ルォロアセチル、 フタロイル、 ホルミル、 2—二トロフエニルスルフエ二ル、 ジ フエニルホスフイノチオイル、 F m o cなどが用いられる。
カルボキシル基は、 例えば、 アルキルエステル化 (例えば、 メチル、 ェチル、 プロピル、 ブチル、 夕ーシャリーブチル、 シクロペンチル、 シクロへキシル、 シ クロへプチル、 シクロォクチル、 2—ァダマンチルなどの直鎖状、 分枝状もしく は環状アルキルエステル化) 、 ァラルキルエステル化 (例えば、 ベンジルエステ ル、 4—ニトロべンジルエステル、 4—メトキシベンジルエステル、 4—クロ口 ベンジルエステル、 ベンズヒドリルエステル化) 、 フエナシルエステル化、 ベン ジルォキシカルボニルヒドラジド化、 夕一シャリーブトキシカルポニルヒドラジ ド化、 トリチルヒドラジド化などによって保護することができる。
セリンの水酸基は、 例えば、 エステル化またはエーテル化によって保護するこ とができる。 このエステル化に適する基としては、 例えば、 ァセチル基などの低 級アルカノィル基、 ベンゾィル基などのァロイル基、 ベンジルォキシカルポニル 基、 エトキシカルポニル基などの炭酸から誘導される基などが用いられる。 また、 エーテル化に適する基としては、 例えば、 ベンジル基、 テトラヒドロビラニル基、
t一ブチル基などである。
チロシンのフエノール性水酸基の保護基としては、 例えば、 Bz し C 12- Bz l、 2—二トロベンジル、 B r— Z、 夕一シャリ一プチルなどが用いられる。 ヒスチジンのイミダゾ一ルの保護基としては、 例えば、 To s、 4—メトキシ —2, 3, 6—トリメチルベンゼンスルホニル、 DNP、 ベンジルォキシメチル、 Bum, Bo c、 Tr i;、 Fmo cなどが用いられる。
原料の力ルポキシル基の活性化されたものとしては、 例えば、 対応する酸無水 物、 アジド、 活性エステル 〔アルコール (例えば、 ペンタクロロフエノール、 2, 4, 5—トリクロ口フエノール、 2, 4ージニトロフエノール、 シァノメチルァ ルコール、 パラニトロフエノール、 HONB、 N—ヒドロキシスクシミド、 N— ヒドロキシフ夕ルイミド、 HOB t) とのエステル〕 などが用いられる。
原料のァミノ基の活性化されたものとしては、 例えば、 対応するリン酸アミド が用いられる。
保護基の除去 (脱離) 方法としては、 例えば、 Pd—黒あるいは Pd—炭素な どの触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、 また、 無水フッ化水素、 メタ ンスルホン酸、 トリフルォロメ夕ンスルホン酸、 トリフルォロ酢酸あるいはこれ らの混合液などによる酸処理や、 ジイソプロピルェチルァミン、 トリェチルアミ ン、 ピぺリジン、 ピぺラジンなどによる塩基処理、 また液体アンモニア中ナトリ ゥムによる還元なども用いられる。 上記酸処理による脱離反応は、 一般に約一 2 0〜4 Ot:の温度で行なわれるが、 酸処理においては、 例えば、 ァニソール、 フ エノ一ル、 チオア二ソ一ル、 メタクレゾール、 パラクレゾール、 ジメチルスルフ イド、 1, 4一ブタンジチオール、 1, 2—エタンジチオールなどのようなカチ オン捕捉剤の添加が有効である。 また、 ヒスチジンのイミダゾール保護基として 用いられる 2, 4—ジニトロフエニル基はチォフエノール処理により除去され、 トリブトファンのインドール保護基として用いられるホルミル基は上記の 1, 2 —エタンジチオール、 1, 4一ブタンジチォ一ルなどの存在下の酸処理による脱 保護以外に、 希水酸化ナトリウム溶液、 希アンモニアなどによるアルカリ処理に よっても除去される。
原料の反応に関与すべきでない官能基の保護ならびに保護基、 およびその保護
基の脱離、 反応に関与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段から 適宜選択しうる。
タンパク質のアミド体を得る別の方法としては、 例えば、 まず、 力ルポキシ末 端アミノ酸のひ一カルボキシル基をアミド化して保護した後、 アミノ基側にぺプ チド (タンパク質) 鎖を^望の鎖長まで延ばした後、 該ペプチド鎖の N末端の α —ァミノ基の保護基のみを除いたタンパク質と C末端の力ルポキシル基の保護基 のみを除去したタンパク質とを製造し、 この両タンパク質を上記したような混合 溶媒中で縮合させる。 縮合反応の詳細については上記と同様である。 縮合により 得られた保護タンパク質を精製した後、 上記方法によりすベての保護基を除去し、 所望の粗タンパク質を得ることができる。 この粗タンパク質は既知の各種精製手 段を駆使して精製し、 主要画分を凍結乾燥することで所望のタンパク質のアミド 体を得ることができる。
タンパク質のエステル体を得るには、 例えば、 カルポキシ末端アミノ酸の 一 力ルポキシル基を所望のアルコール類と縮合しアミノ酸エステルとした後、 タン パク質のアミド体と同様にして、 所望のタンパク質のエステル体を得ることがで さる。
本発明の T G R 2 5の部分ペプチドまたはその塩は、 公知のペプチドの合成法 に従って、 あるいは本発明の T G R 2 5を適当なぺプチダ一ゼで切断することに よって製造することができる。 ペプチドの合成法としては、 例えば、 固相合成法、 液相合成法のいずれによっても良い。 すなわち、 本発明の T G R 2 5を構成し得 る部分べプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合させ、 生成物が保護基を有 する場合は保護基を脱離することにより目的のぺプチドを製造することができる。 公知の縮合方法や保護基の脱離としては、 例えば、 以下の a) 〜e) に記載された 方法が挙げられる。
a) M. Bodanszkyおよび M. A. Ondet t i、 ペプチド シンセシス (Pept ide
Synthes i s) , Iniersc i ence Publ ishers, New York (1966 ;
b) Schroederおよび Luebke、 ザペプチド(The Pept ide) , Academi c Press, New York (1965年)
c) 泉屋信夫他、 ペプチド合成の基礎と実験、 丸善 (株) (1975年)
d) 矢島治明 および榊原俊平、 生化学実験講座 1、 タンパク質の化学 IV、 205、 (1977年)
e) 矢島治明監修、 続医薬品の開発第 14巻ペプチド合成広川書店
また、 反応後は通常の精製法、 例えば、 溶媒抽出 ·蒸留 ·カラムクロマトダラ フィー ·液体クロマトグ フィ一 ·再結晶などを組み合わせて本発明の部分ぺプ チドを精製単離することができる。 上記方法で得られる部分べプチドが遊離体で ある場合は、 公知の方法によって適当な塩に変換することができるし、 逆に塩で 得られた場合は、 公知の方法によつて遊離体に変換することができる。
本発明の TGR25をコードするポリヌクレオチドとしては、 上記した本発明 の TGR 25をコードする塩基配列 (DNAまたは RNA、 好ましくは DNA) を含有するものであ tlばいかなるものであってもよい。 該ポリヌクレオチドとし ては、 本発明の TGR 25をコードする DNA、 mRN A等の RN Aであり、 二 本鎖であっても、 一本鎖であって.もよい。 二本鎖の場合は、 二本鎖 DNA、 二本 鎖 RNAまたは DNA: RNAのハイブリッドでもよい。 一本鎖の場合は、 セン ス鎖 (すなわち、 コード鎖) であっても、 アンチセンス鎖 (すなわち、 非コード 鎖) であってもよい。 ―
本発明の TGR25をコードするポリヌクレオチドを用いて、 例えば、 公知の 実験医学増刊 「新 PCRとその応用」 15 (7) 、 1997記載の方法またはそ れに準じた方法により、 本発明の TGR 25の mRNAを定量することができる。 本発明の TGR25をコードする DNAとしては、 ゲノム DNA、 ゲノム DN Aライブラリー、 上記した細胞 ·組織由来の cDNA、 上記した細胞 ·組織由来 の cDNAライブラリ一、 合成 DNAのいずれでもよい。 ライブラリ一に使用す るべクタ一は、 パクテリオファージ、 プラスミド、 コスミド、 ファージミドなど いずれであってもよい。 また、 上記した細胞 ·組織より全 RNAまたは mRNA 画分を調製したものを用いて直接 Reverse Transcriptase Polymerase Chain Reaction (以下、 RT— P C R法と略称する) によって増幅することもできる。 具体的には、 本発明のヒト TGR25をコードする DNAとしては、 例えば、 配列番号: 2で表わされる塩基配列を含有する DNA、 または配列番号: 2で表 わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイプリダイズする塩基配
列を有し、 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列からなるヒト TGR25と実 質的に同質の活性 (例、 リガンド結合活性、 シグナル情報伝達作用など) を有す るレセプタータンパク質をコードする DN Aであれば何れのものでもよい。
配列番号: 2で表わされる塩基配列とハイブリダィズできる DNAとしては、 例えば、 配列番号: 2で ¾わされる塩基配列と約 85%以上、 好ましくは約 9 0%以上、 より好ましくは約 95%以上の相同性を有する塩基配列を含有する D NAなどが用いられる。 塩基配列の相同性は、 相同性計算アルゴリズム NCBI BLAST (National Center for Biotechnology Information Basic Local
Alignment Search Tool)を用い、 以下の条件 (期待値 =10;ギャップを許す;フ ィル夕リング =0N;マッチスコア =1;ミスマッチスコア =-3) にて計算するこ とができる。
ハイブリダィゼーシヨンは、 公知の方法あるいはそれに準じる方法、 例えば、 モレキュラー ·クローニング (Molecular Cloning) 2nd (J. Sambrook et al. , Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989) に記載の方法などに従って行なうこと ができる。 また、 市販のライブラリーを使用する場合、 添付の使用説明書に記載 の方法に従って行なうことができる。 より好ましくは、 ハイストリンジエンドな 条件に従って行なうことができる。 該 Λイストリンジェントな条件とは、 例えば、 ナトリゥム濃度が約 19〜 40 mM、 好ましくは約 19〜 20 mMで、 温度が約 50〜70°C、 好ましくは約 60〜65°Cの条件を示す。 特に、 ナトリウム濃度 が約 19 mMで温度が約 65 °Cの場合が最も好ましい。
より具体的には、 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列からなるヒト TGR 25をコードする DNAとしては、 配列番号: 2で表わされる塩基配列からなる DN Aなどが用いられる。
また、 本発明の TGR 25をコードする DNAの塩基配列の一部、 または該 D NAと相補的な塩基配列の一部を含有してなるポリヌクレオチドとは、 下記の本 発明の部分べプチドをコ一ドする D N Aを包含するだけではなく、 R N Aをも包 含する意味で用いられる。
本発明に従えば、 TGR25遺伝子の複製または発現を阻害することのできる アンチセンスポリヌクレオチド (核酸) を、 ローン化した、 あるいは決定され
た TGR25をコードする DNAの塩基配列情報に基づき設計し、 合成しうる。 そうしたポリヌクレオチド (核酸) は、 TGR25遺伝子の RNAとハイブリダ ィズすることができ、 該 RN Aの合成または機能を阻害することができるか、 あ るいは TGR25関連 RNAとの相互作用を介して TGR25遺伝子の発現を調 節'制御することができ ¾。 TGR25関連 RNAの選択された配列に相補的な ポリヌクレオチド、 および TGR25関連 RN Aと特異的にハイブリダィズする ことができるポリヌクレオチドは、 生体内および生体外で TGR 25遺伝子の発 現を調節 ·制御するのに有用であり、 また病気などの治療または診断に有用であ る。 用語 「対応する」 とは、 遺伝子を含めたヌクレオチド、 塩基配列または核酸 の特定の配列に相同性を有するあるいは相補的であることを意味する。 ヌクレオ チド、 塩基配列または核酸とペプチド (タンパク質) との間で 「対応する」 とは、 ヌクレオチド (核酸) の配列またはその相補体から誘導される指令にあるべプチ ド (タンパク質) のアミノ酸を通常指している。 TGR25遺伝子の 5' 端ヘア ピンループ、 5' 端 6—ベ一スペア 'リピート、 5' 端非翻訳領域、 ポリべプチ ド翻訳開始コドン、 タンパク質コード領域、 翻訳終止コドン、 3' 端非翻訳領域、 3' 端パリンドローム領域、 および 3' 端ヘアピンループは好ましい対象領域と して選択しうるが、 TGR25遺伝子内の如何なる領域も対象として選択しうる。 目的核酸と、 対象領域の少なくとも一部に相補的でハイブリダィズすることが できるポリヌクレオチドとの関係は、 対象物と、 「アンチセンス」 であるという ことができる。 アンチセンスポリヌクレオチドは、 2—デォキシ一D—リポース を含有しているポリデォキシリポヌクレオチド、 D—リポ一スを含有しているポ リリポヌクレオチド、 プリンまたはピリミジン塩基の N—ダリコシドであるその 他のタイプのポリヌクレオチド、 あるいは非ヌクレオチド骨格を有するその他の ポリマー (例えば、 市販のタンパク質核酸および合成配列特異的な核酸ポリマ 一) または特殊な結合を含有するその他のポリマー (伹し、 該ポリマーは DN A や RNA中に見出されるような塩基のペアリングや塩基の付着を許容する配置を もつヌクレオチドを含有する) などが挙げられる。 それらは、 2本鎖 DNA、 1 本鎖 DNA、 2本鎖 RNA、 1本鎖 RNA、 さらに DNA: RNAハイブリッド であることができ、 さらに非修飾ポリヌクレオチド (または非修飾オリゴヌクレ
ォチド) 、 さらには公知の修飾の付加されたもの、 例えば当該分野で知られた標 識のあるもの、 キャップの付いたもの、 メチル化されたもの、 1個以上の天然の ヌクレオチドを類縁物で置換したもの、 分子内ヌクレオチド修飾のされたもの、 例えば非荷電結合 (例えば、 メチルホスホネート、 ホスホトリエステル、 ホスホ ルアミデート、 力ルバメートなど) を持つもの、 電荷を有する結合または硫黄含 有結合 (例えば、 ホスホロチォェ一ト、 ホスホロジチォエートなど) を持つもの、 例えばタンパク質 (ヌクレアーゼ、 ヌクレア一ゼ*インヒビ夕一、 トキシン、 抗 体、 シグナルペプチド、 ポリ一 L一リジンなど) や糖 (例えば、 モノサッカライ ドなど) などの側鎖基を有しているもの、 インタ一カレ一ト化合物 (例えば、.ァ クリジン、 ソラレンなど) を持つもの、 キレート化合物 (例えば、 金属、 放射活 性をもつ金属、 ホウ素、 酸化性の金属など) を含有するもの、 アルキル化剤を含 有するもの、 修飾された結合を持つもの (例えば、 ァノマー型の核酸など) で あってもよい。 ここで 「ヌクレオシド」 、 「ヌクレオチド」 および 「核酸」 とは、 プリンおよびピリミジン塩基を含有するのみでなく、 修飾されたその他の複素環 型塩基をもつようなものを含んでいて良い。 こうした修飾物は、 メチル化された プリンおよびピリミジン、 ァシル化されたプリンおよびピリミジン、 あるいはそ の他の複素環を含むものであってよい。 修飾されたヌクレオチドおよび修飾され たヌクレオチドはまた糖部分が修飾されていてよく、 例えば、 1個以上の水酸基 がハロゲンとか、 脂肪族基などで置換されていたり、 あるいはエーテル、 ァミン などの官能基に変換されていてよい。
本発明のアンチセンスポリヌクレオチド (核酸) は、 R NA、 D NA、 あるい は修飾された核酸 (R NA、 D NA) である。 修飾された核酸の具体例としては 核酸の硫黄誘導体ゃチ ホスフエ一ト誘導体、 そしてポリヌクレオシドアミドゃ オリゴヌクレオシドアミドの分解に抵抗性のものが挙げられるが、 それに限定さ れるものではない。 本発明のアンチセンス核酸は次のような方針で好ましく設計 されうる。 すなわち、 細胞内でのアンチセンス核酸をより安定なものにする、 ァ ンチセンス核酸の細胞透過性をより高める、 目標とするセンス鎖に対する親和性 をより大きなものにする、 そしてもし毒性があるならアンチセンス核酸の毒性を より小さなものにする。
こうした修飾は当該分野で数多く知られており、 例えば J. Kawakami et al., Pharm Tech Japan, Vol. 8, pp.247, 1992; Vol. 8, pp.395, 1992; S. T.
Crooke et al. ed. , Antisense Research and Applications, CRC Press, 1993 などに開示がある。
本発明のアンチセンス核酸は、 変化せしめられたり、 修飾された糖、 塩基、 結 合を含有していて良く、 リポゾ一ム、 ミクロスフエアのような特殊な形態で供与 されたり、 遺伝子治療により適用されたり、 付加された形態で与えられることが できうる。 こうして付加形態で用いられるものとしては、 リン酸基骨格の電荷を 中和するように働くポリリジンのようなポリカチォン体、 細胞膜との相互作用を 高めたり、 核酸の取込みを増大せしめるような脂質 (例えば、 ホスホリピド、 コ レステロールなど) といった粗水性のものが挙げられる。 付加するに好ましい脂 質としては、 コレステロールやその誘導体 (例えば、 コレステリルクロ口ホルメ —ト、 コール酸など) が挙げられる。 こうしたものは、 核酸の 3' 端あるいは 5' 端に付着させることができ、 塩基、 糖、 分子内ヌクレオシド結合を介して付 着させることができうる。 その他の基としては、 核酸の 3' 端あるいは 5' 端に 特異的に配置されたキャップ用の基で、 ェキソヌクレア一ゼ、 RNa.s eなどの ヌクレアーゼによる分解を阻止するためのものが挙げられる。 こうしたキャップ 用の基としては、 ポリエチレングリコール、 テトラエチレングリコールなどのグ リコールをはじめとした当該分野で知られた水酸基の保護基が挙げられるが、 そ れに限定されるものではない。
アンチセンス核酸の阻害活性は、 本発明の形質転換体、 本発明の生体内や生体 外の遺伝子発現系、 あるいは Gタンパク質共役型レセプタ一夕ンパク質の生体内 や生体外の翻訳系を用いて調べることができる。 詼核酸は公知の各種の方法で細 胞に適用できる。
本発明の部分ペプチドをコードする DNAとしては、 上記した本発明の部分べ プチドをコードする塩基配列を含有するものであればいかなるものであってもよ い。 また、 ゲノム DNA、 ゲノム DNAライブラリー、 上記した細胞 ·組織由来 の cDNA、 上記した細胞'組織由来の c DNAライブラリー、 合成 DNAのい ずれでもよい。 ライブラリーに使用するベクターは、 パクテリオファ一ジ、 ブラ
スミド、 コスミド、 ファージミドなどいずれであってもよい。 また、 上記した細 胞 ·組織より mRNA画分を調製したものを用いて直接 Reverse Transcriptase Polymerase Chain Reaction (以下、 RT— P C R法と略称する) によって増幅 することもできる。
具体的には、 本発明の都分ペプチドをコードする DNAとしては、 例えば、
(1) 配列番号: 2で表わされる塩基配列を有する DNAの部分塩基配列を有す る DNA、 または (2) 配列番号: 2で表わされる塩基配列とハイストリンジェ ントな条件下でハイブリダィズする塩基配列を有し、 配列番号: 1で表わされる アミノ酸配列からなる TGR25と実質的に同質の活性 (例、 リガンド結合活性、 シグナル情報伝達作用など) を有するレセプタータンパク質をコードする DNA の部分塩基配列を有する D N Aなどが用いられる。
配列番号: 2で表わされる塩基配列ハイブリダィズできる DNAとしては、 例 えば、 配列番号: 2で表わされる塩基配列と約 85%以上、 好ましくは約 90% 以上、 より好ましくは約 95%以上の相同性を有する塩基配列を含有する DNA などが用いられる。
塩基配列の相同性は、 前記した相同性計算アルゴリズム NCB I BLAST を用い、 同様の条件にて計算することができる。
ハイプリダイゼーションの方法および条件は前記と同様である。
本発明の TGR 25またはその部分ペプチド (以下、 本発明の TGR25と略 記する場合がある) を完全にコードする DN Aのクロ一ニングの手段としては、 本発明の TGR25の部分塩基配列を有する合成 DNAプライマーを用いて PC R法によって増幅するか、 または適当なベクターに組み込んだ DN Aを本発明の TGR 25の一部あるいは全領域をコードする DNA断片もしくは合成 DNAを 用いて標識したものとのハイブリダイゼ一シヨンによつて選別することができる。 ハイブリダィゼ一シヨンの方法は、 例えば、 モレキュラー 'クローニング
(Molecular Cloning) 2nd (J. Sambrook et al. , Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989) に記載の方法などに従って行なうことができる。 また、 市販のラ イブラリーを使用する場合、 添付の使用説明書に記載の方法に従って行なうこと ができる。
DNAの塩基配列の置換は、 PCRや公知のキット、 例えば、 Mu t an™— s u e r Exp r e s s Km (宝酒造 (株) ) 、 Mu t a n™-K (宝酒造 (株) ) などを用いて、 ODA— LA PCR法、 Gapp e d dup l e x法、 Kunke 1法などの公知の方法あるいはそれらに準じる方法に従って行なうこ とができる。
クロ一ン化された TGR 25をコードする DNAは目的によりそのまま、 また は所望により制限酵素で消化したり、 リンカーを付加したりして使用することが できる。 該 DNAはその 5' 末端側に翻訳開始コドンとしての ATGを有し、 ま た 3' 末端側には翻訳終止コドンとしての TAA、 TGAまたは TAGを有,して いてもよい。 これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、 適当な合成 DNAァ ダブ夕一を用いて付加することもできる。
本発明の TGR 25の発現ベクターは、 例えば、 (ィ) 本発明の TGR25を コードする DNAから目的とす ¾DNA断片を切り出し、 (口) 該 DNA断片を 適当な発現ベクター中のプロモータ一の下流に連結することにより製造すること ができる。
ベクタ一としては、 大腸菌由来のプラスミド (例、 pBR322、 .pBR32 5、 pUC 12、 pUC 13) 、 枯草菌由来のプラスミド (例、 pUB 110、 pTP 5、 p C 194) 、 酵母由来プラスミド (例、 p SH19、 p SH 15) 、 λファ.ージなどのパクテリオファージ、 レトロウイルス、 ワクシニアウィルス、 バキュロウィルスなどの動物ウィルスなどの他、 pAl— 11、 pXTl、 pR c/CMV、 pRc/RSV、 p cDNA iZNe oなどが用いられる。
本発明で用いられるプロモ一ターとしては、 遺伝子の発現に用いる宿主に対応 して適切なプロモーターであればいかなるものでもよい。 例えば、 動物細胞を宿 主として用いる場合は、 SRaプロモーター、 SV40プロモーター、 LTRプ 口モーター、 CMVプロモーター、 HSV-TKプロモーターなどが挙げられる。 これらのうち、 CMVプロモーター、 SRひプロモーターなどを用いるのが好ま しい。 宿主がェシエリヒア属菌である場合は、 t r pプロモーター、 l a cプロ モーター、 r e cAプロモーター、 λ PLプロモーター、 1 p ρプロモ一夕一な どが、 宿主がバチルス属菌である場合は、 SPOlプロモーター、 SP〇2プロ
モ一夕一、 p e nPプロモーターなど、 宿主が酵母である場合は、 PH05プロ モーター、 PGKプロモーター、 GAPプロモーター、 ADHプロモーターなど が好ましい。 宿主が昆虫細胞である場合は、 ポリヘドリンプロモー夕一、 P 10 プロモ一ターなどが好ましい。
発現ベクターには、 以上の他に、 所望によりェンハンサー、 スプライシングシ ダナル、 ポリ A付加シグナル、 選択マーカー、 SV40複製オリジン (以下、 S V40 o r iと略称する場合がある) などを含有しているものを用いることがで きる。 選択マ一カーとしては、 例えば、 ジヒドロ葉酸還元酵素 (以下、 dh f r と略称する場合がある) 遺伝子 〔メソトレキセート (MTX) 耐性〕 、 アンピシ リン耐性遺伝子 (以下、 Amp1"と略称する場合がある) 、 ネオマイシン耐性遺 伝子 (以下、 Ne ofと略称する場合がある、 G418耐性) 等が挙げられる。 特に、 CH〇 (dh f r") 細胞を用いて dh f r遺伝子を選択マーカ一として 使用する場合、 目的遺伝子をチミジン不含培地によっても選択できる。
また、 必要に応じて、 宿主に合ったシグナル配列を、 本発明のレセプタータン パク質の N端末側に付加する。 宿主がェシエリヒア属菌である場合は、 Pho A ·シグナル配列、 OmpA ·シグナル配列などが、 宿主がバチルス属菌である 場合は、 ひ一アミラーゼ ·シグナル配列、 サブチリシン ·シグナル配列などが、 宿主が酵母である場合は、 MFa ·シグナル配列、 SUC2 ·シグナル配列など、 宿主が動物細胞である場合には、 インシュリン ·シグナル配列、 α—インターフ ェロン ·シグナル配列、 抗体分子 ·シグナル配列などがそれぞれ利用できる。 このようにして構築された本発明の TGR 25をコードする DNAを含有する ベクターを用いて、 形質転換体を製造することができる。
宿主としては、 例えば、 ェシエリヒア属菌、 バチルス属菌、 酵母、 昆虫細胞、 昆虫、 動物細胞などが用いられる。
ェシエリヒア属菌の具体例としては、 例えば、 ェシエリヒア 'コリ
(Escherichia coli) K 12 - DH 1 [Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 60 巻, 160(1968)〕 , JM103 [Nucleic Acids Research, 9巻, 309 (1981)〕 , J A221 [Journal of Molecular Biology, 120巻, 517(1978)3, HB 101
[Journal of Molecular Biology, 41卷, 459(1969)〕 , C 600 [Genetics, 39
巻, 440(1954)〕 などが用いられる。
バチルス属菌としては、 例えば、 バチルス ·サブチルス (Bacillus
subtilis) M I 114 〔Gene, 24巻, 255 (1983)〕 , 207-21 [Journal of Bioc emis t ry, 95巻, 87 (1984)〕 などが用いられる。
酵母としては、 例えば、'サッカロマイセス セレピシェ (Saccharomyces cerevisiae) AH22, AH 22 R", NA87 - 11 A, DKD— 5D, 20 B— 12、 シゾサッカロマイセス ボンべ (Schizosaccharomyces pombe) NC YC 1913, NCYC2036、 ピキア パストリス (Pichia pastoris) K M71などが用いられる。
. 昆虫細胞としては、 例えば、 ウィルスが AcNPVの場合は、 ョトウガの幼虫 由来株化細胞 (Spodoptera frugiperda cell; S f細胞) 、 Trichoplusia niの 中腸由来の MG1細胞、 Trichoplusia niの卵由来の High Five™細胞、. Mamestra brassicae由来の細胞または Estigmena acrea由来の細胞などが用いられる。 ウイ ルスが BmNPVの場合は、 蚕由来株化細胞 (Bombyx mori N細胞; BmN細 胞) などが用いられる。 該 S f細胞としては、 例えば、 S f 9細胞 (ATCC CRL1711) 、 S f 21細胞 (以上、 Vaughn, J.L.ら、 In Vivo, 13, 213- 217, (1977)) などが用いられる。
昆虫としては、 例えば、 カイコの幼虫などが用いられる 〔前田ら、 Nature, 315 巻,592 (1985)〕 。
動物細胞としては、 例えば、 サル細胞 COS— 7 (COS 7) , Ve r o, チ ャィニーズハムスター細胞 CH〇 (以下、 CHO細胞と略記) , dh i r遺伝子 欠損チャイニーズハムスター細胞 CHO (以下、 CHO (dh f r") 細胞と略 記) , マウス L細胞, マウス At T— 20, マウスミエ口一マ細胞, ラット GH 3, ヒト FL細胞などが用いられる。
ェシエリヒア属菌を形質転換するには、 例えば、 Proc. Natl. Acad. Sci.
USA, 69巻, 2110 (1972)や Gene, 17巻, 107 (1982)などに記載の方法に従つて行なうこ とができる。
バチルス属菌を形質転換するには、 例えば、 Molecular & General
Genetics, 168卷, 111 (1979)などに記載の方法に従って行なうことができる。
酵母を形質転換するには、 例えば、 Methods in Enzymology, 194巻, 182- , .187 (1991)、 Proc. Nat l . Acad. Sc i . USA, 75卷, 1929 (1978)などに記載の方法に 従って行なうことができる。
昆虫細胞または昆虫を形質転換するには、 例えば、 Bio/Technology, 6, 47- 55 (1988) などに記載の方法に従って行なうことができる。
動物細胞を形質転換するには、 例えば、 細胞工学別冊 8 新細胞工学実験プロ トコール. 263-267 (1995) (秀潤社発行) 、 Vi rol ogy, 52巻, 456 (1973)に記載の方 法に従って行なうことができる。
このようにして、 受容体または部分ペプチドをコードする D NAを含有する発 現ベクターで形質転換された形質転換体を得ることができる。
宿主がェシエリヒア属菌、 バチルス属菌である形質転換体を培養する際、 培養 に使用される培地としては液体培地が適当であり、 その中には該形質転換体の生 育に必要な炭素源、 窒素源、 無機物その他が含有せしめられる。 炭素源としては、 例えば、 グルコース、 デキストリン、 可溶性澱粉、 ショ糖など、 窒素源としては、 例えば、 アンモニゥム塩類、 硝酸塩類、 コーンスチープ · リカー、 ペプトン、 力 ゼイン、 肉エキス、 大豆粕、 バレイショ抽出液などの無機または有機物質、 無機 物としては、 例えば、 塩化カルシウム、 リン酸二水素ナトリウム、 塩化マグネシ ゥムなどがあげられる。 また、 酵母エキス、 ビタミン類、 生長促進因子などを添 加してもよい。 培地の p Hは約 5〜8が望ましい。
ェシエリヒア属菌を培養する際の培地としては、 例えば、 グルコース、 カザミ ノ酸を含む M 9培地 [Mi l l er, Journal of Exper iment s in Mo lecul ar
Genet i cs, 431-433, Co ld Spr ing Harbor Laboratory, New York 1972〕 が好まし い。 ここに必要によりプロモーターを効率よく働かせるために、 例えば、 3 β— インドリルアクリル酸のような薬剤を加えることができる。
宿主がェシエリヒア属菌の場合、 培養は通常約 1 5〜4 3 °Cで約 3〜2 4時間 行ない、 必要により、 通気や撹拌を加えることもできる。
宿主がバチルス属菌の場合、 培養は通常約 3 0〜 4 0 °Cで約 6〜 2 4時間行な い、 必要により通気や撹拌を加えることもできる。
宿主が酵母である形質転換体を培養する際、 培地としては、 例えば、 バークホ
一ルダー (Burkholder) 最小培地 [Bostian, K. L. ら、 Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77巻, 4505 (1980)〕 や 0.5 %カザミノ酸を含有する S D培地 [Bitter, G. A. ら、 Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81巻, 5330(1984)〕 があげられる。 培地の pH は約 5〜 8に調整するのが好ましい。 培養は通常約 20°C〜35°Cで約 24〜7 2時間行ない、 必要に応じて通気や撹拌を加える。
宿主が昆虫細胞または昆虫である形質転換体を培養する際、 培地としては、 Grace' s Insect Medium (Grace, T. C.C., Nature, 195, 788(1962)) に非動化した 10%ゥシ血清等の添加物を適宜加えたものなどが用いられる。 培地の pHは約 6. 2〜6. 4に調整するのが好ましい。 培養は通常約 27°Cで約 3〜5日間行 ない、 必要に応じて通気や撹拌を加える。
宿主が動物細胞である形質転換体を培養する際、 培地としては、 例えば、 約 5 〜20 %の胎児牛血清を含む MEM培地 [Science, 122巻, 501 (1952)〕 , DME M培地 [Virology, 8巻, 396(1959)〕 , RPMI 1640培地 〔The Journal of the American Medical Association 199巻, 519(1967)〕 , 199培地
[Proceeding of the Society for the Biological Medicine, 73巻, 1 (1950)〕 な どが用いられる。 pHは約 6〜8であるのが好ましい。 培養は通常約.30°C〜4 0°Cで約 15〜60時間行な.い、 必要に応じて通気や撹拌を加える。
以上のようにして、 形質転換体の細胞内、 細胞膜または細胞外に本発明の TG R 25を生成せしめることができる。
上記培養物から本発明の TGR 25を分離精製するには、 例えば、 下記の方法 により行なうことができる。
本発明の TGR25を培養菌体あるいは細胞から抽出するに際しては、 培養後、 公知の方法で菌体あるいは細胞を集め、 これを適当な緩衝液に懸濁し、 超音波、 リゾチームおよび Zまたは凍結融解などによって菌体あるいは細胞を破壊したの ち、 遠心分離やろ過により TGR25の粗抽出液を得る方法などが適宜用いられ る。 緩衝液の中に尿素や塩酸グァニジンなどのタンパク質変性剤や、 トリトン X ― 100™などの界面活性剤が含まれていてもよい。 培養液中に TGR25が分 泌される場合には、 培養終了後、 公知の方法で菌体あるいは細胞と上清とを分離 し、 上清を集める。
このようにして得られた培養上?!、 あるいは抽出液中に含まれる TGR 25の 精製は、 公知の分離 ·精製法を適切に組み合わせて行なうことができる。 これら の公知の分離、 精製法としては、 塩析ゃ溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法、 透析法、 限外ろ過法、 ゲルろ過法、 および SDS—ポリアクリルアミドゲル電気 泳動法などの主として分子量の差を利用する方法、 イオン交換クロマトグラフィ 一などの荷電の差を利用する方法、 ァフィ二ティークロマトグラフィーなどの特 異的新和性を利用する方法、 逆相高速液体ク口マトグラフィ一などの疎水性の差 を利用する方法、 等電点電気泳動法などの等電点の差を利用する方法などが用い られる。
このようにして得られる TGR 25が遊離体で得られた場合には、 公知の方法 あるいはそれに準じる方法によって塩に変換することができ、 逆に塩で得られた 場合には公知の方法あるいはそれに準じる方法により、 遊離体または他の塩に変 換することができる。
なお、 組換え体が産生する TGR 25を、.精製前または精製後に適当なタンパ ク質修飾酵素を作用させることにより、 任意に修飾を加えたり、 ポリペプチドを 部分的に除去することもできる。 タンパク質修飾酵素としては、 例えば、 トリプ シン、 キモトリブシン、 アルギニルエンドべプチダ一ゼ、 プロテインキナーゼ、 グリコシダ一ゼなどが用いられる。
このようにして生成する本発明の TGR25の活性は、 標識したリガンド (リ ガンドペプチド) との結合実験および特異抗体を用いたェンザィムィムノアッセ ィなどにより測定することができる。
本発明の TGR 25に対する抗体は、 本発明の TGR 25を認識し得る抗体で あれば、 ポリクローナル抗体、 モノクローナル抗体の何れであってもよい。
本発明の TGR25に対する抗体は、 本発明の TGR25を抗原として用い、 公知の抗体または抗血清の製造法に従って製造することができる。
〔モノクローナル抗体の作製〕
(a) モノクローナル抗体産生細胞の作製
本発明の TGR 25は、 哺乳動物に対して投与により抗体産生が可能な部位に それ自体あるいは担体、 希釈剤とともに投与される。 投与に際して抗体産生能を
高めるため、 完全フロイントアジュバントゃ不完全フロイントアジュバントを投 与してもよい。 投与は通常 2〜 6週毎に 1回ずつ、 計 2〜10回程度行なわれる。 用いられる哺乳動物としては、 例えば、 サル、 ゥサギ、 ィヌ、 モルモット、 マウ ス、 ラット、 ヒッジ、 ャギが挙げられるが、 マウスおよびラットが好ましく用い られる。
モノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、 抗原を免疫された温血動物、 例えば、 マウスから抗体価の認められた個体を選択し最終免疫の 2〜 5日後に脾 臓またはリンパ節を採取し、 それらに含まれる抗体産生細胞を骨髄腫細胞と融合 させることにより、 モノクローナル抗体産生ハイプリドーマを調製することがで きる。 抗血清中の抗体価の測定は、 例えば、 後記の標識化レセプ夕一タンパク質 と抗血清とを反応させたのち、 抗体に結合した標識剤の活性を測定することによ り行なうことができる。 融合操作は既知の方法、 例えば、 ケーラーとミルスタイ ンの方法 〔ネィチヤ一 (Nature) 、 256巻、 495頁 (1975年) 〕 に従い 実施することができる。 融合促進剤としては、 例えば、 ポリエチレングリコール (PEG) やセンダイウィルスなどが挙げられるが、 好ましくは PEGが用いら れる。
骨髄腫細胞としては、 例えば、 NS— 1、 P 3U1、 SP2Z0などが挙げら れるが、 P 3U1が好ましく用いられる。 用いられる抗体産生細胞 (脾臓細胞) 数と骨髄腫細胞数との好ましい比率は 1 : 1〜20 : 1程度であり、 PEG (好 ましくは、 PEG1000〜PEG6000) が 10〜 80 %程度の濃度で添加 され、 約 20〜40°C、 好ましくは約 30〜37°Cで約 1〜10分間インキュべ 一卜することにより効率よく細胞融合を実施できる。
モノクローナル抗体産生ハイプリドーマのスクリーニングには種々の方法が使 用できるが、 例えば、 レセプ夕一タンパタ質の抗原を直接あるいは担体とともに 吸着させた固相 (例、 マイクロプレート) にハイプリドーマ培養上清を添加し、 次に放射性物質や酵素などで標識した抗免疫グロプリン抗体 (細胞融合に用いら れる細胞がマウスの場合、 抗マウス免疫グロブリン抗体が用いられる) またはプ 口ティン Aを加え、 固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方法、 抗免疫 グロブリン抗体またはプロテイン Aを吸着させた固相にハイプリドーマ培養上清
を添加し、 放射性物質や酵素などで標識したレセプタ一タンパク質を加え、 固相 に結合したモノクローナル抗体を検出する方法などが挙げられる。
モノクロ一ナル抗体の選別は、 公知の方法あるいはそれに準じる方法に従って 行なうことができるが、 通常は HAT (ヒポキサンチン、 アミノプテリン、 チミ ジン) を添加した動物細 用培地などで行なうことができる。 選別および育種用 培地としてほ、 ハイプリドーマが生育できるものならばどのような培地を用いて も良い。 例えば、 1〜2 0 %、 好ましくは 1 0〜2 0 %の牛胎児血清を含む R P M l 1 6 4 0培地、 1〜 1 0 %の牛胎児血清を含む G I T培地 (和光純薬工業 (株) ) またはハイプリドーマ培養用無血清培地 (S F M— 1 0 1、 日水製薬 (株) ) などを用いることができる。 培養温度は、 通常 2 0〜4 0口、 好ましく は約 3 7 °Cである。 培養時間は、 通常 5日〜 3週間、 好ましくは 1週間〜 2週間 である。 培養は、 通常 5 %炭酸ガス下で行なうことができる。 ハイプリドーマ培 養上清の抗体価は、 上記の抗血清.中の抗体価の測定と同様にして測定できる。
(b) モノクローナル抗体の精製
モノクローナル抗体の分離精製は、 通常のポリクロ一ナル抗体の分離精製と同 様に免疫グロブリンの分離精製法 〔例、 塩析法、 アルコール沈殿法、 等電点沈殿 法、 電気泳動法、 イオン交換体 (例、 D E A E) による吸脱着法、 超遠心法、 ゲ ルろ過法、 抗原結合固相またはプロテイン Aあるいはプロテイン Gなどの活性吸 着剤により抗体のみを採取し、 結合を解離させて抗体を得る特異的精製法〕 に従 つて行なうことができる。
〔ポリクローナル抗体の作製〕
本発明のポリクローナル抗体は、 それ自体公知あるいはそれに準じる方法にし たがって製造することができる。 例えば、 免疫抗原 (T G R 2 5抗原) とキヤリ ァータンパク質との複合体をつくり、 上記のモノクローナル抗体の製造法と同様 に哺乳動物に免疫を行ない、 該免疫動物から本発明の T G R 2 5に対する抗体含 有物を採取して、 抗体の分離精製を行なうことにより製造できる。
哺乳動物を免疫するために用いられる免疫抗原とキャリアータンパク質との複 合体に関し、 キャリアータンパク質の種類およびキャリアーとハプテンとの混合 比は、 キャリア一に架橋させて免疫したハプテンに対して抗体が効率良くできれ
ば、 どの様なものをどの様な比率で架橋させてもよいが、 例えば、 ゥシ血清アル ブミン、 ゥシサイログロプリン、 キーホール · リンペット ·へモシァニン等を重 量比でハプテン 1に対し、 約 0 . 1〜 2 0、 好ましくは約 1〜 5の割合でカプル させる方法が用いられる。
また、 ハプテンとキャリア一の力プリングには、 種々の縮合剤を用いることが できるが、 ダルタルアルデヒドやカルポジイミド、 マレイミド活性エステル、 チ オール基、 ジチオビリジル基を含有する活性エステル試薬等が用いられる。
縮合生成物は、 温血動物に対して、 抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは 担体、 希釈剤とともに投与される。 投与に際して抗体産生能を高めるため、 完全 フロイントアジュバントや不完全フロイントアジュバントを投与してもよい。 投 与は、 通常約 2〜 6週毎に 1回ずつ、 計約 3〜1 0回程度行なうことができる。 ポリクローナル抗体は、 上記の方法で免疫された哺乳動物の血液、 腹水など、 好ましくは血液から採取することができる。
抗血清中のポリクロ一ナル抗体価の測定は、 上記の血清中の抗体価の測定と同 様にして測定できる。 ポリクロ一ナル抗体の分離精製は、 上記のモノクローナル 抗体の分離精製と同様の免疫グロプリンの分離精製法に従って行なうことができ る。
本発明の T G R 2 5に結合するサロゲートリガンド (以下、 リガンドと称する 場合もある) として、 例えば AM 2 5 1、 AM 2 8 1、 D H 9 7などの非べプチ ド性化合物をあげることができ、 例えば、 ペプチド、 タンパク質、 合成化合物、 発酵生産物、 細胞抽出液、 植物抽出液、 動物組織抽出液、 血漿などであってもよ く、 これら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公知の化合物であってもよ い。
上記リガンドは塩を形成していてもよく、 その塩としては、 生理学的に許容さ れる酸または塩基などとの塩が用いられ、 とりわけ生理学的に許容される酸付加 塩が好ましい。 この様な塩としては、 例えば、 無機酸 (例えば、 塩酸、 リン酸、 臭化水素酸、 硫酸など) との塩、 あるいは有機酸 (例えば、 酢酸、 ギ酸、 プロピ オン酸、 フマル酸、 マレイン酸、 コハク酸、 酒石酸、 クェン酸、 リンゴ酸、 蓚酸、 安息香酸、 メタンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸など) との塩などが用いられ
る。
リガンドがペプチドである場合、 例えばヒトやその他の温血動物 (モルモット、 ラット、 マウス、 ニヮトリ、 ゥサギ、 ブタ、 ヒッジ、 ゥシ、 サルなど) の細胞 (例えば、 肝細胞、 脾細胞、 神経細胞、 グリア細胞、 脬臓 3細胞、 骨髄細胞、 メ サンギゥム細胞、 ランゲルハンス細胞、 表皮細胞、 上皮細胞、 内皮細胞、 繊維芽 細胞、 繊維細胞、 筋細胞、 脂肪細胞、 免疫細胞 (例、 マクロファージ、 T細胞、 B細胞、 ナチュラルキラー細胞、 肥満細胞、 好中球、 好塩基球、 好酸球、 単球) 、 巨核球、 滑膜細胞、 軟骨細胞、 骨細胞、 骨芽細胞、 破骨細胞、 乳腺細胞もしくは 間質細胞、 またはこれら細胞の前駆細胞、 幹細胞もしくはガン細胞等) もしくは それらの細胞が存在するあらゆる組織、 例えば、 脳、 脳の各部位 (例、 嗅球、 扁 桃核、 大脳基底球、 海馬、 視床、 視床下部、 大脳皮質、 延髄、 小脳) 、 脊髄、 下 垂体、 胃、 滕臓、 腎臓、 肝臓、 生殖腺、 甲状腺、 胆のう、 骨髄、 副腎、 皮膚、 筋 肉、 肺、 消化管 (例、 大腸、 小腸) 、 血管、 心臓、.胸腺、 脾臓、 唾液腺、 末梢血、 前立腺、 睾丸、 卵巣、 胎盤、 子宮、 骨、 軟骨、 関節、 骨格筋等に由来するポリべ プチドであってもよく、 また組換えポリペプチド、 あるいは合成ポリペプチドで あってもよい。 以下、 リガンドがペプチドである場合をリガンドペプチドと称す る。
「実質的に同一」 とはリガンドの活性、 例えば、 T G R 2 5への結合活性、 細 胞内シグナル伝達活性 (例、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 C a 遊離、 細胞内 c AM P生成、 細胞内 c AM P産生抑制、 細胞内 c GM P生成、 イノシトールリン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内蛋白質のリン酸化、 c一 f o sの活性化、 p Hの低下、 G T P r S結合活性、 c AM P依存性プロテインキナ —ゼの活性化、 c GM P依存性プロテインキナーゼの活性化、 リン脂質依存性プ 口ティンキナーゼの活性化、 マイトジェン活性化蛋白質リン酸化酵素 (MA Pキ ナーゼ) の活性化、 血清応答因子遺伝子の発現上昇、 T G R 2 5タンパク質の細 胞内局在の変化などを促進または抑制する活性など) 、 抗炎症作用など、 生理的 な特性などが、 実質的に同じことを意味する。 リガンドペプチドの場合、 ァミノ 酸の置換、 欠失、 付加あるいは挿入が、 その生理的な特性や化学的な特性に大き な変化をもたらさない限り、 当該置換、 欠失、 付加あるいは揷入を施されたリガ
ンドペプチドは、 当該置換、 欠失、 付加あるいは挿入されていないものと実質的 に同一である。 該アミノ酸配列中のアミノ酸の実質的に同一な置換物としては、 たとえばそのアミノ酸が属するクラスのうち他のアミノ酸類から選ぶことができ る。
例えば、 非極性 (疎水性) アミノ酸としては、 ァラニン、 ロイシン、 イソロイ シン、 パリン、 プロリン、 フエ二ルァラニン、 トリブトファン、 メチォニンなど があげられる。 極性 (中性) アミノ酸としてはグリシン、 セリン、 スレオニン、 システィン、 チロシン、 ァスパラギン、 グルタミンなどがあげられる。 陽電荷を もつ (塩基性) アミノ酸としてはアルギニン、 リジン、 ヒスチジンなどがあげら れる。 負電荷をもつ (酸性) アミノ酸としては、 ァスパラギン酸、 グルタミン酸 などが挙げられる。
また、 リガンドペプチドには、 分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基が適当な保 護基で保護されているもの、 あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖ペプチドなどの 複合ペプチドなども含まれる。 さらに、 リガンドペプチドには、 おのおのの N末 端または C末端などにェピトープ (抗体認識部位) となりうる任意の外来べプチ ド配列 (例えば、 F L A G, H i sタグ、 HAタグ、 H S Vタグなど) を有して いるものも含まれる。
リガンドペプチドは、 ペプチド標記の慣例に従って左端が N末端 (ァミノ末 端) 、 右端が C末端 (力ルポキシル末端) である。 配列番号: 1で表されるアミ ノ酸配列からなるぺプチドをはじめとするリガンドぺプチドは、 C末端が力ルポ キシル基 (― C O OH) 、 カルポキシレート (一 C〇〇-) 、 アミド (—C O N H 2) またはエステル (—C O O R) であってもよいが、 アミドである場合が好 ましい。 ここでエステルにおける Rとしては、 例えば、 メチル、 エヂル、 n—プ 口ピル、 イソプロピルもしくは n—ブチル等の アルキル基、 例えば、 シクロ ペンチル、 シクロへキシル等の (:3-8シクロアルキル基、 例えば、 フエニル、 ひ— ナフチル等の 06_12ァリール基、 例えば、 ベンジル、 フエネチル等のフエニル— C卜 2アルキル基もしくはひ一ナフチルメチル等のひ一ナフチル— C卜 2アルキル基 等の c7_14ァラルキル基のほか、 経口用エステルとして汎用されるピバロィルォ キシメチル基等が用いられる。 リガンドぺプチドが C末端以外に力ルポキシル基
(またはカルボキシレート) を有している場合、 力ルポキシル基がアミド化また はエステルイ匕されているものも本願明細書におけるリガンドペプチドに含まれる。 この場合のエステルとしては、 例えば上記した C末端のエステル等が用いられる。 さらに、 リガンドペプチドには、 N末端のアミノ酸残基 (例、 メチォニン残 基) のァミノ基が保護基' (例えば、 ホルミル基、 ァセチル基等の C Mアルカノィ ル等の 6ァシル基等) で保護されているもの、 生体内で切断されて生成する N 末端のダルタミル基がピログルタミン酸化したもの、 分子内のアミノ酸の側鎖上 の置換基 (例えば _ O H、 — S H、 アミノ基、 イミダゾール基、 インドール基、 グァニジノ基等) が適当な保護基 (例えば、 ホルミル基、 ァセチル基等の C ァ ルカノィル基等の C卜 6ァシル基等) で保護されているもの、 糖鎖が結合したい わゆる糖ポリぺプチド等の複合ポリぺプチド、 C末端のアミノ酸残基が修飾され ているもの等も含まれる。 特に、 N末端のメチォニン残基のァミノ基がホルミル 基で保護されている場合が好ましく、 この場合、 さらに上記した保護、 修飾等を 受けていてもよい。
リガンドペプチドは塩であってもよく、 該塩としては、 生理学的に許容される 酸 (例、 無機酸、 有機酸) や塩基 (例、 アルカリ金属塩) 等との塩が用いられ、 とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。 このような塩としては、 例 えば、 無機酸 (例えば、 塩酸、 リン酸、 臭化水素酸、 硫酸) との塩、 あるいは有 機酸 (例えば、 酢酸、 ギ酸、 プロピオン酸、 フマル酸、 マレイン酸、 コハク酸、 酒石酸、 クェン酸、 リンゴ酸、 蓚酸、 安息香酸、 メタンスルホン酸、 ベンゼンス ルホン酸) との塩等が用いられる。
リガンドペプチドは、 前述したヒトゃ非ヒト温血動物の細胞または組織から公 知のポリぺプチドの精製方法によつて製造することもできるし、 後述のぺプチド 合成法に準じて製造することもできる。 ヒトゃ非ヒト哺乳動物の組織または細胞 から製造する場合、 ヒトゃ非ヒト哺乳動物の組織または細胞をホモジナイズした 後、 酸等で抽出を行ない、 得られた抽出液を逆相クロマトグラフィー、 イオン交 換クロマトグラフィー等のクロマトグラフィーを組み合わせることにより精製単 離することができる。
リガンドペプチドまたはそのアミド体の合成には、 通常市販のポリペプチド合
成用樹脂を用いることができる。 そのような樹脂としては、 例えば、 クロロメチ ル樹 J3旨、 ヒドロキシメチル樹脂、 ベンズヒドリルアミン樹 Ji旨、 アミノメチル榭 J3旨、 樹脂、 P AM樹脂、 4ーヒドロキシメチルメチルフエニルァセトアミドメチル樹 脂、 ポリアクリルアミド樹脂、 4一 ( 2 ' , 4 ' ージメトキシフエ二ル―ヒドロ キシメチル) フエノキシ樹脂、 4一 (2, , 4 ' ージメトキシフエ二ルー Fm o cアミノエチル) フエノキシ樹脂等をあげることができる。 このような樹脂を用 レ a—ァミノ基と側鎖官能基を適当に保護したアミノ酸を、 目的とするポリべ プチドの配列通りに、 公知の各種縮合方法に従い、 樹脂上で縮合させる。 反応の 最後に樹脂からポリペプチドを切り出すと同時に各種保護基を除去し、 さらに高 希釈溶液中で分子内ジスルフィド結合形成反応を実施し、 目的のポリペプチドま たはそれらのアミド体を取得する。
上記した保護アミノ酸の縮合に関しては、 ポリペプチド合成に使用できる各種 活性化試薬を用いることができるが、 特に、 カルポジイミド類がよい。 カルポジ イミド類としては、 D C C、 N, N ' —ジイソプロピルカルポジイミド、 N—ェ チル— N ' — (3—ジメチルァミノプロリル) カルポジイミド等が用いられる。 これらによる活性化にはラセミ化抑制添加剤 (例えば、 HO B t、 HO O B t ) とともに保護アミノ酸を直接樹脂に添加するかまたは、 対応する酸無水物または HO B tエステルあるいは H O O B tエステルとしてあらかじめ保護アミノ酸の 活性化を行なった後に樹脂に添加することができる。
保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用いられる溶媒としては、 ポリべプチ ド縮合反応に使用しうることが知られている溶媒から適宜選択されうる。 例えば、 N, N—ジメチルホルムアミド、 N, N—ジメチルァセトアミド、 N—メチルピ 口リドン等の酸アミド類、 塩化メチレン、 クロ口ホルム等のハロゲン化炭化水素 類、 トリフルォロエタノール等のアルコール類、 ジメチルスルホキシド等のスル ホキシド類、 ピリジン, ジォキサン, テトラヒドロフラン等のェ一テル類、 ァセ トニトリル、 プロピオ二トリル等の二トリル類、 酢酸メチル、 酢酸ェチル等のェ ステル類あるいはこれらの適宜の混合物等が用いられる。 反応温度はポリべプチ ド結合形成反応に使用され得ることが知られている範囲から適宜選択され、 通常
約— 2 0〜5 0 °Cの範囲から適宜選択される。 活性化されたアミノ酸誘導体は通 常 1 . 5〜4倍過剰で用いられる。 ニンヒドリン反応を用いたテストの結果、 縮 合が不十分な場合には保護基の脱離を行なうことなく縮合反応を繰り返すことに より十分な縮合を行なうことができる。 反応を繰り返しても十分な縮合が得られ ないときには、 無水酢酸またはァセチルイミダゾールを用いて未反応アミノ酸を ァセチル化することによって、 後の反応に影響を与えないようにすることができ る。
原料のァミノ基の保護基としては、 例えば、 Z、 B o c、 t—ペンチルォキシ カルボニル、 イソポルニルォキシカルボニル、 4—メトキシベンジルォキシカル ポニル、 C 1 一 Z、 B r— Z、 ァダマンチルォキシカルボニル、 トリフルォロア セチル、 フタロイル、 ホルミル、 2—二トロフエニルスルフエ二ル、 ジフエニル ホスフイノチオイル、 Fm o c等が用いられる。
力ルポキシル基は、 例えば、 アルキルエステル化 (例えば、 メチル、 ェチル、 プロピル、 ブチル、 t—ブチル、 シクロペンチル、 シクロへキシル、 シクロヘプ チル、 シクロォクチル、 2—ァダマンチル等の直鎖状、 分枝状もしくは環状アル キルエステル化) 、 ァラルキルエステル化 (例えば、 ベンジルエステル、 4一二 トロべンジルエステル、 4ーメトキシベンジルエステル、 4一クロ口ベンジルェ ステル、 ベンズヒドリルエステル化) 、 フエナシルエステル化、 ベンジルォキシ カルボニルヒドラジド化、 t—ブトキシカルボニルヒドラジド化、 トリチルヒド ラジド化等によって保護することができる。
セリンの水酸基は、 例えば、 エステル化またはエーテル化によって保護するこ とができる。 このエステル化に適する基としては、 例えば、 ァセチル基等の低級 (C ,_6) アルカノィル基、 ベンゾィル基等のァロイル基、 ベンジルォキシカルポ ニル基、 エトキシカルポニル基等の炭酸から誘導される基等が用いられる。 また、 エーテル化に適する基としては、 例えば、 ベンジル基、 テトラヒドロピラニル基、 t -ブチル基等である。
チロシンのフエノール性水酸基の保護基としては、 例えば、 B z 1、 C l 2— B z 2—二トロベンジル、 B r— Z、 t一ブチル等が用いられる。
ヒスチジンのイミダゾ一ルの保護基としては、 例えば、 T o s、 4ーメトキシ
- 2 , 3, 6—トリメチルベンゼンスルホニル、 D N P、 ベンジルォキシメチル、 B um、 B o c、 T r t、 F m o c等が用いられる。
原料のカルボキシル基の活性化されたものとしては、 例えば、 対応する酸無水 物、 アジド、 活性エステル 〔アルコール (例えば、 ペンタクロロフエノ一ル、 2, 4 , 5—トリクロ口フエクール、 2 , 4—ジニトロフエノール、 シァノメチルァ ルコール、 パラニトロフエノール、 H〇N B、 N—ヒドロキシスクシミド、 N— ヒドロキシフ夕ルイミド、 H O B t ) とのエステル〕 等が用いられる。
原料のァミノ基の活性化されたものとしては、 例えば、 対応するリン酸アミド が用いられる。
保護基の除去 (脱離) 方法としては、 例えば、 P d—黒あるいは P d—炭素等 の触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、 また、 無水フッ化水素、 メタン スルホン酸、 トリフルォロメ夕ンスルホン酸、 トリフルォロ酢酸あるいはこれら の混合液等による酸処理や、 ジイソプロピル:!:チルァミン、 トリェチルァミン、 ピぺリジン、 ピぺラジン等による塩基処理、 また液体アンモニア中ナトリウムに よる還元等も用いられる。 上記酸処理による脱離反応は、 一般に約— 2 0〜4 o °cの温度で行なわれるが、 酸処理においては、 例えば、 ァニソール、 フエノー ル、 チオアニソ一ル、 メタクレゾール、 パラクレゾ一ル、 ジメチルスルフイド、
1, 4一ブタンジチオール、 1, 2—エタンジチオール等のようなカチオン捕捉 剤の添加が有効である。 また、 ヒスチジンのイミダゾ一ル保護基として用いられ る 2, 4ージニトロフエニル基はチォフエノール処理により除去され、 トリプト ファンのィンドール保護基として用いられるホルミル基は上記の 1 , 2—ェタン ジチオール、 1, 4—ブタンジチオール等の存在下の酸処理による脱保護以外に、 希水酸化ナトリゥム溶液、 希アンモニア等によるアル力リ処理によっても除去さ れる。
原料の反応に関与すべきでない官能基の保護ならびに保護基、 およびその保護 基の脱離、 反応に関与する官能基の活性化等は公知の基または公知の手段から適 宜選択しうる。
リガンドペプチドのアミド体を得る別の方法としては、 例えば、 まず、 カルボ キシ末端アミノ酸の α—力ルポキシル基をアミド化して保護した後、 アミノ基側
にペプチド (ポリペプチド) 鎖を所望の鎖長まで延ばした後、 該ペプチド鎖の N 末端の α—アミノ基の保護基のみを除いたポリぺプチドと C末端の力ルポキシル 基の保護基のみを除去したポリぺプチドとを製造し、 この両ポリぺプチドを上記 したような混合溶媒中で縮合させる。 縮合反応の詳細については上記と同様であ る。 縮合により得られた保護ポリペプチドを精製した後、 上記方法によりすベて の保護基を除去し、 所望の粗ポリペプチドを得ることができる。 この粗ポリぺプ チドは既知の各種精製手段を駆使して精製し、 主要画分を凍結乾燥することで所 望のリガンドぺプチドのアミド体を得ることができる。
リガンドペプチドのエステル体を得るには、 例えば、 カルポキシ末端アミノ酸 の Q!—力ルポキシル基を所望のアルコール類と縮合しアミノ酸エステルとした後、 リガンドペプチドのアミド体と同様にして、 所望のポリペプチドのエステル体を 得ることができる。
リガンドぺプチドは、 公知のぺプチドの合成法に従つても製造することができ る。 ペプチドの合成法としては、 例えば、 固相合成法、 液相合成法のいずれによ つても良い。 すなわち、 リガンドペプチドを構成し得る部分ペプチドもしくはァ ミノ酸と残余部分とを縮合させ、 生成物が保護基を有する場合は保護基を脱離す ることにより目的のぺプチドを製造することができる。 公知の縮合方法や保護基 の脱離としては、 例えば、 以下の (i ) 〜 (V) に記載された方法などが挙げられ る。
(i) M. Bodanszkyおよび M. A. Ondet t K ペプチド ·シンセシス (Pept ide Synthes is) , Intersc ience Publ ishers, New York (1966年)、
(i i) Schroederおよび Luebke、 ザ ·ペプチド(The Pept ide), Academic Press, New York (1965年)、
(i i i) 泉屋信夫他、 ペプチド合成の基礎と実験、 丸善 (株) (1975年) 、 (iv) 矢島治明 および榊原俊平、 生化学実験講座 1、 タンパク質の化学 IV、
205、 (1977年)、 および
(v) 矢島治明監修、 続医薬品の開発、 第 14巻、 ペプチド合成、 広川書店。
また、 反応後は通常の精製法、 例えば、 溶媒抽出 ·蒸留 ·カラムクロマトダラ フィ一.液体クロマトグラフィー ·再結晶等を組み合わせて本発明のポリべプチ
ド、 本発明の部分ペプチドを精製単離することができる。 上記方法で得られるポ リペプチドが遊離体である場合は、 公知の方法あるいはそれに準じる方法によつ て適当な塩に変換することができるし、 逆に塩で得られた場合は、 公知の方法あ るいはそれに準じる方法によって遊離体または他の塩に変換することができる。 リガンドペプチドに対する抗体は、 本発明の T G R 2 5に対する抗体と同様に して製造することができる。
リガンド、 T G R 2 5、 T G R 2 5をコードする D NA (以下、 本発明の D N Aと略記する場合がある) 、 リガンドペプチドまたは T G R 2 5に対する抗体 (以下、 本発明の抗体と略記する場合がある) 、 本発明の D NAに対するアンチ センス D NA (以下、 本発明のアンチセンス D NAと略記する場合がある) の用 途について以下に記述する。
( 1 ) 本発明の TGR 2 5の機能不全に関連する疾患の予防 ·治療剤
リガンドもしくは T G R 2 5またはそれをコ一ドするポリヌクレオチド (例、 D NA等) などに異常が生じたり、 欠損している場合あるいは発現量が異常に減 少している場合、 例えば、 白血球減少症、 白血病、 リンパ腫、 悪性腫瘍、 潰瘍性 大腸炎、 慢性関節リウマチ、 炎症性腸疾患、 扁桃腺疾患、 膠原病、 炎症性疾患、 白血球増多症、 心不全、 遺伝性筋疾患、 筋ジストロフィー、 筋変性疾患、 心筋梗 塞、 肥満、 糖尿病、 高脂血症、 動脈硬化症、 メタポリックシンドローム、 血小板 減少症、 血小板増加症、 癌 (例、 脳腫瘍、 下垂体腺腫、 神経膠腫、 聴神経鞘腫、 咽頭癌、 喉頭癌、 舌癌、 胸腺腫、 中皮腫、 乳癌、 肺癌、 非小細胞肺癌、 小細胞肺 癌、 胃癌、 食道癌、 大腸癌、 結腸癌、 直腸癌、 肝臓癌、 肝細胞癌、 勝癌、 滕内分 泌腫瘍、 胆管癌、 胆嚢癌、 陰茎癌、 腎臓癌、 腎盂癌、 尿管癌、 腎細胞癌、 精巣腫 瘍、 前立腺窟、 膀胱癌、 外陰癌、 子宮癌、 子宮類部癌、 子宮体部癌、 子宮肉腫、 絨毛性疾患、 膣癌、 卵巣癌、 卵巣胚細胞腫瘍、 皮膚癌、 悪性黒色腫、 菌状息肉症、 基底細胞腫、 軟部肉腫、 悪性リンパ腫、 ホジキン病、 骨髄異形成症候群、 多発性 骨髄腫、 白血病、 急性骨髄性白血病、 慢性骨髄性白血病、 急性リンパ性白血病、 慢性リンパ性白血病、 成人 T細胞白血病、 慢性骨髄増殖性疾患、 滕内分泌腫瘍、 原発不明癌など) 、 肺水腫、 多臓器不全など、 好ましくは白血球減少症、 白血病、
リンパ腫、 悪性腫瘍、 潰瘍性大腸炎、 慢性関節リウマチ、 炎症性腸疾患、 扁桃腺 疾患、 膠原病、 炎症性疾患などの種々の疾病が発症する。
したがって、 生体内においてリガンドまたは TGR 25が減少しているために、 リガンドの生理作用が期待できない (リガンドまたは TGR25の欠乏症) 患者 がいる場合に、 a) リガンドまたは TGR25を該患者に投与し、 リガンドまた は TGR 25の量を補充したり、 b) (i) TGR 25をコードする DNAを該 患者に投与し発現させることによって、 あるいは (ii) 対象となる細胞に TGR 25をコードする DNAを挿入し発現させた後に、 該細胞を該患者に移植するこ となどによって、 患者の体内におけるリガンドまたは TGR 25の量を増加させ、 リガンドの作用を充分に発揮させることができる。
すなわち、 a) リガンド、 b) TGR25または c) TGR25をコードする DNAを、 リガンドまたは TGR25の機能不全に関連する疾患の予防 ·治療剤 などの医薬として使用することができる。
具体的には、 リガンド、 TGR25または本発明の DNAは、 例えば、 白血球 減少症、 白血病、 リンパ腫、 悪性腫瘍、 潰瘍性大腸炎、 慢性関節リウマチ、 炎症 性腸疾患、 扁桃腺疾患、 膠原病、 炎症性疾患、 白血球増多症、 心不全、 遺伝性筋 疾患、 筋ジストロフィー、 筋変性疾患、 心筋梗塞、 肥満、 糖尿病、 高脂血症、 動 脈硬化症、 メタボリックシンドローム、 血小板減少症、 血小板増加症、 癌 (例、 脳腫瘍、.下垂体腺腫、 神経膠腫、 聴神経鞘腫、 咽頭癌、 喉頭癌、 舌癌、 胸腺腫、 中皮腫、 乳癌、 肺癌、 非小細胞肺癌、 小細胞肺癌、 胃癌、 食道癌、 大腸癌、 結腸 癌、 直腸癌、 肝臓癌、 肝細胞癌、 滕癌、 塍内分泌腫瘍、 胆管癌、 胆嚢癌、 陰茎癌、 腎臓癌、 腎盂癌、 尿管癌、 腎細胞癌、 精巣腫瘍、 前立腺癌、 膀胱癌、 外陰癌、 子 宮癌、 子宮顇部癌、 子宮体部癥、 子宮肉腫、 絨毛性疾患、 磨癌、 卵巣癌、—卵巣胚 細胞腫瘍、 皮膚癌、 悪性黒色腫、 菌状息肉症、 基底細胞腫、 軟部肉腫、 悪性リン パ腫、 ホジキン病、 骨髄異形成症候群、 多発性骨髄腫、 白血病、 急性骨髄性白血 病、 慢性骨髄性白血病、 急性リンパ性白血病、 慢性リンパ性白血病、 成人 T細胞 白血病、 慢性骨髄増殖性疾患、 塍内分泌腫瘍、 原発不明癌など) 、 肺水腫、 多臓 器不全など、 好ましくは白血球減少症、 白血病、 リンパ腫、 悪性腫瘍、 潰瘍性大 腸炎、 慢性関節リウマチ、 炎症性腸疾患、 扁桃腺疾患、 膠原病、 炎症性疾患など
の予防 ·治療剤として、 低毒性で安全な医薬として使用することができる。
リガンドまたは T G R 2 5を上記予防 ·治療剤として使用する場合は、 常套手 段に従って製剤化することができる。
一方、 本発明の D NAを上記予防 ·治療剤として使用する場合は、 本発明の D NAを単独あるいはレト fclウィルスベクター、 アデノウイルスベクタ一、 アデノ ウィルスァゾシェ一テッドウィルスベクターなどの適当なベクターに挿入した後、 常套手段に従って実施することができる。 本発明の D N Aは、 そのままで、 ある いは摂取促進のための補助剤とともに、 遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルのよ うなカテーテルによって投与できる。 . 例えば、 a ) リガンド、 b ) T G R 2 5または c ) 本発明の D NAは、 必要に 応じて糖衣を施した錠剤、 カプセル剤、 エリキシル剤、 マイクロカプセル剤など として経口的に、 あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌 性溶液、 または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に使用できる。 例えば、 a ) リガンド、 b ) T G R 2 5または c ) 本発明の D NAを生理学的に認められ る公知の担体、 香味剤、 賦形剤、 べヒクル、 防腐剤、 安定剤、 結合剤などととも に一般に認められた製剤実施に要求される単位用量形態で混和することによって 製造することができる。 これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当 な容量が得られるようにするものである。
錠剤、 カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、 例えば、 ゼラ チン、 コーンスターチ、 トラガント、 アラビアゴムのような結合剤、 結晶性セル ロースのような賦形剤、 コーンスターチ、 ゼラチン、 アルギン酸などのような膨 化剤、 ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、 ショ糖、 乳糖またはサッカリ ンのような甘味剤、 ペパーミント、 ァカモノ油またはチェリーのような香味剤な どが用いられる。 調剤単位形態がカプセルである場合には、 上記タイプの材料に さらに油脂のような液状担体を含有することができる。 注射のための無菌組成物 は注射用水のようなべヒクル中の活性物質、 胡麻油、 椰子油などのような天然産 出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って処方するこ とができる。 注射用の水性液としては、 例えば、 生理食塩水、 ブドウ糖やその他 の補助薬を含む等張液 (例えば、 D—ソルビトール、 D—マンニトール、 塩化ナ
トリウムなど) などが用いられ、 適当な溶解補助剤、 例えば、 アルコール (例、 エタノール) 、 ポリアルコール (例、 プロピレングリコール、 ポリエチレンダリ コール) 、 非イオン性界面活性剤 (例、 ポリソルベート 80™、 HCO-50) などと併用してもよい。 油性液としては、 例えば、 ゴマ油、 大豆油などが用いら れ、 溶解補助剤である安息香酸ベンジル、 ベンジルアルコールなどと併用しても よい。
また、 上記予防 ·治療剤は、 例えば、 緩衝剤 (例えば、 リン酸塩緩衝液、 酢酸 ナトリウム緩衝液) 、 無痛化剤 (例えば、 塩化ベンザルコニゥム、 塩酸プロカイ ンなど) 、 安定剤 (例えば、 ヒト血清アルブミン、 ポリエチレングリコールな ど) 、 保存剤 (例えば、 ベンジルアルコール、 フエノールなど) 、 酸化防止剤な どと配合してもよい。 調製された注射液は通常、 適当なアンプルに充填される。 このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒトやその 他の哺乳動物 (ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サ ルなど) に対して投与することができる。
例えば、 リガンドの投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによ り差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に例えば、 白血球減少症患者 (体重 6 0 kgとして) においては、 一日につき約 0.1〜100mg、 好ましくは約 1. 0〜50mg、 より好ましくは約 1. 0〜20mgである。 非経口的に投与する 場合は、 _その 1回投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても 異なるが、 例えば、 注射剤の形では通常例えば、 白血球減少症患者 (体重 6 Ok gとして) においては、 一日につき約 0. 01〜30mg程度、 好ましくは約 0. l〜20mg程度、 より好ましくは約 0. 1〜1 Omg程度を静脈注射により投 与するのが好都合である。 他の動物の場合も、 体重 6 Okg当たりに換算した量 を投与することができる。
本発明の DN Aの投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などにより 差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に例えば、 白血球減少症患者 (体重 60 kgとして) においては、 一日につき約 0.1〜10 Omg、 好ましくは約 1. 0〜50mg、 より好ましくは約 1. 0〜20mgである。 非経口的に投与する 場合は、 その 1回投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても
異なるが、 例えば、 注射剤の形では通常例えば、 白血球減少症患者 (体重 6 O k gとして) においては、 一日につき約 0. 01〜30mg程度、 好ましくは約 0. l〜20mg程度、 より好ましくは約 0. 1〜1 Omg程度を静脈注射により投 与するのが好都合である。 他の動物の場合も、 体重 60 kg当たりに換算した量 を投与することができる。'
(2) 遣伝子診断剤
本発明の DNAおよびアンチセンス DNAは、 プローブとして使用することに より、 ヒトまたはその他の哺乳動物 (ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) における本発明の TGR 25またはその部分ぺプ チドをコードする DNAまたは mRNAの異常 (遺伝子異常) を検出することが できるので、 例えば、 該 DNAまたは mRNAの損傷、 突然変異あるいは発現低 下や、 該 D N Aまたは m R N Aの増加あるいは発現過多などの遺伝子診断剤とし て有用である。
本発明の DNAまたはアンチセンス DNAを用いる上記の遺伝子診断は、 例え ば、 公知のノーザンハイブリダィゼーシヨンや PCR— S S CP法 (Genomics, 第 5巻, 874〜879頁(1989年)、 Proceedings of the National Academy of
Sciences of the United States of America,第 86卷, 2766〜2770頁(1989年))な どにより実施することができる。
例えば、 ノーザンハイプリダイゼーションにより TGR 25の発現低下が検出 された場合や PCR— SSCP法により DNAの突然変異が検出された場合は、 例えば、 白血球減少症、 白血病、 リンパ腫、 悪性腫瘍、 潰瘍性大腸炎、 慢性関節 リウマチ、 炎症性腸疾患、 扁桃腺疾患、 膠原病、 炎症性疾患、 白血球増多症、 心 不全、 遺伝性筋疾患、 筋ジストロフィー、 筋変性疾患、 心筋梗塞、 肥満、 糖尿病、 高脂血症、 動脈硬化症、 メタボリックシンドローム、 血小板減少症、 血小板増加 症、 癌 (例、 脳腫瘍、 下垂体腺腫、 神経膠腫、 聴神経鞘腫、 咽頭癌、 喉頭癌、 舌 癌、 胸腺腫、 中皮腫、 乳癌、 肺癌、 非小細胞肺癌、 小細胞肺癌、 胃癌、 食道癌、 大腸癌、 結腸癌、 直腸癌、 肝臓癌、 肝細胞癌、 滕癌、 塍内分泌腫瘍、 胆管癌、 胆 嚢癌、 陰茎癌、 腎臓癌、 腎盂癌、 尿管癌、 腎細胞癌、 精巣腫瘍、 前立腺癌、 膀胱
癌、 外陰癌、 子宮癌、 子宮顏部癌、 子宮体部癌、 子宮肉腫、 絨毛性疾患、 膣癌、 卵巣癌、 卵巣胚細胞腫瘍、 皮膚癌、 悪性黒色腫、 菌状息肉症、 基底細胞腫、 軟部 肉腫、 悪性リンパ腫、 ホジキン病、 骨髄異形成症候群、 多発性骨髄腫、 白血病、 急性骨髄性白血病、 慢性骨髄性白血病、 急性リンパ性白血病、 慢性リンパ性白血 病、 成人 T細胞白血病、 慢性骨髄増殖性疾患、 滕内分泌腫瘍、 原発不明癌など) 、 肺水腫、 多臓器不全など、 好ましくは白血球減少症、 白血病、 リンパ腫、 悪性腫 瘍、 潰瘍性大腸炎、 慢性関節リウマチ、 炎症性腸疾患、 扁桃腺疾患、 膠原病、 炎 症性疾患などの疾病である、 または将来罹患する可能性が高いと診断することが できる。
一方、 例えば、 ノ一ザンハイブリダィゼ一シヨンにより T G R 2 5の発現過剰 が検出された場合は、 例えば、 白血球減少症、 白血病、 リンパ腫、 悪性腫瘍、 潰 瘍性大腸炎、 慢性関節リウマチ、 炎症性腸疾患、 扁桃腺疾患、 膠原病、 炎症性疾 患、 白血球増多症、 心不全、 遺伝性筋疾患、 筋ジストロフィー、 筋変性疾患、 心 筋梗塞、 肥満、 糖尿病、 高脂血症、 動脈硬化症、 メタボリックシンドローム、 血 小板減少症、 血小板増加症、 癌 (例、 脳腫瘍、 下垂体腺腫、 神経膠腫、 聴神経鞘 腫、 咽頭癌、 喉頭癌、 舌癌、 胸腺腫、 中皮腫、 乳癌、 肺癌、 非小細胞肺癌、 小細 胞肺癌、 胃癌、 食道癌、 大腸癌、 結腸癌、 直腸癌、 肝臓癌、 肝細胞癌、 塍癌、 滕 内分泌腫瘍、 胆管癌、 胆嚢癌、 陰茎癌、 腎臓癌、 腎盂癌、 尿管癌、 腎細胞瘟、 精 巣腫瘍、.前立腺癌、 膀胱癌、 外陰癌、 子宮癌、 子宮類部癌、 子宮体部癌、 子宮肉 腫、 絨毛性疾患、 膣癌、 卵巣癌、 卵巣胚細胞腫瘍、 皮膚癌、 悪性黒色腫、 菌状息 肉症、 基底細胞腫、 軟部肉腫、 悪性リンパ腫、 ホジキン病、 骨髄異形成症候群、 多発性骨髄腫、 白血病、 急性骨髄性白血病、 慢性骨髄性白血病、 急性リンパ性白 血病、 慢性リンパ性白血病、 成人 T細胞白血病、 慢性骨髄増殖性疾患、 塍内分泌 腫瘍、 原発不明癌など) 、 肺水腫、 多臓器不全など、 好ましくは白血球增多症な どの疾病である、 または将来罹患する可能性が高いと診断することができる。
( 3 ) 本発明の TGR 2 5の発現量を変化させる化合物またはその塩を含有す る医薬
本発明の D NAは、 プローブとして用いることにより、 本発明の T G R 2 5の
発現量を変化させる化合物またはその塩のスクリーニングに用いることができる。 すなわち、 本発明は、 例えば、 (i) 非ヒト哺乳動物の a) 血液、 b) 特定の 臓器、 c) 臓器から単離した組織もしくは細胞、 または (ii) 形質転換体等に含 まれる本発明の TGR 2,5の mRNA量を測定することによる、 本発明の TGR 25の発現量を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。 本発明の TGR 25の mRNA量の測定は具体的には以下のようにして行なう。
(i) 正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物 (マウス、 ラット、 ゥサギ、 ヒ ッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど、 より具体的にはアルツハイマー病モ デルラット、 マウス、 ゥサギなど) に対して、 薬剤 (例えば、 免疫調節薬など) あるいは物理的ストレス (例えば、 浸水ス卜レス、 電気ショック、 明暗、 低温な ど) などを与え、 一定時間経過した後に、 血液、 あるいは特定の臓器 (例えば、 脳、 肝臓、 腎臓など) 、 または臓器から単離した組織、 あるいは細胞を得る。 得 られた細胞に含まれる本発明の TGR 25の mRNAは、 例えば、 通常の方法に より細胞等から mRNAを抽出し、 例えば、 TaqMan PCRなどの手法を 用いることにより定量することができ、 公知の手段によりノーザンプロットを行 うことにより解析することもできる。
(ii) 本発明の TGR 25を発現する形質転換体を上記の方法に従い作製し、 該形質転換体に含まれる本発明の TGR 25の mRNAを同様にして定量、 解析 することができる。
本発明の TGR 25の発現量を変化させる化合物またはその塩のスクリーニン グは、
(i) 正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物に対して、 薬剤あるいは物理的 ストレスなどを与える一定時間前 (30分前〜 24時間前、 好ましくは 30分前 〜 12時間前、 より好ましくは 1時間前〜 6時間前) もしくは一定時間後 (30 分後〜 3日後、 好ましくは 1時間後〜 2日後、 より好ましくは 1時間後〜 24時 '間後) 、 または薬剤あるいは物理的ストレスと同時に試験化合物を投与し、 投与 後一定時間経過後 (30分後〜 3日後、 好ましくは 1時間後〜 2日後、 より好ま しくは 1時間後〜 24時間後) 、 細胞に含まれる本発明の TGR 25の mRNA 量を定量、 解析することにより行なうことができ、
(i i) 形質転換体を常法に従い培養する際に試験化合物を培地中に混合させ、 一定時間培養後 (1日後〜 7日後、 好ましくは 1日後〜 3日後、 より好ましくは 2日後〜 3日後) 、 該形質転換体に含まれる本発明の T G R 2 5の mR NA量を 定量、 解析することにより行なうことができる。
試験化合物としては、 锎えば、 ペプチド、 タンパク質、 抗体、 非ペプチド性化 合物、 合成化合物、 発酵生産物、 細胞抽出液、 植物抽出液、 動物組織抽出液、 血 漿などが用いられ、 これら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公知の化合 物であってもよい。 試験化合物は塩を形成していてもよく、 試験化合物の塩とし ては、 生理学的に許容される金属塩、 アンモニゥム塩、 有機塩基との塩、 無機酸 との塩、 有機酸との塩、 塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。 金 属塩の好適な例としては、 例えばナトリウム塩、 カリウム塩などのアルカリ金属 塩;カルシウム塩、 マグネシウム塩、 バリウム塩などのアルカリ土類金属塩;ァ ルミニゥム塩などが挙げられる。 有機塩基との塩の好適な例としては、 例えばト リメチルァミン、 トリェチルァミン、 ピリジン、 ピコリン、 2, 6—ルチジン、 エタノールァミン、 ジエタノールァミン、 トリエタノールァミン、 シクロへキシ どとの塩が挙げられる。 無機酸との塩の好適な例としては、 例えば塩酸、. 臭ィ匕水 素酸、 硝酸、 硫酸、 リン酸などとの塩が挙げられる。 有機酸との塩の好適な例と しては、.例えばギ酸、 酢酸、 トリフルォロ酢酸、 フタル酸、 フマル酸、 シユウ酸、 酒石酸、 マレイン酸、 クェン酸、 コハク酸、 リンゴ酸、 メタンスルホン酸、 ベン ゼンスルホン酸、 P—トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。 塩基性アミ ノ酸との塩の好適な例としては、 例えばアルギニン、 リジン、 オル二チンなどと の塩が挙げられ、 酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、 例えばァスパラギン 酸、 グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物は、 本発明の T G R 2 5 の発現量を変化させる作用を有する化合物であり、 具体的には、 (a) 本発明の T G R 2 5の発現量を増加させることにより、 T G R 2 5を介する細胞刺激活性 (例、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 C a 2+遊離、 細胞内 c A M P生成、 細胞内 C AM P産生抑制、 細胞内 c GM P生成、 イノシト一ルリン酸
産生、 細胞膜電位変動、 細胞内蛋白質のリン酸化、 c— f o sの活性化、 p Hの 低下、 GT P r S結合活性、 c AMP依存性プロテインキナーゼの活性化、 c G M P依存性プロティンキナーゼの活性化、 リン脂質依存性プロティンキナーゼの 活性化、 マイトジェン活性化蛋白質リン酸化酵素 (MA Pキナーゼ) の活性化な どを促進する活性、 T G 2 5細胞内移行活性、 血清応答因子の発現量変動活性 など) を増強させる化合物、 (b) 本発明の T G R 2 5の発現量を減少させるこ とにより、 該細胞刺激活性を減弱させる化合物である。
該化合物としては、 例えば、 ペプチド、 タンパク質、 抗体、 非ペプチド性化合 物、 合成化合物、 発酵生産物、 細胞抽出液、 植物抽出液、 動物組織抽出液、 血漿 などが挙げられ、 これら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公知の化合物 であってもよい。 該化合物の塩としては、 生理学的に許容される金属塩、 アンモ ニゥム塩、 有機塩基との塩、 無機酸との塩、 有機酸との塩、 塩基性または酸性ァ ミノ酸との塩などが挙げられる。 金属塩の好適な例としては、 例えばナトリウム 塩、 カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、 マグネシウム塩、 バリウ ム塩などのアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩などが挙げられる。 有機塩基と の塩の好適な例としては、 例えばトリメチルァミン、 トリェチルァミン、 ピリジ ン、 ピコリン、 2, 6—ルチジン、 エタノールァミン、 ジエタノールァミン、 ト リエ夕ノールァミン、 シクロへキシルァミン、 ジシクロへキシルァミン、 N, N 'ージベンジルエチレンジァミンなどとの塩が挙げられる。 無機酸との塩の好適 な例としては、 例えば塩酸、 臭化水素酸、 硝酸、 硫酸、 リン酸などとの塩が挙げ られる。 有機酸との塩の好適な例としては、 例えばギ酸、 酢酸、 トリフルォロ酢 酸、 フタル酸、 フマル酸、 シユウ酸、 酒石酸、 マレイン酸、 クェン酸、 コハク酸、 リンゴ酸、 メタンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸、 p—トルエンスルホン酸な どとの塩が挙げられる。 塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、 例えばアル ギニン、 リジン、 オル二チンなどとの塩が挙げられ、 酸性アミノ酸との塩の好適 な例としては、 例えばァスパラギン酸、 グルタミン酸などとの塩が挙げられる。 上記スクリーニング方法で得られる化合物は、
(i) 本発明の T GR 2 5の発現量を増加し、 本発明の T G R 2 5の機能不全に 関連する疾患を予防 ·治療する化合物、 例えば、 白血球減少症、 白血病、 リンパ
腫、 悪性腫瘍、 潰瘍性大腸炎、 慢性関節リウマチ、 炎症性腸疾患、 扁桃腺疾患、 膠原病、 炎症性疾患、 白血球増多症、 心不全、 遺伝性 疾患、 筋ジストロフィー、 筋変性疾患、 心筋梗塞、 肥満、 糖尿病、 高脂血症、 動脈硬化症、 メ夕ポリツクシ ンドローム、 血小板減少症、 血小板増加症、 癌 (例、 脳腫瘍、 下垂体腺腫、 神経 膠腫、 聴神経鞘腫、 咽頭癌、 喉頭癌、 舌癌、 胸腺腫、 中皮腫、 乳癌、 肺癌、 非小 細胞肺癌、 小細胞肺癌、 胃癌、 食道癌、 大腸癌、 結腸癌、 直腸癌、 肝臓癌、 肝細 胞癌、 塍癌、 塍内分泌腫瘍、 胆管癌、 胆嚢癌、 陰茎癌、 腎臓癌、 腎盂癌、 尿管癌、 腎細胞癌、 精巣腫瘍、 前立腺癌、 膀胱癌、 外陰癌、 子宮癌、 子宮顏部癌、 子宮体 部癌、 子宮肉腫、 絨毛性疾患、 膣癌、 卵巣癌、 卵巣胚細胞腫瘍、 皮膚癌、 悪性黒 色腫、 菌状息肉症、 基底細胞腫、 軟部肉腫、 悪性リンパ腫、 ホジキン病、 骨髄異 形成症候群、 多発性骨髄腫、 白血病、 急性骨髄性白血病、 慢性骨髄性白血病、 急 性リンパ性白血病、 慢性リンパ性白血病、 成人 T細胞白血病、 慢性骨髄増殖性疾 患、 滕内分泌腫瘍、 原発不明癌など) 、 肺水腫、 多臓器不全など、 好ましくは白 血球減少症、 白血病、 リンパ腫、 悪性腫瘍、 潰瘍性大腸炎、 慢性関節リウマチ、 炎症性腸疾患、 扁桃腺疾患、 膠原病、 炎症性疾患などの予防 ·治療作用を有する 化合物、 または
(i i) 本発明の T G R 2 5の発現量を減少させ、 本発明の T G R 2 5の発現過多 に起因する疾患、 例えば、 例えば、 白血球減少症、 白血病、 リンパ腫、 悪性腫瘍、 潰瘍性大腸炎、 慢性関節リウマチ、 炎症性腸疾患、 扁桃腺疾患、 膠原病、 炎症性 疾患、 白血球増多症、 心不全、 遺伝性筋疾患、 筋ジストロフィー、 筋変性疾患、 心筋梗塞、 肥満、 糖尿病、 高脂血症、 動脈硬化症、 メ夕ポリックシンドローム、 血小板減少症、 血小板増加症、 癌 (例、 脳腫瘍、 下垂体腺腫、 神経膠腫、 聴神経 鞘腫、 咽頭癌、 喉頭癌、 舌癌、 胸腺腫、 中皮腫、 乳癌、 肺癌、 非小細胞肺癌、 小 細胞肺癌、 胃癌、 食道癌、 大腸癌、 結腸癌、 直腸癌、 肝臓癌、 肝細胞癌、 塍癌、 塍内分泌腫瘍、 胆管癌、 胆嚢癌、 陰茎癌、 腎臓癌、 腎盂癌、 尿管癌、 腎細胞癌、 精巣腫瘍、 前立腺癌、 膀胱癌、 外陰癌、 子宮癌、 子宮顏部癌、 子宮体部癌、 子宮 肉腫、 絨毛性疾患、 膣癌、 卵巣癌、 卵巣胚細胞腫瘍、 皮膚癌、 悪性黒色腫、 菌状 息肉症、 基底細胞腫、 軟部肉腫、 悪性リンパ腫、 ホジキン病、 骨髄異形成症候群、 多発性骨髄腫、 白血病、 急性骨髄性白血病、 慢性骨髄性白血病、 急性リンパ性白
血病、 慢性リンパ性白血病、 成人 T細胞白血病、 慢性骨髄増殖性疾患、 塍内分泌 腫瘍、 原発不明癌など) 、 肺水腫、 多臓器不全など、 好ましくは白血球増多症な どの予防 ·治療作用を有する化合物、 白血球賦活作用を有する化合物などである。 したがって、 上記スクリーニング方法で得られる本発明の T G R 2 5の発現量. を増加する化合物またはその塩は、 例えば、 白血球減少症、 白血病、 リンパ腫、 悪性腫瘍、 潰瘍性大腸炎、 慢性関節リウマチ、 炎症性腸疾患、 扁桃腺疾患、 膠原 病、 炎症性疾患、 白血球増多症、 心不全、 遺伝性筋疾患、 筋ジストロフィー、 筋 変性疾患、 心筋梗塞、 肥満、 糖尿病、 高脂血症、 動脈硬化症、 メタポリックシン ドローム、 血小板減少症、 血小板増加症、 癌 (例、 脳腫瘍、 下垂体腺腫、 神経膠 腫、 聴神経鞘腫、 咽頭癌、 喉頭癌、 舌癌、 胸腺腫、 中皮腫、 乳癌、 肺癌、 非小細 胞肺癌、 小細胞肺癌、 胃癌、 食道癌、 大腸癌、 結腸癌、 直腸癌、 肝臓癌、 肝細胞 癌、 膝癌、 滕内分泌腫瘍、 胆管癌、 胆嚢癌、 陰茎癌、 腎臓癌、 腎盂癌、 尿管癌、 腎細胞癌、 精巣腫瘍、 前立腺癌、 膀胱癌、 外陰癌、 子宮癌、 子宮類部癌、 子宮体 部癌、 子宮肉腫、 絨毛性疾患、 膣癌、 卵巣癌、 卵巣胚細胞腫瘍、 皮膚癌、 悪性黒 色腫、 菌状息肉症、 基底細胞腫、 軟部肉腫、 悪性リンパ腫、 ホジキン病、 骨髄異 形成症候群、 多発性骨髄腫、 白血病、 急性骨髄性白血病、 慢性骨髄性白血病、 急 性リンパ性白血病、 慢性リンパ性白血病、 成人 T細胞白血病、 慢性骨髄増殖性疾 患、 塍内分泌腫瘍、 原発不明癌など) 、 肺水腫、 多臓器不全など、 好ましくは白 血球減少症、 白血病、 リンパ腫、 悪性腫瘍、 潰瘍性大腸炎、 慢性関節リウマチ、 炎症性腸疾患、 扁桃腺疾患、 膠原病、 炎症性疾患などの予防 ·治療剤として、 低 毒性で安全な医薬として使用することができる。
一方、 上記スクリーニング方法で得られる本発明の T G R 2 5の発現量を減少 させる化合物またはその塩は、 本発明の T G R 2 5の発現過多に起因する疾患、 例えば、 例えば、 白血球減少症、 白血病、 リンパ腫、 悪性腫瘍、 潰瘍性大腸炎、 慢性関節リウマチ、 炎症性腸疾患、 扁桃腺疾患、 膠原病、 炎症性疾患、 白血球増 多症、 心不全、 遺伝性筋疾患、 筋ジストロフィー、 筋変性疾患、 心筋梗塞、 肥満、 糖尿病、 高脂血症、 動脈硬化症、 メタポリックシンドローム; 血小板減少症、 血 小板増加症、 癌 (例、 脳腫瘍、 下垂体腺腫、 神経膠腫、 聴神経鞘腫、 咽頭癌、 喉 頭癌、 舌癌、 胸腺腫、 中皮腫、 乳癌、 肺癌、 非小細胞肺癌、 小細胞肺癌、 胃癌、
食道癌、 大腸癌、 結腸癌、 直腸癌、 肝臓癌、 肝細胞癌、 塍癌、 塍内分泌腫瘍、 胆 管癌、 胆嚢癌、 陰茎癌、 腎臓癌、 腎盂癌、 尿管癌、 腎細胞癌、 精巣腫瘍、 前立腺 癌、 膀胱癌、 外陰癌、 子宮癌、 子宮穎部癌、 子宮体部癌、 子宮肉腫、 絨毛性疾患、 膣癌、 卵巣癌、 卵巣胚細胞腫瘍、 皮膚癌、 悪性黒色腫、 菌状息肉症、 基底細胞腫、 軟部肉腫、 悪性リンパ腫、'ホジキン病、 骨髄異形成症候群、 多発性骨髄腫、 白血 病、 急性骨髄性白血病、 慢性骨髄性白血病、 急性リンパ性白血病、 慢性リンパ性 白血病、 成人 T細胞白血病、 慢性骨髄増殖性疾患、 塍内分泌腫瘍、 原発不明癌な ど) 、 肺水腫、 多臓器不全など、 好ましくは白血球増多症の予防 ·治療剤、 また は白血球賦活剤などとして、 低毒性で安全な医薬として使用することができる。 本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩を医薬組成 物として使用する場合、 常套手段に従つて製剤化することができる。
例えば、 該化合物は、 必要に応じて糖衣を施した錠剤、 カプセル剤、 エリキシ ル剤、 マイクロカプセル剤などとして経口的に、 あるいは水もしくはそれ以外の 薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、 または懸濁液剤などの注射剤の形で非経 口的に使用できる。 例えば、 該化合物を生理学的に認められる公知の担体、 香味 剤、 賦形剤、 べヒクル、 防腐剤、 安定剤、 結合剤などとともに一般に認められた 製剤実施に要求される単位用量形態で混和することによって製造することができ る。 これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な容量が得られるよ うにするものである。
錠剤、 カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、 例えば、 ゼラ チン、 コーンスターチ、 トラガント、 アラビアゴムのような結合剤、 結晶性セル ロースのような賦形剤、 コーンスターチ、 ゼラチン、 アルギン酸などのような膨 化剤、 ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、 ショ糖、 乳糖またはサッカリ ンのような甘味剤、 ペパーミント、 ァカモノ油またはチェリーのような香味剤な どが用いられる。 調剤単位形態がカプセルである場合には、 上記タイプの材料に さらに油脂のような液状担体を含有す'ることができる。 注射のための無菌組成物 は注射用水のようなべヒクル中の活性物質、 胡麻油、 椰子油などのような天然産 出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って処方するこ とができる。 注射用の水性液としては、 例えば、 生理食塩水、 ブドウ糖やその他
の補助薬を含む等張液 (例えば、 D—ソルビトール、 D—マンニトール、 塩化ナ トリウムなど) などが用いられ、 適当な溶解補助剤、 例えば、 アルコール (例、 エタノール) 、 ポリアルコール (例、 プロピレングリコール、 ポリエチレンダリ コール) 、 非イオン性界面活性剤 (例、 ポリソルベート 80™、 HCO-50) などと併用してもよい。 油性液としては、 例えば、 ゴマ油、 大豆油などが用いら れ、 溶解補助剤である安息香酸ベンジル、 ベンジルアルコールなどと併用しても よい。
また、 上記予防 '治療剤は、 例えば、 緩衝剤 (例えば、 リン酸塩緩衝液、 酢酸 ナトリウム緩衝液) 、 無痛化剤 (例えば、 塩化ベンザルコニゥム、 塩酸プロカイ ンなど) 、 安定剤 (例えば、 ヒト血清アルブミン、 ポリエチレングリコールな ど) 、 保存剤 (例えば、 ベンジルアルコール、 フエノールなど) 、 酸化防止剤な どと配合してもよい。 調製された注射液は通常、 適当なアンプルに充填される。 このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒトゃ哺乳 動物 (例えば、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サ ルなど) に対して投与することができる。
上記化合物またはその塩の投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法な どにより差異はあるが、 経口投与の場合、 例えば、 白血球減少症患者 (体重 60 kgとして) においては、 一日につき本発明の TGR 25の発現量を増加する化 合物を約 0.1〜100mg、 好ましくは約 1. 0〜50mg、 より好ましくは 約 1. 0〜2 Omgである。 非経口的に投与する場合は、 その 1回投与量は投与 対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても異なるが、 例えば、 注射剤の形 では通常例えば、 白血球減少症患者 (体重 6 Okgとして) においては、 一日に つき本発明の TGR25の発現量を増加する化合物を約 0. 01〜3 Omg程度、 好ましくは約 0. 1〜2 Omg程度、 より好ましくは約 0. l〜10mg程度を 静脈注射により投与するのが好都合である。 他の動物の場合も、 体重 60 k g当 たりに換算した量を投与することができる。
また、 経口投与の場合、 例えば、 白血球増多症患者 (体重 6 O kgとして) に おいては、 一日につき本発明の TGR25の発現量を減少する化合物を約 0.1 〜10 Omg、 好ましくは約 1. 0〜5 Omg、 より好ましくは約 1. 0〜20
mgである。 非経口的に投与する場合は、 その 1回投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても異なるが、 例えば、 注射剤の形では通常例えば、 白血球増多症患者 (体重 60 kgとして) においては、 一日につき本発明の TG R 25の発現量を減少する化合物を約 0. 01〜30mg程度、 好ましくは約 0. 1〜2 Omg程度、 より好ましくは約 0. 1〜1 Omg程度を静脈注射により投 与するのが好都合である。 他の動物の場合も、 体重 60 kg当たりに換算した量 を投与することができる。
(4) 本発明の抗体を用いる診断方法
リガンドぺプチドに対する抗体は、 本発明のリガンドぺプチドを特異的に認識 することができるので、 被検液中のリガンドぺプチドの検出や中和に使用するこ とができる。
本発明の TGR 25に対する抗体は、 本発明の TGR 25を特異的に認識する ことができるので、 被検液中の TGR25の検出や中和に使用することができる。 以下、 本発明の TGR 25に対する抗体を用いる TGR 25の定量法について 説明するが、 リガンドぺプチドに対する抗体を用いるリガンドぺプチドの定量法 も同様にして実施することができる。
すなわち、 本発明は、
( 本発明の抗体と、 被検液および標識化された TGR 25とを競合的に反応 させ、 該抗体に結合した標識化された TGR25の割合を測定することを特徴と する被検液中の TGR 25の定量法、 および
(ii) 被検液と担体上に不溶化した本発明の抗体および標識化された本発明の別 の抗体とを同時あるいは連続的に反応させたのち、 不溶化担体上の標識剤の活性 を測定することを特^:とする被検液中の TGR 25の定量法を提供する。
上記 (ii) の定量法においては、 一方の抗体が TGR 25の N端部を認識する 抗体で、 他方の抗体が TGR25の C端部に反応する抗体であることが望ましい。 また、 TGR25に対するモノクローナル抗体を用いて TGR 25の定量を行 うことができるほか、 組織染色等による検出を行なうこともできる。 これらの目 的には、 抗体分子そのものを用いてもよく、 また、 抗体分子の F(ab')2、 Fa
b '、 あるいは F a b画分を用いてもよい。
本発明の抗体を用いる T G R 2 5の定量法は、 特に制限されるべきものではな く、 被測定液中の抗原量 (例えば、 T G R 2 5量) に対応した抗体、 抗原もしく は抗体一抗原複合体の量を化学的または物理的手段により検出し、 これを既知量 の抗原を含む標準液を用^て作製した標準曲線より算出する測定法であれば、 い ずれの測定法を用いてもよい。 例えば、 ネフロメトリー、 競合法、 ィムノメトリ ック法およびサンドイッチ法が好適に用いられるが、 感度、 特異性の点で、 後述 するサンドイッチ法を用いるのが特に好ましい。
標識物質を用いる測定法に用いられる標識剤としては、 例えば、 放射性同位元 素、 酵素、 蛍光物質、 発光物質などが用いられる。 放射性同位元素としては、 例 えば、 〔125 1〕 、 〔131 1〕 、 〔 〕 、 〔14c〕 などが用いられる。 上記酵素とし ては、 安定で比活性の大きなものが好ましく、 例えば、 /3—ガラクトシダ一ゼ、 )3—ダルコシダーゼ、 アルカリフォスファターゼ、 パ一ォキシダ一ゼ、 リンゴ酸 脱水素酵素などが用いられる。 蛍光物質としては、 例えば、 フルォレスカミン、 フルォレツセンイソチオシァネートなどが用いられる。 発光物質としては、 例え ば、 ルミノール、 ルミノール誘導体、 ルシフェリン、 ルシゲニンなどが用いられ る。 さらに、 抗体あるいは抗原と標識剤との結合にピオチン一アビジン系を用い ることもできる。
抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、 物理吸着を用いてもよく、 また通常 T G R 2 5あるいは酵素等を不溶化、 固定化するのに用いられる化学結合を用いる 方法でもよい。 担体としては、 ァガロース、 デキストラン、 セルロースなどの不 溶性多糖類、 ポリスチレン、 ポリアクリルアミド、 シリコン等の合成樹脂、 ある いはガラス等があげられる。
サンドィツチ法においては不溶化した本発明のモノクローナル抗体に被検液を 反応させ (1次反応) 、 さらに標識化した別の本発明のモノクローナル抗体を反 応させ (2次反応) たのち、 不溶化担体上の標識剤の活性を測定するこ により 被検液中の本発明の T G R 2 5量を定量することができる。 1次反応と 2次反応 は逆の順序に行っても、 また、 同時に行なってもよいし時間をずらして行なって もよい。 標識化剤および不溶化の方法は前記のそれらに準じることができる。 ま
た、 サンドイッチ法による免疫測定法において、 固相用抗体あるいは標識用抗体 に用いられる抗体は必ずしも 1種類である必要はなく、 測定感度を向上させる等 の目的で 2種類以上の抗体の混合物を用いてもよい。
本発明のサンドイッチ法による T G R 2 5の測定法においては、 1次反応と 2 次反応に用いられる本発明のモノクローナル抗体は、 T G R 2 5の結合する部位 が相異なる抗体が好ましく用いられる。 すなわち、 1次反応および 2次反応に用 いられる抗体は、 例えば、 2次反応で用いられる抗体が、 T G R 2 5の C端部を 認識する場合、 1次反応で用いられる抗体は、 好ましくは C端部以外、 例えば N 端部を認識する抗体が用いられる。
本発明のモノクローナル抗体をサンドイッチ法以外の測定システム、 例えば、 競合法、 ィムノメトリック法あるいはネフロメトリーなどに用いることができる。 競合法では、 被検液中の抗原と標識抗原とを抗体に対して競合的に反応させた のち、 未反応の標識抗原(F) と、 抗体と結合した標識抗原 (B ) とを分離し (BZF分離) 、 B , Fいずれかの標識量を測定し、 被検液中の抗原量を定量す る。 本反応法には、 抗体として可溶性抗体を用い、 B /F分離をポリエチレング リコ一ル、 前記抗体に対する第 2抗体などを用いる液相法、 および、 第 1抗体と して固相化抗体を用いるか、 あるいは、 第 1抗体は可溶性のものを用い第 2抗体 として固相化抗体を用いる固相化法とが用いられる。
ィムノメトリック法では、 被検波中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識化抗 体に対して競合反応させた後固相と液相を分離するか、 あるいは、 被検液中の抗 原と過剰量の標識化抗体とを反応させ、 次に固相化抗原を加え未反応の標識化抗 体を固相に結合させたのち、 固相と液相を分離する。 次に、 いずれかの相の標識 量を測定し被検波中の抗原量を定量する。
また、 ネフロメトリーでは、 ゲル内あるいは溶液中で抗原抗体反応の結果生じ た不溶性の沈降物の量を測定する。 被検液中の抗原量が僅かであり、 少量の沈降 物しか得られない場合にもレ一ザ一の散乱を利用するレーザーネフロメトリーな どが好適に用いられる。
これら個々の免疫学的測定法を本発明の定量方法に適用するにあたっては、 特 別の条件、 操作等の設定は必要とされない。 それぞれの方法における通常の条件、
操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発明の T G R 2 5の測定系を構築 すればよい。 これらの一般的な技術手段の詳細については、 総説、 成書などを参 照することができる。
例えば、 入江 寛編 「ラジオィムノアツセィ」 (講談社、 昭和 4 9年発行) 、 入江 寛編 「続ラジオィ Λノアッセィ」 (講談社、 昭和 5 4年発行) 、 石川栄治 ら編 「酵素免疫測定法」 (医学書院、 昭和 5 3年発行) 、 石川栄治ら編 「酵素免 疫測定法」 (第 2版) (医学書院、 昭和 5 7年発行) 、 石川栄治ら編 「酵素免疫 測定法」 (第 3版) (医学書院、 昭和 6 2年発行) 、 ("Methods in
ENZYM0L0GY」 Vol . 70 (Immunochemical Techniques (Part A) ) , 同書 Vol . . 73 (I腿画 chemical Techniques (Part B))、 同書 Vol. 74 (Immunochemical Techniques (Part C))、 同書 Vol . 84 (Immunochemical Techniques (Part D : Selected Immunoassays)) , 同書 Vol. 92 (Immunochemical Techniques (Part E : Monoclonal Ant ibodies and General Immunoassay Methods))、 同書 Vol. 121 (Immunochemical Techniques (Part I : Hybridoma Technology and
Monoclonal Ant ibodies) ) (以上、 アカデミックプレス社発行)などを参照するこ とができる。
以上のようにして、 本発明の抗体を用いることによって、 本発明の T G R 2 5 を感度良く定量することができる。
さらには、 本発明の抗体を用いて T G R 2 5の濃度を定量することによって、 T G R 2 5の濃度の変化が検出された場合、 例えば、 例えば、 白血球減少症、 白 血病、 リンパ腫、 悪性腫瘍、 潰瘍性大腸炎、 慢性関節リウマチ、 炎症性腸疾患、 扁桃腺疾患、 膠原病、 炎症性疾患、 白血球増多症、 心不全、 遺伝性筋疾患、 筋ジ ストロフィー、 筋変性疾患、 心筋梗塞、 肥満、 糖尿病、 高脂血症、 動脈硬化症、 メタポリックシンドローム、 血小板減少症、 血小板増加症、 癌 (例、 脳腫瘍、 下 垂体腺腫、 神経膠腫、 聴神経鞘腫、 咽頭癌、 喉頭癌、 舌癌、 胸腺腫、 中皮腫、 乳 癌、 肺癌、 非小細胞肺癌、 小細胞肺癌、 胃癌、 食道癌、 大腸癌、 結腸癌、 直腸癌、 肝臓癌、 肝細胞癌、 脬癌、 塍内分泌腫瘍、 胆管癌、 胆嚢癌、 陰茎癌、 腎臓癌、 腎 盂癌、 尿管癌、 腎細胞癌、 精巣腫瘍、 前立腺癌、 膀胱癌、 外陰癌、 子宮癌、 子宮 頸部癌、 子宮体部癌、 子宮肉腫、 絨毛性疾患、 膣癌、 卵巣癌、 卵巣胚細胞腫瘍、
皮膚癌、 悪性黒色腫、 菌状息肉症、 基底細胞腫、 軟部肉腫、 悪性リンパ腫、 ホジ キン病、 骨髄異形成症候群、 多発性骨髄腫、 白血病、 急性骨髄性白血病、 慢性骨 髄性白血病、 急性リンパ性白血病、 慢性リンパ性白血病、 成人 T細胞白血病、 慢 性骨髄増殖性疾患、 塍内分泌腫瘍、 原発不明癌など) 、 肺水腫、 多臓器不全など の疾病である、 または将籴罹患する可能性が高いと診断することができる。
(5) TGR 25に対するァゴニストのスクリーニング方法
リガンドが TGR25に結合することによって、 血清応答因子遺伝子の発現上 昇、 TGR 25タンパク質の細胞内局在の変化が見られることから、 TGR25 は、 これらの変化を指標として TGR25に対する上記リガンド以外のァゴニス ト (天然リガンド、 合成リガンドを含む) を探索し、 または決定するための試薬 として有用である。
すなわち、 本発明は、 試験化合物を TGR 25を含有する細胞に接触させた場 、合における、 TGR25を介した細胞内 c AMP生成抑制活性を測定することを 特徴とする TGR25に対するァゴニストの決定方法を提供する。
試験化合物としては、 公知のリガンド (例えば、 アンギオテンシン、一ボンべシ ン、 カナピノイド、 コレシストキニン、 グルタミン、 セロトニン、 メラトニン、 ニューロペプチド Y、 ォピオイド、 プリン、 バソプレツシン、 ォキシトシン、 Ρ ACAP (例、 PACAP27, PACAP38) 、 セクレチン、 グルカゴン、 カルシトニン、 アドレノメジュリン、 ソマトス夕チン、 GHRH、 CRF、 AC TH、 GRP、 PTH、 VI P (バソアクティブ インテスティナル アンド リレイテッド ポリペプチド) 、 ソマトス夕チン、 ド一パミン、 モチリン、 アミ リン、 ブラジキニン、 CGRP (カルシトニンジ一ンリレーティッドペプチド) 、 ロイコトリェン、 パンクレアスタチン、 プロスタグランジン、 トロンポキサン、 アデノシン、 アドレナリン、 ケモカインスーパーファミリー (例、 IL— 8, G ROa, GROj3, GROr, NAP- 2, ENA- 78, GCP- 2, PF4, IP— 10, Mi g, PB S FZSDF— 1などの CXCケモカインサブフアミ リー; MCAF/MCP— 1, MCP-2, MCP— 3, MCP - 4, e o t a χ i n, RANTES, MI P— 1ひ、 MI P— 1 |8, HCC— 1, MI P— 3
a/LARC, MI P-3 i3/ELC, I一 309, TAR C, M I P F— 1 , M I PF— 2/e o t a x i n - 2, MDC, DC— CK1/PARC, SLC などの CCケモカインサブファミリ一; 1 ymp h o t a c t i nなどの Cケモ 力インサブファミリ一; f r a c t a 1 k i n eなどの C X 3 Cケモカインサブ ファミリ一等) 、 エンドセリン、 ェンテロガストリン、 ヒスタミン、 ニューロテ ンシン、 TRH、 パンクレアティックポリぺプ夕イド、 ガラニン、 リゾホスファ チジン酸 (LPA) 、 スフインゴシン 1一リン酸など) の他に、 例えば、 ヒトま たはその他の哺乳動物 (マウス、 ラット、 ブタ、 ゥシ、 ヒッジ、 サルなど) の組 織抽出物、 細胞培養上清、 低分子合成化合物などが用いられる。 例えば、 該組織 抽出物、 細胞培養上清などを TGR 25に添加し、 細胞刺激活性などを測定しな がら分画し、 最終的に単一のリガンドを得ることができる。
(6) 本発明の TGR25とリガンドとの結合性またはシグナル伝達を変化さ せる化合物またはその塩 (ァゴ二スト、 アンタゴニストなど) のスクリーニン グ方法、 および本発明の TGR25とリガンドとの結合性またはシグナル伝達 を変化させる化合物またはその塩を含有する医薬
本発明の TGR25を用いるか、 または組換え型 TGR25の発現系を構築し、 該発現系を用いたレセプ夕一結合アツセィ系を用いることによって、 リガンドと 本発明の TGR25との結合性を変化させる、 またはこの結合によって生じるシ グナル伝達を変化させる化合物 (例えば、 ペプチド、 タンパク質、 抗体、 非ぺプ チド性化合物、 合成化合物、 発酵生産物、 細胞抽出液、 植物抽出液、 動物組織抽 出液、 血漿など) またはその塩を効率よくスクリーニングすることができる。 このような化合物には、 (ィ) TGR 25を介して細胞刺激活性を有する化合 物 (いわゆる、 本発辆の TGR 25に対するァゴニスト) 、 (口) TGR25を 介する細胞刺激活性を阻害する化合物 (いわゆる、 本発明の TGR 25に対する アンタゴニスト) 、 (八) リガンドと本発明の TGR25との結合力を増強する 化合物、 あるいは (二) リガンドと本発明の TGR 25との結合力を減少させる 化合物などが含まれる。
細胞刺激活性としては、 例えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細
胞内 Ca2+遊離、 細胞内 cAM P生成、 細胞内 cAM P産生抑制、 細胞内 cGM P生成、 イノシトールリン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内蛋白質のリン酸化、 c— f o sの活性化、 pHの低下、 GTP T S結合活性、 c AMP依存性プロテ インキナーゼの活性化、 cGMP依存性プロテインキナーゼの活性化、 リン脂質 依存性プロティンキナーせの活性化、 マイトジェン活性化蛋白質リン酸化酵素 (MAPキナーゼ) の活性化、 血清応答因子遺伝子の発現上昇、 TGR25タン パク質の細胞内局在の変化などを促進する活性または抑制する活性などが挙げら れ、 なかでも、 血清応答因子の発現上昇活性が好ましい。
すなわち、 本発明は、 (i) 本発明の TGR25とリガンドとを接触させた場 合と (ii) 本発明の TGR25とリガンドおよび試験ィ匕合物とを接触させた場合 との比較を行なうことを特徴とするリガンドと本発明の TGR 25との結合性ま たはシグナル伝達を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供 する。
本発明のスクリーニング方法においては、 (i) と (ii) の場合における、 例 えば、 TGR25に対するリガンドの結合量、 細胞刺激活性などを測定して、 比 較することを特徴とする。
リガンドとしては、 前記したリガンドに代えて、 リガンドと本発明の TGR2 5との結合性を変化させる化合物またはその塩 (例えば、 低分子合成化合物、 好 ましくは低分子合成ァゴニスト) を用いることができる。 リガンドと本発明の T GR25との結合性を変化させる化合物またはその塩は、 後述するスクリーニン グ方法を用いて得ることができる。 本発明のスクリーニング方法においては、 こ れらリガンドと本発明の TGR25との結合性を変化させる化合物またはその塩 も含めてリガンドと称する。
より具体的には、 本 明は、
a) 標識したリガンドを、 本発明の TGR 25に接触させた場合と、 標識した リガンドおよび試験化合物を本発明の TGR 25に接触させた場合における、 標 識したリガンドの該 TGR25に対する結合量を測定し、 比較することを特徴と するリガンドと本発明の TGR25との結合性を変化させる化合物またはその塩 のスクリーニング方法、
b) 標識したリガンドを、 本発明の TGR 25を含有する細胞または該細胞の 膜画分に接触させた場合と、 標識したリガンドおよび試験化合物を本発明の TG R25を含有する細胞または該細胞の膜画分に接触させた場合における、 標識し たリガンドの該細胞または該膜画分に対する結合量を測定し、 比較することを特 徴とするリガンドと本発翻の TGR25との結合性を変化させる化合物またはそ の塩のスクリーニング方法、
c) 標識したリガンドを、 本発明の DNAを含有する形質転換体を培養するこ とによって細胞膜上に発現した TGR 25に接触させた場合と、 標識したリガン ドおよび試験化合物を本発明の DNAを含有する形質転換体を培養することによ つて細胞膜上に発現した本発明の TGR 25に接触させた場合における、 標識し たリガンドの該 TGR25に対する結合量を測定し、 比較することを特徴とする リガンドと本発明の TGR 25との結合性を変化させる化合物またはその塩のス クリーニング方法、
d) 本発明の TGR 25を活性化する化合物 (例えば、 本発明の TGR25に 対するリガンドなど) を本発明の TGR 25を含有する細胞に接触させた場合と、 本発明の TGR 25を活性化する化合物および試験化合物を本発明の TGR 25 を含有する細胞に接触させた場合における、 TGR25を介した細胞刺激活性を 測定し、 比較することを特徴とするリガンドと本発明の TGR 25との結合性ま たはシグナル伝達を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、 お„ょ. び
e) 本発明の TGR 25を活性化する化合物 (例えば、 本発明の TGR25に 対するリガンドなど) を本発明の D N Aを含有する形質転換体を培養することに よって細胞膜上に発現した本発明の TGR 25に接触させた場合と、 本発明の T GR25を活性化する化合物および試験化合物を本発明の DNAを含有する形質 転換体を培養することによって細胞膜上に発現した本発明の TGR25に接触さ せた場合における、 レセプ夕一タンパク質を介する細胞刺激活性を測定し、 比較 することを特徴とするリガンドと本発明の T G R 25との結合性またはシグナル 伝達を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
本発明のスクリーニング方法の具体的な説明を以下に記述する。
まず、 本 明のスクリーニング方法に用いる本発明の TGR 25としては、 上 記した本発明の TGR 25を含有するものであれば何れのものであってもよいが、 本発明の TGR25を含有する哺乳動物の臓器の細胞膜画分が好適である。 しか し、 特にヒト由来の臓器は入手が極めて困難なことから、 スクリ ニングに用い られるものとしては、 組換え体を用いて大量発現させたヒト由来の TGR 25な どが適している。
本発明の TGR 25を製造するには、 上記の方法が用いられるが、 本発明の D NAを哺乳細胞や昆虫細胞で発現することにより行なうことが好ましい。 目的と するタンパク質部分をコードする DNA断片には相補 DNAが用いられるが、 必 ずしもこれに制約されるものではない。 例えば、 遺伝子断片や合成 DNAを用い てもよい。 本発明の TGR25をコードする DNA断片を宿主動物細胞に導入し、 それらを効率よく発現させるためには、 該 DNA断片を昆虫を宿主とするパキュ ロウィルスに属する核多角体病ウィルス (nuclear polyhedrosis virus; NP V) のポリヘドリンプロモ一ター、 S V40由来のプロモ一夕一、 レトロウィル スのプロモーター、 メタ口チォネインプロモーター、 ヒトヒートショックプロモ 一夕一、 サイトメガロウィルスプロモ一夕一、 SR プロモータ一などの下流に 組み込むのが好ましい。 発現したレセプターの量と質の検査はそれ自体公知の方 法で行うことができる。 例えば、 文献 〔Nambi, P. ら、 ザ ·ジャーナル ·ォブ- バイオロジカル ·ケミストリ一 (J. Biol. Chem. ) , 267巻, 19555〜19559頁, 1992 年〕 に記載の方法に従って行なうことができる。
したがって、 本発明のスクリーニング方法において、 本発明の TGR25を含 有するものとしては、 公知の方法に従って精製した TGR 25であってもよいし、 該 TGR25を含有する細胞を用いてもよく、 また該 TGR25を含有する細胞 の膜画分を用いてもよい。
本発明のスクリーニング方法において、 本発明の TGR 25を含有する細胞を 用いる場合、 該細胞をダルタルアルデヒド、 ホルマリンなどで固定化してもよい。 固定化方法は公知の方法に従って行なうことができる。
本発明の TGR 25を含有する細胞としては、 該 TGR 25を発現した宿主細 胞をいうが、 該宿主細胞としては、 大腸菌、 枯草菌、 酵母、 昆虫細胞、 動物細胞
などが好ましい。
細胞膜画分としては、 細胞を破碎した後、 それ自体公知の方法で得られる細胞 膜が多く含まれる画分のことをいう。 細胞の破碎方法としては、 Potter—
Elvehjem型ホモジナイザーで細胞を押し潰す方法、 ヮ一リングブレンダ一やポリ トロン (Kinematica社製)'のよる破碎、 超音波による破碎、 フレンチプレスなど で加圧しながら細胞を細いノズルから噴出させることによる破碎などが挙げられ る。 細胞膜の分画には、 分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの遠心力によ る分画法が主として用いられる。 例えば、 細胞破碎液を低速 (500〜3000 r pm) で短時間 (通常、 約 1〜10分) 遠心し、 上清をさらに高速 (1500 0〜30000 r pm) で通常 30分〜 2時間遠心し、 得られる沈澱を膜画分と する。 該膜画分中には、 発現した TGR 25と細胞由来のリン脂質や膜タンパク 質などの膜成分が多く含まれる。
該 TGR25を含有する細胞や膜画分中の TGR 25の量は、 1細胞当たり 1 03〜108分子であるのが好ましく、 105〜107分子であるのが好適である。 なお、 発現量が多いほど膜画分当たりのリガンド結合活性 (比活性) が高くなり、 高感度なスクリーニング系の構築が可能になるばかりでなく、 同一ロットで大量 の試料を測定できるようになる。
リガンドと本発明の TGR 25との結合性またはシグナル伝達を変化させる化 合物をスクリーニングする上記の a) 〜c) を実施するためには、 例えば、 適当 な TGR25画分と、 標識したリガンドが必要である。 TGR25画分としては、 天然型の TGR25画分か、 またはそれと同等の活性を有する組換え型 TGR 2 5画分などが望ましい。 ここで、 同等の活性とは、 同等のリガンド結合活性、 シ グナル情報伝達作用などを示す。 標識したリガンドとしては、 例えば 〔3H〕 、 〔l25I〕 、 〔14C〕 、 〔35S〕 などで標識されたリガンドなどが用いられる。
具体的には、 リガンドと本発明の TGR25との結合性またはシグナル伝達を 変化させる化合物のスクリーニングを行なうには、 まず本発明の TGR25を含 有する細胞または細胞の膜画分を、 スクリーニングに適したバッファーに懸濁す ることにより TGR25標品を調製する。 バッファーには、 pH4〜10 (望ま しくは pH6〜8) のリン酸バッファ一、 トリス一塩酸バッファ一などのリガン
ドと TGR25との結合を阻害しないバッファーであればいずれでもよい。 また、 非特異的結合を低減させる目的で、 CHAPS、 Twe e n— 80™ (花王—ァ トラス社) 、 ジギトニン、 デォキシコレートなどの界面活性剤をバッファーに加 えることもできる。 さらに、 プロテアーゼによるレセプ夕一やリガンドの分.解を 抑える目的で PMSF、 άィぺプチン、 Ε— 64 (ペプチド研究所製) 、 ぺプス 夕チンなどのプロテア一ゼ阻害剤を添加することもできる。 0.01〜1 Oml の該レセプ夕一タンパク質溶液に、 一定量 (5000〜500000 c pm) の 標識したリガンドを添加し、 同時に 10_4M〜10— 1QMの試験化合物を共存させ る。 非特異的結合量 (NSB) を知るために大過剰の未標識のリガンドを加えた 反応チューブも用意する。 反応は約 0〜50°C、 望ましくは約 4〜37°Cで、 約 20分〜 24時間、 望ましくは約 30分〜 3時間行う。 反応後、 ガラス繊維濾紙 等で濾過し、. 適量の同バッファーで洗浄した後、 ガラス繊維濾紙に残存する放射 活性を液体シンチレ一ションカウンターまたはァ一カウンタ一で計測する。 拮抗 する物質がない場合のカウント(B。;)から非特異的結合量 (NSB) を引いた力 ゥント (B。― NSB) を 100%とした時、 特異的結合量 (B— NSB) が、 例えば、 50%以下になる試験化合物を拮抗阻害能力のある候補物質として選択 することができる。
リガンドと本発明の TGR 25との結合性またはシグナル伝達を変化させる化 合物またはその塩をスクリーニングする上記の d) 〜e) の方法を実施するため には、 例えば、 TGR 25を介する細胞刺激活性を公知の方法または市販の測定 用キットを用いて測定することができる。
具体的には、 まず、 本発明の TGR 25を含有する細胞をマルチウエルプレー ト等に培養する。 スクリーニングを行なうにあたっては前もつて新鮮な培地ある いは細胞に毒性を示さない適当なバッファーに交換し、 試験化合物などを添加し て一定時間インキュベートした後、 細胞を抽出あるいは上清液を回収して、 生成 した産物をそれぞれの方法に従って定量する。 細胞刺激活性の指標とする物質 (例えば、 ァラキドン酸、 cAMPなど) の生成が、 細胞が含有する分解酵素に よって検定困難な場合は、 該分解酵素に対する阻害剤を添加してアツセィを行な つてもよい。 また、 c AMP産生抑制などの活性については、 フオルスコリンな
どで細胞の基礎的産生量を増大させておいた細胞に対する産生抑制作用として検 出することができる。
細胞刺激活性を測定してスクリーニングを行なうには、 適当な T G R 2 5を発 現する細胞が必要である。 本発明の T G R 2 5を発現する細胞としては、 天然型 の本発明の T G R 2 5を有する細胞株、 上記の組換え型 T G R 2 5を発現した細 胞株などが望ましい。
試験化合物としては、 例えば、 ペプチド、 タンパク質、 抗体、 非ペプチド性化 合物、 合成化合物、 発酵生産物、 細胞抽出液、 植物抽出液、 動物組織抽出液、 血 漿などが用いられ、 これら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公知の化合 物であってもよい。 試験化合物は塩を形成していてもよく、 試験化合物の塩とし ては、 生理学的に許容される金属塩、 アンモニゥム塩、 有機塩基との塩、 無機酸 との塩、 有機酸との塩、 塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。 金 属塩の好適な例としては、 例えばナトリウム塩、 カリウム塩などのアルカリ金属 塩;カルシウム塩、 マグネシウム塩、 バリウム塩などのアルカリ土類金属塩;ァ ルミニゥム塩などが挙げられる。 有機塩基との塩の好適な例としては、 例えばト リメチルァミン、 トリェチルァミン、 ピリジン、 ピコリン、 2 , 6—ルチジン、 エタノールァミン、 ジェタノ一ルァミン、 トリエタノールァミン、 シクロへキシ ルァミン、 ジシクロへキシルァミン、 N, N' —ジベンジルエチレンジァミンな どとの塩が挙げられる。 無機酸との塩の好適な例としては、 例えば塩酸、 臭化水 素酸、 硝酸、 硫酸、 リン酸などとの塩が挙げられる。 有機酸との塩の好適な例と しては、 例えばギ酸、 酢酸、 トリフルォロ酢酸、 フタル酸、 フマル酸、 シユウ酸、 酒石酸、 マレイン酸、 クェン酸、 コハク酸、 リンゴ酸、 メタンスルホン酸、 ベン ゼンスルホン酸、 P—トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。 塩基性アミ ノ酸との塩の好適な例としては、 例えばアルギニン、 リジン、 オル二チンなどと の塩が挙げられ、 酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、 例えばァスパラギン 酸、 グルタミン酸などとの塩が挙げられる。 また、 試験化合物としては、 本発明の T G R 2 5の活性部位の原子座標および リガンド結合ポケットの位置に基づいて、 リガンド結合ポケットに結合するよう
に設計された化合物が好ましく用いられる。 本発明の TGR25の活性部位の原 子座標およびリガンド結合ポケットの位置の測定は、 公知の方法あるいはそれに 準じる方法を用いて行うことができる。
リガンドと本発明の TGR 25との結合性またはシグナル伝達を変化させる化 合物またはその塩のスク ύ一二ング用キットは、 本発明の TGR25、 本発明の TGR25を含有する細胞、 または本発明の TGR25を含有する細胞の膜画分 を含有するものなどである。
本発明のスクリーニング用キッ卜の例としては、 次のものが挙げられる。
1. スクリーニング用試薬
a) 測定用緩衝液および洗浄用緩衝液
Hanks' Balanced Salt Solution (ギブコ社製) に、 0.05%のゥシ血清アル ブミン (シグマ社製) を加えたもの。
孔径 0.45 _imのフィルタ一で濾過滅菌し、 4°Cで保存するか、 あるいは用 時調製しても良い。
b) TGR 25標品
本発明の TGR 25を発現させた CH〇細胞を、 12穴プレートに 5x105個 穴で継代し、 37 、 5%C02、 95% a i rで 2日間培養したもの。
c) 標識リガンド
市販の 〔 〕 、 〔125I〕 、 〔14C〕 、 〔35S〕 などで標識したリガンド 水溶液の状態のものを 4°Cあるいは— 20°Cにて保存し、 用時に測定用緩衝液 にて 1 に希釈する。
d) リガンド標準液
リガンド.を 0.1%ゥシ血清アルブミン (シグマ社製) を含む PBSで ImM となるように溶解し、 — 20°Cで保存する。
2. 測定法
a) 12穴組織培養用プレートにて培養した本発明の TGR 25発現 CH〇細 胞を、 測定用緩衝液 1 m 1で 2回洗浄した後、 490 1の測定用緩衝液を各穴 に加える。
b) 10—3〜10—1()Mの試験化合物溶液を 5^ 1加えた後、 標識リガンドを 5
1加え、 室温にて 1時間反応させる。 非特異的結合量を知るためには試験化合 物の代わりに 10_3Mのリガンドを 5 1加えておく。
c) 反応液を除去し、 1mlの洗浄用緩衝液で 3回洗浄する。 細胞に結合した 標識リガンドを 0.2 N Na〇H— 1 %SDSで溶解し、 4m 1の液体シンチ レーター A (和光純薬製)' と混合する。
d) 液体シンチレ一シヨンカウン夕一 (ベックマン社製) を用いて放射活性を 測定し、 Percent Maximum Binding (PMB) を次の式で求める。
PMB= [ (B-NSB) / (B0— NSB) 1 x100
PMB: Percent Ma imum Binding
B :検体を加えた時の値
NSB: Non-specific Binding (非特異的結合量)
B0 :最大結合量
TGR 25に対するァゴニストであるかアン夕ゴニストであるかの具体的な評 価方法は以下の (i) または (ii) に従えばよい。
(i) 前記 a) 〜c) のスクリーニング方法で示されるバインディング ·ァッセ ィを行い、 リガンドペプチドと本発明の TGR25との結合性を変化させる (特 に、 結合を阻害する) 化合物を得た後、 該化合物が上記した細胞刺激活性を有し ているか否かを測定する。 細胞刺激活性を有する化合物またはその塩は本発明の TGR25に対するァゴニストであり、 該活性を有しない化合物またはその塩は 本発明の TGR 25に対するアン夕ゴニストである。
(ii) (a) 試験化合物を本発明の TGR 25を含有する細胞に接触させ、 上記 した細胞刺激活性を測定する。 細胞刺激活性を有する化合物またはその塩は本発 明の TGR 25に対するァゴニストである。
(b) 本発明の TGR 25を活性化する化合物 (例えば、 リガンド) を本発明の TGR25を含有する細胞に接触させた場合と、 本発明の TGR 25を活性化す る化合物および試験化合物を本発明の TGR 25を含有する細胞に接触させた場 合における、 本発明の TGR 25を介した細胞刺激活性を測定し、 比較する。 本 発明の TGR25を活性化する化合物による細胞刺激活性を減少させ得る化合物 またはその塩は本発明の TGR 25に対するアンタゴニストである。
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる 化合物またはその塩は、 リガンドと本発明の T G R 2 5との結合性またはシグナ ル伝達を変化させる作用を有する化合物であり、 具体的には、 (ィ) レセプター を介して細胞刺激活性を有する化合物 (いわゆる、 本発明の T G R 2 5に対する ァゴニスト) 、 (口) レセプ夕一への結合活性は有するが該細胞刺激活性を有し ない化合物 (いわゆる、 本発明の T G R 2 5に対するアン夕ゴニスト) 、 ひ、) リガンドと本発明の T G R 2 5との結合力を増強する化合物、 あるいは (二) リ ガンドと本発明の T G R 2 5との結合力を減少させる化合物である。
該化合物としては、 ペプチド、 タンパク質、 抗体、 非ペプチド性化合物、 合成 化合物、 発酵生産物、 細胞抽出液、 植物抽出液、 動物組織抽出液、 血漿などが挙 げられ、 これら化合物は新規な化合物であってもよいし、.公知の化合物であって もよい。
本発明の T G R 2 5に対するァゴニストは、 リガンドが有する生理活性と同様 の作用を有しているので、 リガンドぺプチドが有する生理活性に応じて安全で低 毒性な医薬として有用である。
本発明の T G R 2 5に対するアンタゴニス卜は、 リガンドが有する生理活性を 抑制することができるので、 リガンドぺプチドの生理活性を抑制するための安全 で低毒性な医薬として有用である。
リガンドと本発明の T G R 2 5との結合力を増強する化合物は、 リガンドが有 する生理活性を増強するための安全で低毒性な医薬として有用である。
リガンドと本発明の T G R 2 5との結合力を減少させる化合物は、 リガンドが 有する生理活性を減少させるためのリガンドの生理活性を抑制するための安全で 低毒性な医薬として有用である。
具体的には、 本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用 いて得られる化合物またはその塩、 特にァゴニストまたはリガンドと本発明の T G R 2 5との結合力を増強する化合物またはその塩は、 例えば、 白血球減少症、 白血病、 リンパ腫、 悪性腫瘍、 潰瘍性大腸炎、 慢性関節リウマチ、 炎症性腸疾患、 扁桃腺疾患、 膠原病、 炎症性疾患、 白血球増多症、 心不全、 遺伝性筋疾患、 筋ジ ストロフィー、 筋変性疾患、 心筋梗塞、 肥満、 糖尿病、 高脂血症、 動脈硬化症、
メタポリックシンドローム、 血小板減少症、 血小板増加症、 癌 (例、 脳腫瘍、 下 垂体腺腫、 神経膠腫、 聴神経鞘腫、 咽頭癌、 喉頭癌、 舌癌、 胸腺腫、 中皮腫、 乳 癌、 肺癌、 非小細胞肺癌、 小細胞肺癌、 胃癌、 食道癌、 大腸癌、 結腸癌、 直腸癒、 肝臓癌、 肝細胞癌、 塍癌、 塍内分泌腫瘍、 胆管癌、 胆嚢癌、 陰茎癌、 腎臓癌、 腎 盂癌、 尿管癌、 腎細胞癌、'精巣腫瘍、 前立腺癌、 膀胱癌、 外陰癌、 子宮癌、 子宮 頸部癌、 子宮体部癌、 子宮肉腫、 絨毛性疾患、 膣癌、 卵巣癌、 卵巣胚細胞腫瘍、 皮膚癌、 悪性黒色腫、 菌状息肉症、 基底細胞腫、 軟部肉腫、 悪性リンパ腫、 ホジ キン病、 骨髄異形成症候群、 多発性骨髄腫、 白血病、 急性骨髄性白血病、 慢性骨 髄性白血病、 急性リンパ性白血病、 慢性リンパ性白血病、 成人 T細胞白血病、 慢 性骨髄増殖性疾患、 滕内分泌腫瘍、 原発不明癌など) 、 肺水腫、 多臓器不全など、 好ましくは白血球減少症、 白血病、 リンパ腫、 悪性腫瘍、 潰瘍性大腸炎、 慢性関 節リウマチ、 炎症性腸疾患、 扁桃腺疾患、 膠原病、 炎症性疾患などの予防 ·治療 剤として、 低毒性で安全な医薬として使用することができる。
一方、 上記スクリーニング方法で得られるアン夕ゴニストまたはリガンドと本 発明の T G R 2 5との結合力を減少させる化合物またはその塩は、 本発明の T G R 2 5の発現過多に起因する疾患、 例えば、 例えば、 白血球減少症、 白血病、 リ ンパ腫、 悪性腫瘍、 潰瘍性大腸炎、 慢性関節リウマチ、 炎症性腸疾患、 扁桃腺疾 患、 膠原病、 炎症性疾患、 白血球増多症、 心不全、 遺伝性筋疾患、 筋ジストロフ ィー、 筋変性疾患、 心筋梗塞、 肥満、 糖尿病、 高脂血症、 動脈硬化症、 メタポリ ックシンドローム、 血小板減少症、 血小板増加症、 癌 (例、 脳腫瘍、 下垂体腺腫、 神経膠腫、 聴神経鞘腫、 咽頭癌、 喉頭癌、 舌癌、 胸腺腫、 中皮腫、 乳癌、 肺癌、 非小細胞肺癌、 小細胞肺癌、 胃癌、 食道癌、 大腸癌、 結腸癌、 直腸癌、 肝臓癌、 肝細胞癌、 滕癌、 塍内分泌腫瘍、 胆管癌、 胆嚢癌、 陰茎癌、 腎臓癌、 腎盂癌、 尿 管癌、 腎細胞癌、 精巣腫瘍、 前立腺癌、 膀胱癌、 外陰癌、 子宮癌、 子宮頸部癌、 子宮体部癌、 子宮肉腫、 絨毛性疾患、 膣癌、 卵巣癌、 卵巣胚細胞腫瘍、 皮膚癌、 悪性黒色腫、 菌状息肉症、 基底細胞腫、 軟部肉腫、 悪性リンパ腫、 ホジキン病、 骨髄異形成症候群、 多発性骨髄腫、 白血病、 急性骨髄性白血病、 慢性骨髄性白血 病、 急性リンパ性白血病、 慢性リンパ性白血病、 成人 T細胞白血病、 慢性骨髄増 殖性疾患、 塍内分泌腫瘍、 原発不明癌など) 、 肺水腫、 多臓器不全など、 好まし
くは白血球増多症などの予防 ·治療剤、 白血球賦活剤などとして低毒性で安全な 医薬として使用することができる。
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる 化合物またはその塩を上記の医薬組成物として使用する場合、 常套手段に従って 製剤化することができる。
例えば、 該化合物は、 必要に応じて糖衣を施した錠剤、 カプセル剤、 エリキシ ル剤、 マイクロカプセル剤などとして経口的に、 あるいは水もしくはそれ以外の 薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、 または懸濁液剤などの注射剤の形で非経 口的に使用できる。 例えば、 該化合物を生理学的に認められる公知の担体、 香味 剤、 賦形剤、 べヒクル、 防腐剤、 安定剤、 結合剤などとともに一般に認められた 製剤実施に要求される単位用量形態で混和することによって製造することができ る。 これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な容量が得られるよ うにするものである。
錠剤、 カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、 例えば、 ゼラ チン、 コーンスターチ、 トラガント、 アラビアゴムのような結合剤、 結晶性セル ロースのような賦形剤、 コーンスターチ、 ゼラチン、 アルギン酸などのような膨 化剤、 ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、 ショ糖、 乳糖またはサッカリ ンのような甘味剤、 ペパーミント、 ァカモノ油またはチェリーのような香味剤な どが用いられる。 調剤単位形態がカプセルである場合には、 上記タイプの材料に さらに油脂のような液状担体を含有することができる。 注射のための無菌組成物 は注射用水のようなべヒクル中の活性物質、 胡麻油、 椰子油などのような天然産 出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って処方するこ とができる。 注射用の水性液としては、 例えば、 生理食塩水、 ブドウ糖やその他 の補助薬を含む等張液 (例えば、 D—ソルビトール、 D—マンニトール、 塩化ナ トリウムなど) などが用いられ、 適当な溶解補助剤、 例えば、 アルコール (例、 エタノール) 、 ポリアルコール (例、 プロピレングリコール、 ポリエチレンダリ コ一ル) 、 非イオン性界面活性剤 (例、 ポリソルベー卜 8 0™、 H C O - 5 0 ) などと併用してもよい。 油性液としては、 例えば、 ゴマ油、 大豆油などが用いら れ、 溶解補助剤である安息香酸ベンジル、 ベンジルアルコールなどと併用しても
よい。
また、 上記予防 ·治療剤は、 例えば、 緩衝剤 (例えば、 リン酸塩緩衝液、 酢酸 ナトリウム緩衝液) 、 無痛化剤 (例えば、 塩化ベンザルコニゥム、 塩酸プロカイ ンなど) 、 安定剤 (例えば、 ヒト血清アルブミン、 ポリエチレングリコールな ど) 、 保存剤 (例えば、 ペンジルアルコール、 フエノールなど) 、 酸化防止剤な どと配合してもよい。 調製された注射液は通常、 適当なアンプルに充填される。 このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒトゃ哺乳 動物 (ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法など により差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に例えば、 白血球減少症患者 (体 重 60 kgとして) においては、 一日につきァゴニストを約 0.1〜100mg、 好ましくは約 1. 0〜5 Omg、 より好ましくは約 1. 0〜20mgである。 非 経口的に投与する場合は、 その 1回投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方 法などによっても異なるが、 例えば、 注射剤の形では通常例えば、 白血球減少症 患者 (体重 6 Okgとして) においては、 一日につきァゴニストを約 0. 01〜 30mg程度、 好ましくは約 0. 1〜2 Omg程度、 より好ましくは約 0. 1〜 1 Omg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。 他の動物の場合も、 体重 6 Q kg当たりに換算した量を投与することができる。 経口投与の場合、 一 般的に例えば、 白血球増多症患者 (体重 6 Okgとして) においては、 一日につ きアンタゴニストを約 0.1〜10 Omg、 好ましくは約 1. 0〜50mg、 よ り好ましくは約 1. 0〜20mgである。 非経口的に投与する場合は、 その 1回 投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても異なるが、 例えば、 注射剤の形では通常例えば、 白血球増多症患者 (体重 6 Okgとして) において は、 一日につきアンタゴニストを約 0. 01〜3 Omg程度、 好ましくは約 0. l〜20mg程度、 より好ましくは約 0. 1〜1 Omg程度を静脈注射により投 与するのが好都合である。 他の動物の場合も、 体重 6 Okg当たりに換算した量 を投与することができる。
また本発明は、 骨髄などに存在する幹細胞または間葉系未分化細胞、 幼若造血
系細胞の機能、 あるいは骨髄内造血支持組織中などに存在する脂肪細胞、 脂肪前 駆細胞の機能を制御することを特徴とする、 リガンドまたはその塩と T G R 2 5 との結合性を変化させる化合物またはその塩を含有してなる医薬を提供する。 骨髄は、 長骨の髄腔や、 椎体、 肋骨、 胸骨、 骨盤など骨の内部にある海綿状の 組織であり、 造血の場である。 大きくは血液細胞とそれを支持する間質細胞から なり、 さらに細かくは様々な血球系細胞に分化しうる能力をもつた多能性造血幹 細胞の他、 各血球の前駆細胞、 マクロファージ、 脂肪細胞、 細網細胞、 細網繊維 等からなっている。 骨髄中の造血幹細胞の分化には、 細胞や基質との接着、 局所 で作用するサイトカインなどが重要で、 それは造血微小環境という概念でよばれ ており、 細胞が造血微小環境に着床することに関与するホ一ミングをになう分子、 多能性幹細胞の増殖、 維持に関与する分子、 骨髄からの血球の遊出、 動員に関与 する分子が作用していると考えられる。 また、 骨髄間質の脂肪細胞、 繊維芽細胞、 細網細胞は他の部位とは異なる独特の性質をもち、 骨髄の造血微小環境の形成に 重要と考えられている。 Gタンパク質共役型レセプタ一が生理活性物質との結合 を介してシグナルを細胞内に伝達すると、 タンパク質など様々な液性因子の分泌 や新たな細胞表面抗原分子の発現により、 近接した他の細胞の機能にも影響を及 ぼす。 従って、 骨髄に発現する Gタンパク質共役型レセプターのシグナルを制御 するリガンド、 ァゴニスト、 アン夕ゴニストは、 こうした細胞集団中において、 特定の細胞機能に直接或いは間接的に影響を及ぼすため、 骨髄に存在する上記の 各種細胞機能に由来する疾患の予防および Zまたは治療薬や診断薬に応用するこ ともできる。
Nat ional Center for Biotechnology Informat ionの Gene Express ion Omnibus に開示されているマイクロアレイで解析したデ一夕によれば、 cardiotoxinを投 与した骨格筋で、 該レセプ夕一の遺伝子発現が亢進することが示されている。 こ のことから該レセプターのシグナルを制御するリガンド、 ァゴニスト、 アンタゴ ニストは筋細胞の損傷、 あるいは機能異常などによる疾患の治療に応用できる。
( 7 ) 各種薬物の作用メカニズムの解明方法
T G R 2 5を用いることによって、 各種薬物が T G R 2 5を介して薬理効果を
発揮しているか否かを確認することができる。
すなわち、 本発明は、
(i) T G R 2 5を用いることを特徴とする、 例えば、 白血球減少症、 白血病、 リンパ腫、 悪性腫瘍、 潰瘍性大腸炎、 慢性関節リウマチ、 炎症性腸疾患、 扁桃腺 疾患、 膠原病、 炎症性疾患、 白血球増多症、 心不全、 遺伝性筋疾患、 筋ジストロ フィ一、 筋変性疾患、 心筋梗塞、 肥満、 糖尿病、 高脂血症、 動脈硬化症、 メタポ リックシンドローム、 血小板減少症、 血小板増加症、 癌 (例、 脳腫瘍、 下垂体腺 腫、 神経膠腫、 聴神経鞘腫、 咽頭癌、 喉頭癌、 舌癌、 胸腺腫、 中皮腫、 乳癌、 肺 癌、 非小細胞肺癌、 小細胞肺癌、 胃癌、 食道癌、 大腸癌、 結腸癌、 直腸癌、 肝臓 癌、 肝細胞癌、 塍癌、 塍内分泌腫瘍、 胆管癌、 胆嚢癌、 陰茎癌、 腎臓癌、 腎盂癌、 尿管癌、 腎細胞癌、 精巣腫瘍、 前立腺癌、 膀胱癒、 外陰癌、.子宮癌、 子宮頸部癌、 子宮体部癌、 子宮肉腫、 絨毛性疾患、 膣癌、 卵巣癌、 卵巣胚細胞腫瘍、 皮膚癌、 悪性黒色腫、 菌状息肉症、 基底細胞腫、 軟部肉腫、 悪性リンパ腫、 ホジキン病、 骨髄異形成症候群、 多発性骨髄腫、 白血病、 急性骨髄性白血病、 慢性骨髄性白血 病、 急性リンパ性白血病、 慢性リンパ性白血病、 成人 T細胞白血病、 慢性骨髄増 殖性疾患、 塍内分泌腫瘍、 原発不明癌など) 、 肺水腫、 多臓器不全などの予防 · 治療薬が該レセプタータンパク質またはその塩に結合することを確認する方法、
(i i) T G R 2 5を用いることを特徴とする、 例えば、 白血球減少症、 白血病、 リンパ腫、 悪性腫瘍、 潰瘍性大腸炎、 慢性関節リウマチ、 炎症性腸疾患、 扁桃腺 疾患、 膠原病、 炎症性疾患、 白血球増多症、 心不全、 遺伝性筋疾患、 筋ジストロ フィ一、 筋変性疾患、 心筋梗塞、 肥満、 糖尿病、 高脂血症、 動脈硬化症、 メタポ リックシンドローム、 血小板減少症、 血小板増加症、 癌 (例、 脳腫瘍、 下垂体腺 腫、 神経膠腫、 聴神経鞘腫、 咽頭癌、 喉頭癌、 舌癌、 胸腺腫、 中皮腫、 乳癌、 肺 癌、 非小細胞肺癌、 小細胞肺癌、 胃癌、 食道癌、 大腸癌、 結腸癌、 直腸癌、 肝臓 癌、 肝細胞癌、 滕癌、 塍内分泌腫瘍、 胆管癌、 胆嚢癌、 陰茎癌、 腎臓癌、 腎盂癌、 尿管癌、 腎細胞癌、 精巣腫瘍、 前立腺癌、 膀胱癌、 外陰癌、 子宮癌、 子宮類部癌、 子宮体部癌、 子宮肉腫、 絨毛性疾患、 膣癌、 卵巣癌、 卵巣胚細胞腫瘍、 皮膚癌、 悪性黒色腫、 菌状息肉症、 基底細胞腫、 軟部肉腫、 悪性リンパ腫、 ホジキン病、 骨髄異形成症候群、 多発性骨髄腫、 白血病、 急性骨髄性白血病、 慢性骨髄性白血
病、 急性リンパ性白血病、 慢性リンパ性白血病、 成人 T細胞白血病、 慢性骨髄増 殖性疾患、 膝内分泌腫瘍、 原発不明癌など) 、 肺水腫、 多臓器不全などの予防- 治療薬が該レセプタータンパク質またはその塩に対するァゴニストであることを 確認する方法、
(i i i) T G R 2 5を用"ることを特徴とする、 例えば、 白血球減少症、 白血病、 リンパ腫、 悪性腫瘍、 潰瘍性大腸炎、 慢性関節リウマチ、 炎症性腸疾患、 扁桃腺 疾患、 膠原病、 炎症性疾患、 白血球増多症、 心不全、 遺伝性筋疾患、 筋ジストロ フィ一、 筋変性疾患、 心筋梗塞、 肥満、 糖尿病、 高脂血症、 動脈硬化症、 メタボ リックシンドローム、 血小板減少症、 血小板増加症、 癌 (例、 脳腫瘍、 下垂体腺 腫、 神経膠腫、 聴神経鞘腫、 咽頭癌、 喉頭癌、 舌癌、 胸腺腫、 中皮腫、 乳癌、 肺 癌、 非小細胞肺癌、 小細胞肺癌、 胃癌、 食道癌、 大腸癌、 結腸癌、 直腸癌、 肝臓 癌、 肝細胞癌、 滕癌、 滕内分泌腫瘍、 胆管癌、 胆嚢癌、 陰茎癌、 腎臓癌、 腎盂癌、 尿管癌、 腎細胞癌、 精巣腫瘍、 前立腺癌、 膀胱癌、 外陰癌、 子宮癌、 子宮顏部癌、 子宮体部癌、 子宮肉腫、 絨毛性疾患、 膣癌、 卵巣癌、 卵巣胚細胞腫瘍、 皮膚癌、 悪性黒色腫、 菌状息肉症、 基底細胞腫、 軟部肉腫、 悪性リンパ腫、 ホジキン病、 骨髄異形成症候群、 多発性骨髄腫、 白血病、 急性骨髄性白血病、 慢性骨髄性白血 病、 急性リンパ性白血病、 慢性リンパ性白血病、 成人 T細胞白血病、 慢性骨髄増 殖性疾患、 塍内分泌腫瘍、 原発不明癌など) 、 肺水腫、 多臓器不全などの予防' 治療薬が該レセプ夕一タンパク質またはその塩に対するアンタゴニストであるこ とを確認する方法、
(iv) 各薬を T G R 2 5に接触させた場合における、 各薬と T G R 2 5との結合 量を測定することを特徴とする上記 (i) 〜 (i i i) 記載のスクリーニング方法を 提供する。
この確認方法は、 前記したリガンドと T G R 2 5との結合性を変化させる化合 物のスクリーニング方法において、 試験化合物に代えて、 上記の薬物を使用する ことによつて実施することができる。
また、 本発明の確認方法用キットは、 前記したリガンドと T G R 2 5との結合 性を変化させる化合物のスクリーニング用キットにおいて、 試験化合物に代えて、 上記の薬物を含有するものである。
このように、 本発明の確認方法を用いることによって、 市販または開発途中の 各種薬物が TGR 25を介して薬理効果を発揮していることを確認することがで きる。 (8) 細胞膜における本発明の TGR 25またはその部分ペプチドの量を変化 させる化合物またはその塩を含有する医薬
本発明の抗体は、 本発明の TGR25を特異的に認識することができるので、 細胞膜における本発明の TGR 25の量を変化させる化合物またはその塩のスク リ一ニングに用いることができる。 . . すなわち本発明は、 例えば、
(i) 非ヒト哺乳動物の a) 血液、 b) 特定の臓器、 c) 臓器から単離した組織 もしくは細胞等を破壊した後、 細胞膜画分を単離し、 細胞膜画分に含まれる本発 明の TGR25を定量することによる、 細胞膜における本発明の TGR 25の量 を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(ii) 本発明の TGR 25を発現する形質転換体等を破壊した後、 細胞膜画分を 単離し、 細胞膜画分に含まれる本発明の TGR 25を定量することによる、 細胞 膜における本発明の TGR 25の量を変化させる化合物またはその塩のスクリー ニング方法、
(iii) -非ヒト哺乳動物の a) 血液、 b) 特定の臓器、 c) 臓器から単離した組 織もしくは細胞等を切片とした後、 免疫染色法を用いることにより、 細胞表層で の該受容体夕ンパク質の染色度合いを定量化することにより、 細胞膜上の該タン パク質を確認することによる、 細胞膜における本発明の TGR 25の量を変化さ せる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(iv) 本発明の TGR 25を発現する形質転換体等を切片とした後、 免疫染色法 を用いることにより、 細胞表層での該受容体タンパク質の染色度合いを定量化す ることにより、 細胞膜上の該タンパク質を確認することによる、 細胞膜における 本発明の TGR 25の量を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法 を提供する。
細胞膜画分に含まれる本発明の TGR 25の定量は具体的には以下のようにし
て行なう。
(i) 正常あるいは疾患モデル非ヒ卜哺乳動物 (例、 マウス、 ラット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど、 より具体的にはアルツハイマー病 モデルラット、 マウス、 ゥサギなど) に対して、 薬剤 (例、 免疫調節薬など) あ るいは物理的ストレス (例、 浸水ストレス、 電気ショック、 明暗、 低温など) な どを与え、 一定時間経過した後に、 血液、 あるいは特定の臓器 (例、 脳、 肝臓、 腎臓など) 、 または臓器から単離した組織、 あるいは細胞を得る。 得られた臓器、 組織または細胞等を、 例えば、 適当な緩衝液 (例、 トリス塩酸緩衝液、 リン酸緩 衝液、 へぺス緩衝液など) 等に懸濁し、 臓器、 組織あるいは細胞を破壊し、 界面 活性剤 (例、 トリトン X I 0 0™、 ツイ一ン 2 0™など) などを用い、 さらに遠 心分離や濾過、 カラム分画などの手法を用いて細胞膜画分を得る。
細胞膜画分としては、 細胞を破枠した後、 公知の方法で得られる細胞膜が多く 含まれる画分のことをいう。 細胞の破碎方法としては、 Po t ter— Elvehj em型ホモ ジナイザーで細胞を押し潰す方法、 ワーリンダブレンダーゃポリトロン
(Kinemat ica社製) による破砕、 超音波による破碎、 フレンチプレスなどで加圧 しながら細胞を細いノズルから噴出させることによる破砕などが挙げられる。 細 胞膜の分画には、 分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの遠心力による分画 法が主として用いられる。 例えば、 細胞破碎液を低速 (5 0ひ〜 3 0 0 0 r p m) で短時間 (通常、 約 1〜1 0分) 遠心し、 上清をさらに高速 (1 5 0 0 0〜 3 0 0 0 0 r p m) で通常 3 0分〜 2時間遠心し、 得られる沈澱を膜画分とする。 該膜画分中には、 発現した T G R 2 5と細胞由来のリン脂質や膜タンパク質など の膜成分が多く含まれる。
細胞膜画分に含まれる本発明の T G R 2 5は、 例えば、 本発明の抗体を用いた サンドイッチ免疫測定法、 ウエスタンブロット解析などにより定量することがで さる。
このようなサンドイッチ免疫測定法は上記の方法と同様にして行なうことがで き、 ウエスタンブロットは公知の手段により行なうことができる。
(i i) 本発明の T G R 2 5を発現する形質転換体を上記の方法に従い作製し、 細 胞膜画分に含まれる本発明の T G R 2 5を定量することができる。
細胞膜における本発明の T G R 2 5の量を変化させる化合物またはその塩のス クリーニングは、
(i) 正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物に対して、 薬剤あるいは物理的 ストレスなどを与える一定時間前 (3 0分前〜 2 4時間前、 好ましくは 3 0分前 〜 1 2時間前、 より好まじくは 1時間前〜 6時間前) もしくは一定時間後 ( 3 0 分後〜 3日後、 好ましくは 1時間後〜 2日後、. より好ましくは 1時間後〜 2 4時 間後) 、 または薬剤あるいは物理的ストレスと同時に試験化合物を投与し、 投与 後一定時間経過後 (3 0分〜 3日後、 好ましくは 1時間〜 2日後、 より好ましく は 1時間〜 2 4時間後) 、 細胞膜における本発明の T G R 2 5の量を定量するこ とにより行なうことができ、
(i i) 形質転換体を常法に従い培養する際に試験化合物を培地中に混合させ、 一定時間培養後 (1日〜 7日後、 好ましくは 1日〜 3日後、 より好ましくは 2日 〜3日後) 、 細胞膜における本発明の T G R 2 5の量を定量することにより行な うことができる。
細胞膜画分に含まれる本発明の T G R 2 5の確認は具体的には以下のようにし て行なう。
(i i i) 正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物 (マウス、 ラット、 ゥサギ、 ヒ ッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど、 より具体的にはアルツハイマー病モ デルのラット、 マウス、 ゥサギなど) に対して、 薬剤 (例えば、 免疫調節薬な ど) あるいは物理的ストレス (例えば、 浸水ストレス、 電気ショック、 明暗、 低 温など) などを与え、 一定時間経過した後に、 血液、 あるいは特定の臓器 (例え ば、 脳、 肝臓、 腎臓など) 、 または臓器から単離した組織、 あるいは細胞を得る。 得られた臓器、 組織または細胞等を、 常法に従い組織切片とし、 本発明の抗体を 用いて免疫染色を行う。 細胞表層での該受容体タンパク質の染色度合いを定量化 することにより、 細胞膜上の該タンパク質を確認することにより、 定量的または 定性的に、 細胞膜における本発明の T G R 2 5の量を確認することができる。
(iv) 本発明の T G R 2 5を発現する形質転換体等を用いて同様の手段をとるこ とにより確認することもできる。
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩は、 細胞膜
における本発明の T G R 2 5の量を変化させる作用を有する化合物であり、 具体 的には、 (a) 細胞膜における本発明の T G R 2 5の量を増加させることにより、 T G R 2 5を介する細胞剌澳活性 (例えば、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン 遊離、 細胞内 C a 2 +遊離、 細胞内 C AM P生成、 細胞内 c AM P生成抑制、 細 胞内 c GM P生成、 イノシトールリン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内タンパク 質のリン酸化、 c一 f o sの活性化、 p Hの低下、 血清応答因子遺伝子の発現上 昇、 T G R 2 5タンパク質の細胞内局在の変化などを促進する活性または抑制す る活性など) を増強させる化合物、 (b) 細胞膜における本発明の T G R 2 5の 量を減少させることにより、 該細胞刺激活性を減弱させる化合物である。
該化合物としては、 ペプチド、 タンパク質、 抗体、 非ペプチド性化合物、 合成 化合物、 発酵生産物、 細胞抽出液、 植物抽出液、 動物組織抽出液、 血漿などが挙 げられ、 これら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公知の化合物であって もよい。
該化合物の塩としては、 生理学的に許容される金属塩、 アンモニゥム塩、 有機 塩基との塩、 無機酸との塩、 有機酸との塩、 塩基性または酸性アミノ酸との塩な どが挙げられる。 金属塩の好適な例としては、 例えばナトリウム塩、 カリウム塩 などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、 マグネシウム塩、 バリウム塩などのアル カリ土類金属塩;アルミニウム塩などが挙げられる。 有機塩基との塩の好適な例 としては、 例えばトリメチルァミン、 トリェチルァミン、 ピリジン、 ピコリン、 2 , 6—ルチジン、 エタノールァミン、 ジエタノールァミン、 トリエタノールァ ミン、 シクロへキシルァミン、 ジシクロへキシルァミン、 N, Ν'—ジベンジル エチレンジァミンなどとの塩が挙げられる。 無機酸との塩の好適な例としては、 例えば塩酸、 臭化水素酸、 硝酸、 硫酸、 リン酸などとの塩が挙げられる。 有機酸 との塩の好適な例としては、 例えばギ酸、 酢酸、 トリフルォロ酢酸、 フタル酸、 フマル酸、.シユウ酸、 酒石酸、 マレイン酸、 クェン酸、 コハク酸、 リンゴ酸、 メ タンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸、 ρ—トルエンスルホン酸などとの塩が挙 げられる。 塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、 例えばアルギニン、 リジ ン、 オル二チンなどとの塩が挙げられ、 酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、 例えばァスパラギン酸、 グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
細胞膜における本発明の T G R 2 5の量を増加させることにより、 細胞刺激活 性を増強させる化合物またはその塩は、 本発明の T G R 2 5の機能不全に関連す る疾患の予防'治療剤などの医薬として使用することができる。 具体的には、 該 化合物またはその塩は、 例えば、 白血球減少症、 白血病、 リンパ臈、 悪性腫瘍、 潰瘍性大腸炎、 慢性関節リウマチ、 炎症性腸疾患、 扁桃腺疾患、 膠原病、 炎症性 疾患、 白血球増多症、 心不全、 遺伝性筋疾患、 筋ジストロフィー、 筋変性疾患、 心筋梗塞、 肥満、 糖尿病、 高脂血症、 動脈硬化症、 メタポリックシンドロ一ム、 血小板減少症、 血小板増加症、 癌 (例、 脳腫瘍、 下垂体腺腫、 神経膠腫、 聴神経 鞘腫、 咽頭癌、 喉頭癌、 舌癌、 胸腺腫、 中皮腫、 乳癌、 肺癌、 非小細胞肺癌、 小 細胞肺癌、 胃癌、 食道癌、 大腸癌、 結腸癌、 直腸癌、 肝臓癌、 肝細胞癌、 勝癌、 滕内分泌腫瘍、 胆管癌、 胆嚢癌、 陰茎癌、 腎臓癌、 腎盂癌、 尿管癌、 腎細胞癌、 精巣腫瘍、 前立腺癌、 膀胱癌、 外陰癌、 子宮癌、 子宮頸部癌、 子宮体部癌、 子宮 肉腫、 絨毛性疾患、 膣癌、 卵巣癌、 卵巣胚細胞腫瘍、 皮膚癌、 悪性黒色腫、 菌状 息肉症、 基底細胞腫、 軟部肉腫、 悪性リンパ腫、 ホジキン病、 骨髄異形成症候群、 多発性骨髄腫、 白血病、 急性骨髄性白血病、 慢性骨髄性白血病、 急性リンパ性白 血病、 慢性リンパ性白血病、 成人 T細胞白血病、 慢性骨髄増殖性疾患、 塍内分泌 腫瘍、 原発不明癌など) 、 肺水腫、 多臓器不全など、 好ましくは白血球減少症、 白血病、 リンパ腫、 悪性腫瘍、 潰瘍性大腸炎、 慢性関節リウマチ、 炎症性腸疾患、 扁桃腺疾患、 膠原病、 炎症性疾患などの予防 ·治療剤として、 低毒性で安全な医 薬として使用することができる。
細胞膜における本発明の T G R 2 5の量を減少させることにより、 細胞刺激活 性を減弱させる化合物またはその塩は、 本発明の T G R 2 5の発現過多に起因す る疾患、 例えば、 白血球減少症、 白血病、 リンパ腫、 悪性腫瘍、 潰瘍性大腸炎、 慢性関節リウマチ、 炎症性腸疾患、 扁桃腺疾患、 膠原病、 炎症性疾患、 白血球増 多症、 心不全、 遺伝性筋疾患、 筋ジストロフィー、 筋変性疾患、 心筋梗塞、 肥満、 糖尿病、 高脂血症、 動脈硬化症、 メ夕ポリックシンドローム、 血小板減少症、 血 小板増加症、 癌 (例、 脳腫瘍、 下垂体腺腫、 神経膠腫、 聴神経鞘腫、 咽頭癌、 喉 頭癌、 舌癌、 胸腺腫、 中皮腫、 乳癌、 肺癌、 非小細胞肺癌、 小細胞肺癌、 胃癌、 食道癌、 大腸癌、 結腸癌、 直腸癌、 肝臓癌、 肝細胞癌、 塍癌、 塍内分泌腫瘍、 胆
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98 管癌、 胆嚢癌、 陰茎癌、 腎臓癌、 腎盂癌、 尿管癌、 腎細胞癌、 精巣腫瘍、 前立腺 癌、 膀胱癌、 外陰癌、 子宮癌、 子宮類部癌、 子宮体部癌、 子宮肉腫、 絨毛性疾患、 膣癌、 卵巣癌、 卵巣胚細胞腫瘍、 皮膚癌、 悪性黒色腫、 菌状息肉症、 基底細胞腫、 軟部,肉腫、 悪性リンパ腫、 ホジキン病、 骨髄異形成症候群、 多発性骨髄腫、 白血 病、 急性骨髄性白血病、 慢性骨髄性白血病、 急性リンパ性白血病、 慢性リンパ性 白血病、 成人 T細胞白血病、 慢性骨髄増殖性疾患、 塍内分泌腫瘍、 原発不明癌な 'ど) 、 肺水腫、 多臓器不全など、 好ましくは白血球増多症などに対する安全で低 毒性な予防 ·治療剤として有用である。
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩を医薬組成 物として使用する場合、 常套手段に従って製剤化することができる。 例えば、 該 化合物またはその塩は、 必要に応じて糖衣を施した錠剤、 カプセル剤、 エリキシ ル剤、 マイクロカプセル剤などとして経口的に、 あるいは水もしくはそれ以外の 薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、 または懸濁液剤などの注射剤の形で非経 口的に使用できる。 例えば、 該化合物またはその塩を生理学的に認められる公知 の担体、 香味剤、 賦形剤、 べヒクル、 防腐剤、 安定剤、 結合剤などとともに一般 に認められた製剤実施に要求される単位用量形態で混和することによって製造す ることができる。 これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な容量 が得られるようにするものである。
錠剤、.カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、 例えば、 ゼラ チン、 コーンスターチ、 トラガント、 アラビアゴムのような結合剤、 結晶性セル ロースのような賦形剤、 コーンスターチ、 ゼラチン、 アルギン酸などのような膨 化剤、 ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、 ショ糖、 乳糖またはサッカリ ンのような甘味剤、 ペパーミント、 ァカモノ油またはチェリ一のような香味剤な どが用いられる。 調剤単位形態がカプセルである場合には、 上記タイプの材料に さら (こ油脂のような液状担体を含有することができる。 注射のための無菌組成物 は注射用水のようなべヒクル中の活性物質、 胡麻油、 椰子油などのような天然産 出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って処方するこ とができる。 注射用の水性液としては、 例えば、 生理食塩水、 ブドウ糖やその他 の補助薬を含む等張液 (例えば、 D—ソルビトール、 D—マンニトール、 塩化ナ
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99 トリウムなど) などが用いられ、 適当な溶解補助剤、 例えば、 アルコール (例、 エタノール) 、 ポリアルコール (例、 プロピレングリコール、 ポリエチレンダリ コール) 、 非イオン性界面活性剤 (例、 ポリソルベート 80™、 HCO-50) などと併用してもよい。 油性液としては、 例えば、 ゴマ油、 大豆油などが用いら れ、 溶解補助剤である安息香酸ベンジル、 ベンジルアルコールなどと併用しても よい。
また、 上記予防 ·治療剤は、 例えば、 緩衝剤 (例えば、 リン酸塩緩衝液、 酢酸 ナトリウム緩衝液) 、 無痛化剤 (例えば、 塩化ベンザルコニゥム、 塩酸プロカイ ンなど) 、 安定剤 (例えば、 ヒト血清アルブミン、 ポリエチレングリコールな ど) 、 保存剤 (例えば、 ベンジルアルコール、 フエノールなど) 、 酸化防止剤な どと配合してもよい。 調製された注射液は通常、 適当なアンプルに充填される。 このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒトゃ哺乳 動物 (ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、 投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法など により差異はあるが、 経口投与の場合、 一般的に例えば、 白血球減少症患者 (体 重 60 kgとして) においては、 一日につき細胞膜における本発明の TGR 25 の量を増加させる化合物を約 0.1〜100mg、 好ましくは約 1. 0〜50m g、 より好ましくは約 1. 0〜20mgである。 非経口的に投与する場合は、 そ の 1回投与量は投与対象、 対象臓器、 症状、 投与方法などによっても異なるが、 例えば、 注射剤の形では通常例えば、 白血球減少症患者 (体重 60 kgとして) においては、 一日につき細胞膜における本発明の TGR 25の量を増加させる化 合物を約 0. 01〜30mg程度、 好ましくは約 0. l〜20mg程度、 より好 ましくは約 0. 1〜1 Omg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。 他の ftj物の場合も、 体重 60 kg当たりに換算した量を投与することができる。
(9) 本発明の TGR 25に対する抗体を含有してなる医薬
本発明の TGR25に対する抗体の中和活性とは、 該 TGR25の関与するシ グナル伝達機能を不活性化する活性を意味する。 従って、 該抗体が中和活性を有
する場合は、 該 TGR 25の関与するシグナル伝達、 例えば、 該 TGR25を介 する細胞刺激活性 (例、 ァラキドン酸遊離、 アセチルコリン遊離、 細胞内 Ca2+ 遊離、 細胞内 c AMP生成、 細胞内 cAMP産生抑制、 細胞内 c GMP生成、 ィ ノシトールリン酸産生、 細胞膜電位変動、 細胞内蛋白質のリン酸化、 c— f o s の活性化、 pHの低下、 ^TPrS結合活性、 c AMP依存性プロテインキナー ゼの活性化、 c GMP依存性プロティンキナーゼの活性化、 リン脂質依存性プロ ティンキナーゼの活性化、 マイトジェン活性化蛋白質リン酸化酵素 (MAPキナ ーゼ) の活性化などを促進する活性、 血清応答因子遺伝子の発現上昇、 TGR2 5タンパク質の細胞内局在の変化などを促進する活性または抑制する活性など) を不活性化することができる。 したがって、 本発明の TGR 25に対する中和抗 体は、 TGR25の過剰発現やリガンド過多などに起因する疾患、 例えば、 白血 球減少症、 白血病、 リンパ腫、 悪性腫瘍、 潰瘍性大腸炎、 慢性関節リウマチ、 炎 症性腸疾患、 扁桃腺疾患、 膠原病、 炎症性疾患、 白血球増多症、 心不全、 遺伝性 筋疾患、 筋ジストロフィー、 筋変性疾患、 心筋梗塞、 肥満、 糖尿病、 高脂血症、 動脈硬化症、 メ夕ポリックシンドローム、 血小板減少症、 血小板増加症、 癌 (例、 脳腫瘍、 下垂体腺腫、 神経膠腫、 聴神経鞘腫、 咽頭癌、 喉頭癌、 舌癌、.胸腺腫、 中皮腫、 乳癌、 肺癌、 非小細胞肺癌、 小細胞肺癌、 胃癌、 食道癌、 大腸癌、 結腸 癌、 直腸癌、 肝臓癌、 肝細胞癌、 塍癌、 塍内分泌腫瘍、 胆管癌、 胆嚢癌、 陰茎 腎臓癌、 ·腎盂癌、 尿管癌、 腎細胞癌、 精巣腫瘍、 前立腺癌、 膀胱癌、 外陰癌、 子 宮癌、 子宮顏部癌、 子宮体部癌、 子宮肉腫、 絨毛性疾患、 膣癌、 卵巣癌、 卵巣胚 細胞腫瘍、 皮膚癌、 悪性黒色腫、 菌状息肉症、 基底細胞腫、 軟部肉腫、 悪性リン パ腫、 ホジキン病、 骨髄異形成症候群、 多発性骨髄腫、 白血病、 急性骨髄性白血 病、 慢性骨髄性白血病、 急性リンパ性白血病、 慢性リンパ性白血病、 成人 T細胞 白血病、 慢性骨髄増殖性疾患、 滕内分泌腫瘍、 原発不明癌など) 、 肺水腫、 多臓 器不全など、 好ましくは白血球増多症の予防 ·治療剤、 白血球賦活剤などとして 用いることができる。
上記予防 ·治療剤は、 前記した本発明の TGR 25を含有する医薬と同様にし て製造し、 使用することができる。
( 1 0 ) 本発明のアンチセンス DNAを含有してなる医薬
本発明のアンチセンス D N Aは、 T G R 2 5の過剰発現やリガンド過多などに 起因する疾患、 例えば、 例えば、 白血球減少症、 白血病、 リンパ腫、 悪性腫瘍、 潰癟性大腸炎、 慢性関節リウマチ、 炎症性腸疾患、 扁桃腺疾患、 膠原病、 炎症性 疾患、 白血球増多症、 心不全、 遺伝性筋疾患、 筋ジストロフィー、 筋変性疾患、 心筋梗塞、 肥満、 糖尿病、 高脂血症、 動脈硬化症、 メタポリックシンドローム、 血小板減少症、 血小板増加症、 癌 (例、 脳腫瘍、 下垂体腺腫、 神経膠腫、 聴神経 鞘腫、 咽頭癌、 喉頭癌、 舌癌、 胸腺腫、 中皮腫、 乳癌、 肺癌、 非小細胞肺癌、 小 細胞肺癌、 胃癌、 食道癌、 大腸癌、 結腸癌、 直腸癌、 肝臓癌、 肝細胞癌、 塍瘅、 塍内分泌腫瘍、 胆管癌、 胆嚢癌、 陰茎癌、 腎臓癌、 腎盂癌、 尿管癌、 腎細胞癌、 精巣腫瘍、 前立腺癌、 膀胱癌、 外陰癌、 子宮癌、 子宮頸部癌、 子宮体部癌、 子宮 肉腫、 絨毛性疾患、 膣癌、 卵巣癌、 卵巣胚細胞腫瘍、 皮膚癌、 悪性黒色腫、 菌状 息肉症、 基底細胞腫、 軟部肉腫、 悪性リンパ腫、 ホジキン病、 骨髄異形成症候群、 多発性骨髄腫、 白血病、 急性骨髄性白血病、 慢性骨髄性白血病、 急性リンパ性白 血病、 慢性リンパ性白血病、 成人 T細胞白血病、 慢性骨髄増殖性疾患、 滕内分泌 腫瘍、 原発不明癌など) 、 肺水腫、 多臓器不全など、 好ましくは白血球増多症の 予防 ·治療剤、 白血球賦活剤などとして用いることができる。
該アンチセンス D N Aを用いる場合、 該アンチセンス D N Aを単独あるいはレ トロウィルスベクタ一、 アデノウイルスベクター、 アデノウイルスァソシエーテ ッドウィルスベクタ一などの適当なベクタ一に揷入した後、 常套手段に従って実 施することができる。 該アンチセンス D N Aは、 そのままで、 あるいは摂取促進 のために補助剤などの生理学的に認められる担体とともに製剤化し、 遺伝子銃や ハイド口ゲルカテーテルのようなカテーテルによって投与できる。 さらに、 該ァ ンチセンス D N Aは、 組織や細胞における本発明の D N Aの存在やその発現状況 を調べるための診断用オリゴヌクレオチドプローブとして使用することもできる。 上記アンチセンスポリヌクレオチドと同様に、 本発明の受容体をコードする R NAの一部を含有する二重鎖 R NA (本発明の受容体に対する s i R NA (smal l (short) interfering RNA)、 s h R NA (smal l (short) hairpin RNA)など) 、 T G R 2 5をコードする R NAの一部を含有するリポザィムなども、 T G R 2 5
の発現を抑制することができ、 生体内における T G R 2 5またはそのポリヌクレ ォチドの機能を抑制することができるので、 例えば、 白血球減少症、 白血病、 リ ンパ腫、 悪性腫瘍、 潰瘍性大腸炎、 慢性関節リウマチ、 炎症性腸疾患、 扁桃腺疾 患、 膠原病、 炎症性疾患、 白血球増多症、 心不全、 遺伝性筋疾患、 筋ジストロフ ィ一、 筋変性疾患、 心筋梗塞、 肥満、 糖尿病、 高脂血症、 動脈硬化症、 メタポリ ックシンドローム、 血小板減少症、 血小板増加症、 癌 ( 、 脳腫瘍、 下垂体腺腫、 神経膠腫、 聴神経鞘腫、 咽頭瘟、 喉頭癌、 舌癌、 胸腺腫、 中皮腫、 乳癌、 肺癌、 非小細胞肺癌、 小細胞肺癌、 胃癌、 食道癌、 大腸癌、 結腸癌、 直腸癌、 肝臓癌、 肝細胞癌、 勝癌、 塍内分泌腫瘍、 胆管癌、 胆嚢癌、 陰茎癌、 腎臓癌、 腎盂癌、.尿 管癌、 腎細胞癌、 精巣腫瘍、 前立腺癌、 膀胱癌、 外陰癌、 子宮癌、 子宮類部癌、 子宮体部癌、 子宮肉腫、 絨毛性疾患、 膣癌、 卵巣癌、 卵巣胚細胞腫瘍、 皮膚癌、 悪性黒色腫、 菌状息肉症、 基底細胞腫、 軟部肉腫、 悪性リンパ腫、 ホジキン病、 骨髄異形成症候群、 多発性骨髄腫、 白血病、 急性骨髄性白血病、 慢性骨髄性白血 病、 急性リンパ性白血病、 慢性リンパ性白血病、 成人 T細胞白血病、 慢性骨髄増 殖性疾患、 塍内分泌腫瘍、 原発不明癌など) 、 肺水腫、 多臓器不全など、 好まし くは白血球増多症の予防 ·治療剤、 白血球賦活剤などの低毒性で安全な医薬とし て有用である。
二重鎖 R NAは、 公知の方法 (例、 Nature, 411巻, 494頁, 2001年) に準じて、 本発明のポリヌクレオチドの配列を基に設計して製造することができる。
リボザィムは、 公知の方法 (例、 TRENDS in Molecular Medic ine, 7巻, 221頁, 2001年) に準じて、 本発明のポリヌクレオチドの配列を基に設計して製造するこ とができる。 例えば、 本発明の受容体をコードする R N Aの一部に公知のリポザ ィムを連結することによって製造することができる。 本発明の本発明の受容体を コードする R N Aの一部としては、 公知のリポザィムによって切断され得る本発 明の R NA上の切断部位に近接した部分 (R NA断片) が挙げられる。
上記の二重鎖 R NAまたはリポザィムを上記予防 ·治療剤として使用する場合、 アンチセンスポリヌクレオチドと同様にして製剤化し、 投与することができる。
( 1 1 ) 本発明の D N A導入動物の作製
本発明は、 外来性の φ:発明の DNA (以下、 本発明の外来性 DN Αと略記す る) またはその変異 DNA (本発明の外来性変異 DNAと略記する場合がある) を有する非ヒト哺乳動物を提供する。
すなわち、 本発明は、
〔1〕 本発明の外来性 DNAまたはその変異 DNAを有する非ヒト哺乳動物、 〔2〕 非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第 〔1〕 記載の動物、
〔3〕 ゲッ歯動 fがマウスまたはラットである第 〔2〕 記載の動物、 および 〔4〕 本発明の外来性 DNAまたはその変異 DNAを含有し、 哺乳動物において 発現しうる組換えべクタ一を提供するものである。 , 本発明の外来性 DNAまたはその変異 DNAを有する非ヒト哺乳動物 (以下、 本発明の DNA転移動物と略記する) は、 未受精卵、 受精卵、 精子およびその始 原細胞を含む胚芽細胞などに対して、 好ましくは、 非ヒト哺乳動物の発生におけ る胚発生の段階 (さらに好ましくは、 単細胞または受精卵細胞の段階でかつ一般 に 8細胞期以前) に、 リン酸カルシウム法、 電気パルス法、 リポフエクシヨン法、 ,凝集法、 マイクロインジェクション法、 パーティクルガン法、 DEAE—デキス トラン法などにより目的とする DNAを転移することによつて作出することがで きる。 また、 該 DNA転移方法により、 体細胞、 生体の臓器、 組織細胞などに目 的とする本発明の外来性 DN Aを転移し、 細胞培養、 組織培養などに利用するこ ともでき、 さらに、 これら細胞を上述の胚芽細胞と公知の細胞融合法により融合 させることにより本発明の DN A転移動物を作出することもできる。
非ヒト哺乳動物としては、 例えば、 ゥシ、 ブ夕、 ヒッジ、 ャギ、 ゥサギ、 ィヌ、 ネコ、 モルモット、 ハムスター、 マウス、 ラットなどが用いられる。 なかでも、 病体動物モデル系の作成の面から個体発生および生物サイクルが比較的短く、 ま た、 繁殖が容易なゲッ歯動物、 とりわけマウス (例えば、 純系として、 C 57B L/6系統, DBA2系統など、 交雑系として、 B6C3F1系統, BDF1系統, B 6D2 F1系統, BALBZc系統, I CR系統など) またはラット (例えば、 Wi s t a r, SDなど) などが好ましい。
哺乳動物において発現しうる組換えベクターにおける 「哺乳動物」 としては、 上記の非ヒト哺乳動物の他にヒトなどがあげられる。
本発明の外来性 DNAとは、 非ヒト哺乳動物が本来有している本発明の DNA ではなく、 いったん哺乳動物から単離 ·抽出された本発明の DNAをいう。
本発明の変異 DNAとしては、 元の本発明の DN Aの塩基配列に変異 (例えば、 突然変異など) が生じたもの、 具体的には、 塩基の付加、 欠損、 他の塩基への置 換などが生じた DNAなどが用いられ、 また、 異常 DNAも含まれる。
該異常 DNAとしては、 異常な本発明の TGR25を発現させる DNAを意味 し、 例えば、 正常な本発明の TGR 25の機能を抑制する TGR 25を発現させ る D N Aなどが用いられる。
本発明の外来性 DNAは、 対象とする動物と同種あるいは異種のどちらの哺乳 動物由来のものであってもよい。 本発明の DNAを対象動物に転移させるにあた つては、 該 DNAを動物細胞で発現させうるプロモータ一の下流に結合した DN Aコンストラクトとして用いるのが一般に有利である。 例えば、 本発明のヒ卜 D N Aを転移させる場合、 これと相同性が高い本発明の DN Aを有する各種哺乳動 物 (ゥサギ、 ィヌ、 ネコ、 モルモット、 ハムスター、 ラット、 マウスなど) 由来 の DN Aを発現させうる各種プロモーターの下流に、 本発明のヒト DNAを結合 した DNAコンストラクト (例えば、 ベクタ一) を対象哺乳動物の受精卵、 例え ば、 マウス受精卵へマイクロインジェクションすることによって本発明の DN A を高発現する DNA転移哺乳動物を作出することができる。
本発明の TGR 25の発現べクタ一としては、 大腸菌由来のプラスミド、 枯草 菌由来のプラスミド、 酵母由来のプラスミド、 λファージなどのパクテリオファ ージ、 モロニ一白血病ウィルスなどのレトロウイルス、 ワクシニアウィルスまた はバキュロウィルスなどの動物ウィルスなどが用いられる。 なかでも、 大腸菌由 来のプラスミド、 枯草菌由来のプラスミドまたは酵母由来のプラスミドなどが好 ましく用いられる。
上記の DNA発現調節を行なうプロモーターとしては、 例えば、 (i) ウィル ス (例、 シミアンウィルス、 サイトメガロウィルス、 モロニ一白血病ウィルス、 J Cウィルス、 乳癌ウィルス、 ポリオウイルスなど) に由来する DNAのプロモ 一ター、 (ii) 各種哺乳動物 (ヒト、 ゥサギ、 ィヌ、 ネコ、 モルモット、 ハムス ター、 ラット、 マウスなど) 由来のプロモータ一、 例えば、 アルブミン、 インス
リン I I、 ゥロプラキン I I、 エラスター if、 エリスロポエチン、 エンドセリン、 筋クレアチンキナーゼ、 グリア線維性酸性タンパク質、 ダルタチオン S—トラン スフエラ一ゼ、 血小板由来成長因子 3、 ケラチン Kl, 10ぉょび1^14、 コ ラーゲン I型および I I型、 サイクリック AMP依存タンパク質キナーゼ βΐサ ブユニット、 ジストロフィン、 酒石酸抵抗性アルカリフォスファターゼ、 心房ナ トリウム利尿性因子、 '内皮レセプターチ口シンキナーゼ (一般に T i e 2と略さ れる) 、 ナトリウムカリウムアデノシン三リン酸化酵素 (Na, K-ATP a s e) 、 ニューロフィラメント軽鎖、 メタ口チォネイン Iおよび I I A、 メタロブ 口ティナ一ゼ 1組織インヒビ夕一、 MHCクラス I抗原 (H— 2L) 、 H— r a s、 レニン、 ドーパミン] 3—水酸化酵素、 甲状腺ペルォキシダーゼ (TPO) 、 ペプチド鎖延長因子 1 (EF- 1 α) 、 βァクチン、 αおよび j3ミオシン重鎖、 ミオシン軽鎖 1および 2、 ミエリン基礎タンパク質、 チログロブリン、 Thy— 1、 免疫グロブリン、 H鎖可変部 (VNP) 、 血清アミロイド Pコンポーネント、 ミオグロビン、 トロポニン C、 平滑筋 αァクチン、 プレブ口エンケフアリン Α、 バソプレシンなどのプロモーターなどが用いられる。 なかでも、 全身で高発現す ることが可能なサイトメガロウィルスプロモーター、 ヒトペプチド鎖延長因子 1 a (EF- 1 α) のプロモータ一、 ヒトおよびニヮトリ /3ァクチンプロモ一タ一 などが好適である。
上記べクタ一は、 DNA転移哺乳動物において目的とする mRNAの転写を終 結する配列 (一般に夕一ミネ一ターと呼ばれる) を有していることが好ましく、 例えば、 ウィルス由来およぴ各種哺乳動物由来の各 DNAの配列を用いることが でき、 好ましくは、 シミアンウィルスの SV40ターミネ一夕一などが用いられ る。
その他、 目的とする外来性 DNAをさらに高発現させる目的で各 DNAのスプ ライシングシグナル、 ェンハンサー領域、 真核 DN Aのイントロンの一部などを プロモーター領域の 5' 上流、 プロモーター領域と翻訳領域間あるいは翻訳領域 の 3' 下流に連結することも目的により可能である。
正常な本発明の TGR 25の翻訳領域は、 ヒトまたは各種哺乳動物 (ゥサギ、 ィヌ、 ネコ、 モルモット、 ハムスター、 ラット、 マウスなど) 由来の肝臓、 腎臓、
甲状腺細胞、 線維芽細胞由来 DNAおよび市販の各種ゲノム DNAライブラリー よりゲノム DNAの全てあるいは一部として、 または肝臓、 腎臓、 甲状腺細胞、 線維芽細胞由来 RNAより公知の方法により調製された相補 DNAを原料として 取得することが出来る。 また、 外来性の異常 DNAは、 上記の細胞または組織よ り得られた正常な TGR 25の翻訳領域を点突然変異誘発法により変異した翻訳 領域を作製することができる。
該翻訳領域は転移動物において発現しうる DNAコンストラクトとして、 前記 のプロモータ一の下流および所望により転写終結部位の上流に連結させる通常の DN Aェ 的手法により作製することができる。
受精卵細胞段階における本発明の外来性 DN Aの転移は、 対象哺乳動物の胚芽 細胞および体細胞のすべてに存在するように確保される。 DNA転移後の作出動 物の胚芽細胞において、 本発明の外来性 DNAが存在することは、 作出動物の後 代がすべて、 その胚芽細胞および体細胞のすべてに本発明の外来性 DNAを保持 することを意味する。 本発明の外来性 DN Aを受け継いだこの種の動物の子孫は その胚芽細胞および体細胞のすべてに本発明の外来性 DN Aを有する。
本発明の外来性正常 DN Aを転移させた非ヒト哺乳動物は、 交配により外来性 DN Aを安定に保持することを確認して、 該 DN A保有動物として通常の飼育環 境で継代飼育することが出来る。
受精卵細胞段階における本発明の外来性 DN Aの転移は、 対象哺乳動物の胚芽 細胞および体細胞の全てに過剰に存在するように確保される。 DNA転移後の作 出動物の胚芽細胞において本発明の外来性 DN Aが過剰に存在することは、 作出 動物の子孫が全てその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の外来性 DNAを過 剰に有することを意味する。 本発明の外来性 DN Aを受け継いだこの種の動物の 子孫はその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の外来性 DNAを過剰に有する。 導入 DNAを相同染色体の両方に持つホモザィゴート動物を取得し、 この雌雄 の動物を交配することによりすべての子孫が該 N Aを過剰に有するように繁殖 継代することができる。
本発明の正常 DNAを有する非ヒ卜哺乳動物は、 本発明の正常 DNAが高発現 させられており、 内在性の正常 DN Aの機能を促進することにより最終的に本発
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107 明の TGR25の機能亢進症を発症することがあり、 その病態モデル動物として 利用することができる。 例えば、 本発明の正常 DNA転移動物を用いて、 本発明 の TGR25の機能亢進症や、 本発明の TGR25が関連する疾患の病態機序の 解明およびこれらの疾患の治療方法の検討を行なうことが可能である。 また、 本 発明の外来性正常 DNAを転移させた哺乳動物は、 本発明の TGR25の増加症 状を有することから、 本発明の TGR25に関連する疾患に対する治療薬のスク' リーニング試験にも利用可能である。
一方、 本発明の外来性異常 DNAを有する非ヒト哺乳動物は、 交配により外来 性 D N Aを安定に保持することを確認して該 D N A保有動物として通常の飼育環 境で継代飼育することが出来る。 さらに、 目的とする外来 DNAを前述のプラス ミドに組み込んで原料として用いることができる。 プロモータ一との DN Aコン ストラク卜は、 通常の DNA工学的手法によって作製することができる。 受精卵 細胞段階における本発明の異常 DNAの転移は、 対象哺乳動物の胚芽細胞および 体細胞の全てに存在するように確保される。 DN A転移後の作出動物の胚芽細胞 において本発明の異常 DNAが存在することは、 作出動物の子孫が全てその胚芽 細胞および体細胞の全てに本発明の異常 DN Aを有することを意味する。 本発明 の外来性 DNAを受け継いだこの種の動物の子孫は、 その胚芽細胞および体細胞 の全てに本発明の異常 DN Aを有する。 導入 DN Aを相同染色体の両方に持つホ モザィ ート動物を取得し、 この雌雄の動物を交配することによりすべての子孫 が該 D N Aを有するように繁殖継代することができる。
本発明の異常 DNAを有する非ヒト哺乳動物は、 本発明の異常 DNAが高発現 させられており、 内在性の正常 D N Aの機能を阻害することにより最終的に本発 明の TGR25の機能不活性型不応症となることがあり、 その病態モデル動物と して利用することができる。 例えば、 本発明の異常 DNA転移動物を用いて、 本 発明の TGR 25の機能不活性型不応症の病態機序の解明およびこの疾患を治療 方法の検討を行なうことが可能である。
また、 具体的な利用可能性としては、 本発明の異常 DN A高発現動物は、 本発 明の TGR25の機能不活性型不応症における本発明の異常 TGR 25による正 常 TGR25の機能阻害 (dominant negative作用) を解明するモデルとなる。
また、 本発明の外来異常 DNAを転移させた哺乳動物は、 本発明の TGR25 の増加症状を有することから、 本発明の TGR25またはの機能不活性型不応症 に対する治療薬スクリーニング試験にも利用可能である。
また、 上記 2種類の本発明の DNA転移動物のその他の利用可能性として、 例 えば、 '
( i ) 組織培養のための細胞源としての使用、
(ii) 本発明の DNA転移動物の組織中の DNAもしくは RN Aを直接分析する 、 または DNAにより発現された TGR25組織を分析することによる、 本発 明の TGR 25により特異的に発現あるいは活性化する TGR 25との関連性に ついての解析、
(iii) DNAを有する組織の細胞を標準組織培養技術により培養し、 これらを 使用して、 一般に培養困難な組織からの細胞の機能の研究、
(iv) 上記 (iii) 記載の細胞を用いることによる細胞の機能を高めるような薬 剤のスクリーニング、 および
(V) 本発明の変異 TGR 25を単離精製およびその抗体作製などが考えられる。 さらに、 本発明の DNA転移動物を用いて、 本発明の TGR25の機能不 生 型不応症などを含む、 本発明の TGR25に関連する疾患の臨床症状を調べるこ とができ、 また、 本発明の TGR 25に関連する疾患モデルの各臓器におけるよ り詳細な病理学的所見が得られ、 新しい治療方法の開発、 さらには、 該疾患によ る二次的疾患の研究および治療に貢献することができる。
また、 本発明の DNA転移動物から各臓器を取り出し、 細切後、 卜リブシンな どのタンパク質分解酵素により、 遊離した DN A転移細胞の取得、 その培養また はその培養細胞の系統化を行なうことが可能である。 さらに、 本発明の TGR2 5産生細胞の特定化、 アポト一シス、 分化あるいは増殖との関連性、 またはそれ らにおけるシグナル伝達機構を調べ、 それらの異常を調べることなどができ、 本 発明の TGR 25およびその作用解明のための有効な研究材料となる。
さらに、 本発明の DNA転移動物を用いて、 本発明の TGR 25の機能不活性 型不応症を含む、 本発明の TGR25に関連する疾患の治療薬の開発を行なうた めに、 上述の検査法および定量法などを用いて、 有効で迅速な該疾患治療薬のス
クリーニング法を提供することが可能となる。 また、 本発明の DNA転移動物ま たは本発明の外来性 DNA発現べクタ一を用いて、 本発明の TGR25が関連す る疾患の DN A治療法を検討、 開発することが可能である。 (12) ノックアウト動物
本発明は、 本発明の DN Aが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞および本 発明の DNA発現不全非ヒト哺乳動物を提供する。
すなわち、 本発明は、
C 1〕 本発明の D N Aが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞、
〔2〕 該 DNAがレポ一夕一遺伝子 (例、 大腸菌由来の 3—ガラクトシダ一ゼ遺 伝子) を導入することにより不活性化された第 〔1〕 項記載の胚幹細胞、
〔3〕 ネオマイシン耐性である第 〔1〕 項記載の胚幹細胞、
〔4〕 非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第 〔1〕 項記載の胚幹細胞、
〔5〕 ゲッ歯動物がマウスである第 〔4〕 項記載の胚幹細胞、
〔6〕 本発明の DNAが不活性化された該 DNA発現不全非ヒト哺乳動物、
〔7〕 該 DNAがレポ一夕一遺伝子 (例、 大腸菌由来の i3—ガラク卜シダーゼ遺 伝子) を導入することにより不活性化され、 該レポ一ター遺伝子が本発明の DN Aに対するプロモーターの制御下で発現しうる第 〔6〕 項記載の非ヒト哺乳動物、 〔8〕 非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第 〔6〕 項記載の非ヒト哺乳動物、 〔9〕 ゲッ歯動物がマウスである第 〔8〕 項記載の非ヒト哺乳動物、 および
〔10〕 第 〔7〕 項記載の動物に、 試験化合物を投与し、 レポ一ター遺伝子の発 現を検出することを特徴とする本発明の DN Aに対するプロモーター活性を促進 または阻害する化合物またはその塩の、 血清応答因子遺伝子の発現上昇、 TGR 25タンパク質の細胞内局在の変化を提供する。
本発明の DNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞とは、 該非ヒト哺乳 動物が有する本発明の DNAに人為的に変異を加えることにより、 DNAの発現 能を抑制するか、 もしくは該 DNAがコードしている本発明の TGR25の活性 を実質的に喪失させることにより、 DNAが実質的に本発明の TGR25の発現 能を有さない (以下、 本発明のノックアウト DNAと称することがある) 非ヒト
哺乳動物の胚幹細胞 (以下、 ES細胞と略記する) をいう。
非ヒト哺乳動物としては、 前記と同様のものが用いられる。
本発明の DNAに人為的に変異を加える方法としては、 例えば、 遺伝子工学的 手法により該 DN A配列の一部又は全部の削除、 他 DNAを揷入または置換させ ることによって行なうことができる。 これらの変異により、 例えば、 コドンの読 み取り枠をずらしたり、 プロモ一夕一あるいはェキソンの機能を破壊することに より本発明のノックアウト DN Aを作製すればよい。
本発明の DN Aが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞 (以下、 本発明の D N A不活性化 E S細胞または本発明のノックアウト E S細胞と略記する) の具体 例としては、 例えば、 目的とする非ヒト哺乳動物が有する本発明の DNAを単離 し、 そのェキソン部分にネオマイシン耐性遺伝子、 ハイグロマイシン耐性遺伝子 を代表とする薬剤耐性遺伝子、 あるいは l a c Z ()3—ガラクトシダ一ゼ遺伝 子) 、 c a t (クロラムフエニコールァセチルトランスフェラ一ゼ遺伝子) を代 表とするレポ一夕一遺伝子等を挿入することによりェキソンの機能を破壊するか、 あるいはェキソン間のィントロン部分に遺伝子の転写を終結させる D N A配列 (例えば、 poIyA付加シグナルなど) を揷入し、 完全な mRNAを合成できなく することによって、 結果的に遺伝子を破壊するように構築した DNA配列を有す る DNA鎖 (以下、 夕一ゲッティングベクターと略記する) を、 例えば相同組換 え法により該動物の染色体に導入し、 得られた ES細胞について本発明の DNA 上あるいはその近傍の D N A配列をプローブとしたサザンハイブリダイゼ一ショ ン解析あるいはターゲッティングベクタ一上の DNA配列とターゲッティングべ クタ一作製に使用した本発明の DN A以外の近傍領域の DN A配列をプライマ一 とした PC R法により解析し、 本発明のノックアウト ES細胞を選別することに より得ることができる。
また、 相同組換え法等により本発明の DNAを不活化させる元の ES細胞とし ては、 例えば、 前述のような既に樹立されたものを用いてもよく、 また公知の Evansと Kaufmanの方法に準じて新しく樹立したものでもよい。 例えば、 マウスの ES細胞の場合、 現在、 一般的には 129系の ES細胞が使用されているが、 免 疫学的背景がはつきりしていないので、 これに代わる純系で免疫学的に遺伝的背
景が明らかな ES細胞を取得するなどの目的で例えば、 C57BLZ6マウスや C 57 BL/6の採卵数の少なさを DBAZ2との交雑により改善した BDF1 マウス (C 57 BLノ 6と DBA/2との F1) を用いて樹立したものなども良 好に用いうる。 BDF1マウスは、 採卵数が多く、 かつ、 卵が丈夫であるという 利点に加えて、 C 57 BLZ 6マウスを背景に持つので、 これを用いて得られた ES細胞は病態モデルマウスを作出したとき、 C57BLZ6マウスとパックク ロスすることでその遺伝的背景を C 57BL/6マウスに代えることが可能であ る点で有利に用い得る。
また、 ES細胞を樹立する場合、 一般には受精後 3.5日目の胚盤胞を使用す るが、 これ以外に 8細胞期胚を採卵し胚盤胞まで培養して用いることにより効率 よく多数の初期胚を取得することができる。 また、 雌雄いずれの ES細胞を用い てもよいが、 通常雄の ES細胞の方が生殖系列キメラを作出するのに都合が良い。 また、 煩雑な培養の手間を削減するためにもできるだけ早く雌雄の判別を行なう ことが望ましい。
ES細胞の雌雄の判定方法としては、 例えば、 PCR法により Y染色体上の性 決定領域の遺伝子を増幅、 検出する方法が、 その 1例としてあげることができる。 この方法を使用すれば、 従来、 核型分析をするのに約 106個の細胞数を要して いたのに対して、 1コロニー程度の ES細胞数 (約 50個) で済むので、 培養初 期における E S細胞の第一次セレクションを雌雄の判別で行なうことが可能であ り、 早期に雄細胞の選定を可能にしたことにより培養初期の手間は大幅に削減で きる。
また、 第二次セレクションとしては、 例えば、 G—バンデイング法による染色 体数の確認等により行うことができる。 得られる E S細胞の染色体数は正常数の 100%が望ましいが、 樹立の際の物理的操作等の関係上困難な場合は、 ES細 胞の遺伝子をノックアウトした後、 正常細胞 (例えば、 マウスでは染色体数が 2 n = 40である細胞) に再びクローニングすることが望ましい。- このようにして得られた胚幹細胞株は、 通常その増殖性は大変良いが、 個体発 生できる能力を失いやすいので、 注意深く継代培養することが必要である。 例え ば、 S TO繊維芽細胞のような適当なフィーダ一細胞上で L I F (1〜1000
OU/πιΓ)存在下に炭酸ガス培養器内 (好ましくは、 5%炭酸ガス、 95%空気ま たは 5%酸素、 5%炭酸ガス、 90%空気) で約 37口で培養するなどの方法で 培養し、 継代時には、 例えば、 トリプシン ZEDTA溶液 (通常 0.001〜0. 5%トリプシン/ 0. l〜5mM EDTA、 好ましくは約 0.1%トリプシン/ ImM EDTA) 処理により単細胞化し、 新たに用意したフィーダ一細胞上に 播種する方法などがとられる。 このような継代は、 通常 1〜3日每に行なうが、 この際に細胞の観察を行い、 形態的に異常な細胞が見受けられた場合はその培養 細胞は放棄することが望まれる。
ES細胞は、 適当な条件により、 高密度に至るまで単層培養するか、 または細 胞集塊を形成するまで浮遊培養することにより、 頭頂筋、 内臓筋、 心筋などの 種々のタイプの細胞に分化させることが可能であり 〔M. J. Evansおよび M. H. Kaufman, ネィチヤ一 (Nature) 第 292卷、 154頁、 1981年; G. R. Martin プロ シ一ディングス ·ォブ ·ナショナル ·アカデミー ·ォブ ·サイエンス ·ュ一エス ェ一 (Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.) 第 78巻、 7634頁、 1981年; Τ· C.
Doetschman ら、 ジャーナル ·ォブ ·ェンブリオロジー ·アンド ·ェクスぺリメ ンタル 'モルフォロジ一、 第 87巻、 27頁、 1985年〕 、 本発明の ES細胞を分化さ せて得られる本発明の D N A発現不全細胞は、 インビト口における本発明の T G R25または本発明の TGR 25の細胞生物学的検討において有用である。
本発明の DNA発現不全非ヒト哺乳動物は、 該動物の mRNA量を公知の方法 を用いて測定して間接的にその発現量を比較することにより、 正常動物と区別す ることが可能である。
該非ヒト哺乳動物としては、 前記と同様のものが用いられる。
本発明の DN A発現不全非ヒ卜哺乳動物は、 例えば、 前述のようにして作製し たターゲッティングベクターをマウス胚幹細胞またはマウス卵細胞に導入し、 導 入により夕一ゲッティングベクターの本発明の DN Aが不活性化された DN A配 列が遺伝子相同組換えにより、 マウス胚幹細胞またはマウス卵細胞の染色体上の 本発明の DN Aと入れ換わる相同組換えをさせることにより、 本発明の DN Aを ノックアウトさせることができる。
本発明の D N Aがノックアウトされた細胞は、 本発明の D N A上またはその近
傍の D N A配列をプローブとしたサザンハイブリダイゼーション解析または夕一 ゲッティングベクタ一上の D N A配列と、 夕ーゲッティングベクターに使用した マウス由来の本発明の D N A以外の近傍領域の D N A配列とをプライマ一とした P C R法による解析で判定することができる。 非ヒト哺乳動物胚幹細胞を用いた 場合は、 遺伝子相同組換えにより、 本発明の D N Aが不活性化された細胞株をク ローニングし、 その細胞を適当な時期、 例えば、 8細胞期の非ヒト哺乳動物胚ま たは胚盤胞に注入し、 作製したキメラ胚を偽妊娠させた該非ヒト哺乳動物の子宮 に移植する。 作出された動物は正常な本発明の D NA座をもつ細胞と人為的に変 異した本発明の D N A座をもつ細胞との両者から構成されるキメラ動物である。 該キメラ動物の生殖細胞の一部が変異した本発明の D NA座をもつ場合、 このよ うなキメラ個体と正常個体を交配することにより得られた個体群より、 全ての組 織が人為的に変異を加えた本発明の D N A座をもつ細胞で構成された個体を、 例 えば、 コートカラーの判定等により選別することにより得られる。 このようにし て得られた個体は、 通常、 本発明の T G R 2 5のへテロ発現不全個体であり、 本 発明の T G R 2 5のへテロ発現不全個体同志を交配し、 それらの産仔から本発明 の T G R 2 5のホモ発現不全個体を得ることができる。
卵細胞を使用する場合は、 例えば、 卵細胞核内にマイクロインジェクション法 で D N A溶液を注入することによりターゲッティングベクタ を染色体内に導入 したトランスジエニック非ヒト哺乳動物を得ることができ、 これらのトランスジ エニック非ヒト哺乳動物に比べて、 遺伝子相同組換えにより本発明の D N A座に 変異のあるものを選択することにより得られる。
このようにして本発明の D N Aがノックアウトされている個体は、 交配により 得られた動物個体も該 D N Aがノックアウトされていることを確認して通常の飼 育環境で飼育継代を行なうことができる。
さらに、 生殖系列の取得および保持についても常法に従えばよい。 すなわち、 該不活化 D N Aの保有する雌雄の動物を交配することにより、 該不活化 D N Aを 相同染色体の両方に持つホモザィゴ一ト動物を取得しうる。 得られたホモザィゴ —ト動物は、 母親動物に対して、 正常個体 1, ホモザィゴート複数になるような 状態で飼育することにより効率的に得ることができる。 ヘテロザィゴート動物の
雌雄を交配することにより、 該不活化 D N Aを有するホモザィゴートおよびへテ ロザィゴ一ト動物を繁殖継代する。
本発明の D NAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞は、 本発明の D NA 発現不全非ヒ卜哺乳動物を作出する上で、 非常に有用である。 また、 本発明の D NA発現不全非ヒト哺乳動物は、 本発明の T G R 2 5により誘導され得る種々の 生物活性を欠失するため、 本発明の T G R 2 5の生物活性の不活性化を原因とす る疾病のモデルとなり得るので、 これらの疾病の原因究明および治療法の検討に 有用である。 ( 1 2 a) 本発明の DNAの欠損や損傷などに起因する疾病に対して治療 ·予 防効果を有する化合物のスクリーニング方法
本発明の D NA発現不全非ヒト哺乳動物は、 本発明の D NAの欠損や損傷など に起因する疾病に対して治療 ·予防効果を有する化合物のスクリーニングに用い ることができる。
すなわち、 本発明は、 本発明の D NA発現不全非ヒト哺乳動物に試験化合物を 投与し、 該動物の変化を観察 ·測定することを特徴とする、 本発明の D NAの欠 損や損傷などに起因する疾病に対して治療 ·予防効果を有する化合物またはその 塩のスクリーニング方法を提供する。 該スクリーニング方法において用いられる 本発明の D NA発現不全非ヒト哺乳動物としては、 前記と同様のものがあげられ る。
試験化合物としては、 例えば、 ペプチド、 タンパク質、 枋体、 非ペプチド性化 合物、 合成化合物、 発酵生産物、 細胞抽出液、 植物抽出液、 動物組織抽出液、 血 漿などがあげられ、 これら化合物は新規な化合物であってもよいし、 公知の化合 物であってもよい。 試験化合物は塩を形成していてもよく、 試験化合物の塩とし ては、'生理学的に許容される金属塩、 アンモニゥム塩、 有機塩基との塩、 無機酸 との塩、 有機酸との塩、 塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。 金 属塩の好適な例としては、 例えばナトリウム塩、 カリウム塩などのアルカリ金属 塩;カルシウム塩、 マグネシウム塩、 バリウム塩などのアルカリ土類金属塩;ァ ルミニゥム塩などが挙げられる。 有機塩基との塩の好適な例としては、 例えばト
リメチルァミン、 トリェチルァミン、 ピリジン、 ピコリン、 2, 6—ルチジン、 エタノールァミン、 ジエタノールァミン、 トリエタノールァミン、 シクロへキシ どとの塩が挙げられる。 無機酸との塩の好適な例としては、 例えば塩酸、 臭化水 素酸、 硝酸、 硫酸、 リン酸などとの塩が挙げられる。 有機酸との塩の好適な例と しては、 例えばギ酸、 酢酸、 トリフルォロ酢酸、 フタル酸、 フマル酸、 シユウ酸、 酒石酸、 マレイン酸、 クェン酸、 コハク酸、 リンゴ酸、 メタンスルホン酸、 ベン ゼンスルホン酸、 p—トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。 塩基性アミ ノ酸との塩の好適な例としては、 例えばアルギニン、 リジン、 オル二チンなどと の塩が挙げられ、 酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、 例えばァスパラギン 酸、 グルタミン酸などとの塩が挙げられる。 具体的には、 本発明の D N A発現不全非ヒ卜哺乳動物を、 試験化合物で処理し、 無処理の対照動物と比較し、 該動物の各器官、 組織、 疾病の症状などの変化を指 標として試験化合物の治療 ·予防効果を試験することができる。 試験動物を試験 化合物で処理する方法としては、 例えば、 経口投与、 静脈注射などが用いられ、 試験動物の症状、 試験化合物の性質などにあわせて適宜選択することができる。 また、 試験化合物の投与量は、 投与方法、 試験化合物の性質などにあわせて適宜 選択することができる。
該スクリーニング方法において、 試験動物に試験化合物を投与した場合、 例え ば、 該試験動物の炎症症状が約 1 0 %以上、 好ましくは約 3 0 %以上、 より好ま しくは約 5 0 %以上改善した場合、 該試験化合物を上記の疾患に対して治療 ·予 防効果を有する化合物として選択することができる。
該スクリーニング方法を用いて得られる化合物は、 上記した試験化合物から選 ばれた化合物であり、 本発明の T G R 2 5の欠損や損傷などによって引き起こさ れる疾患 (例えば、 白血球減少症、 白血病、 リンパ腫、 悪性腫瘍、 潰瘍性大腸炎、 慢性関節リウマチ、 炎症性腸疾患、 扁桃腺疾患、 膠原病、 炎症性疾患、 白血球増 多症、 心不全、 遺伝性筋疾患、 筋ジストロフィー、 筋変性疾患、 心筋梗塞、 肥満、 糖尿病、 高脂血症、 動脈硬化症、 メタポリックシンドローム、 血小板減少症、 血
小板増加症、 癌 (例、 脳腫瘍、 下垂体腺腫、 神経膠腫、 聴神経鞘腫、 咽頭癌、 喉 頭癌、 舌癌、 胸腺腫、 中皮腫、 乳癌、 肺癌、 非小細胞肺癌、 小細胞肺癌、 胃癌、 食道癌、 大腸癌、 結腸癌、 直腸癌、 肝臓癌、 肝細胞癌、 塍癌、 滕内分泌腫瘍、 胆 管癌、 胆嚢癌、 陰茎癌、 腎臓癌、 腎盂癌、 尿管癌、 腎細胞癌、 精巣腫瘍、 前立腺 癌、 膀胱癌、 外陰癌、 子宮癌、 子宮類部癌、 子宮体部癌、 子宮肉腫、 絨毛性疾患、 膣癌、 卵巣癌、 卵巣胚細胞腫瘍、 皮膚癌、 悪性黒色腫、 菌状息肉症、 基底細胞腫、 軟部肉腫、 悪性リンパ腫、 ホジキン病、 骨髄異形成症候群、 多発性骨髄腫、 白血 病、 急性骨髄性白血病、 慢性骨髄性白血病、 急性リンパ性白血病、 慢性リンパ性 白血病、 成人 T細胞白血病、 慢性骨髄増殖性疾患、 滕内分泌腫瘍、 原発不明癌な ど) 、 肺水腫、 多臓器不全など) に対する安全で低毒性な治療 ·予防剤などの医 薬として使用することができる。 さらに、 上記スクリーニングで得られた化合物 から誘導される化合物も同様に用いることができる。
該スクリーニング方法で得られた化合物は塩を形成していてもよく、 該化合物 の塩としては、 生理学的に許容される金属塩、 アンモニゥム塩、 有機塩基との塩、 無機酸との塩、 有機酸との塩、 塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられ る。 金属塩の好適な例としては、 例えばナトリウム塩、 カリウム塩などのアル力 リ金属塩;カルシウム塩、 マグネシウム塩、 バリウム塩などのアルカリ土類金属 塩;アルミニウム塩などが挙げられる。 有機塩基との塩の好適な例としては、 例 えばトリメチルァミン、 トリェチルァミン、 ピリジン、 ピコリン、 2, 6—ルチ ジン、 エタノールァミン、 ジェタノ一ルァミン、 トリエタノールァミン、 シクロ へキシルァミン、 ジシクロへキシルァミン、 N, N'—ジベンジルエチレンジァ ミンなどとの塩が挙げられる。 無機酸との塩の好適な例としては、 例えば塩酸、 臭化水素酸、 硝酸、 硫酸、 リン酸などとの塩が挙げられる。 有機酸との塩の好適 な例としては、 例えばギ酸、 酢酸、 トリフルォロ酢酸、 フタル酸、 フマル酸、 シ ユウ酸、 酒石酸、 マレイン酸、 クェン酸、 コハク酸、 リンゴ酸、 メタンスルホン 酸、 ベンゼンスルホン酸、 p—トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。 塩 基性アミノ酸との塩の好適な例としては、 例えばアルギニン、 リジン、 オルニチ ンなどとの塩が挙げられ、 酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、 例えばァス パラギン酸、 グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
該スクリーニング方法で得られた化合物またはその塩を含有する医薬は、 前記 した本発明の TGR 25とリガンドぺプチドとの結合性またはシグナル伝達を変 化させる化合物を含有する医薬と同様にして製造することができる。
このようにして得られる製剤は、 安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒトまた は哺乳動物 (例えば、 ラッ卜、 マウス、 モルモット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥ シ、 ゥマ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、 対象疾患、 投与対象、 投与ルートなどによ り差異はあるが、 例えば、 該化合物を経口投与する場合、 一般的に炎症患者 (体 重 60 kgとして) においては、 一日につき該化合物を約 0.1〜: L 00mg、 好ましくは約 1. 0〜5 Omg、 より好ましくは約 1. 0〜20mg投与する。 非経口的に投与する場合は、 該化合物の 1回投与量は投与対象、 対象疾患などに よっても異なるが、 例えば、 該化合物を注射剤の形で通常、 炎症患者 (体重 60 kgとして) に投与する場合、 一日につき該化合物を約 0. 01〜30mg程度、 好ましくは約 0. 1〜2 Omg程度、 より好ましくは約 0. l〜10mg程度を 静脈注射により投与するのが好都合である。 他の動物の場合も、 体重 6 O kg当 たりに換算した量を投与することができる。
(12b) 本発明の DNAに対するプロモーターの活性を促進または阻害する 化合物をスクリーニング方法
本発明は、 本発明の DNA発現不全非ヒ卜哺乳動物に、 試験化合物を投与し、 レポーター遺伝子の発現を検出することを特徴とする本発明の DN Aに対するプ 口モーターの活性を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方 法を提供する。
上記スクリーエング方法において、 本発明の DN A発現不全非ヒト哺乳動物と しては、 前記した本発明の DNA発現不全非ヒト哺乳動物の中でも、 本発明の D N Aがレポーター遺伝子を導入することにより不活性化され、 該レポーター遺伝 子が本発明の D N Aに対するプロモーターの制御下で発現しうるものが用いられ る。
試験化合物としては、 前記と同様のものがあげられる。
レポ一夕一遺伝子としては、 前記と同様のものが用いられ、 β—ガラクトシダ ーゼ遺伝子 (1 a c Z) 、 可溶性アルカリフォスファタ一ゼ遺伝子またはルシフ エラーゼ遺伝子などが好適である。 本発明の D N Aをレポーター遺伝子で置換さ れた本発明の DN A発現不全非ヒト哺乳動物では、 レポーター遺伝子が本発明の DNAに対するプロモーターの支配下に存在するので、 レポーター遺伝子がコー ドする物質の発現をトレースすることにより、 プロモーターの活性を検出するこ とができる。
例えば、 本発明の TGR25をコードする DN A領域の一部を大腸菌由来の )3 —ガラクトシダ一ゼ遺伝子 (1 a c Z) で置換している場合、 本来、 本発明の T GR25の発現する組織で、 本発明の TGR25の代わりに^—ガラクトシダー ゼが発現する。 従って、 例えば、 5—プロモー 4—クロ口— 3—インドリル—3 —ガラクトピラノシド (X— ga l) のような )3—ガラクトシダーゼの基質とな る試薬を用いて染色することにより、 簡便に本発明の TGR25の動物生体内に おける発現状態を観察することができる。 具体的には、 本発明の TGR25欠損 マウスまたはその組織切片をダルタルアルデヒドなどで固定し、 リン酸緩衝生理 食塩液 (PBS) で洗浄後、 X— g a 1を含む染色液で、 室温または 37ロ付近 で、 約 30分ないし 1時間反応させた後、 組織標本を ImM EDTAZPBS 溶液で洗浄することによって、 /3—ガラクトシダ一ゼ反応を停止させ、 呈色を観 察すればよい。 また、 常法に従い、 1 a c Zをコードする mRNAを検出しても よい。
上記スクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩は、 上記した試 験化合物から選ばれた化合物であり、 本発明の DN Aに対するプロモーター活性 を促進または阻害する化合物である。 該スクリーニング方法で得られた化合物は 塩を形成していてもよく、 該化合物の塩としては、 生理学的に許容される金属塩、 アンモニゥム塩、 有機塩基との塩、 無機酸との塩、 有機酸との塩、 塩基性または 酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。 金属塩の好適な例としては、 例えばナト リウム塩、 カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、 マグネシウム塩、 バリウム塩などのアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩などが挙げられる。 有機
塩基との塩の好適な例としては、 例えばトリメチルァミン、 トリェチルァミン、 ピリジン、 ピコリン、 2, 6—ルチジン、 ェタノ一ルァミン、 ジエタノールアミ ン、 トリエタノールァミン、 シクロへキシルァミン、 ジシクロへキシルァミン、 N, N'—ジベンジルエチレンジァミンなどとの塩が挙げられる。 無機酸との塩 の好適な例としては、 例えば塩酸、 臭化水素酸、 硝酸、 硫酸、 リン酸などとの塩 が挙げられる。 有機酸との塩の好適な例としては、 例えばギ酸、 酢酸、 トリフル ォロ酢酸、 フタル酸、 フマル酸、 シユウ酸、 酒石酸、 マレイン酸、 クェン酸、 コ ハク酸、 リンゴ酸、 メタンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸、 p—トルエンスル ホン酸などとの塩が挙げられる。 塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、 例 えばアルギニン、 リジン、 オル二チンなどとの塩が挙げられ、 酸性アミノ酸との 塩の好適な例としては、 例えばァスパラギン酸、 グルタミン酸などとの塩が挙げ られる。 本発明の D N Aに対するプロモータ一活性を促進する化合物またはその塩は、 本発明の T G R 2 5の発現を促進し、 該 T G R 2 5の機能を促進することができ るので、 例えば、 本発明の T G R 2 5の機能不全に関連する疾患の予防 ·治療剤 などの医薬として使用することができる。 具体的には、 該化合物は、 例えば、 抗 炎症剤として、 さらには、 例えば心不全、 遺伝性筋疾患、 筋ジズトロフィー、 筋 変性疾患、 心筋梗塞、 肥満、 糖尿病、 高脂血症、 動脈硬化症、 メ夕ポリックシン ドローム、 白血球減少症、 血小板減少症、 白血球増加症、 血小板増加症癌、 白血 病、 リンパ腫、 潰瘍性大腸炎、 慢性関節リウマチ、 肺水腫、 多臓器不全、 炎症性 腸疾患、 扁桃腺疾患、 膠原病、 炎症性疾患の予防 ·治療剤として、 低毒性で安全 な医薬として使用することができる。
本発明の D NAに対するプロモー夕一活性を阻害する化合物またはその塩は、 本発明の T G R 2 5の発現を阻害し、 該 T G R 2 5の機能を阻害することができ るので、 例えば、 本発明の T G R 2 5の発現過多に関連する疾患、 例えば、 心不 全、 遺伝性筋疾患、 筋ジズトロフィー、 筋変性疾患、 心筋梗塞、 肥満、 糖尿病、 高脂血症、 動脈硬化症、 メ夕ボリックシンドローム、 白血球減少症、 血小板減少 症、 白血球増加症、 血小板増加症癌、 白血病、 リンパ腫、 潰瘍性大腸炎、 慢性関
節リウマチ、 肺水腫、 多臓器不全、 炎症性腸疾患、 扁桃腺疾患、 膠原病、 炎症性 疾患などの予防 ·治療剤などの医薬として有用である。
さらに、 上記スクリ一ニングで得られた化合物から誘導される化合物も同様に 用いることができる。
該スクリーニング方法で得られた化合物またはその塩を含有する医薬は、 前記 した本発明の T G R25またはその塩とリガンドぺプチドとの結合性を変化させ る化合物を含有する医薬と同様にして製造することができる。
このようにして得られる製剤は、 安全で低毒性であるので、 例えば、 ヒトまた はその他の哺乳動物 (ラット、 マウス、 モルモット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥ シ、 ゥマ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、 対象疾患、 投与対象、 投与ルートなどによ り差異はあるが、 例えば、 本発明の DNAに対するズロモー夕一活性を促進する 化合物を経口投与する場合、 一般的に炎症患者 (体重 60 kgとして) において は、 一日につき該化合物を約 0.1〜100mg、 好ましくは約 1. 0〜50m g、 より好ましくは約 1. 0〜20mg投与する。 非経口的に投与する場合は、 該化合物の 1回投与量は投与対象、 対象疾患などによっても異なるが、 例えば、 本発明の DNAに対するプロ乇一夕一活性を促進する化合物を注射剤の形で通常、 炎症患者 (体重 60 kgとして) に投与する場合、 一日につき該ィ匕合物を約 0. 01〜 Omg程度、 好ましくは約 0. l〜20mg程度、 より好ましくは約 0· 1〜1 Omg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。 他の動物の場合 も、 体重 60 kg当たりに換算した量を投与することができる。
このように、 本発明の DNA発現不全非ヒト哺乳動物は、 本発明の DNAに対 するプロモーターの活性を促進または阻害する化合物またはその塩をスクリ一二 ングする上で極めて有用であり、 本発明の DN A発現不全に起因する各種疾患の 原因究明または予防 ·治療薬の開発に大きく貢献することができる。
また、 本発明の TGR 25のプロモーター領域を含有する DNAを使って、 そ の下流に種々のタンパク質をコードする遺伝子を連結し、 これを動物の卵細胞に 注入していわゆるトランスジエニック動物 (遺伝子移入動物) を作成すれば、 特 異的にその TGR25を合成させ、 その生体での作用を検討することも可能とな
る。 さらに上記プロモータ一部分に適当なレポ一ター遺伝子を結合させ、 これが 発現するような細胞株を樹立すれば、 本発明の TGR25そのものの体内での産 生能力を特異的に促進もしくは抑制する作用を持つ低分子化合物の探索系として 使用できる。 本明細書および図面において、 塩基やアミノ酸などを略号で表示する場合、 IUPAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclature による略号あるいは当該 分野における慣用略号に基づくものであり、 その例を下記する。 またアミノ酸に 関し光学異性体があり得る場合は、 特に明示しなければ L体を示すものとする。
DNA :デォキシリポ核酸
cDNA :相補的デォキシリポ核酸
A :アデニン
T :チミン
G :グァニン
C :シ卜シン
RNA : リポ核酸
mRNA :メッセンジャーリポ核酸
d ATP :デォキシアデノシン三リン酸
dTTP :デォキシチミジン三リン酸
dGTP :デォキシグアノシン三リン酸
dCTP :デォキシシチジン三リン酸
ATP :アデノシン三リン酸
EDTA :エチレンジァミン四酢酸
SDS : ドデシル硫酸ナトリウム
G 1 y :グリシン
A l a :ァラニン
Va 1 :バリン
Leu : ロイシン ■
I 1 e :イソロイシン
S e r :セリン
Th r :スレオニン
Cy s :システィン
Me t :メチォニン
G 1 u :グルタミン酸
As p :ァスパラギン酸
L y s : リジン
A r g :アルギニン
H i s :ヒスチジン
Ph e :フエニルァラニン
Ty r :チロシン
T r p : トリブトファン
P r o :プロリン
A s n :ァスパラギン
G 1 n :グルタミン
p G 1 u :ピログルタミン酸
:終止コドンに対応する
Me :メチル基
E t . :ェチル基
Bu :ブチル基
P h :フエニル基
TC :チアゾリジン— 4 (R) —力ルポキサミド基 また、 本明細 中で繁用される置換基、 保護基および試薬を下記 する。
T o s : p—トルエンスルフォニル
CHO :ホルミル
B z 1 :ベンジル
C12B z 1 : 2, 6—ジクロ口べンジル
Bom :ベンジルォキシメチル
Z :ベンジルォキシカルポニル
C 1一 Z : 2—クロ口べンジルォキシカルボニル
B r -Z : 2—ブロモベンジルォキシカルボニル
B o c : t—ブトキシカルポニル
DNP :ジニトロフエノール
T r t : 卜 Uチル
Bum : t一ブトキシメチル
Fmo c : N- 9一フルォレニルメトキシカルボ:: :ル
HOB t : 1ーヒドロキシベンズトリアゾール
HOOB t : 3, 4ージヒドロー 3—ヒドロキシ一 4
1, 2, 3—べンゾ卜リアジン
HONB :卜ヒドロキシ- 5-ノルボルネン -2, 3-ジカルボキシイミド DCC 本明細書の配列表の配列番号は、 以下の配列を示す。
[配列番号: 1] 本発明のヒト由来 TGR 25のアミノ酸配列を示す。
[配列番号: 2] 本発明のヒト由来 TGR 25をコードする cDNAの塩基配列 を示す。.
[配列番号: 3] 実施例 3で使用したプライマーを表す。
[配列番号: 4] 実施例 3で使用したプライマ一を表す。
[配列番号: 5] 実施例 3で使用したプローブを表す。
[配列番号: 6] 実施例 4で使用したプライマーを表す。
[配列番号: 7] 実施例 4で使用したプライマーを表す。
[配列番号: 8] 実施例 4で使用したプローブを表す。 実 施 例
以下に実施例を示して、 本発明をより詳細に説明するが、 これらは本発明の範 囲を限定するものではない。 なお、 大腸菌を用いての遺伝子は、 モレキュラー '
クローエング (Molecular cloning) に記載されている方法に従った。 実施例 1
GPCR発現プラスミ ドおよびレポータープラスミ ドの宿主細胞 (HeLa) での一過性 発現
まず、 公知の方法によつて作製した Gタンパク質共役型受容体タンパク質 TGR25 (配列番号: 1 ) をコードする cDNAを pAKKO- 111H (Biochem. Biophys. Acta, Hinuma, S. et al. , 1219, 251—259, 1994記載の pAKKO - 1. 111Hと同一のプラスミ ドベクター) に挿入した動物細胞用発現プラスミ ドを用いて、 大腸菌 JM109を 質転換し、 得られたコロニーを単離 '培養後、 QIAGEN Plasraid Maxi Kit (キア ゲン) を用いてプラスミ ドの大量調製を行なった。 また、 血清応答配列 (SRE) の下流にレポーターとしてルシフエラーゼ遺伝子が連結された pSRE_Luc
(Invitrogen) のレポータープラスミ ドおよび Gタンパク質の一種であるヒ ト GaoA、 ヒ ト Gpl、 ヒ ト GY2の発現ベクタープラスミ ドを同様にして調製した。
Gタンパク質共役型レセプタータンパク質発現プラスミ ドおよびレポータープ ラスミ ドを導入する宿主細胞としては、 HeLa細胞を用い、 384穴アツセィブレー ト (C0STAR 3704) に 4000細胞/穴、 培養液量 25μ1で播種し、 ー晚培養した。 培 地は DMEM (Invitrogen) に 10%のゥシ胎児血清と 1% MEM non - essential amino acids solutionを添加したもの (DMEM/NEAA) を用いた。
各プラスミ ドを 240ngAilの濃度に希釈し、 Gタンパク質共役型レセプタータン パク質の発現プラスミ ド、 あるいは対照実験としてレセプターの発現プラスミ の代りにレセプタータンパク質をコードする DNAを含まない発現べクタ一 pAKKO - 111Hのプラスミ ドを Ιμΐとレポータープラスミ ド 9μ1および GaoA、 Gpl、 Gy2の Gタ ンパク質発現プラスミ ド各 Ιμΐの割合で 240μ1の 0pti_MEM_I (Invitrogen) に添 加した。 これを、 同じく 240μ1の 0pti_MEM- 1に ΙΟμΙの Lipofectamine™ 2000
Reagent (Invitrogen) を添加したものと等量混合して、 添付のマニュアル記載 の方法に従ってリボソームとプラスミ ドの複合体を形成させた。 これらを 5μ1/ 穴ずつ HeLa細胞の培養液に添加し、 プラスミ ドの導入を行った後、 37°C、 5% C02 下で一晩培養した。
実施例 2
レポ一ターアツセィによる ガンド活性の検出
実施例 1で準備した HeLa細胞を、 ゥシ胎児血清を含まない DMEM/NEAA (アツセ ィ用培地) で 2回洗浄後、 ' 37°C、 5¾ C02下で 2時間培養した。 さらにアツセィ用培 地で 1回洗浄後、 0. 05% CHAPSを含むアツセィ用培地に溶解した AM251 (Bioraol) を各穴の細胞に添加した。 サンプル添加後に 37°C、 5% C02下で 4時間のインキュ ベーシヨンを行ない、 レセプ夕一を介したリガンドのァゴニスト活性によって惹 起される細胞内シグナル伝達に由来するレポーター遺伝子の転写 ·翻訳の促進を 誘導した。 インキュベーション終了後に各穴の培地を除去し、 ルシフェラーゼ活 性測定用の基質であるピツカジーン LT2. 0 (東洋インキ社) を 8 ずつ加えた。 細胞が溶解し、 基質と充分に混合した後、 各穴のレポーター遺伝子の発現誘導量 に由来する化学発光量をプレートリーダ一 (EnVis ion™、 パーキンエルマ一) に て測定した。
その結果、 表 1に示したように TGR25の発現細胞で AM251 (2^) 添加によって ルシフェラ一ゼ活性亢進が認められた。 一方、 対照の pAKKO- 111H導入細胞では、 AM251 (2^) を添加しても有意な活性の亢進は検出されなかった。
〔表 1〕.
TGR25発現細胞における AM251によるルシフェラーゼ活性 (cps) の亢進
AM251濃度 ( M) TGR25 pAKKO-l l lH (対照)
0 7527 6220
2 17897 5756
実施例 3
ヒト TGR25 niRNAの発現分布
mRNAの発現量の定量には ABI PRISM7700 SequenceDetector (アプライドバイオ システムズ社) を用いた。 発現量の定量に用いるプライマ一 [5, -
TGAGTGTGGGACAAATGCATGT-3' (配列番号: 3 ) 、 5'-ACACAGGTGAGGGTCATGTTAGG-3'
(配列番号: 4 ) ] とプロ一ブ [5,- ATCGTCTTCTCTCACCAGCGACCGC- 3, (配列番 号: 5 ) ] は、 ヒト型 TGR25の塩基配列 (配列番号: 2 ) をもとに ABI PRISM SequenceDetec tor専用のソフトウェア PrimerExpress (アプライドバイオシステ ムズ社) を利用してデザインした。 铸型となる cDNAは、 ヒト各種組織由来の全 RNA (クロンテック社) gからランダムプライマーを用いて逆転写反応して合 成したものを使用した。 逆転写反応は逆転写酵素として SuperScriptl l (GIBC0 BRL社) を使用し、 添付のプロトコールにしたがって行った。 ABI PRISM7700 SequenceDetectorの反応液は TaqMan Universal PCR Mas ter Mix (アプライドパ ィォシステムズ社) を 12. 1、 各プライマーを 0. 9 ¾1、 プロ一ブを 0. 25 ¾1、 cDNA 溶液を混合し、 蒸留水で 25^1として調製した。 ABI PRISM7700
SequenceDetectorでの反応は、 50°Cで 2分、 95°Cで 10分の後、 95°C · 15秒、 60°C · 1分のサイクルを 40回繰り返して行った。 ヒト各種組織での mRNAの発現分 布を図 1に示す。 骨髄で高い発現量が検出された。 実施例 4
マウス TGR25 mRNAの 3T3- L1細胞における発現
マウス由来 3T3- L1細胞は常法により培養した (前駆脂肪) 。 この細胞をインス リン (li^g/ml) 、 デキサメタゾン 2· 5/ίΜ、 ΙΒΜΧ 0. 5mM添加により 2日間分化誘 導をかけ、 その後インスリン (ΙΟ zg/ml) を含む培地で 12日間培養し、 脂肪細胞 へ分化させた。 それぞれの細胞より Isogen (二ツボンジーン社) を用いて、 マ二 ュアルにしたがい、 全 RNAを調製した。 铸型となる cDNAは、 実施例 1と同様の方 法で調製した。 mRNAの発現量の定量には ABI PRISM7700 SequenceDetector (ァプ ライドバイオシステムズ社) を用いた。 発現量の定量に用いるプライマー [5, - GCTGTCGGAACCTGTAGAGATCA-3 ' (配列番号: 6 ) 、 5,- TCCCAGMTACACAGGTGAGGAT - 3, (配列番号: 7 ) ] とプローブ [5,- TCCCATGAGCGTCAACCACCTMCGT- 3, (配列番 号: 8 ) ] は、 マウス型 TGR25の塩基配列 (Mol . Cel l . Bi ol . 20, 4405-4410 (2000) ) をもとに ABI PRISM SequenceDetector専用のソフトウェア
PrimerExpress (アプライドバイオシステムズ社) を利用してデザインした。 ABI
PRISM 7700 SequenceDetec torでの反応は、 50°Cで 2分、 95°Cで 10分の後、 95°C · 15秒、 60°C · 1分のサイクルを 40回繰り返して行った。 前駆脂肪細胞では 25ng全 RNAあたり 35コピーと発現量は非常に少なかったが、 脂肪細胞へ分化させると 25ng全 RNAあたり 81582コピーに上昇し、 脂肪分化により発現が上昇した。 実施例 5
CH0細胞に発現させた TGR25- GFP融合タンパク質の AM251添加による細胞内移行
TGR25の C末端に翻訳のフレ一ム合わせてォワンクラゲより単離された Green Fluorescent Prote in (GFP) cDNAをつないだ融合タンパク質を発現させるための 発現プラスミドを構築した。 その際 GFP cDNAには GFPの発現ベクター PQBI25 (宝 酒造) から切り出した断片を用いた。 TGR25は PCR法によりその終止コドンを制限 酵素 Nhelの認識配列に修正し、 ここに GFP断片を連結して、 実施例 1に記載の発 現ベクター pAKKO- 1 1 1Hに挿入した。 このようにして得た TGR25と GFPの融合夕ンパ ク質 (以下、 TGR25-GFP融合タンパク質) 発現べクタ一のプラスミドを用いて、 公知の方法で TGR25- GFPを安定的に発現する TGR25- GFP発現 CH0 (CHO-TGR25-GFP) を作製した。 これをチェンバー数 8つの Lab- Tekl lカバーグラスチェンバ一
(Nal en Nunc社) にまき、 37°C、 5¾ C02条件下で一晩培養した後、 共焦点顕微 鏡 (ライカ社) で GFPの蛍光像を観察した。 その後、'培地を AM251 ΙΟΟ^Μ含有の DMEM (Dulbecco' s Mod i f i ed Eagl e Medium) (GIBC0 BRL社) に置き換え、 37 、 5% C02条件下で 45分間反応させ、 共焦点顕微鏡で GFPの蛍光像の変化を観察した。 その結果、 AM251添加前には細胞膜を中心に検出された TGR25- GFP融合タンパク 質の一部が細胞質に移動していることが見出された。 このことは TGR25が AM251に 反応して細胞質へ移行、 すなわち AM251が TGR25に作用していることを示していた。 実施例 6
( 1 ) ヒト末梢血からの血球細胞の調製
健常人ポランティァ由来へパリン添加ヒト末梢血をリン酸緩衝生理食塩水 ( PBS) で 4倍に希釈し、 Fi col卜 Paque™ Plus (Amersham Biosc i ences) に重層 ' した。 800 Gで 40分間遠心した後、 浮遊層 (リンパ球および単球画分) および
沈澱層 (多形核白血球および赤血球画分) をそれぞれ回収し、 PBS (リン酸緩衝 生理食塩水) で 2 回洗浄した。 浮遊層画分はそのまま培養用培地 (10% 非働化 ゥシ胎児血清を含む RPMI1640培地) に懸濁してリンパ球 ·単球浮遊液とした。 沈澱層画分は滅菌水中で 40 秒間の浸透圧ショックによって溶血させた後、 1/10 容の 10倍濃縮 PBS を^加し、 さらに培養用培地で洗浄して同培地に懸濁し、 多形核白血球浮遊液とした。
(2) RT-PCR による TGR25 mRNA のヒト末梢血血球細胞での発現量の検討 血球細胞からの Total RNA の調製は、 上記で調製したリンパ球、 単球および 多形核白血球を用いて、 Isogen (二ツボンジーン) の処方に従って行なった。 得 られた Total RNA を DNasel (Amplification Grade, Invitrogen) で処理後、 l g を Superscript II RNase H" Reverse Transcriptase (Invitrogen) およ び Random Primers (Invitrogen) を用いて、 処方に従い cDNA を合成した。
cDNAは Total RNA換算で 25 ng/ ΐ の溶液とし、 以後の PCR反応の錡型とし て用いた。 PCR反応は Sequence Detection System Prism 7700 (Applied Biosysteras) を用い、 増幅と検出のためのプライマーおよび TaqMan probe は、 実施例 3 で用いたもの (配列番号: 3、 4 および配列番号: 5) を使用した。 PCR反応液は TaqMan Universal PCR Master Mix (Applied Biosys terns) 12.5 1 に、 それぞれ IOO M のプライマー溶液を 0.05 1、 5 M の TaqMan probe を 0.5 し および上記で調製した cDNA溶液を 0.5^1 加え、 蒸留水で総反応 液量を とした。 PCR反応は 50°C を 2 分、 95°C を 10 分の後、 95°C を 15秒、 60°C を 1 分のサイクルを 40 回繰り返した。 TGR25 mRNAの発現量は、 増幅 DNA を含む標準 DNA断片を铸型とした PCR反応から得られた検量線を用 いて Total RNA 25 ng 当りのコピー数として算出した。
結果を図 2に示す。 TGR25 が多形核白血球で特異的に高発現していた。 実施例 7
ヒト末梢血多形核白血球に対する AM251の MAPキナーゼ活性抑制作用
TGR25が高発現していると考えられるヒト末梢血多形核白血球に対し、 MAPキナ ーゼ (ERK1/2) の活性化 (リン酸化) 状態を指標に TGR25ァゴニスト (AM- 251) ■ の作用を調べた。 実施例 6— (1) に記載した方法に従って健常人末梢血より多
形核白血球の細胞集団を分離回収した。 該細胞は、 氷冷 HBSS (Hank' s balanced salt solution, インビトロジェン社)で 4xl06 cells/mlの濃度に懸濁後、 2x10, 胞 (0.5ml) ずつプラスチックチューブに分け、 37°Cで 5分間静置した。 その後、 AM251を終濃度 30 M、 10 iMになるように添加し、 37°Cで 5分間、 10分間、 30分間 静置、 遠心後、 上清を除未して細胞沈渣を得た。 該細胞には直ちに 50 1の Blue Loading Buffer (第一化学薬品) を添加し、 ピペッティングにて細胞を溶解した。 さらに該細胞溶解液を超音波処理後 95°Cで 5分間熱処理を行い、 遠心分離
(15,000 rpm, 4°C, 5分間) を行い、 上清を細胞粗蛋白質抽出液として得た。 次に該蛋白質 (各 10 1分) を 10% SDS-ポリアクリルアミドゲルで電気泳動後、 公知の方法にて PVDF膜 (BIO- RAD社)に電気的に転写した。 次に該膜をまず 5%ゥシ 血清アルブミンを含む TBS-T溶液(50 mM Tris-HCl (pH7.6), 150 mM NaCl, 0.05% Tween- 20)でブロッキング後、 一次抗体 (Phospho-p44/42 Map Kinase antibody; 第一化学薬品、 2000倍希釈) を含む TBS- T溶液に浸し、 室温で 1時間振とうした。 次に該膜を TBS- T溶液で洗浄後、 TBS-T溶液で 5000倍希釈したホースラディッシュ ペルォキシダ一ゼ標識二次抗体 (Goat Ant i -Rabbit IgG, HRP-conjugate, 第一 化学薬品)に浸し、 室温で 1時間浸とうした。 最後に該膜を TBS- T溶液で再洗浄後、 ECLplus Western Blotting Detection System (Amers am Biosciences社)とフレミ ノ ·イメージアナライザー (LAS- 1000; FUJIFILM)を用いて化学発光の検出を行つ た。
結果耷図 3に示す。
解析の結果、 A 251処理細胞ではヒト末梢血多形核白血球の MAPキナーゼ
(ERK1/2) のリン酸化 (活性化) が抑制されていることが明らかとなった。 実施例 8
HL- 60細胞株に対する AM251の分化促進作用
ヒト白血病細胞株 (ヒト急性前骨髄性白血病細胞由来) HL- 60は DMS0
(dimethyl sulfoxide)処理により好中球様細胞に分化することが知られている (Blood, 70, 1233-1244 (1987)) 。 実施例 3に準拠した遺伝子発現解析で該細 胞株での TGR25の発現が確認された。 そこで、 同細胞の分化への TGR25ァゴニスト である AM251の作用を調べた。
増殖期の HL- 60細胞を 10%ゥシ胎児血清含有 RPMI 1640培地で懸濁後、 12穴組織 培養プレート (日本べクトンディッキンソン社) に 5xl04細胞ずつ播種した。 該 細胞は、 DMS0 (終濃度 1.25%)存在下、 または DMS0 (終濃度 1.25%)と AM25 終濃度 10 M)共存下、 37° (:、 5%C02で 4日間培養することで分化誘導させた。 細胞分 化の程度は、 分化マーカ一である細胞表面抗原 CDllb/Mac- 1の発現量を指標に、 蛍光標識抗体 (PE-anti-human CDllb/Mac-K 日本べクトンディッキンソン社) と フローサイトメトリー (BD FACSVantage™、 日本べクトンディッキンソン 社) を用いて解析した。
結果を図 4に示す。
薬剤非添加コントロール細胞群に比べ、 1.25% DMS0処理 HL-60細胞群で CD11 b/Mac-1の発現亢進が認められたが、 AM251 (10 M)の共存下ではその発現量が さらに増大した。 AM251は HL- 60の好中球様細胞分化に対し、 促進的に作用する ことが明らかとなった。 実施例 9
レポ一夕一アツセィによる AM281および DH97のリガンド活性の検出
実施例 1と同様にして HeLa細胞に TGR25を一過性に発現させ、 実施例 2と同 様の方法で細胞を洗浄後、 CHAPSを含むアツセィ用培地に溶解した AM281
(T0CRIS) または DH97 (T0CRIS) を添加した。 さらに 37°C、 5%C02下で 4時間 のインキュベーション後、 実施例 2と同様にしてァゴニスト活性を測定した。 そ の結果、 表 2および表 3に示すように TGR25の発現細胞において、 AM281
(20^M) または DH97 (20/ M) の添加によりルシフェラ一ゼ活性亢進が認めら れた。 一方、 対照の ρΑΚΚΟ-lllH導入細胞では、 AM281 (20 iM) または DH97 (20 ¾0 を添加しても有意な活性の亢進は検出されなかった。
〔表 2〕
TGR25発現細胞における AM281によるルシフェラ一ゼ活性の亢進 (cps)
AM281 濃度 ( Μ) TGR25 pAK O-lllH (対照)
0 6113 4506
20 9279 4590
〔表 3〕
TGR25発現細胞における DH97によるルシフエラ一ゼ活性の亢進 (cps )
産業上の利用可能性
TGR 2 5とリガンドまたはその塩の結合性またはシグナル伝達を変化させる 化合物またはその塩は、 例えば、 白血球減少症、 白血病、 リンパ腫、 悪性腫瘍、 潰瘍性大腸炎、 慢性関節リウ チ、 炎症性腸疾患、 扁桃腺疾患、 膠原病、 炎症性 疾患、 白血球増多症、 心不全、 遺伝性筋疾患、 筋ジストロフィー、 筋変性疾患、 心筋梗塞、 肥満、 糖尿病、 高脂血症、 動脈硬化症、 メタポリックシンドローム、 血小板減少症、 血小板増加症、 癌、 肺水腫、 多臓器不全などの予防 ·治療作用を 有する。
TGR 2 5の活性を促進する^合物またはその塩 (例、 化合物 (I) 、 化合物 (II) など) 、 TGR 2 5とリガンドとの結合を促進する化合物またはその塩、 TGR 2 5などは、 例えば、 低毒性な、 白血球減少症、 白血病、 リンパ腫、 悪性 腫瘍、 潰瘍性大腸炎、 慢性関節リウマチ、 炎症性腸疾患、 扁桃腺疾患、 膠原病、 炎症性疾患などの予防 ·治療剤として有用である。
TGR 2 5の活性を阻害する化合物またはその塩、 TGR 2 5の抗体、 TGR 2 5のアンチセンスポリヌクレオチドなどは、 例えば、 低毒性な、 白血球増多症 の予防 ·治療剤または白血球賦活剤として有用である。
TGR 2 5およびそのリガンドは、 例えば、 白血球減少症、 白血病、 リンパ腫、 悪性腫瘍、 潰瘍性大腸炎、 慢性関節リウマチ、 炎症性腸疾患、 扁桃腺疾患、 膠原 病、 炎症性疾患、 白血球増多症、 心不全、 遺伝性筋疾患、 筋ジストロフィー、 筋 変性疾患、'心筋梗塞、 肥満、 糖尿病、 高脂血症、 動脈硬化症、 メタポリックシン ドローム、 血小板減少症、 血小板増加症、 癌、 肺水腫、 多臓器不全などの予防 · 治療作用を有する化合物またはその塩のスクリーニングに有用である。